(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022013025
(43)【公開日】2022-01-18
(54)【発明の名称】搬送台車
(51)【国際特許分類】
E04G 21/16 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
E04G21/16
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020115297
(22)【出願日】2020-07-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-04-07
(71)【出願人】
【識別番号】512179658
【氏名又は名称】松浦 実雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(74)【代理人】
【識別番号】100097696
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(72)【発明者】
【氏名】松浦 実雄
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174AA01
2E174BA03
2E174CA06
2E174CA28
(57)【要約】
【課題】
床面を傷つけず、搬送できる建築資材の大きさに制約がない搬送台車を提供する。
【解決手段】所定の簡易軌道(2)を走行する搬送台車(1)として構成する。簡易軌道(2)は山形鋼、H型鋼、溝型鋼、角パイプ等の長尺鋼材(3)から構成し、これを床面に設置して形成する。本発明において搬送台車(1)は、第1、2の要素台車(4、5)と、これら第1、2の要素台車(4、5)を連結する複数本の連結バー(7)とから構成する。長さの異なる連結バー(7)を交換するだけで、搬送する建築資材の長さに合わせて搬送台車(1)の大きさ、つまり長さを変更することができる。そして本発明においては第1、2の要素台車(4、5)は、それぞれ下部に複数本のローラ(11)を設け、該ローラ(11)によって簡易軌道(2)を走行するように構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
山形鋼、H型鋼、溝型鋼、角パイプ等の長尺鋼材を床面に設置して形成された簡易軌道を走行して建築資材を搬送する搬送台車であって、
前記搬送台車は、第1、2の要素台車と、前記第1、2の要素台車を連結する複数本の連結バーとから構成され、
前記第1、2の要素台車は、それぞれ下部に複数本のローラが設けられ、該ローラによって前記簡易軌道を走行するようになっていることを特徴とする搬送台車。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送台車において、前記第1、2の要素台車において前記複数本のローラのうち少なくとも1本のローラは、その円柱面に所定の配置で複数個のリングが設けられていることを特徴とする搬送台車。
【請求項3】
請求項2に記載の搬送台車において、前記第1の要素台車には、その上部に水平面内で回転する回転部が設けられ、前記連結バーは前記回転部に連結されていることを特徴とする搬送台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設・建築現場において鉄筋等の建築資材を搬送する搬送台車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
橋梁の建設現場、ビル等の建築現場においては鉄筋等の建築資材が大量に必要になる。このような建築資材は人力で搬送することもあるが、重量が大きいので人力では少量ずつしか搬送できず効率が悪い。そこで建築資材の搬送用に搬送台車が適宜利用されている。搬送台車は、建築資材を載置する載置台と、この載置台の下面に設けられている複数個の車輪とからなり、大量の建築資材を効率よく搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
ところで従来の搬送台車は大量の建築資材を搬送できるが、利用できるのは床面が平面になっている現場に限られる。床面が平面でないと車輪が凹凸に取られて回転できないからである。従って従来の搬送台車は、例えば床スラブの上に複数の鉄筋が床配筋として設けられている場合に利用できない。特許文献1には、このような床配筋からなる鉄筋上を走行させることができる搬送台車が記載されている。この搬送台車は、載置台の下面において円柱状のローラが並行に複数本設けられ、このローラによって走行するようになっている。ローラは凹凸に取られることがないので、床配筋上を回転することができる。すなわち特許文献1に記載の搬送台車は床配筋の鉄筋上においても建築資材を搬送することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の搬送台車は、車輪によって床面を走行して建築資材を搬送できるが、床面に凹凸があると走行できない問題がある。あるいは床面が平面であっても、走行して傷つける恐れがあるときには利用できない。例えば建築中の橋梁等において、表面が露出した状態の床版において建築資材を搬送するとき、床版の表面を傷つける虞があるので床版の上を直接走行させることは好ましくない。このような従来の搬送台車と比較して、特許文献1に記載の搬送台車は床配筋上を走行することができ優れている。つまり床配筋が床版の上に設けられていれば、その上を走行するので床版を傷つける虞がない。また、床面に多少の凹凸があっても走行させることができ優れている。しかしながら、特許文献1に記載の搬送台車には解決すべき課題も見受けられる。具体的には、搬送可能な建築資材の大きさに制約がある点である。例えば鉄筋は、比較的搬送する機会が多い建築資材であるが、標準的な規格として3.5m~12mの範囲で色々な長さの鉄筋が提供されている。比較的短い鉄筋であれば特許文献1に記載の搬送台車であっても搬送することはできる。しかしながら長い鉄筋は、搬送台車に載せることができない。仮に鉄筋の中央部分だけを載せるようにしても、弾性変形で両端が垂れ下がり、床面に接触する危険がある。つまり安全に搬送することができない。特許文献1に記載の搬送台車を大型に形成することも考えられる。例えば搬送台車を10mの大きさに形成すれば12mの鉄筋でも撓みを心配せずに搬送できる。しかしながら短い鉄筋を搬送する場合には、必要以上に大型の搬送台車は扱い難い。また搬送台車が大型になると搬送台車自体の運搬が困難になるという問題もある。他の課題も見受けられる。特許文献1に記載の搬送台車は直線的にしか走行できないという問題である。建設・建築現場によっては、壁、柱等の障害物が存在する。搬送台車を直線的にしか走行できないと、障害物を迂回して建築資材を搬送することができない。
【0006】
本発明は、上記したような従来の問題を解決した、搬送台車を提供することを目的とし、具体的には床面を傷つけることなく建築資材を搬送でき、搬送できる建築資材の大きさに制約がなく、短い鉄筋であっても長い鉄筋であっても効率よく搬送することができる搬送台車であって、搬送台車自体の運搬も容易な搬送台車を提供することを目的としている。さらに、搬送路において障害物がある場合に、これを迂回して建築資材を搬送することができる搬送台車を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、所定の簡易軌道を走行する搬送台車として構成する。簡易軌道は山形鋼、H型鋼、溝型鋼、角パイプ等の長尺鋼材から構成し、これを床面に設置して形成する。本発明において搬送台車は、第1、2の要素台車と、これら第1、2の要素台車を連結する複数本の連結バーとから構成する。長さの異なる連結バーを交換するだけで、搬送する建築資材の長さに合わせて搬送台車の大きさ、つまり長さを変更することができる。そして本発明においては第1、2の要素台車は、それぞれ下部に複数本のローラを設け、該ローラによって簡易軌道を走行するように構成する。
【0008】
すなわち請求項1に記載の発明は、山形鋼、H型鋼、溝型鋼、角パイプ等の長尺鋼材を床面に設置して形成された簡易軌道を走行して建築資材を搬送する搬送台車であって、前記搬送台車は、第1、2の要素台車と、前記第1、2の要素台車を連結する複数本の連結バーとから構成され、前記第1、2の要素台車は、それぞれ下部に複数本のローラが設けられ、該ローラによって前記簡易軌道を走行するようになっていることを特徴とする搬送台車として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の搬送台車において、前記第1、2の要素台車において前記複数本のローラのうち少なくとも1本のローラは、その円柱面に所定の配置で複数個のリングが設けられていることを特徴とする搬送台車として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の搬送台車において、前記第1の要素台車には、その上部に水平面内で回転する回転部が設けられ、前記連結バーは前記回転部に連結されていることを特徴とする搬送台車として構成される。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によると、山形鋼、H型鋼、溝型鋼、角パイプ等の長尺鋼材を床面に設置して形成された簡易軌道を走行して建築資材を搬送する搬送台車として構成される。走行する簡易軌道は長尺鋼材から形成すればいいので、床面を傷つけないように枕木等の保護材を設け、その上に長尺鋼材を載せれるだけで簡易軌道を用意することができる。そして本発明によると、搬送台車は、第1、2の要素台車と、第1、2の要素台車を連結する複数本の連結バーとから構成されている。そうすると第1、2の要素台車と連結バーとに分解すれば、容易に搬送台車を運搬できる。そして連結バーとして色々な長さのものを用意しておけば、搬送する建築資材の大きさに合わせて、適宜適切な長さの連結バーに交換して搬送台車の大きさつまり長さを変更できる。本発明によると、第1、2の要素台車は、それぞれ下部に複数本のローラが設けられ、該ローラによって簡易軌道を走行するようになっている。ローラによって簡易軌道を走行するので、脱線の虞がない。脱線の虞がないので、簡易軌道には平行度等の精度は要求されず、容易に床面に設置できる効果もある。他の発明によると、第1、2の要素台車において複数本のローラのうち少なくとも1本のローラは、その円周面に所定の配置で複数個のリングが設けられている。ローラの円柱面にリングが設けられていると、円柱面に段差が形成される。そうすると後で説明するように、湾曲した簡易軌道であっても簡易軌道に沿って第1、2の要素台車が走行することになる。搬送路に障害物があるとき、これを迂回するように簡易軌道を形成すれば、搬送台車は障害物を迂回して走行し、建築資材を搬送することができる。さらに他の発明によると、第1の要素台車には、その上部に水平面内で回転する回転部が設けられ、連結バーは回転部に連結されている。この発明によると、いわゆるトラクタとトレーラのように搬送台車は屈曲することができる。具体的には、第1の要素台車がトラクタに相当し、複数本の連結バーと第2の要素台車がトレーラに相当することになるが、第1の要素台車が回転部によって回転するので、搬送台車は曲率の大きい簡易軌道であっても容易に走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の第1の形態に係る搬送台車を示す斜視図である。
【
図2】本実施の第1の形態に係る搬送台車を示す図で、その(A)、(B)は要素台車の側面図と背面図、その(C)、(D)は搬送台車の側面図と上面図である。
【
図3】本実施の第2の形態に係る搬送台車を示す斜視図である。
【
図4】本実施の第2の形態に係る搬送台車を示す図で、その(A)、(B)は第1の要素台車の側面図と前面図、その(C)、(D)は第2の要素台車の側面図と背面図、その(E)、(F)は搬送台車の側面図と上面図である。
【
図5】本実施の第2の形態に係る搬送台車の変形例を示す図で、その(A)、(B)は第1の要素台車の側面図と前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の第1の実施の形態に係る搬送台車1は建築資材を載せて人力で搬送する台車であるが、
図1に示されているように、所定の軌道上を走行するようになっている。軌道は、山形鋼、H型鋼、溝型鋼、角パイプ、あるいは鉄筋等の長尺鋼材3、3、…から形成することができ、床面において必要に応じて保護材を介して設置するようにしている。本実施の形態に係る搬送台車1が走行する軌道は、後で説明するようにその平行度等において精度は要求されない。また床面に固定的に設ける必要もない。従って、軌道は簡易なものでいいので、本明細書において簡易軌道2と呼ぶ。
図1に示されている簡易軌道2は、山形鋼つまりアングルから形成されている。
【0012】
本実施の形態に係る搬送台車1は、第1の要素台車4と、第2の要素台車5と、これら第1、2の要素台車4、5を連結する複数本の連結バー7、7、…とから構成されている。第1、2の要素台車4、5は本実施の形態においては同じように構成されており、
図2の(A)、(B)にその側面図と背面図とが示されている。すなわち第1、2の要素台車4、5は、鋼板等から扁平な箱形に形成された台車本体部9と、この台車本体部9の下部に設けられている3本のローラ11、11、11とから構成されている。第1、2の要素台車4、5には、連結バー7、7と連結するための連結部12、12、…が設けられている。連結バー7、7、…は棒状の部材であればどのような部材でもいいが、本実施の形態においては比較的安価で大きな強度を備えた単管パイプ、いわゆるスチールパイプが採用されている。従って連結部12、12は、スチールパイプを取り付けるための市販のジョイントクランプから構成することができる。連結部12、12をジョイントクランプから構成すると連結バー7、7、…を容易に交換することができ、有利である。本実施の形態に係る搬送台車1は、鉄筋等の長尺の建築資材が載せられるようになっているので、このような建築資材が落下しないように、第1、2の要素台車4、5には押さえ部材14、14等が適宜設けられている。また図には示されていないが、第1、2の搬送台車4、5において人力で効率よく押すことができるハンドル等を設けてもよい。
【0013】
本実施の形態に係る搬送台車1は、
図2の(C)、(D)に示されているように、第1、2の要素台車4、5を連結バー7、7、…によって連結することによって形成される。連結バー7、7、…を他の長さの異なる連結バー7、7、…に交換すれば、搬送台車1の長さを変更できる。ところで、第1、2の要素台車4、5はローラ11、11、…によって走行するようになっているので、簡易軌道2から脱線し難い構造になっている。従って、簡易軌道2は
図2の(D)に示されているように3本以上の長尺鋼材3、3、…から構成してもよいし、平行度についても精度は要求されない。さらには簡易軌道2を構成している各長尺鋼材3、3、…は連続させる必要もない。
【0014】
次に第2の実施の形態に係る搬送台車1’について説明する。第2の実施の形態に係る搬送台車1’も第1の実施の形態に係る搬送台車1と概ね同様に構成されているが、
図3に示されているように、湾曲した簡易軌道2’上を走行するのに適した構造を備えている。第1の実施の形態に係る搬送台車1と同様の作用を奏する部材については同じ参照符号を付して説明を省略し、第2の実施の形態に係る搬送台車1’に特有の部材についてのみ説明する。なお、この第2の実施の形態に係る搬送台車1’は、湾曲した簡易軌道2’に沿って自動的に進行方向を変えるようになっている。つまり簡易軌道2’が搬送台車1’をガイドすることになる。従って、簡易軌道2’には、その平行度に関して所定の精度が要求される。
【0015】
第2の実施の形態に係る搬送台車1’を構成している第1の要素台車4’は
図4の(A)、(B)に示されているように、3本のローラ11、11、…のうち、1本のローラ11において、4個のリング16、16、…が設けられている。リング16、16、…は二つ割りの構造になっており、ボルト等によって締め付けることによってローラ11に固定されている。4個のリング16、16、…はそれぞれ2個が1組になっており、各組のリング16、16が、簡易軌道2’を構成している2本のレールのそれぞれを挟み込むように、ローラ11に設けられている。第2の実施の形態に係る搬送台車1’を構成している第2の要素台車5’においても、
図4の(C)、(D)に示されているように、1本のローラ11において4個のリング16、16、…が設けられている。これらのリング16、16、…も2個が1組になっており、各組のリング16、16が、簡易軌道2’を構成している2本のレールのそれぞれを挟み込むように、ローラ11に設けられている。第1の要素台車4’においては第2の実施の形態に特有の構造がさらに設けられている。その構造は、回転部18である。回転部18は台車本体部9に対して水平面内で回転自在になっている。連結部12、12は、この回転部18に対して設けられている。第1、2の要素台車4’、5’を連結バー7、7、…によって連結した第2の実施の形態に係る搬送台車1’が
図4の(E)、(F)に示されているが、湾曲した簡易軌道2’上を走行するとき、ローラ11に設けられているリング16、16、…によってローラ11がガイドされ、それによって第1の要素台車4’が回転することになる。これによって、搬送台車1’は湾曲した簡易軌道2’に沿って走行することになる。
【0016】
本実施の形態に係る搬送台車1は色々な変形が可能である。例えば、第1、2の要素台車4、5に設けられているローラ11、11、…は3本からなるように説明したが、2本であっても4本以上であってもよい。また第2の実施の形態に係る搬送台車1’は、ローラ11に設けられているリング16、16を取り外し、さらに回転部18を取り外せば第1の実施の形態に係る搬送台車1にすることができる。ところで第2の実施の形態に係る搬送台車1’においては、第1、2の要素台車4’、5’においてリング16、16は1本のローラ11のみに設けられているように説明したが、複数本のローラ11、11、…に設けられていてもよい。さらには、
図5の(A)、(B)に示されているように、1本のローラ11に対してリング16、16を5個以上設けてもよい。比較的短い所定の間隔でリング16、16を複数個設けるようにすれば、簡易軌道2’を構成している2本のレールのそれぞれは、いずれか隣り合う2個のリング16、16によってガイドされることになるからである。
【0017】
ところで本実施の形態に係る搬送台車1は人力で走行させるように説明した。しかしながら、上り坂において搬送する場合にはウインチを使用して搬送台車1の所定の部材、例えば台車本体部9等にフックを係合して引き上げるようにしてもよい。あるいは下り坂において搬送台車1を走行させる場合には速度が加速して危険であるので、これもウインチ等で引っ張りながらブレーキをかけて搬送させてもよい。なお、ウインチは手動/電動は問わない。
【符号の説明】
【0018】
1 搬送台車 2 簡易軌道
3 長尺鋼材 4 第1の要素台車
5 第2の要素台車 7 連結バー
9 台車本体部 11 ローラ
12 連結部 14 押さえ部材
16 リング 18 回転部
【手続補正書】
【提出日】2020-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
山形鋼、H型鋼、溝型鋼、角パイプ等の長尺鋼材を床面に設置して形成された簡易軌道を走行して建築資材を搬送する搬送台車であって、
前記搬送台車は、第1、2の要素台車と、前記第1、2の要素台車を連結する複数本の連結バーとから構成され、
前記第1、2の要素台車は、それぞれ下部に複数本のローラが設けられ、複数本の前記ローラはそれぞれの両端において軸支されており、前記ローラの円柱面において前記簡易軌道上を走行するようになっていることを特徴とする搬送台車。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
すなわち請求項1に記載の発明は、山形鋼、H型鋼、溝型鋼、角パイプ等の長尺鋼材を床面に設置して形成された簡易軌道を走行して建築資材を搬送する搬送台車であって、前記搬送台車は、第1、2の要素台車と、前記第1、2の要素台車を連結する複数本の連結バーとから構成され、前記第1、2の要素台車は、それぞれ下部に複数本のローラが設けられ、複数本の前記ローラはそれぞれの両端において軸支されており、前記ローラの円柱面において前記簡易軌道上を走行するようになっていることを特徴とする搬送台車として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の搬送台車において、前記第1、2の要素台車において前記複数本のローラのうち少なくとも1本のローラは、その円柱面に所定の配置で複数個のリングが設けられていることを特徴とする搬送台車として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の搬送台車において、前記第1の要素台車には、その上部に水平面内で回転する回転部が設けられ、前記連結バーは前記回転部に連結されていることを特徴とする搬送台車として構成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
以上のように、本発明によると、山形鋼、H型鋼、溝型鋼、角パイプ等の長尺鋼材を床面に設置して形成された簡易軌道を走行して建築資材を搬送する搬送台車として構成される。走行する簡易軌道は長尺鋼材から形成すればいいので、床面を傷つけないように枕木等の保護材を設け、その上に長尺鋼材を載せれるだけで簡易軌道を用意することができる。そして本発明によると、搬送台車は、第1、2の要素台車と、第1、2の要素台車を連結する複数本の連結バーとから構成されている。そうすると第1、2の要素台車と連結バーとに分解すれば、容易に搬送台車を運搬できる。そして連結バーとして色々な長さのものを用意しておけば、搬送する建築資材の大きさに合わせて、適宜適切な長さの連結バーに交換して搬送台車の大きさつまり長さを変更できる。本発明によると、第1、2の要素台車は、それぞれ下部に複数本のローラが設けられ、複数本のローラはそれぞれの両端において軸支されており、ローラの円柱面において簡易軌道上を走行するようになっている。ローラによって簡易軌道を走行するので、脱線の虞がない。脱線の虞がないので、簡易軌道には平行度等の精度は要求されず、容易に床面に設置できる効果もある。他の発明によると、第1、2の要素台車において複数本のローラのうち少なくとも1本のローラは、その円周面に所定の配置で複数個のリングが設けられている。ローラの円柱面にリングが設けられていると、円柱面に段差が形成される。そうすると後で説明するように、湾曲した簡易軌道であっても簡易軌道に沿って第1、2の要素台車が走行することになる。搬送路に障害物があるとき、これを迂回するように簡易軌道を形成すれば、搬送台車は障害物を迂回して走行し、建築資材を搬送することができる。さらに他の発明によると、第1の要素台車には、その上部に水平面内で回転する回転部が設けられ、連結バーは回転部に連結されている。この発明によると、いわゆるトラクタとトレーラのように搬送台車は屈曲することができる。具体的には、第1の要素台車がトラクタに相当し、複数本の連結バーと第2の要素台車がトレーラに相当することになるが、第1の要素台車が回転部によって回転するので、搬送台車は曲率の大きい簡易軌道であっても容易に走行させることができる。
【手続補正書】
【提出日】2021-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
山形鋼、H型鋼、溝型鋼、角パイプ等の長尺鋼材を床面に設置して形成された簡易軌道を走行して建築資材を搬送する搬送台車であって、
前記搬送台車は、第1、2の要素台車と、前記第1、2の要素台車を連結する複数本の連結バーとから構成され、
前記第1、2の要素台車は、それぞれ下部に複数本のローラが設けられ、複数本の前記ローラはそれぞれの両端において軸支されており、前記ローラの円柱面において前記簡易軌道上を走行するようになっており、
前記第1、2の要素台車に設けられている前記複数本のローラのうち少なくとも1本のローラは、その円柱面に所定の配置で複数個のリングが設けられ、前記簡易軌道を構成しているレールのそれぞれは隣り合う2個のリングによってガイドされるようになっていることを特徴とする搬送台車。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送台車において、前記第1の要素台車には、その上部に水平面内で回転する回転部が設けられ、前記連結バーは前記回転部に連結されていることを特徴とする搬送台車。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、所定の簡易軌道を走行する搬送台車として構成する。簡易軌道は山形鋼、H型鋼、溝型鋼、角パイプ等の長尺鋼材から構成し、これを床面に設置して形成する。本発明において搬送台車は、第1、2の要素台車と、これら第1、2の要素台車を連結する複数本の連結バーとから構成する。長さの異なる連結バーを交換するだけで、搬送する建築資材の長さに合わせて搬送台車の大きさ、つまり長さを変更することができる。そして本発明においては第1、2の要素台車は、それぞれ下部に複数本のローラを設け、これらローラのうち少なくとも1本のローラは、その円柱面に所定の配置で複数個のリングを設ける。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
すなわち請求項1に記載の発明は、山形鋼、H型鋼、溝型鋼、角パイプ等の長尺鋼材を床面に設置して形成された簡易軌道を走行して建築資材を搬送する搬送台車であって、前記搬送台車は、第1、2の要素台車と、前記第1、2の要素台車を連結する複数本の連結バーとから構成され、前記第1、2の要素台車は、それぞれ下部に複数本のローラが設けられ、該ローラによって前記簡易軌道を走行するようになっており、前記第1、2の要素台車に設けられている前記複数本のローラのうち少なくとも1本のローラは、その円柱面に所定の配置で複数個のリングが設けられ、前記簡易軌道を構成しているレールのそれぞれは隣り合う2個のリングによってガイドされるようになっていることを特徴とする搬送台車ことを特徴とする搬送台車として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の搬送台車において、前記第1の要素台車には、その上部に水平面内で回転する回転部が設けられ、前記連結バーは前記回転部に連結されていることを特徴とする搬送台車として構成される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
以上のように、本発明によると、山形鋼、H型鋼、溝型鋼、角パイプ等の長尺鋼材を床面に設置して形成された簡易軌道を走行して建築資材を搬送する搬送台車として構成される。走行する簡易軌道は長尺鋼材から形成すればいいので、床面を傷つけないように枕木等の保護材を設け、その上に長尺鋼材を載せれるだけで簡易軌道を用意することができる。そして本発明によると、搬送台車は、第1、2の要素台車と、第1、2の要素台車を連結する複数本の連結バーとから構成されている。そうすると第1、2の要素台車と連結バーとに分解すれば、容易に搬送台車を運搬できる。そして連結バーとして色々な長さのものを用意しておけば、搬送する建築資材の大きさに合わせて、適宜適切な長さの連結バーに交換して搬送台車の大きさつまり長さを変更できる。本発明によると、第1、2の要素台車は、それぞれ下部に複数本のローラが設けられ、該ローラによって簡易軌道を走行するようになっている。ローラによって簡易軌道を走行するので、脱線の虞がない。脱線の虞がないので、簡易軌道には平行度等の精度は要求されず、容易に床面に設置できる効果もある。さらに本発明によると、第1、2の要素台車に設けられている複数本のローラのうち少なくとも1本のローラは、その円周面に所定の配置で複数個のリングが設けられている。ローラの円柱面にリングが設けられていると、円柱面に段差が形成される。そうすると後で説明するように、湾曲した簡易軌道であっても簡易軌道に沿って第1、2の要素台車が走行することになる。搬送路に障害物があるとき、これを迂回するように簡易軌道を形成すれば、搬送台車は障害物を迂回して走行し、建築資材を搬送することができる。さらに他の発明によると、第1の要素台車には、その上部に水平面内で回転する回転部が設けられ、連結バーは回転部に連結されている。この発明によると、いわゆるトラクタとトレーラのように搬送台車は屈曲することができる。具体的には、第1の要素台車がトラクタに相当し、複数本の連結バーと第2の要素台車がトレーラに相当することになるが、第1の要素台車が回転部によって回転するので、搬送台車は曲率の大きい簡易軌道であっても容易に走行させることができる。