(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130482
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】NSCLCをはじめとする肺がんなどの数種の腫瘍に対する新規免疫療法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/12 20060101AFI20220830BHJP
C07K 7/06 20060101ALI20220830BHJP
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C07K 19/00 20060101ALI20220830BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20220830BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20220830BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20220830BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20220830BHJP
C12N 5/0783 20100101ALI20220830BHJP
C07K 16/00 20060101ALI20220830BHJP
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A61P 37/04 20060101ALI20220830BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220830BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220830BHJP
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A61K 35/16 20150101ALI20220830BHJP
【FI】
C12N15/12
C07K7/06 ZNA
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A61P37/04
A61P43/00 105
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A61K39/00 H
A61K39/39
A61K39/395 N
A61K47/68
A61K47/64
A61K38/19
A61K48/00
A61K35/15 Z
A61K35/16 Z
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096317
(22)【出願日】2022-06-15
(62)【分割の表示】P 2020001438の分割
【原出願日】2014-08-04
(31)【優先権主張番号】1313987.8
(32)【優先日】2013-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】61/862,213
(32)【優先日】2013-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】1403297.3
(32)【優先日】2014-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】506258073
【氏名又は名称】イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(72)【発明者】
【氏名】ヴァインシェンク,トーニ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター,シュテッフェン
(72)【発明者】
【氏名】フリッチェ,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ソング,コレット
(72)【発明者】
【氏名】ジング,ハルプレート
(57)【要約】 (修正有)
【課題】がんの免疫療法で使用するためのペプチド、核酸、および細胞を提供する。
【解決手段】本発明は、単独で、またはその他の腫瘍関連ペプチドとの組み合わせで、抗腫瘍免疫応答を刺激するワクチン組成物の活性医薬品成分の役割を果たす、腫瘍関連細胞傷害性T細胞(CTL)ペプチドエピトープに関する。本発明は、抗腫瘍免疫応答を引き起こすためのワクチン組成物で使用し得る、ヒト腫瘍細胞のHLAクラスIおよびHLAクラスII分子に由来する、70個を超える新規ペプチド配列と、それらの変異型とに関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号24、配列番号1~23、配列番号25~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるペプチド、または配列番号24、配列番号1~23、配列番号25~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92と、少なくとも80%相同的なそれらの変異配列であって、前記変異型が、前記ペプチドと、または配列番号24、配列番号1~23、配列番号25~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92の薬学的に許容可能な塩と、特異的に結合する抗体および/またはT細胞を誘導し、前記ペプチドが、基礎となる完全長ポリペプチドでない、ペプチド。
【請求項2】
前記ペプチドまたはそれらの変異型が、配列番号24、配列番号1~23、配列番号25~配列番号65、および配列番号78~配列番号84、および配列番号92を含んでなるペプチドでは、8~100、好ましくは8~30、および最も好ましくは8~14のアミノ酸全長を含んでなり、配列番号76または配列番号77を含んでなるペプチドでは、12~100、好ましくは12~30、および最も好ましくは12~18アミノ酸のアミノ酸全長を有する、請求項1に記載のペプチド。
【請求項3】
ヒト主要組織適合性複合体(MHC)のクラスIまたはクラスII分子に結合する能力を有する、請求項1~2のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項4】
前記ペプチドが、配列番号24、配列番号1~23、配列番号25~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92に記載のアミノ酸配列からなり、またはそれから本質的になる、請求項1~3のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項5】
前記ペプチドが、修飾され、最大4つのアミノ酸によってNおよび/またはC末端で伸長され、および/または非ペプチド結合を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項6】
前記ペプチドが、融合タンパク質の一部であり、特にHLA-DR抗原関連不変鎖(Ii)のN末端アミノ酸に融合し、または抗体に融合する、請求項1~5のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のペプチドをコードする核酸。
【請求項8】
DNA、cDNA、PNA、RNAまたはそれらの組み合わせである、請求項に7記載の核酸。
【請求項9】
請求項7または8に記載の核酸の発現能力がある発現ベクター。
【請求項10】
医薬品で使用するための、請求項1~6のいずれか一項に記載のペプチド、請求項7または8に記載の核酸、または請求項9に記載の発現ベクター。
【請求項11】
請求項7または8に記載の核酸または請求項9に記載の発現ベクターを含んでなり、ヒト胚性幹細胞でない宿主細胞。
【請求項12】
前記細胞が、例えば樹状細胞などの抗原提示細胞である、請求項11に記載の宿主細胞。
【請求項13】
請求項1~6のいずれか一項に記載のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩と、薬学的に許容可能な、好ましくは水性である、緩衝液、結合因子、ブラスチング剤、希釈剤、フレーバー、潤滑剤、およびサイトカインなどの免疫刺激または免疫調節物質、免疫修飾物質、アジュバント、および免疫調節特性がある治療剤などの、担体および/または賦形剤の群から選択される少なくとも1つのその他の成分とを含んでなる医薬組成物。
【請求項14】
請求項11または12に記載の宿主細胞を培養するステップと、前記ペプチドを宿主細胞またはその培養液から単離するステップとを含んでなる、請求項1~6のいずれか一項に記載のペプチドを生成する方法。
【請求項15】
CTLまたはTh細胞を、適切な抗原提示細胞の表面に発現される抗原負荷ヒトクラスIまたはII MHC分子に、前記CTLを抗原特異的様式で活性化するのに十分な時間にわたり生体外で接触させるステップを含んでなる、活性化細胞傷害性Tリンパ球(CTL)またはTヘルパー細胞(Th細胞)を生成するインビトロ法であって、前記抗原が、請求項1~6のいずれか一項に記載のペプチドである、インビトロ法。
【請求項16】
前記抗原が、十分な量の前記抗原を前記抗原提示細胞に接触させることで、適切な抗原提示細胞の表面に発現されるクラスIまたはIIMHC分子上に負荷される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記抗原提示細胞が、請求項1~6のいずれか一項に記載のペプチドを発現する能力がある発現ベクターを含んでなる、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
請求項15~17のいずれか一項に記載の方法によって生成される活性化細胞傷害性Tリンパ球(CTL)またはTヘルパー細胞(Th細胞)であって、請求項1~6のいずれか一項記載のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを異常に発現する細胞を選択的に認識する、CTLまたはTh細胞。
【請求項19】
請求項18に記載の活性化細胞傷害性Tリンパ球(CTL)またはTヘルパー細胞(Th細胞)からの可変領域をクローニングするステップと、前記TCRまたはsTCRまたはそのフラグメントを適切な宿主および/または発現系で発現させるステップとを含んでなる、請求項1~6のいずれか一項に記載のペプチドに対して特異的なTCRまたはsTCRまたはそのフラグメントを生成するためのインビトロ法。
【請求項20】
請求項1~4のいずれか一項に記載ペプチドに、または請求項1~4のいずれか一項に記載のペプチドとMHC分子との複合体に結合し、好ましくは特異的に結合する、抗体またはそのフラグメント、タンパク質、核酸、ペプチド、TCRまたはsTCRまたはそのフラグメントなどの、単離された結合因子。
【請求項21】
配列番号24、配列番号1~23、配列番号25~配列番号92からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%同一のHLAリガンドと、反応性である単離T細胞受容体。
【請求項22】
前記アミノ酸配列が、配列番号24、配列番号1~23、配列番号25~配列番号92と、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%同一である、請求項21に記載の単離T細胞受容体。
【請求項23】
患者において標的細胞を死滅させる方法であって、前記標的細胞が、請求項1~6のいずれか一項に示すようなアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを異常に発現および/または提示して、前記方法が、請求項18に記載の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)またはTh細胞の有効数を前記患者に投与するステップを含んでなる、方法。
【請求項24】
請求項1~6のいずれか一項に記載のペプチド、請求項7または8に記載の核酸、請求項9に記載の発現ベクター、請求項11~12に記載の細胞、請求項18に記載の活性化細胞傷害性Tリンパ球、または請求項20~22のいずれか一項に記載の抗体またはTCRまたはsTCRの薬剤としての使用であって、前記薬剤ががんに対して有効である、使用。
【請求項25】
前記薬剤がワクチンである、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
前記がんが、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺がん、胃がん、および/または神経膠芽腫から選択される、請求項24または25に記載の使用。
【請求項27】
ヒトにおける養子細胞療法のための、請求項24~26のいずれか一項に記載の使用。
【請求項28】
請求項20に記載のT細胞受容体で組換え的に形質移入された、自系または同種異系ヒト細胞傷害性T細胞(CTL)またはTヘルパー細胞(Th細胞)。
【請求項29】
(a)
(a1)請求項1~6のいずれか一項に記載の単離ペプチド、
(a2)請求項20~22のいずれか一項に記載のT細胞受容体、sTCRまたはそのフラグメント、
(a3)請求項6に記載の融合タンパク質、
(a4)請求項7または8に記載の核酸、
(a5)請求項9に記載の発現ベクター、
(a6)請求項11~12のいずれか一項に記載の宿主細胞、および
(a7)請求項18に記載の活性化細胞傷害性Tリンパ球またはTヘルパー細胞
からなる群から選択される実体、および
(b)薬学的に許容できる担体、および任意選択的に、
(c)薬学的に許容可能な賦形剤、緩衝液、結合剤、ブラスチング剤、希釈剤、フレーバー、潤滑剤、およびサイトカインなどの免疫刺激または免疫調節物質、免疫修飾物質、アジュバント、および免疫調節特性がある治療剤の群から選択される、少なくとも1つのその他の成分を含んでなる医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫療法で使用するためのペプチド、核酸、および細胞に関する。特に、本発明は、がんの免疫療法に関する。本発明は、単独で、またはその他の腫瘍関連ペプチドとの組み合わせで、抗腫瘍免疫応答を刺激するワクチン組成物の活性医薬品成分の役割を果たす、腫瘍関連細胞傷害性T細胞(CTL)ペプチドエピトープにさらに関する。本発明は、抗腫瘍免疫応答を引き起こすためのワクチン組成物で使用し得る、ヒト腫瘍細胞のHLAクラスIおよびHLAクラスII分子に由来する67個の新規ペプチド配列と、それらの変異型とに関する。
【背景技術】
【0002】
肺がんは、男性と女性の双方で、がん関連死の最大要因である。世界的に、肺がんは、発生率と死亡率の双方の観点から、最も一般的ながんである。2008年には161万件の新規症例があり、138万人が肺がんのために死亡した。罹患率は、ヨーロッパおよび北米で最大である。
【0003】
1987年以来、毎年、より多くの女性が、乳がんよりも肺がんのために死亡している。死亡率は、男性では1991年から2003年にかけて、毎年、約1.9%顕著に低下し続けている。女性の肺がん死亡率は、数十年間にわたって継続的に増大した後、平坦域に近づいている。肺がん死亡率におけるこれらの傾向は、過去30年間にわたる喫煙率の低下を反映する。
【0004】
米国国立がん研究所(NCI)によれば、2013年には、米国で、推定230,000件の新規肺がん症例と、肺がんに起因する160,000人の死亡が、予測されている。
【0005】
肺がんは、治療目的で、小細胞(13%、SCLC)または非小細胞(87%、NSCLC)に、臨床的に分類される。予後は、通常、不良である。肺がんのある全ての人々の内、15%が診断後5年間生存する。病期は、診断の時点で進行していることが多い。診察時に、NSCLC症例の30~40%は第IV期であり、SCLCの60%は第IV期である。
【0006】
治療の選択肢は、がんのタイプ(小細胞または非小細胞)と病期によって決定され、外科手術、放射線療法、化学療法、そしてベバシズマブ(アバスチン(登録商標))やエルロチニブ(タルセバ(登録商標))などの標的生物学的療法が挙げられる。局在性のがんでは、通常は、外科手術が一般に選択される治療法である。最近の研究は、早期の非小細胞肺がんの生存期間が、外科手術に続く化学療法によって改善されることを示唆する。疾患は、通常は、発見時までに広がっているので、放射線療法および化学療法が、時に外科手術との併用で使用されることが多い。化学療法は、単独でまたは放射線と組み合わされて一般に選択される、通常の小細胞肺がん治療法であり;このレジメンでは、患者の大部分が寛解を経験し、それは症例によっては長期にわたる。
【0007】
主に外科的手法および併用療法の進歩のおかげで、肺がんの1年間相対生存率は、1975年~1979年の37%から、2002年の42%にわずかに増大した。しかし、全ての病期を合わせた5年間生存率は、16%に過ぎない。疾患が依然として局在性の時点で検出された症例では、生存率は49%である;しかし16%の肺がんのみがこの初期段階で診断される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記にもかかわらず、重篤な副作用をもたらすこともある過剰な化学療法剤またはその他の薬剤を使用せずに、患者の福利を改善する、肺がん、特に非小細胞肺がん(NSCLC)、胃がんなどのがん、および異なる表現型の脳腫瘍のための、新しい効果的かつ安全な治療法の選択肢に対する必要性がなおもある。
【0009】
本発明は、非侵襲様式で患者の免疫系を刺激して抗腫瘍剤として作用する、ペプチドを利用する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様では、本発明は、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92の群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるペプチド、または配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%相同的な(好ましくは少なくとも80%または少なくとも90%同一の)それらの変異配列に関し、前記変異型は、前記ペプチドまたは薬学的に許容可能なそれらの塩と交差反応するT細胞を誘導し、前記ペプチドは完全長ポリペプチドでない。
【0011】
本発明は、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92の群から選択される配列を含んでなる本発明のペプチド、または配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%相同的な(好ましくは少なくとも80%または少なくとも90%同一の)それらの変異型にさらに関し、前記ペプチドまたはそれらの変異型は、配列番号1~配列番号65、および配列番号78~配列番号84、および配列番号92では、8~100、好ましくは8~30、最も好ましくは8~14アミノ酸、配列番号76および77では、12~100、好ましくは12~30、最も好ましくは12~18アミノ酸の全長を有する。
【0012】
次の表は、本発明によるペプチド、それらのそれぞれの配列番号、およびこれらのペプチドの予期される原料タンパク質を示す。表1a、1b、および1cの全てのペプチドは、HLAA*02対立遺伝子に結合し、表1dのペプチドはHLA-DR対立遺伝子に結合する。表1cのペプチドは、胃がんおよびまたは神経膠芽腫の診断および/または治療において、さらに有用である。
【0013】
表1dのクラスIIペプチドは、MMP12またはPOSTNを過剰発現または過剰提示する、胃がんおよびその他のがんの診断および/または治療において、さらに有用である。
【0014】
したがって、本発明は、特に、配列番号76に記載の配列を含んでなる本発明のペプチド、または配列番号76と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%相同的な(好ましくは少なくとも80%または少なくとも90%同一の)それらの変異型に関し、前記ペプチドまたはそれらの変異型は、12~100、好ましくは12~30、最も好ましくは12~18アミノ酸の全長を有する。本発明は、特に、配列番号76に記載の配列からなる本発明のペプチドに関する。
【0015】
また、本発明は、特に、配列番号77に記載の配列を含んでなる本発明のペプチド、または配列番号77と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%相同的な(好ましくは少なくとも80%または少なくとも90%同一の)それらの変異型に関し、前記ペプチドまたはそれらの変異型は、12~100、好ましくは12~30、最も好ましくは12~18アミノ酸の全長を有する。本発明は、特に、配列番号77に記載の配列からなる、本発明のペプチドに関する。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
本発明は、ヒト主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはIIの分子に結合する能力を有する、本発明によるペプチドにさらに関する。
【0023】
本発明は、本発明によるペプチドにさらに関し、前記ペプチドは、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92に記載のアミノ酸配列からなり、またはそれから本質的になる。
【0024】
本発明は、本発明によるペプチドにさらに関し、前記ペプチドは、修飾されおよび/または非ペプチド結合を含む。
【0025】
本発明は、本発明によるペプチドにさらに関し、前記ペプチドは、特にHLA-DR抗原関連不変鎖(Ii)のN末端アミノ酸に融合した、または例えば樹状細胞に対して特異的な抗体などの抗体に融合した(またはその配列中に融合した)、融合タンパク質の一部である。
【0026】
本発明は、本発明によるペプチドをエンコードする核酸にさらに関する。
【0027】
本発明は、DNA、cDNA、PNA、RNA、またはそれらの組み合わせである、本発明による核酸にさらに関する。
【0028】
本発明は、本発明による核酸を発現する能力がある、発現ベクターにさらに関する。
【0029】
本発明は、医療で使用するための、本発明によるペプチド、本発明による核酸、または本発明による発現ベクターにさらに関する。
【0030】
本発明は、本発明による抗体、およびそれらを生成する方法にさらに関する。
【0031】
本発明は、本発明によるT細胞受容体(TCR)、特に可溶性TCR(sTCR)、およびそれらを生成する方法にさらに関する。
【0032】
本発明は、前述のような本発明による核酸または発現ベクターを含んでなる宿主細胞にさらに関する。
【0033】
本発明は、抗原提示細胞である、本発明による宿主細胞にさらに関する。
【0034】
本発明は、抗原提示細胞が樹状細胞である、本発明による宿主細胞にさらに関する。
【0035】
本発明は、本発明によるペプチドを生成する方法にさらに関し、方法は、本発明による宿主細胞を培養するステップと、宿主細胞またはその培養液からペプチドを単離するステップとを含んでなる。
【0036】
本発明は、活性化細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を生成するインビトロ法にさらに関し、方法は、生体外CTLを、適切な抗原提示細胞の表面に発現される抗原負荷ヒトクラスIまたはIIMHC分子に、前記CTLを抗原特異的様式で活性化するのに十分な時間にわたり接触させるステップを含んでなり、前記抗原は本発明による任意のペプチドである。
【0037】
本発明は、十分な量の抗原を抗原提示細胞に接触させることで、適切な抗原提示細胞の表面に発現されるクラスIまたはIIMHC分子上に、抗原が負荷される、本発明による方法にさらに関する。
【0038】
本発明は、抗原提示細胞が、配列番号1~配列番号92、好ましくは配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92を含有する前記ペプチド、または前記変異型アミノ酸配列を、発現する能力がある発現ベクターを含んでなる、本発明による方法にさらに関する。
【0039】
本発明は、本発明による方法によって生成される活性化細胞傷害性Tリンパ球(CTL)にさらに関し、それは、本発明によるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを異常に発現する細胞を選択的に認識する。
【0040】
本発明は、患者において標的細胞を死滅させる方法にさらに関し、その標的細胞は、本発明による任意のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを異常に発現し、方法は、本発明による細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の有効数を患者に投与するステップを含んでなる。
【0041】
本発明は、記載される任意のペプチド、本発明による核酸、本発明による発現ベクター、本発明による細胞、または本発明による活性化細胞傷害性Tリンパ球の、薬剤としての、または薬剤の製造における、使用にさらに関する。
【0042】
本発明は、前記薬剤がワクチンである、本発明による使用にさらに関する。
【0043】
本発明は、薬剤が、がんに対して有効である、本発明による使用にさらに関する。
【0044】
本発明は、前記がん細胞が、肺がん細胞、胃、胃腸、結腸直腸、膵臓または腎臓のがん細胞、および神経膠芽腫細胞である、本発明による使用にさらに関する。
【0045】
本発明は、肺、胃、胃腸、結腸直腸、膵臓または腎臓のがん、および神経膠芽腫の診断および/または予後診断で使用し得る、本発明によるペプチドベースの特定のマーカータンパク質および生物マーカーにさらに関する。
【0046】
さらに本発明は、がん治療のためのこれらの新規標的の使用に関する。
【0047】
免疫応答の刺激は、宿主免疫系によって外来性として認識された抗原の存在に依存する。腫瘍関連抗原の存在の発見は、宿主の免疫系を用いて、腫瘍成長に介入する可能性を高めた。免疫系の体液性および細胞性アームの双方を活用する様々な機構が、がん免疫療法のために目下探究されている。
【0048】
細胞性免疫応答の特定の要素は、腫瘍細胞を特異的に認識して破壊する能力がある。腫瘍浸潤性細胞集団からの、または末梢血からの細胞傷害性T細胞(CTL)の単離は、がんに対する自然免疫防御において、このような細胞が重要な役割を果たすことを示唆する。特に、主要組織適合性複合体(MHC)を保有して、細胞質ゾル内に位置するタンパク質または欠陥リボソーム産物(DRIPS)に由来する、通常は8~10のアミノ酸残基のペプチドのクラスI分子を認識するCD8陽性T細胞が、この応答において重要な役割を果たす。ヒトのMHC分子はまた、ヒト白血球抗原(HLA)とも称される。
【0049】
MHC分子には、2つのクラスがある:核を有するほとんどの細胞にあるMHCクラスI分子。MHC分子は、それぞれ、重鎖と、β-2-ミクログロブリン(MHCクラスI受容体)またはαおよびaβ鎖(MHCクラスII受容体)とから、構成される。それらの三次元立体構造は結合溝をもたらし、それはペプチドとの非共有結合相互作用のために使用される。MHCクラスIは、大部分が内在性タンパク質である、DRIPおよびより大型のペプチドのタンパク質分解的切断から得られる、ペプチドを提示する。MHCクラスII分子は、大部分はプロフェッショナル抗原提示細胞(APC)に見られ、エンドサイトーシス過程でAPCに取り込まれて引き続きプロセシングされる、外来性または膜貫通タンパク質のペプチドを主に提示する。ペプチドおよびMHCクラスI分子複合体が、適切なTCR(T細胞受容体)を有するCD8陽性細胞傷害性Tリンパ球によって認識される一方で、ペプチドとMHCクラスII分子の複合体は、適切なTCRを有するCD4陽性ヘルパーT細胞によって認識される。その結果、TCR、ペプチド、およびMHCは、化学量論的に1:1:1の量で存在することが良く知られている。
【0050】
CD4陽性ヘルパーT細胞は、CD8陽性細胞傷害性T細胞による、効果的な応答の誘導と維持において重要な役割を果たす。腫瘍関連抗原(TAA)に由来するCD4陽性T細胞エピトープの同定は、抗腫瘍免疫応答を始動させるための医薬品開発に非常に重要である(Kobayashi et al.,2002;Qin et al.,2003;Gnjatic et al.,2003)。腫瘍部位では、Tヘルパー細胞がCTL親和性サイトカイン環境を維持し(Mortara et al.,2006)、例えば、CTL、NK細胞、マクロファージ、顆粒球などのエフェクター細胞を引きつける(Hwang et al.,2007)。
【0051】
炎症不在下では、MHCクラスII分子の発現は、免疫系細胞、特に、例えば、単球、単球由来細胞、マクロファージ、樹状細胞などのプロフェッショナル抗原提示細胞(APC)に主に限定される。がん患者では、腫瘍細胞が、MHCクラスII分子を発現することが驚くことに発見された(Dengjel et al.,2006)。
【0052】
例えば、マウスなどの哺乳類動物モデルにおいて、CTLエフェクター細胞(すなわちCD8陽性Tリンパ球)の不在下であっても、インターフェロンγ(IFNγ)の分泌による血管新生阻害を通じて腫瘍発現を阻害するには、CD4陽性T細胞で十分であることが示された。
【0053】
さらに、HLAクラスII分子によって提示される腫瘍関連抗原からのペプチドを認識するCD4陽性T細胞が、抗体(Ab)応答の誘導を通じて、腫瘍の進行を抑制し得ることが示された。
【0054】
HLAクラスI分子に結合する腫瘍関連ペプチドとは対照的に、少数の瘍関連抗原(TAA)のクラスIIリガンドのみが、これまでに記載されている。
【0055】
HLAクラスII分子の構成的発現は、通常、免疫系細胞に限定されるので、原発性腫瘍からクラスIIペプチドを直接単離する可能性が、可能であるとは考えられなかった。しかしDengjel et al.は、腫瘍からいくつかのMHCクラスIIエピトープを直接同定するのに成功した(国際公開第2007/028574号パンフレット、欧州特許第1760088B1号明細書;(Dengjel et al.,2006))。
【0056】
腫瘍特異的細胞傷害性Tリンパ球によって認識される抗原、すなわちそれらのエピトープは、酵素、受容体、転写因子などの全てのタンパク質クラスに由来する分子であり得て、それらは、それぞれの腫瘍細胞で発現され、同一起源の未変化細胞と比較して上方制御される。
【0057】
CD8およびCD4依存性の双方のタイプの応答は、抗腫瘍効果に共同して相乗的に寄与するので、CD8+CTL(リガンド:MHCクラスI分子+ペプチドエピトープ)、またはCD4陽性Tヘルパー細胞(リガンド:MHCクラスII分子+ペプチドエピトープ)のどちらかによって認識される、腫瘍関連抗原の同定および特性解析は、腫瘍ワクチンの開発に重要である。
【0058】
本発明はまた、(配列番号76および77に記載の)2つの新しい非常に有用なMHCクラスIIペプチドにも関する。これらのペプチドは、特に、MMP12およびPOSTNをそれぞれ過剰発現および/または過剰提示する、胃がん、NSCLC、およびその他のがんの診断および/または治療において有用である。
【0059】
本発明はまた、配列番号76または77に記載の本発明のMHCクラスIIペプチドのいわゆる鎖長変異型にも関する。上述したように、配列番号76に記載のペプチドは、アミノ酸配列INNYTPDMNREDVDYAIR(MMP12-ペプチド)からなり、配列番号77に記載のペプチドは、アミノ酸配列TNGVIHVVDKLLYPADT(POSTN-002-ペプチド)からなる。鎖長変異型は、通常Nおよび/またはC末端が延長され(1~5個、好ましくは1~10個のアミノ酸)、またはNおよび/またはC末端が短縮された(1~5個のアミノ酸)ペプチドであり、それは依然としてMHCに結合して、本明細書に記載されるような細胞性免疫応答を引き起こし得る。現状技術で知られているように、クラスIIタンパク質へのペプチド結合はサイズに制約がなく、11~30個のアミノ酸長で変動し得る。MHCクラスII分子中のペプチド結合溝は両端が開いており、それは長さが相対的により長いペプチドの結合を可能にする。「コア」の9残基長の断片がペプチド認識に最も寄与するが、側面に位置する領域もまた、クラスII対立遺伝子に対するペプチドの特異性に重要である(例えば、Meydan C,et al.,Prediction of peptides binding to MHC class I and II alleles by temporal motif mining.BMC Bioinformatics.2013;14 Suppl 2:S13.Epub 2013 Jan 21を参照されたい)。当業者は、利用可能な(例えば上述の)多数のソフトウェアツールを使用して結合モチーフを特定でき、したがって鎖長変異型を生成するために、配列番号76または77に記載のMHCクラスIIペプチドを伸長および/または欠失させる可能性を同定するであろう。
【0060】
ペプチドが細胞性免疫応答を始動する(引き起こす)ためには、それはMHC分子に結合しなくてはならない。この方法は、MHC分子の対立遺伝子と、ペプチドのアミノ酸配列の特定の多形性とに依存する。MHCクラスI結合ペプチドは、通常は8~12アミノ酸残基長であり、通常は、MHC分子の対応する結合溝と相互作用するそれらの配列中に、2つの保存残基(「アンカー」)を含有する。このようにして、各MHC対立遺伝子は、どのペプチドが結合溝と特異的に結合し得るかを決定する、「結合モチーフ」を有する。
【0061】
MHCクラスI依存免疫反応では、ペプチドは腫瘍細胞によって発現される特定のMHCクラスI分子に結合できるだけでなく、それらはまた、特有のT細胞受容体(TCR)を有するT細胞によって認識されなくてはならない。
【0062】
腫瘍特異的細胞傷害性Tリンパ球によって認識される抗原、すなわちそれらのエピトープは、酵素、受容体、転写因子などの全てのタンパク質クラスに由来する分子であり得て、それはそれぞれの腫瘍細胞で発現されて、同一起源の非改変細胞と比較して、上方制御される。
【0063】
腫瘍関連抗原の現行の分類は、次の主要グループを含んでなる:
a)がん-精巣抗原:T細胞によって認識され得る、これまでに同定された最初のTAAはこのクラスに属し、元々はがん-精巣(CT)抗原と称されたが、それは、そのメンバーが組織学的に異なるヒト腫瘍で発現し、正常組織では精巣の精母細胞/精原細胞のみに存在し、時として胎盤に存在するためである。精巣の細胞は、クラスIおよびIIのHLA分子を発現しないので、これらの抗原は正常組織のT細胞によって認識され得ず、したがって免疫学的に腫瘍特異的と見なされる。CT抗原の周知の例は、MAGEファミリーメンバーまたはNY-ESO-1である。
b)分化抗原:これらのTAAは、腫瘍と、それから腫瘍が生じる正常組織との間で共有され;ほとんどは、メラノーマおよび正常なメラノサイトに見られる。これらのメラノサイト系関連タンパク質の多くは、メラニン生合成に関与し、したがって腫瘍特異的でないが、それでもなおがん免疫療法のために広く利用されている。例としては、黒色腫に対するチロシナーゼとMelan-A/MART-1、または前立腺がんに対するPSAが挙げられるが、これに限定されるものではない。
c)過剰発現されるTAA:広範に発現されるTAAをエンコードする遺伝子は、組織学的に異なるタイプの腫瘍で、ならびに多数の正常組織で、概してより低い発現レベルで検出されている。正常組織によってプロセシングされ潜在的に提示されるエピトープの多くは、T細胞認識閾値レベルに満たない可能性がある一方で、腫瘍細胞におけるそれらの過剰発現は、先に確立された免疫寛容を破壊することで抗がん応答を引き起こし得る。このクラスのTAAの顕著な例は、Her-2/neu、Survivin、TelomeraseまたはWT1である。
d)腫瘍特異的抗原:これらのユニークなTAAは、正常な遺伝子(β-カテニン、CDK4など)の変異から生じる。これらの分子変化のいくつかは、腫瘍性形質転換および/または進行に関連する。腫瘍特異的抗原は、通常、正常組織に対する自己免疫反応のリスクなしに、強力な免疫応答を誘導できる。他方、これらのTAAは、ほとんどの場合、その上でそれらが同定されたまさにその腫瘍のみと関係があり、通常は、多くの個々の腫瘍間で共有されない。
e)異常な翻訳後修飾から生じるTAA:このようなTAAは、特異的でなく腫瘍で過剰発現もされないが、それでもなお、腫瘍で主に活性である翻訳後プロセスによって腫瘍関連になる、タンパク質から生じてもよい。このクラスの例は、腫瘍でMUC1のような新規エピトープをもたらす改変グリコシル化パターンから、または腫瘍特異的であってもなくてもよい分解中のタンパク質スプライシング事象から生じる。
f)腫瘍ウイルスタンパク質:これらのTAAはウイルスタンパク質であり、それらは発がん過程で重要な役割を果たしてもよく、外来性である(ヒト由来でない)ため、それらはT細胞応答を誘起し得る。このようなタンパク質の例は、ヒト乳頭腫16型ウイルスタンパク質E6およびE7であり、これらは子宮頸がんで発現される。
【0064】
タンパク質が、細胞傷害性Tリンパ球によって腫瘍特異的または腫瘍関連抗原として認識され、治療で利用されるためには、特定の必要条件が満たされなくてはならない。抗原は、主に腫瘍細胞によって発現されるべきであり、健常組織によって発現されずまたは比較的少量発現され、または別の好ましい実施形態では、ペプチドは、健常組織と比較して、腫瘍細胞によって過剰提示されるべきである。それぞれの抗原は、ある種の腫瘍に存在するだけでなく、高い濃度(すなわち、細胞あたりの各ペプチドコピー数)で存在することも、さらに望ましい。腫瘍特異的および腫瘍関連抗原は、例えば、細胞周期制御またはアポトーシス抑制における機能のために、正常細胞から腫瘍細胞への形質転換に直接関与するタンパク質に、由来することが多い。さらに、形質転換の直接原因となるタンパク質の下流標的が、上方制御されてもよく、したがって間接的に腫瘍関連であってもよい。このような間接的腫瘍関連抗原はまた、ワクチン接種アプローチの標的であってもよい(Singh-Jasuja et al.,2004)。どちらの場合も、腫瘍関連抗原に由来するこのようなペプチド(「免疫原性ペプチド」)は、生体外または生体内でT細胞応答をもたらすべきであるので、抗原のアミノ酸配列中にエピトープが存在することが必須である。
【0065】
基本的に、MHC分子に結合できるあらゆるペプチドが、T細胞エピトープとして機能してもよい。生体外または生体内T細胞応答誘導のための必要条件は、対応するTCRがあるT細胞の存在、およびこの特定のエピトープに対する免疫寛容の不在である。
【0066】
したがって、TAAは、腫瘍ワクチン開発のための出発点である。TAAを同定して特性決定する方法は、患者または健常者から単離され得るCTLの使用に基づき、またはそれらは、腫瘍および正常組織間の差次的転写プロファイル、または差次的ペプチド発現パターンの作成に基づく。
【0067】
しかし、腫瘍組織またはヒト腫瘍細胞系で過剰発現され、またはこのような組織または細胞系で選択的に発現される遺伝子の同定は、免疫療法においてこれらの遺伝子から転写される抗原の使用に関する、正確な情報を提供しない。これは、これらの抗原のエピトープの個々の亜集団のみが、このような用途に適するためであり、その理由は、対応するTCRがあるT細胞が存在しなくてはならず、この特定のエピトープに対する免疫寛容が不在または最小でなくてはならないからである。したがって本発明の非常に好ましい実施形態では、それに対する機能性および/または増殖性T細胞がある、過剰にまたは選択的に提示されるペプチドのみを選択することが、重要である。このような機能性T細胞は、特異的抗原による刺激時にクローン増殖し得てエフェクター機能を果たすことができるT細胞(「エフェクターT細胞」)と定義される。
【0068】
本発明によるTCRおよび抗体の場合、基礎となるペプチドの免疫原性は二次的である。本発明によるTCRおよび抗体では、提示が決定的要素である。
【0069】
Tヘルパー細胞は、抗腫瘍免疫において、CTLのエフェクター機能を統合する上で重要な役割を果たす。TH1型のTヘルパー細胞応答を始動するTヘルパー細胞エピトープは、CD8陽性キラーT細胞のエフェクター機能を支持し、それは、それらの細胞表面に腫瘍関連ペプチド/MHC複合体を提示する腫瘍細胞に向けられた、細胞傷害機能を含む。このようにして腫瘍関連Tヘルパー細胞ペプチドエピトープは、単独で、またはその他の腫瘍関連ペプチドとの組み合わせで、抗腫瘍免疫応答を刺激するワクチン組成物の活性医薬品成分の役割を果たし得る。
【0070】
がんに対するさらなる用途は、以下の本発明によるペプチドタンパク質の説明で開示される。
【0071】
ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー13(ABCA13)
ヒトでは、膜貫通輸送体のATP-結合カセット(ABC)ファミリーは、少なくとも48の遺伝子と、7つの遺伝子サブファミリーを有する。予測されたABCA13タンパク質は5,058個のアミノ酸残基からなり、これまでに記載された中では、最大のABCタンパク質である(Prades et al.,2002)。Knight et al.は、ABCA13タンパク質が、マウスおよびヒトの海馬および皮質で発現されると判定し、これらの双方の領域は、統合失調症および双極性障害に関連がある(Knight et al.,2009)。ABCA13遺伝子は染色体7p12.3に位置するが、この領域は、膵臓に影響を及ぼす遺伝性疾患(シュバッハマン・ダイアモンド症候群)、ならびにT細胞腫瘍浸潤および転移(INM7)に関与する遺伝子座を含有し、したがってこれらの病態の位置的候補である(Prades et al.,2002)。
【0072】
マトリックスメタロペプチダーゼ12(マクロファージエラスターゼ)(MMP12)
ヒトメタロエラスターゼ(HME)またはマクロファージメタロエラスターゼ(MME)としてもまた知られているMMP12は、エラスチン分解能力が認められている亜鉛エンドペプチダーゼである。それとは別に、これは、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、プロテオグリカンなどのその他のマトリックスタンパク質、およびα-1-アンチトリプシンなどの非マトリックスタンパク質に及ぶ、幅広い基質範囲を有する。喘息、肺気腫、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、MMP12が、肺胞破壊および気道再構築に寄与してもよい(Cataldo et al.,2003;Wallace et al.,2008)。MMP12は、マクロファージ移動に関与するとされており、プラスミノーゲンからアンギオスタチンを生成し得ることから、血管新生阻害に寄与する(Chakraborti et al.,2003;Chandler et al.,1996;Sang,1998)。その他のメタロプロテイナーゼと同様に、MMP12は、胎芽形成、創傷治癒、および月経周期のような生理学的過程に関与するが(Chakraborti et al.,2003;Labied et al.,2009)、組織破壊の病理過程にもまた関与する。
【0073】
いくつかの例では、データは少数の患者に基づくが、文献には、MMP12が、がんで頻繁に過剰発現されるという豊富な証拠がある(Denys et al.,2004;Hagemann et al.,2001;Ma et al.,2009;Vazquez-Ortiz et al.,2005;Ye et al.,2008)。しかし、臨床パラメータおよび予後に対するMMP12過剰発現の影響について、データには議論の余地がある。それは、マトリックス溶出に関与し、したがって転移に関与してもよい一方で、それはまた、血管新生に悪影響を及ぼすアンギオスタチンの生成を通じて、腫瘍成長を阻害し得る(Gorrin-Rivas et al.,2000;Gorrin Rivas et al.,1998;Kim et al.,2004)。
【0074】
肺がんでは、MMP12発現の帰結には、議論の余地がある。上皮細胞内のMMP12の過剰発現は、炎症誘発性肺再構築で報告されている。MMP12の上方制御は、肺気腫から肺がんへの移行において役割を有してもよい(Qu et al.,2009)。動物実験は、ストロマまたはマクロファージによるMMP12発現が、肺腫瘍の成長を抑制することを示唆する(Acuff et al.,2006;Houghton et al.,2006)。しかし、肺腫瘍内のMMP12の過剰発現が、再発、転移性疾患、および切除術後のより短い再発なし生存期間に相関するという報告もある(Cho et al.,2004;Hofmann et al.,2005)。
【0075】
ジストニン(DST)
DST(BPAG1-e)は、接着結合プラークタンパク質のプラキンタンパク質ファミリーのメンバーをコードする。BPAG1-eは、上皮組織で発現されて、ケラチン含有中間フィラメントを半接着斑(HD)に固着させる。HDは、重層上皮および複合上皮内の上皮間質付着を促進する、多タンパク質接着複合体である。それらの機能の調節は、その中で細胞が基質から剥離して、運動性表現型を獲得する、創傷治癒およびがん浸潤におけるケラチノサイトの分化および移動などの、多様な生物学的過程において非常に重要である(Litjens et al.,2006)。
【0076】
悪性黒色腫は、悪性度の最も高い腫瘍タイプの1つである。BPAG1は、ヒト黒色腫細胞系(A375およびG361)、および正常ヒトメラノサイトで発現される。黒色腫患者の血清中の抗BPAG1自己抗体レベルは、健常ボランティアの血清中よりも有意に高かった(p<0.01)。抗BPAG1自己抗体は、黒色腫診断のための有望なマーカーであってもよい(Shimbo et al.,2010)。DSTは、乳がん浸潤と関連があった(Schuetz et al.,2006)。BPAG1遺伝子は、鼻咽頭がんNPCの増殖、アポトーシス、浸潤、および転移に関与する可能性が高い(Fang et al.,2005)。
【0077】
マトリックス-リモデリング関連5(MXRA5)
アドリカンとしてもまた知られているMXRA5は、接着プロテオグリカンをコードして、ECM再構築および細胞-細胞接着に関与する一群の遺伝子に属する(Rodningen et al.,2008)。MXRA5のがんにおける機能は知られていないが、皮膚、脳、肺、および卵巣などの多様な組織から得られた腫瘍で、MXRA5中の体細胞突然変異が同定されている。RT-PCRがアドリカン(MXRA5)について実施され、正常な結腸組織と比較して、結腸がんにおける過剰発現のマイクロアレイ所見が確認された(13個の結腸直腸腫瘍および13個の正常組織)(Zou et al.,2002)。最近の研究では、マトリックス-リモデリング関連5が、NSCLC中で2番目に頻繁に変異する遺伝子であった(1番目はTP53)(Xiong et al.,2012)。
【0078】
サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4)/サイクリン依存性キナーゼ6(CDK6)
CDK4は、Ser/Thrタンパク質キナーゼファミリーのメンバーである。これは、細胞周期G1相の進行に重要な、タンパク質キナーゼ複合体の触媒性サブユニットである。このキナーゼの活性は、細胞周期中のG1相からS相への転移に限定され、その発現は、主に転写レベルで調節される(Xiao et al.,2007)。CDK4およびCDK6酵素、そして例えばサイクリンなどのそれらの調節因子は、胎芽形成、恒常性、および発がんにおいて重要な役割を果たす(Graf et al.,2010)。
【0079】
肺がん組織では、正常組織と比較して、CDK4タンパク質の発現レベルが有意に増大した(P<0.001)。CDK4発現がより高い患者は、CDK4発現が低い患者よりも、顕著により短い全生存期間を有した。多変量解析は、CDK4の発現レベルが、肺がんのある患者の生存期間に対する、独立した予後指標(P<0.001)であることを示唆した。さらにCDK4発現の抑制は、細胞周期制御因子p21の発現もまた有意に上昇させた(Wu et al.,2011a)。内在性K-Ras発がん遺伝子を発現する肺細胞では、Cdk4の除去によって、即時に老化反応が誘導されたが、Cdk2またはCdk6の除去では誘導されなかった。単一Cdk4対立遺伝子を発現する肺、またはその他のK-Ras発現組織では、このような応答は起こらなかった。コンピュータ断層撮影スキャニングによって検出可能な、進行した腫瘍内のCdk4対立遺伝子を標的化することもまた、老化を誘導して腫瘍の進行を妨げる(Puyol et al.,2010)。
【0080】
ヘテロ核内リボ核タンパク質H1(H)(HNRNPH1)/ヘテロ核内リボ核タンパク質H2(H’)(HNRNPH2)
これらの遺伝子は、広範に発現されるヘテロ核内リボ核タンパク質(hnRNP)のサブファミリーに属する。hnRNPはRNA結合タンパク質であり、それらはヘテロ核RNA(hnRNA)と複合体形成する。これらのタンパク質は、核内のプレmRNAに付随して、mRNA前駆体プロセッシングと、mRNA代謝および輸送のその他の側面とに影響を与えるようである。
【0081】
hnRNPH活性は、幹細胞パターンの再活性化を反映して、アポトーシス回避および侵襲性をはじめとする、高悪性度腫瘍挙動の複数の重要な側面を媒介するかもしれない、スプライシング発がんスイッチの中心としての悪性神経膠腫の発病と進行に関与するようである(Lefave et al.,2011)。hnRNPHまたはA-Rafの低分子干渉RNA媒介ノックダウンは、MST2依存アポトーシスをもたらした。対照的に、hnRNPHまたはA-Rafのどちらかの強制発現は、エトポシドによって誘導されるアポトーシスを部分的に相殺した(Rauch et al.,2010)。hnRNPH/H’の上方制御は、例えば、膵臓の腺がん、肝細胞がん、および胃がんなどの、常態では低レベルの細胞質hnRNPH/H’を発現する少数の組織に見られる(Honore et al.,2004)。
【0082】
テトラトリコペプチドリピート、アンキリンリピートおよびコイルドコイル含有2(TANC2)
TANCファミリーはTANC1およびTANC2を含んでなり、それは2005年に同定された(Han et al.,2010)。マウスにおけるTANC1欠乏症は、海馬の棘突起密度を低下させ、空間的学習を損なった一方で、TANC2欠乏症は、胚性致死を引き起こしたので、TANCファミリータンパク質は、樹状突起棘、空間的学習、および胚発生の調節に関与する。対照的に、培養神経細胞内のTANC1およびTANC2の過剰発現は、樹状突起棘および興奮性シナプスの密度を高める。TANC1および2タンパク質は、主に脳で発現され、その中では、かなりの割合のタンパク質が小胞膜内に位置する(Han et al.,2010)。
【0083】
リングフィンガータンパク質213(RNF213)
RNF213は、C3HC4タイプのRINGフィンガードメインを含有するタンパク質をコードして、これは2つの亜鉛原子を結合する特化したタイプのZnフィンガーであり、タンパク質-タンパク質相互作用の仲介に関与すると考えられる。
【0084】
研究グループは、初めて、もやもや病に対する遺伝的感受性におけるRNF213の関与を示唆する証拠を提供した(Liu et al.,2011b)。別の研究は、漢人母集団において、RNF213遺伝子が、もやもや病感受性に関連することを示した(Wu et al.,2012)。
【0085】
溶質輸送体ファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2(SLC34A2)
SLC34A2は、pH感受性ナトリウム依存性リン酸輸送体である。十分に分化した腫瘍におけるSLC34A2遺伝子発現の上方制御は、卵巣発がんにおける細胞分化過程を反映してもよく、卵巣がんの診断および予後診断のための潜在的マーカーの役割を果たし得る(Shyian et al.,2011)。RT-PCRは、乳頭甲状腺がんにおけるSLC34A2の発現増大を確認した(Kim et al.,2010b)。乳がん組織にはまた、正常組織と比較して、SLC34A2遺伝子発現の顕著な増大もあった(Chen et al.,2010a)。
【0086】
SETおよびMYNDドメイン含有3(SMYD3)
ヒストンH3リジン4特異的メチルトランスフェラーゼであるSMYD3の上方制御が、結腸直腸がん(CRC)および肝細胞がん(HCC)の増殖において、重要な役割を果たすことが以前報告された。別の研究では、ほとんどの乳がん組織でもまた、SMYD3の発現が上昇することが明らかにされた。CRCおよびHCCと同様に、この遺伝子に対する低分子干渉RNAによるSMYD3のサイレンシングは、乳がん細胞の成長阻害をもたらし、SMYD3発現の増大もまた、乳がん細胞の増殖に必須であることが示唆された(Hamamoto et al.,2006)。RNA干渉によるSMYD3のノックダウンは、c-Met発現を下方制御し、HGFによって誘導される細胞移動および浸潤を阻害する(Zou et al.,2009)。SMYD3は、HeLa細胞増殖および移動/浸潤において重要な役割を果たし、それはヒト子宮頸がんにおける有用な治療標的であってもよい(Wang et al.,2008b)。
【0087】
アルド-ケト還元酵素ファミリー1、メンバーC1(AKR1C1)
AKR1C1とAKR1C2は、7つのアミノ酸残基のみが異なる(Le et al.,2010)。AKR1C1およびAKR1C2は、アンドロゲン、エストロゲン、およびプロゲステロンの活性と、対応する受容体の占有およびトランス活性化とを調節する(Penning et al.,2000;Steckelbroeck et al.,2004)。肝臓特異的であるAKR1C4を除くAKR1C酵素は、異なる正常および病的組織で発現され、したがって肺、乳房、前立腺、子宮内膜のがん、骨髄性白血病などのいくつかの疾患に関連した(Brozic et al.,2011;Byrns et al.,2011)。シスプラチンに対する感受性は、上皮性肺がん細胞系(Chen et al.,2010b)およびNSCLC患者における、AKR1Cレベルと関係するようであった(Kuang et al.,2012;Stewart,2010)。したがって、AKR1Cの過剰発現は、ヒト非小細胞肺がん(NSCLC)における、予後不良および化学療法抵抗性の指標である(Wang et al.,2007)。AKR1C2の過剰発現はまた、前立腺がんにおける疾患進行に関連する(Huang et al.,2010)。RNAiによるAKR1C2発現の枯渇は、生体内および生体外で腫瘍形成を阻害し、それはAKR1C2 siRNAが、肝がん発症遮断において重要な役割を果たすかもしれないことを強く示唆する(Dong-Dong,2007)。
【0088】
レティキュロカルビン1、EF-ハンドカルシウム結合ドメイン(RCN1)/レティキュロカルビン3、EF-ハンドカルシウム結合ドメイン(RCN3)
レティキュロカルビン1は、ERの管腔内に位置するカルシウム結合タンパク質である。免疫組織化学的検査は、胎児および成人の様々な臓器におけるRCNの広範な分布を実証し、大部分は、内分泌および外分泌器官にあった。RCNの過剰発現は、腫瘍形成、腫瘍浸潤、および薬剤耐性で役割を有してもよい(Fukuda et al.,2007)。レティキュロカルビン1(RCN1)は、内皮(EC)および前立腺がん(PCa)の双方の細胞系上にある、細胞表面関連タンパク質である。細胞表面のRCN1発現は、骨髄内皮細胞の腫瘍壊死因子α処理によって、上方制御された(Cooper et al.,2008)。RCN1は、結腸直腸がん(CRC)において上方制御され、がん細胞内またはがん細胞近くの間質細胞内に局在する。それは、CRCマーカーの新規候補であり得る(Watanabe et al.,2008)。RCN3は、分泌経路に局在する複数EFハンドCa2+結合タンパク質のCREC(Cab45/レティキュロカルビン/ERC45/カルメニン)ファミリーのメンバーである(Tsuji et al.,2006)。乏突起膠腫中では、RCN3が、潜在的に重要な候補遺伝子として示唆される。しかしRCN3の機能については、ほとんど知られていない(Drucker et al.,2009)。
【0089】
インターロイキン8(IL8)
IL8は、炎症応答の主要な媒介物の1つである、CXCファミリーのケモカインである。このケモカインは、いくつかの細胞型によって分泌される。これは化学誘引物質として機能し、強力な血管新生因子でもある。CXC(ELR+)ケモカイン様IL8は、血管新生を誘導し、NSCLCなどの血管新生表現型を有するがんにおいて、重要であってもよい(Arenberg et al.,1997)。最近、腫瘍由来IL8は、原発腫瘍(乳がん、大腸がん、および黒色腫腫瘍)に戻る循環腫瘍細胞の誘引剤の機能を果たして、より高悪性度の腫瘍表現型をもたらすことが分かった(Kim et al.,2009)。IL-8レベルは、診断前数年間の肺がんリスクと関係がある。IL-8とCRPの組み合わせは、引き続く肺がん予測におけるより確固とした生物マーカーである(Pine et al.,2011)。KRASまたはEGFRの活性化変異は、NSCLCにおけるIL-8発現を上方制御して;IL-8は、男性喫煙者高齢患者からのNSCLC、胸膜が関与するNSCLC、およびKRAS変異腺がんで高度に発現され;IL-8は、発がん性KRAS駆動NSCLC中で、細胞の成長および移動における役割を果たす(Sunaga et al.,2012)。
【0090】
ピリミジン性受容体P2Y、G-タンパク質共役型、6(P2RY6)
P2RY6は、Gタンパク質共役型受容体ファミリーに属する。このファミリーは、場合によっては、様々なアデノシンおよびウリジンヌクレオチドと重複する、異なる薬理学的選択性がある、いくつかの受容体サブタイプを有する。P2Y6サブタイプは、胎盤で特に高レベルで発現され、P2Y6が胎盤機能において重要な役割を果たすことが示唆される。しかし、胎盤内のP2Y6の細胞局在は、知られていない。P2Y6は、栄養膜の発達、分化、および新生物において、重要な役割を果たしてもよい(Somers et al.,1999)。肺上皮の炎症応答におけるピリミジン活性化P2Y受容体の重要な役割が、示唆された(Schafer et al.,2003)。
【0091】
HECT、UBAおよびWWEドメイン含有1、E3ユビキチンタンパク質リガーゼ(HUWE1)
HUWE1は、HECTE3ユビキチンリガーゼファミリーのメンバーをコードする。HECTドメインはC末端にあり、中間体ユビキチン-チオエステル結合を形成する活性部位システインを含有する。
【0092】
ARF-BP1(HUWE1)は、ARFのp53非依存性およびp53依存性の双方の腫瘍サプレッサー機能に重要な媒介物である。したがって、ARF-BP1は、p53状態にかかわりなく、腫瘍内の治療的介入の潜在的標的の役割を果たしてもよい(Chen et al.,2005a)。ARF-BP1の不活性化は、p53を安定化してアポトーシスを誘導した(Chen et al.,2006)。HUWE1(HectH9)は、複数のヒト腫瘍で過剰発現されて、腫瘍細胞のサブセットの増殖に必須である(Adhikary et al.,2005;Zhang et al.,2011a)。乳がんでは、HUWE1は、関連予後因子および臨床転帰と有意に相関した(Confalonieri et al.,2009)。
【0093】
バーシカン(VCAN)
VCANは、アグリカン/バーシカンプロテオグリカンファミリーのメンバーである。VCANは、ヒアルロナン、テネイシン、フィビュリン-1、フィブロネクチン、CD44およびL-セレクチン、フィブリリン、インテグリン、およびリンクタンパク質をはじめとする、細胞外基質のいくつかの分子と関わりがあることが知られている(Zheng et al.,2004)。VCANは、多様な組織で発現される。これは組織成長の初期段階で高度に発現され、組織成熟後にはその発現が低下する。その発現はまた、創傷修復および腫瘍成長においても上昇する(Ghosh et al.,2010)。RNA干渉によるヒト肺腺がん(A549)細胞内のVCANノックダウンは、生体内で腫瘍成長を有意に阻害したが、生体外では阻害しなかった(Creighton et al.,2005)。VCANは、p53の直接標的である。VCANの高度発現はまた、初期段階前立腺がんの、そして乳がんの、腫瘍周囲間質組織でも発見されており、それは高悪性度腫瘍挙動と関連付けられている(Yoon et al.,2002)。
【0094】
ドローシャ、リボヌクレアーゼIII型(DROSHA)
ドローシャは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)と相互作用して、RNAi経路の一部として相補的メッセンジャーRNA(mRNA)の切断を誘導することで、多種多様なその他の遺伝子を調節する細胞によって天然に発現される、マイクロRNA(miRNA)、または短いRNA分子のプロセッシング開始に関与するクラス2RNase III酵素である。マイクロRNA分子は、pri-miRNAとして知られている長いRNA一次転写産物として合成され、それはドローシャによって切断されて、pre-miRNAとして知られている、約70塩基対長の特徴的なステムループ構造が生じる(Lee et al.,2003)。ドローシャは、マイクロプロセッサ複合体と称されるタンパク質複合体の一部として存在し、それは二本鎖RNA結合タンパク質パシャ(DGCR8とも称される)(Denli et al.,2004)もまた含有し、それはドローシャ活性に必須であり、適切なプロセッシングに必要なpri-miRNAの一本鎖フラグメントを結合できる(Han et al.,2006)。ヒトドローシャは、それがリボソームRNA前駆体プロセッシングに関与する核dsRNAリボヌクレアーゼと同定された2000年に、クローン化された(Wu et al.,2000)。ドローシャは、同定およびクローン化された、最初のヒトRNase III酵素であった。miRNAのプロセッシングと活性に関与するその他の2つのヒト酵素は、ダイサーおよびアルゴノートタンパク質である。ドローシャおよびパシャはどちらも細胞核に局在し、そこでpri-miRNAからpre-miRNAへのプロセッシングが起こる。次に、この後者の分子は、細胞質内でRNaseダイサーによってさらにプロセシングされて、成熟miRNAになる(Lee et al.,2003)。ドローシャおよびその他のmiRNAプロセッシング酵素は、がんの予後に重要であってもよい(Slack and Weidhaas,2008)。
【0095】
プレクストリン相同ドメイン含有、ファミリーA(ホスホイノシチド結合特異的)メンバー8(PLEKHA8)
ホスファチジルイノシトール-4-リン酸アダプター2(FAPP2=PLEKHA8)の遺伝子は、小胞の成熟およびトランスゴルジ体から原形質膜への輸送に関与するとされているプレクストリン相同領域がある、細胞質脂質トランスフェラーゼをコードする(Cao et al.,2009)。FAPP2遺伝子を標的とするリボザイムの大腸がん細胞への導入は、Fas作動性抗体の存在下で、それらのアポトーシスを誘導した。また、FAPP2 siRNA形質移入神経膠腫および乳房腫瘍細胞は、アポトーシスに顕著な増大を示した(Tritz et al.,2009)。その後の研究は、ゴルジ装置におけるスフィンゴ糖脂質代謝に関与する、脂質輸送タンパク質としてのFAPP2の役割に脚光を当てた(D’Angelo et al.,2012)。ホスホイノシトール4-リン酸アダプタータンパク質2(FAPP2)は、スフィンゴ糖脂質(GSL)生成に重要な役割を果たし、そのC末端領域を使用して、新規合成グルコシルセラミドをさらなる同化処理のために、シスゴルジ体内の細胞質ゾルに面するグルコシルセラミドシンターゼから搬出する(Kamlekar et al.,2013)。
【0096】
アセチルCoAカルボキシラーゼα(ACACA)
ACACAは、脂肪酸合成の律速段階であるアセチルCoAからマロニルCoAへのカルボキシル化を触媒する、ビオチン含有酵素である(Tong and Harwood,Jr.,2006)。ACACAの上方制御は複数のヒトがんで認識されており、迅速な成長と増殖のために、脂質生成を促進してがん細胞の要求を満たす。したがってACACAは、がん介入のための強力な標的として効果的であるかもしれず、代謝疾患治療のために開発された阻害剤が、がん治療のための潜在的治療薬になり得る(Wang et al.,2010a)。2つの研究が、RNA干渉によるACACAのサイレンシングが、FASN遺伝子発現のサイレンシング後に観察されたのとほぼ同程度に、成長阻害を引き起こして細胞死を誘導することを示している(Brusselmans et al.,2005;Chajes et al.,2006)。ACACAのアロステリック阻害剤であるTOFA(5-テトラデシルオキシ-2-フロ酸)は、肺がん細胞NCI-H460と大腸がん細胞HCT-8およびHCT-15に対して細胞傷害性であり、アポトーシスを誘導する(Wang et al.,2009a)。別の非常に強力なACACA阻害剤であるソラフェンAは、脂質生成をブロックして、前立腺がん細胞内の脂肪酸酸化を促進する。がん細胞は、増殖を停止して究極的に死滅する(Beckers et al.,2007)。これらの知見は、マロニルCoAの蓄積を以外に、脂質生成それ自体の阻害が、がん細胞死滅を引き起こしてもよく、最終的にACACAが、抗腫瘍療法の標的であってもよいことを示唆する(Brusselmans et al.,2005)。
【0097】
インテグリン、α11(ITGA11)
インテグリンは、細胞の増殖、分化、および生存をはじめとする、多様な細胞および発達過程、ならびに発がん、がん細胞浸潤、および転位において、重要な役割を果たす。インテグリンα11(ITGA11/α11)は、間質線維芽細胞に局在し、通常、非小細胞肺がん(NSCLC)で過剰発現される。α11 mRNAは、肺腺がんおよび扁平上皮がんの双方で過剰発現された(Wang et al.,2002)。α11は、線維芽細胞が生体内でNSCLC細胞の成長を促進する能力において重要な役割を果たし、このような活性は、ある程度、そのIGF2発現の調節によって媒介されることが報告されている(Zhu et al.,2007)。NSCLC患者の臨床病理学的特徴では、hMTH1、SPD、HABP2、ITGA11、COL11A1、およびCK-19の過剰発現が、病理学的病期と有意に相関した(p<0.05)。さらに、hMTH1、SPD、ITGA11、およびCOL11A1の過剰発現は、リンパ節転移および予後不良と相関した(Chong et al.,2006)。
【0098】
コラーゲン、XII型、α1(COL12A1)
COL12A1遺伝子は、FACIT(中断された三重らせんがある原線維関連コラーゲン)コラーゲンファミリーのメンバーである、XII型コラーゲンのα鎖をコードする。XII型コラーゲンは、I型コラーゲンに結合して見られるホモ三量体であり、結合は、コラーゲンI原線維と周囲のマトリックスの間の相互作用を修飾すると考えられる(Oh et al.,1992)。COL12A1は基底膜調節に関与して、原線維とその他の基質要素の間に、特異的分子橋を提供してもよい(Thierry et al.,2004)。COL12A1は、心臓、胎盤、肺、骨格筋、および膵臓(Dharmavaram et al.,1998)で、関節軟骨および骨端軟骨をはじめとする多様な結合組織(Gregory et al.,2001;Walchli et al.,1994;Watt et al.,1992)で、発現される。COL12A1は、マイクロサテライト不安定性が低いまたは皆無である安定グループと比較して、マイクロサテライト不安定性が高い腫瘍において下方制御された(Ortega et al.,2010)。
【0099】
エラスターゼ、好中球発現(ELANE)
ELA2(エラスターゼ2、好中球)としてもまた知られている好中球エラスターゼ(または白血球エラスターゼ)は、キモトリプシンと同じファミリーのセリンプロテイナーゼであり、広範な基質特異性を有する。それは炎症中に好中球によって分泌されて、細菌および宿主組織を破壊する(Belaaouaj et al.,2000)。慢性閉塞性肺疾患の発症における主要な当事者であるヒト好中球エラスターゼ(ELANE)は、最近、非小細胞肺がん進行に関与しているとされている。これは、(i)細胞内で、例えばアダプター分子インスリン受容体基質-1(IRS-1)を排除する、(ii)細胞表面で、CD40などの受容体を加水分解する、(iii)細胞外空隙内で、エラスチンフラグメント、すなわちがん細胞侵襲性および血管新生を強力に刺激するモルフォエラストキンを生成する、のいくつかのレベルで作用し得る(Moroy et al.,2012)。好中球エラスターゼは、腫瘍細胞内のエンドソーム区画にアクセスして、インスリン受容体基質-1(IRS-1)を分解することで、ヒトおよびマウス肺腺がんの双方で腫瘍細胞増殖を直接誘導した(Houghton et al.,2010)。
【0100】
セルピンペプチダーゼ阻害剤、分岐群B(卵白アルブミン)、メンバー3(SERPINB3)
SERPINB3とも称される扁平上皮細胞がん抗原(SCCA)は、セリンプロテアーゼ阻害剤(セルピン)の高分子量ファミリーのメンバーである(Suminami et al.,1991)。頭頸部組織がんおよびその他の上皮性がんにおける、高レベルが報告されている(Torre,1998)。SCCAは、腫瘍周囲組織と比較して、腫瘍内で過剰発現されることが報告されており、HCCの組織学的検出のための潜在的マーカーとしての役割が示唆される(Pontisso et al.,2004)。セルピンB3/B4、特にセルピンB4は、異常な上皮性増殖において重要な役割を果たすようである。セルピンB3/B4の評価は、特に肺がんに対する感受性が増大している患者において、疾患進行を予測する上での予後診断的的価値を有し得る(Calabrese et al.,2012)。SCCA1(SERPINB3)は、リソソーム損傷によって誘導される細胞死を阻害する一方で、細胞死受容体アポトーシス経路とは独立してカスパーゼ-8を活性化することで、細胞をERストレスに対して感作させる(Ullman et al.,2011)。いくつかの所見は、SERPINB3が、表皮バリア中断の誘導において重要な役割を果たすことを示唆する。SERPINB3は、表皮内バリア機能の主要決定要因であってもよい(Katagiri et al.,2010)。
【0101】
キネシンファミリーメンバー26B(KIF26B)
キネシンは、真核生物細胞に見られる、モータータンパク質のクラスに属するタンパク質である。キネシンは、微小管フィラメントに沿って移動し、ATPの加水分解によってエネルギー供給される(したがってキネシンはATPアーゼである)。キネシンファミリー遺伝子であるKif26bは、Sall1の下流標的である(Nishinakamura et al.,2011)。Kif26bは、尿管芽に接触する間葉細胞の付着を調節するので、腎臓発生に必須である。Kif26bの生体外過剰発現は、非筋肉ミオシンとの相互作用を通じて細胞接着の増大を引き起こした(Terabayashi et al.,2012;Uchiyama et al.,2010)。
【0102】
強直症、進行性ホモログ(マウス)(ANKH)
ANKH(進行性強直症のヒトホモログ)は、細胞膜を通じた無機ピロリン酸(PPi)輸送を調節する(Wang et al.,2008a)。いくつかのデータは、ANKHの生体外および生体内発現および機能が低酸素環境で抑制されること、そして効果がHIF-1によって調節されることを示唆する(Zaka et al.,2009)。ヒトANKH遺伝子は、組織特異的様式で生体内で発現され、mRNA発現の最大レベルは、脳、心臓、および骨格筋に見られる(Guo et al.,2001)。ANKH遺伝子の変異は、常染色体優性頭蓋骨幹端異形成症と関連付けられている(Kornak et al.,2010)。ANKHは、増幅のない子宮頸がん細胞系と比較して、増幅のある細胞系で有意に上方制御された(Kloth et al.,2007)。染色体アーム5p上の領域のゲノム増幅が、小細胞肺がん(SCLC)で頻繁に観察されており、このアーム上の複数発がん遺伝子の存在が暗示される。Coe et al.は、従来のスクリーニングによる検出を回避した微小欠失の同定と、新規推定発がん遺伝子としてのTRIOおよびANKHの同定を記載した(Coe et al.,2005)。
【0103】
核外RNA輸送因子1(NXF1)
ヒト細胞では、mRNA輸送因子NXF1は、核質内および核膜孔複合体にある(Zhang et al.,2011b)。核内転写部位から細胞質内翻訳部位へのmRNAの輸送は、真核生物の遺伝子発現における必須過程である。ヒト細胞内では、mRNA輸送因子NXF1(TAPとしてもまた知られている)が、mRNA、mRNAアダプタータンパク質、核膜孔複合体のフェニルアラニン-グリシン(FG)リピートに同時に結合することで、mRNA転写物に同伴して核を出る(Kelly and Corbett,2009)。NXF1は、NPCを通じてタンパク質カーゴ、tRNA、およびマイクロRNAを輸送するカリオフェリンタンパク質と、構造的または機構的類似点を有しない多ドメインタンパク質であることから、核輸送因子の中でもユニークである。NXF1によるmRNA輸送は、GTPase Ranとは無関係に起こる過程である(Gruter et al.,1998)。mRNPの核外輸出は、mRNPに結合し、FG-ヌクレオポリンとの一過性の相互作用によって、核孔(NPC)中心チャンネルを通じたそれらの移行を媒介する、NXF1などの輸送因子によって媒介される(Wickramasinghe et al.,2010)。mRNAは、NXF1/TAPが関与するバルク輸送経路、または染色体領域メンテナンス1(chromosome region maintenance 1)(CRM1)が関与するより特化した経路のどちらかによって、輸送され得る(Siddiqui and Borden,2012)。
【0104】
Gタンパク質シグナル伝達制御因子4(RGS4)
RGS4は、GTPアーゼ加速タンパク質の機能を果して、μおよびδオピオイド受容体(それぞれMORおよびDOR)シグナル伝達を調節する。RGS4のオピオイド作動薬誘導低下は、ユビキチン-プロテアソーム経路を通じて起こり、モルヒネ依存状態における細胞恒常性維持に寄与してもよい(Wang and Traynor,2011)。RGS4は、β-細胞機能の調節において重要な役割を果たす(Ruiz,I et al.,2010)。Xie et al.は、RGS4が、転移カスケードの重要な段階である乳がんの移動および浸潤の新規サプレッサーであると提言した(Xie et al.,2009)。RGS4は、甲状腺がんで過剰発現された。甲状腺がん細胞におけるその発現レベルの効果的な下方制御は、甲状腺がん細胞の生存度を有意に減衰させ、甲状腺発がんにおけるRGS4の重要な役割が示唆される(Nikolova et al.,2008)。RGS4は、ヒト膵臓腫瘍細胞系で差次的に発現されて、膵臓がんの局所性腫瘍浸潤と肝臓転移の可能なマーカー遺伝子であることが分かった(Niedergethmann et al.,2007)。RGS4の過剰発現は、Gタンパク質媒介p38MAPK活性化を選択的に阻害し、結果的に、上皮細胞の増殖、移動、および血管内皮成長因子(VEGF)発現を低下させることで、肺上皮細胞管形成を遅延させ変化させた(Albig and Schiemann,2005)。
【0105】
グルタミン-フルクトース-6-リン酸トランスアミナーゼ2(GFPT2)
GFPT2は、神経突起伸長、初期神経細胞発生、神経ペプチドシグナル伝達/合成、およびニューロン受容体に関与する(Tondreau et al.,2008)。GFPT2中の遺伝的変異は、II型糖尿病および糖尿病性腎障害に関連する(Zhang et al.,2004)。さらにGFPT2中のSNPの結合は、酸化経路の調節に関与する遺伝子が、糖尿病性慢性腎不全の大きな要因になり得ることを示唆する(Prasad et al.,2010)。GFPT2遺伝子のDNAメチル化は、原発性急性リンパ芽球性白血病(ALL)サンプル中で検証された。複数のCpGアイランドのメチル化がある患者は、より好ましくない全生存期間を有した(Kuang et al.,2008)。GFPT2は、グルタミン代謝において役割を有し、間葉細胞系でより高度に発現されることが観察された。グルタミン代謝は、腫瘍進行において重要な役割を果たしてもよく、細胞代謝経路の阻害が、エピジェネティック療法の一形態であってもよい(Simpson et al.,2012)。
【0106】
脳内皮細胞接着分子(CERCAM)
CERCAMは、内皮細胞表面に局在し(Starzyk et al.,2000)、家族性特発性側弯症と関連があると同定された9q候補領域である、染色体9q34.11上にマップされる(Miller et al.,2012)。CEECAM1遺伝子は、神経系内および唾液腺、膵臓、肝臓、および胎盤などのいくつかの分泌組織で幅広く転写される(Schegg et al.,2009)。CERCAMタンパク質は、ColGalT酵素GLT25D1およびGLT25D2に、構造的に類似する。しかしその機能は依然として分かっていないが、関連するGLT25D1タンパク質と機能的に異なるようであり、タンパク質は、GLT25D1およびGLT25D2タンパク質のようなグリコシルトランスフェラーゼとしては、機能しない(Perrin-Tricaud et al.,2011)。
【0107】
UDP-N-アセチル-α-D-ガラクトサミン:ポリペプチドN-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ2(GalNAc-T2)(GALNT2)
GALNT2は、ゴルジ体中でペプチドのムチンタイプO-グリコシル化の第一段階を触媒する。これらの酵素は、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)を、UDP-GalNAcから標的タンパク質中のセリンまたはスレオニンのヒドロキシル基に転移する(Peng et al.,2010)。GALNT2は、検査された膵臓、結腸、胃、および乳房からのヒト腺がん細胞系のほとんどまたは全てにおいて、低レベルで構成的に発現された(Sutherlin et al.,1997)。研究は、O-グリカンおよびGALNT遺伝子が、多様な生物学的機能およびヒト疾患発症において、重要な役割を果たすことを示した。上皮性卵巣がん(Terry et al.,2010)および冠動脈疾患(Willer et al.,2008)のリスクは、GALNT2の単一ヌクレオチド多形性と関連付けられている。グリコシルトランスフェラーゼ活性の特定の変化に起因する、細胞表面糖タンパク質の異常なグリコシル化は、通常は、がんの浸潤および転移に関係する。GALNT2は、胃がん(Hua et al.,2012)、肝細胞がん(HCC)(Wu et al.,2011b)、およびヒト悪性神経膠腫(Liu et al.,2011a)における、腫瘍の移動と浸潤に関与する。
【0108】
ヘテロ核内リボ核タンパク質M(HNRNPM)
HNRNPM遺伝子は、広範に発現されるヘテロ核内リボ核タンパク質(hnRNP)のサブファミリーに属する。HNRNPMは、ヒトhnRNP複合体の豊富な構成要素であり、それは、それ自身のmRNA前駆体スプライシングを調節することで(Hase et al.,2006)、または代案の線維芽細胞成長因子受容体2のスプライシング調節に影響を及ぼすことで(Hovhannisyan and Carstens,2007)、mRNA前駆体のスプライシングに影響を及ぼし得る。生体外精製スプライソソームのプロテオミクス解析は、プレスプライセオソームH複合体中に、およびスプライソソーム集合全体にわたり、HNRNPMを検出した(Rappsilber et al.,2002;Wahl et al.,2009)。HNRNPMは、CDC5L/PLRG1スプライセオソーム部分複合体との相互作用を通じて、スプライソソーム機構に関与する(Lleres et al.,2010)。ヒトがん細胞では、いくつかの結果が、IMP-3およびHNRNPMの細胞質保持が、増殖に顕著な低下をもたらすことを示す。核IMP-3-HNRNPM複合体は、CCND1、D3、およびG1の効率的合成と、ヒトがん細胞増殖に重要である(Rivera et al.,2013)。
【0109】
バソヌクリン1(BNC1)
バソヌクリンは、非常に限られた組織分布があるジンクフィンガータンパク質である(Tseng,1998)。これまでのところ、バソヌクリンは、重層扁平上皮(皮膚、経口上皮、食道、膣、および角膜)の基底ケラチノサイトで、そして精巣および卵巣の配偶子形成細胞で、主に検出されている(Tseng and Green,1994;Weiner and Green,1998)。今や、バソヌクリンが、rRNA遺伝子(rDNA)の細胞型特異的転写因子であるというかなりの証拠がある。バソヌクリンのジンクフィンガーは、rDNAプロモーター内の3つの進化的に保存された部位と相互作用する(Iuchi and Green,1999;Tseng et al.,1999)。CpGメチル化によるエピジェネティックな調節は、腫瘍形成において、ならびにがん治療に対する応答において、重要な役割を有する。BNC1は、放射線抵抗性のH1299ヒト非小細胞肺がん(NSCLC)細胞系において、低メチル化された。H1299細胞内のBNC1 mRNA発現の抑制は、これらの細胞の電離放射線に対する抵抗性もまた低下させた(Kim et al.,2010a)。BNC1の異常なDNAメチル化は、慢性リンパ球性白血病(CLL)サンプルでもまた、検出された(Tong et al.,2010)。腎細胞がん(RCC)では、BNC1のメチル化は、腫瘍のサイズ、病期または等級とは無関係に、より不良な予後と関係した(Morris et al.,2010)。
【0110】
FK506結合タンパク質10、65kDa(FKBP10)
FK506結合タンパク質10(FKBP10)は、FKBPタイプのペプチジル-プロリルシス/トランスイソメラーゼファミリーに属する。それは小胞体内に位置して、分子シャペロンの機能を果たす(Ishikawa et al.,2008;Patterson et al.,2000)。それは、肺の発達中に高度に発現され、肺傷害後に、細胞外基質タンパク質との協調様式で、再活性化され得る(Patterson et al.,2005)。
【0111】
フリズルドファミリー受容体1(FZD1)、フリズルドファミリー受容体2(FZD2)、フリズルドファミリー受容体7(FZD7)
遺伝子FZD2、FZD1、およびFZD7は、全てフリズルド遺伝子ファミリーに由来し;この遺伝子ファミリーのメンバーは、Wntシグナル伝達タンパク質の受容体である、7つの膜貫通領域タンパク質をコードする。
【0112】
FZD2遺伝子の発現は発生学的に調節されるようであり、胎児の腎臓および肺、そして成人の結腸および卵巣において、高レベルで発現される(Sagara et al.,1998;Zhao et al.,1995)。
【0113】
FZD1タンパク質は、シグナルペプチド、N末端細胞外領域内のシステイン富化ドメイン、7つの膜貫通ドメイン、およびC末端PDZドメイン結合モチーフを含有する。FZD1転写物は、肺ならびに心臓、腎臓、膵臓、前立腺、および卵巣をはじめとする、様々な組織で発現される(Sagara et al.,1998)。フリズルド1および2受容体の発現は、乳がんにおいて上方制御されることが分かった(Milovanovic et al.,2004)。
【0114】
FZD7タンパク質は、N末端シグナル配列、Fzファミリーメンバーのシステイン富化細胞外ドメインの典型例である10個のシステイン残基、7つの推定上の膜貫通ドメイン、およびPDZドメイン結合モチーフがある細胞内C末端テールを含有する。FZD7遺伝子の発現は、低分化型ヒト食道がんにおいて、APC機能を下方制御し、βカテニン媒介シグナルを増強してもよい(Sagara et al.,1998;Tanaka et al.,1998)。
【0115】
ATPアーゼ、Ca++輸送、心筋、速攣縮1(ATP2A1)、ATPアーゼ、Ca++輸送、心筋、速攣縮2(ATP2A2)
どちらの遺伝子(ATP2A1およびATP2A2)もSERCACa(2+)-ATPアーゼをコードする。筋小胞体(SR)1/ERカルシウムATPアーゼ(SERCA)は、ATP加水分解と、SR/ER膜を越えるカルシウム輸送とを連結するカルシウムポンプである(MacLennan et al.,1997)。SERCAは、SERCA1(ATP2A1)、SERCA2(ATP2A2)、およびSERCA3の3つの相同遺伝子によってコードされる(Wu et al.,1995)。SERCAが、アポトーシス、分化、および細胞増殖の過程に対してもまた、直接的影響を有してもよいことを示す、いくつかの証拠が浮上してきた(Chami et al.,2000;Ma et al.,1999;Sakuntabhai et al.,1999)。
【0116】
SERCA1をエンコードするATP2A1の変異は、増大する運動中の筋弛緩障害によって特徴付けられる、Brody病のいくつかの常染色体性劣性形態を引き起こす(Odermatt et al.,1996)。
【0117】
ATP2A2は、異常な角質化と棘細胞離開によって特徴付けられる、稀な常染色体優性遺伝性皮膚疾患であるダリエー病と関係がある、ATPアーゼである(Huo et al.,2010)。ATP2A2の生殖細胞系変化は、肺および大腸がんに罹りやすくしてもよく、欠陥ATP2A2遺伝子は発がんに関与するかもしれない(Korosec et al.,2006)。小細胞肺がん(H1339)およびアデノがん腫肺がん(HCC)細胞系では、正常なヒト気管支上皮細胞系と比較して、ERCa2+の含有量が低下した。Ca2+含有量の低下は、カルシウムをERに送り込むSERCA2の発現低下と相関した(Bergner et al.,2009)。ATP2A2は、結腸直腸がんCRC患者のための潜在的予後マーカーであり得る。それは循環腫瘍細胞(CTC)で検出され、術後再発は、遺伝子の過剰発現と有意に相関した(Huang et al.,2012)。
【0118】
ラミニン、γ2(LAMC2)
細胞外基質糖タンパク質のファミリーであるラミニンは、基底膜の主要な非コラーゲン性構成物である。それらは、細胞接着、分化、移動、シグナル伝達、神経突起伸長、および転移をはじめとする、多種多様な生物学的過程に関与するとされている。LAMC2遺伝子は、基底膜領域の主要構成要素の1つであるラミニン-5の一部である、ラミニン-5γ2鎖をコードする。LAMC2は、胃がんにおいて、プロモーター脱メチル化によって頻繁に上方制御された(Kwon et al.,2011)。LAMC2は、無血管黒色腫領域と比較して、血管性黒色腫領域で過剰発現されることが分かった(Lugassy et al.,2009)。LAMC2は、膀胱がん転移の生物マーカーであり、その発現レベルは腫瘍悪性度と関係した(Smith et al.,2009b)。LAMB3およびLAMC2遺伝子は、32の非SCLC細胞系の内21(66%)で同時発現されるが、13のSCLC細胞系ではその1つのみ(8%)で同時発現された。LAMB3およびLAMC2遺伝子の同時発現はまた、検査された4症例の原発性非SCLC細胞の全てで観察されたが、対応する非がん性の肺細胞では観察されなかった(Manda et al.,2000)。
【0119】
熱ショック70kDaタンパク質2(HSPA2)、熱ショック70kDaタンパク質8(HSPA8)
HSPA2は、乳がん(Mestiri et al.,2001)、子宮頸がん(Garg et al.,2010a)、膀胱尿路上皮がん(Garg et al.,2010b)、鼻咽頭がん(Jalbout et al.,2003)、および悪性腫瘍(Chouchane et al.,1997)などのヒトがんのサブセットにおいて、異常なレベルで発現される潜在的がん促進タンパク質と同定されている。HSPA2遺伝子活性のいくらかのレベルはまた、数種のヒトがん(Scieglinska et al.,2008)に由来する細胞系でも観察された一方で、がん細胞内のHSPA2遺伝子のサイレンシングは、成長停止と腫瘍形成性可能性低下をもたらした(Rohde et al.,2005;Xia et al.,2008)。さらにHSPA2遺伝子の多形性は、肺がん発症リスクの増大と関係がある(Wang et al.,2010b)。HSPA2の過剰発現は、ヒト乳がん、子宮頸がん、および膀胱尿路上皮がんにおいて、細胞増殖の増大、芳しくない分化、およびリンパ節転位と相関する(Garg et al.,2010a;Garg et al.,2010b;Mestiri et al.,2001)。
【0120】
HSPA8遺伝子は、熱誘導性メンバーと構成的発現メンバーの双方を含有する、熱ショックタンパク質70ファミリーHsc70のメンバーをコードする。HSPA8は新生ポリペプチドに結合して、正しいタンパク質折りたたみを促進する(Beckmann et al.,1990)。Hsc70は分子シャペロンとして機能して、タンパク質の合成、折りたたみ、集合、細胞コンパートメント間輸送、および分解を助ける(Bukau and Horwich,1998;Hartl and Hayer-Hartl,2002)。Hsc70は非悪性乳腺細胞ならびに乳がん細胞(Kao et al.,2003;Vargas-Roig et al.,1998)で発現され、化学療法抵抗性がん細胞(Ciocca et al.,1992;Lazaris et al.,1997)内のHsp/hsc70の過剰発現は、これらのタンパク質の可能な臨床マーカーに関する研究を促した(Ciocca and Calderwood,2005)。この分泌されたhsc70シャペロンには、細胞増殖における潜在的役割があり、それが、カテプシンDを過剰発現するがん細胞におけるより高い腫瘍成長を説明するかもしれない(Nirde et al.,2010)。さらにRuisin et al.は、この遺伝子の多形性と肺がんリスクの間の関連性を報告した(Rusin et al.,2004)。
【0121】
液胞タンパク質ソーティング13ホモログB(酵母)(VPS13B)
VPS13Bは、ゴルジ装置に局在する末梢膜タンパク質と同定され、それはそこでシスゴルジ体マトリックスタンパク質GM130と重なる。その細胞内局在に一致して、RNAiを用いたVPS13Bの枯渇は、ゴルジ体リボンのミニスタックへの断片化を引き起こす(Seifert et al.,2011)。Kolehmainen et al.(2003)は、染色体8q22上のコーエン症候群危険領域内で、VPS13Bとしてもまた知られているCOH1遺伝子を同定した(Kolehmainen et al.,2003)。VPS13B遺伝子中の機能喪失型変異は、常染色体性劣性コーエン症候群を引き起こす(Seifert et al.,2011)。VPS13Bおよびその他の遺伝子の変異は、マイクロサテライト不安定性がある胃がんおよび結腸直腸がんで記載された(An et al.,2012)。
【0122】
CSE1染色体分離1様(酵母)(CSE1L)
細胞アポトーシス感受性(CSE1L)遺伝子は、有糸分裂紡錘体チェックポイントならびに増殖およびアポトーシスをはじめとする、複数の細胞機構を調節することが実証されている。CSE1Lは、細胞質および細胞核内の双方に位置する。核CSE1Lは、主要な腫瘍サプレッサータンパク質であるp53タンパク質の転写活性を調節する(Rao et al.,2011;Tanaka et al.,2007)。細胞質CSE1Lは微小管と結合し;この結合は、浸潤突起の伸長を刺激して、腫瘍細胞の移動を促進することが示されている(Tai et al.,2010)。CSE1Lは、良性および悪性皮膚メラニン細胞病変(Boni et al.,1999)、子宮内膜がん(Peiro et al.,2001)、卵巣がん(Brustmann,2004)、乳がん(Behrens et al.,2001)、膀胱尿路上皮がん(Chang et al.,2012)などの大部分のがんで高度に発現され、その発現はがん進行と相関することが示されている。CSE1Lのサイレンシングは、大腸がんのための可能な治療的アプローチであってもよい(Zhu et al.,2013)。
【0123】
ジヒドロピリミジナーゼ様4(DPYSL4)
ジヒドロピリミジナーゼ関連タンパク質4(DPYSL4)は、海馬の神経細胞発達の制御因子であることが知られている。DPYSL4は、歯芽形態形成における、歯の上皮細胞の成長調節、極性化、および分化に関与する(Yasukawa et al.,2013)。いくつかの研究は、微小管重合の阻害を通じた神経突起伸長可能性の低下におけるDPYSL4の役割を示し、神経細胞死に先だつ核凝縮中における、そのビメンチンとの新規関連性もまた明らかにした(Aylsworth et al.,2009)。多種多様な腫瘍で頻繁に変異するp53腫瘍抑制遺伝子は、ゲノムの完全性の維持において重要な役割を果たす。DPYSL4のmRNAおよびタンパク質発現は、どちらもp53熟練細胞内の抗がん因子によって特異的に誘導された。DPYSL4は、DNA障害に応答して、p53によって制御されるアポトーシス誘導因子である(Kimura et al.,2011)。
【0124】
Sec61γサブユニット(SEC61G)
サブユニットSEC61α、β、およびγを含んでなるヘテロ三量体のタンパク質チャンネルであるSEC61γは、SEC61トランスロコンのメンバーである(Greenfield and High,1999)。SEC61複合体は、新生ポリペプチドのER管腔内への移行、ならびに膜貫通タンパク質のER二重層内への組み込みのための、膜貫通孔を形成する(Osborne et al.,2005)。SEC61γは、腫瘍細胞生存に、そして小胞体ストレスへの細胞性応答に、必須である。さらにそれは、悪性細胞で高度に過剰発現され、正常細胞ではほぼ不在である(Lu et al.,2009)。SEC61γ発現のノックダウンは、アポトーシス、EGFR/AKT生存シグナル伝達抑止(Lu et al.,2009)、ならびに腫瘍細胞の成長阻害をもたらした(Neidert et al.,2012)。
【0125】
ORM1様1(S.セレビシエ(S.cerevisiae))(ORMDL1)
ヒト遺伝子(ORMDL1、ORMDL2、およびORMDL3)は、成人および胎児組織で広範に発現される。それらは、ER中のタンパク質折りたたみに関与する可能性が高い小胞体内にアンカーされる、膜貫通タンパク質をコードする。ゲノム配列解析によって、Hjelmqvist et al.(2002)は、ORMDL1遺伝子を染色体2q32.2にマップした(Hjelmqvist et al.,2002)。ORMDLタンパク質は、哺乳類細胞におけるセラミド生合成の主要制御因子である(Siow and Wattenberg,2012)。ORMDL1は、プレセニリン1(PS1)変異に伴って、特異的に下方制御される(Araki et al.,2008)。
【0126】
Pecanex様3(ショウジョウバエ)(PCNXL3)
Pecanex様タンパク質(PCNXL3)は、複数回貫通膜タンパク質であり;それはpecanexファミリーに属する。
【0127】
PCNXL3遺伝子は、染色体領域11q12.1-q13にマップされた。3つの新規ヒト腫瘍関連転座切断点が、マーカーD11S4933とD11S546の間の染色体11q13領域に位置した。したがってPCNXL3は、11q13関連疾患遺伝子であるかもしれない(van et al.,2000)。
【0128】
小型核リボ核タンパク質200kDa(U5)(SNRNP200)
mRNA前駆体スプライシングは、転写されたmRNA前駆体断片からイントロンを除去する、特化RNAとタンパク質サブユニットの複合体であるスプライソソームによって触媒される。スプライソソームは、およそ80の保存されたタンパク質に加えて、低分子核内RNAタンパク質(snRNP)U1、U2、U4、U5、およびU6からなる。SNRNP200は、スプライソソームの触媒活性化の必須段階である、U4/U6二本鎖の巻き戻しに必要な遺伝子である(Maeder et al.,2009)。SNRNP200の発現は、心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、腎臓、および膵臓で検出された(Zhao et al.,2009)。SNRNP200の変異は、常染色体優性色素性網膜炎(adRP)と関係することが、最近発見されている(Benaglio et al.,2011;Liu et al.,2012)。
【0129】
SAMドメイン、SH3ドメインおよび核局在性シグナル1(SAMSN1)
SAMSN1は、SH3およびSAM(不稔性αモチーフ)ドメインを含有する、推定上のアダプターおよびスキャフォールドタンパク質の新規遺伝子ファミリーのメンバーである。SAMSN1は、造血組織、筋肉、心臓、脳、肺、膵臓、内皮細胞、および骨髄腫で発現される。内在性SAMSN1発現は、分化および増殖誘導刺激に際して、一次B細胞で上方制御されることが示され、形質導入実験は、B細胞の血漿細胞への分化におけるSAMSN1の促進的役割を示唆する(Brandt et al.,2010)。急性骨髄性白血病および多発性骨髄腫患者からの細胞系および初代細胞は、SAMSN1を発現する(Claudio et al.,2001)。SAMSN1は、大細胞肺がん細胞系Calu-6において下方制御された(Yamada et al.,2008)。SAMSN1は、潰瘍性大腸炎関連がんにおいて差次的に発現された(Watanabe et al.,2011)。
【0130】
シグナル伝達兼転写活性化因子2、113kDa(STAT2)
結腸直腸および皮膚発がんに対する新規誘因としてのSTAT2は、遺伝子発現および炎症促進性媒介物の分泌を増大させるように作用してもよく、それは次に、発がん性STAT3シグナル伝達経路を活性化する(Gamero et al.,2010)。STAT2は、I型IFN誘導性アポトーシスの活性化における重要な媒介物である。より重要なことには、STAT2の発現または核局在における欠陥は、I型IFN免疫療法の有効性を低下させ得た(Romero-Weaver et al.,2010)。高悪性度星細胞腫と比較すると、低悪性度星細胞腫では、STAT2のより低い発現が検出された。結果は、グリア腫瘍内のSTATとPPARγシグナル伝達の間に存在する相関を示し、これらの腫瘍の成長および分化の調節における、STATの予測される重要な役割をさらに支持する(Ehrmann et al.,2008)。
【0131】
CCR4-NOT転写複合体、サブユニット1(CNOT1)
ヒトCCR4-NOTデアデニラーゼ複合体は、少なくとも9つの酵素的および非酵素的サブユニットからなる。CNOT1は、CCR4-NOT複合体の酵素活性を示す上で重要な役割を有し、したがってmRNA脱アデニル化およびmRNA分解の制御において重要である。CNOT1枯渇は、CCR4-NOT複合体を構造的および機能的に劣化させてmRNAの安定化を誘導し、それは翻訳の増大をもたらして、ERストレス媒介アポトーシスを引き起こす。Ito et al.は、CNOT1が、CCR4-NOTデアデニラーゼの活性を確保することで、細胞生存に寄与すると結論づける(Ito et al.,2011)。乳がん細胞内の内在性CNOT1またはその他のCcr4-NotサブユニットのsiRNA媒介性枯渇は、ERα標的遺伝子の調節解除をもたらす(ERα標的遺伝子TTF1およびc-Mycの誘導増大)。これらの知見は、がんに関与する分子経路の理解に関連する、核内受容体シグナル伝達の転写抑制因子としてのヒトCcr4-Not複合体の機能を定義する(Winkler et al.,2006)。
【0132】
セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ2(ミトコンドリア型)(SHMT2)
SHMT2遺伝子は、セリンおよびテトラヒドロ葉酸からグリシンおよび5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸への可逆反応を触媒する、ミトコンドリア型のピリドキサールリン酸依存性酵素をコードする。コードされた生成物は、主にグリシン合成に関与する。肺がんなどの多遺伝子性疾患では、遺伝子-遺伝子相互作用が、疾患の表現型の変動性の判定において、重要な役割を果たすことが予測される。MTHFR677、MTHFR1298、およびSHMT多形性の間の相互作用は、肺がん患者における遺伝子不安定性に対する、顕著な影響を有してもよい。細胞遺伝学的変化に関しては、タバコ特異的発がん性物質4-(メチルニトロソアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン[NNK]に曝露した肺がん患者からのリンパ球が、MTHFR677、MTHFR1298、およびSHMT対立遺伝子変異型の存在下における細胞遺伝的損傷の頻度に、大幅な増大を有したことが示された(Piskac-Collier et al.,2011)。結腸直腸がん患者の5-FUおよびFOLFIRIプロトコルの有効性における、SHMT遺伝子の多形性の役割についての薬理ゲノミクス研究は、全生存期間の変化もまたもたらす、顕著な効果を明らかにした(Timar et al.,2006)。
【0133】
Jun Bプロトオンコジーン(JUNB)
JunBは、二量体転写因子のAP-1(アクチベータータンパク質1)ファミリーのメンバーである。転写因子AP-1は、細胞増殖、形質転換、および死滅に関与する(Shaulian and Karin,2002)。JunBは、NF-eB経路を通じて調節されるかもしれず、HGFによって誘導されるJunBの上方制御は、MMP-9発現を通じた細胞増殖および細胞浸潤の調節において、重要な役割を果たすかもしれない(Lee and Kim,2012)。JunBは、リンパ腫、特にホジキンリンパ腫において、発がんの役割を果たすようである(Shaulian,2010)。JunBは、p16の必須上流制御因子であり、TACの悪性形質転換を阻止する細胞老化の維持に寄与する。したがってJunBは前立腺の発がんの制御において、明らかに重要な役割を果たす(Konishi et al.,2008)。JunBは、VHL欠陥ccRCCにおいて、腫瘍侵襲性を促進し血管新生を促進する(Kanno et al.,2012)。
【0134】
形質転換、酸性コイルドコイル含有タンパク質3(TACC3)(TACC3)
TACC3は、ch-TOG(結腸および肝臓腫瘍過剰発現遺伝子)と、微小管を動原体糸に架橋させるクラスリンとの複合体中に存在する。TACC3は、精巣、肺、脾臓、骨髄、胸線、および末梢血白血球をはじめとする、特定の増殖性組織で発現される。TACC3発現は、いくつかのヒト腫瘍型では変化する。細胞内では、TACC3は、中心小体および紡錘体微小管の双方に局在するが、星状微小管には局在しない(Hood and Royle,2011)。TACC3発現はp53発現と相関し、腫瘍がTACC3およびp53を高度に発現した患者は、腫瘍が双方の免疫染色について低レベルの発現を有した患者よりも、予後が有意により不良であった(P=0.006)。TACC3の増大がNSCLCに増殖優位性を与えて、腫瘍の進行に寄与してもよく、TACC3の発現が、NSCLCにおける臨床転帰の強力な予後指標であることが示唆される(Jung et al.,2006)。Tacc3は、Notchシグナル伝達経路の負の制御因子であってもよい(Bargo et al.,2010)。
【0135】
RAD54ホモログB(S.セレビシエ(S.cerevisiae))(RAD54B)
DNA修復および組換えタンパク質RAD54Bは、ヒトではRAD54B遺伝子によってコードされるタンパク質である。RAD54は二本鎖DNAに結合し、DNA存在下でATPアーゼ活性を示す。ヒトRAD54Bタンパク質は、相同組換えにおいて重要な役割を果たすRAD54タンパク質のパラログである。相同組換え(HR)は、DNA二本鎖切断(DSB)の正確な修復に必須である(Sarai et al.,2008)。がんにおいて体細胞性に変異することが知られている遺伝子RAD54Bのノックダウンは、哺乳類細胞で染色体不安定性(CIN)を引き起こす(McManus et al.,2009)。RAD54Bによる遺伝子発現の上昇は、GBM患者におけるより短時間でのがん進行および不良OSに、有意に関連する(Grunda et al.,2010)。
【0136】
真核生物翻訳延長因子2(EEF2)
EEF2は、GTP結合翻訳延長因子ファミリーのメンバーをコードする。このタンパク質は、タンパク質合成の必須要素である。それは、新生タンパク質鎖の、リボソームのA部位からP部位へのGTP依存性転座を促進する。EEF2は、肺腺がん(LADC)で高度に発現されたが、隣接する非腫瘍肺組織ではそうでなかった。eEF2発現が高い患者は、早期腫瘍再発率が有意により高く、予後が有意により不良であったので、eEF2がLADCにおける抗アポトーシスマーカーであることが示唆される。eEF2発現のサイレンシングは、ミトコンドリア伸長、細胞の自食作用、およびシスプラチン感受性を増大させた。さらに、eEF2はLADC細胞内でSUMO化されて、eEF2のSUMO化は薬剤耐性と相関した(Chen et al.,2011a)。EEF2の阻害は、タンパク質合成の迅速な停止を引き起して、アポトーシスを誘導し、究極的に細胞死をもたらすので、EEF2はがん治療のための魅力的な標的である。EEF2のsiRNA誘導性サイレンシングは、腫瘍細胞の特異的な細胞傷害性をもたらした(Chen et al.,2011b;Wullner et al.,2008)。
【0137】
サイクリンA2(CCNA2)
CCNA2は、高度に保存されたサイクリンファミリーに属する。サイクリンは、CDKキナーゼの調節物質として機能する。異なるサイクリンは、明白な発現および分解パターンを示し、それは各有糸分裂事象の時間整合に寄与する(Deshpande et al.,2005)。ヒトサイクリンA2は、S期進行および有糸分裂への移行の重要な制御因子である。CCNA2は、CDC2またはCDK2キナーゼに結合して活性化し、したがって細胞周期G1/SおよびG2/M遷移の双方を促進する(Honda et al.,2012)。細胞周期の進行を変化させる、この遺伝子の変異、増幅、および過剰発現は、多様な腫瘍で頻繁に観察されて、腫瘍形成に寄与してもよい(Cooper et al.,2009;Kars et al.,2011;Kim et al.,2011;Tompkins et al.,2011)。さらにCCNA2の発現が、数種類のがんにおける予後不良と関係し(Yasmeen et al.,2003)、サイクリンAの発現上昇が、より短い生存期間と相関する(Dobashi et al.,1998)ことが記載される。
【0138】
神経上皮細胞形質転換1(NET1)41
NET1は、Rhoグアニンヌクレオチド交換因子ファミリーの一員であるこのファミリーのメンバーは、GDPによるGTPの交換を触媒することで、Rhoタンパク質を活性化する。NET1によってコードされるタンパク質は、細胞核内でRhoAと相互作用し、電離放射線後のDNA損傷修復における役割を有してもよい。
【0139】
乳腺がん細胞では、オピオイド受容体は発現されないが、NET1遺伝子が発現されて、がん細胞の移動を促進してもよい(Ecimovic et al.,2011)。NET1は、胃がん(GC)組織で上方制御され、この疾患の浸潤性表現型を駆動する(Srougi and Burridge,2011)。NET1は、GC進行の重要な側面である、GC細胞の遊走と浸潤において重要な役割を果たす(Bennett et al.,2011)。短期内分泌療法後のヒト前立腺がんにおけるRhoCおよびNET1のより高い発現は、RhoCおよびNET1が内分泌療法で、治療標的になってもよいことを示唆する(Kawata et al.,2012)。
【0140】
染色体11読み取り枠24(C11orf24)
C11orf24は、Twells et al(2001)によって同定された。C11orf24遺伝子は、その他の遺伝子との既知の類似性を有せず、その機能は不明である。ノーザンブロット分析は、心臓、胎盤、肝臓、膵臓、および結腸における、1.9kb転写物の高度の発現を検出した。より低いレベルが、脳、肺、骨格筋、腎臓、脾臓、前立腺、精巣、卵巣、および小腸で検出され、非常に低いレベルが、胸線および白血球で検出された(Twells et al.,2001)。449個のアミノ酸長のタンパク質C11orf24は、染色体領域11q13上に位置する。この領域は、多種がん易罹患性領域とされている(Gudmundsson et al.,2009;Purdue et al.,2011)。
【0141】
染色体凝縮制御因子1(RCC1)
染色体凝縮制御因子1(RCC1)は、Ran GTPアーゼのためのグアニンヌクレオチド交換因子である。クロマチン上のRCC1による、Ran-GTPの局在的生成は、核原形質の輸送、有糸分裂紡錘体集合、および核膜形成に重要である(Hitakomate et al.,2010)。いくつかのデータが、有糸分裂進行に必須の、RCC1、Mad2、およびサバイビンなどの有糸分裂制御因子の染色体結合を示唆した(Ho et al.,2008)。Wong et al.は、アポトーシスの初期段階で、核RanGTPレベルが低下することを発見し、それは染色体上のRCC1の不動化と相関する。そのため、彼らは、RCC1が、カスパーゼ活性化Mst1によって生じるヒストンコードを読み取って、核内のRanGTPレベルを低下させることで、アポトーシスを開始すると提案する(Wong et al.,2009)。
【0142】
メラノーマ抗原ファミリーF、1(MAGEF1)
MAGE(メラノーマ関連抗原)スーパーファミリーの既知のメンバーのほとんどは、腫瘍、精巣、および胎児組織で発現され、それは、がん/精巣発現パターンとされている(MAGEサブグループI)。MAGEサブグループIのペプチドは、ペプチドおよびDCワクチン接種において、成功裏に使用されている(Nestle et al.,1998;Marchand et al.,1999;Marchand et al.,1999;Marchand et al.,1995;Thurner et al.,1999)。対照的に、MAGEF1などのいくつかのMAGE遺伝子(MAGEサブグループII)は、試験された全ての成人および胎児組織で、そして卵巣、乳房、子宮頸、黒色腫、および白血病をはじめとする多数の腫瘍型でも、広範に発現される(Nestle et al.,1998;Marchand et al.,1999;Marchand et al.,1999;Marchand et al.,1995;Thurner et al.,1999)。それでもなお、MAGEF1の過剰発現は、NSCLC中で(Tsai et al.,2007)、および台湾の結腸直腸がん患者コホートの79%で(Chung et al.,2010)検出され得た。
【0143】
非SMCコンデンシンI複合体、サブユニットD2(NCAPD2)
コンデンシンは、最初は有糸分裂染色体の構成要素として同定された、ヘテロ五量体複合体である。NCAPD2は、有糸分裂染色体凝縮に必要なヒトコンデンシン複合体の必須成分である。NCAPD2枯渇は、分裂中期の染色体アライメントに影響を及ぼして、分裂後期への移行を遅延させる(Watrin and Legagneux,2005)。最近の連鎖解析および関連研究は、染色体12p13遺伝子座が、アルツハイマー病(AD)に罹りやすくする遺伝的変異をおそらく保有することを示唆している。単一マーカー結合は、NCAPD2中の2つのSNP(rs7311174およびrs2072374)が、名目上の有意なp値(それぞれ、p=0.0491および0.0116)を示すことを明らかにした。これらの遺伝解析は、染色体12p13遺伝子座が、中国人のADと関係があるという証拠を提供する(Li et al.,2009)。
【0144】
染色体12読み取り枠44(C12orf44)
ショウジョウバエAtg13結合タンパク質オルソログについてデータベースを検索することで、Mercer et al.(2009)は、C12orf44としてもまた知られているヒトATG101を同定した(Mercer et al.,2009)。ATG101遺伝子は、染色体12q13.13にマップされた。推定上の218アミノ酸タンパク質は、細胞質親水性タンパク質であることが予測された(Hosokawa et al.,2009)。マクロオートファジーは、細胞質タンパク質、細胞小器官、および巨大分子のリソソーム媒介分解の異化作用過程である。ATG101などのATGタンパク質は、リソソームとの融合前に細胞質内カーゴを取り囲んで隔離する二重膜小胞である、オートファゴソーム形成に必要である。ATG101(C12orf44)は、自食作用に必須である(Mercer et al.,2009)。
【0145】
HECTおよびRLDドメイン含有E3ユビキチンタンパク質リガーゼ4(HERC4)
HERC4は、ユビキチンリガーゼのHERCファミリーに属し、それらは全てHECT領域と、少なくとも1つのRCC1(MIM179710)様ドメイン(RLD)とを含有する。350アミノ酸HECTドメインは、ユビキチンとのチオエステル形成を触媒して、それを基質に転移することが予測され、RLDは、小型Gタンパク質のためのグアニンヌクレオチド交換因子として作用することが予測される(Hochrainer et al.,2005)。E3ユビキチンリガーゼHerc4は、全ての組織で広範に発現されるが、特に精子変態中に精巣で最も高度に発現される。Herc4リガーゼは、精子が完全に機能性になるための適切な成熟と、細胞質小滴除去に必要である(Rodriguez and Stewart,2007)。
【0146】
インスリン様成長因子2 mRNA結合タンパク質3(IGF2BP3)
IGF2BP3は、mRNA局在化、交代、および翻訳制御に関与するとされるインスリン様成長因子II mRNA結合タンパク質ファミリーのメンバーである。タンパク質は、いくつかのKH(K相同的)ドメインを含有し、これらはRNA結合において重要であり、RNA合成および代謝に関与することが知られている。発現は、主に胚発生中に起こり、いくつかの腫瘍で記載されている。したがってIGF2BP3は、がん胎児性タンパク質であると見なされる(Liao et al.,2005)。IGF2BP3は、IGF-IIタンパク質合成を増強することによって、およびCD44 mRNAの安定化を通じて細胞接着と浸潤を誘導することによって、腫瘍細胞の増殖を促進してもよい(Findeis-Hosey and Xu,2012)。さらにIGF2BP3発現は多数のヒト新生物中で試験されており、それが、移動、浸潤、細胞生存、および腫瘍転移を媒介するという証拠が上がってきており(Jeng et al.,2009;Kabbarah et al.,2010;Li et al.,2011;Liao et al.,2011;Lu et al.,2011;Hwang et al.,2012;Samanta et al.,2012)、それは、血管新生にもまた関与しているかもしれない(Suvasini et al.,2011;Chen et al.,2012)。肺腺がんにおいては、中等度分化型または低分化型腺がんで、より高頻度のIGF2BP3発現が検出され得て、それは侵襲性の生物学的挙動と関係してもよい(Findeis-Hosey et al.,2010;Beljan et al.,2012;Findeis-Hosey and Xu,2012)。
【0147】
細胞分裂周期6ホモログ(S.セレビシエ(S.cerevisiae))(CDC6)
CDC6タンパク質は、DNA複製の初期段階における制御因子として機能する。それは、細胞周期G1には細胞核内に局在するが、S期開始時には細胞質に移行する。さらにCDC6は、高等真核生物細胞内で、ATRとの相互作用を通じて、複製チェックポイント活性化を制御することが想定されている(Yoshida et al.,2010)。CDC6はDNA複製に必須であり、その調節解除は発がんに関与する。RNA干渉(RNAi)によるCDC6下方制御は、細胞増殖を妨げ、アポトーシスを促進することが分かった(Lau et al.,2006)。CDC6の過剰発現は、数種のがんに見られた。CDC6を過剰発現するがん型の例は、胃がん(Tsukamoto et al.,2008)、脳腫瘍(Ohta et al.,2001)、経口扁平上皮がん(Feng et al.,2008)、子宮頸がん(Wang et al.,2009b)、および悪性中皮腫(Romagnoli et al.,2009)である。
【0148】
線維芽細胞活性化タンパク質、α(FAP)
線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)は、セリンプロテアーゼファミリーに属するII型膜内在性糖タンパク質である。FAPαの推定上のセリンプロテアーゼの活性およびその生体内誘導パターンは、発達、組織修復、および上皮発がん中の線維芽細胞成長または上皮-間葉相互作用の制御における、この分子の役割を示唆してもよい(Scanlan et al.,1994)。ほとんどの正常な成人組織および良性上皮性腫瘍は、わずかまたは皆無の検出可能FAP発現を示す。しかしFAP発現は、悪性乳腺、結腸直腸、肺、皮膚、および膵臓腫瘍、治癒創傷の線維芽細胞、軟部組織肉腫のストロマの90%以上、そしていくらかの胎児間葉細胞で検出される。FAPは、細胞の接着および移動過程、ならびにECM構成要素の迅速な分解を通じて、がん増殖および転移における潜在的役割を有する。したがってそれは、ECMに侵入する腫瘍細胞上、および血管新生に関与する内皮細胞上に存在するが、同一型の不活性細胞では発現されない(Dolznig et al.,2005;Kennedy et al.,2009;Rettig et al.,1993;Rettig et al.,1994;Scanlan et al.,1994;Zhang et al.,2010a)。
【0149】
無翅型MMTV組込み部位ファミリー、メンバー5A(WNT5A)
一般に、Wnt5aは、増殖、分化、移動、癒着、および極性などの多様な細胞機能を制御する(Kikuchi et al.,2012)。それは、未分化ヒト胚性幹細胞で発現される(Katoh,2008)。WNT5Aは、発がんにおけるその役割が依然としてあいまいな、非形質転換WNTファミリーメンバーに分類される。それは、数種のがん(甲状腺、脳、乳房、および結腸直腸)では腫瘍抑制活性を示すが、肺、胃、および前立腺がんでは異常に上方制御される(Li et al.,2010)。発がん性WNT5Aは、自己複製のためのがん幹細胞内のカノニカルWNTシグナル伝達、および浸潤と転移のための腫瘍-間質境界面における非カノニカルWNTシグナル伝達を活性化する(Katoh and Katoh,2007)。WNT5Aの発現は、多様な腫瘍実体について記述されている。例えば、Wnt5aの異常なタンパク質の発現が、前立腺がんの28%で観察され、それはそこで攻撃性を促進した(Yamamoto et al.,2010)。さらに、WNT5Aの過剰発現は、卵巣がん(Badiglian et al.,2009)、黒色腫(Da Forno et al.,2008;Weeraratna et al.,2002)、GBM(Yu et al.,2007)、肺がん(Huang et al.,2005)、および膵臓がん(Ripka et al.,2007)における、予後不良および/または腫瘍悪性度増大に関連することが記載される。HCCでは、カノニカルWntシグナル伝達経路が腫瘍開始に寄与して、非カノニカルシグナル伝達は腫瘍進行に寄与するようである(Yuzugullu et al.,2009)。
【0150】
TPX2、微小管関連、ホモログ(アフリカツメガエル(Xenopus laevis)))(TPX2)
TPX2は、紡錘体集合因子である。それは、アポトーシスにおける、有糸分裂紡錘体および微小管の正常な集合に必要である。TPX2は、クロマチンおよび/または動原体依存微小管核形成に必要である(Bird and Hyman,2008;Moss et al.,2009)。新規合成されたTPX2は、ほぼ全てのオーロラA活性化のために、そして卵母細胞成熟中の完全p53合成と生体内リン酸化のために必要である(Pascreau et al.,2009)。TPX2は、髄膜腫(Stuart et al.,2010)、喉頭の扁平上皮がん(SCCL)(Cordes et al.,2010)、経口扁平上皮がん(SCC)(Shigeishi et al.,2009)、肝細胞がん(HCC)(Satow et al.,2010)、膵臓腫瘍(Warner et al.,2009)、卵巣がん(Ramakrishna et al.,2010)、肺の扁平上皮がん(Lin et al.,2006;Ma et al.,2006)などの多数の腫瘍型で過剰発現される、細胞周期関連タンパク質である。それは、頻繁にオーロラAと共に同時過剰発現されて、発がん特性がある新規機能単位を生じる(Asteriti et al.,2010)。TPX2発現は、肺がんにおける予後指標である(Kadara et al.,2009)。
【0151】
ヒアルロン酸媒介運動性受容体(RHAMM)(HMMR)
ヒアルロン酸媒介運動性RHAMM(HMMR)のための受容体は、細胞内で、ならびに細胞膜上で、異なる機能を発揮する。RHAMMは、細胞表面に輸送され得て、そこでヒアルロン酸(HA)に結合し、HA受容体CD44と相互作用する。細胞運動性、創傷治癒、および浸潤のような過程は、RHAMMによって調節される(Sohr and Engeland,2008)。RHAMM(HYA媒介運動性受容体)は、ヒアルロナン(HYA)受容体の1つである(Gares and Pilarski,2000)。またがん細胞は、HYAへの結合部位(CD44、RHAMMなど)を示して、HYAはがん細胞を免疫細胞の攻撃から保護する。血清HYAは、転移性患者において上昇することが多い(Delpech et al.,1997)。さらにHYAと、がん細胞上のRHAMM(HMMR)およびCD44との相互作用は、腫瘍の進行および内転移の促進に重要であることが提案されている(Li et al.,2000b)。さらにRHAMMは、いくつかのがん組織で過剰発現される(Tzankov et al.,2011);(Kramer et al.,2010);(Twarock et al.,2010);(Shigeishi et al.,2009);(Zlobec et al.,2008);(Li et al.,2000a))。
【0152】
ADAMメタロペプチダーゼドメイン8(ADAM8)
ADAM8は、ADAM (ディスインテグリンおよびメタロプロテアーゼドメイン)ファミリーのメンバーである。ADAM8をはじめとする多数のADAM種がヒト悪性腫瘍で発現され、そこで成長因子機能およびインテグリン機能の制御に関与して、細胞増殖および浸潤の促進をもたらす(Mochizuki and Okada,2007)。ADAM8の発現は、EGFRと正の相関性があった。どちらも、主に細胞質内と細胞膜上で発現された(Wu et al.,2008)。ADAM8は、検査された肺がんのほとんどで大量に発現された。ADAM8の外来性発現は、哺乳類細胞の移動活性を増大させ、ADAM8が肺がんの進行に重要な役割を果たしてもよいことが示唆された(Ishikawa et al.,2004)。ADAM8は、肺がんの予後不良と関連付けられている(Hernandez et al.,2010)。ADAM8の過剰発現はより短い患者生存期間と関係があり、それはRCCにおける遠隔転移の良好な予測因子であった(Roemer et al.,2004b;Roemer et al.,2004a)。さらに、ADAM8の発現レベルおよびプロテアーゼ機能は、神経膠腫細胞の侵入性の活性と相関し、脳腫瘍内の腫瘍浸潤で、ADAM8が重要な役割を役割を果たしてもよいことが示唆された(Wildeboer et al.,2006)。
【0153】
コラーゲンα-3(VI)鎖タンパク質(COL6A3)
COL6A3は、VI型コラーゲンの3本のα鎖の1つである、α-3鎖をコードする。タンパク質ドメインは、細胞外基質タンパク質に結合することが示されており、これは基質要素の組織化におけるこのコラーゲンの重要性を説明する相互作用である。
【0154】
コラーゲンVIの過剰発現を通じた細胞外基質の再構築は、卵巣がん細胞内のシスプラチン抵抗性に寄与する。コラーゲンVIの存在は、卵巣がん予後因子である腫瘍悪性度と相関した(Sherman-Baust et al.,2003)。COL6A3は、結腸直腸腫瘍(Smith et al.,2009a)、唾液腺がん(Leivo et al.,2005)において過剰発現され、胃がん(Yang et al.,2007)において差次的に発現される。COL6A3は、腫瘍特異的スプライス変異がある7つの遺伝子の1つとして同定された。検証された腫瘍特異的スプライシング変化は高度に一貫しており、正常サンプルとがんサンプルを明確に分けられるようにして、場合によっては異なる腫瘍病期でさえも明確に分けられるようにした(Thorsen et al.,2008)。
【0155】
Thy-1細胞表面抗原(THY1)
Thy-1(CD90)は、T細胞、胸腺細胞、神経細胞、内皮細胞、および線維芽細胞をはじめとする多数の細胞型の上で発現される、25~37kDaのグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー型グリコールタンパク質である。Thy-1の活性化は、T細胞活性化を促進し得る。Thy-1はまた、細胞接着、神経突起伸長、腫瘍成長、腫瘍抑制、移動、創傷治癒、および細胞死をはじめとする多数の非免疫性生物学的過程にも影響を及ぼす。Thy-1は、細胞-細胞および細胞-マトリックス相互作用の重要な制御因子であり、神経再生、転移、炎症、および線維症において重要な役割がある(Rege and Hagood,2006b;Rege and Hagood,2006a)。さらに、Thy-1は、胚性でなく成人の血管新生マーカーのようである。サイトカインは、Thy-1を上方制御するが、成長因子は上方制御せず、成人血管新生の病因における炎症の重要性が示唆される(Lee et al.,1998)。肺の正常組織または良性腫瘍細胞と比較して、肺がん細胞核内に位置するThy-1の顕著な過剰発現があり、それはNSCLC患者の予後に関連する要素の1つである。したがってThy-1は、肺がん病理学における新規潜在型悪性マーカーであってもよい(Chen et al.,2005b)。Thy-1は、様々な種類の幹細胞(間葉系幹細胞、肝臓幹細胞(「卵形細胞」))(Masson et al.,2006)、角化細胞幹細胞(Nakamura et al.,2006)、および造血幹細胞(Yamazaki et al.,2009)のための代理マーカーと見なし得る。
【0156】
脱ヨウ素酵素、ヨードチロニン、II型(DIO2)
DIO2遺伝子によってコードされるタンパク質は、ヨードチロニン脱ヨウ素酵素ファミリーに属する。それは甲状腺で高度に発現され、グレーブス病および甲状腺腫がある患者における、甲状腺T3産生の相対的増大に顕著に寄与してもよい(Meyer et al.,2008);(de Souza Meyer et al.,2005))。遺伝子発現パターンは、上方および下方進行型の鼻咽頭がん腫(NPC)の間で有意差がある。DIO2遺伝子の発現は、上方進行型(局所的増殖および頭蓋底浸潤)よりも、下方進行型(下方=遠隔転移)でより高く、それはNPCの転移可能性と密接に関係していてもよい(Liang et al.,2008)。DIO2 mRNAならびにDIO2活性は、脳腫瘍で発現される(Murakami et al.,2000)。肺におけるD2活性は、肺末梢部と肺がん組織に存在して類似している(Wawrzynska et al.,2003)。
【0157】
ペリオスチン、骨芽細胞特異的因子(POSTN)
POSTNは、ファシクリンファミリーと類似し細胞生存および血管新生に関与するタンパク質をエンコードする遺伝子であり、様々なタイプのヒトがんにおける腫瘍進行の有望なマーカーとして登場した(Ruan et al.,2009)。
【0158】
ペリオスチンタンパク質またはmRNAの高度発現は、乳房(Zhang et al.,2010b)、結腸(Kikuchi et al.,2008)、頭頸部(Kudo et al.,2006)、膵臓(Kanno et al.,2008)、乳頭甲状腺(Puppin et al.,2008)、前立腺(Tischler et al.,2010)、卵巣(Choi et al.,2010)、肺(Takanami et al.,2008)、および肝臓(Utispan et al.,2010)がん、ならびに食道扁平上皮がん(Kwon et al.,2009)をはじめとする固形腫瘍のほとんどで検出された。ペリオスチンは、肺がんにおいて異常に高度に発現され、血管新生、浸潤、および転移と相関する(Takanami et al.,2008)。A549非小細胞肺がん(NSCLC)細胞内のペリオスチンのサイレンシングは、腫瘍細胞成長を阻害して細胞浸潤を低下させる(Wu et al.,2013)。
【0159】
SLIT1(スリットホモログ1(ショウジョウバエ))、SLIT2(スリットホモログ2(ショウジョウバエ))
SLIT(SLIT1、SLIT2、およびSLIT3)は、ROBO受容体を通じたシグナル伝達によって、発達中に、細胞とそれらの環境の間の位置的相互作用を媒介する分泌タンパク質のファミリーである(Hinck,2004)。しかしSLIT/ROBOシグナル伝達は、発達に限定されず、これらのシグナルの喪失は、腫瘍進行中に重要な役割を果たす可能性が高い。SlitおよびRoboは、それらのプロモーターが上皮がんにおいて頻繁に過剰メチル化されるので、腫瘍抑制遺伝子候補と見なされる(Narayan et al.,2006;Schmid et al.,2007;Latil et al.,2003)。採取されたヒト乳腺腫の約50%で、SLIT2またはSLIT3遺伝子発現が発現停止されている(Sharma et al.,2007)。SLIT2過剰メチル化は、NSCLCで頻繁に検出されて、様々な臨床的特徴と関係がある(Suzuki et al.,2013)。
【0160】
TLX3(T細胞白血病ホメオボックス3)
TLX3(RNXまたはHOX11L2としてもまた知られている)は、DNA結合核転写因子をコードするオーファンホメオボックス遺伝子のファミリーに属する。HOX11遺伝子ファミリーのメンバーは、高度に保存されたホメオドメイン内でシトシンを置き換えるスレオニン47によって特徴付けられる(Dear et al.,1993)。TLX3は、発達中の延髄中でユニークに発現され、一次中継内臓感覚神経と、脳幹内のほとんどの(ノル)アドレナリン作動性中心の適切な形成に必要であり、特に、心臓血管および呼吸器系の生理学的制御に関与する(Qian et al.,2001)。TLX3の発現はまた、T細胞急性リンパ球性白血病に罹患した小児の20%および成人の13%からの白血病サンプル中でも、検出されているが(Cave et al.,2004)、この遺伝子は正常なT細胞分化には関与しない(Ferrando et al.,2004)。
【0161】
CEP192(中心体タンパク質192kDa)
中心体は、紡錘体形成および染色体分離をはじめとする様々な細胞過程において重要な役割を果たす。CEP192は、哺乳類、ショウジョウバエ、およびC.エレガンス(C.elegans)中で、中心体バイオジェネシスおよび機能において重要な役割を果たす中心体タンパク質である(Gomez-Ferreria et al.,2012)。それは、その上でγチューブリン環複合体と、微小管核形成および紡錘体集合に関与するその他のタンパク質とが、有糸分裂中に機能性になる、足場の形成を刺激する(Gomez-Ferreria et al.,2007)。
【0162】
ANKS1A(アンキリンリピートおよび不稔性αモチーフドメイン含有1A)
アンキリンリピートおよびSAMドメイン含有タンパク質1Aは、ヒトではANKS1A遺伝子によってコードされるタンパク質である(Nagase et al.,1996)。ANKS1Aは、受容体チロシンキナーゼ様EGFRおよびPDGFRの標的およびシグナル伝達物質として最初に記載されており(Pandey et al.,2002)、より最近では受容体チロシンキナーゼEphA8の相互作用パートナーとして記載されている(Shin et al.,2007)。最近の研究では、単一ヌクレオチド多形性(SNP)が、348人の進行型NSCLC患者において遺伝子型同定された。研究者らは、予後に関連がある17個の上位候補SNPを同定した。SNPは、ANKS1A遺伝子のゲノム領域内に位置した(Lee et al.,2013)。
【0163】
CEP250(中心体タンパク質250kDa)
CEP250遺伝子は、細胞周期の間期における中心粒-中心粒接着に必要なコア中心体タンパク質をコードする(Mayor et al.,2002)。照射混合解析によって、Fry et al.(1998)は、CEP250遺伝子をおよそ20q11.2で染色体20の動原体領域にマップした(Fry et al.,1998)。Mayor et al.(2002)は、ヒト骨肉腫細胞系内のCEP250の過剰発現が、大型中心体関連構造体の形成をもたらしたことを発見した。CEP250の過剰発現は、中心体分離または細胞分裂を妨げなかったが、細胞周期調節性活性が、中心体からCEP250を解離させたことを示唆した(Mayor et al.,2002)。
【0164】
MDN1(MDN1、midasinホモログ(酵母))
MDN1、midasinホモログ(酵母)は、ヒトではMDN1遺伝子によってコードされるタンパク質である。Midasinは、それに対してデータが入手できる全ての真核生物中に、良好に保存されたおよそ600kDaのタンパク質をエンコードする単一コピー遺伝子として存在する。ヒトでは、遺伝子は6q15に位置して、予測された5596残基(632kDa)のタンパク質をコードする(Garbarino and Gibbons,2002)。最近、MDN1は、乳がん管腔型Bサブタイプにおいて変異することが分かった。MDN1は、この侵襲性サブタイプの発生およびホルモン抵抗性において、役割を有してもよい(Cornen et al.,2014)。
【0165】
OLFM1(オルファクトメジン1)
Noelin-1とも称されるOLFM1は、オルファクトメジンドメインを含有するタンパク質のファミリーに属する分泌糖タンパク質であり、神経管による神経冠細胞の産生の調節において重要な役割を果たす(Barembaum et al.,2000)。オルファクトメジンは、元来、嗅覚神経の化学感覚樹状突起を取り囲む粘液層の主要構成要素として同定された(Kulkarni et al.,2000)。オルファクトメジン1タンパク質の発現は、その他の組織型の肺がんおよび正常な肺組織よりも、肺腺がんで有意により高かった(Wu et al.,2010)。さらにOLFM1は、子宮内膜がん、ユーイング肉腫、および神経芽細胞腫において、調節解除される(Wong et al.,2007;Allander et al.,2002;Khan et al.,2001)。
【0166】
BUB1B((ベンゾイミダゾール非阻害性出芽1ホモログβ(酵母))
BubR1とも称されるBUB1Bは、コア有糸分裂チェックポイント構成要素であり、それは姉妹染色分体を結合する接着環のセパラーゼ媒介切断を統合することによって分裂後期を開始するユビキチンE3リガーゼであるCdc20活性化後期促進複合体(APC/CCdc20)に結合して、それを阻害する(Baker et al.,2004)。BubR1は、有糸分裂チェックポイント活性化によってだけでなく、染色体-紡錘体付着の制御によってもまた、適切な染色体分離に寄与する(Malureanu et al.,2009;Lampson および Kapoor,2005)。損なわれた紡錘体チェックポイント機能が、がんの多数の形態で発見されている。BubR1の変異は、異数性発現と、腫瘍疾病素質と、短寿命、成長および精神遅滞、白内障、および顔面異形症をはじめとするいくつかの早老性形質とによって特徴付けられる稀なヒト症候群である、多彩異数性モザイク(MVA)と関連付けられている(Matsuura et al.,2006)。
【0167】
PI4KA(ホスファチジルイノシトール4-キナーゼ、触媒性、α)
4種の異なるホスファチジルイノシトール4-キナーゼ(PI4K)が、ヒト細胞で発現される。これらのイソ酵素(PI4KA、PI4KB、PI4K2A、およびPI4K2B)は、細胞膜の細胞質面におけるホスファチジルイノシトール(PtdIns)のリン酸化を触媒してホスファチジルイノシトール4-リン酸(PtdIns4P)の生成をもたらす(Minogue and Waugh,2012)。PI4KAは、小胞体(ER)に主に見られる。その活性は、ER出口部位の形成(Blumental-Perry et al.,2006)、および原形質膜内のPtdIns4P濃度(Balla et al.,2008)の双方を制御するようである。研究グループは、PI4KA mRNAが、健常組織よりもHCCでより豊富なことを発見した。この上方制御は、HCCにおける分化不良および能動的増殖速度の双方と、有意に相関した。そのためPI4KAは、HCCの確立された予後モデルを改善するための新規分子マーカーとして使用し得る(Ilboudo et al.,2014)。
【0168】
AURKB(オーロラキナーゼB)
オーロラBキナーゼは、有糸分裂紡錘体のセントロメアへの付着において機能するタンパク質である(Kim et al.,2011)。AURKBは、動原体近くの微小管に局在する(Kunitoku et al.,2003)。オーロラキナーゼは多様な腫瘍細胞系で過剰発現され、これらのキナーゼは、腫瘍形成において役割を有するかもしれないことが示唆され、既にがん診断および治療法のための潜在的標的になっている(Fu et al.,2007)。最近、NSCLCがある患者の予後と密接に結び付いている、5つの遺伝子(TOP2A、AURKB、BRRN1、CDK1、およびFUS)の遺伝子シグネチャーが同定された。この結果は、AURKBのような染色体凝縮に関与する遺伝子が、幹様特性とおそらく関連すること、そして肺腺がんにおける生存期間を予測するかもしれないことを示唆した(Perumal et al.,2012)。
【0169】
SLC3A2(溶質輸送体ファミリー3(二塩基性および中性アミノ酸輸送活性化因子)、メンバー2)
SLC3A2は、CD98(分化抗原群98)としてもまた知られている、大型中性アミノ酸輸送体(LAT1)の軽サブユニットを含んでなる(Lemaitre et al.,2005)。CD98ヘテロ二量体は、約40kDaの複数回貫通軽鎖とジスルフィド結合する、約80~85kDaのII型一回膜貫通型重鎖(CD98hc、4F2抗原重鎖またはFRP-1としてもまた知られている;ヒトおよびマウスでそれぞれ遺伝子SLC3A2およびSlc3a2によってコードされる)からなる(Deves and Boyd,2000)。CD98hcはインテグリンシグナル伝達増幅およびアミノ酸輸送において機能し;これらのどちらの機能も細胞の生存と増殖に寄与し得る(Cantor and Ginsberg,2012)。多数の腫瘍がCD98hc(SLC3A2)を発現し、その発現は、B細胞リンパ腫における予後不良と相関する。さらに、固形腫瘍内のCD98hcまたはCD98軽鎖発現を調べたほぼ全ての研究で、それらの発現が進行性または転移性腫瘍に相関することが示される(Kaira et al.,2009)。
【0170】
IFT81(鞭毛内輸送81ホモログ(クラミドモナス))
チューブリンなどの毛様体前駆体の、細胞質から毛様体先端への鞭毛内輸送(IFT)は、ほとんどの真核生物細胞上に見られる毛髪様細胞小器官である、繊毛の構築に関与する。点変異体によるIFT81のノックダウンおよびレスキュー実験は、IFT81によるチューブリン結合が、ヒト細胞内の毛様体形成に必要であることを示した(Bhogaraju et al.,2013)。IFT74/72と共に、IFT81は、繊毛形成に必要なIFT粒子を構築するためのコア複合体を形成する(Lucker et al.,2005)。
【0171】
COG4(オリゴマーゴルジ装置4構成要素)
COG複合体は、COG1~8と命名された8つのサブユニットからなり(Ungar et al.,2002;Whyte and Munro,2001)、COG1-4(LobeA)とCOG5-8(LobeB)の2つのサブ複合体に分類される(Ungar et al.,2005)。COG複合体は、常在性ゴルジ体タンパク質(グリコシル化酵素など)を再利用する小胞の係留において機能する(Pokrovskaya et al.,2011)。COG4遺伝子は、染色体16q22.1に位置する(Reynders et al.,2009)。Ungar et al.(2002)は、COG4が、ゴルジ体の構造と機能に重要であり、細胞内膜輸送に影響を及ぼし得ると結論付けた(Ungar et al.,2002)。
【0172】
NCBP1(核冠結合タンパク質サブユニット1、80kDa)
核冠結合タンパク質複合体は、RNAポリメラーゼIIの5’キャップに結合するRNA結合タンパク質である。Kataoka et al.(1994)は、mRNAスプライシングおよびRNA輸送に関与してもよい、HeLa細胞核抽出物に見られる80kD核冠結合タンパク質(NCBP1)をコードする遺伝子のクローニングを記載した(Kataoka et al.,1994)。体細胞ハイブリッドパネルからのゲノムDNAにハイブリダイズさせることで、Chadwick et al.(1996)は、NCBP1遺伝子を9q34.1にマップした(Chadwick et al.,1996)。
【0173】
NEFH(ニューロフィラメント、重鎖ポリペプチド)
NEFHがエンコードするニューロフィラメント重鎖は、神経細胞骨格ニューロフィラメントの主要構成要素の1つである。ニューロフィラメント重鎖ポリペプチド(NEFH、200kD)遺伝子は、染色体バンド22q12.2に存在し、神経線維腫症2型(NF2)ファミリーの発症前診断のためのDNAマーカーとして提案された。NEFHの喪失または下方制御は、ほとんどがヒト自律神経腫瘍または中枢神経細胞腫において報告されている(Mena et al.,2001;Segal et al.,1994)。さらに、ヒト前立腺がん(Schleicher et al.,1997)、明細胞類上皮腫瘍(Tanaka et al.,2000)、および小細胞肺がん(Bobos et al.,2006)における、NEFH発現の不在または低下が観察されている。興味深いことに、NEFHの過剰発現は、正常な細胞構造と機能を妨害して、細胞死を誘導した(Szebenyi et al.,2002)。
【発明を実施するための形態】
【0174】
本明細書の用法では、別段の記載がない限り、全ての用語は下述のとおり定義される。
【0175】
「ペプチド」という用語は、典型的に、隣接するアミノ酸のα-アミノおよびカルボニル基の間のペプチド結合によって互いに連結する、一連のアミノ酸残基を命名するために、本明細書で使用される。ペプチドは、好ましくは9アミノ酸長であるが、8アミノ酸長程度に短く、10、11、12、13または14アミノ酸長であり得て、MHCクラスIIペプチドの場合、それらは15、16、17、18、19または20アミノ酸長であり得る。
【0176】
さらに「ペプチド」という用語は、典型的に、隣接するアミノ酸のα-アミノおよびカルボニル基の間のペプチド結合によって互いに連結する、一連のアミノ酸残基の塩を含むものとする。好ましくは、塩は、薬学的に許容可能な塩である。
【0177】
「ペプチド」という用語は、「オリゴペプチド」を含むものとする。「オリゴペプチドペプチド」という用語は、典型的に、隣接するアミノ酸のα-アミノおよびカルボニル基の間のペプチド結合によって互いに連結する、一連のアミノ酸残基を命名するために、本明細書で使用される。オリゴペプチドの長さは、その中で正しいエピトープ(単数)またはエピトープ(複数)が保持されれば、本発明には重要でない。オリゴペプチドは、典型的に、約30アミノ酸残基長未満であり、約15アミノ酸長を超える。
【0178】
「本発明のペプチド」という用語は、上で定義される、配列番号1~配列番号92に記載のペプチドからなる、またはそれを含んでなる、ペプチドを含むものとする。
【0179】
「ポリペプチド」という用語は、典型的に、隣接するアミノ酸のα-アミノおよびカルボニル基の間のペプチド結合によって互いに連結する、一連のアミノ酸残基を指す。正しいエピトープが保持されれば、ポリペプチドの長さは、本発明には重要でない。ペプチドまたはオリゴペプチドという用語とは対照的に、ポリペプチドという用語は、約30を超えるアミノ酸残基を含有する分子を指すことが意図される。
【0180】
ペプチド、オリゴペプチド、タンパク質、またはこのような分子をコードするポリヌクレオチドは、免疫応答を誘導する能力があれば「免疫原性」である(したがって本発明内における「免疫原」である)。。本発明では、免疫原性は、より具体的には、T細胞応答を誘導する能力と定義される。したがって「免疫原」は、免疫応答を誘導する能力がある分子であり、本発明では、T細胞応答を誘導する能力がある分子である。別の態様では、免疫原は、それに対する特異的抗体またはTCRを生じさせるのに使用される、ペプチド、ペプチドとMHCの複合体、オリゴペプチド、および/またはタンパク質であり得る。
【0181】
クラスI T細胞「エピトープ」は、クラスI MHC受容体に結合する短いペプチドを要して、三成分複合体(MHCクラスIα鎖、β-2-ミクログロブリン、およびペプチド)を形成し、それは、適切な親和性でMHC/ペプチド複合体に結合する適合T細胞受容体を保有するT細胞によって、認識され得る。MHCクラスI分子へのペプチド結合は、典型的に8~14アミノ酸長であり、最も典型的には9アミノ酸長である。
【0182】
ヒトには、MHCクラスI分子(ヒト白血球抗原(HLA)ともまた称されるヒトのMHC分子)をコードする、3つの異なる遺伝子座、HLA-A、HLA-B、およびHLA-Cがある。HLA-A*01、HLA-A*02、およびHLA-B*07は、これらの遺伝子座から発現され得る、異なるMHCクラスI対立遺伝子の例である。
【0183】
【0184】
したがって治療および診断目的では、いくつかの異なるHLAクラスII受容体と適切な親和性で結合するペプチドが、非常に望ましい。いくつかの異なるHLAクラスII分子に対するペプチド結合は、乱交雑バインダーと称される。
【0185】
本明細書の用法では、DNA配列への言及は、一本鎖および二本鎖DNAの双方を含む。したがって、特異的配列は、文脈上明らかに別の意味が示唆されない限り、このような配列の一本鎖DNA、このような配列とその補体との二本鎖(二本鎖DNA)、およびこのような配列の補体を指す。「コード領域」という用語は、その天然ゲノム環境内で、遺伝子の発現産物を天然にまたは正常にコードする遺伝子の部分、すなわち、遺伝子の天然発現産物を生体内でコードする領域を指す。
【0186】
コード領域は、非変異型(「正常」)、変異型または改変遺伝子に由来し得て、または当業者に周知のDNA合成法を使用して実験室で完全に合成された、DNA配列または遺伝子にさえ由来する。
【0187】
「ヌクレオチド配列」という用語は、デオキシリボヌクレオチドのヘテロ重合体を指す。
【0188】
特定のペプチド、オリゴペプチド、またはポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、天然起源であってもよく、またはそれらは合成的に構築されてもよい。一般に、本発明のペプチド、ポリペプチド、およびタンパク質をエンコードするDNA断片は、cDNAフラグメントと短いオリゴヌクレオチドリンカーから構築され、またはひと続きのオリゴヌクレオチドから構築されて、微生物またはウイルスオペロンに由来する調節因子を含んでなる、組換え転写単位で発現できる合成遺伝子を提供する。
【0189】
本明細書の用法では、「ペプチドをコードする(またはエンコードする)ヌクレオチド」という用語は、それによって配列が発現される生体系と適合性の人工(人造)開始および停止コドンを含むペプチドをコードする、ヌクレオチド配列を指す。
【0190】
「発現産物」という用語は、遺伝子の、そして遺伝コード縮重に起因する同等物をコードし、したがって同一アミノ酸をコードする任意の核酸配列の、天然翻訳産物である、ポリペプチドまたはタンパク質を意味する。
【0191】
コード配列に言及する場合、「フラグメント」という用語は、その発現産物が、完全コード領域の発現産物と本質的に同一の生物学的機能または活性を保つ、完全未満のコード領域を含んでなるDNAの部分を意味する。
【0192】
「DNA断片」という用語は、別々のフラグメントの形態の、またはより大型のDNAコンストラクトの構成要素としての、DNAポリマーを指し、それは、実質的に純粋な、すなわち、混入内在性物質を含まない形態で、例えばクローニングベクターを使用する標準生化学的方法によって、断片およびその構成ヌクレオチド配列を同定、操作、および回収できるようにする量または濃度で、少なくとも1回単離されたDNAに由来する。このような断片は、読み取り枠の形態で提供され、それは、典型的に真核生物遺伝子内に存在する内部非翻訳配列またはイントロンによって、中断されていない。非翻訳DNA配列は、読み取り枠下流に存在してもよく、それはそこでコード領域の操作または発現を妨げない。
【0193】
「プライマー」という用語は、短い核酸配列を意味し、それはDNAの1本鎖と対合し得て、DNAポリメラーゼがそこでデオキシリボヌクレオチド鎖合成を開始する、遊離3’-OH末端を提供する。
【0194】
「プロモーター」という用語は、転写を開始するためのRNAポリメラーゼ結合に関与する、DNAの領域を意味する。
【0195】
「単離」という用語は、物質が、その元の環境(例えばそれが天然起源であれば、天然環境)から取り出されることを意味する。例えば、生きている動物中に存在する天然ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、単離されていないが、天然システムで共存する物質の一部または全部から分離された同一ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、単離されている。このようなポリヌクレオチドは、ベクターの一部であり得ておよび/またはこのようなポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、組成物の一部であり得て、このようなベクターまたは組成物がその天然環境の一部でないと言う意味で、なおも単離されている。
【0196】
本発明によって開示されるポリヌクレオチド、および組換えまたは免疫原性ポリペプチドは、「精製」形態であってもよい。「精製」という用語は、完全に純粋であることを要求せず;むしろ、それは相対的定義であることが意図されて、これらの用語が当業者によって理解されるように、高度に精製された調製物、または部分的にのみ精製された調製物を含み得る。例えば、cDNAライブラリーから単離された個々のクローンは、電気泳動的に均一に、従来法で精製されている。少なくとも1桁、好ましくは2または3桁、より好ましくは4または5桁への、出発原料または天然物質の精製が、明示的に検討される。さらに、重量基準で、好ましくは99.999%、または少なくとも99.99%または99.9%;さらに望ましくは99%以上の純度を有する、特許請求されるポリペプチドが、明示的に検討される。
【0197】
本発明によって開示される核酸およびポリペプチド発現産物、ならびにこのような核酸および/またはこのようなポリペプチドを含有する発現ベクターは、「富化形態」であってもよい。本明細書の用法では、「富化」という用語は、(例えば)その天然濃度の少なくとも約2、5、10、100、または1000倍の物質濃度を意味し、有利には重量基準で0.01%、好ましくは重量基準で少なくとも約0.1%である。重量基準で約0.5%、1%、5%、10%、および20%の富化調製物もまた、検討される。本発明を構成する、配列、コンストラクト、ベクター、クローン、およびその他の物質は、有利には、富化または単離形態であり得る。
【0198】
「活性フラグメント」という用語は、単独で、または任意選択的に適切なアジュバントと共に、例えば、ウサギまたはマウスなどのそしてまたヒトを含む哺乳類などの動物に投与されると、免疫応答を生じるフラグメント(すなわち免疫原性を有する)を意味し、このような免疫応答は、ヒトなどのレシピエント動物におけるT細胞応答を刺激する形態を取る。代案としては、「活性フラグメント」はまた、生体外でT細胞応答を誘導するのに使用してもよい。
【0199】
本明細書の用法では、ポリペプチドとの関連で使用される場合、「部分」、「断片」、および「フラグメント」という用語は、アミノ酸残基などの連続する残基の配列を指し、その配列は、より大型の配列の部分集合を形成する。例えば、トリプシンまたはキモトリプシンなどの一般的エンドペプチダーゼのいずれかによってポリペプチドを処理した場合、このような処理から得られるオリゴペプチドは、出発ポリペプチドの部分、断片またはフラグメントに相当する。ポリヌクレオチドに関して使用される場合、これらの用語は、エンドヌクレアーゼのいずれかによる前記ポリヌクレオチドの処理によって生じる生成物を指す。
【0200】
本発明によると、配列に言及する場合、「同一性百分率」または「パーセント同一」という用語は、比較される配列(「比較配列」)と、記載されまたは特許請求される配列(「参照配列」)とのアライメント後に、配列が、特許請求されまたは記載される配列と比較されることを意味する。次に同一性百分率は、次式に従って判定される:
同一性百分率=100[1-(C/R)]
式中、Cは、参照配列と比較される配列との間のアライメント長にわたる、参照配列と比較配列の間の差異の数であり、
(i)比較配列中に対応する整列塩基またはアミノ酸を有しない参照配列中の各塩基またはアミノ酸、および
(ii)参照配列中の各ギャップ、および
(iii)比較配列中の整列塩基またはアミノ酸と異なる参照配列中の各整列塩基またはアミノ酸が、差異を構成して、
(iiii)アライメントは、整合配列の1位から開始しなくてはならず;
Rは、比較配列とのアライメント長にわたる参照配列中の塩基またはアミノ酸の数であり、参照配列中に作成される任意のギャップもまた塩基またはアミノ酸として数えられる。
【0201】
比較配列とそれに対して同一性百分率が上のように計算される参照配列との間に、特定の最小同一性百分率とほぼ同一のまたはそれ以上のアライメントが存在すれば、その中に上記のように計算された同一性百分率が特定の同一性百分率未満であるアライメントが存在したとしても、比較配列は、参照配列との特定の最小同一性百分率を有する。
【0202】
本明細書で開示される元の(未修飾)ペプチドは、特に明記しない場合は、ペプチド鎖内の異なる、おそらくは選択的な部位における、1つまたは複数の残基の置換によって修飾され得る。
【0203】
好ましくはこれらの置換は、アミノ酸鎖の末端に位置する。このような置換は、保存的性質であってもよく、例えば、疎水性アミノ酸が別の疎水性アミノ酸によって置換されるなど、構造および特徴の類似したアミノ酸によってアミノ酸が置換される。さらにより保存的な置換は、ロイシンのイソロイシンによる置換などの、同一または類似サイズおよび化学的性質のアミノ酸の置換である。天然起源相同タンパク質ファミリーの配列多様性の研究では、特定のアミノ酸置換は、他よりも耐容されることが多く、これらは、元のアミノ酸とその置換物の間のサイズ、電荷、極性、および疎水性の類似性との相関を示すことが多く、これが「保存的置換」の定義の基礎である。
【0204】
保存的置換は、本明細書では、以下の5つのグループの1つの中の交換として定義される:グループ1-小型脂肪族、非極性またはわずかに極性の残基(Ala、Ser、Thr、Pro、Gly);グループ2-極性の負に帯電した残基およびそれらのアミド(Asp、Asn、Glu、Gln);グループ3-極性の正に帯電した残基(His、Arg、Lys);グループ4-大型脂肪族の非極性残基(Met、Leu、Ile、Val、Cys);およびグループ5-大型芳香族残基(Phe、Tyr、Trp)。
【0205】
より保存的でない置換は、アラニンのイソロイシン残基による置換などの、類似した特徴を有するがサイズがいくらか異なる別のアミノ酸による置換を伴うかもしれない。高度に非保存的な置換は、極性アミノ酸の、または塩基性アミノ酸の酸性アミノ酸による置換を伴うかもしれない。しかし化学効果は完全に予測可能でなく、遊離基置換は単純な化学的原理からは予測できない偶然の効果を生じる可能性があるので、このような「遊離基」置換は、潜在的に無効であるとして却下し得ない。
【0206】
もちろんこのような置換には、通常のL-アミノ酸以外の構造体が関与してもよい。したがってD-アミノ酸が、本発明の抗原性ペプチドに通常見られるL-アミノ酸を置換するかもしれず、依然として本明細書の開示に包含される。さらに置換目的で非標準R基(すなわち、天然タンパク質の通常の20個のアミノ酸に見られる以外のR基)を保持するアミノ酸もまた使用して、本発明による免疫原および免疫原性ポリペプチドを生成してもよい。
【0207】
2つ以上の位置における置換が、以下に定義されるように実質的に同等またはそれ以上の抗原活性のあるペプチドをもたらすことが発見された場合、これらの置換の組み合わせを試験して、置換の組み合わせが、ペプチドの抗原性に相加または相乗効果をもたらすかどうかを判定する。最大で、ペプチド内の4つ以下の位置が同時に置換される。
【0208】
本発明のペプチドは、最大4個のアミノ酸で伸長し得て、すなわち4:0~0:4の間のあらゆる組み合わせで、どちらかの末端に1、2、3または4個のアミノ酸を付加し得る。
【0209】
本発明による伸長の組み合わせは、表3から表し得る:
【0210】
【0211】
伸長のためのアミノ酸は、元のタンパク質配列のペプチドまたは任意のその他のアミノ酸であり得る。伸長を利用して、ペプチドの安定性または溶解度を高め得る。
【0212】
「T細胞応答」という用語は、生体外または生体内でペプチドによって誘導される、エフェクター機能の特異的増殖および活性化を意味する。MHCクラスI限定CTLでは、エフェクター機能は、ペプチドパルスまたはペプチド前駆体パルスまたは天然ペプチド提示標的細胞の溶解;好ましくはペプチドによって誘導されるインターフェロン-γ、TNF-α、またはIL-2であるサイトカインの分泌;好ましくはペプチドによって誘導されるグランザイムまたはパーフォリンであるエフェクター分子の分泌;または脱顆粒であってもよい。
【0213】
好ましくは、配列番号1~配列番号92のペプチドに特異的なCTLを置換ペプチドについて試験する場合、置換ペプチドが背景に対して最大溶解増大の半分を達成するペプチド濃度は、約1mM以下、好ましくは約1μM以下、より好ましくは約1nM以下、さらにより好適には約100pM以下、最も好ましくは約10pM以下である。置換ペプチドが、2人以上、少なくとも2人、より好ましくは3人の個人からのCTLによって認識されることもまた好ましい。
【0214】
したがって本発明のエピトープは、天然起源腫瘍関連または腫瘍特異的エピトープと同一であってもよく、またはそれらが実質的に同一の抗原活性を有しさえすれば、4つ以下の残基が参照ペプチドと異なるエピトープを含んでもよい。
【0215】
免疫応答の刺激は、宿主免疫系によって外来性として認識された抗原の存在に依存する。腫瘍関連抗原の存在の発見は、今や、宿主の免疫系を用いて、腫瘍成長に介入する可能性を高めた。免疫系の体液性および細胞性アームの双方を活用する様々な機構が、がん免疫療法のために目下探求されている。
【0216】
細胞性免疫応答の特定の要素は、腫瘍細胞を特異的に認識して破壊する能力がある。腫瘍浸潤性細胞集団からの、または末梢血からの細胞傷害性T細胞(CTL)の単離は、がんに対する自然免疫防御において、このような細胞が重要な役割を果たすことを示唆する。特に、主要組織適合性複合体(MHC)を保有して、細胞質ゾル内に位置するタンパク質または欠陥リボソーム産物(DRIPS)に由来する、通常は8~12残基のペプチドのクラスI分子を認識するCD8陽性T細胞が、この応答において重要な役割を果たす。ヒトのMHC分子はまた、ヒト白血球抗原(HLA)とも称される。
【0217】
MHCクラスI分子は、主に内在性の細胞質または核タンパク質、DRIPS、およびより大型のペプチドのタンパク質分解的切断から得られる、ペプチドを提示する、核を有する大多数の細胞上にある。しかし、エンドソームコンパートメントまたは外来性起源に由来するペプチドもまた、MHCクラスI分子上に頻繁に見られる。この非古典的様式のクラスI提示は、文献中で交差提示と称される。
【0218】
CD8およびCD4依存性のどちらのタイプの応答も、共に相乗的に抗腫瘍効果に寄与するので、CD8陽性CTL(MHCクラスI分子)またはCD4陽性CTL(MHCクラスII分子)のどちらかによって認識される腫瘍関連抗原の同定および特性解析は、腫瘍ワクチンの開発において重要である。したがってどちらかのクラスのMHC複合体へのペプチド結合を含有するペプチド組成物を提供することが、本発明の目的である。
【0219】
がん治療に関連する重篤な副作用および費用を考慮すると、より良い予後診断法および診断法がぜひとも必要である。したがって一般的がん、特に肺がんのための生物マーカーに相当するその他の要素を同定する必要性がある。さらに一般的がん、特に肺がんの治療法で使用し得る要素を同定する必要性がある。
【0220】
本発明は、本発明のペプチドを過剰または排他的に提示する、がん/腫瘍、好ましくは肺がん、なおもより好ましくは非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において有用なペプチドを提供する。これらのペプチドは、質量分析法によって、原発性ヒト肺がんサンプル上でHLA分子によって天然に提示されることが示された(実施例1、および
図1を参照されたい)。
【0221】
それからペプチドが誘導される、起源遺伝子/タンパク質(「完全長タンパク質」または「基礎タンパク質」とも称される)は、非小細胞肺がんで、配列番号66~75は、胃がんおよび神経膠芽腫で、正常組織と比較して高度に過剰発現されることが示され(NSCLCについては実施例2、および
図2を参照されたい)、起源遺伝子の腫瘍との高度な関連性が実証された。さらに、ペプチドそれ自体も腫瘍組織上では強力に過剰提示されるが、正常組織では過剰提示されない(実施例3および
図3を参照されたい)。
【0222】
HLA結合ペプチドは、免疫系、具体的にはTリンパ球/T細胞によって、認識され得る。T細胞は、例えば誘導ペプチドを提示する肺がん細胞などの、認識されたHLA/ペプチド複合体を提示する細胞を破壊し得る。
【0223】
本発明のペプチドは、T細胞応答を刺激する能力があり、および/または過剰提示されることが示されており、したがって抗体および/またはTCR、特に本発明によるTCR生成のために利用し得る(実施例4および
図4を参照されたい)。さらに、ペプチドは、それぞれのMHCと複合体化した場合、同様に、抗体および/またはTCR、特に本発明によるTCR生成のために利用し得る。それぞれの方法は、当業者に良く知られており、同様にそれぞれの文献に見られる。したがって本発明のペプチドは、それによって腫瘍細胞を破壊し得る、患者における免疫応答を生じさせるのに有用である。患者における免疫応答は、理想的には免疫原性を増強する薬剤(すなわちアジュバント)との組み合わせで、記載されるペプチド、または適切な前駆体(例えば伸長ペプチド、タンパク質、またはこれらのペプチドをコードする核酸)を患者に直接投与することで、誘導し得る。本発明の標的ペプチドは、正常組織上では同等のコピー数で提示されないので、このような治療的ワクチン接種から生じる免疫応答は、腫瘍細胞に対して高度に特異的であることが予測され得て、患者の正常細胞に対する望まれない自己免疫反応のリスクを防止する。
【0224】
医薬組成物は、遊離形態または薬学的に許容可能な塩の形態のどちらかのペプチドを含んでなる。本明細書の用法では、「薬学的に許容可能な塩」は、開示されたペプチドの誘導体を指し、ペプチドは、薬剤の酸性または塩基性塩を生成することで修飾される。例えば、酸性塩は、適切な酸との反応を伴って、遊離塩基(典型的に中性形態の薬剤が中性-NH2基を有する)から調製される。酸性塩を調製するための適切な酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などの有機酸、ならびに例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸の双方が挙げられる。逆に、ペプチド上に存在してもよい酸部分の塩基性塩の調製物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、トリメチルアミンなどの薬学的に許容可能な塩基を用いて調製される。
【0225】
特に好ましい一実施形態では、医薬組成物は、酢酸(酢酸塩)、トリフルオロ酢酸または塩酸(塩化物)の塩として、ペプチドを含んでなる。
【0226】
がんを治療するために有用であるのに加えて、本発明のペプチドは、診断法としてもまた有用である。ペプチドは肺がん細胞から生じたので、そしてこれらのペプチドは正常組織には存在せずまたはより低レベルで存在すると判定されたので、これらのペプチドを利用してがんの存在を診断し得る。
【0227】
特許請求されるペプチドの組織生検上の存在は、がん診断において病理学者を補佐し得る。抗体、質量分析法または当該技術分野で既知のその他の方法による特定のペプチドの検出は、組織が悪性であるまたは炎症を起こしているまたは一般的に病的であることを病理学者に伝え得る。ペプチド基の存在は、病的組織の分類または下位分類を可能にし得る。
【0228】
患部組織検体上のペプチドの検出は、特にTリンパ球が作用機序に関与することが知られておりまたは予測される場合に、免疫系が関与する治療法の利点を判定できるようにする。MHC発現の喪失は、それによって感染悪性細胞が免疫監視を逃れる、十分に説明された機序である。したがってペプチドの存在は、この機序が、分析した細胞によって活用されていないことを示す。
【0229】
本発明のペプチドは、ペプチドまたはMHC分子と複合体化したペプチドに対するT細胞応答または抗体応答などの、これらのペプチドに対するリンパ球応答を分析するのに使用されるかもしれない。これらのリンパ球応答は、さらなる治療段階を決定するための予後マーカーとして使用し得る。これらの応答はまた、例えば、タンパク質、核酸、自系物質のワクチン接種や、リンパ球の養子免疫伝達などの異なる手段によるリンパ球応答の誘導を目指す、免疫療法アプローチにおける代理マーカーとして使用し得る。遺伝子治療の設定では、副作用の評価において、ペプチドに対するリンパ球応答を考慮し得る。リンパ球応答のモニタリングはまた、例えば移植片対宿主病および宿主対移植片病の検出など、移植治療の経過観察検査のための有益な手段かもしれない。
【0230】
本発明のペプチドを使用して、MHC/ペプチド複合体に対する特異的抗体を作成して開発し得る。これらは、毒素または放射性物質を患部組織に標的化する治療法のために、使用し得る。これらの抗体の別の用途は、PETなどのイメージング目的の放射性核種の患部組織への標的化であり得る。この用途は、小規模な転移の検出、または病的組織のサイズと正確な位置確認の判定を助け得る。
【0231】
したがってHLA限定抗原と複合体化したヒト主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはIIと特異的に結合する、組換え抗体を生成する方法を提供することが、本発明のさらなる態様であり、方法は、前記ヒト主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはIIを発現する細胞を含んでなる、遺伝子操作された非ヒト哺乳類を、前記HLA限定抗原と複合体化した可溶性形態のMHCクラスIまたはII分子によって免疫化するステップと;前記非ヒト哺乳類の抗体産生細胞から、mRNA分子を単離するステップと;前記mRNA分子によってコードされるタンパク質分子を提示する、ファージディスプレイライブラリーを作成するステップと;前記ファージディスプレイライブラリーから、少なくとも1つのファージを単離するステップとを含んでなり、前記少なくとも1つのファージは、前記HLA限定抗原と複合体化した前記ヒト主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはIIと特異的に結合する、前記抗体を提示する。
【0232】
HLA限定抗原と複合体化したヒト主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはIIと特異的に結合する抗体を提供することも、本発明のさらなる態様であり、抗体は、好ましくは、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、二重特異性抗体および/またはキメラ抗体である。
【0233】
本発明のさらに別の態様は、HLA限定抗原と複合体化したヒト主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはIIと特異的に結合する、前記抗体を生成する方法に関し、方法は、前記ヒト主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはIIを発現する細胞を含んでなる、遺伝子操作された非ヒト哺乳類を、前記HLA限定抗原と複合体化した可溶性形態のMHCクラスIまたはII分子によって免疫化するステップと;前記非ヒト哺乳類の抗体産生細胞から、mRNA分子を単離するステップと;前記mRNA分子によってコードされるタンパク質分子を提示する、ファージディスプレイライブラリーを作成するステップと;前記ファージディスプレイライブラリーから、少なくとも1つのファージを単離するステップとを含んでなり、前記少なくとも1つのファージは、前記HLA限定抗原と複合体化した前記ヒト主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはIIと特異的に結合可能な前記抗体を提示する。このような抗体および一本鎖クラスI主要組織適合性複合体を生成するそれぞれの方法、ならびにこれらの抗体を生成するためのその他のツールは、本発明の目的で、全てその内容全体を参照によって明示的に援用する、国際公開第03/068201号パンフレット、国際公開第2004/084798号パンフレット、国際公開第01/72768号パンフレット、国際公開第03/070752号パンフレット、およびCohen CJ,Denkberg G,Lev A,Epel M,Reiter Y.Recombinant antibodies with MHC-restricted,peptide-specific,T-cell receptor-like specificity:new tools to study antigen presentation and TCR-peptide-MHC interactions.J Mol Recognit.2003 Sep-Oct;16(5):324-32.;Denkberg G,Lev A,Eisenbach L,Benhar I,Reiter Y.Selective targeting of melanoma and APCs using a recombinant antibody with TCR-like specificity directed toward a melanoma differentiation antigen.J Immunol.2003 Sep 1;171(5):2197-207;およびCohen CJ,Sarig O,Yamano Y,Tomaru U,Jacobson S,Reiter Y.Direct phenotypic analysis of human MHC class I antigen presentation:visualization,quantitation,and in situ detection of human viral epitopes using peptide-specific,MHC-restricted human recombinant antibodies.J Immunol.2003 Apr 15;170(8):4349-61で開示される。
【0234】
好ましくは、抗体は、20ナノモル濃度未満、好ましくは10ナノモル濃度未満の結合親和性で複合体に結合し、それは本発明の文脈で「特異的」と見なされる。
【0235】
特異的ペプチド-MHC複合体を認識する可溶性T細胞受容体を生成する方法を提供することもまた、本発明のさらなる態様である。このような可溶性T細胞受容体は、特異的T細胞クローンから生じ得て、それらの親和性は、相補性決定領域を標的とする変異誘発によって増大させ得る。T細胞受容体の選択目的で、ファージディスプレイを利用し得る(米国特許第2010/0113300号明細書、Liddy N,Bossi G,Adams KJ,Lissina A,Mahon TM,Hassan NJ,et al.Monoclonal TCR-redirected tumor cell killing.Nat Med 2012 Jun;18(6):980-987)。ファージディスプレイにおいて、および薬剤としての実用において、T細胞受容体を安定化する目的で、例えば非天然ジスルフィド結合、その他の共有結合(一本鎖T細胞受容体)、または二量体化ドメインによって、αおよびβ鎖を連結させ得る(Boulter JM,Glick M,Todorov PT,Baston E,Sami M,Rizkallah P,et al.Stable,soluble T-cell receptor molecules for crystallization and therapeutics.Protein Eng 2003 Sep;16(9):707-711.;Card KF,Price-Schiavi SA,Liu B,Thomson E,Nieves E,Belmont H,et al.A soluble single-chain T-cell receptor IL-2 fusion protein retains MHC-restricted peptide specificity and IL-2 bioactivity.Cancer Immunol Immunother 2004 Apr;53(4):345-357;およびWillcox BE,Gao GF,Wyer JR,O’Callaghan CA,Boulter JM,Jones EY,et al.Production of soluble alphabeta T-cell receptor heterodimers suitable for biophysical analysis of ligand binding.Protein Sci 1999 Nov;8(11):2418-2423を参照されたい)。T細胞受容体は、標的細胞上で特定機能を発揮させるために、毒素、薬剤、サイトカイン(米国特許第2013/0115191号明細書を参照されたい)、抗CD3ドメインのようなエフェクター細胞漸増ドメインなどに、連結させ得る。さらにそれは、養子免疫伝達のために使用されるT細胞内で発現させ得る。
【0236】
さらなる情報は、国際公開第2004/033685A1号パンフレットおよび国際公開第2004/074322A1号パンフレットにある。TCRの組み合わせは、国際公開第2012/056407A1号パンフレットに記載される。さらなる生成方法は、国際公開第2013/057586A1号パンフレットで開示される。
【0237】
さらに、それらを使用して、生検サンプルに基づく病理学者のがん診断を確認し得る。
【0238】
過剰提示ペプチドを選択するために、中央値サンプル提示ならびに反復試験変動を示す、提示プロファイルが計算される。プロファイルは、関心のある腫瘍実体のサンプルを正常なサンプルのベースラインに並置させる。次に、線形混合効果モデルのp値を計算し(J.Pinheiro,D.Bates,S.DebRoy,Sarkar D.,R Core team.nlme:Linear and Nonlinear Mixed Effects Models.2008)、誤検出率によって複数試験について補正する(Y.Benjamini and Y.Hochberg.Controlling the False Discovery Rate:A Practical and Powerful Approach to Multiple Testing.Journal of the Royal Statistical Society.Series B(Methodological),Vol.57(No.1):289-300,1995)ことで、これらの各プロファイルを過剰提示スコアに統合し得る。
【0239】
質量分析法によるHLAリガンドの同定と相対的定量化のために、衝撃凍結サンプルからHLA分子を精製し、HLA関連ペプチドを単離した。単離ペプチドを分離して、オンラインナノエレクトロスプレーイオン化(nanoESI)液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS)実験によって、配列を同定した。得られたペプチド配列は、NSCLCサンプルから記録された天然TUMAPの断片化パターンを、同一配列の対応する合成参照ペプチドの断片化パターンと比較することで、確認された。ペプチドは、原発性腫瘍のHLA分子のリガンドとして直接同定されたので、これらの結果は、NSCLC患者から入手された原発性腫瘍組織上における、同定されたペプチドの天然プロセッシングおよび提示の直接的証拠を提供する。
【0240】
独自仕様の発見パイプラインXPRESIDENT(登録商標)v2.1(例えば、その内容全体を本明細書に援用する米国特許第2013-0096016号明細書を参照されたい)は、いくつかの異なる非がん性組織および臓器と比較した、がん組織上のHLA限定ペプチドレベルの直接的相対定量化に基づく、妥当な過剰提示ペプチドワクチン候補の同定と選択を可能にする。これは、独自仕様のデータ解析パイプラインによる獲得LC-MSデータ処理、配列同定のためのアルゴリズム組み合わせ、スペクトルクラスタリング、イオン計数、滞留時間アライメント、電荷状態のデコンボリューション、および正規化を使用した、無標識示差定量化の開発によって、達成された。
【0241】
各ペプチドおよびサンプルの誤差推定値を含む、提示レベルが確立された。腫瘍組織上で排他的に提示されるペプチド、および腫瘍内で過剰提示されるペプチドが、非がん性の組織および臓器との比較で同定された。
【0242】
50個の衝撃凍結NSCLC腫瘍サンプルからHLA-ペプチド複合体を精製して、HLA関連ペプチドをLC-MSによって単離し分析した。
【0243】
本出願に含まれる全てのTUMAPは、この原発性NSCLC腫瘍サンプル上のアプローチによって同定され、原発性NSCLC上のそれらの提示が確認された。
【0244】
複数のNSCLC腫瘍および正常組織上で同定されたTUMAPは、無標識LC-MSデータのイオン計数を使用して定量化された。方法は、ペプチドのLC-MSシグナル面積が、サンプル中のその豊富さに相関すると仮定する。様々なLC-MS実験におけるペプチドの全ての定量的シグナルは、中心傾向に基づいて正規化し、サンプルあたりで平均化して、提示プロファイルと称される棒グラフにマージさせた。提示プロファイルは、タンパク質データベース検索、スペクトルクラスタリング、電荷状態デコンボリューション(除電)、および滞留時間アライメント、および正規化のような、異なる解析法を統合する。
【0245】
したがって本発明は、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92からなる群から選択される配列を含んでなるペプチド、または配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92と、少なくとも90%相同的な(好ましくは同一の)それらの変異型、または前記ペプチドと交差反応するT細胞を誘導するそれらの変異型に関し、前記ペプチドは完全長ポリペプチドでない。
【0246】
本発明は、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92からなる群から選択される配列を含んでなるペプチド、または配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84と、少なくとも90%相同的な(好ましくは同一の)それらの変異型にさらに関し、前記ペプチドまたは変異型は、8~100、好ましくは8~30、最も好ましくは8~14アミノ酸の全長を有する。
【0247】
本発明は、ヒト主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはIIの分子に結合する能力を有する、本発明によるペプチドにさらに関する。
【0248】
本発明は、本発明によるペプチドにさらに関し、ペプチドは、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92に記載のアミノ酸配列からなり、またはそれから本質的になる。
【0249】
本発明は、本発明によるペプチドにさらに関し、ペプチドは、修飾されおよび/または非ペプチド結合を含む。
【0250】
本発明は、本発明によるペプチドにさらに関し、ペプチドは、融合タンパク質であり、特にHLA-DR抗原関連不変鎖(Ii)のN末端アミノ酸を含んでなり、またはペプチドは、例えば樹状細胞特異的抗体などの抗体に(またその中に)融合する。
【0251】
本発明は、本発明によるペプチドをエンコードする核酸にさらに関するが、ただしペプチドは完全ヒトタンパク質でない。
【0252】
本発明は、DNA、cDNA、PNA、RNAまたはそれらの組み合わせである、本発明による核酸にさらに関する。
【0253】
本発明は、本発明による核酸を発現する能力がある発現ベクターにさらに関する。
【0254】
本発明は、医療で使用するための、本発明によるペプチド、本発明による核酸、または本発明による発現ベクターにさらに関する。
【0255】
本発明は、本発明による核酸または本発明による発現ベクターを含んでなる宿主細胞にさらに関する。
【0256】
本発明は、抗原提示細胞である、本発明による宿主細胞にさらに関する。
【0257】
本発明は、抗原提示細胞が樹状細胞である、本発明による宿主細胞にさらに関する。
【0258】
本発明は、本発明によるペプチドを生成する方法にさらに関し、方法は、記載される宿主細胞を培養するステップと、宿主細胞またはその培養液からペプチドを単離するステップとを含んでなる。
【0259】
本発明は、活性化細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を生成するインビトロ法にさらに関し、方法は、生体外CTLを、適切な抗原提示細胞の表面に発現される抗原負荷ヒトクラスIまたはIIMHC分子に、前記CTLを抗原特異的様式で活性化するのに十分な時間にわたり接触させるステップを含んでなり、前記抗原は本発明による任意のペプチドである。
【0260】
本発明は、十分な量の抗原を抗原提示細胞に接触させることで、前記抗原が、適切な抗原提示細胞の表面に発現されるクラスIまたはIIMHC分子上に負荷される、記載される方法にさらに関する。
【0261】
本発明は、抗原提示細胞が、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92を含有する前記ペプチド、または前記変異型アミノ酸配列を、発現する能力がある発現ベクターを含んでなる、本発明による方法にさらに関する。
【0262】
本発明は、記載されるアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを異常に発現する細胞を選択的に認識する、本発明による方法によって生成される、活性化細胞傷害性Tリンパ球(CTL)にさらに関する。
【0263】
本発明は、患者において標的細胞を死滅させる方法にさらに関し、その標的細胞は、本発明による任意のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを異常に発現し、方法は、本発明による有効数の細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を患者に投与するステップを含んでなる。
【0264】
本発明は、薬剤としての、または薬剤の製造における、本発明による任意のペプチド、本発明による核酸、本発明による発現ベクター、本発明による細胞、または本発明による活性化細胞傷害性Tリンパ球の使用にさらに関する。
【0265】
本発明は、薬剤がワクチンである、本発明による使用にさらに関する。
【0266】
本発明は、薬剤ががんに対して有効である、本発明による使用にさらに関する。
【0267】
本発明は、前記がん細胞が、肺がん細胞、胃、胃腸、結腸直腸、膵臓または腎臓である、本発明による使用にさらに関する。
【0268】
本発明は、肺がんの予後診断で使用し得る、特定のマーカータンパク質および生物マーカーにさらに関する。
【0269】
さらに、本発明は、がん治療のための、本発明によって記載されるような新規標的の使用に関する。
【0270】
「抗体(単数)」または「抗体(複数)」という用語は、本明細書では広義に使用され、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の双方を含む。本発明によれば、「抗体」という用語には、所望の特性(例えば、肺がんマーカーポリペプチドの特異的結合、増大したレベルで肺がんマーカー遺伝子を発現する肺がん細胞への毒素送達、および/または肺がんマーカーポリペプチドの活性阻害)のいずれかを示しさえすれば、未変性または「完全」免疫グロブリン分子に加えて、これらの免疫グロブリン分子のフラグメントまたはポリマー、および免疫グロブリン分子のヒト化バージョンもまた含まれる。
【0271】
可能な場合は常に、本発明の抗体は、商業的供給元から購入されてもよい。また本発明の抗体は、周知の方法を使用して作成してもよい。当業者は、本発明の抗体を生成するために、完全長肺がんマーカーポリペプチドまたはその断片のどちらを使用してもよいことを理解するであろう。本発明の抗体を作成するために使用されるポリペプチドは、天然原料から部分的にまたは完全に精製されてもよく、または組換えDNA技術を使用して生成されてもよい。
【0272】
例えば、ABCA13、MMP12、DST、MXRA5、CDK4、HNRNPH、TANC2、1RNF213、SMYD3、およびSLC34A2、または配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92のポリペプチドの任意のその他のポリペプチド、またはその断片をエンコードするcDNAを、原核細胞(例えば細菌)または真核生物細胞(例えば、酵母、昆虫、または哺乳類細胞)で発現させ得て、その後、組換え体タンパク質を精製し、本発明による抗体を作成するのに使用される肺がんマーカーポリペプチドと特異的に結合する、モノクローナルまたはポリクローナル抗体調製物を作成するのに使用し得る。
【0273】
当業者は、モノクローナルまたはポリクローナル抗体の2つ以上の異なるセットの作成が、その目的の用途(例えば、ELISA、免疫組織化学的検査、生体内イメージング、免疫毒素療法)に必要な特異性および親和性がある抗体を得る可能性を最大化することを理解するであろう。抗体は、それに対して抗体が使用される目的に従って、既知の方法によってそれらの所望の活性について試験された(例えば、ELISA、免疫組織化学的検査、免疫療法など;抗体の作成および試験のさらなるガイダンスについては、例えば、Harlow and Lane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1988,new 2nd edition 2013を参照されたい)。例えば、抗体は、ELISAアッセイ、ウエスタンブロット、ホルマリン固定肺がんまたは冷凍組織切片の免疫組織化学染色中で試験してもよい。それらを最初に生体外特性解析した後、治療または生体内診断用途を意図した抗体が、公知の臨床試験法によって試験される。
【0274】
「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書の用法では、実質的に均質な抗体集団から入手される抗体を指し;すなわち、母集団を構成する個々の抗体は、微量で存在してもよい可能な自然発生的変異以外は同一である。本明細書では、「モノクローナル抗体」は、それらが所望の拮抗活性を示しさえすれば、その中で重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来しまたは特定の抗体クラスまたはサブクラスに属する、抗体中の対応する配列と同一または相同的である一方、鎖の残部が、別の種に由来しまたは別の抗体クラスまたはサブクラスに属する、抗体中の対応する配列と同一または相同的である、「キメラ」抗体、ならびにこのような抗体の断片を特に含む(その内容全体を参照によって援用する、米国特許第4,816,567号明細書)。
【0275】
本発明のモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法を使用して調製されてもよい。ハイブリドーマ法では、マウスまたはその他の適切な宿主動物が免疫剤によって典型的に免疫化されて、免疫剤と特異的に結合する抗体を産生するまたは産生できるリンパ球を生じさせる。代案としては、リンパ球は、生体外で免疫化されてもよい。
【0276】
モノクローナル抗体は、また、米国特許第4,816,567号明細書に記載されるものなどの組換えDNA法によって生成されてもよい。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して、容易に単離および配列決定し得る(例えば、マウス抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子と特異的に結合できる、オリゴヌクレオチドプローブを使用して)。
【0277】
インビトロ法もまた、一価の抗体を調製するのに適する。そのフラグメント、特にFabフラグメントを作成するための抗体の消化は、当該技術分野で公知の通例の技術を使用して達成し得る。例えば、消化は、パパインを使用して実施し得る。パパイン消化の例は、1994年12月22日に公開された国際公開第94/29348号パンフレット、および米国特許第4,342,566号明細書に記載される。抗体のパパイン消化は、それぞれ単一抗原結合部位があるFabフラグメントと称される、2つの同一の抗原結合フラグメントと、残留Feフラグメントとを典型的に生成する。ペプシン処理は、2つの抗原結合位置を有し依然として抗原を架橋する能力がある、フラグメントをもたらす。
【0278】
抗体フラグメントは、その他の配列に付着するかどうかに関わりなく、フラグメントの活性が非修飾抗体または抗体フラグメントと比較して顕著に変化せずまたは損なわれないという条件で、特定領域または特定アミノ酸残基の挿入、欠失、置換、またはその他の選択された修飾もまた含み得る。これらの修飾は、ジスルフィド結合能力のあるアミノ酸の除去/付加、そのバイオ寿命増大、その分泌特性改変などのいくつかの追加的な特性を提供し得る。いずれにしても、抗体フラグメントは、結合活性、結合領域における結合調節などの生理活性特性を有しなくてはならない。抗体の機能性または活性領域は、タンパク質の特定領域の変異誘発と、それに続く発現と、発現したポリペプチドの試験によって同定されてもよい。このような方法は、当該技術分野の熟練した実務家には容易に分かり、抗体フラグメントをエンコードする核酸の部位特異的変異誘発を含み得る。
【0279】
本発明の抗体は、ヒト化抗体またはヒト抗体をさらに含んでなってもよい。非ヒト(例えばマウス)抗体などのヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含有する、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはその断片(抗体のFv、Fab、Fab’またはその他の抗原結合部分配列など)である。ヒト化抗体としては、その中でレシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性、および能力を有する、マウス、ラットまたはウサギなどの非ヒト生物種(ドナー抗体)のCDRからの残基によって置換される、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)が挙げられる。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。ヒト化抗体はまた、レシピエント抗体または移入CDRまたはフレームワーク配列のどちらにも見られない、残基を含んでなってもよい。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つおよび典型的に2つの可変領域の実質的に全てを含んでなり、その中では、CDR領域の全てまたは実質的に全てが、非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FR領域の全てまたは実質的に全てが、ヒト免疫グロブリン共通配列のものである。ヒト化抗体は、至適には、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にヒト免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部もまた含んでなる。
【0280】
非ヒト抗体をヒト化する方法は、当該技術分野で周知である。通常、ヒト化抗体は、非ヒト起源から導入された1つまたは複数のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、「移入」残基と称されることが多く、それは典型的に「移入」可変領域から得られる。ヒト化は、齧歯類CDR(複数)またはCDR(単数)配列を対応するヒト抗体配列によって置換することで、基本的に実施し得る。したがって、このような「ヒト化」抗体は、キメラ抗体(米国特許第4,816,567号明細書)であり、その中では、実質的に非損傷ヒト可変領域未満が、非ヒト生物種からの対応する配列によって置換されている。実際には、ヒト化抗体は典型的にヒト抗体であり、その中では、いくつかのCDR残基と、おそらくはいくつかのFR残基とが、齧歯類抗体中の類似部位からの残基によって置換される。
【0281】
免疫化に際して、内在性免疫グロブリン生成不在下で、ヒト抗体の完全レパートリーを生成できる遺伝子組換え動物(例えばマウス)を用い得る。例えば、キメラおよび生殖細胞系変異マウスにおける、抗体重鎖連結領域遺伝子のホモ接合型欠失が、内在性抗体生成の完全阻害をもたらすことが記載される。このような生殖細胞系変異マウスにおけるヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子アレイの転写は、抗原チャレンジに際してヒト抗体の生成をもたらす。ヒト抗体はまた、ファージディスプレイライブラリー中でも生成し得る。
【0282】
本発明の抗体は、好ましくは薬学的に許容できる担体中で、対象に投与される。典型的に、製剤中で適当量の薬理的に許容可能な塩が使用されて製剤を等張にする。薬理的に許容可能な担体の例としては、生理食塩水、リンゲル液、およびデキストロース溶液が挙げられる。溶液のpHは、好ましくは約5~約8、より好ましくは約7~約7.5である。さらなる担体としては、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックス徐放性製剤が挙げられ、そのマトリックスは、例えば、フィルム、リポソームまたは微粒子などの造形品の形態である。例えば、投与される抗体の投与経路および濃度次第で、特定の担体がより好ましくあってもよいことが、当業者には明らかであろう。
【0283】
抗体は、注射(例えば、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内)によって、またはその有効形態での血流への送達を確実にする輸液などのその他の方法によって、対象、患者、または細胞に投与し得る。抗体はまた、腫瘍内または腫瘍周囲経路によって投与されて、局所性ならびに全身性の治療効果を発揮してもよい。局所注射または静脈注射が好ましい。
【0284】
抗体を投与するための有効投与量およびスケジュールは、経験的に判定してもよく、このような測定の実施は当該技術分野の技術範囲内である。当業者は、投与しなくてはならない抗体用量が、例えば、抗体を投与される対象、投与経路、使用される特定の抗体型、および投与されるその他の薬剤次第で変動することを理解するであろう。単独使用される抗体の典型的な1日量は、上述の要素次第で、1日あたり約1(μg/kg~最大100mg/kg体重またはそれ以上の範囲であるかもしれない。肺がんを治療するための抗体投与に続いて、治療用抗体の効力は、熟練した実務家に良く知られている様々な方法で評価され得る。例えば、標準腫瘍イメージング技術を使用して、治療を受ける対象中の肺がんのサイズ、数、および/または分布をモニターしてもよい。抗体投与不在下で起こるであろう疾患経過と比較して、腫瘍成長を停止させ、腫瘍収縮をもたらし、および/または新規腫瘍の発症を予防する、治療的に投与された抗体は、肺がん治療のための有効な抗体である。
【0285】
本発明の肺腫瘍マーカーABCA13、MMP12は、肺がん細胞で高度に発現され、正常細胞で極めて低レベルで発現されるので、ABCA13およびMMP12発現またはポリペプチド活性の阻害が、NSCLCを治療または予防するための任意の治療ストラテジーに組み込まれてもよい。
【0286】
アンチセンス療法の原理は、(転写または翻訳を介した)遺伝子発現の配列特異的抑制が、ゲノムDNAまたはmRNAと相補的アンチセンス種の間の細胞内部ハイブリダイゼーションによって達成されてもよいという仮説に基づく。このようなハイブリッド核酸二本鎖の形成は、標的腫瘍抗原エンコードゲノムDNAの転写、または標的腫瘍抗原mRNAのプロセッシング/輸送/翻訳および/または安定性を妨害する。
【0287】
アンチセンス核酸は、多様なアプローチによって送達され得る。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスRNAは、腫瘍細胞への取り込みを可能にする形態で、(例えば静脈注射によって)対象に直接投与し得る。代案としては、アンチセンスRNA(またはRNAフラグメント)をコードするウイルスまたはプラスミドベクターを、生体内の細胞に導入し得る。アンチセンス効果はまた、センス配列によって誘導し得る;しかし表現型変化の程度は、極めて変わりやすい。効果的なアンチセンス療法によって誘導される表現型変化は、例えば、標的mRNAレベル、標的タンパク質レベル、および/または標的タンパク質活性レベルの変化によって評価される。
【0288】
具体例では、アンチセンス遺伝子治療による肺腫瘍マーカー機能の阻害は、アンチセンス肺腫瘍マーカーRNAの対象への直接投与によって達成されてもよい。アンチセンス腫瘍マーカーRNAは、任意の標準的な技術によって生成および単離されてもよいが、高効率プロモーター(例えばT7プロモーター)の制御下にあるアンチセンス腫瘍マーカーcDNAを使用して、生体外転写によって最も容易に生成される。アンチセンス腫瘍マーカーRNAの細胞への投与は、下に記載される直接的な核酸投与法のいずれかによって実施し得る。
【0289】
遺伝子治療を使用してABCA13、およびMMP12機能を阻害するための代案のストラテジーは、抗ABCA13、MMP12抗体の、または抗ABCA13、MMP12抗体の一部の、細胞内発現を伴う。例えば、ABCA13、MMP12ポリペプチドと特異的に結合して、その生物学的活性を阻害するモノクローナル抗体をエンコードする遺伝子(または遺伝子フラグメント)は、核酸発現ベクター内で、特定の(例えば組織または腫瘍特異的)遺伝子制御配列の転写制御下に置かれる。次にベクターは、肺がん細胞またはその他の細胞に取り込まれるように対象に投与され、次に細胞は、抗ABCA13、MMP12抗体を分泌し、それによってABCA13、MMP12ポリペプチドの生物学的活性を妨げる。好ましくは、ABCA13、MMP12ポリペプチドは、胃がん細胞の細胞外表面に存在する。
【0290】
外来性DNAの対象細胞への投与と取り込み(すなわち、遺伝子導入または形質移入)を含む上述の方法では、本発明の核酸は裸のDNAの形態であり得て、または核酸は胃腫瘍マーカータンパク質発現を阻害するために、核酸を細胞に送達するベクター内にあり得る。ベクターは、アデノウイルスベクター(Quantum Biotechnologies,Inc.(Laval,Quebec,Canada)などの市販の調製物であり得る。核酸またはベクターの細胞への送達は、多様な機構を介し得る。一実施例として、送達は、リポフェクチン、リポフェクタミン(GIBCO-25 BRL,Inc.,Gaithersburg,Md.),SUPERFECT(Qiagen,Inc.Hilden,Germany)、およびTRANSFECTAM(Promega Biotec,Inc.,Madison,Wis.)などの市販のリポソーム調製物、ならびに当該技術分野で標準的な手順に従って開発されたその他のリポソームを使用して、リポソームを介し得る。さらに、本発明の核酸またはベクターは、その技術がGenetronics,Inc.(San Diego,Calif.)から入手できる電気穿孔によって、ならびにSONOPORATION装置(ImaRx Pharmaceutical Corp.,Tucson,Arizona)の手段によって、生体内に送達し得る。
【0291】
一実施例として、ベクター送達は、組換えレトロウイルスゲノムをパッケージし得るレトロウイルスベクター系などのウイルス系を介し得る。次に組換えレトロウイルスを使用して感染させ、それによって感染細胞に、ABCA13、MMP12の発現を阻害するアンチセンス核酸を送達し得る。改変核酸を哺乳類細胞に導入する正確な方法は、もちろん、レトロウイルスベクターの使用に限定されない。アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス性(AAV)ベクター、レンチウイルスベクター、偽型レトロウイルスベクターの使用をはじめとするその他の技術が、この手順のために一般的に利用可能である。リポソーム送達および受容体媒介およびその他のエンドサイトーシス機構などの物理的形質導入技術もまた、使用し得る。本発明は、これらのまたはその他の一般に使用される遺伝子導入方法のいずれかと併用し得る。
【0292】
抗体はまた、生体内診断アッセイのために使用してもよい。通常、抗体は、免疫シンチグラフィーを使用して腫瘍を位置確認し得るように、放射性ヌクレオチド(111In、99Tc、14C、131I、3H、32Pまたは35Sなど)で標識される。一実施形態では、抗体またはその断片は、2つ以上のABCA13、MMP12標的の細胞外ドメインに結合して、親和性値(Kd)は1×10μM未満である。
【0293】
診断用の抗体は、様々なイメージング法による検出に適する、プローブで標識されてもよい。プローブの検出方法としては、蛍光、光学、共焦点、および電子顕微鏡検査;磁気共鳴画像法および分光法;蛍光透視法、コンピュータ断層撮影および陽電子放射型断層撮影法が挙げられるが、これに限定されるものではない。適切なプローブとしては、フルオレセイン、ローダミン、エオジンおよびその他のフルオロフォア、放射性同位体、金、ガドリニウムおよびその他のランタニド、常磁性鉄、フッ素18およびその他の陽電子放出放射性核種が挙げられるが、これに限定されるものではない。さらに、プローブは二官能価または多官能価であってもよく、列挙される方法の1つ以上によって検出可能である。これらの抗体は、前記プローブで直接または間接的に標識されてもよい。特に十分に技術分野で承認されている、プローブの抗体への付着としては、プローブの共有結合、プローブの抗体への組み込み、およびプローブ結合のためのキレート化合物の共有結合が挙げられる。免疫組織化学的検査では、疾患組織サンプルは、新鮮または冷凍であってもよく、またはパラフィン包埋されホルマリンなどの保存料で固定されてもよい。サンプルを含有する固定または包埋切片を標識一次抗体および二次抗体と接触させ、抗体を使用して、原位置発現するABCA13、MMP12タンパク質を検出する。
【0294】
したがって本発明は、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92からなる群から選択される配列を含んでなるペプチド、または配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92と、90%相同的なそれらの変異型、または前記ペプチドと交差反応するT細胞を誘導するそれらの変異型を提供する。
【0295】
本発明のペプチドは、ヒト主要組織適合性複合体(MHC)クラスIおよび/またはクラスIIの分子に結合する能力を有する。
【0296】
本発明では、「相同的」という用語は、2つのアミノ酸配列、すなわちペプチドまたはポリペプチド配列の配列間の同一性の程度(上の同一性百分率を参照されたい)を指す。前述の「相同性」は、比較される配列にわたり、最適条件下でアライメントされた2つの配列を比較することで判定される。このような配列相同性は、例えばClustalWアルゴリズムを使用してアライメントを作成することで、計算し得る。一般に利用できる配列解析ソフトウェア、より具体的には、ベクターNTI、GENETYXまたはその他の分析ツールが、公共データベースによって提供される。
【0297】
当業者は、特定のペプチドの変異型によって誘導されるT細胞が、ペプチドそれ自体と交差反応できるかどうかを評価できるであろう(Fong et al.,2001);(Zaremba et al.,1997;Colombetti et al.,2006;Appay et al.,2006)。
【0298】
所与のアミノ酸配列の「変異型」によって、本発明者らは、ペプチドが、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92中の所与のアミノ酸配列からなるペプチドと実質的に同様に、HLA分子となおも結合できるように、(例えば、それらを別の天然アミノ酸残基の側鎖で、またはその他の側鎖で、置換することにより)例えば、アミノ酸の1つまたは2つの残基の側鎖が変化することを意味する。例えばペプチドは、それがHLA-A*02または-DRなどの適切なMHC分子の結合溝と相互作用して結合する能力を改善せずとも、少なくとも維持するように修飾されてもよく、そのようにしてそれは、活性化CTLのTCRに結合する能力を改善せずとも、少なくとも維持する。
【0299】
これらのCTLは、引き続いて細胞と交差反応して、本発明の態様で定義される同族ペプチドの天然アミノ酸配列を含有するポリペプチドを発現する細胞を殺滅し得る。学術文献(Rammensee et al.,1997)およびデータベース(Rammensee et al.,1999)から演繹し得るように、HLA結合ペプチドの特定の位置は、典型的に残基に固着して、結合溝を構成するポリペプチド鎖の極性、電気物理的特性、疎水性、および空間特性によって定義されるHLA受容体の結合モチーフに適合するコア配列を形成する。したがって当業者は、既知のアンカー残基を維持することによって、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92に記載されるアミノ酸配列を修飾でき、このような変異型が、MHCクラスIまたはII分子に結合する能力を維持するかどうかを判定できる。本発明の変異型は、活性化CTLのTCRに結合する能力を維持して、それは引き続いて細胞と交差反応して、本発明の態様で定義されるような同族ペプチドの天然アミノ酸配列を含有するポリペプチドを発現する細胞を殺滅し得る。
【0300】
T細胞受容体との相互作用に実質的に寄与しないアミノ酸残基は、その組み込みが、T細胞反応性に実質的に影響を及ぼさず、関連MHCとの結合を排除しない、別のアミノ酸での置換によって修飾され得る。したがって所与の条件以外は、本発明のペプチドは、所与のアミノ酸配列を含む任意のペプチド(本発明者らは、その用語にオリゴペプチドまたはポリペプチドを含める)、またはそれらの所与の部分または変異型であってもよい。
【0301】
【0302】
より長いペプチドもまた、適切であってもよい。通常は8~11アミノ酸長であるが、MHCクラスIエピトープが、ペプチドプロセッシングによって、実際のエピトープを含むより長いペプチドまたはタンパク質から生成されることも可能である。実際のエピトープ側面に位置する残基は、プロセッシング中に実際のエピトープを曝露させるのに必要である、タンパク質分解切断に、実質的に影響を及ぼさない残基であることが好ましい。
【0303】
したがって、本発明は、MHCクラスIエピトープのペプチドおよび変異型もまた提供し、ペプチドまたは変異型は、8~100、好ましくは8~30、最も好ましくは8~14、すなわち8、9、10、11、12、13、14アミノ酸の全長を有し、クラスII結合ペプチドの場合は、長さはまた、15、16、17、18、19、20、21または33アミノ酸であり得る。
【0304】
もちろん本発明によるペプチドまたは変異型は、ヒト主要組織適合性複合体(MHC)クラスIの分子に結合する能力を有する。ペプチドまたは変異型のMHC複合体への結合は、当該技術分野で公知の方法によって試験されてもよい。
【0305】
本発明の特に好ましい実施形態では、ペプチドは、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92に記載のアミノ酸配列からなり、またはそれから本質的になる。
【0306】
「から本質的になる」は、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92のいずれかに記載の配列に加えて、本発明によるペプチドまたはそれらの変異型が、MHC分子エピトープのエピトープとして機能するペプチドの部分を形成するのに必須でない、追加的なNおよび/またはC末端に位置する一続きのアミノ酸を含有することを意味するものとする。
【0307】
それでもなお、これらのストレッチは、本発明によるペプチドの細胞への効率的な導入を提供する上で重要であり得る。本発明の一実施形態では、ペプチドは、例えば、NCBI、GenBank受入番号X00497に由来する、HLA-DR抗原関連不変鎖の80個のN末端アミノ酸を含んでなる、融合タンパク質である(p33、以下の「Ii」)。その他の融合物中では、本発明のペプチドは、本明細書に記載されるような抗体、またはその機能的部分に、特に抗体の配列中に、前記抗体によって特異的に標的化されるように融合し得て、または例えば樹状細胞に対して特異的な抗体に、またはその中に融合し得る。
【0308】
さらにペプチドまたは変異型は、より強力な免疫応答を引き起こすために、安定性および/またはMHC分子への結合を改善するようにさらに修飾してもよい。ペプチド配列のこのような最適化方法は当該技術分野で周知であり、例えば、逆ペプチド結合または非ペプチド結合の導入が挙げられる。
【0309】
逆ペプチド結合中では、アミノ酸残基はペプチド(-CO-NH-)結合によって連結せず、ペプチド結合が逆転する。このようなレトロ-インベルソペプチド模倣剤は、例えば、参照によって本明細書に援用するMeziere et al(1997)J.Immunol.159,3230-3237に記載されるものなどの、当該技術分野で公知の方法を使用して生成されてもよい。このアプローチは、側鎖の方向でなく主鎖に関与する変化を含有する、擬ペプチド生成に関与する。Meziere et al(1997)は、MHC結合およびTヘルパー細胞応答に関して、これらの擬ペプチドが有用であることを示す。CO-NHペプチド結合の代わりにNH-CO結合を含有するレトロ-インベルソペプチドは、タンパク質分解に対してはるかにより高い耐性がある。
【0310】
非ペプチド結合は、例えば、-CH2-NH、-CH2S-、-CH2CH2-、-CH=CH-、-COCH2-、-CH(OH)CH2-、および-CH2SO-である。米国特許第4,897,445号明細書は、標準手順によって合成されるポリペプチド、およびNaCNBH3の存在下でアミノアルデヒドとアミノ酸を反応させることで合成される非ペプチド結合が関与する、ポリペプチド鎖中で、非ペプチド結合(-CH2-NH)を固相合成する方法を提供する。
【0311】
上述の配列を含んでなるペプチドは、それらのアミノおよび/またはカルボキシ末端に存在する追加的な化学基と共に合成して、ペプチドの安定性、生物学的利用能、および/または親和性を高めてもよい。例えば、カルボベンゾキシル、ダンシル、またはt-ブチルオキシカルボニル基などの疎水性基をペプチドのアミノ末端に付加してもよい。同様に、アセチル基または9-フルオレニルメトキシ-カルボニル基が、ペプチドのアミノ末端に配置されてもよい。さらに、疎水性基、t-ブチルオキシカルボニル、またはアミド基が、ペプチドのカルボキシ末端に付加されてもよい。
【0312】
さらに、本発明のペプチドは、それらの立体配置を改変するように合成されてもよい。例えば、通常のL異性体でなく、ペプチドのアミノ酸残基の1つまたは複数のD異性体を使用してもよい。なおもさらに、本発明のペプチドのアミノ酸残基の少なくとも1つは、良く知られている非天然起源アミノ酸残基の1つで置換されてもよい。これらのような変化は、本発明のペプチドの安定性、生物学的利用能および/または結合作用の増大に役立ってもよい。
【0313】
同様に、本発明のペプチドまたは変異型は、ペプチド合成の前または後のどちらかに、特定のアミノ酸を反応させることで、化学的に修飾してもよい。このような修飾の例は、当該技術分野で周知であり、例えば、参照によって本明細書に援用する、R.Lundblad,Chemical Reagents for Protein Modification,3rd ed.CRC Press,2005に要約される。アミノ酸の化学修飾としては、これに限定されるものではないが、アシル化、アミジン化、リジンのピリドキシル化、還元アルキル化、2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)によるアミノ基のトリニトロベンジル化、システインのシステイン酸への過ギ酸酸化によるカルボキシル基のアミド修飾とスルフヒドリル修飾、水銀誘導体の形成、その他のチオール化合物との混合ジスルフィド形成、マレイミドとの反応、ヨード酢酸またはヨードアセトアミドによるカルボキシメチル化、およびアルカリ性pHでのシアネートによるカルバモイル化による修飾が挙げられるが、これに限定されるものではない。この点において、当業者は、タンパク質の化学修飾に関するより詳細な手順について、Chapter 15 of Current Protocols In Protein Science,Eds.Coligan et al.(John Wiley and Sons NY 1995-2000)を参照されたい。
【0314】
簡単に述べると、例えばタンパク質中のアルギニル残基の修飾は、付加体を形成するためのフェニルグリオキサール、2,3-ブタンジオン、および1,2-シクロヘキサンジオンなどの、隣接するジカルボニル化合物の反応に基づくことが多い。別の実施例は、メチルグリオキサールとアルギニン残基の反応である。システインは、リジンおよびヒスチジンなどのその他の求核性部位の同時の修飾なしに修飾され得る。その結果、システイン修飾のために多数の試薬が利用可能である。Sigma-Aldrichなどの会社のウェブサイト(http://www.sigma-aldrich.com)が、特定の試薬に関する情報を提供する。
【0315】
タンパク質中のジスルフィド結合の選択的還元もまた、一般的である。ジスルフィド結合は、生物医薬品の加熱処理中に形成されて酸化され得る。
【0316】
ウッドワード試薬Kを使用して、特定のグルタミン酸残基を修飾してもよい。N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N’-エチルカルボジイミドを利用して、リジン残基とグルタミン酸残基の間に分子内架橋を形成し得る。
【0317】
例えばジエチルピロ炭酸は、タンパク質中のヒスチジル残基修飾のための試薬である。ヒスチジンはまた、4-ヒドロキシ-2-ノネナールを使用して修飾し得る。
【0318】
リジン残基およびその他のα-アミノ基の反応物は、例えば、ペプチドの表面への結合またはタンパク質/ペプチド架橋で有用である。リジンはポリ(エチレン)グリコールの付着部位であり、タンパク質のグリコシル化の主要な修飾部位である。
【0319】
タンパク質中のメチオニン残基は、例えばヨードアセトアミド、ブロモエチルアミン、およびクロラミンTによって修飾され得る。テトラニトロメタンおよびN-アセチルイミダゾールを使用して、チロシル残基を修飾し得る。ジチロシンの形成を通じた架橋は、過酸化水素/銅イオンによって達成し得る。
【0320】
トリプトファンの修飾に関する最近の研究では、N-ブロモサクシニミド、臭化2-ヒドロキシ-5-ニトロベンジルまたは3-ブロモ-3-メチル-2-(2-ニトロフェニルメルカプト)-3H-インドール(BPNS-スカトール)が使用されている。
【0321】
PEGによる治療用タンパク質およびペプチドの成功裏の修飾が、循環半減期の延長と関係することが多い一方で、タンパク質と、グルタルアルデヒド、ポリエチレングリコールジアクリレート、およびホルムアルデヒドとの架橋は、ハイドロゲル調製のために使用される。免疫療法のためのアレルゲンの化学修飾は、カリウムシアネートでのカルバミル化によって達成されることが多い。
【0322】
ペプチドが修飾されまたは非ペプチド結合を含む、ペプチドまたは変異型は、本発明の好ましい実施形態である。概して、ペプチドおよび変異型(少なくともアミノ酸残基間にペプチド結合を含有するもの)は、Lu et al(1981)およびその中の参考文献で開示されるような、固相ペプチド合成によってFmoc-ポリアミド様式で合成されてもよい。一時的なN-アミノ基保護は、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基によってもたらされる。この高度に塩基不安定性の保護基の反復性切断は、N,N-ジメチルホルムアミド中の20%ピペリジンを使用して実施される。側鎖機能性は、それらのブチルエーテル(セリン、スレオニン、およびチロシンの場合)、ブチルエステル(グルタミン酸およびアスパラギン酸の場合)、ブチルオキシカルボニル誘導体(リジンおよびヒスチジンの場合)、トリチル誘導体(システインの場合)、および4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル誘導体(アルギニンの場合)として保護されてもよい。グルタミンまたはアスパラギンが、C末端残基である場合、側鎖アミド官能基を保護するために、4,4’-ジメトキシベンズヒドリル基が利用される。固相担体は、ジメチルアクリルアミド(主鎖単量体)、ビスアクリロイルエチレンジアミン(架橋剤)、およびアクリロイルサルコシンメチルエステル(官能基化因子)の3つの単量体から構成される、ポリジメチル-アクリルアミドポリマーをベースとする。使用されるペプチド-対-樹脂の切断可能な結合因子は、酸不安定性4-ヒドロキシメチル-フェノキシ酢酸誘導体である。逆転N,N-ジシクロヘキシル-カルボジイミド/1ヒドロキシベンゾトリアゾール媒介性共役手順を使用して付加されるアスパラギンおよびグルタミンを除いて、全てのアミノ酸誘導体は、それらのあらかじめ形成された対称的な無水物誘導体として添加される。全ての共役および脱保護反応は、ニンヒドリン、トリニトロベンゼンスルホン酸またはイサチン試験手順を使用してモニターされる。合成完了時に、ペプチドは樹脂担体から切断され、同時に、50%スカベンジャー混合物を含有する95%トリフルオロ酢酸での処理によって、側鎖保護基が除去される。一般に使用されるスカベンジャーとしては、エタンジチオール、フェノール、アニソール、および水が挙げられ、正確な選択は、合成されるペプチドの構成アミノ酸に左右される。ペプチドの合成のための固相および溶液相方法論の組み合わせもまた、可能である(例えば(Bruckdorfer et al.,2004)およびその中で引用される参考文献を参照されたい)。
【0323】
トリフルオロ酢酸は、真空蒸発によって除去され、引き続くジエチルエーテルとの磨砕は、粗製ペプチドをもたらした。存在する任意のスカベンジャーは、単純な抽出処置によって除去され、それは水相の凍結乾燥時に、スカベンジャーを含まない粗製ペプチドを与える。ペプチド合成のための試薬は、一般に、例えばCalbiochem-Novabiochem(UK)Ltd,Nottingham NG7 2QJ,UKから入手できる。
【0324】
精製は、再結晶化、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、および(通常は)例えばアセトニトリル/水勾配分離を使用した逆相高速液体クロマトグラフィーなどの技術の任意の1つまたは組み合わせによって実施してもよい。
【0325】
ペプチドの分析は、薄層クロマトグラフィー、電気泳動法、特にキャピラリー電気泳動法、固相抽出(CSPE)、逆相高速液体クロマトグラフィー、酸加水分解後のアミノ酸分析を使用して、高速原子衝撃(FAB)質量分光分析によって、ならびにMALDIおよびESI-Q-TOF質量分光分析によって、実施してもよい。
【0326】
本発明のさらなる態様は、本発明のペプチドまたはペプチド変異型をエンコードする核酸(例えばポリヌクレオチド)を提供する。ポリヌクレオチド、例えば、一本鎖および/または二本鎖のどちらかのDNA、cDNA、PNA、RNAまたはそれらの組み合わせ、または例えばホスホロチオエート主鎖があるポリヌクレオチドなどの未変性または安定化形態のポリヌクレオチドであってもよく、それがペプチドをコードしさえすれば、それはイントロンを含有してもよく、またはしなくてもよい。もちろん、天然起源ペプチド結合によって連結する天然アミノ酸残基を含有するペプチドのみが、ポリヌクレオチドによってエンコードされ得る。本発明のなおもさらなる態様は、本発明によるポリペプチドを発現する能力がある発現ベクターを提供する。
【0327】
例えば相補的付着端を通じて、ポリヌクレオチド、特にDNAをベクターに連結する、多様な方法が開発されている。例えば、ベクターDNAに挿入されるDNA断片に、相補的ホモポリマー配列を付加し得る。次に、相補的ホモポリマー尾部間の水素結合によって、ベクターおよびDNA断片が連結されて、組換えDNA分子が形成する。
【0328】
1つまたは複数の制限酵素認識部位を含有する合成リンカーは、DNA断片をベクターに連結する代替え方法を提供する。多様な制限エンドヌクレアーゼ部位を含有する合成リンカーは、International Biotechnologies Inc.New Haven,CN,USAをはじめとするいくつかの供給元から、商業的に入手できる。
【0329】
本発明のポリペプチドをコードするDNAを修飾する望ましい方法は、(Saiki et al.,1988)で開示されるようなポリメラーゼ連鎖反応を用いる。この方法は、例えば適切な制限酵素認識部位を改変することで、DNAを適切なベクターに導入するために使用してもよく、またはそれは、当該技術分野で既知のその他の有用な様式でDNAを修飾するために使用してもよい。ウイルスベクターを使用するのであれば、ポックスウイルスまたはアデノウイルスベクターが好ましい。
【0330】
次にDNA(またはレトロウイルスベクターの場合はRNA)を適切な宿主中で発現させて、本発明のペプチドまたは変異型を含んでなるポリペプチドを生成してもよい。このようにして、本明細書に含まれる教示を考慮して適切に修正された周知の技術に従って、本発明のペプチドまたは変異型をコードするDNAを使用して、発現ベクターを構築してもよく、次にそれを使用して、本発明のポリペプチドの発現および生成のために、適切な宿主細胞に形質転換する。このような技術としては、米国特許第4,440,859号明細書、米国特許第4,530,901号明細書、米国特許第4,582,800号明細書、米国特許第4,677,063号明細書、米国特許第4,678,751号明細書、米国特許第4,704,362号明細書、米国特許第4,710,463号明細書、米国特許第4,757,006号明細書、米国特許第4,766,075号明細書、および米国特許第4,810,648号明細書で開示されるものが挙げられる。
【0331】
本発明の化合物を構成するポリペプチドをエンコードするDNA(またはレトロウイルスベクターの場合はRNA)は、適切な宿主への導入のために、多種多様なその他のDNA配列に連結されてもよい。コンパニオンDNAは、宿主の性質、DNAの宿主への導入様式、およびエピソームの維持または組み込みが所望されるかどうかに左右される。
【0332】
一般に、DNAは、発現のための適切な方向および正しい読み枠で、プラスミドなどの発現ベクター中に挿入される。必要ならば、DNAは、所望の宿主によって認識される、適切な転写および翻訳調節制御ヌクレオチド配列に連結されてもよいが、このような制御は、一般に発現ベクター内で利用できる。次に標準的な技術を通じて、ベクターを宿主に導入する。一般に、宿主の全てがベクターによって形質転換されるわけではない。したがって、形質転換された宿主細胞を選択することが必要になる。1つの選択技術は、抗生物質耐性などの形質転換細胞内で選択可能な形質をコードする、任意の必要な制御要素があるDNA配列を、発現ベクター内に組み込むことを伴う。
【0333】
代案としては、このような選択可能な形質の遺伝子は、所望の宿主細胞を同時形質転換するのに使用される、別のベクター上にあり得る。
【0334】
次に本明細書で開示される教示を考慮して、当業者に知られている適切な条件下で十分な時間にわたり、本発明の組換えDNAによって形質転換された宿主細胞を培養して、ポリペプチドの発現を可能にし、それを次に回収し得る。
【0335】
細菌(例えば大腸菌(E.coli)およびバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、酵母(例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、糸状菌(例えばアスペルギルス属(Aspergillus))、植物細胞、動物細胞、および昆虫細胞をはじめとする多数の発現系が知られている。好ましくは、細胞系は、ATCC Cell Biology Collectionから入手できるCHO細胞などの哺乳類細胞であり得る。
【0336】
構成的発現のための典型的な哺乳類細胞ベクタープラスミドは、適切なポリA尾部と、ネオマイシンなどの耐性マーカーとがある、CMVまたはSV40プロモーターを含んでなる。一実施例は、Pharmacia,Piscataway,NJ,USAから入手できるpSVLである。誘導性哺乳類発現ベクターの一例、pMSGもまた、Pharmaciaから入手できる。有用な酵母プラスミドベクターは、pRS403-406およびpRS413-416であり、通常、Stratagene Cloning Systems,La Jolla,CA 92037,USAから入手できる。プラスミドpRS403、pRS404、pRS405、およびpRS406は、酵母組み込みプラスミド(YIps)であり、酵母の選択可能なマーカーHIS3、TRP1、LEU2、およびURA3が組み込まれでいる。プラスミドpRS413-416は、酵母セントロメアプラスミド(Ycps)である。CMVプロモーターベースのベクター(例えばSigma-Aldrich製)は、一過性または安定性発現、細胞質内発現または分泌、およびFRAG、3xFLAG、c-mycまたはMATの様々な組み合わせでのN末端またはC末端標識付けを提供する。これらの融合タンパク質は、組換えタンパク質を検出、精製、および分析できるようにする。二重標識融合物は、検出において融通性を提供する。
【0337】
強力なヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター調節領域は、COS細胞内において、構成タンパク質発現レベルを1mg/L程度の高さに駆動する。効力がより低い細胞系では、タンパク質レベルは、典型的に約0.1mg/Lである。SV40複製起点の存在は、SV40複製許容COS細胞内で、高レベルのDNA複製をもたらす。例えばCMVベクターは、細菌細胞内のpMB1(pBR322の誘導体)複製起点、細菌内のアンピシリン耐性選択のためのb-ラクタマーゼ遺伝、hGHポリA、およびf1起点を含有し得る。プレプロトリプシンリーダー(PPT)配列を含有するベクターは、抗FRAG抗体、樹脂、およびプレートを使用した精製のために、培養液中へのFRAG融合タンパク質分泌を誘導し得る。多様な宿主細胞で使用するためのその他のベクターおよび発現系が、当該技術分野で周知である。
【0338】
別の実施形態では、本発明の2つ以上のペプチドまたはペプチド変異型がコードされ、したがって順次発現される(「数珠玉構造」コンストラクトに類似する)。その際に、ペプチドまたはペプチド変異型は、例えばLLLLLLなどの一続きのリンカーアミノ酸によって、共に連結または融合してもよく、またはそれらの間の任意の追加的なペプチドなしに連結してもよい。
【0339】
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドベクターコンストラクトで形質転換された宿主細胞にも関する。宿主細胞は、原核または真核生物のどちらかであり得る。細菌細胞は、いくつかの状況では、好ましい原核宿主細胞であってもよく、典型的には、例えばBethesda Research Laboratories Inc.,Bethesda,MD,USAから入手できる大腸菌(E.coli)DH5株、および米国微生物系統保存機関(ATCC)Rockville,MD,USAから入手できるRR1(ATCC番号31343)などの大腸菌(E.coli)株である。好ましい真核生物宿主細胞としては、酵母、昆虫、および哺乳類細胞、好ましくはマウス、ラット、サルまたはヒト線維芽および結腸細胞系からのものなどの脊椎動物細胞が挙げられる。酵母宿主細胞としては、Stratagene Cloning Systems,La Jolla,CA 92037,USAから一般に入手できる、YPH499、YPH500、およびYPH501が挙げられる。好ましい哺乳類宿主細胞としては、ATCCからCCL61として入手できるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ATCCからCRL1658として入手できるNIH Swissマウス胚細胞NIH/3T3、ATCCからCRL1650として入手できるサル腎臓由来COS-1細胞、およびヒト胎児由来腎臓細胞である293細胞が挙げられる。好ましい昆虫細胞は、バキュロウイルス発現ベクターで形質移入され得るSf9細胞である。発現のための適切な宿主細胞の選択に関する概説は、例えば、テキストブック、Paulina Balbas and Argelia Lorence”Methods in Molecular Biology Recombinant Gene Expression,Reviews and Protocols,”Part One,Second Edition,ISBN 978-1-58829-262-9および当業者に知られているその他の文献にある。
【0340】
本発明のDNAコンストラクトによる適切な細胞宿主の形質転換は、典型的に使用されるベクターのタイプに左右される、周知の方法によって達成される。原核宿主細胞の形質転換に関しては、例えば、Cohen et al(1972)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 69,2110、およびSambrook et al(1989)Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NYを参照されたい。酵母細胞の形質転換は、Sherman et al(1986)Methods In Yeast Genetics,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NYに記載される。Beggs(1978)Nature 275,104-109の方法もまた有用である。脊椎動物細胞に関しては、例えばリン酸カルシウムおよびDEAE-デキストランまたはリポソーム製剤など、このような細胞を形質移入するのに有用な試薬は、Stratagene Cloning Systems、またはLife Technologies Inc.,Gaithersburg,MD 20877,USAから入手できる。電気穿孔もまた、細胞を形質転換および/または形質移入するのに有用であり、酵母細胞、細菌細胞、昆虫細胞、および脊椎動物細胞を形質転換するために、当該技術分野で周知である。
【0341】
成功裏に形質転換された細胞、すなわち本発明のDNAコンストラクトを含有する細胞は、PCRなどの周知の技術によって同定し得る。代案としては、上清タンパク質の存在は、抗体を使用して検出し得る。
【0342】
例えば、細菌、酵母、および昆虫細胞などの本発明の特定の宿主細胞は、本発明のペプチドの調製において有用であることが理解されるであろう。しかしその他の宿主細胞が、特定の治療法において有用であってもよい。例えば、樹状細胞などの抗原提示細胞は、それらが適切なMHC分子内に負荷されてもよいように、本発明のペプチドを発現するために有用に使用してもよい。したがって、本発明は、本発明による核酸または発現ベクターを含んでなる宿主細胞を提供する。
【0343】
好ましい実施形態では、宿主細胞は、抗原提示細胞、特に樹状細胞または抗原提示細胞である。前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)を含有する組換え融合タンパク質が負荷されたAPCが、前立腺がん(シプロイセル-T)治療のために目下研究されている(Small et al.,2006;Rini et al.,2006)。
【0344】
本発明のさらなる態様は、ペプチドまたはその変異型を生成する方法を提供し、方法は、宿主細胞を培養するステップと、宿主細胞またはその培養液からペプチドを単離するステップとを含んでなる。
【0345】
別の実施形態では、本発明のペプチド、核酸または発現ベクターは、医療で使用される。例えば、ペプチドまたはその変異型は、静脈内(i.v.)注射、皮下(s.c.)注射、皮内(i.d.)注射、腹腔内(i.p.)注射、筋肉内(i.m.)注射のために調合されてもよい。ペプチド注射の好ましい方法としては、s.c.、i.d.、i.p.、i.m.、およびi.v.が挙げられる。DNA注射の好ましい方法としては、i.d.、i.m.、s.c.、i.p.、およびi.v.が挙げられる。例えば50μg~1.5mg、好ましくは125μg~500μgのペプチドまたはDNAの用量が投与されてもよく、それぞれのペプチドまたはDNAに左右される。この範囲の用量は、以前の治験で成功裏に使用された(Walter et al Nature Medicine 18,1254-1261(2012))。
【0346】
本発明の別の態様は、活性化T細胞を生成するインビトロ法を含み、方法は、生体外T細胞を、適切な抗原提示細胞の表面に発現される抗原負荷ヒトMHC分子に、T細胞を抗原特異的様式で活性化するのに十分な時間にわたり接触させるステップを含んでなり、抗原は本発明によるペプチドである。好ましくは、抗原提示細胞と共に、十分な量の抗原が使用される。
【0347】
好ましくは、哺乳類細胞は、TAPペプチド輸送体のレベルまたは機能が皆無でありまたは低下している。TAPペプチド輸送体が欠如している適切な細胞としては、T2、RMA-S、およびショウジョウバエ細胞が挙げられる。TAPは、抗原処理に関連する輸送体である。
【0348】
ヒトペプチド負荷欠乏細胞系T2は、カタログ番号CRL1992の下に、米国微生物系統保存機関、12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852,USAから入手でき;ショウジョウバエ細胞系Schneider系統2は、カタログ番号CRL19863の下にATCCから入手でき;マウスRMA-S細胞系はKarre et al 1985に記載される。
【0349】
好ましくは、宿主細胞は、形質移入前に、MHCクラスI分子を実質的に発現しない。刺激因子細胞が、B7.1、B7.2、ICAM-1、およびLFA3のいずれかなどのT細胞のための共刺激シグナルを提供する上で、重要な分子を発現することもまた好ましい。多数のMHCクラスI分子および共刺激因子分子の核酸配列は、GenBankおよびEMBLデータベースから公的に入手可能である。
【0350】
MHCクラスIエピトープが抗原として使用される場合、T細胞はCD8陽性CTLである。
【0351】
抗原提示細胞が形質移入されて、このようなエピトープを発現する場合、好ましくは細胞は、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92を含有するペプチド、またはそれらの変異アミノ酸配列を、発現する能力がある発現ベクターを含んでなる。
【0352】
生体外でCTLを生成するために、いくつかのその他の方法を使用してもよい。例えば、Peoples et al (1995)およびKawakami et al (1992)に記載される方法は、CTLの生成において自己腫瘍浸潤性リンパ球を使用する。Plebanski et al (1995)は、CTLの調製に自己末梢血リンパ球(PLB)を利用する。Jochmus et al (1997)は、ペプチドまたはポリペプチドで樹状細胞をパルスすることにより、または組換えウイルスの感染を通じて、自己CTLを生成することを記載する。Hill et al(1995)および Jerome et al(1993)は、自己CTLの生成においてB細胞を利用する。さらに、ペプチドまたはポリペプチドでのマクロファージパルス、または組換えウイルスによる感染を自己CTLの調製で使用してもよい。S.Walter et al.2003は、人工抗原提示細胞(aAPC)を使用したT細胞の生体外初回刺激を記載して、それはまた、選択されたペプチドに対するT細胞を生成するための適切な方法でもある。この研究では、aAPCが、ビオチン:ストレプトアビジン生化学によって、あらかじめ形成されたMHC:ペプチド複合体を表面ポリスチレン粒子(ミクロビーズ)に共役することで生成される。このシステムは、aAPC上のMHC密度の正確な調節を可能にし、それは、血液サンプルから高効率で、高または低結合活性の抗原特異的T細胞応答を選択的に引き起こすことを可能にする。MHC:ペプチド複合体の他に、aAPCは、それらの表面に共役する抗CD28抗体のような共刺激活性があるその他のタンパク質を保有すべきである。さらにこのようなaAPCベースのシステムは、例えばサイトカイン様インターロイキン12などの適切な可溶性因子の付加を要することが多い。
【0353】
T細胞の調製において同種異系細胞もまた使用してもよく、方法は、参照によって本明細書に援用する、国際公開第97/26328号パンフレットで詳述される。例えば、ショウジョウバエ細胞およびT2細胞に加えて、その他の細胞を使用して、CHO細胞、バキュロウイルス感染昆虫細胞、細菌、酵母、ワクシニア感染標的細胞などの抗原を提示してもよい。さらに植物ウイルスを使用してもよい(例えば、外来性ペプチド提示のための高収率システムとしてのササゲモザイクウイルス開発を記載するPorta et al(1994)を参照されたい)。
【0354】
本発明のペプチドに対する活性化T細胞は、治療法において有用である。したがって、本発明のさらなる態様は、前述の本発明の方法によって入手可能な活性化T細胞を提供する。
【0355】
上の方法によって生成される活性化T細胞は、配列番号1~配列番号92のアミノ酸配列、好ましくは、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92の配列を含んでなるポリペプチドを、異常に発現する細胞を選択的に認識する。
【0356】
好ましくは、T細胞は、そのTCRを通じた、HLA/ペプチド複合体(例えば結合)との相互作用によって、細胞を認識する。T細胞は、その標的細胞が、本発明のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを異常に発現する患者において、標的細胞を死滅させる方法で有用であり、患者には、有効数の活性化T細胞が投与される。患者に投与されるT細胞は、上述のように、患者から誘導され活性化されてもよい(すなわちそれらは自己T細胞である)。代案としては、T細胞は、患者でなく別の個人に由来する。もちろん、個人が健常人であれば、それが好ましい。「健常人」によって、本発明者らは、個人が概して健康良好であり、好ましくは有能な免疫系を有して、より好ましくは容易に検査され検出され得る任意の疾患に罹患していないことを意味する。
【0357】
生体内で、本発明によるCD8陽性T細胞の標的細胞は、(時にMHCクラスIIを発現する)腫瘍細胞であり得て、および/または腫瘍(腫瘍細胞)周囲の間質細胞であり得る(それは時にMHCクラスIIもまた発現する;(Dengjel et al.,2006))。
【0358】
本発明のT細胞は、治療用組成物の活性成分として使用されてもよい。したがって、本発明は、その標的細胞が、本発明のアミノ酸配列を含んでなるポリペプチドを異常に発現する患者において、標的細胞を死滅させる方法もまた提供し、方法は、上で定義されるようなT細胞の有効数を患者に投与するステップを含んでなる。
【0359】
「異常に発現される」によって、本発明者らは、正常な発現レベルと比較して、ポリペプチドが過剰発現されること、または腫瘍がそれに由来する組織では遺伝子がサイレントであるが、腫瘍ではそれが発現されることもまた意味する。「過剰発現」によって、本発明者らは、ポリペプチドが、正常組織に存在するレベルの少なくとも1.2倍のレベルで;好ましくは正常組織に存在するレベルの少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも5倍または10倍のレベルで存在することを意味する。
【0360】
T細胞は、例えば上で記載されるものなどの当該技術分野で公知の方法によって得られてもよい。
【0361】
T細胞のこのいわゆる養子免疫伝達のためのプロトコルは、当該技術分野で周知である。レビューは、(Gattinoni et al.,2006)および(Morgan et al.,2006)にある。
【0362】
本発明の任意の分子、すなわちペプチド、核酸、抗体、発現ベクター、細胞、活性化CTL、T細胞受容体またはそれをエンコードする核酸は、免疫応答を逃れた細胞によって特徴付けられる障害の治療に有用である。したがって本発明の任意の分子は、薬剤として、または薬剤の製造において使用されてもよい。分子は、単独で、または本発明のその他の分子または既知の分子との組み合わで、使用してもよい。
【0363】
好ましくは、本発明の薬剤は、ワクチンである。それは、直接患者に、罹患臓器に、または全身性に、i.d.、i.m.、s.c.、i.p.、およびi.v.投与され、または生体外で患者またはヒト細胞系に由来する細胞に適用されて、それが引き続いて患者に投与され、または生体外で使用されて患者に由来する免疫細胞の亜集団が選択され、それが次に患者に再投与されてもよい。核酸が、生体外で細胞に投与される場合、インターロイキン2などの免疫刺激サイトカインを同時発現させるように、細胞を形質移入することが有用であってもよい。ペプチドは、実質的に純粋であり、または免疫刺激アジュバント(下記参照)と組み合わされ、または免疫賦活性サイトカインと組み合わせて使用され、または例えばリポソームなどの適切な送達系によって投与されてもよい。ペプチドはまた、キーホールリンペットヘモシニアン(KLH)またはマンナンなどの適切な担体に共役してもよい(国際公開第95/18145号パンフレット、およびLongenecker,1993を参照されたい)。ペプチドはまた、標識されてもよく、融合タンパク質であってもよく、またはハイブリッド分子であってもよい。その配列が本発明に記載されるペプチドは、CD4またはCD8 T細胞を刺激することが予測される。しかし、CD8 CTLの刺激は、CD4 Tヘルパー細胞によって提供される援助の存在下でより効率的である。したがって、CD8 CTLを刺激するMHCクラスIエピトープでは、ハイブリッド分子の融合パートナーまたはセクションは、適切にはCD4陽性T細胞を刺激するエピトープを提供する。CD4およびCD8刺激エピトープは当該技術分野で周知であり、本発明で同定されるものが含まれる。
【0364】
一態様では、ワクチンは、配列番号1~配列番号92に記載されるアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドと、少なくとも1つの追加的なペプチド、好ましくは2~50、より好ましくは2~25、なおもより好ましくは2~20、最も好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18個のペプチドとを含んでなる。ペプチドは、1つまたは複数の特異的TAAから誘導されてもよく、MHCクラスI分子に結合してもよい。
【0365】
別の態様では、ワクチンは、配列番号1~配列番号65、および配列番号76~配列番号84、および配列番号92に記載されるアミノ酸配列を有する、少なくとも1つのペプチドと、少なくとも1つの追加的なペプチド、好ましくは2~50、より好ましくは2~25、なおもより好ましくは2~20、最も好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18個のペプチドとを含んでなる。ペプチドは、1つまたは複数の特異的TAAから誘導されてもよく、MHCクラスI分子に結合してもよい。
【0366】
ポリヌクレオチドは、実質的に純粋であり、または適切なベクターまたは送達系に含有されてもよい。核酸は、DNA、cDNA、PNA、RNAまたはそれらの組み合わせであってもよい。このような核酸をデザインして導入する方法は、当該技術分野で周知である。概説は、例えば(Pascolo et al.,2005)に提供される。ポリヌクレオチドワクチンは調製が容易であるが、免疫応答誘導におけるこれらのベクターの作用機序は、完全には分かっていない。適切なベクターおよび送達系としては、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、アデノ随伴ウイルスまたは2つ以上のウイルスの構成要素を含有するハイブリッドベースのシステムなどのウイルスDNAおよび/またはRNAが挙げられる。非ウイルス送達系としては、カチオン性脂質およびカチオン性ポリマーが挙げられ、DNA送達技術分野で周知である。「遺伝子銃」などを介した、物理的送達もまた使用してもよい。核酸によってコードされるペプチド(単数)またはペプチド(複数)は、例えば、上述のように、それぞれの逆CDRのT細胞を刺激する、エピトープとの融合タンパク質であってもよい。
【0367】
本発明の薬剤は、1つまたは複数のアジュバントもまた含んでもよい。アジュバントは、抗原に対する免疫応答(例えば、CTLおよびヘルパーT(TH)細胞によって媒介される免疫応答)を非特異的に促進または増強する物質であり、したがって本発明の薬剤で有用であると考えられる。適切なアジュバントとしては、1018ISS、アルミニウム塩、AMPLIVAX(登録商標)、AS15、BCG、CP-870および893、CpG7909、CyaA、dSLIM、フラジェリンまたはフラジェリンに由来するTLR5リガンド、FLT3リガンド、GM-CSF、IC30、IC31、イミキモド(ALDARA(登録商標))、レシキモド、ImuFact IMP321、IL-2やIL-13やIL-21などのインターロイキン、インターフェロンαまたはβまたはそのペグ化誘導体、ISパッチ、ISS、ISCOMATRIX、ISCOM、JuvImmune(登録商標)、LipoVac、MALP2、MF59、モノホスホリルリピドA、モンタニドIMS 1312、モンタニドISA 206、モンタニドISA 50V、モンタニドISA-51、油中水型および水中油型エマルション、OK-432、OM-174、OM-197-MP-EC、ONTAK、OspA、PepTel(登録商標)ベクター系、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)[PLG]ベースおよびデキストラン微粒子、talactoferrin SRL172、ビロゾームおよびその他のウイルス様粒子、YF-17D、VEGF trap、R848、β-グルカン、Pam3Cys、サポニンに由来するAquila’s QS21 stimulon、マイコバクテリア抽出物および合成細菌細胞壁模倣物、およびRibi’s DetoxまたはQuilまたはSuperfosなどのその他の独自仕様のアジュバントが挙げられるが、これに限定されるものではない。フロイントまたはGM-CSFなどのアジュバントが好ましい。樹状細胞およびそれらの調製物に対して特異的な、いくつかの免疫学的アジュバント(例えばMF59)が、以前記載されている(Allison and Krummel,1995;Allison and Krummel,1995)。また、サイトカインも使用してもよい。数種のサイトカインは、樹状細胞のリンパ組織(例えばTNF-)への移動に影響を与えること、Tリンパ球(例えば、GM-CSF、IL-1、およびIL-4)のための効率的な抗原提示細胞への樹状細胞の成熟を加速すること(その内容全体を参照によって本明細書に具体的に援用する米国特許第5,849,589号明細書)、および免疫増強剤(例えば、IL-12、IL-15、IL-23、IL-7、IFN-α、IFN-β)として作用することと、直接関連づけられている(Gabrilovich,1996)。
【0368】
CpG免疫賦活性オリゴヌクレオチドもまた、ワクチン環境において、アジュバント効果を促進することが報告されている。理論により拘束されることなく、CpGオリゴヌクレオチドは、Toll様受容体(TLR)、主にTLR9を通じた、内在的(非適応性)免疫系の活性化によって作用する。CpG誘発性TLR9活性化は、ペプチドまたはタンパク質抗原、生きたまたは死滅ウイルス、樹状細胞ワクチン、自己細胞ワクチン、および予防的および治療的ワクチンの双方における多糖コンジュゲートをはじめとする、多種多様な抗原に対する、抗原特異的体液性および細胞性応答を増強する。より重要なことには、それは樹状細胞の成熟と分化を促進し、CD4 T細胞援助の不在下であってさえも、TH1細胞の活性化促進、および強力な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)生成をもたらす。TLR9刺激によって誘導されるTH1バイアスは、常態ではTH2バイアスを促進するミョウバンまたは不完全フロイントアジュバント(IFA)などのワクチンアジュバント存在下であってさえも維持される。CpGオリゴヌクレオチドは、その他のアジュバントと調合されまたは同時投与された際に、または微粒子、ナノ粒子、脂質エマルションなどの配合物、または類似配合物中で、なおもより高いアジュバント活性を示し、それは、抗原が比較的弱い場合、強力な応答を誘導するのに特に必要である。それらは免疫応答もまた加速し、いくつかの実験では、CpGなしのワクチン総量と同等の抗体応答で、抗原用量のほぼ2桁分の低減を可能にする(Krieg,2006)。米国特許第6,406,705B1号明細書は、抗原特異的免疫応答を誘導するためのCpGオリゴヌクレオチド、非核酸アジュバント、および抗原の併用を説明する。CpG TLR9拮抗薬は、Mologen(Berlin,Germany)製のdSLIM(二重ステムループ免疫修飾物質)であり、それは本発明の医薬組成物の好ましい構成要素である。RNA結合TLR7、TLR8および/またはTLR9などのその他のTLR結合分子もまた、使用してもよい。
【0369】
有用なアジュバントその他の例としては、化学修飾CpG(例えば、CpR、Idera);ポリ(I:C)などのdsRNAアナログおよびそれらの誘導体(例えばAmpliGen(登録商標)、Hiltonol(登録商標)、ポリ(ICLC)、ポリ(IC-R)、ポリ(I:C12U))、非CpG細菌DNAまたはRNA;ならびにシクロホスファミド、スニチニブ、ベバシズマブ(登録商標)、セレブレックス、NCX-4016、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ソラフェニブ、テモゾロマイド、テムシロリムス、XL-999、CP-547632、パゾパニブ、VEGFTrap、ZD2171、AZD2171、抗CTLA4などの免疫活性小型分子および抗体;免疫系の重要な構造体を標的にするその他の抗体(例えば、抗CD40、抗TGFβ、抗TNFα受容体);SC58175が挙げられるが、これに限定されるものではなく、これらは治療的におよび/またはアジュバントとして作用してもよい。本発明の文脈で有用なアジュバントおよび添加剤の量と濃度は、過度の実験を実施することなく、当業者によって容易に判定され得る。
【0370】
好ましいアジュバントは、イミキモド、レシキモド、GM-CSF、シクロホスファミド、スニチニブ、ベバシズマブ、インターフェロンα、CpGオリゴヌクレオチドおよび誘導体、ポリ(I:C)および誘導体、RNA、シルデナフィル、およびPLGまたはビロソーム微粒子配合物である。
【0371】
本発明による薬剤組成物の好ましい実施形態では、アジュバントは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF、サルグラモスチム)、シクロホスファミド、イミキモド、レシキモド、およびインターフェロンαなどのコロニー刺激因子からなる群から選択される。
【0372】
本発明による薬剤組成物の好ましい実施形態では、アジュバントは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF、サルグラモスチム)、シクロホスファミド、イミキモド、およびレシキモドなどのコロニー刺激因子からなる群から選択される。
【0373】
本発明による薬剤組成物の好ましい実施形態では、アジュバントは、シクロホスファミド、イミキモドまたはレシキモドである。
【0374】
なおもより好ましいアジュバントは、モンタニドIMS 1312、モンタニドISA 206、モンタニドISA 50V、モンタニドISA-51、ポリICLC(Hiltonol(登録商標))、および抗CD40mABまたはそれらの組み合わせである。
【0375】
この組成物は、皮下、皮内、筋肉内などの非経口投与、または経口投与のために使用される。このためには、ペプチドおよび任意選択的にその他の分子が、薬学的に許容可能な、好ましくは水性担体に溶解され、または懸濁される。さらに組成物は、緩衝液、結合剤、ブラスチング剤、希釈剤、フレーバー、潤滑剤などの賦形剤を含有し得る。ペプチドはまた、サイトカインなどの免疫刺激物質と共に投与され得る。このような組成物で使用し得る賦形剤の詳細な一覧は、例えば、A.Kibbe,Handbook of Pharmaceutical Excipients,3rd Ed.,2000,American Pharmaceutical Association and pharmaceutical pressから採用され得る。組成物は、腺腫様またはがん性疾患の阻止、予防法および/または治療法のために使用し得る。代表的配合物は、例えば欧州特許第2113253号明細書にある。
【0376】
それでもなお、本発明のペプチドの数および物理化学的特性次第で、12~18ヶ月を超えて安定している、ペプチドの特定の組み合わせ、特に20を超えるペプチドとの組み合わせのための配合を提供するために、さらなる研究が必要である。
【0377】
本発明は、がん、特に非小細胞肺がん、胃がん、腎細胞がん、大腸がん、腺がん、前立腺がん、良性新生物、および悪性黒色腫の治療において有用な薬剤を提供する。
【0378】
本発明は、
(a)溶液中のまたは凍結乾燥形態の上述の医薬組成物を含有する容器;
(b)任意選択的に、凍結乾燥製剤のための希釈剤または再構成溶液を含有する第2の容器;および
(c)任意選択的に、(i)溶液の使用、または(ii)凍結乾燥製剤の再構成および/または使用、のための使用説明書
を含んでなるキットをさらに目的とする。
【0379】
キットは、(iii)緩衝液、(iv)希釈剤、(V)濾過、(vi)針、または(V)シリンジの1つまたは複数をさらに含んでなってもよい。容器は、好ましくは、ボトル、バイアル、シリンジまたは試験管であり;それは、多回使用容器であってもよい。医薬組成物は、好ましくは凍結乾燥される。
【0380】
本発明のキットは、好ましくは、適切な容器内の本発明の凍結乾燥製剤と、その再構成および/または使用のための使用説明書とを含んでなる。適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル(例えば二重チャンバーバイアル)、シリンジ(二重チャンバーシリンジなど)、および試験管が挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの多様な材料から形成されてもよい。好ましくは、キットおよび/または容器は、容器上の、または容器に付随する、使用説明を含み、それは再構成および/または使用上の指示を示す。例えば、ラベルは、凍結乾燥製剤が、上述されるようなペプチド濃度に再構成されることを表示してもよい。ラベルは、製剤が皮下投与に有用であり、または皮下投与用であることをさらに表示してもよい。
【0381】
製剤を収容する容器は、多回使用バイアルであってもよく、それは再構成製剤の反復投与(例えば2~6回の投与)を可能にする。キットは、適切な希釈剤(例えば炭酸水素ナトリウム溶液)を含んでなる、第2の容器をさらに含んでなってもよい。
【0382】
希釈剤と凍結乾燥製剤の混合時に、再構成製剤中の最終ペプチド濃度は、好ましくは少なくとも0.15mg/mL/ペプチド(=75μg)であり、好ましくは3mg/mL/ペプチド(=1500μg)以下である。キットは、その他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、および使用説明が掲載されるパッケージインサートをはじめとする、商業的および使用者観点から望ましい、その他の物質をさらに含んでもよい。
【0383】
本発明のキットは、その他の構成要素(例えば、その他の化合物またはこれらのその他の化合物の医薬組成物)が添加されたまたは添加されない、本発明による医薬組成物製剤を含有する単回容器を有してもよく、または各構成要素のための別個の容器を有してもよい。
【0384】
好ましくは、本発明のキットは、第2の化合物(アジュバント(例えばGM-CSF)、化学療法剤、天然物、ホルモンまたは拮抗薬、抗血管新生因子または阻害剤、アポトーシス誘発剤またはキレート剤など)またはその医薬組成物の同時投与と組み合わせるためにパッケージされた、本発明の製剤を含む。キットの構成要素は、あらかじめ混合されてもよく、または各構成要素は、患者への投与前に別個の異なる容器内にあってもよい。キットの構成要素は、1つまたは複数の液体溶液、好ましくは水溶液、より好ましくは無菌水溶液中で、提供されてもよい。またキットの構成要素は、固体として提供されてもよく、それは、好ましくは別の異なる容器内に提供される、適切な溶媒の添加によって液体に変換されてもよい。
【0385】
治療用キットの容器は、バイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジ、または固体または液体を封入するその他のあらゆる手段であってもよい。通常、2つ以上の構成要素がある場合、キットは、第2のバイアルまたはその他の容器を含有して、別々の投薬を可能にする。キットは、薬学的に許容可能な液体のための別の容器もまた、含有してもよい。好ましくは、治療用キットは、装置(例えば、1本または複数の針、シリンジ、点眼器、ピペットなど)を含有して、本キットの構成要素である本発明の作用物質の投与を可能にする。
【0386】
本製剤は、経口(腸内)、経鼻、眼、皮下、皮内、筋肉内、静脈内または経皮などの任意の許容できる手段によるペプチド投与に適するものである。好ましくは、投与はs.c.であり、最も好ましくはi.dである。投与は、輸液ポンプによってもよい。
【0387】
本発明のペプチドは、NSCLCから単離されたので、本発明の薬剤は、好ましくはNSCLCを治療するために使用される。好ましい実施形態では、ABCA13およびMMP12に由来する本発明のペプチドは、NSCLCから単離されたので、本発明の薬剤は、好ましくはNSCLCを治療するために使用される。
【0388】
配列番号78~92があるペプチドはメルケル細胞がんから単離され、したがってメルケル細胞がんを治療するのに使用し得る。
【0389】
ここで好ましい実施形態を記載する以下の実施例において、本発明を説明するが、それでもなお、これらに限定されないのものとする。本発明の目的で、本明細書で引用される全ての参考文献は、その内容全体を参照によって援用する。
【図面の簡単な説明】
【0390】
【
図1-1】ABCA13-001からの代表的質量スペクトルは、原発性腫瘍サンプルNSCLC898上のその提示を実証する。NanoESI-LCMSは、NSCLCサンプル898から溶出したペプチドプールについて実施された。m/z 543.8318±0.001Da、z=2の質量クロマトグラムは、滞留時間86.36分におけるペプチドピークを示す。B)86.36分で質量クロマトグラム中に検出されるピークは、MSスペクトル中のm/z 543.8318のシグナルを明らかにした。C)所定の滞留時間でnanoESI-LCMS実験において記録された、選択前駆物質からの衝突誘導崩壊質量スペクトルm/z 543.8318は、NSCLC898腫瘍サンプル中のABCA13-001の存在を確認した。D)合成ABCA13-001参照ペプチドの断片化パターンが記録され、配列検証のために、Cに示される生じた天然TUMAP断片化パターンと比較された。
【
図2】正常組織および21個の肺がんサンプル中の選択されたタンパク質のmRNAの発現プロファイルである。a)ABCA13(Probeset ID:1553605_a_at)b)MMP12(Probeset ID:204580_at)
【
図3-1】選択HLAクラスIペプチドの提示プロファイルである。提示プロファイルは、平均サンプル提示を示す各ペプチドならびに反復試験変動について計算された。プロファイルは、関心のある腫瘍実体のサンプルを正常サンプルのベースラインに並置させる。a)ABCA13-001b)DST-001c)MXRA5-001
【
図4】クラスI TUMAPのペプチド特異的生体外免疫原性の代表的結果である。特異的CD8+T細胞は、2種の異なる蛍光色素に連結するHLA多量体で染色された。ドットプロットは、刺激ペプチド(左パネル)、および各陰性対照刺激(右パネル)に対するMHC多量体ダブルポジティブ集団を示す。
【
図5】調査されたHLAハプロタイプに対するPOSTN-002およびMMP12-002の結合特性である。略図は、分析されたHLA-DRハプロタイプ7つの内5つに対するPOSTN-002およびMMP12-002の結合スコアを示す。
【
図6】HLA-POSTN-002およびMMP12-002複合体の37℃で24時間後の安定性:略図は、37℃で24時間後における、対応するHLA分子とHLA-POSTN-002およびHLA-MMP12-002との非損傷複合体のの百分率を示す。
【
図7-1】クラスIIICSアッセイにおける、CEA-006に対する代表的ワクチン誘導CD4 T細胞応答である。生体外感作に続いて、時点プールV8/EOSにおけるCEA-006(上部パネル)および模擬(下部パネル)に対するCD4 T細胞応答について、患者36-031のPBMCを分析した。細胞を対応するペプチドで刺激して、生存度、抗CD3、抗CD8、抗CD4、およびエフェクターマーカーによって、それぞれ染色した(右から左:CD154、TNF-α、IFN-ガンマ、IL-2、IL-10)。生存能力があるCD4 T細胞は、1つまたは複数のエフェクター分子について陽性である細胞の比率について分析した。
【
図8】様々なクラスIIペプチドの免疫原性である。略図は、IMA950ペプチドについては16人の患者、IMA910ペプチドについては71人の患者で検出された、ICSを使用した5種の様々なクラスIIペプチドの免疫応答評価を示す。
【実施例0391】
実施例1
細胞表面に提示される腫瘍関連ペプチドの同定および定量化
組織サンプル
患者の腫瘍組織は、University of Heidelberg,Heidelberg,Germanyによって提供された。全ての患者の告知に基づく同意書は、外科手術前に得た。組織は、外科手術直後に液体窒素中で衝撃凍結して、TUMAPの単離まで-80℃で保存した。
【0392】
組織サンプルからのHLAペプチドの単離
衝撃凍結組織試料からのHLAペプチド貯留は、HLA-A*02-特異的抗体BB7.2、HLA-A、-B、-C特異的抗体W6/32、CNBr活性化セファロース、酸処理、および限外濾過を用いて、わずかに修正したプロトコル(Falk,K.,1991;Seeger,F.H.T.,1999)に従って、固形組織からの免疫沈降によって得た。
【0393】
方法
得られたHLAペプチド貯留は、逆相クロマトグラフィー(Acquity UPLC system,Waters)によって、それらの疎水性に従って分離し、ESI源を装着したLTQ-Orbitrapハイブリッド質量分光計(ThermoElectron)内で、溶出ペプチドを分析した。ペプチド貯留は、毎分400nLの流速を適用して、1.7μm C18逆相材料(Waters)で充填された、分析用融合シリカマイクロキャピラリーカラム(75μm内径×250mm)上に直接負荷した。引き続いて、毎分300nLの流速で10%から33%へのBの二段階180分間二成分勾配を用いて、ペプチドを分離した。勾配は、溶媒A(水中の0.1%ギ酸)および溶媒B(アセトニトリル中の0.1%ギ酸)から構成された。nanoESI源への導入には、金被覆ガラス毛管(PicoTip,New Objective)を使用した。LTQ-Orbitrap質量分光計は、TOP5ストラテジーを使用してデータ依存モードで操作された。手短に述べると、スキャンサイクルは、orbitrap(R=30000)内の高質量精度の完全スキャンで開始され、これもまたorbitrap(R=7500)内の5種の最も豊富な前駆イオンのMS/MSスキャンがそれに続き、あらかじめ選択されたイオンは動的に除外された。タンデム質量スペクトルは、SEQUESTおよび追加的な手動調節によって解釈された。同定されたペプチド配列は、生じた天然ペプチド断片化パターンと、配列が同一の合成参照ペプチドの断片化パターンとの比較によって保証された。
図1は、MHCクラスI関連ペプチドABCA13-001の腫瘍組織から得られた代表的スペクトルと、UPLCシステム上のその溶出プロファイルとを示す。
【0394】
イオン計数によって、すなわちLC-MS特性の抽出および解析によって、無標識相対LC-MS定量化を実施した(Mueller et al.2007a)。方法は、ペプチドのLC-MSシグナル面積が、サンプル中のその豊富さに相関すると仮定する。抽出された特性は、電荷状態デコンボリューションと滞留時間アライメントによって、さらに処理した(Mueller et al.2007b;Sturm et al.2008)。最終的に、全てのLC-MS特性を配列同定結果と相互参照して、異なるサンプルの定量的データと組織からペプチドへの提示プロファイルとを組み合わせた。定量的データは、技術的および生物学的複製内の変動を考慮した中心傾向に従って、二重様式で正規化した。このようにして、それぞれの同定されたペプチドが定量的データと関連付けられ、サンプルと組織の間の相対定量化が可能になる。さらに、ペプチド候補について得られた全ての定量的データを手動で検査し、データ整合性を保証して自動解析の確度を確認した。各ペプチドについて、提示プロファイルを計算し、平均サンプル提示ならびに反復試験変動を示した。プロファイルは、NSCLCサンプルを正常な組織サンプルのベースラインに並置させる。
【0395】
代表的過剰提示ペプチドの提示プロファイルは、
図3に示される。
【0396】
実施例2
本発明のペプチドをコードする遺伝子発現プロファイリング
MHC分子によって腫瘍細胞の表面に提示されると同定された全てのペプチドが、免疫療法に適するとは限らないが、それはこれらのペプチドの大多数が、多数の細胞型によって発現される正常な細胞タンパク質に由来するためである。これらのペプチドのごく少数のみが腫瘍関連であり、それらが由来する腫瘍を高特異性で認識するT細胞を誘導できると思われる。このようなペプチドを同定し、ワクチン接種によって誘導される自己免疫リスクを最小化するために、本発明者らは、大多数の正常組織と比較して腫瘍細胞上で過剰発現される、タンパク質に由来するペプチドに焦点を合わせた。
【0397】
理想的なペプチドは、腫瘍に特有で任意のその他の組織には存在しない、タンパク質に由来する。理想的なものと同様の発現プロファイルがある遺伝子に由来するペプチドを同定するために、同定されたペプチドをそれらが由来するタンパク質と遺伝子にそれぞれ割り当て、これらの遺伝子の発現プロファイルを作成した。
【0398】
RNA起源および調製
外科的に除去された組織標本は、告知に基づく同意書を各患者から得た後に、University of Heidelberg,Heidelberg,Germanyによって提供された(実施例1を参照されたい)。腫瘍組織標本は、外科手術直後に液体窒素中でスナップ凍結し、その後、液体窒素下で乳鉢と乳棒によって均質化した。全RNAは、TRI試薬(Ambion,Darmstadt,Germany)を使用してこれらのサンプルから調製され、RNeasy(QIAGEN,Hilden,Germany)による精製がそれに続き;どちらの方法も製造業者のプロトコルに従って実施された。
【0399】
健常ヒト組織からの全RNAは、商業的に入手された(Ambion,Huntingdon,UK;Clontech,Heidelberg,Germany;Stratagene,Amsterdam,Netherlands;BioChain,Hayward,CA,USA)。幾人(2~123人)かの個人からのRNAは、各個人からのRNAが等しく重み付けされるように混合した。
【0400】
全てのRNAサンプルの品質および量は、RNA 6000 Pico LabChipキット(Agilent)を使用して、Agilent 2100 Bioanalyzer(Agilent,Waldbronn,Germany)上で評価した。
【0401】
マイクロアレイ実験
全ての腫瘍および正常組織RNAサンプルの遺伝子発現解析は、Affymetrix Human Genome(HG)U133AまたはHG-U133 Plus 2.0オリゴヌクレオチドマイクロアレイ(Affymetrix,Santa Clara,CA,USA)によって実施した。全てのステップは、Affymetrixマニュアルに従って実施した。簡単に述べると、二本鎖cDNAは、マニュアルに記載されるようにして、SuperScript RTII(Invitrogen)およびオリゴdT-T7プライマー(MWG Biotech,Ebersberg,Germany)を使用して、5~8μgの全RNAから合成された。生体外転写は、U133AアレイのためのBioArray High Yield RNA Transcript Labelling Kit(ENZO Diagnostics,Inc.,Farmingdale,NY,USA)、またはU133 Plus 2.0のためのGeneChip IVT標識キット(Affymetrix)によって実施され、cRNA断片化、ハイブリダイゼーション、およびストレプトアビジン-フィコエリトリンとビオチン化抗ストレプトアビジン抗体(Molecular Probes,Leiden,Netherlands)による染色がそれに続いた。画像をAgilent 2500A GeneArray Scanner(U133A)またはAffymetrix Gene-Chip Scanner 3000(U133 Plus 2.0)でスキャンして、全てのパラメータについてデフォルト設定を使用して、GCOSソフトウェア(Affymetrix)によってデータを解析した。正規化のためには、Affymetrixによって提供される100個のハウスキーピング遺伝子を使用した。相対的発現値は、ソフトウェアによって与えられるシグナルlog比から計算され、正常な腎臓サンプルを自由裁量で1.0に設定した。
【0402】
非小細胞肺がんにおいて高度に過剰発現され、または排他的に発現される本発明の起源遺伝子の代表的発現プロファイルは、
図2に示される。
【0403】
実施例4
NSCLC MHCクラスI提示ペプチドの生体外免疫原性
本発明のTUMAPの免疫原性に関する情報を得るために、本発明者らは、ペプチド/MHC複合体および抗CD28抗体を負荷した人工抗原提示細胞(aAPC)によるCD8+T細胞の反復刺激に基づく、生体外T細胞初回刺激アッセイを用いて調査を実施した。このようにして、本発明者らは、これまでに本発明の9個のHLA-A*0201制限TUMAPの免疫原性を示し得て、これらのペプチドが、それに対するCD8+前駆T細胞がヒトに存在するT細胞エピトープであることを実証した(表4)。
【0404】
CD8+T細胞の生体外初回刺激
ペプチドMHC複合体(pMHC)および抗CD28抗体を負荷した、人工抗原提示細胞による生体外刺激を実施するために、本発明者らは、最初に、告知に基づく同意後に、Transfusion Medicine Tuebingen,Germanyから得られた健常ドナーのCD8ミクロビーズ(Miltenyi Biotec,Bergisch-Gladbach,Germany)を使用した、正の選択を通じて、新鮮HLA-A*02白血球除去生成物からCD8+T細胞を単離した。
【0405】
単離CD8+リンパ球またはPBMCは、10%熱不活性化ヒトAB血清(PAN-Biotech,Aidenbach,Germany)、100U/mlペニシリン/100μg/mlストレプトマイシン(Cambrex,Cologne,Germany)、1mMピルビン酸ナトリウム(CC Pro,Oberdorla,Germany)、20μg/mlゲンタマイシン(Cambrex)を添加した、RPMI-Glutamax(Invitrogen,Karlsruhe,Germany)からなるT細胞培地(TCM)中で、使用時まで培養した。2.5ng/mlのIL-7(PromoCell,Heidelberg,Germany)および10U/mlのIL-2(Novartis Pharma,Nurnberg,Germany)もまた、この段階でTCMに添加した。
【0406】
pMHC/抗CD28被覆ビーズの作成、T細胞刺激、および読み取りは、高度に定義された生体外システム内で、刺激条件あたり4種の異なるpMHC分子と、読み取り条件あたり8種の異なるpMHC分子を使用して実施した。
【0407】
aAPC負荷およびサイトメトリー読み取りのために使用された全てのpMHC複合体は、わずかな修正を加えたUV誘発MHCリガンド交換(Rodenko et al.,2006)に由来した。交換によって得られるpMHC単量体の量を判定するために、本発明者らは、(Rodenko et al.,2006)に記載のストレプトアビジンベースのサンドイッチELISAを実施した。
【0408】
製造業者(Perbio,Bonn,Germany)が推奨する通りにスルホ-N-ヒドロキシスクシンイミドビオチンを使用して、精製共刺激マウスIgG2a抗ヒトCD28 Ab 9.3(Jung et al.,1987)を化学的にビオチン化した。使用されたビーズは、直径5.6μmのストレプトアビジン被覆ポリスチレン粒子(Bangs Laboratories,Illinois,USA)であった。
【0409】
陽性および陰性対照刺激のために使用されたpMHCは、それぞれ、A*0201/MLA-001(修飾Melan-A/MART-1からのペプチドELAGIGILTV)、およびA*0201/DDX5-001(DDX5からのYLLPAIVHI)であった。
【0410】
4×12.5ngの異なるビオチンpMHC存在下で、800,000個のビーズ/200μlを96ウェルプレート内で被覆して洗浄し、引き続いて200μlの容量中で600ngのビオチン抗CD28を添加した。5ng/mlのIL-12(PromoCell)を添加した200μlのTCM中で、1×106のCD8+T細胞を2×105の洗浄した被覆ビーズと、37℃で3~4日間にわたり同時インキュベートすることで、96ウェルプレート内で刺激を開始した。次に80U/mlのIL-2を添加した新鮮TCMで培地の半分を交換し、37℃で3~4日間にわたり培養を継続した。この刺激サイクルを合計3回実施した。条件あたり8種の異なるpMHC分子を使用するpMHC多量体読み取りでは、5種の異なる蛍光色素への共役を含むわずかな修正を加えて、以前記載されたような(Andersen et al.,2012)二次元コンビナトリアルコーディングアプローチを使用した。最後に、Live/dead近赤外染料(Invitrogen,Karlsruhe,Germany)、CD8-FITC抗体クローンSK1(BD,Heidelberg,Germany)、および蛍光性pMHC多量体による細胞の染色によって多量体解析を実施した。解析では、適切なレーザーおよびフィルターを装着したBD LSRII SORP血球計数器を使用した。ペプチド特異的細胞は、全CD8+細胞の百分率として計算した。多量体解析の評価は、FlowJoソフトウェア(Tree Star,Oregon,USA)を使用して実施した。特異的多量体+CD8+リンパ球の生体外初回刺激は、陰性対照刺激と比較することで検出された。所与の抗原の免疫原性は、1人の健常ドナーの少なくとも1つの評価可能生体外刺激ウェルが、生体外刺激後に、特異的CD8+T細胞系を含有することが認められた場合に、検出された(すなわちこのウェルは、CD8+T細胞内に少なくとも1%の特異的多量体+を含有し、特異的多量体+細胞の百分率は、陰性対照刺激の中央値の少なくとも10倍である)。
【0411】
NSCLCペプチドの生体外免疫原性
HLAクラスIペプチドを試験するために、ペプチド特異的T細胞系の作成によって生体外免疫原性を実証し得る。本発明の2種のペプチドの、TUMAP特異的多量体染色後の代表的フローサイトメトリー結果は、対応する陰性対照と共に
図4に示される。本発明からの25種のペプチドの結果は、表5に要約される。
【0412】
【0413】
実施例5
ペプチドの合成
全てのペプチドは、Fmoc-ストラテジーを使用する、標準的な十分に確立された固相ペプチド合成を使用して合成された。分取RP-HPLCによる精製後、イオン交換法を実施して、生理学的適合性カウンターイオン(例えばトリフルオロ酢酸、酢酸、アンモニウムまたは塩化物)を組み込んだ。
【0414】
個々のペプチドのアイデンティティーおよび純度は、質量分析法および分析用RP-HPLCによって判定された。ペプチドは、イオン交換法後に、純度が90%~99.7%の白色から灰白色凍結乾燥物として得られた。
【0415】
全てのTUMAPは、好ましくはトリフルオロ酢酸塩または酢酸塩として投与され、その他の塩形態もまた可能である。実施例4の測定では、ペプチドのトリフルオロ酢酸塩を使用した。
【0416】
実施例6
UVリガンド交換
本発明によるワクチンの候補ペプチドは、生体外初回刺激アッセイによって、免疫原性についてさらに試験された。これらのアッセイに必要な個々のペプチド-MHC複合体は、UVリガンド交換によって生成され、UV感受性ペプチドはUV照射に際して切断されて、分析される関心のあるペプチドで交換された。ペプチド受容性MHC分子を効果的に結合して安定化し得るペプチド候補のみが、MHC複合体の分離を防止する。交換反応の収率を判定するために、安定化MHC複合体の軽鎖(β2m)の検出に基づくELISAを実施した。アッセイは、概して、Rodenko et al.(Rodenko B,Toebes M,Hadrup SR,van Esch WJ,Molenaar AM,Schumacher TN,Ovaa H.Generation of peptide-MHC class I complexes through UV-mediated ligand exchange.Nat Protoc.2006;1(3):1120-32)に記載されるようにして実施した。
【0417】
96ウェルMAXISorpプレート(NUNC)をPBS中の2ug/mlストレプトアビジンで室温で一晩被覆し、4回洗浄して、ブロック緩衝液を含有する2%BSA中で37℃で30分間ブロックした。再折りたたみされたHLA-A*0201/MLA-001単量体が、8~500ng/mlの範囲をカバーする標準物質の役割を果たした。UV交換反応のペプチド-MHC単量体は、ブロック緩衝液中で100倍に希釈した。サンプルを37℃で1時間インキュベートして、4時間洗浄し、2ug/mlHRP共役結合抗β2mと共に37℃で1時間インキュベートし、再度洗浄して、NH2SO4で停止されたTMB溶液で検出した。吸光を450nmで測定した。
【0418】
【0419】
抗体またはその断片、および/またはT細胞受容体またはその断片の作成および生成のためには、高い交換収率(すなわち40%よりも高く、好ましくは50%よりも高く、より好ましくは70%よりも高く、最も好ましくは80%よりも高い)を示す候補ペプチドが一般に好ましいが、それは、これらがMHC分子に対する十分な結合活性を示して、MHC複合体の分離を防止するためである。
【0420】
実施例7
選択されたMHCクラスIIペプチドの結合および免疫原性
HLAクラスIIタンパク質は、多数のハプロタイプによってコードされる、3つの主要なアイソタイプHLA-DR、-DP、DQに分類される。様々なαおよびβ鎖の組み合わせは、任意の母集団に見られるHLAクラスIIタンパク質の多様性を増大させる。したがって、選択されたHLAクラスII TUMAPは、かなりの割合の患者で、効果的なT細胞応答に寄与するために、数種の異なるHLA-DR分子に結合しなくてはならない(すなわち乱交雑結合能力を示す)。
【0421】
POSTN-002およびMMP12-002の様々なHLA-DRハプロタイプへの乱交雑結合、および形成した複合体の安定性は、次のように外的サービス提供者によって生体外結合アッセイで評価された。
【0422】
【0423】
調査したHLA-DRハプロタイプの一覧
7種の調査したHLA-DRハプロタイプは、HLA-A*02およびHLA-A*24陽性北米人母集団中における、それらの頻度に従って選択された(表7.1および7.2)。
【0424】
データは、米国骨髄バンクに登録した135万人のHLA型ボランティアの分析から導かれた(Mori et al.,1997)。分析された母集団は、次の民族に細分化された:白人米国人(N=997,193)、アフリカ系米国人(N=110,057)、アジア系米国人(N=81,139)、ラテン系米国人(N=100,128)、および北米先住民(N=19,203)。
【0425】
【0426】
【0427】
試験原理
ProImmune REVEAL(登録商標)MHC-ペプチド結合アッセイは、各候補ペプチドが選択されたHLAクラスIIハプロタイプに結合して、HLA-ペプチド複合体を安定化する能力を判定する。それによって候補ペプチドは、特定のHLAクラスIIタンパク質と共に生体外で構築される。HLA分子へのペプチド組み込みのレベルは、再折りたたみ手順完了後0時間目における(いわゆるオンレート)、構築されたHLA-ペプチド複合体の天然立体配座の存在または不在によって測定される。
【0428】
特定のHLA分子に対する候補ペプチドの結合能力は、既知の非常に強力な結合特性があるもの(陽性対照)と比較されて、対応するREVEAL(登録商標)MHC-ペプチド結合スコアが得られる。陽性対照ペプチドは、ProImmuneによって、各HLAハプロタイプに関する個別の経験に基づいて選択され、提供される。
【0429】
特定のHLA分子に対するペプチドの親和性に加えて、形成されるHLA-ペプチド複合体の永続的安定性は、免疫応答発生に重要である。したがって形成されたHLA-ペプチド複合体の存在が、37℃で24時間にわたるインキュベーション後に測定される。その結果、形成されたMHC-ペプチド複合体の安定性は、24時間目の結合スコアと、再折りたたみ直後(したがって0時間目)に得られる結合スコアとのパーセント比として計算される。
【0430】
結果
REVEAL(登録商標)MHC-ペプチド結合アッセイにおけるPOSTN-002およびMMP12-002の分析は、双方のペプチドが様々なHLAハプロタイプに結合することを示した。POSTN-002は、7種の調査したHLAハプロタイプの内4種と、MMP12-002は5種と複合体を形成することが示された(
図5)。どちらのペプチドも、HLA-DR3およびHLA-DR6には結合しなかった。検出された結合スコアは、陽性対照に対して0.02~約2.5%の範囲内であり、非結合ペプチドのスコアを明らかに超えていた。
【0431】
形成されたHLA-POSTN-002およびHLA-MMP12-002複合体の安定性分析は、調査した6種のHLA-ペプチド複合体の内、それぞれ3種および2種が、37℃で24時間後に安定していたことを明らかにした(
図6)。
【0432】
HLA分子との結合能力に基づくペプチドの免疫原性の結論は、このペプチドの結合スコアを既知の免疫原性と比較することで得られる。したがって、免疫原性が判定された5種の十分に調査されたペプチドをこの比較のために選択した。これらのペプチドの免疫原性は、細胞内サイトカイン染色(ICS)CD4 T細胞を使用して、ワクチン接種患者の血中サンプル中で、生体外で判定した。
【0433】
原則的に、ICSアッセイは、エフェクター機能の観点から、特異的T細胞の質を分析する。そのため、末梢単核細胞(PBMC)を生体外で培養し、引き続いて関心のあるペプチド、参照ペプチド、および陰性対照(ここではMOCK)で再刺激した。再刺激に続いて、FN-γ、TNF-α、IL-2、およびIL-10生成、ならびに共刺激分子CD154の発現について細胞を染色した。影響を受けた細胞の計数は、フローサイトメーター上で実施した(
図7)。
【0434】
免疫原性解析は、16人の患者におけるIMA950ペプチド(BIR-002およびMET-005)でのワクチン接種による100%免疫応答、および71人の患者におけるMA910ペプチド(CEA-006、TGFBI-004、およびMMP-001)でのワクチン接種による44%~86%の免疫応答を明らかにした。
【0435】
POSTN-002およびMMP12-002ペプチドの結合スコアをIMA910およびIMA950ペプチドの結合スコアと比較するために、検出された結合スコアに従って、調査した各HLA-DRハプロタイプについて、全てのペプチドを表に配列した(表8.1~8.5)。
【0436】
【0437】
【0438】
【0439】
【0440】
【0441】
POSTN-002およびMMP12-002の結合スコアと、既知の免疫原性がある別のクラスIIペプチドの結合スコアとの比較は、双方のペプチドの結合能力が、HLA-DR2を除いて、大部分が、表の中央から下半分までに位置したことを示した。双方のペプチドのHLA-DR2結合能力は、表の上半分に位置し、MMP12-002が最上位候補であった。この分析に基づいて、POSTN-002およびMMP12-002の双方のペプチドが、免疫応答を同様に誘導すると予測すべきである。
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