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特開2022-130109スポーツ参加促進アドバイス方法提示システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130109
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】スポーツ参加促進アドバイス方法提示システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20220830BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20220830BHJP
   G16H 20/30 20180101ALI20220830BHJP
【FI】
A63B69/00 C
G09B19/00 Z
G16H20/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029089
(22)【出願日】2021-02-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)2020年2月25日 「日本スポーツマネジメント学会第12回大会(東海大学高輪キャンパス(東京都港区高輪2丁目3-23))にて発表
(71)【出願人】
【識別番号】502285457
【氏名又は名称】学校法人順天堂
(71)【出願人】
【識別番号】599011687
【氏名又は名称】学校法人 中央大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 悦子
(72)【発明者】
【氏名】酒折 文武
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊一
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】運動しない者に対し、スポーツへの参加促進のための効果的なアドバイスをすることができるように、運動指導者に対し適切なアドバイス方法を提示するシステム及びプログラムの提供。
【解決手段】スポーツへの参加を促進するために、運動指導者に、対象者の個性に応じた適切なアドバイス方法を提示するシステムであって、対象者に対する質問事項情報4a、7つの個性タイプ情報4b、アドバイス方法情報4cとを格納したデータベース部4を備え、データベース部から質問事項情報を検索し、表示部に質問事項を表示する手段と、対象者から質問事項に対する回答の入力を受けたときに、その個性因子情報に基づいて予め定めた分類アルゴリズムを適用して、7つの個性タイプの何れかに分類する手段と、データベース部から当該分類された個性タイプのアドバイス方法情報を検索し、表示部3にアドバイス方法を表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツへの参加を促進するために、運動指導者に、対象者の個性に応じた適切なアドバイス方法を提示するシステムであって、対象者に対する個性因子に関する質問事項情報と、7つの個性タイプ情報と、7つの個性タイプ情報毎に定めたアドバイス方法情報とを格納したデータベース部を備え、かつ、データベース部から対象者に対する個性因子に関する質問事項情報を検索し、表示部に質問事項を表示する手段と、対象者から質問事項に対する回答の入力を受けたときに、その個性因子情報に基づいて予め定めた分類アルゴリズムを適用して、7つの個性タイプの何れかに分類する手段と、データベース部から当該分類された個性タイプのアドバイス方法情報を検索し、表示部にアドバイス方法を表示する手段とを有することを特徴とするスポーツ参加促進アドバイス方法提示システム。
【請求項2】
コンピュータに、データベース部から対象者に対する個性因子に関する質問事項情報を検索し、表示部に質問事項を表示する手順と、対象者から質問事項に対する回答の入力を受けたときに、その個性因子情報に基づいて予め定めた分類アルゴリズムを適用して、7つの個性タイプの何れかに分類する手順と、データベース部から当該分類された個性タイプのアドバイス方法情報を検索し、表示部にアドバイス方法を表示する手順とを実行させるためのスポーツ促進アドバイス方法提示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動指導者が、運動しない者に対し、スポーツへの参加促進のための効果的なアドバイスをすることができるように、運動指導者に対し適切なアドバイス方法を提示するシステム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スポーツに関するアドバイスは、コーチやインストラクター、あるいは学校の体育教師等の運動指導者によって種々行われているが、これらのアドバイスは何れも運動する者に対するアドバイスであって、当該運動者の運動能力の強化向上を目的としてなされている。
そのため、従来の運動アドバイスプログラムや方法も運動者に対するアドバイスを前提とするものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
然るところ、昨今、特に若者の学校における体育嫌いに伴い、運動離れが問題になっており、スポーツ庁も体育の授業や部活動においてスポーツに対する幅広いニーズに対応すべく体育の授業や部活動について指導要領の改訂やガイドラインを策定し、2018年に公表している。
【0004】
しかしながら、上記の如く、従来のアドバイスは運動者に対するものであったため、運動をしたことがない者や、過去に運動をしたことはあるものの現在は中断している者に対してはそもそも何ら意味をなさず、スポーツへの参加を促進することなど到底期待し得べくもなかったのが実状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-360755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の如き従来の実状に鑑みてなされたものであり、運動指導者が、運動しない者に対し、スポーツへの参加を促進させるため効果的なアドバイスをするための適切なアドバイス方法を運動指導者に提示することができるシステム及びプログラムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題に解決すべく種々研究を重ねた結果、対象者の個性を7つのタイプに分類した上で、各タイプ毎に予めスポーツへの参加を促進するためのアドバイス方法を定めておけば、運動指導者に、対象者の個性に応じた適切なアドバイス方法を提示できることを見い出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、スポーツへの参加を促進するために、運動指導者に、対象者の個性に応じた適切なアドバイス方法を提示するシステムであって、対象者に対する個性因子に関する質問事項情報と、7つの個性タイプ情報と、7つの個性タイプ情報毎に定めたアドバイス方法情報とを格納したデータベース部を備え、かつ、データベース部から対象者に対する個性因子に関する質問事項情報を検索し、表示部に質問事項を表示する手段と、対象者から質問事項に対する回答の入力を受けたときに、その個性因子情報に基づいて予め定めた分類アルゴリズムを適用して、7つの個性タイプの何れかに分類する手段と、データベース部から当該分類された個性タイプのアドバイス方法情報を検索し、表示部にアドバイス方法を表示する手段とを有することを特徴とするスポーツ参加促進アドバイス方法提示システムにより上記課題を解決したものである。
【0009】
また、本発明は、コンピュータに、データベース部から対象者に対する個性因子に関する質問事項情報を検索し、表示部に質問事項を表示する手順と、対象者から質問事項に対する回答の入力を受けたときに、その個性因子情報に基づいて予め定めた分類アルゴリズムを適用して、7つの個性タイプの何れかに分類する手順と、データベース部から当該分類された個性タイプのアドバイス方法情報を検索し、表示部にアドバイス方法を表示する手順とを実行させるためのスポーツ促進アドバイス方法提示プログラムにより上記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、運動指導者に、対象者の個性に応じた適切なアドバイス方法を提示することができるので、効率的にスポーツへの参加促進を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明システムの第1の実施の形態を示す概略構成説明図。
図2】本発明システムの第2の実施の形態を示す概略構成説明図。
図3】本発明システムによる処理ステップの概略フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
【0013】
本発明システムの第1の実施の形態を示す図1において、1はシステム全体を統轄的に制御するアドバイス処理装置部で、入力部2及び表示部3を備えていると共に、データベース部4を備えている。ここに入力部2と表示部3は、アドバイス処理装置部1に直接接続されたものに限らず、インターネットを介してアドバイス処理装置部1に接続された端末の入力部と表示部であっても良い。
【0014】
当該アドバイス処理装置部1には、データベース部4から対象者に対する個性因子に関する質問事項情報を検索し、表示部3に質問事項を表示する手順と;対象者から質問事項に対する回答の入力を受けたときに、その個性因子情報に基づいて予め定めた分類アルゴリズムを適用して、7つの個性タイプの何れかに分類する手順と;データベース部4から当該分類された個性タイプのアドバイス方法情報を検索し、表示部3にアドバイス方法を表示する手順とを実行させるためのスポーツ参加促進アドバイス方法提示プログラムがインストールされている。
【0015】
当該データベース部4には、対象者に対する個性因子に関する質問事項情報4aと、7つの個性タイプ情報4bと、7つの個性タイプ毎に予め定めたアドバイス方法情報4cが格納されている。
【0016】
当該質問事項情報4aとしては、例えば年齢、性別、部活動状況等の個人的属性に関する質問事項;自信、自己満足、生産性、自由の感覚、勝利への欲求、家族の影響、スポーツへの認識、判断への恐怖等のスポーツに関する態度因子質問情報;目標達成、成功すること、競争、人として成長すること、何か価値があることをすること、外見をよくすること、健康を維持すること、楽しいこと、良い気分になること、リラックスするくつろぐこと、友人と時間を過ごすこと、家族と時間を過ごすこと、自主的であること等の人生におけるモチベーションに関する質問情報;注意を引き付ける、期待に応える、持続的に続けてもらう等のアプローチ方法に関する質問情報が挙げられる。
【0017】
当該7つの個性タイプ情報4bとしては、例えば第1タイプとして楽しさ追求タイプ、第2タイプとしてスポーツ熱中タイプ、第3タイプとして自立した自信家タイプ、第4タイプとして家族思いの成長追及タイプ、第5タイプとしてリラックス志向の慎重タイプ、第6タイプとして上昇志向のアスリートタイプ、第7タイプとしてマイウェイタイプが挙げられる。
【0018】
当該アドバイス方法情報4cとしては、「注意を引きつける」、「期待に応える」、「持続的に戻ってきてもらう」の3つの観点から、例えば、次のようなアドバイス方法情報が挙げられる。
【0019】
第1の楽しさ追求タイプに対して;
この楽しさ追求タイプの特徴は、自分の能力を中心に考えてスポーツ・身体活動を優先している。また、他人の視線から緊張や焦りが生まれ、失態につながることから、個人のペースで集中できるスポーツ・身体活動を行う傾向がある。さらに、競争がモチベーションを下げるが、人とのコミュニケーションや高評価のフィードバックによってモチベーションが高まる。よって、以上の特徴に留意し、提示されるアドバイス方法の情報としては以下のようなものが望ましい。
【0020】
1.「注意を引きつける(Attract their attention)」ためのアドバイス方法
1)経験したことのあるスポーツ・身体活動からアドバイスする
2)高い能力(身体能力など)は要らないことを示すアドバイスを行う
3)経験がある人からアドバイスする
4)家族の活動経験からアドバイスする
【0021】
2.「期待に応える(Deliver against their expectations)」ためのアドバイス方法
1)時間を管理してあげる
2)緊張・焦りを与えない、自分のペースでの活動の提供する
3)数多くの課題を課さない・責めない
4)交渉を受け入れる体制を整える
5)不適正、不適応を防ぐ(それらを感じさせない環境の提供)
【0022】
3.「持続的に戻ってきてもらう(Keep them coming back)」ためのアドバイス方法
1)競争をさせない
2)達成に対して報酬を与える
3)他者からの高評価のフィードバックを与える
4)継続していた活動を提供する
【0023】
第2のスポーツ熱中タイプに対して;
このスポーツ熱中タイプの特徴は、部活動への所属を重視し、タスク重視で、計画立案・実行というルーティン化を好む。また、他の人たちとのスポーツ・身体活動を好み、体を動かすことでストレスを発散する。さらに勝利願望が強い。よって、以上の特徴に留意し、提示されるアドバイス方法の情報としては以下のようなものが望ましい。
【0024】
1.「注意を引きつける(Attract their attention)」ためのアドバイス方法
1)環境が変化するときに活動機会を提供する
2)集団での活動であることをアピールする
3)こうなりたいと思う他者(理想とする人)から誘う
4)家族からのアドバイスする
【0025】
2.「期待に応える(Deliver against their expectations)」ためのアドバイス方法
1)ルーティンに組み込む
2)身体活動ができる場や機会を整えてあげる
3)活動開始までの導入時間を減少させる
4)組織のよい雰囲気を作る
5)人間関係が良好な組織を提供する
【0026】
3.「持続的に戻ってきてもらう(Keep them coming back)」ためのアドバイス方法
1)組織内他者からの高評価フィードバックを行う
2)勝利体験を提供する
【0027】
第3の自立した自信家タイプに対して;
この自立した自信家タイプの特徴は、SNSや趣味・遊びなどが生活の中心を占めている点である。また、時間的制約からその場による意思決定をするため、気分に寄る継続・停止・行動変更などが散見される。魅力発信可能な活動や遊戯的活動であるかを重視し、厳格な雰囲気や指導者からの影響の有無によって、ポジティブな場合は、明確な能力向上につながり、ネガティブな場合は環境変化による離脱・変更願望につながる傾向がある。さらに、好きな活動においては勝負などにこだわらないが、目標達成活動においては勝利願望が強い。よって、以上の特徴に留意し、提示されるアドバイス方法の情報としては以下のようなものが望ましい。
【0028】
1.「注意を引きつける(Attract their attention)」ためのアドバイス方法
1)自身が好む活動に、スポーツ・身体活動を取り入れる
2)上手くできるようなスポーツ活動を提供する
3)自己決定を促進する
【0029】
2.「期待に応える(Deliver against their expectations)」ためのアドバイス方法
1)気分で変更できるような雰囲気や環境を提供する
2)指導者の介入や厳しい雰囲気を減らす
3)「勝負」をする機会と与え「勝利」するいうプロセスを提供する
4)家族内における競争の雰囲気を作る
【0030】
3.「持続的に戻ってきてもらう(Keep them coming back)」ためのアドバイス方法
1)活動による報酬を与える
2)不満を受け入れられる雰囲気を作る
【0031】
第4の家族思いの成長追及タイプに対して;
この家族思いの成長追求タイプの特徴は、身体活動の程度によって疲労感か爽快感かに分かれ、疲労感の場合は嫌悪感に、爽快感の場合はストレス発散などの楽しみのための活動につながる。また、家族からの影響を受けやすい。特に高い能力を持つアスリートなどのパフォーマンスを見ることで模倣願望が起こり、自己の意識変化につながる。よって、以上の特徴に留意し、提示されるアドバイス方法の情報としては以下のようなものが望ましい。
【0032】
1.「注意を引きつける(Attract their attention)」ためのアドバイス方法
1)彼らの活動の経験に基づきアドバイスする
2)躊躇する時間を減少させる
3)家族からの影響を促す
【0033】
2.「期待に応える(Deliver against their expectations)」ためのアドバイス方法
1)効率的な時間の使い方で活動を提供する
2)できるようになることで爽快感を提供する
3)高い能力を持つ他者の活動を見せる
【0034】
3.「持続的に戻ってきてもらう(Keep them coming back)」ためのアドバイス方法
1)ストレス発散での再活動を促す
2)努力などのプロセスを示させてあげる
3)目標達成後の動機付けを継続させる
【0035】
第5のリラックス志向の慎重タイプに対して;
このリラックス志向の慎重タイプの特徴は、運動の失敗や中断経験があるため、全般的に運動は好きではない。しかし、他者との共同活動によって楽しみへと移行することもある。周囲からの視線により、嫌悪感や緊張感を感じるため、ネガティブな思考に陥る。しかし、関係が良好な者からの視線は許容でき、応援者となったり、自らのスポーツ活動実施へと移行する。よって、以上の特徴に留意し、提示されるアドバイス方法の情報としては以下のようなものが望ましい。
【0036】
1.「注意を引きつける(Attract their attention)」ためのアドバイス方法
1)自身が好むようなスポーツ・身体活動を取り入れる
2)平等でリラックスした雰囲気をつくる
3)他者の意見から影響を与える
【0037】
2.「期待に応える(Deliver against their expectations)」ためのアドバイス方法
1)失敗への不安を取り除く
2)多様なフィードバックを行う
3)目標設定とプロセスを明確化する
【0038】
3.「持続的に戻ってきてもらう(Keep them coming back)」ためのアドバイス方法
1)明確な目標到達による達成感を与える
2)不信へのフォローを行う
【0039】
第6の上昇志向のアスリートタイプに対して;
この上昇志向のアスリートタイプの特徴は、部活動に所属し、全般的に常に身体活動に関わっている。また、練習でも試合でも常にベストを尽くすべきと考えており、スポーツは、優れていると認められる場であると認識している。さらに、自らやろうと思ったことに意義があると感じているため、他人の視線に対しては無関心である。よって、以上の特徴に留意し、提示されるアドバイス方法の情報としては以下のようなものが望ましい。
【0040】
1.「注意を引きつける(Attract their attention)」ためのアドバイス方法
1)さらなる能力向上につながる活動を提供する
2)挑戦的な目標を設定する
3)自己決定を促す
【0041】
2.「期待に応える(Deliver against their expectations)」ためのアドバイス方法
1)活動の困難な要因をフォローする
2)他者と切磋琢磨しながらの共同活動を促す
3)能力を向上させる具体的な活動を促す
【0042】
3.「持続的に戻ってきてもらう(Keep them coming back)」ためのアドバイス方法
1)結果の提示を行う
2)結果への納得を促す
【0043】
第7のマイウェイタイプに対して;
このマイウェイタイプの特徴は、ゲーム、読書、絵を描くなどのリラックス、および、自らが好む活動(好きなことをやる)を重視している。また、時間的な効率を大切にし、余計なことを含まない必須項目のみの目標が設定される。スポーツや身体活動は不得意であると自覚し、全般的に興味が低い。よって、以上の特徴に留意し、提示されるアドバイス方法の情報としては以下のようなものが望ましい。
【0044】
1.「注意を引きつける(Attract their attention)」ためのアドバイス方法
1)自身が好むようなスポーツ・身体活動を取り入れる
2)共同・集団での活動によってスポーツ・身体活動への印象をよくする
3)自己調査による自己決定を促す
4)活動への許容範囲を満たす
【0045】
2.「期待に応える(Deliver against their expectations)」ためのアドバイス方法
1)縛られない柔軟な環境を提供する
2)集団による様々な活動を共有する
【0046】
3.「持続的に戻ってきてもらう(Keep them coming back)」ためのアドバイス方法
1)活動の発信の場を提供する
2)発信後の他者からの高評価フィードバックを行う
【0047】
当該予め定められた分類アルゴリズムとしては、例えば、個性因子情報に基づいて次のi)~v)のように算出される。
i)態度因子と関連スコアについては、独立な正規分布に基づいて、タイプごとに各個体の確率密度を算出する
ii)性別、人生のモチベーションについては、独立なカテゴリカル分布に基づいて、タイプごとに各個体の確率を算出する
iii)タイプごとに、各タイプのサイズi),ii)で求めた確率密度・確率の積を求める
iv)iii)を総和が1になるよう正規化して、各個体の各タイプへの帰属確率を求める
v)各個体を、帰属確率が最大となるタイプへ割り当てる
【0048】
より詳細には、以下のようにして求められる。
【0049】
1 調査項目と合成変数の作成
1.1 態度に関する因子
先ず、表1の28項目を5段階リッカートスケール(1「あてはまらない」~5「あてはまる」)で回答させ、逆転項目の1-5を反転させたのち、その合計により因子x~xを作成する。
【0050】
【表1】
【0051】
1.2 スポーツへの関与スコア
次に、表2の項目1~5を5段階リッカートスケール(1「あてはまらない」~5「あてはまる」)で回答させた。また、項目6を11段階(1「毎日」、2「ほぼ毎日」、3「週に2~3日」、4「週に1日」、5「月に2~3日」、6「月に1日」、7「2~3ヵ月に1日」、8「4~5ヵ月に1日」、9「半年に1日」、10「半年に1日以下」、11「全くしない」)で回答させた後、8~11を1「運動無」、5~7を2「運動頻度低」、3~4を3「運動頻度中」、そして1~2を4「運動頻度高」と割り当て直す。
それらを表2に記されている重みを掛けてから合計したものをAとする。そして、
【0052】
【数1】
【0053】
という式を用いて得点化する。
【0054】
【表2】
【0055】
2 分類に用いる変数
1で求めた値x~xの他、「あなたは生活の中で何を大事にしていますか。あてはまる番号全てに〇をつけてください。」という質問に対する、以下の複数回答形成で回答させたものを用いる。
【0056】
【表3】
【0057】
最後に、性別(男=1、女=2)をzとする。
【0058】
3 クラスターごとの量的変数の確率密度の計算
~xに関して、以下のように7つのクラスターごとに値(正規分布の確率密度)を計算する。
【0059】
【数2】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
4 クラスターごとの二変数の確率の計算
z1~z8に関して以下のように7つのクラスターごとに値(確率)を計算する。
【0063】
【数3】
【0064】
【表6】
【0065】
5 各クラスターへの所属確率
上で算出したf(1,k),…,f(9,k),…,g(8,k), g(1,k)を用いて、対象者がクラスターkに所属する確率を以下のように計算する。
【0066】
【数4】
【0067】
【表7】
【0068】
次に、上記の実施の形態に係る本発明システムによるアドバイス方法の提示例を、処理ステップの概略フローチャートを示す図3に基づいて説明する。
【0069】
先ず、入力部2から対象者のアクセス入力を受けると(S10)、アドバイス処理装置部1は、データベース部4から対象者に対する個性因子に関する質問事項情報を検索し、表示部3に質問事項を表示する(S11)。次に、入力部2から対象者の質問事項に対する回答入力を受けると(S12)、アドバイス処理装置1はその個性因子情報に基づいて分類アルゴリズムを適用して、7つの個性タイプの何れかに分類する(S13)。次いで、データベース部4から当該分類された個性タイプのアドバイス方法情報を検索し、表示部3にアドバイス方法を表示する(S14)。尚、このアドバイス方法の表示に際しては、分類された対象者の個性タイプを併せて表示しても良い。
【0070】
図2は、本発明システムの第2の実施の形態を示すもので、第1の実施の形態における質問事項を表示する表示部と質問事項に回答する入力部が、インターネット5を介してアドバイス処理装置部1に接続された対象者端末2Aの表示部と入力部で構成されていると共に、アドバイス方法を表示する表示部3が、インターネット5を介してアドバイス処理装置部1に接続された体育教師等の指導者端末3Aの表示部で構成されているものである。
【0071】
而して、この第2の実施の形態においては、アドバイス処理装置部1が、対象者端末2Aの入力部からアクセスを受けると、当該対象者端末2Aの表示部に質問事項を表示し、対象者端末2Aの入力部から質問事項に対する回答を受けると、分類された個性タイプのアドバイス方法を指導者端末3Aの表示部に表示するようになっている。
すなわち、この実施の形態によれば対象者と指導者が必ずしも同席する必要はなく、離隔地においても適切なアドバイスをすることが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
1:アドバイス処理装置部
2:入力部
3:表示部
4:データベース部
5:インターネット
2A:対象者端末
3A:指導者端末
図1
図2
図3