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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130125
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】表示装置および受光装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/58 20060101AFI20220830BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220830BHJP
   H01L 31/0232 20140101ALI20220830BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20220830BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20220830BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
H04N5/58
F21V23/00 114
H01L31/02 D
G02B6/00 301
H04N5/64 551Z
G09F9/00 324
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029112
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】毛利 文昭
【テーマコード(参考)】
2H038
3K014
5C026
5F849
5G435
【Fターム(参考)】
2H038AA41
2H038BA01
3K014AA00
5C026CA08
5F849JA12
5F849JA14
5F849XB05
5G435AA01
5G435BB12
5G435DD10
5G435DD13
5G435EE05
5G435FF08
5G435LL04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光センサーにより、上方からの外光を検出しつつ、下方や正面方向からの外光の検出を抑制することにより、画面輝度の調整における誤調整を抑制する表示装置及び受光装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、表示部10と、導光体41と、光センサー42と、を備える。導光体41は、第1導光部と、第1導光部とは異なる屈折率を有する第2導光部とを含む。導光体41は、第1導光部と第2導光部との界面において外光Lの進行方向を変化させ、前方端面60に対して上方から入射した第1外光L1は、後方端面61により反射されて光センサー42へ向かい、前方端面60に対して正面方向から入射した第2外光L2および前方端面60に対して下方から入射した第3外光L3は、後方端面61を透過して光センサー42とは異なる方向へ向かう。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に表示面が形成された表示部と、
外光が入射する前方端面と、鉛直方向に対して傾斜し、前記前方端面から入射した前記外光が反射または透過する後方端面と、上面と、下面とを含み、前記表示部の前記前面外側に設けられた導光体と、
前記導光体の前記上面と対向して配置され、前記導光体の前記後方端面により反射された前記外光を検出する光センサーと、を備え、
前記導光体は、上部に配置された第1導光部と、前記第1導光部に隣接して下部に配置されるとともに、前記第1導光部の屈折率とは異なる屈折率を有する第2導光部とを含み、
前記導光体は、前記第1導光部と前記第2導光部との界面において前記外光の進行方向を変化させることにより、前記前方端面に対して上方から入射した第1外光が、前記後方端面により反射されて前記光センサーへ向かい、前記前方端面に対して正面方向から入射した第2外光および前記前方端面に対して下方から入射した第3外光が、前記後方端面を透過して前記光センサーとは異なる方向へ向かうように構成されている、表示装置。
【請求項2】
前記前方端面に入射し、前記第2導光部を介さずに前記第1導光部により導光された前記第2外光および前記第3外光が、前記後方端面において前記光センサーとは異なる方向へ向けて透過するように、前記後方端面の水平方向に対する角度が設定されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1導光部の上面は、前記第2外光および前記第3外光が、前記後方端面により透過されて前記光センサーとは異なる方向に向かうように、前記第2外光および前記第3外光を反射させて前記後方端面に入射させるように構成されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1導光部は、前記第1導光部の下部の一部に形成された凹部を含み、
前記第2導光部は、前記凹部に配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1導光部は、透明な樹脂により形成され、
前記第2導光部は、空気により構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1導光部は、前記前方端面と前記後方端面との間の前記凹部の前記後方端面側に設けられた凹部後方側面と、前記前方端面と前記凹部後方側面との間の前記凹部の前記前方端面側に設けられた凹部前方側面と、前記凹部後方側面の上端と前記凹部前方側面の上端とを接続する凹部上面とを含み、
前記凹部前方側面、前記凹部後方側面および前記凹部上面は、前記第1導光部と前記第2導光部との界面を構成する、請求項4または5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記凹部上面は、前記第1導光部により導光された前記第2外光が、前記後方端面により透過されて前記光センサーとは異なる方向に向かうように、前記第2外光を反射させて前記後方端面または前記第1導光部の上面に入射させ、前記第1導光部により導光された前記第3外光が、前記後方端面により透過されて前記光センサーとは異なる方向に向かうように、前記第3外光を反射させて前記第1導光部の上面に入射させるように構成されている、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記前方端面に入射した前記第1外光が、前記凹部前方側面と前記凹部後方側面とにより屈折されて前記後方端面に入射し、かつ、前記後方端面により前記光センサーへ向けて反射されるように、前記後方端面の水平方向に対する角度、前記凹部前方側面の水平方向に対する角度および前記凹部後方側面の水平方向に対する角度が設定されている、請求項6または7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記凹部後方側面は、前記第1外光が前記後方端面により前記光センサーへ向けて反射されるように、前記第1外光を屈折させて前記後方端面に入射させるように構成されている、請求項6~8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記凹部前方側面は、前記第1外光が前記後方端面により前記光センサーへ向けて反射されるように、前記第1外光を屈折させて前記凹部後方側面に入射させるように構成されている、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記前方端面は、
側面視において直線形状と円弧形状とを有し、
前記直線形状の部分に入射した前記第2外光が、前記第2導光部を介さずに前記第1導光部により導光され、前記後方端面により透過されて前記光センサーとは異なる方向に向かうように、前記第2外光を屈折させて前記後方端面に入射させるように構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
外光が入射する前方端面と、鉛直方向に対して傾斜し、前記前方端面から入射した前記外光が反射または透過する後方端面と、上面と、下面とを含む導光体と、
前記導光体の前記上面と対向して配置され、前記導光体の前記後方端面により反射された前記外光を検出する光センサーと、を備え、
前記導光体は、上部に配置された第1導光部と、前記第1導光部に隣接して下部に配置されるとともに、前記第1導光部の屈折率とは異なる屈折率を有する第2導光部とを含み、
前記導光体は、前記第1導光部と前記第2導光部との界面において前記外光の進行方向を変化させることにより、前記前方端面に対して上方から入射した第1外光が、前記後方端面により前記光センサーへ向けて反射され、前記前方端面に対して正面方向から入射した第2外光および前記前方端面に対して下方から入射した第3外光が、前記後方端面を透過して前記光センサーとは異なる方向へ向かうように構成されている、受光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および受光装置に関し、特に、表示部と、導光体と、光センサーとを備える表示装置、および、受光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用環境における周囲の明るさによって画面輝度を調整する機能を有した映像装置に用いる受光装置および映像表示装置が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載の受光装置は、薄型表示装置の画面の周囲に設けられる額縁の筐体の下辺部に設置されている。上記受光装置は、導光体により外光を照度センサーに導いている。上記導光体は、外光を導光体内に取り込む入射面と、取り込んだ外光を照度センサーへと出射するための出射面とを有する。出射面は、傾斜面を含む。上記傾斜面により、外光が使用環境の照明(水平方向に対する角度が25度~70度の範囲に存在している照明)である場合の照度センサーの受光量と、外光が導光体の受光面と同一高さの照明である場合の照度センサーの受光量との差を軽減させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-164095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1には記載されていないが、表示装置は、テレビ台やテーブルなどに設置されることがある。この場合、上方からの照明光の一部は、表示装置が設置された設置台の上面により反射されて、導光体に入射して照度センサーまで到達する。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の表示装置では、導光体の入射面に対して下方から入射する、設置台からの反射光については、考慮されていない。そのため、照度センサーが検知した設置台からの反射光の光量も加味して画面輝度の調整がなされる。これにより、実際の部屋の明るさとは異なる明るさに基づいて画面輝度が調整されるという誤調整が生じ得るという問題点がある。そこで、光センサー(照度センサー)により、上方からの外光(照明光)を検出しつつ、正面方向からの外光の検出および下方からの外光(設置台からの反射光)の検出を抑制することにより、画面輝度の調整における誤調整を抑制することが望まれている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、光センサーにより、上方からの外光を検出しつつ、下方や正面方向からの外光の検出を抑制することにより、画面輝度の調整における誤調整を抑制することが可能な表示装置および受光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による表示装置は、前面に表示面が形成された表示部と、外光が入射する前方端面と、鉛直方向に対して傾斜し、前方端面から入射した外光が反射または透過する後方端面と、上面と、下面とを含み、表示部の前面外側に設けられた導光体と、導光体の上面と対向して配置され、導光体の後方端面により反射された外光を検出する光センサーと、を備え、導光体は、上部に配置された第1導光部と、第1導光部に隣接して下部に配置されるとともに、第1導光部の屈折率とは異なる屈折率を有する第2導光部とを含み、導光体は、第1導光部と第2導光部との界面において外光の進行方向を変化させることにより、前方端面に対して上方から入射した第1外光が、後方端面により反射されて光センサーへ向かい、前方端面に対して正面方向から入射した第2外光および前方端面に対して下方から入射した第3外光が、後方端面を透過して光センサーとは異なる方向へ向かうように構成されている。
【0009】
この発明の第1の局面による表示装置では、上記のように、導光体は、上部に配置された第1導光部と、第1導光部に隣接して下部に配置されるとともに、第1導光部の屈折率とは異なる屈折率を有する第2導光部との界面において外光の進行方向を変化させることにより、前方端面に対して上方から入射した第1外光が、後方端面により反射されて光センサーへ向かい、前方端面に対して正面方向から入射した第2外光および前方端面に対して下方から入射した第3外光が、後方端面を透過して光センサーとは異なる方向へ向かうように構成されている。このように構成することにより、画面輝度の調整において、導光体に対して下方から入射する設置台からの反射光や正面方向からの外光の影響を抑制することができる。そのため、光センサーにより、上方からの外光を検出しつつ、下方や正面方向からの外光の検出を抑制することにより、画面輝度の調整における誤調整を抑制することができる。
【0010】
この発明の第1の局面による表示装置において、好ましくは、前方端面に入射し、第2導光部を介さずに第1導光部により導光された第2外光および第3外光が、後方端面において光センサーとは異なる方向へ向けて透過するように、後方端面の水平方向に対する角度が設定されている。このように構成すれば、前方端面に対して正面方向から入射した第2外光または上方に向かうように入射した第3外光を、適切に、後方端面において上方に配置された光センサーとは異なる方向へ向かうように透過させることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、第1導光部の上面は、第2外光および第3外光が、後方端面により透過されて光センサーとは異なる方向に向かうように、第2外光および第3外光を反射させて後方端面に入射させるように構成されている。このように構成すれば、正面方向から入射した第2外光または上方に向かうように入射した第3外光を、後方端面において容易に透過させることができる。
【0012】
この発明の第1の局面による表示装置において、好ましくは、第1導光部は、第1導光部の下部の一部に形成された凹部を含み、第2導光部は、凹部に配置されている。このように構成すれば、前方端面に対して下方に向かうように入射した第1外光の進行方向を、第1導光部と第2導光部との界面において、上方に向かうように変化させることができる。その結果、第1外光を後方端面により上方に配置された光センサーに向かうように反射させることができる。
【0013】
この発明の第1の局面による表示装置において、好ましくは、第1導光部は、透明な樹脂により形成され、第2導光部は、空気により構成されている。このように構成すれば、容易に第2導光部を形成することができる。
【0014】
上記第1導光部が凹部を含み、第2導光部が上記凹部に配置されている構成において、好ましくは、第1導光部は、前方端面と後方端面との間の凹部の後方端面側に設けられた凹部後方側面と、前方端面と凹部後方側面との間の凹部の前方端面側に設けられた凹部前方側面と、凹部後方側面の上端と凹部前方側面の上端とを接続する凹部上面とを含み、凹部前方側面、凹部後方側面および凹部上面は、第1導光部と第2導光部との界面を構成する。このように構成すれば、前方端面に対して下方に向かうように入射した第1外光の進行方向を、凹部前方側面および凹部後方側面において、適切に上方に向かうように変化させることができる。その結果、第1外光を後方端面により上方に配置された光センサーに向かうように適切に反射させることができる。
【0015】
この場合、好ましくは、凹部上面は、第1導光部により導光された第2外光が、後方端面により透過されて光センサーとは異なる方向に向かうように、第2外光を反射させて後方端面または第1導光部の上面に入射させ、第1導光部により導光された第3外光が、後方端面により透過されて光センサーとは異なる方向に向かうように、第3外光を反射させて第1導光部の上面に入射させるように構成されている。このように構成すれば、正面方向から入射した第2外光または上方に向かうように入射した第3外光を、後方端面においてより容易に透過させることができる。
【0016】
上記第1導光部が、凹部後方側面と、凹部前方側面と、凹部上面とを含む構成において、好ましくは、前方端面に入射した第1外光が、凹部前方側面と凹部後方側面とにより屈折されて後方端面に入射し、かつ、後方端面により光センサーへ向けて反射されるように、後方端面の水平方向に対する角度、凹部前方側面の水平方向に対する角度および凹部後方側面の水平方向に対する角度が設定されている。このように構成すれば、前方端面に対して下方に向かうように入射した第1外光を、より適切に、凹部前方側面および凹部後方側面において上方に屈折させ、かつ、後方端面において上方に配置された光センサーに向かうように反射させることができる。
【0017】
上記第1導光部が、凹部後方側面と、凹部前方側面と、凹部上面とを含む構成において、好ましくは、凹部後方側面は、第1外光が後方端面により光センサーへ向けて反射されるように、第1外光を屈折させて後方端面に入射させるように構成されている。このように構成すれば、第1外光を第1導光部の後方端面に入射する前に第1導光部の凹部後方側面により屈折させることにより、後方端面により第1外光を容易に光センサーへ向けて反射させることができる。
【0018】
この場合、好ましくは、凹部前方側面は、第1外光が後方端面により光センサーへ向けて反射されるように、第1外光を屈折させて凹部後方側面に入射させるように構成されている。このように構成すれば、第1外光を凹部後方側面に入射する前に凹部前方側面により屈折させることにより、後方端面により第1外光をより容易に光センサーへ向けて反射させることができる。
【0019】
この発明の第1の局面による表示装置において、好ましくは、前方端面は、側面視において直線形状と円弧形状とを有し、直線形状の部分に入射した第2外光が、第2導光部を介さずに第1導光部により導光され、後方端面により透過されて光センサーとは異なる方向に向かうように、第2外光を屈折させて後方端面に入射させるように構成されている。このように構成すれば、第2外光が第1導光部と第2導光部との界面において反射することを抑制することができるため、第2外光を後方端面において容易に透過させることができる。
【0020】
この発明の第2の局面による受光装置は、外光が入射する前方端面と、鉛直方向に対して傾斜し、前方端面から入射した外光が反射または透過する後方端面と、上面と、下面とを含む導光体と、導光体の上面と対向して配置され、導光体の後方端面により反射された外光を検出する光センサーと、を備え、導光体は、上部に配置された第1導光部と、第1導光部に隣接して下部に配置されるとともに、第1導光部の屈折率とは異なる屈折率を有する第2導光部とを含み、導光体は、第1導光部と第2導光部との界面において外光の進行方向を変化させることにより、前方端面に対して上方から入射した第1外光が、後方端面により光センサーへ向けて反射され、前方端面に対して正面方向から入射した第2外光および前方端面に対して下方から入射した第3外光が、後方端面を透過して光センサーとは異なる方向へ向かうように構成されている。
【0021】
この発明の第2の局面による受光装置では、上記第1の局面と同様に、導光体は、上部に配置された第1導光部と、第1導光部に隣接して下部に配置されるとともに、第1導光部の屈折率とは異なる屈折率を有する第2導光部との界面において外光の進行方向を変化させることにより、前方端面に対して上方から入射した第1外光が、後方端面により反射されて光センサーへ向かい、前方端面に対して正面方向から入射した第2外光および前方端面に対して下方から入射した第3外光が、後方端面を透過して光センサーとは異なる方向へ向かうように構成されている。このように構成することにより、輝度の調整において、導光体に対して下方から入射する外光の影響を抑制することができる。そのため、光センサーにより、上方からの外光を検出しつつ、下方や正面方向からの外光の検出を抑制することにより、輝度の調整における誤調整を抑制することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、上記のように、光センサーにより、上方からの外光を検出しつつ、下方や正面方向からの外光の検出を抑制することにより、画面輝度の調整における誤調整を抑制することが可能な表示装置および受光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態による表示装置を前面側から見た斜視図である。
図2】本実施形態による表示装置の分解斜視図である。
図3】本実施形態による表示装置の概略を示したブロック図である。
図4】本実施形態による表示装置の部分断面模式図である。
図5】本実施形態による導光体の斜視図である。
図6】本実施形態による導光体および光センサーの模式図である。
図7】本実施形態による第1外光の光路を示す模式図である。
図8】本実施形態による第2外光および第3外光の光路を示す模式図である。
図9】比較例による導光体および光センサーの模式図である。
図10】レンズ部に入射した外光の進入角度と、検出した光量との関係を示すグラフである。
図11】変形例による導光体および光センサーの例1を示す模式図である。
図12】変形例による導光体および光センサーの例2を示す模式図である。
図13】変形例による受光装置の配置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
[一実施形態]
(受光装置を含む表示装置の構成)
図1図4を参照して、本発明の実施形態による受光装置40を含む表示装置100の構成について説明する。なお、図面において、受光装置40を含む表示装置100を前面側から見た左右方向をX方向として示している。また、表示装置100を前面側から見た上下方向をY方向として示している。また、表示装置100の背面側と前面側とを結ぶ方向をZ方向として示している。
【0026】
図1および図2に示すように、本実施形態による受光装置40を含む表示装置100は、表示部10と、フロントキャビネット20と、リアフレーム30と、受光装置40と、制御部50(図3参照)と、を備える。表示装置100は、スタンド101に支持されるとともに、設置台102に設置されている。表示装置100は、テレビジョン受像機であり、図示しないチューナーを介してテレビ放送を表示する装置である。
【0027】
表示部10は、表示装置100の最前面側に配置されている。表示部10は、例えば液晶パネルである。表示部10は、図示しない液晶セルと、バックライトと、拡散板と、反射シートとを含む。
【0028】
フロントキャビネット20は、枠状に形成され、表示部10の外周を覆うようにして配置されている。フロントキャビネット20は、たとえば樹脂により形成されている。
【0029】
リアフレーム30は、表示部10の背面側を覆うようにして配置され、表示部10を支持している。リアフレーム30は、たとえば金属板により形成されている。
【0030】
図2に示すように、受光装置40は、表示部10の前面であって、かつ、表示部10の左右方向における中央の下方に配置されている。受光装置40は、図3に示すように、導光体41と、光センサー42と、レンズ部43と、収納部44とを含む。受光装置40の詳細については、後述する。
【0031】
図3に示す制御部50は、受光装置40において受光した光の光量に基づき、表示部10に表示される画像の明るさを調整する制御を行う。たとえば、受光装置40が受光した光量が小さい場合、制御部50は、表示部10に表示される画像の輝度を小さくする制御を行うように構成される。また、たとえば、受光装置40が受光した光量が大きい場合、制御部50は、表示部10に表示される画像の輝度を大きくする制御を行うように構成される。制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)などを含む。なお、制御部50は、表示装置100の他の構成部品(たとえば、音声出力部)を制御するように構成されていてもよい。
【0032】
(受光装置の構成)
図4に示すように、受光装置40は、収納部44の内部に、導光体41と、光センサー42と、レンズ部43とを収納している。収納部44は、光を透過しない材料により形成されている。収納部44は、上部の一部がフロントキャビネット20とリアフレーム30との間に接続されて保持されているとともに、フロントキャビネット20およびリアフレーム30から下方に突出して配置されている。収納部44は、導光体41、光センサー42およびレンズ部43の後方部分の周囲を囲んでいる。なお、収納部44は、フロントキャビネット20およびリアフレーム30に囲まれた空間の内部に配置されていても良い。
【0033】
レンズ部43は、前方部分が収納部44の前面側から外部に突出して配置されている。レンズ部43は、球面レンズ43aを含む。レンズ部43は、球面レンズ43aに入射した外光を屈折させて、導光体41に入射するように構成されている。
【0034】
導光体41は、レンズ部43の後方側に配置されている。導光体41の詳細は、後述する。
【0035】
光センサー42は、導光体41の上面62の後方端面61側と対向して配置されている。光センサー42は、導光体41内を導光され、後方端面61により反射された外光L(図6参照)を受光し、電気信号に変換するように構成されている。光センサー42は、たとえば、照度センサーであるが、特に限定されない。
【0036】
図4図6に示すように、導光体41は、表示装置100の前方側に配置される前方端面60と、表示装置100の後方側に配置される後方端面61と、上面62と、下面63と、導光体側面69とを含む。図6に示すように、導光体41の前方端面60に入射した外光Lは、導光体41内を導光されて、後方端面61により反射されて光センサー42へ向かうか、または、後方端面61を透過して光センサー42とは異なる方向へ向かう。外光Lの光路の詳細については、後述する。
【0037】
導光体41は、第1導光部45と、第2導光部46とを含む。第1導光部45は、導光体41の上部に配置されている。第2導光部46は、導光体41の下部に第1導光部45に隣接して配置されている。第1導光部45は、第1導光部45の下部の一部に形成された凹部47を含む。凹部47は、前方端面60と後方端面61との間において、前方端面60と後方端面61とに重ならないように構成されている。第2導光部46は、第1導光部45の凹部47に配置されている。
【0038】
第1導光部45の屈折率と第2導光部46の屈折率とは、異なるように構成されている。本実施形態では、第2導光部46の屈折率は、第1導光部45の屈折率よりも小さいように構成されている。第1導光部45は、透明であって、かつ、空気よりも屈折率が大きい樹脂により形成されている。第1導光部45は、たとえば、ポリカーボネート樹脂(PC)や、透明なアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(ABS)により形成されている。PC樹脂の屈折率は1.58であり、ABS樹脂の屈折率は1.53~1.56である。第2導光部46は、空気により構成されている。つまり、第2導光部46は、凹部47そのものである。空気の屈折率は、1.0である。
【0039】
第1導光部45は、導光体41における、前方端面60と、後方端面61と、上面62と、下面63とを含むように構成されている。また、第1導光部45は、第2導光部46との界面を構成する、凹部後方側面64と、凹部前方側面65と、凹部上面66とを含むように構成されている。凹部後方側面64、凹部前方側面65および凹部上面66は、凹部47を区画する面である。凹部後方側面64は、前方端面60と後方端面61との間であって、凹部47の後方端面61側に設けられている。凹部前方側面65は、前方端面60と凹部後方側面64との間であって、凹部47の前方端面60側に設けられている。凹部上面66は、凹部後方側面64の上端と凹部前方側面65の上端とを接続するように設けられている。
【0040】
前方端面60は、上端が上面62に接続され、下端が下面63に接続されている。前方端面60は、左右方向から見た側面視において、直線形状と円弧形状とを有している。前方端面60は、上部に、側面視において直線形状を有する第1部分67と、下部に、第1部分に接続され、側面視において円弧形状を有する第2部分68とを含むように構成されている。図5に示すように、第1部分67は、シリンドリカルレンズであり、半円柱形状を有する。第2部分68は分割された球面レンズであり、ドーム形状を半割りにした半ドーム形状を有する。
【0041】
図6に示すように、後方端面61は、上端が上面62に接続され、下端が下面63に接続されている。後方端面61は、左右方向から見た側面視において、鉛直方向に対して傾斜した形状を有している。後方端面61は、平坦な傾斜面を有する。後方端面61は、後方端面61の上端側から下端側に向かうにつれて、前方端面60に近づくように構成されている。また、後方端面61の傾斜面と水平方向とのなす角度θ1は、45度よりも大きいように構成されている。本実施形態において、角度θ1は、67度に設定されている。
【0042】
凹部後方側面64は、導光体41の後方端面61側の下面63と、凹部上面66とを接続している。凹部後方側面64は、平坦な傾斜面を有する。凹部後方側面64は、凹部後方側面64の上端側から下端側に向かうにつれて、後方端面61と近づくように構成されている。
【0043】
凹部前方側面65は、導光体41の前方端面60側の下面63と、凹部上面66とを接続している。凹部前方側面65は、平坦な傾斜面を有する。凹部前方側面65は、凹部前方側面65の上端側から下端側に向かうにつれて、前方端面60と近づくように構成されている。本実施形態において、凹部前方側面65の水平方向に対する角度θ2は、凹部後方側面64の水平方向に対する角度θ3よりも大きいように構成されている。
【0044】
(導光体に入射した外光の光路)
次に、図4図7および図8を参照して、導光体に入射した外光の経路について説明する。本明細書において、レンズ部43に対する、光の進行方向と水平方向との角度を「光の進入角度」という。また、図4に示すように、レンズ部43に対して、水平方向よりも上方から入射した光の進入角度を+(プラス)とし、水平方向よりも下方から入射した光の進入角度を-(マイナス)とする。また、水平方向は0度である。本実施形態において、「第1外光L1」とは、光の進入角度が+25度よりも大きい外光のことをいう。第1外光L1は、天井からの照明光などである。また、「第2外光L2」とは、光の進入角度が-25度以上+25度以下の外光のことをいう。第2外光L2は、表示装置100の正面方向にいる人から反射された反射光などである。また、「第3外光L3」とは、光の進入角度が-25度よりも小さい外光のことをいう。第3外光L3は、表示装置100の設置台102により反射された反射光などである。
【0045】
(第1外光)
図7に示すように、導光体41は、第1導光部45と第2導光部46との界面において外光の進行方向を変化させることにより、前方端面60に対して上方から入射した第1外光L1が、後方端面61により反射されて光センサー42へ向かうように構成されている。前方端面60に入射した第1外光L1は、凹部前方側面65に入射する。凹部前方側面65に入射した第1外光L1は、屈折され、凹部後方側面64に入射する。凹部後方側面64に入射した第1外光L1は、屈折され、後方端面61に入射する。後方端面61に入射した第1外光L1は、反射され、光センサー42に向かう。
【0046】
前方端面60に入射した第1外光L1が、凹部前方側面65と凹部後方側面64とにより屈折されて後方端面61に入射し、かつ、後方端面61により光センサー42へ向けて反射されるように、後方端面61の水平方向に対する角度、凹部前方側面65の水平方向に対する角度および凹部後方側面64の水平方向に対する角度が設定されている。
【0047】
凹部前方側面65は、第1外光L1が後方端面61により光センサー42へ向けて反射されるように、第1外光L1を屈折させて凹部後方側面64に入射させるように構成されている。凹部前方側面65は、入射した第1外光L1の進行方向を、上方に向けて屈折させる。
【0048】
凹部後方側面64は、第1外光L1が後方端面61により光センサー42へ向けて反射されるように、第1外光L1を屈折させて後方端面61に入射させるように構成されている。凹部後方側面64は、入射した第1外光L1の進行方向を、さらに上方に向けて屈折させる。
【0049】
後方端面61は、凹部後方側面64から入射した第1外光L1を光センサー42へ向けて反射するように構成されている。第1外光L1が、凹部前方側面65と凹部後方側面64とにより屈折されて後方端面61に入射する際、臨界角以上の角度で入射するように構成されている。臨界角とは、光がそれ以上の入射角では全反射するようになるときの最小の入射角のことをいう。
【0050】
(第2外光および第3外光)
また、図8に示すように、導光体41は、第1導光部45と第2導光部46との界面において外光の進行方向を変化させることにより、前方端面60に対して正面方向から入射した第2外光L2および前方端面60に対して下方から入射した第3外光L3が、後方端面61を透過して光センサー42とは異なる方向へ向かうように構成されている。
【0051】
前方端面60の第1部分67に入射した第2外光L2の一部L2aは、第1部分67により屈折されて、第1導光部45を導光されるとともに、凹部上面66により反射され、後方端面61に入射する。後方端面61に入射した第2外光L2の一部L2aは、透過して、光センサー42とは異なる方向へ向かう。なお、本実施形態における「第2外光の一部L2a」とは、光の進入角度が+20度近傍である外光のことをいう。
【0052】
また、前方端面60に入射した第2外光L2の他の一部L2bおよび第3外光L3は、第1導光部45を導光されるとともに、凹部上面66により反射され、第1導光部45の上面62に入射する。第1導光部45の上面62に入射した第2外光L2の他の一部L2bおよび第3外光L3は、反射され、後方端面61に入射する。後方端面61に入射した第2外光L2の他の一部L2bおよび第3外光L3は、透過して、光センサー42とは異なる方向へ向かう。なお、本実施形態における「第2外光の他の一部L2b」とは、光の進入角度が-20度近傍である外光のことをいう。なお、図示しないが、前方端面60に入射した第2外光L2のうち、光の進入角度が0度近傍である外光は、第1導光部45を導光され、後方端面61を透過して、光センサー42とは異なる方向へ向かう。
【0053】
前方端面60に入射し、凹部47(第2導光部46)を介さずに第1導光部45により導光された第2外光L2および第3外光L3が、後方端面61において光センサー42とは異なる方向へ向けて透過するように、後方端面61の水平方向に対する角度θ1が設定されている。
【0054】
凹部上面66は、第1導光部45により導光された第2外光L2の一部L2aが、後方端面61により透過されて光センサー42とは異なる方向に向かうように、第2外光L2の一部L2aを反射させて後方端面61に入射させるように構成されている。また、凹部上面66は、第1導光部45により導光された第2外光L2の他の一部L2bが、後方端面61により透過されて光センサー42とは異なる方向に向かうように、第2外光L2の他の一部L2bを反射させて第1導光部45の上面62に入射させるように構成されている。また、凹部上面66は、第1導光部45により導光された第3外光L3が、後方端面61により透過されて光センサー42とは異なる方向に向かうように、第3外光L3を反射させて第1導光部45の上面62に入射させるように構成されている。
【0055】
第1導光部45の上面62は、第2外光L2の他の一部L2bおよび第3外光L3が、後方端面61により透過されて光センサー42とは異なる方向に向かうように、第2外光L2の他の一部L2bおよび第3外光L3を反射させて後方端面61に入射させるように構成されている。
【0056】
後方端面61は、前方端面60から凹部47(第2導光部46)を介さずに入射した第2外光L2および第3外光L3を透過して、光センサー42とは異なる方向に向かわせるように構成されている。第2外光L2および第3外光L3が、凹部47(第2導光部46)を介さずに後方端面61に入射する際、臨界角未満の角度で入射するように構成されている。
【0057】
前方端面60は、第1部分67に入射した第2外光L2の一部L2aが、第1導光部45により導光され、後方端面61により透過されて光センサー42とは異なる方向に向かうように、第2外光L2の一部L2aを屈折させて後方端面61に入射させるように構成されている。前方端面60の第1部分67は、入射した第2外光L2の一部L2aの進行方向を、上方に向けて屈折させる。
【0058】
(本実施形態に係る受光装置と比較例に係る受光装置との対比)
図9は、比較例に係る導光体91を含む受光装置90の模式図である。比較例に係る受光装置90と本実施形態に係る受光装置40とは、導光体が異なること以外は、同じ構成である。また、比較例に係る導光体91は、凹部および第2導光体がない構成であること、後方端面の傾斜面と水平方向とのなす角度θ4が45度であること、および、前方端面が球面により構成されていることにおいて、本実施形態に係る導光体41とは異なる。
【0059】
図10は、本実施形態に係る受光装置40と比較例に係る受光装置90とにおける、レンズ部43に入射した外光の進入角度と、光センサー42により検出した光量との関係について、シミュレーションによって求めた結果を示すグラフである。図10のグラフは、本実施形態に係る受光装置40を実線により示し、比較例に係る受光装置90を破線により示している。図10のグラフは、縦軸に、光の進入角度(deg)を、横軸に、光センサー42が検出した光量(a.u.)を示している。
【0060】
ここで、表示装置の画面輝度の調整は、天井からの照明光により照らされた実際の室内の明るさに基づいて制御されることが望ましい。しかしながら、従来においては、光センサーが、表示装置の正面方向にいる人からの反射光を検出したり、表示装置の設置台からの反射光を検出したりすることにより、実際の室内の明るさとは異なる明るさに基づいて、表示装置の画面輝度の調整が行われる場合があった。そのため、下方から入射した外光および正面方向から入射した外光は光センサーに検出され難くするとともに、上方から入射する外光が光センサーに検出されるようにすることが望ましい。
【0061】
比較例に係る受光装置90は、レンズ部43に入射した外光の進入角度が+10度において検出光強度の第1ピークP1があり、レンズ部43に入射した外光の進入角度が-30度~-40度において検出光強度の第2ピークP2があった。すなわち、比較例に係る受光装置90の光センサー42は、正面方向からの外光を最も検出し、次に下方からの外光を検出しているとともに、2つの検出光強度の2つピークを有している。
【0062】
これに対して、本実施形態に係る受光装置40は、レンズ部43に入射した外光の進入角度が+30度において検出光強度のピークP3があり、それより小さい進入角度においてはピークを持たせず、かつ、検出光強度を抑えている。すなわち、本実施形態に係る受光装置40の光センサー42は、導光体41を上述した構成とすることにより、下方から入射した第2外光L2および正面方向から入射した第3外光L3(図8参照)の検出を抑制するとともに、上方から入射する第1外光(図7参照)を最も検出している。
【0063】
本実施形態に係る受光装置40は、レンズ部43に進入角度が+20度近傍で入射した外光を、上述した前方端面60の第1部分67、凹部上面66および後方端面61(図8参照)により、光センサー42に検出され難くするように構成されている。また、レンズ部43に進入角度が+10度~-10度の範囲近傍で入射した外光を、上述した後方端面61により、光センサー42に検出され難くするように構成されている。また、レンズ部43に進入角度が-20度~-40度の範囲近傍で入射した外光を、上述した凹部上面、第1導光部の上面および後方端面(図8参照)により、光センサー42に検出され難くするように構成されている。
【0064】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0065】
本実施形態では、上記のように、導光体41は、上部に配置された第1導光部45と、第1導光部45に隣接して下部に配置されるとともに、第1導光部45の屈折率とは異なる屈折率を有する第2導光部46との界面において外光の進行方向を変化させることにより、前方端面60に対して上方から入射した第1外光L1が、後方端面61により反射されて光センサー42へ向かい、前方端面60に対して正面方向から入射した第2外光L2および前方端面60に対して下方から入射した第3外光L3が、後方端面61を透過して光センサー42とは異なる方向へ向かうように構成されている。これにより、画面輝度の調整において、導光体41に対して下方から入射する設置台102からの反射光や正面方向からの外光の影響を抑制することができる。そのため、光センサー42により、上方からの外光を検出しつつ、下方や正面方向からの外光の検出を抑制することにより、画面輝度の調整における誤調整を抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、上記のように、前方端面60に入射し、第2導光部46を介さずに第1導光部45により導光された第2外光L2および第3外光L3が、後方端面61において光センサー42とは異なる方向へ向けて透過するように、後方端面61の水平方向に対する角度θ1が設定されている。これにより、前方端面60に対して正面方向から入射した第2外光L2または上方に向かうように入射した第3外光L3を、適切に、後方端面61において上方に配置された光センサー42とは異なる方向へ向かうように透過させることができる。
【0067】
また、本実施形態では、上記のように、第1導光部45の上面は、第2外光L2および第3外光L3が、後方端面61により透過されて光センサー42とは異なる方向に向かうように、第2外光L2および第3外光L3を反射させて後方端面61に入射させるように構成されている。これにより、正面方向から入射した第2外光L2または上方に向かうように入射した第3外光L3を、後方端面61において容易に透過させることができる。
【0068】
また、本実施形態では、上記のように、第1導光部45は、第1導光部45の下部の一部に形成された凹部47を含み、第2導光部46は、凹部47に配置されている。これにより、前方端面60に対して下方に向かうように入射した第1外光L1の進行方向を、第1導光部45と第2導光部46との界面において、上方に向かうように変化させることができる。その結果、第1外光L1を後方端面61により上方に配置された光センサー42に向かうように反射させることができる。
【0069】
また、本実施形態では、上記のように、第1導光部45は、透明な樹脂により形成され、第2導光部46は、空気により構成されている。これにより、容易に第2導光部46を形成することができる。
【0070】
また、本実施形態では、上記のように、第1導光部45は、前方端面60と後方端面61との間の凹部47の後方端面61側に設けられた凹部後方側面64と、前方端面60と凹部後方側面64との間の凹部47の前方端面60側に設けられた凹部前方側面65と、凹部後方側面64の上端と凹部前方側面65の上端とを接続する凹部上面66とを含み、凹部前方側面65、凹部後方側面64および凹部上面66は、第1導光部45と第2導光部46との界面を構成する。これにより、前方端面60に対して下方に向かうように入射した第1外光L1の進行方向を、凹部前方側面65および凹部後方側面64において、適切に上方に向かうように変化させることができる。その結果、第1外光L1を後方端面61により上方に配置された光センサー42に向かうように適切に反射させることができる。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、凹部上面66は、第1導光部45により導光された第2外光L2が、後方端面61により透過されて光センサー42とは異なる方向に向かうように、第2外光L2を反射させて後方端面61または第1導光部45の上面62に入射させ、第1導光部45により導光された第3外光L3が、後方端面61により透過されて光センサー42とは異なる方向に向かうように、第3外光L3を反射させて第1導光部45の上面62に入射させるように構成されている。これにより、正面方向から入射した第2外光L2または上方に向かうように入射した第3外光L3を、後方端面61においてより容易に透過させることができる。
【0072】
また、本実施形態では、上記のように、前方端面60に入射した第1外光L1が、凹部前方側面65と凹部後方側面64とにより屈折されて後方端面61に入射し、かつ、後方端面61により光センサー42へ向けて反射されるように、後方端面61の水平方向に対する角度θ1、凹部前方側面65の水平方向に対する角度θ2および凹部後方側面64の水平方向に対する角度θ3が設定されている。これにより、前方端面60に対して下方に向かうように入射した第1外光L1を、より適切に、凹部前方側面65および凹部後方側面64において上方に屈折させ、かつ、後方端面61において上方に配置された光センサー42に向かうように反射させることができる。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、凹部後方側面64は、第1外光L1が後方端面61により光センサー42へ向けて反射されるように、第1外光L1を屈折させて後方端面61に入射させるように構成されている。これにより、第1外光L1を第1導光部45の後方端面61に入射する前に第1導光部45の凹部後方側面64により屈折させることにより、後方端面61により第1外光L1を容易に光センサー42へ向けて反射させることができる。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、凹部前方側面65は、第1外光L1が後方端面61により光センサー42へ向けて反射されるように、第1外光L1を屈折させて凹部後方側面64に入射させるように構成されている。これにより、第1外光L1を凹部後方側面64に入射する前に凹部前方側面65により屈折させることにより、後方端面61により第1外光L1をより容易に光センサー42へ向けて反射させることができる。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、前方端面60は、側面視において直線形状と円弧形状とを有し、直線形状の第1部分67に入射した第2外光L2が、第2導光部46を介さずに第1導光部45により導光され、後方端面61により透過されて光センサー42とは異なる方向に向かうように、第2外光L2を屈折させて後方端面61に入射させるように構成されている。これにより、第2外光L2が第1導光部45と第2導光部46との界面において反射することを抑制することができるため、第2外光L2を後方端面61において容易に透過させることができる。
【0076】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0077】
たとえば、上記実施形態では、レンズ部43に入射した外光の進入角度が+30度において検出光強度のピークP3があり、それより小さい進入角度においてはピークを持たせない例を示したが、本発明はこれに限られない。受光装置40において、たとえば、レンズ部43に入射した外光の進入角度が+10度を超えた角度において検出光強度のピークがあり、それ以下の進入角度においてはピークを持たせず、かつ、検出光強度を抑えるように構成されていても良い。
【0078】
また、上記実施形態では、第1外光L1は、上方からの光の進行方向と、レンズ部43の入射面の水平方向との角度が25度以上で入射した外光である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1外光L1は、上方からの光の進行方向と、レンズ部43の入射面の水平方向との角度が、30度以上で入射した外光であっても良いし、20度以上で入射した外光であっても良いし、15度以上で入射した外光であっても良い。
【0079】
また、上記実施形態では、第2導光部46が空気により構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。第2導光部46は、第1導光部45の屈折率よりも小さい材料により形成されていれば、図11に示すように、第2導光部46は、空気以外の材料、たとえば透明な樹脂により形成されていても良い。
【0080】
また、上記実施形態では、第2導光部46の屈折率が第1導光部45の屈折率よりも小さいように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2導光部46の屈折率が第1導光部45の屈折率よりも大きいように構成されていても良い。図12に示すように、たとえば、変形例に係る受光装置80は、第2導光部46は、第1導光部45の屈折率よりも大きい透明な樹脂により形成されている。また、後方端面61が、前方側に移動されて、凹部上面66の後方端に接続されている。また、光センサー42が前方側に移動されて、本実施形態に係る受光装置40よりも前方端面60から光センサー42までの光路長が短くなるように構成されている。第1導光部45および第2導光部46の屈折率の大小関係は、第1導光部45と第2導光部46との界面の角度や、第1導光部45および第2導光部46の形状などを考慮して、適宜設定することができる。
【0081】
また、上記実施形態では、第1導光部45に形成された凹部47は、前方端面60と後方端面61との間において、前方端面60と後方端面61とに重ならないように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図11に示すように、凹部47は後方端面61に重なるように構成されていても良いし、図示しないが、凹部47は前方端面60に重なるように構成されていても良い。凹部47の構成および形状は、本発明の効果を得ることができれば、特に限定されない。
【0082】
また、上記実施形態では、導光体41の前方にレンズ部43が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明の効果を得ることができれば、レンズ部43は、設けられていなくても良いし、導光体41と一体的に形成されていても良い。
【0083】
また、上記実施形態では、導光体41および光センサー42を含む受光装置40は、表示部10の前面であって、かつ、表示部10の左右方向における中央の下方に1つ配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。図13に示すように、導光体41および光センサー42を含む受光装置40は、たとえば、表示部10の前面において、表示部10の左端側に前方端面60が左方向を向いた受光装置40と、表示部10の右端側に前方端面60が右方向を向いた受光装置40とが1つずつ配置されていても良い。これにより、表示装置100の左側および右側における外光の光量を考慮することができるため、より適切に画面輝度を調整することができる。
【0084】
また、上記実施形態では、前方端面60は、側面視において直線形状と円弧形状とを有している例を示したが、本発明はこれに限られない。前方端面60に入射した第2外光L2が、第1導光部45により導光され、後方端面61により透過されて光センサー42とは異なる方向に向かうように、第2外光L2を屈折させて後方端面61に入射させることができれば、前方端面60の形状は他の形状であっても良い。
【0085】
また、上記実施形態では、受光装置40が表示装置100に設けられた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、受光装置40単独で構成されていても良い。この場合、受光装置は、設けられた装置に光量を出力するように構成されている。
【符号の説明】
【0086】
10 表示部
40、80 受光装置
41、81 導光体
42 光センサー
45 第1導光部
46 第2導光部
47 凹部
60 前方端面
61 後方端面
62 上面
63 下面
64 凹部後方側面
65 凹部前方側面
66 凹部上面
67 第1部分
100 表示装置
L 外光
L1 第1外光
L2、L2a、L2b 第2外光
L3 第3外光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13