(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130347
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】大鋏用指環
(51)【国際特許分類】
B26B 13/20 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
B26B13/20
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022027422
(22)【出願日】2022-02-25
(31)【優先権主張番号】17/184,935
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/674,691
(32)【優先日】2022-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522027242
【氏名又は名称】パノシアン,マイケル エイチ.
(71)【出願人】
【識別番号】522027253
【氏名又は名称】キーラー,ジョシュア エム.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】パノシアン,マイケル エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】キーラー,ジョシュア エム.
【テーマコード(参考)】
3C065
【Fターム(参考)】
3C065AA06
(57)【要約】
【課題】 大鋏用指環を提供する。
【解決手段】 大鋏の上部指環は、切断面に実質的に直角な横断面に配置された下部の実質的に平坦な作動表面を有し、親指の中手骨を右側面から実質的に完全に挿入できるように寸法化されて構成され、親指を切断面に実質的に平行な配向に左側面上の位置に動かすことができ、手の母指球を平坦な作動表面に対して当接して位置付ける一方で、手の母指球及び掌を下部指環に作用する指によって加えられた力に反抗させることができるように、上部指環の少なくとも右外側部を掌に対して当接し、手の母指球皮線を越えて手の掌皮線の少なくとも1つの領域の中に入るように位置付けるために、親指の腹を受領するためのものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親指ループによって生成された円錐空間内に手の親指及び母指球(TE)を受領するための前記親指ループと、
前記親指以外の前記手の1本又は複数本の指を受領するための指ループと、
前記親指ループに対応する第1の刃と、
前記指ループに対応する第2の刃とを含み、
前記TEは、前記親指が前記親指ループの中に完全に挿入された時に前記円錐空間の側壁上に載る、1対の大鋏。
【請求項2】
その上に前記TEが載る前記親指ループ上に平坦な作動表面を更に含む、請求項1に記載の1対の大鋏。
【請求項3】
ピボットポイントを中心に前記第1の刃及び前記第2の刃を開くために、前記平坦な作動表面の向かいに操作表面を更に含む、請求項2に記載の1対の大鋏。
【請求項4】
前記円錐空間は、大端部及び小端部を含み、前記大端部は前記親指の挿入点である、請求項1に記載の1対の大鋏。
【請求項5】
材料を切断するために前記第1の刃及び前記第2の刃を閉じるために、TEの筋肉は前記親指の筋肉と無関係に使用される、請求項1に記載の1対の大鋏。
【請求項6】
前記円錐空間は、前記大端部から前記小端部に横切る時に、大きさが減少する非円形の輪郭を含む、請求項4に記載の1対の大鋏。
【請求項7】
前記対の大鋏の操作を高めるために前記親指ループ上に凹んだ湾曲表面を更に含む、請求項1に記載の1対の大鋏。
【請求項8】
前記親指ループ及び前記指ループは、閉位置で前記第1の刃及び前記第2の刃によって画定された軸の同じ側面上にある、請求項1に記載の1対の大鋏。
【請求項9】
前記第1のレバーの第1の端部に親指ループを有する第1のレバーと、
前記第1のレバーと結合した第2のレバーであって、前記第2のレバーは、前記第2のレバーの第1の端部に指ループを有する、第2のレバーと、
前記第1のレバーの第2の端部で前記第1のレバーと一体化した第1の刃と、
前記第2のレバーの第2の端部で前記第2のレバーと一体化した第2の刃とを含み、
前記親指ループは、平坦な作動表面を含み、使用者の手の母指球(TE)は、使用者の親指が完全に挿入した時に前記平坦な作動表面の上に載る、切断工具。
【請求項10】
前記平坦な作動表面の向かいに操作表面を更に含む、請求項9に記載の切断工具。
【請求項11】
前記対の大鋏の操作を高めるために前記親指ループ上に凹んだ湾曲表面を更に含む、請求項9に記載の切断工具。
【請求項12】
前記親指ループは、非円形断面を備えた円錐空間を形成する、請求項9に記載の切断工具。
【請求項13】
前記第1の刃及び前記第2の刃は枢動可能に結合される、請求項9に記載の切断工具。
【請求項14】
前記第1の刃及び前記第2の刃は、前記TEの筋肉を使用して材料を切断するために閉じる、請求項9に記載の切断工具。
【請求項15】
ピボットポイントで一緒に結合された第1のレバー及び第2のレバーと、
前記第1のレバーと一体化した親指ループであって、前記親指ループは平坦な作動表面及び操作表面を有する、親指ループと、
親指以外の1本又は複数本の指を受領するために、前記第2のレバーと一体化した指ループと、
前記第1のレバーと一体化した第1の刃と、
前記第2のレバーと一体化した第2の刃とを含む、1対の紙鋏。
【請求項16】
前記親指ループによって形成された円錐表面を更に含む、請求項15に記載の1対の紙鋏。
【請求項17】
前記対の紙鋏の操作を高めるために前記親指ループ上に凹んだ湾曲表面を更に含む、請求項15に記載の1対の紙鋏。
【請求項18】
前記平坦な作動表面及び前記操作表面は互いに向かい合う、請求項15に記載の1対の紙鋏。
【請求項19】
前記操作表面は、前記ピボットポイントを中心に前記刃を開くために使用可能である、請求項15に記載の1対の紙鋏。
【請求項20】
前記第1の刃及び前記第2の刃は、使用者の手の握る行為で前記使用者の手の母指球(TE)の筋肉を使用して閉じる、請求項15に記載の1対の紙鋏。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月25日に「大鋏用指環」の名称で出願された(特許文献1)の一部継続出願(CIP)であり、その利益を主張し、その内容は米国特許法第120条の下でその全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
技術分野
本開示は、一般に手動切断工具に関し、より詳細には、大鋏、手鋏及び紙鋏などの切断工具用の指環構造に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願第17/184,935号
【特許文献2】米国特許第454,735号
【特許文献3】米国特許第760,204号
【特許文献4】米国特許第968,219号
【特許文献5】米国特許第4,635,363号
【特許文献6】米国特許出願公報第2011/0131813号
【発明の概要】
【0004】
図は、以下の説明に関連して考慮した時に、保護しようとする主題の理解を促すために提供される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図面の簡単な説明
【
図1】完全に閉じた状態で示された、本開示による紙鋏又は大鋏の例示的左(ハンドルから先端に向かって見た時に左側)斜視図である。
【
図2】通常使用中の手の指の位置の仮想外形を示す、
図1に示された紙鋏又は大鋏の例示的左側面図である。
【
図3】少し開いた状態で大鋏を通常使用中の手の指の位置の仮想外形を示す、
図1に示された紙鋏又は大鋏の例示的左側面図である。
【
図4】
図1~
図3に示された紙鋏又は大鋏の(大鋏の親指ループから指ループに向かって見た時の)例示的平面図である。
【
図5】親指を最初に挿入中で、ハンドルを把持する前の手の位置の仮想外形を示す、
図1~
図4に示された紙鋏又は大鋏の(頂部と反対方向の)例示的底面図である。
【
図6】上部指環(親指ループ)の構成の詳細を示すために、右(左の反対方向)側面から見た際の例示的拡大断片図である。
【
図8】上部指環の下部構成、並びに手の母指球及び掌面に関連して配置される方法を示すために引き離した、先の図に示された紙鋏又は大鋏の例示的底面図である。
【
図9】両方の指環を軸(下部指環に最も近い軸)の上に位置付けるために両方の指環が大鋏の中心軸から角度を付けてオフセットされた、例示的大鋏である。
【
図10】両方の指環を軸の上に位置付けるために両方の指環が軸から直線的にオフセットされた、例示的大鋏である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な説明
本開示は、本明細書に記載されたいくつかの例示的実施形態及び例示的装置を参照して記載されているが、本開示はこのような実施形態に限定されるべきではないことが明白である。従って本明細書に提供された実施形態の記載は、本開示の例示であり、主張されたように本開示の範囲を限定するべきではない。追加として、以下の記載は大鋏用の指環に言及しているが、本開示は、プライヤ、パンチ、及び同種のもののような他の型の手動工具と適合可能であり得ることが認識されよう。
【0007】
簡潔に記載すると、使用しやすく便利であることにより、ほとんどの既存の切断工具に固有の欠点を克服し、同時に作動を促進し、使用者への快適さを増す一方で、使用者の手や指への不快感又は過度のストレスがなく、より大きい力を出すことによって使用者がより厚い又は固い材料を切断できる、紙鋏、手鋏又は大鋏などの切断工具を含むシステム及び方法が開示される。大鋏は、切断中に他の型の既存の大鋏に対する疲労が少ない状態で、手動の操作及び位置付けが更に容易である。開示された大鋏の設計は、使い心地を良くすることができるだけでなく、切断作動の精度及び制御も増す。
【0008】
上の利点、並びに以下で明らかになる他の利点を達成するために、本開示による1対の紙鋏又は大鋏用の把持構造は、ピボットポイントで枢動可能に連結された2つのレバーを含み、大鋏が閉位置にある時に前記レバーの遠位端に実質的に平行な刃を形成する。刃は中間切断面を画定し、刃は、切断面内で開位置と閉位置との間で前記ピボットポイントを中心に枢動可能に動き、閉位置ではピボットポイントで若しくはピボットポイントの近位で線又は長手方向軸を画定する。各レバーは、前記ピボットポイントに対して近位端に指環が形成され、第1の指環は、線又は軸の(上部指環から下部指環を見た時に)上に形成された上位又は上部指環であり、前記刃の前記閉位置において前記線又は軸に最も近く、前記線又は軸に概ね平行な方向に沿って長手方向に延在し、前記切断面に実質的に直角な横断面内に配置された、実質的に平坦な作動表面が形成された下部ループ部を有する。上部指環は、親指を前記切断面に実質的に平行な配向に左側面の位置に動かすことができ、手の母指球を前記第1の指環の前記概ね平坦な作動表面に対して当接するように位置付ける一方で、前記ループの少なくとも右外側部が、掌と当接又は接触して、手の母指球皮線を超えて手掌皮線の少なくとも1つの領域の中に入るように位置付けるために、親指の腹を受領するための前記上部指環を通って右側面から親指の中手骨を実質的に完全に挿入できるように寸法化されて構成される。第2の指環、下部指環は、前記第1の指環の下に位置付けられ、手の他の4指の少なくとも一部によって把持されるように構成されて寸法化される。このようにして、第1の指環により、母指球及び掌が前記第2の指環に作用する指によって加えられた力に対抗することができ、母指球に対して加えられた力は、母指球筋に対して均一に加えられ、親指が切断方向を案内することができるように掌面に移送される一方で、他の指によって前記第2の指環に加えられた力に対抗して加える屈曲又は把持力を最小にし、それによって親指の屈筋のストレス又は疲労を除去し又は最小にする。
【0009】
様々な実施形態で、親指ループによって生成された円錐空間内に手の親指及び母指球(TE)を受領するための親指ループと、親指以外の手の1本又は複数本の指を受領するための指ループと、親指ループに対応する第1の刃とを含む1対の大鋏が開示される。1対の大鋏は、指ループに対応する第2の刃を更に含み、その中でTEは、親指が親指ループの中に完全に挿入された時に円錐空間の側壁上に載る。
【0010】
様々な実施形態で、第1のレバーの第1の端部に親指ループを有する第1のレバーと、第1のレバーと結合した第2のレバーであって、第2のレバーは第2のレバーの第1の端部に指ループを有する、第2のレバーと、第1のレバーの第2の端部で第1のレバーと一体化した第1の刃と、第2のレバーの第2の端部で第2のレバーと一体化した第2の刃とを含み、親指ループは、平坦な作動表面を含み、使用者の手のTEは、使用者の親指が完全に挿入した時に平坦な作動表面の上に載る、切断工具が開示される。
【0011】
様々な実施形態で、ピボットポイントで一緒に結合された第1のレバー及び第2のレバーと、第1のレバーと一体化した親指ループであって、親指ループは平坦な作動表面及び操作表面を有する、親指ループと、親指以外の1本又は複数本の指を受領するために第2のレバーと一体化した指ループと、第1のレバーと一体化した第1の刃と、第2のレバーと一体化した第2の刃とを含む、1対の紙鋏が開示される。
【0012】
紙鋏、大鋏及び手鋏などの多くの手動工具は、軽い又は柔らかい材料から板金などの重い材料に至るまでの様々な材料の切断を促進するために、多数の構成で長年にわたって提案されてきた。これらの切断工具のほとんどは、工具を快適に使用できることを目標に設計されてきたが、ほとんどの設計は使用者にストレス、負担及び疲労をもたらすことが多い。
【0013】
手の全指の力は大体同じ又は等しいと概して理解されるが、紙鋏、大鋏又は手鋏のハンドルを把持する又は握ることは、一般的に親指1本が一方の上部指環に作用する一方で、残りの4指が親指によって加えられた力に対抗するために他方すなわち反対の指環に作用するものである。従って親指は、残りの4指によって加えられた集合的な反対の力に対抗するために、1指で不均衡な力を加えなければならない。これにより、親指の屈筋へのストレスが増加する。その結果として、これは、特に長時間の使用、並びにボール紙、板金及び同種のものなどのより重い材料の切断で使用者に疲労をもたらす。
【0014】
Heinischによる(特許文献2)は、掌の外側に延在し、大鋏を使用する時に手の一部がその上に載る、広く外方及び後方に延在する座部又は台を含む、大鋏を開示している。その上に親指及び親指の腹が載る拡張部は座部又は台から延在し、掌全体を利用して大鋏を作動する時に本体の重量を支える。しかし延在した座部又は台は、切断中に力を加えるために親指に依存し続ける。また拡張部及び種止め部の形状は凸状であり、1つ又は複数の山形があるため、1つ又は複数の圧力点を掛ける可能性があり、過剰なストレス点をもたらし、長時間使用すると使用者に痛み及び疲労を与えることになる。類似構造は、関連した(特許文献3)に開示されている。
【0015】
Wheelerによる(特許文献4)は、長時間の使用で操作者の疲労が少ないように設計された大鋏を開示している。大鋏は、親指を手首に合わせて弓部に挿入し、弓部を通過した後、親指の弓部をオフセットすることによってシャンクに重みがかかるように、指の弓部の平面に対して45°の角度の平面内にある斜めの親指ループを含む。親指の弓部を作動するために加えられた力は、親指のほぼ横方向及び親指の第2関節の上に加えられる。親指の弓部の配向は弓部をより人間工学的にするが、残りの4指の力に対抗又は反抗するために加えられる力は、依然として親指によって加えられる。
【0016】
Chapinによる(特許文献5)は、中心平面又は軸Bから45°未満の角度だけオフセットした中心軸Aを有するリングを含む、手動切断工具を開示している。従来の大鋏と同様に、他の設計より人間工学的であるが、他の指によって加えられた力に対抗するために、親指の屈曲に引き続き依存する。
【0017】
Linによる(特許文献6)は、1組の紙鋏のための環構造を開示している。親指を受領するための上部環部は、親指の付け根の一部を支持するように構成され、従来の設計におけるように刃に対して斜角で親指を受領するように構成されている。設計は、紙鋏の2つの刃の望ましくない偏向を避け、切断工程中に2つの刃を最良の垂直状態に保ち、切断の質及び安全性を効果的に改善することによって、紙鋏を開閉中に安定性を向上させることを主に意図する。
【0018】
「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「左」、「右」、「内側」、「外側」、「内部」、「外部」、「下方」、「上方」、「前向き」、「下向き」、「垂直」、「水平」、「対角線」、及び同種のものなどの方向、配向、並びに他の相対語は、システム若しくは装置本体自体の際立った特徴に関連して又はシステム若しくは装置本体自体の際立った特徴に対して記載されることに留意されたい。例えばシステム本体若しくは対象の正面部又は表面が説明で同定される場合は、裏又は後が前面と反対の部分又は面と画定され、左は、前面を見た時に左側と画定され、他も同様である。方向が説明及び図に基づいて明らかに同定可能である限り、配向が画定される方法は重要ではない。
【0019】
図1は、完全に閉じた状態で示された、本開示による紙鋏又は大鋏の例示的左(ハンドルから先端に向かって見た時に左側)斜視図である。様々な実施形態では、1対の紙鋏又は大鋏10。全てのこのような切断工具は、本明細書では集合的に「大鋏」と呼ばれる。大鋏10は、ピボットポイントを形成するピボット16で互いに連結された2つのレバー12、14を含む。レバー12及び14は、実質的に平行な刃12a、14aのそれぞれを形成する。刃12a及び14aは、中間切断面CPも画定し、切断面内の開位置と閉位置との間でピボット16を中心に枢動可能に動くことができる。閉位置では、刃12a及び14aは、ピボット16で又はピボット16の近位で線又は長手方向軸Aを画定する。大鋏10は、レバー12の一体部分である第1の指ループ又は指環12b(親指ループ)と、レバー14の一体部分である第2又は下部の指ループ又は指環14bと、実質的に平坦な内部又は作動表面12dで形成された下部ループ部12cと、右外側部又は縁部12eと、凹んだ湾曲表面12fと、操作表面12gとを更に含む。大鋏10は、側壁15a、小端部15b、大端部15cを有する円錐空間15を更に含む。
【0020】
様々な実施形態で、各レバーは、ピボット16に対して近位端に指環が形成されてもよい。第1の指環12bは、線又は軸Aの上に形成された上位又は上部指環である。第1又は上部指環は、線又は軸Aの上に形成され、刃が閉じた時に線又は軸Aに最も近く、線又は軸Aに概ね平行な方向に沿って長手方向に延在する、実質的に平坦な作動表面12dで形成された下部ループ部12cを有する。
【0021】
様々な実施形態で、ピボット16は、リベット、ボルト及びナット、短い小型円筒などの円形構造であってもよく、曲がった外部(レバーから離れた)リップ又は縁部は、他方のレバー上の円形構造の対応するリップ又は縁部を係合する、ピボットポイントで各レバー12及び14上に展開され又は一体化される。
【0022】
様々な実施形態で、第1又は上部指環又は親指環12bは、親指を切断面CPに実質的に平行な配向に左側面の位置に動かすことができ、手の母指球TEを上部指環12bの概ね平坦な作動表面12dに対して当接するように位置付ける一方で、指環の少なくとも右外側部12eが、
図8に最も良く示されたように掌Pと当接又は接触し、手の母指球皮線TCを超えて手掌皮線PC1及びPC2の少なくとも1つの領域の中に入るように位置付けるために、右側面から指環12bを通って、下に
図5及び
図8に関して更に記載されたように親指の腹又は母指球TEを受領するため、及び親指の腹を受領するための上部指環12bを通って右側面から親指の中手骨を実質的に完全に挿入できるように寸法化されて構成される。
【0023】
様々な実施形態で、上部指環12bの内部表面は、図に示されたように指ループの内面上に形成された円錐側壁15aを有する部分円錐空間15を形成してもよい。円錐空間15は、上部指環12b内に物理的な部分円錐表面も画定し、親指は上部指環12bと物理的に接触する。親指は、ほぼ円錐形状であり、指先はそのTEより狭く、これによって親指は、上部指環12bによって形成されたこの円錐通路(円錐空間15)内にぴたりと嵌合することができる。上部指環12bの内部表面が円錐形状であることにより、一定の大きさの範囲内で異なる大きさの親指が、上部指環12b内に着座して嵌合することができる。一般的な場合に、円錐形状は、必ずしも円形の断面ではない。これは、円形若しくは非円形の類似形状の輪郭又は断片の組が、(輪郭全体若しくはその周囲の規定の直径で測定した際の)大きさを徐々に増減して互いの頂部に積層され、円錐台によく似た、一端が小さく他端が大きい三次元(3D)形状を形成すると解釈してもよい。端部の輪郭は基部、例えば頂基部及び底基部又は大基部及び小基部とも呼ばれる。断片の大きさの変化は、一端から他端に3Dの円錐台形状の空間を横切る時に起きる。円錐台形状の空間は、対称であっても非対称であってもよい。対称の円錐台は、円錐台側壁とその基部との間に同じ角度を有する一方で、非対称の空間は基部の外周を横切るので、側壁と基部との間に異なる角度を有する。
【0024】
円錐空間15は、類似した幾何形状特性を有する。親指がより小さいと、小端部15bに向かってわずかにより深く沈み、TEが、TEと同じ大きさの側壁15aに沿ってある点で円錐空間15内に落ち着いた時に止まる。この方法で円錐空間15は、一般的な手の大きさの妥当な範囲内で親指の大きさに自己調節する。大鋏を使用して良好に嵌合するために、使用者は、一切のいかなる他の調節をする必要なしに、親指がそれ以上動けなくなるまで親指を上部指環12bの中に押すだけである。
【0025】
様々な実施形態で、第2又は下部指環14bは、特定の場所で線又は軸Aに特定の関係で位置付けられてもよい。例えば下部指環は、本明細書に更に論じるように、軸Aの下、上、又は重なる位置に置かれてもよい。様々な実施形態で、下部指環14bは、
図2及び
図3に対して以下に更に記載されるように、手のその他の4指又はその他の4指の少なくとも一部によって把持されるように構成されて寸法化されてもよい。軸Aに対する指環の位置は、
図9及び
図10に対して更に記載されるように、軸Aに対して角度を付けて又は直線的にオフセットされてもよい。オフセットは、指環を軸の下に位置付けることもでき、
図9及び
図10に示されたオフセットと反対のオフセットから生じることができ、直線的及び角度が付いたオフセットの組み合わせも含むことができる。
【0026】
一部の実施形態では、第1又は上部指環12bは、親指が刃12a及び14aと実質的に位置合わせされた時に、親指と人差し指との間の母指球の指間腔又は皮膜を収容するために、左側面上に平坦な作動表面12dが連続している先端又は遠位端に凹んだ湾曲表面12fも含んでもよい、環状ループとして構成されてもよい。凹んだ湾曲表面12fは、大鋏10上の環をより固くすることができ、その操作を向上させる。
【0027】
様々な実施形態で、大鋏10は、(
図1に示されたように)右利き用又は左利き用であってもよく、上部指環12bは、上部指環12bから下部指環14bに延在する垂直平面を中心に裏返される。
【0028】
様々な実施形態で、作動時に使用者は、右手の親指を上部指環12b内の円錐空間15の中に挿入し、親指がそれ以上その方向に進めなくなるまで親指を小端部15bに向かって完全に延ばして押し下げる。この時点で、TEは、平坦な作動表面12cの上に載る。紙、ボール紙、プラスチック、薄い金属板、布、及び同種のものなどの材料のシートを切断する準備に刃12a及び14aを開くために、使用者の手は、外方に延在し、親指の裏(掌の反対側)は、操作表面12gに押し付けられて、刃12a及び14aを離間させる。操作表面12gは、刃12a及び14aを逆に作動する(刃を開く)ために、実質的に作動表面12dの向かいにあり、又は作動表面12dから実質的に分離する。材料を切断するために、使用者は、親指を除く4指を動かす筋肉及びTEの筋肉を使用して、手全体を握る。親指の2つの前区分は、作動表面12dと直接係合せず、それ故に大鋏の刃12a及び14aを閉じる力は、親指自体からではなく、TEを含む掌のより強い筋肉から発生する。この構成は、閉じる力をより強くすることができる。
【0029】
図2は、通常使用中の手の指の位置の仮想外形を示す、
図1に示された紙鋏又は大鋏の例示的左側面図である。様々な実施形態で、左側面図は、断面11-11、上部指環12b、ピボット16、レバー12及び14、並びに刃12a及び14aを示す。
【0030】
様々な実施形態で、親指が上部指環12bの中に挿入されて静止した時に、親指は、刃12a及び14a及び/又は軸Aに実質的に平行に位置付けられる。この位置では、大鋏10は、指よりむしろ手首及び手の全力を使用して、軸Aを中心に大鋏10を捻り、左右に動かし又は傾け、上下に動かし又は傾けるなどの様々なやり方で操作されてもよい。このような操作は、材料をわずかに異なる角度から切断するためにより良好な位置を得るために行われてもよく、これは厚い又は固い材料を切断する時に必要であることがある。指環12b及び14bを押し下げる時に、使用者は、拳を作るように手を握り、拳はより大きい筋肉を使用することに起因して、通常の紙鋏を使用して指を使うより強力である。この構成は疲労を低減し、操作をより容易にし、より強力にする。より大きい筋肉は、同じ作業をするのに小さい筋肉より効率的により長く作業することができるので、疲労は低減する。親指及びTEは上部指環12b内で円錐表面によってぴたりと包囲されるので、手が動き、捻り、上下又は左右に傾く時に、大鋏10は同じ動きを辿り、従って使用者の手の中で大鋏10が過度に物理的に傾いてずれることなく、効率的に操作される。
【0031】
図3は、少し開いた状態で大鋏を通常使用中の手の指の位置の仮想外形を示す、
図1に示された紙鋏又は大鋏の例示的左側面図である。様々な実施形態で、左側面図は、上部指環12b、下部指環14b、ピボット16、並びに刃12a及び14aを含む。
【0032】
様々な実施形態で、
図2に対して上に述べたように、親指が上部指環12bの中に挿入されて静止した時に、親指は、刃12a及び14a及び/又は軸Aに実質的に平行に位置付けられる。この位置では、大鋏10は、指よりむしろ手首及び手の全力を使用して、軸Aを中心に大鋏10を捻り、左右に動かし又は傾け、上下に動かし又は傾けるなどの様々なやり方で操作されてもよい。このような操作は、材料をわずかに異なる角度で切断するためにより良好な位置を得るために行われてもよく、これは厚い又は固い材料を切断する時に必要であることがある。指環12b及び14bを押し下げる時に、使用者は、拳を作るように手を握り、拳はより大きい筋肉を使用することに起因して、通常の紙鋏を使用して指を使うより強力である。
【0033】
図4は、
図1~3に示された紙鋏又は大鋏の(大鋏の親指ループから指ループに向かって見た時の)例示的平面図である。様々な実施形態で、平面図は、示されたように軸Aと軸Aから離れて曲がった上部指環12bの配向との間が角度θの上部指環12bを含む。平面図は、ピボット16、並びに刃12a及び14a、並びに中心軸A’も示す。
【0034】
様々な実施形態で、上部指環12bは中心軸A’を画定し、中心軸A’は、切断面CP又は軸Aから50°~60°の範囲内の角度θだけ傾け又は角度を付けてオフセットされる。好ましくは、角度θはほぼ55°に等しい。作動表面12dは、母指球又は親指の腹及び母指球筋にわたって均一に力を分配するために、以下で
図11に対して更に記載されるように実質的に平坦である。この表面にいかなる大きな湾曲又は山もなく、母指球筋上への力の集中が低減され又は回避され、使用者への大きな痛みの可能性を防止する。また工具により人間工学性及び使用の快適性を提供するために、平坦な作動表面12dは、上部指環12bと把持係合する間に手の形状に合わせるために、右側面から左側面に向かって上方に若干傾斜してもよい。平面の傾斜は、
図11に最も良く示されており、ここでは平面は、切断面CPに実質的に直角な面NPに対して左から右側面に下方に傾斜して示されている。傾斜角度γは、10°~20°の範囲内、好ましくは15°~17°の範囲内である。
【0035】
図5は、親指の最初の挿入中で、ハンドルを把持する前の手の位置の仮想外形を示す、
図1~4に示された紙鋏又は大鋏の(頂部と反対方向の)例示的底面図である。様々な実施形態で、底面図は、掌P、上部指環12b、下部指環14b、ピボット16、並びに刃12a及び14aを含む。
【0036】
様々な実施形態で、大鋏を使用する準備に、母指球TEが実質的に平坦な表面12dの上に載り、大鋏10を固定して保持するために折り畳んだ又は閉じた位置に親指を動かすことができるように、親指は上部指環12bの中に完全に挿入される。これは、
図8に対して以下に更に記載される。
【0037】
図6は、上部指環(親指ループ)の構成の詳細を示すために、右(左の反対方向)側面から見た際の例示的拡大断片図である。様々な実施形態で、断片図は、上部指環12b、下部指ループ又は指環14b、ピボット16、断面7-7、実質的に平坦な内部又は作動表面12dで形成された下部ループ部12c、右外側部又は縁部12e、及び操作表面12gを含む。断片図は、側壁15a、小端部15b、及び大端部15cを備えた円錐空間15を更に含む。
【0038】
様々な実施形態で、円錐空間15は、親指がその中に挿入される通路を生成する。この図に示されたように、親指は、円錐空間15の大端部15cから入り、TEが平坦な作動表面12d上に載るまで続ける。
図1に対して前に記載されたように、親指はこの位置で、切断するために固く把持して大鋏10を操作することができる。
【0039】
図7は、
図6の上部指環の例示的断面
図7-7である。様々な実施形態で、断面
図7-7は、上部指環12bの一部、下部ループ部12c、内部の平坦な作動表面12d、右外側部又は縁部12e、及び下部指環14bの一部を含む。
【0040】
様々な実施形態で、断面
図7-7は、大鋏10を使用する時に親指が載るはずである平坦な作動表面12dの詳細を示す。この図は、上部指環12bの角度の付いた輪郭の一部も示す。
【0041】
図8は、上部指環の下部構成、並びに手の母指球及び掌面に関連して配置される方法を示すために引き離した、先の図に示された紙鋏又は大鋏の例示的底面図である。様々な実施形態で、底面図は、上部指環12b、右外側部又は縁部12e、刃12a及び14a、並びにピボット16を含む。底面図は、母指球皮線TC、母指球TE、掌P、掌面PS、並びに手掌皮線PC1及びPC2を含む、手の骨格の様々な部分を更に示す。
【0042】
様々な実施形態で、親指が刃12a及び14aと実質的に位置合わせされた時に、一旦指が把持位置に曲げられると、右外側部又は縁部12eは、掌面PSと当接し、母指球皮線TCを越えて手掌皮線PC1及び/又はPC2と接触して置かれる。親指は、一旦
図3に示された位置に付くと、主に切断方向を安定させて導く働きをする一方で、下部指環14bに作用する他の4指を握る力に反対又は対抗する親指によって加えられた屈曲力を除去又は実質的に低減し、それらの力は掌によって吸収又は逆転される。このようにして母指球筋は、大鋏の作動中にあまり曲げる必要はなく、実質的に静止したままであることが可能であり、親指へのストレス及び負担を実質的に低減する。設計は人間工学的であるだけでなく、特に長時間の使用の疲労を回避しながら、又はより重い材料を切断しながら、大鋏をより快適で使いやすくさせる。
【0043】
図9は、両方の指環を軸(下部指環に最も近い軸)の上に位置付けるために両方の指環が大鋏の中心軸から角度を付けてオフセットされた、例示的大鋏である。様々な実施形態で、角度を付けた大鋏90は、上部指環12b、下部指環14b、ピボット16、刃12a及び14a、軸A、並びに軸Aと上部指環12bの上縁部との間の角度A1を含む。
【0044】
様々な実施形態で、角度を付けた大鋏90及びその構成要素の全てが構築され、ほとんどの態様では
図1の大鋏10と同じ方法で作動する。しかし上部指環12b及び下部指環14bは、軸Aに対して角度オフセットであるように設計される。指環の角度オフセットは、軸Aの上又は軸Aの下(図示せず)であってもよい。この構成は、一部の適用では使用者により適して便利であることがある。例えば切断される加工物が使用者の腰より低い表面上に置かれる場合は、軸Aの上の角度オフセットが、使用により便利であることがある。一方切断される加工物が下方に傾き使用者から離れている場合は、軸Aの下の角度オフセットが、より良好又はより自然な梃を提供することにより、使用がより便利で効率的になることがある。
【0045】
図10は、両方の指環を軸の上に位置付けるために両方の指環が軸から直線的にオフセットされた、例示的大鋏である。様々な実施形態で、オフセットの大鋏100は、上部指環12b、下部指環14b、ピボット16、刃12a及び14a、並びに軸Aを含む。
【0046】
様々な実施形態で、オフセットの大鋏100及びその構成要素の全てが構築され、ほとんどの態様では
図1の大鋏10と同じ方法で作動する。しかし上部指環12b及び下部指環14bは、軸Aに対して線形オフセットであるように設計される。指環の線形オフセットは、軸Aに平行に、軸Aの上にオフセットされてもよい。この構成は、一部の適用では使用者により適して便利であることがある。例えば切断される加工物が平坦な切断表面上に置かれ、オフセットの大鋏100の長さより長い場合は、平坦な切断表面の指環との干渉を除去することによって加工物を切断するために、線形オフセットの大鋏100の使用がより便利で効率的になることがある。このやり方で、下部指環14bは、加工物を切断する際に、平坦な切断表面に沿って摺動して前進することができる一方で、切断刃12a及び14aの軸Aを加工物(傾斜していない)と平行に保つ。
【0047】
図11は、
図2の指環の例示的断面
図11-11である。様々な実施形態で、断面
図11-11は、下部指環14b、上部指環12b、平坦な内部又は作動表面12d、右外側部又は縁部12e、及び図に示されたように平坦な作動表面12dと軸Aに垂直な中立面NPとの間の角度γの断面を含む。
【0048】
様々な実施形態で、断面
図11-11は、大鋏10(
図1参照)が刃12aと14aが接触している閉位置にある時に、上部指環12bと下部指環14bとの間の関係の別の図を示す。角度γは、大端部15cの外周の一部における円錐空間15の側壁の角度とも同じである。上述したように、上部指環12bによって形成された円錐空間15は円錐台ではなく、上部指環12bの輪郭によって画定された不規則な形状である。
【0049】
明記又は特定されない限り、工程に記載されたステップは順序付けられておらず、必ずしも記載され又は描かれた順に実行され又は起きなくてもよいことが理解されよう。例えばある工程においてステップBの前に記載された同じ工程におけるステップAは、実際にはステップBの後に行われてもよい。換言すれば、最終成果を達成するために工程におけるステップの集合は、そうではないと記載されない限り、いかなる順番で起こってもよい。
【0050】
上の発明を実施するための形態に照らして主張された開示に変更を行うことができる。上の記載は、本開示のある特定の実施形態を詳述し、企図された最良の態様を記載しているが、上記が本文にいかに詳細に現れていても、主張された開示は多くの方法で実施することができる。システムの詳細は、その実施の詳細においてかなり変化してもよい一方で、依然として本明細書に開示された主張された開示によって包含される。
【0051】
本開示のある特定の特徴又は態様を記載する時に使用した特定の専門用語は、その専門用語が関連する本開示のいかなる特定の特性、特徴、又は態様に限定されるように、専門用語が本明細書に再定義されることを示唆すると捉えるべきではない。概して以下の特許請求の範囲に使用された用語は、上の発明を実施するための形態の章が明らかにそのような用語を定義しない限り、主張された開示を本明細書に開示された特定の実施形態に限定すると解釈されるべきではない。従って主張された開示の実際の範囲は、開示された実施形態だけでなく、主張された開示を実施又は実装する全ての等しい方法も包含する。
【0052】
概して本明細書、及び特に添付の特許請求の範囲(例えば添付の特許請求の範囲の本文)に使用された用語は、概して「非限定」用語と意図されることが当業者には理解されよう(例えば用語「including(含む)」は「including but not limited to(含むがこれに限定されない)」と解釈されるべきであり、用語「having(有する)」は「having at least(少なくとも有する)」と解釈されるべきであり、用語「includes(含む)」は「includes but not limited to(含むがこれに限定されない)」と解釈されるべきである、その他)。導入された特許請求の範囲の列挙に特定の数が意図される場合、このような意図は特許請求の範囲に明確に列挙され、このような列挙がない場合はこのような意図は存在しないことを当業者には更に理解されよう。例えば理解の支援として、以下に添付された特許請求の範囲は、特許請求の範囲の列挙を導入するために導入語句「少なくとも1つ」及び「1つ又は複数」の使用を含有してもよい。しかしこのような語句の使用は、同じ特許請求の範囲が導入語句「1つ若しくは複数」又は「少なくとも1つ」、並びに「a」又は「an」などの不定冠詞を含む時であっても、不定冠詞「a」又は「an」による特許請求の範囲の列挙の導入が、このように導入された特許請求の範囲の列挙を含有するいかなる具体的な特許請求の範囲も、このような1つの列挙のみを含有する開示に限定することを示唆すると解釈されるべきではなく(例えば「a」及び/又は「an」は、典型的には「少なくとも1つ」又は「1つ若しくは複数」を意味すると解釈されるべきであり)、特許請求の範囲の列挙を導入するために使用された定冠詞の使用にも同じことが言える。加えて導入された特許請求の範囲の列挙の特定数が明白に列挙されている場合であっても、このような列挙は、典型的には少なくとも列挙された数を意味すると解釈されるべきであると、当業者には認識されよう(例えば他の修飾語なしに「2つの列挙」の単なる記載は、典型的には少なくとも2つの列挙、又は複数の列挙を意味する)。更に「A、B、及びC、その他の少なくとも1つ」に類似した慣用が使用されるような場合、概してこのような構造は、当業者が慣用を理解するはずである意味に意図される(例えば「A、B、及びCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、及び/又はA、B、及びCを一緒に、その他を有するシステムを含むはずであるが、これに限定されない)。「A、B、又はC、その他の少なくとも1つ」に類似した慣用が使用されるような場合は、概してこのような構造は、当業者が慣用を理解するはずである意味に意図される(例えば「A、B、又はCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、及び/又はA、B、及びCを一緒に、その他を有するシステムを含むはずであるが、これに限定されない)。本明細書、特許請求の範囲、又は図面のいずれにおいても、複数の代替用語が存在する事実上のあらゆる離接語及び/又は語句は、用語の一方、用語のいずれか、又は用語の両方を含む可能性を企図すると理解するべきであることが、当業者には更に理解されよう。例えば語句「A若しくはB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されよう。「A/B」の形のあらゆる語句は、「A」、「B」、「A若しくはB」、又は「A及びB」のいずれか1つを意味するものであることが更に理解される。この構造は、語句「及び/又は」自体を含む。
【0053】
上の詳述、例、及びデータは、主張された開示の製造及び使用の完全な記載を提供する。主張された開示の多くの実施形態は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができるので、本開示は以下に添付された特許請求の範囲に存在する。本開示は開示された実施形態に限定されるのではなく、全てのこのような修正形態及び等価の構成を包含するように、最も広い解釈の精神及び範囲内に含まれる様々な構成を網羅することを意図することがさらに理解される。
【符号の説明】
【0054】
10 大鋏
12 レバー
12a 刃
12b 第1又は上部指環
12c 下部ループ部
12d 実質的に平坦な作動表面
12e 右外側部又は縁部
12f 凹んだ湾曲表面
12g 操作表面
14 レバー
14a 刃
14b 第2又は下部指環
15 円錐空間
15a 円錐側壁
15b 小端部
15c 大端部
16 ピボット
90 角度を付けた大鋏
100 オフセットの大鋏
A 長手方向軸
A’ 中心軸
CP 中間切断面
NP 中立面
P 掌
PC1 手掌皮線
PC2 手掌皮線
PS 掌面
TC 母指球皮線
TE 母指球
【外国語明細書】