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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130230
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/022 20190101AFI20220830BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20220830BHJP
   F24F 1/028 20190101ALI20220830BHJP
   F24F 1/26 20110101ALI20220830BHJP
【FI】
F24F1/022
F24F13/20
F24F1/028
F24F1/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029299
(22)【出願日】2021-02-25
(71)【出願人】
【識別番号】504027657
【氏名又は名称】株式会社イーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(72)【発明者】
【氏名】永江 公二
(72)【発明者】
【氏名】関矢 遼一
(72)【発明者】
【氏名】黒川 和哉
【テーマコード(参考)】
3L049
3L054
【Fターム(参考)】
3L049BC01
3L054BC02
(57)【要約】
【課題】利用側ユニットと熱源側ユニットを一体的に架台上に設置してスポット空調を行う空気調和装置において、配管接続や架台上における設置を効率良く行えるようにする。
【解決手段】ハウジング11内に利用側熱交換器12及び利用側ファン13を有する利用側ユニット10と、ハウジング21内に熱源側熱交換器22、熱源側ファン23及び圧縮機を有する熱源側ユニット20と、を具備し、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20が一つの架台40上に設置され、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20が配管接続された空気調和装置であって、利用側ユニット10のハウジング11の配管取出口17及び熱源側ユニット20のハウジング21の配管取出口27は、架台40上の一側に近接して配置されている。これにより、利用側ユニット10と熱源側ユニット20を接続する冷媒配管28が短く、生産性及び利用性に優れた空地調和装置1が得られる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用側ハウジング内に利用側熱交換器及び利用側ファンが設けられた利用側ユニットと、
熱源側ハウジング内に熱源側熱交換器、熱源側ファン及び圧縮機が設けられた熱源側ユニットと、を具備し、
前記利用側ユニット及び前記熱源側ユニットが一つの架台上に設置され配管接続された空気調和装置であって、
前記利用側ハウジング及び前記熱源側ハウジングの配管取出口は、前記架台上の一側に近接して設けられていることを特徴とする空気調和装置。
【請求項2】
利用側ハウジング内に利用側熱交換器及び利用側ファンが設けられた利用側ユニットと、
熱源側ハウジング内に熱源側熱交換器、熱源側ファン及び圧縮機が設けられた熱源側ユニットと、を具備し、
前記利用側ユニット及び前記熱源側ユニットが一つの架台上にそれぞれの吹出口が外向きに吸込口が内向きになるように背中合わせに設置され配管接続された空気調和装置であって、
前記利用側ハウジング及び前記熱源側ハウジングには、それぞれ吹出方向に対して左右逆の位置に配管取出口が設けられていることを特徴とする空気調和装置。
【請求項3】
前記利用側ハウジングは、前記熱源側ハウジングと同じ屋外設置仕様に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用側ユニット及び熱源側ユニットを備え、冷房等の空調運転を行う空気調和装置に関し、特に、利用側ユニット及び熱源側ユニットを一体化したスポット空調用の空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、利用側熱交換器及び利用側ファンを有する利用側ユニットと、熱源側熱交換器、熱源側ファン及び圧縮機等を有する熱源側ユニットと、を備え、利用側ユニットと熱源側ユニットを配管接続して冷房等の空調運転を行う空気調和装置が開示されている。
【0003】
また、通常の空気調和装置を設置することが難しい大規模空間、例えば、工場、作業場、倉庫、体育館等を冷房または暖房するために用いられる空気調和装置として、熱源側ユニット及び利用側ユニットを一体的に備え、スポット空調を行うものが知られている。
【0004】
例えば、特許文献2には、熱源側ユニット及び利用側ユニットが一つの架台上に配置された空気調和装置が開示されている。熱源側ユニット及び利用側ユニットは、それぞれ吹出口が外向きに、吸込口が内向きになるように背中合わせに配置されると共に、利用側ユニットと熱源側ユニットの間には吸込空間が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-200103号公報
【特許文献2】特開2011-94879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
熱源側ユニット及び利用側ユニットを一体的に備える空気調和装置では、利用側ユニットの仕様を屋外に設置されることが多い熱源側ユニットの仕様に合わせることによって、熱源側ユニット及び利用側ユニットの共用化を図ることが望ましい。これにより、利用側ユニットの生産性、対候性や防水性等が向上する。
【0007】
しかしながら、この種の空気調和装置では、利用側ユニットのハウジングを、熱源側ユニットのハウジングと同じ仕様にすると、熱源側ユニット及び利用側ユニットを背中合わせにして架台上に配置した際に、熱源側ユニット及び利用側ユニットの配管接続口が遠く離れてしまう。そのため、冷媒配管が長くて不経済であり、また、離れた位置における配管接続作業は容易ではないので、生産性について改善すべき問題点がある。
【0008】
また、熱源側ユニット及び利用側ユニットのサービススペースを含む空気調和装置の設置スペースが広くなり、空気調和装置の設置、移動及び利用場所が制限されるという使用上の問題点もある。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、利用側ユニットと熱源側ユニットを接続する冷媒配管の長さが短く、生産性及び利用性に優れた一体型移動式の空気調和装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の空気調和装置は、利用側ハウジング内に利用側熱交換器及び利用側ファンが設けられた利用側ユニットと、熱源側ハウジング内に熱源側熱交換器、熱源側ファン及び圧縮機が設けられた熱源側ユニットと、を具備し、前記利用側ユニット及び前記熱源側ユニットが一つの架台上に設置され配管接続された空気調和装置であって、前記利用側ハウジング及び前記熱源側ハウジングの配管取出口は、前記架台上の一側に近接して設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の空気調和装置は、利用側ハウジング内に利用側熱交換器及び利用側ファンが設けられた利用側ユニットと、熱源側ハウジング内に熱源側熱交換器、熱源側ファン及び圧縮機が設けられた熱源側ユニットと、を具備し、前記利用側ユニット及び前記熱源側ユニットが一つの架台上にそれぞれの吹出口が外向きに吸込口が内向きになるように背中合わせに設置され配管接続された空気調和装置であって、前記利用側ハウジング及び前記熱源側ハウジングには、それぞれ吹出方向に対して左右逆の位置に配管取出口が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の空気調和装置によれば、利用側ユニットと熱源側ユニットが一つの架台上に設置され配管接続された空気調和装置において、利用側ハウジング及び熱源側ハウジングの配管取出口は、架台上の一側に近接して設けられている。これにより、利用側ユニットと熱源側ユニットを連結する冷媒配管を短くすることができる。また、利用側ハウジング及び熱源側ハウジングの配管取出口が近いので、空気調和装置の生産工程においては、冷媒配管接続作業が容易である。よって、空気調和装置の生産性が向上する。
【0013】
また、利用側ユニット及び熱源側ユニットのサービススペースを含む設置スペースを狭くすることができるので、空気調和装置の設置場所の制限が少なく、移動や設置の作業も容易になる。よって、空気調和装置の利用性能が向上する。
【0014】
また、本発明の空気調和装置によれば、利用側ユニット及び熱源側ユニットが一つの架台上にそれぞれの吹出口が外向きに吸込口が内向きになるように背中合わせに設置され、利用側ハウジング及び熱源側ハウジングには、それぞれ吹出方向に対して左右逆の位置に配管取出口が設けられている。これにより、架台上で利用側ユニットと熱源側ユニットの配管取出口が近接し、利用側ユニットと熱源側ユニットをつなぐ冷媒配管が短くなる。よって、空気調和装置の生産性が向上する。また、利用側ユニット及び熱源側ユニットの設置スペースが狭くなり、空気調和装置の移動、設置が容易になる。
【0015】
また、本発明の空気調和装置によれば、前記利用側ハウジングは、前記熱源側ハウジングと略同じ屋外設置仕様に形成されても良い。これにより、作業者は、配管接続や架台上における設置の作業を効率良く行える。また、利用側ユニットと熱源側ユニットの共用化が図られるので、経済性に優れている。また、利用側ハウジングは、通常屋外設置される熱源側ハウジングと同等の対候性や防水性が得られることになる。よって、空気調和装置は、使用環境の厳しい場所での設置、利用も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る空気調和装置の概略構成を示す側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る空気調和装置の利用側ユニットの平面図である。
図3】本発明の実施形態に係る空気調和装置の熱源側ユニットの平面図である。
図4】本発明の実施形態に係る空気調和装置の利用側ユニット及び熱源側ユニットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る空気調和装置を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る空気調和装置1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、空気調和装置1は、移動可能なスポット空調用の装置であり、架台40の上に載置された利用側ユニット10と熱源側ユニット20とを有する。空気調和装置1は、利用側ユニット10と熱源側ユニット20を一体化した移動可能な強力スポットエアコンである。
【0018】
利用側ユニット10は、主として利用側の空気を冷却または加熱して供給する装置である。利用側ユニット10は、一般的なパッケージエアコンの室外ユニットに相当する構成を有する。
【0019】
具体的には、利用側ユニット10は、金属板材等から形成された略箱状の筐体である利用側ハウジングとしてのハウジング11を有する。ハウジング11は、一般的なパッケージエアコンの屋外設置仕様の形態、即ち室外ユニットのハウジングに相当する形態に形成されている。ハウジング11の内部には、冷凍サイクルを構成する部品である利用側熱交換器12と利用側ファン13が設けられている。
【0020】
熱源側ユニット20は、主として排気側の空気に対して放熱または吸熱する装置である。熱源側ユニット20は、一般的なパッケージエアコンの室外ユニットに相当する構成を有する。
【0021】
具体的には、熱源側ユニット20は、金属板材等から形成された略箱状の筐体である熱源側ハウジングとしてのハウジング21を有する。ハウジング21は、一般的なパッケージエアコンの屋外設置仕様の形態、即ち室外ユニットのハウジングに相当する形態である。ハウジング21の内部には、冷凍サイクルを構成する部品である熱源側熱交換器22と熱源側ファン23が設けられている。
【0022】
利用側ユニット10のハウジング11は、対候性や防水性において熱源側ユニット20のハウジング21と略同等な仕様で作られている。前述のとおり、利用側ユニット10のハウジング11は、熱源側ユニット20のハウジング21と略同様に、室外設置仕様の形態である。
【0023】
利用側ユニット10の利用側熱交換器12は、冷媒配管28を介して熱源側ユニット20の熱源側熱交換器22に連結されている。詳しくは、利用側熱交換器12及び熱源側熱交換器22は、低圧の冷媒を圧縮して高圧にする図示しない圧縮機、高圧の冷媒を膨張させて低圧にする図示しない膨張弁、冷媒配管28及びその他の図示しない冷媒配管等を介して接続されており、蒸気圧縮式の冷凍サイクル回路を構成している。冷凍サイクルで用いられる冷媒としては、例えば、HFC冷媒等が採用される。
【0024】
利用側ユニット10のハウジング11には、熱源側ユニット20につながる冷媒配管28が挿通される配管取出口17が形成されている。配管取出口17は、例えば、ノックアウトホールである。配管取出口17は、冷媒配管28が挿通された状態で配管取出口閉塞板30によって閉塞されている。配管取出口17が形成される位置の詳細については後述する。
【0025】
熱源側ユニット20のハウジング21には、利用側ユニット10につながる冷媒配管28が挿通される配管取出口27が形成されている。配管取出口27は、例えば、ノックアウトホールである。配管取出口27は、冷媒配管28が挿通された状態で配管取出口閉塞板30によって閉塞されている。配管取出口27が形成される位置の詳細については後述する。
【0026】
利用側ユニット10のハウジング11には、空気を吸引する開口部である吸込口15と、空気を吹き出す開口部である吹出口16が形成されている。吸込口15には、外部から吸い込まれた空気と冷媒との間で熱交換を行う利用側熱交換器12が設けられている。これにより、例えば、冷房運転の際には、外部から吸い込まれた空気は、利用側熱交換器12内で蒸発する冷媒によって冷却される。
【0027】
吹出口16には、利用側熱交換器12と熱交換したハウジング11内の空気を外側に吹き出す利用側ファン13が設けられている。利用側ファン13は、例えば、プロペラファン等であり、図示しないモータによって回転駆動される。
【0028】
本実施形態に係る空気調和装置1では、特に強力な利用側ファン13が装着されている。具体的には、利用側ファン13は、例えば、吹出口16から風速5m/sで空気を吹き出す強力な送風能力を有している。これにより、工場等の大規模作業場において直進性の強い爆風を遠くまで届けることができ、作業する空間を狙ってその作業空間のみを効率良く冷房または暖房することができる。
【0029】
また、吹出口16には、利用側ファン13によって送られる空気の流れ方向を調整するための風向ガイド14が設けられている。風向ガイド14は、利用側ファン13の外周を囲む、例えば、略円筒状の形態を成す外周部を有する。風向ガイド14の外周部に囲まれた内部は空気が流れる吹出口16につながる開口となっており、そこには空気の流れを調整する図示しない可変式の風向調整板が設けられている。
【0030】
このような構成により、周囲の空気と温度差が十分に大きくなるように、利用側熱交換器12で冷却または加熱された空気を、それを必要とする作業空間に向けて効率良く流すことができる。
【0031】
熱源側ユニット20のハウジング21には、空気を吸引する開口部である吸込口25と、空気を吹き出す開口部である吹出口26が形成されている。吸込口25には、外部から吸い込まれた空気と冷媒との間で熱交換を行う熱源側熱交換器22が設けられている。これにより、例えば、冷房運転の際には、熱源側熱交換器22内の冷媒は、吸込口25から流入する空気によって冷却される。換言すれば、吸込口25から吸い込まれた空気は、熱源側熱交換器22内の冷媒と熱交換して加熱される。
【0032】
吹出口26には、熱源側熱交換器22と熱交換したハウジング21内の空気を外側に吹き出す熱源側ファン23が設けられている。熱源側ファン23は、例えば、プロペラファン等であり、図示しないモータによって回転駆動される。
【0033】
また、吹出口26には、熱源側ファン23によって送られる空気の吹き出し方向を調整するための風向ガイド24が設けられている。風向ガイド24は、熱源側ファン23の外周を囲むような、例えば、略四角形状の形態を成す外枠部を有し、金属板材料や樹脂製板材料等から形成されている。
【0034】
架台40は、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20を一体的に支える台である。架台40は、例えば、山形鋼、溝形鋼、その他の鋼材等から形成されている。架台40には、外周が上面視で略矩形枠状の形態を成す基台41が形成されている。利用側ユニット10及び熱源側ユニット20は、基台41の上部に固定されている。
【0035】
利用側ユニット10と架台40との間には、ドレンパン42が設けられている。ドレンパン42は、利用側ユニット10の利用側熱交換器12に付着して滴下する水分を受け止めて図示しない配水管に排水するための部材である。ドレンパン42が設けられることにより、利用側ユニット10の利用側熱交換器12から滴下する水分を集めて好適に排水することができ、作業空間に水分が飛散することを防止することができる。
【0036】
なお、架台40には、利用側ユニット10を設置するための図示しない利用側ユニット設置台が形成されても良い。例えば、利用側ユニット設置台は、利用側ユニット10の底部を熱源側ユニット20の底部よりも高い位置で支持できるよう、基台41の上部から上方に突出するよう形成される。
【0037】
このように基台41の上部に利用側ユニット設置台が設けられることにより、利用側ユニット10は高い位置に固定される。利用側ユニット10が高い位置に設けられることにより、利用側ユニット10の吹出口16の位置が高くなり、空調用の冷風や温風を作業空間に対して広く効率的に吹き流すことができる。
【0038】
基台41の下部の角部近傍には、4つの車輪43が設けられている。車輪43は、例えば、ゴム車輪等を有するキャスタであり、一方の端辺側が所定の一方向に向かって移動可能な固定車、他方の端辺側が方向変更可能な自在車であっても良い。車輪43が設けられることにより、架台40は、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20を一体的に支持した状態で移動可能に構成される。
【0039】
利用側ユニット10と熱源側ユニット20は、それぞれが空気を吸引する吸込口15と吸込口25を対向させるように架台40上に設けられている。即ち、利用側ユニット10と熱源側ユニット20は、利用側熱交換器12側と熱源側熱交換器22側が対向するよう背中合わせに配設されている。
【0040】
換言すれば、利用側ユニット10と熱源側ユニット20は、それぞれが逆方向に空気を吹き出すよう、利用側ユニット10の吹出口16と熱源側ユニット20の吹出口26が外向きになるよう配設されている。
【0041】
上記のように、利用側ユニット10と熱源側ユニット20が、吸込口15と吸込口25を内向きに対向させて、逆方向に空気を吹き出すよう吹出口16と吹出口26が逆方向を向くよう配設されることにより、大規模工場や物流倉庫等に対する効率的な空気調和が実現する。
【0042】
即ち、利用側ユニット10の吹出口16から冷却または加熱された空気を空調対象の作業領域に効率良く強力に吹き付けることができる。そして、利用側ユニット10の吹出口16に対して反対側を向く熱源側ユニット20の吹出口26から、空調用の排熱空気を、空気調和を必要とする空間から離れた空間に吐き出すことができる。
【0043】
図2は、空気調和装置1の利用側ユニット10の平面図である。
図2に示すように、利用側ユニット10のハウジング11の配管取出口17は、例えば、空気の吹出方向Aに対して右側の側壁下部近傍に形成されている。
【0044】
図3は、空気調和装置1の熱源側ユニット20の平面図である。
図3に示すように、熱源側ユニット20のハウジング21の配管取出口27は、図2に示す利用側ユニット10のハウジング11の配管取出口17とは反対側の側壁下部近傍に形成されている。具体的には、熱源側ユニット20のハウジング21の配管取出口27は、空気の吹出方向Bに対して左側の側壁下部近傍に形成されている。
【0045】
即ち、図2及び図3に示すように、利用側ユニット10のハウジング11の配管取出口17と、熱源側ユニット20のハウジング21の配管取出口27とは、それぞれハウジング11とハウジング21の側壁下部近傍であって、略180度逆となる位置に設けられている。
【0046】
なお、上記の実施形態とは逆に、利用側ユニット10のハウジング11の配管取出口17が吹出方向Aに対して左側の側壁下部近傍に形成され、熱源側ユニット20のハウジング21の配管取出口27が吹出方向Bに対して右側の側壁下部近傍に形成されても良い。
【0047】
つまり、利用側ユニット10のハウジング11と、熱源側ユニット20のハウジング21とは、略同じ室外設置仕様の形態であるが、利用側ユニット10の配管取出口17と、熱源側ユニット20の配管取出口27とは、略180度逆となる位置に設けられている。
【0048】
即ち、利用側ユニット10のハウジング11及び熱源側ユニット20のハウジング21には、それぞれ空気の吹出方向A、Bに対して左右逆の位置に配管取出口17、27が設けられている。
【0049】
図4は、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20の平面図であり、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20を冷媒配管28で接続した状態を示している。
図4に示すように、空気調和装置1では、利用側ユニット10のハウジング11の配管取出口17と、熱源側ユニット20のハウジング21の配管取出口27とが、架台40上の一側に近接して配置されている。
【0050】
このような構成により、従来技術に比べて短い冷媒配管28で利用側ユニット10及び熱源側ユニット20を接続することができる。よって、冷媒配管28を短くすることができるので、部品料を減らすことができ、空気調和装置1の生産コストを削減することができる。
【0051】
また、このような構成により、利用側ユニット10と熱源側ユニット20との配管接続が簡単に行えるようになる。即ち、生産工程において、作業者は、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20を架台40上に設置する作業や、利用側ユニット10及び熱源側ユニット20を配管接続する作業を効率良く行えるようになる。よって、空気調和装置1の生産性が向上する。
【0052】
また、架台40上における利用側ユニット10及び熱源側ユニット20のサービススペースSがコンパクトにまとまるので、サービススペースSを含むトータルの設置スペースを小さくすることができる。
【0053】
よって、空気調和装置1を利用する際には、空気調和装置1を狭所に移動することが可能となり、移動、設置等の作業も容易である。即ち、空気調和装置1の利用性が向上し、利用者は、空調を必要とする場所に、空気調和装置1を効率良く移動、設置して空調を行うことができる。
【0054】
また、前述のとおり、本実施形態に係る空気調和装置1では、利用側ユニット10のハウジング11が、熱源側ユニット20のハウジング21と略同等な屋外設置仕様で作られている。このように、利用側ユニット10と熱源側ユニット20に略同等の屋外設置仕様であるハウジング11、21を採用することにより、ハウジング11、21の構成部品や製造金型等の共用化を図ることができる。よって、空気調和装置1の生産コストを削減することができ、経済性に優れている。
【0055】
また、利用側ユニット10は、通常、屋外設置される熱源側ユニット20と略同等の対候性や防水性を得られることになり、工場等の厳しい使用環境下においても優れた耐久性を発揮し、高性能、高効率な空気調和運転が可能である。
【0056】
なお、以上の説明では、配管取出口17、27がハウジング11、21の側壁下部近傍に形成される実施形態の例を示したが、配管取出口17、27が形成される位置は、これに限定されるものではない。配管取出口17、27は、例えば、ハウジング11とハウジング21の対向する壁部、即ち利用側ユニット10と熱源側ユニット20が対向する位置、に形成されても良い。
【0057】
即ち、配管取出口17は、ハウジング11の吸込口15側の壁下部近傍に設けられ、配管取出口27は、配管取出口17に対向するようハウジング21の吸込口25側の壁下部近傍に設けられても良い。
【0058】
例えば、利用側ユニット10の配管取出口17は、利用側熱交換器12側のハウジング11の壁下部近傍であって、図2に示す吹出方向Aに対して右側に形成されても良い。そして、熱源側ユニット20の配管取出口27は、熱源側熱交換器22側のハウジング21の壁下部近傍であって、図3に示す吹出方向Bに対して左側に形成されても良い。
【0059】
このように、利用側ユニット10の配管取出口17と、熱源側ユニット20の配管取出口27とが、ハウジング11、21の吸込口15、25側の壁部の室外設置仕様において左右対称となる位置に形成される構成によっても、冷媒配管28が短い一体型移動式の空気調和装置が得られる。
【0060】
また、本実施形態では、利用側ユニット10のハウジング11を熱源側ユニット20のハウジング21と略同じ室外設置仕様としたが、ハウジング11、21の大きさや形状は同一のものに限定されるものではない。また、利用側熱交換器12と熱源側熱交換器22の大きさや形状は、異なるものでも良い。
【0061】
例えば、熱源側熱交換器22は、熱交換効率を高めるために、送風面積、即ち吸込口15、25から吹出方向A、Bに見た面積、が利用側熱交換器12よりも大きくても良い。具体的には、熱源側熱交換器22の高さ方向の寸法は、利用側熱交換器12の高さ方向の寸法よりも大きくても良い。
【0062】
また、図1に示す熱源側ファン23は、利用側ファン13よりも多く設けられても良い。例えば、2個の熱源側ファン23が設けられても良い。このような構成によっても、周囲が高気温状態であっても好適な冷風を吹き出すことが可能であり、且つ、省エネルギー性に優れた空気調和装置1が得られる。
【0063】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 空気調和装置
10 利用側ユニット
11 ハウジング
12 利用側熱交換器
13 利用側ファン
14 風向ガイド
15 吸込口
16 吹出口
17 配管取出口
20 熱源側ユニット
21 ハウジング
22 熱源側熱交換器
23 熱源側ファン
24 風向ガイド
25 吸込口
26 吹出口
27 配管取出口
28 冷媒配管
30 配管取出口閉塞板
40 架台
41 基台
42 ドレンパン
43 車輪
S サービススペース
A、B 吹出方向
図1
図2
図3
図4