(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130251
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】月経血コントロール練習具
(51)【国際特許分類】
A63B 23/20 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
A63B23/20
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021068010
(22)【出願日】2021-02-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-01
(71)【出願人】
【識別番号】711011766
【氏名又は名称】渡邉 和恵
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 和恵
(57)【要約】
【課題】膣の筋力が鍛えられて、月経血を尿意と同じようにコントロールできる月経血コントロールのための練習具を提供する。
【解決手段】布の周縁部の複数の地点を一つに縫い集めた点と、布の中心点とを結ぶ線を中心線とする複数の面を備え、中心線を山折りした面を着用者の膣口に向けて挟み込ませる挟み込み面としたことを特徴とする。当該月経血コントロール練習具を小陰唇の間に挟み、落とさないように意識すると、月経血コントロールに必要な部分の筋肉に力が入り、鍛えられる。トイレに行く都度、用を足す前に抜き取り、用便後は、別の面に交換して、同じようにして小陰唇に挟み直す。特別に時間を設けずに実践でき、厚みも大きさも、デリケートな小陰唇間に適切で、丹田に力が入り、姿勢も心も安定して、便通が良くなり、月経血コントロールに効果的で、感受性も豊かになるので、パートナーシップが向上する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布の周縁部の複数の地点を一つに縫い集めた点と、布の中心点とを結ぶ線を中心線とする複数の面を備え、前記中心線を山折りした面を着用者の膣口に挟み込ませる挟み込み面としたことを特徴とする月経血コントロール練習具。
【請求項2】
前記布は、表布と裏布の二枚の布を縫い合わせて形成したことを特徴とする請求項1に記載の月経血コントロール練習具。
【請求項3】
表布と裏布の素材を絹とした請求項1または請求項2に記載の月経血コントロール練習具。
【請求項4】
前記布に、落下防止用の紐を取り付けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の月経血コントロール練習具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、月経血コントロール練習具に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の日本は少子高齢化が問題になっている。主な原因の一つは子宮が冷えた女性が多く、妊娠しにくいことにある。また、夫婦間の性交渉に、快感を感知できる女性が少なく、結婚後は性交渉を拒み、性行為が減少傾向にあることにある。しかし、両者の原因は共に、女性の膣の筋力が未発達であることに起因する。古来の日本では、特殊な職業の女性たちの間では、綿花を小陰唇に挟み、膣周辺の筋肉を鍛錬する訓練が受け継がれた。そのため、月経毎に、月経血を便所でのみ排出する膣の筋力が養われた。一年間に12回前後、日ごろの鍛錬の成果を確認できたので、年齢を重ねると共に、膣の筋力が上がり、膣の中が、弾力と収縮性に富み、快感を感知する能力が高まった。一般の女性も、和式トイレでスクワットに似た動作や鼠径部を圧迫しない下着の腰巻の効果などの生活スタイルが骨盤底筋を健やかに育て、男女間の性生活は、快感が得られ、好んで営まれて、一人の女性の出生数は、現代より多かった。
【0003】
一方、現代女性は、和式トイレをほとんど利用しないのでスクワットのような動作が無く、月経血は、生理用ナプキンなど生理用品に吸着させるのが一般的とされ、排出時に制御しないため、月経血吸収パッドに全面的に依存して、パッド上に垂れ流し状態である。そのため、初潮から、年間約12回前後の膣の筋肉を鍛錬して、月経血をどれだけ制御できるかを確認する機会を逸して、閉経までの約40年前後を過ごしてしまう。その結果、膣の筋肉が固く、温度が低く、収縮性が低くなる。また、潤滑性に富む体液の分泌が減る現象が早く現れる。性行為で痛みが生じ、快感を感知しにくい状態のため、好んで行為に臨む機会が減る。あるいは、体温が低いので、受胎しにくい状態になる。鍛錬の無い筋肉は老化を招き、子宮が下垂する子宮脱や膣脱になる場合がある。
【0004】
近年、婦人科医療に携わる一部の女性たちの間で、綿花を綿球に変えて、月経血コントロールのトレーニングに使用している(非特許文献1及び非特許文献2参照)。手軽で取り入れやすいが、綿球のクッション性が高いため小陰唇へ実在感を与えず、挟んでいる意識が低く、鍛錬の対象には効力が少ない。また、綿の繊維が粘膜に付着するのを取り除く手間が要る。また、綿は洗濯して繰り返して使用できず、放尿の際には、粘膜に貼りついてしまい、摘まんで取り除きにくい。使用中であることを忘れて、用便をする時、便器の中に綿球を落としやすく、排水が詰まる恐れなど、使用感に不足がある。
【0005】
先行技術(特許文献1参照)は、小陰唇に挟んで使用するが、用途は月経血の吸収であり、中心の長さは約10cmあり、小陰唇の上端から、肛門側の下端まで、広範囲にわたり挟むので、筋肉を締める位置のポイントが分散して分かりづらい。加えて、かさばって異物感が高く、経血の無い時に使うと、ストレスになる。一度、トイレに行くと、新しい品に交換しないといけないので、外出先へ携帯する時は、トイレの回数分の替えの品が必要になり、かさばる。トイレに流せて便利であるが、環境に負荷をかけてしまう(感応試験表1参照)。
【0006】
先行技術(非特許文献1)は、月経血コントロールのための布ナプキンではあるが、長さは10cm以上あり、小陰唇に挟んで筋肉を締めるのでなく、当布ナプキンを汚さないイメージで膣を締めるので、直接的な筋肉への働きかけは無く、どこの筋肉を締めればいいか、分かりにくい。
【0007】
先行技術(非特許文献2)は、小陰唇に挟むタイプであるが、経血の吸収も兼ねられているので、膣筋のトレーニングに特化して使うには、難点がある。サイズは、縦105mm横幅40mm厚み20mmで、小陰唇に挟むには、厚み、長さ、幅のすべてが大きくて、挟んでも、すぐに外れる。また、粘膜に接する布は95%木綿であり、布の木綿素材の吸収力が富む反面、粘膜の潤いも吸収するので、異物感が続き、長時間挟んでキープできたとしても、快適さが少なく、ストレスが生じる。
【0008】
女性が月経を迎える都度、骨盤底筋群の鍛錬の結果を確認することが、夫婦の性生活の向上につながり、妊娠と出産を順調に進められる。また、骨盤底筋群を鍛錬するのは、閉経した女性も、脱腸や子宮脱など筋肉老化の症状を予防できる。その骨盤底筋群の鍛錬を継続しやすいように、快適で手間がかからず、メンテナンスも簡単にできる器具が望まれる。
【0009】
また、膣の筋肉を鍛えることで、子宮の冷えからくる便秘、月経痛、頭痛、不妊などを改善して、性行為で快感を感知しやすいことで夫婦間のコミュニケーションが豊かになり、子宮脱などの老化予防の効果もあり、多くの生活改善に繋がるため、繊細な性器に負担をかけず、プライバシーが守られ、安心安全で、容易に継続できる方法が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】「布ナプキン専門店レメディガーデン」ウェブサイト インターネット<URL:https://www.remedy-garden.co.jp/html/page7.html>
【非特許文献2】うふふわ。「リーフ」ウェブサイト インターネット<URL:https://nunonapukin-seiri.com/product_list/ufufuwa_leaf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、上記した従来の課題の解決のために、女性が月経血を尿や大便と同じく排出する機会を任意に調整できるようになり、併せて、性交時の快感を豊かに感知でき、加齢と共に骨盤底筋群が衰えて下垂する子宮脱・膣脱、尿漏れの予防と姿勢の改善にも役立つ筋肉の鍛錬が、容易で肌触りも快適で、手入れが簡単で、繰り返し使用できる月経血コントロール練習具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、以下の発明からなる。
第1発明は、布の周縁部の複数の地点を一つに縫い集めた点と、布の中心点とを結ぶ線を中心線とする複数の面を備え、中心線を山折りした面を着用者の膣口に向けて小陰唇の間に挟み込ませる挟み込み面としたことを特徴とする月経血コントロール練習具である。
【0014】
第2発明は、布は表布と裏布の二枚の布を縫い合わせて形成したことを特徴とした第1発明に記載の月経血コントロール練習具である。
【0015】
第3発明は、布の表布と裏布の素材を絹とした第1発明、または、第2発明の月経血コントロール練習具である。
【0016】
第4発明は、落下防止用の紐を取り付けたことを特徴とする第1発明から第3発明のいずれかの月経血コントロール練習具である。
【発明の効果】
【0017】
第1発明によれば、以下に述べる利点がある。
1 この練習具を小陰唇に挟んで落とさないように心掛けることで、月経血を制御する膣の筋肉(骨盤底筋群(恥骨と仙骨を結ぶ長い筋肉))を特定して締めるトレーニングができて、子宮脱の予防にもなる。
2 布の周囲の複数の等間隔の地点を一か所に集めて縫い留めた部分と布の中心点を結ぶ軸を有する面は、複数あるので、用便などで外した後、他の面に取り換えて、その面の中心軸で山折りにして、再び小陰唇に挟んで繰り返し使用できるので、交換用の予備が少なくて済む。
【0018】
第2発明によれば、以下に述べる利点がある。
1 2枚の布が、適切な厚みを形成し、2枚の布の間に空気の層ができて、柔らかく、温かい。裁ち切りの布端が内側に収納されて、すっきりする。
2 片方を柄入りの布にすると、美しくなり、筋肉の鍛錬を継続する意欲が高まる。
【0019】
第3発明によれば、以下に述べる利点がある。
1 肌触りが柔らかで、デリケートな小陰唇の粘膜に接しても、柔らかくて馴染みやすい。
2 絹の保湿力により、布に小陰唇の粘膜の湿度が奪われることなく、長時間使用しても、ストレスにならないので、膣の筋肉の鍛錬として、継続しやすい。
3 絹の抗菌作用で、デリケートな粘膜に接しても、安心である。
【0020】
第4発明によれば、以下の利点がある。
1 小陰唇に布を挟んだ事を失念する、または、急ぐなど、取り除く動作をせず
に、トイレで用を足してしまい、便器の中や床に落す失敗を防止できる。
2 鍛錬中に小陰唇から布が、外れた場合でも、落下することを防止できるので、外出する場合も、安心して装着したまま鍛錬を継続できる。
【0021】
以上の発明によれば、肌触りがよくて、デザインが美しく便利で、楽しみながら継続して使用できる月経血コントロール練習具が提供できることにより、小陰唇のデリケートな粘膜に挟んでも、違和感・痛み・ストレスを感じなく、快感を伴いながら、膣の筋肉を集中して鍛錬でき、姿勢が整い、精神が安定して、意欲的になり、排泄力が高まり、快適に生活全般の改善につながる。また、小陰唇に挟んで膣の筋肉を鍛錬するには、厚み・長さ・大きさに過不足が無く、適切で、長時間の装着と継続ができて、膣の筋肉トレーニング効果をあげることができる。そして、膣の筋肉を締めると、骨盤が垂直に立ち、丹田に力が入り、姿勢がよくなり、精神が落ち着く効果も得られる。さらに、膣の筋肉を締めると、腸の活動が活発になり、排便の回数と量がふえる。そして、膣の筋肉が活性化して、内部が柔らかく、温かくなり、感受性が高まることを期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】この発明の一実施形状である月経血コントロール練習具を示す前方斜視図である。
【
図3】月経血コントロール練習具の使用方法を示す前方斜視図である。
【
図4】月経血コントロール練習具の使用状態を示す前方斜視図である。
【
図5】月経血コントロール練習具の後方斜視図である。
【
図6】月経血コントロール練習具の使用状態を示す後方斜視図である。
【
図7】月経血コントロール練習具の別の面を使用面とする方法を示す前方斜視図である。
【
図8】月経血コントロール練習具を装着した状態を示す装着説明図である。
【
図9】月経血コントロール練習具を装着した位置を示す説明図である。
【
図10】月経血コントロール練習具を下着に取付た状態を示す説明図である。
【
図11】月経血コントロール練習具の右側側面図である。
【
図12】月経血コントロール練習具の平面図である。
【
図13】月経血コントロール練習具の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の一実施形態を図に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の前方斜視図である。この実施形態における月経血コントロール練習具1は円形に裁断された表布1aと裏布1bを縫い合わせて形成されている。布の周囲の等間隔の点(A・B・C)を縫い合わせて出来た点をYとする。Yと布の中心点Xを結ぶ長さは40mm程度の大きさとすることが好ましい。
【0023】
図2は、
図1の月経血コントロール練習具の等間隔の点(A・B・C)を点Yに縫い合わる前の段階の分解図である。裏布1bの端の一か所には月経血コントロール練習具が落下するのを防ぐ糸又は紐を通すループ布2を取り付ける。
【0024】
図3は、
図1と同じく前方斜視図であり、使用方法の説明図である。点Yに集めたられた一つの点Aと布の中心点Xを結ぶ中心軸(破線)を山折りにする。
【0025】
図4は、
図3の破線を山折りにした細長い面を上にして、小陰唇間に挟む形態を示した使用時の説明図である。点Yは腹側、点Xは背側の方向に向けて、小陰唇に挟み込んで装着する。
【0026】
図5は、
図3を後ろから見た後ろ斜視図である。水平の面の中心の破線で、山折りにする。
【0027】
図6は、使用時の形態を示した
図4を後ろから見た後ろ使用説明図である。
【0028】
図7は、
図3のXとYを結ぶ線を軸に回転させた図である。
図4の形態で使用して、用便の前に抜き取った月経血コントロール練習具1を再び装着する時、XY軸を中心に回転させて、別の面を使用する。
図7は、BとXを結ぶ中心線を有する面を上面にして、破線で山折りにして、再び小陰唇間に戻して使用する。月経血コントロール練習具1は、点Yに縫い集めた地点と同数の複数の面が存在する。用便で、月経血コントロール練習具1を外したら、未使用の清潔な面へ交換して、小陰唇に挟むことができる。1回ずつ、本体を取り換えなくて済むので、外出先へ携帯する枚数が節約できる。
【0029】
図8は、装着図であり、月経血コントロール練習具1を使用する状態を示す。装着する人が、月経血コントロール練習具1の点Yを前方に向けて、XY軸の山折り面を上方にして小陰唇に挟む。また、トイレで用便を足すときや、小陰唇から月経血コントロール練習具1が外れた時に、落下や紛失を避けるため、ループ布2に糸または紐を通して、輪を作り、下着の一部に取り付ける。図では、鼠径部を圧迫しない形態であるふんどしパンツの前紐の根元に、糸をくぐらせた。
【0030】
図9は、本発明の装着位置図である。膣の筋肉を鍛錬するために、効果が上がる装着位置を示した。月経血コントロール練習具1の点Xが、小陰唇の後ろへ突き出る場所では、肛門の筋肉へ意識が逃げる。また、膣口にXY軸が、直接当たるほど深く挟むと、小陰唇を締めなくても落ちにくいので、締める意識が薄れる。また、尿道口、膣口、肛門の各分泌物から生ずる菌が他へ媒介するのを防ぐために、尿道口と膣口に突き当たる位置より浅いことを示す。この位置に本発明を挟むことによって、落とさないように神経が働き、小陰唇を締める為に膣の筋肉が反射的に集中して締めることができる。同時に丹田に力が入り、姿勢が整い、腸が活発に動いて、便通が向上する。
【0031】
図10は、下着に本発明を取り付ける一例を示す図である。ループ布2に40cm程度の長さの糸を通して、輪にして、月経血コントロール練習具1に対して対極の位置の紐の輪をふんどしパンツの側面の紐の根元に掛け、破線の矢印が示すように、その輪に月経血コントロール練習具1を通す。これによって、トイレで用便を足す時に、小陰唇を片手で開き、もう片方の手で月経血コントロール練習具1を抜き取る動作が不必要になる。
下着を下ろすと同時に、下着と月経血コントロール練習具1を繋ぐ糸が、月経血コントロール練習具1を自動的に引き抜く。輪の糸の長さによって、便器や床への落下や、紛失を避けられる。
【0032】
図11、12、13は、それぞれ右側面図、上面図、底面図である。
【0033】
月経血コントロール練習具1は、柔軟性と保湿と抗菌作用のある絹で構成されている。絹の特性を活かし、複数面を使用できる形状により、膣の筋肉の鍛錬には最適な触感と厚みと大きさを実現したので、日常生活を送りながら、快適に手軽に鍛錬を継続でき、環境に負荷をかない繰り返しの使用ができるので、従来の快適に手軽に使えて、継続使用できるものが無いという問題点を解決したのである。この発明によって、膣の筋肉が健やかになり、女性の生理時の心身の負担を軽くして、姿勢を整え、快便の習慣へ改善して、骨盤内の内蔵下垂の老化現象を予防して、夫婦生活を感受性豊かに享受できるようになり、少子化やセックスレスによる問題を改善できる。
【実施例0034】
本発明の一実施形態である月経血コントロール練習具1と、他の品と比較する感応試験1を以下のように実施した。
【0035】
比較対象として、膣筋を強化するために古来より、一部の女性たちの間で秘かに伝えられた綿花を小陰唇に挟む方法に倣い、膣筋を強化して、健やかな出産を指導する一部の助産師の間で試されている綿球を採用した。
【0036】
また、先行技術(特許文献1)でも紹介した陰唇間パッドの経血吸収を補う品であるユニ・チャーム社製「ソフィ シンクロフィット」が、小陰唇に挟むことができる設計となっているので、感応試験における比較する先行技術として採用した。
【0037】
本発明の一実施形態である月経血コントロール練習具は、以下のものとした。
・
図2の3点(A・B・C)の合流点YとXの間の長さが約40mm。
・表布は正絹羽二重をビワの葉で草木染したもので、裏布は絹の花柄プリントを使用。
比較する綿球は、直径約15mmの白色とし、比較する先行技術である陰唇間パッドは、ユニ・チャーム社製のシンクロカットを使用した(全長約10cm)。
【0038】
以上の実施例と比較例を5人の被験者(40~60代女性、期間1週間)で着用試験を実施し、日常の動きの中で、以下の項目について比較実験をした。
1 着脱の容易度
2 厚み
3 長さ
4 触感
5 美観
6 鍛錬後の効果
7 総合評価
-3~3までの7段階評定法で評価し、その平均値を表1に示した。なお、数字が大きい方が優秀であることを示す。
【0039】
【0040】
着用試験の結果、着脱の容易度では、使用後、水に流して良い手軽さと装着する時、清潔に実行できる先行技術が2.4点と一番高かった。反面、厚み、長さ、触感、美観、使用後の効果は、ほとんど実施例、綿球、先行技術の順に高得点が出た。先行技術は、経血の吸収が目的なので、小陰唇で挟むと厚みと大きさが過剰になり、着脱は容易だが、膣の筋肉の鍛錬のために使うには、ストレスが生じる。逆に綿球では、小陰唇に挟むと、容易に圧縮されて抵抗感が少なすぎて、鍛錬に使うには、弱い感があり、鍛錬後の効果の項目では、実施例の2.8点の最高点に対して、綿球は0.4点、先行技術は0.2点と大きく差が開いた。
【0041】
美観は、実施例が満点の3.0点に対して、綿球、先行技術はそれぞれ-2.0点、-1.6点。衛生用品の白い清潔感より、実施例の絹製の花柄は、豪華で華やかで、女性に好まれる。鍛錬には、継続することが大事なので美観の影響は大きい。
【0042】
総合評価では実施例が2.7点、綿球-0.1点、先行技術-0.5点と大きく実施例が他を引き離した。
【0043】
以下は、試験終了後の一人ずつの聞き取り調査の感想である。
1 月経血コントロールは、既にできているが、経血が降りてくる感覚が鮮明になった。実施例を使用すると、まったく同じ位置の筋肉に力が入るから、これから始める女性に効果的である。
2 実施例を使用すると、骨盤が後ろへ逃げずに、まっすぐ立ち、身体に芯が通って気合いが入る。気持ちが満たされ、イライラが消えて、意欲的になる自分を感じる。
3 柔らかいので、装着後、すぐに馴染んで違和感が無くなり、挟むように意識するうちに、心地よくなるので、好んで試験を続けた。これからも使用したい。
4 実施例を使用後に生理が来たが、前回よりも、月経血コントロールが、うまく出来るようになった。
5 実施例を使用してから、毎日の排便の回数と量が増えた。
古代から日本女性の身体は、性的な機能が健康的であり、明治の開国当初、欧米諸国の男性たちから、日本女性の、膣筋の健やかさが驚嘆と絶賛の的となった。要因は、和式トイレのスクワットのような動作や、鼠径部と膣口周辺を圧迫しない当時の下着の腰巻のほか、現代のように吸収力の性能が高い生理用品が無かったので、膣筋を自ら締めて鍛える習慣である。現代の生活習慣で衰えていた機能の復活が、この発明品によって期待できる。膣筋が活性化して、月経血コントロールと同時に、感受性が高まり、不妊症やセックスレスの改善、老化予防、少子高齢化の改善につながり、国全体が元気になり、各種産業が潤う。
身体にストレスにならず、気持ち良さを感じられ、美しいデザインなので好んで鍛錬を続けられる。日常生活を送りながら膣筋が鍛えられて、精神的にも安定する画期的な技術である。月経血コントロールが出来るようになれば、紙製品の消費と廃棄物が減り、CO2排出の削減になる。繰り返し使用できるので、持続可能循環社会を形成する一つである。体調改善、老化予防の期待がされるので、医療と健康と美容の産業においても活用できる。