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特開2022-130375モータの回転速度を調整する多段圧縮装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130375
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】モータの回転速度を調整する多段圧縮装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20220830BHJP
   F04C 23/00 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
F04B39/00 Z
F04C23/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022085856
(22)【出願日】2022-05-26
(62)【分割の表示】P 2020555795の分割
【原出願日】2019-02-11
(31)【優先権主張番号】62/656,472
(32)【優先日】2018-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/724,677
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】2018/5769
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(71)【出願人】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】デ ボントリダー トーマス ウィレム アイ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】異なる圧縮機段の速度をそれぞれのパラメータに応じて調整する柔軟性の向上を可能とし、製造コスト面でも運用コスト面でも効率のよい多段圧縮装置を提供する。
【解決手段】第1の歯車伝動装置9を通じて駆動される第1の圧縮機要素5を含む第1の圧縮機段2と、別の第2の歯車伝動装置14を通じて駆動される第2の圧縮機要素10を含む第2の圧縮機段3とを備え、前記第1及び第2の歯車伝動装置9、14が、駆動歯車と、増速機であるように構成された被駆動歯車とを含み、前記被駆動歯車の各々が、前記第1の圧縮機要素5又は第2の圧縮機要素10のロータのシャフトにそれぞれ接続され、第1のモータ8及び第2のモータ13が、第1の圧縮機段2及び第2の圧縮機段3を個別に駆動するように適合され、前記第1の歯車伝動装置9及び第2の歯車伝動装置14のいずれか一方の被駆動歯車と駆動歯車との間のギア比が2~6の間に存在する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口(6)及び圧縮ガス出口(12)と、少なくとも、第1の歯車伝動装置(9)を通じて第1のモータ(8)によって駆動される第1の圧縮機要素(5)を含む第1の圧縮機段(2)、及び別の第2の歯車伝動装置(14)を通じて第2のモータ(13)によって駆動される第2の圧縮機要素(10)を含む第2の圧縮機段(3)とを備えた多段圧縮装置(1)であって、前記第1及び第2の歯車伝動装置(9、14)の各々は、前記第1のモータ(8)又は前記第2のモータ(13)にそれぞれ接続された駆動歯車と、増速機であるように構成された被駆動歯車とを含み、前記被駆動歯車の各々は、前記第1の圧縮機要素(5)又は第2の圧縮機要素(10)のロータのシャフトにそれぞれ接続され、前記第1のモータ(8)及び前記第2のモータ(13)は、前記第1の圧縮機段(2)及び前記第2の圧縮機段(3)を個別に駆動するように適合され、前記第1の歯車伝動装置(9)及び第2の歯車伝動装置(14)のいずれか一方の前記被駆動歯車と前記駆動歯車との間のギア比が2~6の間に存在する、
ことを特徴とする多段圧縮装置。
【請求項2】
前記第1の圧縮機要素(5)又は前記第2の圧縮機要素(10)から排出される圧縮ガスを冷却するための冷却ユニット(15)をさらに備える、
請求項1に記載の多段圧縮装置。
【請求項3】
第1の通信リンク(17)を通じて前記第1のモータ(8)に接続され、第2の通信リンク(18)を通じて第2のモータ(13)に接続されたコントローラユニット(16)をさらに備える、
請求項2に記載の多段圧縮装置。
【請求項4】
前記多段圧縮装置(1)は、前記第1の圧縮機要素(5)の前記圧縮ガス出口(7)に配置された第1の圧力センサ及び/又は第1の温度センサと、前記第2の圧縮機要素(10)の前記圧縮ガス出口(12)に配置された第2の圧力センサ及び/又は第2の温度センサとを備え、前記コントローラユニット(16)は、前記(単複の)圧力センサ及び/又は(単複の)温度センサから第3の通信リンク(19)を通じて測定データを受け取るように適合される、
請求項3に記載の多段圧縮装置。
【請求項5】
前記第1のモータ(8)又は第2のモータ(13)の少なくとも一方は電気モータである、
請求項1から4のいずれかに記載の多段圧縮装置。
【請求項6】
前記少なくとも一方の電気モータはVSDモータである、
請求項5に記載の多段圧縮装置。
【請求項7】
前記第1のモータ(8)及び/又は第2のモータ(13)の少なくとも一方は、kW単位の公称電力とrpm単位の公称速度の2乗との積が0.0006×10E12~0.025×10E12の範囲内に存在するように構成される、
請求項1から6のいずれかに記載の多段圧縮装置。
【請求項8】
前記モータの少なくとも一方は、kW単位の最大電力とrpm単位の最大速度の2乗との積が0.0006×10E12~0.025×10E12の範囲内に存在するように構成される、
請求項1から6のいずれかに記載の多段圧縮機。
【請求項9】
前記圧縮機要素(5、10)の少なくとも一方、及び該少なくとも一方の圧縮機要素(5、10)を駆動する前記モータ(8、13)は、前記多段圧縮装置(1)の最も長い側面の方向に対して横向きに配向される、
請求項1から8のいずれかに記載の多段圧縮装置。
【請求項10】
前記少なくとも2つの電気モータは、寸法面で同一又は基本的に同一である、
請求項5に記載の多段圧縮装置。
【請求項11】
前記多段圧縮装置(1)は、1又は2以上の周波数変換器を含む第1のキュービクル(20)と、制御電子回路を含む第2のキュービクル(21)とをさらに備え、前記第1及び第2のキュービクル(20、21)は互いに分離している、
請求項1から10のいずれかに記載の多段圧縮装置。
【請求項12】
前記第1及び第2のキュービクル(20、21)は、前記多段圧縮装置(1)の頭部側に互いに隣接して配置される、
請求項11に記載の多段圧縮装置。
【請求項13】
前記第1のモータ(8)及び/又は第2のモータ(13)の少なくとも一方は液冷式である、
請求項1から12のいずれかに記載の多段圧縮装置。
【請求項14】
前記第1のモータ(8)又は第2のモータ(13)の少なくとも一方は、該第1のモータ(8)又は第2のモータ(13)によって駆動される前記第1の圧縮機要素(5)又は第2の圧縮機要素(10)と同じ液体で冷却される、
請求項1から13のいずれかに記載の多段圧縮装置。
【請求項15】
前記同じ液体で冷却される前記少なくとも一方のモータ(8、13)及び前記圧縮機要素(5、10)は、前記液体を含む冷却回路を含み、該冷却回路は、前記モータ(8、13)及び前記関連する圧縮機要素(5、10)が順に冷却されるように構成される、
請求項14に記載の多段圧縮装置。
【請求項16】
前記第1の圧縮機要素(5)又は第2の圧縮機要素(10)の少なくとも一方の圧縮ガス出口(7、12)は、冷却ユニット(15)に接続されて、該冷却ユニット(15)の上部に配置される、
請求項1から15のいずれかに記載の多段圧縮装置。
【請求項17】
前記第1の圧縮機要素(5)及び/又は前記第2の圧縮機要素(10)の一方と前記冷却ユニット(15)との間の接続は、前記第1の圧縮機要素(5)又は第2の圧縮機要素(10)を支持するように構成された接続部品(28)によって実現される、
請求項16に記載の多段圧縮装置。
【請求項18】
前記第1の圧縮機要素(5)を駆動する前記第1のモータ(8)は、前記第1の圧縮機要素(5)と共に前記冷却ユニット(15)の上部に配置され、及び/又は前記第2の圧縮機要素(10)を駆動する前記第2のモータ(13)及び前記第2の圧縮機要素(10)は、前記第2の冷却ユニット(22)の上部に配置される、
請求項16又は17に記載の多段圧縮装置。
【請求項19】
前記第1の圧縮機要素(5)又は第2の圧縮機要素(10)の少なくとも一方は、該第1の圧縮機要素(5)又は第2の圧縮機要素(10)を支持するように構成された第2の接続部品によって前記それぞれの第1のモータ(8)又は第2のモータ(13)に接続される、
請求項18に記載の多段圧縮装置。
【請求項20】
前記第1の圧縮機要素(5)又は第2の圧縮機要素(10)の少なくとも一方と共に順に冷却される前記第1のモータ(5)又は第2のモータ(13)の少なくとも一方の冷却出口は、冷却ユニット(15、22)の冷却入口に接続される、
請求項15に記載の多段圧縮装置。
【請求項21】
前記第1の圧縮機要素(5)又は第2の圧縮機要素(10)の少なくとも一方と共に順に冷却される前記第1のモータ(8)又は第2のモータ(13)の少なくとも一方の冷却入口は、冷却ユニット(15、22)の冷却出口に接続される、
請求項15に記載の多段圧縮装置。
【請求項22】
前記多段圧縮装置(1)は、オイルフリースクリュー圧縮装置である、
請求項1から21のいずれかに記載の多段圧縮機。
【請求項23】
少なくとも第1の圧縮機要素(5)及び第2の圧縮機要素(10)と、別個の第1の歯車伝動装置(9)及び第2の歯車伝動装置(14)を通じて前記第1の圧縮機要素(5)及び第2の圧縮機要素(10)の別の一方をそれぞれが個別に駆動する少なくとも第1のモータ(8)及び第2のモータ(13)とを備えた多段圧縮装置であって、前記第1の歯車伝動装置及び第2の歯車伝動装置(14)の各々は、前記第1のモータ(8)又は第2のモータ(13)のそれぞれのモータに接続された駆動歯車と、前記第1の圧縮機要素(5)又は第2の圧縮機要素(10)の一方のロータのシャフトに接続された被駆動歯車とを含み、前記第1の歯車伝動装置(9)及び第2の歯車伝動装置(14)のいずれか一方の前記駆動歯車の歯の数と前記被駆動歯車の歯の数との比率が2~6の間に存在する、
ことを特徴とする多段圧縮装置。
【請求項24】
多段圧縮装置(1)のモータの回転速度を調整する方法であって、
第1の圧縮機要素(5)を含む第1の圧縮機段(2)を準備し、前記第1の圧縮機要素(5)を第1のモータ(8)によって第1の歯車伝動装置(9)を通じて駆動するステップと、
第2の圧縮機要素(10)を含む第2の圧縮機段(3)を準備し、前記第2の圧縮機要素(10)を第2のモータ(13)によって別個の第2の歯車伝動装置(14)を通じて前記第1の圧縮機要素(5)とは別個に駆動するステップと、
前記第1の歯車伝動装置(9)及び第2の歯車伝動装置(14)の各々の駆動歯車を第1のモータ(8)又は第2のモータ(13)にそれぞれ接続するステップと、
前記第1の歯車伝動装置(9)及び第2の歯車伝動装置(14)の各々の被駆動歯車を前記第1の圧縮機要素(5)又は第2の圧縮機要素(10)のロータのシャフトにそれぞれ接続するステップと、
を含み、前記方法は、前記第1の歯車伝動装置(9)及び第2の歯車伝動装置(14)のいずれか一方の前記駆動歯車と前記被駆動歯車との間のギア比を2~6に設定するステップをさらに含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項25】
前記第1の圧縮機段(2)の圧縮ガス出口(7)を冷却ユニット(15)の入口に接続し、前記冷却ユニット(15)のガス出口を前記第2の圧縮機段(3)の入口(11)に接続して、前記第1の圧縮機段(2)の前記圧縮ガス出口(7)、及び前記第2の圧縮機段(3)の前記圧縮ガス出口(12)における圧力を測定するステップをさらに含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の圧縮機段(3)の前記圧縮ガス出口(12)において測定された前記圧力に基づいて前記第1のモータ(8)の回転速度を調整し、前記第1の圧縮機段(2)の前記圧縮ガス出口(7)において測定された前記圧力に基づいて前記第2のモータ(13)の回転速度を調整するステップをさらに含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の圧縮機段(3)の前記圧縮ガス出口(12)において測定された前記圧力を、前記多段圧縮装置(1)の前記圧縮ガス出口において必要とされる圧力に対応する第1の圧力基準と比較し、前記比較の結果、前記2つの値が異なることが明らかになった場合に、前記第1のモータ(8)の前記回転速度を調整するステップ、及び/又は、
前記第1の圧縮機段(2)の前記圧縮ガス出口(7)において測定された前記圧力を、前記冷却ユニット(15)のレベルにおける所望の圧力値に対応する第2の圧力基準と比較し、前記比較の結果、前記2つの値が異なることが明らかになった場合に、前記第2のモータ(13)の前記回転速度を調整するステップ、
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のモータ(8)の前記回転速度に所定の利得を乗算することによって前記第2のモータ(13)の前記回転速度を調整するステップをさらに含む、
請求項25から27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
PIコントローラが前記多段圧縮装置(1)の測定値を考慮することによって計算した決定済み利得に理想的な状況に対応する所定の利得を加算することによって計算された計算済み利得を前記第1のモータ(8)の前記回転速度に乗算することによって、前記第2のモータ(13)の前記回転速度を調整するステップをさらに含む、
請求項28に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入口及び圧縮ガス出口と、少なくとも、第1の歯車伝動装置を通じて第1のモータによって駆動される第1の圧縮機要素を含む第1の圧縮機段、及び別の第2の歯車伝動装置を通じて第2のモータによって駆動される第2の圧縮機要素を含む第2の圧縮機段とを備え、前記第1及び第2の歯車伝動装置の各々が、第1のモータ又は第2のモータにそれぞれ接続された駆動歯車と、増速機であるように構成された被駆動歯車とを含み、前記被駆動歯車の各々が、前記第1の圧縮機要素又は第2の圧縮機要素のロータのシャフトにそれぞれ接続され、第1のモータ及び第2のモータが、第1の圧縮機要素及び第2の圧縮機要素を個別に駆動するように適合された多段圧縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多段圧縮装置は、業界内で幅広く使用されており、このような既知の装置は、一般に同じモータ又は別のモータによって駆動される圧縮機要素を含む少なくとも2つの圧縮機段を有する。
【0003】
圧縮機要素が同じモータによって駆動される場合、これらの圧縮装置は、たとえこれらのモータが信頼できるものであったとしても、2つの圧縮機段の速度調節の柔軟性において制限を受ける。
【0004】
国際公開第2017/169,595号では、各段がインバータを通じて駆動されるモータを含む2段圧縮機の例を見出すことができる。
【0005】
さらに別の例である国際公開第2001/031,202号には、多段圧縮機の出口で測定された圧力に基づいて圧縮機段の圧縮機要素が個別に駆動される多段圧縮機が示されている。
【0006】
通常、これらの既知の圧縮装置は、低速で駆動されるかなり大型のモータを組み込んでいるが、このモータは最大容量で使用されないため、これらの装置は製造コスト面及び運用コスト面で非効率的なものなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2017/169,595号
【特許文献2】国際公開第2001/031,202号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した欠点を考慮して、本発明は、異なる圧縮機段の速度をそれぞれのパラメータに応じて調整する柔軟性の向上を可能にする多段圧縮装置を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の別の目的は、製造コスト面でも運用コスト面でも効率のよい多段圧縮装置を提供することである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、異なる圧縮機段の圧縮機要素を駆動するモータを大容量で使用するための解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、入口及び圧縮ガス出口と、少なくとも、第1の歯車伝動装置を通じて第1のモータによって駆動される第1の圧縮機要素を含む第1の圧縮機段、及び別の第2の歯車伝動装置を通じて第2のモータによって駆動される第2の圧縮機要素を含む第2の圧縮機段とを備え、前記第1及び第2の歯車伝動装置の各々が、第1のモータ又は第2のモータにそれぞれ接続された駆動歯車と、増速機であるように構成された被駆動歯車とを含み、前記被駆動歯車の各々が、前記第1の圧縮機要素又は第2の圧縮機要素のロータのシャフトにそれぞれ接続され、第1のモータ及び第2のモータが、第1の圧縮機要素及び第2の圧縮機要素を個別に駆動するように適合され、前記第1の歯車伝動装置及び第2の歯車伝動装置のいずれか一方の被駆動歯車と駆動歯車との間のギア比が2~6の間に存在する多段圧縮装置を提供することによって、上記の及び/又はその他の問題点の少なくとも1つを解決する。
【0012】
本発明による多段圧縮装置は、前記第1及び第2の歯車伝動装置のいずれか一方の被駆動歯車と駆動歯車との間にこのようなギア比を採用することにより、既存の圧縮装置と比較した時に、依然としてユーザの需要を満たして多段圧縮装置の効率を高めながら高速で駆動される小型のモータを組み込むことができる。
【0013】
従って、モータが小型であるため、多段圧縮装置の運転効率が高まるだけでなく、製造コストも削減される。
【0014】
また、本発明による多段圧縮装置のエネルギーフットプリント(energy footprint)も小さくなる。
【0015】
さらに、小型モータを使用することによって、多段圧縮装置の寸法及び重量も低下する。
【0016】
これにより、製造中のみならず輸送中にも多段圧縮装置の取り扱いが容易になる。
【0017】
このようなレイアウトを使用することにより、それぞれの圧縮機要素のロータの回転速度がモータのそれぞれの回転速度よりも高くなって多段圧縮装置の効率が高まる。
【0018】
実際に、このレイアウトによって、第1の圧縮機要素及び第2の圧縮機要素のロータは、大型モータ使用して到達していた速度と同じ速度に小型モータ使用して到達する。小型モータには、従来の材料、従来の接続手段及び従来の制御を使用すればよいので、このことは全体的な製造コスト及びシステムの複雑さの低減につながる。
【0019】
さらに、本発明は、多段圧縮装置のモータの回転速度を調整する方法であって、
第1の圧縮機要素を含む第1の圧縮機段を準備し、前記第1の圧縮機要素を第1のモータによって第1の歯車伝動装置を通じて駆動するステップと、
第2の圧縮機要素を含む第2の圧縮機段を準備し、前記第2の圧縮機要素を第2のモータによって別個の第2の歯車伝動装置を通じて第1の圧縮機要素とは別個に駆動するステップと、
第1の歯車伝動装置及び第2の歯車伝動装置の各々の駆動歯車を第1のモータ又は第2のモータにそれぞれ接続するステップと、
第1の歯車伝動装置及び第2の歯車伝動装置の各々の被駆動歯車を前記第1の圧縮機要素又は第2の圧縮機要素のロータのシャフトにそれぞれ接続するステップと、
を含み、前記第1の歯車伝動装置及び第2の歯車伝動装置のいずれか一方の駆動歯車と被駆動歯車との間のギア比を2~6に設定するステップをさらに含む、方法にも関する。
【0020】
さらに、本発明は、少なくとも第1の圧縮機要素及び第2の圧縮機要素と、別個の第1の歯車伝動装置及び第2の歯車伝動装置を通じて前記第1の圧縮機要素及び第2の圧縮機要素の別の一方をそれぞれが個別に駆動する少なくとも第1のモータ及び第2のモータとを備え、前記第1の歯車伝動装置及び第2の歯車伝動装置の各々が、前記第1のモータ又は第2のモータのそれぞれのモータに接続された駆動歯車と、前記第1の圧縮機要素又は第2の圧縮機要素の一方のロータのシャフトに接続された被駆動歯車とを含み、前記第1の歯車伝動装置及び第2の歯車伝動装置のいずれか一方の駆動歯車の歯の数と被駆動歯車の歯の数との比率が2~6の間に存在する多段圧縮装置にも関する。
【0021】
本発明の文脈では、多段圧縮装置に関して上述した利点が、回転速度を調整する方法についても当てはまると理解されたい。
【0022】
以下、本発明の特徴をより良く示す目的で、本発明によるいくつかの好ましい構成を、添付図面を参照しながら限定的な性質を一切伴わずにほんの一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態による多段圧縮装置を概略的に示す図である。
図2】本発明の実施形態による第1の圧縮機段の例を概略的に示す図である。
図3】本発明の実施形態による多段圧縮装置を概略的に示す図である。
図4図3による多段圧縮装置の側面からの視界を概略的に示す図である。
図5図3の多段圧縮装置の回転させた視界を概略的に示す図である。
図6】本発明の別の実施形態による多段圧縮装置を概略的に示す図である。
図7】本発明の実施形態による方法のフローチャート表現を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に、この例では第1の圧縮機段2とユーザのネットワーク4に圧縮ガスを供給する第2の圧縮機段3とを含む2段圧縮装置の形態の多段圧縮装置1を示す。
【0025】
前記第1の圧縮機段2は、入口6と圧縮ガス出口7とを有する第1の圧縮機要素5を含む。
【0026】
第1の圧縮機要素5は、第1のモータ8によって第1の歯車伝動装置9を通じて駆動される。
【0027】
通常、このような歯車伝動装置9はハウジング内に収容され、一般にこのアセンブリはギアボックスとして知られている。
【0028】
同様に、第2の圧縮機段3は、入口11と圧縮ガス出口12とを有する第2の圧縮機要素10を含む。第2の圧縮機要素10は、第2のモータ13によって第2の歯車伝動装置14を通じて駆動される。
【0029】
このようなレイアウトによって、独立した速度調節が実現される。
【0030】
しかしながら、本発明による多段圧縮装置1が、例えば限定するわけではないが、3つ、4つ又は5つ以上のような2つよりも多くの圧縮機段を含むこともできることを排除すべきではない。
【0031】
本発明の文脈では、多段圧縮装置1を、圧縮機要素5及び10と、全ての典型的な接続パイプ及びバルブと、天蓋(canopy)と、場合によっては圧縮機要素5及び10を駆動するモータ8及び13とを含む完全な圧縮機設備として理解すべきである。
【0032】
本発明の文脈では、圧縮機要素を、典型的には1又は2以上のロータによって内部で圧縮プロセスが行われる圧縮機要素ケーシングとして理解すべきである。
【0033】
前記第1の歯車伝動装置9及び第2の歯車伝動装置14の各々は、互いに噛み合う駆動歯車及び被駆動歯車を含む。
【0034】
第1の圧縮機段2について検討すると、駆動歯車は前記第1のモータ8のロータのモータシャフトに取り付けられ、被駆動歯車は第1の圧縮機要素5の1つのシャフトに取り付けられる。
【0035】
同様に、第2の歯車伝動装置14の駆動歯車は前記第2のモータ13のロータのモータシャフトに取り付けられ、被駆動歯車は第2の圧縮機要素10の1つのシャフトに取り付けられる。
【0036】
機能中には、モータシャフトと、従って駆動歯車とが回転して、圧縮機要素5内の被駆動歯車と、従ってロータとを同様に回転させる。
【0037】
被駆動歯車は増速機として構成されるので、動作中、被駆動歯車の回転速度は駆動歯車の回転速度よりも速い。従って、第1の圧縮機要素5及び第2の圧縮機要素10内のロータは、それぞれのモータのロータよりも高い回転速度に達するようになる。
【0038】
通常、前記第1の圧縮機要素5及び第2の圧縮機要素10の各々は、互いに噛み合う雄ロータ及び雌ロータ(図示せず)という2つのロータを含む。
【0039】
前記ロータの各々はシャフトを含み、限定するわけではないが、雄ロータのシャフトはそれぞれの歯車伝動装置の被駆動歯車に接続されていることが好ましい。
【0040】
雄ロータのシャフトの代わりに雌ロータのシャフトを被駆動歯車に接続もできることも排除すべきではない。
【0041】
このような歯車伝動装置の使用は、速度範囲面での柔軟性という利点をもたらす。
【0042】
さらに、前記歯車伝動装置の被駆動歯車と駆動歯車との間のギア比が低ければ低いほど、第1のモータ8及び第2のモータ13の速度がそれぞれ高くなって、潜在的なコスト削減を可能にする。しかしながら、一定の速度を上回ると、技術的課題に対処するためにさらなる対策が必要になる。
【0043】
第1のモータ8及び第2のモータ13がさらなる対策を必要としない場合、被駆動歯車と駆動歯車との間のギア比は2~6の間に存在することが好ましい。従って、モータが大容量で使用され、このことが低い運用コストにつながる。
【0044】
2~6の速度比を選択することにより、第1の圧縮機段2及び第2の圧縮機段3のロータの最大及び最小速度は、それぞれ実際に公称範囲内に維持される。従って、第1の圧縮機段2及び第2の圧縮機段3の圧縮機要素ケーシング内の温度も所望の制限内に維持されることにより、部品を保護して多段圧縮装置1の耐用期間を潜在的に延ばすことができる。
【0045】
第1のモータ8及び第2のモータ13の2~6の速度比を採用することにより、それぞれのモータの速度は、さらなる強化の必要性、及びモータ又は軸受を冷却するための追加手段を伴わずに従来の装置のものよりも高くなることができる。従って、運用コスト及び製造コストが低く維持される。
【0046】
従来のシステムでは、通常はモータのロータと圧縮機要素のロータとの間のギア比が6よりも高く選択され、このようなシステムには、低速で機能する大型モータが組み込まれている。モータが最大容量で駆動されないので、システムの効率が最適ではなく、運用コストが高くなる。
【0047】
より新しいシステムは、効率を高めるために2未満のギア比を選択するであろうが、このような高速まで行き着くと、第1のモータ8及び第2のモータ13のロータのさらなる強化が必要になる。
【0048】
さらに、大型モータは、最大容量での駆動時に遭遇する高振動及び高温に耐えることができる特別な接続要素及び材料を必要とする。
【0049】
また、第1のモータ8及び/又は第2のモータ13の高い回転速度は、周波数変換器の高いスイッチング周波数を必要とし、このことは制御面での課題が大きくなることを意味する。
【0050】
さらに、このような高い回転速度は、モータの製造に使用される特別な材料、その中に磁石を含めるための特別な手段、及び特別な冷却手段を必要とする。
【0051】
本発明による好ましい実施形態では、限定するわけではないが、前記第1及び第2の圧縮機要素5及び10を、オイルフリー又は給油式のいずれかのスクリュー又はツース(toothed)圧縮機要素として選択することができる。
【0052】
本発明による別の好ましい実施形態では、前記第1のモータ8及び第2のモータ13の各々が、それぞれのモータ8及び13の回転速度を変更するための周波数変換器(図示せず)を含む。
【0053】
本発明による好ましい実施形態では、第1のモータ8及び第2のモータ13が、各周波数変換器を通じて互いに独立して速度の変更を可能にする。
【0054】
多段圧縮装置1のレイアウトがこのようにして選択されるので、システムの柔軟性が高まるだけでなく、多段圧縮装置1を特定のシステム条件に従って適合させることもできる。
【0055】
従って、独立した速度調節により、多段圧縮装置1の性能を環境条件及び動作条件に基づいて改善することができる。
【0056】
本発明による好ましい実施形態では、限定するわけではないが、第1の圧縮機段2及び第2の圧縮機段3が直列に接続される。従って、第1の圧縮機段2の圧縮ガス出口7が第2の圧縮機要素10の入口11に流体的に接続され、第2の圧縮機段3の圧縮ガス出口12がユーザのネットワーク4(図1)に流体的に接続される。
【0057】
しかしながら、第1の圧縮機段2を第2の圧縮機段3と並列に接続できることも排除すべきではない。このような事例では、2つの圧縮機段の入口が共通入口から分岐し、2つの圧縮ガス出口が、ユーザのネットワークに到達する共通出口に接続されるようになる。
【0058】
本発明による好ましい実施形態では、多段圧縮装置1が、第1の圧縮機要素5又は第2の圧縮機要素10から排出される圧縮ガスを冷却するための冷却ユニット15を含む。
【0059】
このような冷却ユニット15は、第1の圧縮機段2と第2の圧縮機段10との間、又は第2の圧縮機段10とユーザのネットワーク4との間のいずれかに配置される。
【0060】
冷却ユニット15は、第1の圧縮機段2と第2の圧縮機段10との間の流体導管上に配置されることが好ましい。
【0061】
通常、冷却ユニット15は、圧縮ガスが流れる第1のチャネル区域と、冷却液が流れる第2の区域という2つの区域を含み、冷却液の温度は、一般に圧縮ガスの温度よりも大幅に低い。従って、第1の圧縮機段3を離れた圧縮ガスは、冷却ユニット15を通過することによって冷却された後に、第2の圧縮機要素10の入口を通じて導かれてそこでさらに圧縮される。
【0062】
冷却ユニット15内の冷却液は、空気、水、油又はその他のいずれかの冷却液を含む群から選択される。
【0063】
本発明による別の実施形態では、限定するわけではないが、冷却液が、例えばグリコールなどの添加剤をさらに含むことができる。
【0064】
本発明による実施形態では、多段圧縮装置1が、第1の通信リンク17を通じて第1のモータ8に、第2の通信リンク18を通じて第2のモータ13に接続されたコントローラユニット16をさらに含む。
【0065】
限定するわけではないが、コントローラユニット16は、前記第1の通信リンク17を通じて、第1のモータ8の速度を上昇又は低下させるように適合された周波数変換器に接続されることが好ましい。
【0066】
同様に、コントローラユニット16は、第2の通信リンク18を通じて、第2のモータ13の速度を上昇又は低下させるように適合された周波数変換器に接続される。
【0067】
コントローラユニット16は、前記第1のモータ8及び前記第2のモータ13の速度を決定し、各周波数変換器に対して電気信号を生成する。
【0068】
本発明による好ましい実施形態では、通常、多段圧縮装置1が、例えば第1の圧縮機要素5の圧縮ガス出口7に配置された第1の圧力センサ23及び/又は第1の温度センサ25、並びに第2の圧縮機要素10の圧縮ガス出口12に配置された第2の圧力センサ24及び/又は第2の温度センサ26のような一連のセンサを含む。
【0069】
第1の圧縮機段2の圧縮ガス出口7及び第2の圧縮機段3の圧縮ガス出口12における圧力及び/又は温度を測定して、ユーザのネットワーク4のレベルにおける圧縮ガスの要件を考慮することにより、第1のモータ8及び第2のモータ13の回転速度を多段圧縮装置1の最適な機能条件が維持されるように決定することができる。
【0070】
本発明による別の実施形態では、コントローラユニット16が、前記圧力センサ23及び/又は24、及び/又は温度センサ25及び/又は26から、それぞれ第3の通信リンク19及び第4の通信リンク27を通じて測定データを受け取るように適合される。
【0071】
多段圧縮装置1の設計中には、異なる圧縮機要素のパラメータ、その幾何学的寸法、及びガスの圧縮中における理想的な挙動を考慮することによって、圧縮装置1の機能パターンが決定される。従って、モータの速度と圧縮ガス出口の圧力との間の関係を発見できるグラフィック表現又は行列が実現される。
【0072】
このようなグラフ又は行列を使用して、それぞれの圧力及び/又は温度測定値、及びユーザのネットワークにおける要件に基づいて、第1のモータ8及び第2のモータ13の速度を決定することができる。
【0073】
本発明による別の実施形態では、コントローラユニット16が、第1の圧縮機要素5及び第2の圧縮機要素10の質量流量対圧力の表現をさらに使用して多段圧縮装置1の平衡状態を決定し、この平衡状態が維持されるように第1のモータ8及び第2のモータ13の速度を変更することができる。
【0074】
このような状態では、冷却ユニット15の効率が最適である。また、第2の圧縮機要素10と第1の圧縮機要素5との間の圧力比が公称パラメータ内に維持され、すなわち段間の圧力差が非常に高くなる状況が避けられる。従って、圧縮機要素5及び10の各々の温度が非常に高いレベルに上昇してそれぞれの圧縮機段2及び3の機能に潜在的に影響を及ぼすことが防がれる。
【0075】
従って、運用コストが削減されるだけでなく、圧縮機要素5及び10が非常に高い温度、非常に低い又は非常に高い圧力レベルに達することから保護されるとともに、第1及び第2のモータ8及び13が公称範囲外の速度で動作することからも保護される。
【0076】
理想的な状況では、たとえ第1のモータ8及び/又は第2のモータ13の速度が低下した場合でも、依然として平衡状態が維持される。
【0077】
しかしながら、実際の状況では、モータが速度の変動を受けると、平衡状態に達するパラメータが質量流量対圧力の表現上で変位し、この結果、第1のモータ8の駆動速度が非常に遅いことによって圧縮ガス出口7の圧力が非常に高くなる状況が発生し得ることが試験によって示されている。
【0078】
この状況は望ましくないものであり、コントローラユニット16は、第1のモータ8及び第2のモータ13の速度を個別に調整することによって、第1の圧縮機要素5の圧縮ガス出口7及び第2の圧縮機要素10の圧縮ガス出口12における高い圧力値を防ぐことを支援する。
【0079】
通常、第1の圧縮機要素5は、ユーザのネットワーク4のレベルで供給される圧縮ガスの体積を定めるのに対し、第2の圧縮機要素10は、ユーザのネットワーク4において供給される圧縮ガスの圧力を定める。
【0080】
ユーザのネットワークのレベルにおける需要の変化に起因して第1の圧縮機要素5のロータの速度が大幅に低下し、第2の圧縮機要素10のロータが同じ速度に維持された状況にシステムが達した場合には、第1の圧縮機要素5の圧縮ガス出口7の圧力値、従って温度レベルが、非常に高いレベルまで上昇することができる。
【0081】
コントローラユニット16は、第2のモータ13の速度を個別に調整し、第1の圧縮機段2の圧縮ガス出口7における圧力及び/又は温度の測定値を考慮することによって、この状況を回避する。
【0082】
このような速度の調整によって、第1の圧縮機段2及び第2の圧縮機段3の速度範囲が実際に広がる。
【0083】
従って、第1のモータ8が非常に低速で動作している時には、第1の圧縮機要素5の圧縮ガス出口7で測定された圧力及び温度が非常に高くなって機能の限界に達し、又は達する寸前になる。このような状況に出くわした時には、多段圧縮装置1を停止するのではなく、第2の圧縮機段3のレベルにおいて速度の調整を行うことが好ましい。従って、第2のモータ13の速度を高めることにより、第1の圧縮機要素5の圧縮ガス出口7のレベルにおける圧力が低下し、従って多段圧縮装置1が公称パラメータ内に維持される。
【0084】
このようにすると、第1のモータ8が最小設定よりもさらに低速で動作して、多段圧縮装置1の信頼性を高めることができる。
【0085】
第2の圧縮機要素10の圧縮ガス出口12において圧力又は温度面で極端な値に達し、第1のモータ8の回転速度の調整を通じてこれらの値を調整する場合にも同様である。
【0086】
既知の圧縮機では、第1の圧縮機段が低い回転速度で動作している場合、第1の圧縮機要素のレベルで測定された圧力が上昇するとともに、第2の圧縮機要素のレベルで遭遇する漏れも増加し、これらはユニットの機能にとって有害である。
【0087】
しかしながら、本発明による多段圧縮装置1を使用することによって、このような状況は回避される。
【0088】
従って、第1の圧縮機要素5及び第2の圧縮機要素10は、第1の圧縮機要素5の圧縮ガス出口7における圧縮ガスの圧力を調整することによって2つの段間における圧力と質量流量との間の平衡状態を維持できるように、別個の歯車伝動装置を通じて個別に駆動される。
【0089】
平衡状態を維持することにより、多段圧縮装置1はエネルギー消費面での効率が高まり、圧縮機段2及び3は公称作動パラメータ内に維持される。
【0090】
第1の圧縮機要素5及び第2の圧縮機要素10は、第1のモータ8及び第2のモータ13を通じて個別に駆動され、ギア比は2~6の間に存在するため、多段圧縮装置1は制御が容易なモータを利用し、このようなモータは、より良好な動的制御を有する。従って、第1のモータ8及び第2のモータ13は、容易に安定した動作状態に維持され、より正確に制御される。
【0091】
モータの動特性制御は、多段圧縮装置1全体の動特性を定めるので、前記多段圧縮装置1は、より単純なソフトウェアを使用することができる。
【0092】
本発明の文脈では、第1の通信リンク17、第2の通信リンク18、第3の通信リンク19及び第4の通信リンク27を、それぞれ有線又は無線通信リンクとして選択することができる。
【0093】
有線接続の場合には、電気信号の伝達を可能にするワイヤと、コントローラユニット16とそれぞれのコンポーネントとを接続するための、前記ワイヤのそれぞれの端部におけるコネクタ要素とが設けられる。
【0094】
無線接続の場合には、2つのコンポーネント間の接続が、互いに通信して電気信号の送信を可能にする送信機及び受信機を含み、或いは各コンポーネントが、双方向通信を可能にするトランシーバを含むことができる。
【0095】
本発明による実施形態では、前記第1のモータ8又は第2のモータ13の少なくとも一方が電気モータである。
【0096】
本発明によるさらに別の実施形態では、限定するわけではなく、少なくとも1つの電気モータがVSD(変速駆動)モータである。
【0097】
課題及び関連する速度範囲は、電気モータ(2)のサイズに依存する。この依存性を克服するために、本発明の好ましい特徴によれば、第1のモータ8及び/又は第2のモータ13の少なくとも一方が、kW単位での公称電力とrpm単位での公称速度の2乗との積が0.0006×10E12~0.025×10E12の範囲内に存在するように構成される。
【0098】
通常、モータに関連するコストは、公称電力と公称速度の2乗との積の値の増加と共に低下する。このような状況には、技術的限界に起因して限界に達するまで遭遇する。このような限界を超える必要がある場合には、さらに高価なモータ及び制御システムを選択する必要がある。
【0099】
本発明による別の実施形態では、前記第1のモータ8及び/又は第2のモータ13の少なくとも一方を、kW単位での最大電力とrpm単位での最大速度の2乗との積が0.0006×10E12~0.025×10E12の範囲内に存在するように構成することができる。
【0100】
本発明による別の実施形態では、第1の圧縮機段2及び第2の圧縮機段3がハウジング(図示せず)内に収容される。
【0101】
多段圧縮装置1の設置面積を低減してガス流を改善するには、前記第1の圧縮機要素5又は第2の圧縮機要素10の少なくとも一方と、この少なくとも一方の第1の圧縮機要素5又は第2の圧縮機要素10を駆動する第1のモータ8又は第2のモータ13とを、多段圧縮装置1の最も長い側面の、従ってハウジング(図3)の最も長い側面の方向に対して横向きに配向することが好ましい。
【0102】
通常、圧縮機要素を駆動するモータは、圧縮機要素のロータを直接駆動するので、前記圧縮機要素に隣接して連続した形で取り付けられる。圧縮機要素のロータの回転軸は、歯車伝動装置に起因してそれぞれのモータのロータの回転の回転軸から変位するが、これと平行に維持される。
【0103】
圧縮機要素の回転軸は、図3に示すような軸A-A’を定める。
【0104】
前記第1の圧縮機段2及び第2の圧縮機段3の少なくとも一方は、これらの段が定める軸A-A’が多段圧縮装置1の最も長い側面の方向に対して横向きに配置されるように取り付けられることが好ましい。
【0105】
限定するわけではないが、第1の圧縮機要素5及び第1のモータ8、並びに第2の圧縮機要素10及び第2のモータ13は、いずれも多段圧縮装置1の最も長い側面の、従ってハウジングの最も長い側面の方向に対して横向きに配向されることが好ましい。
【0106】
標準化の理由から、異なる圧縮機要素には同一の電気モータが使用されることが好ましい。具体的に言えば、モータの寸法は同一であることが好ましい。
【0107】
電磁両立性の理由から、周波数変換器は第1のキュービクル(cubicle)20内に配置し、コントローラユニット16及びそれぞれの制御電子回路は第2のキュービクル21内に配置することができる。前記第1及び第2のキュービクル20及び21は、多段圧縮装置1の頭部側に互いに隣接して配置されることが好ましい。
【0108】
換言すれば、取り付け後、第1のキュービクル20及び第2のキュービクル21は、ハウジングの最も長い側面に対応する軸B-B’を定める。軸A-A’は、軸B-B’に平行又はほぼ平行であることが好ましい。
【0109】
本発明による別の実施形態では、限定するわけではなく、第2の圧縮機段3を第1の圧縮機段2と並列に取り付けることができる。
【0110】
本発明によるさらに別の実施形態では、多段圧縮装置1を通じたガス流を改善するために、図6に示すように第2の圧縮機段3を第1の圧縮機段2に対して180°回転させることができる。従って、第1のモータ8は第2の圧縮機要素10と並列に取り付けられ、第2のモータ13は第1の圧縮機要素5と並列に取り付けられる。
【0111】
このようなレイアウトによって、多段圧縮装置1を通過する間のガスの経路が短くなる。
【0112】
本発明による別の実施形態では、第1のモータ8及び第2のモータ13を空冷式又は液冷式のいずれかとすることができる。
【0113】
ロバスト性の理由から、前記第1のモータ8及び第2のモータ13の少なくとも一方は液冷式であることが好ましい。
【0114】
限定するわけではないが、第1のモータ8及び第2のモータ13は、いずれも液冷式であることが好ましい。
【0115】
本発明による好ましい実施形態では、限定するわけではないが、前記第1のモータ8及び第2のモータ13の少なくとも一方が、この第1のモータ8又は第2のモータ13によって駆動される第1の圧縮機要素5又は第2の圧縮機要素10とそれぞれ同じ液体で冷却される。
【0116】
効率的な冷却と、最低数のコンポーネント及び接続手段しか必要としないコンパクトな多段圧縮装置1とを達成するために、同じ液体で冷却される少なくとも1つのモータ8及び/又は13、並びに圧縮機要素5及び/又は10は、前記液体を含む冷却回路を含み、この冷却回路は、このモータ8及び/又は13と、関連する圧縮機要素5及び/又は10とが順に冷却されるように構成される。
【0117】
限定するわけではないが、第1のモータ8及び第2のモータ13の各々は、そのモータハウジングの周辺部に沿って、前記モータハウジングを通じて冷却効率を高める冷却チャネルを含むことが好ましい。
【0118】
同様に、前記第1の圧縮機要素5及び第2の圧縮機要素10の各々の圧縮機ハウジングも、それぞれの圧縮機ハウジングの周辺部に沿って冷却チャネルを含むことができる。
【0119】
本発明による別の実施形態では、さらにコンパクトな多段圧縮装置1に達するために、前記第1の圧縮機要素5又は第2の圧縮機要素10の少なくとも一方の圧縮ガス出口が冷却ユニット15に接続されて、この冷却ユニット15の上部に配置される。
【0120】
本発明による別の実施形態では、多段圧縮装置1が、第2の圧縮機段3とユーザのネットワーク4との間の流体導管上に配置された第2の冷却ユニット22をさらに含む。
【0121】
さらに好ましい実施形態では、限定するわけではないが、第1の圧縮機要素5が冷却ユニット15の上部に配置され、第2の圧縮機要素10が第2の冷却ユニット22の上部に配置される。
【0122】
限定するわけではないが、第1の圧縮機要素5と冷却ユニット15との間の接続部、及び/又は第2の圧縮機要素10と第2の冷却ユニット2との間の接続部は、前記第1の圧縮機要素5及び/又は前記第2の圧縮機要素10を支持するように構成されることが好ましい。
【0123】
本発明による別の実施形態では、第1の圧縮機要素5を駆動する第1のモータ8及び第1の圧縮機要素5が、冷却ユニット15の上部に配置される。
【0124】
限定するわけではないが、第2の圧縮機要素10を駆動する第2のモータ13及び第2の圧縮機要素10は、第2の冷却ユニット22の上部に配置されることがさらに好ましい。
【0125】
必ずというわけではないが、前記第1のモータ8及び第2のモータ13の各々の冷却出口は、前記冷却ユニット15又は第2の冷却ユニット22の冷却入口にそれぞれ接続され、或いは前記第1のモータ8及び第2のモータ13の各々の冷却入口は、前記冷却ユニット15又は第2の冷却ユニット22の冷却出口にそれぞれ接続されることが好ましい。
【0126】
本発明による別の実施形態では、前記第1の圧縮機要素5及び/又は前記第2の圧縮機要素10の一方と冷却ユニット15との間の接続が、この第1の圧縮機要素5又は第2の圧縮機要素10を支持するように構成された接続部品28によって実現される。
【0127】
本発明による別の好ましい実施形態では、限定するわけではなく、前記第1の圧縮機要素5又は第2の圧縮機要素10の前記少なくとも一方が、この第1の圧縮機要素5又は第2の圧縮機要素10を支持するように構成された第2の接続部品によってそれぞれの第1のモータ8又は第2のモータ13に接続される。このようなレイアウトを採用することにより、本発明による多段圧縮装置1は非常にコンパクトになる。さらに、異なるコンポーネントへの容易な標準化されたアクセスによって容易なメンテナンス手順を達成することができる。
【0128】
本発明による別の実施形態では、限定するわけではなく、多段圧縮装置1が、第1のモータ8及び/又は第2のモータ13(図示せず)によって駆動される2又は3以上の圧縮機要素を含むことができる。
【0129】
一例として、第1の圧縮機段2は、前記第1の圧縮機要素5と、第1の圧縮機要素5と直列又は並列に接続された少なくとも1つのさらなる圧縮機要素(図示せず)とを含むことができる。
【0130】
同様に、第2の圧縮機段3は、少なくとも1つのさらなる圧縮機要素(図示せず)と直列又は並列に接続された前記第2の圧縮機要素10を含むことができる。
【0131】
多段圧縮装置1の別の可能性は、例えば第1の圧縮機段2の圧縮ガス出口7からの分岐接続部から圧縮ガスを受け取る第1のユーザのネットワークへの接続部を含むことである。
【0132】
一方で、別のユーザのネットワークは、第2の圧縮機段3の圧縮ガス出口12からの分岐接続部から圧縮ガスを受け取る。
【0133】
多段圧縮装置1の機能は、以下のように非常に単純なものである。
【0134】
多段圧縮装置1がオンになると、第1のモータ8及び第2のモータ13が、第1の歯車伝動装置9を通じて第1の圧縮機要素5のロータを、そして第2の歯車伝動装置14を通じて第2の圧縮機要素10のロータを、ユーザのネットワーク4における需要が満たされるようにコントローラユニット16が選択したそれぞれの速度で回転させる。
【0135】
第1の圧縮機段2の圧縮ガス出口7は、冷却ユニット15の入口に接続され、冷却ユニット15のガス出口は、第2の圧縮機要素10の入口11に接続されることが好ましい。
【0136】
図7のステップ100において、第1の圧縮機段2の圧縮ガス出口7における圧力及び第2の圧縮機段3の圧縮ガス出口12における圧力が、第1の圧力センサ23及び第2の圧力センサ24によってそれぞれ測定され、第3の通信リンク19を通じてコントローラユニット16に送信される。
【0137】
本発明による実施形態では、コントローラユニット16が、第2の圧縮機段3の圧縮ガス出口12において測定された圧力に基づいて第1のモータ8の回転速度を調整し、第1の圧縮機段2の圧縮ガス出口7において測定された圧力に基づいて第2のモータ13の回転速度を調整できることが好ましい。
【0138】
コントローラユニット16は、ステップ101において、第2の圧縮機段3の圧縮ガス出口12において測定されたステップ124からの圧力を、第2の圧縮機要素10の圧縮ガス出口12において必要とされる圧力、従ってユーザのネットワーク4における所望の圧力に対応するステップ102からの第1の圧力基準と比較する。
【0139】
この比較によって2つの値が異なることが明らかになった場合、コントローラユニット16は、ステップ103において第1のモータ8の回転速度を決定し、第1の通信リンク17を通じて第1の圧縮機段2の周波数変換器に対して電気信号を生成し、ステップ104において第1のモータ8の回転速度を調整する。
【0140】
コントローラユニット16は、ステップ105において、第1の圧力基準102に基づいて、設計中に決定された多段圧縮装置1の機能パターンを考慮することによって、冷却ユニット15のレベルにおける第2の圧力基準104を識別する。
【0141】
言うまでもなく、コントローラユニット16は、計算を実行できる処理装置(図示せず)と、異なるデータ及び計算を記憶できる記憶装置(図示せず)とを含む。
【0142】
多段圧縮装置1の機能パターンは、圧縮装置1が工場から出荷される前に、或いは圧縮装置1が工場から出荷された後のいずれかの時点で記憶装置に保存できることが好ましい。
【0143】
ステップ104において識別された第2の圧力基準は、その後ステップ123において、第1の圧縮機段2の圧縮ガス出口7において測定された圧力と比較される。この比較の結果、2つの値が異なることが明らかになった場合、コントローラユニット16は、ステップ106において第2のモータ13の回転速度を決定し、第2の通信リンク18を通じて第2の圧縮機段3の周波数変換器に対して電気信号を生成し、ステップ107において第2のモータ13の回転速度を調整することが好ましい。
【0144】
回転速度を調整することにより、コントローラユニット16によって生成された電気信号が、それぞれの周波数変換器が第1のモータ8又は第2のモータ13の回転速度を第1の圧力基準及び/又は第2の圧力基準に達するようにそれぞれ増加又は減少させることを決定したと理解されたい。
【0145】
第2の圧力基準は、第1の圧縮機段2と第2の圧縮機段3との間の平衡状態が維持されるようにコントローラユニット16によって選択されることが好ましい。
【0146】
本発明による好ましい実施形態では、限定するわけではなく、コントローラユニット16が、第1のモータ8及び/又は第2のモータ13の必要な回転速度を決定する比例積分(PI)コントローラを含む。
【0147】
本発明による別の実施形態では、コントローラユニット16が、それぞれが第1のモータ8及び第2のモータ13の速度をそれぞれ決定するために使用される2つのPIコントローラを含むことができる。
【0148】
これらのコントローラは、ステップ103及び106における計算を実行する。
【0149】
本発明による別の実施形態では、限定するわけではなく、方法が、ステップ108において、第1のモータ8の回転速度に所定の利得を乗算することによって第2のモータ13の回転速度を調整するステップをさらに含む。
【0150】
この所定の利得は、多段圧縮装置1の機能パターンから決定される。
【0151】
さらに別の実施形態では、限定するわけではなく、方法が、PIコントローラが多段圧縮装置1の測定値を考慮して計算した決定済み利得に理想的な状況に対応する所定の利得を加算することによって計算された計算済み利得を第1のモータ8の回転速度に乗算することによって第2のモータ13の回転速度を調整するステップをさらに含む。
【0152】
この所定の利得は、理想的な状況に従う多段圧縮装置1の挙動を考慮し、多段圧縮装置1の理論的計算モデルに基づいて、第1のモータ8の回転速度と、ユーザのネットワーク4において望まれる圧力との関数として計算される。
【0153】
一方で、決定済み利得は、多段圧縮装置1の実際の挙動を考慮して、第1のモータ8の回転速度と、ユーザのネットワーク4において望まれる圧力との関数として計算される。
【0154】
このような方法を実施することにより、第2のモータ13の回転速度がより正確に決定される。従って、多段圧縮装置1の機能中にその平衡状態が維持される。
【0155】
前記多段圧縮装置1は、その設計に応じて、本明細書で示した一部又は全部の技術的特徴を本発明の範囲から逸脱することなくあらゆる組み合わせで含むことができる。
【0156】
技術的特徴とは、少なくとも、圧縮機段間の直列接続、各圧縮機段に含まれる圧縮機及びその接続部の数、第1及び第2の圧縮機要素5及び10をオイルフリー又は給油式のスクリュー又はツース圧縮機要素として選択できること、第1のモータ8及び第2のモータ13の各々が周波数変換器を含むこと、機能パターンの使用、質量流量対圧力の表現の使用、第1のモータ8又は第2のモータ13の少なくとも一方が電気モータであること、最後の電気モータが変速駆動(VSD)モータであること、それぞれの冷却ユニット15及び/又は22の上部に圧縮機要素及びモータが配置されること、多段圧縮装置1が、冷却ユニット15、第2の冷却ユニット22、コントローラユニット16、第1の通信リンク17、第2の通信リンク18、第1の圧力センサ23、第1の温度センサ25、第2の圧力センサ24、第2の温度センサ26、第3の通信リンク19、第4の通信リンク27、接続部品28を含むこと、などを意味する。
【0157】
本発明は、決して上記で説明して図面に示した例に限定されるものではなく、本発明による多段圧縮装置は、本発明の範囲から逸脱することなく全ての形状及び寸法で実現することができる。
【符号の説明】
【0158】
1 多段圧縮装置
2 第1の圧縮機段
3 第2の圧縮機段
4 ユーザのネットワーク
5 第1の圧縮機要素
6 入口
7 圧縮ガス出口
8 第1のモータ
9 第1の歯車伝動装置
10 第2の圧縮機要素
11 入口
12 圧縮ガス出口
13 第2のモータ
14 第2の歯車伝動装置
15 冷却ユニット
16 コントローラユニット
17 第1の通信リンク
18 第2の通信リンク
19 第3の通信リンク
23 第1の圧力センサ
24 第2の圧力センサ
25 第1の温度センサ
26 第2の温度センサ
27 第4の通信リンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口(6)及び圧縮ガス出口(12)と、少なくとも、第1の歯車伝動装置(9)を通じて第1のモータ(8)によって駆動される第1の圧縮機要素(5)を含む第1の圧縮機段(2)、及び別の第2の歯車伝動装置(14)を通じて第2のモータ(13)によって駆動される第2の圧縮機要素(10)を含む第2の圧縮機段(3)とを備えた多段圧縮装置(1)であって、前記第1及び第2の歯車伝動装置(9、14)の各々は、前記第1のモータ(8)又は前記第2のモータ(13)にそれぞれ接続された駆動歯車と、増速機であるように構成された被駆動歯車とを含み、前記被駆動歯車の各々は、前記第1の圧縮機要素(5)又は第2の圧縮機要素(10)のロータのシャフトにそれぞれ接続され、前記第1のモータ(8)及び前記第2のモータ(13)は、前記第1の圧縮機段(2)及び前記第2の圧縮機段(3)を個別に駆動するように適合され、前記第1の歯車伝動装置(9)及び第2の歯車伝動装置(14)のいずれか一方の前記被駆動歯車と前記駆動歯車との間のギア比が2~6の間に存在する、
ことを特徴とする多段圧縮装置。
【外国語明細書】