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特開2022-130419モバイル通信ネットワークにおける可変容量データ送信
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  • 特開-モバイル通信ネットワークにおける可変容量データ送信 図1
  • 特開-モバイル通信ネットワークにおける可変容量データ送信 図2
  • 特開-モバイル通信ネットワークにおける可変容量データ送信 図3A
  • 特開-モバイル通信ネットワークにおける可変容量データ送信 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130419
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】モバイル通信ネットワークにおける可変容量データ送信
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/20 20180101AFI20220830BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20220830BHJP
   H04W 8/24 20090101ALI20220830BHJP
【FI】
H04W4/20 110
H04W4/70
H04W8/24
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022092264
(22)【出願日】2022-06-07
(62)【分割の表示】P 2020177217の分割
【原出願日】2016-11-08
(31)【優先権主張番号】1560766
(32)【優先日】2015-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】591034154
【氏名又は名称】オランジュ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ・ムーケ
(72)【発明者】
【氏名】サナー・エル・ムムヒ
(72)【発明者】
【氏名】アリ-アミーヌ・ムアフィク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】低/高容量の両方のデータの送信を処理する。
【解決手段】モバイル端末UE宛てのデータパケットを受信した後に、モバイル通信ネットワークのネットワークノードGWとUEの間でデータを送信する方法であって、データパケットを受信した後に警告メッセージをUEに送信しS03、これに応答して、UEからサービス要求を受信しS04、送信対象データの容量或いはUEをネットワークに接続するフェーズにおいて受信したパラメータに従って、データトランスポートチャネル及びシグナリングチャネルのうちから、データを送信するチャネルを判定しS1、データトランスポートチャネルを確立しS2、データトランスポートチャネルを介して少なくとも1つのデータパケットを送信しS3、シグナリングチャネルが使用されるべきときに、送信対象のデータをシグナリングメッセージに挿入しS4シグナリングメッセージをモバイル端末に向かって送信するS5。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル通信ネットワークのネットワークノード(GW)とモバイル端末(UE)の間においてデータを送信する方法であって、前記方法は、前記モバイル端末宛ての少なくとも1つのデータパケット(DL_P(di))の受信の後に、前記ネットワークノードによって実装され、前記方法は、前記少なくとも1つのデータパケットの受信の後の前記モバイル端末へのアラートメッセージ(Pgng)の送信(S03)と、これに応答する前記モバイル端末からのサービス要求(Serv_req)の受信(S04)と、を含み、
前記方法は、前記モバイル端末からの前記サービス要求の前記受信の後に、
前記送信対象のデータの容量に、或いは、前記モバイル端末を前記ネットワークに接続するフェーズにおいて受信されたパラメータに、応じて、前記モバイルネットワークのデータトランスポートチャネル及びシグナリングチャネルのうちから、前記データを送信するべく使用されるべきチャネルを判定するステップ(S1)と、
データトランスポートチャネルが使用されるべきである際に、前記モバイル端末と前記ネットワーク装置の間におけるデータトランスポートチャネルのセットアップをトリガし(S2)、且つ、前記データトランスポートチャネルにより、前記少なくとも1つのデータパケットを送信する(S3)ステップと、
シグナリングチャネルが使用されるべきである際に、前記送信対象のデータを少なくとも1つのシグナリングメッセージ(MSG(di))に挿入し(S4)、且つ、前記少なくとも1つのシグナリングメッセージを前記モバイル端末に送信する(S5)ステップ
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記使用されるべきチャネルの前記判定(S1)は、
前記送信対象のデータの前記容量(VOL(d))を判定するステップと、
前記容量を決定閾値容量(VOL)と比較するステップであって、前記容量が前記決定閾値容量を上回っている際にデータトランスポートチャネルが使用され、且つ、前記容量が前記決定閾値容量を下回っている際にシグナリングチャネルが使用されるステップ
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネットワークノードによって実装された、且つ、前記使用されるべきチャネルの前記判定(S1)の前の、
前記モバイル端末に送信される対象である、前記ネットワークノードによって受信された、前記少なくとも1つのデータパケットの保存をトリガするステップ(S02)と、
前記サービス要求が受信される時点まで、前記保存されているデータパケットの、或いは、それらが収容しているデータの、バイトの数を合算することにより、前記送信対象のデータの容量を判定するステップ
を更に含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ネットワークノードによって実装された、且つ、前記使用されるべきチャネルの前記判定の前の、
既定の期間にわたって、前記モバイル端末に対して送信される対象である前記少なくとも1つの受信されたデータパケットを保存するステップと、
前記保存されているデータパケットの、或いは、それらが収容しているデータの、バイトの数を合算することにより、前記送信対象のデータの容量が算出されるステップ
を更に含む請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ネットワークノード(GW)は、前記端末を前記ネットワークに接続するフェーズにおいて、前記端末を前記ネットワークに接続するための要求において、前記送信対象のデータが低容量を有することを通知するパラメータ(IND)を受信した後に(ステップS001)、シグナリングチャネルが使用されるべきであると判定し、且つ/又は、前記端末を前記ネットワークに接続するための要求において、前記送信対象のデータが高容量を有することを通知するパラメータ(IND)を受信した後に(ステップS001)、データトランスポートチャネルが使用されるべきであると判定する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
モバイル端末(UE)に対して送信される対象である少なくとも1つのデータパケット(DL_P(d))を受信可能な処理モジュールを有するモバイル通信ネットワーク内において使用されるべく意図されたネットワークノード(GW)であって、前記処理モジュールは、前記少なくとも1つのデータパケットの前記受信の後にアラートメッセージ(Pgng)を前記モバイル端末に対して送信する(S03)と共にこれに応答して前記モバイル端末からサービス要求(Serv_req)を受信する(SO4)ように、構成されており、
前記ネットワークノードは、前記処理モジュールが、前記モバイル端末からの前記サービス要求の受信の後に、
前記送信対象のデータの容量に、或いは、前記モバイル端末を前記ネットワークに接続するフェーズにおいて前記モバイル端末から受信されたパラメータに、応じて、前記モバイルネットワークのデータトランスポートチャネル及びシグナリングチャネルのうちから、前記データを送信するべく使用されるべきチャネルを判定し(S1)、
データトランスポートチャネルが使用されるべきである際に、前記モバイル端末との間におけるデータトランスポートチャネルのセットアップをトリガし(S2)、且つ、前記データトランスポートチャネルによって前記少なくとも1つのデータパケットを送信し(S3)、
シグナリングチャネルが使用されるべきである際に、前記送信対象のデータを少なくとも1つのシグナリングメッセージ(MSG(di))に挿入し(S4)、且つ、前記少なくとも1つのシグナリングメッセージを前記モバイル端末に送信する(S5)
ように構成されていることを特徴とする、ネットワークノード。
【請求項7】
モバイル端末であって、前記モバイル端末宛てのダウンリンクデータを受信しうるネットワークノード(GW)を有するモバイル通信ネットワークと共に使用されるべく意図されたモバイル端末(UE)であって、前記モバイルネットワークとの間においてデータを交換しうる処理モジュール(COM)を有し、前記処理モジュールは、前記モバイル通信ネットワークに接続するための要求内に、前記モバイル端末が、前記ダウンリンクデータの送信のために、シグナリングチャネル又はデータトランスポートチャネルのいずれを使用することを所望しているのかについて通知するパラメータ(IND)を挿入するように構成されており、前記パラメータ(IND)は、前記モバイルネットワークのデータトランスポートチャネル及びシグナリングチャネルのうちから、前記ダウンリンクデータを送信するべく使用されるべきチャネルを判定するべく、前記ネットワークノード(GW)によって使用されるように意図されている、モバイル端末(UE)。
【請求項8】
コンピュータプログラムであって、このプログラムがネットワークノード(GW)又はモバイル端末(UE)の処理モジュールによって実行された際に請求項1乃至7のいずれか1項に記載の前記データ送信方法を実装するためのコード命令を含むコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル通信ネットワークにおけるデータ送信の分野に関し、且つ、更に詳しくは、特にセルラーネットワークにおける、可変容量を有しうるデータの送信に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のモバイル通信ネットワークは、具体的には、ネットワークの様々な装置の間においてシグナリングデータを交換するためにのみ使用されるシグナリングチャネルとネットワークに接続されたモバイル端末との間においてペイロードデータを交換するためにのみ使用されるユーザーデータトランスポートチャネルの間の区別に基づいた、規格団体3GPPによって定義された、EPS(「Evolved Packet System」)アーキテクチャを使用している。
【0003】
従って、ペイロードデータは、通常、このモバイル端末とモバイルネットワークの外部のネットワークに対するアクセスを管理するネットワークエンティティの間においてセットアップされたデータトランスポートチャネルにより、トランスポートプレーン内においてモバイル端末に送信されている。
【0004】
図1は、3GPP規格において「データ無線ベアラ」又は「EPSベアラ」とも呼称される、このようなデータトランスポートチャネルを示している。この図において、このデータトランスポートチャネルは、モバイル端末UEとモバイルネットワークのアクセスネットワーク部分RAN内の基地局eNBをリンクする無線インターフェイスUuにより、且つ、次いで、基地局eNBをモバイルネットワークのコアネットワーク部分EPCにリンクするインターフェイスS1-Uにより、搬送されており、次いで、例えば、インターネットなどの、別の外部ネットワークEXTとの間においてデータを送受信するべく、サービスゲートウェイS-GW及びデータゲートウェイP-GWが使用されている。
【0005】
EPSアーキテクチャにおいて利用されているシグナリングチャネルとの関連においては、前記チャネルは、基地局とモバイルネットワークのコアネットワーク部分EPC内に位置するモビリティ管理エンティティMMEをリンクする、「S1-MME」と呼称されるインターフェイスである、無線インターフェイスUuによって搬送される論理チャネルに基づいている。
【0006】
このようなアーキテクチャによれば、それぞれの端末ごとに、データがこの端末によって送受信される際にのみ、トランスポートチャネルがセットアップされており、データ送信の前に、このトランスポートチャネルをセットアップするべく、且つ、データ送信の終了時点において、これを無効にするべく、シグナリングチャネル上の交換が必要とされている。
【0007】
IoTの使用(即ち、英語においては、「Internet of Things」)の発展に伴い、スマートフォンに伴う音声、画像、又はビデオデータの従来の送信とは対照的に、恐らくは単一のIPパケット内において収容される、非常に小さな容量のデータの、センサなどの多数の簡単な端末による、送信を実装する用途を想定することが可能になっている。
【0008】
先程概説したEPSアーキテクチャは、単一のIPパケット内に収容されるわずかな量のデータを送信する場合にも、トランスポートチャネルを回復するべく、且つ、次いで、これを無効にするべく、端末とネットワークの間においてシグナリングメッセージを交換する必要が依然として存在していることから、このタイプのわずかな容量のデータの送信には適していない。
【0009】
特に、端末の電力消費量の観点において、わずかな容量のデータの搬送の有効性を改善するべく、「予め確立されたNASセキュリティを使用する、まれなわずかなデータの送信」と呼称される、このタイプの使用法にのみ限定された解決策が、(非特許文献1)において提示されている。
【0010】
この解決策は、トランスポートチャネルのセットアップを回避するように、C-SGNエンティティとの間において交換されるシグナリングメッセージ内において低容量データをカプセル化することにより、このタイプの使用法に専用の特別な端末がモバイルネットワークとの間において低容量データを交換することを可能にする、「C-SGN」と表記される、IoTデータ(換言すれば、低容量データ)の送信に固有のネットワークエンティティの導入に基づいている。
【0011】
このような解決策は、非常に低容量のデータを転送しなければならない際には、有利となりうるものであり、これは、通常、データが単一のIPパケット内にフィットする際に該当している。対照的に、転送対象のデータの容量が、相対的に大きく、且つ、大きくなることが明らかになった場合には、この解決策は、交換されるシグナリングメッセージの増殖をもたらし、これにより、恐らくは、無線リンクの相対的に高度な占有(並びに、従って、相対的に大きな電力消費量)に結び付くことになり、この状況は、データを送信するべく、従来のトランスポートチャネルが使用される場合に該当するであろう。
【0012】
更には、(特許文献1)は、SPDS(「Short Packet Data Service」)サーバーが導入されるネットワークアーキテクチャについて記述しており、このサーバーは、ダウンリンクパケットが、トランスポートチャネルを介してではなく、シグナリングチャネルを介して送信されなければならないことを判定することができる。このケースに該当する際には、このSPDSサーバーは、低容量パケットをモバイルネットワークのMMEモビリティ管理エンティティにそれに送信するように、(SPDS-APと呼称される)特定のプロトコルに従って、このエンティティと会話している。このようなパケットを受け取った際に、MMEエンティティは、この特定のタイプのダウンリンクパケットの到来について受信者端末に通知するべく、特別に変更された「ページング」メッセージを受信者端末に対して送信しなければならない。
【0013】
従って、このメカニズムは、負担となるプロトコル変更を必要としており、これがMMEエンティティにおいて位置していることから、結果的に、このエンティティは、SPDS-APプロトコルに従ってSPDSサーバーと会話しうるのみならず、ケースバイケースで、ダウンリンク接続の際に自身がモバイル端末に送信する「ページング」メッセージをも変更しうるが、モバイル端子それ自体も、この結果、シグナリングチャネル上において送信されるべきダウンリンクパケットが存在している際には、MMEエンティティが自身に対して送信する変更済みの「ページング」メッセージを解釈しうることになる。
【0014】
更には、このメカニズムは、低容量であると考えられるデータの到来の際にも、SDPSサーバーによってトリガされる。この結果、SDPSサーバーがSPDS-APプロトコルに従ってMMEエンティティとの間において会話を開始する時点と、端末UEが、シグナリングチャネルを介してダウンリンクデータを取得するべく、拡張されたサービス要求を返す時点の間において、この状況が発生し、その結果、例えば、更なるダウンリンクデータの到来により、SDPSサーバーの決定が無効化されうると共に、データトランスポートチャネルを介したこれらのすべてのダウンリンクデータの送信が相対的に適切なものとなりうる。SDPSサーバーがその選択決定を逆転するように決定した場合にも、特定量のダウンリンクデータは、既に、最も適した送信モードではないにも拘わらず、これを目的としてセットアップされたシグナリングチャネルを介して送信が完了した状態となる。
【0015】
従って、現時点においては、柔軟に、効果的に、且つ、容易に、低容量のデータの送信と高容量のデータの送信の両方をモバイルネットワーク内において処理する能力を有する装置は存在してはいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】国際特許出願第2013/012759号パンフレット
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】3GPP technical report TR 23.720 v1.1.0(clause 6.2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、この状況を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
これを目的として、本発明は、モバイル端末宛ての少なくとも1つのデータパケットの受信の後にネットワークノードによって実装される、モバイル通信ネットワークのネットワークノードとモバイル端末の間においてデータを送信する方法を提案しており、方法は、前記少なくとも1つのデータパケットの受信及びこれに応答するモバイル端末からのサービス要求の受信の後のモバイル端末に対するアラートメッセージの送信を含み、方法は、モバイル端末からのサービス要求の受信の後に、
送信対象のデータの容量に、或いは、ネットワークに対する前記モバイル端末の接続のフェーズにおいて受信されたパラメータに、応じて、モバイルネットワークのデータトランスポートチャネル及びシグナリングチャネルのうちから、データを送信するべく使用されるべきチャネルを判定するステップと、
データトランスポートチャネルが使用されるべきである際に、モバイル端末とネットワーク装置の間のデータトランスポートチャネルのセットアップをトリガし、且つ、前記データトランスポートチャネルによって前記少なくも1つのデータパケットを送信するステップと、
シグナリングチャネルが使用されるべきである際に、送信対象のデータを少なくとも1つのシグナリングメッセージに挿入し、且つ、前記少なくとも1つのシグナリングメッセージをモバイル端末に送信するステップと、
を更に含む。
【0020】
この方法によれば、ダウンリンクパケットの宛先であるモバイル端末との間における最初の交換に関するプロトコルの変更を伴っておらず、ダウンリンクデータに使用されるべき送信モードの簡単な選択が可能である。更には、この選択は、ネットワークに対してモバイル端末を接続するプロセスの後の段階において発生しており、且つ、従って、データ送信コンテキストとの関連における相対的に高度な洞察を伴っているから、相対的に信頼性が高い。
【0021】
特定の一実施形態においては、使用されるべきチャネルの判定は、
送信対象のデータの容量を判定するステップと、
この容量を決定閾値容量と比較するステップであって、データトランスポートチャネルは、この容量が決定閾値容量を上回っている際に使用され、且つ、シグナリングチャネルは、この容量が決定閾値容量を下回っている際に使用される、ステップと、
を有する。
【0022】
有利には、この方法は、ネットワークノードによって実装された、且つ、使用されるべきチャネルの判定の前の、
モバイル端末に送信される対象である、ネットワークノードによって受信された、少なくとも1つのデータパケットの保存をトリガするステップと、
サービス要求が受信される時点まで、保存されているデータパケットの、且つ、それらが収容しているデータの、バイトの数を合算することにより、送信対象のデータの容量を判定するステップと、
を更に有する。
【0023】
従って、後続のダウンリンクデータフロー内のデータ容量を反映していない場合がある、ネットワークノードにおいて受信される第1ダウンリンクパケット全体の内部のデータの容量に依存するのではなく、このフローを受信するためのモバイル端末の準備が完了する時点までのダウンリンクデータのフローの評価に基づいて、利用されるべき送信モードについて、相対的に信頼性の高い決定を下すことが可能である。
【0024】
一代替肢として、方法は、ネットワークノードによって実装された、且つ、使用されるべきチャネルの判定の前の、
既定の期間にわたって、モバイル端末に送信される対象である少なくとも1つの受信されたデータパケットを保存するステップと、
保存されているデータパケットの、或いは、それらが収容しているデータの、バイトの数を合算することにより、送信対象のデータの容量が算出されるステップと、
を更に有する。
【0025】
又、この結果、ネットワークノードにおいて受信された第1データリンクパケット全体の内部のデータの容量にのみ依存するのではなく、時間フレームにわたって計測されたデータの容量に依存することにより、利用されるべき送信モードとの関連において、相対的に信頼性の高い決定を下すことが可能であり、これにより、この時間フレームにおける容量の一時的な影響を弁別することが可能となっている。
【0026】
別の特定の実施形態においては、ネットワークノードは、ネットワークに対する端末の接続のフェーズにおいて、ネットワークに対して端末を接続するため接続要求内において、送信対象のデータが低容量を有することを通知するパラメータを受信した後に、シグナリングチャネルが使用されるべきであると判定しており、且つ/又は、ネットワークに対して端末を接続するための要求内において、送信対象のデータが高容量を有することを通知するパラメータを受信した後に、データトランスポートチャネルが使用されるべきであると判定している。
【0027】
従って、モバイル端末は、ダウンリンクデータ送信モードの選択との関連において、ネットワークレベルにおける決定に対して影響を及ぼすことができる。
【0028】
本発明の別の主題によれば、モバイル通信ネットワーク内において使用されるべく意図されたネットワークノードは、モバイル端末に送信される対象である少なくとも1つのデータパケットを受信しうる処理モジュールを有しており、前記処理モジュールは、前記少なくとも1つのデータパケットの受信の後にアラートメッセージをモバイル端末に送信すると共にこれに応答してモバイル端末からサービス要求を受信するように、構成されており、このノードの処理モジュールは、モバイル端末からのサービス要求の受信の後に、
送信対象のデータの容量に、或いは、ネットワークに対して前記モバイル端末を接続するフェーズにおいてモバイル端末から受信されたパラメータに、応じて、モバイルネットワークのデータトランスポートチャネル及びシグナリングチャネルのうちから、データを送信するべく使用されるべきチャネルを判定し、
データトランスポートチャネルが使用されるべきである際に、モバイル端末との間におけるデータトランスポートチャネルのセットアップをトリガし、且つ、前記データトランスポートチャネルによって前記少なくとも1つのデータパケットを送信し、
シグナリングチャネルが使用されるべきである際に、送信対象のデータを少なくとも1つのシグナリングメッセージに挿入し、且つ、前記少なくとも1つのシグナリングメッセージをモバイル端末に送信する、
ように構成されている。
【0029】
本発明の別の主題によれば、モバイル端末であって、このモバイル端末宛てのダウンリンクデータを受信しうるネットワークノードを有するモバイル通信ネットワークと共に使用されるべく意図されたモバイル端末は、モバイルネットワークとの間においてデータを交換しうる処理モジュールを有しており、処理モジュールは、モバイル通信ネットワークに対して接続するための要求内に、モバイル端末がダウンリンクデータの送信のためにシグナリングチャンネル及びデータトランスポートチャネルのうちのいずれを使用することを所望しているのかを通知するパラメータを挿入するように構成されており、前記パラメータは、モバイルネットワークのデータトランスポートチャネル及びシグナリングチャネルのうちから、ダウンリンクデータを送信するべく使用されるべきチャネルを判定するべく、ネットワークノードによって使用されるように、意図されている。
【0030】
本発明の別の主題によれば、コンピュータプログラムは、このプログラムがネットワークノードの処理モジュールによって実行された際に上述のデータ送信モードを実装するためのコード命令を含む。本発明の別の主題によれば、コンピュータプログラムは、このプログラムがネットワークノードの処理モジュールによって実行された際に上述の方法を実装するためのコード命令と、プロセッサによって判読可能であるコンピュータプログラムプロダクトと、を含む。
【0031】
本発明のその他の特徴及び利点については、非限定的な例として付与されている特定の実施形態に関する以下の詳述な説明及び以下の添付の図を参照した際に明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】モバイル通信ネットワークにおいて使用されているものなどの通常のデータトランスポートチャネルを示す概略図である。
図2】本発明の一般的な原理による方法のステップを示す。
図3A】本発明の2つの実施形態による方法のステップを示しており、この場合には、ネットワークノードが、ダウンリングデータと呼称されるものをモバイル端末に送信している。
図3B】本発明の2つの実施形態による方法のステップを示しており、この場合には、ネットワークノードが、ダウンリングデータと呼称されるものをモバイル端末に送信している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
まず、図2を参照すれば、これは、本発明の一般的な原理による方法のステップを示している。
【0034】
この方法は、一方においては、モバイル端末UE(例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話機、携帯型PC、通信オブジェクトなど)と、他方においては、このモバイル端末が接続しているモバイル通信ネットワークのネットワークノードGWと、の間におけるデータ交換のコンテキストにおいて使用される。このネットワークノードGWは、具体的には、交換が、モバイル端末が無線リンクを介して接続しうる基地局(或いは、場合によっては、eNodeB)を有するアクセスネットワークRANを介して行われるように、モバイルネットワークのコア部分内に位置している。このネットワークノードGWは、具体的には、端末UE宛ての、且つ、外部ネットワークから到来する、データパケットを受信しうると共に、端末UEから到来する、且つ、この外部ネットワークに対して送信されるべく意図された、データパケットを受信しうるように、この外部ネットワークに対するアクセスを付与するゲートウェイであってもよい。
【0035】
この方法においては、モバイル端末UEに対して送信される対象であるデータd(即ち、「ダウンリンクデータ」)を収容する1つ又は複数のパケットの、ネットワークノードGWに対する提供の後に、ネットワークノードGWは、送信対象であるデータの容量に応じて、
-データを送信するべく使用されるチャネルが、モバイルネットワーク内においてセットアップされたデータトランスポートチャネルである、換言すれば、データが、好ましくは、トランスポートプレーン内において送信される、第1送信モードAと、
-データを送信するべく使用されるチャネルが、モバイルネットワークのシグナリングチャネルである、換言すれば、データが、好ましくは、シグナリングプレーン内において送信される、第2送信モードBと、
という2つの可能なモードのうちから、使用されるべき送信モードを判定している。
【0036】
モバイル端末UEに対して送信されるべき1つ又は複数のデータパケットについて送信モードが判定されたら、このモードが、これらのデータをこの装置に対して送信するべく使用される。
【0037】
従って、第1送信モードAが使用されるべきである(換言すれば、データトランスポートチャネルが使用されるべきである)と判定された場合、具体的には、高容量のデータを送信する必要がある際には、ネットワークノードGWは、例えば、TS23.401及びTS24.301という文献に記述されているものなどの、この目的のために専用のシグナリングメッセージにより、モバイル端末とネットワークノードの間におけるデータトランスポートチャネルのセットアップをトリガする(ステップS2)。
【0038】
データトランスポートチャネルがセットアップされたら、ネットワークノードGWは、自身に対して提供された1つ又は複数のデータパケットをこのトランスポートチャネルにおいてモバイル端末UEに送信し(ステップS3)、その結果、データdは、トランスポートプレーンにおいて送信される。
【0039】
対照的に、第2送信モードBが使用されるべき(換言すれば、シグナリングチャネルが使用されるべき)であると判定された場合、具体的には、低容量のデータを送信する必要がある際には、ネットワークノードGWは、自身に対して提供されたデータを1つ又は複数のシグナリングメッセージに挿入し(ステップS4)、その結果、これらのシグナリングメッセージが、シグナリングプレーンにおいて、従って、トランスポートプレーンにおいてデータトランスポートチャネルをセットアップする必要なしに、モバイル端末UEに対して送信される(ステップS5)。
【0040】
次に、図3A及び図3Bを参照すれば、これらは、ネットワークノードGWが、モバイル端末UEに送信されるべき「ダウンリンク」データパケットDL_P(d)を受信する本発明の2つの実施形態による方法のステップを示している。この実施形態においては、端末UEは、端末UEが接続されている基地局又はeNodeBを有するアクセスネットワークRANにより、モバイル通信ネットワークに接続されている。
【0041】
まず、図3Aを参照すれば、これは、送信対象のデータの容量を動的に考慮している、本発明に従ってダウンリンクデータを送信する方法の特定の実施形態を示している。
【0042】
この実施形態においては、方法は、このケースにおいては、端末UE宛ての、且つ、この同一の端末宛てのペイロードデータdを収容している、第1データパケットDL_R(d)の、ネットワークノードGWによる受信(ステップS01)によってトリガされており、このパケットは、恐らくは、例えば、インターネットなどの外部ネットワークから到来している。
【0043】
この第1データパケットの受信の後に、ネットワークノードGWは、この第1パケットの、且つ、自身がその後に受信しうる端末UE宛ての任意のその他のデータパケットDL_P(di,1)、DL_P(di,2)などの、保存をトリガしている(ステップS02)。この保存は、ネットワークノードの一時的保存モジュール(又は、バッファ)内におけるバッファ保存に対応しうる。
【0044】
更には、ネットワークノードGWは、通常は、「ページング」メッセージの形態を有する、アラートメッセージPgngを端末UEに送信しており(ステップS03)、このメッセージは、この端末UEが無線リンクを介して接続されているアクセスネットワークRANを介して搬送される。このメッセージに応答して、端末UEは、特に、自身が自身宛てのデータを受け取ることに同意していることをネットワークノードGWに通知するべく、自身が無線リンクを介して接続されているアクセスネットワークRANを依然として介して、サービス要求Serv_reqを返すことができる(ステップS04)。次いで、端末は、スタンバイ状態から接続状態に切り替わる。
【0045】
この段階において、ネットワークノードGWは、図2において上述したように、自身が端末UEのために受け取ったデータパケットDL_P(d)を送信するべく使用されるべきチャネルを判定している(ステップS1)。
【0046】
これを目的として、ネットワークノードGWは、まず、端末UEに対して送信される対象のデータの容量を判定しうると共に、これを決定閾値容量VOLと比較することにより、それから、以下のように、低容量又は高容量のいずれが関与しているのかを推定することができる。
・この容量が、この決定閾値容量VOLを下回っている場合には、低容量のデータを送信する必要があり、且つ、従って、シグナリングチャネルがこれらのデータの送信に最も適していると見なされ、
・この容量が、この決定閾値容量VOLを上回っている場合には、高容量のデータを送信する必要があり、且つ、データトランスポートチャネルがこれらのデータの送信に最も適していると見なされる。
【0047】
送信対象のデータの容量は、いくつかの方法により、ネットワークノードGWによって判定することができる。
【0048】
具体的には、アラートメッセージPgngの送信をトリガする第1パケットから始まってサービス要求Serv_reqが受信される時点まで、受信されるUE宛てのパケットのすべてを考慮することができる。その結果、送信対象のデータの容量VOL(d)が、(恐らくは、受信されたデータのペイロード部分のみを考慮するように、これらのデータをカプセル解除及び保存した後に)これらのパケット内において収容されているすべてのデータバイトを合算することにより、或いは、さもなければ、パケットがその受信の際に変更されていない形態において保存されている際には、全体として、受信されたすべてのパケットDL_P(d)のバイトを合算することにより、算出される。次いで、この容量がいくつかのバイトとして表現された状態において、この容量が、こちらも、例えば、2000バイトなどの、いくつかのバイトとして表現された決定閾値容量VOLと比較される。
【0049】
一代替肢は、端末UE宛ての第1データパケットの受信の後に既定の期間のタイムアウトをトリガするステップと、この既定の期間において受信及び保存されたUE宛てのデータパケットのみを考慮するステップと、を有することができる。次いで、上述したものに類似した方式により、容量の計算及び閾値決定容量VOLとの間における比較を実行することができる。
【0050】
次いで、端末UEにデータパケットを送信するべく使用されるべきであると判定されるチャネルに応じて、以下のように、2つのシナリオが生じる。
【0051】
・データトランスポートチャネルの使用が適切である(高容量のデータを送信する必要がある)と判定された場合には、これは、送信モードAに対応しており、ネットワークノードGWは、例えば、3GPP規格に基づいた従来の手順図により、データトランスポートチャネルのセットアップをトリガする(ステップS2)。このケースにおいては、ネットワークノードGWは、初期コンテキストセットアップ要求をアクセスネットワークRANに送信し、次いで、このRANが、端末UEとの間において無線チャネル(「データ無線ベアラ」)をセットアップし、その後、初期コンテキストセットアップ完了メッセージがネットワークノードに返される(無線チャネルが正常にセットアップされた場合)。
【0052】
これらのセットアップの終了時点において、端末UEからネットワークノードGWまで、トランスポートチャネル(即ち、「S1ベアラ」)がセットアップされる。次いで、ネットワークノードGWは、このトランスポートチャネルにより、自身がこのインターバルにおいて保存したデータパケットDL_P(d)のすべてを端末UEに送信することができる(ステップS3)。
【0053】
・対照的に、シグナリングチャネルの使用が適切である(低容量のデータを送信する必要がある)と判定された際には、これは、送信モードBに対応しており、ネットワークGWは、トランスポートチャネルのセットアップをトリガすることなしに、自身がこの時点まで保存することができている、端末UEに対して送信される対象である、受信されたパケットDL_P(d)から抽出されたデータdをシグナリングメッセージに挿入することにより、1つ又は複数のシグナリングメッセージMSG(d)を準備する(ステップS4)。
【0054】
ネットワークノードGWは、このケースにおいては、例えば、TR23.720 v1.1.0という文献において記述されているものなどの、「NAS」メッセージなどの、端末UEに到達すると共に低容量データを収容する能力を有する任意のタイプのシグナリングメッセージを利用してもよく、具体的には、アクセスネットワークRANに対する「ダウンリンクNASトランスポート」メッセージを利用することができる。
【0055】
この(又は、さもなければ、これらの)シグナリングメッセージが準備されたら、シグナリングメッセージは、アクセスネットワークRANを介して端末UEに送信されるが(ステップS5)、このネットワークは、恐らくは、UE宛てのデータを保持している間に、そのフォーマットを変更することができる。従って、このケースにおいては、ダウンリンクNASトランスポートメッセージは、RANにより、無線リンクを介して端末UEに送信されるダウンリンク情報転送(「DL情報転送」)メッセージに変換されている。
【0056】
次に図3Bを参照すれば、これは、本発明によるダウンリンクデータを送信する方法の別の相対的に静的な実施形態を示している。
【0057】
この実施形態における方法は、使用されるべきチャネルが、データの容量に応じてではなく、端末UEによって予め送信された通知に応じて、判定されているという点において以前のものと区別される。
【0058】
この方法においては、端末がネットワークに接続できるようにするべく、従来のプロセスを使用することによって端末UEをモバイルネットワークに接続する先行フェーズS0が発生している。
【0059】
このフェーズにおいて、端末UEは、RANによって中継される状態において、接続要求をネットワークノードGWに送信している(ステップS001)。但し、本実施形態においては、端末UEは、自身宛てでありうると共にネットワークノードGWによって受信されうるダウンリンクデータのために、自身がシグナリングチャネルを使用することを所望していることを通知する第1値又は自身がデータトランスポートチャネルを使用することを所望していることを通知する第2値を採用したパラメータINDを要求に挿入することにより、この要求を準備している。
【0060】
ネットワークノードGWは、端末UEの識別子(例えば、そのIMSI)との関連において、このパラメータを保存し(ステップS002)、且つ、接続承諾メッセージを返しており(ステップS003)、この中において、ネットワークノードGWは、選択されたチャネルのテイクオーバーを確認するように、パラメータINDを複製している。このチャネルの使用がネットワークによって否定されるか又はサポートされていない場合には、ネットワークノードGWは、接続承諾メッセージにおいて、パラメータINDを複製しない。
【0061】
その後に、端末UE宛てのデータパケットDL_P(d)を受信した際に、ネットワークノードは、上述したように(ステップS03及びS04)、アラートメッセージを送信しうると共に、その返事としてのサービス要求を待つことができる。
【0062】
次いで、ネットワークノードGWは、自身が、それらのパケットの受信者端末UEの識別子との関連においてパラメータINDを保存しているかどうかをチェックしている。その値が、シグナリングチャネルを介して送信することに対する所望を通知している識別子INDが保存されている場合には、ネットワークノードGWは、シグナリングチャネルを使用するように、上述のステップS4及びS5をトリガする。対照的に、その値が、トランスポートチャネルを介して送信することに対する所望を通知している識別子INDが保存されている場合には、ネットワークノードGWは、データトランスポートチャネルを使用するように、上述のステップS2及びS3をトリガする。
【0063】
一代替肢として、既定により、インジケータが存在していない際にはシグナリングチャネルがダウンリンクデータのために使用され、インジケータが存在する際にのみトランスポートチャネルが使用されるというもの、或いは、この逆であるもの、を想定することもできる。
【0064】
ダウンリンクデータを送信するべく使用されるべきチャネルに対する所望を通知するパラメータは、任意のタイプのダウンリンクデータに使用されるべきチャネルを判定する際に、確立することができる。一代替肢として、このパラメータは、ダウンリンクパケットと共に挿入された逆の命令又は特定の状況が存在していない限り、使用されるべきチャネルに対する所望であってもよい。例として、低容量のデータ用に設計された端末UE(例えば、規則的に温度を送信するセンサ)は、シグナリングチャネルを使用するというその所望をネットワークに対して通知することができるが、ネットワークノードGWは、例えば、端末用のファームウェアの更新などの、大規模な高容量データを間欠的に送信する際には、恐らくは、この所望を無視し、且つ、データトランスポートチャネルを優先するように、決定することができる。
【0065】
上述の方法を実装するべく、ネットワークノードGWは、上述の方法のステップを実装するべく処理モジュールが実行可能であるコンピュータプログラムのコード命令がその内部において保存されうる読み出し専用メモリモジュールと、上述の方法に従って処理される対象であるダウンリンクデータ又はダウンリンクパケットがその内部において保存されうるランダムアクセスメモリと、と関連付けられた処理モジュール(例えば、プロセッサ)を有する装置の形態を有することができる。処理モジュールは、単独のものであってもよく、或いは、恐らくは、複数の装置内において分散された、且つ、上述の方法のステップのうちの1つ又は複数のステップの実行の責任を担う、複数のモジュール(又は、プロセッサ)に分解することもできる。
【0066】
その一部分として、モバイル端末UEは、具体的には、以下のように、2つの別個のモジュールを有することができる。
【0067】
・第1に、通常は、端末UE内においてインストールされた又は組み込まれたソフトウェアアプリケーションに対応する、且つ、(恐らくは、ユーザーインターフェイスを介して提供された又はセンサに由来する)データを処理すると共にデータを端末UEのその他のモジュールに提供する能力を有する、1つの(或いは、恐らくは、複数の)アプリケーションモジュールAPP(このケースにおいては、1つのみが示されている)である。
【0068】
・第2に、具体的には、その機能が無線リンクを介してモバイルネットワークと通信することである、(通常は、無線局、アンテナ、発振器などを有する)無線通信モジュールを有する処理モジュールCOMである。この処理モジュールCOMは、読み出し専用メモリと、プロセッサによって実行された際に後述する方法の様々なステップを実行するための命令を有するコンピュータプログラムがその内部において保存されうるランダムアクセスメモリと、と関連付けられたプロセッサの形態において実装することができる。
【0069】
アプリケーションモジュールAPP及び処理モジュールCOMは、1つの且つ同一のチップ(チップセット)上において統合することができる。
【0070】
このケースにおいては、図3Bにおいて示されている実施形態においては、処理モジュールCOMは、端末UEがこのネットワークに接続できるようにするように、モバイルネットワークに送信される接続要求内に上述のパラメータINDを挿入するように構成されている。
【0071】
当然のことながら、本発明は、以上において記述及び図示されている例示用の実施形態に限定されるものではなく、且つ、これらの実施形態に基づいて、本発明の範囲を逸脱することなしに、その他の実施形態及び実装形態を提供することができる。
【0072】
従って、ダウンリンクデータを送信する方法は、ペイロードデータdi自体と、それらを収容しているパケット(例えば、IPパケット)と、に等しく適用することができる。具体的には、本発明によるシグナリングメッセージは、そのサイズがこれを許容している際には、提供されたパケットから抽出されたデータと、全体としてのパケットと、を等しく収容することができる。対照的に、トランスポートプレーンにおいては、トランスポートチャネルにおいて提供されたパケットを再送信することと、これらのパケットから抽出されたペイロードデータをこのようなトランスポートチャネルにおいて送信することと、が等しく可能である。
【0073】
更には、ネットワークノードGWは、以上においては、単一のネットワークエンティティとして記述されている。但し、当然のことながら、複数の別個のエンティティを使用することにより、ネットワークノードGWが実行している上述の機能を実装することが可能である。具体的には、第1ネットワークエンティティ(例えば、S-GWゲートウェイ)は、トランスポートチャネルにおける、必要に応じた、ダウンリンクパケットの受信、判定を待っている際のその保存、送信されるべきデータの容量の算出、及びこれらのパケットの再送信の責任を担うことが可能であり、第2ネットワークエンティティ(例えば、MMEモビリティ管理エンティティ)は、送信閾値容量との間における送信対象のデータの容量の比較、データトランスポートチャネルが使用されるべきである場合にデータトランスポートチャネルにおいてデータを送信せよという第1ネットワークエンティティに対する命令、或いは、シグナリングチャネルが使用されるべきである場合のシグナリングメッセージ内におけるデータの挿入及び送信の責任を担うことができる。本発明の範囲を逸脱することなしに、これらの2つ又はそれ以上の数のネットワークエンティティの間におけるこれらの機能の任意のその他の分配を想定することができる。
図1
図2
図3A
図3B
【手続補正書】
【提出日】2022-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル通信ネットワークからダウンリンクデータを受信するための方法であって、
前記方法はモバイル端末によって実行される以下の動作、
前記モバイル通信ネットワークの第1のネットワークエンティティに、前記モバイル端末がダウンリンクデータを送信するためにデータトランスポートチャネルではなく、シグナリングメッセージ使用することを所望していることを示すパラメータを送信することと、
前記モバイル通信ネットワークの第2のネットワークエンティティから、前記モバイル通信ネットワークの第3のネットワークエンティティによって受信されたダウンリンクデータが挿入された少なくとも1つのシグナリングメッセージを受信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記モバイル通信ネットワークの前記第1のネットワークエンティティから、前記ダウンリンクデータの前記第3のネットワークエンティティによる前記受信の後にアラートメッセージを受信することと、
前記アラートメッセージに応答して、応答メッセージを前記第1のネットワークエンティティに送信することと、の動作をさらに含み、
前記ダウンリンクデータは前記第1のネットワークエンティティによって、前記応答メッセージの前記受信の後に前記少なくとも1つのシグナリングメッセージに挿入される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのシグナリングメッセージの前記応答が、送信対象のデータの容量にさらに依存する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのシグナリングメッセージは、少なくとも前記パラメータに基づいて、前記モバイル端末へのダウンリンクデータの送信のためにシグナリングメッセージが使用されるべきであると決定されたときに、前記第2のネットワークエンティティによって送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記パラメータが、前記モバイル端末を前記モバイル通信ネットワークに関連付けるための要求において、前記第1のネットワークエンティティに送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のネットワークエンティティおよび第2のネットワークエンティティは、前記モバイル通信ネットワークの同一のネットワークエンティティである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のネットワークエンティティと第3のネットワークエンティティは、前記モバイル通信ネットワークの同一のネットワークエンティティである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
モバイル端末宛てのダウンリンクデータを受信することができる第1のネットワークエンティティを含むモバイル通信ネットワークと共に使用されるように構成されたモバイル端末であって、前記モバイル端末は、
前記モバイル通信ネットワークの第2のネットワークエンティティに、前記モバイル端末がダウンリンクデータを送信するためにデータトランスポートチャネルではなく、シグナリングメッセージを使用することを所望していることを示すパラメータを送信することと、
前記第2のネットワークエンティティへの前記パラメータの送信の後に、前記モバイル端末へのダウンリンクデータの前記送信のためにシグナリングメッセージが使用されるべきであることが少なくとも前記パラメータに基づいて決定されたとき、前記第1のネットワークエンティティによって受信されたダウンリンクデータが挿入された少なくとも1つのシグナリングメッセージを第3のネットワークエンティティから受信することと、
をするように動作可能である、モバイル端末。
【請求項9】
前記モバイル通信ネットワークの前記第2のネットワークエンティティから、前記ダウンリンクデータの前記第1のネットワークエンティティによる前記受信の後にアラートメッセージを受信することと、
前記アラートメッセージに応答して、応答メッセージを前記第2のネットワークエンティティに送信することと、をするようにさらに動作可能であり、
前記ダウンリンクデータは前記第2のネットワークエンティティによって、前記応答メッセージの前記受信の後に前記少なくとも1つのシグナリングメッセージに挿入される、
請求項8に記載のモバイル端末。
【請求項10】
前記少なくとも1つのシグナリングメッセージの前記応答が、送信対象のデータの容量にさらに依存する、請求項8に記載のモバイル端末。
【請求項11】
前記少なくとも1つのシグナリングメッセージは、少なくとも前記パラメータに基づいて、前記モバイル端末へのダウンリンクデータの送信のためにシグナリングメッセージが使用されるべきであると決定されたときに、前記第3のネットワークエンティティによって送信される、請求項8に記載のモバイル端末。
【請求項12】
前記パラメータが、前記モバイル端末を前記モバイル通信ネットワークに関連付けるための要求において、前記第2のネットワークエンティティに送信される、請求項8に記載のモバイル端末。
【請求項13】
前記第2のネットワークエンティティおよび第3のネットワークエンティティは、前記モバイル通信ネットワークの同一のネットワークエンティティである、請求項8に記載のモバイル端末。
【請求項14】
前記第1のネットワークエンティティと第3のネットワークエンティティは、前記モバイル通信ネットワークの同一のネットワークエンティティである、請求項8に記載のモバイル端末。
【外国語明細書】