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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130350
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】銃器分析デバイス
(51)【国際特許分類】
   F41A 19/01 20060101AFI20220830BHJP
【FI】
F41A19/01
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022027511
(22)【出願日】2022-02-25
(31)【優先権主張番号】10 2021 104 517.7
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】507101668
【氏名又は名称】ヘックレル・ウント・コッホ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・シュタイガー
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ショイエルマン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス アレクサンダー・コップ
(72)【発明者】
【氏名】ディートリヒ・ゲーベルト
(72)【発明者】
【氏名】ディーター・リンプ
(57)【要約】
【課題】 武器から放出されたショットから、銃器を示すパラメータを判定するための銃器分析デバイスのみならず、対応する方法、対応する銃器、およびコンピュータプログラム製品を提供する。
【解決手段】 このデバイスは、発砲中に発生する可動武器部品の逆反動移動および/または反動移動中に交流電圧(Ue)を生成する電圧生成ユニットを備える。このデバイスは、生成されたAC電圧(Ue)から測定信号(IN)を生成する信号処理ユニットと、可動武器部品の逆反動移動および/または反動移動中、第1の時点および第2の時点を判定する信号評価ユニットと、第1の時点と第2の時点との間の時間周期期間を判定する時間判定ユニットとによって特徴付けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発砲操作中の可動武器部品の逆反動移動および/または反動移動中に交流電圧を生成するように構成された電圧生成ユニットを備え、発砲されたショットからの銃器の指標としてパラメータを判定するための銃器分析デバイスであって、
生成された前記AC電圧から測定信号を生成するように構成された信号処理ユニットと、
前記可動武器部品の前記逆反動移動および/または反動移動中の第1の時点および第2の時点を判定するように構成された信号評価ユニットと、
前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間間隔期間を判定するように構成された時間判定ユニットと、
を備えることを特徴とする、銃器分析デバイス。
【請求項2】
前記信号処理ユニットはまた、前記生成されたAC電圧から基準信号を生成するように設定され、前記信号評価ユニットは、前記測定信号と前記基準信号との時間曲線の比較に基づいて、前記第1の時点および前記第2の時点を判定するように設定される、請求項1に記載の銃器分析デバイス。
【請求項3】
前記電圧生成ユニットは、
少なくとも2つの磁極と、
コイルと、を備え、
前記少なくとも2つの磁極は、ショットの発砲に応じて、前記コイルに対する経路を移動するように連続して配置され、これにより、反動移動および逆反動移動それぞれの間に前記コイルにAC電圧を誘導するように、おのおのが互いに反対の極性を有する連続する極が、前記コイルを連続して通過する、請求項1または請求項2に記載の銃器分析デバイス。
【請求項4】
前記測定信号が、前記基準信号または前記基準信号から導出されたしきい値を超える、または下回るときにしたがって、前記第1の時点を判定するために、および、
前記測定信号が、前記基準信号または前記基準信号から導出されたしきい値を再び超える、または下回るときにしたがって、前記第2の時点を判定するために、
前記信号評価ユニットが配置される、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の銃器分析デバイス。
【請求項5】
前記可動武器部品の単一の反動移動または単一の逆反動移動の前記測定信号内の前記第1の時点および前記第2の時点を判定するために、
前記測定信号に基づいて、前記電圧生成ユニットが、前記測定信号の基礎となる前記AC電圧を生成する経路上の対応する第1の位置および対応する第2の位置を、前記第1の時点および前記第2の時点に割り当て、
前記時間判定ユニットと、前記第1の位置と前記第2の位置との間の距離とによって判定される前記時間間隔期間から、反動移動または逆反動移動中の前記可動武器部品の速度を判定する、
前記信号評価ユニットが配置される、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の銃器分析デバイス。
【請求項6】
前記信号処理ユニットは、前記信号評価ユニットの動作のための供給電圧を、前記AC電圧に基づいて提供する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の銃器分析デバイス。
【請求項7】
前記信号処理ユニットは、前記基準信号を、生成中に、整流する電圧を整流するための整流回路を備える、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の銃器分析デバイス。
【請求項8】
前記信号処理ユニットは、前記測定信号を、生成中に、前記整流回路またはその一部によって、半波整流するように構成された、請求項7に記載の銃器分析デバイス。
【請求項9】
前記整流回路は、電圧増倍器回路、特にドロン回路である、請求項7または請求項8に記載の銃器分析デバイス。
【請求項10】
前記信号評価ユニットは、
前記時間判定ユニットによって判定される前記時間間隔期間にわたる2つの連続する逆反動移動または反動移動の間の時間距離を判定し、前記第1の時点は、逆反動移動中に生成された前記測定信号の終了に対応し、前記第2の時点は、この逆反動移動に続く反動移動中に生成された前記測定信号の開始に対応し、
2つの連続する逆反動移動または反動移動の間の前記時間距離に基づいて、ショットが連続発砲または単一発砲のどちらで発砲されたかを判定するように構成され、
複数の反動移動間の前記時間距離、または複数の反動移動が、所定の時間距離制限を下回る場合に、前記発砲は、連続発砲で発生し、
他のすべての場合、前記ショットは単一発砲で発砲されたと判定する、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の銃器分析デバイス。
【請求項11】
前記信号評価ユニットは、発砲レートを判定するように構成され、これによって、
前記時間距離制限値および/または少なくとも1つの追加の時間距離しきい値に基づいて、おのおのに発砲レートが割り当てられることができる少なくとも2つの時間距離範囲を規定し、
これら時間距離範囲のどれに、前記時間距離が存在するかを判定する、請求項10に記載の銃器分析デバイス。
【請求項12】
前記信号評価ユニットは、基準信号が存在するときに、以下のルール、
if(測定信号≧基準信号)
デジタル測定信号=1
else if(測定信号≦U0)
デジタル測定信号=0
else
デジタル測定信号=空
ここで、U0≦最小(基準信号)、
にしたがって、前記測定信号を、デジタル測定信号に変換するように設定される、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の銃器分析デバイス。
【請求項13】
前記電圧生成ユニットは、前記可動武器部品を一意に識別する信号を生成するように構成される、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の銃器分析デバイス。
【請求項14】
前記信号評価ユニットは、前記デジタル測定信号が「1」または「0」である信号部分のシーケンスに基づいて、前記測定信号が、前記可動武器部品の逆反動移動に基づくか、または反動移動に基づくかを判定するように設定される、請求項12または請求項13に記載の銃器分析デバイス。
【請求項15】
前記可動銃器部品の前記逆反動移動および/または反動移動の加速度を判定することができる加速度センサを備える、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の銃器分析デバイス。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の銃器分析デバイスを備える、銃器。
【請求項17】
- 発砲操作中の可動武器部品の逆反動移動および/または反動移動中に生成されたAC電圧の検出を備え、発砲されたショットから、銃器を示すパラメータを判定するための方法であって、
- 前記生成されたAC電圧に基づく少なくとも1つの測定信号を提供することと、
- 前記可動武器部品の逆反動移動および/または反動移動の少なくとも1つの第1の時点および1つの第2の時点を判定することと、
- 前記第1の時点と第2の時点との間の少なくとも1つの時間間隔期間を判定することと、
を備えることを特徴とする、方法。
【請求項18】
前記生成されたAC電圧に基づく基準信号を提供することを備え、前記第1の時点および前記第2の時点は、前記測定信号と前記基準信号との比較から判定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記測定信号が、前記基準信号または前記基準信号から導出されたしきい値を超えるまたは下回る時点に基づいて、前記第1の時点を判定することと、
前記第1の時点後、前記測定信号が、前記基準信号または前記基準信号から導出されたしきい値を再び超える、または下回る時点に基づいて、第2の時点を判定することと、
をさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記可動武器部品の単一の反動移動および/または単一の逆反動移動の前記測定信号内の前記第1の時点および第2の時点を判定することと、
前記第1の時点と前記第2の時点との間の以前に判定された時間間隔期間と、前記測定信号の基礎となる前記AC電圧が生成される経路の長さとによって、前記可動武器部品の逆反動移動および/または反動移動の速度を判定することと、
をさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記可動武器部品の前記反動移動または逆反動移動の前記測定信号内の少なくとも1つのさらなる第1の時点および少なくとも1つのさらなる第2の時点を判定することと、
前記第1の時点および第2の時点によって、および、少なくとも1つのさらなる第1の時点と少なくとも1つのさらなる第2の時点とによって規定された、少なくとも2つの連続する時間間隔の間、前記可動武器部品のそれぞれの速度を判定することと、
前記少なくとも2つの連続する時間間隔の間で判定された速度と、時間距離とから、反動移動または逆反動移動中の前記可動武器部品の加速度を判定することと、
をさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記基準信号を生成するために、前記AC電圧に基づく信号が整流される、請求項17から請求項21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記測定信号を生成するために、前記AC電圧に基づく信号が、半波整流される、請求項17から請求項22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記基準信号を生成するために、前記AC電圧に基づく信号が追加される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
逆反動移動中に生成される測定信号の終了を、前記第1の時点として、この逆反動移動に続く反動移動中に生成される測定信号の開始を、前記第2の時点として判定することと、
前記時間間隔期間に基づいて、前記可動武器部品の複数の逆反動移動または複数の反動移動の間の前記時間距離を判定することと、
前記銃器が連続発砲で発砲でき、複数の逆反動移動および反動移動が検出され、前記時間距離が、時間距離しきい値を下回る場合は、連続発砲で前記発砲が発生し、そうでない場合は、単一発砲で前記発砲が発生したと判定することと、
をさらに備える、請求項17から請求項24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記時間距離制限値および/または少なくとも1つのさらなる時間距離制限値に基づいて、おのおのが発砲レートを割り当てることができる少なくとも2つの時間距離範囲を規定することと、
前記時間距離がどの時間距離範囲にあるかにしたがって、ショットレートを判定することと、
をさらに備える、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記基準信号が存在するときに、以下のルール、
if(測定信号≧基準信号)
デジタル測定信号=1
else if(測定信号≦U0)
デジタル測定信号=0
else
デジタル測定信号=空
ここで、U0≦最小(基準信号)、
にしたがって、前記測定信号からデジタル測定信号を生成することを備える、請求項17から請求項26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記デジタル測定信号が「0」または「空」から「1」に変化したときの後、前記第1の時点を、前記デジタル測定信号が「1」または「空」から「0」に変化したときの後、前記第2の時点を判定することを備える、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記デジタル測定信号が途切れることなく「1」または「0」である信号部分のシーケンスに基づいて、前記測定信号が、前記可動武器部品の逆反動移動に、または反動移動に基づくかを判定することをさらに備える、請求項27または請求項28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この特許出願は、2021年2月25日に出願された独国特許出願第102021104517.7号の利益および優先権を主張し、その全内容は本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、銃器、より具体的には、銃器分析デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
この出願では、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの位置指定は、水平に配置された照準軸を有し、射手から離れて前方に発砲する通常の発砲位置に保持された銃器を指す。
【0004】
ショットが銃器で発砲されたか否かを記録し、これにより、銃器で発砲されたショットをカウントするために、ショットカウンタを利用する方法が知られている。特に、電気信号を利用して、発砲されたショットの数をカウントするショットカウンタが知られている。この信号は、ショットが発砲されたとき、武器に取り付けられている磁気コイル配置によって誘導される電圧からなる。
【0005】
米国特許第8,046,946B2号明細書(パッカーエンジニアリング社)は、特定のソレノイドコイル配置を含む銃器用のショットカウンタデバイスについて説明している。この場合、コイルは、磁化不可能な要素上に逆ループを有する連続巻線によって形成され、それによって、隣接する磁化可能なコイル要素の誘導電圧が加えられる。したがって、この設定により、掃引可動棒磁石によって誘導される界磁電流が蓄積し、最大の整流総電流となるまで加えられる。結果的に得られる信号は、発砲されたショットの数を判定するための基礎として機能する。
【0006】
欧州特許第3140605B1号明細書(ヘックラー&コッホ有限会社)は、交互分極永久磁石が、ブリーチの反動および逆反動の移動中に、軟磁性コアでコイルを掃引するソレノイドコイル配置を備えた、例示的なバッテリ不要のショットカウンタの例を開示する。コイル巻線は、軟磁性のタイン型コアまたはそのタインのうちの1つを囲んでいる。米国特許第8,046,946B2号明細書(パッカーエンジニアリング社)に説明されているコイルとは異なり、このコイルは、反転ループを示さず、この場合、タインが使用されるため、つまり、永久磁石がコイルを掃引するとき、電圧ではなく磁場が加えられ、次に、永久磁石は、逆方向の電圧増幅、つまり(加えられていない)AC電圧を有する一連の電圧パルスを生成する。このようにして取得された追加の位相情報に基づいて、この信号は、発砲されたショットの数だけでなく、ブリーチの逆反動と反動移動とを区別することを可能にする。
【0007】
たとえば、知られているショットカウンタの情報を使用すると、銃器の発砲に関して得られた情報や、知られているショットカウンタから得られた情報によって、銃器の摩減について結論を導き出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第8,046,946B2号明細書
【特許文献2】欧州特許第3140605B1号明細書
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、電圧生成ユニットを備えた銃器の一部を示す図である。
図2a図2aは、銃器のブリーチスライドが電圧生成ユニットに対して後方に移動したときの誘導コイルにおけるフル電圧信号を示す図である。
図2b図2bは、銃器のブリーチスライドが電圧生成ユニットに対して前方に移動したときの誘導コイルにおけるコンプリート電圧信号を示す図である。
図2c図2cは、ブリーチ復帰信号およびブリーチ前進信号を有する電圧生成ユニットで、銃器が発砲されたときの、誘導コイルにおけるコンプリート信号を伴う電圧波形を示す図である。
図3a図3aは、使用可能な電圧を生成するための磁石およびコイルの配置を示す図である。
図3b図3bは、使用可能な電圧を生成するための磁石およびコイルの配置を示す図である。
図3c図3cは、使用可能な電圧を生成するための磁石およびコイルの配置を示す図である。
図3d図3dは、使用可能な電圧を生成するための磁石およびコイルの配置を示す図である。
図4図4は、信号を生成、処理、および評価するための回路を示す図である。
図5図5は、信号を生成、処理、および評価するための回路を示す図であり、ここでは、ドロン回路が信号処理に利用されている。
図6図6は、ドロン回路を示す図である。
図7図7は、測定信号および基準信号のシーケンス、ならびに第1の時点および第2の時点、および測定信号のデジタル化の例を示す図である。
図8a図8aは、デジタル測定信号の一意性を示す図である。
図8b図8bは、デジタル測定信号の一意性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
すべての図は、同じまたは類似の要素に対して、全体を通して同じ参照記号を利用する。これにより、ある図の説明は、必要な変更を加えて他の図にも適用される。
【0011】
本開示は、銃器、より具体的には、銃器分析デバイス、銃器から放出されるショットを示すパラメータを判定するための銃器分析デバイス、および、そのような銃器分析デバイスによって、銃器から放出されるショットを示すパラメータを判定するための対応する銃器分析方法に関する。本開示はまた、銃器分析デバイスを含む銃器を備える。さらに、本開示はまた、方法ステップのいくつかを実行するためのコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム製品を備える。
【0012】
以下に説明される銃器分析デバイスは、基本的に、発砲および他の銃器部品の動きであるショットを、分析およびカウントするのに適している。たとえば、銃器の手動での装填または装填解除中のブリーチの動きも、検出、分析、および必要に応じてカウントすることができる。
【0013】
分析中、銃器、特に銃器の部品の動きについて、指標となるパラメータが判定される。これは、たとえば、発砲されたショットの数、発砲の日時、発砲の期間、ならびに銃器の部品の動きの速度、加速度、および時間間隔などのパラメータを含む。さらに、ケイデンスおよび発砲モード(連続発砲、単一発砲)を判定できる。
【0014】
銃器は、たとえば、短い武器または長い武器とすることができる。以下の説明の範囲内で、ブリーチブロック、ブリーチ機構、およびスライドは、発砲中に動く武器部品の例として機能し、グリップまたは武器ハウジング要素は、静止した武器部品の例として機能する。原則として、ショットが発砲されたときに相互に移動するすべての武器部品は、信号を生成するために利用できる。特に、これは、一方では、武器が装填されたとき、または他の同等の出来事の間に移動する一方、他方では、これらに対して静止したままである、部品を含む。この点に関して、判定されるパラメータはまた、それぞれ可動武器部品に関する特定の情報を提供し、これにより、銃器分析デバイスは、たとえば、スライドなどの、対応する武器部品に関するデータのセンサとしても機能できる。
【0015】
説明された例では、電圧生成ユニットは、銃器の可動部品、たとえば銃器のスライドまたはブリーチに一列に配置された交互極永久磁石を有することができる。したがって、可動部品が前方または後方に移動すると、永久磁石は、たとえば銃器のグリップに配置された軟磁性コアを備えた静止コイルに対する経路におけるそれらの交互極の端部で移動する。永久磁石は、コイルを順に通過し、これにより、交互極性により交流電圧信号を誘導する。
【0016】
欧州特許第3140605B1号明細書(ヘックラー&コッホ有限会社)に説明され、図1に示されるショットカウンタの例を使用して、電圧生成ユニットの可能な例の例を、最初に説明する。
【0017】
したがって、示される電圧生成ユニット110は、たとえば、第1の磁極113、第2の磁極111、およびコイル114を備える。これにより、第1および第2の磁極111、113は、互いに反対の極性を有するように順に配置され、発砲されるショットに応じて、コイル114に対する経路上を移動する。そうすることで、第1および第2の磁極111、113は、反動移動または逆反動移動中に、それぞれ連続してコイルに反対の符号の電圧を誘導するように、連続してコイルを通過する。第1および第2の磁極113、111は、ここでは、銃器100のスライド120内に配置される。軟磁性コアおよびコイル114は、グリップ130に配置される。軟磁性コアは、3つのプロングで構成され、コイル114は、中央プロングの周りに巻かれる。
【0018】
より一般的には、2つ以上の交互分極永久磁石の任意の配置が適切である。特に、配置は、偶数の2N個の永久磁石からなる。複数のコイルが存在する場合もあり、コイル/複数のコイルは、他の形状を示す場合がある。
【0019】
偶数の永久磁石の配置により、スライドが前後に移動すると、逆方向の電圧増幅を有する2つの異なる電圧波形が誘導される。図2aおよび図2bは、ここでは、軟磁性コアを備えた2つの永久磁石およびコイルの場合である、反動移動および逆反動移動中の、そのような電圧特性の例(それぞれ、図2aおよび図2b)を示す。
【0020】
図2aは、ショット放出によって引き起こされたスライド反動中の、第1のコイル端子と第2のコイル端子との間の電圧の経時的な電圧波形U(t)を表す。第1または第2の磁石がコイル114の領域に移動する前に、電圧値U0が測定可能である。第1の磁石113が、コイルコアの中央プロングの領域に入ると、磁場がその領域で変化し、第1の電圧スイングU1を誘導する。その後、第2の磁石111が、コイルコアの中央タインの領域に入ると、磁場は180°反転し、これにより、U2である第2の電圧スイングを誘導する。極性の反転により、その経過は、U1である第1の電圧スイングの経過と反対になり、場強度における相対的な変化が大きいため、その増幅は、U1である第1の電圧スイングの増幅よりも大幅に大きくなる。示される例では、第2の電圧スイングU2の増幅は、U1である第1の電圧スイングの増幅よりも少なくとも1.5倍大きい。磁石が、コイルコアの中央プロングの領域を再び離れるとすぐに、中央プロングにおける磁場が弱まる。磁場におけるこの新たな変化は、U3である第3の電圧スイングを引き起こす。しかしながら、極性の反転は、弱化に関連付けられていないので、U3である第3の電圧スイングの増幅は、U2である第2の電圧スイングの増幅よりもはるかに小さい。示される例では、U2である第2の電圧スイングの増幅は、U3である第3の電圧スイングの増幅の少なくとも1.5倍である。U3である第3の電圧スイングの後、電圧は、U0である永久電圧値に戻る。
【0021】
U(t)の電圧曲線は、U01、U30の電圧スイングが小さいことも示す。U01の第1のより小さな電圧スイングは、第1の磁石113が、コイル巻線なしで、前方タインを通過するときに発生する。U30の第2のより小さな電圧スイングは、第2の磁石111が、コイル巻線なしで、後方タインを通過するときに発生する。
【0022】
逆反動移動中に誘導される電圧曲線は非常に類似しているが、符号が逆である。これは、図2bにおけるU0、U4、U5、U6、U04、およびU60の対応する電圧値で示される。
【0023】
符号に加えて、反動移動と逆反動移動の信号も、増幅の大きさおよびその期間において、量的に異なる。これは、たとえば図2cにおいて見ることができる。スライド反動から生じる信号は、t1である第1の時間範囲内で見られ、スライド逆反動から生じる信号は、t2である第2の、後の時間範囲内で見られる。したがって、ここでわかるように、この場合、t1はt2よりも短い。これは、発砲によって直接引き起こされるスライドの反動移動が、スライドばねによって引き起こされる逆反動移動よりも高速で発生するという事実によるものである。より高速な反動はまた、磁場におけるより高速な修正を提供し、これにより、より高い誘導電圧を提供する。したがって、電圧値U2はまた、電圧値U5よりも高い。
【0024】
そのような誘導された信号は、その後、分析のために、たとえばマイクロコントローラからなる信号評価ユニットに供給され得る。この前に、信号は、フィルタ回路、整流回路、または増幅器回路などの1つまたは複数の信号処理ユニットにおいてさらに処理および/または前処理することができる。
【0025】
さらに、3つ以上のソレノイド111、113が利用される場合、信号はそれに応じて拡張することができる。より長い信号は、たとえば、電圧を累積する回路によって増幅することができる。次に、電子ペーパディスプレイなどの追加の構成要素に電圧を供給するために、対応する長持続性の強い信号を利用することもできる。
【0026】
製造プロセスにより、移動中に、移動する武器部品と、静止する武器部品との間に様々な距離が存在する可能性がある。距離は、武器ごとにも異なる。磁場強度は、距離の2乗で変化するので、信号強度は、これら許容誤差によって大きく異なる。これにより、信頼性の高いショット検出が問題になる可能性がある。たとえば、必要な一般的な信号しきい値は、信号の相違のため、確実に確立するのが難しい場合がある。そして、たとえば、前述した信号変動のために、可能なショットリリースまたは手動スルーロードを判定するための信号しきい値の一般的な許容範囲設定を、実際に実施することは困難である。変動に加えて、距離が長すぎるため、信号が、全体的に弱すぎる可能性がある。したがって、最終的には、信号変動を低減するか、および/または、必要なしきい値を動的に判定する、つまり、個々の信号変動を考慮する必要がある。それに加えて、またはおそらくこれとは無関係に、測定された信号が、意味のある測定のために十分に強いことを常に保証する必要がある。
【0027】
理論的には、永久的なスライド接点、またはバネ式の接点信号生成要素を利用することができる。それらは、永久的なコアとコイルコアとの間の距離、その結果として、距離の2乗として正確に信号強度に入るこれら許容誤差を、十分一定かつ低く維持する。しかしながら、実際には、これには、かなりの追加の設計作業が必要になる。
【0028】
誘導電圧を増加させるための1つの有利な製造ソリューションは、永久磁石のいくつかの行を平行に、すなわち互いに隣接して配置することである。特に、2N個の永久磁石を利用することができる。この場合、図1についてすでに説明した3角の軟磁性コアを備えたコイルは、90°回転する。たとえば、機器によって引き起こされる、信号生成磁石とコイルとの間の距離が大きいか、または異なることによって、図1に示されるような信号生成磁石の配置に困難が生じる場合、磁石は、ショットカウンタデバイスの移動部品における交互極性を有するいくつかの平行な行に組み立てることができる。
【0029】
図3a~図3dは、3角の磁化可能なコアおよび交互分極永久磁石の行を備えたコイルの配置のいくつかの例を示す。追加の軟磁石で列を拡張することにより、信号を増幅および延長することができる。たとえば、欧州特許第3140605B1号明細書(ヘックラー&コッホ有限会社)において説明されているように、たとえばマイクロコントローラなどの信号評価ユニットを動作させるために、誘導電圧も利用される場合、利用可能な動作電圧の期間は、直列に配置された磁石の数に依存する。直列に配置された磁石が多いほど、信号期間が長くなり、これにより、信号処理のために利用可能な動作電圧の期間が長くなる。
【0030】
図3aは、直列に配置され、三叉コアを備えたコイル上を掃引する4つの交互分極永久磁石301~304を概略的に示す。タイン321~323は水平方向に配置される。各長方形は、上から見たときの、1つのタイン321~323を表す。磁石は、矢印の方向にコイルを掃引する。磁石を一列に配置することにより、誘導信号が延長されるが、まだ増幅されていない。
【0031】
図3bは、永久磁石の行が垂直方向に、すなわち平行に配置されている配置を概略的に示す。この事例では、合計12個の永久磁石301~312が存在し、極性は、水平方向と垂直方向との両方で交互する。ここでは、三叉コアを備えたコイルが90°回転し、プロング321~323が垂直方向に沿って配置される。コアのタインは、それぞれ3つの磁石によって同時に掃引される。これにより、コアで生成される磁場の場強度が増加する。これはまた、コイルに誘導される電圧を増加させ、これにより、信号強度を増加させる。このようにして、信号が弱すぎることなく、永久磁石とコイルとの間の距離を大きくすることができる。
【0032】
図3cおよび図3dは、それぞれ2行および8つの永久磁石のみを備えた図3bに示される配置の変形例を概略的に示す。
【0033】
永久磁石の特定の配置は、たとえば、それらが配置されている中または上にある武器部品を識別するために利用することもできる。たとえば、異なるブリーチシステムをコード化することができ、これにより、永久磁石の対応する選択および永久磁石配置の長さによって識別することができる。たとえば、FXまたはUTMの練習用ブリーチシステムは、標準的な実弾ブリーチシステムとはブリーチが異なり、ペイントマークの付いた弾薬を使用した現実的な練習で使用される。これらは、たとえば、より長いまたはより短い、永久磁石のアレイを有することができる。たとえば、標準的なスライドは、4つの永久磁石を含めることができるが、練習用のスライドは、5つまたは6つの永久磁石を含めることができる。これを区別する別の手法は、様々なサイズおよび強度の磁石を使用し、それらの上に様々なクロージャをコーディングすることである。両方のアプローチを組み合わせることもできる。たとえば、2N+1個の奇数の磁石を利用し、たとえば、追加の(2N+1)番目の磁石を、はるかに小さく、または弱くなるように選択できるか、または、その前の磁石からの距離を、他の磁石間の距離に一致させることはできない。この磁石の信号は、信号全体で認識できるため、磁石の数が奇数であっても、逆反動と反動移動とを区別することができる。信号評価に利用されるマイクロコントローラでは、これらスライドコーディングは、その後、認識および評価のためにそれに応じて蓄積することができる。
【0034】
測定信号に加えて、たとえば、動的しきい値、すなわち、これにより、時間の経過および個々の形状に依存するものとして、組み込み可能な基準信号を生成することができる。例のこの態様および他の態様について、以下で説明する。
【0035】
図4は、信号評価ユニット420に供給される測定電圧INおよび任意選択の追加の基準電圧Vinを生成するための例示的な回路のブロック図を示す。この場合、UeのAC電圧は、電圧生成ユニット401によって、この例ではコイルによって、誘導的に生成される。測定信号および基準信号は、信号処理ユニット410において生成される。信号処理ユニット410は、たとえば、電圧を整流するためのADCおよび整流回路のみを備えることができ、および/または、さらなる要素を備えることができる。たとえば、整流器を利用することは、測定信号INを、半波整流でき、基準信号Vinを整流できることを意味する。次に、ADCによって、信号評価ユニット420のために処理できる信号を、IN+およびVinから生成することができ、これら信号を、信号評価ユニット420において評価できる。
【0036】
さらに、図4に示されるように、1つまたは複数の時間判定ユニット450を提供できる。1つまたは複数の時間判定ユニット450は、異なる時点間の経過時間を測定するために利用できる。
【0037】
1つの例では、タイミングユニットのうちの1つのタイミングユニットは、たとえば、タイマと組み合わせた内部または外部サイクルソースを備える。これにより、タイマは、サイクルをカウントし、個々のサイクル間の時間間隔を認識する。その後、これから時間を計算できる。
【0038】
タイミングユニットのうちの1つのタイミングユニットには、負荷全体で規定された方式で放電するコンデンサを含めることもできる。この場合、コンデンサは、反動移動および/または反動逆移動中に生成されたAC電圧Uを介して、各ショット信号で、電気的に充電され、その後、整流され、たとえば抵抗器である負荷を介して、規定された方式で放電する。これにより、信号評価ユニット420が、もはや利用可能な動作電圧を有していない場合でさえ、コンデンサは、負荷全体に連続的に放電する。信号評価ユニット420は、ショットが発砲された後、再び供給電圧を供給されるとすぐに、アナログデジタル変換器によってコンデンサにおける電圧を測定し、それを評価する。これにより、時間間隔/時間期間は、コンデンサの放電の程度またはコンデンサの電圧によって推定される。
【0039】
それに加えて、出力電圧Uを使用して、信号評価ユニット420および時間計算ユニット450を動作させるための供給電圧Vccを生成できる。
【0040】
図5は、整流用の信号処理ユニット410が、電圧増倍器回路、特に信号倍増回路、特にドロン回路を備える例を示す。
【0041】
図6は、そのようなドロン回路600を示す。ドロン回路は、それぞれ2つのダイオードD1とD2(一方向整流回路)と、下流に接続された負荷(図示せず)を備えた2つのコンデンサC1およびC2とで構成されている。ここで、時間制限のあるAC信号(たとえば、ショットの発砲中に誘導される信号)Uが、ドロン回路に結合されると、以下が発生する。
【0042】
ダイオードD1は、AC電圧信号Uの正の半波から、脈動DC電圧を生成する。ダイオードD2は、AC電圧信号の負の半波から、脈動DC電圧を生成する。2つのダイオードD1およびD2の逆電圧は、結合されたAC電圧信号のピーク値の少なくとも2倍の大きさである必要がある。これにより、2つのコンデンサC1およびC2は、ほぼAC電圧信号Uのピーク値まで交互に充電される。2つのダイオードD1およびD2の出力における整流電圧Uは、結合されたAC電圧信号のピーク値の少なくとも2倍の高さである必要がある。その場合、ドロン回路の出力において整流された電圧Uは、無負荷の場合における結合AC電圧信号のピーク値の約2倍である。
【0043】
図5に戻って示すように、コイルが、401の交互分極永久磁石によって掃引されるとき、コイルにおいて、AC電圧Uが誘導される。以下では、AC電圧Uとしてコイル401において直接測定可能なU信号が、ベース信号/出力信号INと呼ばれる。INの定性曲線は、プロット531に示される。その後、測定信号INおよび基準信号Vinが、信号処理ユニット410におけるINから生成される。INおよびVinの定性的な進行は、プロット533および535に示される。それに加えて、この例では、信号評価ユニット420を動作させるための540動作電圧Vccを生成するために、線形レギュレータが利用される。
【0044】
基準信号Vinを生成できるようにするために、電圧は、ダイオードD511およびD512の両方を介してタップされる。これは、コンデンサC511およびC512に印加される電圧の合計に対応し、理論的には、両方のコンデンサが完全に充電されるまで、半波ごとに増加する。したがって、ベース信号INは、ドロン回路において通常の手法で整流され、加えられる。電圧は、理論的には2倍になる。しかしながら、実際には、ダイオードD511およびD512のおのおのを通過する場合、次に、ダイオードに依存する電圧損失ΔU、たとえば、0.3Vが存在する。したがって、ドロン回路を通過した後に存在する信号の電圧は、2×ΔU、この場合、たとえば、0.6Vだけ減少する。基準信号Vinは、ドロン回路に続く分圧器によって、さらに低い電圧に下げることができる。
【0045】
測定信号INを生成するために、この例では、基本信号INが、信号処理ユニット41において半波整流され、それにより、この前または後に、追加の継続する信号処理ステップが可能である。これは、脈動信号INが、負または正の電圧増幅を有する半波のみが含まれるAC電圧信号INから生成されることを意味する。たとえば、図5に示すように、ダイオードD512に印加される電圧のみが、測定信号INのためにタップされる。したがって、電圧は、負の半波に対してのみ存在するが、ダイオードD512が順方向の流れに切り替わるため、正の半波に対しては電圧が存在しない。これにより、コンデンサC511およびC512によって追加される半波整流測定信号INが生成される。INは1つのダイオード、つまりD512でのみタップされるため、負の半波中の電圧は、両方のダイオード全体でタップされる基準信号Vinの電圧よりも大きくなる。いくつかの例では、測定信号INは、ここでは表されていない分圧器によって、より低い電圧にすることができる。この場合も、分圧器の抵抗の比は、信号INが、ADCによって検出可能な電圧範囲内にあることを保証するために、INのピーク値が、供給電圧Vccより大きくならないように選択する必要がある。
【0046】
この例では、2つのダイオードD511、D512全体で、および/または2つのコンデンサC511、C512全体でタップされる電圧も、線形レギュレータによって、動作電圧Vcc、たとえば3.3Vのために540に調整される。次に、Vccは、特にマイクロコントローラを備えることができる信号評価ユニットを操作するために利用される。Vccが、たとえば1.8Vのように、信号評価ユニットの動作に必要な電圧値を超えるとすぐに、信号評価ユニットがアクティブになり、電圧INおよびVinを測定する。この測定は、たとえば、信号評価ユニットの内部アナログデジタル変換器(ADC)を介して実行できる。
【0047】
ブリーチの動きの検出が行われるVccの電圧間隔がある。この間隔の後、検出が完了した後も継続する発電は、指定されたすべてのショット分析機能が完了するまで、信号評価ユニットとその関連機器を操作するために利用される。
【0048】
この間隔の長さは、信号評価ユニット420が、信号のサンプリングおよび評価を開始するのに十分なエネルギを受け取る時間と、測定信号が、基準信号を確実に下回る時間とによって判定される。この時点に到達するのは、増幅下限と増幅上限との間の時間間隔、すなわち、これら増幅位置間のエッジ幅が、一定の時間周期を超過した場合(たとえば、2つの最大エッジ幅の2倍の期間を超えた場合)である。
【0049】
上記のように、Vinが分圧器を通過する場合、Vinのピーク値が、供給電圧Vccを超えないように、分圧器の抵抗の比を選択する必要がある。これは、たとえば、信号をサンプリングするために、Vinが、たとえば、信号評価ユニット420のADCによって検出可能な電圧範囲内にあることを保証する。
【0050】
ここで、図7は、たとえば、武器のブリーチの逆反動または反動を示す時点を判定するために、測定信号INおよび基準信号Vinの比較がどのように利用されるかをグラフで示す。原則として、説明された手順では、測定信号は、振動するだけでよく、図7に示すように、必ずしも半波整流する必要はない。したがって、測定信号は、原則として、負および正の半波を伴う半波を備えることもできる。
【0051】
図7に示される時点t701~t706およびt711~t714は、以下のように判定される。
【0052】
時間t701、t703、およびt705において、測定信号INは、基準信号Vinを超える。図7に示される信号波形において、これは、最初は小さな測定信号が、最初は大きな基準信号と交差する点に対応する。時間t702、t704、およびt706において、測定信号は、基準信号、または基準信号から導出されるしきい値電圧Uを下回る。図7に示される信号特性において、これは、その後、最初は大きな測定信号が、最初は小さな基準信号と交差する点に対応する。さらに、時点t711~t714が判定され、この間では、測定信号が、追加の所定のしきい値よりも小さい、および/または等しい。図7に示される信号波形において、しきい値はゼロであり、時点t711およびt713は、最初に大きな測定信号が、ゼロになる点に対応し、時点t712およびt714は、測定信号がゼロより大きくなる点に対応する。
【0053】
これにより、しきい値電圧Uは、所定のしきい値として機能し、いずれの場合も、基準信号の最小値以下である。
【0054】
2つの時点間の時間間隔、および/または、第1の時点および第2の時点によって規定される時間セグメントの経過時間期間(時間セグメント期間)は、上記の時間判定ユニット450のうちの1つを利用することによって判定することができる。
【0055】
たとえば、通過期間、すなわち、判定された信号の時間的通過長さを判定することができる。たとえば、測定信号、すなわち、この信号の第1の増幅が、初期時間の基準信号よりも大きいそれぞれの瞬間である第1の時点t701を選択でき、基準信号よりも確実に低く、それを維持する瞬間である第2の時点t706を選択できる。したがって、これら2つの時点の時間差により、上記の通過時間が得られる。あるいは、たとえば、スライド移動の検出が行われる上記のVccの電圧間隔の場合のように、第2の時点t706を判定することもでき、および/または、たとえば、動作電圧が信号評価ユニットの動作に必要な電圧値よりも大きくなる時点によって、第1の時点t701を定義することもできる。測定信号INが生成される交流電圧Uが生成される経路の長さがわかれば、これから、反動移動または逆反動移動の平均速度を、通過時間を用いて判定することができる。
【0056】
別の例では、2つの連続する正のエッジ間の時間間隔を、速度判定のために代替的または追加的に判定することもできる。図7において、これは、たとえば、時点t701(第1の時間)およびt703(第2の時間)またはt703(第1の時間)およびt705(第2の時間)に対応する。これら第1の時点と第2の時点との間の時間間隔は、その後、AC電圧Uの約1周期に対応する。たとえば、図3a~図3dに説明される電圧生成用のソレノイドコイル配置の場合、1周期は、2つの連続する永久磁石によるコイルの1回の掃引に正確に対応する。この場合も、磁石の距離dおよび幅xがわかっている場合、この周期中の速度は、たとえば、
【0057】
【数1】
【0058】
によって判定できる。
【0059】
好ましくは、速度は、2つの磁石間の距離と、時間間隔とによって推定される。
【0060】
【数2】
【0061】
同様に、時点t702、t704、およびt706にわたる負のエッジ間の時間間隔、または時点t711とt713の間、またはt712とt714との間の時間間隔も利用できる。
【0062】
このようにして判定され、連続する時間周期/時間間隔に属するいくつかの速度から、平均移動速度、またはそれぞれのスライド移動の加速度さえも推定することができる。加速度は、少なくとも2つの速度と、関連付けられた時間セグメント間の時間間隔とで判定される。たとえば、
【0063】
【数3】
【0064】
にしたがう2つの速度の場合である。
【0065】
一般的に言えば、電圧生成ユニット110の電圧生成部品の距離および長さが知られている場合、武器の電圧生成部品が、発砲中または手動再装填中に移動する速度、および必要に応じて、加速度を判定するために、信号の期間または個々の信号部分の期間を利用することができる。これにより、たとえば、発砲中のブリーチブロックの高速移動と、手動再装填中の遅い移動とを区別することができる。加速度は、使用される推進剤の電荷を判定するために利用することもできる。
【0066】
1つの例では、バッテリに依存しない、またはバッテリに依存する加速度センサが、上記のブリーチ移動の加速度の測定に加えて、またはその代替として、銃器分析デバイスに提供される。
【0067】
これまで、センサによる武器の動的加速度の測定に関して、バッテリ不要のショットカウンタで遭遇した1つの問題は、信号が生成されたときに、信号評価ユニットの電源が切られている可能性があるため、これら加速度を測定および登録できないことであった。
【0068】
1つの例では、この問題は、蓄積された加速度信号を評価するために、信号評価ユニットに十分な電流が供給されるまで、加速度信号を充電コンデンサに一時的に蓄積することによって解決される。
【0069】
測定された加速度に基づいて、様々なタイプの弾薬(戦闘弾薬、機動弾薬、訓練弾薬)の発砲を検出し、必要に応じて蓄積することができる。これは、たとえば、ブリーチなどの可動部品の様々な加速パルス、またはシステム全体における異なる反動パルスに基づいて実行できる。
【0070】
さらなる例では、測定信号は、デジタル測定信号dINに変換される。これは、たとえば、
if(IN≧Vin
dIN=1
else if(IN≦U
dIN=0
else
dIN=空、
ここで、U≦最小(Vin)の場合に引き起こる、ルールにしたがって実施できる。
【0071】
さらなる例では、デジタル測定信号dIN’は、
if(IN≧Vin
dIN’=0
else if(IN≦U
dIN’=1
else
dIN’=空
のルールにしたがって生成される。
【0072】
図7は、両方の例示的な原理を示す。測定信号が基準信号以上である場合、デジタル測定信号は、この時間間隔において値1(および/または0)を有する。測定信号が、しきい値電圧Uよりも小さい場合、デジタル測定信号は、この時間間隔において、値0(および/または1)を有する。Uのしきい値電圧は、事前に判定可能なしきい値として機能し、いずれの場合も、基準信号の最小値以下である。他のすべての場合、デジタル測定信号に値は割り当てられない。図7において、これは、影付き、および影なしのブロックで示される。デジタル測定信号が1または0であり、必要に応じて、値が割り当てられていない(空の)信号間隔(ブロックの幅)の期間もまた、たとえば、時点t701~t706またはt711~t714によって判定することができる。たとえば、時点t701、t703、およびt705は、デジタル測定信号dINが「0」または「空」から「1」に変化する時点によって、および時点t702、t704、およびt706は、デジタル測定信号(dIN)が「1」または「空」から「0」に変化する時点によって、判定することができる。
【0073】
1つの例では、数字のシーケンス、すなわち、それぞれの測定された信号の0および1を利用して、スライドが反動にあるか逆反動にあるかを判定することができる。これは、コイルに面しているそれぞれの磁石の極と、コイルを掃引するときに誘導する電圧の符号がわかっている場合、測定された1-0シーケンスが、逆反動移動または反動移動のどちらが存在するかを明確に識別するためである。図8aに示されるように、反動移動がシーケンス10101に至るのであれば、逆反動移動は、図8bに示されるように、このシーケンスの逆であるシーケンス01010に必然的に至る。有利には、たとえば、信号評価に必要な動作電圧に後まで到達しなかったために、信号評価ユニットが、信号を完全に獲得できなかった場合でも、スライドの移動方向のそのような識別を判定することができる。これは、図8aおよび図8bによって示され、移動方向に典型的な桁のシーケンスが、最小3桁までの移動方向を判定するのに適していることが分かる。したがって、わずか3桁のデジタル測定信号で、逆反動移動または反動移動が生じたのかを明確にすることが可能である。信号がいつ登録されたかに応じて、反動移動は、シーケンス10101、0101、および101に至り、逆反動移動は、シーケンス01010、1010、および010に至る。たとえば、信号評価ユニットの電圧生成が遅れたり、何らかの理由で立ち上がりが遅すぎる場合は、信号の開始が登録されていない後でさえ、移動方向を判定するために、信号の特定の特性最小部分で十分である。これら少なくとも下3桁を方向固有の信号として判定することにより、信号検出のための誤ったメッセージまたは無メッセージを防ぐことができる。
【0074】
さらなる例では、信号評価ユニットは、ショットが、単一発砲でまたは連続発砲で発砲されたかを判定する。それに加えて、1回の発砲で様々なケイデンス/発砲レートを判定することも可能である。この目的のために、たとえば、実験室で判定された測定値に基づく所定の時間制限値は、時間範囲/時間制限範囲(時間間隔/時間制限間隔)を規定することができる。判定された期間が存在する範囲は、その後、連続発砲または単一発砲が存在するか否か、および/または発砲レートも判定する。以下の例は、この手順を示す。
【0075】
例1:1つの時限制限値、自動武器。期間が、制限(時間範囲1)を超えている場合、単一発砲が、制限(時間間隔2)を下回る場合、連続発砲が想定される。
【0076】
例2:1つの時限制限値、半自動武器。期間が、制限(時間範囲1)を超えている場合、緩慢な単一発砲が、制限(時間範囲1)を下回る場合、急速な単一発砲が想定される。
【0077】
例3:2つの時限制限値、自動武器。期間が、第2のより大きな制限値(時間範囲1)を超えている場合、緩慢な単一発砲が想定され、第1の制限値と第2の制限値(時間範囲2)との間にある場合、急速な単一発砲が想定され、制限値(時間範囲3)を下回る場合、連続発砲が想定される。
【0078】
時限制限値および時間期間の代わりに、利用される例および/または時間判定ユニットに応じて、電圧制限値および測定電圧値も利用することができる。
【0079】
たとえば、第1の時間として、第1のショットからの逆反動中に生成された測定信号の終了と、第2の時間として、第2の後続するショットの反動中に生成された測定信号の開始との期間を判定するために。第1の時点と第2の時点との間の期間から、個々のショット発砲間の時間間隔を推測することができ、これから、発砲モードおよび場合によっては発砲レートも推測することができる。
【0080】
1つの例では、サイクルソースおよびタイマを備える上記のタイミング判定ユニットは、第1の時点と第2の時点との間の期間を判定する。
【0081】
別の例では、単一発砲または連続発砲シーケンスを判定するために、コンデンサおよび抵抗器を備える上記のタイミングユニットが、信号の整流後に統合される。説明されたように、コンデンサは、ショットが発砲されると充電し、抵抗器を介して連続的に放電する。後続する発砲中に信号評価ユニットが再起動されたときのコンデンサの充電状態に応じて、(長いシーケンスまたは一時停止が、より低い充電状態に至る)単一発砲、または(非常に短いシーケンスが、より高い充電状態に至る)連続発砲の放出を判定することができる。理論的には、放電の程度は、時間値に変換できる。しかしながら、時間値の判定による迂回を行う必要はなく、コンデンサに印加される電圧値を直接利用することができる。その後、明示的に計算する必要なしに、対応する時間値を表す。たとえば、コンデンサにおける電圧値が、指定されたしきい値を下回るのであれば、抵抗を備えたコンデンサの放電時間がわかっている場合、これは単一発砲における発砲シーケンスとして評価できる。コンデンサにおける電圧値が、しきい値を下回らない場合、これは連続発砲におけるショットシーケンスとして評価できる。
【0082】
別の例は、以下のデバイスおよび方法によって、単一発砲シーケンスまたは連続発砲シーケンスを区別する。
【0083】
交互分極磁石が、固定コイルをブラッシングすると、誘導電圧は、たとえばマイクロコントローラで構成される信号評価ユニットと、上流のコンデンサとに、エネルギを供給する。動作電圧が十分である場合、信号評価ユニットは、動作の準備ができており、アクティブモードにある。このモードでは、説明したようにAC電圧信号を評価し、その後、内部または外部のサイクルソースのみならず、タイマをアクティブ化して、たとえばマイクロコントローラなどの割込可能ピンを構成する。
【0084】
その後、信号評価ユニットは、低電力モードに設定され、ここでは、電流の一部しか必要としないため、これにより、スライドサイクル中に、比較的長時間、アクティブのままとなる。低電力モードでは、信号評価ユニットには、事前に充電されたバックアップコンデンサからのみ電気エネルギを供給される。
【0085】
したがって、反動移動後、信号評価ユニットを操作するために、後続する逆反動移動中に電圧が再び誘導されるまで、アクティブのままである。回復された電圧誘導は、その後、追加の同期回路を介して、信号評価ユニットに伝達される。同期回路は、たとえば、割込可能ピンに電圧を印加することができ、これにより、信号評価ユニットに割り込みを生成し、信号評価ユニットは、再び低電力モードからアクティブモードに変化する。
【0086】
信号評価ユニットが、低電力モードにある間、タイマは、サイクル変化されたソースのサイクルをカウントする。サイクルソースのサイクル周波数がわかっているので、信号評価ユニットは、タイマによって取得されたサイクル数を、時間値に変換できる。
【0087】
ショット信号によって再び動作電圧を供給され、タイマのカウントされたサイクルを利用できるようにアクティブモードに変化すると、これは直ちに引き起こる。このようにして、信号評価ユニットは、2つのアクティブなフェーズ間の時間を判定し、したがって、異なる発砲シーケンスを判定することができる。
【0088】
低電力モードを使用する場合、2つの基本的なシナリオが発生する可能性がある。
【0089】
2つのショット間の時間が十分に短い場合は、次のショット信号まで信号評価ユニットを低電力モードに維持するために、バックアップコンデンサの電圧で十分である。その後、同期回路は、割込可能ピンにおいて、電圧を生成する。低電力モードで割込可能ピンにおいて電圧が生成されると、割込信号が生成され、信号評価ユニットに、新しいショット信号の存在が通知される。その後、信号評価ユニットは、アクティブモードに戻り、上記のように、AC電圧信号の測定および評価を開始する。
【0090】
したがって、この低電力回路の1つの利点は、スライド反動およびスライド逆反動の間、信号評価ユニットが永久にアクティブ化されたままであり、このアクティブ化は中断されず、再起動する必要があることである。
【0091】
第2の場合では、2つのショット信号間の時間が非常に離れているため、バックアップコンデンサの電荷が、信号評価ユニットに永久に供給するのに十分ではない。この場合、動作電圧は、適切な動作に必要な最小電圧を下回り、信号評価ユニットは、非アクティブ化される。次のショット信号において、信号評価ユニットは、ハードウェアリセットで開始される。
【0092】
アクティブモードへの切り替えが、低電力モードから、またはオフ状態から実行されるかの違いは、信号評価ユニットの内部レジスタによって検出される。
【0093】
別の例は、連続発砲と単一発砲とを区別するために、これら両方のシナリオを使用する。単一発砲とは対照的に、連続発砲の非常に短い発砲サイクルでは、信号評価ユニットは、スライド逆反動中も、次のショットが発砲されて、連続的に準備ができるまで、低電力モードでアクティブのままであることができる。数回の発砲サイクルにわたるこの永久的なアクティブ化は、その後、連続発砲と単一発砲とを区別する機能として作用する。なぜなら、単一発砲では、通常、アクティブ化が中断されるためである。それに加えて、1回の発砲サイクルを超える時間も、この手法で測定できる。
【0094】
このソリューションを用いた結果は、直接時間(サイクル)である。それに加えて、オフ状態後のアクティブ化は、単一発砲における緩慢な発砲レートと結論付けることができる。
【0095】
別の例では、説明されたショット分析システムは、タイムスタンプを統合するためのバッテリおよび追加のサイクルを周囲に備えている。このようにして、測定信号に関連付けられたショット分析システムにおけるすべてのアクティビティを、時間精度、特に、登録されたショットが行われた日時で検証することができる。時間測定専用のバッテリを使用することにより、容量が非常に小さく、外形寸法が小さいバッテリが必要になり、これは、数年または数十年後でも、このリアルタイム測定用の信頼性の高い電源をさらに保証する。そのようなバッテリが故障した場合でも、ショット分析システムの他のすべての説明された機能は保証されることができる。
【0096】
上記のように、本明細書に開示される例は、銃器の診断を改善し、特に、単なるショットのカウントを超えて、ショットの発砲のより高度な分析を可能にする。
【0097】
開示された例は、銃器から放出されるショットから銃器の指標的/特徴的なパラメータを判定するための銃器分析デバイスに関する。銃器分析デバイスはまた、銃器診断デバイスであり得る。たとえば、銃器分析デバイスは、電圧生成ユニット、信号処理ユニット、信号評価ユニット、および時間判定ユニットを含む。
【0098】
電圧生成ユニットは、たとえば、ショットが発砲された結果としてスライドが前後に移動したときに、AC電圧信号を生成する。必要に応じて、これは信号処理ユニットにおいて、たとえばアナログデジタル変換器(ADC)または整流回路によって、使用可能な測定信号に前処理される。信号評価ユニットは、その後、測定信号を分析し、それを使用して、武器および/または放出されたショットに関する情報を判定する。この目的のために、必要に応じて、時間判定ユニットにおいて判定される期間などの時間情報を参照する。
【0099】
したがって、電圧生成ユニットは、たとえば、発砲中のピストルのスライドのような、可動武器部品の逆反動移動および/または反動中に、交流電圧を生成するように設計されている。電圧は、反動または逆反動移動中に、可動武器部品によってカバーされる距離の部分に沿って生成することができる。電圧は、たとえば、米国特許第8,046,946B2号明細書(パッカーエンジニアリング社)または欧州特許第3140605B1号明細書(ヘックラー&コッホ有限会社)に説明されているようなソレノイドコイル配置によって生成することができる。したがって、欧州特許第3140605B1号明細書から知られている誘導生成された交流電圧信号は、本明細書に開示される銃器分析デバイスに利用することができる。これら信号を使用すると、新しい追加の基本信号を生成する必要がなく、銃器ですでに知られている構成要素を電圧生成に使用できるという利点がある。しかしながら、たとえば、ピエゾ素子または電気機械式インバータのような、他の手法を介して生成される交流電圧信号も考えられる。AC電圧信号は、どのように生成されるかに関係なく、その後、信号処理ユニットへの入力信号として機能する。
【0100】
したがって、信号処理ユニットを利用して、生成されたAC電圧を、さらなるデバイス構成要素で使用可能な測定信号に変換することができる。たとえば、アナログAC電圧信号を、前処理なしで提供できる。この場合、測定信号は、AC電圧信号と同じになる。あるいは、アナログデジタル変換器(ADC)を使用してデジタル化し、たとえば、代替または追加のオプションとして追加で前処理することもできる。この目的のために、信号処理ユニットは、フィルタ、整流器などのさらに適切なスイッチング素子を備えることができる。
【0101】
いくつかの例によれば、下流信号評価ユニットのための基準信号および/または供給電圧は、信号処理ユニットにおいて追加的に生成される。基準信号は、たとえば、測定信号の分析のための動的比較値として利用することができる。その後、測定信号および/または基準信号は、下流の信号評価ユニットにおいて評価される。
【0102】
信号評価ユニットは、たとえば、マイクロコントローラを備えることができる。これは通常、信号の評価および分析のために利用される。特に、速度、加速度、ケイデンス/発砲レート、または発砲モードなどの時点およびパラメータを判定するために役立つことができる。たとえば、信号評価ユニットは、可動武器部品の逆反動移動中および/または反動中の第1の時点および第2の時点を判定するように設計することができる。これらは、たとえば、信号の開始時と終了時、または信号内の周期または半周期の開始時および終了時など、測定信号の経過における特定の時点である可能性がある。
【0103】
時間判定ユニットまたは時間測定ユニットは、一般に、時間測定のために利用され、信号期間、信号または時間部分の期間のような期間、または、信号内に位置するか、またはいくつかの信号にわたって分布する個々の信号または時点間の距離を、極めて一般的に判定することができる。特に、第1の時点と第2の時点との間の時間間隔を判定するために利用される。したがって、時間判定ユニットは、期間の相対的または絶対的な判定に適した任意のデバイスとすることができる。たとえば、クロックや、サイクルをカウントし、連続するサイクル間の時間間隔を知っているタイマと組み合わせたサイクル発生器や、放電の程度が、経過時間の尺度として機能するコンデンサである。
【0104】
説明された銃器分析デバイスは、発砲中のスライド/ブリーチの速度や加速度、発砲レート、または弾薬の種類などのパラメータを導出することができる幅広い情報を取得するために利用できる。したがって、新しい追加情報は、すでに知られている信号から有利な方式で取得することができる。たとえば、数や強度などの発砲に関連する追加情報は、銃器の摩耗を推定するためのより具体的な指標を提供する。したがって、銃器の整備および保守を改善および促進することができ、最終的には銃器の取り扱いの安全性が向上する。それに加えて、そのような高度な情報は、文書化と監視、および銃器使用のための兵站目的(たとえば、スペア部品と弾薬の備蓄)に利用することができる。製造業者は、たとえば、武器の改良および追加の継続する開発にそのようなデータを組み込むことができる。最後に、武器で発砲されたショットに関する詳細な情報は、法医学的調査をも容易にする。
【0105】
本明細書に開示される例の別の態様は、銃器分析デバイスを備える銃器に関する。
【0106】
本明細書に開示される例の別の態様は、放電されたショットから、銃器を示すパラメータを判定するための方法に関する。
【0107】
この方法は、一般に、銃器および銃器の放電に関するパラメータおよび更なる情報を判定するために使用できる。この目的のために、たとえば、AC電圧を検出することと、AC電圧に基づいて少なくとも1つの測定信号を提供することと、逆反動移動および/または反動の少なくとも第1の時点および第2の時点を判定することと、少なくとも1つの時間周期期間、すなわち、第1の時点および第2の時点によって規定される時間周期の期間を判定することとを備えることができる。
【0108】
したがって、この方法は、上記の銃器分析デバイスの構成要素を利用することができる。
【0109】
交流電圧は、たとえば、上記の電圧生成ユニットによる発砲操作中の可動武器部品の逆反動移動および/または反動移動中に生成された可能性がある。
【0110】
測定信号は、生成されたAC電圧に基づいて生成できる。
【0111】
第1の時点および第2の時点は、上記の例を含む。
【0112】
期間の判定は、たとえば、上記の時間判定ユニットによって実行することができる。本明細書に開示された例は、特許請求されているが、設計例のさらなる特徴は、従属請求項、付随する技術図面、および以下の説明から得られる可能性がある。他の請求項も可能である。
【0113】
本明細書に開示される別の態様は、方法ステップのいくつかを実行するためのコンピュータ可読命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。
【0114】
1つの例では、基準信号は、たとえば、信号処理ユニットに配置された整流回路によって、生成された各AC電圧またはそれに基づく信号から生成される。基準信号の生成には、測定信号の動的基準値またはしきい値として機能できるという利点がある。この場合、動的とは、各時点において、各武器さらには各信号の値が、個別に判定されることを意味する。その後、たとえば、第1の時間および第2の時間は、たとえば、測定信号と基準信号との比較に基づいて、たとえば、時間経過の比較によって、信号評価ユニットによって判定することができる。これにより、(たとえば、ソレノイドとコイルとの間の距離、または速度の変動による)AC信号の増幅における変動が、基準信号ならびに測定信号の増幅を修正するように利用されるが、基準信号と測定信号との比率は同じままである。
【0115】
別の例では、電圧生成ユニットは、最低2つの磁極およびコイルを備えることができる。この場合、発砲されたショットに応答してコイルに対する経路上を移動するように、最小の2つの磁極を連続して配置することができる。これにより、連続する極は、それぞれ互いに反対の極性を有する。極は、反動移動および/または逆反動移動中に、コイルに、逆方向の電圧を次々に誘導するように、コイルを連続的に通過させることができる。そのような電圧生成ユニットは、製造が容易であり、適切なAC電圧信号を確実に提供する。
【0116】
さらなる例では、時点は、測定信号が、基準信号またはそこから導出されるしきい値を超える、または下回るときにしたがって判定される。たとえば、第1の時点は、測定信号が、基準信号またはそこから導出されるしきい値を超える、または下回るときにしたがって判定することができる。さらに、第2の時間は、測定信号が基準信号を超える、または下回るとき、または第1の時間後に再び導出されたしきい値に応じて判定することができる。これにより、基準信号は、測定信号の分析のために上記の動的基準値として機能する。したがって、所望の時点は、時間の経過に伴う2つの信号の経過から簡単な手法で判定することができる。たとえば、測定信号の周期の期間もこの手法で判定することができる。これは、たとえば、信号評価ユニットにおいて実行される。
【0117】
さらなる例では、反動および/または逆反動移動中の銃器の可動部品の速度は、測定信号および基準信号を使用して判定される。この目的のために、第1の時間周期および第2の時間周期は、銃器の可動部品の単一の反動または単一の前進の間に判定することができる。これら2つの瞬間によって規定される時間間隔の、判定された時間間隔期間と、測定信号の基礎となるこの時間間隔の交流電圧が、反動移動および/または逆反動移動中に生成される距離の長さとに基づいて、この時間間隔中の可動武器部品の速度を判定することができる。たとえば、電圧生成ユニットが、測定信号の基礎となるAC電圧を生成する経路上の対応する第1および対応する第2の位置は、測定信号を介して第1の時間および第2の時間に割り当てることができる。次に、時間間隔期間と、第1の位置と第2の位置との間の距離とから、速度が判定される。速度判定は、たとえば、信号評価ユニットによって実行することができ、期間は、たとえば、時間判定ユニットのうちの1つによって判定される。したがって、このようにして、たとえば、スライドの速度は、発砲される各ショットについて判定することができ、これは、たとえば、武器の監視、整備、および保守に有利である。
【0118】
さらなる例では、可動武器部品のそれぞれの速度は、少なくとも2つの連続する時間間隔中に判定され、反動または逆反動の移動中の可動武器部品の加速度は、判定された速度と、少なくとも2つの連続する時間間隔間の時間距離とから判定される。このようにして、可動武器部品の加速度は、すでに存在する信号から、簡単な方式でさらに判定することができ、これにより、たとえば、利用された弾薬について結論を引き出すことができる。
【0119】
別の例では、信号処理ユニットは、信号分析ユニットの動作のためにAC電圧に基づいて供給電圧を提供する。これにより、銃器分析デバイス全体をバッテリなしで操作できる。
【0120】
さらなる例では、基準信号は、たとえば、生成中に整流される。この目的のために、信号処理ユニットは、たとえば、電圧を整流するための整流回路を備える。したがって、たとえば、基準信号は、変調されていない、またはわずかに変調されている、および/または非周期的であるという事実によって、測定信号と区別することができる。整流された基準信号はまた、直流のみを検出できる信号評価ユニットによって有利に評価することができる。これは通常、たとえばマイクロコントローラを用いた場合である。最後に、信号評価ユニットにDC電流を供給するために、整流された基準信号を利用できる。
【0121】
さらなる例では、測定信号は、たとえば、信号処理ユニットによって、生成中に、半波整流または非整流される。これにより、たとえば、測定信号は、変調され、および/または非周期的であるため、基準信号と区別可能なままである。さらに、測定信号は、生成されたAC電圧の位相情報も含む。この場合、たとえば、基準信号またはその一部を整流するために利用される整流回路によって、半波整流を実行することができる。
【0122】
さらなる例では、生成中に基準信号も加えられる。したがって、この場合、電圧倍増回路を利用することができる。たとえば、信号処理ユニットは、この目的のための整流回路としてドロン回路を備える。整流に加えて、ドロン回路は、電圧倍増器としても機能する。これにより、整流された信号が、さらに増幅される。
【0123】
別の例では、時間判定ユニットは、タイマおよびサイクルソースを備え、タイマは、いくつかのサイクルおよびサイクル間の時間間隔を介して、期間を判定する。したがって、時間間隔および期間は、簡単で検証された方式で判定できる。
【0124】
さらなる例では、時間判定ユニットは、負荷に接続されたコンデンサを備え、それにより、コンデンサは、この処理において生成されたAC電圧によって反動移動および/または逆反動移動中に充電され、期間は、コンデンサの放電の程度によって判定される。このようにして、電源がない場合でも、一定の時間周期にわたる時間測定が可能である。
【0125】
さらなる例では、ショットが、単一発砲で発砲されるか、または連続発砲で発砲されるかが判定される。この目的のために、たとえば、個々の発砲間の時間間隔(時間距離)を判定することができる。たとえば、予備発砲中に生成される測定信号の終了として第1の時間を判定し、この予備発砲に続く反動発砲中に生成される測定信号の開始として第2の時間を判定することによって。第1の時点および第2の時点によって規定される時間周期の期間は、その後、個々の発砲間の時間距離を判定できる。次に、ショットが、連続発砲モードまたは単一発砲モードのどちらで発砲されたかを判定するために、第1の時点および第2の時点によって規定されるような時間間隔の期間を利用することができる。これは、たとえば、信号評価ユニットにおいて実行することができる。この場合、可動武器部品の複数の逆反動移動または複数の反動移動の間の時間距離期間が、時限値または電圧制限値を下回る場合に連続発砲が存在し、そうでない場合は、単一発砲が存在すると判定される。たとえば、銃器を連続発砲で発砲できること、および/または、いくつかの逆反動移動と反動移動とが検出されるなど、連続発砲の存在の基準として、追加の条件を組み込むこともできる。このようにして、銃器における負荷に関する情報は、たとえば、銃器を維持するために、信頼できる簡単な方式でアクセス可能である。
【0126】
さらなる例では、時間距離範囲(時間間隔範囲)は、時間距離制限値および/またはさらなる時間距離制限値に基づいて規定される。それに基づいて、少なくとも2つの異なる発砲レートが、単一発砲および/または連続発砲において判定される。これら時間距離範囲のどれが、時間距離期間を含んでいるのかに基づいて、判定が行われる。これはすべて、たとえば、信号評価ユニットにおいて行うことができる。これは、たとえば、メンテナンスのために、より詳細な情報にアクセスできるという利点がある。
【0127】
さらなる例では、測定信号はデジタル化される。たとえば、測定信号は、バイナリ信号に変換できる。これは、たとえば、信号評価ユニットによって実行することができる。したがって、基準信号が存在する場合、基準信号は、たとえば、以下のルール、
if(測定信号≧基準信号)
デジタル測定信号=1
else if(測定信号≦U0)
デジタル測定信号=0
else
デジタル測定信号=空
ここで、U0≦最小(基準信号)、
にしたがって、デジタル測定信号に変換することができる。
【0128】
このようにして、位相情報を、バイナリ信号に、これにより、迅速かつ容易に可読信号に変換することができ、可読信号を用いて、たとえば、反動移動および逆反動移動をエンコードすることができる。したがって、バレル方向の区別は、バイナリ信号または結果として得られるコーディングを介して検査できる。
【0129】
1つの例では、電圧生成ユニットは、生成するAC電圧を、可動武器部品に一意にコード化する。たとえば、可動武器部品を識別することにより、信号を一意に生成できる。たとえば、ソレノイドコイル配置では、磁石を可動武器部品に配置することができ、したがって、磁石の数は、可動武器部品を示すことができる。したがって、発砲および武器に関する追加情報は、信号から簡単な方式で取得できる。
【0130】
1つの例では、デジタル測定信号は、第1の時点および第2の時点を判定するために利用される。たとえば、第1の時点は、デジタル測定信号が「0」または「空」から「1」に変わったときにしたがって判定され、第2の時点は、デジタル測定信号が「1」または「空」から「0」に変わったときにしたがって判定される。したがって、第1の時点および第2の時点はまた、有利には、デジタル測定信号から判定することができる。
【0131】
さらなる例では、反動または前進が実行されたか否かを判定するために、デジタル測定信号が利用される。たとえば、デジタル測定信号が中断されない信号部分のシーケンス「1」または「0」を使用して、たとえば、信号評価ユニットによって、測定信号が可動武器部品の逆反動移動または反動移動に基づくか否かを判定することができる。このようにして、デジタル信号から、簡単で信頼性の高い方式で追加情報を取得できる。
【0132】
別の例は、ショットが発砲された時間および/または日を判定するためのサイクルを含む。たとえば、ログブックは、武器使用の日時と、そこから取得したデータとを使用して維持することができる。
【0133】
さらなる例は、加速度センサを備え、それによって、可動武器部品の逆反動移動および/または反動移動の加速度を判定することができる。このようにして、可動武器部品の加速度を、簡単で証明された方式で判定することができ、これにより、たとえば、利用された弾薬について結論を引き出すことができる。
【符号の説明】
【0134】
100 銃器
110 電圧生成ユニット
111 第2の磁石、磁極、ソレノイド
113 第1の磁石、磁極、ソレノイド
114 コイル
120 スライド
130 グリップ
301 永久磁石
302 永久磁石
303 永久磁石
304 永久磁石
305 永久磁石
306 永久磁石
307 永久磁石
308 永久磁石
309 永久磁石
310 永久磁石
311 永久磁石
312 永久磁石
321 プロング、タイン
322 プロング、タイン
323 プロング、タイン
401 電圧生成ユニット、コイル
410 信号処理ユニット
420 信号評価ユニット
450 時間判定ユニット、時間計算ユニット
531 プロット
533 プロット
535 プロット
540 動作電圧
600 ドロン回路
C1 コンデンサ
C2 コンデンサ
C511 コンデンサ
C512 コンデンサ
D1 ダイオード
D2 ダイオード
D511 ダイオード
D512 ダイオード
IN+ 測定電圧、測定信号、脈動信号
t 時間
t1 第1の時間範囲
t2 第2の時間範囲
整流電圧
交流電圧、出力電圧、交流信号、交流電圧信号
U(t) 電圧波形、電圧曲線
U0 電圧値
U01 電圧スイング
U04 電圧値
U1 第1の電圧スイング
U2 第2の電圧スイング
U3 第3の電圧スイング
U4 電圧値
U5 電圧値
U6 電圧値
U30 電圧スイング
U60 電圧値
cc 動作電圧、供給電圧
in 基準信号、基準電圧
図1
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
【外国語明細書】