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特開2022-130420紫外線吸収性ポリマー色素およびそれを使用する方法
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  • 特開-紫外線吸収性ポリマー色素およびそれを使用する方法 図1
  • 特開-紫外線吸収性ポリマー色素およびそれを使用する方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130420
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】紫外線吸収性ポリマー色素およびそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/542 20060101AFI20220830BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20220830BHJP
   G01N 21/64 20060101ALN20220830BHJP
【FI】
G01N33/542 A
C09K11/06
G01N21/64 F
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092270
(22)【出願日】2022-06-07
(62)【分割の表示】P 2020140046の分割
【原出願日】2016-03-02
(31)【優先権主張番号】62/132,449
(32)【優先日】2015-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】リャン,ヨンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ウッカート,フランク ピー.
(72)【発明者】
【氏名】バーソロミュー,グレン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】レナード,バリー イー.
(72)【発明者】
【氏名】ゲイロード,ブレント,エス.
(57)【要約】
【解決手段】紫外線吸収極大を有する水溶性集光性多発色団が提供される。一部の実施形態において、多発色団は、6-5-6縮合三環系コモノマーおよび紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを含む。多発色団は、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団を含み得る。一部の実施形態において、特異的結合性メンバーは、多発色団に共有結合で連結される。標的検体の存在について試料を評価する方法、および集光性多発色団を含む組成物を使用して標的分子を標識化する方法も提供される。主題の方法を実施するキットおよびシステムも提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
6-5-6縮合三環系コモノマーと、
紫外線吸光度修飾コモノマーとを含む共役セグメントを含んでおり、
紫外線吸収極大を有しており、
式(I):
【化1】
によって示され、
前記紫外線吸光度修飾コモノマーは、下記の複数のコモノマーの中のいずれか一つであり、
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
ここで、nは1~20であり、R’はH又は低級アルキルであり、
は、6-5-6縮合三環系コモノマーであり、
およびMは、それぞれ独立して前記紫外線吸光度修飾コモノマーであり、
bは、1または2であり、
a、c、dおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり、
eは、1であり、
は、化学選択的タグ-Zに連結されている連結性コモノマーであり、ここで、Zは、アクセプター発色団と共有結合を形成することができる官能基であり、
nは、1~10,000の整数であり、
mは、1~10,000の整数であり、
pは、1~100,000の整数であり、かつ
およびGは、それぞれ独立して、末端基と、π共役セグメントと、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーと、からなる群から選択される、
水溶性集光性多発色団。
【請求項2】
式(II)又は(IV):
【化8】
によって示される、請求項1に記載の多発色団。
【請求項3】
は、構造:
【化9】
によって示され、式中、
は、水溶性基を含む置換アルキルであり、
は、L-Zであり、ここで、Lはリンカーであり、かつZは前記化学選択的タグである、
請求項1又は2に記載の多発色団。
【請求項4】
又はGは、抗体又はその結合性誘導体である、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の多発色団。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載の水溶性集光性多発色団と、
そのエネルギー受容近位で前記多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団と を含むポリマータンデム色素。
【請求項6】
標的検体の存在について試料を評価する方法であって、
前記標的検体に特異的に結合する請求項5に記載のポリマータンデム色素と前記試料とを接触させて、標識化組成物が接触した試料を生成する工程と、
ポリマータンデム色素-標的検体結合性複合体の存在について、前記標識化組成物が接触した試料をアッセイして、前記標的検体が前記試料中に存在するかどうかを評価する工程と
を含む方法。
【請求項7】
前記標的検体が細胞と会合される、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
35U.S.C.§119(e)に従って、本出願は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2015年3月12日出願の米国仮特許出願第62/132,449号明細書の出願日に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
蛍光色素は、それらが吸収する波長の光を照射した場合、(通常は)異なった波長の光を発する化合物である。蛍光色素は、生物化学、生物学および医学における様々な用途において、例えば診断キット、顕微鏡検査法または薬物スクリーニングにおける使用が見出されている。蛍光色素は、所望の目的に応じて、適切な色素を使用者が選択することを可能にする多くのパラメーターによって特徴付けられる。対象のパラメーターとしては、最大励起波長、最大発光波長、ストークスシフト、吸光係数、蛍光量子収量および蛍光寿命が挙げられる。色素は、例えば、生体試料内への励起放射線の透過を可能にするため、バックグラウンドの蛍光を最小限に抑えるために、かつ/または高いシグナル対ノイズ比を達成するために、目的の用途に応じて選択され得る。
【0003】
分子認識は、2つの分子の特異的な結合を要する。標的生体分子に対する結合特異性を有する分子は、様々な研究および診断用途、例えば検体の標識化および分離、フローサイトメトリー、in situハイブリダイゼーション、酵素免疫測定法(ELISA)、ウェスタンブロット分析、磁気細胞分離およびクロマトグラフィーでの使用が見出されている。標的生体分子は、蛍光色素で標識することによって検出され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
紫外線吸収極大を有する水溶性集光性多発色団(multichromophore)が提供される。一部の実施形態において、多発色団は、6-5-6縮合三環系コモノマーおよび紫外線吸光度修飾(UV absorbance-modifying)コモノマーを含む共役セグメントを含む。多発色団は、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団を含み得る。一部の実施形態において、特異的結合性メンバーは、多発色団に共有結合で連結される。標的検体の存在について試料を評価する方法、および集光性多発色団を含む組成物を使用して標的分子を標識する方法も提供される。主題の方法を実施するキットおよびシステムも提供される。
【0005】
以下に記載の図面は、単に説明のために示されていることを理解されたい。図面は、決して本発明の教示範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】様々な異なるアクセプター発色団に連結された、本発明の開示内容の例示的な多発色団コア構造に基づく様々なポリマータンデム色素の蛍光発光プロファイルを例示する。
図2】対照の様々な多発色団、MC-1~MC-5の紫外線吸収スペクトルを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
定義
より詳細に例示的な実施形態を説明する前に、本明細書で使用される用語の意味および範囲を説明および定義するために以下の定義が示される。
【0008】
別段の指定がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。Singleton,et al.,DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY,2D ED.,John Wiley and Sons,New York(1994)、およびHale&Markham,THE HARPER COLLINS DICTIONARY OF BIOLOGY,Harper Perennial,N.Y.(1991)から、本明細書で使用される用語の多くの一般的な意味が当業者に与えられる。さらに、特定の用語は、明確にするためにかつ参照を容易にするために以下に定義される。
【0009】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」という単数形は、文脈に明確に指定がない限り、複数形を含むことに留意しなければならない。例えば、「プライマー」という用語は、1つまたは複数のプライマー、すなわち、単一のプライマーおよび複数のプライマーを意味する。特許請求の範囲は、任意の要素を排除するように記述し得ることがさらに留意される。それ自体、この記載は、請求項の要素の詳述と関連する「単独で」、「唯一の」等として、かかる排他的な用語を使用するために、または「否定的な」限定を使用するために先行する基礎としての役割を果たすことが意図される。
【0010】
本明細書で使用される「試料」という用語は、対象の1つまたは複数の検体を含有する、場合によっては液状である材料または材料の混合物を意味する。一部の実施形態において、その広い意味で使用されるその用語は、細胞を含有するかまたは細胞内代謝物を生じさせる、植物、動物もしくは細菌物質、例えば個体から単離された組織もしくは体液(限定されないが、血漿、血清、脳脊髄液、リンパ液、涙、唾液および組織切片を含む)、または生体外での細胞培養成分、ならびにその環境からの試料を意味する。「試料」という用語は、「生体試料」を意味する場合もある。
本明細書で使用される「生体試料」という用語は、生物全体またはその組織のサブセット、細胞または構成要素(例えば、限定されないが、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、羊水、羊膜臍帯血、尿、膣液および精液を含む体液)を意味する。「生体試料」とは、限定されないが、血漿、血清、髄液、リンパ液、皮膚、呼吸器、腸管、および尿生殖路の外部セクション、涙、唾液、乳、血球、腫瘍および臓器など、生物全体またはその組織のサブセット、細胞または構成要素、またはその画分もしくはその一部から調製されたホモジネート、溶解物又は抽出物も意味し得る。
特定の実施形態において、試料は、動物または植物から取り出されている。生体試料は細胞を含み得る。「細胞」という用語は、核および細胞膜を少なくとも有する真核生物と原核生物との両方の生物体の基本構造単位を意味するために、その従来の意味で使用される。特定の実施形態において、細胞は、細菌由来の細胞などの原核細胞を含む。他の実施形態において、細胞は、動物、植物または菌類由来の生体試料から得られた細胞などの真核細胞を含む。
【0011】
本明細書で使用される「親和性」および「結合活性」という用語は、同じ意味を有し、本明細書において区別なく使用される。「親和性」とは、結合の強さを意味し、結合親和性が高いほど、Kdが低くなるように相関する。
【0012】
本明細書で使用される「決定」、「測定」および「評価」ならびに「アッセイ」は、区別なく使用され、定量的決定および定性的決定の両方を含む。
【0013】
本明細書で使用される「担体結合」および「担体に結合された」という用語は区別なく使用され、対象の担体に共有結合で連結された、または非共有結合で連結された部位(例えば、特異的結合性部位)を意味する。共有結合的連結は、対象の2つの部位(例えば、担体および特異的結合性メンバー)間の共有結合を形成するために、2つの適合性官能基(例えば、2つの化学選択的官能基、求電子剤および求核剤)の化学反応を含み得る。場合により、非共有結合的連結は、対象の2つの部位(例えば、2つの親和性部位、例えばハプテンと抗体、またはビオチン部位とストレプトアビジン等)間の特異的結合を含み得る。特定の場合において、非共有的連結は、基質への吸収を含み得る。
【0014】
本明細書で使用される「生体分子」という用語は、天然クラスの分子の有機分子または巨大分子、またはその誘導体を意味する。生体分子は、ポリペプチド(例えば、ペプチド、抗体または抗体断片)、ポリヌクレオチド、炭水化物(例えば、糖類)および脂質を包含することを意味する。場合により、生体分子は、特異的結合性メンバー(例えば、本明細書に記載されるメンバー)である。
【0015】
本明細書で使用される「ポリペプチド」という用語は、2~50アミノ酸の範囲の長さのペプチドおよび50アミノ酸を超える長さのポリペプチドなど、いずれかの長さのアミノ酸の高分子形態を意味する。「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本明細書において区別なく使用される。「ポリペプチド」という用語は、コードアミノ酸および非コードアミノ酸のポリマー、化学的もしくは生物化学的に修飾または誘導されたアミノ酸、および従来の主鎖が非天然主鎖もしくは合成主鎖に置き換えられている、修飾ペプチド主鎖を有するポリペプチドを含む。
ポリペプチドは、簡便な長さ、例えば、4個以上のアミノ酸、10個以上のアミノ酸、20個以上のアミノ酸、50個以上のアミノ酸、100個以上のアミノ酸、300個以上のアミノ酸、例えば500個まで、または1000個まで、またはそれを超えるアミノ酸など、2個以上のアミノ酸の長さであり得る。「ペプチド」は、4個以上のアミノ酸、10個以上のアミノ酸、20個以上のアミノ酸、例えば50個までのアミノ酸など、2個以上のアミノ酸であり得る。一部の実施形態において、ペプチドは、5~30アミノ酸の長さである。
【0016】
本明細書で使用される「単離された」という用語は、精製前にその部位が会合している他の成分から、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、さらに少なくとも99%分離された対象の部位を意味する。
【0017】
「複数」とは、少なくとも2種類のメンバーを含有する。特定の場合において、複数は、100以上、1000以上、10,000以上、100,000以上、10以上、10以上、10以上または10以上のメンバーなど、10以上のメンバーを有し得る。
【0018】
数値の範囲は、その範囲を定義する数値を包含する。
【0019】
本明細書で使用される「分離」という用語は、2つの要素を物理的に分離すること(例えば、サイズまたは親和性等によって)、ならびに他の要素をそのままにして一の要素を分解することを意味する。
【0020】
本明細書で使用される「特異的結合性」という用語は、例えば、異なる検体の均一な混合物中に存在する特定の検体(または特異的結合性ペアの第2メンバー)に優先的に結合する、捕捉剤(または特異的結合性ペアの第1メンバー)の能力を意味する。一部の場合において、特異的結合相互作用は、100倍以上、または1000倍以上など、望ましい検体では望ましくない検体と比べて10倍以上の特異性を有する試料中で、望ましい検体と望ましくない検体とを区別する。場合により、それらが捕捉剤/検体の複合体において特異的に結合される場合、捕捉剤と検体との親和性は、少なくとも10-8M、少なくとも10-9M、例えば10-10Mまでである。
【0021】
本明細書に記載の方法は複数の工程を含む。各工程は、必要に応じて、所定の時間の長さが工程間で経過した後に行われ得る。例えば、行われる各工程間の時間は、1秒以上、10秒以上、30秒以上、60秒以上、5分以上、10分以上、60分以上、および5時間以上であり得る。特定の実施形態において、夫々の次の工程は、前の工程が完了した直後に行われる。他の実施形態において、前の工程が完了した後のインキュベーションまたは待機時間後、例えば数分から一晩の待機時間後に工程が行われ得る。
【0022】
本明細書で使用される「リンカー」または「連結」という用語は、2つのグループを連結し、かつ原子100個以下の長さの主鎖を有する連結性部位を意味する。リンカーまたは連結は、2つのグループを連結する共有結合であるか、または原子1~100個の長さの鎖、例えば炭素原子1、2、3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20個以上の長さの鎖であることができ、そのリンカーは、直鎖状、分岐状、環状または単一原子であり得る。場合により、リンカーは、3つ以上のグループを連結する連結性部位を意味する分岐状リンカーである。特定の場合、リンカー主鎖の炭素原子1、2、3、4または5個以上が任意選択的に硫黄、窒素または酸素のヘテロ原子で置換されていてもよい。
主鎖原子間の結合は飽和または不飽和結合であり、場合により、1、2または3個以下の不飽和結合がリンカー主鎖に存在する。リンカーは、1個以上の置換基、例えばアルキル、アリールまたはアルケニル基を含んでもよい。リンカーとしては、限定されないが、ポリエチレングリコール;エーテル、チオエーテル、第3級アミン、アルキル(直鎖状または分岐状であり得る)、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)等が挙げられる。リンカーの主鎖は、環状基、例えば、アリール、複素環またはシクロアルキル基を含んでもよく、環状基の2個以上、例えば、2、3または4個の原子が主鎖に含まれる。リンカーは切断可能であるか、または切断不可能であり得る。
【0023】
本明細書で使用される「ポリエチレンオキシド」、「PEO」、「ポリエチレングリコール」、「PEG部位」および「PEG」という用語は区別なく使用され、式--(CH--CH--O--)-によって示される鎖を含むポリマー基またはその誘導体を意味する。一部の実施形態において、「n」は、5000以下、例えば1000以下、500以下、200以下、100以下、50以下、40以下、30以下、20以下、15以下、例えば3~15、または10~15である。PEGポリマー基は、簡便な長さであることができ、かつ様々な末端基および/またはさらなる置換基、限定されないが、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アシル、アシルオキシ、およびアミド末端基および/または置換基を含み得ることを理解されたい。
対象の多発色団で使用するために適応され得るPEGグループとしては、S.Zalipskyによる“Functionalized poly(ethylene glycol) for preparation of biologically relevant conjugates”,Bioconjugate Chemistry 1995,6(2),150-165;およびZhuらによる“Water-Soluble Conjugated Polymers for Imaging,Diagnosis,and Therapy”,Chem.Rev.,2012,112(8),pp4687-4735に記述されるPEGが挙げられる。
【0024】
本明細書で使用される、それ自体でのまたは他の置換基の一部としての「アルキル」という用語は、親アルカンの単一炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される、飽和分枝鎖または直鎖一価炭化水素ラジカルを意味する。対象のアルキル基としては、限定されないが、メチル;エチル、プロパン-1-イルまたはプロパン-2-イルなどのプロピル;およびブチル、例えばブタン-1-イル、ブタン-2-イル、2-メチルプロパン-1-イルまたは2-メチルプロパン-2-イルが挙げられる。一部の実施形態において、アルキル基は、炭素原子1~20個を含む。
一部の実施形態において、アルキル基は炭素原子1~10個を含む。特定の実施形態において、アルキル基は、炭素原子1~4個など、炭素原子1~6個を含む。この用語は、一例として、直鎖状および分岐状ヒドロカルビル基、例えばメチル(CH-)、エチル(CHCH-)、n-プロピル(CHCHCH-)、イソプロピル((CHCH-)、n-ブチル(CHCHCHCH-)、イソブチル((CHCHCH-)、s-ブチル((CH-)(CHCH)CH-)、t-ブチル((CHC-)、n-ペンチル(CHCHCHCHCH-)、およびネオペンチル((CHCCH-)を含む。
【0025】
「置換アルキル」という用語は、そのアルキル鎖における炭素原子1個以上が任意選択的に-O-、-N-、-S-、-S(O)-(nは0~2である)、-NR-(Rは、水素またはアルキルである)などのヘテロ原子で置換されており、かつアルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO-アルキル、-SO-アリール、SO-ヘテロアリール、および-NR(R’およびR”は同一であっても、異なっていてもよく、水素、任意選択的に置換されているアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式から選択される)からなる群から選択される置換基1~5個を有する、本明細書で定義されるアルキル基を意味する。
【0026】
「アルコキシ」とは、アルキルが本明細書で定義される通りである-O-アルキル基を意味する。アルコキシとしては、一例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、t-ブトキシ、s-ブトキシ、n-ペントキシ等が挙げられる。「アルコキシ」という用語は、アルケニル-O-、シクロアルキル-O-、シクロアルケニル-O-、およびアルキニル-O-基をも意味し、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびアルキニルは本明細書で定義される通りである。
【0027】
「置換アルコキシ」という用語は、置換アルキル-O-、置換アルケニル-O-、置換シクロアルキル-O-、置換シクロアルケニル-O-、および置換アルキニル-O-基を意味し、置換アルキル、置換アルケニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニルおよび置換アルキニルは、本明細書で定義される通りである。
【0028】
「アルキニル」および「アルキン」という用語は、炭素原子2~6個、好ましくは炭素原子2~3個を有し、かつ不飽和な三重結合の部位を少なくとも1つ、好ましくは1~2個有する直鎖または分枝鎖一価ヒドロカルビル基を意味する。かかるアルキニル基の例としては、アセチレニル(-C≡CH)、およびプロパギル(-CHC≡CH)が挙げられる。別段の指定がない限り、この用語は、置換基と非置換基との両方を含む。
【0029】
「置換アルキニル」という用語は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、-SO-アルキル、-SO-置換アルキル、SO-アリール、-SO-ヘテロアリール、-SO-アルキル、SO-置換アルキル、-SO-アリール、および-SO-ヘテロアリールから選択される、置換基1~5個又は置換基1~3個を有する、本明細書で定義されるアルキニル基を意味する。
【0030】
それ自体でのまたは他の置換基の一部としての「アリール」は、芳香族環構造の単一炭素原子から水素原子1個を除去することによって誘導される一価芳香族炭化水素ラジカルを意味する。対象のアリール基としては、限定されないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2,4-ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレン等から誘導される基が挙げられる。特定の実施形態において、アリール基は、炭素原子6~20個を含む。特定の実施形態において、アリール基は、炭素原子6~12個を含む。アリール基の例はフェニルおよびナフチルである。
【0031】
それ自体でのまたは他の置換基の一部としての「ヘテロアリール」は、芳香族複素環システムの単一原子から水素原子1個を除去することによって誘導される一価ヘテロ芳香族ラジカルを意味する。対象のヘテロアリール基としては、限定されないが、アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、β-カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテン、ベンゾジオキソール等から誘導される基が挙げられる。
特定の実施形態において、ヘテロアリール基は、5~20員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、ヘテロアリール基は5~10員ヘテロアリールである。特定の実施形態において、ヘテロアリー基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾールおよびピラジンから誘導される基である。
【0032】
「アルカリール」または「アラルキル」という用語は、アルキレン-アリール基および置換アルキレン-アリール基を意味し、アルキレン、置換アルキレンおよびアリールは本明細書で定義される通りである。
【0033】
「アルキレン」とは、直鎖状または分枝鎖状であり、かつ-O-、-NR10-、NR10C(O)-、-C(O)NR10-等から選択される1つまたは複数の基が任意選択的に介在している、好ましくは炭素原子1~6個、さらに好ましくは炭素原子1~3個を有する二価脂肪族ヒドロカルビル基を意味する。この用語には、一例として、メチレン(-CH-)、エチレン(-CHCH-)、n-プロピレン(-CHCHCH-)、イソ-プロピレン(-CHCH(CH)-)、(-C(CHCHCH-)、(-C(CHCHC(O)-)、(-C(CHCHC(O)NH-)、(-CH(CH)CH-)等が含まれる。「置換アルキレン」とは、以下の「置換」の定義において炭素について記述されるように、水素原子1~3個が置換基で置換されているアルキレン基を意味する。
【0034】
「置換された」とは、1つまたは複数の水素原子が独立して、同じまたは異なる置換基で置換されている基を意味する。対象の置換基としては、限定されないが、アルキレンジオキシ(メチレンジオキシなど)、-M、-R60、-O、=O、-OR60、-SR60、-S、=S、-NR6061、=NR60、-CF、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO、=N、-N、-S(O)、-S(O)OH、-S(O)60、-OS(O)、-OS(O)60、-P(O)(O、-P(O)(OR60)(O)、-OP(O)(OR60)(OR61)、-C(O)R60、-C(S)R60、-C(O)OR60、-C(O)NR6061、-C(O)O、-C(S)OR60、-NR62C(O)NR6061、-NR62C(S)NR6061、-NR62C(NR63)NR6061および-C(NR62)NR6061が挙げられ、式中、Mはハロゲンであり;R60、R61、R62およびR63は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、任意選択的にR60およびR61が、それらが結合する窒素原子と共に、シクロヘテロアルキルまたは置換シクロヘテロアルキル環を形成し;R64およびR65が独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR64およびR65が、それらが結合する窒素原子と共に、シクロヘテロアルキルまたは置換シクロヘテロアルキル環を形成する。
特定の実施形態において、置換基としては、-M、-R60、=O、-OR60、-SR60、-S、=S、-NR6061、=NR60、-CF、-CN、-OCN、-SCN、-NO、-NO、=N、-N、-S(O)60、-OS(O)、-OS(O)60、-P(O)(O、-P(O)(OR60)(O)、-OP(O)(OR60)(OR61)、-C(O)R60、-C(S)R60、-C(O)OR60、-C(O)NR6061、-C(O)O、-NR62C(O)NR6061が挙げられる。特定の実施形態において、置換基としては、-M、-R60、=O、-OR60、-SR60、-NR6061、-CF、-CN、-NO、-S(O)60、-P(O)(OR60)(O)、-OP(O)(OR60)(OR61)、-C(O)R60、-C(O)OR60、-C(O)NR6061、-C(O)Oが挙げられる。
特定の実施形態において、置換基としては、-M、-R60、=O、-OR60、-SR60、-NR6061、-CF、-CN、-NO、-S(O)60、-OP(O)(OR60)(OR61)、-C(O)R60、-C(O)OR60、-C(O)Oが挙げられ、式中、R60、R61およびR62は以下で定義される通りである。例えば、置換基は、メチレンジオキシ基、または、ハロゲン原子、(1~4C)アルキル基および(1~4C)アルコキシ基から選択される1、2または3個の置換基を有し得る。置換されている基がアリールまたはヘテロアリール基である場合、置換基(例えば、本明細書に記載される)は、「アリール置換基」と呼ばれ得る。
【0035】
用語の他の定義は本明細書全体に現れ得る。
【0036】
以下にまとめるように、水溶性集光性多発色団が提供される。一部の実施形態において、多発色団は、6-5-6縮合三環系コモノマーおよび紫外線吸光度修飾コモノマーなどの共役セグメントを含み、その多発色団は紫外線吸収極大を有する。多発色団は、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団を含み得る。一部の実施形態において、特異的結合性メンバーは、多発色団に共有結合で連結されている。標的検体の存在について試料を評価する方法、および集光性多発色団を含む組成物を使用して標的分子を標識する方法も提供される。主題の方法を実施するキットおよびシステムも提供される。
【0037】
種々の実施形態をより詳細に説明する前に、この開示内容の教示は、記載の特定の実施形態に限定されず、したがって、当然のことながら異なり得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、添付の特許請求の範囲によってのみ本発明の教示の範囲が限定されるため、特定の実施形態を説明する目的でのみ示されており、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0038】
本発明で使用されるセクションの表題は、構造化の目的でのみ示されており、記載の主題を限定するものであると解釈されるべきではない。本発明の教示は様々な実施形態と組み合わせて記述されるものの、本発明の教示はかかる実施形態に限定されることを意図しない。それと反対に、本発明の教示は、当業者によって理解されるように、種々の代替形態、修正形態、および均等物を包含する。
【0039】
別段の指定がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、この開示内容が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を本発明の教示内容の実施および試験で使用することもできるが、いくつかの例示的な方法および材料が説明される。
【0040】
公開公報の引用は、出願日前のその開示内容が示されており、本発明の特許請求の範囲に先の発明によってかかる公開に先行する権利が与えられないことの承認として解釈すべきではない。さらに、公開公報の日付は、別々に確認される実際の公開日時と異なり得る。
【0041】
この開示内容を読むと当業者に明らかであるように、本明細書に記載され、かつ例証される個々の実施形態は、本発明の教示の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離することができるか、またはそれと組み合わせることができる個々の構成要素および特徴を有する。記載の事象の順序または論理的に可能性のある他のいずれかの順序で記載の方法を行うことができる。
【0042】
本明細書において参照される、かかる特許および公開特許内に開示されるすべての順序を含むすべての特許および公開特許が、参照により明確に組み込まれる。
【0043】
本発明のさらなる説明において、集光性多発色団が最初により詳細に説明される。次に、主題の多発色団を含むタンデム色素およびその共役体が説明される。次に、主題の多発色団を含む組成物が使用される対象の方法が概説される。本発明の方法の実施で使用され得るシステムおよびキットも説明される。
【0044】
集光性多発色団
上記にまとめられるように、本発明の開示内容は、紫外線吸収極大を有する集光性多発色団を提供する。一部の実施形態において、多発色団は、6-5-6縮合三環系コモノマー;および紫外線吸光度修飾コモノマーを有する共役セグメントを含み、その多発色団は紫外線吸収極大を有する。本明細書で使用される「紫外線吸収極大」という用語は、電磁スペクトルの紫外線領域にある吸収極大波長、例えば、10~400nmの範囲の吸収極大波長など、400nm以下の波長を意味する。
【0045】
本明細書で使用される「集光性多発色団」、「ポリマー色素」および「共役系ポリマー」という用語は、区別なく使用され、特定の吸収極大波長を有する光を集め、かつより長い発光極大波長で放射光へとそれを変換することができる構造を有する共役系ポリマーを意味する。場合により、集光性多発色団はそれ自体が蛍光性である。共役系ポリマー(CP)は、非局在化電子構造を特徴とし、その主鎖が近傍に多数の共役セグメントを含有し得ることから、ポリマー鎖の長さよりも実質的に短い有効共役長を有し得る。場合により、共役系ポリマーは、集光性に有効であり、フェルスター(Forster)エネルギー移動により、アクセプターに光増幅を付与する。
【0046】
本明細書で使用される「単位」という用語は、ポリマーの構造サブユニットを意味する。単位という用語は、モノマー、コモノマー、コブロック、共役セグメント、反復単位等を含むことを意味する。「反復単位」は、その単位がn回反復される場合に得られる構造により、ポリマーまたはそのブロックが示されるように、その単位がモノマーとみなされるのに必要である最低数の異なる構造的特徴によって定義される、ポリマーのサブユニットである。場合により、ポリマーは、2種類以上の異なる反復単位を含み、例えばポリマーがマルチブロックポリマーである場合、それぞれのブロックは異なる反復単位を定義し得る。場合により、ポリマーの反復単位は、単一のモノマー基を含む。
特定の場合において、ポリマーの反復単位は、2つ以上のモノマー基、すなわち、2、3、4個以上のコモノマー基などのコモノマー基を含む。本明細書で使用される「コモノマー」または「コモノマー基」という用語は、それ自体がポリマーの反復単位の一部であり得るポリマーの構造単位を意味する。一部の実施形態において、共役系ポリマーは、重合モノマーのブロックで構成されるブロックコポリマーを含む。かかる場合において、ブロックコポリマーは、それぞれがポリマーの別々のコブロックに相当する、異なる反復単位を有すると説明され得る。場合により、ポリマーは、2つの異なるコブロックを含有するジブロックコポリマーである。かかる場合において、ポリマーは、コブロックを含むと説明することができ、各コブロックは、1、2、3個以上のコモノマーなどのコモノマーで構成され得る。
【0047】
本明細書で使用される「紫外線吸光度修飾コモノマー」という用語は、対照多発色団の最大吸光度、例えば、紫外線吸光度修飾コモノマーが反復単位に存在しない共役系ポリマーの最大吸光度に対して、紫外領域(例えば、400nm以下の波長までの)にある、より短い波長へとシフトする、最大吸光度を多発色団に付与するコモノマーを意味する。場合により、対照多発色団はポリフルオレン多発色団である。場合により、対照多発色団はポリカルバゾール多発色団である。
【0048】
紫外線吸収極大(例えば、波長400nm以下での吸収極大)を有する多発色団を提供するために、吸光度修飾コモノマーを含ませるように、いずれかの簡便な集光性多発色団を適応することができる。吸光度修飾コモ・BR>Mマーを含ませるように修飾され得る対象の集光性多発色団としては、限定されないが、その特許公開および特許の開示内容の全体が本明細書に組み込まれる、Gaylordらによる米国特許出願公開第20040142344号明細書、米国特許出願公開第20080293164号明細書、米国特許出願公開第20080064042号明細書、米国特許出願公開第20100136702号明細書、米国特許出願公開第20110256549号明細書、米国特許出願公開第20120028828号明細書、米国特許出願公開第20120252986号明細書および米国特許出願公開第20130190193号明細書および米国特許第8,575,303号明細書および米国特許第8,802,450号明細書;その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Gaylord et al.,J.Am.Chem.Soc.,2001,123(26),pp6417-6418;Feng et al.,Chem.Soc.Rev.,2010,39,2411-2419;およびTraina et al.,J.Am.Chem.Soc.,2011,133(32),pp12600-12607に記述される多発色団が挙げられる。
【0049】
一部の実施形態において、多発色団は、共役システムを形成する複数の第1光学活性単位であって、その第1光学活性単位が光を吸収して励起状態を形成する、吸収波長(例えば、本明細書に記載の)を有する複数の第1光学活性単位を含む。特定の場合において、多発色団は、共役系ポリマーセグメントまたはバンドギャップ低下n-共役反復単位などのオリゴマー構造を含む。
【0050】
主題の多発色団は水溶性であり得る。簡便な水溶性基を多発色団に含ませて、水溶性を高めることができる。水溶性の増加は様々であり得るが、一部の場合において、増加は2倍以上(WSGを含まない化合物と比較して)、例えば、5倍、10倍、25倍、50倍、100倍以上である。「水溶性基」(WSG)という用語は、水性環境において、例えば生理学的条件下で十分に溶媒和され、かつそれが結合している分子に向上した水溶性を付与する基を意味する。一部の実施形態において、WSGは、WSGを含まない対照多発色団と比較して、主に水性の溶液中での多発色団の水溶性を高める。水溶性基は、水性環境において十分に溶媒和される、いずれかの簡便な親水性基であり得る。
場合により、親水性水溶性基は、帯電しており、例えば正または負の電荷を有する。特定の場合において、親水性水溶性基は中性親水性基である。一部の実施形態において、WSGは、親水性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、セルロース、キトサン、またはその誘導体である。対象の水溶性基としては、限定されないが、カルボキシレート、ホスホネート、ホスフェート、スルホネート、スルフェート、スルフィネート、スルホニウム、エステル、ポリエチレングリコール(PEG)および修飾PEG、ヒドロキシル、アミン、アンモニウム、グアニジニウム、ピリジニウム、ポリアミンおよびスルホニウム、多価アルコール、直鎖または環状サッカリド、第1級、第2級、第3級、または第4級アミンおよびポリアミン、ホスホネート基、ホスフィネート基、アスコルビン酸基、グリコール、例えばポリエーテル、-COOM’、-SOM’、-POM’、-NR 、Y’、(CHCHO)Rおよびその混合物(Y’は、ハロゲン、スルフェート、スルホネート、または酸素含有アニオンであることができ、pは1~500であることができ、Rは、それぞれ独立してHまたはアルキル(メチルなど)であることができ、M’は、カチオン性対イオンまたは水素、--(CHCHO)yyCHCHXRyy、--(CHCHO)yyCHCHX--、--X(CHCHO)yyCHCH--、グリコール、およびポリエチレングリコールであることができ、ここで、yyは、1~1000から選択され、Xは、O、S、およびNRZZから選択され、RZZおよびRYYは独立して、HおよびC1~3アルキルから選択される)が挙げられる。
【0051】
複数のWSGが分岐状リンカーによって主題の多発色団に単一位置で含まれ得る。特定の実施形態において、分岐状リンカーは、さらに水溶性基で二置換されたアラルキル置換基である。したがって、場合により、分岐状リンカー基は、多発色団を2つ以上の水溶性基に連結する多発色団の置換基である。場合により、分岐状リンカーによる複数のWSGの組み込みにより、多発色団に望ましい水溶性が付与される。
【0052】
一部の実施形態において、多発色団は、アルキル、アラルキル、および複素環式基から選択される置換基を含み、それぞれの基は、水溶性基、親水性ポリマー基、例えばポリエチルグリコール(PEG)(例えば、2~20単位のPEG)でさらに置換されている。
【0053】
一部の実施形態において、多発色団は、フルオレンコモノマー;紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを含む、水溶性集光性多発色団であり、紫外線吸収極大を有する。一部の場合において、多発色団は、カルバゾールコモノマー;紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを含む、水溶性集光性多発色団であり、紫外線吸収極大を有する。特定の実施形態において、その多発色団は、範囲10~400nm、100~400nm、200~400nm、300~400nm、300~390nm、300~380nm、300~370nm、300~360nm、300~350nm、300~340nm、300~330nm、または300~325nmの波長など、400nm以下の吸収極大波長を有する。特定の実施形態において、多発色団は、紫外線のみ、すなわち400nm以下の光のみを吸収し、400nmを超える波長の光は吸収しない。
特定の場合において、多発色団は300~400nmの吸収極大波長を有する。一部の場合において、多発色団は、範囲300~400nm(300~390nm、300~380nm、300~370nm、300~360nmまたは300~325nmの範囲など)の吸収極大波長および範囲375~900nm(380~900nm、390~900nm、または400~900nmの範囲など)の発光極大波長を有する。特定の場合において、多発色団は可視光を吸収せず、例えば、波長405nm以上など、400nmを超える波長では吸収しない。特定の場合において、多発色団は、85%以上、90%以上、95%以上、98%以上、または99%以上など、積分吸収強度(吸収ライン下の面積)の80%以上が波長400nm以下の紫外線領域にある、吸収スペクトルを有する。
【0054】
多発色団は、いずれかの簡便な長さを有し得る。場合により、多発色団のモノマー反復単位またはセグメントの特定の数は、2~100,000、2~30,000、2~10,000、2~3,000または2~1,000単位またはセグメントなど、または5~100,000、10~100,000、100~100,000、200~100,000、または500~50,000単位またはセグメントなど、2~500,000の範囲内に入り得る。一部の場合において、多発色団のモノマー反復単位またはセグメントの特定の数は、2~500、2~100、3~100、4~100、5~100、6~100、7~100、8~100、9~100または10~100単位またはセグメントなど、2~1,000の範囲内に入り得る。
【0055】
多発色団は簡便な分子量(MW)を有し得る。場合により、多発色団のMWは、平均分子量として表される。一部の場合において、ポリマー色素は、1,000~100,000、2,000~100,000、10,000~100,000などの500~500,000の平均分子量、または50,000~100,000の平均分子量を有する。
【0056】
一部の実施形態において、紫外線吸光度修飾コモノマーは、30%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上など、多発色団の25%以上(モル濃度による)、またはそれを超えて占める。かかる場合において、多発色団は、10以上、20以上、30以上、40以上、50以上、60以上、70以上、80以上、90以上、100以上、200以上、500以上、1000以上、10,000以上などの5個以上の反復単位、またはそれを超える反復単位を含み得る。かかる場合において、多発色団は、10以上、20以上、30以上、40以上、50以上、60以上、70以上、80以上、90以上、100以上、200以上、500以上、1000以上、10,000以上など、5個以上のコモノマー単位、またはそれを超えるコモノマー単位を含み得る。特定の実施形態において、紫外線吸光度修飾コモノマーは、30%以上、40%以上、45%以上、50%以上など、多発色団の25%以上(モル濃度による)、またはそれを超えて占め、10以上、20以上、30以上、40以上、50以上、60以上、70以上、80以上、90以上、100以上の反復単位など5個以上の反復単位を含む。
【0057】
主題の多発色団は、1つまたは複数の望ましい分光学的特性、例えば特定の吸収極大波長、特定の発光極大波長、吸光係数、量子収量等を有し得る。一部の実施形態において、多発色団は、350~850nm、350~600nm、360~500nm、370~500nm、380~500nm、390~500nmまたは400~500nmなど、範囲300~900nmの発光極大波長を有し、対象の発光極大の具体的な例としては、限定されないが、395nm±5nm、460nm±5nm、490nm±5nm、550nm±5nm、560nm±5nm、605nm±5nm、650nm±5nm、680nm±5nm、700nm±5nm、805nm±5nmが挙げられる。特定の場合において、多発色団は、395nm、460nm、490nm、550nm、560nm、605nm、650nm、680nm、700nmおよび805nmから選択される発光極大波長を有する。特定の場合において、多発色団は、発光極大波長395nm±5nmを有する。
【0058】
一部の場合において、多発色団は、吸光係数5×10cm-1-1以上、例えば6×10cm-1-1以上、7×10cm-1-1以上、8×10cm-1-1以上、9×10cm-1-1以上、例えば1×10cm-1-1以上、1.5×10cm-1-1以上、2×10cm-1-1以上、2.5×10cm-1-1以上、3×10cm-1-1以上、4×10cm-1-1以上、5×10cm-1-1以上、6×10cm-1-1以上、7×10cm-1-1以上、または8×10cm-1-1以上を有する。かかる場合において、多発色団は、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上などの5個以上の反復単位、またはそれを超える反復単位を有し得る。一部の実施形態において、多発色団はモル吸光係数5×10-1cm-1以上を有する。特定の実施形態において、多発色団はモル吸光係数1×10-1cm-1以上を有する。
【0059】
一部の場合において、多発色団は、吸光係数40,000cm-1-1以上/反復単位、例えば45,000cm-1-1以上/反復単位、50,000cm-1-1以上/反復単位、55,000cm-1-1以上/反復単位、60,000cm-1-1以上/反復単位、70,000cm-1-1以上/反復単位、80,000cm-1-1以上/反復単位、90,000cm-1-1以上/反復単位、100,000cm-1-1以上/反復単位、またはそれを超える吸光係数を有する。一部の場合において、本明細書に記載の40,000cm-1-1以上/反復単位が平均吸光係数である。
特定の場合において、多発色団の反復単位は、1個のモノマー、2個のコモノマー、または3個以上のコモノマーを含み得る。一部の場合において、多発色団は、40,000cm-1-1以上/コモノマー、例えば45,000cm-1-1以上/コモノマー、50,000cm-1-1以上/コモノマー、55,000cm-1-1以上/コモノマー、60,000cm-1-1以上/コモノマー、70,000cm-1-1以上/コモノマー、80,000cm-1-1以上/コモノマー、90,000cm-1-1以上/コモノマー、100,000cm-1-1以上/コモノマー、またはそれを超える吸光係数を有する。一部の場合において、40,000cm-1-1以上/コモノマーが平均吸光係数である。
【0060】
特定の場合において、多発色団は可視光、例えば、405nm以上など、400nmを超える光を吸収しない。特定の場合において、多発色団は、400nmを超える波長で著しい吸収を示さず、例えば、それを超える波長(405nm以上など、例えば405nm)での吸光係数1×10cm-1-1以下、例えば9×10cm-1-1以下、8×10cm-1-1以下、7×10cm-1-1以下、6×10cm-1-1以下、5×10cm-1-1以下、4×10cm-1-1以下、3×10cm-1-1以下、2×10cm-1-1以下、1×10cm-1-1以下、5×10cm-1-1以下、1×10cm-1-1以下、またはそれ未満の吸光係数を有する。
【0061】
特定の実施形態において、多発色団は、0.35以上、0.4以上、0.45以上、0.5以上、0.55以上、0.6以上、0.65以上、0.7以上など0.3以上の量子収量、またはそれを超える量子収量を有するポリマー色素である。特定の場合において、多発色団は量子収量0.4以上を有する。特定の場合において、ポリマー色素は量子収量0.5以上を有する。
【0062】
場合により、主題の多発色団は、コブロック(例えば、nおよびmコブロック)を含み得ることが理解される。主題の多発色団は、ポリマー全体の構造内に様々な長さのnおよびmコブロックの、いずれかの簡便な直鎖状配列を含み得る。さらに、多発色団は、かかるnおよび/またはmコブロック内にコモノマーのいずれかの簡便な配列を含み得る。主題の多発色団の製造において、様々なポリマー合成法を用いて、対象のコモノマーおよびコブロックを製造することができる。場合により、特定の長さ、かつ/またはその集合の各CPに存在する末端(terminal)基(すなわち、末端(end)基)に対して、一部の変形形態を含む共役系ポリマーの集合を含む組成物がこの重合方法によって製造され得ることが理解される。本明細書に示される式は、単一の化合物、またはポリマー化合物の集合若しくは部分集合を意味し得る。
【0063】
一部の場合において、多発色団は式(I):
【0064】
【化1】
【0065】
によって示され、式中、
は、6-5-6縮合三環系コモノマーであり;
およびMは、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマーであり;
bは、1または2であり;
a、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり;
は、化学選択的タグ-Zを含む連結性コモノマーであり;
nは、それぞれ1~100,000の整数であり;
mは、それぞれ0または1~10,000の整数であり;
pは、1~100,000の整数であり;かつ
およびGは、それぞれ独立して、末端基、π共役セグメント、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーから選択される。
【0066】
式(I)の一部の場合において、Fはフルオレンコモノマーである。式(I)の一部の場合において、Fはカルバゾールコモノマーである。式(I)の場合により、Lはフルオレンコモノマーである。式(I)の特定の実施形態において、Lはカルバゾールコモノマーである。
【0067】
式(I)の一部の実施形態において、bは1である。式(I)の特定の実施形態において、bは2である。式(I)の一部の場合において、aは0である。式(I)の一部の場合、cは0である。式(I)の特定の実施形態において、dは0である。式(I)の特定の場合において、eは0である。式(I)の特定の場合において、fは0である。式(I)の一部の実施形態において、a+c+d+f=1である(すなわちaは1、またはcは1、またはdは1、またはfは1である)。式(I)の一部の実施形態において、a+c+d+f=2である。式(I)の一部の実施形態において、a+c+d+f=3である。式(I)の一部の実施形態において、a+c+d+f=4である。式(I)の一部の実施形態において、fは1である。式(I)の特定の実施形態において、d+e+f=2となるように、eは1であり、dまたはfは1である。式(I)の特定の場合において、eは1であり、dおよびfは、それぞれ0である。
【0068】
式(I)の特定の実施形態において、eは、0であり、d、fおよびmは、それぞれ0である。特定の場合において、eは1であり、d+f≦1であり、m≧1である。特定の場合において、eは1であり、dおよびfは、それぞれ0であり、m≧1である。特定の場合において、eは1であり;d+f=1であり、m≧1である。場合により、dは1であり、fは0である。場合により、dは0であり、fは1である。式(I)の一部の実施形態において、n、mおよびpは、多発色団が合計で2~100,000個の反復単位(すなわち、モノマー反復単位)を含むように選択され、多発色団は、様々な異なるモノマー反復単位を含み得る。一部の場合において、mが0である場合、pは1であり、nは2~100,000である。式(I)の一部の実施形態において、Lはフルオレンコモノマーである。
【0069】
6-5-6縮合三環系コモノマーは、6-5-6配置で3つの縮合環、すなわち中央の5員環に縮合された2つのベンゾ環を有する三環系芳香族基を含むコモノマーである。5員環は炭素環または複素環であることができ、さらにベンゾ環に縮合されていない環原子において側鎖置換基を含み得る。特定の場合において、6-5-6縮合三環系コモノマーは、以下の構造:
【0070】
【化2】
【0071】
によって示され、式中、
Zは、-C(R-または-N(R)-であり;
Rは、それぞれ独立してHまたは1つもしくは複数のアリール置換基であり;
は、それぞれ独立して、アルキル、置換アルキル、アラルキル、置換アラルキル、PEG部位および-L-Z(Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグ(例えば、化学選択的官能基を含むタグ)である)またはWSGから選択される。本明細書に記載の式のいずれかで使用されるは、共役系ポリマーの不飽和主鎖への共有結合の部位または末端基を意味する。
一部の実施形態において、Zが-N(R)-である場合、6-5-6縮合三環系コモノマーはカルバゾールコモノマーである。簡便なカルバゾールコモノマーを主題の多発色団において用いることができる。一部の実施形態において、Zは-C(R-である場合、6-5-6縮合三環系コモノマーはフルオレンコモノマーである。簡便なフルオレンコモノマーを主題の多発色団において用いることができる。6-5-6縮合三環系コモノマーの特定の場合において、Rは、それぞれ1、2個以上のPEG部位で置換されたベンジル基または2個以上のPEG部位で置換されたアルキル基から選択される。
【0072】
フルオレンコモノマーは、簡便な側鎖置換基で9位において置換されている9H-フルオレンコア構造を有する芳香族基を含むコモノマーである。場合により、フルオレンコモノマーは9,9-二置換フルオレンである。フルオレンコモノマーは、1~8位のいずれか2つの位置など(以下の番号付きスキームを参照)、フルオレンコア構造の簡便な位置を介して隣接ポリマー主鎖基へと結合される。一部の実施形態において、フルオレンコア構造は、2位および7位の位置を介してポリマー主鎖の隣接基に連結される。
【0073】
特定の実施形態において、フルオレンコモノマーは、以下の構造:
【0074】
【化3】
【0075】
によって示され、式中、Rは、それぞれ独立して、アルキル、置換アルキル、アラルキル、置換アラルキル、PEG部位および-L-Z(Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグ(例えば、化学選択的官能基を含むタグ)である)またはWSGから選択される。フルオレンコモノマーの特定の場合において、Rは、それぞれ1、2個以上のPEG部位で置換されたベンジル基または2個以上のPEG部位で置換されたアルキル基から選択される。Z官能基は、アクセプター発色団(例えば、本明細書に記載される)への多発色団の共有結合的な連結における使用が見出される。
特定の場合において、Zは、アクセプター発色団に共有結合で連結するためのアミノ基を含む。特定の場合において、Zは、アクセプター発色団に共有結合で連結するためのカルボン酸基またはその誘導体を含む。特定の実施形態において、Lは、2個以上のZ基(例えば、WSG)へ連結する分岐状リンカーである。特定の場合において、フルオレンコモノマーは、1、3、4、5、6および8位から選択される1個、2個又はそれ以上の位に位置するRおよび/またはR置換基でさらに置換されており、RおよびRは独立して、水溶性基(WSG)およびアリール置換基(例えば、本明細書に記載される)から選択される。
【0076】
特定の場合において、フルオレンコモノマーは、以下の構造:
【0077】
【化4】
【0078】
によって示され、式中、Rは、それぞれ上記で定義される通りであり;RおよびRは独立して、H、水溶性基、またはアリール置換基(例えば、本明細書に記載される)から選択される。
【0079】
一部の場合において、フルオレンコモノマーは、以下の構造:
【0080】
【化5】
【0081】
によって示され、式中、Rは、それぞれ水溶性基または2個以上の水溶性基に連結された分岐状リンカーで置換されているアルキルである(例えば、PEG二置換ベンジルまたはPEG置換アルキル)。フルオレンコモノマーの特定の場合において、Rは、それぞれ1、2、または3個のPEG部位(例えば、-O(CHCHO)R’(R’は、Hまたはアルキルであり、nは1~20、例えば3~16であり、例えばnは8~16である))で置換されているベンジル基である。
フルオレンコモノマーの特定の場合において、Rは、それぞれ1つの-O(CHCHO)R’基で(例えば、2、3または4位において)置換されているベンジル基であり、R’はHまたはアルキルであり、nは1~20、例えば3~16であり、例えばnは8~16である。
フルオレンコモノマーの特定の場合において、Rは、それぞれ2つの-O(CHCHO)R’基で(例えば、2,4-、3,4-または3,5-位において)置換されているベンジル基であり、R’は、それぞれ独立してHまたはアルキルであり、nは、それぞれ独立して1~20、例えば3~16であり、例えばnは8~16である。フルオレンコモノマーの特定の場合において、Rは、それぞれ3つの-O(CHCHO)R’基で(例えば、2,2,4,6-、2,4,5-または3,4,5-位において)置換されているベンジル基であり、R’はHまたはアルキルであり、nは1~20、例えば3~16であり、例えばnは8~16である。フルオレンコモノマーの特定の場合において、Rは、それぞれ三価分岐状基で置換されている低級アルキル基であり、それぞれが2つのPEG部位(例えば、-CO-NR’’または-O(CHR’’)三価分岐状基)で置換されており、R’’は、それぞれ独立してPEG部位(例えば、-O(CHCHO)R’(R’はHまたはアルキルであり、nは1~20、例えば3~16であり、例えばnは8~16である)である。
【0082】
特定の実施形態において、フルオレンコモノマーは、以下の構造:
【0083】
【化6】
【0084】
によって示され、式中、Rは、水溶性基で置換されているアルキル(例えば、PEG置換アルキル)であり、RはL-Zであり、Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグ(例えば、アクセプター発色団への結合のための)である。一部の場合において、フルオレンコモノマーは、構造:
【0085】
【化7】
【0086】
によって示され、式中、
は、水溶性基(例えば、本明細書に記載される)を含む置換基であり;
は、L-Zであり、ここで、Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグ(例えば、アクセプター発色団への結合のための)であり;かつ
およびRは、独立して、H、水溶性基およびアリール置換基(例えば、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロゲンまたはニトロ)から選択される。フルオレンコモノマーの特定の場合において、Rは、三価分岐状基で置換されている低級アルキル基であり、それぞれが2つのPEG部位(例えば、-CO-NR’’または-O(CHR’’)三価分岐状基)で置換されており、R’’は、PEG部位(例えば、-O(CHCHO)R’(R’はHまたはアルキルであり、nは1~20、例えば3~16であり、例えばnは8~16である)である。
【0087】
上述のフルオレンコモノマーのいずれかを主題の多発色団、例えば式(I)~(IV)の多発色団において用いることができる。場合により、多発色団は、ポリマー主鎖の一部として、以下の構造:
【0088】
【化8】
【0089】
のうちの1つを含み、式中、Rは、それぞれ独立して、任意選択的なリンカーを介して連結された水溶性基、または任意選択的に置換されているアルキル、アラルキルまたはアリール基であり;Arは、任意選択的に置換されているアリールまたはヘテロアリール基であり;nは、1~100,000の整数である。特定の実施形態において、Rは、それぞれ独立して置換アルキル基である。特定の実施形態において、Rは、それぞれ独立して置換アラルキル基である。場合により、RおよびArは、それぞれ独立して水溶性基、アクセプター発色団、化学選択的官能基または特異的結合性部位で置換されている(任意選択的なリンカーを介して)。
【0090】
本明細書で使用される「化学選択的官能基」および「化学選択的タグ」という用語は区別なく使用され、場合により、官能基のうちの1つを任意選択的に活性化した後、他の適合性官能基と選択的に反応して共有結合を形成することができる官能基を意味する。対象の化学選択的官能基としては、限定されないが、チオールおよびマレイミドまたはヨードアセトアミド、アミンおよびカルボン酸またはその活性エステル、ならびにClick化学を介して互いに反応することができる基、例えば、アジドおよびアルキン基(例えば、シクロオクチン基)、ならびにヒドロキシル、ヒドラジド、ヒドラジノ、アルデヒド、ケトン、アジド、アルキン、ホスフィン、エポキシド等が挙げられる。
【0091】
いずれかの簡便な連結性コモノマー(L)を主題の多発色団に組み込んで、対象の簡便な部位に結合され得る結合性基を提供することができる。対象の連結性コモノマーとしては、限定されないが、フルオレンコモノマー、フェニレンビニレンコモノマー、フェニレンエチニレンコモノマー、カルバゾールコモノマー、C~C12アルキンコモノマー、アリーレン-エチニレンコモノマー、ヘテロアリーレン-エチニレンコモノマー、アリーレンコモノマーおよびヘテロアリーレンコモノマーが挙げられる。
【0092】
限定されないが、カルボン酸、活性エステル(例えば、NHSまたはスルホ-NHSエステル)、アミノ、ヒドロキシル、チオール、マレイミド、ヨードアセチル、ヒドラジド、ヒドラジノ、アルデヒド、ケトン、アジド、アルキン、ホスフィン、エポキシド等の簡便な化学選択的官能基が主題の多発色団に含まれ得る(例えば、-Zにおいて)。
【0093】
特定の場合において、連結性コモノマーは、置換または未置換1,4-フェニル、置換または未置換1,3-フェニル、置換または未置換4,4’-ビフェニル、置換または未置換2,5-ピリジル、および置換または未置換2,6-ピリジルである。一部の場合において、連結性モノマーはフルオレンコモノマーである。特定の場合において、連結性コモノマーは、紫外線吸光度修飾コモノマー(例えば、本明細書に記載される)である。
【0094】
主題の多発色団の末端にいずれかの簡便な末端基(例えば、GおよびG)を用いることができる。対象のGおよびG基としては、限定されないが、末端キャップ形成基、π共役セグメント、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーが挙げられる。一部の実施形態において、末端キャップ形成基は、重合後に多発色団の主鎖に結合される一価基である。特定の場合において、末端キャップ形成基は、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルキルまたは置換アルキルである。特定の場合において、末端キャップ形成基は、重合方法で使用されるモノマー、例えば、さらなる結合を受けることができる、ハロゲン(例えば、Br)、ボロン酸またはボロン酸エステルなどの末端基から誘導される。
一部の場合において、Gおよび/またはGはπ共役セグメントである。本明細書で使用されるπ共役セグメントとは、多発色団が共役され得る、すなわち隣接単位にわたってπ電子の非局在化が可能となる、共役系ポリマーの簡便なセグメントを意味する。特定の実施形態において、Gおよび/またはGは、特異的結合性部位への共役に適した官能基を含むリンカーなどである。多発色団のGおよび/またはG位に位置するリンカーは、多発色団の側鎖に(例えば、Zにおいて)存在し得る化学選択的タグを含む他のリンカーに対して直交するように選択され得ることが理解される。特定の実施形態において、アミノ官能基またはその誘導体は、Gおよび/またはGにおいて含有され、カルボン酸官能基またはその誘導体はZにおいて含有される。特定の実施形態において、カルボン酸官能基またはその誘導体は、Gおよび/またはGにおいて含有され、アミノ官能基またはその誘導体はZにおいて含有される。
【0095】
簡便な紫外線吸光度修飾コモノマーを主題の多発色団に組み込んで、多発色団に紫外線吸収極大を付与することができる。一部の実施形態において、紫外線吸光度修飾コモノマーは、340nm以下、330nm以下、320nm以下、310nm以下、300nm以下、290nm以下、280nm以下、270nm以下、260nm以下、250nm以下、240nm以下、230nm以下、220nm以下、210nm以下、または200nm以下など、350nm以下の吸収極大を有する。
【0096】
一部の実施形態において、紫外線吸光度修飾コモノマーは、任意選択的に置換されているアリールまたはヘテロアリールコモノマーである。一部の場合において、紫外線吸光度修飾コモノマーは、置換または未置換フェニル、ビフェニルまたはピリジルコモノマーである。特定の実施形態において、紫外線吸光度修飾コモノマーは、置換または未置換1,4-フェニル、置換または未置換1,3-フェニル、置換または未置換4,4’-ビフェニル、置換または未置換2,5-ピリジル、および置換または未置換2,6-ピリジルから選択される任意選択的に置換されているアリールまたはヘテロアリールコモノマーである。特定の場合において、紫外線吸光度修飾コモノマーは、以下の構造:
【0097】
【化9】
【0098】
(式中、Z~Zは、それぞれ独立してCRまたはNであり、ここで、Z~Zのうちの少なくとも1つはNであり;RおよびR11~R16は、それぞれ独立して、水素、水溶性基、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルキルおよび置換アルキルから選択される)のうちの1つから選択される、任意選択的に置換されているアリールまたはヘテロアリールコモノマーである。特定の実施形態において、Z~Zのうちの1つおよび1つのみがNである。特定の実施形態において、Z~Zのうちの2つおよび2つのみがNである。特定の場合において、R11、R12およびR14は、それぞれHである。一部の場合において、R12およびR14は、それぞれHである。一部の場合において、R11およびR13は、それぞれHである。場合により、R15およびR16は、それぞれHである。一部の場合において、ハロゲンはフルオロである。特定の場合において、R11~R14のうちの1つおよび1つのみがアルキルまたは置換アルキルであり、R11~R14の他の3つがそれぞれHである。特定の場合において、R11およびR13は、それぞれアルキルまたは置換アルキルであり、R12およびR14は、それぞれHである。
【0099】
場合により、紫外線吸光
度修飾コモノマーは、以下:
【0100】
【化10】
【0101】
(式中、nは1~20であり、R’はHまたは低級アルキルである)
のうちの1つから選択される、任意選択的に置換されているアリールまたはヘテロアリールコモノマーである。置換アリール又はヘテロアリールコモノマー構造の一部の実施形態において、nは3~20の整数である。一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0102】
【化11】
【0103】
(式中、nは1~20であり、R’はHまたは低級アルキルである)
によって示される置換アリールコモノマーを含む。特定の場合において、nは3~12である。一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0104】
【化12】
【0105】
(式中、nは、それぞれ独立して1~20であり、R’は、それぞれ独立してHまたは低級アルキルである)によって示される置換アリールコモノマーを含む。上記で示される置換アリールまたはヘテロアリールコモノマー構造の特定の実施形態において、nは3である。特定の場合において、R’はメチルである。特定の場合において、R’は水素である。一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0106】
【化13】
【0107】
(式中、R11およびR13は、それぞれ独立してアルキルまたは置換アルキル、例えば低級アルキルまたは置換低級アルキル(例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチルまたはモノフルオロメチルなどの置換メチル)である)によって示される置換アリールコモノマーを含む。一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0108】
【化14】
【0109】
(式中、R11およびR12は、それぞれ独立してアルキルまたは置換アルキル、例えば低級アルキルまたは置換低級アルキル(例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチルまたはモノフルオロメチルなどの置換メチル)である)によって示される置換アリールコモノマーを含む。一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0110】
【化15】
【0111】
によって示される置換アリールコモノマーを含む。
【0112】
一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0113】
【化16】
【0114】
(式中、R11がアルキルまたは置換アルキル、例えば低級アルキルまたは置換低級アルキル(例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチルまたはモノフルオロメチルなどの置換メチル)である)によって示される置換アリールコモノマーを含む。
【0115】
一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0116】
【化17】
【0117】
によって示される置換アリールコモノマーを含む。
【0118】
上述の紫外線吸光度修飾コモノマーのいずれかを主題の多発色団、例えば式(I)~(IV)の多発色団において用いることができる。
【0119】
一部の実施形態において、多発色団は、式(II):
【0120】
【化18】
【0121】
によって表され、式中、F、M、M、a、b、c、e、L、Z、p、GおよびGは、式(I)に記載の通りである。式(II)の一部の場合において、Fはフルオレンコモノマーである。式(II)の特定の場合において、Fはカルバゾールコモノマーである。式(II)の一部の実施形態において、Lはフルオレンコモノマーである。式(II)の特定の実施形態において、Lはカルバゾールコモノマーである。特定の実施形態において、多発色団は、式(III):
【0122】
【化19】
【0123】
によって表され、式中、F、M、M、a、b、c、n、GおよびGは、式(I)に記載の通りである。式(III)の一部の場合において、Fはフルオレンコモノマーである。式(III)の特定の場合において、Fはカルバゾールコモノマーである。
【0124】
式(II)および(III)の一部の場合において、bは1であり、a+c≧1である。式(II)および(III)の特定の場合において、a+c=1である(例えば、aは1であり、かつcは0であり、またはaは0であり、かつcは1である)。式(II)および(III)の特定の実施形態において、a+c=2である。式(II)および(III)の一部の場合において、Gは末端基であり;Gは、末端基、リンカーまたは連結された特異的結合性メンバーである。特定の場合において、Gは連結された特異的結合性メンバーである。場合により、Gはリンカーであり、そのリンカーは化学選択的タグを含み得る。
【0125】
一部の場合において、多発色団は、式(IV):
【0126】
【化20】
【0127】
によって表され、式中、F、M、b、c、e、f、L、Z、n、m、p、GおよびGは、式(I)に記載の通りである。式(IV)の一部の場合において、Fはフルオレンコモノマーである。式(IV)の特定の場合において、Fはカルバゾールコモノマーである。
【0128】
式(IV)の一部の実施形態において、bは1であり;cは0または1であり;eおよびfは、それぞれ0または1であり、ここで、e+f≧1であり;Gは末端基であり;Gは、末端基、リンカーまたは連結された特異的結合性メンバーである。式(IV)の特定の場合において、cは1である。式(IV)の特定の場合において、cは0である。式(IV)の特定の場合において、eは1である。式(IV)の特定の場合において、eは0である。式(IV)の特定の場合において、fは1である。式(IV)の特定の場合において、fは0である。特定の場合において、Gは、連結された特異的結合性メンバーである。場合により、Gはリンカーであり、そのリンカーは化学選択的タグを含み得る。式(IV)の一部の実施形態において、Lはフルオレンコモノマーである。式(IV)の一部の実施形態において、Lはカルバゾールコモノマーである。
【0129】
一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0130】
【化21】
【0131】
によって表され、式中、Rは、それぞれ独立して、WSGで置換されたアルキルまたは2個以上のWSGでさらに置換された分岐状基であり;Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたは連結された特異的結合性メンバーであり;Gは末端基であり;nは、1~100,000の整数である。一部の場合において、Gはアリール末端基である。場合により、Gはフェニルである。特定の実施形態において、Zは、カルボン酸、アミノまたはマレイミドから選択される。特定の場合において、Zは、連結された特異的結合性メンバーである。一部の場合において、Lは、-(CHCOOHなどのアルキル-カルボン酸である。特定の実施形態において、R基は、それぞれ2個以上のWSGでさらに置換されている分岐状基である。特定の場合において、その分岐状基は、2個のPEG基で置換されている、置換ベンジル基などの置換アラルキルである。
【0132】
一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0133】
【化22】
【0134】
によって表され、式中、Rは、それぞれ独立して、WSGで置換されたアルキルまたは2個以上のWSGでさらに置換された分岐状基であり;Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたは連結された特異的結合性メンバーであり;Gは末端基であり;nは、1~100,000の整数である。一部の場合において、Gはアリール末端基である。場合により、Gはフェニルである。特定の実施形態において、Zは、カルボン酸、アミノまたはマレイミドから選択される。特定の場合において、Zは、連結された特異的結合性メンバーである。一部の場合において、Lは、-(CHCOOHなどのアルキル-カルボン酸である。特定の実施形態において、R基は、それぞれ2個以上のWSGでさらに置換されている分岐状基である。特定の場合において、その分岐状基は、2個のPEG基で置換されている、置換ベンジル基などの置換アラルキルである。
【0135】
一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0136】
【化23】
【0137】
によって表され、式中、Rは、それぞれ独立して、WSGで置換されたアルキルまたは2個以上のWSGでさらに置換された分岐状基であり;Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたは連結された特異的結合性メンバーであり;Gは末端基であり;nは、1~100,000の整数である。一部の場合において、Gはアリール末端基である。場合により、Gはフェニルである。特定の場合において、Zは、カルボン酸、アミノまたはマレイミドから選択される。特定の場合において、Zは、連結された特異的結合性メンバーである。一部の場合において、Lは、-(CHCOOHなどのアルキル-カルボン酸である。特定の実施形態において、R基は、それぞれ2個以上のWSGでさらに置換された分岐状基である。特定の場合において、その分岐状基は、2個のPEG基で置換されている、置換ベンジル基などの置換アラルキルである。
【0138】
一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0139】
【化24】
【0140】
によって表され、式中、Akは、それぞれ独立してアルキルであり;mPEGは、メチルキャップ形成PEG基であり、n1およびn2は、それぞれ独立して3~20であり;Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたは連結された特異的結合性メンバーであり;Gは末端基であり;nは1~100,000の整数である。場合により、Gはフェニルである。特定の実施形態において、Zは、カルボン酸、アミノまたはマレイミドから選択される。特定の場合において、Zは、連結された特異的結合性メンバーである。一部の場合において、Lは、-(CHCOOHなどのアルキル-カルボン酸である。一部の実施形態において、AkはC1~6アルキルである。特定の場合において、n1は、それぞれ5~15である。特定の場合において、n2は3~12、例えば3などである。
【0141】
一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0142】
【化25】
【0143】
によって表され、式中、mPEGは、メチルキャップ形成PEG基であり;Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたは連結された特異的結合性メンバーであり;Gは末端基であり;nは1~100,000の整数である。場合により、Gはフェニルである。特定の実施形態において、Zは、カルボン酸、アミノまたはマレイミドから選択される。特定の場合において、Zは、連結された特異的結合性メンバーである。一部の場合において、Lは、-(CHCOOHなどのアルキル-カルボン酸である。
【0144】
一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0145】
【化26】
【0146】
によって示され、式中、Akは、それぞれ独立して、アルキルであり;mPEGは、メチルキャップ化PEG基であり、n1およびn2は、それぞれ独立して3~20であり;Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたは連結された特異的結合性メンバーであり;Gは末端基であり;nは1~100,000の整数である。場合により、Gはフェニルである。特定の実施形態において、Zは、カルボン酸、アミノまたはマレイミドから選択される。特定の場合において、Zは、連結された特異的結合性メンバーである。一部の場合において、Lは、-(CHCOOHなどのアルキル-カルボン酸である。一部の実施形態において、AkはC1~6アルキルである。特定の場合において、n1は、それぞれ5~15である。特定の場合において、n2は3~12であり、例えば3などである。
【0147】
一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0148】
【化27】
【0149】
によって示され、式中、mPEGは、メチルキャップ化PEG基であり;Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたは連結された特異的結合性メンバーであり;Gは末端基であり;nは1~100,000の整数である。場合により、Gはフェニルである。特定の実施形態において、Zは、カルボン酸、アミノまたはマレイミドから選択される。特定の場合において、Zは、連結された特異的結合性メンバーである。一部の場合において、Lは、-(CHCOOHなどのアルキル-カルボン酸である。場合により、本明細書に記載の多発色団構造のいずれかにおいて、示されるフルオレンコモノマーは、その構造において相当するカルバゾールコモノマー、例えばカルバゾールコモノマーのN原子に連結された単一側鎖基Rを含むカルバゾールコモノマーなどに置き換えられることが理解される。
【0150】
ポリマータンデム色素
一部の実施形態において、集光性多発色団はポリマータンデム色素である。ポリマータンデム色素は、2つの共有結合部位:ドナー集光性多発色団(例えば、本明細書に記載される)およびアクセプター発色団を含む。特定の実施形態において、ポリマータンデム色素は、6-5-6縮合三環系コモノマー(例えば、本明細書に記載される);および紫外線吸光度修飾コモノマー(例えば、本明細書に記載される)などの共役セグメントを含む水溶性集光性多発色団であって、紫外線吸収極大(例えば、本明細書に記載される)を有する多発色団と、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団とを含み得る。
一部の場合において、アクセプター発色団は失活剤である。特定の場合において、アクセプター発色団は蛍光色素である。本明細書で使用される「アクセプター発色団」という用語は、多発色団から移動されたエネルギーを受け取り、または吸収することができる光吸分子を意味する。場合により、アクセプター発色団は、多発色団から受けるエネルギーを光として発するか、または熱としてエネルギーを放散し得る。別段の指定がない限り、本明細書に示す構造および式において、「色素」というラベルは、「アクセプター発色団」を意味する。本明細書で使用される「失活剤」という用語は、多発色団からのエネルギーを吸収し、かつ発光しないが、エネルギーを熱として放散し得るアクセプター発色団を意味する。
【0151】
一部の実施形態において、ポリマータンデム色素は、ドナー多発色団の吸収極大波長でのUV領域において励起され、アクセプター発色団の発光波長において光を発し得る。場合により、集光性多発色団は、エネルギー受容近位においてアクセプター発色団種へとエネルギーを移動し得る。エネルギー移動のメカニズムとしては、例えば、共鳴エネルギー移動(例えば、フェルスター(または蛍光)共鳴エネルギー移動、FRET)、量子電荷交換(デクスター(Dexter)エネルギー移動)等が挙げられる。
一部の場合において、これらのエネルギー移動メカニズムは比較的短い範囲であり;すなわち、アクセプター発色団に対して集光性多発色団システムが近傍にあることにより、効率的なエネルギー移動が行われる。一部の場合において、効率的なエネルギー移動のための条件下において、集光性多発色団システムにおける個々の発色団の数が多い場合、アクセプター発色団からの発光の増幅が起こる;すなわち、その入射光(「ポンプライト」)が集光性多発色団によって吸収される波長にある場合、シグナル伝達発色団の発光は、ポンプライトによってシグナル伝達発色団が直接励起された場合よりも強い。
【0152】
「効率的な」エネルギー移動とは、収集されたエネルギーの30%以上がアクセプターへと移動されることを意味する。アクセプター発色団が蛍光色素である場合、効率的なエネルギー移動という用語は、0.3以上、例えば0.4以上、0.5以上、またはそれを超える蛍光量子収量を意味する。「増幅」とは、アクセプター発色団からのシグナルが、等しい強度の入射光での直接的な励起と比較して、集光性発色団によって励起された場合に1.5倍以上であることを意味する。このシグナルは、いずれかの簡便な方法を用いて測定することができる。場合により、1.5倍以上のシグナルは、発せられた光の強度を意味する。特定の場合において、1.5倍以上のシグナルは、シグナル対ノイズ比の増加を意味する。ポリマータンデム色素の特定の実施形態において、アクセプター発色団の発光は、入射光でのアクセプター発色団の直接的な励起と比較して、多発色団によって励起された場合に1.5倍以上である。
【0153】
一部の場合において、ポリマータンデム色素は、5×10cm-1-1以上、例えば、6×10cm-1-1以上、7×10cm-1-1以上、8×10cm-1-1以上、9×10cm-1-1以上、例えば1×10cm-1-1以上、1.5×10cm-1-1以上、2×10cm-1-1以上、2.5×10cm-1-1以上、3×10cm-1-1以上、4×10cm-1-1以上、5×10cm-1-1以上、6×10cm-1-1以上、7×10cm-1-1以上、または8×10cm-1-1以上の吸光係数を有する。一部の実施形態において、ポリマータンデム色素は、5×10-1cm-1以上のモル吸光係数を有する。特定の実施形態において、ポリマータンデム色素は、1×10-1cm-1以上のモル吸光係数を有する。
【0154】
特定の実施形態において、ポリマータンデム色素は、0.3以上、例えば、0.35以上、0.4以上、0.45以上、0.5以上、0.55以上、0.6以上、0.65以上、0.7以上、またはそれを超える量子収量を有する。特定の場合において、ポリマータンデム色素は、0.4以上の量子収量を有する。特定の場合において、ポリマータンデム色素は、0.5以上の量子収量を有する。
【0155】
アクセプター発色団として、簡便な蛍光色素がポリマータンデム色素において用いられ得る。「蛍光色素」および「フルオロフォア」という用語は、本明細書において区別なく使用される。一部の実施形態において、アクセプター発色団は、シアニン色素、キサンテン色素、クマリン色素、チアジン色素またはアクリジン色素である。
対象の蛍光色素としては、限定されないが、フルオレセイン、6-FAM、ローダミン、TexasRed、テトラメチルローダミン、カルボキシローダミン、カルボキシローダミン6G、カルボキシロードール、カルボキシローダミン110、Cascade Blue、Cascade Yellow、クマリン、Cy2、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy-クロム、フィコエリトリン、PerCP(ペリジニンクロロフィル-aタンパク質)、PerCP-Cy5.5、JOE(6-カルボキシ-4’,5’-ジクロロ-2’,7’-ジメトキシフルオレセイン)、NED、ROX(5-(および-6)-カルボキシ-X-ローダミン)、HEX、Lucifer Yellow、Marina Blue、Oregon Green 488、Oregon Green 500、Oregon Green 514、Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、7-アミノ-4-メチルクマリン-3-酢酸、BODIPY FL、BODIPY FL-Br.sub.2、BODIPY 530/550、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665、BODIPY R6G、BODIPY TMR、BODIPY TR、その共役体、およびその組み合わせが挙げられる。対象のランタニドキレートとしては、限定されないが、ユーロピウムキレート、テルビウムキレートおよびサマリウムキレートが挙げられる。
一部の実施形態において、ポリマータンデム色素としては、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、Alexa 488、Alexa 647およびAlexa 700から選択されるアクセプターフルオロフォアに連結されたポリマー色素を意味する。特定の実施形態において、ポリマータンデム色素としては、Dyomics色素(例えば、DY 431、DY 485XL、DY 500XL、DY 530、DY 610、DY 633、DY 640、DY 651、DY 654、DY 682、DY 700、DY 701、DY 704、DY 730、DY 731、DY 732、DY 734、DY 752、DY 754、DY 778、DY 782、DY 800またはDY 831)、Biotium CF 555、Cy 3.5、およびジエチルアミノクマリンから選択されるアクセプターフルオロフォアに連結されたポリマー色素が挙げられる。
【0156】
一部の実施形態において、ポリマータンデム色素は、範囲300~400nmの吸収極大波長および範囲375~900nmの発光極大波長を有する。特定の実施形態において、ポリマータンデム色素は、6-5-6縮合三環系コモノマーおよび紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを有する水溶性集光性多発色団を含む。一部の場合において、紫外線吸光度修飾コモノマーは、ポリマータンデム色素において25%以上(モル濃度による)で存在し、多発色団は、モノマー反復単位5個以上を含む共役系ポリマーである。
【0157】
一部の場合において、ポリマータンデム色素は、式(V):
【0158】
【化28】
【0159】
によって示され、式中、
は、6-5-6縮合三環系コモノマー(例えば、本明細書に記載される)であり;
およびMは、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマー(例えば、本明細書に記載される)であり;
bは、1または2であり;
a、c、dおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり;
eは、1または2であり;
は、アクセプター発色団-Cに連結された連結性コモノマーであり;
nは、1~10,000の整数であり;
mは、1~10,000の整数であり;
pは、1~100,000の整数であり;かつ
およびGは、それぞれ独立して、末端基、π共役セグメント、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーから選択される。式(V)の特定の実施形態において、eは1である。式(V)の一部の場合において、d+f≦1(すなわち、dは1であり、かつfは0であり、またはdは0であり、かつfは1である)であり、m≧1である。式(V)の一部の場合において、Fはフルオレンコモノマーである。式(V)の特定の場合において、Fはカルバゾールコモノマーである。
【0160】
一部の実施形態において、ポリマータンデム色素は、式(VI):
【0161】
【化29】
【0162】
によって示され、式中、F、M、M、a、b、c、e、L、C、p、GおよびGは、式(V)について記載の通りである。式(VI)の一部の場合において、Fはフルオレンコモノマーである。式(VI)の特定の場合において、Fはカルバゾールコモノマーである。一部の実施形態において、ポリマータンデム色素は、式(VII):
【0163】
【化30】
【0164】
によって示され、式中、F、M、b、c、e、f、n、m、L、C、p、GおよびGは、式(V)について記載の通りである。式(VII)の一部の場合において、Fはフルオレンコモノマーである。式(VII)の特定の場合において、Fはカルバゾールコモノマーである。式(VII)の特定の場合において、bは1であり;cは0または1であり;eは1であり;fは0または1である。式(VII)の一部の場合、cは1である。式(VII)の一部の実施形態において、cは0である。式(VII)の一部の場合において、fは1である。式(VII)の特定の場合において、fは0である。式(VII)の特定の場合において、Gは末端基であり、Gは、末端基、リンカーまたは連結された特異的結合性メンバーである。一部の場合において、Gは、化学選択的タグを含むリンカーである。場合により、Gは、連結された特異的結合性メンバーである。
【0165】
式(V)~(VII)のポリマータンデム色素において、いずれかの簡便なフルオレンコモノマー(例えば、本明細書に記載される)が用いられ得る。式(V)~(VII)のポリマータンデム色素において、いずれかの簡便なカルバゾールコモノマーが用いられ得る。式(V)~(VII)のポリマータンデム色素において、いずれかの簡便な紫外線吸光度修飾コモノマー(例えば、本明細書に記載される)が用いられ得る。式(V)~(VII)のポリマータンデム色素において、いずれかの簡便な連結性コモノマー(例えば、本明細書に記載される)が用いられ得る。式(V)~(VII)の特定の実施形態において、Lはフルオレンコモノマーである。式(V)~(VII)の特定の実施形態において、Lはカルバゾールコモノマーである。式(V)~(VII)の一部の場合において、Lは、構造:
【0166】
【化31】
【0167】
によって示され、式中、
は、水溶性基を含む置換基(例えば、PEG置換アルキル)であり;
は、L-Z(Lはリンカーであり、かつZはアクセプター発色団である)であり;かつ
およびRは、独立してH、水溶性基、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロゲンおよびニトロである。特定の場合において、RおよびRは、それぞれ独立して水素である。
【0168】
式(V)~(VII)の一部の実施形態において、GおよびGのうちの少なくとも1つは-L-Zであり、ここで、Lはリンカー(例えば、本明細書に記載される)であり、かつZは特異的結合性メンバー(例えば、本明細書に記載される)である。式(I)~(VII)の一部の実施形態において、GおよびGのうちの少なくとも1つは-L-Zであり、ここで、Lはリンカー(例えば、本明細書に記載される)であり、Zは化学選択的タグ(例えば、本明細書に記載される)である。一部の場合において、Zは、カルボン酸、活性エステル(例えば、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHS)またはスルホ-NHS)、アミノ、マレイミド、ヨードアセチルおよびチオールから選択される。式(I)~(VII)の特定の実施形態において、GおよびGのうちの少なくとも1つが、以下の構造:
*-Ar-L-Z
によって示され、式中、Arは、π共役系アリール基であり、Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたは特異的結合性メンバーである。式(I)~(VII)の特定の実施形態において、GおよびGのうちの少なくとも1つが、以下の構造:
【0169】
【化32】
【0170】
によって示され、式中、
qは、0または1~12の整数であり;
Lは、任意選択的なリンカーであり;かつ
Zは、化学選択的タグまたは特異的結合性メンバーである。式(I)~(VII)の特定の実施形態において、少なくとも1つのL基が、構造:
【0171】
【化33】
【0172】
によって示され、式中、qは、0または1~12の整数であり;Lは、任意選択的なリンカーであり;Zは、化学選択的タグまたは特異的結合性メンバーである。特定の場合において、-NH-L-Zは、化学選択的タグまたは特異的結合性メンバーに対するアミド結合を含む。特定の実施形態において、Zは生体分子である。特定の場合において、Zは抗体である。一部の場合において、Zは、抗体断片またはその結合性誘導体である。場合により、抗体断片またはその結合性誘導体は、Fab断片、F(ab’)断片、scFv、ダイアボディ(diabody)およびトリアボディ(triabody)から選択される。
【0173】
式(V)~(VII)の一部の実施形態において、Cは、任意選択的なリンカーを介して連結されているシアニン色素、キサンテン色素、クマリン色素、チアジン色素およびアクリジン色素から選択される。特定の場合において、リンカーは、アルキル、置換アルキル、アルキル-アミド、アルキル-アミド-アルキルおよびPEG部位から選択される。(V)~(VII)の特定の実施形態において、アクセプター発色団Cは、DY 431、DY 485XL、DY 500XL、DY 610、DY 640、DY 654、DY 682、DY 700、DY 701、DY 704、DY 730、DY 731、DY 732、DY 734、DY 752、DY 778、DY 782、DY 800、DY 831、Biotium CF 555、Cy3.5およびジエチルアミノクマリンから選択される。
【0174】
一部の実施形態において、ポリマータンデム色素は、以下の構造:
【0175】
【化34】
【0176】
によって示され、式中、Rは、それぞれ独立して、WSGで置換されたアルキル、または2個以上のWSGでさらに置換されている分岐状基であり;RはL-Z(Lはリンカーであり、かつZはアクセプター発色団である)であり;Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたは連結された特異的結合性メンバーであり;Gは末端基であり;n、mおよびpは、それぞれ独立して1~100,000の整数である。一部の場合において、Gはアリール末端基である。場合により、Gはフェニルである。特定の実施形態において、Zは、カルボン酸、アミノまたはマレイミドから選択される。特定の場合において、Zは、連結された特異的結合性メンバーである。一部の場合において、Lは、-(CHCOOHなどのアルキル-カルボン酸である。特定の実施形態において、R基のうちの1つまたは複数は、2個以上のWSGでさらに置換された分岐状基である。特定の場合において、分岐状基は、2個のPEG基で二置換されている、置換ベンジル基などの置換アラルキルである。
【0177】
一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0178】
【化35】
【0179】
によって示され、式中、Rは、それぞれ独立して、WSGで置換されたアルキルまたは2個以上のWSGでさらに置換された分岐状基であり;Rは、L-Z(Lはリンカーであり、かつZはアクセプター発色団である)であり;Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたは連結された特異的結合性メンバーであり;Gは末端基であり;n、mおよびpは、それぞれ独立して1~100,000の整数である。一部の場合において、Gはアリール末端基である。場合により、Gはフェニルである。特定の実施形態において、Zは、カルボン酸、アミノまたはマレイミドから選択される。特定の場合において、Zは、連結された特異的結合性メンバーである。一部の場合において、Lは、-(CHCOOHなどのアルキル-カルボン酸である。特定の実施形態において、R基のうちの1つまたは複数は、2個以上のWSGでさらに置換された分岐状基である。特定の場合において、分岐状基は、2個のPEG基で二置換されている、置換ベンジル基などの置換アラルキルである。
【0180】
一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0181】
【化36】
【0182】
によって示され、式中、Rは、それぞれ独立して、WSGで置換されたアルキルまたは2個以上のWSGでさらに置換された分岐状基であり;Rは、L-Z(Lはリンカーであり、かつZはアクセプター発色団である)であり;Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたは連結された特異的結合性メンバーであり;Gは末端基であり;nは、1~100,000の整数である。一部の場合において、Gはアリール末端基である。場合により、Gはフェニルである。
特定の実施形態において、Zは、カルボン酸、アミノまたはマレイミドから選択される。特定の場合において、Zは、連結された特異的結合性メンバーである。一部の場合において、Lは、-(CHCOOHなどのアルキル-カルボン酸である。特定の実施形態において、R基のうちの1つまたは複数は、2個以上のWSGでさらに置換された分岐状基である。特定の場合において、分岐状基は、2個のPEG基で置換されている、置換ベンジル基などの置換アラルキルである。
【0183】
一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0184】
【化37】
【0185】
によって示され、式中、Rは、それぞれ独立して、WSGで置換されたアルキルまたは・BR>Q個以上のWSGでさらに置換された分岐状基、-Ak-O-mPEGn1であり;Akは、それぞれ独立してアルキルであり;mPEGは、メチルキャップ化PEG基であり、n1およびn2は、それぞれ独立して3~20であり;Rは、L-Z(Lはリンカーであり、かつZはアクセプター発色団である)であり;Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたは連結された特異的結合性メンバーであり;Gは末端基であり;nは、1~100,000の整数である。場合により、Gはフェニルである。特定の実施形態において、Zは、カルボン酸、アミノまたはマレイミドから選択される。
特定の場合において、Zは、連結された特異的結合性メンバーである。一部の場合において、Lは、-(CHCOOHなどのアルキル-カルボン酸である。一部の実施形態において、Akは、C1~6アルキルである。一部の場合において、Akは、それぞれ-CH-である。場合により、Rは、それぞれ-プロピル-O-mPEG11である。特定の場合において、n1は、それぞれ5~15である。特定の場合において、n2は、3~12、例えば3である。
【0186】
一部の実施形態において、多発色団は、以下の構造:
【0187】
【化38】
【0188】
によって示され、式中、Akは、それぞれ独立してアルキルであり;mPEGは、メチルキャップ化PEG基であり、n1およびn2は、それぞれ独立して3~20であり;Lはリンカーであり、かつZはアクセプター発色団であり;Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたは連結された特異的結合性メンバーであり;Gは末端基であり;nは、1~100,000の整数である。場合により、Gはフェニルである。特定の実施形態において、Zは、カルボン酸、アミノまたはマレイミドから選択される。
特定の場合において、Zは、連結された特異的結合性メンバーである。一部の場合において、Lは、-(CH)3COOHなどのアルキル-カルボン酸である。一部の実施形態において、Akは、C1~6アルキルである。特定の場合において、n1は、それぞれ5~15である。特定の場合において、n2は、それぞれ3~12、例えば3である。一部の場合において、UV修飾コモノマーのAkは-CH-である。一部の場合において、フルオレンコモノマーのAkそれぞれは、-(CH-である。
【0189】
本明細書に示される構造および式のいずれについても、主題の多発色団の一部の場合、示される末端基は、示される末端と反対の末端に位置する場合があり、例えば末端基Gおよび-Ph-L-Zは入れ替えられ得ることが理解される。
【0190】
標識化特異的結合性メンバー
本発明の開示内容の態様は、標識化特異的結合性メンバーを含む。標識化特異的結合性メンバーは、主題の多発色団(例えば、本明細書に記載される)と特異的結合性メンバーとの共役体である。多発色団はポリマー色素であり得る。多発色団はポリマータンデム色素であり得る。本明細書に記載の多発色団のいずれも特異的結合性メンバーと共役し得る。特異的結合性メンバーおよび多発色団は、多発色団の簡便な位置を介して、任意選択的なリンカーを介して互いに共役(共有結合)され得る。
【0191】
本明細書で使用される「特異的結合性メンバー」という用語は、互いに結合特異性を有する分子の対のうちの1メンバーを意味する。その分子の対の一方のメンバーはその表面上の領域または空洞を有し、その対の分子のもう一方のメンバーの表面上の領域または空洞に特異的に結合する。したがって、対のメンバーは、互いに特異的に結合して結合性複合体を形成する特性を有する。一部の実施形態において、結合性複合体における特異的結合性メンバー間の親和性は、10-7M以下などの10-6M以下、例えば10-8M以下、例えば、10-9M以下、10-10M以下、10-11M以下、10-12M以下、10-13M以下、10-14M以下、例えば10-15M以下のK(解離定数)を特徴とする。一部の実施形態において、特異的結合性メンバーは、高い結合活性で特異的に結合する。高い結合活性とは、結合性メンバーが、10×10-9M以下、例えば1×10-9M以下、3×10-10M以下、1×10-10M以下、3×10-11M以下、1×10-11M以下、3×10-12M以下または1×10-12M以下の見掛けのKによって特徴付けられる見掛けの親和性で特異的に結合することを意味する。
【0192】
本明細書で使用される「タンパク性」という用語は、アミノ酸残基で構成される部位(例えば、特異的結合性メンバー)を意味する。タンパク性部位は、ポリペプチドであり得る。一部の実施形態において、特異的結合性メンバーはタンパク性である。特定の場合において、タンパク性特異的結合性メンバーは抗体である。特定の実施形態において、タンパク性特異的結合性メンバーは、抗体断片、例えば、ポリマー色素に特異的に結合する抗体の結合性断片を意味する。
本明細書で使用される「抗体」および「抗体分子」という用語は、区別なく使用され、認識される免疫グロブリン遺伝子のすべてまたは一部によって実質的にコードされる、1つまたは複数のポリペプチドからなるタンパク質を意味する。例えばヒトにおいて、認識される免疫グロブリン遺伝子としては、カッパ(k)、ラムダ(l)、および重鎖遺伝子座(共に無数の可変領域遺伝子を含む)、および定常領域遺伝子ミュー(u)、デルタ(d)、ガンマ(g)、シグマ(e)、およびアルファ(a)(IgM、IgD、IgG、IgE、およびIgAアイソタイプをそれぞれコードする)が挙げられる。免疫グロブリン光または重鎖可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」とも呼ばれる、3つの超可変領域によって割り込まれる「フレームワーク」領域(FR)からなる。フレームワーク領域およびCDRの程度は正確に定義されている(“Sequences of Proteins of Immunological Interest,”E.Kabat et al.,U.S.Department of Health and Human Services,(1991)参照)。
本明細書に記述されるすべての抗体アミノ酸配列の番号付けは、Kabatシステムに準拠する。異なる光または重鎖のフレームワーク領域の配列は、種内に比較的保存されている。抗体のフレームワーク領域、すなわち光および重鎖成分の合体されたフレームワーク領域は、CDRを位置付け、整列させる役割を果たす。CDRは主に、抗原のエピトープへの結合を担う。
【0193】
抗体という用語は、完全長抗体を包含することを意味し、以下に更に定義されるように、いずれかの生物由来の天然抗体、遺伝子操作された抗体、または実験的、治療的、または他の目的のために組換え作製された抗体を意味し得る。対象の抗体断片としては、限定されないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、または、全抗体の修飾によって生成された、若しくは組換えDNA技術を用いてデノボ(de novo)合成された、抗体の他の抗原結合性配列が挙げられる。抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであることができ、細胞に対する他の特異的活性を有し得る(例えば、アンタゴニスト、アゴニスト、中和、遮断、または刺激性抗体)。その抗体は、抗原結合性または他の抗体機能に対して実質的に影響しない、さらなる保存的アミノ酸置換を有し得ると理解される。
【0194】
特定の実施形態において、特異的結合性メンバーは抗体である。特定の実施形態において、特異的結合性メンバーは、Fab断片、F(ab’)断片、scFv、ダイアボディまたはトリアボディである。場合により、特異的結合性メンバーは、マウス抗体またはその結合性断片である。特定の場合において、特異的結合性メンバーは、組換え抗体またはその結合性断片である。
【0195】
一部の実施形態において、標識化特異的結合性メンバーとしては、フルオレンコモノマー(例えば、本明細書に記載される);および紫外線吸光度修飾コモノマー(例えば、本明細書に記載される)を含む共役セグメントを含む水溶性集光性多発色団が挙げられ、多発色団は、紫外線吸収極大;および多発色団に共有結合された特異的結合性メンバーを含む。標識化特異的結合性メンバーの特定の実施形態において、多発色団は、範囲300~400nmの吸収極大波長および範囲375~900nmの発光極大波長を有する。標識化特異的結合性メンバーの一部の場合において、紫外線吸光度修飾コモノマーは、多発色団の25%以上(モル濃度による)を含み;多発色団は、5個以上の反復単位を含む共役系ポリマーである。
【0196】
標識化特異的結合性メンバーの特定の場合において、多発色団は、モル吸光係数5×10-1cm-1以上(例えば、本明細書に記載される)を有する。標識化特異的結合性メンバーの特定の場合において、多発色団は、量子収量0.3以上(例えば、本明細書に記載される)を有する。一部の実施形態において、標識化特異的結合性メンバーは、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団をさらに含み、例えば、多発色団はポリマータンデム色素である。特定の場合において、アクセプター発色団はフルオロフォアである。標識化特異的結合性メンバーの一部の実施形態において、アクセプター発色団発光は、入射光でのアクセプター発色団の直接的な励起と比べて、多発色団によって励起された場合に1.5倍以上である。
【0197】
標識化特異的結合性メンバーの一部の場合において、多発色団は、式(VIII):
【0198】
【化39】
【0199】
によって示され、式中、
は、6-5-6縮合三環系コモノマーであり;
およびMは、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマーであり;
bは、1または2であり;
a、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり;
は、-Zに連結されている連結性コモノマーであり、ここで、Zは、化学選択的タグまたはアクセプター発色団であり;
nは、1~10,000の整数であり;
mは、1~10,000の整数であり;
pは、1~100,000の整数であり;かつ
およびGは、それぞれ独立して、末端基、π共役セグメント、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーから選択され、ここで、GおよびGのうちの少なくとも1つは、連結された特異的結合性メンバーである。式(VIII)の一部の場合において、Fはフルオレンコモノマーである。式(VIII)の特定の場合において、Fはカルバゾールコモノマーである。
【0200】
式(VIII)の特定の実施形態において、特異的結合性メンバーは抗体である。式(VIII)の一部の場合において、特異的結合性メンバーは、抗体断片またはその結合性誘導体である。式(VIII)の一部の場合、特異的結合性メンバーは、Fab断片、F(ab’)断片、scFv、ダイアボディおよびトリアボディから選択される、抗体断片またはその結合性誘導体である。
式(VIII)の一部の場合において、アクセプター発色団は、シアニン色素、キサンテン色素、クマリン色素、チアジン色素およびアクリジン色素から選択される。式(VIII)の特定の場合において、アクセプター発色団は、DY 431、DY 485XL、DY 500XL、DY 610、DY 640、DY 654、DY 682、DY 700、DY 701、DY 704、DY 730、DY 731、DY 732、DY 734、DY 752、DY 778、DY 782、DY 800、DY 831、Biotium CF 555、Cy3.5およびジエチルアミノクマリンから選択される。
【0201】
一部の実施形態において、標識化特異的結合性メンバーは、以下の構造:
【0202】
【化40】
【0203】
によって示され、式中、
は、それぞれ独立して、WSGで置換されたアルキルまたは2個以上のWSGでさらに置換された分岐状基であり;
特異的結合性メンバーは、生体分子であり;かつ
nは、1~100,000の整数である。特定の実施形態において、R基は、それぞれ2個以上のWSGでさらに置換された分岐状基である。特定の場合において、分岐状基は、置換アラルキル、例えば2個のPEG基で置換されている置換ベンジル基である。
【0204】
式(I)~(VIII)のいずれか1つのフルオレンコモノマーの特定の場合において、RまたはR側鎖基は、それぞれ1、2または3個のPEG部位で置換されているベンジル基である(例えば、-O(CHCHO)R’(R’はHまたはアルキルであり、nは1~20、例えば3~16であり、nは8~16などである))。
式(II)~(XII)のいずれか1つのフルオレンコモノマーの特定の場合において、RまたはR側鎖基は、それぞれ1つの-O(CHCHO)R’基で(例えば、2、3または4位において)置換されたベンジル基であり、式中、R’はHまたはアルキルであり、nは1~20、例えば3~16であり、nは8~16などである。式(II)~(XII)のいずれか1つのフルオレンコモノマーの特定の場合において、RまたはR側鎖基は、それぞれは2つの-O(CHCHO)R’基で(例えば、2,4-、3,4-または3,5-位において)置換されたベンジル基であり、式中、R’はHまたはアルキルであり、nは、それぞれ独立して1~20、例えば3~16であり、nは8~16などである。式(II)~(XII)のいずれか1つのフルオレンコモノマーの特定の場合において、RまたはR側鎖基は、それぞれ3つの-O(CHCHO)R’基で(例えば、2,4,6-、2,4,5-または3,4,5-位において)置換されたベンジル基であり、式中、R’は、それぞれ独立してHまたはアルキルであり、nは、それぞれ独立して1~20、例えば3~16であり、nは8~16などである。式(I)~(VIII)のいずれか1つのフルオレンコモノマーの特定の場合において、RまたはR側鎖基は、それぞれ三価分岐状基で置換された低級アルキル基であり、それぞれが2つのPEG部位(例えば、-CO-NR’’または-O(CHR’’)三価分岐状基)で置換されており、R’’は、それぞれ独立してPEG部位(例えば、-O(CHCHO)R’(R’はHまたはアルキルであり、nは1~20、例えば3~16であり、例えばnは8~16である))である。
【0205】
代替方法として、式(I)~(VIII)のいずれか1つのポリマータンデム色素は、それぞれのコモノマーのポリマーにおけるモル%値がどのようなものであるかを示す式によって表し得ることが理解される。例えば、場合により、式(I)~(VIII)のいずれか1つは、以下の式:
-(M(F(M(L-G
-(M(F(M-G
-(F(M(L-G
-(F(M-G
のうちの1つによって表すことができ、式中、v、x、yおよびzは、共役系ポリマーにおけるコモノマーのモル%値であり、Lは、CまたはZ(例えば、本明細書に記載される)に連結されることができる。
その式の一部の場合において、vは、1モル%以上、例えば5モル%以上、10モル%以上、15モル%以上、20モル%以上、または25モル%以上である。その式の一部の場合において、vは、25モル%以下、例えば20モル%以下、15モル%以下、10モル%以下、8モル%以下、6モル%以下、5モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、またはそれ未満である。その式の一部の場合において、xは、1モル%以上、例えば2モル%以上、3モル%以上、4モル%以上、5モル%以上、10モル%以上、15モル%以上、20モル%以上、25モル%以上、30モル%以上、35モル%以上、40モル%以上、45モル%以上、50モル%以上、またはそれを超える。その式の特定の場合において、xは、1~50モル%の範囲、例えば5~25モル%または10~25モル%;または例えば5~25モル%または10~25モル%;または例えば、1~25モル%、1~10モル%、または1~5モル%の範囲である。
その式の一部の場合において、zは、10モル%以上、例えば15モル%以上、20モル%以上、25モル%以上、30モル%以上、35モル%以上、40モル%以上、45モル%以上、50モル%以上、またはそれを超える。その式の一部の場合において、zは、25モル%以下、例えば20モル%以下、15モル%以下、10モル%以下、8モル%以下、6モル%以下、5モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、またはそれ未満である。その式の一部の場合において、yは、1モル%以上、例えば5モル%以上、10モル%以上、15モル%以上、20モル%以上、または25モル%以上である。その式の一部の場合において、yは、25モル%以下、例えば20モル%以下、15モル%以下、10モル%以下、8モル%以下、6モル%以下、5モル%以下、2モル%以下、1モル%以下、またはそれ未満である。
【0206】
本明細書に示す構造および式のいずれについても、主題ポリマー色素の一部の場合、示される末端または末端基は、示される末端と反対の末端に位置し、例えば末端基が入れ替わり得ることが理解される。本明細書において示される多発色団の一部の実施形態(例えば、式(I)~(VIII))において、少なくとも1つの末端基(例えば、L、L、G、G、L-Z)が、以下の構造1~33:
【0207】
【化41】
【0208】
【化42】
【0209】
【化43】
【0210】
のうちの1つから選択される。
は不飽和主鎖への共有結合のための部位である;
式中、R’は独立して、H、ハロゲン、C~C12アルキル、(C~C12アルキル)NH、C~C12アルケン、C~C12アルキン、C~C12シクロアルキル、C~C12ハロアルキル、C~C18(ヘテロ)アリール、C~C18(ヘテロ)アリールアミノ、-[CH-CHr’-Z、または(C~C12)アルコキシ-Xであり;かつZは、-OHまたは-COOHであり;Xは、-NH、-NHCOOH、-NHCOOC(CH、-NHCO(C~C12)シクロアルキル(C~C)アルキル-N-マレイミド;または-NHCO[CH-CH-O]s’(CHs’NH(r’は、1~20の整数であり;s’は、それぞれ独立して1~20の整数である)、(CH(OCHCHx’’OCH(x’’は独立して、0~50の整数である)または1つもしくは複数のハロゲン、ヒドロキシル、C~C12アルコキシで任意選択的に置換されているベンジル、または(OCHCHy’’CH(y’’は、それぞれ独立して0~50の整数である)であり、R’はRと異なり;kは、2、4、8、12または24であり;R15は、構造:
【0211】
【化44】
【0212】
を有するl~u基から選択される。
は主鎖への共有結合のための部位である。
【0213】
本明細書に記載の多発色団の一部の実施形態(例えば、式(I)~(VIII))において、少なくとも1つの末端基(例えば、L、L、G、G、L-Z)は、以下の構造:
【0214】
【化45】
【0215】
のうちの1つから選択され、式中、rは、0または1~50(例えば、1~20)の整数であり;kは、0または1~50(例えば、1~20)の整数であり;Rは、本明細書に記載のフルオレンコモノマーのいずれについても定義される通りであり;R16は、H、OH、NH、-NH(CH-NH、および-NH(CHCOOHから選択される。
【0216】
方法
上記でまとめられるように、本発明の態様は、標的検体の存在について試料を評価する方法を含む。一部の実施形態において、その方法は、(a)標的検体に特異的に結合するポリマー色素共役体と試料を接触させて、標識化組成物が接触した試料を生成する工程であって、そのポリマー色素共役体が、(i)水溶性集光性多発色団(例えば、本明細書に記載される)であって、6-5-6縮合三環系コモノマー(例えば、本明細書に記載される);および紫外線吸光度修飾コモノマー(例えば、本明細書に記載される)を含み、紫外線吸収極大を有する水溶性集光性多発色団;および(ii)特異的結合性メンバー(例えば、本明細書に記載される)を含む、工程と、(b)ポリマー色素共役体-標的検体結合性複合体の存在について、標識化組成物が接触した試料をアッセイして、標的検体が試料中に存在するかどうかを評価する工程とを含む。
【0217】
いずれかの簡便な方法を用いて、標的検体に特異的に結合するポリマー色素共役体を試料と接触させて、標識化組成物が接触した試料を生成することができる。本明細書で使用される「ポリマー色素共役体」および「標識化特異的結合性メンバー」という用語は区別なく使用される。一部の場合において、標的検体が存在する場合、特異的結合性メンバーが標的検体に特異的に結合する条件下において、試料をポリマー色素共役体と接触させる。共役体の特異的結合性メンバーの標的検体との特異的結合のために、試料の成分および特異的結合性メンバーの生物活性を維持する、適切な溶液が使用され得る。
その溶液は、平衡塩溶液、例えば通常の生理食塩水、PBS、ハンクス液等であることができ、好都合には、5~25mMなどの低濃度の許容可能な緩衝液と組み合わせて、ウシ胎仔血清、ヒト血小板ライセートまたは他の因子を追加することもできる。簡便な緩衝液としては、HEPES、リン酸緩衝液、乳酸緩衝液等が挙げられる。様々な培地が市販されており、dMEM、HBSS、dPBS、RPMI、イスコフ(Iscove)培地等の様々な培地を標的検体の性質に応じて使用することができ、場合により、ウシ胎仔血清またはヒト血小板ライセートを追加してもよい。溶液の最終成分は、含有される試料の成分に応じて選択され得る。
【0218】
標的検体への共役体の特異的結合性メンバーの特異的結合が起こる温度は様々であり、一部の場合において、5~50℃、例えば10~40℃、15~40℃、20~40℃、例えば、20℃、25℃、30℃、35℃または37℃(例えば、上述のような温度)の範囲であり得る。一部の場合において、特異的結合が起こる温度は、特異的結合性メンバーおよび/または標的検体の生物活性と適合的であるように選択される。特定の場合において、その温度は25℃、30℃、35℃または37℃である。特定の場合において、特異的結合性メンバーは、抗体またはその断片であり、特異的結合が起こる温度は、室温(例えば、25℃)、30℃、35℃または37℃である。特異的結合のための簡便なインキュベーション時間は、望ましい量の結合性複合体が形成するように選択され、一部の場合において、1分以上、例えば2分以上、10分以上、30分以上、1時間以上、2時間以上、またはさらには6時間以上であり得る。
【0219】
いずれかの簡便な特異的結合性メンバーが共役体において用いられ得る。対象の特異的結合性メンバーとしては、限定されないが、様々な細胞型の細胞表面タンパク質、限定されないが、幹細胞、例えば、多能性幹細胞、造血幹細胞、T細胞、T制御因子細胞、樹状細胞、B細胞、例えば、記憶B細胞、抗原特異的B細胞、顆粒球、白血病細胞、リンパ腫細胞、ウイルス細胞(例えば、HIV細胞)NK細胞、マクロファージ、単球、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、および赤血球系細胞に特異的に結合する作用物質(agent)が挙げられる。対象の標的細胞としては、簡便な特異的結合性メンバー共役体によって捕捉され得る、簡便な細胞表面マーカーまたは抗原を有する細胞を含む。一部の実施形態において、標的細胞は、HIV含有細胞、Treg細胞、抗原特異的T細胞集団、腫瘍細胞または全血、骨髄または臍帯血からの造血前駆細胞(CD34+)から選択される。 簡便な細胞表面タンパク質または細胞マーカーは、主題の方法においてポリマー色素共役体への特異的結合に対して標的化され得る。一部の実施形態において、標的細胞としては、細胞レセプターおよび細胞表面抗原から選択される細胞表面マーカーが挙げられる。場合により、標的細胞は、細胞表面抗原、例えばCD11b、CD123、CD14、CD15、CD16、CD19、CD193、CD2、CD25、CD27、CD3、CD335、CD36、CD4、CD43、CD45RO、CD56、CD61、CD7、CD8、CD34、CD1c、CD23、CD304、CD235a、T細胞レセプターα/β、T細胞レセプターγ/δ、CD253、CD95、CD20、CD105、CD117、CD120b、Notch4、Lgr5(N-末端)、SSEA-3、TRA-1-60抗原、ジシアロガングリオシドGD2およびCD71を含み得る。
【0220】
簡便な標的は、主題の方法を用いた評価のために選択され得る。対象の標的としては、限定されないが、核酸、例えばRNA、DNA、PNA、CNA、HNA、LNAまたはANA分子、タンパク質、例えば融合たんぱく質、修飾タンパク質、例えばリン酸化、グリコシル化、ユビキチン化、SUMO化、若しくはアセチル化タンパク質、または抗体、ペプチド、凝集生体分子、細胞、小分子、ビタミンおよび薬物分子が挙げられる。本明細書で使用される「標的タンパク質」という用語は、標的ファミリーのすべてのメンバーおよびその断片を意味する。標的タンパク質は、対象のいずれかのタンパク質、例えば治療上または診断上の標的、限定されないが:ホルモン、成長因子、レセプター、酵素、サイトカイン、骨誘導因子、コロニー刺激因子および免疫グロブリンが挙げられる。
「標的タンパク質」という用語は、いずれかの簡便な組換え発現法を用いてもしくは簡便な合成法を用いて製造することができ、または購入することができる、組換えおよび合成分子を包含することが意図される。一部の実施形態において、ポリマー色素共役体としては、抗体または抗体断片が挙げられる。対象の抗体または抗体断片に特異的に結合するいずれかの簡便な標的検体が主題の方法において標的化され得る。
【0221】
一部の実施形態において、標的検体は、細胞と会合される。特定の場合において、標的検体は、その細胞の細胞表面マーカーである。特定の場合において、細胞表面マーカーは、細胞レセプターおよび細胞表面抗原から選択される。一部の場合において、標的検体は細胞内標的であり、その方法は細胞を溶解することをさらに含む。
【0222】
一部の実施形態において、その試料は、標的細胞がそれから単離される、異種細胞集団を含む。一部の場合において、試料は、末梢全血、細胞単離前に赤血球が溶解されている末梢全血、臍帯血、骨髄、密度勾配精製末梢血単核細胞または均質化組織を含む。場合により、試料は、全血、骨髄または臍帯血中の造血前駆細胞(例えば、CD34+細胞)を含む。特定の実施形態において、試料は、末梢血中の腫瘍細胞を含む。特定の場合において、その試料は、ウイルス細胞(例えば、HIV)を含む(または含むと思われる)試料である。
【0223】
標識化特異的結合性メンバーは、例えば、標的細胞、粒子、標的または検体をポリマー色素またはポリマータンデム色素で標識化するために、主題の方法における使用が見出される。例えば、標識化特異的結合性メンバーは、フローサイトメーターにおいて処理される(例えば、検出、分析および/または選別される)細胞の標識化における使用が見出される。標識化特異的結合性メンバーは、例えば、様々な細胞型(例えば、本明細書に記載される)の細胞表面タンパク質に、特異的に結合する抗体を含み得る。標識化特異的結合性メンバーを用いて、様々な生物学的(例えば、細胞の)特性、または細胞周期、細胞増殖、細胞分化、DNA修復、T細胞シグナル伝達、アポトーシス、細胞表面タンパク質発現および/または提示等のプロセスを調べることができる。標識化特異的結合性メンバーは、細胞、粒子または検体の抗体仲介標識化を含む(または含み得る)いずれかの用途で使用することができる。
【0224】
一部の実施形態において、ポリマー色素共役体は、ポリマータンデム色素(例えば、本明細書に記載される)を含む。したがって、一部の実施形態において、ポリマー色素共役体は、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団をさらに含む。特定の実施形態において、共役体は、式(IX):
【0225】
【化46】
【0226】
によって示され、式中、
は、6-5-6縮合三環系コモノマーであり;
およびMは、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマーであり;
bは、1または2であり;
a、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり;
は、-Zに連結されている連結性コモノマーであり、ここで、Zは、化学選択的タグまたはアクセプター発色団であり;
nは、1~10,000の整数であり;
mは、1~10,000の整数であり;
pは、1~100,000の整数であり;かつ
およびGは、それぞれ独立して、末端基、π共役セグメント、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーから選択され、GおよびGのうちの少なくとも1つは、連結された特異的結合性メンバーである。式(IX)の一部の場合において、Fはフルオレンコモノマーである。式(IX)の特定の場合において、Fはカルバゾールコモノマーである。
【0227】
試料をポリマー色素共役体と接触させたら、生成される標識化組成物が接触した試料を、ポリマー色素共役体-標的検体結合性複合体の存在についてアッセイするために、いずれかの簡便な方法が用いられ得る。ポリマー色素共役体-標的検体結合性複合体は、存在する場合、標的検体に対する共役体の特異的結合性メンバーの特異的結合で生成される結合性複合体である。標識化組成物が接触した試料のアッセイは、存在する場合、結合性複合体からの蛍光シグナルの検出を含み得る。場合により、そのアッセイは、存在する場合には標的検体が試料から分離される、分離工程を含む。
様々な方法を用いて、例えば担体上での固定化により、試料から標的検体を分離することができる。対象のアッセイ方法としては、限定されないが、アビジン-ビオチンまたはハプテン-抗ハプテン抗体などの特異的結合性メンバーの対の使用が見出され、対象となる、簡便な方法およびアッセイ方式が挙げられる。主題の組成物と共に使用するために適応され得る、対象の方法およびアッセイ方式としては、限定されないが、フローサイトメトリー法、in-situハイブリダイゼーション法、酵素免疫測定法(ELISA)、ウェスタンブロット分析、磁気細胞分離アッセイおよび蛍光色素精製クロマトグラフィーが挙げられる。
【0228】
特定の実施形態において、この方法は、標的検体に特異的に結合する第2特異的結合性メンバーと試料を接触させることをさらに含む。特定の場合において、第2特異的結合性メンバーは、担体結合されている。いずれかの簡便な担体を用いて、主題の方法の構成要素(例えば、第2特異的結合性メンバー)を固定化することができる。特定の場合において、担体は、磁気粒子などの粒子である。一部の場合において、第2特異的結合性メンバーおよびポリマー色素共役体は、存在する場合にいずれかの簡便な方法を用いて単離かつ検出することができる、サンドイッチ複合体を生成する。一部の実施形態において、この方法は、ポリマー色素共役体-標的検体結合性複合体、すなわち蛍光的に標識化された標的検体をフローサイトメトリーによって分析することをさらに含む。ポリマー色素共役体-標的検体結合性複合体の存在についてアッセイすることにより、標的検体が試料中に存在するかどうかを評価するために使用することができるアッセイ結果(例えば、定性的または定量的アッセイデータ)が得られる。
【0229】
いずれかの簡便な担体を主題の方法において用いることができる。対象の担体としては、限定されないが固体基質が挙げられ、その基質は、様々な形状、例えばシート、単体のビーズ、穴を有するプレートなどの他の構造;ビーズ、ポリマー、粒子、繊維メッシュ、ヒドロゲル、多孔性マトリックス、ピン、マイクロアレイ表面、クロマトグラフィー担体などを有し得る。一部の場合において、担体は、粒子、平面固体基質、繊維メッシュ、ヒドロゲル、多孔性マトリックス、ピン、マイクロアレイ表面、クロマトグラフィー担体から選択される。手動シリンジ、遠心機、または自動リキッドハンドリングシステムなどの簡便な方法によって補助される、細胞の単離を提供するシステム内に担体が組み込まれ得る。場合により、担体は、フローサイトメーターなど、細胞の高処理単離のための自動リキッドハンドリングシステムにおける使用が見出される。
【0230】
この方法の一部の実施形態において、分離工程は、外部磁場をかけて、磁気粒子を固定化することを含む。いずれかの簡便な磁気が外部磁場源として使用され得る(例えば、磁場勾配)。場合により、外部磁場は、磁気源により、例えば永久磁石または電磁石により生成される。場合により、磁性粒子の固定化は、磁性粒子が磁場勾配源、すなわち磁石に最も近い表面付近に集積することを意味する。
【0231】
分離は、担体から試料の未結合物質を除去するための1つまたは複数の任意選択的な洗浄工程をさらに含み得る。いずれかの簡便な洗浄方法を用いることができ、例えば、ポリマー色素と特異的結合性メンバーとの特異的結合相互作用を保つ生体適合性緩衝液で固定化担体を洗浄することができる。担体からの試料の未結合物質の分離および任意選択的な洗浄により、不要な細胞および物質が除去されている、濃縮された標的細胞の集団が提供される。
【0232】
特定の実施形態において、この方法は、標識化標的を検出することをさらに含む。標識化標的の検出は、1つまたは複数のレーザーで多発色団を励起し、続いて1つまたは複数の光学検出器を使用して、ポリマー色素からの蛍光発光を検出することを含み得る。
【0233】
標的分子を標識化する方法も提供される。タンデム色素などの主題ポリマー色素は、標識化、分離、検出および/または分析の様々な方法での使用が見出される。一部の実施形態において、この方法は、標的分子をポリマー色素と接触させて、標識化標的分子を生成する工程を含み、ポリマー色素は、フルオレンコモノマーおよび紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを含む水溶性集光性多発色団であって、紫外線吸収極大を有する多発色団と、標的分子に共有結合で連結する共役タグとを含む。
【0234】
一部の実施形態において、ポリマー色素はポリマータンデム色素である。したがって、場合により、ポリマー色素は、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団をさらに含む。特定の場合において、ポリマー色素自体が蛍光性である。一部の実施形態において、ポリマー色素は、式(X):
【0235】
【化47】
【0236】
によって示され、式中、
は、6-5-6縮合三環系コモノマーであり;
およびMは、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマーであり;
bは、1または2であり;
a、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり;
は、連結性コモノマーであり、ここで、Zは、化学選択的タグまたはアクセプター発色団であり;
nは、1~10,000の整数であり;
mは、0または1~10,000の整数であり;
pは、1~100,000の整数であり;かつ
およびGのうちの一方は、末端基であり、GおよびGのうちの他方は、共役タグである。特定の実施形態において、Zは、アクセプター発色団である。特定の実施形態において、Zは、化学選択的タグである。特定の場合において、eは0である。式(X)の一部の場合において、Fはフルオレンコモノマーである。式(X)の特定の場合において、Fはカルバゾールコモノマーである。
【0237】
本明細書で使用される「共役タグ」という用語は、任意選択的な活性化および/または脱保護後、標的分子の適合性官能基と共有結合で連結し得る化学選択的官能基(例えば、本明細書に記載される)を含む基を意味する。対象の標的分子に色素を共役するために、主題のポリマー色素においていずれかの簡便な共役タグが用いられ得る。一部の実施形態において、共役タグは、アミノ、カルボン酸またはその誘導体、チオール、ヒドロキシル、ヒドラジン、ヒドラジド、アジド、アルキンおよびタンパク質反応性基(例えば、アミノ反応性、チオール反応性、ヒドロキシル反応性、イミダゾリル反応性またはグアニジニル反応性)から選択される末端官能基を含む。
【0238】
標的分子に共役タグを共有結合で連結するために、主題の標識化方法における使用に、いずれかの簡便な方法または試剤を適応することができる。標的を標識化するための対象の方法としては、限定されないが、Hermanson,Bioconjugate Techniques,Third edition,Academic Press,2013に記載の方法および試剤が挙げられる。接触工程は、水溶液中で行われ得る。一部の場合において、共役タグは、アミノ官能基を含み、標的分子は、NHSエステルまたはスルホ-NHSエステルなどの活性化エステル官能基を含み、またはその逆も同じである。特定の場合において、共役タグはマレイミド官能基を含み、標的分子はチオール官能基を含み、またはその逆も同じである。
【0239】
主題の方法を用いた標識化のために、いずれかの簡便な標的分子が選択され得る。対象の標的分子としては、限定されないが、RNA、DNA、PNA、CNA、HNA、LNA若しくはANA分子などの核酸、融合たんぱく質などのタンパク質、リン酸化、グリコシル化、ユビキチン化、SUMO化、若しくはアセチル化タンパク質などの修飾タンパク質、または抗体、ペプチド、凝集生体分子、細胞、小分子、ビタミンおよび薬物分子が挙げられる。本明細書で使用される「標的タンパク質」という用語は、標的ファミリーのすべてのメンバー、およびその断片を意味する。標的タンパク質は、対象のいずれかのタンパク質、例えば治療上または診断上の標的、限定されないが、ホルモン、成長因子、レセプター、酵素、サイトカイン、骨誘導因子、コロニー刺激因子および免疫グロブリンであり得る。
「標的タンパク質」という用語は、簡便な組換え発現法を用いて若しくは簡便な合成法を用いて製造することができ、または購入することができる、組換えおよび合成分子を包含することが意図される。一部の実施形態において、標的分子は特異的結合性メンバー(例えば、本明細書に記載される)である。特定の場合において、特異的結合性メンバーは抗体である。一部の場合において、特異的結合性メンバーは、抗体断片またはその結合性誘導体である。一部の場合において、抗体断片またはその結合性誘導体は、Fab断片、F(ab’)断片、scFv、ダイアボディおよびトリアボディから選択される。
【0240】
場合により、この方法は、標識化標的分子が反応混合物、例えば余分な試剤および未標識標的から分離される、分離工程を含む。様々な方法を用いて、例えば担体への固定化、沈殿、クロマトグラフィー等により、試料から標的を分離することができる。
【0241】
一部の場合において、この方法は、標識化標的分子の検出および/または分析をさらに含む。一部の場合において、この方法は、標識化標的分子を蛍光的に検出することをさらに含む。主題の方法および組成物と組み合わせて、簡便な方法を用いて、標識化標的分子を検出し、かつ/または分析することもできる。主題の方法においての使用が見出される、対象の標的を分析する方法としては、限定されないが、フローサイトメトリー、in-situハイブリダイゼーション、酵素免疫測定法(ELISA)、ウェスタンブロット分析、細胞磁気分離アッセイおよび蛍光色素精製クロマトグラフィーが挙げられる。対象の検出法としては、限定されないが、蛍光分光法、核酸シークエンシング、蛍光in-situハイブリダイゼーション(FISH)、タンパク質質量分析、フローサイトメトリー等が挙げられる。
【0242】
検出は、レポーター分子を介して直接的に、または二次的検出システムによって間接的に達成され得る。後者は、限定されないが、抗体標識化抗種抗体および免疫学的または非免疫学的架橋の他の形態およびシグナル増幅システム(例えば、ビオチン-ストレプトアビジン技術、タンパク質-Aおよびタンパク質-G仲介技術、または核酸プローブ/抗-核酸プローブ等)などの異なるいくつかの原理のいずれか1つまたはその組み合わせに基づく。直接的または間接的検出に使用される標識は、いずれかの検出可能なレポートされた分子であり得る。
適切なレポーター分子は、免疫細胞化学、分子生物学、光、蛍光、および電子顕微鏡法、細胞免疫表現型検査(immunophenotyping)、細胞選別、フローサイトメトリー、細胞可視化、検出、数え上げ法(enumeration)、および/またはシグナル出力定量化の分野で知られる分子であり得る。対象の標識としては、限定されないが、フルオロフォア、発光標識、金属錯体、ラジオアイソトープ、ビオチン、ストレプトアビジン、酵素、または他の検出標識並びに酵素および発光(luminogenic)基質などの標識の組み合わせが挙げられる。対象の酵素およびその基質としては、アルカリホスファターゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、およびルシフェラーゼ等が挙げられる。
特異的および/または非特異的性質の複数の抗体が、標的の検出、同定、および/または分析の向上のために、同時にまたは逐次的に、標識化され、使用され得る。対象の標識としては、限定されないが、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)、AMCA(7-アミノ-4-メチルクマリン-3-酢酸)、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 350、DyLight350、フィコエリトリン、アロフィコシアニンおよび核を検出する染色、例えばHoechst 33342、LDS751、TO-PROおよびDAPIなどが挙げられる。
【0243】
システム
本発明の態様は、主題の方法および組成物の実施に使用されるシステムをさらに含む。試料分析システムは、試料および標識化特異的結合性メンバーがロードされるフローチャネルを含み得る。一部の実施形態において、このシステムは、流路を含むフローサイトメーター;流路における組成物(その組成物は、試料;標識化特異的結合性メンバー(例えば、本明細書に記載される)を含む)を含む、フローサイトメトリーシステムである。このシステムの一部の場合において、標識化特異的結合性メンバーは、6-5-6縮合三環系コモノマー;および紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを含む水溶性集光性多発色団(紫外線吸収極大を有する)と、標的検体に特異的に結合し、かつ多発色団に共有結合で連結されている特異的結合性メンバーとを含む。多発色団は、それ自体が蛍光性であるポリマー色素であり得る。多発色団はポリマータンデム色素であり得る。特定の場合において、標識化特異的結合性メンバーは、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団をさらに含む。一部の実施形態において、標識化特異的結合性メンバーは、式(XI):
【0244】
【化48】
【0245】
によって示され、式中、
は、6-5-6縮合三環系コモノマーであり;
およびMは、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマーであり;
bは、1または2であり;
a、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり;
は、-Zに連結されている連結性コモノマーであり、ここで、Zは、化学選択的タグまたはアクセプター発色団であり;
nは、1~10,000の整数であり;
mは、1~10,000の整数であり;
pは、1~100,000の整数であり;かつ
およびGのうちの一方は、末端基であり、GおよびGの他方は、連結された特異的結合性メンバーである。式(XI)の一部の場合において、Fはフルオレンコモノマーである。式(XI)の特定の場合において、Fはカルバゾールコモノマーである。
【0246】
システムの特定の実施形態において、この組成物は、担体結合され、かつ標的検体に特異的に結合する第2特異的結合性メンバーをさらに含む。場合により、その担体は磁気粒子を含む。したがって、特定の場合において、そのシステムは、フローチャネルのアッセイ領域に適用するために構成されたコントロール可能な外部常磁性磁場も含み得る。
【0247】
その試料は細胞を含み得る。一部の場合において、その試料は細胞含有生体試料である。一部の場合において、その試料は、標的細胞に特異的に結合した標識化特異的結合性メンバーである。特定の場合において、特異的結合性メンバーによって特異的に結合される標的検体は、細胞の細胞表面マーカーである。特定の場合において、細胞表面マーカーは、細胞レセプターおよび細胞表面抗原から選択される。
【0248】
特定の態様において、そのシステムは、フローチャネルのアッセイ領域に直接照射するように構成された光源も含み得る。そのシステムは、フローチャネルのアッセイ領域からシグナルを受け取るように構成された検出器であって、そのシグナルが蛍光組成物によって提供される、検出器を含み得る。任意選択的に、さらに、その試料分析システムは、1つまたは複数のさらなるシグナルを検出するための1つまたは複数のさらなる検出器および/または光源を含み得る。
【0249】
特定の態様において、そのシステムは、蛍光シグナルの存在を検出するように構成されたコンピューターベースのシステムをさらに含み得る。「コンピューターベースのシステム」とは、本発明の情報を分析するために使用されるハードウェア手段、ソフトウェア手段、およびデータ記憶手段を意味する。本発明のコンピューターベースのシステムの最低限のハードウェアは、中央処理装置(CPU)、入力手段、出力手段、およびデータ記憶手段を含む。当業者であれば、現在市販されているコンピューターベースのシステムのいずれでも、主題のシステムで使用するのに適していることは容易に理解することができる。データ記憶手段は、上述の本発明の情報の記録物を含むいずれかの製品、またはかかる製品にアクセスすることができるメモリーアクセス手段を含み得る。
【0250】
コンピューターで読み取り可能な媒体上のデータ、プログラミングまたは他の情報を「記録する」とは、当技術分野で公知の方法を用いて、情報を記憶するプロセスを意味する。いずれかの簡便なデータ記憶構造は、記憶された情報にアクセスするために使用される手段に基づいて選択され得る。記憶、例えば、ワード処理テキストファイル、データベースフォーマット等のために様々なデータ処理プログラムおよびフォーマットを使用することができる。
【0251】
「プロセッサー」は、それに必要とされる機能を実行するハードウェアおよび/またはソフトウェアの組み合わせを意味する。例えば、本明細書におけるプロセッサーは、電子式コントローラ―、メインフレーム、サーバーまたはパーソナルコンピューター(デスクトップまたはポータブル)の形態で入手可能なものなど、プログラム可能なデジタルマイクロプロセッサーであり得る。プロセッサーがプログラム可能である場合、適切なプログラミングは、遠隔地からプロセッサーに通信することができ、またはコンピュータープログラム製品(磁気、光学またはソリッドステート装置ベースであるなしに関わらず、携帯型または据え置き型コンピューターで読み取り可能な記憶媒体など)の中に予め保存しておくことができる。例えば、磁気媒体または光学ディスクは、プログラミングを保持することができ、その対応するステーションでそれぞれのプロセッサーと通信する適切な読み取り装置によって読み取ることができる。
【0252】
センサーデバイスおよび信号処理モジュールの他に、例えば上述のように、本発明のシステムは、多くのさらなる構成要素、例えばデータ出力デバイス、例えばモニターおよび/またはスピーカー、データ入力デバイス、例えば、インターフェースポート、キーボード等、流体処理構成要素、電源等を含み得る。
【0253】
特定の態様において、このシステムは、フローサイトメーターを含む。対象のフローサイトメーターとしては、限定されないが、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,704,891号明細書;米国特許第4,727,029号明細書;米国特許第4,745,285号明細書;米国特許第4,867,908号明細書;米国特許第5,342,790号明細書;米国特許第5,620,842号明細書;米国特許第5,627,037号明細書;米国特許第5,701,012号明細書;米国特許第5,895,922号明細書;および米国特許第6,287,791号明細書に記載のデバイスが挙げられる。
【0254】
他のシステムも、主題の方法の実施における使用が見出され得る。特定の態様において、このシステムは、本明細書に記載の実施形態のいずれかの蛍光組成物を有する試料がロードされた蛍光光度計または顕微鏡であり得る。蛍光光度計または顕微鏡は、フローチャネルのアッセイ領域に直接照射するように構成された光源を含み得る。蛍光光度計または顕微鏡は、フローチャネルのアッセイ領域からシグナルを受け取るように構成された検出器であって、そのシグナルが蛍光組成物によって提供される検出器も含み得る。
【0255】
キット
本発明の態様は、主題の方法を実施するのに使用されるキットおよび組成物をさらに含む。本発明の組成物は、出発原料としての試剤、または、例えば上述の方法論における使用のために提供された試剤として、キットに含まれ得る。
【0256】
キットは、6-5-6縮合三環系コモノマー;および紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを含む水溶性集光性多発色団であって、紫外線吸収極大を有する多発色団と、ポリマータンデム色素、フルオロフォア、特異的結合性メンバー、特異的結合性メンバー共役体、担体に結合された特異的結合性メンバー、細胞、担体、生体適合性水性溶出緩衝液、および使用説明書から選択される1つまたは複数の構成要素とを含み得る。キットの一部の実施形態において、多発色団は、特異的結合性メンバーに共有結合で連結されている。一部の場合において、特異的結合性メンバーは抗体である。特定の場合において、特異的結合性メンバーは抗体断片またはその結合性誘導体である。特定の場合において、抗体断片またはその結合性誘導体は、Fab断片、F(ab’)断片、scFv、ダイアボディおよびトリアボディから選択される。多発色団は、それ自体が蛍光性であるポリマー色素であり得る。多発色団はポリマータンデム色素であり得る。場合により、多発色団は、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団をさらに含む。
【0257】
特定の実施形態において、そのキットは、細胞内標的などの標的検体の存在についての試料の評価における使用が見出される。したがって、一部の場合において、キットは、細胞を溶解するのに適した1つまたは複数の構成要素を含む。キットの1つまたは複数のさらなる構成要素は、個別の容器(例えば、個別のチューブ、ボトル、マルチウェルストリップまたはプレートにおけるウェル)内で提供され得る。
【0258】
特定の態様において、そのキットは、フローサイトメトリーアッセイを行う試剤をさらに含む。対象の試剤としては、限定されないが、再構成および希釈用の緩衝液、細胞試料を多発色団と接触させるための緩衝液、洗浄用緩衝液、コントロール細胞、コントロールビーズ、フローサイトメーター較正用の蛍光ビーズおよびその組み合わせが挙げられる。このキットは、1つまたは複数の細胞固定試剤、例えばパラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、メタノール、アセトン、ホルマリン、またはその組み合わせまたはその緩衝液なども含み得る。さらにこのキットは、細胞透過処理剤(cell permeabilizing reagent)、例えばメタノール、アセトンまたは洗浄剤(例えば、triton、NP-40、saponin、tween 20、ジギトニン、leucoperm、またはそのいずれかの組み合わせまたはその緩衝液を含み得る。当業者に知られている他のタンパク質輸送阻害剤、細胞固定化剤および細胞透過処理剤は、主題のキットの範囲内にある。
【0259】
このキットの組成物は、いずれかの適切な緩衝液など、液体組成物の状態で提供され得る。代替方法としては、このキットの組成物は、乾燥組成物(例えば、凍結乾燥された状態)で提供されることができ、キットは、任意選択的に、乾燥組成物を再構成するための1つまたは複数の緩衝液を含み得る。特定の態様において、キットは、個別の容器(個別のチューブ、ボトル、マルチウェルストリップまたはプレートにおけるウェル)に提供された組成物のアリコートを含み得る。
【0260】
さらに、1つまたは複数の成分を単一の容器内で、例えばガラスもしくはプラスチック製バイアル、チューブまたはボトル内で合わせることができる。特定の場合において、キットは、構成要素(およびその個別の容器)のすべてがその中に存在する、容器(例えば、箱、袋、断熱容器、ボトル、チューブ等)をさらに含み得る。そのキットは、キット容器から分離されている、または添付されており、かつ上にキットについての情報が印刷されているパッケージ、キットの構成要素および/またはキットを使用するための説明書をさらに含み得る。
【0261】
上記の成分の他に、主題のキットは、主題の方法を実施するための説明書をさらに含み得る。これらの説明書は、様々な形態で主題のキットに存在し、その1つまたは複数がキットにおいて存在し得る。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、適切な媒体または基材上に情報が印刷されており、例えば情報が印刷されている1枚または数枚の紙が添付文書等としてキットのパッケージ内にある。他の手段は、それに情報が記録されている、コンピューターで読み取り可能な媒体、例えば、ディスケット、CD、DVD、携帯型フラッシュドライブ等であるであろう。存在し得るさらに他の手段は、遠隔地で情報にアクセスするために、インターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。いずれかの簡便な手段がキットに存在し得る。
【0262】
有用性
本明細書に記載の組成物、方法およびシステムは、対象の標的の標識化検出および/または分析が望まれる、診断および研究用途などの様々な用途での使用が見出され得る。かかる用途としては、血球計算、顕微鏡検査法、イムノアッセイ(例えば、競合的または非競合的)、遊離検体の評価、レセプター結合リガンドの評価等の方法論が挙げられる。本明細書に記載の組成物、システムおよび方法は、限定されないが、生物体液、細胞培養試料、および組織試料などの多くの試料のいずれかの分析において有用であり得る。特定の態様において、本明細書に記載の組成物、システムおよび方法は、蛍光標識を用いた、例えば蛍光活性化細胞選別または分析、イムノアッセイ、免疫染色などの、検体が存在する場合に試料中で検出される方法での使用が見出され得る。特定の場合において、組成物および方法は、標的検体の存在についての試料の評価が対象となる用途における使用が見出される。
【0263】
場合により、方法および組成物は、限定されないがフローサイトメトリー、in-situハイブリダイゼーション、酵素免疫測定法(ELISA)、ウェスタンブロット分析、磁気細胞分離アッセイおよび蛍光色素精製クロマトグラフィーなど、試料からの標的の検出および/または分析が対象である、いずれかのアッセイ形式での使用が見出される。特定の場合において、方法および組成物は、標的分子の蛍光標識化が対象であるいずれかの用途での使用が見出される。主題の組成物は、ビオチン-ストレプトアビジンおよびハプテン-抗ハプテン抗体など、特異的結合性メンバーの対がその用途で使用が見出される、いずれかの簡便な用途における使用に適応され得る。
【0264】
以下の実施例は実例として提供され、限定するための例ではない。
【実施例0265】
実験
実施例1
一連の結合されたフルオロフォアを含む以下に示すコア構造1に基づいて、一連のタンデム色素を製造した。図1は、様々な異なるアクセプター発色団に連結された多発色団コア構造1に基づく、様々なポリマータンデム色素の蛍光発光プロファイルを例示する。
【0266】
【化49】
【0267】
式中、色素は、Dyomics色素DY 431、DY 485XL、DY 610、DY 640、Cy3、Cy3.5またはジエチルアミノクマリン(DEAC)である。
【0268】
第2の一連の紫外線吸収性ポリマー色素を製造し、特徴付けた。図2は、対象の様々な多発色団、MC-1~MC-5の紫外線吸収スペクトルを例示する。
【0269】
【化50】
【0270】
添付の条項に関わらず、本明細書に記載の開示内容は、以下の条項によっても定義される:
1.6-5-6縮合三環系コモノマーおよび紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを含み、紫外線吸収極大を有する水溶性集光性多発色団。
2.範囲300~400nmの吸収極大波長および範囲375~900nmの発光極大波長を有する、条項1に記載の多発色団。
3.紫外線吸光度修飾コモノマーの25%以上(モル濃度による)を含み、かつ5個以上のモノマー反復単位を含む共役系ポリマーである、条項1または2のいずれか一節に記載の多発色団。
4.モル吸光係数5×10-1cm-1以上を有する、条項1~3のいずれか一節に記載の多発色団。
5.量子収量0.3以上を有する、条項1~4のいずれか一節に記載の多発色団。
6.式(I):
【0271】
【化51】
【0272】
(式中、Fは、6-5-6縮合三環系コモノマーであり;MおよびMは、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマーであり;bは、1または2であり;a、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり;Lは、化学選択的タグ-Zを含む連結性コモノマーであり;nは1~10,000の整数であり;mは、0または1~10,000の整数であり;pは、1~100,000の整数であり;GおよびGは、それぞれ独立して、末端基、π共役セグメント、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーからなる群から選択される)によって示される、条項1~5のいずれか一節に記載の多発色団。
7.eが0である場合にはd、fおよびmがそれぞれ0であり、eが1である場合にはd+f≦1およびm≧1である、条項6に記載の多発色団。
8.式(II):
【0273】
【化52】
【0274】
によって示される、条項6に記載の多発色団。
9.式(III):
【0275】
【化53】
【0276】
によって示される、条項6に記載の多発色団。
10.bが1であり、かつa+c≧1であり;Gが末端基であり;かつGが末端基、リンカーまたは連結された特異的結合性メンバーである、条項8~9のいずれか一節に記載の多発色団。
11.a+c=1である、条項8~10のいずれか一節に記載の多発色団。
12.式(IV):
【0277】
【化54】
【0278】
によって示される、条項6に記載の多発色団。
13.bが1であり;cが0または1であり;eおよびfがそれぞれ0または1であり、ここで、e+f≧1であり;Gが末端基であり;かつGが末端基、リンカーまたは連結された特異的結合性メンバーである、条項12に記載の多発色団。
14.cが1である、条項12~13のいずれか一節に記載の多発色団。
15.紫外線吸光度修飾コモノマーが任意選択的に置換されているアリールまたはヘテロアリールコモノマーである、条項1~14のいずれか一節に記載の多発色団。
16.任意選択的に置換されているアリールまたはヘテロアリールコモノマーが、置換または未置換1,4-フェニル、置換または未置換1,3-フェニル、置換または未置換4,4’-ビフェニル、置換または未置換2,5-ピリジル、および置換または未置換2,6-ピリジルからなる群から選択される、条項15に記載の多発色団。
17.任意選択的に置換されているアリールまたはヘテロアリールコモノマーが、以下:
【0279】
【化55】
【0280】
のうちの1つから選択され、式中、Z~Zは、それぞれ独立してCRまたはNであり、ここで、Z~Zの少なくとも1つがNであり;かつRおよびR11~R16は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択される、条項16に記載の多発色団。
18.任意選択的に置換されているアリールまたはヘテロアリールコモノマーが、以下:
【0281】
【化56】
【0282】
のうちの1つから選択され、式中、nは1~20であり、かつR’はHまたは低級アルキルである、条項17に記載の多発色団。
19.Fが、構造:
【0283】
【化57】
【0284】
(式中、Rは、それぞれ水溶性基を含む置換アルキルまたは水溶性基を含む置換アラルキルである)
によって示される、条項6~18のいずれか一節に記載の多発色団。
20.Lがフルオレンコモノマーである、条項6~19のいずれか一節に記載の多発色団。
21.Lが、構造:
【0285】
【化58】
【0286】
(式中、Rは、水溶性基を含む置換アルキルであり;Rは、L-Z(Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグである)である)
によって示される、条項6~20のいずれか一節に記載の多発色団。
22.6-5-6縮合三環系コモノマーおよび紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを含み、紫外線吸収極大を有する水溶性集光性多発色団と、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団とを含むポリマータンデム色素。
23.多発色団が範囲300~400nmの吸収極大波長および範囲375~900nmの発光極大波長を有する、条項22に記載の色素。
24.紫外線吸光度修飾コモノマーが多発色団の25%以上(モル濃度による)を占め;かつ多発色団が、5個以上の反復単位を含む共役系ポリマーである、条項22~23のいずれか一節に記載の色素。
【0287】
25.多発色団がモル吸光係数5×10-1cm-1以上を有する、条項22~24のいずれか一節に記載の色素。
26.多発色団が量子収量0.3以上を有する、条項22~25のいずれか一節に記載の色素。
27.アクセプター発色団がフルオロフォアである、条項22~26のいずれか一節に記載の色素。
28.アクセプター発色団が失活剤である、条項22~26のいずれか一節に記載の色素。
29.アクセプター発色団の発光が、入射光でのアクセプター発色団の直接的な励起と比較して、多発色団によって励起された場合に1.5倍以上である、条項27に記載の色素。
30.多発色団が、式(V):
【0288】
【化59】
【0289】
(式中、Fは、6-5-6縮合三環系コモノマーであり;MおよびMは、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマーであり;bは、1または2であり;a、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり;eは、1または2であり;Lは、アクセプター発色団-Cに連結された連結性コモノマーであり;nは、1~10,000の整数であり;mは、1~10,000の整数であり;pは、1~100,000の整数であり;GおよびGは、それぞれ独立して、末端基、π共役セグメント、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーからなる群から選択される)
によって示される、条項22~29のいずれか一節に記載の色素。
31.eが1であり、d+f≦1であり、かつm≧1である、条項30に記載の色素。
32.多発色団が、式(VI):
【0290】
【化60】
【0291】
によって示される、条項30に記載の色素。
33.多発色団が、式(VII):
【0292】
【化61】
【0293】
によって示される、条項30に記載の色素。
34.bが1であり;cが0または1であり;eが1であり;fが0または1であり;Gが末端基であり;かつGが末端基、リンカーまたは連結された特異的結合性メンバーである、条項33に記載の多発色団。
35.cが1である、条項33~34のいずれか一節に記載の色素。
36.紫外線吸光度修飾コモノマーが任意選択的に置換されている置換アリールまたはヘテロアリールコモノマーである、条項22~35のいずれか一節に記載の色素。
37.任意選択的に置換されているアリールまたはヘテロアリールコモノマーが、置換または未置換1,4-フェニル、置換または未置換1,3-フェニル、置換または未置換4,4’-ビフェニル、置換または未置換2,5-ピリジル、および置換または未置換2,6-ピリジルからなる群から選択される、条項36に記載の色素。
38.任意選択的に置換されているアリールまたはヘテロアリールコモノマーが、以下:
【0294】
【化62】
【0295】
(式中、Z~Zは、それぞれ独立してCRまたはNであり、Z~Zの少なくとも1つは、Nであり;かつRおよびR11~R16は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルキルおよび置換アルキルからなる群から選択される)
のうちの1つから選択される、条項36~37のいずれか一節に記載の色素。
39.任意選択的に置換されているアリールまたはヘテロアリールコモノマーが、以下:
【0296】
【化63】
【0297】
(式中、nは、1~20であり、かつR’は、Hまたは低級アルキルである)のうちの1つから選択される、条項36~38のいずれか一節に記載の色素。
40.Fが、構造:
【0298】
【化64】
【0299】
(式中、Rは、それぞれ独立して、アルキル、置換アルキル、アラルキル、置換アラルキル、PEG部位および-L-Z1からなる群から選択され、ここで、Lはリンカーであり、かつZは化学選択的タグまたはWSGである)
によって示される、条項30~39のいずれか一節に記載の色素。
41.Lはフルオレンコモノマーである、条項30~40のいずれか一節に記載の色素。
42.Lは、構造:
【0300】
【化65】
【0301】
(式中、Rは、水溶性基を含む置換基であり;Rは、L-Z(Lはリンカーであり、かつZはアクセプター発色団である)である)
によって示される、条項30~41のいずれか一節に記載の色素。
43.GおよびGのちの少なくとも1つが-L-Zであり、ここで、Lはリンカーであり、かつZは特異的結合性メンバーである、条項30~42のいずれか一節に記載の色素。
44.GおよびGのちの少なくとも1つが、以下の構造:
【0302】
【化66】
【0303】
(式中、qは、0または1~12の整数であり;Lは、任意選択的なリンカーであり;かつZは、化学選択的タグまたは特異的結合性メンバーである)
によって示される、条項30~43のいずれか一節に記載の色素。
45.Zが生体分子である、条項43~44のいずれか一節に記載の色素。
46.Zが抗体である、条項43~45のいずれか一節に記載の色素。
47.Zが抗体断片またはその結合性誘導体である、条項43~45のいずれか一節に記載の色素。
48.抗体断片またはその結合性誘導体が、Fab断片、F(ab’)・BR>Q断片、scFv、ダイアボディおよびトリアボディからなる群から選択される、条項47に記載の色素。
49.Cが、任意選択的なリンカーを介してLに連結されているシアニン色素、キサンテン色素、クマリン色素、チアジン色素およびアクリジン色素からなる群から選択される、条項30~48のいずれか一節に記載の色素。
【0304】
50.リンカーが、アルキル、置換アルキル、アルキル-アミド、アルキル-アミド-アルキルおよびPEG部位からなる群から選択される、条項49に記載の色素。
51.アクセプター発色団が、DY 431、DY 485XL、DY 500XL、DY 610、DY 640、DY 654、DY 682、DY 700、DY 701、DY 704、DY 730、DY 731、DY 732、DY 734、DY 752、DY 778、DY 782、DY 800、DY 831、Biotium CF 555、Cy3.5およびジエチルアミノクマリンからなる群から選択される、条項22~50のいずれか一節に記載の色素。
52.6-5-6縮合三環系コモノマーおよび紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを含み、紫外線吸収極大を有する水溶性集光性多発色団と、多発色団に共有結合で連結された特異的結合性メンバーとを含む標識化特異的結合性メンバー。
53.多発色団が範囲300~400nm吸収極大波長および範囲375~900nmの発光極大波長を有する、条項52に記載の標識化特異的結合性メンバー。
54.紫外線吸光度修飾コモノマーが多発色団の25%以上(モル濃度による)を占め;かつ多発色団が、5個以上の反復単位を含む共役系ポリマーである、条項52~53のいずれか一節に記載の標識化特異的結合性メンバー。
【0305】
55.多発色団がモル吸光係数1×10-1cm-1以上を有する、条項52~53のいずれか一節に記載の標識化特異的結合性メンバー。
56.多発色団が量子収量0.3以上を有する、条項52~55のいずれか一節に記載の標識化特異的結合性メンバー。
57.標識化特異的結合性メンバーが、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合されたアクセプター発色団をさらに含む、条項52~56のいずれか一節に記載の標識化特異的結合性メンバー。
58.アクセプター発色団がフルオロフォアである、条項57に記載の標識化特異的結合性メンバー。
59.アクセプター発色団の発光が、入射光でのアクセプター発色団の直接的な励起と比較して、多発色団によって励起された場合に1.5倍以上である、条項58に記載の標識化特異的結合性メンバー。
60.多発色団が、式(VIII):
【0306】
【化67】
【0307】
(式中、Fは、6-5-6縮合三環系コモノマーであり;MおよびMは、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマーであり;bは、1または2であり;a、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり;Lは、-Zに連結された連結性コモノマーであり;Zは、化学選択的タグまたはアクセプター発色団であり;nは、1~10,000の整数であり;mは、1~10,000の整数であり;pは、1~100,000の整数であり;GおよびGは、それぞれ独立して、末端基、π共役セグメント、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーからなる群から選択され、かつGおよびGのうちの少なくとも1つは、連結された特異的結合性メンバーである)
によって示される、条項52~59のいずれか一節に記載の標識化特異的結合性メンバー。
【0308】
61.特異的結合性メンバーが抗体である、条項52~60のいずれか一節に記載の標識化特異的結合性メンバー。
62.特異的結合性メンバーが抗体断片またはその結合性誘導体である、条項52~60のいずれか一節に記載の標識化特異的結合性メンバー。
63.抗体断片またはその結合性誘導体が、Fab断片、F(ab’)断片、scFv、ダイアボディおよびトリアボディからなる群から選択される、条項62に記載の標識化特異的結合性メンバー。
64.アクセプター発色団が、シアニン色素、キサンテン色素、クマリン色素、チアジン色素またはアクリジン色素からなる群から選択される、条項57~59のいずれか一節に記載の標識化特異的結合性メンバー。
65.アクセプター発色団が、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、Alexa488、Alexa647およびAlexa700からなる群から選択される、条項64に記載の標識化特異的結合性メンバー。
66.標的検体の存在について試料を評価する方法であって、(a)標的検体に特異的に結合するポリマー色素共役体と試料を接触させて、標識化組成物が接触した試料を生成する工程であって、ポリマー色素共役体が、(i)水溶性集光性多発色団であって、6-5-6縮合三環系コモノマーおよび紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを含み、紫外線吸収極大を有する水溶性集光性多発色団、並びに(ii)特異的結合性メンバーを含む、工程と、(b)ポリマー色素共役体-標的検体結合性複合体の存在について、標識化組成物が接触した試料をアッセイして、標的検体が試料中に存在するかどうかを評価する工程とを含む方法。
67.ポリマー色素共役体が、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団をさらに含む、条項66に記載の方法。
68.共役体が、式(IX):
【0309】
【化68】
【0310】
(式中、Fは、6-5-6縮合三環系コモノマーであり;MおよびMは、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマーであり;bは、1または2であり;a、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり;Lは、-Zに連結された連結性コモノマーであり;Zは、化学選択的タグまたはアクセプター発色団であり;nは、1~10,000の整数であり;mは、1~10,000の整数であり;pは、1~100,000の整数であり;GおよびGは、それぞれ独立して、末端基、π共役セグメント、リンカーおよび連結された特異的結合性メンバーからなる群から選択され、かつGおよびGのうちの少なくとも1つは、連結された特異的結合性メンバーである)
によって示される、条項66および67のいずれか一節に記載の方法。
【0311】
69.担体結合されており、かつ標的検体に特異的に結合する第2特異的結合性メンバーと試料を接触させることをさらに含む、条項66~68のいずれか一節に記載の方法。
70.担体が磁気粒子を含む、条項69に記載の方法。
71.標的検体が細胞と会合されている、条項66~70のいずれか一節に記載の方法。
72.標的検体が細胞の細胞表面マーカーである、条項71に記載の方法。
73.細胞表面マーカーが、細胞レセプターおよび細胞表面抗原からなる群から選択される、条項72に記載の方法。
74.標的検体が細胞内標的であり、かつ方法が細胞を溶解することをさらに含む、条項73に記載の方法。
【0312】
75.蛍光標識化された標的検体をフローサイトメトリーで分析することをさらに含む、条項72~73のいずれか一節に記載の方法。
76.標的分子を標識化する方法であって、標的分子をポリマー色素と接触させて、標識化標的分子を生成する工程であって、ポリマー色素が、6-5-6縮合三環系コモノマーおよび紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを含み、紫外線吸収極大を有する水溶性集光性多発色団と、標的分子に共有結合で連結する共役タグとを含む、工程を含む方法。
77.標識化標的分子を蛍光的に検出することをさらに含む、条項76に記載の方法。
78.ポリマー色素が、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団をさらに含む、条項76~77のいずれか一節に記載の方法。
79.ポリマー色素が、式(X):
【0313】
【化69】
【0314】
(式中、Fは、6-5-6縮合三環系コモノマーであり;MおよびMは、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマーであり;bは、1または2であり;a、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり;Lは、連結性コモノマーであり;Zは、化学選択的タグまたはアクセプター発色団であり;nは、1~10,000の整数であり;mは、0または1~10,000の整数であり;pは、1~100,000の整数であり;GおよびGの一方は、末端基であり、かつGおよびGの他方は、共役タグである)
によって示される、条項76~78のいずれか一節に記載の方法。
80.Zがアクセプター発色団である、条項79に記載の方法。
【0315】
81.共役タグが、アミノ、チオール、ヒドロキシル、ヒドラジン、ヒドラジド、アジド、アルキンおよびタンパク質反応性基から選択される末端官能基を含む、条項79~80のいずれか一節に記載の方法。
82.標的分子が特異的結合性メンバーである、条項76~81のいずれか一節に記載の方法。
83.特異的結合性メンバーが抗体である、条項82に記載の方法。
84.特異的結合性メンバーが抗体断片またはその結合性誘導体である、条項82に記載の方法。
85.抗体断片またはその結合性誘導体が、Fab断片、F(ab’)断片、scFv、ダイアボディおよびトリアボディからなる群から選択される、条項84に記載の方法。
86.フローサイトメトリーシステムであって、流路を含むフローサイトメーターと、流路における組成物とを含み、組成物は、試料と、標識化特異的結合性メンバーとを含み、標識化特異的結合性メンバーは、6-5-6縮合三環系コモノマーおよび紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを含み、紫外線吸収極大を有する水溶性集光性多発色団と、標的検体に特異的に結合し、かつ多発色団に共有結合で連結されている特異的結合性メンバーとを含む、フローサイトメトリーシステム。
87.標識化特異的結合性メンバーが、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団をさらに含む、条項86に記載のシステム。
88.標識化特異的結合性メンバーが、式(XI):
【0316】
【化70】
【0317】
(式中、Fは、6-5-6縮合三環系コモノマーであり;MおよびMは、それぞれ独立して紫外線吸光度修飾コモノマーであり;bは、1または2であり;a、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して0または1であり、ここで、a+c+d+f≧1であり;Lは、-Zに連結された連結性コモノマーであり;Zは、化学選択的タグまたはアクセプター発色団であり;nは、1~10,000の整数であり;mは、1~10,000の整数であり;pは、1~100,000の整数であり;GおよびGの一方は、末端基であり、かつGおよびGの他方は、連結された特異的結合性メンバーである)によって示される、条項86~87のいずれか一節に記載のシステム。
89.組成物が、担体結合されており、かつ標的検体に特異的に結合する第2特異的結合性メンバーをさらに含む、条項86~88のいずれか一節に記載のシステム。
【0318】
90.担体が磁気粒子を含む、条項89に記載のシステム。
91.試料が細胞を含む、条項86~90のいずれか一節に記載のシステム。
92.標的検体が細胞の細胞表面マーカーである、条項91に記載のシステム。
93.細胞表面マーカーが、細胞レセプターおよび細胞表面抗原からなる群から選択される、条項92に記載のシステム。
94.6-5-6縮合三環系コモノマーおよび紫外線吸光度修飾コモノマーを含む共役セグメントを含み、紫外線吸収極大を有する水溶性集光性多発色団と、ポリマータンデム色素、フルオロフォア、特異的結合性メンバー、特異的結合性メンバー共役体、担体結合された特異的結合性メンバー、細胞、担体、生体適合性水性溶出緩衝液、および使用説明書からなる群から選択される1つまたは複数の構成要素とを含むキット。
【0319】
95.多発色団が特異的結合性メンバーに共有結合で連結されている、条項94に記載のキット。
96.特異的結合性メンバーが抗体である、条項95に記載のキット。
97.特異的結合性メンバーが抗体断片またはその結合性誘導体である、条項95に記載のキット。
98.抗体断片またはその結合性誘導体が、Fab断片、F(ab’)断片、scFv、ダイアボディおよびトリアボディからなる群から選択される、条項97に記載のキット。
99.多発色団が、そのエネルギー受容近位で多発色団に共有結合で連結されたアクセプター発色団をさらに含む、条項94~98のいずれか一節に記載のキット。
【0320】
前述の本発明は、理解を促進するための例証および実例として詳細に記述されているが、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、その特定の変更形態および修正形態がなされ得ることは、本発明の教示に照らして当業者によって容易に理解される。
【0321】
したがって、前述の説明は、本発明の原理を単に例示している。本明細書に明確に記述または示されていないが、本発明の原理を具体化し、かつその趣旨および範囲内に含まれる、様々な構成を当業者は想到し得ることが理解されるであろう。さらに、本明細書に記載のすべての実施例および条件付きの文言は、主に、技術の促進のために本発明者らによって寄与される本発明の原理および概念を理解するのを促進することが意図され、このように明確に記載された実施例および条件に限定されるものではないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施例、ならびにその特定の実施例を列挙する本明細書におけるすべての表現は、その構造的均等物および機能的均等物の両方を包含することが意図される。
さらに、かかる均等物は、現在既知の均等物と、未来に開発される均等物、すなわち構造に関わらず同じ機能を果たす、開発されたいずれかの要素の両方を包含することが意図される。したがって、本発明の範囲は、本明細書に示し、かつ記述される例示的な実施形態に限定されないことが意図される。むしろ、本発明の範囲および趣旨は以下によって具体化される。
図1
図2