(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130192
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】有機ELパネル支持システム
(51)【国際特許分類】
F21V 19/00 20060101AFI20220830BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220830BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220830BHJP
F21V 21/00 20060101ALI20220830BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220830BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20220830BHJP
【FI】
F21V19/00 170
H05B33/14 A
F21S2/00 482
F21V19/00 130
F21V21/00 100
F21S2/00 250
F21V23/00 160
F21Y115:15
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029234
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】513298929
【氏名又は名称】石田 聖次
(74)【代理人】
【識別番号】100133282
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 春喜
(74)【代理人】
【識別番号】100116780
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 雅子
(72)【発明者】
【氏名】石田 聖次
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
3K107
3K244
【Fターム(参考)】
3K013BA05
3K014AA00
3K107AA01
3K107BB02
3K107CC43
3K107EE63
3K244AA05
3K244BA21
3K244BA26
3K244BA27
3K244BA31
3K244CA02
3K244DA03
3K244JA03
3K244KA02
3K244KA03
3K244KA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】結線スペース及び固定のための余分な部材が無くなり、有機ELパネルが本来もつ薄さを十分引き出すことができる有機ELパネル支持システムを提供する。
【解決手段】有機ELパネル支持システムは、有機ELパネル1と、第1の強磁性金属板2及び第2の強磁性金属板3と、第1の強磁性金属板2及び第2の強磁性金属板3と有機ELパネルの外部接続端子とをそれぞれ電気的に接続する通線4とを有する有機ELパネル部10及び第1の強磁性金属板2及び第2の強磁性金属板3にそれぞれ電気接続するとともに磁気的に固着する第1の導電性磁石6及び第2の導電性磁石7と、第1の導電性磁石6及び第2の導電性磁石7を結合する絶縁部材8を有する接続部11と、第1の導電性磁石及び第2の導電性磁石にそれぞれ電気的に接続する外部接続線9を含み、接続部を支持する支持部材12とを有する有機ELパネル支持部13と、を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ELパネルと、該有機ELパネルの裏面であってその中心付近に間隔を空けて固定された強磁性体材料を主成分とする複数の強磁性金属板と、該複数の強磁性金属板と該有機ELパネルの外部接続端子とをそれぞれ電気的に接続する通線とを有する有機ELパネル部と、
該複数の強磁性金属板にそれぞれ電気的に接続するとともに磁気的に固着する複数の導電性磁石と、該複数の導電性磁石を結合する絶縁部材とを有する接続部と、該複数の導電性磁石に電気的に接続する外部接続線を含み、該接続部を支持する支持部材とを有する有機ELパネル支持部と、
を備えた有機ELパネル支持システム。
【請求項2】
有機ELパネルと、該有機ELパネルの裏面であってその中心付近に間隔を空けて固定された強磁性体材料を主成分とする第1の強磁性金属板及び第2の強磁性金属板と、該第1の強磁性金属板及び第2の強磁性金属板と該有機ELパネルの外部接続端子とをそれぞれ電気的に接続する通線とを有する有機ELパネル部と、
該第1の強磁性金属板及び第2の強磁性金属板にそれぞれ電気的に接続するとともに磁気的に固着する第1の導電性磁石及び第2の導電性磁石と、第1の導電性磁石及び第2の導電性磁石を結合する絶縁部材とを有する接続部と、該第1の導電性磁石及び第2の導電性磁石にそれぞれ電気的に接続する外部接続線を含み、該接続部を支持する支持部材とを有する有機ELパネル支持部と、
を備えた有機ELパネル支持システム。
【請求項3】
上記第1の強磁性金属板及び第2の強磁性金属板は、上記有機ELパネルの裏面を覆う保護カバーに表面を除いて埋設され、上記通線は、該保護カバーに埋設されていることを特徴とする請求項2に記載の有機ELパネル支持システム。
【請求項4】
有機ELパネルと、該有機ELパネルの裏面であってその中心付近に間隔を空けて固定された強磁性体材料を主成分とする第1の強磁性金属板及び第2の強磁性金属板と、該第1の強磁性金属板に隣接して設けられた第1の導電性金属板と該第2の強磁性金属板に隣接して設けられた第2の導電性金属板と、該有機ELパネルの外部接続端子と該第1の強磁性金属板及び第1の導電性金属板、第2の強磁性金属板及び第2の導電性金属板とをそれぞれ電気的に接続する通線とを有する有機ELパネル部と、
該第1の強磁性金属板及び第2の強磁性金属板にそれぞれ電気的に接続するとともに磁気的に固着する第1の導電性磁石及び第2の導電性磁石と、該第1の導電性磁石に隣接して設けられ第1の導電性金属板に電気的に接続する第1の導電性電極及び該第2の導電性磁石に隣接して設けられ第2の導電性金属板に電気的に接続する第2の導電性電極と、第1の導電性磁石及び第2の導電性磁石を結合する絶縁部材とを有する接続部と、該第1の導電性磁石及び第1の導電性電極と、第2の導電性磁石及び第2の導電性電極とに、それぞれ電気的に接続する外部接続線を含み、該接続部を支持する支持部材とを有する有機ELパネル支持部と、
を備えた有機ELパネル支持システム。
【請求項5】
上記第1の強磁性金属板、第2の強磁性金属板、第1の導電性金属板及び第2の導電性金属板は、上記有機ELパネルの裏面を覆う保護カバーに表面を除いて埋設され、上記通線は、該保護カバーに埋設されていることを特徴とする請求項4に記載の有機ELパネル支持システム。
【請求項6】
上記第1の導電性電極及び第2の導電性電極は、それぞれスプリングを介して上記接続部に固定されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の有機ELパネル支持システム。
【請求項7】
有機ELパネルと、該有機ELパネルの裏面であってその中心付近に間隔を空けて固定された強磁性体材料を主成分とする第1の強磁性金属板ないし第4の強磁性金属板と、該第1の強磁性金属板ないし第4の強磁性金属板と該有機ELパネルの外部接続端子とをそれぞれ電気的に接続する通線とを有する有機ELパネル部と、
該第1の強磁性金属板ないし第4の強磁性金属板にそれぞれ電気的に接続するとともに磁気的に固着する第1の導電性磁石ないし第4の導電性磁石と、第1の導電性磁石ないし第4の導電性磁石を結合する絶縁部材とを有する接続部と、該第1の導電性磁石ないし第4の導電性磁石にそれぞれ電気的に接続する外部接続線を含み、該接続部を支持する支持部材とを有する有機ELパネル支持部と、
を備えた有機ELパネル支持システム。
【請求項8】
上記第1の強磁性金属板ないし第4の強磁性金属板及び第1の導電性磁石ないし第4の導電性磁石は、それぞれ並列に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の有機ELパネル支持システム。
【請求項9】
上記第1の強磁性金属板ないし第4の強磁性金属板及び第1の導電性磁石ないし第4の導電性磁石は、それぞれ田の字状に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の有機ELパネル支持システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ELパネル支持システムに関する。
【背景技術】
【0002】
白熱灯や蛍光灯に代わる照明として、有機ELパネルが注目されている。
また、照明用以外ではディスプレイ・薄型TV等への採用も進められている。
有機ELパネルは、ガラス等の基板上に有機EL素子を積層し、有機EL素子を封止する構造及び有機EL素子へ給電する構造を備えたものである。
【0003】
有機ELパネルは、豊富に存在する有機化合物が利用でき、製造工程もシンプルである。そして、大量生産体制が整えば低コスト化が見込めるとともに、機能面では紙のように薄く軽量で柔軟に曲げられることから、将来性が期待されている。
また、有機ELパネルを照明・ディスプレイとして利用するための支持も含めた有機ELパネル支持システムについても、多数の提案がなされている。
【0004】
例えば特許文献1では、ダクトレールに有機ELパネルを取り付ける取付構造について提案されている。また、特許文献2では、高い意匠性をもつ平面光源及び照明装置について提案されている。
ところが上記の特許文献の提案では、有機ELパネルに支持部が接合されていたり、有機ELパネルを取り囲むように取付部材が形成されていて、有機ELパネルが本来もつ薄さを十分引き出せていない。
【0005】
有機ELパネルは、単体でも市販されている。
有機ELパネル単体で市販されているものは、有機ELパネルの引き出し端子に外部接続線を直接ハンダ付けするか、有機ELパネルに付加した外部接続端子に外部接続線をハンダ付けしているため、ハンダ付の手間がかかっている。さらに、ハンダ付のためのスペースが必要となり、有機ELパネルの持つ本来の薄さが損なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2016/140143号公報
【特許文献2】特許第6243579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、結線スペース及び固定のための余分な部材を無くし、有機ELパネルが本来もつ薄さを十分に引き出すことができる有機ELパネル支持システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の課題を解決するための手段は、次のとおりである。
(1)有機ELパネルと、該有機ELパネルの裏面であってその中心付近に間隔を空けて固定された強磁性体材料を主成分とする複数の強磁性金属板と、該複数の強磁性金属板と該有機ELパネルの外部接続端子とをそれぞれ電気的に接続する通線とを有する有機ELパネル部と、
該複数の強磁性金属板にそれぞれ電気的に接続するとともに磁気的に固着する複数の導電性磁石と、該複数の導電性磁石を結合する絶縁部材とを有する接続部と、該複数の導電性磁石に電気的に接続する外部接続線を含み、該接続部を支持する支持部材とを有する有機ELパネル支持部と、
を備えた有機ELパネル支持システム。
(2)有機ELパネルと、該有機ELパネルの裏面であってその中心付近に間隔を空けて固定された強磁性体材料を主成分とする第1の強磁性金属板及び第2の強磁性金属板と、該第1の強磁性金属板及び第2の強磁性金属板と該有機ELパネルの外部接続端子とをそれぞれ電気的に接続する通線とを有する有機ELパネル部と、
該第1の強磁性金属板及び第2の強磁性金属板にそれぞれ電気的に接続するとともに磁気的に固着する第1の導電性磁石及び第2の導電性磁石と、第1の導電性磁石及び第2の導電性磁石を結合する絶縁部材とを有する接続部と、該第1の導電性磁石及び第2の導電性磁石にそれぞれ電気的に接続する外部接続線を含み、該接続部を支持する支持部材とを有する有機ELパネル支持部と、
を備えた有機ELパネル支持システム。
(3)上記第1の強磁性金属板及び第2の強磁性金属板は、上記有機ELパネルの裏面を覆う保護カバーに表面を除いて埋設され、上記通線は、該保護カバーに埋設されていることを特徴とする上記(2)に記載の有機ELパネル支持システム。
(4)有機ELパネルと、該有機ELパネルの裏面であってその中心付近に間隔を空けて固定された強磁性体材料を主成分とする第1の強磁性金属板及び第2の強磁性金属板と、該第1の強磁性金属板に隣接して設けられた第1の導電性金属板と該第2の強磁性金属板に隣接して設けられた第2の導電性金属板と、該有機ELパネルの外部接続端子と、該第1の強磁性金属板及び第1の導電性金属板、第2の強磁性金属板及び第2の導電性金属板とをそれぞれ電気的に接続する通線とを有する有機ELパネル部と、
該第1の強磁性金属板及び第2の強磁性金属板にそれぞれ電気的に接続するとともに磁気的に固着する第1の導電性磁石及び第2の導電性磁石と、該第1の導電性磁石に隣接して設けられ第1の導電性金属板に電気的に接続する第1の導電性電極及び該第2の導電性磁石に隣接して設けられ第2の導電性金属板に電気的に接続する第2の導電性電極と、第1の導電性磁石及び第2の導電性磁石を結合する絶縁部材とを有する接続部と、該第1の導電性磁石及び第1の導電性電極と、第2の導電性磁石及び第2の導電性電極とに、それぞれ電気的に接続する外部接続線を含み、該接続部を支持する支持部材とを有する有機ELパネル支持部と、
を備えた有機ELパネル支持システム。
(5)上記第1の強磁性金属板、第2の強磁性金属板、第1の導電性金属板及び第2の導電性金属板は、上記有機ELパネルの裏面を覆う保護カバーに表面を除いて埋設され、上記通線は、該保護カバーに埋設されていることを特徴とする上記(4)に記載の有機ELパネル支持システム。
(6)上記第1の導電性電極及び第2の導電性電極は、スプリングを介して上記接続部に固定されていることを特徴とする上記(4)又は(5)に記載の有機ELパネル支持システム。
(7)有機ELパネルと、該有機ELパネルの裏面であってその中心付近に間隔を空けて固定された強磁性体材料を主成分とする第1の強磁性金属板ないし第4の強磁性金属板と、該第1の強磁性金属板ないし第4の強磁性金属板と該有機ELパネルの外部接続端子とをそれぞれ電気的に接続する通線とを有する有機ELパネル部と、
該第1の強磁性金属板ないし第4の強磁性金属板にそれぞれ電気的に接続するとともに磁気的に固着する第1の導電性磁石ないし第4の導電性磁石と、第1の導電性磁石ないし第4の導電性磁石を結合する絶縁部材とを有する接続部と、該第1の導電性磁石ないし第4の導電性磁石にそれぞれ電気的に接続する外部接続線を含み、該接続部を支持する支持部材とを有する有機ELパネル支持部と、
を備えた有機ELパネル支持システム。
(8)上記第1の強磁性金属板ないし第4の強磁性金属板及び第1の導電性磁石ないし第4の導電性磁石は、それぞれ並列に配置されていることを特徴とする上記(7)に記載の有機ELパネル支持システム。
(9)上記第1の強磁性金属板ないし第4の強磁性金属板及び第1の導電性磁石ないし第4の導電性磁石は、それぞれ田の字状に配置されていることを特徴とする上記(7)に記載の有機ELパネル支持システム。
【発明の効果】
【0009】
本発明の有機ELパネル支持システムによれば、次のような効果が得られる。
(1)有機ELパネルの結線スペース及び固定のための余分な部材が無くなり、有機ELパネル単体での利用が可能となる。
(2)有機ELパネル支持部からの有機ELパネルの着脱を、簡単に行うことができる。
(3)有機ELパネルを有機ELパネル支持部に固定する機構が、有機ELパネルに対する導電機構を兼用しているため、有機ELパネルの有機ELパネル支持部への取付構造が簡略化される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る有機ELパネル支持システムの要点を説明するための部分図面である。
【
図2】実施例1に係る有機ELパネル支持システムを説明するための図面である。
【
図3】実施例2に係る有機ELパネル支持システムを説明するための図面である。
【
図4】実施例3に係る有機ELパネル支持システムを説明するための部分図面である。
【
図5】実施例4に係る有機ELパネル支持システムを説明するための部分図面である。
【
図6】実施例5に係る有機ELパネル支持システムを説明するための部分図面である。
【
図7】本発明に係る有機ELパネル支持システムにおける、有機ELパネル部と有機ELパネル支持部との他の位置関係を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の要点)
本発明は、有機ELパネル支持システムにおいて、有機ELパネルの裏面であってその中心付近に間隔を空けて固定された強磁性体材料を主成分とする複数の強磁性金属板と、複数の強磁性金属板と有機ELパネルの外部接続端子とをそれぞれ接続する通線とを有する有機ELパネル部と、複数の強磁性金属板にそれぞれ電気的に接続するとともに磁気的に固着する複数の導電性磁石と、複数の導電性磁石を結合する絶縁部材とを有する接続部を設けることを要点とする。
【0012】
以下、
図1を参照して本発明の要点を説明する。
図1は、本発明に係る有機ELパネル支持システムの要点を説明するための部分図面である。
有機ELパネルの裏面上であってその中心付近に、強磁性体材料を主成分とする複数の強磁性金属板2、3が間隔を空けて固定されている。複数の強磁性金属板2、3は、通線4により図示しない有機ELパネルの外部接続端子に電気的に接続されている。
【0013】
接続部には、複数の強磁性金属板2、3にそれぞれ電気接続するとともに磁気的に固着する複数の導電性磁石6、7が、それぞれの導電性磁石6、7を結合し電気的に絶縁する絶縁部材8を挟んで設けられている。そして接続部は、矢印の方向に移動することにより、有機ELパネル部と電気的かつ磁気的に強固に接続される。
【0014】
(実施例1)
図2は、実施例1に係る有機ELパネル支持システムを説明するための図面である。
図2の(a)図は、有機ELパネル支持部13を説明する図面である。有機ELパネル支持部13は、有機ELパネル部と接続する接続部11及び有機ELパネル部を支持し、図示しないダクトレール等に取り付ける支持部材12から構成されている。
【0015】
接続部11には、絶縁部材8の両端に接着結合された、第1の導電性磁石6及び第2の導電性磁石7が適宜の手段により取り付けられている。
支持部材12の内部には、第1の導電性磁石6及び第2の導電性磁石7にそれぞれハンダ付けされた外部接続線9が配置されている。外部接続線9は、図示しない電源給電部からの電力を、有機ELパネルの外部接続端子に供給する働きをする。
【0016】
図2の(b)、(c)図は、有機ELパネル部10を説明する図面である。(b)図は、有機ELパネル部10の中央付近を通る横断面図であり、(c)図は、有機ELパネル部10の上面図である。
有機ELパネル部10は、有機ELパネル1と、有機ELパネルの裏面の中心付近に間隔を空けて固定された強磁性体材料を主成分とする第1の強磁性金属板2及び第2の強磁性金属板3と、第1の強磁性金属板2及び第2の強磁性金属板3と有機ELパネル1の図示しない外部接続端子とをそれぞれ接続する通線4とを有する。
【0017】
第1の強磁性金属板2及び第2の強磁性金属板3は、例えば鉄(SPCC)などの強磁性金属をメッキにより有機ELパネル1の裏面上の中心付近に間隔を空けて形成し固定する。メッキ層の厚みは、有機ELパネルを有機ELパネル支持部13により支持した際に離脱しない程度の強度が得られるように選定する。実施例1では、0.5mm厚のメッキ仕上げとしている。
【0018】
第1の強磁性金属板2及び第2の強磁性金属板3と、有機ELパネル1の図示しない外部接続端子とをそれぞれ接続する通線4は、例えば銅板としその厚さを0.3mmとする。銅板に代えて導電ペースト等を印刷形成してもよい。
【0019】
有機ELパネル1の周囲は、発光する面を除いて、0.5mm厚の保護カバー5により被覆されている。このため有機ELパネル1の裏面では、第1の強磁性金属板2及び第2の強磁性金属板3は、その表面を除いて保護カバーに埋設され、通線4は、保護カバーに埋設される。
【0020】
保護カバー5は、本発明の実施に必須のものではないが、保護カバー5を使用することにより、有機ELパネルを単体で使用することができる。すなわち、裏面の凹凸が無くなるために、有機ELパネルの薄い形状をそのまま見せることができる。
【0021】
(実施例2)
図3は、実施例2に係る有機ELパネル支持システムを説明するための図面である。
図3の(a)図は、有機ELパネル支持部13を説明する図面である。有機ELパネル支持部13は、有機ELパネル部と接続する接続部11及び接続時に有機ELパネル部を支持し、図示しないダクトレール等に取り付ける支持部材12から構成されている。
【0022】
図3の(b)、(c)図は、有機ELパネル部10を説明する図面である。(b)図は、有機ELパネル部10の中央付近を通る横断面図であり、(c)図は、有機ELパネル部10の上面図である。
実施例2は、実施例1と重複するところが多数あるので、ここでは重複する部分の説明は省略し実施例1と異なる部分について説明する。
【0023】
実施例2では、第1の強磁性金属板2及び第2の強磁性金属板3にそれぞれ隣接して第1の導電性金属板14及び第2の導電性金属板15を設けている。第1の導電性金属板14及び第2の導電性金属板15は、銅板などのような導電性の良い金属板で構成される。
外部接続端子と接続する通線4は、第1の導電性電極16及び第2の導電性電極17のみに接続するようにしてもよい。
【0024】
次に、接続部11には、第1の導電性磁石6に隣接して第1の導電性電極16及び第2の導電性磁石7に隣接して第2の導電性電極17を増設している。第1の導電性電極16は、第1の導電性金属板14に電気的に接続し、第2の導電性金属板15は、第2の導電性金属板15に電気的に接続する。
第1の導電性電極16及び第2の導電性電極17は、外部接続線9にハンダ付け等により電気接続される。
なお、第1の導電性磁石6及び第2の導電性磁石7と外部接続線9との接続は、省略することもできる。
【0025】
第1の導電性電極16及び第2の導電性電極17の下端は、第1の導電性磁石6、第2の導電性磁石7及び絶縁部材8の下端と面一でもよいが、実施例2にあるように0.5mm程度張り出し、第1の導電性電極16及び第2の導電性電極17の上端を、一端を接続部11に固定したスプリング18により支持するようにしてもよい。
【0026】
スプリング18の押圧力により、第1の導電性磁石6、第1の導電性電極16、第2の導電性磁石7、第1の導電性電極17と第1の強磁性金属板2、第2の強磁性金属板3、第1の導電性金属板14、第2の導電性金属板15とのより確実な電気接続を得ることができる。
【0027】
実施例2では、第1の導電性磁石6及び第2の導電性磁石7にそれぞれ隣接して、第1の導電性電極16及び第2の導電性電極17を併設している。
また、第1の強磁性金属板2及び第2の強磁性金属板3にそれぞれ隣接して、第1の導電性金属板14、第2の導電性金属板15を併設している。
【0028】
これにより、第1の導電性磁石6及び第2の導電性磁石7の導電性を補完することができる。
さらに、第1の導電性磁石6及び第2の導電性磁石7と第1の強磁性金属板2及び第2の強磁性金属板3との接点における不純物混入等による電気接続不良を補完することもできる。
【0029】
(実施例3)
図4は、実施例3に係る有機ELパネル支持システムを説明するための部分図面である。
第1の導電性電極16及び第2の導電性電極17が、第1の導電性磁石6及び第2の導電性磁石7のそれぞれ三方を囲むとともに、第1の導電性金属板14、第2の導電性金属板15が、第1の強磁性金属板2及び第2の強磁性金属板3の周囲三方を囲むように形成されている。
実施例3によれば、接続部と有機ELパネル部との間の電気的接続をさらに向上させることができる。
【0030】
有機ELパネル部における強磁性金属板を第1の強磁性金属板ないし第4の強磁性金属板の4個とし、接続部における導電性磁石を第1の導電性磁石ないし第4の導電性磁石とすることもできる。これにより、給電に加えて制御信号を有機ELパネル部に印加することができる。
【0031】
(実施例4)
図5は、実施例4に係る有機ELパネル支持システムを説明するための部分図面である。
実施例4では、実施例1の有機ELパネル部における強磁性金属板を第1の強磁性金属板2、第2の強磁性金属板3に加えてこれと並列に第3の強磁性金属板19及び第4の強磁性金属板20を配置するとともに接続部における第1の導電性磁石16、第2の導電性磁石17に加えてこれと並列に第3の導電性磁石21及び第4の導電性磁石22を配置している。
【0032】
第1の強磁性金属板2ないし第4の強磁性金属板20は、絶縁部材8により相互に結合されている。
実施例4では、外部接続線9は4本となるため、例えば、内側の2本を給電線とし、外側の2本を制御信号線とすることができる。
【0033】
(実施例5)
図6は、実施例5に係る有機ELパネル支持システムを説明するための部分図面である。
実施例5では、実施例1の有機ELパネル部における強磁性金属板を第1の強磁性金属板2、第2の強磁性金属板3に加えて第3の強磁性金属板19及び第4の強磁性金属板20を田の字状に配置するとともに、接続部における第1の導電性磁石16、第2の導電性磁石17に加えて第3の導電性磁石21及び第4の導電性磁石22も田の字状に配置している。
【0034】
第1の強磁性金属板2ないし第4の強磁性金属板20は、絶縁部材8により田の字状に結合されている。
実施例5では、外部接続線9は4本となるため、例えば、隣接する2本を給電線とし、他の2本を制御信号線とすることができる。
【0035】
(有機ELパネル支持部の他の例)
図7は、本発明に係る有機ELパネル支持システムにおける、有機ELパネル部と有機ELパネル支持部との他の位置関係を説明するための図面である。
実施例1ないし実施例5では、有機ELパネル支持部13は、有機ELパネル部10を垂直方向に支持しているが、有機ELパネル部を有機ELパネル支持部13と平行に支持することも可能である。
【0036】
図7の(a)図では、有機ELパネル支持部13が、有機ELパネル部10を横方向から支持している。また、同(b)図では、有機ELパネル部10を右下から斜め上方向に支持している。
このように、本発明に係る有機ELパネル支持システムによれば、有機ELパネル支持部を壁面等に固定して、有機ELパネルを種々の形態で支持することが可能となる。
【0037】
(産業上の利用可能性)
実施例1ないし実施例5として例示した有機ELパネル支持システムは、吊り下げ照明あるいはディスプレイとして利用することができる。また、本発明に係る有機ELパネル支持システムでは、有機ELパネルを簡単に交換して取り付けることができるので、有機EL照明あるいは有機ELディスプレイを交換して室内の雰囲気を簡単に変えることができる。
【0038】
図7の(a)図及び(b)図に示す有機ELパネル支持システムによれば、壁掛けの有機EL照明、ディスプレイや壁掛けTVとして利用することができる。
また、図示はしていないが、有機ELパネル支持部を垂直として、これに適宜のスタンドを取り付けることにより、デスク照明、ディスプレイや有機ELTVとして利用することもできる。
【0039】
(本発明の技術的範囲)
本明細書に開示した各実施例等は、本発明に係る有機ELパネル支持システムの理解を容易にするために例示したものであって、本発明はこれらに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない限り、有機ELパネル支持システムについて、適宜の設計変更が可能であることは言うまでもないことである。
【符号の説明】
【0040】
1 有機ELパネル
2 第1の強磁性金属板
3 第2の強磁性金属板
4 通線
5 保護カバー
6 第1の導電性磁石
7 第2の導電性磁石
8 絶縁部材
9 外部接続線
10 有機ELパネル部
11 接続部
12 支持部材
13 有機ELパネル支持部
14 第1の導電性金属板
15 第2の導電性金属板
16 第1の導電性電極
17 第2の導電性電極
18 スプリング
19 第3の強磁性金属板
20 第4の強磁性金属板
21 第3の導電性磁石
22 第4の導電性磁石