(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013011
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】衣服用ベルト
(51)【国際特許分類】
A44B 11/20 20060101AFI20220111BHJP
A41F 9/02 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A44B11/20
A41F9/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020115263
(22)【出願日】2020-07-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】518146463
【氏名又は名称】株式会社ブルーボード
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】杉並 康之
【テーマコード(参考)】
3B090
【Fターム(参考)】
3B090AB03
3B090AC08
3B090AC09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】見栄えのよい衣服用ベルトを提供する。
【解決手段】長尺なベルト帯10と、ベルト帯の先端部11が差し入れられるバックル20と、バックルが取り付けられておりベルト帯の後端部12側に連結される連結体30と、を備えた衣服用ベルト100であって、連結体には、ベルト帯の長手方向と交差する向きであるとともに連結体の裏面と略平行に配される突片41が設けられており、ベルト帯の後端部側の裏面には、突片をベルト帯の幅方向に沿わせてそのベルト帯に挿し込むための小孔50がベルト帯の長手方向に沿って所定間隔毎に複数設けられており、複数の小孔のいずれかが選択されて、その小孔に突片が挿し入れられることで、連結体とベルト帯が連結されるとともに、連結体からベルト帯の先端部までの長さが調整されるように構成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺なベルト帯と、前記ベルト帯の先端部が差し入れられるバックルと、前記バックルが取り付けられており前記ベルト帯の後端部側に連結される連結体と、を備えた衣服用ベルトであって、
前記連結体には、前記ベルト帯の長手方向と交差する向きであるとともに前記連結体の裏面と略平行に配される突片が設けられており、
前記ベルト帯の後端部側の裏面には、前記突片を前記ベルト帯の幅方向に沿わせてそのベルト帯に挿し込むための小孔が前記ベルト帯の長手方向に沿って所定間隔毎に複数設けられており、
前記複数の小孔のいずれかが選択されて、その小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体と前記ベルト帯が連結されるとともに、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さが調整されるように構成されていることを特徴とする衣服用ベルト。
【請求項2】
長尺なベルト帯と、前記ベルト帯の先端部が差し入れられるバックルと、前記バックルが取り付けられており前記ベルト帯の後端部側に連結される連結体と、を備えた衣服用ベルトであって、
前記連結体には、前記ベルト帯の長手方向と交差する向きであるとともに前記連結体の裏面と略平行に配される突片が設けられており、
前記ベルト帯の後端部側の裏面には、前記突片を前記ベルト帯の幅方向に沿わせてそのベルト帯に挿し込むための小孔を前記ベルト帯の長手方向に沿う複数の位置に形成可能とされており、
所望する位置に形成された小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体と前記ベルト帯が連結されるとともに、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さが調整されるように構成されていることを特徴とする衣服用ベルト。
【請求項3】
前記ベルト帯は芯材を表革と裏革とで挟み込んでなる部材であり、前記小孔は前記裏革に形成されており、
前記小孔に挿し入れられた前記突片は、前記芯材と前記裏革の間に介装されることを特徴とする請求項1又は2に記載の衣服用ベルト。
【請求項4】
前記ベルト帯は芯材を表革と裏革とで挟み込んでなる部材であり、前記小孔は前記裏革に形成されており、
前記小孔に挿し入れられた前記突片は、前記芯材に刺し込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の衣服用ベルト。
【請求項5】
当該衣服用ベルトは、前記ベルト帯の後端部の端に近い側の小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さを長くする調整と、前記ベルト帯の後端部の端から遠い側の小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さを短くする調整と、を行うことが可能に構成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の衣服用ベルト。
【請求項6】
前記連結体には、前記連結体に連結された前記ベルト帯の後端部側が挿通される挿通部が設けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の衣服用ベルト。
【請求項7】
前記挿通部は、前記突片を挟む配置に対を成して設けられていることを特徴とする請求項6に記載の衣服用ベルト。
【請求項8】
前記挿通部は、前記ベルト帯を通すために、その一部が開放可能に構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の衣服用ベルト。
【請求項9】
前記突片が前記小孔に挿し入れられた状態で、前記突片と前記ベルト帯を覆うように、前記ベルト帯の長手方向と交差する向きに折り返される折返し片が前記連結体に設けられていることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の衣服用ベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服用ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
スーツのズボン、カジュアルパンツ及びジーパン等(以下、総称して「ズボン」という)を着る場合、ズボンが下がらないようにベルトを着用する。また場合によっては、ベルトによってファッションを強調したりもする。
【0003】
そして、一般的な衣服用ベルトとしては、長尺なベルト帯の後端部に連結金具によってバックルが連結されているものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この衣服用ベルトは、ユーザーの腰回りの寸法に応じてベルト帯の後端部をカットして長さ調整したものに連結金具でバックルを連結するようにして、ユーザー自身がベルトのサイズ調整を行うことが可能になっている。
ユーザーの体形に合わせてサイズ調整された衣服用ベルトであれば、ベルト帯を腰に巻いた状態でベルト帯の先端部をバックルに差し入れて、所望する位置で固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の衣服用ベルトの場合、ベルト帯に連結金具の係止歯を食い込ませるようにしてバックルを連結しているため、係止歯が食い込んだ部分のベルト帯が損傷してしまうことがあり、その部分の見栄えが悪くなることがあるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、見栄えのよい衣服用ベルトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
長尺なベルト帯と、前記ベルト帯の先端部が差し入れられるバックルと、前記バックルが取り付けられており前記ベルト帯の後端部側に連結される連結体と、を備えた衣服用ベルトであって、
前記連結体には、前記ベルト帯の長手方向と交差する向きであるとともに前記連結体の裏面と略平行に配される突片が設けられており、
前記ベルト帯の後端部側の裏面には、前記突片を前記ベルト帯の幅方向に沿わせてそのベルト帯に挿し込むための小孔が前記ベルト帯の長手方向に沿って所定間隔毎に複数設けられており、
前記複数の小孔のいずれかが選択されて、その小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体と前記ベルト帯が連結されるとともに、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さが調整されるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、
長尺なベルト帯と、前記ベルト帯の先端部が差し入れられるバックルと、前記バックルが取り付けられており前記ベルト帯の後端部側に連結される連結体と、を備えた衣服用ベルトであって、
前記連結体には、前記ベルト帯の長手方向と交差する向きであるとともに前記連結体の裏面と略平行に配される突片が設けられており、
前記ベルト帯の後端部側の裏面には、前記突片を前記ベルト帯の幅方向に沿わせてそのベルト帯に挿し込むための小孔を前記ベルト帯の長手方向に沿う複数の位置に形成可能とされており、
所望する位置に形成された小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体と前記ベルト帯が連結されるとともに、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さが調整されるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の衣服用ベルトにおいて、
前記ベルト帯は芯材を表革と裏革とで挟み込んでなる部材であり、前記小孔は前記裏革に形成されており、
前記小孔に挿し入れられた前記突片は、前記芯材と前記裏革の間に介装されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の衣服用ベルトにおいて、
前記ベルト帯は芯材を表革と裏革とで挟み込んでなる部材であり、前記小孔は前記裏革に形成されており、
前記小孔に挿し入れられた前記突片は、前記芯材に刺し込まれていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の衣服用ベルトにおいて、
当該衣服用ベルトは、前記ベルト帯の後端部の端に近い側の小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さを長くする調整と、前記ベルト帯の後端部の端から遠い側の小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さを短くする調整と、を行うことが可能に構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の衣服用ベルトにおいて、
前記連結体には、前記連結体に連結された前記ベルト帯の後端部側が挿通される挿通部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の衣服用ベルトにおいて、
前記挿通部は、前記突片を挟む配置に対を成して設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の衣服用ベルトにおいて、
前記挿通部は、前記ベルト帯を通すために、その一部が開放可能に構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項1~8のいずれか一項に記載の衣服用ベルトにおいて、
前記突片が前記小孔に挿し入れられた状態で、前記突片と前記ベルト帯を覆うように、前記ベルト帯の長手方向と交差する向きに折り返される折返し片が前記連結体に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、見栄えのよい衣服用ベルトが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態の衣服用ベルトを示す正面図である。
【
図2】本実施形態の衣服用ベルトを示す側面図である。
【
図3】衣服用ベルトのベルト帯を示す斜視図(a)と、そのベルト帯の分解斜視図(b)である。
【
図4】衣服用ベルトのベルト帯と連結体を分離した状態を示す背面図(a)および側面図(b)と、衣服用ベルトのベルト帯と連結体を連結する手順に関する説明図(c)(d)(e)である。
【
図7】
図6の衣服用ベルトのベルト帯と連結体を連結した態様を示す斜視図である。
【
図9】
図8の衣服用ベルトのベルト帯と連結体を連結した態様を示す斜視図である。
【
図10】衣服用ベルトの変形例を示す斜視図である。
【
図11】
図10の衣服用ベルトのベルト帯と連結体を連結した態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明に係る衣服用ベルトの実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本実施形態の衣服用ベルトは、ユーザー自身が長さ調整して使用するベルトである。
【0019】
本実施形態の衣服用ベルト100は、例えば、
図1~
図4に示すように、長尺なベルト帯10と、ベルト帯10の先端部11(剣先)が差し入れられるバックル20と、ベルト帯10の後端部12側に連結される連結体30等を備えている。
【0020】
ベルト帯10は、例えば、本革や合成皮革などを材料にした帯状部材である。
ベルト帯10の後端部12側の裏面には、後述する係止部材40の突片41をベルト帯10の幅方向に沿わせてそのベルト帯10に挿し込むための小孔50がベルト帯10の長手方向に沿って所定間隔毎に複数設けられている。
なお、複数の小孔50は、例えば、2cm~5cmの所定間隔毎に設けられている。
【0021】
このベルト帯10は、例えば、
図3(a)(b)に示すように、芯材10aを表革10bと裏革10cとで挟み込んで縫着されてなる。
ベルト帯10の裏面に配される裏革10cには複数の小孔50が形成されている。
その裏革10cは、ベルト帯10の幅方向に沿う縫い目50aによって芯材10aに縫着されており、その縫い目50aは小孔50を挟む位置に設けられている。
【0022】
バックル20は、例えば、ステンレスや真鍮などの金属製の部材であり、ベルトの緩みを防ぐための留め金である。
このバックル20は、連結体30の折り返し部分に取り付けられている。
【0023】
連結体30は、例えば、本革や合成皮革などを材料にした部材であり、一端側31がベルトの表側に配され、他端側32がベルトの裏側に配されるように、バックル20の取り付け箇所にて折り返されている。
この連結体30の一端側31と他端側32の間に定革30aが取り付けられている。
定革30aは、例えば、本革や合成皮革などを材料にした輪状の部材であり、バックル20に差し入れられたベルト帯10の先端部11(剣先)が挿通される留め具である。
【0024】
また、
図4(a)(b)に示すように、連結体30には、ベルト帯10の長手方向と交差する向きであるとともに連結体30の裏面と略平行に配される突片41が設けられている。具体的には、ベルト帯10の長手方向と交差する向きの突片41を有する係止部材40が連結体30に配設されている。
係止部材40は金属製の平板部材であり、その係止部材40に取り付けられた帯材40aが連結体30の一端側31と他端側32の間に縫着されており、係止部材40が連結体30の一端側31の裏面側に配設されている。
この係止部材40の突片41がベルト帯10の小孔50に挿し入れられ、その係止部材40にベルト帯10の後端部12側が係止されるようにして、連結体30にベルト帯10が連結されるようになっている。
【0025】
また、
図4(a)に示すように、この連結体30には、連結体30の一部を成している一対の折返し片33,34が設けられている。
一対の折返し片33,34は、連結体30の一端側31の両側の一部が、その幅方向に延設された態様に形成されている。
この折返し片33,34は、連結体30に連結されたベルト帯10の後端部12を覆うように折り返される端片である。
具体的には、連結体30に連結されたベルト帯10の後端部12を覆うように、一方の折返し片33が折り返され、その一方の折返し片33に重ねるように、他方の折返し片34が折り返されるようになっている。
つまり、連結体30の一端側31の両側に設けられている一対の折返し片33,34は、連結体30に連結されたベルト帯10を両側から覆うように折り返される。
【0026】
そして、一方の折返し片33における他方の折返し片34が重ねられる面には止着部材70が配設されており、他方の折返し片34における一方の折返し片33に重ねる面には止着部材70に止着される被止着部材80が配設されている。
ここでの止着部材70はメス型スナップボタンであり、被止着部材80はオス型スナップボタンである。
なお、一方の折返し片33における他方の折返し片34が重ねられる面に配設されている止着部材70がメス型面ファスナーで、他方の折返し片34における一方の折返し片33に重ねる面に配設されている被止着部材80がオス型面ファスナーであってもよい。
【0027】
次に、衣服用ベルト100のベルト帯10と連結体30を連結する手順について説明する。
【0028】
まず、ユーザーの腰回りの寸法に応じてベルト帯10の後端部12側の一部を切断して長さ調整する。
例えば当初、ベルト帯10は100cm~110cmの長さを有しており、そのベルト帯10の後端部12側の裏面には、後端部12の端寄りの30cm~40cmの範囲に複数の小孔50が設けられている。
このベルト帯10の後端部12側の一部をハサミなどでカットして、所望する長さのベルト帯10にする。なお、
図4(a)(b)に示すベルト帯10は、ユーザーの所望する長さにカットされたものである。
【0029】
次いで、
図4(c)に示すように、係止部材40の突片41を、ベルト帯10の切断箇所寄りの位置であって後端部12の端側となった小孔50に挿し入れて連結体30とベルト帯10を連結する。
ここでは、ベルト帯10の後端部12の端側となった小孔50を選択して、その小孔50に係止部材40の突片41を挿し入れている。換言すれば、ベルト帯10の複数の小孔50のうち、選択した小孔50がベルト帯10の後端部12の端側となるようにベルト帯10を切断し、その選択した小孔50に係止部材40の突片41を挿し入れて、連結体30とベルト帯10を連結している。
【0030】
なお、ベルト帯10の小孔50に挿し入れられた突片41は、芯材10aと裏革10cの間に介装された状態でベルト帯10内に納まっていても、芯材10aに突き刺し込まれた状態でベルト帯10内に納まっていてもよい。ベルト帯10の小孔50に挿し入れられた突片41が芯材10aに突き刺し込まれている場合、突片41の先端は芯材10aから突き出していないことが好ましい。
また、ベルト帯10の小孔50の両側には、裏革10cを芯材10aに縫着した縫い目50aが設けられているので、小孔50に挿し入れられた突片41は、ベルト帯10の長手方向と交差した向きでベルト帯10内に納まるようになっている。換言すれば、係止部材40の突片41は、その縫い目50aに案内されるようにベルト帯10の幅方向に沿って挿し入れ易くなっている。
【0031】
次いで、
図4(d)に示すように、係止部材40の突片41がベルト帯10の小孔50に挿し入れられた状態で、係止部材40とベルト帯10の後端部12を覆うように、一方の折返し片33をベルト帯10の長手方向と交差する向きに折り返す。
次いで、
図4(e)に示すように、係止部材40とベルト帯10の後端部12を覆うように折り返された一方の折返し片33に重ねるように他方の折返し片34をベルト帯10の長手方向と交差する向きに折り返して、止着部材70と被止着部材80を止着させる。
こうして、連結体30に連結されたベルト帯10を両側から覆うように、一対の折返し片33,34を折り返して止着することで、連結体30とベルト帯10の連結をより強固なものにすることができる。
【0032】
このように、本実施形態の衣服用ベルト100は、連結体30に設けられている係止部材40の突片41をベルト帯10の後端部12の小孔50に挿し入れて、連結体30とベルト帯10を連結した後、連結体30に連結されたベルト帯10を両側から覆うように一対の折返し片33,34を折り返して、その連結を補強しているので、ベルト帯10と連結体30の連結が外れてしまうことはなく、衣服用ベルト100を好適に使用することができる。
【0033】
そして、この衣服用ベルト100では、ベルト帯10や連結体30(折返し片33,34)を重ね合わせる態様の連結様式を採用しているため、従来技術の衣服用ベルトのように、連結金具(係止歯)によってベルト帯を損傷させるようなことはないので、見栄えよく使用することができる。
【0034】
特に、この衣服用ベルト100では、係止部材40の突片41が挿し入れられる小孔50が、ベルト帯10の裏面に設けられているので、その小孔50が悪目立ちすることはなく、見栄えよく使用することができる。
つまり、衣服用ベルト100をズボンに装着した状態で、小孔50が視認されることはないので、見栄えよく使用することができる。
また、この小孔50はベルト帯10の裏面である裏革10cに設けられており、その裏面に平面的に設けられているので、衣服用ベルト100をズボンに装着する妨げになることはなく、衣服用ベルト100をズボンに好適に装着して使用することができる。
【0035】
また、係止部材40の突片41をベルト帯10自体に挿し込むようになっているので、ベルト帯10と連結体30を連結した箇所の厚みを抑えることができる。
【0036】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
以下に
図5から
図11を用いて、衣服用ベルト100の変形例を説明する。上記実施形態と同一部分には同符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0037】
例えば、
図5に示すように、連結体30に設けられている係止部材40は、平板状の係止部材本体42と、係止部材本体42との間に隙間をあけて係止部材本体42に対し略平行に配置され、ベルト帯10の長手方向と交差する向きに延在している突片41を有するものであってもよい。
このような係止部材40であれば、係止部材40の突片41をベルト帯10の後端部12の小孔50に挿し入れつつ、係止部材本体42と突片41との間にベルト帯10を挟んだ態様で連結体30とベルト帯10を連結することができる。
この係止部材40を備えた衣服用ベルト100であっても好適に使用することができる。
【0038】
また、
図6、
図7に示す衣服用ベルト100のように、
図5に示した係止部材40が配設されている連結体30と、長尺なベルト帯90とを備えた態様のものであってもよい。
このベルト帯90の後端部92側の裏面には、連結体30の係止部材40の突片41を挿し入れ可能な小孔50がベルト帯90の長手方向に沿って所定間隔毎に複数設けられている。
ここでのベルト帯90は、前述したベルト帯10のように後端部12を切断して長さ調整するものではなく、後端部92の端は所定の端部形状に形成されている。
なお、このベルト帯90の小孔50は、前述したベルト帯10の小孔50と同様のものである。
【0039】
そして、ベルト帯90の後端部92における複数の小孔50のいずれかを選択し、その選択した小孔50に突片41を挿し入れ、連結体30とベルト帯90を連結することで、連結体30からベルト帯90の先端部91の端までの長さを調整することができる。
例えば、
図7では、ベルト帯90の後端部92における端から5番目の小孔50が選択され、その選択された小孔50に突片41が挿し入れられている。
なお、連結体30に連結されたベルト帯90の後端部92の端側は、バックル20の裏側に配されている。また、ベルト帯90の小孔50に突片41を挿し入れた後、一対の折返し片33,34を折り返して重ね合わせるようにする。
こうして長さ調整を行った衣服用ベルト100のベルト帯90を腰に巻き、そのベルト帯90の先端部91をバックル20に差し入れて固定することができる。
このような衣服用ベルト100であっても好適に使用することができる。
【0040】
特に、
図6、
図7に示した衣服用ベルト100であれば、連結体30からベルト帯90の先端部91の端までの長さ調整において、そのベルトの長さを短くする調整と長くする調整を行うことができる。
例えば、
図7に示した衣服用ベルト100において、ベルト帯90の後端部92における端から6番目や7番目の小孔50に突片41を挿し入れるようにすれば、その衣服用ベルト100の長さを短くする調整を行うことができる。また、
図7に示した衣服用ベルト100において、ベルト帯90の後端部92における端から4番目から1番目の小孔50に突片41を挿し入れるようにすれば、その衣服用ベルト100の長さを長くする調整を行うことができる。
このように、この衣服用ベルト100であれば、ベルトの長さを伸縮させるように、連結体30からベルト帯90の先端部91の端までの長さ調整を行うことができる。
具体的には、ベルト帯90の後端部92の端に近い側の小孔50に突片41を挿し入れることで、連結体30からベルト帯90の先端部91の端までの長さを長くする調整を行うことができ、ベルト帯90の後端部92の端から遠い側の小孔50に突片41を挿し入れることで、連結体30からベルト帯90の先端部91の端までの長さを短くする調整を行うことができる。
【0041】
また、
図8、
図9に示す衣服用ベルト100は、長尺なベルト帯90と、ベルト帯90の先端部91(剣先)が差し入れられるバックル20と、ベルト帯90の後端部92側に連結される連結体60等を備えている。
連結体60には、ベルト帯90の長手方向と交差する向きの突片61が設けられている。
【0042】
ここでの連結体60は、金属材料からなる部材であり、平板状の連結体本体66と、連結体本体66の裏側に設けられた突片61とを有している。
この突片61は、連結体本体66との間に隙間をあけて連結体本体66に対し略平行に配置され、ベルト帯90の長手方向と交差する向きに延在している。
また、連結本体66の裏側には、連結体60に連結されたベルト帯90の後端部92側が挿通される挿通部62が設けられている。ここでは、突片61を挟む配置に対を成して挿通部62が設けられている。
また、連結体本体66の表側には、バックル20に差し入れられたベルト帯90の先端部91(剣先)が挿通される表側挿通部63が設けられている。
なお、連結体60(連結体本体66)における表側挿通部63近傍の端部にバックル20が取り付けられている。
【0043】
特に、
図8に示すように、この連結体60の挿通部62は、ベルト帯90を通すために、その一部が開放可能に構成されているので、連結体60とベルト帯90を連結し易くなっている。
例えば、連結体60の挿通部62の一方の端部を自由端とし、その挿通部62の一部にヒンジや板バネを設けることで、挿通部62の一部を開放することが可能になる。
このような衣服用ベルト100であっても好適に使用することができる。
また、この衣服用ベルト100も、連結体60からベルト帯90の先端部91の端までの長さ調整において、そのベルトの長さを短くする調整と長くする調整を行うことができる。
【0044】
また、
図10、
図11に示す衣服用ベルト100のように、
図5に示した係止部材40が配設されている連結体30と、長尺なベルト帯90aとを備えた態様のものであってもよい。
ここでのベルト帯90aは、前述したベルト帯90(
図6~
図9参照)のように、ベルト帯90aの後端部92側の裏面に小孔50は設けられておらず、連結体30の係止部材40の突片41を挿し入れる箇所にユーザーが小孔50を形成するようになっている。
具体的には、このベルト帯90aの後端部側の裏面には、そのベルト帯90aの長手方向に沿う複数の位置に、係止部材40の突片41をベルト帯90aに挿し込むための小孔50を形成可能とされている。
本実施形態では、ベルト帯10の幅方向に沿う複数の縫い目50aによって裏革10cが芯材10aに縫着されており、例えば、一対の縫い目50aに挟まれた箇所に小孔50を形成することができる。
【0045】
例えば、
図11に示した衣服用ベルト100においては、ベルト帯90aの後端部92における端から5番目の一対の縫い目50aの間に小孔50が形成され、その小孔50に突片41が挿し入れられている。
所望する位置に形成された小孔50に係止部材40の突片41が挿し入れられることで、連結体30とベルト帯90aが連結されるとともに、連結体30からベルト帯90aの先端部91の端までの長さが調整されるようになっている。
【0046】
この小孔50を形成するのに、係止部材40の突片41をベルト帯10の裏革10cに突き刺して形成しても、尖った工具を用いて形成してもよい。
なお、ベルト帯10の小孔50に挿し入れられた突片41は、芯材10aと裏革10cの間に介装された状態でベルト帯10内に納まっている。また、ベルト帯10の小孔50に挿し入れられた突片41が、芯材10aに刺し込まれた状態でベルト帯10内に納まっていてもよい。
このように、一対の縫い目50aの間に形成された小孔50であれば、その縫い目50aに沿って案内されるように、係止部材40の突片41をベルト帯90aの幅方向に沿わせて挿し入れることができる。
このような衣服用ベルト100であっても好適に使用することができる。
【0047】
以上のように、本実施形態の衣服用ベルト100であれば、見栄えよく好適に使用することができる。
【0048】
なお、本発明の適用は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0049】
10 ベルト帯
11 先端部
12 後端部
20 バックル
30 連結体
30a 定革
31 一端側
32 他端側
33 一方の折返し片
34 他方の折返し片
40 係止部材
41 突片
42 係止部材本体
50 小孔
50a 一対の縫い目
60 連結体
61 突片
62 挿通部
63 表側挿通部
66 連結体本体
70 止着部材
80 被止着部材
90 ベルト帯
90a ベルト帯
91 先端部
92 後端部
100 衣服用ベルト
【手続補正書】
【提出日】2020-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
長尺なベルト帯と、前記ベルト帯の先端部が差し入れられるバックルと、前記バックルが取り付けられており前記ベルト帯の後端部側に連結される連結体と、を備え、前記連結体に連結された状態の前記ベルト帯の先端部を前記バックルに差し入れて、ユーザーの腰回りに合わせて固定することができる衣服用ベルトであって、
前記連結体には、前記ベルト帯の長手方向と交差する向きであるとともに前記連結体の裏面と略平行に配される突片が設けられており、
前記ベルト帯は芯材を表革と裏革とで挟み込んでなる部材であり、
前記ベルト帯の後端部側の前記裏革には、前記突片を前記ベルト帯の幅方向に沿わせてそのベルト帯に挿し込み、前記突片の端部を露出させないように前記ベルト帯内に納めるための小孔が前記ベルト帯の長手方向に沿って所定間隔毎に複数設けられており、
前記複数の小孔のいずれかが選択されて、その小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体と前記ベルト帯が連結されるとともに、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さが調整されて、当該衣服用ベルトの長さが調整されるように構成されていることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、
長尺なベルト帯と、前記ベルト帯の先端部が差し入れられるバックルと、前記バックルが取り付けられており前記ベルト帯の後端部側に連結される連結体と、を備え、前記連結体に連結された状態の前記ベルト帯の先端部を前記バックルに差し入れて、ユーザーの腰回りに合わせて固定することができる衣服用ベルトであって、
前記連結体には、前記ベルト帯の長手方向と交差する向きであるとともに前記連結体の裏面と略平行に配される突片が設けられており、
前記ベルト帯は芯材を表革と裏革とで挟み込んでなる部材であり、
前記ベルト帯の後端部側の前記裏革には、前記突片を前記ベルト帯の幅方向に沿わせてそのベルト帯に挿し込み、前記突片の端部を露出させないように前記ベルト帯内に納めるための小孔を前記ベルト帯の長手方向に沿う複数の位置に形成可能とされており、
所望する位置に形成された小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体と前記ベルト帯が連結されるとともに、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さが調整されて、当該衣服用ベルトの長さが調整されるように構成されていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の衣服用ベルトにおいて、
前記小孔に挿し入れられた前記突片は、前記芯材と前記裏革の間に介装されることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の衣服用ベルトにおいて、
前記小孔に挿し入れられた前記突片は、前記芯材に刺し込まれていることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の衣服用ベルトにおいて、
前記突片が前記小孔に挿し入れられた状態で、前記突片と前記ベルト帯を覆うように、前記ベルト帯の長手方向と交差する向きに折り返される折返し片が前記連結体に設けられていることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺なベルト帯と、前記ベルト帯の先端部が差し入れられるバックルと、前記バックルが取り付けられており前記ベルト帯の後端部側に連結される連結体と、を備え、前記連結体に連結された状態の前記ベルト帯の先端部を前記バックルに差し入れて、ユーザーの腰回りに合わせて固定することができる衣服用ベルトであって、
前記連結体には、前記ベルト帯の長手方向と交差する向きであるとともに前記連結体の裏面と略平行に配される突片が設けられており、
前記ベルト帯は芯材を表革と裏革とで挟み込んでなる部材であり、
前記ベルト帯の後端部側の前記裏革には、前記突片を前記ベルト帯の幅方向に沿わせてそのベルト帯に挿し込み、前記突片の端部を露出させないように前記ベルト帯内に納めるための小孔が前記ベルト帯の長手方向に沿って所定間隔毎に複数設けられており、
前記複数の小孔のいずれかが選択されて、その小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体と前記ベルト帯が連結されるとともに、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さが調整されて、当該衣服用ベルトの長さが調整されるように構成されていることを特徴とする衣服用ベルト。
【請求項2】
長尺なベルト帯と、前記ベルト帯の先端部が差し入れられるバックルと、前記バックルが取り付けられており前記ベルト帯の後端部側に連結される連結体と、を備え、前記連結体に連結された状態の前記ベルト帯の先端部を前記バックルに差し入れて、ユーザーの腰回りに合わせて固定することができる衣服用ベルトであって、
前記連結体には、前記ベルト帯の長手方向と交差する向きであるとともに前記連結体の裏面と略平行に配される突片が設けられており、
前記ベルト帯は芯材を表革と裏革とで挟み込んでなる部材であり、
前記ベルト帯の後端部側の前記裏革には、前記突片を前記ベルト帯の幅方向に沿わせてそのベルト帯に挿し込み、前記突片の端部を露出させないように前記ベルト帯内に納めるための小孔を前記ベルト帯の長手方向に沿う複数の位置に形成可能とされており、
所望する位置に形成された小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体と前記ベルト帯が連結されるとともに、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さが調整されて、当該衣服用ベルトの長さが調整されるように構成されていることを特徴とする衣服用ベルト。
【請求項3】
前記小孔に挿し入れられた前記突片は、前記芯材と前記裏革の間に介装されることを特徴とする請求項1又は2に記載の衣服用ベルト。
【請求項4】
前記小孔に挿し入れられた前記突片は、前記芯材に刺し込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の衣服用ベルト。
【請求項5】
当該衣服用ベルトは、前記ベルト帯の後端部の端に近い側の小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さを長くする調整と、前記ベルト帯の後端部の端から遠い側の小孔に前記突片が挿し入れられることで、前記連結体から前記ベルト帯の先端部までの長さを短くする調整と、を行うことが可能に構成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の衣服用ベルト。
【請求項6】
前記連結体には、前記連結体に連結された前記ベルト帯の後端部側が挿通される挿通部が設けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の衣服用ベルト。
【請求項7】
前記挿通部は、前記突片を挟む配置に対を成して設けられていることを特徴とする請求項6に記載の衣服用ベルト。
【請求項8】
前記挿通部は、前記ベルト帯を通すために、その一部が開放可能に構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の衣服用ベルト。
【請求項9】
前記突片が前記小孔に挿し入れられた状態で、前記突片と前記ベルト帯を覆うように、前記ベルト帯の長手方向と交差する向きに折り返される折返し片が前記連結体に設けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の衣服用ベルト。