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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130281
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】圧力センサ
(51)【国際特許分類】
   G01L 23/10 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
G01L23/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021151648
(22)【出願日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】P 2021028088
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000177612
【氏名又は名称】株式会社ミクニ
(74)【代理人】
【識別番号】100106312
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敬敏
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友也
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 健一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 亮太
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 俊樹
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA23
2F055BB20
2F055CC02
2F055DD01
2F055EE23
2F055FF38
2F055FF43
2F055FF49
2F055GG01
2F055GG25
(57)【要約】
【課題】汎用性が高く、低コスト化、組立の容易化、組立性の向上を図れ、コネクタ部の振動を抑制できる圧力センサを提供する。
【解決手段】圧力センサは、軸線Sを画定する筒状のハウジングHと、ハウジングの先端寄りに配置され圧力媒体の圧力を検出するセンサモジュール30と、センサモジュールの検出信号を処理する回路基板40と、回路基板と電気的に接続される複数の端子62,63,64が一体的に埋設されたコネクタ部材60と、回路基板を保持するべくハウジング内に配置され軸線S方向においてハウジングの一部17に当接しかつコネクタ部材に当接する保持部材50と、コネクタ部材の外周に嵌合されると共にコネクタ部材を保持部材に対して軸線方向に押圧した状態でハウジングに固定される筒状の押圧部材70を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線を画定する筒状のハウジングと、
前記ハウジングの先端寄りに配置され圧力媒体の圧力を検出するセンサモジュールと、
前記センサモジュールの検出信号を処理する回路基板と、
前記回路基板と電気的に接続される複数の端子が一体的に埋設されたコネクタ部材と、
前記回路基板を保持するべく前記ハウジング内に配置され,前記ハウジングの軸線方向において前記ハウジングの一部に当接しかつ前記コネクタ部材に当接する保持部材と、
前記コネクタ部材の外周に嵌合されると共に前記コネクタ部材を前記保持部材に対して前記軸線方向に押圧した状態で前記ハウジングに固定される筒状の押圧部材と、
を含む、圧力センサ。
【請求項2】
前記保持部材は、前記軸線方向において、前記ハウジングの端面から突出した状態で前記コネクタ部材に当接するように形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項3】
前記コネクタ部材は、前記保持部材と対向する端面の前記軸線を含む中央領域から外れた領域において、前記複数の端子が突出するように形成され、
前記保持部材は、前記中央領域において前記コネクタ部材に当接する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力センサ。
【請求項4】
前記保持部材は、前記回路基板を保持する本体部材と、前記押圧部材の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材と、を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載の圧力センサ。
【請求項5】
前記保持部材は、前記ハウジングの端面から突出した領域において、前記緩衝部材を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の圧力センサ。
【請求項6】
前記コネクタ部材は、前記軸線方向において前記複数の端子が突出する端面を含み、
前記保持部材は、前記コネクタ部材の前記端面に当接する、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載の圧力センサ。
【請求項7】
前記保持部材は、前記回路基板を保持する本体部材と、前記本体部材に組み付けられて前記コネクタ部材の前記端面に当接し前記押圧部材の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材と、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の圧力センサ。
【請求項8】
前記本体部材は、前記軸線方向において突出する突出部を含み、
前記緩衝部材は、前記突出部に嵌合されて接合されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の圧力センサ。
【請求項9】
前記コネクタ部材は、前記軸線方向において前記複数の端子が突出する端面と、前記端面から凹む嵌合凹部を含み、
前記保持部材は、前記嵌合凹部に嵌合されると共に前記嵌合凹部の底面に当接する嵌合凸部を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載の圧力センサ。
【請求項10】
前記コネクタ部材は、前記軸線方向において前記複数の端子が突出する端面と、前記端面から凹む嵌合凹部を含み、
前記保持部材は、前記回路基板を保持する保持部及び前記保持部に連続して形成され前記嵌合凹部に嵌合される嵌合凸部を有する本体部材と、前記嵌合凸部に組み付けられて前記嵌合凹部の底面に当接し前記押圧部材の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材と、を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載の圧力センサ。
【請求項11】
前記嵌合凹部と前記嵌合凸部は、前記軸線回りにおける相対的な回転を規制する形状を含む、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の圧力センサ。
【請求項12】
前記嵌合凸部は、前記軸線方向において突出する突出部を含み、
前記緩衝部材は、前記突出部に嵌合されて接合されている、
ことを特徴とする請求項10に記載の圧力センサ。
【請求項13】
前記コネクタ部材は、前記軸線方向において前記複数の端子が突出する端面と、前記端面から凹む嵌合凹部を含み、
前記保持部材は、前記回路基板を保持する本体部材と、前記本体部材に組み付けられて前記嵌合凹部に嵌合される嵌合凸部材と、前記嵌合凸部材に組み付けられて前記嵌合凹部の底面に当接し前記押圧部材の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材と、を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載の圧力センサ。
【請求項14】
前記嵌合凸部材は、前記軸線方向において突出する突出部を含み、
前記緩衝部材は、前記突出部に嵌合されて接合されている、
ことを特徴とする請求項13に記載の圧力センサ。
【請求項15】
前記コネクタ部材は、前記軸線方向において前記複数の端子が突出する端面と、前記端面から凹む嵌合凹部を含み、
前記保持部材は、前記回路基板を保持する本体部材と、前記嵌合凹部に嵌合されると共に前記嵌合凹部の底面に当接する嵌合凸部材と、前記本体部材と前記嵌合凸部材の間に介在して前記押圧部材の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材と、を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載の圧力センサ。
【請求項16】
前記嵌合凹部と前記嵌合凸部材は、前記軸線回りにおける相対的な回転を規制する形状を含む、
ことを特徴とする請求項13ないし15いずれか一つに記載の圧力センサ。
【請求項17】
前記緩衝部材は、弾性変形前において、前記嵌合凹部の内周面と非接触となる形状に形成されている、
ことを特徴とする請求項10ないし14いずれか一つに記載の圧力センサ。
【請求項18】
前記コネクタ部材は、前記複数の端子を外部に向けて露出させると共に周りを囲む筒部と、前記筒部に連続する小径部と、前記小径部よりも外径が大きい大径部と、前記小径部と前記大径部との間に介在する環状段差部を含み、
前記押圧部材は、前記コネクタ部材の大径部が嵌合される大径筒部と、前記コネクタ部材の環状段差部を押圧する環状押圧部を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし17いずれか一つに記載の圧力センサ。
【請求項19】
前記押圧部材は、前記ハウジングを前記軸線回りに回転させる工具を連結する連結部を含む、
ことを特徴とする請求項18に記載の圧力センサ。
【請求項20】
前記ハウジングは、前記センサモジュールを収容する先端側ハウジングと、前記回路基板を収容する後端側ハウジングを含む、
ことを特徴とする請求項1ないし19いずれか一つに記載の圧力センサ。
【請求項21】
前記先端側ハウジングは、前記軸線方向において、前記保持部材の先端側の当接部を受ける環状受け面を含む、
ことを特徴とする請求項20に記載の圧力センサ。
【請求項22】
前記保持部材は、前記先端側の当接部に連続して形成され、前記先端側ハウジングの貫通路に嵌合される先端嵌合部を含む、
ことを特徴とする請求項21に記載の圧力センサ。
【請求項23】
前記後端側ハウジングは、前記保持部材の周りを非接触にて囲繞する、
ことを特徴とする請求項20ないし22いずれか一つに記載の圧力センサ。
【請求項24】
前記保持部材は、前記回路基板を位置決めして嵌め込む位置決め凹部と、前記センサモジュールから導かれる二つのリード線をそれぞれガイドする第1ガイド部と、前記コネクタ部材の複数の端子と接続される複数のリード線をそれぞれガイドする第2ガイド部を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし23いずれか一つに記載の圧力センサ。
【請求項25】
前記センサモジュールは、前記ハウジングの内側に嵌め込まれて固定されるサブハウジングと、前記サブハウジングの先端に固定されたダイヤフラムと、前記サブハウジング内で前記軸線方向に順次積層された第1電極、圧電体、及び第2電極を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし24いずれか一つに記載の圧力センサ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力媒体の圧力を検出する圧力センサに関し、特に、エンジンの燃焼室内における燃焼ガス等の如く、高温圧力媒体の圧力を検出する圧力センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の圧力センサとしては、ハウジングと、ハウジング内に配置された圧電素子と、圧電素子から得られる電気信号を処理する回路基板と、圧電素子と回路基板を電気的に接続するリード部と、回路基板に実装されハウジングの軸線方向に伸長する三つの端子(プラグピン)と、回路基板の周りに充填された充填材と、三つの端子を露出するように挿通させてハウジングに固定されたコネクタ部を備えたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この圧力センサにおいては、回路基板に実装された端子がコネクタ部に挿通される構造であるため、コネクタ部の形状や端子の配置形状等が適用対象物に応じて異なる場合は、回路基板及びコネクタ部を適用対象物の種類又は仕様に応じてそれぞれ複数設定する必要があり、汎用性が低く、高コスト化を招く。
また、コネクタ部は、全長の一割程度がハウジングに嵌め込まれてカシメ処理により固定され、軸線方向においてその端面の外縁領域が充填材と当接しているだけであるため、軸線方向における固定力が不十分であり、振動を生じるエンジン等に適用された場合に、検出信号に対するノイズの発生原因の一つであるコネクタ部の振動を十分に抑制できない虞がある。
【0004】
他の圧力センサとしては、ハウジング(筐体)と、ハウジング内に配置された圧力検出部と、圧力検出部から得られる電気信号を処理する回路基板と、回路基板を固定して保持すると共に,圧力検出部と回路基板を電気的に接続する伝導部材,回路基板に接続されてハウジングの軸線方向に伸長する三つの端子(接続ピン),及び三つの端子を覆うコネクタ部を一体的に有する保持部材(絶縁部材)と、ハウジングに対して保持部材を固定する筒状の部材を備えた燃焼圧センサが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
この燃焼圧センサにおいては、保持部材に対して、伝導部材,三つの端子,及びコネクタ部が一体的に形成されているため、コネクタ部の形状や端子の配置形状等が適用対象物に応じて異なる場合は、種々の部品を一体的に備える保持部材を適用対象物の種類又は仕様に応じて複数設定する必要があり、汎用性が低く、高コスト化を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5006695号公報
【特許文献2】特開2014-70952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、従来の問題点を解消して、汎用性が高く、低コスト化、組立の容易化又は組立性の向上を図れ、コネクタ部の振動を抑制できる圧力センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の圧力センサは、軸線を画定する筒状のハウジングと、ハウジングの先端寄りに配置され圧力媒体の圧力を検出するセンサモジュールと、センサモジュールの検出信号を処理する回路基板と、回路基板と電気的に接続される複数の端子が一体的に埋設されたコネクタ部材と、回路基板を保持するべくハウジング内に配置され,ハウジングの軸線方向においてハウジングの一部に当接しかつコネクタ部材に当接する保持部材と、コネクタ部材の外周に嵌合されると共にコネクタ部材を保持部材に対して軸線方向に押圧した状態でハウジングに固定される筒状の押圧部材とを含む、構成となっている。
【0009】
上記圧力センサにおいて、保持部材は、軸線方向において、ハウジングの端面から突出した状態でコネクタ部材に当接するように形成されている、構成を採用してもよい。
【0010】
上記圧力センサにおいて、コネクタ部材は、保持部材と対向する端面の軸線を含む中央領域から外れた領域において、複数の端子が突出するように形成され、保持部材は、中央領域においてコネクタ部材に当接する、構成を採用してもよい。
【0011】
上記圧力センサにおいて、保持部材は、回路基板を保持する本体部材と、押圧部材の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材とを含む、構成を採用してもよい。
【0012】
上記圧力センサにおいて、保持部材は、ハウジングの端面から突出した領域において、緩衝部材を含む、構成を採用してもよい。
【0013】
上記圧力センサにおいて、コネクタ部材は、軸線方向において複数の端子が突出する端面を含み、保持部材は、コネクタ部材の端面に当接する、構成を採用してもよい。
【0014】
上記圧力センサにおいて、保持部材は、回路基板を保持する本体部材と、本体部材に組み付けられてコネクタ部材の端面に当接し押圧部材の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材とを含む、構成を採用してもよい。
【0015】
上記圧力センサにおいて、本体部材は、軸線方向において突出する突出部を含み、緩衝部材は、突出部に嵌合されて接合されている、構成を採用してもよい。
【0016】
上記圧力センサにおいて、コネクタ部材は、軸線方向において複数の端子が突出する端面と、端面から凹む嵌合凹部を含み、保持部材は、嵌合凹部に嵌合されると共に嵌合凹部の底面に当接する嵌合凸部を含む、構成を採用してもよい。
【0017】
上記圧力センサにおいて、コネクタ部材は、軸線方向において複数の端子が突出する端面と、端面から凹む嵌合凹部を含み、保持部材は、回路基板を保持する保持部及び保持部に連続して形成され嵌合凹部に嵌合される嵌合凸部を有する本体部材と、嵌合凸部に組み付けられて嵌合凹部の底面に当接し押圧部材の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材とを含む、構成を採用してもよい。
【0018】
上記圧力センサにおいて、嵌合凹部と嵌合凸部は、軸線回りにおける相対的な回転を規制する形状を含む、構成を採用してもよい。
【0019】
上記圧力センサにおいて、嵌合凸部は、軸線方向において突出する突出部を含み、緩衝部材は、突出部に嵌合されて接合されている、構成を採用してもよい。
【0020】
上記圧力センサにおいて、コネクタ部材は、軸線方向において複数の端子が突出する端面と、端面から凹む嵌合凹部を含み、保持部材は、回路基板を保持する本体部材と、本体部材に組み付けられて嵌合凹部に嵌合される嵌合凸部材と、嵌合凸部材に組み付けられて嵌合凹部の底面に当接し押圧部材の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材とを含む、構成を採用してもよい。
【0021】
上記圧力センサにおいて、嵌合凸部材は、軸線方向において突出する突出部を含み、緩衝部材は、突出部に嵌合されて接合されている、構成を採用してもよい。
【0022】
上記圧力センサにおいて、コネクタ部材は、軸線方向において複数の端子が突出する端面と、端面から凹む嵌合凹部を含み、保持部材は、回路基板を保持する本体部材と、嵌合凹部に嵌合されると共に嵌合凹部の底面に当接する嵌合凸部材と、本体部材と嵌合凸部材の間に介在して押圧部材の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材とを含む、構成を採用してもよい。
【0023】
上記圧力センサにおいて、嵌合凹部と嵌合凸部材は、軸線回りにおける相対的な回転を規制する形状を含む、構成を採用してもよい。
【0024】
上記圧力センサにおいて、緩衝部材は、弾性変形前において、嵌合凹部の内周面と非接触となる形状に形成されている、構成を採用してもよい。
【0025】
上記圧力センサにおいて、コネクタ部材は、複数の端子を外部に向けて露出させると共に周りを囲む筒部と、筒部に連続する小径部と、小径部よりも外径が大きい大径部と、小径部と大径部との間に介在する環状段差部を含み、押圧部材は、コネクタ部材の大径部が嵌合される大径筒部と、コネクタ部材の環状段差部を押圧する環状押圧部を含む、構成を採用してもよい。
【0026】
上記圧力センサにおいて、押圧部材は、ハウジングを軸線回りに回転させる工具を連結する連結部を含む、構成を採用してもよい。
【0027】
上記圧力センサにおいて、ハウジングは、センサモジュールを収容する先端側ハウジングと、回路基板を収容する後端側ハウジングを含む、構成を採用してもよい。
【0028】
上記圧力センサにおいて、先端側ハウジングは、軸線方向において、保持部材の先端側の当接部を受ける環状受け面を含む、構成を採用してもよい。
【0029】
上記圧力センサにおいて、保持部材は、先端側の当接部に連続して形成され、先端側ハウジングの貫通路に嵌合される先端嵌合部を含む、構成を採用してもよい。
【0030】
上記圧力センサにおいて、後端側ハウジングは、保持部材の周りを非接触にて囲繞する、構成を採用してもよい。
【0031】
上記圧力センサにおいて、保持部材は、回路基板を位置決めして嵌め込む位置決め凹部と、センサモジュールから導かれる二つのリード線をそれぞれガイドする第1ガイド部と、コネクタ部材の複数の端子と接続される複数のリード線をそれぞれガイドする第2ガイド部を含む、構成を採用してもよい。
【0032】
上記圧力センサにおいて、センサモジュールは、ハウジングの内側に嵌め込まれて固定されるサブハウジングと、サブハウジングの先端に固定されたダイヤフラムと、サブハウジング内で軸線方向に順次積層された第1電極、圧電体、及び第2電極を含む、構成を採用してもよい。
【発明の効果】
【0033】
上記構成をなす圧力センサによれば、汎用性が高く、低コスト化、組立の容易化又は組立性の向上を達成でき、コネクタ部材の振動を抑制でき、高精度な検出信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明に係る圧力センサの第1実施形態を示す外観斜視図である。
図2】第1実施形態に係る圧力センサの軸線を通る面での斜視断面図である。
図3】第1実施形態に係る圧力センサをエンジンのシリンダヘッドに装着した状態において、軸線を通る断面図である。
図4】第1実施形態に係る圧力センサをエンジンのシリンダヘッドに装着した状態において、図3に示す断面に対して軸線回りに90度回転した位置の断面図である。
図5】第1実施形態に係る圧力センサの分解斜視図である。
図6】第1実施形態に係る圧力センサに含まれるセンサモジュールの分解斜視図である。
図7】第1実施形態に係る圧力センサにおいて、保持部材に固定された回路基板、センサモジュールから導かれたリード線、コネクタ部材の端子の相互間における接続状態を示す部分斜視図である。
図8】第1実施形態に係る圧力センサにおいて、回路基板に接続された三つのリード線とコネクタ部材に埋設された三つの端子との接続状態を示すものであり、軸線に垂直な面での断面図である。
図9】第1実施形態に係る圧力センサの保持部材を示す外観斜視図である。
図10】第1実施形態に係る圧力センサのコネクタ部材を示す外観斜視図である。
図11】第1実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図12】第1実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図13】第1実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図14】本発明に係る圧力センサの第2実施形態を示すものであり、軸線を通る面での斜視断面図である。
図15】第2実施形態に係る圧力センサの分解斜視図である。
図16】第2実施形態に係る圧力センサの保持部材を示す外観斜視図である。
図17】第2実施形態に係る圧力センサのコネクタ部材を示す外観斜視図である。
図18】第2実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図19】第2実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図20】第2実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図21】本発明に係る圧力センサの第3実施形態を示すものであり、軸線を通る面での斜視断面図である。
図22】第3実施形態に係る圧力センサの保持部材を含む領域の部分分解斜視図である。
図23】第3実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図24】第3実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図25】第3実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図26】本発明に係る圧力センサの第4実施形態を示すものであり、軸線を通る面での斜視断面図である。
図27】第4実施形態に係る圧力センサの保持部材を含む領域の部分分解斜視図である。
図28】第4実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図29】第4実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図30】第4実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図31】本発明に係る圧力センサの第5実施形態を示すものであり、軸線を通る面での斜視断面図である。
図32】第5実施形態に係る圧力センサの保持部材を含む領域の部分分解斜視図である。
図33】第5実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図34】第5実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図35】第5実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図36】本発明に係る圧力センサの第6実施形態を示すものであり、軸線を通る面での斜視断面図である。
図37】第6実施形態に係る圧力センサの保持部材を含む領域の部分分解斜視図である。
図38】第6実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図39】第6実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
図40】第6実施形態に係る圧力センサの組付け作業を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
第1実施形態に係る圧力センサは、図3及び図4に示すように、エンジンのシリンダヘッドCHに取り付けられて、圧力媒体としての燃焼室内の燃焼ガスの圧力を検出するものである。
【0036】
第1実施形態に係る圧力センサは、図1ないし図5に示すように、軸線Sを画定する筒状のハウジングHとしての先端側ハウジング10及び後端側ハウジング20、センサモジュール30、回路基板40、回路基板40を保持する保持部材50、コネクタ部材60、コネクタ部材60を押圧して固定する押圧部材70を備えている。
【0037】
先端側ハウジング10は、析出硬化系やフェライト系のステンレス鋼等の金属材料を用いて、軸線Sを画定する円筒状に形成され、センサモジュール30及びリード線38,39を収容している。
先端側ハウジング10は、図2ないし図5に示すように、圧力媒体に晒される先端円筒部11、センサモジュール30が収容される収容部12、軸線Sを中心として貫通する貫通路13、外周面に形成された雄ネジ部14、後端側ハウジング20が組み付けられて固定される環状フランジ部15、環状凸部16、保持部材50の先端側の当接部54を受ける環状受け面17を備えている。
【0038】
後端側ハウジング20は、オーステナイト系やフェライト系のステンレス鋼等の金属材料を用いて、軸線Sを画定する円筒状に形成され、回路基板40を収容している。
後端側ハウジング20は、図2ないし図5に示すように、先端面21、軸線Sを中心として貫通する貫通路22、後端面23、環状フランジ部24を備えている。
そして、後端側ハウジング20は、貫通路22に環状凸部16が嵌合されると共に、先端面21が環状フランジ部15に当接されて先端側ハウジング10に溶接されることにより、先端側ハウジング10と一体的に軸線Sを画定するハウジングHを構成する。
【0039】
センサモジュール30は、図2ないし図4に示すように、先端側ハウジング10の収容部12に収容されて、すなわち、ハウジングHの先端寄りに配置されて、圧力媒体の圧力を検出するものである。
センサモジュール30は、図6に示すように、サブハウジング31、ダイヤフラム32、保持板33、位置決め部材34、断熱部材35、圧力検出部材36、予荷重付与部材37、二つのリード線38,39を備えている。
【0040】
サブハウジング31は、析出硬化系やフェライト系のステンレス鋼等の金属材料を用いて、軸線Sを中心とする円筒状に形成されている。
そして、サブハウジング31は、ダイヤフラム32、保持板33、位置決め部材34、断熱部材35、圧力検出部材36、予荷重付与部材37、リード線38,39を組み込んだ状態で、先端側ハウジング10の収容部12に嵌め込まれて溶接等により固定される。
【0041】
ダイヤフラム32は、析出硬化性のステンレス鋼等の金属材料を用いて形成され、可撓板状部32a、可撓板状部32aに連続して形成された突出部32bを備えている。
可撓板状部32aは、弾性変形可能な円板状に形成され、その外縁領域がサブハウジング31の先端面に対して溶接等により固定される。
可撓板状部32aには、圧力媒体(燃焼ガス)の圧力に応じた荷重が作用し、その荷重に応じて軸線S方向に弾性変形する。突出部32bは、可撓板状部32aの軸線Sを中心とする中央領域からサブハウジング31の内側に向けて突出し、可撓板状部32aが受けた力を保持板33及び断熱部材35を介して圧力検出部材36に伝達する。
【0042】
保持板33は、析出硬化系やフェライト系のステンレス鋼等の金属材料を用いて、突出部32bの外径よりも大きい外径をなす円板状に形成され、位置決め部材34を可撓板状部32aから離隔するように保持し、可撓板状部32aと位置決め部材34の間に空間を画定する役割をなす。
位置決め部材34は、断熱部材35、圧力検出部材36、予荷重付与部材37を軸線S方向に積層した状態で位置決めするものであり、電気的絶縁性及び熱的絶縁性を有する絶縁材料を用いて、軸線S方向に伸長する円筒状に形成され、軸線Sを中心とする貫通孔34a、リード線38,39を通す二つの切り欠き溝34bを備えている。
【0043】
断熱部材35は、電気的絶縁性及び熱的絶縁性を有する絶縁材料を用いて、圧力検出部材36の第1電極36aの外径と同等の外径をなす所定高さの円柱状に形成され、保持板33と第1電極36aの間に密接して配置される。これにより、断熱部材35は、ダイヤフラム32から第1電極36aへの伝熱を抑制する。
【0044】
圧力検出部材36は、圧力を検出するべく機能するものであり、サブハウジング31の内側において、先端側から軸線S方向に順次積層された、第1電極36a、圧電体36b、及び第2電極36cを備えている。
第1電極36aは、析出硬化系やフェライト系のステンレス鋼等の導電性の金属材料を用いて、位置決め部材34の貫通孔34aに嵌め込まれる外径をなす円柱又は円板状に形成されている。
圧電体36bは、位置決め部材34の貫通孔34aに接触しない寸法をなす四角柱状に形成され、軸線S方向において受けた荷重による歪に基づいて電気信号を出力する。
尚、圧電体36bとしては、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等によるセラミックス、水晶等が適用される。
第2電極36cは、析出硬化系やフェライト系のステンレス鋼等の導電性の金属材料を用いて、位置決め部材34の貫通孔34aに嵌め込まれる外径をなす円柱又は円板状に形成されている。
【0045】
予荷重付与部材37は、サブハウジング31の内側に配置されて、ダイヤフラム32に向けて圧力検出部材36を押圧して予荷重を付与し、圧力検出部材36に対してセンサとしての直線特性を与える役割をなすものであり、固定部材37a及び絶縁部材37bにより構成されている。
固定部材37aは、析出硬化系やフェライト系のステンレス鋼等の金属材料を用いて、サブハウジング31に嵌め込まれる円柱状に形成され、外周領域においてリード線38,39をそれぞれ通す二つの縦溝を備えている。
絶縁部材37bは、電気的に絶縁性の高い絶縁材料を用いて、位置決め部材34の貫通孔34aに嵌め込まれる外径をなす円柱又は円板状に形成され、第2電極36cと固定部材37aとの電気的絶縁を維持すると共に、圧電体36bに伝わった熱を固定部材37aへ導いて放熱させる役割をなす。
【0046】
リード線38は、図3図5図6に示すように、圧力検出部材36の第1電極36aに電気的に接続され、先端側ハウジング10の貫通路13を通り抜けて、環状受け面17よりも外側に延出するように配置される。
リード線39は、図3図5図6に示すように、圧力検出部材36の第2電極36cに電気的に接続され、先端側ハウジング10の貫通路13を通り抜けて、環状受け面17よりも外側に延出するように配置される。
【0047】
回路基板40は、図5及び図7に示すように、軸線S方向に長尺な矩形板状に形成され、センサモジュール30の検出信号を処理する(例えば、増幅処理する)種々の電子部品(不図示)、接続部42a,42b,42c,42d,42eを含むプリント配線(不図示)を備えている。
接続部42a,42bには、センサモジュール30のリード線38,39がそれぞれ接続される。
接続部42c,42d,42eには、三つのリード線43,44,45がそれぞれ接続される。尚、三つのリード線43,44,45は、組付け時の最適な工程で接続部42c,42d,42eに接続される。
そして、回路基板40は、実装面と反対側の背面に接着剤が塗布され、保持部材50の位置決め凹部51に嵌め込まれて保持部材50に固定され、組付け状態において後端側ハウジング20内に収容される。
【0048】
保持部材50は、回路基板40を保持するものであり、機械的強度及び剛性、耐熱性に優れた樹脂材料、例えばポニフェニレンスルファイド(PPS)等の樹脂材料を用いて、軸線S方向に長尺に形成されている。
保持部材50は、図5図7ないし図9に示すように、位置決め凹部51、リード線38,39をそれぞれガイドする第1ガイド部としてのガイド溝52a,52b、三つのリード線43,44,45をそれぞれガイドする第2ガイド部としての隔離壁53a,53b,53c、先端側の当接部54、先端嵌合部55、後端側の当接部56を備えている。
【0049】
位置決め凹部51は、回路基板40を嵌め込んで位置決めするべく、略矩形の開口をなす凹部として形成され、その中央領域には接着剤を溜める溜め部51aを備えている。
ガイド溝52aは、先端嵌合部55の領域において、回路基板40の接続部42aに接続されるリード線38をガイドする。
ガイド溝52bは、先端嵌合部55の領域において、回路基板40の接続部42bに接続されるリード線39をガイドする。
【0050】
隔離壁53aは、回路基板40の接続部42cに接続されたリード線43をガイドすると共に他のリード線44,45から隔離して沿わせるように形成されている。
隔離壁53bは、回路基板40の接続部42dに接続されたリード線44を他のリード線43,45から隔離して沿わせるように形成されている。
隔離壁53cは、回路基板40の接続部42eに接続されたリード線45を他のリード線43,44から隔離して沿わせるように形成されている。
【0051】
当接部54は、軸線S方向の先端側において、先端側ハウジング10の環状受け面17に当接する円弧状の平坦面をなす。
先端嵌合部55は、先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合されるべく、当接部54から軸線S方向に突出する半円柱状をなす。
当接部56は、軸線S方向の後端側において、コネクタ部材60の端面60aに当接する矩形状の平坦面をなす。すなわち、当接部56は、図2ないし図4図8図10に示すように、コネクタ部材60の三つの端子62,63,64が突出する端面60aの軸線Sを含む中央領域Caにおいて、コネクタ部材60に当接する。
【0052】
そして、保持部材50は、位置決め凹部51に回路基板40を位置決め固定した状態で、後端側ハウジング20の貫通路22に挿入され、先端嵌合部55が先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合され、当接部54がハウジングHの一部をなす環状受け面17に当接するように配置される。
この状態で、保持部材50は、図2ないし図4に示すように、軸線S方向の後端側に位置する領域、具体的には隔離壁53a,53b,53c及び当接部56を含む領域が後端側ハウジング20の後端面23から突出した状態となる。すなわち、保持部材50は、軸線S方向において、ハウジングHの端面(後端面23)から突出した状態でコネクタ部材60に当接するように形成されている。
【0053】
これによれば、組付け工程において、コネクタ部材60を保持部材50に当接させ、押圧部材70を組み付ける前の状態で、三つのリード線43,44,45及び三つの端子62,63,64が外部に露出する。したがって、リード線43,44,45をそれぞれ対応する端子62,63,64に接続する作業を容易に行うことができる。
【0054】
コネクタ部材60は、機械的強度及び剛性、耐熱性に優れた樹脂材料、例えばポニフェニレンスルファイド(PPS)等の樹脂材料を用いてモールド成型され、図2ないし図5図10に示すように、コネクタ本体61と、コネクタ本体61に埋設された三つの端子62,63,64を備えている。
【0055】
コネクタ本体61は、筒部61a、小径部61b、大径部61c、環状段差部61d、環状溝61eを備えている。
筒部61aは、三つの端子62,63,64を外部に向けて露出させると共に三つの端子62,63,64の周りを囲繞するように形成され、外部から導かれるコネクタが接続されるようになっている。
小径部61bは、筒部61aに連続すると共に三つの端子62,63,64を埋設して固定するように形成されている。
大径部61cは、小径部61bに連続すると共に小径部61bよりも外径が大きくて、小径部61bと同様に三つの端子62,63,64を埋設して固定するように形成されている。
環状段差部61dは、小径部61bと大径部61cとの間に形成され、環状円錐面の一部を画定する。そして、環状段差部61dは、押圧部材70の環状押圧部73により軸線S方向に押圧されるようになっている。
環状溝61eは、シール用のOリングRが嵌め込まれるべく、大径部61cの外周面に形成されている。
【0056】
端子62,63,64は、剛性が高い金属材料により形成され、所定の形態に成形された後に、金型に嵌め込まれてコネクタ本体61と一体成形(モールド成型)される。
ここで、端子62は、センサモジュール30の検出信号に関する電圧の出力に用いられる。端子63は、電源電圧の供給に用いられる。端子64は、グランド電圧の供給に用いられる。尚、端子62,63,64は、上記適用形態に限るものではなく、その他の適用形態が採用されてもよい。
【0057】
また、端子62,63,64は、図7図8図10に示すように、保持部材50と対向する端面60aの軸線Sを含む中央領域Caから外れた領域において、端面60aから軸線S方向に突出するように配置されている。そして、コネクタ部材60の中央領域Caには、保持部材50の当接部56が当接するようになっている。
【0058】
上記のように、コネクタ部材60は、端子62,63,64を一体的に埋設して形成されているため、コネクタ本体61と端子62,63,64との相対的な移動を防止でき、機械的強度及び剛性を高めることができる。
また、コネクタ部材60は、保持部材50とは別体として形成され、又、端子62,63,64はリード線43,44,45を介して回路基板40に接続されるため、適用対象物に応じてコネクタ部材60の筒部61aの接続形状及び端子62,63,64の配置形状が異なる場合は、コネクタ部材60のみを仕様に応じて設定するだけで、その他の部品を共用することができる。
したがって、コネクタ部が保持部材に一体形成された構造や端子とコネクタ本体とが別々に形成された構造をなす従来例に比べて、部品を共用することができ、汎用性を高めて、低コスト化を達成することができる。
【0059】
押圧部材70は、オーステナイト系やフェライト系のステンレス鋼等の金属材料を用いて、軸線Sを中心とする円筒状に形成されている。そして、押圧部材70は、図2ないし図5に示すように、軸線Sを中心とする円筒状に形成され、大径筒部71、連結部72、環状押圧部73を備えている。
【0060】
大径筒部71は、コネクタ部材60の大径部61cが密接に嵌合されるように、又、後端側ハウジング20の環状フランジ部24が密接に嵌合するように形成されている。
連結部72は、ハウジングHを軸線S回りに回転させる工具を連結するための領域であり、コネクタ部材60の小径部61bが内接する六角形の断面をなす筒状に形成されている。したがって、工具を連結部72に連結してハウジングHを軸線S回りに回転させることにより、適用対象物に対する圧力センサの取付け及び取り外しを行うことができる。
【0061】
環状押圧部73は、大径筒部71と連結部72との境界領域において、環状円錐面の一部を画定するように形成されている。
そして、押圧部材70は、コネクタ部材60の外周(大径部61c)に嵌合されると共にコネクタ部材60を保持部材50に対して軸線S方向に押圧した状態で、すなわち、環状押圧部73が軸線S方向においてコネクタ部材60の環状段差部61dに押し付けられた状態で、後端側ハウジング20の環状フランジ部24に溶接により固定される。
このように、押圧部材70は、コネクタ部材60の外周領域を押圧すると共にコネクタ部材60の中央領域Caを保持部材50に向けて押圧することにより、コネクタ部材60の振動を抑制する。
【0062】
次に、第1実施形態に係る圧力センサの組付け作業について説明する。
作業に際して、先端側ハウジング10、後端側ハウジング20、センサモジュール30、三つのリード線43,44,45が接続された回路基板40、保持部材50、コネクタ部材60、押圧部材70が準備される。
【0063】
先ず、図5に示すように、センサモジュール30が先端側ハウジング10に組み込まれる。すなわち、リード線38,39が先端側ハウジング10の貫通路13に通されて環状受け面17よりも外側に延出するように配線されると共に、サブハウジング31が先端側ハウジング10の収容部12に嵌め込まれて溶接により固定される。
また、回路基板40が、保持部材50の位置決め凹部51に嵌め込まれて接着剤により固定される。ここで、三つのリード線43,44,45は、回路基板40が保持部材50に固定される前に接続部42c,42d,42eにそれぞれ接続される。尚、三つのリード線43,44,45は、回路基板40が保持部材50に固定された後に接続部42c,42d,42eにそれぞれ接続されてもよい。
【0064】
続いて、回路基板40を保持した保持部材50が、先端側ハウジング10に組み付けられる。すなわち、保持部材50の先端嵌合部55が先端側ハウジング10の貫通路13に嵌め込まれ、リード線38,39が回路基板40の接続部42a,42bにそれぞれ電気的に接続される。
【0065】
続いて、図11に示すように、後端側ハウジング20が、保持部材50を挿通させるようにして組み付けられ、貫通路22に環状凸部16が嵌め込まれると共に先端面21が環状フランジ部15に当接される。そして、後端側ハウジング20が先端側ハウジング10に溶接により固定される。
これにより、後端側ハウジング20及び先端側ハウジング10は、軸線Sを画定するハウジングHを形成する。この状態において、後端側ハウジング20は、保持部材50の周りを非接触にて囲繞する。
【0066】
続いて、図12に示すように、コネクタ部材60が軸線S方向から保持部材50に近づけられて、コネクタ部材60の端面60a(中央領域Ca)が保持部材50の当接部56に当接するように保持され、又、保持部材50の当接部54が先端側ハウジング10の環状受け面17に当接した状態で保持される。
このとき、コネクタ部材60の端子62,63,64は、それぞれ、回路基板40に接続されたリード線43,44,45に接するように位置付けられる。
【0067】
その後、端子62,63,64は、それぞれ対応するリード線43,44,45に電気的に接続される。この工程においては、保持部材50の隔離壁53a,53b,53c及び当接部56を画定する領域が、ハウジングHの後端面23から突出した状態となるため、端子62,63,64とリード線43,44,45の接続作業、例えば、スポット溶接を容易に行うことができる。
尚、リード線43,44,45は、この工程において、回路基板40の接続部42c,42d,42eとコネクタ部材60の端子62,63,64とに電気的に接続されてもよい。この場合でも、上述同様に、接続作業を容易に行うことができる。
【0068】
続いて、押圧部材70が、軸線S方向からコネクタ部材60に近づけられて組み付けられ、図13に示すように、小径部61b及び大径部61cの外周に嵌合されると共に環状押圧部73が環状段差部61dに当接する。そして、押圧部材70が、コネクタ部材60を保持部材50に押圧しつつ後端側ハウジング20の環状フランジ部24に嵌合させられた状態に維持される。
その状態で、押圧部材70の大径筒部71の先端領域が、後端側ハウジング20の環状フランジ部24に溶接されて、押圧部材70がハウジングHに一体的に固定される。
以上により、圧力センサの組付けが完了する。
尚、上記組み付け手順は、一例であって、これに限定されるものではなく、その他の組付け手順を採用してもよい。
【0069】
上記第1実施形態に係る圧力センサによれば、回路基板40と電気的に接続される複数の端子62,63,64が一体的に埋設されたコネクタ部材60と、回路基板40を保持するべくハウジングH内に配置され軸線S方向においてハウジングHの一部(環状受け面17)に当接しかつコネクタ部材60に当接する保持部材50と、コネクタ部材60の外周に嵌合されると共にコネクタ部材60を保持部材50に対して軸線S方向に押圧した状態でハウジングHに固定される筒状の押圧部材70を備えている。
このように、端子62,63,64を一体的に埋設したコネクタ部材60を採用することにより、端子62,63,64を堅固に固定することができ、それらの振動を抑制ないし防止できる。
【0070】
特に、コネクタ部材60は、押圧部材70により保持部材50に押圧した状態で組み込まれるため、ハウジングHに対して堅固に固定される。また、コネクタ部材60は、外周領域が押圧部材70と密接に嵌合して固定されると共に、三つの端子62,63,64が突出する端面60aでかつ軸線Sを含む中央領域Caが保持部材50と当接する状態で固定されるため、コネクタ部材60の全体の振動を抑制ないし防止できる。その結果、ノイズの発生を抑制して、高精度な検出信号を得ることができる。
【0071】
また、保持部材50は、先端側の当接部54に連続して形成され、先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合される先端嵌合部55を含むため、保持部材50を組み付ける際に、先端嵌合部55を貫通路13に嵌合することで、容易に位置決めすることができる。これにより、リード線38,39を接続部42a,42bに接続する作業も容易に行うことができる。
【0072】
また、後端側ハウジング20は、保持部材50の周りを非接触にて囲繞するように形成されているため、後端側ハウジング20が受ける振動や熱が保持部材50及び回路基板40に直接伝わるのを防止できる。
さらに、保持部材50は、二つのリード線38,39をそれぞれガイドする第1ガイド部(ガイド溝52a,52b)と、三つのリード線43,44,45をそれぞれガイドする第2ガイド部(隔離壁53a,53b,53c)を含むため、リード線38,39が相互に干渉しないように、又、リード線43,44,45が相互に干渉しないように、容易に配設することができる。
以上述べたように、第1実施形態に係る圧力センサによれば、汎用性が高く、低コスト化、組立の容易化を達成でき、コネクタ部材60の振動を抑制でき、高精度な検出信号を得ることができる。
【0073】
図14ないし図20は、本発明に係る圧力センサの第2実施形態を示すものであり、前述の第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係る圧力センサは、筒状のハウジングHとしての先端側ハウジング10及び後端側ハウジング20、センサモジュール30、回路基板40、回路基板40を保持する保持部材150、コネクタ部材160、コネクタ部材160を押圧して固定する押圧部材70を備えている。
【0074】
保持部材150は、回路基板40を保持するものであり、機械的強度及び剛性、耐熱性に優れた樹脂材料、例えばポニフェニレンスルファイド(PPS)等の樹脂材料を用いて、軸線S方向に長尺に形成されている。
保持部材150は、図14ないし図16に示すように、位置決め凹部51、ガイド溝52a,52b、隔離壁53a,53b,53c、先端側の当接部54、先端嵌合部55、嵌合凸部156を備えている。
【0075】
嵌合凸部156は、軸線Sに垂直な断面が略矩形状をなし、コネクタ部材160の嵌合凹部165に対して、軸線S回りに回転不能に密接に嵌合されるべく形成されている。
また、嵌合凸部156は、軸線S方向の後端において、コネクタ部材160の嵌合凹部165の底面165aに当接する当接部156aを備えている。
当接部156aは、矩形状の平坦面をなし、図14及び図17に示すように、コネクタ部材160の三つの端子62,63,64が突出する端面160aの軸線Sを含む中央領域Caに形成された嵌合凹部165の底面165aにおいて、コネクタ部材160に当接する。
【0076】
そして、保持部材150は、位置決め凹部51に回路基板40を位置決め固定した状態で、後端側ハウジング20の貫通路22に挿入され、先端嵌合部55が先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合され、当接部54がハウジングHの一部をなす環状受け面17に当接するように配置される。
この状態で、保持部材150は、図14及び図18に示すように、軸線S方向の後端側に位置する領域、具体的には隔離壁53a,53b,63c及び嵌合凸部156を含む領域が後端側ハウジング20の後端面23から突出した状態となる。すなわち、保持部材150は、軸線S方向において、ハウジングHの端面(後端面23)から突出した状態でコネクタ部材160に当接するように形成されている。
【0077】
これによれば、組付け工程において、コネクタ部材160を保持部材150に当接させ、押圧部材70を組み付ける前の状態で、三つのリード線43,44,45及び三つの端子62,63,64が外部に露出する。したがって、リード線43,44,45をそれぞれ対応する端子62,63,64に接続する作業を容易に行うことができる。
【0078】
コネクタ部材160は、機械的強度及び剛性、耐熱性に優れた樹脂材料、例えばポニフェニレンスルファイド(PPS)等の樹脂材料を用いてモールド成型され、図14図15図17に示すように、コネクタ本体161と、コネクタ本体161に埋設された三つの端子62,63,64を備えている。
【0079】
コネクタ本体161は、筒部61a、小径部61b、大径部61c、環状段差部61d、環状溝61e、嵌合凹部165を備えている。
嵌合凹部165は、図17に示すように、保持部材150と対向する端面160aの軸線Sを含む中央領域Caにおいて、軸線Sに垂直な断面が略矩形状をなすと共に端面160aから軸線S方向に凹むように形成され、平坦な底面165aを画定する。
すなわち、端子62,63,64は、図17に示すように、保持部材150と対向する端面160aの軸線Sを含む中央領域Caから外れた領域において、端面160aから軸線S方向に突出するように配置されている。
【0080】
上記のように、コネクタ部材160の嵌合凹部165と保持部材150の嵌合凸部156は、互いに嵌合された状態で、軸線S回りの相対的な回転を規制する形状に形成されている。したがって、保持部材150の嵌合凸部156をコネクタ部材160の嵌合凹部165に嵌合させるだけで、保持部材150に対してコネクタ部材160を位置決めして保持及び固定することができる。
また、コネクタ部材160は、端子62,63,64を一体的に埋設して形成されているため、コネクタ本体161と端子62,63,64との相対的な移動を防止でき、機械的強度及び剛性を高めることができる。
【0081】
また、コネクタ部材160は、保持部材150とは別体として形成され、又、端子62,63,64はリード線43,44,45を介して回路基板40に接続されるため、適用対象物に応じてコネクタ部材160の筒部61aの接続形状及び端子62,63,64の配置形状が異なる場合は、コネクタ部材160のみを仕様に応じて設定するだけで、その他の部品を共用することができる。
したがって、コネクタ部が保持部材に一体形成された構造や端子とコネクタ本体とが別々に形成された構造をなす従来例に比べて、部品を共用することができ、汎用性を高めて、低コスト化を達成することができる。
【0082】
次に、第2実施形態に係る圧力センサの組付け作業について説明する。
作業に際して、先端側ハウジング10、後端側ハウジング20、センサモジュール30、三つのリード線43,44,45が接続された回路基板40、保持部材150、コネクタ部材160、押圧部材70が準備される。
【0083】
先ず、先端側ハウジング10に対するセンサモジュール30の組付け作業、保持部材150に対する回路基板40の組付け作業、先端側ハウジング10に対する保持部材50の組付け作業が、前述の第1実施形態と同様に行われる。
【0084】
続いて、図18に示すように、後端側ハウジング20が、保持部材150を挿通させるようにして組み付けられ、貫通路22に環状凸部16が嵌め込まれると共に先端面21が環状フランジ部15に当接されて、先端側ハウジング10に溶接により固定される。
これにより、後端側ハウジング20及び先端側ハウジング10は、軸線Sを画定するハウジングHを形成する。この状態において、後端側ハウジング20は、保持部材150の周りを非接触にて囲繞する。
【0085】
続いて、図19に示すように、コネクタ部材160が軸線S方向から保持部材150に近づけられて、当接部156aが底面165aに当接するように、コネクタ部材60の嵌合凹部165に保持部材150の嵌合凸部156が嵌合される。
これにより、コネクタ部材160は、保持部材150に位置決めして保持される。また、保持部材150の当接部54が先端側ハウジング10の環状受け面17に当接した状態で保持される。
このとき、コネクタ部材160の端子62,63,64は、それぞれ、回路基板40に接続されたリード線43,44,45に接するように位置付けられる。
【0086】
その後、端子62,63,64は、それぞれ対応するリード線43,44,45に電気的に接続される。この工程においては、保持部材150の隔離壁53a,53b,53c及び嵌合凸部156を画定する領域が、ハウジングHの後端面23から突出した状態となるため、端子62,63,64とリード線43,44,45の接続作業、例えば、スポット溶接を容易に行うことができる。
尚、リード線43,44,45は、この工程において、回路基板40の接続部42c,42d,42eとコネクタ部材160の端子62,63,64とに電気的に接続されてもよい。この場合でも、上述同様に、接続作業を容易に行うことができる。
【0087】
続いて、押圧部材70が、軸線S方向からコネクタ部材160に近づけられて組み付けられ、図20に示すように、小径部61b及び大径部61cの外周に嵌合されると共に環状押圧部73が環状段差部61dに当接する。そして、押圧部材70が、コネクタ部材160を保持部材150に押圧しつつ後端側ハウジング20の環状フランジ部24に嵌合させられた状態に維持される。
その状態で、押圧部材70の大径筒部71の先端領域が、後端側ハウジング20の環状フランジ部24に溶接されて、押圧部材70がハウジングHに一体的に固定される。
以上により、圧力センサの組付けが完了する。
尚、上記組み付け手順は、一例であって、これに限定されるものではなく、その他の組付け手順を採用してもよい。
【0088】
上記第2実施形態に係る圧力センサによれば、回路基板40と電気的に接続される複数の端子62,63,64が一体的に埋設されたコネクタ部材160と、回路基板40を保持するべくハウジングH内に配置され軸線S方向においてハウジングHの一部(環状受け面17)に当接しかつコネクタ部材160に当接する保持部材150と、コネクタ部材160の外周に嵌合されると共にコネクタ部材160を保持部材150に対して軸線S方向に押圧した状態でハウジングHに固定される筒状の押圧部材70を備えている。
このように、端子62,63,64を一体的に埋設したコネクタ部材160を採用することにより、端子62,63,64を堅固に固定することができ、それらの振動を抑制ないし防止できる。
【0089】
特に、コネクタ部材160は、押圧部材70により保持部材150に押圧した状態で組み込まれるため、ハウジングHに対して堅固に固定される。また、コネクタ部材160は、外周領域が押圧部材70と密接に係合して固定されると共に、三つの端子62,63,64が突出する端面160aでかつ軸線Sを含む中央領域Caに位置する底面165aが保持部材150と当接する状態で固定されるため、コネクタ部材160の全体の振動を抑制ないし防止できる。その結果、ノイズの発生を抑制して、高精度な検出信号を得ることができる。
【0090】
また、保持部材150は、コネクタ部材160の嵌合凹部165に嵌合されると共に嵌合凹部165の底面165aに当接する嵌合凸部156を含むため、嵌合凸部156を嵌合凹部165に嵌合させるだけで、保持部材150に対してコネクタ部材160を位置決めして保持することができる。これにより、端子62,63,64とリード線43,44,45との接続作業を容易に行うことができる。
また、保持部材150は、後端側ハウジング20の内壁面に非接触にて配置される、すなわち、後端側ハウジング20が保持部材150の周りを非接触にて囲繞するため、後端側ハウジング20が受ける振動や熱が保持部材150及び回路基板40に直接伝わるのを防止できる。
さらに、保持部材150は、二つのリード線38,39をそれぞれガイドする第1ガイド部(ガイド溝52a,52b)と、三つのリード線43,44,45をそれぞれガイドする第2ガイド部(隔離壁53a,53b,53c)を含むため、リード線38,39が相互に干渉しないように、又、リード線43,44,45が相互に干渉しないように、容易に配設することができる。
以上述べたように、第2実施形態に係る圧力センサによれば、汎用性が高く、低コスト化、組立の容易化を達成でき、コネクタ部材160の振動を抑制でき、高精度な検出信号を得ることができる。
【0091】
図21ないし図25は、本発明に係る圧力センサの第3実施形態を示すものであり、前述の第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第3実施形態に係る圧力センサは、筒状のハウジングHとしての先端側ハウジング10及び後端側ハウジング20、センサモジュール30、回路基板40、回路基板40を保持する保持部材250、コネクタ部材60、コネクタ部材60を押圧して固定する押圧部材70を備えている。
【0092】
保持部材250は、図21及び図22に示すように、回路基板40を保持する本体部材250aと、本体部材250aに組み付けられて軸線S方向における押圧部材70の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材250bにより構成されている。
【0093】
本体部材250aは、機械的強度及び剛性並びに耐熱性に優れた樹脂材料、例えばポニフェニレンスルファイド(PPS)等の樹脂材料を用いて、軸線S方向に長尺に形成されており、位置決め凹部51、リード線38,39をそれぞれガイドする第1ガイド部としてのガイド溝52a,52b及びガイド孔252a,252b、三つのリード線43,44,45をそれぞれガイドする第2ガイド部としてのガイド溝253a及びガイド孔253b,253c、先端側の当接部254、先端嵌合部55、後端側の突出部256を備えている。
【0094】
ガイド孔252aは、当接部254の領域において、回路基板40の接続部42aに接続されるリード線38をガイドする。
ガイド孔252bは、当接部254の領域において、回路基板40の接続部42bに接続されるリード線39をガイドする。
【0095】
ガイド溝253aは、他のリード線44,45から隔離した状態で、回路基板40の接続部42cに接続されたリード線43をガイドする。
ガイド孔253bは、他のリード線43,45から隔離した状態で、回路基板40の接続部42dに接続されたリード線44をガイドする。
ガイド孔253cは、他のリード線43,44から隔離した状態で、回路基板40の接続部42eに接続されたリード線45をガイドする。
【0096】
当接部254は、軸線S方向の先端側において、先端側ハウジング10の環状受け面17に当接する円環状の平坦面をなす。
突出部256は、緩衝部材250bが嵌合されて組み付けられるべく、軸線S方向の後端側において円柱状に突出する。
【0097】
緩衝部材250bは、耐熱性、反発弾性、耐候性、耐寒性等に優れた材料、例えば、天然ゴム、ニトリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム等の材料を用いて、図21及び図22に示すように、有底筒状に形成されており、凹部250b、当接面250bを備えている。
そして、緩衝部材250bは、突出部256が凹部250bに嵌合されることにより、本体部材250aに組み付けられる。また、圧力センサの組み付け状態において、当接面250bがコネクタ部材60の中央領域Caの端面60aに当接し、押圧部材70の押圧力により軸線S方向に圧縮されて僅かに弾性変形した状態に維持される。
【0098】
上記保持部材250は、位置決め凹部51に回路基板40を位置決め固定した状態で、後端側ハウジング20の貫通路22に挿入され、先端嵌合部55が先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合され、当接部254がハウジングHの一部をなす環状受け面17に当接するように配置される。
この状態で、保持部材250は、図21及び図23に示すように、軸線S方向の後端側に位置する領域が、具体的には、ガイド溝253a,ガイド孔253b,253c及び突出部256並びに緩衝部材250bを含む領域が、後端側ハウジング20の後端面23から突出した状態となる。
【0099】
すなわち、保持部材250は、軸線S方向において、ハウジングHの端面(後端面23)から突出した状態でコネクタ部材60に当接するように形成されている。
これによれば、組付け工程において、コネクタ部材60を保持部材250に当接させ、押圧部材70を組み付ける前の状態で、三つのリード線43,44,45及び三つの端子62,63,64が外部に露出する。したがって、リード線43,44,45をそれぞれ対応する端子62,63,64に接続する作業を容易に行うことができる。
また、緩衝部材250bは、ハウジングHの端面(後端面23)から突出した領域に含まれるため、緩衝部材250bの組み付けが容易であり、かつ、組み付け後の状態も容易に確認することができる。
【0100】
次に、第3実施形態に係る圧力センサの組付け作業について説明する。
作業に際して、先端側ハウジング10、後端側ハウジング20、センサモジュール30、回路基板40、三つのリード線43,44,45、保持部材250を構成する本体部材250a及び緩衝部材250b、コネクタ部材60、押圧部材70が準備される。
【0101】
先ず、先端側ハウジング10に対するセンサモジュール30の組付け作業が、前述の第1実施形態と同様に行われる。
続いて、緩衝部材250bが、本体部材250aに嵌合により組み付けられて、保持部材250が形成される。
続いて、回路基板40が、保持部材250の位置決め凹部51に嵌め込まれて接着剤により固定される。そして、三つのリード線43,44,45が、回路基板40の接続部42c,42d,42eにそれぞれ接続される。
【0102】
続いて、回路基板40を保持した保持部材250が、先端側ハウジング10に組み付けられる。すなわち、保持部材250の先端嵌合部55が先端側ハウジング10の貫通路13に嵌め込まれ、リード線38,39が回路基板40の接続部42a,42bにそれぞれ電気的に接続される。
【0103】
続いて、図23に示すように、後端側ハウジング20が、保持部材250を挿通させるようにして組み付けられ、貫通路22に環状凸部16が嵌め込まれると共に先端面21が環状フランジ部15に当接される。そして、後端側ハウジング20が先端側ハウジング10に溶接により固定される。
これにより、後端側ハウジング20及び先端側ハウジング10は、軸線Sを画定するハウジングHを形成する。この状態において、後端側ハウジング20は、保持部材250の周りを非接触にて囲繞する。
【0104】
続いて、図24に示すように、コネクタ部材60が軸線S方向から保持部材250に近づけられて、コネクタ部材60の端面60a(中央領域Ca)が、保持部材250の一部をなす緩衝部材250bの当接面250bに当接した状態に保持され、又、保持部材250の当接部254が先端側ハウジング10の環状受け面17に当接した状態で保持される。このとき、コネクタ部材60の端子62,63,64は、それぞれ、回路基板40に接続されたリード線43,44,45に接するように位置付けられる。
【0105】
その後、端子62,63,64は、それぞれ対応するリード線43,44,45に電気的に接続される。この工程においては、保持部材250のガイド溝253a,ガイド孔253b,253cを画定する領域が、ハウジングHの後端面23から突出した状態となるため、端子62,63,64とリード線43,44,45の接続作業、例えば、スポット溶接を容易に行うことができる。
【0106】
続いて、押圧部材70が、軸線S方向からコネクタ部材60に近づけられて組み付けられ、図25に示すように、小径部61b及び大径部61cの外周に嵌合されると共に環状押圧部73が環状段差部61dに当接する。そして、押圧部材70が、コネクタ部材60を保持部材250に押圧しつつ後端側ハウジング20の環状フランジ部24に嵌合させられた状態に維持される。このとき、緩衝部材250bは、押圧部材70の押圧力により僅かに弾性変形させられる。
【0107】
その状態で、押圧部材70の大径筒部71の先端領域が、後端側ハウジング20の環状フランジ部24に溶接されて、押圧部材70がハウジングHに一体的に固定される。
ここでは、押圧部材70の押圧力により緩衝部材250bが弾性変形し得るため、部品相互間の寸法のバラツキがあっても、押圧部材70を所望する位置に溶接して固定することができる。これにより、組立性が向上する。
以上により、圧力センサの組付けが完了する。尚、上記組み付け手順は、一例であって、これに限定されるものではなく、その他の組付け手順を採用してもよい。
【0108】
上記第3実施形態に係る圧力センサによれば、回路基板40と電気的に接続される複数の端子62,63,64が一体的に埋設されたコネクタ部材60と、回路基板40を保持するべくハウジングH内に配置され軸線S方向においてハウジングHの一部(環状受け面17)に当接しかつコネクタ部材60に当接する保持部材250と、コネクタ部材60の外周に嵌合されると共にコネクタ部材60を保持部材250に対して軸線S方向に押圧した状態でハウジングHに固定される筒状の押圧部材70を備えている。
このように、端子62,63,64を一体的に埋設したコネクタ部材60を採用することにより、端子62,63,64を堅固に固定することができ、それらの振動を抑制ないし防止できる。
【0109】
特に、保持部材250が、回路基板40を保持する本体部材250aと、押圧部材70の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材250bを含む構成となっている。
したがって、コネクタ部材60が、押圧部材70により保持部材250に押圧された状態で組み込まれる際に、緩衝部材250bがコネクタ部材60の端面60a(中央領域Ca)に当接しつつ、押圧部材70の押圧力により軸線S方向に僅かに弾性変形する。
これにより、軸線S方向における部品相互間の寸法のバラツキがあっても、押圧部材70を所望する位置においてハウジングHに溶接して固定することができ、組立性が向上する。また、緩衝部材250bを介在させたことにより、コネクタ部材60の振動を吸収及び減衰させることができる。その結果、コネクタ部材60の全体の振動を抑制ないし防止でき、ノイズの発生を抑制して、高精度な検出信号を得ることができる。
【0110】
保持部材250は、ハウジングHの後端面23から突出した領域において、緩衝部材250bを含むため、後端側ハウジング20内に本体部材250aが挿入された後に緩衝部材250bを組み付けることもでき、又、コネクタ部材60を組み付ける前において緩衝部材250bの組み付け状態を確認することもできる。
保持部材250は、先端側の当接部254に連続して形成され、先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合される先端嵌合部55を含むため、保持部材250を組み付ける際に、先端嵌合部55を貫通路13に嵌合することで、容易に位置決めすることができる。これにより、リード線38,39を接続部42a,42bに接続する作業も容易に行うことができる。
【0111】
保持部材250は、後端側ハウジング20の内壁面に非接触にて配置される、すなわち、後端側ハウジング20が保持部材250の周りを非接触にて囲繞するため、後端側ハウジング20が受ける振動や熱が、保持部材250及び回路基板40に直接伝わるのを防止できる。
保持部材250は、二つのリード線38,39をそれぞれガイドする第1ガイド部(ガイド溝52a,52b)と、三つのリード線43,44,45をそれぞれガイドする第2ガイド部(ガイド溝253a,ガイド孔253b,253c)を含むため、リード線38,39が相互に干渉しないように、又、リード線43,44,45が相互に干渉しないように、容易に配設することができる。
以上述べたように、第3実施形態に係る圧力センサによれば、汎用性が高く、低コスト化、組立の容易化、組立性の向上を達成でき、コネクタ部材60の振動を抑制でき、高精度な検出信号を得ることができる。
【0112】
図26ないし図30は、本発明に係る圧力センサの第4実施形態を示すものであり、前述の第1実施形態ないし第3実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第4実施形態に係る圧力センサは、筒状のハウジングHとしての先端側ハウジング10及び後端側ハウジング20、センサモジュール30、回路基板40、回路基板40を保持する保持部材350、コネクタ部材160、コネクタ部材160を押圧して固定する押圧部材70を備えている。
【0113】
保持部材350は、図26及び図27に示すように、回路基板40を保持する本体部材350aと、本体部材350aに組み付けられて軸線S方向にける押圧部材70の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材350bにより構成されている。
【0114】
本体部材350aは、機械的強度及び剛性並びに耐熱性に優れた樹脂材料、例えばポニフェニレンスルファイド(PPS)等の樹脂材料を用いて、軸線S方向に長尺に形成されており、回路基板40を保持する保持部としての位置決め凹部51、第1ガイド部としてのガイド溝52a,52b及びガイド孔252a,252b、第2ガイド部としてのガイド溝253a及びガイド孔253b,253c、先端側の当接部254、先端嵌合部55、後端側の嵌合凸部356、嵌合凸部356から軸線S方向に突出する突出部357を備えている。
【0115】
嵌合凸部356は、保持部(位置決め凹部51)に連続して形成され軸線Sに垂直な断面が略矩形状をなし、コネクタ部材160の嵌合凹部165に対して、軸線S回りに回転不能に密接に嵌合されるべく形成されている。
突出部357は、緩衝部材350bが嵌合されて組み付けられるべく、嵌合凸部356から軸線S方向に円柱状に突出する。
【0116】
緩衝部材350bは、前述の緩衝部材250bと同様の材料を用いて、図26及び図27に示すように、有底筒状に形成されており、凹部350b、当接面350bを備えている。
そして、緩衝部材350bは、突出部357が凹部350bに嵌合されることにより、本体部材350aに組み付けられる。また、圧力センサの組み付け状態において、当接面350bがコネクタ部材160の嵌合凹部165の底面165aに当接し、押圧部材70の押圧力により軸線S方向に圧縮されて僅かに弾性変形した状態に維持される。
さらに、緩衝部材350bは、弾性変形前において、嵌合凹部165の内周面と非接触となる外径寸法に形成されている。具体的には、緩衝部材350bが軸線S方向の押圧力により弾性変形して径方向に膨らむ際に、その膨らみ変形を受け入れる隙間が画定されるように形成されている。
【0117】
上記保持部材350は、位置決め凹部51に回路基板40を位置決め固定した状態で、後端側ハウジング20の貫通路22に挿入され、先端嵌合部55が先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合され、当接部254がハウジングHの一部をなす環状受け面17に当接するように配置される。
この状態で、保持部材350は、図26及び図28に示すように、軸線S方向の後端側に位置する領域、具体的にはガイド溝253a,ガイド孔253b,253c及び嵌合凸部356並びに突出部357を含む領域が後端側ハウジング20の後端面23から突出した状態となる。
【0118】
すなわち、保持部材350は、軸線S方向において、ハウジングHの端面(後端面23)から突出した状態でコネクタ部材160に当接するように形成されている。
これによれば、組付け工程において、コネクタ部材160を保持部材350に当接させ、押圧部材70を組み付ける前の状態で、三つのリード線43,44,45及び三つの端子62,63,64が外部に露出する。したがって、リード線43,44,45をそれぞれ対応する端子62,63,64に接続する作業を容易に行うことができる。
また、緩衝部材350bは、ハウジングHの端面(後端面23)から突出した領域に含まれるため、緩衝部材350bの組み付けが容易であり、かつ、組み付け後の状態も容易に確認することができる。
【0119】
次に、第4実施形態に係る圧力センサの組付け作業について説明する。
作業に際して、先端側ハウジング10、後端側ハウジング20、センサモジュール30、回路基板40、三つのリード線43,44,45、保持部材350を構成する本体部材350a及び緩衝部材350b、コネクタ部材160、押圧部材70が準備される。
【0120】
先ず、先端側ハウジング10に対するセンサモジュール30の組付け作業が、前述の第1実施形態と同様に行われる。
続いて、緩衝部材350bが、本体部材350aの突出部357に嵌合されて組み付けられ、保持部材350が形成される。
続いて、回路基板40が、保持部材350の位置決め凹部51に嵌め込まれて接着剤により固定される。そして、三つのリード線43,44,45が、回路基板40の接続部42c,42d,42eにそれぞれ接続される。
【0121】
続いて、回路基板40を保持した保持部材350が、先端側ハウジング10に組み付けられる。すなわち、保持部材350の先端嵌合部55が先端側ハウジング10の貫通路13に嵌め込まれ、リード線38,39が回路基板40の接続部42a,42bにそれぞれ電気的に接続される。
【0122】
続いて、図28に示すように、後端側ハウジング20が、保持部材350を挿通させるようにして組み付けられ、貫通路22に環状凸部16が嵌め込まれると共に先端面21が環状フランジ部15に当接される。そして、後端側ハウジング20が先端側ハウジング10に溶接により固定される。
これにより、後端側ハウジング20及び先端側ハウジング10は、軸線Sを画定するハウジングHを形成する。この状態において、後端側ハウジング20は、保持部材350の周りを非接触にて囲繞する。
【0123】
続いて、図29に示すように、コネクタ部材160が軸線S方向から保持部材350に近づけられて、コネクタ部材160の嵌合凹部165に嵌合凸部356が嵌合されると共に、嵌合凹部165の底面165a(中央領域Ca)が、保持部材350の一部をなす緩衝部材350bの当接面350bに当接した状態に保持され、又、保持部材350の当接部254が先端側ハウジング10の環状受け面17に当接した状態で保持される。
このとき、コネクタ部材160の端子62,63,64は、それぞれ、回路基板40に接続されたリード線43,44,45に接するように位置付けられる。
【0124】
その後、端子62,63,64は、それぞれ対応するリード線43,44,45に電気的に接続される。この工程においては、保持部材350のガイド溝253a,ガイド孔253b,253cを画定する領域が、ハウジングHの後端面23から突出した状態となるため、端子62,63,64とリード線43,44,45の接続作業、例えば、スポット溶接を容易に行うことができる。
【0125】
続いて、押圧部材70が、軸線S方向からコネクタ部材160に近づけられて組み付けられ、図30に示すように、小径部61b及び大径部61cの外周に嵌合されると共に環状押圧部73が環状段差部61dに当接する。そして、押圧部材70が、コネクタ部材160を保持部材350に押圧しつつ後端側ハウジング20の環状フランジ部24に嵌合させられた状態に維持される。このとき、緩衝部材350bは、押圧部材70の押圧力により僅かに弾性変形させられる。
【0126】
その状態で、押圧部材70の大径筒部71の先端領域が、後端側ハウジング20の環状フランジ部24に溶接されて、押圧部材70がハウジングHに一体的に固定される。
ここでは、押圧部材70の押圧力により緩衝部材350bが弾性変形し得るため、部品相互間の寸法のバラツキがあっても、押圧部材70を所望する位置に溶接して固定することができる。これにより、組立性が向上する。
以上により、圧力センサの組付けが完了する。尚、上記組み付け手順は、一例であって、これに限定されるものではなく、その他の組付け手順を採用してもよい。
【0127】
上記第4実施形態に係る圧力センサによれば、回路基板40と電気的に接続される複数の端子62,63,64が一体的に埋設されたコネクタ部材160と、回路基板40を保持するべくハウジングH内に配置され軸線S方向においてハウジングHの一部(環状受け面17)に当接しかつコネクタ部材160に当接する保持部材350と、コネクタ部材160の外周に嵌合されると共にコネクタ部材160を保持部材350に対して軸線S方向に押圧した状態でハウジングHに固定される筒状の押圧部材70を備えている。
このように、端子62,63,64を一体的に埋設したコネクタ部材160を採用することにより、端子62,63,64を堅固に固定することができ、それらの振動を抑制ないし防止できる。
【0128】
特に、保持部材350が、回路基板40を保持する保持部(位置決め凹部51)及び保持部に連続して形成され嵌合凹部165に嵌合される嵌合凸部356を有する本体部材350aと、嵌合凸部356に組み付けられて嵌合凹部165の底面165aに当接し押圧部材70の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材350bを含む構成となっている。したがって、コネクタ部材160が、押圧部材70により保持部材350に押圧された状態で組み込まれる際に、緩衝部材350bがコネクタ部材160の嵌合凹部165の底面165a(中央領域Ca)に当接しつつ、押圧部材70の押圧力により軸線S方向に僅かに弾性変形する。
これにより、軸線S方向における部品相互間の寸法のバラツキがあっても、押圧部材70を所望する位置においてハウジングHに溶接して固定することができる。また、緩衝部材350bを介在させたことにより、コネクタ部材160の振動を吸収及び減衰させることができる。その結果、コネクタ部材160の全体の振動を抑制ないし防止でき、ノイズの発生を抑制して、高精度な検出信号を得ることができる。
また、緩衝部材350bは、弾性変形前において、嵌合凹部165の内周面と非接触となる外径寸法に形成されているため、緩衝部材350bの弾性変形が拘束されないようにして、衝撃吸収、振動の吸収及び減衰等の作用を効率良く発揮させることができる。
【0129】
保持部材350は、ハウジングHの後端面23から突出した領域において、緩衝部材350bを含むため、後端側ハウジング20内に本体部材350aが挿入された後に緩衝部材350bを組み付けることもでき、又、コネクタ部材160を組み付ける前において緩衝部材350bの組み付け状態を確認することもできる。
保持部材350は、先端側の当接部254に連続して形成され、先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合される先端嵌合部55を含むため、保持部材350を組み付ける際に、先端嵌合部55を貫通路13に嵌合することで、容易に位置決めすることができる。これにより、リード線38,39を接続部42a,42bに接続する作業も容易に行うことができる。
【0130】
保持部材350は、後端側ハウジング20の内壁面に非接触にて配置される、すなわち、後端側ハウジング20が保持部材350の周りを非接触にて囲繞するため、後端側ハウジング20が受ける振動や熱が、保持部材350及び回路基板40に直接伝わるのを防止できる。
保持部材350は、二つのリード線38,39をそれぞれガイドする第1ガイド部(ガイド溝52a,52b)と、三つのリード線43,44,45をそれぞれガイドする第2ガイド部(ガイド溝253a,ガイド孔253b,253c)を含むため、リード線38,39が相互に干渉しないように、又、リード線43,44,45が相互に干渉しないように、容易に配設することができる。
以上述べたように、第4実施形態に係る圧力センサによれば、汎用性が高く、低コスト化、組立の容易化、組立性の向上を達成でき、コネクタ部材160の振動を抑制でき、高精度な検出信号を得ることができる。
【0131】
図31ないし図35は、本発明に係る圧力センサの第5実施形態を示すものであり、前述の第1実施形態ないし第4実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第5実施形態に係る圧力センサは、筒状のハウジングHとしての先端側ハウジング10及び後端側ハウジング20、センサモジュール30、回路基板40、回路基板40を保持する保持部材450、コネクタ部材160、コネクタ部材160を押圧して固定する押圧部材70を備えている。
【0132】
保持部材450は、図31及び図32に示すように、回路基板40を保持する本体部材450aと、本体部材450aに組み付けられて嵌合凹部165に嵌合される嵌合凸部材450bと、嵌合凸部材450bに組み付けられて嵌合凹部165の底面165aに当接し軸線S方向における押圧部材70の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材450cにより構成されている。
【0133】
本体部材450aは、機械的強度及び剛性並びに耐熱性に優れた樹脂材料、例えばポニフェニレンスルファイド(PPS)等の樹脂材料を用いて軸線S方向に長尺に形成されており、位置決め凹部51、第1ガイド部としてのガイド溝52a,52b及びガイド孔252a,252b、第2ガイド部としてのガイド溝253a及びガイド孔253b,253c、先端側の当接部254、先端嵌合部55、凹部456を備えている。
凹部456は、嵌合凸部材450bの基部457bが嵌合されて組み付けられるべく、軸線Sに垂直な断面が矩形状をなす切欠きとして形成されている。
【0134】
嵌合凸部材450bは、本体部材450aと同様の樹脂材料を用いて軸線S方向に長尺に形成されており、軸線Sに垂直な断面が略矩形状をなす嵌合部457a、基部457b、第2ガイド部としてのガイド溝457c、軸線S方向に突出する突出部457dを備えている。
嵌合部457aは、コネクタ部材160の嵌合凹部165に対して、軸線S回りに回転不能に密接に嵌合される。
基部457bは、本体部材450aの凹部456に対して軸線S回りに回転不能に密接に嵌合されるべく、軸線Sに垂直な断面が矩形状をなす。
ガイド溝457cは、嵌合凸部材450bが本体部材450aに組み付けられた状態において、ガイド溝253aと協働して、他のリード線44,45から隔離しつつ回路基板40の接続部42cに接続されたリード線43をガイドする。
突出部457dは、緩衝部材450cが嵌合されて組み付けられるべく、嵌合部457aから軸線S方向に円柱状に突出する。
【0135】
緩衝部材450cは、前述の緩衝部材250b,350bと同様の材料を用いて、図31及び図32に示すように、有底筒状に形成されており、凹部450c、当接面450cを備えている。
そして、緩衝部材450cは、突出部457dが凹部450cに嵌合されることにより、嵌合凸部材450bに組み付けられる。また、圧力センサの組み付け状態において、当接面450cがコネクタ部材160の嵌合凹部165の底面165aに当接し、押圧部材70の押圧力により軸線S方向に圧縮されて僅かに弾性変形した状態に維持される。
さらに、緩衝部材450cは、弾性変形前において、嵌合凹部165の内周面と非接触となる外径寸法に形成されている。具体的には、緩衝部材450cが軸線S方向の押圧力により弾性変形して径方向に膨らむ際に、その膨らみ変形を受け入れる隙間が画定されるように形成されている。
【0136】
上記保持部材450は、位置決め凹部51に回路基板40を位置決め固定した状態で、後端側ハウジング20の貫通路22に挿入され、先端嵌合部55が先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合され、当接部254がハウジングHの一部をなす環状受け面17に当接するように配置される。
この状態で、保持部材450は、図31及び図33に示すように、軸線S方向の後端側に位置する領域、具体的にはガイド溝253a,457c,ガイド孔253b,253c及び嵌合凸部材450b並びに緩衝部材450cを含む領域が後端側ハウジング20の後端面23から突出した状態となる。
【0137】
すなわち、保持部材450は、軸線S方向において、ハウジングHの端面(後端面23)から突出した状態でコネクタ部材160に当接するように形成されている。
これによれば、組付け工程において、コネクタ部材160を保持部材450に当接させ、押圧部材70を組み付ける前の状態で、三つのリード線43,44,45及び三つの端子62,63,64が外部に露出する。したがって、リード線43,44,45をそれぞれ対応する端子62,63,64に接続する作業を容易に行うことができる。
また、緩衝部材450cは、ハウジングHの端面(後端面23)から突出した領域に含まれるため、緩衝部材450cの組み付けが容易であり、かつ、組み付け後の状態も容易に確認することができる。
【0138】
次に、第5実施形態に係る圧力センサの組付け作業について説明する。
作業に際して、先端側ハウジング10、後端側ハウジング20、センサモジュール30、回路基板40、三つのリード線43,44,45、保持部材450を構成する本体部材450a及び嵌合凸部材450b並びに緩衝部材450c、コネクタ部材160、押圧部材70が準備される。
【0139】
先ず、先端側ハウジング10に対するセンサモジュール30の組付け作業が、前述の第1実施形態と同様に行われる。
続いて、回路基板40が、保持部材450の一部をなす本体部材450aの位置決め凹部51に嵌め込まれて接着剤により固定される。そして、三つのリード線43,44,45が、回路基板40の接続部42c,42d,42eにそれぞれ接続される。
続いて、緩衝部材450cが、嵌合凸部材450bの突出部457dに嵌合されて組み付けられ、嵌合凸部材450bが、本体部材450aの凹部456に嵌合されて組み付けられ、保持部材450が形成される。
【0140】
続いて、回路基板40を保持した保持部材450が、先端側ハウジング10に組み付けられる。すなわち、保持部材450の先端嵌合部55が先端側ハウジング10の貫通路13に嵌め込まれ、リード線38,39が回路基板40の接続部42a,42bにそれぞれ電気的に接続される。
【0141】
続いて、図33に示すように、後端側ハウジング20が、保持部材450を挿通させるようにして組み付けられ、貫通路22に環状凸部16が嵌め込まれると共に先端面21が環状フランジ部15に当接される。そして、後端側ハウジング20が先端側ハウジング10に溶接により固定される。
これにより、後端側ハウジング20及び先端側ハウジング10は、軸線Sを画定するハウジングHを形成する。この状態において、後端側ハウジング20は、保持部材450の周りを非接触にて囲繞する。
【0142】
続いて、図34に示すように、コネクタ部材160が軸線S方向から保持部材450に近づけられて、コネクタ部材160の嵌合凹部165に嵌合凸部材450bの嵌合部457aが嵌合されると共に、嵌合凹部165の底面165a(中央領域Ca)が、保持部材450の一部をなす緩衝部材450cの当接面450cに当接した状態に保持され、又、保持部材450の当接部254が先端側ハウジング10の環状受け面17に当接した状態で保持される。
このとき、コネクタ部材160の端子62,63,64は、それぞれ、回路基板40に接続されたリード線43,44,45に接するように位置付けられる。
【0143】
その後、端子62,63,64は、それぞれ対応するリード線43,44,45に電気的に接続される。この工程においては、保持部材450のガイド溝253a,457c,ガイド孔253b,253cを画定する領域が、ハウジングHの後端面23から突出した状態となるため、端子62,63,64とリード線43,44,45の接続作業、例えば、スポット溶接を容易に行うことができる。
【0144】
続いて、押圧部材70が、軸線S方向からコネクタ部材160に近づけられて組み付けられ、図35に示すように、小径部61b及び大径部61cの外周に嵌合されると共に環状押圧部73が環状段差部61dに当接する。そして、押圧部材70が、コネクタ部材160を保持部材450に押圧しつつ後端側ハウジング20の環状フランジ部24に嵌合させられた状態に維持される。このとき、緩衝部材450cは、押圧部材70の押圧力により僅かに弾性変形させられる。
【0145】
その状態で、押圧部材70の大径筒部71の先端領域が、後端側ハウジング20の環状フランジ部24に溶接されて、押圧部材70がハウジングHに一体的に固定される。
ここでは、押圧部材70の押圧力により緩衝部材450cが弾性変形し得るため、部品相互間の寸法のバラツキがあっても、押圧部材70を所望する位置に溶接して固定することができる。これにより、組立性が向上する。
以上により、圧力センサの組付けが完了する。尚、上記組み付け手順は、一例であって、これに限定されるものではなく、その他の組付け手順を採用してもよい。
【0146】
上記第5実施形態に係る圧力センサによれば、回路基板40と電気的に接続される複数の端子62,63,64が一体的に埋設されたコネクタ部材160と、回路基板40を保持するべくハウジングH内に配置され軸線S方向においてハウジングHの一部(環状受け面17)に当接しかつコネクタ部材160に当接する保持部材450と、コネクタ部材160の外周に嵌合されると共にコネクタ部材160を保持部材450に対して軸線S方向に押圧した状態でハウジングHに固定される筒状の押圧部材70を備えている。
このように、端子62,63,64を一体的に埋設したコネクタ部材160を採用することにより、端子62,63,64を堅固に固定することができ、それらの振動を抑制ないし防止できる。
【0147】
特に、保持部材450が、回路基板40を保持する本体部材450aと、本体部材450aに組み付けられて嵌合凹部165に嵌合される嵌合凸部材450bと、嵌合凸部材450bに組み付けられて嵌合凹部165の底面165aに当接し押圧部材70の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材450cを含む構成となっている。したがって、コネクタ部材160が、押圧部材70により保持部材450に押圧された状態で組み込まれる際に、緩衝部材450cがコネクタ部材160の嵌合凹部165の底面165a(中央領域Ca)に当接しつつ、押圧部材70の押圧力により軸線S方向に僅かに弾性変形する。
これにより、軸線S方向における部品相互間の寸法のバラツキがあっても、押圧部材70を所望する位置においてハウジングHに溶接して固定することができる。また、緩衝部材450cを介在させたことにより、コネクタ部材160の振動を吸収及び減衰させることができる。その結果、コネクタ部材160の全体の振動を抑制ないし防止でき、ノイズの発生を抑制して、高精度な検出信号を得ることができる。
また、緩衝部材450cは、弾性変形前において、嵌合凹部165の内周面と非接触となる外径寸法に形成されているため、緩衝部材450cの弾性変形が拘束されないようにして、衝撃吸収、振動の吸収及び減衰等の作用を効率良く発揮させることができる。
【0148】
保持部材450は、ハウジングHの後端面23から突出した領域において、緩衝部材450cを含むため、後端側ハウジング20内に本体部材450a及び嵌合凸部材450bが挿入された後に緩衝部材450cを組み付けることもでき、又、コネクタ部材160を組み付ける前において緩衝部材450cの組み付け状態を確認することもできる。
保持部材450は、先端側の当接部254に連続して形成され、先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合される先端嵌合部55を含むため、保持部材450を組み付ける際に、先端嵌合部55を貫通路13に嵌合することで、容易に位置決めすることができる。これにより、リード線38,39を接続部42a,42bに接続する作業も容易に行うことができる。
【0149】
保持部材450は、後端側ハウジング20の内壁面に非接触にて配置される、すなわち、後端側ハウジング20が保持部材450の周りを非接触にて囲繞するため、後端側ハウジング20が受ける振動や熱が、保持部材450及び回路基板40に直接伝わるのを防止できる。
保持部材450は、二つのリード線38,39をそれぞれガイドする第1ガイド部(ガイド溝52a,52b)と、三つのリード線43,44,45をそれぞれガイドする第2ガイド部(ガイド溝253a,457c,ガイド孔253b,253c)を含むため、リード線38,39が相互に干渉しないように、又、リード線43,44,45が相互に干渉しないように、容易に配設することができる。
以上述べたように、第5実施形態に係る圧力センサによれば、汎用性が高く、低コスト化、組立の容易化、組立性の向上を達成でき、コネクタ部材160の振動を抑制でき、高精度な検出信号を得ることができる。
【0150】
図36ないし図40は、本発明に係る圧力センサの第6実施形態を示すものであり、前述の第1実施形態ないし第5実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第6実施形態に係る圧力センサは、筒状のハウジングHとしての先端側ハウジング10及び後端側ハウジング20、センサモジュール30、回路基板40、回路基板40を保持する保持部材550、コネクタ部材160、コネクタ部材160を押圧して固定する押圧部材70を備えている。
【0151】
保持部材550は、図36及び図37に示すように、回路基板40を保持する本体部材550aと、嵌合凹部165に嵌合されると共に底面156aに当接する嵌合凸部材550bと、本体部材550aと嵌合凸部材550bの間に介在して軸線S方向における押圧部材70の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材550cにより構成されている。
【0152】
本体部材550aは、機械的強度及び剛性並びに耐熱性に優れた樹脂材料、例えばポニフェニレンスルファイド(PPS)等の樹脂材料を用いて軸線S方向に長尺に形成されており、位置決め凹部51、第1ガイド部としてのガイド溝52a,52b及びガイド孔252a,252b、第2ガイド部としてのガイド溝253a及びガイド孔253b,253c、先端側の当接部254、先端嵌合部55、凹部556を備えている。
凹部556は、緩衝部材550cが嵌合されると共に嵌合凸部材550bの基部557bが軸線S回りに回転不能に嵌合されて組み付けられるべく、軸線Sに垂直な断面が矩形状をなす切欠きとして形成されている。
【0153】
嵌合凸部材550bは、本体部材550aと同様の樹脂材料を用いて軸線S方向に長尺に形成されており、軸線Sに垂直な断面が略矩形状をなす嵌合部557a、基部557b、第2ガイド部としてのガイド溝557c、嵌合凹部165の底面165aに当接する当接部557dを備えている。
嵌合部557aは、コネクタ部材160の嵌合凹部165に対して、軸線S回りに回転不能に密接に嵌合される。
基部557bは、本体部材550aの凹部556に対して、軸線S回りに回転不能に密接に嵌合される。
ガイド溝557cは、嵌合凸部材550bが本体部材550aに組み付けられた状態において、ガイド溝253a,550cと協働して、他のリード線44,45から隔離しつつ回路基板40の接続部42cに接続されたリード線43をガイドする。
当接部557dは、嵌合凹部165の底面165aと密接するべく、軸線Sに垂直な平坦面をなす。
【0154】
緩衝部材550cは、前述の緩衝部材250b,350b,450cと同様の材料を用いて、図36及び図37に示すように、直方体状に形成されており、第2ガイド部としてのガイド溝550cを備えている。
そして、緩衝部材550cは、本体部材550aの凹部556に嵌合され、その外側から嵌合凸部材550bの基部557bが凹部556に嵌合されることにより、本体部材550aと嵌合凸部材550bの間に挟み込まれて組み付けられる。
また、圧力センサの組み付け状態において、嵌合凸部材550bの当接部557dがコネクタ部材160の嵌合凹部165の底面165aに当接して押圧部材70により押圧されることにより、緩衝部材550cは、軸線S方向に圧縮されて僅かに弾性変形した状態に維持される。
【0155】
上記保持部材550は、位置決め凹部51に回路基板40を位置決め固定した状態で、後端側ハウジング20の貫通路22に挿入され、先端嵌合部55が先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合され、当接部254がハウジングHの一部をなす環状受け面17に当接するように配置される。
この状態で、保持部材550は、図36及び図38に示すように、軸線S方向の後端側に位置する領域、具体的にはガイド溝253a,550c,557c,ガイド孔253b,253c及び緩衝部材450c並びに嵌合凸部材550bを含む領域が後端側ハウジング20の後端面23から突出した状態となる。
【0156】
すなわち、保持部材550は、軸線S方向において、ハウジングHの端面(後端面23)から突出した状態でコネクタ部材160に当接するように形成されている。
これによれば、組付け工程において、コネクタ部材160を保持部材550に当接させ、押圧部材70を組み付ける前の状態で、三つのリード線43,44,45及び三つの端子62,63,64が外部に露出する。したがって、リード線43,44,45をそれぞれ対応する端子62,63,64に接続する作業を容易に行うことができる。
また、緩衝部材550cは、ハウジングHの端面(後端面23)から突出した領域に含まれるため、緩衝部材550cの組み付けが容易であり、かつ、組み付け後の状態も容易に確認することができる。
【0157】
次に、第6実施形態に係る圧力センサの組付け作業について説明する。
作業に際して、先端側ハウジング10、後端側ハウジング20、センサモジュール30、回路基板40、三つのリード線43,44,45、保持部材550を構成する本体部材550a及び嵌合凸部材550b並びに緩衝部材550c、コネクタ部材160、押圧部材70が準備される。
【0158】
先ず、先端側ハウジング10に対するセンサモジュール30の組付け作業が、前述の第1実施形態と同様に行われる。
続いて、回路基板40が、保持部材550の一部をなす本体部材550aの位置決め凹部51に嵌め込まれて接着剤により固定される。そして、三つのリード線43,44,45が、回路基板40の接続部42c,42d,42eにそれぞれ接続される。
続いて、緩衝部材550cが、本体部材450aの凹部456に嵌合されて組み付けられ、嵌合凸部材450bが、緩衝部材550cを挟み込むように、本体部材450aの凹部456に嵌合されて組み付けられる。これにより、保持部材550が形成される。
【0159】
続いて、回路基板40を保持した保持部材550が、先端側ハウジング10に組み付けられる。すなわち、保持部材550の先端嵌合部55が先端側ハウジング10の貫通路13に嵌め込まれ、リード線38,39が回路基板40の接続部42a,42bにそれぞれ電気的に接続される。
【0160】
続いて、図38に示すように、後端側ハウジング20が、保持部材550を挿通させるようにして組み付けられ、貫通路22に環状凸部16が嵌め込まれると共に先端面21が環状フランジ部15に当接される。そして、後端側ハウジング20が先端側ハウジング10に溶接により固定される。
これにより、後端側ハウジング20及び先端側ハウジング10は、軸線Sを画定するハウジングHを形成する。この状態において、後端側ハウジング20は、保持部材550の周りを非接触にて囲繞する。
【0161】
続いて、図39に示すように、コネクタ部材160が軸線S方向から保持部材550に近づけられて、コネクタ部材160の嵌合凹部165に嵌合凸部材550bが嵌合され、嵌合凹部165の底面165a(中央領域Ca)が、保持部材550の一部をなす嵌合凸部材550bの当接部557dに当接した状態に保持され、又、保持部材550の当接部254が先端側ハウジング10の環状受け面17に当接した状態で保持される。
このとき、コネクタ部材160の端子62,63,64は、それぞれ、回路基板40に接続されたリード線43,44,45に接するように位置付けられる。
【0162】
その後、端子62,63,64は、それぞれ対応するリード線43,44,45に電気的に接続される。この工程においては、保持部材550のガイド溝253a,550c,557c,ガイド孔253b,253cを画定する領域が、ハウジングHの後端面23から突出した状態となるため、端子62,63,64とリード線43,44,45の接続作業、例えば、スポット溶接を容易に行うことができる。
【0163】
続いて、押圧部材70が、軸線S方向からコネクタ部材160に近づけられて組み付けられ、図40に示すように、小径部61b及び大径部61cの外周に嵌合されると共に環状押圧部73が環状段差部61dに当接する。そして、押圧部材70が、コネクタ部材160を保持部材550に押圧しつつ後端側ハウジング20の環状フランジ部24に嵌合させられた状態に維持される。このとき、緩衝部材550cは、押圧部材70の押圧力により僅かに弾性変形させられる。
【0164】
その状態で、押圧部材70の大径筒部71の先端領域が、後端側ハウジング20の環状フランジ部24に溶接されて、押圧部材70がハウジングHに一体的に固定される。
ここでは、押圧部材70の押圧力により緩衝部材550cが弾性変形し得るため、部品相互間の寸法のバラツキがあっても、押圧部材70を所望する位置に溶接して固定することができる。これにより、組立性が向上する。
以上により、圧力センサの組付けが完了する。尚、上記組み付け手順は、一例であって、これに限定されるものではなく、その他の組付け手順を採用してもよい。
【0165】
上記第6実施形態に係る圧力センサによれば、回路基板40と電気的に接続される複数の端子62,63,64が一体的に埋設されたコネクタ部材160と、回路基板40を保持するべくハウジングH内に配置され軸線S方向においてハウジングHの一部(環状受け面17)に当接しかつコネクタ部材160に当接する保持部材550と、コネクタ部材160の外周に嵌合されると共にコネクタ部材160を保持部材550に対して軸線S方向に押圧した状態でハウジングHに固定される筒状の押圧部材70を備えている。
このように、端子62,63,64を一体的に埋設したコネクタ部材160を採用することにより、端子62,63,64を堅固に固定することができ、それらの振動を抑制ないし防止できる。
【0166】
特に、保持部材550が、回路基板40を保持する本体部材550aと、嵌合凹部165に嵌合されると共に嵌合凹部165の底面165aに当接する嵌合凸部材550bと、本体部材550aと嵌合凸部材550bの間に介在して押圧部材70の押圧力により弾性変形し得ると共に衝撃を緩和する緩衝部材550cを含む構成となっている。したがって、コネクタ部材160が、押圧部材70により保持部材550に押圧された状態で組み込まれる際に、緩衝部材550cが押圧部材70の押圧力により軸線S方向に僅かに弾性変形する。
これにより、軸線S方向における部品相互間の寸法のバラツキがあっても、押圧部材70を所望する位置においてハウジングHに溶接して固定することができる。また、緩衝部材550cを介在させたことにより、コネクタ部材160の振動を吸収及び減衰させることができる。その結果、コネクタ部材160の全体の振動を抑制ないし防止でき、ノイズの発生を抑制して、高精度な検出信号を得ることができる。
また、緩衝部材550cは、本体部材550aの両端が開口した切欠き状の凹部556に嵌め込まれているため、緩衝部材550cの弾性変形が拘束されず、衝撃吸収、振動の吸収及び減衰等の作用を効率良く発揮させることができる。
【0167】
保持部材550は、ハウジングHの後端面23から突出した領域において、緩衝部材550cを含むため、後端側ハウジング20内に本体部材550aが挿入された後に緩衝部材550cを組み付けることもでき、又、コネクタ部材160を組み付ける前において緩衝部材550cの組み付け状態を確認することもできる。
保持部材550は、先端側の当接部254に連続して形成され、先端側ハウジング10の貫通路13に嵌合される先端嵌合部55を含むため、保持部材550を組み付ける際に、先端嵌合部55を貫通路13に嵌合することで、容易に位置決めすることができる。これにより、リード線38,39を接続部42a,42bに接続する作業も容易に行うことができる。
【0168】
保持部材550は、後端側ハウジング20の内壁面に非接触にて配置される、すなわち、後端側ハウジング20が保持部材550の周りを非接触にて囲繞するため、後端側ハウジング20が受ける振動や熱が、保持部材550及び回路基板40に直接伝わるのを防止できる。
保持部材550は、二つのリード線38,39をそれぞれガイドする第1ガイド部(ガイド溝52a,52b)と、三つのリード線43,44,45をそれぞれガイドする第2ガイド部(ガイド溝253a,550c,557c,ガイド孔253b,253c)を含むため、リード線38,39が相互に干渉しないように、又、リード線43,44,45が相互に干渉しないように、容易に配設することができる。
以上述べたように、第6実施形態に係る圧力センサによれば、汎用性が高く、低コスト化、組立の容易化、組立性の向上を達成でき、コネクタ部材160の振動を抑制でき、高精度な検出信号を得ることができる。
【0169】
上記実施形態においては、押圧部材70がコネクタ部材60,160を保持部材50,150,250,350,450,550に対して軸線S方向に押圧する構造として、環状押圧部73及び環状段差部61dを示したが、これに限定されるものではなく、押圧部材が、コネクタ部材を保持部材に押圧できる構造であれば、その他の形態及び方式を採用してもよい。
【0170】
上記実施形態においては、圧力媒体の圧力を検出するセンサモジュールとして、サブハウジング31、ダイヤフラム32、第1電極36a、圧電体36b、第2電極36cを含むセンサモジュール30を示したが、これに限定されるものではない。
圧力媒体の圧力を検出できる構成であれば、サブハウジングを廃止した構成、ダイヤフラムと圧電体との間に介在する軸線方向に長尺な圧力伝達部材を採用して可能な限り圧電体を回路基板側に近づけた構成、あるいは、軸線方向においてより短い先端側ハウジングを採用して回路基板に接続する二つのリード線をより短くした構成、その他の形態をなすセンサモジュールを採用してもよい。
【0171】
上記実施形態においては、ハウジングとして、先端側ハウジング10及び後端側ハウジング20により構成されるハウジングHを示したが、これに限定されるものではなく、ハウジングが一つのハウジング又は三つ以上のハウジングから成る構成、その他の形態をなすハウジングを採用してもよい。
【0172】
以上述べたように、本発明の圧力センサは、汎用性が高く、低コスト化、組立の容易化、組立性の向上を達成でき、コネクタ部材の振動を抑制でき、高精度な検出信号を得ることができるため、特にエンジンの燃焼室内の燃焼ガス等の高温圧力媒体の圧力を検出する圧力センサとして適用できるのは勿論のこと、燃焼ガス以外の高温の圧力媒体あるいはその他の圧力媒体の圧力を検出する圧力センサとしても有用である。
【符号の説明】
【0173】
S 軸線
H ハウジング
10 先端側ハウジング
17 環状受け面(ハウジングの一部)
20 後端側ハウジング
23 後端面(ハウジングの端面)
30 センサモジュール
31 サブハウジング
32 ダイヤフラム
36 圧力検出部材
36a 第1電極
36b 圧電体
36c 第2電極
40 回路基板
43,44,45 リード線
50 保持部材
51 位置決め凹部(保持部)
52a,52b ガイド溝(第1ガイド部)
53a,53b,53c 隔離壁(第2ガイド部)
54 先端側の当接部
55 先端嵌合部
56 後端側の当接部
60 コネクタ部材
Ca 中央領域
60a 端面
61 コネクタ部材
61a 筒部
61b 小径部
61c 大径部
61d 環状段差部
62,63,64 端子
70 押圧部材
71 大径筒部
72 連結部
73 環状押圧部
150 保持部材
156 嵌合凸部
156a 当接部
160 コネクタ部材
165 嵌合凹部
165a 底面
250 保持部材
250a 本体部材(保持部材)
250b 緩衝部材(保持部材)
252a,252b ガイド孔(第1ガイド部)
253a ガイド溝(第2ガイド部)
253b,253c ガイド孔(第2ガイド部)
254 先端側の当接部
256 突出部
350 保持部材
350a 本体部材(保持部材)
350b 緩衝部材(保持部材)
356 嵌合凸部
357 突出部
450 保持部材
450a 本体部材(保持部材)
450b 嵌合凸部材(保持部材)
450c 緩衝部材(保持部材)
457c ガイド溝(第2ガイド部)
457d 突出部
550 保持部材
550a 本体部材(保持部材)
550b 嵌合凸部材(保持部材)
550c 緩衝部材(保持部材)
550c ガイド溝(第2ガイド部)
557c ガイド溝(第2ガイド部)
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