(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130299
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、情報処理プログラム及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220830BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220830BHJP
A63F 13/61 20140101ALI20220830BHJP
【FI】
G06Q30/02 324
G06Q30/02 380
G06Q50/10
A63F13/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005800
(22)【出願日】2022-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2021029125
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】520436415
【氏名又は名称】株式会社ポチくる
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 麻樹
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 章
(72)【発明者】
【氏名】劉 晋
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049BB08
5L049BB26
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザが利用料金等の金銭の支払いを必要とすることなく、商品を制作するゲームをプレイし、その成果として商品の配送を受けることができる情報処理方法等を提供すること。
【解決手段】情報処理方法は、コンピュータが、商品の出品者の識別情報と対応付けられた前記商品を制作するゲームのゲーム情報をユーザ端末へ送信し、前記ゲーム中に広告情報を前記ユーザ端末へ送信し、前記広告情報に基づく広告コンテンツを、ユーザが視聴したことにより、前記ゲームにおける前記商品についての制作作業の進捗状況を更新し、前記広告コンテンツの広告費を前記商品に割り当て、更新した前記進捗状況が完了である場合、前記商品の前記ユーザへの配送情報を出力する。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
商品の出品者の識別情報と対応付けられた前記商品を制作するゲームのゲーム情報をユーザ端末へ送信し、
前記ゲーム中に広告情報を前記ユーザ端末へ送信し、
前記広告情報に基づく広告コンテンツを、ユーザが視聴したことにより、前記ゲームにおける前記商品についての制作作業の進捗状況を更新し、
前記広告コンテンツの広告費を前記商品に割り当て、
更新した前記進捗状況が完了である場合、前記商品の前記ユーザへの配送情報を出力する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
前記商品の識別情報と前記ゲームの識別情報とを対応付けて記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記制作作業は複数設定してあり、前記制作作業のそれぞれは、前記ユーザ端末に表示させた前記広告コンテンツの動画再生が完了したことにより、完了となる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記商品及び前記商品の卸値を受け付け、
前記卸値に基づいて、作業数を算出し、
算出した前記作業数の制作作業を受け付け、
受け付けた制作作業と前記ゲームの識別情報とを対応付けて記憶する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記ゲームにおいて、前記広告費が異なる前記広告コンテンツに関連する広告情報が記憶され、
前記広告費に応じて、前記広告コンテンツの動画再生が完了したことにより完了とする制作作業の数を異ならせる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記ユーザ端末から、前記出品者への応援メッセージを受信し、
受信した前記応援メッセージを前記出品者へ送信する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記商品は農産物であり、前記出品者は前記農産物を制作する農家である
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
商品の出品者の識別情報と対応付けられた前記商品を制作するゲームのゲーム情報をユーザ端末へ送信するゲーム送信部と、
前記ゲーム中に広告情報を前記ユーザ端末へ送信する広告送信部と、
前記広告情報に基づく広告コンテンツを、ユーザが視聴したことにより、前記ゲームにおける前記商品についての制作作業の進捗状況を更新する更新部と、
前記広告コンテンツの広告費を前記商品に割り当てる割当部と、
更新した前記進捗状況が完了である場合、前記商品の前記ユーザへの配送情報を出力する配送出力部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
商品の出品者の識別情報と対応付けられた前記商品を制作するゲームのゲーム情報をユーザ端末へ送信し、
前記ゲーム中に広告情報を前記ユーザ端末へ送信し、
前記広告情報に基づく広告コンテンツを、ユーザが視聴したことにより、前記ゲームにおける前記商品についての制作作業の進捗状況を更新し、
前記広告コンテンツの広告費を前記商品に割り当て、
更新した前記進捗状況が完了である場合、前記商品の前記ユーザへの配送情報を出力する
処理を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項10】
ユーザが使用するコンピュータに、
商品の出品者の識別情報と対応付けられた前記商品を制作するゲームのゲーム情報を受信し、
前記ゲーム中に受信した広告情報に基づく広告コンテンツを表示し、
前記ユーザが前記広告コンテンツを視聴したことを検知した場合、前記ゲームにおける前記商品に関する制作作業の進捗状況の更新要求を送信し、
更新された前記進捗状況が完了である場合、前記商品の配送依頼情報を送信する
処理を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項11】
コンピュータが、
商品を制作するゲームのゲーム情報をユーザ端末へ送信し、
前記ゲーム中に広告情報を前記ユーザ端末へ送信し、
前記広告情報に基づく広告コンテンツを、ユーザが視聴した結果に基づき、付与したポイントを前記ユーザの識別情報と対応付けた付与情報を記憶し、
前記ユーザ端末から送信された操作情報に基づき、前記ゲームにおける前記商品についての制作作業の進捗状況を更新し、
更新した前記進捗状況が完了である場合、前記付与情報に基づき、商品と交換可能なコインの付与数を求め、
求めた付与数に基づき、前記ユーザの識別情報と対応付けられたコイン保有数を更新する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
前記広告コンテンツの報酬の単位数量を記憶した報酬記憶部から、前記単位数量を取得し、
前記視聴した結果と、前記単位数量とに基づき、前記ポイントを算出する
ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記広告コンテンツの広告費の時系列データを入力した場合、前記広告費を出力する学習モデルに、処理日前日までの前記時系列データを入力し、前記学習モデルが出力した前記広告費を取得し、
取得した広告費に基づいて、前記報酬の単位数量を求める
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記制作作業は複数設定してあり、前記制作作業のそれぞれは、前記ユーザ端末に表示させた前記広告コンテンツの動画再生によりユーザが得たポイントが所定値となる毎に完了となる
ことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記ゲームにおいて、前記広告費が異なる前記広告コンテンツに関連する広告情報が記憶され、
前記広告費に応じて、前記広告コンテンツの動画再生が完了したことにより付与するポイント数を異ならせる
ことを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
商品を制作するゲームのゲーム情報をユーザ端末へ送信するゲーム送信部と、
前記ゲーム中に広告情報を前記ユーザ端末へ送信する広告送信部と、
前記広告情報に基づく広告コンテンツを、ユーザが視聴した結果に基づき、付与したポイントを前記ユーザの識別情報と対応付けた付与情報を記憶する付与情報記憶部と、
前記ユーザ端末から送信された操作情報に基づき、前記ゲームにおける前記商品についての制作作業の進捗状況を更新する更新部と、
更新した前記進捗状況が完了である場合、前記付与情報に基づき、商品と交換可能なコインの付与数を求める付与数算出部と、
求めた付与数に基づき、前記ユーザの識別情報と対応付けられたコイン保有数を更新する付与数更新部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項17】
コンピュータに、
商品を制作するゲームのゲーム情報をユーザ端末へ送信し、
前記ゲーム中に広告情報を前記ユーザ端末へ送信し、
前記広告情報に基づく広告コンテンツを、ユーザが視聴した結果に基づき、付与したポイントを前記ユーザの識別情報と対応付けた付与情報を記憶し、
前記ユーザ端末から送信された操作情報に基づき、前記ゲームにおける前記商品についての制作作業の進捗状況を更新し、
更新した前記進捗状況が完了である場合、前記付与情報に基づき、商品と交換可能なコインの付与数を求め、
求めた付与数に基づき、前記ユーザの識別情報と対応付けられたコイン保有数を更新する
処理を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を制作するゲームにおいて、商品のユーザへの配送情報の出力を行う情報処理方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、利用者が農作物の育成に関与し、収穫された農作物の提供を受けることのできる農作物育成システムが提案されている。利用者は、サービス提供者と育成工場の育成区画で農作物を育成する契約を結ぶ。契約を結ぶと、利用者はサービス提供者に対して月額料金を支払う。契約を行った利用者が環境条件を指定することで環境設定を行うと、育成工場に環境情報が通知され、育成機器が育成区画の環境を変更する。また、育成機器で行うことのできない作業などについては、作業者端末に指示を送信し、作業者端末により指示を確認した作業者によって行われる。育成区画で収穫された成果物は、育成に関与した利用者が購入可能である。また、育成に関与した利用者は、他者に成果物を販売することもできる。また、ビデオゲームにおいて、課題をクリアすることにより、ゲームで使用できるアイテム等の報酬が得られるゲームシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
報酬が得られるゲームシステムにおいては、その原資となる利用料金等の支払いがユーザに求められる。本発明はこのような状況に鑑みてなされたものである。その目的は、ユーザが利用料金等の金銭の支払いを必要とすることなく、商品を制作するゲームをプレイし、その成果として商品の配送を受けることができる情報処理方法等の提供である。他の目的は、ゲームの成果物として商品の配送を受けることができるインセンティブをユーザに付与することで、配送を受ける商品をユーサに選択可能とする情報処理方法等の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、商品の出品者の識別情報と対応付けられた前記商品を制作するゲームのゲーム情報をユーザ端末へ送信し、前記ゲーム中に広告情報を前記ユーザ端末へ送信し、前記広告情報に基づく広告コンテンツを、ユーザが視聴したことにより、前記ゲームにおける前記商品についての制作作業の進捗状況を更新し、前記広告コンテンツの広告費を前記商品に割り当て、更新した前記進捗状況が完了である場合、前記商品の前記ユーザへの配送情報を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一観点によれば、ユーザが利用料金等の金銭の支払いを必要とすることなく、ゲームの成果物として商品の配送を受けることが可能となる。本発明の他の一観点によれは、ゲームの成果物として得たインセンティブを利用して、商品の配送を受けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ゲームシステムの構成例を示す説明図である。
【
図2】ゲームサーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図4】農家端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図12】トップ画面表示処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図13】作業実行処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図14】動画視聴処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図15】「手際よく作業」処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図16】「普通に作業」処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図17】配送手続処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図24】トップ画面表示処理の他の手順例を示すフローチャートである。
【
図25】「お世話」処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図26】「お世話」処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図27】お世話メニュー画面の例を示す説明図である。
【
図28】サブメニュー画面の例を示す説明図である。
【
図29】パラメータ表示画面の例を示す説明図である。
【
図30】ゲーム定義処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図33】応援メッセージ送信処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図34】ゲームサーバのハードウェア構成の他例を示すブロック図である。
【
図35】付与ポイントDBの例を示す説明図である。
【
図40】推定モデルの生成処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図41】単価推定処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図42】メイン処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図43】ゲーム処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図44】問い合せ処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図45】付与処理の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態1)
以下実施の形態を、図面を参照して説明する。以下の説明において、商品は農作物を含む農産物とする。また、出品者は農家とする。
図1はゲームシステムの構成例を示す説明図である。ゲームシステム100はゲームサーバ1、ユーザ端末2及び農家端末3を含む。ゲームサーバ1、ユーザ端末2及び農家端末3はネットワークNにより、互いに通信可能に接続されている。また、ゲームシステム100は、広告コンテンツを提供する広告システム4及び農産物の配送を行う配送業者の配送システム5と、ネットワークNにより、互いに通信可能に接続されている。
【0009】
ゲームサーバ1はサーバコンピュータ又はPC(Personal Computer)等で構成する。また、ゲームサーバ1を複数のコンピュータからなるマルチコンピュータ、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシン又は量子コンピュータで構成しても良い。さらに、ゲームサーバ1の機能をクラウドサービスで実現してもよい。ユーザ端末2はゲームのユーザが使用する端末である。農家端末3は農家が使用する端末である。ユーザ端末2及び農家端末3は、スマートフォン、タブレットコンピュータ又はノートパソコン等で構成する。
【0010】
図2はゲームサーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。ゲームサーバ1は制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、通信部14及び読み取り部15を含む。制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、通信部14及び読み取り部15はバスBにより接続されている。
【0011】
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有する。制御部11は、補助記憶部13に記憶された制御プログラム1P(情報処理プログラム)を読み出して実行することにより、ゲームサーバ1に係る種々の情報処理、制御処理等を行い、種々の機能部を実現する。種々の機能部は、例えば、ゲーム送信部、広告送信部、更新部,割当部、配送出力部等である。
【0012】
主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等である。主記憶部12は主として制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
【0013】
補助記憶部13はハードディスク又はSSD(Solid State Drive)等であり、制御部11が処理を実行するために必要な制御プログラム1Pや各種DB(Database)を記憶する。補助記憶部13は、農家DB131、農産物DB132、工程マスタDB133、ゲームDB134、工程DB135、ユーザDB136及び状況DB137を記憶する。また、補助記憶部13はゲームサーバ1に接続される別体の外部記憶装置であってもよい。補助記憶部13に記憶する各種DB等を、ゲームサーバ1とは異なるデータベースサーバやクラウドストレージに記憶してもよい。
【0014】
通信部14はネットワークNを介して、ユーザ端末2及び農家端末3と通信を行う。また、制御部11が通信部14を用い、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御プログラム1Pをダウンロードし、補助記憶部13に記憶してもよい。なお、ゲームサーバ1の機能をクラウドサービスにより提供してもよい。
【0015】
読み取り部15はCD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。制御部11が読み取り部15を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、補助記憶部13に記憶してもよい。また、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム1Pを読み込んでもよい。
【0016】
図3はユーザ端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。ユーザ端末2は制御部21、主記憶部22、補助記憶部23、通信部24、入力部25及び表示部26を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0017】
制御部21は、一又は複数のCPU、MPU、GPU等の演算処理装置を有する。制御部21は、補助記憶部23に記憶された制御プログラム2P(コンピュータプログラム)を読み出して実行することにより、種々の機能を提供する。制御プログラム2PはOSやゲームアプリケーションプログラム(以下、「ゲームアプリ」という。)等を含む。
【0018】
主記憶部22は、SRAM、DRAM、フラッシュメモリ等である。主記憶部22は主として制御部21が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。
【0019】
補助記憶部23はハードディスク又はSSD等であり、制御部21が処理を実行するために必要な各種データを記憶する。補助記憶部23はユーザ端末2と別体で、ユーザ端末2に接続した外部記憶装置としてもよい。補助記憶部23に記憶する各種DB等を、データベースサーバやクラウドストレージに記憶してもよい。
【0020】
通信部24はネットワークNを介して、ゲームサーバ1と通信を行う。また、制御部21が通信部24を用い、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御プログラム2Pをダウンロードし、補助記憶部23に記憶してもよい。
【0021】
入力部25はキーボードやマウスである。表示部26は液晶表示パネル等を含むディスプレイである。表示部26はゲームサーバ1が出力したゲーム画面などを表示する。また、表示部26は入力部25と一体化したタッチパネルディスプレイでもよい。なお、ユーザ端末2は別体の表示装置に表示を行ってもよい。
【0022】
図4は農家端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。農家端末3は制御部31、主記憶部32、補助記憶部33、通信部34、入力部35及び表示部36を含む。各構成はバスBで接続されている。制御部31から表示部36は、それぞれ上述したユーザ端末2の制御部21から表示部26と同様な構成であるから、説明を省略する。
【0023】
次に、ゲームシステム100で提供されるゲームについて説明する。ゲームシステム100で提供されるゲームは、例えば、農作物の栽培ゲームである。ユーザは選択した農作物の栽培を行う。ユーザは栽培に必要なビニールハウスの組み立て、種まき、苗の植え付け、水やり、肥料散布、雑草取り等の農作業をゲーム内で行う。ユーザが行うべき農作業は予め定めてある。ユーザが農作業を行う際、ユーザ端末2に広告コンテンツが表示される。広告コンテンツは広告システム4から配信される。ユーザが広告コンテンツの視聴を完了すると、農作業が完了する。ユーザが栽培に必要な農作業をすべて完了すると、ゲームサーバ1はゲームクリアを農家端末3に通知する。農家端末3にて通知を受けた農家は、農家端末3を用いて配送システム5に農産物の集荷を依頼する。依頼を受信した配送システム5は配送業者に農産物の集荷を依頼する。配送業者は農家にて農産物を集荷し、ユーザへ配達する。ユーザの氏名、住所等は配送業者が把握していればよく、農家に伝える必要はない。農家が発送する農産物は、ユーザがゲーム上で栽培した農作物に対応する実際の農作物である。例えば、ユーザがゲーム上でいちごを栽培した場合、農家が実際に栽培したいちごを、ユーザに配送する。それに限らず、農作物の加工品であってもよい。例えば、いちごではなく、いちごジャムをユーザに配送してもよい。それにより、ユーザがゲーム上で栽培を完了した時期が、実際の農作物の収穫時期と異なっていても、農作物の配送が可能となる。配送する農産物は、ゲーム開始時にユーザに通知することが望ましい。また、農家が受け取るべき農産物の代金、配送料等は、ユーザがゲームの際、視聴した広告コンテンツの広告料が割り当てられる。そのため、ユーザは金銭的負担をすることなく、農産物の提供を受けることが可能である。また、広告料の一部は、ゲームシステム100の運営費、維持費等に当てられる。
【0024】
続いて、ゲームシステム100で用いられるデータベースについて説明する。
図5は農家DBの例を示す説明図である。農家DB131は農作物を栽培する農家に関する情報を記憶する。農家DB131は農家ID列、代表者列、郵便番号列、住所列、電話番号列、メール列、紹介用画像列、生産地域列、作物列、及び、こだわりポイント列を含む。農家ID列は農家を一意に特定可能な農家ID(識別情報)を記憶する。代表者列は農家の代表者氏名を記憶する。郵便番号列、住所列、及び電話番号列はそれぞれ、農家所在地の郵便番号、住所、及び電話番号を記憶する。郵便番号、住所、電話番号は主として配送業者が農産物の集荷の際に必要となるので集荷場所の郵便番号、住所ならばよい。電話番号は農家に連絡が取れる番号であればよい。メール列は農家の電子メールアドレスを記憶する。紹介用画像列は農家の画像を記憶する。当該画像はユーザが参照可能な農家紹介画面に表示される。生産地域列は、農家が農作物を栽培している地域を記憶する。作物列は農家が栽培している農作物を記憶する。こだわりポイント列は農家が農作物を栽培するのに際して、こだわっているポイントを記憶する。なお、農家との連絡にSNSを利用する場合は、農家が利用するSNSのアカウント情報を農家DB131に記憶する。
【0025】
図6は農産物DBの例を示す説明図である。農産物DB132はユーザに配送される農産物の情報を記憶する。農産物DB132は農産物ID列、種別列、名称列及び画像列を含む。農産物ID列は農産物を一意に特定可能な農産物IDを含む。種別列は農産物の種別を記憶する。種別は例えば青果、加工品等を記憶する。名称列は農産物の品種名、商品名等を記憶する。画像列は農産物の画像を記憶する。
【0026】
図7は工程マスタDBの例を示す説明図である。工程マスタDB133はゲーム上で農作物を栽培するために必要な工程(制作作業)についての情報を記憶する。工程マスタDB133は工程ID列、名称列及び素材列を含む。工程ID列は工程を一意に特定可能な工程IDを記憶する。名称列は工程の名称を記憶する。素材列は工程の内容を示す画像や音声などの素材を記憶する。素材の実体はバイナリデータであるので、
図7では「binary」と表示している。素材列に、画像や音声のデータを格納したファイルのパス名をテキストデータとして記憶してもよい。ファイルは補助記憶部13に記憶する。
【0027】
図8はゲームDBの例を示す説明図である。ゲームDB134は栽培ゲームに関する情報を記憶する。ゲームDB134はアイコン列、ゲームID列、ゲーム名列、ステータス列、農産物ID列、数量列、卸値列、開始列、終了列、農家ID列及び参加数列を含む。アイコン列はゲームにおいて栽培する農作物のアイコン画像を記憶する。ゲームID列はゲームを一意に特定可能なゲームIDを記憶する。ゲーム名列はゲームの名称を記憶する。ステータス列はゲームの全体のステータスを記憶する。ステータスは例えば、配信前、配信中、配信終了である。配信前は準備段階を表し、ユーザが未だゲームを行えない状態を示す。配信中はユーザがゲームを行える状態を示す。配信終了は農産物の配送が完了したか、終了日が到来したため、ユーザがゲームを行えなくなった状態を示す。農産物ID列はゲームをクリアしたユーザに配送される農産物の農産物IDを記憶する。数量列は配送する農産物の数量を記憶する。農産物のそのもの数量ではなく、農産物を複数個詰めたパックのバック数を数量列に記憶してもよい。卸値列は農家が農産物提供の対価として受け取る単価を記憶する。数量列が農産物の個数を記憶している場合、卸値列は農産物の単価を記憶する。数量列がパック数を記憶している場合、卸値列は1パックの単価を記憶する。開始列はゲームの配信を開始する開始日を記憶する。終了列はゲームを終了する終了日を記憶する。開始時刻及び終了時刻は午前0時等の所定の時刻とする。又は具体的な時刻を開始列又は終了列に記憶してもよい。農家ID列は農産物を提供する農家の農家IDを記憶する。参加数列はゲームに参加しているユーザの数を記憶する。なお、ゲーム終了日前に、ゲームクリアをしたユーザが数量列に記憶した数量に達した場合は、ゲームは終了する。ゲーム終了日にゲームクリアをしたユーザが数量列に記憶した数量に達していなくとも、ゲームは終了とする。
【0028】
図9は工程DBの例を示す説明図である。工程DB135は各ゲームを構成する工程の情報を記憶する。工程DB135はゲームID列、順番号列及び工程ID列を含む。ゲームID列はゲームIDを記憶する。順番号列は工程の順番号を記憶する。工程ID列は工程IDを記憶する。
図9に示す例では、ゲームID=12026904、いちご栽培ゲームにおいて、1番目の工程は工程ID=PR001、ハウス組み立てである。2番目の工程は工程ID=PR004、石灰である。
【0029】
図10はユーザDBの例を示す説明図である。ユーザDB136はユーザの情報を記憶する。ユーザDB136はユーザID列、氏名列、郵便番号列、住所列、電話番号列及びメール列を含む。ユーザID列はユーザを一意に特定可能なユーザIDを記憶する。氏名列はユーザの氏名を記憶する。郵便番号列及び住所列はユーザ宅の郵便番号及び住所を記憶する。郵便番号及び住所は農産物を受け取れる場所のものであれば、ユーザ宅の郵便番号及び住所でなくともよい。電話番号列はユーザに連絡可能な電話の電話番号を記憶する。メール列はユーザに連絡可能な電子メールのアドレスを記憶する。ユーザとの連絡にSNSを利用する場合は、ユーザが利用するSNSのアカウント情報をユーザDB136に記憶する。
【0030】
図11は状況DBの例を示す説明図である。状況DB137はゲーム毎及びユーザ毎のゲームの進度や栽培環境等を記憶する。状況DB137はゲームID列、ユーザID列、工程段階列、水分量列、栄養量列、環境列、雑草/うんち列、害虫列病気列及び視聴回数列を含む。ゲームID列はゲームIDを記憶する。ユーザID列はゲームをプレイしているユーザのユーザIDを記憶する。工程段階列はゲームの進度を工程の順番号により記憶する。水分量列は栽培環境における水分量を記憶する。栄養量列は栽培環境における栄養量を記憶する。環境列は栽培環境の良し悪しを記憶する。雑草/うんち列は栽培環境における雑草やうんちの状況を記憶する。水分量列、栄養量列、環境列及び雑草/うんち列は状況を所定数の段階の中でどの段階にあるかを数値で示している。害虫列は栽培環境における害虫の発生状況を記憶する。病気列は農作物についての病気の罹患状況を記憶する。視聴回数列は、ユーザが動画広告を視聴した回数を記憶する。
【0031】
上述したデータベースのほか、ゲームを提供する際に必要なデータが補助記憶部13には記憶されている。例えば、ゲーム画面を構成するためのキャラクタ画像、農作物画像、農場画像、演出画像等の各種データ等である。これらのデータは、適宜ユーザ端末2へ送信される。ユーザ端末2にゲームアプリをインストールする際に、これらのデータをユーザ端末2へ送信してもよい。
【0032】
次に、ゲームシステム100で行われる情報処理について説明する。
図12はトップ画面表示処理の手順例を示すフローチャートである。トップ画面表示処理は既にゲームシステム100のユーザ登録を行い、1つ以上のゲームを開始しているユーザを対象に実行される処理である。ユーザはユーザ端末2でゲームアプリを起動する。ユーザ端末2の制御部21はログイン要求をゲームサーバ1へ送信する(ステップS1)。ログイン要求にはユーザIDやパスワード等のユーザ認証に必要なデータが含まれている。ゲームサーバ1の制御部11はログイン要求を受信し、ユーザ認証を行う(ステップS2)。制御部11は、ユーザがプレイ中のゲームの一覧を作成しユーザ端末2へ送信する(ステップS3)。制御部11はユーザIDをキーに状況DB137を検索し、ユーザがプレイ中のゲームのゲームIDを取得する。制御部11は取得したゲームIDをキーにしてゲームDB134を検索して、ゲームに関する情報を取得する。制御部11は取得した情報に基づき、一覧を作成する。ユーザ端末2の制御部21はゲームの一覧を受信し、表示部26に表示する(ステップS4)。ユーザは一覧からプレイするゲームを選択する。制御部21は選択を受け付ける(ステップS5)。制御部21は選択情報をゲームサーバ1へ送信する(ステップS6)。選択情報にはユーザが選択したゲームのゲームID等を含む。ゲームサーバ1の制御部11は選択情報を受信する(ステップS7)。制御部11は選択されたゲームの畑トップ画面を作成し、ユーザ端末2へ送信する(ステップS8)。ユーザ端末2の制御部21は畑トップ画面を受信し、表示部26に表示する(ステップS9)。トップ画面表示処理は終了する。
【0033】
図13は作業実行処理の手順例を示すフローチャートである。作業実行処理はユーザがゲームにおいて農作業を行う際に実行される処理である。ユーザは畑トップ画面で「作業」を選択する。ユーザ端末2の制御部21は選択を受け付け、コマンド「作業」をゲームサーバ1へ送信する(ステップS21)。ゲームサーバ1の制御部11はコマンド「作業」を受信する(ステップS22)。制御部11は行うべき作業の一覧を示す一覧画面を作成する(ステップS23)。制御部11はゲームIDをキーに、工程DB135を検索し、行うべき作業に対応する工程IDを取得する。取得した工程IDをキーに工程マスタDB133を検索し、各工程(各作業)の情報を取得する。制御部11は取得した情報に基づき、一覧画面を作成する。一覧画面や一覧画面に含まれる作業の情報はゲーム情報の一例である。制御部11はゲームID及びユーザIDをキーに状況DB137を検索し、ユーザの工程段階を取得する。制御部11は取得した工程段階に基づき、一覧画面において、次にユーザが行うべき作業のみ選択可能とし、それ以外の作業は選択不可とする表示形式にする。制御部11は一覧画面をユーザ端末2へ送信する(ステップS24)。ユーザ端末2の制御部21は一覧画面を受信する(ステップS25)。制御部21は一覧画面を表示部26に表示する(ステップS26)。例えば制御部11は一覧画面を畑トップ画面上にオーバーレイ表示する。ユーザは一覧画面から行うべき作業を選択入力するか、一覧画面以外を選択入力する。制御部21は選択入力を受け付ける(ステップS27)。制御部21は作業が選択されているか否かを判定する(ステップS28)。制御部21は作業が選択されていないと判定した場合(ステップS28でNO)、一覧画面を閉じる(ステップS39)。制御部11は畑トップ画面を表示し(ステップS40)、処理を終了する。なお、一覧画面を畑トップ画面上にオーバーレイ表示していた場合、畑トップ画面は表示されているから、畑トップ画面を再表示せず、アクティブに戻す。表示部26の表示は畑トップ画面に戻る。制御部21は作業が選択されていると判定した場合(ステップS28でYES)、作業確認画面を表示する(ステップS29)。作業確認画面は例えば、「動画視聴」ボタン、「手際よく作業」ボタン、「普通に作業」ボタン及び「キャンセル」ボタンの4つのボタンが表示されている。ユーザは4つのボタンの中から一つを選択入力する。制御部21は選択入力を受け付ける(ステップS30)。制御部21は「動画視聴」ボタンが選択されたか否かを判定する(ステップS31)。制御部21は「動画視聴」ボタンが選択されたと判定した場合(ステップS31でYES)、動画視聴処理を実行する(ステップS32)。
【0034】
図14は動画視聴処理の手順例を示すフローチャートである。ユーザ端末2の制御部21は説明画面を表示する(ステップS51)。説明画面には動画広告を視聴することにより、複数段階ゲームを進めることが可能となる旨の表示を含む。また、説明画面には次の処理を選択するボタンとして、「今は見ない」ボタンと「視聴する」ボタンとを含む。ユーザいずれかのボタンを選択入力する。制御部21は入力を受け付ける(ステップS52)。制御部21は「視聴する」ボタンが選択されたか否かを判定する(ステップS53)。制御部21は「視聴する」ボタンが選択されたと判定した場合(ステップS53でYES)、動画広告の再生を開始する(ステップS54)。再生される動画広告は、広告システム4から配信を受ける。動画広告は例えばリワード広告である。制御部21は閉じるボタンが選択された否かを判定する(ステップS55)。制御部21は閉じるボタンが選択されたと判定した場合(ステップS55でYES)、動画広告の再生(動画再生)が完了したか否かを判定する(ステップS56)。制御部21は動画広告の再生が完了したと判定した場合(ステップS56でYES)、動画広告の再生が完了した旨をゲームサーバ1へ送信し(ステップS57)、処理をステップS51へ戻す。動画の再生が完了した旨を受信したゲームサーバ1の制御部11は状況DB137の視聴回数列に記憶している値を1増加させる。制御部21は動画広告の再生が完了していないと判定した場合(ステップS56でNO)、警告を表示する(ステップS58)。警告の内容は、動画広告の再生が完了する前に、再生を取りやめると、ゲームを勧めることが可能な特典が得られないという旨である。ユーザは警告に対する回答を入力する。制御部21は回答を受け付ける(ステップS59)。制御部21は受け付けた回答が再生再開か否かを判定する(ステップS60)。制御部21は受け付けた回答が再生再開であると判定した場合(ステップS60でYES)、動画の再生を再開し(ステップS61)、処理をステップS55へ戻す。制御部21は受け付けた回答が再生再開でないと判定した場合(ステップS60でNO)、動画広告の再生画面を閉じ、動画広告が最後まで再生されずに終了した旨をゲームサーバ1へ送信し(ステップS62)、処理をステップS51へ戻す。制御部21は閉じるボタンが選択されていない判定した場合(ステップS55でNO)、動画広告で扱っている製品又はサービスに関するホームページ等、他の広告を表示し(ステップS63)、処理をステップS55へ戻す。制御部21は「視聴する」ボタンが選択されていない判定した場合(ステップS53でNO)、説明画面を表示する前の画面を判定する(ステップ64)。当該判定を行うために、例えば、動画視聴処理を実行する前に、制御部21は一時記憶領域に画面の情報を記憶する。一時記憶領域は主記憶部22又は補助記憶部23に設ける。制御部21は前の画面が作業確認画面であったか否かを判定する(ステップS65)。制御部21は前の画面が作業確認画面であったと判定した場合(ステップS65でYES)、動画視聴処理を終了し、処理を作業実行処理のステップS29へ戻す。制御部21は前の画面が作業確認画面でなかったと判定した場合(ステップS65でNO)、動画視聴処理を終了し、呼び出し元へ処理を戻す。なお、ステップS54で再生する動画広告の実体をゲームサーバ1が送らなくともよい。ゲームサーバ1から動画広告を取得するため広告情報、例えばURL(Uniform Resource Locator)をユーザ端末2へ送信し、ユーザ端末2が受信したURLを用いて、広告システム4から動画広告を取得して再生してよい。
【0035】
なお、一日あたりに動画広告を視聴できる回数に制限を付けてもよい。視聴回数はユーザ端末2の補助記憶部23や、ゲームサーバ1の状況DB137に記憶している。「動画視聴」ボタンが選択された際に、制御部21は視聴回数が上限達しているか否かを判定する。制御部21は視聴回数が上限に達していると判定した場合、例えば、「確認 視聴回数制限に達しています(翌日:10回にリセットされます)」とのコメントをポップアップで表示する。制御部21は視聴回数が上限に達していないと判定した場合、動画視聴処理を開始する。
【0036】
図13に戻り、制御部21は「動画視聴」ボタンが選択されていないと判定した場合(ステップS31でNO)、「手際よく作業」ボタンが選択されたか否かを判定する(ステップS33)。制御部21は「手際よく作業」ボタンが選択されたと判定した場合(ステップS33でYES)、「手際よく作業」処理を実行する(ステップS34)。なお、「手際よく作業」ボタンは、リワード広告を1回以上視聴している場合にアクティブとなり選択することが可能である。リワード広告を1回以上視聴しているか否かの判定は、ユーザ端末2の補助記憶部23やゲームサーバ1の状況DB137に記憶している視聴回数の値により判定する。また、視聴回数分「手際よく作業」を行うと非アクティブとなり、「手際よく作業」ボタンは押せなくなる。
【0037】
図15は「手際よく作業」処理の手順例を示すフローチャートである。ユーザ端末2の制御部21は「手際よく作業」の開始コマンドをゲームサーバ1へ送信する(ステップS81)。ゲームサーバ1の制御部11は開始コマンドを受信する(ステップS82)。制御部11はコマ数を算出する(ステップS83)。ゲームにおいて、作業の進捗はすごろくを用いて表現するようになっている。すごろくでゴールすることにより作業が完了する。すごろくの盤面データは予めゲームサーバ1の補助記憶部13に記憶しておき、ゲームアプリのインストール時等に、ユーザ端末2へ送信される。ステップS83で算出するのは、当該すごろくにて進めるコマ数である。コマ数は、リワード広告単価からインターステシャル広告の単価を割った値である。例えば、リワード広告単価3円、インターステシャル広告単価0.3円の場合、3/0.3=10コマ進めることができる。制御部11はアーチ演出判定を行う(ステップS84)。すごろくの盤面に設けられたコマには通常のコマ以外に、アーチが描かれたアーチコマがある。ゲーム進度が当該アーチコマに達した場合、特別な演出画像が表示されるようになっている。制御部11はすごろくを算出したコマ数進めた場合に、盤上に設定してあるアーチコマを通過する否かの判定をする。制御部11はステップS83で算出したコマ数に基づいて、ゲームの状況DB137に記憶している工程段階の値、すなわちゲームの進度を更新する(ステップS85)。制御部11はユーザがゲームをクリアしたか否かを判定する(ステップS86)。制御部11は更新後の工程段階の値と、工程DB135に記憶しているゲームの最終工程の順番号とを比較して判定する。工程段階の値が順番号以上であれば、ゲームをクリアしたと判定する。制御部11はユーザがゲームをクリアしていないと判定した場合(ステップS86でNO)、制御部11はステップS83で算出したコマ数と、ステップS84で判定したアーチ演出の有無とを含む演出内容を、ユーザ端末2へ送信する(ステップS87)。演出内容には、盤上のどのコマからスタートするかについても含めてもよい。スタートするコマは、状況DB137の工程段階列の値に基づいて決定する。ユーザ端末2の制御部21は演出内容を受信する(ステップS88)。制御部21は受信した演出内容に応じた演出画面を表示部26に表示する(ステップS89)。演出画面ではキャラクタが盤上のコマを進むアニメーションが表示される。また、アーチコマに達したときには、アーチ演出のアニメーションが表示される。アニメーションの表示が完了したら、制御部21は「手際よく作業」処理を終了し、処理の呼び出し元へ戻す。制御部11はユーザがゲームをクリアしたと判定した場合(ステップS86でYES)、クリアをユーザ端末2へ送信する(ステップS90)。ユーザ端末2の制御部21はクリアを受信する(ステップS91)。制御部21はクリア演出を表示する(ステップS92)。制御部21はクリア演出の表示が完了したら、「手際よく作業」処理を終了し、処理を呼び出し元へ戻す。なお、クリア演出完了後に、農産物の配送手続きをすぐに行うか否かを尋ねる画面を表示してもよい。当該画面でユーザが手続きをすぐに行うと回答した場合、制御部21は「手際よく作業」処理を終了し、処理を呼び出し元へ戻す。さらに、制御部21は呼び出し元の作業実行処理の終了後、配送手続処理を起動する。上記尋ねる画面でユーザが手続きをすぐには行わないと回答した場合、制御部21は「手際よく作業」処理を終了し、処理を呼び出し元へ戻す。この場合、別の機会に図示しないホーム画面等から配送手続きを行うことが可能である。
【0038】
再び
図13に戻り、制御部21は「手際よく作業」ボタンが選択されていないと判定した場合(ステップS33でNO)、「普通に作業」ボタンが選択されたか否かを判定する(ステップS35)。制御部21は「普通に作業」ボタンが選択されたと判定した場合(ステップS35でYES)、「普通に作業」処理を実行する(ステップS36)。
【0039】
図16は「普通に作業」処理の手順例を示すフローチャートである。制御部21は動画広告の再生を開始する(ステップS101)。再生される動画広告は、広告システム4から配信を受ける。動画広告は例えばインターステシャル広告である。制御部21は閉じるボタンが選択された否かを判定する(ステップS102)。制御部21は閉じるボタンが選択されたと判定した場合(ステップS102でYES)、動画広告の再生が完了したか否かを判定する(ステップS103)。制御部21は動画広告の再生が完了したと判定した場合(ステップS103でYES)、すごろく画面の表示開始コマンドをゲームサーバ1へ送信する(ステップS104)。ゲームサーバ1の制御部11は開始コマンドを受信する(ステップS105)。制御部11はアーチ演出判定を行う(ステップS106)。当該処理は上述したステップS84と同様であるから説明を省略する。なお、「普通に作業」処理において、進めるコマ数は1コマである。制御部11は、ゲームの状況DB137に記憶している工程段階の値、すなわちゲームの進度(進捗状況)を1コマ分進んだ値に更新する(ステップS107)。なお、開始コマンドの受信を契機に、進度が更新されるので、開始コマンドは更新要求の一例である。制御部11はユーザがゲームをクリアしたか否かを判定する(ステップS108)。当該処理は上述のステップS86と同様であるから説明を省略する。制御部11はユーザがゲームをクリアしていないと判定した場合(ステップS108でNO)、ステップS106で判定したアーチ演出の有無を含む演出内容を、ユーザ端末2へ送信する(ステップS109)。ユーザ端末2の制御部21は演出内容を受信する(ステップS110)。制御部21は受信した演出内容に応じた演出画面を表示部26に表示する(ステップS111)。当該処理は上述したステップS89と同様であるから説明を省略する。制御部21は「普通に作業」処理を終了し、処理の呼び出し元へ戻す。制御部11はユーザがゲームをクリアしたと判定した場合(ステップS108でYES)、クリアをユーザ端末2へ送信する(ステップS112)。ユーザ端末2の制御部21はクリアを受信する(ステップS113)。制御部21はクリア演出を表示する(ステップS114)。制御部21はクリア演出の表示が完了したら、「普通に作業」処理を終了し、処理を呼び出し元へ戻す。なお、クリア演出完了後に、農産物の配送手続きをすぐに行うか否かを尋ねる画面を表示してもよい。当該画面表示後の処理は、上述の「手際よく作業」処理の場合と同様であるから、説明を省略する。
【0040】
制御部21は動画広告の再生が完了していないと判定した場合(ステップS103でNO)、警告を表示する(ステップS115)。警告の内容は、例えば「動画を終了しますか? 報酬は得られなくなります。」である。ユーザは警告に対する回答を入力する。制御部21は回答を受け付ける(ステップS116)。制御部21は受け付けた回答が再生再開か否かを判定する(ステップS117)。制御部21は受け付けた回答が再生再開であると判定した場合(ステップS117でYES)、動画の再生を再開し(ステップS118)、処理をステップS102へ戻す。制御部21は受け付けた回答が再生再開でないと判定した場合(ステップS117でNO)、動画広告の再生画面を閉じ(ステップS119)。制御部21は「普通に作業」処理を終了し、処理を作業実行処理のステップS29へ戻す。制御部21は閉じるボタンが選択されていない判定した場合(ステップS102でNO)、動画広告で扱っている製品又はサービスに関するホームページ等、他の広告を表示し(ステップS120)、処理をステップS102へ戻す。
【0041】
三度
図13に戻り、制御部21は「普通に作業」ボタンが選択されていないと判定した場合(ステップS35でNO)、処理をステップS26へ戻す。制御部11は、動画視聴処理、「手際よく作業」処理又は「普通に作業」処理を実行後、これらの処理において、アーチ通過がされたか否かを判定する(ステップS37)。制御部11はアーチ通過がされたと判定した場合(ステップS37でYES)、それに伴う表示内容の更新をした畑トップ画面を表示する(ステップS38)。制御部11はアーチ通過がされていないと判定した場合(ステップS37でNO)、畑トップ画面を表示する(ステップS40)。作業実行処理は終了する。
【0042】
図17は配送手続処理の手順例を示すフローチャートである。ユーザ端末2の制御部21はユーザDB136に記憶してあるユーザの氏名、郵便番号、住所及び電話番号の要求をゲームサーバ1へ送信する(ステップS131)。当該要求にはユーザIDを含む。ゲームサーバ1の制御部11は要求を受信する(ステップS132)。制御部11はユーザIDをキーにユーザDB136を検索し、ユーザの氏名、郵便番号、住所及び電話番号を取得し、これらの情報をユーザ端末2へ送信する(ステップS133)。ユーザ端末2の制御部21は情報を受信する(ステップS134)。制御部21は受信した情報を元に、配送先指定画面を作成する(ステップS135)。制御部21は表示部26に配送先指定画面を表示する(ステップS136)。ユーザは画面を見て変更がなければ完了を入力する。変更があれば変更内容入力する。制御部21は入力完了か否かを判定する(ステップS137)。制御部21は入力完了でないと判定した場合(ステップS137でNO)、処理をステップS135に戻し、ユーザの入力内容に応じた画面を作成する。制御部21は入力完了であると判定した場合(ステップS137でYES)、確認画面を表示する(ステップS138)。ユーザは配送先情報(配送情報)を再度確認し、問題がなければ「送信」を入力し、そうでなければ「戻る」を入力する。制御部21は「送信」が入力されたか否かを判定する(ステップS139)。制御部21は「送信」が入力されていない、すなわち「戻る」が入力されたと判定した場合(ステップS139でNO)、処理をステップS135へ戻す。制御部21は「送信」が入力されたと判定した場合(ステップS139でYES)、配送先情報をゲームサーバ1へ送信する(ステップS140)。ゲームサーバ1の制御部11は配送先情報を受信する(ステップS141)。制御部11は農家端末3へ農産物の発送依頼を送信する(ステップ142)。制御部11は配送システム5を介して、配送業者に配送先情報を含む集荷依頼(配送依頼情報)を送信する(ステップS143)。制御部11は完了画面をユーザ端末2へ送信する(ステップS144)。ユーザ端末2の制御部21は完了画面を受信し、表示部26に表示する(ステップ145)。配送手続処理は終了する。農家は農産物の発送の準備を行う。配送業者は農家に行き、農産物を集荷する。配送業者は集荷した農産物をユーザの指定した住所に配達する。
【0043】
上述の説明で、すごろく盤上でのコマが進むと、ゲームにおける進度が更新するとした。しかし、1コマと進度とは1対1の関係でなく、多対1でもよい。すなわち、すごろく盤上で複数のコマを進まないと、進度は進まないとしてもよい。したがって、ステップS85及びステップS107で、ゲームの進度を更新するとしたが、常に更新されるとは限らない。
【0044】
続いて、ユーザ端末2の表示部26に表示されるゲーム画面について説明する。
図18は畑トップ画面の例を示す説明図である。畑トップ画面d01はゲーム開始時又は再開時に表示される画面である。畑トップ画面d01は作業ボタンd011、お世話ボタンd012、動画視聴ボタンd013、天候表示d014、パラメータ表示ボタンd015、ホームボタンd016及び畑領域d017を含む。作業ボタンd011を選択すると、作業確認画面に遷移する。動画視聴ボタンd013を選択すると、動画視聴に関する説明画面に遷移する。ホームボタンd016を選択すると図示しないゲームアプリのホーム画面に遷移する。本実施の形態において、お世話ボタンd012、天候表示d014、及びパラメータ表示ボタンd015は必須の構成ではない。これらのボタンに関しては後述する。畑領域d017は、畑の状態を表示する。ゲームの進度によって、畑領域d017の表示内容は更新される。また、後述するお世話を行った場合にも、その内容に応じて、畑領域d017の表示内容は更新される。
【0045】
図19は作業一覧画面の例を示す説明図である。作業一覧画面d02は一覧表d021、ホームボタンd022、天候表示d023及びパラメータ表示ボタンd024を含む。一覧表d021はゲームをクリアするまでに行わなくてはならない作業の一覧を表示する。作業は上から順に行わなければならず、前の作業が完了するまでは、次の作業は行えない。
図19に示す例では、「ハウス組み立て」が完了していないため、「石灰」以下の作業は行えない。ホームボタンd022を選択すると図示しないゲームアプリのホーム画面に遷移する。本実施の形態において、天候表示d023及びパラメータ表示ボタンd024は必須の構成ではない。これらのボタンに関しては後述する。なお、ユーザが作業一覧画面d02で一覧表d021以外を選択すると、画面は畑トップ画面に戻る。
【0046】
図20は作業確認画面の例を示す説明図である。
図20では、作業確認画面d03は畑トップ画面d01上にオーバーレイ表示している。作業確認画面d03は動画視聴ボタンd031、手際よく作業するボタンd032、普通に作業するボタンd033及びキャンセルボタンd034を含む。ユーザが動画視聴ボタンd031を選択すると、動画視聴処理が起動する。ユーザが手際よく作業するボタンd032を選択すると、「手際よく作業」処理が起動する。ユーザが普通に作業するボタンd033を選択すると、「普通に作業」処理が起動する。キャンセルボタンd034を選択すると、作業一覧画面d02に戻る。
【0047】
図21は説明画面の例を示す説明図である。説明画面d04は畑トップ画面d01上にオーバーレイ表示している。説明画面d04は説明表示d041、回数表示d042、見ないボタンd043及び視聴ボタンd044を含む。説明表示d041は動画広告を視聴して得られる特典についての説明を表示する。回数表示d042はその日に動画広告を視聴できる回数を表示する。ユーザが動画広告の視聴を完了する毎に、回数表示d042に表示する回数を減らしてもよい。ユーザが見ないボタンd043を選択した場合、作業確認画面に戻る。ユーザが視聴ボタンd044を選択した場合、動画広告の再生が開始する。
【0048】
図22は広告再生画面の例を示す説明図である。広告再生画面d05は広告表示領域d051、閉じるボタンd052、残り秒数表示d053及びリンクボタンd054を含む。広告表示領域d051は動画広告を表示する。ユーザが閉じるボタンd052を選択する広告再生画面は閉じられる。動画広告の再生が完了する前に、ユーザが閉じるボタンd052を選択すると、警告が表示される。残り秒数表示d053は動画広告の再生が完了するまでの残り秒数を表示する。ユーザがリンクボタンd054を選択すると、動画広告で扱っている製品又はサービスに関するホームページ等、他の広告を表示する。
【0049】
図23は演出表示画面の例を示す説明図である。演出表示画面d06ではすごろくの盤面が表示される。盤面にはキャラクタd061、通常マスd062、アーチマスd063が表示されている。キャラクタd061はすごろくにおいて、ユーザが位置するマスを示す。通常マスd062は単なるマスである。アーチマスd063は特別な演出が表示されるマスである。
【0050】
本実施の形態においては、ユーザはゲーム中に動画広告を視聴する。ユーザが動画広告を視聴した回数に応じて、広告費がゲームシステム100に運営者に支払われる。運営者は、広告費の一部を農産物の代金として農家へ支払う。また運営者は、広告費の一部を配送料として配送業者として支払う。このような仕組みにより、ユーザは初期投資をすることなく、農作物を栽培するゲームをプレイした成果として農産物の配送を受けることが可能となる。農家は農産物の新たな販路を得ることが可能となる。
【0051】
(実施の形態2)
本実施の形態は、お世話機能に関する形態である。本実施の形態においては、ユーザがゲームを進行させると、畑の天候が変化する。それに応じて畑の状態も変化する。そこで、お世話の作業が必要となる。お世話をすることにより畑を良い状態に戻すことが可能である。しかし、畑の状態が悪いのも関わらず、ユーザがお世話をしない場合は、病害虫が発生し、農作業が行えなくなる。
【0052】
図24はトップ画面表示処理の他の手順例を示すフローチャートである。
図24において、
図12と同様な処理については同一のステップ番号を付し、説明を省略する。ユーザはユーザ端末2でゲームアプリを起動する。ステップS1からステップS7が実行される。ゲームサーバ1の制御部11は天候設定を行う(ステップS161)。制御部11は、ユーザID及びゲームIDをキーに状況DB137を検索し、選択されたゲームにおける工程段階、畑状況(水分量、栄養量、環境、雑草/うんち、害虫、病気)、リワード広告の視聴回数を取得する。制御部11はこれらの情報の一部又は全部に基づいて、ゲームにおける天候を設定する。制御部11は環境設定を行う(ステップS162)。制御部11は設定した天候に基づき、畑状況を更新するか否かを判定し、必要に応じて畑状況を更新する。例えば、天候を雨と決定した場合、水分量を2段階過多の方に更新する。制御部11は、天候及び畑状況を反映された畑トップ画面を作成し、ユーザ端末2へ送信する(ステップS8)。ユーザ端末2の制御部21は畑トップ画面を受信し、表示部26に表示する(ステップS9)。トップ画面表示処理は終了する。
【0053】
図25及び
図26は「お世話」処理の手順例を示すフローチャートである。「お世話」処理はユーザがゲームにおいて畑の整備作業を行う際に実行される処理である。ユーザは畑トップ画面で「お世話」を選択する。ユーザ端末2の制御部21は選択を受け付け、コマンド「お世話」をゲームサーバ1へ送信する(ステップS171)。ゲームサーバ1の制御部11はコマンド「お世話」を受信する(ステップS172)。制御部11はお世話メニュー画面を作成し、ユーザ端末2へ送信する(ステップS173)。ユーザ端末2の制御部21はお世話メニュー画面を受信し(ステップS174)、表示部26に表示する(ステップS175)。ユーザはメニュー画面から行うお世話作業を選択入力する。制御部21は入力を受け付ける(ステップS176)。制御部21は受け付けた入力が「戻る」であるか否かを判定する(ステップS177)。制御部21は受け付けた入力が「戻る」であると判定した場合(ステップS177でYES)、お世話メニュー画面を閉じ(ステップS178)、「お世話」処理を終了する。制御部21は受け付けた入力が「戻る」でないと判定した場合(ステップS177でNO)、受け付けた入力がパラメータ表示であるか否かを判定する(ステップS179)。制御部21は受け付けた入力が「パラメータ表示」であると判定した場合(ステップS179でYES)、「パラメータ表示」をゲームサーバ1へ送信する(ステップS180)。ゲームサーバ1の制御部11は「パラメータ表示」を受信する(ステップS181)。制御部11はパラメータ表示画面を作成しユーザ端末2へ送信する(ステップS182)。ユーザ端末2の制御部21はパラメータ表示画面を受信し、表示部26に表示する(ステップS183)。制御部21はユーザからの入力を受け付ける(ステップS184)。制御部21はパラメータ表示画面を閉じ(ステップS185)、処理をステップS175へ戻す。
【0054】
制御部21は受け付けた入力が「パラメータ表示」でないと判定した場合(ステップS179でNO)、入力により選択されたお世話の種別をゲームサーバ1へ送信する(ステップS186)。お世話の種別は、例えば、水やり、肥料、草刈り/ぼろ処理、又は薬剤である。ゲームサーバ1の制御部11は種別を受信する(ステップS187)。制御部11は種別に応じたサブメニュー画面を作成し、ユーザ端末2へ送信する(ステップS188)。ユーザ端末2の制御部21はサブメニュー画面を受信し、表示部26に表示する(ステップS189)。ユーザはサブメニュー画面から行うお世話に用いるアイテム、又は、「閉じる」を選択入力する。制御部21は入力を受け付ける(ステップS190)。制御部21は受け付けた入力が「閉じる」であるか否かを判定する(ステップS191)。制御部21は受け付けた入力が「閉じる」であると判定した場合(ステップS191でYES)、サブメニュー画面を閉じ(ステップS192)、処理をステップS175へ戻す。制御部21は受け付けた入力が「閉じる」でないと判定した場合(ステップS191でNO)、選択されたアイテムに対応した演出を表示する(ステップS193)。表示するのはアニメーションである。アニメーションの再生が終了したら、制御部21はお世話の実行情報をゲームサーバ1へ送信する(ステップS194)。ゲームサーバ1の制御部11は実行情報を受信する(ステップ195)。制御部11は畑状況を示すパラメータを更新する(ステップS196)。害虫が発生している場合に、お世話「薬剤」を実行したときは、害虫の状況を問題なしに戻す。制御部11は更新したパラメータをユーザ端末2へ送信する(ステップS197)。ユーザ端末2の制御部21はパラメータを受信する(ステップS198)。受信したパラメータは一時記憶領域に記憶する。パラメータの値は、パラメータ表示画面を表示する際や畑トップ画面を再表示する際に参照される。なお、一時記憶領域は主記憶部12又は補助記憶部13に設ける。制御部21は演出を表示した画面を閉じ(ステップ199)、処理をステップS175へ戻す。
【0055】
図27はお世話メニュー画面の例を示す説明図である。お世話メニュー画面d07は水やりボタンd071、肥料ボタンd072、草刈り/ぼろ処理ボタンd073、薬剤ボタンd074、戻るボタンd075、天候表示d076、パラメータ表示ボタンd077、及びホームボタンd078を含む。水やりボタンd071はお世話として水やりを行うためのボタンである。肥料ボタンd072はお世話として肥料散布を行うためのボタンである。草刈り/ぼろ処理ボタンd073はお世話として草刈り/ぼろ処理を行うためのボタンである。薬剤ボタンd074、お世話として薬剤散布を行うためのボタンである。水やりボタンd071から薬剤ボタンd074までのいずれかのボタンを選択すると、アイテムを選択するためのサブメニュー画面に遷移する。戻るボタンd075を選択すると、畑トップ画面へ戻る。天候表示d076は畑の天候を表示する。パラメータ表示ボタンd077を選択すると、パラメータ表示画面に遷移する。上述のパラメータ表示ボタンd015、パラメータ表示ボタンd024も同様である。ホームボタンd078を選択すると図示しないゲームアプリのホーム画面に遷移する。
【0056】
図28はサブメニュー画面の例を示す説明図である。
図28は、お世話の種別として「水やり」が選択された場合、すなわち、お世話メニュー画面d07で水やりボタンd071が選択された場合に表示されるサブメニュー画面の例を示している。
図28では、サブメニュー画面d08は畑トップ画面d01上にオーバーレイ表示している。サブメニュー画面d08はアイテム一覧d081及び閉じるボタンd082を含む。アイテム一覧d081は使用可能なアイテムを表示する。選択されたお世話の「種別」に則したアイテムが、アイテム一覧d081に表示される。アイテム一覧d081の中から、ユーザが一つを選択入力すると、選択されたアイテムでお世話を行う演出が表示される。閉じるボタンd082を選択すると、サブメニュー画面は閉じられ、お世話メニュー画面に戻る。
【0057】
図29はパラメータ表示画面の例を示す説明図である。パラメータ表示画面d09は畑の状況を表示する画面である。パラメータ表示画面d09は水分量表示d091、栄養量表示d092、環境度表示d093、雑草/うんち量表示d094、害虫表示d095、及び病気表示d096を含む。水分量表示d091は畑の水分量の状況を表示する。栄養量表示d092は畑の栄養量の状況を表示する。環境度表示d093は畑の環境度の状況を表示する。雑草/うんち量表示d094は畑の雑草/うんち量の状況を表示する。害虫表示d095は畑の害虫の状況を表示する。病気表示d096は畑の病気の状況を表示する。
【0058】
本実施の形態においては、実施の形態1に加えて、次の効果を奏する。お世話機能により、擬似的であるもののユーザは農作物を栽培している実感が得られる。
【0059】
(実施の形態3)
本実施の形態は、ゲームの設定機能に関する。上述の実施の形態では、ゲームの設定はすでに行われているとしている。本実施の形態においては、ゲームの設定方法について説明する。
【0060】
図30のゲーム定義処理の手順例を示すフローチャートである。農家はゲームを新たに作成するため、農家端末3を操作して作成要求を行う。農家端末3の制御部31は作成要求をゲームサーバ1へ送信する(ステップS211)。ゲームサーバ1の制御部11は作成要求を受信する(ステップS212)。制御部11はゲーム作成画面を農家端末3へ送信する(ステップ213)。農家端末3の制御部31はゲーム作成画面を受信し、表示部36に表示する(ステップS214)。農家はゲーム上で栽培する農作物、クリアしたユーザへ発送する農産物、数量、及び卸値を設定する。制御部31は設定内容を受け付ける(ステップ215)。制御部31は設定内容をゲームサーバ1へ送信する(ステップS216)。ゲームサーバ1の制御部11は設定内容を受信する(ステップS217)。制御部11は卸及び広告費より、ゲームをクリアさせるまでに行う農作業の数、作業数を算出する(ステップS218)。制御部11は農作業の設定画面を農家端末3へ送信する(ステップS219)。農家端末3の制御部31は設定画面を受信し、表示部36に表示する(ステップS220)。農家は作業数分の農作業を設定する。制御部31は設定受け付ける(ステップS221)。制御部31は受け付け設定をゲームサーバ1へ送信する(ステップS222)。ゲームサーバ1の制御部11は設定を受信する(ステップS223)。制御部11は設定を記憶し(ステップS224)、ゲーム定義処理を終了する。制御部11はゲーム上で栽培する農作物、クリアしたユーザへ発送する農産物、数量、及び卸値をゲームDB134に記憶する。制御部11はクリアまでに行う作業の内容を、工程DB135に記憶する。
【0061】
図31はゲーム作成画面の例を示す説明図である。ゲーム作成画面d10は農作物アイコン表示d101、参照ボタンd102、名称欄d103、数量欄d104、単位メニューd105、卸値欄d106、単位表示d107、送信ボタンd108、クリアボタンd109、及びキャンセルボタンd10Aを含む。農作物アイコン表示d101はゲームで栽培する農作物のアイコンを表示する。参照ボタンd102を選択すると農作物選択画面(図示しない)がポップアップ表示されるので、当該画面にて農作物を選択すると、選択した農作物に対応したアイコンが、農作物アイコン表示d101に表示される。名称欄d103はゲームの名称を入力する欄である。数量欄d104は提供可能な農産物の数を入力する欄である。単位メニューd105は提供する農産物の単位を設定するためのプルダウンメニューである。卸値欄d106は農産物の卸値を入力する欄である。単位表示d107は卸値の単位を表示する。単位表示d107は単位メニューd105の設定内容と一致するように表示される。送信ボタンd108を選択すると設定内容がゲームサーバ1へ送信される。クリアボタンd109を選択すると設定内容がクリアされる。キャンセルボタンd10Aを選択すると、ゲーム作成画面d10は閉じられ、前の画面に戻る。
【0062】
図32は農作業設定画面を示す説明図である。農作業設定画面d11は作業数表示d111、工程メニューd112、順番号表示d113、作業表示d114、送信ボタンd115、クリアボタンd116、及びキャンセルボタンd117を含む。作業数表示d111は工程として定義すべき作業の数を表示する。工程メニューd112は作業として選択可能な工程を表示する。順番号表示d113は作業実行する順番を示す。作業表示d114は選択された作業を示す。工程メニューd112に表示されている工程をマウス等でドラッグアンドドロップすることで選択することができる。送信ボタンd115を選択すると設定内容がゲームサーバ1へ送信される。クリアボタンd116を選択すると設定内容がクリアされる。キャンセルボタンd117を選択すると、ゲーム作成画面d10は閉じられ、前の画面に戻る。
【0063】
本実施の形態においては、農家が簡単にゲームの定義を設定できるという効果を奏する。
【0064】
(応援メッセージ)
ゲームシステム100を介して、農家と消費者であるユーザとのつながりが構築されることから、ユーザから農家に対して応援メッセージを送信するようにしてもよい。
図33は、応援メッセージ送信処理の手順例を示すフローチャートである。ユーザはゲームアプリで、応援メッセージ作成機能を選択する。ユーザ端末2の制御部21はメッセージ作成をゲームサーバ1へ送信する(ステップS231)。ゲームサーバ1の制御部11はメッセージ作成を受信する(ステップS232)。制御部11はメッセージ作成画面をユーザ端末2へ送信する(ステップS233)。ユーザ端末2の制御部21はメッセージ作成画面を受信し、表示部26に表示する(ステップS234)。制御部21はメッセージの入力を受け付ける(ステップS235)。制御部21は受け付けたメッセージをゲームサーバ1へ送信する(ステップS236)。ゲームサーバ1の制御部11はメッセージを受信する(ステップS237)。制御部11はメッセージを補助記憶部13に記憶する(ステップS238)。制御部11はメッセージを農家端末3へ送信する(ステップS239)。農家端末3の制御部31はメッセージ受信し、表示部36に表示する(ステップS240)。応援メッセージ作成処理は終了する。
【0065】
上述の説明では、ユーザが、農作物を栽培するゲームにおいて動画広告を視聴することでゲームが進み、ゲームをクリアすると、農産物がもらえるゲームシステム100について述べた。しかし、ゲームシステム100は種々の物品に対応可能である。すなわち、商品を制作するゲームにおいて、動画広告を視聴することでゲームが進み、ゲームをクリアすると商品がもらえるゲームシステム100が実現可能である。貰える商品はゲーム中で制作する商品と同種のものであってもよいし、そうでなくともよい。例えば、自動車を組み立てるゲームにおいて、貰える商品を自動車としてもよいし、貰える商品を自動車のプラモデルやミニチュア等にしてもよい。
【0066】
例えば、ユーザが、工業製品の部品組み立てを行うゲームにおいて動画広告を視聴することでゲームが進み、ゲームをクリアすると、工業製品がもらえる仕組みを提供してもよい。工業製品は例えば、自転車、バイク、自動車等である。ユーザが、電化製品の部品組み立てを行うゲームにおいて動画広告を視聴することでゲームが進み、ゲームをクリアすると、電化製品がもらえる仕組みを提供してもよい。電化製品は例えば、冷蔵庫、テレビ、パソコン等である。ユーザが、工芸品の生産を行うゲームにおいて動画広告を視聴することでゲームが進み、ゲームをクリアすると、工芸品がもらえる仕組みを提供してもよい。工芸品は例えば、団扇、陶磁器、和紙製品等である。ユーザが、お金のなる木を育てるゲームにおいて動画広告を視聴することでゲームが進み、ゲームクリアすると金券がもらえる仕組みを提供してもよい。金券は例えば、商品券、ギフトカード、図書券等である。また、商品としてトイレットペーパーや(紙)おむつ、ティッシュ、キッチンラップなどの日用品としてもよい。
【0067】
ゲームをクリアしたユーザは全員、農作物等の商品を獲得できるとしたが、クリアしたユーザの中から抽選を行い、当選した数名にのみ商品を提供することにしてもよい。例えば、クリアした100ユーザの中から、抽選で3名に商品を提供する。この場合、100ユーザが動画広告を視聴したことにより得た広告費を商品3個分の代金に割り当て可能となるので、1ユーザ当たりの広告費よりも高価な商品の提供が可能となる。また、1ユーザ当たりの動画広告の視聴回数を少なくしても、商品の代金として割り当てることが必要な広告費を得ることが可能となる。
【0068】
(実施の形態4)
本実施の形態は、ユーザが農作物の栽培ゲームにおいて視聴した動画広告に基づき、ゲーム完了時にインセンティブを付与する形態に関する。ユーザは動画広告を視聴することにより、ポイントを取得する。栽培ゲームにおいて、農作物が育ち収穫を行う際に獲得ポイントに応じたインセンティブ、例えばポイントに応じた枚数のコインを、ユーザは得ることが可能である。
【0069】
図34はゲームサーバのハードウェア構成の他例を示すブロック図である。
図34に示したゲームサーバ1の構成は、
図2に示したゲームサーバ1の構成と比較すると、異なっているのは、補助記憶部13に記憶している内容の相違である。ここでは、異なっているデータベースについて説明し、他の構成については説明を省略する。本実施の形態においては、補助記憶部13に、付与ポイントDB138、履歴DB139、保有DB13A及び、訓練DB13B並びに推定モデル161が記憶されている。
【0070】
図35は付与ポイントDBの例を示す説明図である。付与ポイントDB138(報酬記憶部)は動画広告の視聴によりユーザに付与するポイントを日毎に記憶する。付与ポイントDB138は配信日列及び付与量列を含む。配信日列は広告がユーザ端末2へ配信された日を記憶する。本実施の形態では、広告システム4から支払われる動画広告の視聴による報酬が日毎に改定されることを前提にしている。1日の始まりと終わりの時刻は、広告システム4に合わせる。例えば、広告システム4において、1日の始まりが午前8時で終了が翌朝午前8時の場合、配信日列に記憶した日の始まり、及び終わりは同様となる。報酬の改定が異なる周期であれば、付与ポイントDB138もそれに合わせて定義する。付与量列は動画広告を1回視聴する毎にユーザに付与するポイント数(単位数量)を記憶する。動画広告の再生時間が複数ある場合は、再生時間毎にポイント数を記憶する。また、動画広告を最後まで再生しなくとも所定の長さ、例えば全体の2/3を再生した場合にも、ポイントを付与してもよい。その時のポイント数を付与ポイントDB138に記憶してもよい。なお、ユーザに付与するポイント数は、動画広告の単価と連動する。例えば、動画広告が1回再生完了したことにより、0.3円が得られる場合、それに相当する0.3ポイントをユーザする。それに限らず、単価が0.3円の場合、付与ポイントを0.15ポイントなどとしてもよい。
【0071】
図36は履歴DBの例を示す説明図である。履歴DB139(付与情報記憶部)は動画広告の再生の履歴を、ユーザ毎及びゲーム毎に記憶する。履歴DB139はゲームID列、ユーザID列、配信日列、配信時刻列、再生結果列、及び付与ポイント列を含む。ゲームID列は動画広告が再生されたゲームのゲームIDを記憶する。ユーザID列は動画広告を再生したユーザのユーザIDを記憶する。配信日列は動画広告が配信され再生された日を記憶する。配信時刻列は動画広告が配信され再生された時刻を記憶する。再生結果列はユーザの再生結果を記憶する。例えば、広告動画が最後まで再生されたら、再生結果列は完了を記憶する。例えば、広告動画の再生が途中で止められ終了したら、再生結果列は途中終了を記憶する。付与ポイント列は再生結果によって付与されたポイント数を記憶する。
【0072】
図37は保有DBの例を示す説明図である。保有DB13Aはユーザが保有するコイン数を記憶する。保有DB13AはユーザID列、コイン数列、及び更新日時列を含む。ユーザID列はユーザIDを記憶する。コイン数列はユーザが保有するコインの数を記憶する。更新日時列はコイン数列の値が更新された日時を記憶する。コインはゲーム終了時にゲームにおいてユーザが獲得したポイントに基づいた枚数が付与される。
【0073】
図38は訓練DBの例を示す説明図である。訓練DB13Bは推定モデル161を生成又は再学習するための訓練データを記憶する。訓練DB13Bは配信日列、及び正解値列を含む。配信日列は動画広告の配信日を記憶する。正解値列は動画広告の単価を記憶する。
【0074】
図39は推定モデルの例を示す説明図である。推定モデル161は、例えばLSTM(Long-Short Term Memory)に係るニューラルネットワークである。LSTMはRNN(Recurrent Neural Network)の一種である。推定モデル161は、前日までの動画広告の単価についての時系列データを入力として、当日の動画広告の単価を推定するニューラルネットワークである。
【0075】
LSTMは入力層、中間層、及び出力層を有する。入力層は、時系列に沿って各時点のパラメータの入力をそれぞれ受け付ける複数のニューロンを有する。出力層は、動画広告について翌日の単価の推定値を出力するニューロンを有する。出力層は推定値を出力する。中間層は、入力層の各ニューロンへの入力値から推定値を演算するためのニューロンを有する。中間層のニューロンはLSTM Blockと呼ばれ、過去の時点での入力値に関する中間層での演算結果を用いて次の時点での入力値に関する演算を行うことで、直近時点までの時系列データから次の時点の値を演算する。推定モデル161はLSTMに限定されず、LSTM以外のニューラルネットワーク、例えば、RNN(Recurrent Neural Network)、GRU(Gated Recurrent Unit)、LSTNet、Trans former等であってもよい。また、推定モデル161をランダムフォレスト等のニューラルネット以外の学習モデルで構成してもよい。
【0076】
ゲームサーバ1の制御部11は、訓練DB13Bに記憶されている動画広告の単価の時系列データを用い、推定モデル161を生成する。なお、推定モデル161の学習はゲームサーバ1ではなく、他のコンピュータで行ってもよい。そして、学習により得た最適パラメータを、ゲームサーバ1が記憶している推定モデル161に反映させる。
【0077】
図40は推定モデルの生成処理の手順例を示すフローチャートである。制御部11は、訓練DB13Bから訓練データを取得する(ステップS241)。制御部11は学習を行う(ステップS242)。具体的には、制御部11は動画の単価を日付の古い順に、各ニューロンに順次入力していく。制御部11は、中間層での演算を行い、最終的に単価の推定値を出力層のニューロンから出力する。例えば、過去7日間の単価を用いて推定を行う場合、12月1日から12月7日までの単価を順次入力すると、出力層から12月8日の単価の推定値を出力される。制御部11は、正解値と推定値と比較し、推定値が正解値に近似するように、中間層での演算に用いるパラメータを最適化する。当該パラメータは、例えばニューロン間の重み(結合係数)、活性化関数の係数などである。パラメータの最適化の方法は特に限定されないが、例えば制御部11は誤差逆伝播法を用いて各種パラメータの最適化を行う。入力する期間を1日ずつずらして繰り返し学習を行う。制御部11は最適化したパラメータを記憶し(ステップS243)、処理を終了する。
【0078】
図41は単価推定処理の手順例を示すフローチャートである。上述したように、広告システム4において、動画広告の単価は日毎に改訂され、改訂された単価は翌日に通知されることから、単価推定処理は日次バッチで実行する。広告システム4から単価の通知がされ次第、単価推定処理を実行することが望ましい。制御部11は、訓練DB13Bから前日までの単価データを取得する(ステップS251)。制御部11は単価データを日付順に推定モデル161に入力し、当日の単価を推定する(ステップS252)。制御部11は推定値を補助記憶部13等に記憶し(ステップS253)、処理を終了する。
【0079】
推定モデル161の再学習について説明する。再学習は、推定モデル161の生成から所定期間が経過した場合や、推定値と実際の単価との開きが所定の閾値より大きくなった場合などに行う。再学習の処理は、
図40に示した生成処理と同様であるから、説明を省略する。
【0080】
図42はメイン処理の手順例を示すフローチャートである。メイン処理は、本実施の形態において、ユーザがゲームを行う際に実行される処理である。ユーザはユーザ端末2でゲームアプリを起動する。ユーザ端末2の制御部21はログイン要求をゲームサーバ1へ送信する(ステップS261)。ログイン要求にはユーザIDやパスワード等のユーザ認証に必要なデータが含まれている。ゲームサーバ1の制御部11はログイン要求を受信し、ユーザ認証を行う(ステップS262)。制御部11はユーザIDをキーに状況DB137を検索し、ユーザがプレイ中のゲームのゲームIDを取得する。制御部11は取得したゲームIDをキーにしてゲームDB134を検索して、ゲームに関する情報を取得する。制御部11は取得した情報に基づき、トップ画面を作成し、ユーザ端末2へ送信する(ステップS263)。ユーザ端末2の制御部21はトップ画面を受信し、表示部26に表示する(ステップS264)。ユーザはトップ画面から行いたい処理を入力する。制御部21は本実施の形態における栽培ゲームでは、同時に9つの農地で同時栽培が可能となっており、トップ画面は9つの農地を表示する。ユーザはゲームを行う農地を選択する。制御部21は操作を受け付ける(ステップS265)。制御部21は農地が選択された否かを判定する(ステップS266)。制御部21は農地が選択されたと判定した場合(ステップS266でYES)、選択された農地が農作物を栽培中であるか否かを判定する(ステップS267)。制御部21は選択された農地が農作物を栽培中であると判定した場合(ステップS267でYES)、当該農地でのゲーム処理を行う(ステップS268)。制御部21はゲーム処理の実行後、トップ画面を表示し(ステップS269)、処理をステップS265へ戻す。制御部21は選択された農地が農作物を栽培中でないと判定した場合(ステップS267でNO)、栽培する作物の選択を受け付ける(ステップS270)。制御部21は選択された作物をゲームサーバ1へ送信する(ステップS271)。ゲームサーバ1の制御部11は作物を受信する(ステップS272)。制御部11は作物を記憶する(ステップS273)。制御部11は作物の設定が完了した旨をユーザ端末2へ送信する(ステップS274)。ユーザ端末2の制御部21は設定が完了した旨を受信する(ステップS275)。制御部21はステップS268以降を実行する。制御部21は農地が選択されていないと判定した場合(ステップS266でNO)、終了が選択された否かを判定する(ステップS276)。制御部21は終了が選択されたと判定した場合(ステップS276でYES)、処理を終了する。制御部21は終了を選択してないと判定した場合(ステップS276でNO)、選択された処理を実行し(ステップS277)、ステップS269以降を実行する。
【0081】
図43はゲーム処理の手順例を示すフローチャートである。ゲーム処理は
図42のステップS268に対応する。ユーザ端末2の制御部21はユーザの操作を受け付ける(ステップS291)。制御部21は受け付けた操作が作業であるか否かを判定する(ステップS292)。制御部21は受け付けた操作が作業であると判定した場合(ステップS292でYES)、作業実行の画面表示を行う(ステップ293)。制御部21はゲームサーバ1へ動画広告を再生すべきか否かの問い合わせを送信する(ステップS294)。制御部21は回答をゲームサーバ1から受信する(ステップS295)。制御部21は回答により動画広告を表示するか否かを判定する(ステップS296)。制御部21は動画広告を表示しないと判定した場合(ステップS296でNO)、処理をステップSS299へ進める。制御部21は動画広告を表示すると判定した場合(ステップS296でYES)、動画広告の再生を行う(ステップS297)。再生する動画広告は広告システム4から取得する。制御部21は動画広告の再生が終わったら、再生結果をゲームサーバ1へ送信する(ステップS298)。制御部21はゲームが進行し、作物の収穫段階に達しているか否かを判定する(ステップS299)。本実施の形態において、ゲームの進行は、動画広告の再生の有無に関係なく、ユーザが定められた作業を行えば進行する。そして、所定の作業工程が全て完了したら、収穫段階とする。制御部21は作物の収穫段階に達していないと判定した場合(ステップS299でNO)、処理をステップS291へ戻す。制御部21は作物の収穫段階に達していると判定した場合(ステップS299でYES)、コインの付与要求をゲームサーバ1へ送信する(ステップS300)。制御部21はコインの付与数をゲームサーバ1から受信する(ステップS301)。制御部21はコイン付与数を表示する(ステップS302)。その後、制御部21は処理を呼び出し元へ戻す。制御部21は受け付けた操作が作業でないと判定した場合(ステップS292でNO)、終了が選択されたか否かを判定する(ステップS303)。制御部21は受け付けた操作が終了でないと判定した場合(ステップS303でNO)、選択された内容についての処理を行い(ステップS304)、処理をステップS291へ戻す。制御部21は受け付けた操作が終了であると判定した場合(ステップS303でYES)、ゲーム処理を完了し、処理を呼び出し元へ戻す。ステップS294において、問い合わせをゲームサーバ1へ送信するのではなく、広告システム4へ行い、ステップS295における回答を広告システム4から受信しもよい。なお、本実施の形態において、ユーザがゲームクリアまでに、動画広告を1回も視聴完了しなかった場合、付与ポイントが0になる可能性がある。そのような事態が生ずると、ユーザがゲームを行なわなくなるため、以下のようにする。例えば、各動画広告について、冒頭の所定秒数、15秒広告であれば冒頭の5秒、30秒広告であれば冒頭の10秒を再生しなければ、広告画面を閉じてゲームに戻れないようにする。そして、冒頭の所定秒数の再生に対しても、ポイントを付与する。それによって、ユーザがゲームクリアまでに、動画広告を1回も視聴完了しなかった場合であっても、付与ポイントが0となることを防ぐことが可能となる。
【0082】
図44は問い合せ処理の手順例を示すフローチャートである。問い合せ処理は、ユーザ端末2が
図43のステップS294を実行したことを契機に、ゲームサーバ1が実行する処理である。ゲームサーバ1の制御部11は、ユーザ端末2から問い合わせを受信する(ステップS311)。制御部11は動画広告の配信タイミングであるか否かを判定する(ステップS312)。制御部11は、問い合わせをしたユーザ端末2への動画広告の配信履歴を履歴DB139から取得し、前回の配信からの経過時間を算出する。制御部11は、経過時間とフリークエンシーキャップとに基づき、動画広告を配信するタイミングであるか否かを判定する。制御部11は動画広告の配信タイミングであると判定した場合(ステップS312でYES)、回答を表示に設定する(ステップS313)。制御部11は回答を送信する(ステップS314)。その後、制御部11はユーザ端末2から動画広告の再生結果を受信する(ステップS315)。制御部11は再生結果を履歴DB139に記憶し(ステップS316)、処理を終了する。制御部11は動画広告の配信タイミングでないと判定した場合(ステップS312でNO)、回答を非表示に設定する(ステップS317)。制御部11は回答を送信し(ステップS318)、処理を終了する。
【0083】
図45は付与処理の手順例を示すフローチャートである。付与処理は、ユーザ端末2が
図43のステップS300を実行したことを契機に、ゲームサーバ1が実行する処理である。ゲームサーバ1の制御部11は、ユーザ端末2からコインの付与要求を受信する(ステップS321)。制御部11(付与数算出部)はコインの付与数を算出する(ステップS322)。制御部11は、付与ポイントDB138からユーザが獲得したポイント数を取得し、その合計値を算出する。算出した合計値から所定レートに従いコインの付与数を、制御部11は算出する。所定レートは、例えば10ポイントを1コインとして、補助記憶部13等に記憶しておく。制御部11(付与数更新部)は付与するコイン数と、保有DB13Aに記憶されているユーザの保有コイン数とから、新たな保有コイン数を求め、保有DB13Aに記憶する(ステップS323)。制御部11はコインの付与数をユーザ端末2へ送信し(ステップS324)、処理を終了する。なお、問い合わせ処理はゲームサーバ1ではなく広告システム4がおこなってよい。
【0084】
本実施の形態においては、栽培ゲームにおいて作物が育ち収穫する際に、それまでの動画広告の視聴履歴に基づき、商品と交換可能なコインをユーザに付与する。それによって、ゲーム中に動画広告を視聴する動機づけをユーザへ与えることが可能となる。
【0085】
(実施の形態5)
実施の形態4の推定モデル161を実施の形態1から実施の形態3において、使用してもよい。すなわち、実施の形態1から実施の形態3において、広告単価を推定モデル161により推定する。推定した結果に基づき、動画広告の視聴1回につき、進めるコマ数を算出する。それにより、ユーザがゲームをクリアするまでに視聴した動画広告により得た報酬と、ゲームをクリアしたことによりユーザへ配送される農産物の対価とをバランスさせることが可能となる。
【0086】
(実施の形態6)
実施の形態4又は実施の形態5において、ゲームの進行と付与ポイントとを関連付けてもよい。実施の形態1等では、動画広告の視聴回数を記憶し、視聴回数によって、ゲームを進行させる。本実施の形態では、ゲームを進行させる条件として、ユーザが所定ポイントを得ることとする。例えば、ユーザが1ポイント獲得する毎に、作業が完了し、次の作業工程へ進めるとする。ゲームクリアまでの工程が10工程であるとすると、ユーザはゲームクリアまでに、少なくとも10ポイントを付与されることになる。本実施の形態では、ゲームクリアまでに獲得するポイントが、ユーザ毎にばらつきがないようにすることが可能となる。
【0087】
(実施の形態7)
実施の形態4から6においては、日毎の動画広告の単価は単一としたが、本実施の形態では複数を想定する。例えば、動画広告には複数種類があり、種類により、付与するポイントが異なる。通常のアフィリエイト動画広告であれば、0.3ポイントを付与し、リワード動画広告であれば、0.5ポイントを付与する。付与するポイントは、日毎に変動する単価に連動させる。
【0088】
本実施の形態においては、例えば、ユーザが特に操作しなければ、通常のアフィリエイト動画広告を視聴させる。通常のアフィリエイト動画広告に、リワード動画広告を視聴するボタンを設け、ユーザが選択するとリワード動画広告を視聴できようにする。または、上述の実施の形態と同様に、
図20の作業確認画面d03において、手際よく作業するボタンd032をユーザが選択した場合、ユーザにリワード動画広告を視聴させ、動画視聴ボタンd031をユーザが選択した場合、ユーザに通常のアフィリエイト動画広告を視聴させる。本実施においては、リワード動画広告等の付与ポイントが高い動画広告を採用することにより、ユーザは効率的にポイントを獲得することが可能となる。
【0089】
以上の実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0090】
(付記18)
コンピュータが、
商品の出品者の識別情報と対応付けられた前記商品を制作するゲームのゲーム情報をユーザ端末へ送信し、
前記ゲーム中に広告情報を前記ユーザ端末へ送信し、
前記広告情報に基づく広告コンテンツを、ユーザが視聴した視聴回数を前記ユーザの識別情報と対応付けて記憶し、
前記広告コンテンツの広告費に基づく報酬単価を取得し、
前記視聴回数と前記報酬単価とを乗算した報酬額を算出し、
算出した報酬額に基づき、前記ゲームにおける前記商品についての制作作業の進捗状況を更新し、
前記広告コンテンツの広告費を前記商品に割り当て、
更新した前記進捗状況が完了である場合、前記商品の前記ユーザへの配送情報を出力する
ことを特徴とする情報処理方法。
(付記19)
前記広告コンテンツの広告費の時系列データを入力した場合、前記広告費を出力する学習モデルに、処理日前日までの前記時系列データを入力し、前記学習モデルが出力した前記広告費を取得し、
取得した広告費に基づいて、前記報酬単価を求める
ことを特徴とする付記18に記載の情報処理方法。
【0091】
各実施の形態で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0092】
100 :ゲームシステム
1 :ゲームサーバ
11 :制御部
12 :主記憶部
13 :補助記憶部
131 :農家DB
132 :農産物DB
133 :工程マスタDB
134 :ゲームDB
135 :工程DB
136 :ユーザDB
137 :状況DB
138 :付与ポイントDB(報酬記憶部)
139 :履歴DB(付与情報記憶部)
13A :保有DB
13B :訓練DB
14 :通信部
15 :読み取り部
1P :制御プログラム
1a :可搬型記憶媒体
1b :半導体メモリ
2 :ユーザ端末
21 :制御部
22 :主記憶部
23 :補助記憶部
24 :通信部
25 :入力部
26 :表示部
2P :制御プログラム
3 :農家端末
31 :制御部
32 :主記憶部
33 :補助記憶部
34 :通信部
35 :入力部
36 :表示部
4 :広告システム
5 :配送システム
B :バス
N :ネットワーク