(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130237
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】プレス機
(51)【国際特許分類】
B30B 12/00 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
B30B12/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029314
(22)【出願日】2021-02-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】521083164
【氏名又は名称】株式会社IM
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100187403
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 敦子
(72)【発明者】
【氏名】井上 正秀
【テーマコード(参考)】
4E090
【Fターム(参考)】
4E090AA01
4E090AB01
4E090EA01
4E090EC01
(57)【要約】
【課題】ワークピースが配置された状態で、ワークピースに対する押圧と機械的な衝撃付与を容易かつ連続的に行うことができるプレス機を提供すること。
【解決手段】プレス機は、プレス機上部と、プレス機上部に設けられ、上下方向に移動可能なスライド部と、プレス機上部に設けられた第1の当止部および第2の当止部と、スライド部に支持ピンを介して取り付けられた第1のアーム部および第2のアーム部と、第1のアーム部と第2のアーム部との間に懸架された弾性体と、一対の凹部を有し、かつ延設部を有するハンマー部と、プレス機上部から下方に離間したプレス機台座と、プレス機台座に設けられた第1の柱および第2の柱と、第1の柱および第2の柱においてハンマー部の延設部から上方に突出した部分の外周に装着された一対のバネ部材と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス機であって、
プレス機上部と、
プレス機上部に設けられ、上下方向に移動可能なスライド部と、
前記プレス機上部に設けられた第1の当止部および第2の当止部と、
前記スライド部に支持ピンを介して取り付けられた第1のアーム部および第2のアーム部であって、前記支持ピンを軸として回動可能であり、それぞれ上端部および下端部を備える第1のアーム部および第2のアーム部と、
前記第1のアーム部の下端部と前記第2のアーム部の下端部を近づける方向に付勢するように前記第1のアーム部と前記第2のアーム部との間に懸架された弾性体と、
前記スライド部と当接可能なハンマー部であって、前記第1のアーム部の下端部および第2のアーム部の下端部と係合することができるように側部に一対の凹部を有し、かつ前記ハンマー部の下部から水平方向に延設した延設部を有するハンマー部と、
前記プレス機上部から下方に離間したプレス機台座と、
前記プレス機台座に設けられ、前記ハンマー部の前記延設部を上下方向に摺動可能に貫通する第1の柱および第2の柱と、
前記第1の柱および前記第2の柱において前記ハンマー部の前記延設部から上方に突出した部分の外周に装着された一対のバネ部材であって、前記バネ部材の上端部が対応する前記第1の柱または前記第2の柱に固定され、前記バネ部材の下端部が前記ハンマー部の前記延設部に固定された一対のバネ部材と、を備え、
前記スライド部が前記ハンマー部に当接し、前記第1のアーム部の下端部および前記第2のアーム部の下端部が前記ハンマー部の前記一対の凹部に係合して前記ハンマー部を把持した係合状態から前記スライド部を下方に移動させることにより、前記ハンマー部が押し下げられて前記プレス機台座に配置されたワークピースを押圧するように構成され、
かつ、前記係合状態から前記スライド部を上方に移動させることにより、前記第1のアーム部の上端部および前記第2のアーム部の上端部が前記第1の当止部および前記第2当止部に当接して下方側に回動すると共に、前記第1のアーム部の下端部および前記第2のアーム部の下端部が上方側に回動して前記ハンマー部の前記一対の凹部への係合を脱し、前記ハンマー部が自重および前記延設部に対する前記一対のバネ部材の下方への付勢力によって前記ワークピースに衝突するように構成されている、プレス機。
【請求項2】
前記第1のアーム部および前記第2のアーム部の少なくとも一方が、前記上端部および前記下端部の少なくとも一方にローラーを備える、請求項1に記載のプレス機。
【請求項3】
前記弾性体がバネにより構成されている、請求項1又は2に記載のプレス機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークピースを押圧するためのプレス機が知られている。例えば、特許文献1には、ワークピースを押圧するためのプレス機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のプレス機では、ワークピースに例えばゴムなどの弾性体素材が含まれる場合には、プレス機のスライドで一旦所定の位置まで押下してワークピースを押圧しても押下の圧力が解放されると弾性体素材の弾力性によりワークピースが浮き上がる、あるいは膨張するという問題があり、ワークピースをプレス機から外した後に人力でハンマーを用いてワークピースを叩き衝撃を与えることで、所定の厚みとなるようにしていた。すなわち、まず部品をプレス機で押下し、その後、プレス機から外し、人がハンマーで叩くというその作業が煩雑であり、作業時間が長くなっていた。
【0005】
本発明は、ワークピースが配置された状態で、ワークピースに対する押圧と機械的な衝撃付与を容易かつ連続的に行うことができるプレス機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様であるプレス機は、プレス機上部と、プレス機上部に設けられ、上下方向に移動可能なスライド部と、プレス機上部に設けられた第1の当止部および第2の当止部と、スライド部に支持ピンを介して取り付けられた第1のアーム部および第2のアーム部であって、支持ピンを軸として回動可能であり、それぞれ上端部および下端部を備える第1のアーム部および第2のアーム部と、第1のアーム部の下端部と第2のアーム部の下端部を近づける方向に付勢するように第1のアーム部と第2のアーム部との間に懸架された弾性体と、スライド部と当接可能なハンマー部であって、第1のアーム部の下端部および第2のアーム部の下端部と係合することができるように側部に一対の凹部を有し、かつハンマー部の下部から水平方向に延設した延設部を有するハンマー部と、を備える。
【0007】
また、プレス機は、プレス機上部から下方に離間したプレス機台座と、プレス機台座に設けられ、ハンマー部の延設部を上下方向に摺動可能に貫通する第1の柱および第2の柱と、第1の柱および第2の柱においてハンマー部の延設部から上方に突出した部分の外周に装着された一対のバネ部材であって、バネ部材の上端部が対応する第1の柱または第2の柱に固定され、バネ部材の下端部がハンマー部の延設部に固定された一対のバネ部材と、を備える。
【0008】
そして、プレス機は、スライド部がハンマー部に当接し、第1のアーム部の下端部および第2のアーム部の下端部がハンマー部の一対の凹部に係合してハンマー部を把持した係合状態からスライド部を下方に移動させることにより、ハンマー部が押し下げられてプレス機台座に配置されたワークピースを押圧するように構成され、かつ、係合状態からスライド部を上方に移動させることにより、第1のアーム部の上端部および第2のアーム部の上端部が第1の当止部および第2当止部に当接して下方側に回動すると共に、第1のアーム部の下端部および第2のアーム部の下端部が上方側に回動してハンマー部の一対の凹部への係合を脱し、ハンマー部が自重および延設部に対する前記一対のバネ部材の下方への付勢力によってワークピースに衝突するように構成されている。
【0009】
上記プレス機によれば、ワークピースがプレス機に配置された状態でスライド部の上下方向の移動により、ワークピースを押圧した後に機械的な衝撃を与えてワークピースが所定の厚みになるようにできる。そのため、従来のように、プレス機でワークピースを押圧した後、プレス機からワークピースを取り外して人力で叩くという作業を省くことができ、作業時間も大幅に減らすことができる。
【0010】
上記プレス機において、第1のアーム部および第2のアーム部の少なくとも一方が、上端部および下端部の少なくとも一方にローラーを有していてもよい。この場合には、上端部にローラーを有する場合には、下端部が第1の当止部や第2の当止部に当接し、第1のアーム部や第2のアーム部を押し下げる工程を滑らかに行うことができる。また、下端部にローラーを有する場合には、ハンマー部の凹部への係合および脱係合を滑らかに行うことができる。
【0011】
また、弾性体は、バネにより構成されていてもよい。この場合には、第1のアーム部の下端部および第2のアーム部の下端部がハンマー部の一対の凹部と係合状態にあるときに、その係合状態をより確実なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態のプレス機を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態のプレス機を示す正面図である。
【
図3】第1実施形態のプレス機を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1~3に示すように、本実施形態のプレス機1は、点線で示される第1の部品26に第2の部品27(ワークピース)を圧入するためのプレス機1である。本実施形態において、このプレス機1はサーボプレスであるが、油圧プレスなど他のプレス機であってもよい。
【0015】
図1~3に示すように、プレス機1は、プレス機上部2と、スライド部3と、第1の当止部4および第2の当止部5と、支持ピン6と、第1のアーム部7および第2のアーム部8と、ローラー24と、弾性体13と、ハンマー部14と、プレス機台座17と、第1の柱19と、第2の柱20と、一対のバネ部材21と、ストッパー25とを備えている。なお、説明を容易にするために
図2では第1の当止部4および第2の当止部5は省略されており、
図3ではバネ部材21は省略されている。
【0016】
プレス機上部2の下部には、スライド部3が設けられている。スライド部3は、上下方向にスライドする。プレス機上部2には、第1の当止部4および第2の当止部5が設けられている。第1の当止部4および第2の当止部5は、円柱状の部材であり、プレス機上部2から下方に突設されている。第1の当止部4および第2の当止部5は、その下面で後述する第1のアーム部7の上端部9および第2のアーム部8の上端部10を当止可能なように構成されている。
【0017】
スライド部3には、支持ピン6を介して第1のアーム部7および第2のアーム部8が取り付けられている。第1のアーム部7および第2のアーム部8は、ハンマー部14を把持できるように左右対称のJ字型である。第1のアーム部7および第2のアーム部8は、その上部において交差するようにスライド部3に取り付けられており、支持ピン6を軸として回動可能である。
【0018】
第1のアーム部7および第2のアーム部8は、それぞれ上端部(9,10)および下端部(11,12)を備えている。各上端部(9,10)は、対応する第1の当止部4または第2の当止部5に当接可能なように構成されている。各下端部(11,12)は、後述するハンマー部14の一対の凹部15に係合可能なように構成されている。支持ピン6が第1のアーム部7および第2のアーム部8の重心よりも上方に位置するため、第1のアーム部7および第2のアーム部8がフリーの状態では自重により各下端部が下方側に回動して下がる。これにより、ハンマー部14の一対の凹部15への係合が容易となる。
【0019】
第1のアーム部7の上端部9及び下端部11には、それぞれローラー24が備えられている。また、第2のアーム部8の上端部10及び下端部12には、それぞれローラー24が備えられている。なお、ローラー24は、第1のアーム部7および第2のアーム部8のいずれか一方に備えられていてもよいし、上端部(9,10)および下端部(11,12)のいずれか一方に備えられていてもよい。
【0020】
弾性体13は、バネにより構成され、第1のアーム部7の下端部11と第2のアーム部8の下端部12を近づける方向に付勢するように、第1のアーム部7と第2のアーム部8との間に水平に懸架されている。この弾性体13により、第1のアーム部7の下端部11および第2のアーム部8の下端部12がハンマー部14の一対の凹部15と係合状態にある場合に、係合状態が確実なものとなり、不意に係合状態を脱しないように機能する。
【0021】
ハンマー部14は、その上面がスライド部3と当接可能となっている。また、第1のアーム部7の下端部11および第2のアーム部8の下端部12と係合することができるように側部に一対の凹部15が形成されている。この凹部15は水平方向に凹んでおり、凹部15の上壁面にテーパーが付けられており、開口部が上方に向かって徐々に広がっている。これにより、第1のアーム部7の下端部11および第2のアーム部8の下端部12との係合が円滑に行われる。また、ハンマー部14は、下部から水平方向に延設した延設部16を備えている。延設部16には、円形の穴が設けられており、第1の柱19および第2の柱20がこの穴を貫通している。
【0022】
プレス機台座17は、プレス機上部2から下方に離間して配置されている。プレス機上部2は、プレス機台座17から上方に延びる4本の支持柱18で支持されている。
【0023】
第1の柱19および第2の柱20は、円柱状の部材であり、プレス機台座17の上面に設けられ、上方に突設されている。第1の柱19および第2の柱20は、ハンマー部14の延設部16に設けられた穴を貫通し、ハンマー部14が第1の柱19および第2の柱20に対して上下方向に摺動可能となっている。
【0024】
一対のバネ部材21は、第1の柱19および第2の柱20においてハンマー部14の延設部16から上方に突出した部分の外周に装着されている。一対のバネ部材21の上端部22は、対応する第1の柱19の上端部または第2の柱20の上端部に固定されている。一対のバネ部材21の下端部23は、ハンマー部14の延設部16に固定されている。一対のバネ部材21は、ハンマー部14を下方に付勢するものである。
【0025】
ストッパー25は、円柱状の部材である。ストッパー25は、プレス機台座17の上面に設けられ、上方に突設されている。ストッパー25は、ハンマー部14が所定の高さよりも下方に行かないようにハンマー部14の底面に対して当止するものである。
【0026】
次に、
図4を参照し、本実施形態のプレス機の動作について説明する。なお、
図4において、説明を容易にするためにバネ部材など一部の部材を省略している。
<第1工程>
図4の(a)に示すように、まず「原位置」にセットされる。この「原位置」は、スライド部3が上方にあり、第1のアーム部7の上端部9および第2のアーム部8の上端部10が第1の当止部4および第2の当止部5に当接しておらず、第1のアーム部7の下端部11および第2のアーム部8の下端部12がハンマー部14の一対の凹部15に係合する状態の位置である。スライド部3は、ハンマー部14の上面に当接している。弾性体13は、第1のアーム部7と第2のアーム部8とを引っ張り合うように機能している。ここで、点線で示される第1の部品26および第2の部品27(ワークピース)がプレス機台座17上にセットされる。
【0027】
<第2工程>
次に、
図4の(b)に示すように、スライド部3を下方に移動させ、ハンマー部14を押し下げる。これにより、ハンマー部14の下面が第2の部品27を押圧し、第1の部品26に第2の部品27が圧入される。
【0028】
<第3工程>
次に、
図4の(c)に示すように、「中間位置」までスライド部3を上方に移動させ、第1のアーム部7および第2のアーム部8がハンマー部14を持ち上げる。この「中間位置」は、第1のアーム部7の上端部9および第2のアーム部8の上端部10が第1の当止部4および第2の当止部5に当接しているが、第1のアーム部7および第2のアーム部8の下端部同士の間隔は広がっておらずハンマー部14の一対の凹部15に係合している状態の位置である。第2の部品27への圧力は解放されている。
【0029】
<第4工程>
次に、
図4の(d)に示すように、「中間位置」から更に上方にスライド部3を移動させると、第1のアーム部7の上端部9および第2のアーム部の上端部10が第1の当止部4および第2の当止部5に当接する当接状態にあるため、第1のアーム部7の上端部9および第2のアーム部8の上端部10が支持ピン6を軸として下方側に回動し、これにより第1のアーム部7の下端部11および第2のアーム部8の下端部12が上方側に回動することにより下端部同士の間隔が広がり、ハンマー部14の一対の凹部15への係合を脱する。
【0030】
<第5工程>
次に、
図4の(e)に示すように、スライド部3を更に上方に移動させると、第1のアーム部7および第2のアーム部8がハンマー部14を放し、ハンマー部14が下方へ落ちる。ハンマー部14の自重に加え、ハンマー部14の延設部16を下方に付勢する一対のバネ部材21の付勢力によってハンマー部14が下方に一気に落下し、第2の部品27に衝突することで第2の部品27を叩き衝撃を与える。これにより、第2の部品27を所定の厚みにすることができる。ここでのハンマー部14の落下速度は、上記第2工程でのスライド部3の押下によるハンマー部14の下降速度よりも速い。
【0031】
<第6工程>
次に、
図4の(f)に示すように、スライド部3を下方に移動させ、これにより第1のアーム部7の上端部9および第2のアーム部8の上端部10が第1の当止部4および第2の当止部5への当止を脱する。これにより、第1のアーム部7および第2のアーム部8の自重および弾性体13の付勢によって第1のアーム部7の下端部11および第2のアーム部8の下端部12が支持ピン6を軸として下方側に回動することが可能となり、下端部同士の間隔が狭まって下端部がハンマー部14の一対の凹部15へ係合する。
【0032】
<第7工程>
次に、
図4の(g)示すように、スライド部3を上方へ上げ、第1のアーム部7および第2のアーム部8がハンマー部14を持ち上げる。そして「原位置」に戻し、第1の部品26および第2の部品27をプレス機台座17上から取り出す。
【0033】
第6工程の後に第3工程~第6工程を繰り返してもよい。これにより、第2の部品27をハンマー部14で叩き衝撃を与える工程を複数回繰り返すことができる。また、第2工程を複数回繰り返してもよい。これにより、ハンマー部14で第2の部品27を押圧する工程を複数回繰り返すことができる。
【0034】
次に、本実施形態のプレス機における作用効果について説明する。
本実施形態のプレス機によれば、第2の部品27(ワークピース)がプレス機に配置された状態でスライド部3の上下方向の移動により、第2の部品27(ワークピース)を押圧した後に機械的な衝撃を与えて第2の部品27(ワークピース)が所定の厚みになるようにできる。そのため、従来のように、プレス機でワークピースを押圧した後、プレス機からワークピースを取り外して人力で叩くという作業を省くことができ、作業時間も大幅に減らすことができる。
【0035】
また、第1のアーム部7の上端部9および第2のアーム部8の上端部10にローラー24を備えることにより、第1のアーム部7および第2のアーム部8が上げられた際の第1の当止部4および第2の当止部5への当接および第1のアーム部7および第2のアーム部8が下げられた際の脱当接を滑らかに行うことができる。また、第1のアーム部7の下端部および第2のアーム部8の下端部にローラー24を備えることにより、ハンマー部14の一対の凹部15への係合および脱係合を滑らかに行うことができる。
【0036】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0037】
(1)上記実施形態では、凹部15の開口部が上方に向かって徐々に広がっているが、広がらなくてもよい。
【0038】
(2)上記実施形態では、スライド部3と、第1の当止部4および第2の当止部5と、支持ピン6と、第1のアーム部7および第2のアーム部8と、弾性体13と、ハンマー部14と、プレス機台座17と、第1の柱19と、第2の柱20と、一対のバネ部材21とを金属としたが、これらの部材を構成する材料は特に限定されるものではない。
【0039】
(3)上記実施形態では、プレス機上部13はプレス機台座17から上方に延びる4本の支持柱18で支持されている構成としたが、プレス機上部は他の手段でプレス機台座17の上方に支持されてもよい。
【0040】
(4)上記実施形態では、ローラー24が第1のアーム部7の上端部10および下端部11、第2のアーム部8の上端部10および下端部12に備えられているが、ローラー24が備えられていない構成としてもよい。この場合、部品点数を減らすことができる。
【0041】
(5)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
【符号の説明】
【0042】
1…プレス機、2…プレス機上部、3…スライド部、4…第1の当止部、5…第2の当止部、6…支持ピン、7…第1のアーム部、8…第2のアーム部、9…上端部(第1のアーム部の上端部)、10…上端部(第2のアーム部の上端部)、11…下端部(第1のアーム部の下端部)、12…下端部(第2のアーム部の下端部)、13…弾性体、14…ハンマー部、15…凹部、16…延設部、17…プレス機台座、18…支持柱、19…第1の柱、20…第2の柱、21…バネ部材、22…上端部(バネ部材の上端部)、23…下端部(バネ部材の上端部)、24…ローラー、25…ストッパー、26…第1の部品、27…第2の部品