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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130170
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
A63F7/02 326C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029188
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】天野 真
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088DA09
2C088DA23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】演出の撮影タイミングが到来した時に携帯端末での撮影準備を速やかに完了させ得る遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機は、演出制御CPUが遊技結果に基づいて演出を決定すると共に、該演出制御CPUにより決定された演出を画像表示装置の表示画面で実行するものであり、撮影機能付きであるスマートフォンを保持するためのホルダ50を有する第2の端末保持機構80を備えている。第2の端末保持機構80は、収納部101の内側の収納位置と、収納部101の外側でスマートフォンを画像表示装置の正面側に保持し得る保持位置とにホルダ50を変位させ得る。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技結果に基づいて演出を決定する演出決定手段と、該演出決定手段により決定された演出を実行する演出実行手段とを備えた遊技機において、
撮影機能付きの携帯端末を保持するための保持部を有する保持手段を備え、
前記保持手段は、所定の収納部の内側の収納位置と、該収納部の外側で前記携帯端末を前記演出実行手段の正面側に保持し得る保持位置とに前記保持部を変位させ得るように構成されている
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
機前面を形成する前面形成体に、前記演出実行手段を視認可能とする窓部を備え、
前記保持位置にある前記保持部が、前記窓部から前方に離間するように配置される請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記保持手段は、前記保持部で保持する前記携帯端末の下面を露出させる開放領域を有する請求項1または2記載の遊技機。
【請求項4】
前記保持手段は、前記保持部の角度を調節可能に構成されている請求項1~3の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記保持手段は、前方に向けて延伸し、後方に向けて短縮する伸縮機構部の先端側に、昇降機構部を介して前記保持部が設けられ、前記伸縮機構部を短縮形態から延伸形態に変化させることで前方に移動した前記昇降機構部の形態変化に応じて前記保持部が上昇するように構成されている請求項1~4の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記保持手段は、当該保持手段の全体が前記収納部に収納された状態で該収納部の出入口を塞ぐカバー部を有する請求項1~5の何れか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技結果に基づく演出を実行する遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の代表例の一つとしてのパチンコ機は、遊技店の設置島に固定される外枠に対して遊技機本体が扉状に組み付けられている。遊技機本体は、中枠と、中枠の前面に対して扉状に開閉する前枠とからなり、パチンコ機の前面を形成する前枠には、中枠に保持された遊技盤の前面を視認可能とする窓部が設けられている。また窓部と遊技盤との間には、パチンコ球が入球可能な複数の入賞口を有する遊技領域が形成されている。そして、遊技者が操作ハンドルを操作して発射させたパチンコ球が遊技領域を流下し、所定の入賞口(始動入賞口)に入賞すると、その入賞したパチンコ球は入賞検出センサによって検出される。この場合、入賞検出センサと電気的に接続されている制御部(CPU)に検出信号が入力されて、当該検出信号を入力した制御部が内部抽選を実行するようになっている。この内部抽選において当選が決定されると、通常の遊技状態よりも多くの賞球が払い出され易い遊技状態、すなわち遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技状態が、制御部の制御下に生起されることになる。このようなパチンコ機では、例えば遊技領域等に液晶表示装置や可動式フィギュア等の演出実行手段が設けられて、パチンコ遊技に関連した演出が実行される。すなわち演出を行うことで、遊技結果(例えば内部抽選の結果)に対する遊技者の期待感に変化を与え、遊技の興趣を向上している(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、携帯電話が広く普及していることから、遊技者は携帯電話を所持して遊技店に出向き、遊技を行っている。特に、スマートフォンと呼ばれる近年の携帯電話は、カメラによる撮影機能付きで、かつインターネットに接続可能なものが一般的である。そこで、パチンコ機の企画開発の現場においては、撮影機能付きのスマートフォンを所持している遊技者を対象とする演出内容が検討されている。このような演出としては例えば、QRコード(登録商標)等のコード画像を液晶表示装置に表示する演出(例えば、特許文献2)等がある。液晶表示装置にコード画像を表示する場合、遊技者は、スマートフォンのカメラを利用してコード画像を認識することにより所定のURL(IPアドレス)にアクセスすれば、例えば画像等の特典の付与を受けることができる。この他、例えば人気キャラクタの登場シーン等を含む表示演出の実行確率を低く設定しておけば、滅多に見ることのできないレア演出として遊技者による撮影の対象となり得る。すなわち、遊技者は、パチンコ遊技中に表示されたレア演出の画像を撮影することができ、例えば、ソーシャルネットワーキングサービス等を通じて公開し、他者と共有することもできる。このように、スマートフォン等の携帯電話の撮影機能を利用したパチンコ遊技の新たな楽しみ方が注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-233296号公報
【特許文献2】特開2015-6221号公報
【特許文献3】特開2012-231875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の如くパチンコ機では、遊技結果に応じた演出が行われるのであるが、その演出は遊技のタイミングに合わせて行われるために次の演出への切り替わりも早い。従って、遊技者がスマートフォンを衣服のポケットやカバン等に入れたまま遊技を行っていると、演出の撮影タイミングが到来した時にスマートフォンの所在を直ぐには思い出すことができず、撮影準備が間に合わない可能性がある。これに対し、特許文献1のように、パチンコ機の前面にスマートフォン等の置き場を設けておけば、遊技者は演出を撮影したい時にスマートフォンを簡単に見つけることができる。しかしながら、実際に演出の撮影を行う場合、撮影位置を決める作業(すなわち、液晶表示装置の前でスマートフォンの画面を覗きながらスマートフォンの位置を微調整する作業)に予想以上の時間がかかることになるので、結局は撮影準備が間に合わず、その撮影の失敗によって遊技を継続することへの意欲が低減する虞もある。
【0006】
そこで本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、演出の撮影タイミングが到来した時に携帯端末での撮影準備を速やかに完了させ得る遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願請求項1に係る発明は、
遊技結果に基づいて演出を決定する演出決定手段(65a)と、該演出決定手段(65a)により決定された演出を実行する演出実行手段(17)とを備えた遊技機において、
撮影機能付きの携帯端末(SP)を保持するための保持部(50)を有する保持手段(80)を備え、
前記保持手段(80)は、所定の収納部(101)の内側の収納位置と、該収納部(101)の外側で前記携帯端末(SP)を前記演出実行手段(17)の正面側に保持し得る保持位置とに前記保持部(50)を変位させ得るように構成されていることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、保持手段の保持部を保持位置に配置することにより、撮影機能付きの携帯端末を演出実行手段の正面側に保持することができる。このため遊技者は、演出実行手段による演出を撮影したいタイミングが到来した時に速やかに携帯端末での撮影準備を済ませることができ、その撮影を成功させることができる。言い換えれば、遊技結果に基づく演出の実行時間を過度に長く確保しなくとも、遊技者による当該演出の撮影が可能であり、演出や遊技が間延びする問題が生じるのを防止できる。保持手段の構成により保持部を保持位置と収納位置とに変位させ得るので、遊技者が保持部を使用しない(演出を撮影しない)場合は保持部を保持位置から収納位置へと速やかに移動させて邪魔にならないようにすることができると共に、遊技者が保持部を使用する(演出を撮影する)場合は保持部を収納位置から保持位置へと速やかに移動させて撮影準備を行い得る。保持部は収納位置において収納部に収納されるので、使用されていない状態の保持部が遊技者にとって目障りになるのを防止し得る。
【0008】
請求項2に係る発明は、
機前面を形成する前面形成体(13)に、前記演出実行手段(17)を視認可能とする窓部(13b)を備え、
前記保持位置にある前記保持部(50)が、前記窓部(13b)から前方に離間するように配置されることを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、保持位置にある保持部が窓部から前方に離間するように配置されることで、窓部を通じた演出の視認性を確保し得る。
【0009】
請求項3に係る発明は、
前記保持手段(80)は、前記保持部(50)で保持する前記携帯端末(SP)の下面を露出させる開放領域(56)を有することを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、保持手段の開放領域を通じて、保持部で保持する携帯端末の下面を露出させることにより、保持部に保持された状態の携帯端末の下面へのアクセスが可能となる。従って例えば、充電ケーブル等のプラグを携帯端末の下面の充電ジャック(接続口)に挿抜する際に、わざわざ保持部から携帯端末を取り外す必要が生じない。
【0010】
請求項4に係る発明は、
前記保持手段(80)は、前記保持部(50)の角度を調節可能に構成されていることを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、保持部の角度を調節可能に構成することで、携帯端末を最も撮影し易い角度で保持部に保持させておき、撮影タイミングで速やかに撮影準備を済ませることができる。
【0011】
請求項5に係る発明は、
前記保持手段(80)は、前方に向けて延伸し、後方に向けて短縮する伸縮機構部(81)の先端側に、昇降機構部(84)を介して前記保持部(50)が設けられ、前記伸縮機構部(81)を短縮形態から延伸形態に変化させることで前方に移動した前記昇降機構部(84)の形態変化に応じて前記保持部(50)が上昇するように構成されていることを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、伸縮機構部の先端側に昇降機構部を介して保持部を設けることにより、保持部の位置を大きく変化させることができる。すなわち、保持位置で演出実行手段の正面に携帯端末を保持可能な保持部を、その保持位置から大きく離れた収納位置に移動させて収納することが可能となる。
【0012】
請求項6に係る発明は、
前記保持手段(80)は、当該保持手段(80)の全体が前記収納部(101)に収納された状態で該収納部(101)の出入口(102)を塞ぐカバー部(87)を有することを要旨とする。
請求項6に係る発明によれば、保持手段の全体を収納部に収容できるので、収納部に保持手段を収納した場合、保持手段が遊技の邪魔になることがない。また、収納部に保持手段を収納した状態で当該保持手段のカバー部が収納部の出入口を塞ぐので、収納部に保持手段を収納した場合、保持手段の存在が遊技者にとって目障りになることがない。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る遊技機によれば、演出の撮影タイミングが到来した時に携帯端末での撮影準備を速やかに完了させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1に係るパチンコ機の正面図である。なお、遊技店の設置台に設置された状態を示している。
図2】遊技盤の正面図である。
図3】制御基板等の電気的な接続関係を示す回路図である。
図4】実施例1における端末保持機構のホルダによってスマートフォンを保持したパチンコ機の正面に遊技者が着座した状態を示す側面図である。
図5】実施例1のホルダを右後方から見た斜視図である。なお、スマートフォンを一点鎖線で示してある。
図6】端末保持機構を右前方から見た斜視図である。
図7】前枠に対する端末保持機構の取り付け動作に関する説明図であって、(a)は、下アームを下球受け皿の前壁に接続し、かつ上アームを上球受け皿の前壁に接続する直前の状態を示しており、(b)は、(a)の状態から上アームを上球受け皿の前壁に接続した状態を示している。
図8】(a)は、下球受け皿における下側凹部が形成される部位を正面から見た状態を示す概略図であり、(b)は、(a)に示すA-A線で切断した下球受け皿の下側凹部と、下アームの延出端部とが前後に離間した状態を示す説明図であり、(c)は、(a)に示すA-A線で切断した下球受け皿の下側凹部と、下アームの延出端部とが係合した状態を示す説明図である。
図9】(a)は、上球受け皿の上側凹部と、上アームの延出端部とが前後に離間した状態を示す説明図であり、(b)は、上球受け皿の上側凹部と、上アームの延出端部とが係合した状態を示す説明図である。
図10】実施例2に係るパチンコ機を右上前方から見た斜視図である。なお、端末保持機構のホルダが保持位置に配置された状態を示している。
図11】実施例2のホルダを右後方から見た斜視図である。なお、スマートフォンを一点鎖線で示してある。
図12】実施例2における端末保持機構のホルダによってスマートフォンを保持したパチンコ機の正面に遊技者が着座した状態を示す側面図である。
図13】実施例2に係るパチンコ機を右上前方から見た斜視図である。なお、遊技店の設置島に設置されており、端末保持機構のホルダが収納位置に配置された状態を示している。
図14】端末保持機構におけるホルダを収納位置および保持位置の間で変位させる動作に関する説明図であって、(a)は、ホルダが収納位置にある場合の端末保持機構の状態を示しており、カバー部がオン位置にある。(b)は、カバー部のオフ位置を示すと共に、(a)において短縮形態となっていた端末保持機構の伸縮機構部を延伸形態に変化させた状態を示しており、(c)は、(b)において下降形態となっていた端末保持機構の昇降機構部を上昇形態に変化させる途中の状態を示している。
図15】実施例3に係るパチンコ機のホルダを右側方から見た側面図であり、(a)は、ホルダが角度調整板に対して第1角度で位置する状態を示しており、(b)は、ホルダが角度調整板に対して第2角度で位置する状態を示している。
図16】実施例4に係るパチンコ機のホルダを上後方から見た側面図であり、(a)は、ホルダが角度調整軸に対して左向き角度で位置する状態を示しており、(b)は、ホルダが角度調整軸に対して右向き角度で位置する状態を示しており、
図17】変更例のホルダに関する説明図であり、(a)は、実施例1の本体部に備えられる場合、(b)は、実施例2の第2板部を形状変更して備えられる場合を示している。
図18】変更例の端末保持機構に関する説明図であり、前枠を縦断して右側から見た状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機を例にして説明する。また、方向や位置関係等を説明する際には、特に断りのない限り、パチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態での上、下、左、右を基準とする。
【実施例0016】
(パチンコ機10の概略構成について)
実施例1に係るパチンコ機10は、図1に示すように縦長の矩形状をなし、遊技店の設置台90に縦置き姿勢で設置される。パチンコ機10は、設置台90に固定される外枠(固定枠)11と、この外枠11の開口前面側に扉状に開閉可能に組み付けられた遊技機本体12,13とで構成されている。遊技機本体12,13は、遊技盤20(図2参照)を着脱可能に保持する中枠(本体枠)12と、この中枠12の前面を覆う前枠(装飾枠、前面形成体)13とを備え、前枠13は中枠12に対して扉状に開閉可能に組み付けられている。立体的な装飾が施されたパチンコ機10の前面は、遊技機本体12,13を構成する前枠13によって形成されている。なお、図1に示す設置台90には、交流電圧100Vのコンセント91が設けられている。これに対し、本実施例のパチンコ機10には、遊技者が所有するスマートフォン(携帯電話、携帯端末)SPを保持可能なホルダ50が設けられており、充電ケーブル92(図4図5参照)でコンセント91に繋いだスマートフォンSPをホルダ50に保持しておくことが可能となっている(ホルダ50については後述する)。
【0017】
前枠13には、機前側から中枠12の遊技盤20(後述)の前面(図2参照)を視認可能とする窓口13aが前後に貫通形成され、この窓口13aを塞ぐように透明なガラスや合成樹脂からなる透視保護板(窓部)13bが配設されている(図1参照)。前枠13における窓口13aの周囲には、LEDの光によって前面の色彩を変化させる枠ランプ(発光手段)19が設けられており、この枠ランプ19を構成するトップランプ19aと左右のサイドランプ19bとの接続部分(前枠13の左右の上隅部)に、音声や効果音を出力可能な演出実行手段としてのスピーカ(音出力手段)18が配設されている。なお、後述する遊技盤20に設けられた画像表示装置17は、遊技結果に基づく演出(図柄変動演出)を実行可能な演出実行手段として機能する。また、スピーカ18および枠ランプ19は、画像表示装置17での表示演出に合わせた演出を実行可能な演出実行手段として機能する。
【0018】
前枠13の前面下部には、上方に開口する凹状の上貯留部14a(図7(a)参照)を形成する上球受け皿14が一体的に組み付けられている。ここで、パチンコ機10は、図示しない球払出装置を駆動することでパチンコ球(賞球、貸球)を上球受け皿14の上貯留部14aへと払い出すよう構成される。上球受け皿14は、球払出装置によって払い出されたパチンコ球を上貯留部14aに貯留すると共に、この上貯留部14aに貯留したパチンコ球を図示しない打出し位置へと1個ずつ送り出すように設けられている。そして、遊技盤20の下方位置(中枠12の前面下部)に配設された図示しない球発射装置により、前記打出し位置に送り出されたパチンコ球を打ち出すように構成されている。前枠13における上球受け皿14の下方位置には、上方に開口する凹状の下貯留部15a(図7,図8参照)を形成する下球受け皿15が一体的に組み付けられている。すなわち、上球受け皿14の上貯留部14aがパチンコ球で満杯になると、新たに払い出されたパチンコ球は下球受け皿15の下貯留部15aに導かれて貯留される。
【0019】
図1に示すように、前枠13の右下方位置には、球発射装置を作動する際の操作対象となる操作ハンドル16が設けられている。操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで球発射装置が作動する。これにより、前記打出し位置から遊技盤20の前面側(遊技領域20a)に向けてパチンコ球が1球ずつ発射される。そして、打ち出されたパチンコ球が遊技領域20aの後述する始動入賞口31a,32aに入賞(始動入賞)して判定条件が成立したことを契機に、後述する主制御基板60(後述する主制御CPU60a)による特図当り判定(当否判定、当否抽選)が実行され、この特図当り判定の判定結果に応じて遊技者に対する特典(大当り遊技状態や小当り遊技状態、有利遊技状態)を付与するか否かが決定されるようになっている。
【0020】
パチンコ機10の後面側には、制御を実行する複数の制御基板60,65,66(図3参照)が、図示しない透明な基板ケースに夫々収容された状態で配設されている。このような制御基板60,65,66として例えば、主制御基板60、演出制御基板65および表示制御基板66等がある。主制御基板60は、パチンコ遊技に関する統括的な制御を行う主制御CPU(遊技制御手段)60aを備えており、該主制御CPU60aは、主制御ROM60bに記憶される制御プログラムを実行すると共に、主制御RAM60cに対するデータの書込み・読出しを実行するように構成されている。また、演出制御基板65は、主制御CPU60aからの制御信号に基づいて(遊技結果に基づいて)具体的な演出の決定・実行制御を行う演出制御CPU(演出決定手段、演出制御手段)65aを備えており、該演出制御CPU65aは、演出制御ROM65bに記憶される制御プログラムを実行すると共に、演出制御RAM65cに対するデータの書込み・読出しを実行するように構成されている。更に、表示制御基板66は、演出制御CPU65aからの制御信号に基づいて後述する画像表示装置17の表示内容等を直接的に制御する表示制御CPU(演出制御手段)66aを備えており、該表示制御CPU66aは、表示制御ROM66bに記憶される制御プログラムを実行すると共に、表示制御RAM66cに対するデータの書込み・読出しを実行するように構成されている。
【0021】
(遊技盤20について)
次に、図2を参照し、前記遊技盤20の構成について説明する。遊技盤20は、光透過性を有するアクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材によって所定板厚に形成された略矩形状の平板(遊技領域形成部材)により構成されている。遊技盤20の前面(盤面)には、帯状の案内レール22が略円形に配設されており、その内側にはパチンコ球が流下可能(移動可能)な略円形の遊技領域20aが画成されている。すなわち、発射されたパチンコ球が遊技領域20aに導かれる場合、そのパチンコ球は案内レール22の内側であって盤面と透視保護板13bとの間を流下することになる。遊技領域20aの左側には、案内レール22によって円弧状の発射球通路22aが画成されている。このため、前記球発射装置により発射されたパチンコ球は、案内レール22に沿って発射球通路22aを通過し、遊技領域20a内に導入される。なお、遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材等の非光透過性の板部材の表面に装飾シール等を貼付したものであってもよい。
【0022】
図2に示す遊技盤20の後面側に、表示演出を実行可能な演出実行手段(演出表示手段)としての画像表示装置17(表示画面17a)が取り付けられ、この画像表示装置17は、遊技盤20を前後に貫通する図示しない装着口を通じて、前面の表示画面17aが視認可能となっている。表示画面17a(画像表示装置17)は、図1に示すように、前枠13の窓口13a(透視保護板13b)を通じて視認可能な範囲(遊技領域20a)の略中央に位置している。表示画面17aでは表示演出として、演出図柄(装飾図柄)を変動表示させる図柄変動演出(図柄変動表示)等が特図当り判定の結果に基づいて行われ、この図柄変動演出の結果として最終的に停止表示される演出図柄によって、特図当り判定(大当り判定、小当り判定)の結果が報知されるようになっている。例えば、演出図柄の変動表示の結果、表示画面17aに演出図柄が大当り表示となる組み合わせで停止表示されることで、大当り遊技状態となることが示される。また、演出図柄が小当り表示となる組み合わせで停止表示されることで、小当り遊技状態となることが示され、外れ表示となる組み合わせで停止表示されることで、大当り遊技状態や小当り遊技状態が付与されないことが示される。
【0023】
遊技盤20の前面側には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞(入球)可能な入賞口31a,32a,33aが形成された第1始動入賞部31、第2始動入賞部32および特別入賞部33が設けられていると共に、多数の遊技釘が設けられている。従って、遊技領域20aに到達したパチンコ球は、遊技釘との接触により流下方向が不規則に変化することとなり、その一部が入賞口31a,32a,33aへと入賞(入球)する。また、遊技盤20の下端部を前後に貫通するようアウト口23が形成されているので、遊技領域20aの最下部まで流下したパチンコ球はアウト口23から遊技領域20a外へと排出される。
【0024】
(枠状装飾体25)
遊技盤20の略中央に設けられた図示しない装着口の開口縁に、LEDの発光により装飾演出を行う遊技盤電飾(演出実行手段)20bの1つとしての枠状装飾体25が前側から取り付けられている。枠状装飾体25は、遊技領域20aの略中央に位置して、前後に貫通形成された開口部25aから前記表示画面17aが前側に露出している。すなわち、枠状装飾体25は、機前側から見た時に表示画面17aの周囲を装飾するように構成されている。また、枠状装飾体25の開口部25aの内側には、表示画面17aの前側に重なる位置に動作可能な演出実行手段としての可動体Kが、機前側から視認可能に配設されている。なお、可動体Kは、演出動作を行わない場合には表示画面17aの上縁側の待機位置(図2に符号Kaで示す位置)にあり、演出動作により表示画面17aの中央部と重なる動作位置(図2に符号Kbで示す位置)まで移動するように構成されている。
【0025】
(始動入賞部31,32)
第1始動入賞部31は、第1始動入賞口31aが常にパチンコ球を受け入れ可能に開口するように構成されている。一方で、第2始動入賞部32は、第2始動入賞口32aおよび始動用開閉部材32bを備え、始動入賞ソレノイドSL1(図3参照)の駆動による始動用開閉部材32bの開閉によって第2始動入賞口32aをパチンコ球の入賞が可能な開状態および入賞が不可能な閉状態に変化させるように構成されている。第1および第2始動入賞部31,32には、第1および第2始動入賞口31a,32aに入賞(入球)したパチンコ球を検出する始動入賞検出センサSE1,SE2(図3参照)が設けられている。この始動入賞検出センサSE1,SE2によってパチンコ球が検出されると(始動入賞口31a,32aへの入賞が検出されると)、球払出装置(図示せず)による規定賞球数(例えば4個)のパチンコ球(賞球)の払い出しが行われる。また、始動入賞検出センサSE1,SE2によるパチンコ球の検出(判定条件の成立)を契機として、始動入賞情報(カウンタによる乱数値)が取得され、この取得された始動入賞情報に基づいて特図当り判定(大当り判定や小当り判定)が行われる。
【0026】
(特別入賞部33)
特別入賞部33は、特別入賞口(入球口、可変入球口)33aと、この特別入賞口33aを開閉する特別用開閉部材33bとを備え、始動入賞情報に基づく大当り判定(特図当り判定)が当り(大当り)の判定結果となった場合と、始動入賞情報に基づく小当り判定(特図当り判定)が当り(小当り)の判定結果となった場合とに、駆動手段としての特別入賞ソレノイドSL2(図3参照)が駆動制御されて、常には閉状態である特別入賞口33aが開状態に変化する、開閉型の入賞部(可変入賞部)とされている。また、特別入賞部33には、特別入賞口33aに入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出センサSE3(特別入賞検出手段、図3参照)が設けられている。この特別入賞検出センサSE3によってパチンコ球が検出されると、前記球払出装置により規定賞球数(例えば9個)のパチンコ球(賞球)が払い出される。
【0027】
ここで、大当り遊技状態は、特別用開閉部材33bが開放される規定回数(例えば、3回、6回または9回)のラウンド遊技を含み、1回のラウンド遊技が、特別入賞口33aに規定入賞数(規定個数、例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、或いは各ラウンド遊技の開始から規定時間(予め定めた特電開放時間)が経過することに応じて終了するように設定されている。この大当り遊技状態中、各ラウンド遊技の間には、特別用開閉部材33bが所定時間(ラウンド間インターバル時間)だけ閉鎖状態に維持されるラウンド間インターバルが設定される。この大当り遊技状態では、1回目のラウンド遊技の開始前にオープニング演出が所定時間(オープニング時間)に亘って行われ、最終回のラウンド遊技の終了後にはエンディング演出が所定時間(エンディング時間)に亘って行われる。なお、小当り遊技状態では、オープニング演出とエンディング演出との間に特別入賞口33aの短時間開放が複数回(例えば3回)発生するようになっている。
【0028】
(画像表示装置17について)
画像表示装置17(演出実行手段)の表示画面17aは、表示制御基板66と電気的に接続され(図3参照)、演出制御基板65における演出制御CPU65aの制御に基づいて(演出制御CPU65aからの制御信号に基づく表示制御基板66の制御によって)表示内容が更新される。表示画面17aでは、図柄群の演出図柄を配列順に切り替える変動表示が左右方向に並ぶ3つの図柄変動エリアの夫々で行われ、各図柄変動エリアに1つずつ、演出図柄が最終的に停止表示される。なお、図柄変動エリアに表示される各図柄群で演出図柄の配列は共通であり、「1」~「8」の数字を表す各演出図柄を数字順に並べ、これらの数字を表す各演出図柄の間に星形状のブランク図柄(特殊な演出図柄)を挿入したものとなっている。演出図柄の変動表示は、主制御CPU60aが決定した特図変動パターンにより特定される変動時間に亘って行われ、該変動時間の終了タイミングで全ての図柄変動エリアに演出図柄が停止表示された状態となり終了する。そして、予め定められた停止時間(変動インターバル時間)の経過後に、次の演出図柄の変動表示を開始することが可能となる。
【0029】
表示画面17aでは、演出図柄の組み合わせを停止表示することで、特図当り判定(大当り判定や小当り判定)の結果が報知される。具体的には、各図柄変動エリアに同じ演出図柄が停止表示される大当り表示により、特図当り判定が当りの判定結果となった(大当り遊技状態が生起される)ことが報知される。また、左右の図柄変動エリアに同じ数字を表す演出図柄、中央の図柄変動エリアにブランク図柄が停止表示される小当り表示により、小当り判定が当りの判定結果となった(小当り遊技状態が生起される)ことが報知される。この他、図柄変動エリアに大当り表示や小当り表示とは異なる組み合わせで演出図柄が停止表示される外れ表示により、特図当り判定が外れの判定結果となったことが報知される。
【0030】
演出図柄の変動表示中、表示画面17aの左右の図柄変動エリアに同じ演出図柄(リーチ図柄)を停留表示(仮停止表示)した状態で変動表示を継続する、所謂リーチ状態となることがある。このリーチ状態の表示によって、大当り遊技状態や小当り遊技状態が生起されることへの期待感が高められる。
【0031】
この他、画像表示装置17の表示画面17aでは、図柄変動演出(演出図柄の変動表示)中にその結果を示唆する予告演出や、大当り遊技状態を盛り上げる大当り演出等が、演出制御CPU65aの制御に基づいて行われるようになっている。なお、演出制御ROM65bには、演出制御CPU65aが実行を決定・実行制御可能な予告演出や大当り演出として、QRコード(登録商標)等のコード画像を表示する演出や、実行頻度が極めて低いレア演出等が設定されている。そして、遊技者は、これらの演出が表示画面17aで行われる際に、当該演出をスマートフォンSP等で撮影することで楽しむことができる。
【0032】
(端末保持機構70について)
図1および図4に示すように、実施例1のパチンコ機10には、遊技者が所有するスマートフォンSPを保持するためのホルダ(保持部)50が設けられている。ホルダ50は、前枠13(球受け皿14,15)に着脱自在に取り付けられる端末保持機構(保持手段)70の一部であり、一般的なサイズのスマートフォンSPを保持可能に構成されている。図5に示すように、ホルダ50は、端末保持機構70の後述する本体部71に装着される平板状のホルダ基部51と、このホルダ基部51の左右の両側縁部に設けられる可動保持片52と、この可動保持片52よりも下方位置でホルダ基部51の後面(透視保護板13b側を向く面)に装着されるラック53とにより構成されている。
【0033】
左右の各可動保持片52は、平面視U字状に湾曲した板部材であり、凹面側を左右方向に向き合わせた状態でホルダ基部51の両側縁に装着されている。各可動保持片52の基端部を上下方向に挿通する左右の軸ピン(図示せず)の上下端部が、ホルダ基部51の左右の側縁部に形成された凹状の枢支部51aの上面および下面に固定され、これにより各可動保持片52が軸ピンを中心に揺動自在となっている。各可動保持片52には、対応するホルダ基部51の側縁部に一端側が固定されたトーションばね(図示せず)の他端側が固定されており、これにより各可動保持片52が、互いの先端部52aをホルダ基部51の後面側で接近させる方向に付勢されている。すなわち、ホルダ50は、ホルダ基部51と、左右の可動保持片52における先端部52aとの前後間にスマートフォンSPを挟持し、そのスマートフォンSPの前方(遊技者側)への移動をホルダ基部51で規制すると共に、該スマートフォンSPの後方(透視保護板13b側)および左右方向への移動を各可動保持片52で規制するように構成されている。
【0034】
ここで、本実施例のホルダ50は、ホルダ基部51が合成樹脂によって透明または半透明に形成されていることで、ホルダ50で保持したスマートフォンSPの前面(遊技者側の面)に設けられている画面を透視し得るようになっている。
【0035】
ラック53は、ホルダ基部51の後面から後方(透視保護板13b側)に水平に延出する水平部54と、この水平部54の延出端部から上方に向けて延出する垂直部55とで構成されている。ここで、ラック53のうち水平部54の上面は、スマートフォンSPを載置する載置面となっており、スマートフォンSPを安定的に載置し得る横幅寸法で設けられている。そして、ラック53は、垂直部55により、水平部54に載置したスマートフォンSPがその下端側から後方(透視保護板13b側)にずれて傾くのを規制するように構成されている。
【0036】
ここで、ラック53には、その外縁部を除く大部分を板厚方向に貫通するようにラック開口部56が形成され、このラック開口部56を通じて、ホルダ50に保持したスマートフォンSPの下面中央部に設けられている充電ジャックにアクセスできるように構成されている。すなわち、ラック53に形成されたラック開口部56の内側空間は、ホルダ50で保持するスマートフォンSPの下面中央部を下方に露出させる開放領域となっている。そして、遊技店の設置台90に設けられたコンセント91に接続した充電ケーブル92のプラグを、ホルダ50に保持した状態のスマートフォンSPの充電ジャックにラック開口部(開放領域)56を通じて挿入することで接続することができ、また充電ケーブル92のプラグを充電ジャックからラック開口部56を通じて抜くことで接続を解除することができるようになっている。なお、ラック開口部56は、水平部54の範囲だけではなく垂直部55まで及ぶように形成されており、ラック開口部56を通じたスマートフォンSPの下面(充電ジャック)へのアクセスがし易くなっている。
【0037】
前述の如く構成される本実施例のホルダ50は、図1および図4に示すように、端末保持機構70が前枠13に取り付けられた状態で、画像表示装置17(演出実行手段)における表示画面17aの前方位置(正面位置)であり透視保護板13b(図1参照)に対して前方に離間した位置に配置される。ここで、ホルダ50は、遊技者が座る椅子の上方に位置して、この椅子に座る遊技者の上半身に近接するように配置されている。具体的には、透視保護板13bにおける表示画面17aの前方範囲から333mm前方に離間した位置に、ホルダ50が位置するようになっている。すなわち、ホルダ50は、表示画面17aでの表示演出を撮影できる状態でスマートフォンSPを保持し得る位置(表示画面17aの正面)にあるが、遊技領域20aを視認する遊技者の視野から外れる程度に透視保護板13bから前方に離間しているので、遊技者が表示画面17aでの演出(或いは遊技領域20aでの球流れ)を視認する際の妨げになることがない。
【0038】
図6に示すように、前述したホルダ50を有する端末保持機構70は、上下方向に延在する本体部(本体)71と、この本体部71の両側部から前方に延出して当該本体部71および上球受け皿14の前壁を接続する左右の上アーム72と、本体部71の下部から前方に延出して当該本体部71および下球受け皿15の前壁を接続する下アーム73とを備えている。図5に示すように、本体部71の上端部には、ホルダ基部51の下端部の形状に整合する凹状のホルダ装着部71aが形成されており、このホルダ装着部71aにホルダ基部51の下端部を挿入して固定することによりホルダ50が本体部71に装着されている。また、上アーム72および下アーム73は、剛性や寸法安定性のあるポリカーボネイト等の合成樹脂によって本体部71(ホルダ50を除く)と一体的に形成されている。なお、ホルダ50のホルダ基部51は、本体部71と一体的に形成してもよい。
【0039】
図6に示すように、下アーム73の延出端部には、左右に突出する円柱状の軸部73aが設けられ、この軸部73aの両端面に、軸部73aより小径の突部73bが夫々設けられている。また、左右の上アーム72の延出端部には、後方に延出する係止片72aが設けられ、この係止片72aの延出端部には係止爪72bが上方へ向けて突出するように設けられている。そして、端末保持機構70は、下アーム73の延出端部を、下球受け皿15に設けられた下側凹部42(後述)に前から嵌め込み(図7(a)参照)、左右の上アーム72の延出端部を、上球受け皿14に設けられた上側凹部41(後述)に嵌め込む(図7(b)参照)ことで、前枠13に取り付けられている。
【0040】
図7(a)に示すように、下球受け皿15における左右方向の中央部には、前方に開口する下側凹部42が設けられている。下側凹部42は、図8(a)に示すように、その上部よりも下部の方が左右に広い範囲で凹んでいる。この下側凹部42の下部は、左右端部よりも中央側の方が後方まで凹んでおり、この部分が下アーム73の軸部73aを収容する軸受け凹部43を構成している。軸受け凹部43の両側壁には、軸部73aの突部73bが嵌合する嵌合穴43aが形成され、この嵌合穴43aは図8(b)に示すように、前方に開口している。また、下側凹部42の下部には、一対のストッパ44が左右に離間して配置されている。各ストッパ44は、左右に長い形状であり、互いに離間する側の端部を中心として上下に揺動可能に構成されて、その揺動端側で左右の嵌合穴43aを前側から覆っている。各ストッパ44は、図示しない付勢手段によって上方へ向けて付勢されている。従って、図8(b)に示すように、左右のストッパ44を下方へ(一点鎖線で示す位置まで)下げた状態で下アーム73の軸部73aを軸受け凹部43まで前進させる(軸受け凹部43に収容する)ことで、図8(c)に示すように軸部73aの突部73bが嵌合穴43aに嵌合して、上方に戻った左右のストッパ44が軸部73aの両端部の前側に夫々位置するようになり、これにより軸部73aの抜け規制がなされて下アーム73の延出端部が下球受け皿15(前枠13)の前壁に接続される。なおこの時点では上アーム72が前枠13に接続されておらず、端末保持機構70が軸部73aを中心として上端側を前後に揺動し得る状態となる。
【0041】
図7(a)に示すように、上球受け皿14には、前方に開口する2つの上側凹部41が、左右に離間して設けられている。左右の上側凹部41は、端末保持機構70をその下端部(軸部73a)を中心に後方へ回動させた場合(図7(a)の状態から図7(b)の状態にする場合)の左右の上アーム72の移動先側に夫々設けられている。すなわち、前述した下アーム73の軸部73aが下側凹部42内の軸受け凹部43に枢支された状態で本体部71を上球受け皿14側に近づけるように移動させることにより、当該本体部71の左右縁部から後方へ延びる各上アーム72の延出端部が上側凹部41に挿入されるようになっている。ここで、上側凹部41の内部には、図9(a)に示すように、上アーム72の延出端面に当接する当接面41aと、係止爪72bの通過を許容する通口41bと、係止爪72bを係止する係止面41cとが設けられている。従って、係止片72aの係止爪72bを通口41bに通過させ、上アーム72の延出端面を当接面41aに接触させることで、図9(b)に示すように、係止片72aが通口41bの上面側に寄って係止爪72bが係止面41cに係止され、上側凹部41に対する係止片72aの離脱が規制されて、左右の上アーム72の延出端部が上球受け皿14(前枠13)の前壁に接続される。これにより端末保持機構70は、軸部73aを中心とする前後方向への揺動が規制され、前枠13の前面側に固定的に接続された状態となる。
【0042】
このように、本実施例の端末保持機構70は、前枠13の互いに離間した3点に接続される3つのアーム72,73で本体部71を支持することにより、本体部71に設けられるホルダ50を表示画面17aの正面側で安定させ得る構成となっている。すなわち、ホルダ50は、表示画面17aに表示される演出を正面で撮影できる位置にスマートフォンSPを安定的に保持し得るように配置されている。なお、上アーム72の係止片72aは、当該上アーム72を本体部71に対して押し下げるように撓ませることで上側凹部41から離脱させ得るように構成されている。また、下アーム73の軸部73aは、下側凹部42のストッパ44をその付勢力に逆らって押し下げつつ下アーム73を前方へ引っ張ることで下側凹部42(軸受け凹部43)から離脱させ得るように構成されている。
【0043】
なお、図7,図8,図9に示すように、上アーム72の延出端部には、上球受け皿14の前面に連なる装飾面72cが設けられ、下アーム73の延出端部には、下球受け皿15の前面に連なる装飾面73cが設けられている。すなわち、アーム72,73および球受け皿14,15の接続箇所に段差が生じないよう構成されており、前枠13に対して端末保持機構70が違和感なく一体的に組み付けられている。
【0044】
ここで、前述したように、端末保持機構70は、前枠13に取り付けられた状態において、左右の上アーム72の延出端部が上球受け皿14の前壁における左右に離間した位置に接続されると共に、下アーム73の延出端部が下球受け皿15の前壁の中央部に接続される。これにより、図7(b)に示すように、下アーム73と左右の上アーム72との間には開口が生じており、この開口(以下「取出口74」という)が、下球受け皿15における下貯留部15aの上方空間を、パチンコ機10の左右前方に向けて開放している。すなわち、本実施例のパチンコ機10は、端末保持機構70が前枠13に取り付けられた状態において、遊技者が右手で下貯留部15aのパチンコ球を取り出す場合には右側の上アーム72と下アーム73との間の取出口74を通じて下貯留部15aにアクセスすることができ、遊技者が左手で下貯留部15aのパチンコ球を取り出す場合には左側の上アーム72と下アーム73との間の取出口74を通じて下貯留部15aにアクセスすることができるように構成されている。すなわち、前枠13から端末保持機構70を取り外すことなく下球受け皿15内のパチンコ球を取り出すことが可能になっている。
【0045】
また、端末保持機構70における本体部71および左右の上アーム72と、上球受け皿14とで囲まれる内側に、上方に開放された比較的大きな空間(図7(b)参照)が形成されており、この空間(以下「荷物保持空間75」という)の下方には、下アーム73が板厚方向を上下に向けた状態で配置されている。すなわち、遊技者が遊技を行う場合に、カバン等の荷物を下アーム73の板面上(荷物保持空間75)に載置して、本体部71、上アーム72および上球受け皿14によって荷物の脱落を規制することができるように構成されている。このようにパチンコ機10に荷物保持空間75を形成することにより、遊技者が目に届く位置に荷物を置いておけるため、遊技者が安心して遊技や演出の撮影に専念し得ると共に、荷物の置き忘れを防止し得るようになっている。また、端末保持機構70を利用して荷物保持空間75を形成することにより、部材点数の増加も防いでいる。
【0046】
(実施例1の作用)
次に、前述した実施例1に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0047】
実施例1のパチンコ機10は、遊技者が所有するスマートフォンSP(撮影機能付きの携帯端末)を保持するためのホルダ50(保持部)を有する端末保持機構70(保持手段)を備えているので、遊技者はホルダ50にスマートフォンSPを保持しておくことで、演出を撮影したい時にスマートフォンを簡単に見つけることができる。また、遊技店の設置台90に充電用のコンセント91(図1参照)が設けられている場合、遊技者はスマートフォンSPに充電ケーブル92を繋いでホルダ50に保持しておくことで、スマートフォンSPの充電の進み具合を容易に確認することができる。更に、着信音も聞き取り易いので、遊技中に着信があっても気付くことができる。
【0048】
端末保持機構70のホルダ50が、スマートフォンSPを画像表示装置17(演出実行手段)における表示画面17aの正面側に保持し得る位置に配置されているので、遊技者は、表示画面17aに表示される演出を撮影したいタイミングが到来した時に、速やかにスマートフォンSPでの撮影準備を済ませることができ、その撮影を成功させることができる。言い換えれば、パチンコ機10が実行する制御プログラムにおいて遊技結果に基づく演出の実行時間を過度に長く確保しなくとも、遊技者による当該演出の撮影が可能であり、演出や遊技が間延びする問題が生じるのを防止することができる。
【0049】
端末保持機構70が、前枠(機前面を形成する前面形成体)13に対して着脱自在に構成されているので、例えば製造工場から遊技店に向けたパチンコ機10の搬送の際に、パチンコ機10から端末保持機構70を取り外して別個の梱包箱に入れる等、パチンコ機10の梱包の自由度が高まり、パチンコ機10を小さく纏めて梱包することが可能となる。また遊技店において端末保持機構70が破損した際には、その端末保持機構70のみを新しい端末保持機構70に交換することができる。
【0050】
前枠13に端末保持機構70が取り付けられた状態でのホルダ50が、前枠13の透視保護板(窓部)13bから前方に離間するように配置されているので、表示画面17aに表示される演出における透視保護板13bを通じた視認性を確保することができる。具体的にホルダ50は、遊技領域20aを視認する遊技者の視野から外れる程度に透視保護板13bから前方に離間しているので、遊技者が表示画面17aでの演出(或いは遊技領域20aでの球流れ)を視認する際の妨げになることがない。
【0051】
端末保持機構70には、本体部71に装着されたホルダ50のラック53にラック開口部56が形成され、スマートフォンSPの下面を露出させる開放領域が確保されているので、ホルダ50に保持された状態のスマートフォンSPの下面へのアクセスが可能となる。従って例えば、充電ケーブル92のプラグをスマートフォンSPの下面の充電ジャックに挿抜する際に、そのスマートフォンSPをわざわざホルダ50から取り外す必要が生じない。
【0052】
端末保持機構70が、ホルダ50を有する本体部71と、この本体部71の両側部および上球受け皿14の前壁を接続する左右の上アーム72と、本体部71の下部および下球受け皿15の前壁を接続する下アーム73とを備えており、これら3つのアーム72,73で本体部71(ホルダ50)を支持する構成であるので、ホルダ50を好適な保持位置で安定させることができる。また、下アーム73と左右の上アーム72との間に形成される左右の取出口74が、下球受け皿15の下貯留部15aの上方空間をパチンコ機10の左右前方に向けて開放しているので、前枠13から端末保持機構70を取り外さなくても、取出口74から下貯留部15aのパチンコ球を容易に取り出すことができる。
【0053】
端末保持機構70において、本体部71および左右の上アーム72と、上球受け皿14とで囲まれる内側に、上方に開放された荷物保持空間75が形成され、この荷物保持空間75の下方に板状の下アーム73がその板厚方向を上下に向けた状態で配置されているので、下アーム73の上面が荷物保持空間75の底面となり、この底面によって遊技者が所有する荷物を下方から支持して荷物保持空間75内に保持することができる。荷物保持空間75は上方に開口しているので、遊技者は荷物保持空間75に対して上方から荷物を出し入れすることができる。
【実施例0054】
次に、実施例2について図10図14を参照して説明する。なお、以下の説明において、実施例1で説明したパチンコ機10と同一の構成に関しては、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。実施例2に係るパチンコ機10は、ホルダ50に関する構成が実施例1に係るパチンコ機10と異なっており、他の構成については実施例1と同じになっている。具体的には、前述した実施例1のパチンコ機10が、ホルダ50を固定的に設けた端末保持機構70を備えるのに対し、実施例2のパチンコ機10は、ホルダ50を移動可能に設けた第2の端末保持機構80を備えた構成となっている。そこで以下、第2の端末保持機構80について説明する。
【0055】
図10および図11に示すように、実施例2のパチンコ機10には、遊技者が所有するスマートフォンSPを保持するためのホルダ(保持部)50を有する第2の端末保持機構(保持手段)80が設けられている。なお、実施例2におけるホルダ50は、前述した実施例1のホルダ50と基本的に同じ構成であり、ホルダ基部51と、左右の可動保持片52と、ラック53とを備えている。但し、図11に示すように、ホルダ基部51が実施例1よりやや小型で、後述する昇降機構部84(第2板部86)に装着されている。すなわち、実施例2のホルダ50は、ホルダ基部51の後面側(透視保護板13b側)にスマートフォンSPを保持する構成であり、透明または半透明に形成されたホルダ基部51を通じて、スマートフォンSPの前面(遊技者側の面)に設けられている画面を透視し得るようになっている。また、ラック53(水平部54および垂直部55)に形成されたラック開口部56の内側空間が、ホルダ50で保持するスマートフォンSPの下面(充電ジャック)を下方に露出させる開放領域となっている。
【0056】
本実施例のホルダ50は、第2の端末保持機構80の形態変化により、画像表示装置17(演出実行手段)における表示画面17aの前方位置(正面位置)にスマートフォンSPを保持し得る保持位置(図10および図12参照)と、この保持位置から外れた収納位置(図13参照)とに変位可能に構成されている。なお、ホルダ50の保持位置は、スマートフォンSPを表示画面17aでの表示演出を撮影できる状態で保持し得る位置(表示画面17aの正面)となっているが、透視保護板13bから前方へ大きく離間している。具体的に保持位置は、遊技者が座る椅子の上方で、その椅子に座る遊技者の上半身に近接する位置となっており、当該保持位置にホルダ50がある場合、このホルダ50は遊技領域20aを視認する遊技者の視野から外れる程度に透視保護板13bから前方に離間して、表示画面17aでの演出(或いは遊技領域20aでの球流れ)の視認性を妨げない。これに対し、ホルダ50の収納位置は、上球受け皿14に出入口102が開口する凹状の収納部101(図10および図14参照)の内側であり、図13に示すように収納位置のホルダ50が上球受け皿14の外壁で被覆されて視認不可能となるように構成されている。
【0057】
図10および図14に示すように、第2の端末保持機構80は、前後方向に延在する伸縮機構部81と、この伸縮機構部81の前端部に設けられる昇降機構部84とを備え、昇降機構部84にホルダ50が設けられた構成となっている。伸縮機構部81は、収納部101の内側に固定された左右一対の支持レール82(図14(b)において右側の支持レール82を破線で示している)と、この左右の支持レール82に沿って前後方向に移動可能な左右一対のスライドレール83とで構成されている。スライドレール83は、移動範囲の後側の移動限界位置において略全体が左右の支持レール82の間位置に重なって収納部101の内側に収容され(図14(a)参照)、移動範囲の前側の移動限界位置においては大部分が収納部101から前方に突出する(図14(b)参照)ようになっている。すなわち、伸縮機構部81は、前方に向けて延伸し(延伸形態)、後方に向けて短縮する(短縮形態)ように構成されている。
【0058】
また、昇降機構部84は、図14(c)に示すように、一端部(枢支端部)が左右のスライドレール83の先端側に枢支される第1板部85と、この第1板部85の他端部(自由端部)に枢支される第2板部86と、この第2板部86に固定的に装着される前述のホルダ50とで構成されている。第1板部85は、その枢支端部に対して自由端部が後方に位置する平伏姿勢(図14(b)参照)と、枢支端部に対して自由端部が上方に位置する起立姿勢(図10参照)との間で揺動可能であり、平伏姿勢では左右のスライドレール83の間に水平状態で位置するように構成されている。第2板部86は、その自由端部(第1板部85から離間する端部)が第1板部85の枢支端部側を指向してホルダ50が第1板部85と板厚方向に重なる重複姿勢(図14(b)参照)と、その自由端部が第1板部85の枢支端部と反対側を指向してホルダ50が第1板部85の延長方向に位置する展開姿勢(図10参照)との間で揺動可能であり、重複姿勢では第1板部85の自由端部に設けられた欠落部85aに嵌まり込むように構成されている。そして、昇降機構部84は、第1板部85を平伏姿勢とし、第2板部86を重複姿勢とすることによる下降形態(図14(b)参照)において、ホルダ50を下端位置(図14(a)および図14(b)参照)に配置すると共に、第1板部85を起立姿勢とし、かつ第2板部86を展開姿勢とすることによる上昇形態(図10参照)において、ホルダ50を上昇位置(図10および図12参照)に配置するように構成されている。
【0059】
すなわち、第2の端末保持機構80は、昇降機構部84を下降形態としつつ伸縮機構部81を短縮形態とすることで、ホルダ50が収納部101内の収納位置に位置し、この状態から伸縮機構部81を短縮形態から延伸形態に変化させることで昇降機構部84が前方に移動して、その前方に移動した昇降機構部84を下降形態から上昇形態に形態変化させてホルダ50を上昇位置に上昇させることにより、ホルダ50が保持位置に到達するように構成されている。
【0060】
図10図14(a)および図14(b)に示すように、収納部101は、上球受け皿14の前壁に開口する出入口102から後方に向けて凹むように形成されており、第2の端末保持機構80の全体を収容可能な大きさの内部空間を画成している。この収納部101の内底面には、前述した左右の支持レール82が固定されており、各支持レール82の対向面にスライドレール83が摺動可能に支持されている。すなわち、左右のスライドレール83は、短縮形態から延伸形態に変化する場合に、左右のスライドレール83に沿って前方に移動し、収納部101の出入口102を介して上球受け皿14から突出するように構成されている。なお、伸縮機構部81の前後寸法が大きいことから、前枠13の後壁を後方に突出させることで収納部101の前後寸法を確保している。
【0061】
ここで、第2の端末保持機構80は、図13および図14(a)に示すように、当該第2の端末保持機構80が収納部101に収納された状態で出入口102を塞ぐカバー部87を有している。このカバー部87は、昇降機構部84における第1板部85の枢支端部に設けられており(図14(c)参照)、収納部101内への収納状態(図14(a)参照)における前面が、上球受け皿14の前面に連なる装飾面87aとなっている。
【0062】
図10および図14(b)に示すように、カバー部87には、凹状の指掛け部88が設けられている。この指掛け部88は、昇降機構部84の上昇形態において前方(伸縮機構部81の伸縮方向)に開口する一方、昇降機構部84の下降形態では上方(伸縮機構部81の伸縮方向に対する直交方向)に開口するように設けられている。すなわち、第2の端末保持機構80は、昇降機構部84の下降形態において遊技者の手指を指掛け部88に掛けて容易に伸縮機構部81を短縮形態・延伸形態に変化させ得るように構成されている。なお、カバー部87は、収納部101の出入口102付近に設けられる図示しないカム機構部との関係でプッシュオン・プッシュオフのオルタネイト動作を行うものであり、出入口102にあるカバー部87を後方(収納部101奥側)に向けて押圧する毎に、その前面(装飾面87a)が上球受け皿14の前面に連なるオン位置x1(図14(a)参照)と、該前面(装飾面87a)が上球受け皿14の前面よりもやや前方に位置するオフ位置x2(図14(b)参照)とに交互に変化するよう構成されている。そして、カバー部87がオフ位置x2にある場合に指掛け部88が露出することで、この指掛け部88に遊技者が手指をかけて第2の端末保持機構80を引き出す(伸縮機構部81を延伸形態とする)ことができるように構成されている。
【0063】
(実施例2の作用)
次に、前述した実施例2に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0064】
実施例2のパチンコ機10は、遊技者が所有するスマートフォンSP(撮影機能付きの携帯端末)を保持するためのホルダ50(保持部)を有する第2の端末保持機構80(保持手段)を備えているので、遊技者はホルダ50にスマートフォンSPを保持しておくことで、演出を撮影したい時にスマートフォンを簡単に見つけることができる。また、遊技店の設置台90に充電用のコンセント91が設けられている場合、遊技者はスマートフォンSPに充電ケーブル92を繋いでホルダ50に保持しておくことで、スマートフォンSPの充電の進み具合を容易に確認することができる。更に、着信音も聞き取り易いので、遊技中に着信があっても気付くことができる。
【0065】
第2の端末保持機構80のホルダ50が保持位置の場合、スマートフォンSPを画像表示装置17(演出実行手段)における表示画面17aの正面側に保持し得る位置にホルダ50が配置されるので、遊技者は、表示画面17aに表示される演出を撮影したいタイミングが到来した時に、速やかにスマートフォンSPでの撮影準備を済ませることができ、その撮影を成功させることができる。言い換えれば、パチンコ機10が実行する制御プログラムにおいて遊技結果に基づく演出の実行時間を過度に長く確保しなくとも、遊技者による当該演出の撮影が可能であり、演出や遊技が間延びする問題が生じるのを防止することができる。
【0066】
第2の端末保持機構80には、昇降機構部84に装着されたホルダ50のラック53にラック開口部56が形成され、スマートフォンSPの下面を露出させる開放領域が確保されているので、ホルダ50に保持された状態のスマートフォンSPの下面へのアクセスが可能となる。従って例えば、充電ケーブル92のプラグをスマートフォンSPの下面の充電ジャックに挿抜する際に、そのスマートフォンSPをわざわざホルダ50から取り外す必要が生じない。
【0067】
第2の端末保持機構80は、前方に向けて延伸しかつ後方に向けて短縮する伸縮機構部81の先端側に、昇降機構部84を介してホルダ50保持部が設けられており、伸縮機構部81を短縮形態から延伸形態に変化させることで前方に移動した昇降機構部84の形態変化に応じて、ホルダ50が上昇位置に上昇して保持位置に到達するように構成されているので、ホルダ50の位置を大きく変化させることができる。すなわち、保持位置で表示画面17aの正面にスマートフォンSPを保持可能なホルダ50を、その保持位置から大きく離れた収納位置に移動させて収納することが可能となる。
【0068】
第2の端末保持機構80は、その全体が収納部101に収納されるので、収納部101に第2の端末保持機構80を収納した場合、第2の端末保持機構80が遊技の邪魔になることがない。また、収納部101に第2の端末保持機構80を収納した状態でカバー部87が収納部101の出入口102を塞ぐので、収納部101に第2の端末保持機構80を収納した場合、第2の端末保持機構80の存在が遊技者にとって目障りになることがない。
【実施例0069】
次に、実施例3について図15を参照して説明する。なお、実施例3に係るパチンコ機10は、端末保持機構70(或いは第2の端末保持機構80)に設けられる角度調整板111により枢支され、ホルダ50の角度を左右方向の回転軸による回転方向に変化させ得る点が、前述した実施例1,2に係るパチンコ機10と異なっている。そこで以下、角度調整板111およびホルダ50の関係について説明する。
【0070】
実施例3のパチンコ機10は、図15に示すように、板厚方向が前後方向を向く姿勢で立設される角度調整板111を備えており、この角度調整板111の回動部112にホルダ50が装着されている。ここで、回動部112は、角度調整板111の後面の上縁に沿う水平な軸を中心としてホルダ50を枢支する部位であり、ホルダ50の向き(角度)を、ホルダ基部51の後面が後方を向く第1角度(図15(a)に示す角度)と、第1角度よりもホルダ基部51の後面が上方を向く第2角度(図15(b)に示す角度)との間で自由に変更し、その変更した角度で固定し得るように構成されている。なお、角度調整板111に対して第1角度で静止するホルダ50で保持したスマートフォンSPが表示画面17aの中央部(可動体Kの動作位置Kb、図2参照)を指向する場合、ホルダ50を角度調整板111に対して所定角度(例えば第2角度)で静止させることで、スマートフォンSPが可動体Kの待機位置Ka(図2参照)を指向するようになっている。
【0071】
(実施例3の作用)
次に、前述した実施例3に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0072】
実施例3のパチンコ機10は、端末保持機構70(或いは第2の端末保持機構80)が、ホルダ50の向き(角度)を調節可能に構成されているので、スマートフォンSPのカメラの位置に応じて該スマートフォンSPを最も撮影し易い角度で保持部に保持させておき、撮影タイミングで速やかに撮影準備を済ませることができる。ここで、第1角度としたホルダ50にセットしたスマートフォンSPのカメラが表示画面17aの方向を指向する場合、当該ホルダ50は第2角度まで回動させ得るので、表示画面17a内で上下方向に移動するキャラクタ画像等を撮影する際には、ホルダ50の角度を変化させながらキャラクタ画像の移動表示をカメラで追うようにして撮影すれば、カメラの左右へのブレを防止しつつキャラクタ画像の移動表示を撮影することもできる。また、可動体Kの動作位置Kbが表示画面17aの中央部に重なる位置であり、第1角度としたホルダ50にセットしたスマートフォンSPのカメラが表示画面17aの中央部を指向する場合、当該ホルダ50を第2角度とすると可動体Kの待機位置Kaを指向するようになるので、可動体Kが演出動作を行う際に、ホルダ50の角度を変化させながら可動体Kの演出動作をカメラで追うようにして撮影すれば、カメラの左右へのブレを防止しつつ可動体Kの演出動作を撮影することもできる。
【実施例0073】
次に、実施例4について図16を参照して説明する。なお、実施例4に係るパチンコ機10は、端末保持機構70(或いは第2の端末保持機構80)に上下方向に延在するよう設けられる角度調整軸121により枢支され、当該角度調整軸121の回転方向にホルダ50の角度を変化させ得る点が、前述した実施例1,2に係るパチンコ機10と異なっている。そこで以下、角度調整軸121およびホルダ50の関係について説明する。
【0074】
実施例4のパチンコ機10は、図16に示すように、端末保持機構70(或いは第2の端末保持機構80)の上端面から上方に向けて延出する角度調整軸121を備えており、この角度調整軸121の上端部にホルダ50が装着されている。ここで、角度調整軸121は、その中心線を基準に回動するようにホルダ50を枢支する部位であり、ホルダ50の向き(角度)を、ホルダ基部51の後面が後方を向く正面向き角度(図16(a)および図16(b)に一点鎖線で示している)と、第1角度よりもホルダ基部51の後面が斜め左側を向く左向き角度(図16(a)に示す角度)と、第1角度よりもホルダ基部51の後面が斜め右側を向く右向き角度(図16(b)に示す角度)とに変更し得るように構成されている。なお、ホルダ50が角度調整軸121に対して正面向き角度で静止する場合に、ホルダ50で保持したスマートフォンSPが表示画面17aの中央部を指向する一方、ホルダ50が角度調整板111に対して右向き角度や左向き角度で静止する場合に、ホルダ50で保持したスマートフォンSPが表示画面17aの側縁部を指向するようになっている。
【0075】
(実施例4の作用)
次に、前述した実施例4に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0076】
実施例4のパチンコ機10は、端末保持機構70(或いは第2の端末保持機構80)が、ホルダ50の向き(角度)を調節可能に構成されているので、スマートフォンSPを最も撮影し易い角度で保持部に保持させておき、撮影タイミングで速やかに撮影準備を済ませることができる。ここで、正面向き角度としたホルダ50にスマートフォンSPをセットして撮影する場合には、スマートフォンSPのカメラが表示画面17aの方向を指向することになり、かつ当該ホルダ50を右向き角度や左向き角度まで回動させ得るので、表示画面17a内で左右方向に移動するキャラクタ画像等を撮影する際に、ホルダ50の角度を変化させながらキャラクタ画像の移動表示をカメラで追うようにして撮影することもできる。なお、演出動作を行っていない可動体Kの待機位置が表示画面17aの側縁部に設けられる構成の場合には、その可動体Kの左右方向への演出動作をカメラで追うようにしてホルダ50の角度を変化させて撮影することも可能である。
【0077】
(変更例)
本発明は、前述の実施例に限定されず、以下の如く変更することも可能である。
(1) 実施例1~4では、保持部(ホルダ)におけるホルダ基部の後面側に携帯端末(スマートフォン)を保持することで、携帯端末の前面(遊技者側の面)に設けられている画面を透明または半透明に形成されたホルダ基部を介して透視し得るように構成した。これに対して、例えば図17(a)や図17(b)に示すように、ホルダ基部51の前面側に携帯端末SPを保持することで、保持部50に保持した携帯端末SPの画面に遊技者が直接触れてタッチパネルを操作し、このタッチパネルの操作により撮影を行い得る構成としてもよい。
(2) 実施例1~4では、前枠の球受け皿に保持手段(端末保持機構、第2の端末保持機構)を配設した。これに対し、前枠における球受け皿よりも上方位置に保持手段を配設してもよい。例えば、図18に示すように、前枠13におけるトップランプ19aに、下方および前方に開口する凹状の収納部101を形成し、収納部101の内側の収納位置z1と、収納部101の外側であり演出実行手段(画像表示装置)17の正面側の保持位置z2とに保持部50を変位させ得るように保持手段80xを構成する。より具体的には、伸縮可能な伸縮機構部181の基端部(枢支端部)を、収納部101から前方に突出するヒンジ金具131によって枢支するようにし、この伸縮機構部181の先端部(自由端部)に保持部50を装着する。このようにすることで、伸縮機構部181における伸縮動作と、伸縮機構部181におけるヒンジ金具131の前端部を中心とする回動動作とにより、保持部50を収納位置z1および保持位置z2に変位させ得る構成とすることができる。
(3) 実施例2では、保持部が演出実行手段の正面側の保持位置と、収納部の内側の収納位置とに変位し得るように構成した。これに対し、演出実行手段の正面側の撮影用保持位置と、演出実行手段の正面から外れた位置で露出する待機用保持位置とに保持部を変位させ得るように構成してもよい。このようにすれば、携帯端末による演出の撮影を行わない場合には演出実行手段の正面から外れた位置に保持部を退避させておくことができ、その位置で保持部が露出するため遊技者が携帯端末を保持部に置き忘れるといった不具合を防止することができる。例えば、図18に示すように、伸縮可能な伸縮機構部181の基端部(枢支端部)を、前枠13のトップランプ19aから前方に突出するヒンジ金具131によって枢支するようにし、この伸縮機構部181の先端部(自由端部)に保持部50を装着する。そして、伸縮機構部181がヒンジ金具131から垂下する状態での保持部50の位置を撮影用保持位置z2とし、伸縮機構部181が垂下状態よりも機前方に回動した状態での保持部50の位置を待機用保持位置z3として設定することができる。
(4) 実施例3,4では、保持部の向き(角度)を回動により変更し得るように構成したが、保持部を左右方向および上下方向の少なくとも一方にスライド可能にして、保持部における左右方向・上下方向の位置を変更して自由な位置で固定し得るように構成してもよい。
(5) 実施例1では、保持手段における本体部と上下アームとを一体的に成形するようにしたが、上下アームの少なくとも何れかを本体部とは別部材とし、本体部に対して着脱可能に構成してもよい。
(6) 実施例1~4で説明したように保持部を演出実行手段の正面側に位置させる場合、演出実行手段が高い位置にあると、携帯端末も保持部によって高い位置に保持されることになり、携帯端末に対する撮影操作が行い難くなる虞がある。そこで、遊技機における遊技者が操作し易い位置(保持部より下方位置、例えば上球受け皿等)に、携帯端末に撮影指示信号を入力する撮影操作部を備えるように構成してもよい。この撮影操作部は、例えば押圧操作が可能なボタン等であり、この撮影操作部を有線または無線により携帯端末と接続可能に構成する。例えば携帯端末が、撮影操作と音量調節操作とを同じ操作部で行うタイプであれば、遊技機の撮影操作部と電気的に接続したケーブルのプラグを、携帯端末の接続口(例えばイヤホンジャック)に接続可能に構成する。そして、撮影操作部の操作に応じて携帯端末に撮影指示信号を入力することで、遊技者が演出の撮影を容易に行い得る。
(7) 実施例1~4で説明した保持部を遊技機に備える場合に、保持部への携帯端末の置き忘れが問題になり得る。そこで、保持部が携帯端末を保持しているか否かを検出する端末検出手段と、遊技者の遊技終了後、端末検出手段による検出状態に基づいて報知を実行する報知手段とを備えるように構成してもよい。この場合には例えば、端末検出手段としてフォトセンサ等を用い、報知手段としてスピーカや枠ランプ、画像表示装置等を用いることができる。そして、例えば、図柄変動表示が行われない状態となってから所定時間の間に操作レバーの操作が行われない場合等に、遊技者による遊技が終了したものと判定し、当該判定時にフォトセンサにより携帯端末が検出された場合に、携帯端末を忘れていることを遊技者に知らせる報知を報知手段で行うことができる。
【符号の説明】
【0078】
13 前枠(前面形成体),
13b 透視保護板(窓部),
17 画像表示装置(演出実行手段),
50 ホルダ(保持部),
56 ラック開口部(開放領域),
65a 演出制御CPU(演出決定手段),
80 第2の端末保持機構(保持手段),
81 伸縮機構部,
84 昇降機構部,
87 カバー部,
101 収納部,
102 出入口,
SP スマートフォン(携帯端末)
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