IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カヤバ工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-緩衝器 図1
  • 特開-緩衝器 図2
  • 特開-緩衝器 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013015
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】緩衝器
(51)【国際特許分類】
   F16F 9/32 20060101AFI20220111BHJP
   F16F 9/34 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
F16F9/32 L
F16F9/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020115277
(22)【出願日】2020-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000929
【氏名又は名称】KYB株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 裕泰
(72)【発明者】
【氏名】小川 貴之
【テーマコード(参考)】
3J069
【Fターム(参考)】
3J069AA54
3J069CC13
3J069DD39
3J069EE24
3J069EE31
(57)【要約】
【課題】シリンダ内の高圧化に耐えて高減衰力の発生を可能とする緩衝器を提供する。
【解決手段】緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されるロッド2と、シリンダ1内に挿入されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するとともに伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路3aを有するピストン3と、通路3aを開閉するバルブVとを備え、ピストン3は、軸方向に分割されてバルブVの弁体17が離着座する第1ピストン分割体31と、第1ピストン分割体31に軸方向で対向する第2ピストン分割体32とを有し、第2ピストン分割体32は、第1ピストン分割体31より高強度の材料で形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダと、
前記シリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、
前記シリンダ内に挿入されて前記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するとともに前記伸側室と前記圧側室とを連通する通路を有するピストンと、
前記通路を開閉するバルブとを備え、
前記ピストンは、軸方向に分割されて前記バルブの弁体が離着座する第1ピストン分割体と、軸方向に分割されて前記第1ピストン分割体に軸方向で対向する第2ピストン分割体とを有し、
前記第2ピストン分割体は、前記第1ピストン分割体より高強度の材料で形成されている
ことを特徴とする緩衝器。
【請求項2】
前記弁体は、前記第1ピストン分割体より高い強度を持つ材料で形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
【請求項3】
前記第1ピストン分割体は、鋳鉄で形成されており、
前記弁体は、ばね鋼で形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の緩衝器。
【請求項4】
前記第1ピストン分割体は、反分割面側から分割面側へ通じる第1ポートを有し、
前記第2ピストン分割体は、反分割面側から分割面側へ通じる第2ポートを有し、
前記第1ピストン分割体と前記第2ピストン分割体の一方の分割面側に周方向に沿って形成される前記第1ポートと前記第2ポートとの双方に連通する環状の開口溝を有する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の緩衝器。
【請求項5】
流体を貯留するリザーバと、
前記伸側室と前記リザーバとを連通する排出通路と、
前記排出通路に設けられて前記伸側室から前記リザーバへ向かう前記流体の流れのみを許容するとともに前記流体の流れに抵抗を与える減衰バルブと、
前記リザーバと前記圧側室とを連通する吸込通路と、
前記吸込通路に設けられて前記リザーバから前記圧側室へ向かう前記流体の流れにのみを許容する吸込チェックバルブとを備え、
前記バルブは、前記通路を前記流体が前記圧側室から前記伸側室へ向かう方向へ流れのみを許容するチェックバルブである
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の緩衝器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緩衝器に関する。
【背景技術】
【0002】
緩衝器は、たとえば、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるとともにピストンロッドに連結されるピストンと、ピストンでシリンダ内に区画されるとともに作動油が充填される伸側室と圧側室と、シリンダの外周を覆ってシリンダとの間に作動油を貯留するリザーバを形成する外筒と、伸側室からリザーバへ向かう作動油の流れのみを許容して通過する作動油の流れに抵抗を与える減衰通路と、ピストンに設けられて圧側室から伸側室へ向かう作動油の流れのみを許容する整流通路と、リザーバから圧側室へ向かう作動油の流れのみを許容する吸込通路とを備えている。
【0003】
このように構成された緩衝器は、整流通路と吸込通路にチェックバルブを備えており、これらのチェックバルブによって伸縮作動時に作動油がリザーバ、圧側室、伸側室を順番に巡ってリザーバへ到達するユニフロー型に設定されている。そして、緩衝器は、伸縮作動時にシリンダ内からリザーバへ排出される作動油の流れに減衰通路にて抵抗を与えて、伸縮を妨げる減衰力を発生する。
【0004】
ピストンに設けられたチェックバルブは、ピストンの整流通路の出口端を取り囲む弁座に離着座する環状弁体と、環状弁体をピストンへ向けて付勢するばねとを備えており、圧側室からの圧力を受けてピストンから環状弁体の全体が離間すると整流通路を開放する。
【0005】
チェックバルブにおける環状弁体は、緩衝器の伸縮によってピストンに対して離間と接触を繰り返すため、弾性限および耐疲労限に優れる焼き入れした高炭素鋼等で形成される。他方、環状弁体が繰り返し衝突するピストンは、成型性および耐摩耗性の観点から炭素量が2.14%から6.67%の鋳鉄で形成される。
【0006】
このようにピストンを鋳鉄で形成すると、環状弁体の繰り返しの衝突に対してもピストンの摩耗が少なく、緩衝器は、長期間に亘って機能を維持発揮できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015-224780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
緩衝器は、たとえば、鉄道車両や構造物を制振対象として、鉄道車両の車体と台車との間や隣り合う鉄道車両同士の車体間、弾性支承される構造物と地盤との間や構造物の柱梁間等に設置されて制振対象の振動を減衰する目的で使用される。
【0009】
緩衝器の制振対象が前述したように鉄道車両や構造物といった重量物であると、緩衝器には制振対象の振動を抑制するために大きな減衰力の発生が要望される。このような要望を満たすべく緩衝器の減衰力を大きくするには、伸側室の圧力と圧側室の圧力との差を大きくすればよいが、そうすると、シリンダ内の高圧化によってピストンに大きな圧力が作用する。
【0010】
前述したようにピストンは、鋳鉄で形成されているが、鋳鉄は耐摩耗性に優れているものの強度は低く、高圧の作用に耐えられない可能性がある。また、シリンダ内が高圧となるのは緩衝器が高速で伸縮する場合であり、ピストンに設けられた通路でより多くの作動油の通過を許容したいが、前述のようにピストンが鋳鉄で形成されているため、通路断面積を大きくすると強度低下してしまうので、通路断面積の大きく確保するのも難しい。よって、従来の緩衝器には、シリンダ内の高圧化による高減衰力の発生が難しいといった問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、シリンダ内の高圧化に耐えて高減衰力の発生を可能とする緩衝器の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記した課題を解決するために、本発明の緩衝器は、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、シリンダ内に挿入されてシリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するとともに伸側室と圧側室とを連通する通路を有するピストンと、通路を開閉するバルブとを備え、ピストンは、軸方向に分割されてバルブの弁体が離着座する第1ピストン分割体と、軸方向に分割されて第1ピストン分割体に対向する第2ピストン分割体とを有し、第2ピストン分割体は、第1ピストン分割体より高強度の材料で形成されている。
【0013】
このように構成された緩衝器では、シリンダ内を高圧化しても強度面で劣る第1ピストン分割体の変形を強度面で優れる第2ピストン分割体で支持でき、通路の流路面積を大きくすることができる。
【0014】
また、バルブの弁体が第1ピストン分割体より高い強度を持つ材料で形成されてもよい。このように構成された緩衝器によれば、シリンダ内の高圧化に対して弁体の変形も阻止できる。
【0015】
さらに、第1ピストン分割体を鋳鉄で形成し、バルブの弁体をばね鋼で形成してもよい。このように構成された緩衝器によれば、第1ピストン分割体の摩耗による劣化を低減できるとともに弁体の変形や疲労といった劣化を低減できる。
【0016】
さらに、第1ピストン分割体が反分割面側から分割面側へ通じる第1ポートを備え、第2ピストン分割体が反分割面側から分割面側へ通じる第2ポートを備え、第1ピストン分割体と第2ピストン分割体の一方の分割面側に周方向に沿って形成される第1ポートと第2ポートとの双方に連通する環状の開口溝を備えてもよい。このように構成された緩衝器によれば、第1ピストン分割体と第2ピストン分割体とを重ねる際に周方向にて位置合わせしなくとも第1ポートと第2ポートとが開口溝を通じて連通されるので、ピストンに通路を設ける場合に緩衝器の組み立てが容易となる。
【0017】
また、緩衝器は、流体を貯留するリザーバと、伸側室とリザーバとを連通する排出通路と、排出通路に設けられて伸側室からリザーバへ向かう流体の流れのみを許容するとともに流体の流れに抵抗を与える減衰バルブと、リザーバと圧側室とを連通する吸込通路と、吸込通路に設けられてリザーバから圧側室へ向かう流体の流れにのみを許容する吸込チェックバルブとを備え、バルブは、通路を流体が圧側室から伸側室へ向かう方向へ流れのみを許容するチェックバルブとされてもよい。このように構成された緩衝器によれば、ユニフロー型に設定される緩衝器の実用性を向上できる。
【発明の効果】
【0018】
以上より、本発明の緩衝器によれば、シリンダ内の高圧化に耐えて高減衰力を発生できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。
図2】一実施の形態における緩衝器のピストン部分の拡大断面図である。
図3】一実施の形態における緩衝器の第2ピストン分割体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1に示すように、一実施の形態における緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されるロッド2と、シリンダ1内に挿入されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するとともに伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路3aを有するピストン3と、通路3aを開閉するバルブVとを備えている。そして、この緩衝器Dの場合、たとえば、図示しない鉄道車両における車体と台車との間に介装されて使用され、車体および台車の振動を抑制する。
【0021】
以下、緩衝器Dの各部について詳細に説明する。図1に示すように、シリンダ1の図1中左端には、環状のロッドガイド10が嵌合されており、シリンダ1の図1中右端はバルブケース11で閉塞されている。また、シリンダ1は、バルブケース11とともに図1中右端がボトムキャップ13で閉塞された外筒12内に収容されている。シリンダ1と外筒12との間には、環状であって作動油等の流体が気体とともに貯留されるリザーバRが形成されている。
【0022】
外筒12の図1中左端の開口部は、外筒12に取り付けられるロッドガイド10によって閉塞されている。そして、シリンダ1とバルブケース11とは、外筒12に固定されるロッドガイド10とボトムキャップ13とで挟持されて外筒12内に収容されるとともに外筒12に対して固定されている。
【0023】
ロッド2は、ロッドガイド10内に摺動自在に挿通されてシリンダ1内に挿入されており、ロッドガイド10によって軸方向への移動が案内される。ロッド2は、図1中右端となる先端に外径が小径であって外周にピストン3が装着される小径部2aと、小径部2aの先端外周に設けられた螺子部2bと、小径部2aと小径部2aより図1中左方側との境に形成される第1段部2c(図2参照)と、第1段部2cよりも図1中左方側に設けられる第2段部2d(図2参照)および第3段部2e(図2参照)とを備えている。このように、本実施の形態の緩衝器Dでは、ロッド2は、先端側にて外径が3段階に小径となる形状となっている。
【0024】
ピストン3は、環状であってロッド2の小径部2aに装着されてシリンダ1内に移動自在に挿入されており、シリンダ1内を作動油等の流体が充填される伸側室R1と圧側室R2とに区画している。なお、流体は、作動油以外にも、たとえば、水、水溶液といった液体の使用もできる。また、流体を液体に代えて気体としてもよい。
【0025】
ピストン3は、本実施の形態では、軸方向に分割される第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とを備えて構成されている。第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とは、ともに環状であって、軸方向に重ねると一体となってピストン3を形成する。
【0026】
第1ピストン分割体31は、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、可鍛鋳鉄、合金鋳鉄、白鋳鉄等といった鋳鉄を材料として形成されている。鋳鉄は、炭素を2.14から6.67%、ケイ素を約1から3%の範囲で含む鉄の三元合金であって耐摩耗性に優れる特徴を持っている。第1ピストン分割体31は、円環状であって、図2中右端側となる分割面A1側の外周に周方向に沿って形成されて第2ピストン分割体32の図2中左端となる分割面A2側端に対向する環状凹部31aと、図2中左端となる反分割面B1側端に周方向に沿って形成される環状の溝31bと、反分割面B1側端から軸方向に突出して溝31bを取り囲む環状弁座31cと、分割面A1に開口して溝31bに通じる複数の第1ポート31dとを備えている。
【0027】
第2ピストン分割体32は、炭素を0.02から2.14%の範囲で含む炭素鋼を材料として形成されている。炭素鋼は、高い強度を持っており、第2ピストン分割体32は、第1ピストン分割体31よりも高い強度を備えている。そして、第2ピストン分割体32は、図2および図3に示すように、円環状であって、外周に周方向に沿って形成される環状溝32aと、図2中左端となる分割面A2側端に周方向に沿って形成される環状の溝で形成される開口溝32bと、反分割面B2に開口して開口溝32bに通じる複数の第2ポート32cとを備えており、内周に符示しない螺子溝を有してロッド2の螺子部2bに螺着されている。
【0028】
第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とは、ともに外径が同一であって、また、ロッド2の小径部2aの外周に装着可能な内径を備えている。そして、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32との中心を合わせて第2ピストン分割体32に第1ピストン分割体31を軸方向に重ねると、第1ピストン分割体31の各第1ポート31dと第2ピストン分割体32の開口溝32bとは、互いに対向するように配置されている。
【0029】
このように構成された第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とは、互いに分割面A1,A2同士を対向させて軸方向に重ねられて使用される。そして、第1ピストン分割体31の内周にロッド2の小径部2aを挿入した後、第2ピストン分割体32をロッド2の小径部2aの外周に形成された螺子部2bに螺着する。すると、第1ピストン分割体31がロッド2の第1段部2cと第2ピストン分割体32とで挟持されてロッド2に固定される。さらに、第2ピストン分割体32よりも螺子部2bの先端側には、ピストンナット15が螺着される。このように、ピストンナット15をロッド2の螺子部2bに螺着すると、第2ピストン分割体32とピストンナット15とでダブルナットを構成して、第2ピストン分割体32の弛みが防止されて、ロッド2からのピストン3の脱落が防止される。なお、第2ピストン分割体32の内周に螺子溝を設けずにピストンナット15のみによって、ピストン3をロッド2に固定するようにしてもよい。このようにロッド2に固定された第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とは、ロッド2の小径部2aの外周にて一体的に保持され、協働してピストン3として機能する。
【0030】
また、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とが重ねられると第1ポート31dと開口溝32bとが対向して、第1ポート31dと第2ポート32cとは、互いに連通されて伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路3aを形成する。なお、第1ポート31dと第2ポート32cの設置数は、任意に設定できる。
【0031】
さらに、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とが重ねられると、第1ピストン分割体31の外周に設けられた環状凹部31aは、第2ピストン分割体32の分割面A2に対向して、ピストン3の外周を取り囲む環状溝を形成する。
【0032】
この環状凹部31aで形成される環状溝内には、円環状であってシリンダ1とピストン3との間をシールするシール部材4が収容される。シール部材4は、シリンダ1の内周面に摺接するシールリング4aと、シールリング4aの内周側に配置されるOリング4bとを備えて構成されている。
【0033】
シールリング4aは、合成樹脂製であって、シリンダ1の内周面に摺接しており、シリンダ1との間を作動油が通過するのを阻止するとともに、ピストン3の滑らかな移動を妨げないよう自己潤滑性を備えている。また、Oリング4bは、シールリング4aの内周面とピストン3の環状凹部31aの底面とに密着してシールリング4aとピストン3との間を閉鎖して環状凹部31a内を作動油が通過するのを阻止する。このように、本実施の形態の緩衝器Dでは、シール部材4は、シールリング4aとOリング4bとで構成されているが、単一部品で構成されるものであってもよい。
【0034】
シール部材4をピストン3の外周に装着するには、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とを重ねて一体化する前に、第1ピストン分割体31の分割面A1側から環状凹部31a内にシール部材4を収容すればよい。環状凹部31aは、第1ピストン分割体31の分割面A1側が開放されているので、環状凹部31aへのシール部材4を装着にはシール部材4を拡径させる必要はなく、何らシール部材4へ負荷をかけずに環状凹部31aへシール部材4を装着できる。
【0035】
このように、第1ピストン分割体31へシール部材4を組み付けした後、第1ピストン分割体31を第2ピストン分割体32へ重ねれば、ピストン3を形成できる。
【0036】
なお、第2ピストン分割体32の外周に設けられた環状溝32a内には、シリンダ1の内周に摺接してピストン3の軸方向の移動を案内する環状のピストンリング5が装着される。
【0037】
このように構成されたピストン3は、前述した通り、ロッド2の小径部2aの外周に装着される。具体的には、ロッド2の先端には、コイルばね16、環状板で形成された弁体としての環状弁体17およびピストン3が順に組み付けられる。ピストン3は、前述した通り、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とが互いの分割面A1,A2同士を密着させた状態でロッド2の小径部2aの外周に固定される。
【0038】
また、環状弁体17は、高炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼等といったばね鋼を材料として形成されている。ばね鋼は、弾性限および耐疲労限に優れる特徴を持っている。環状弁体17は、環状であって外径が第1ピストン分割体31の環状弁座31cよりも大径とされており、ロッド2の第1段部2cと第2段部2dとの間の外周に軸方向移動自在に嵌合されている。そして、環状弁体17は、ピストン3に対して軸方向で遠近可能であって、ピストン3に当接して環状弁座31cに着座した状態では通路3aを閉塞し、ピストン3から離間すると通路3aを開放する。環状弁体17は、第2段部2dに当接すると、それ以上は、図1中左方への移動が規制され、ピストン3から最大に離間するリフト量が第2段部2dの設置位置によって設定されている。コイルばね16は、第3段部2eと環状弁体17との間に介装されており、環状弁体17をピストン3に当接させるように付勢している。
【0039】
よって、本実施の緩衝器Dでは、第1ピストン分割体31の環状弁座31cに離着座する弁体としての環状弁体17とコイルばね16とは、通路3aを開閉するバルブVを構成している。バルブVは、本実施の形態の緩衝器Dでは、環状弁体17を環状弁座31cから離間させて通路3aを開放することで圧側室R2から伸側室R1へ向かう作動油の流れのみを許容し、伸側室R1から圧側室R2へ向かう方向の作動油の流れに対しては環状弁体17を環状弁座31cに着座させて通路3aを閉塞するチェックバルブを構成している。
【0040】
つづいて、ロッドガイド10には、伸側室R1とリザーバRとを連通する排出通路10aが設けられている。排出通路10aには、伸側室R1からリザーバRへ向かう作動油の流れのみを許容しつつ通過する作動油の流れに抵抗を与えるとともに、その逆向きの流れを阻止する減衰バルブ10bが設けられており、排出通路10aは、伸側室R1からリザーバRへ向かう作動油の流れのみを許容する一方通行の通路に設定されている。
【0041】
また、バルブケース11には、リザーバRと圧側室R2を連通する吸込通路11aが設けられている。吸込通路11aには、リザーバRから圧側室R2へ向かう作動油の流れのみを許容して、その逆向きの流れを阻止する吸込チェックバルブ11bが設けられており、吸込通路11aは、リザーバRから圧側室R2へ向かう作動油の流れのみを許容する一方通行の通路に設定されている。
【0042】
緩衝器Dは、以上のように構成され、以下に、緩衝器Dの作動について説明する。まず、シリンダ1に対してロッド2が図1中左方へ移動して緩衝器Dが伸長作動する場合の作動について説明する。緩衝器Dが伸長作動すると、ピストン3がシリンダ1に対して図1中左方へ移動するので、伸側室R1が圧縮され圧側室R2が拡大される。
【0043】
この場合、環状弁体17が環状弁座31cに着座してピストン3に設けられている通路3aが閉塞されるため、伸側室R1内の作動油は、排出通路10aの減衰バルブ10bを通過してリザーバRへ排出される。このような作動油の移動に対して減衰バルブ10bによって抵抗が与えられるため、伸側室R1内の圧力は、上昇してリザーバR内の圧力よりも高くなる。また、圧側室R2は、ピストン3の移動によって容積が拡大して作動油が不足するが、この不足分の作動油は、吸込チェックバルブ11bが開弁して吸込通路11aを介してリザーバRから圧側室R2に供給される。よって、圧側室R2内の圧力は、ほぼリザーバR内の圧力と等しくなる。
【0044】
このように緩衝器Dの伸長作動時には、ピストン3の伸側室R1側面に作用する伸側室R1の圧力がピストン3の圧側室R2側面に作用する圧側室R2内の圧力よりも高くなって、緩衝器Dは、伸長作動を妨げる伸側減衰力を発生する。また、シリンダ1内からロッド2が退出する体積分の作動油は、リザーバRから圧側室R2に供給されて、シリンダ1内から退出するロッド2の体積補償がなされる。
【0045】
つづいて、シリンダ1に対してロッド2が図1中右方へ移動して緩衝器Dが収縮作動する場合の作動について説明する。緩衝器Dが収縮作動すると、ピストン3がシリンダ1に対して図1中右方へ移動するので、圧側室R2が圧縮されるとともに伸側室R1が拡大される。
【0046】
この場合、環状弁体17が環状弁座31cから離間してピストン3に設けられている通路3aを開放するとともに、吸込チェックバルブ11bが閉じて吸込通路11aを遮断するため、圧側室R2内の作動油は、通路3aを通過して伸側室R1へ移動する。また、緩衝器Dの収縮作動時には、シリンダ1内にロッド2が侵入するため、シリンダ1内でロッド2がシリンダ1内に侵入する体積分の作動油が過剰となる。このシリンダ1内で過剰となる作動油は、排出通路10aの減衰バルブ10bを通過してリザーバRへ排出される。このような作動油の移動に対して減衰バルブ10bによって抵抗が与えられるため、伸側室R1内の圧力は、上昇してリザーバR内の圧力よりも高くなる。また、圧側室R2は、通路3aによって伸側室R1に連通された状態となるので、圧側室R2内の圧力と伸側室R1内の圧力とはほぼ等しくなる。
【0047】
このように緩衝器Dの収縮作動時には、ピストン3の伸側室R1側面に作用する伸側室R1の圧力とピストン3の圧側室R2側面に作用する圧側室R2内の圧力とがほぼ等しくなるが、ピストン3の伸側室R1内の圧力を受ける受圧面積よりも圧側室R2内の圧力を受ける受圧面積の方が大きいため、緩衝器D、収縮作動を妨げる圧側減衰力を発生する。また、シリンダ1内へロッド2が侵入する体積分の作動油は、シリンダ1内からリザーバRへ排出されて、シリンダ1内へ侵入するロッド2の体積補償がなされる。このように、緩衝器Dは、伸縮作動を呈すると減衰力を発生して、制振対象の振動を減衰させる。
【0048】
また、緩衝器Dの伸長時には、バルブVにおける環状弁体17がピストン3における第1ピストン分割体31に設けられた環状弁座31cに当接して通路3aを遮断し、緩衝器Dの収縮時には、バルブVにおける環状弁体17がピストン3から離間して通路3aを開放する。このように、緩衝器Dが伸縮を繰り返すと、環状弁体17が第1ピストン分割体31に衝突を繰り返す。環状弁体17が当接する第1ピストン分割体31に求められるのは耐摩耗性であり、耐摩耗性に優れる材料は強度面で不利な場合があって、従来の緩衝器のようにピストンの全部を耐摩耗性に優れる材料で形成して高減衰力を発生させるべく緩衝器の伸縮時にシリンダ1内を高圧にして使用すると、ピストンの強度が不足する場合がある。
【0049】
ところが、本実施の形態の緩衝器Dでは、ピストン3は、軸方向に分割される第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とを備えており、環状弁体17が衝突する第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とが異なる材料で形成されており、第1ピストン分割体31より第2ピストン分割体32の方が高い強度を持っている。よって、緩衝器Dの伸縮作動時においてシリンダ1内を従来よりも高圧にしても大きな軸方向の力がピストン3に作用しても、強度の高い第2ピストン分割体32が強度面で劣る第1ピストン分割体31を軸方向で支持するので、第1ピストン分割体31の変形を阻止できる。また、強度面で劣る第1ピストン分割体31の変形を強度面で優れる第2ピストン分割体32で支持できるので、緩衝器Dが高速で伸縮する用途で使用するために通路3aの流路面積を大きくしても第1ピストン分割体31の変形を阻止できる。
【0050】
このように、本実施の形態の緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されるロッド2と、シリンダ1内に挿入されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するとともに伸側室R1と圧側室R2とを連通する通路3aを有するピストン3と、通路3aを開閉するバルブVとを備え、ピストン3は、軸方向に分割されてバルブVの環状弁体(弁体)17が離着座する第1ピストン分割体31と、第1ピストン分割体31に軸方向で対向する第2ピストン分割体32とを有し、第2ピストン分割体32は、第1ピストン分割体31より高強度の材料で形成されている。
【0051】
このように構成された緩衝器Dでは、前述したとおり、シリンダ1内を高圧化しても強度面で劣る第1ピストン分割体31の変形を強度面で優れる第2ピストン分割体32で支持でき、通路3aの流路面積を大きくすることができる。よって、本実施の形態の緩衝器Dによれば、シリンダ1内の高圧化に耐えて高減衰力の発生が可能となる。
【0052】
また、本実施の形態の緩衝器Dでは、第2ピストン分割体32がロッド2の螺子部2bに螺着されて第1ピストン分割体31を第2ピストン分割体32とロッド2の第1段部2cとで挟持する構造を採用しているので、シリンダ1内の圧力によってピストン3に作用する力が高い強度を持つ第2ピストン分割体32を介して伝達されるので、第1ピストン分割体31の内周部に過大なせん断力が作用するのを防止できる。よって、このように構成された緩衝器Dによれば、強度面で劣る第1ピストン分割体31をより一層保護できる。
【0053】
なお、バルブVの構成は、前述した構成に限られず、リーフバルブやポペットバルブとされてもよい。また、ピストン3は、軸方向に分割されるバルブVが離着座する第1ピストン分割体31と、第1ピストン分割体31に軸方向で対向する第2ピストン分割体32とを備えていればよいので、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とを含んで3つ以上のピストン分割体で構成されてもよい。
【0054】
また、本実施の形態の緩衝器Dでは、バルブVにおける環状弁体(弁体)17が第1ピストン分割体31より高い強度を持つ材料で形成されているので、シリンダ1内の高圧化に対して環状弁体(弁体)17の変形も阻止できる。
【0055】
なお、第1ピストン分割体31を鋳鉄で形成し、バルブVの環状弁体(弁体)17をばね鋼で形成するとよい。鋳鉄は、耐摩耗性に優れているため環状弁体(弁体)17の繰り返しの衝突による摩耗にも耐えうるため第1ピストン分割体31の材料として最適となり、ばね鋼は、弾性限および耐疲労限に優れるため、伸側室R1から反ピストン側面となる背面側から高い圧力を受けるとともに繰り返しピストン3に衝突する環状弁体(弁体)17の材料として最適となる。以上の通り、第1ピストン分割体31を鋳鉄で形成し、バルブVの環状弁体(弁体)17をばね鋼で形成した緩衝器Dによれば、第1ピストン分割体31の摩耗による劣化を低減できるとともに環状弁体(弁体)17の変形や疲労といった劣化を低減できる。
【0056】
さらに、本実施の形態の緩衝器Dでは、第1ピストン分割体31が反分割面B1側から分割面A1側へ通じる第1ポート31dを備え、第2ピストン分割体32が反分割面B2側から分割面A2側へ通じる第2ポート32cを備え、第2ピストン分割体32の分割面A2側に周方向に沿って形成される第1ポート31dと第2ポート32cとの双方に連通する環状の開口溝32bを備えている。このように構成された緩衝器Dによれば、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とを重ねる際に周方向にて位置合わせしなくとも第1ポート31dと第2ポート32cとが開口溝32bを通じて連通されるので、ピストン3に通路3aを設ける場合に緩衝器Dの組み立てが容易となる。開口溝は、第2ピストン分割体32ではなく、第1ピストン分割体31の分割面A1に設けられてもよい。
【0057】
また、本実施の形態の緩衝器Dは、作動油(流体)を貯留するリザーバRと、伸側室R1とリザーバRとを連通する排出通路10aと、排出通路10aに設けられて伸側室R1からリザーバRへ向かう作動油(流体)の流れのみを許容するとともに作動油(流体)の流れに抵抗を与える減衰バルブ10bと、リザーバRと圧側室R2とを連通する吸込通路11aと、吸込通路11aに設けられてリザーバRから圧側室R2へ向かう作動油(流体)の流れにのみを許容する吸込チェックバルブ11bとを備え、バルブVは、通路3aを作動油(流体)が圧側室R2から伸側室R1へ向かう方向へ流れのみを許容するチェックバルブとされている。このように構成された緩衝器Dは、伸縮作動を呈すると、作動油(流体)がリザーバR、圧側室R2、伸側室R1を順に経てリザーバRへ一方通行で還流されるユニフロー型の緩衝器に設定される。ユニフロー型に設定された緩衝器Dでは、収縮時には縮小する圧側室R2から移動する作動油(流体)の全量が伸側室R1へ通路3aを介して移動する。よって、ユニフロー型に設定された緩衝器Dにおける通路3aを通過する作動油量(流体量)は、伸縮時に伸側室と圧側室とを作動油(流体)がリザーバを介さずに行き来するバイフロー型に設定される緩衝器のピストンに設けられた通路を通過する作動油量(流体量)よりも多くなる。このように、ユニフロー型に設定される緩衝器Dでは、ピストン3に設けられる通路3aの流路面積の大型化の要求が高い。
【0058】
そのため、ピストン3をバルブVが離着座する第1ピストン分割体31と、高い強度を持つ第2ピストン分割体32とを備えた構造は、シリンダ1内の高圧化によってより多くの作動油(流体)の通過を許容せざるを得なくなるユニフロー型の緩衝器Dに最適となり、ユニフロー型の緩衝器Dの実用性を向上できる。
【0059】
また、ピストン3は、軸方向に分割される第1ピストン分割体31と第1ピストン分割体31に軸方向で対向する第2ピストン分割体32とを備え、シール部材4が第1ピストン分割体31の分割面A1側の外周に設けられる環状凹部31aに収容されている。
【0060】
このように構成された緩衝器Dでは、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とを重ねる前にシール部材4を拡径させずとも環状凹部31aに収容でき、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とを重ねると、環状凹部31aに第2ピストン分割体32の分割面A2が対向してピストン3の外周に環状溝が形成される。すると、環状凹部31a内に収容されたシール部材4は、ピストン3に対して軸方向へ移動しようとしても、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とで軸方向に挟まれる格好となって移動できず、環状凹部31aから抜け出ることがない。
【0061】
そして、本実施の形態の緩衝器Dでは、シール部材4をピストン3に装着する場合、予め第1ピストン分割体31の環状凹部31a内に何ら負荷をかけずにシール部材4を収容した後、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とを重ねるだけでピストン3にシール部材4を装着できる。また、本実施の形態の緩衝器Dでは、シール部材4をピストン3から取り外す場合、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とを分離した後、シール部材4を第1ピストン分割体31の環状凹部31a内から簡単に取り外せる。
【0062】
よって、本実施の形態の緩衝器Dによれば、シール部材4を拡径させるような無理な力を作用させる必要がなく、容易にシール部材4をピストン3の外周に装着できる。したがって、緩衝器Dに大きな減衰力を発生させるためのシリンダ1内の高圧化に伴って、シール部材4の強度を高くした結果、シール部材4の拡径が難しくなっても、シール部材4のピストン3への装着にあたってシール部材4を拡径させる必要はないので、シール部材4をピストン3に容易に着脱できる。したがって、本実施の形態の緩衝器Dによれば、シール部材4の高強度化を図ってもシール部材4のピストン3への着脱を容易にできるのである。
【0063】
なお、本実施の形態の緩衝器Dでは、第1ピストン分割体31の分割面A1側の外周にシール部材4を収容する環状凹部31aを設けているが、第1ピストン分割体31の環状凹部31aを廃止して第2ピストン分割体32の分割面A2側の外周にシール部材4を収容する環状凹部を設けてもよい。このようにしても、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とを重ねる前にシール部材4を拡径する作業をせずとも第2ピストン分割体32に組み付け可能となるので、シール部材4の高強度化を図ってもシール部材4のピストン3への着脱を容易にできる。
【0064】
さらに、第1ピストン分割体31の分割面A1側の外周と第2ピストン分割体32の分割面A2側の外周との双方に互いに軸方向で対向する環状凹部を設けて、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とを重ねた際に、これら環状凹部でピストン3の外周にシール部材4を収容する一つの環状溝が形成されるようにしてもよい。このようにしても、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とを重ねる際にシール部材4を拡径する作業をせずともピストン3の外周に組付可能となるので、シール部材4の高強度化を図ってもシール部材4のピストン3への着脱を容易にできる。
【0065】
なお、第1ピストン分割体31と第2ピストン分割体32とは、軸方向で重ねて組み合わせられるとピストン3として機能できる限り、形状は任意に変更可能であって、分割面A1,A2に凹凸を備えていてもよい。
【0066】
なお、緩衝器Dは、ユニフロー型の緩衝器とされているが、伸縮作動時に伸側室R1と圧側室R2とで作動油が行き来するバイフロー型の緩衝器とされてもよい。バイフロー型の緩衝器の場合、第1ピストン分割体の両側にバルブVを配置する関係上、第1ピストン分割体の軸方向両側に第1ピストン分割体より高強度の材料で形成される第2ピストン分割体で挟み込む構造とすればよい。また、排出通路10a、減衰バルブ10bおよび吸込通路11aについては、設置個所を図示した箇所以外にしてもよい。また、緩衝器Dの制振対象は、鉄道車両および構造物に限定されるものではなく、鞍乗車両、自動車、その他の機械等としてもよい。
【0067】
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1・・・シリンダ、2・・・ロッド、3・・・ピストン、3a・・・通路、17・・・環状弁体(弁体)、31・・・第1ピストン分割体、31d・・・第1ポート、32・・・第2ピストン分割体、32b・・・開口溝、32c・・・第2ポート、A1・・・第1ピストン分割体の分割面、A2・・・第2ピストン分割体の分割面、B1・・・第1ピストン分割体の反分割面、B2・・・第2ピストン分割体の反分割面、D・・・緩衝器、R・・・リザーバ、R1・・・伸側室、R2・・・圧側室、V・・・バルブ
図1
図2
図3