(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130487
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】発泡イソシアネート系ポリマー
(51)【国際特許分類】
C08G 18/00 20060101AFI20220830BHJP
C08G 18/08 20060101ALI20220830BHJP
C08G 18/63 20060101ALI20220830BHJP
C08G 101/00 20060101ALN20220830BHJP
【FI】
C08G18/00 K
C08G18/08 038
C08G18/63
C08G101:00
【審査請求】有
【請求項の数】42
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022096585
(22)【出願日】2022-06-15
(62)【分割の表示】P 2018568398の分割
【原出願日】2017-06-29
(31)【優先権主張番号】62/493,304
(32)【優先日】2016-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511122651
【氏名又は名称】プロプライアテクト・エル.ピー.
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】デリック・ウィリアム・スミス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ロバート・ビーミッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ポール・デイビッド・ハレル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】石油系コポリマーポリオールを使用したポリウレタン発泡体の物理的性質を損なうことなく、安価な原料を使用した発泡体を提供する。
【解決手段】イソシアネート;ベースのポリオール中に分散されている第1の所定量のスチレン-アクリロニトリルポリマー粒子を含むポリオール組成物;第2の所定量のバイオマス系の炭素質微粒子状材料;および発泡剤を含む反応混合物から誘導される発泡イソシアネート系ポリマーであって、前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記反応混合物から前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料を省略し、前記ポリオール組成物中のポリマー粒子の量を増大して前記第1の所定量および前記第2の所定量の総和と等しくすることにより生成した参照発泡体の15%以内の押込み力撓みを有する、発泡イソシアネート系ポリマーとする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート;
ベースのポリオール中に分散されている第1の所定量のポリマー粒子を含むポリオール組成物;
第2の所定量のバイオマス系の炭素質微粒子状材料;および
発泡剤
を含む反応混合物から誘導される発泡イソシアネート系ポリマーであって、
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記反応混合物から前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料を省略し、前記ポリオール組成物中のポリマー粒子の量を増大して前記第1の所定量および前記第2の所定量の総和と等しくすることにより生成した参照発泡体の約15%以内の押込み力撓みを有する、発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項2】
前記第1の所定量がゼロであって、ベースのポリオール組成物が前記ベースのポリオールである、請求項1に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項3】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、前記反応混合物の形成前にベースのポリオール組成物に分散されている、請求項1~2のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項4】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約50μm未満のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項5】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.01μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項6】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項7】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約45μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項8】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約40μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項9】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約35μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項10】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約30μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項11】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約25μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項12】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約20μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項13】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約15μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項14】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約10μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項15】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約8μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項16】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項17】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.3μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項18】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.4μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項19】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.5μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項20】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約6μmのD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項21】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約1.3μmのD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項22】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.9μmのD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項23】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.5μmのD50粒径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項24】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の約13%以内の押込み力撓みを有する、請求項1~23のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項25】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の約11%以内の押込み力撓みを有する、請求項1~23のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項26】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の約10%以内の押込み力撓みを有する、請求項1~23のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項27】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の約8%以内の押込み力撓みを有する、請求項1~23のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項28】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の約6%以内の押込み力撓みを有する、請求項1~23のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項29】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の約5%以内の押込み力撓みを有する、請求項1~23のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項30】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約50%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項31】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約75%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項32】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約85%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項33】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約0.10~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項34】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約0.35~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項35】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約0.70~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項36】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約10~約4,000m2/gの表面積を有する、請求項1~35のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項37】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約50~約3,000m2/gの表面積を有する、請求項1~35のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項38】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約150~約2,000m2/gの表面積を有する、請求項1~35のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項39】
前記反応混合物が、前記ベースのポリオール中に分散されているポリマー粒子を実質的に完全に含まない、請求項1~38のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項40】
前記ベースのポリオールが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエンおよびポリカプロラクトンからなる群から選択されるメンバーのヒドロキシルを末端基とする主鎖を含む、請求項1~39のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項41】
前記ベースのポリオールが、ヒドロキシルを末端基とするポリ炭化水素、ヒドロキシルを末端基とするポリホルマール、脂肪酸トリグリセリド、ヒドロキシルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするペルフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール、ポリアルキレンエーテルトリオールおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~39のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項42】
前記ベースのポリオールが、アジピン酸-エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ヒドロキシルを末端基とするポリブタジエンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~39のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項43】
前記ベースのポリオールがポリエーテルポリオールである、請求項1~39のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項44】
前記ポリエーテルポリオールが、約200~約10,000の範囲の分子量を有する、請求項43に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項45】
前記ポリエーテルポリオールが、約2,000~約7,000の範囲の分子量を有する、請求項43に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項46】
前記ポリエーテルポリオールが、約2,000~約6,000の範囲の分子量を有する、請求項43に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項47】
前記反応混合物が、ポリアミン、ポリアルカノールアミンおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される活性水素含有化合物をさらに含む請求項43~46のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項48】
前記ポリアミンが、一級アミンを末端基とするポリエーテル、二級アミンを末端基とするポリエーテルおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項47に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項49】
前記イソシアネートがプレポリマーを含む、請求項1~48のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項50】
前記イソシアネートが、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、フルフリリデンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、4,4’-ジフェニル-3,3’-ジメチルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1-メチル-2,4-ジイソシアネート-5-クロロベンゼン、2,4-ジイソシアナト-s-トリアジン、1-メチル-2,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、p-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、ビス-(4-イソシアナトフェニル)メタン、ビス-(3-メチル-4-イソシアナトフェニル)メタン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~48のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項51】
前記イソシアネートが、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~48のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項52】
前記イソシアネートが、(i)2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこれらの混合物;ならびに(ii)(i)と2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択されるイソシアネートとの混合物から本質的になる群から選択される、請求項1~48のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項53】
前記発泡剤が水を含む、請求項1~52のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項54】
前記発泡剤が水からなる、請求項1~52のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項55】
前記水が、前記反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり約0.5~約40重量部の範囲の量で使用される、請求項53~54のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項56】
前記水が、前記反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり約1.0~約10重量部の範囲の量で使用される、請求項53~54のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項57】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが成形される、請求項1~56のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項58】
イソシアネート;および
ベースのポリオール中に分散されているポリマー粒子を任意に含んでいてもよいポリオール組成物;
バイオマス系の炭素質微粒子状材料
から誘導される発泡イソシアネート系ポリマーであって、
前記発泡ポリマーが複数の相互に接続した支柱を含む多孔性マトリックスを有しており、前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料がバイオマス系の炭素質微粒子状材料の重量%当たり少なくとも約5ニュートンの投入効率を前記多孔性マトリックスに付与する、発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項59】
前記第1の所定量がゼロであって、ベースのポリオール組成物が前記ベースのポリオールである、請求項58に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項60】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、前記反応混合物の形成前にベースのポリオール組成物に分散されている、請求項58~59のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項61】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約50μm未満のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項62】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.01μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項63】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項64】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約45μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項65】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約40μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項66】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約35μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項67】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約30μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項68】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約25μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項69】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約20μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項70】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約15μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項71】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約10μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項72】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約8μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項73】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項74】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.3μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項75】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.4μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項76】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.5μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項77】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約6μmのD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項78】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約1.3μmのD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項79】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.9μmのD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項80】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.5μmのD50粒径を有する、請求項58~60のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項81】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記反応混合物中の前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料の量と等しい量の、前記ベースのポリオール中のポリマー粒子で置換することによって生成した参照発泡体の約15%以内の押込み力撓みを有する、請求項58~80のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項82】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の約13%以内の押込み力撓みを有する、請求項58~83のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項83】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の約11%以内の押込み力撓みを有する、請求項82に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項84】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の約10%以内の押込み力撓みを有する、請求項82に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項85】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の約8%以内の押込み力撓みを有する、請求項82に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項86】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の約6%以内の押込み力撓みを有する、請求項82に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項87】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の約5%以内の押込み力撓みを有する、請求項82に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項88】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約50%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項58~87のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項89】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約75%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項58~87のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項90】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約85%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項58~87のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項91】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約0.10~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項58~90のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項92】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約0.35~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項58~90のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項93】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約0.70~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項58~90のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項94】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約10~約4,000m2/gの表面積を有する、請求項58~93のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項95】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約50~約3,000m2/gの表面積を有する、請求項58~93のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項96】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約150~約2,000m2/gの表面積を有する、請求項58~93のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項97】
前記反応混合物が、前記ベースのポリオール中に分散されているポリマー粒子を実質的に完全に含まない、請求項58~96のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項98】
前記ベースのポリオールが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエンおよびポリカプロラクトンからなる群から選択されるメンバーのヒドロキシルを末端基とする主鎖を含む、請求項58~97のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項99】
前記ベースのポリオールが、ヒドロキシルを末端基とするポリ炭化水素、ヒドロキシルを末端基とするポリホルマール、脂肪酸トリグリセリド、ヒドロキシルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするペルフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール、ポリアルキレンエーテルトリオールおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項58~97のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項100】
前記ベースのポリオールが、アジピン酸-エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ヒドロキシルを末端基とするポリブタジエンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項58~97のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項101】
前記ベースのポリオールがポリエーテルポリオールである、請求項58~97のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項102】
前記ポリエーテルポリオールが、約200~約10,000の範囲の分子量を有する、請求項101に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項103】
前記ポリエーテルポリオールが、約2,000~約7,000の範囲の分子量を有する、請求項101に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項104】
前記ポリエーテルポリオールが、約2,000~約6,000の範囲の分子量を有する、請求項101に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項105】
反応混合物が、ポリアミン、ポリアルカノールアミンおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される活性水素含有化合物をさらに含む請求項101~104のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項106】
前記ポリアミンが、一級アミンを末端基とするポリエーテル、二級アミンを末端基とするポリエーテルおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項105に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項107】
前記イソシアネートがプレポリマーを含む、請求項58~106のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項108】
前記イソシアネートが、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、フルフリリデンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、4,4’-ジフェニル-3,3’-ジメチルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1-メチル-2,4-ジイソシアネート-5-クロロベンゼン、2,4-ジイソシアナト-s-トリアジン、1-メチル-2,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、p-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、ビス-(4-イソシアナトフェニル)メタン、ビス-(3-メチル-4-イソシアナトフェニル)メタン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項58~106のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項109】
前記イソシアネートが、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項58~106のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項110】
前記イソシアネートが、(i)2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこれらの混合物;ならびに(ii)(i)と2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択されるイソシアネートとの混合物から本質的になる群から選択される、請求項58~106のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項111】
前記発泡剤が水を含む、請求項58~110のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項112】
前記発泡剤が水からなる、請求項58~110のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項113】
前記水が、前記反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり約0.5~約40重量部の範囲の量で使用される、請求項111~112のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項114】
前記水が、前記反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり約1.0~約10重量部の範囲の量で使用される、請求項111~112のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項115】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが成形される、請求項58~114のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項116】
発泡イソシアネート系ポリマーを製造する方法であって、
(a)イソシアネート;ベースのポリオール中に分散されている第1の所定量のポリマー粒子を任意に含んでいてもよいポリオール組成物、第2の所定量のバイオマス系の炭素質微粒子状材料および発泡剤を接触させて反応混合物を生成させる工程と、
(b)前記反応混合物を膨張させて発泡イソシアネート系ポリマーを生成させる工程とを含む、方法。
【請求項117】
前記第1の所定量がゼロであって前記ベースのポリオール組成物が前記ベースのポリオールである、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が前記反応混合物の形成前に前記ベースのポリオール組成物に分散されている、請求項116~117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約50μm未満のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.01μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.1μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.1μm~約45μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.1μm~約40μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.1μm~約35μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約30μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約25μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約20μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約15μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約10μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約8μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項131】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.3μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.4μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.5μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項135】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約6μmのD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約1.3μmのD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項137】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.9μmのD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項138】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.5μmのD50粒径を有する、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約50%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項116~138のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約75%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項116~138のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約85%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項116~138のいずれか一項に記載の方法。
【請求項142】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約0.10~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項116~141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項143】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約0.35~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項116~141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約0.70~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項116~141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約10~約4,000m2/gの表面積を有する、請求項116~141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約50~約3,000m2/gの表面積を有する、請求項116~141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項147】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約150~約2,000m2/gの表面積を有する、請求項116~141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項148】
前記反応混合物が前記ベースのポリオール中に分散されているポリマー粒子を実質的に完全に含まない、請求項116~147のいずれか一項に記載の方法。
【請求項149】
前記ベースのポリオールがポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエンおよびポリカプロラクトンからなる群から選択されるメンバーのヒドロキシルを末端基とする主鎖を含む、請求項116~148のいずれか一項に記載の方法。
【請求項150】
前記ベースのポリオールがヒドロキシルを末端基とするポリ炭化水素、ヒドロキシルを末端基とするポリホルマール、脂肪酸トリグリセリド、ヒドロキシルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするペルフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール、ポリアルキレンエーテルトリオールおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項116~148のいずれか一項に記載の方法。
【請求項151】
前記ベースのポリオールがアジピン酸-エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ヒドロキシルを末端基とするポリブタジエンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項116~148のいずれか一項に記載の方法。
【請求項152】
前記ベースのポリオールがポリエーテルポリオールである、請求項116~148のいずれか一項に記載の方法。
【請求項153】
前記ポリエーテルポリオールが約200~約10,000の範囲の分子量を有する、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記ポリエーテルポリオールが約2,000~約7,000の範囲の分子量を有する、請求項152に記載の方法。
【請求項155】
前記ポリエーテルポリオールが約2,000~約6,000の範囲の分子量を有する、請求項152に記載の方法。
【請求項156】
前記反応混合物がポリアミン、ポリアルカノールアミンおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される活性水素含有化合物をさらに含む、請求項152~155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
前記ポリアミンが一級アミンを末端基とするポリエーテル、二級アミンを末端基とするポリエーテルおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
前記イソシアネートがプレポリマーを含む、請求項116~157のいずれか一項に記載の方法。
【請求項159】
前記イソシアネートが1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、フルフリリデンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、4,4’-ジフェニル-3,3’-ジメチルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1-メチル-2,4-ジイソシアネート-5-クロロベンゼン、2,4-ジイソシアナト-s-トリアジン、1-メチル-2,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、p-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、ビス-(4-イソシアナトフェニル)メタン、ビス-(3-メチル-4-イソシアナトフェニル)メタン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項116~157のいずれか一項に記載の方法。
【請求項160】
前記イソシアネートが2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項116~157のいずれか一項に記載の方法。
【請求項161】
前記イソシアネートが(i)2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこれらの混合物;ならびに(ii)(i)と2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択されるイソシアネートとの混合物から本質的になる群から選択される、請求項116~157のいずれか一項に記載の方法。
【請求項162】
前記発泡剤が水を含む、請求項116~161のいずれか一項に記載の方法。
【請求項163】
前記発泡剤が水からなる、請求項116~161のいずれか一項に記載の方法。
【請求項164】
前記水が前記反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり約0.5~約40重量部の範囲の量で使用される、請求項162~163のいずれか一項に記載の方法。
【請求項165】
前記水が前記反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり約1.0~約10重量部の範囲の量で使用される、請求項162~163のいずれか一項に記載の方法。
【請求項166】
工程(b)を、前記発泡イソシアネート系ポリマーを成形発泡体として生成するように構成された密閉モールド内で行う、請求項116~165のいずれか一項に記載の方法。
【請求項167】
工程(b)を、オープントップを有するチャネル内で行って前記発泡イソシアネート系ポリマーをスラブ発泡体として生成する、請求項116~165のいずれか一項に記載の方法。
【請求項168】
(a)第1の所定量のバイオマス系の炭素質微粒子状材料ポリマー粒子;および
(b)ポリオール
を含むポリオール系分散体であって、
前記分散体が第2の所定量のポリマー粒子を任意に含んでいてもよい、ポリオール系分散体。
【請求項169】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約50μm未満のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項170】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.01μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項171】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.1μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項172】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.1μm~約45μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項173】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.1μm~約40μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項174】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.1μm~約35μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項175】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約30μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項176】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約25μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項177】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約20μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項178】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約15μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項179】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約10μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項180】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約8μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項181】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.2μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項182】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.3μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項183】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.4μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項184】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.5μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項185】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約6μmのD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項186】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約1.3μmのD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項187】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.9μmのD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項188】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が約0.5μmのD50粒径を有する、請求項168に記載のポリオール系分散体。
【請求項189】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約50%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項168~188のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項190】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約75%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項168~188のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項191】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約85%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項168~188のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項192】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約0.10~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項168~191のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項193】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約0.35~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項168~191のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項194】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき約0.70~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項168~191のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項195】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約10~約4,000m2/gの表面積を有する、請求項168~194のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項196】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約50~約3,000m2/gの表面積を有する、請求項168~194のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項197】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約150~約2,000m2/gの表面積を有する、請求項168~194のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項198】
前記分散体がポリマー粒子を実質的に完全に含まない、請求項168~194のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項199】
前記ベースのポリオールが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエンおよびポリカプロラクトンからなる群から選択されるメンバーのヒドロキシルを末端基とする主鎖を含む、請求項168~198のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項200】
前記ベースのポリオールが、ヒドロキシルを末端基とするポリ炭化水素、ヒドロキシルを末端基とするポリホルマール、脂肪酸トリグリセリド、ヒドロキシルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするペルフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール、ポリアルキレンエーテルトリオールおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項168~198のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項201】
前記ベースのポリオールが、アジピン酸-エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ヒドロキシルを末端基とするポリブタジエンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項168~198のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項202】
前記ベースのポリオールがポリエーテルポリオールである、請求項168~198のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項203】
前記ポリエーテルポリオールが約200~約10,000の範囲の分子量を有する、請求項202に記載のポリオール系分散体。
【請求項204】
前記ポリエーテルポリオールが約2,000~約7,000の範囲の分子量を有する、請求項202に記載のポリオール系分散体。
【請求項205】
前記ポリエーテルポリオールが約2,000~約6,000の範囲の分子量を有する、請求項202に記載のポリオール系分散体。
【請求項206】
前記反応混合物が、ポリアミン、ポリアルカノールアミンおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される活性水素含有化合物をさらに含む、請求項202~205のいずれか一項に記載のポリオール系分散体。
【請求項207】
前記ポリアミンが、一級アミンを末端基とするポリエーテル、二級アミンを末端基とするポリエーテルおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項206に記載のポリオール系分散体。
【請求項208】
請求項168~207のいずれか一項に記載のポリオール系分散体の、発泡イソシアネート系ポリマーを製造するための使用。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年6月29日に出願された米国仮特許出願第62/493,304号の35U.S.C.§119(e)に基づく利益を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の背景
発明の分野
その1つの側面において、本発明は改良された特性を有する発泡イソシアネート系ポリマーに関する。その別の側面において、本発明はそのような発泡イソシアネート系ポリマーの製造方法に関する。そのさらに別の側面において、本発明はイソシアネート系発泡体の特性を改良する方法に関する。そのさらに別の側面において、本発明は、とりわけ発泡イソシアネート系ポリマーの製造に有用なポリオール系分散体に関する。
【0003】
先行技術の説明
イソシアネート系ポリマーは当技術分野で公知である。一般に、当業者はイソシアネート系ポリマーをポリウレタン、ポリ尿素、ポリイソシアヌレートおよびこれらの混合物であると理解している。
【0004】
また、発泡イソシアネート系ポリマーを製造することも当技術分野で公知である。実際、他のポリマー系と比較したイソシアネート系ポリマーの利点の1つは、重合および発泡がインサイチューで起こり得ることである。この結果、ポリマーを形成し膨張させながらそのポリマーを成形することができる。
【0005】
ポリウレタン発泡体を製造する慣用の手法の1つは「ワンショット」法として知られている。この手法では、イソシアネート、適切なポリオール、触媒、水(これは反応性「発泡」剤として作用するが、任意に1種以上の物理的発泡剤で補完されてもよい)および他の添加剤を、たとえば、衝突混合(たとえば、高圧)を使用して一挙に混合する。一般に、ポリ尿素を製造しようとする場合、ベースのポリオールは適切なポリアミンで置きかえられる。ポリイソシアヌレートはイソシアネート成分の環状三量化の結果であってもよい。ウレタン変性ポリ尿素またはポリイソシアヌレートは当技術分野で公知である。何れの状況でも、適切な混合法を用いて反応物質を極めて迅速に密に混合する。
【0006】
発泡イソシアネート系ポリマーを製造する別の方法は「プレポリマー」法として公知である。この方法では、ポリオールとイソシアネートを(ポリウレタンの場合)不活性雰囲気中で反応させて、反応性の基(たとえば、イソシアネート部分および活性水素部分)を末端基とする液体ポリマーを形成することによってプレポリマーを製造する。発泡ポリマーを製造するには、プレポリマーを、必要に応じ硬化剤および他の添加剤の存在下で低分子量のポリオール(ポリウレタンを製造する場合)またはポリアミン(変性ポリ尿素を製造する場合)と十分に混合する。
【0007】
使用する方法に関わらず、フィラー材料を反応混合物に含ませることは当技術分野で公知である。慣習的に、フィラー材料は、液体イソシアネートおよび液体の活性水素含有化合物(すなわち、ポリウレタンの場合のベースのポリオール、ポリ尿素の場合のポリアミン、等)の一方または両方にフィラー材料を投入することによって発泡ポリマー中に導入されている。一般に、フィラー材料の組込みは得られる発泡製品にいわゆる投入構築(loaded building)特性を付与する目的に役立つ。
【0008】
反応混合物中に使用されるフィラー材料の種類および相対量は、発泡ポリマー製品の所望の物理的性質、ならびに混合技術により課される制限、系の安定性および(たとえば、設備の狭い通路、オリフィスなどと不適合なフィラー材料の粒径に起因する)設備により課される制限に応じてある程度変化することができる。
【0009】
硬度特性を改良する目的で固体材料を発泡製品に組み込む1つの公知の技術ではポリオール-固体の分散体、特にグラフトコポリマーポリオールの形態のものを使用する。当技術分野で公知のように、グラフトコポリマーポリオールは、他の有機のポリマーを含有するポリオール、好ましくはポリエーテルポリオールである。知られているように、そのようなグラフトコポリマーポリオールは、有機のポリマーを組み込むことにより変性されていないポリオールの使用と比較して、得られるポリウレタン発泡体に硬度を付与する(すなわち、投入構築(load building))のに有用である。グラフトコポリマーポリオールには、検討してもよい主要なカテゴリーが2つある:(i)連鎖成長コポリマーポリオール、および(ii)段階成長コポリマーポリオール。
【0010】
連鎖成長コポリマーポリオールを製造するには、一般に、ポリオール担体中でのモノマーのフリーラジカル重合により、ベースのポリオール担体中に分散されているフリーラジカルポリマーを生成させる。慣習的に、フリーラジカルポリマーはアクリロニトリルまたはスチレン-アクリロニトリル(SAN)をベースとすることができる。ベースのポリオールの固形分は、組成物(すなわち、フリーラジカルポリマーおよびポリオール担体)の総重量の通例約60重量%以下、通常は約15重量%~約40重量%の範囲である。一般に、これらの連鎖成長コポリマーポリオールは約2,000~約8,000センチポアズの範囲の粘度を有している。そのような連鎖成長コポリマーポリオールが生成すると、ベースのポリオール鎖のフリーラジカルポリマーへのグラフト化を誘発することが知られている。
【0011】
段階成長コポリマーポリオールは一般に次のように特徴付けられる:(i)PHD(Polyharnstoff Disperion)ポリオール、(ii)PIPA(Poly Isocyanate Poly Addition)ポリオール、および(iii)エポキシ分散ポリオール。PHDポリオールは慣用のポリオール中のポリ尿素粒子の分散体であり、一般にポリエーテルポリオールの存在下でジアミン(たとえば、ヒドラジン)とジイソシアネート(たとえば、トルエンジイソシアネート)の反応により形成される。PHDポリオールの固形分は通例組成物(すなわち、ポリ尿素粒子およびポリオール担体)の総重量の約50重量%以下、通常約15重量%~約40重量%の範囲である。一般に、PHDポリオールは約2,000~約6,000センチポアズの範囲の粘度を有する。PIPAポリオールはPHDポリオールと類似であるが、ポリ尿素粒子の代わりにポリウレタン粒子を含有する。PIPAポリオール中のポリウレタン粒子はイソシアネートとアルカノールアミン(たとえば、トリエタノールアミン)の反応によりインサイチューで形成される。PIPAポリオール中の固形分は通例組成物(すなわち、ポリウレタン粒子およびポリオール担体)の総重量の約80重量%以下、通常は約15重量%~約70重量%の範囲である。一般に、PIPAポリオールは約4,000~約50,000センチポアズの範囲の粘度を有する。たとえば、米国特許第4,374,209号および第5,292,778号参照。エポキシ分散ポリオールは慣用のベースのポリオール中の硬化したエポキシ樹脂の分散体をベースとしている。エポキシ粒子は改良された水素結合特性をもつ高弾性固体とされている。
【0012】
有用なグラフトコポリマーポリオールに関するさらなる情報については、たとえば、Chapter 2 of “Flexible Polyurethane Foams” by Herrington and Hock (1997)およびその中で引用されている文献に見いだされるであろう。
【0013】
当技術分野での進歩にも関わらず、新規な投入構築法の開発が相変わらず求められている。具体的にいうと、上で論じた先行技術の方法の多くは比較的高価な材料(たとえば、上記グラフトコポリマーポリオール)を使用しており、商業規模の設備で利用するのが複雑になる可能性がある。加えて、イソシアネート系発泡ポリマーの製造において石油系成分への依存度を減らそうとする必要性が継続している。このように、慣用の「石油系」投入構築法の少なくとも部分的な代替としてポリウレタン発泡体に都合よく適用することができるいわゆる「バイオ系」投入構築法があれば望ましいであろう。その投入構築法がかなり安価であり、および/またはポリウレタン発泡体の他の性質を改良し、および/または現存の製造スキームに比較的容易に組み込むことができれば、さらに望ましいであろう。
【0014】
発明の概要
本発明の目的は、先行技術の上記不都合の少なくとも1つを取り除くかまたは和らげることである。
【0015】
本発明の別の目的は、新規な発泡イソシアネート系ポリマーを提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、発泡イソシアネート系ポリマーを製造するための新規な方法を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、新規なポリオール系分散体を提供することである。
【0018】
したがって、その1つの側面において、本発明は、
イソシアネート;
ベースのポリオール中に分散されている第1の所定量のポリマー粒子を含むポリオール組成物;
第2の所定量のバイオマス系の炭素質微粒子状材料;および
発泡剤
を含む反応混合物から誘導される発泡イソシアネート系ポリマーであって、
発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、反応混合物からバイオマス系の炭素質微粒子状材料を省略し、ポリマーポリオール組成物中のポリマー粒子の量を増大して第1の所定量および第2の所定量の総和と等しくすることにより生成した参照発泡体の約15%以内の押込み力撓みを有する、発泡イソシアネート系ポリマーを提供する。
【0019】
その別の側面において、本発明は、
イソシアネート;および
ベースのポリオール中に分散されているポリマー粒子を任意に含んでいてもよいポリオール組成物;
バイオマス系の炭素質微粒子状材料
から誘導される発泡イソシアネート系ポリマーであって、
発泡ポリマーが複数の相互に接続した支柱を含む多孔性マトリックスを有しており、バイオマス系の炭素質微粒子状材料がバイオマス系の炭素質微粒子状材料の重量%当たり少なくとも約5ニュートンの投入効率を多孔性マトリックスに付与する、発泡イソシアネート系ポリマーを提供する。
【0020】
その別の側面において、本発明は、
(a)イソシアネート;ベースのポリオール中に分散されている第1の所定量のポリマー粒子を任意に含んでいてもよいポリオール組成物、第2の所定量のバイオマス系の炭素質微粒子状材料および発泡剤を接触させて反応混合物を生成させる工程と;
(b)反応混合物を膨張させて発泡イソシアネート系ポリマーを生成させる工程と
を含む、発泡イソシアネート系ポリマーを製造する方法を提供する。
【0021】
その別の側面において、本発明は、
(a)第1の所定量のバイオマス系の炭素質微粒子状材料ポリマー粒子;および
(b)ポリオール
を含むポリオール系分散体であって、
分散体が第2の所定量のポリマー粒子を任意に含んでいてもよい、ポリオール系分散体を提供する。
【0022】
本発明者は、予想外のことに、発泡イソシアネート系ポリマー、たとえばポリウレタン発泡体に投入構築するのに慣習的に使用されているポリマー粒子の使用に部分的または完全に取って代わるのに、バイオマス系の炭素質微粒子状材料を使用してもよいことを発見した。1つの好ましい態様において、バイオマス系の炭素質微粒子状材料は、発泡イソシアネート系ポリマー、たとえばポリウレタン発泡体に投入構築するのに慣習的に用いられているポリマー粒子の使用に完全に取って代わる量で使用される。この態様において、比較的高価な石油系コポリマーポリオールは、得られるポリウレタン発泡体の重要な物理的性質を有意に損なうことなく、相対的に安価なバイオ系(たとえば、無定形炭素)分散体で完全に置換されうることが発見された。別の好ましい態様において、バイオマス系の炭素質微粒子状材料は、発泡イソシアネート系ポリマー、たとえばポリウレタン発泡体に投入構築するのに慣習的に使用されているポリマー粒子の使用に部分的に取って代わる量で使用される。
【0023】
本明細書を通じて使用される用語「バイオマス系の炭素質微粒子状材料」は、リグノセルロースおよび/またはセルロース材料の焙焼および/または熱分解および/または炭化により誘導される炭素質の材料を意味することが意図されている。これらの材料は通例植物ベースの起源である。リグノセルロースは植物の質量の大部分を占める構造材料である。リグノセルロースは主としてセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンからなる。
【0024】
以下はバイオマス系の炭素質微粒子状材料の製造のための原材料の例の非限定的なリストである:針葉樹および落葉樹材、木の実の殻(たとえば、ココナツ、クルミ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、等)、竹材、もみ殻、イネ科の草、トウモロコシ茎葉、植物物質、種子、紙、ボール紙、肥料、他の農業残渣、植物精製所残渣、ソルガム、乾燥藻類、コーヒー豆、コーヒー粉、かす、サトウキビバガスならびにこれらの2種以上の任意の混合物。そのような原材料は(単独で、または組み合わせて)熱分解および/または炭化に供して、本発明の発泡イソシアネート系ポリマーを製造するのに有用な所望の特性(本明細書に記載)をもつバイオマス系の炭素質微粒子状材料を製造することができる。
【0025】
ASTM標準測定(すなわち、合格/不合格の規準ではない)を使用して材料に含まれるバイオ系または再生可能な材料のレベルを計算する(すなわち、ASTM D6866-放射性炭素解析を使用して固体、液体、および気体試料のバイオ系含有率を決定する標準的試験法)。これは、本発明との関連で有用なバイオマス系の炭素質微粒子状材料を特徴付けるのに役立つ。「バイオ系含有率」を導出するためのASTM D6866の応用は、放射性炭素年代測定と同じ概念に基づいているが、年齢方程式は使用しない。これは、現代の標準試料(modern reference standard)中の放射性炭素(14C)の量に対する未知の試料中の放射性炭素の量の比率を導くことによって行われる。この比率は単位が「pMC(percent modern carbon、現代炭素率)」の割合として報告される。解析される材料が現在の放射性炭素と化石炭素(すなわち、放射性炭素を含有しない)との混合物であれば、得られるpMCの値は試料に存在するバイオマス材料の重量割合に直接相関する。
【0026】
ASTM D6866試験によると、本発明との関連で有用なバイオマス系の炭素質微粒子状材料は約75%より大きい、好ましくは約85%より大きい、最も好ましくは約95%より大きい割合の現代炭素率「pMC」を有する。
【0027】
したがって、本発明との関連で用語「バイオマス系の炭素質微粒子状材料」は、石油起源から誘導された炭素質微粒子状材料、たとえばカーボンブラックなどを除外すると理解される。
【0028】
本発明との関連でバイオマス系の炭素質微粒子状材料を使用することの追加の利点は得られる発泡体に黒色を付与するためにフォーム配合物に通例使用される添加剤を省略できることであり、たとえば、フォーム配合物からカーボンブラックの省略が可能である。
【0029】
本発明の発泡イソシアネート系ポリマーは成形発泡体またはスラブ発泡体の形態で製造することができる。そのような発泡体を作製する正確な詳細は特に制限されない。
【0030】
好ましい態様の詳細な説明
その1つの側面において、本発明は、イソシアネート;ベースのポリオール中に分散されている第1の所定量のポリマー粒子を含むポリオール組成物;第2の所定量のバイオマス系の炭素質微粒子状材料;および発泡剤を含む反応混合物から誘導された発泡イソシアネート系ポリマーであって、ASTM D3574-11に従って測定したとき、反応混合物からバイオマス系の炭素質微粒子状材料を省略し、ポリマーポリオール組成物中のポリマー粒子の量を増大させて第1の所定量および第2の所定量の総和と等しくすることにより製造された参照発泡体の約15%以内の押込み力撓み(indentation force deflection)を有する、発泡イソシアネート系ポリマーに関する。
【0031】
これの好ましい態様は、以下の特徴の何れか1つまたは任意の2つ以上の組合せを含んでいてもよい:
・第1の所定量がゼロであって、ベースのポリオール組成物がベースのポリオールである;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、反応混合物の形成前にベースのポリオール組成物に分散されている;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約50μm未満のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.01μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約45μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約40μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約35μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約30μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約25μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約20μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約15μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約10μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約8μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.3μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.4μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.5μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約6μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約1.3μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.9μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.5μmのD50粒径を有する;
・発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、参照発泡体の約13%以内の押込み力撓みを有する;
・発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、参照発泡体の約11%以内の押込み力撓みを有する;
・発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、参照発泡体の約10%以内の押込み力撓みを有する;
・発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、参照発泡体の約8%以内の押込み力撓みを有する;
・発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、参照発泡体の約6%以内の押込み力撓みを有する;
・発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、参照発泡体の約5%以内の押込み力撓みを有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約50%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約75%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約85%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約0.10~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約0.35~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約0.70~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約10~約4,000m2/gの表面積を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約50~約3,000m2/gの表面積を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約150~約2,000m2/gの表面積を有する;
・反応混合物が、ベースのポリオール中に分散されているポリマー粒子を実質的に完全に含まない;
・ベースのポリオールが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエンおよびポリカプロラクトンからなる群から選択されるメンバーのヒドロキシルを末端基とする主鎖を含む;
・ベースのポリオールが、ヒドロキシルを末端基とするポリ炭化水素、ヒドロキシルを末端基とするポリホルマール、脂肪酸トリグリセリド、ヒドロキシルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするペルフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール、ポリアルキレンエーテルトリオールおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・ベースのポリオールが、アジピン酸-エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ヒドロキシルを末端基とするポリブタジエンおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・ベースのポリオールがポリエーテルポリオールである;
・ポリエーテルポリオールが、約200~約10,000の範囲の分子量を有する;
・ポリエーテルポリオールが、約2,000~約7,000の範囲の分子量を有する;
・ポリエーテルポリオールが、約2,000~約6,000の範囲の分子量を有する;
・反応混合物が、ポリアミン、ポリアルカノールアミンおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される活性水素含有化合物をさらに含む;
・ポリアミンが、一級アミンを末端基とするポリエーテル、二級アミンを末端基とするポリエーテルおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される;
・イソシアネートがプレポリマーを含む;
・イソシアネートが、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、フルフリリデンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、4,4’-ジフェニル-3,3’-ジメチルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1-メチル-2,4-ジイソシアネート-5-クロロベンゼン、2,4-ジイソシアナト-s-トリアジン、1-メチル-2,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、p-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、ビス-(4-イソシアナトフェニル)メタン、ビス-(3-メチル-4-イソシアナトフェニル)メタン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・イソシアネートが、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・イソシアネートが、(i)2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこれらの混合物;ならびに(ii)(i)と2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択されるイソシアネートとの混合物から本質的になる群から選択される、請求項1~48のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー;
・発泡剤が水を含む;
・発泡剤が水からなる;
・水が、反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり約0.5~約40重量部の範囲の量で使用される;
・水が、反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり約1.0~約10重量部の範囲の量で使用される;および/または
・発泡イソシアネート系ポリマーが成形される。
【0032】
その別の側面において、本発明は、イソシアネート;およびベースのポリオール中に分散されているポリマー粒子を任意に含んでいてもよいポリオール組成物;バイオマス系の炭素質微粒子状材料から誘導される発泡イソシアネート系ポリマーであって、発泡ポリマーが複数の相互に接続した支柱を含む多孔性マトリックスを有しており、バイオマス系の炭素質微粒子状材料がバイオマス系の炭素質微粒子状材料の重量%当たり少なくとも約5ニュートンの投入効率を多孔性マトリックスに付与する、発泡イソシアネート系ポリマーに関する。
【0033】
これの好ましい態様は、以下の特徴の何れか1つまたは任意の2つ以上の組合せを含んでいてもよい:
・第1の所定量がゼロであって、ベースのポリオール組成物がベースのポリオールである;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、反応混合物の形成前にベースのポリオール組成物に分散されている;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約50μm未満のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.01μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約45μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約40μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約35μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約30μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約25μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約20μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約15μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約10μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約8μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.3μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.4μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.5μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約6μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約1.3μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.9μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.5μmのD50粒径を有する;
・発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、反応混合物中のバイオマス系の炭素質微粒子状材料の量と等しい量の、ベースのポリオール中のポリマー粒子で置換することによって生成した参照発泡体の約15%以内の押込み力撓みを有する;
・発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、参照発泡体の約13%以内の押込み力撓みを有する;
・発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、参照発泡体の約11%以内の押込み力撓みを有する;
・発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、参照発泡体の約10%以内の押込み力撓みを有する;
・発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、参照発泡体の約8%以内の押込み力撓みを有する;
・発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、参照発泡体の約6%以内の押込み力撓みを有する;
・発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、参照発泡体の約5%以内の押込み力撓みを有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約50%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約75%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約85%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約0.10~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約0.35~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約0.70~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約10~約4,000m2/gの表面積を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約50~約3,000m2/gの表面積を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約150~約2,000m2/gの表面積を有する;
・反応混合物が、ベースのポリオール中に分散されているポリマー粒子を実質的に完全に含まない;
・ベースのポリオールが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエンおよびポリカプロラクトンからなる群から選択されるメンバーのヒドロキシルを末端基とする主鎖を含む;
・ベースのポリオールが、ヒドロキシルを末端基とするポリ炭化水素、ヒドロキシルを末端基とするポリホルマール、脂肪酸トリグリセリド、ヒドロキシルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするペルフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール、ポリアルキレンエーテルトリオールおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・ベースのポリオールが、アジピン酸-エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ヒドロキシルを末端基とするポリブタジエンおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・ベースのポリオールがポリエーテルポリオールである;
・ポリエーテルポリオールが、約200~約10,000の範囲の分子量を有する;
・ポリエーテルポリオールが、約2,000~約7,000の範囲の分子量を有する;
・ポリエーテルポリオールが、約2,000~約6,000の範囲の分子量を有する;
・反応混合物が、ポリアミン、ポリアルカノールアミンおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される活性水素含有化合物をさらに含む;
・ポリアミンが、一級アミンを末端基とするポリエーテル、二級アミンを末端基とするポリエーテルおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される;
・イソシアネートがプレポリマーを含む;
・イソシアネートが、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、フルフリリデンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、4,4’-ジフェニル-3,3’-ジメチルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1-メチル-2,4-ジイソシアネート-5-クロロベンゼン、2,4-ジイソシアナト-s-トリアジン、1-メチル-2,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、p-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、ビス-(4-イソシアナトフェニル)メタン、ビス-(3-メチル-4-イソシアナトフェニル)メタン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・イソシアネートが、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・イソシアネートが、(i)2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこれらの混合物;ならびに(ii)(i)と2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択されるイソシアネートとの混合物から本質的になる群から選択される;
・発泡剤が水を含む;
・発泡剤が水からなる;
・水が、反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり約0.5~約40重量部の範囲の量で使用される;
・水が、反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり約1.0~約10重量部の範囲の量で使用される;および/または
・発泡イソシアネート系ポリマーが成形される。
【0034】
そのさらに別の側面において、本発明は、発泡イソシアネート系ポリマーを製造する方法であって、(a)イソシアネート;ベースのポリオール中に分散されている第1の所定量のポリマー粒子を任意に含んでいてもよいポリオール組成物、第2の所定量のバイオマス系の炭素質微粒子状材料および発泡剤を接触させて反応混合物を生成させる工程と、(b)反応混合物を膨張させて発泡イソシアネート系ポリマーを生成させる工程とを含む、方法に関する。
【0035】
これの好ましい態様は、以下の特徴の何れか1つまたは任意の2つ以上の組合せを含んでいてもよい:
・第1の所定量がゼロであって、ベースのポリオール組成物がベースのポリオールである;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、反応混合物の形成前にベースのポリオール組成物に分散されている;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約50μm未満のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.01μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約45μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約40μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約35μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約30μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約25μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約20μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約15μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約10μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約8μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.3μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.4μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.5μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約6μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約1.3μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.9μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.5μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約50%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約75%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約85%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約0.10~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約0.35~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約0.70~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約10~約4,000m2/gの表面積を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約50~約3,000m2/gの表面積を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約150~約2,000m2/gの表面積を有する;
・反応混合物が、ベースのポリオール中に分散されているポリマー粒子を実質的に完全に含まない;
・ベースのポリオールが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエンおよびポリカプロラクトンからなる群から選択されるメンバーのヒドロキシルを末端基とする主鎖を含む;
・ベースのポリオールが、ヒドロキシルを末端基とするポリ炭化水素、ヒドロキシルを末端基とするポリホルマール、脂肪酸トリグリセリド、ヒドロキシルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするペルフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール、ポリアルキレンエーテルトリオールおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・ベースのポリオールが、アジピン酸-エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ヒドロキシルを末端基とするポリブタジエンおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・ベースのポリオールがポリエーテルポリオールである;
・ポリエーテルポリオールが、約200~約10,000の範囲の分子量を有する;
・ポリエーテルポリオールが、約2,000~約7,000の範囲の分子量を有する;
・ポリエーテルポリオールが、約2,000~約6,000の範囲の分子量を有する;
・反応混合物が、ポリアミン、ポリアルカノールアミンおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される活性水素含有化合物をさらに含む;
・ポリアミンが、一級アミンを末端基とするポリエーテル、二級アミンを末端基とするポリエーテルおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される;
・イソシアネートがプレポリマーを含む;
・イソシアネートが、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、フルフリリデンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、4,4’-ジフェニル-3,3’-ジメチルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1-メチル-2,4-ジイソシアネート-5-クロロベンゼン、2,4-ジイソシアナト-s-トリアジン、1-メチル-2,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、p-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、ビス-(4-イソシアナトフェニル)メタン、ビス-(3-メチル-4-イソシアナトフェニル)メタン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・イソシアネートが、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・イソシアネートが、(i)2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこれらの混合物;ならびに(ii)(i)と2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択されるイソシアネートとの混合物から本質的になる群から選択される;
・発泡剤が水を含む;
・発泡剤が水からなる;
・水が、反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり約0.5~約40重量部の範囲の量で使用される;
・水が、反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり約1.0~約10重量部の範囲の量で使用される;
・工程(b)を、発泡イソシアネート系ポリマーを成形発泡体として製造するように構成された密閉モールドで行う;および/または
・工程(b)を、オープントップを有するチャネルで行って、発泡イソシアネート系ポリマーをスラブ発泡体として製造する。
【0036】
そのさらに別の側面において、本発明は、(a)第1の所定量のバイオマス系の炭素質微粒子状材料ポリマー粒子;および(b)ポリオールを含んでおり、任意に第2の所定量のポリマー粒子を含んでいてもよい、ポリオール系分散体に関する。
【0037】
これの好ましい態様は、以下の特徴の何れか1つまたは任意の2つ以上の組合せを含んでいてもよい:
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約50μm未満のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.01μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約50μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約45μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約40μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.1μm~約35μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約30μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約25μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約20μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約15μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約10μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約8μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.2μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.3μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.4μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.5μm~約6μmの範囲のD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約6μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約1.3μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.9μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、約0.5μmのD50粒径を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約50%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約75%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約85%~約98%の範囲の有機炭素含有率を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約0.10~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約0.35~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき、約0.70~約0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約10~約4,000m2/gの表面積を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約50~約3,000m2/gの表面積を有する;
・バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき約150~約2,000m2/gの表面積を有する;
・分散体がポリマー粒子を実質的に完全に含まない;
・ベースのポリオールが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエンおよびポリカプロラクトンからなる群から選択されるメンバーのヒドロキシルを末端基とする主鎖を含む;
・ベースのポリオールが、ヒドロキシルを末端基とするポリ炭化水素、ヒドロキシルを末端基とするポリホルマール、脂肪酸トリグリセリド、ヒドロキシルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするペルフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール、ポリアルキレンエーテルトリオールおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・ベースのポリオールが、アジピン酸-エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ヒドロキシルを末端基とするポリブタジエンおよびこれらの混合物からなる群から選択される;
・ベースのポリオールがポリエーテルポリオールである;
・ポリエーテルポリオールが、約200~約10,000の範囲の分子量を有する;
・ポリエーテルポリオールが、約2,000~約7,000の範囲の分子量を有する;
・ポリエーテルポリオールが、約2,000~約6,000の範囲の分子量を有する;
・反応混合物が、ポリアミン、ポリアルカノールアミンおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される活性水素含有化合物をさらに含む;および/または
・ポリアミンが、一級アミンを末端基とするポリエーテル、二級アミンを末端基とするポリエーテルおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0038】
本発明の発泡イソシアネート系ポリマーは、イソシアネートおよび活性水素含有化合物、たとえばベースのポリオールを含む反応混合物から製造される。
【0039】
反応混合物中に使用するのに適切なイソシアネートは特に限定されることなく、その選択は当業者の権限の範囲内である。一般に、使用に適したイソシアネート化合物は一般式:
Q(NCO)i
(式中、iは2以上の整数であり、Qはiの原子価を有する有機のラジカルである)
で表されてもよい。Qは置換または無置換の炭化水素基(たとえば、アルキレンまたはアリーレン基)であってよい。また、Qは一般式:
Q1-Z-Q1
(式中、Q1はアルキレンまたはアリーレン基であり、Zは-O-、-O-Q1-、-CO-、-S-、-S-Q1-S-および-SO2-を含む群から選択される)
で表されてもよい。この定義の範囲内に入るイソシアネート化合物の例には、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8-ジイソシアナト-p-メタン、キシリルジイソシアネート、(OCNCH2CH2CH2OCH2O)2、1-メチル-2,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、クロロフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4”-トリイソシアネートおよびイソプロピルベンゼン-アルファ-4-ジイソシアネートがある。
【0040】
別の態様において、Qはまたiの原子価を有するポリウレタンラジカルを表してもよい。この場合Q(NCO)iは、当技術分野で一般にプレポリマーといわれる化合物である。一般に、プレポリマーは、化学量論的に過剰のイソシアネート化合物(上記定義)を活性水素含有化合物(以下で定義する)、好ましくは以下に記載するポリヒドロキシルを含有する材料またはポリオールと反応させることにより製造してもよい。この態様において、ポリイソシアネートは、たとえば、ベースのポリオール中のヒドロキシルの割合に対して約30%~約200%化学量論的過剰な割合で使用してもよい。本発明の方法はポリ尿素発泡体の製造に関連していてもよいので、この態様においてプレポリマーはポリウレタン変性ポリ尿素を製造するのに使用することができることが分かるであろう。
【0041】
別の態様において、本発明の方法に使用するのに適したイソシアネート化合物は、イソシアネートおよびジイソシアネートの二量体および三量体、ならびに一般式:
[Q”(NCO)i]j
(式中、iとjの両方は2以上の値を有する整数であり、Q”は多官能性の有機のラジカルである)
を有するポリマーのジイソシアネート、および/または、反応混合物中の追加の成分としての、一般式:
L(NCO)i
(式中、iは1以上の値を有する整数であり、Lは単官能または多官能の原子またはラジカルである)
を有する化合物から選択されてもよい。この定義の範囲内に入るイソシアネート化合物の例には、エチルホスホン酸ジイソシアネート、フェニルホスホン酸ジイソシアネート、=Si-NCO基を含有する化合物、スルホンアミド(QSO2NCO)、シアン酸およびチオシアン酸から誘導されたイソシアネート化合物がある。
【0042】
適切なイソシアネートの検討には、たとえば英国特許第1,453,258号も参照されたい。
【0043】
適切なイソシアネートの非限定的な例には:1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、フルフリリデンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、4,4’-ジフェニル-3,3’-ジメチルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1-メチル-2,4-ジイソシアネート-5-クロロベンゼン、2,4-ジイソシアナト-s-トリアジン、1-メチル-2,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、p-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、ビス-(4-イソシアナトフェニル)メタン、ビス-(3-メチル-4-イソシアナトフェニル)メタン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートおよびこれらの混合物がある。より好ましいイソシアネートは2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物、たとえば、約75~約85重量%の2,4-トルエンジイソシアネートおよび約15~約25重量%の2,6-トルエンジイソシアネートを含む混合物からなる群から選択される。別のより好ましいイソシアネートは2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましいイソシアネートは約15~約25重量%の2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートおよび約75~約85重量%の4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートを含む混合物である。
【0044】
本方法がポリウレタン発泡体を製造するのに利用されるのであれば、活性水素含有化合物は通例ポリオールである。ポリオールの選択は特に限定されることなく、当業者の権限の範囲内である。たとえば、ベースのポリオールはポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエンおよびポリカプロラクトンからなる群から選択されるメンバーのヒドロキシルを末端基とする主鎖であってもよい。好ましくは、ベースのポリオールはヒドロキシルを末端基とするポリ炭化水素、ヒドロキシルを末端基とするポリホルマール、脂肪酸トリグリセリド、ヒドロキシルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするペルフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコールおよびポリアルキレンエーテルトリオールからなる群から選択される。より好ましいポリオールはアジピン酸-エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ヒドロキシルを末端基とするポリブタジエンおよびこれらの混合物からなる群から選択される。適切なポリオールの検討には、たとえば、英国特許第1,482,213号参照。好ましくは、そのようなポリエーテルポリオールは約200~約10,000、より好ましくは約2,000~約7,000、最も好ましくは約2,000~約6,000の範囲の分子量を有する。
【0045】
本方法がポリ尿素発泡体を製造するのに利用されるのであれば、活性水素含有化合物は水素が窒素に結合している化合物を含む。好ましくは、そのような化合物はポリアミン、ポリアミド、ポリイミンおよびポリオールアミン、より好ましくはポリアミンからなる群から選択される。そのような化合物の非限定的な例には一級および二級アミンを末端基とするポリエーテルが含まれる。好ましくは、そのようなポリエーテルは約230より大きい分子量および2~6の官能性を有する。そのようなアミンを末端基とするポリエーテルは通例低級アルキレンオキシドが付加される適当な開始剤から作製され、得られるヒドロキシルを末端基とするポリオールは続いてアミノ化される。2以上のアルキレンオキシドを使用する場合、それらはランダム混合物としてまたは一方もしくは他方のポリエーテルのブロックとして存在してもよい。アミノ化を容易にするために、ベースのポリオールのヒドロキシル基が本質的に全て二級のヒドロキシル基であると殊に好ましい。通例、アミノ化工程はベースのポリオールのヒドロキシル基の全てではないが大部分を置きかえる。
【0046】
本発明の発泡イソシアネート系ポリマーを製造するのに使用される反応混合物は通例さらに発泡剤を含む。当技術分野で公知のように、水は、発泡イソシアネート系ポリマーの製造において間接または反応性の発泡剤として使用することができる。具体的にいうと、水はイソシアネートと反応して二酸化炭素を形成し、これが最終の発泡ポリマー製品で有効な発泡剤として作用する。あるいは、二酸化炭素は、他の手段により、たとえば二酸化炭素を生成する不安定な化合物(たとえば、カルバメートなど)により製造してもよい。任意に、直接有機発泡剤(たとえば、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ヒドロフルオロカーボン(HFC、たとえばHFC-365、HFC-245faなど)、ペンタンなど)を水と共に、または水の代わりに使用してもよいがそのような直接有機発泡剤の使用は一般に環境的配慮のために削減されている。本発明の発泡イソシアネート系ポリマーの製造に使用するのに好ましい発泡剤は水を含む。
【0047】
当技術分野で公知のように、発泡イソシアネート系ポリマーの製造において間接発泡剤として使用される水の量は慣習的に、反応混合物中の全活性水素含有化合物量100重量部に対して約0.5~約40以上の重量部、好ましくは約1.0~約10重量部の範囲である。当技術分野で公知のように、発泡イソシアネート系ポリマーの製造に使用される水の量は通例発泡ポリマーに期待される決まった性質および膨張する発泡体の自己構造形成に対する許容範囲により制限される。
【0048】
本発明の発泡イソシアネート系ポリマーを製造するのに使用される反応混合物は通例触媒をさらに含む。反応混合物中に使用される触媒は重合反応を触媒することができる化合物である。そのような触媒は公知であり、その選択および反応混合物中の濃度は当業者の権限の範囲内である。適切な触媒化合物の検討については、たとえば、米国特許第4,296,213号および同第4,518,778号を参照されたい。適切な触媒の非限定的な例には三級アミンおよび/または有機金属化合物がある。加えて、当技術分野で公知のように、目標がイソシアヌレートを製造することであるとき、触媒としてルイス酸を単独でまたは他の触媒と共に使用しなければならない。もちろん、当業者に理解されるように、2種以上の触媒の組合せを適切に使用してもよい。
【0049】
本発明の態様を以下の非限定的な実施例を参照して説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を解釈するのに使用するべきではない。
【0050】
当業者に明らかに理解されるように、ポリウレタン発泡体技術で慣用の添加剤を本発明の方法の過程で作られる反応混合物に組み込めると考えられる。そのような添加剤の非限定的な例には:界面活性剤(たとえば、商品名L-540 Union Carbideとして市販されている有機シリコーン化合物)、セル・オープナー(たとえば、シリコーン油)、増量剤(たとえば、Cereclor(商標)S45として市販されているハロゲン化パラフィン)、架橋剤(たとえば、低分子量の反応性水素含有組成物)、顔料/染料、難燃剤(たとえば、ハロゲン化有機リン酸化合物)、抑制剤(たとえば、弱酸)、核形成剤(たとえば、ジアゾ化合物)、酸化防止剤、および可塑剤/安定剤(たとえば、スルホン化芳香族化合物)がある。慣習的に使用されるこれらの添加剤の量は当業者の権限の範囲内であろう。
【0051】
実施例において、以下の材料を使用した:
Hyperlite(商標)E866、ベースのポリオール、Covestroから市販;
Hyperlite(商標)E850、a 43%固形分のコポリマー(SAN)ポリオール、Covestroから市販;
Voranol(商標)CP1421、ベースのポリオール、DOWから市販;
ベースのポリオール中に分散されている無定形炭素;
DEOA LF、ジエタノールアミン、架橋剤、Air Productsから市販;
グリセリン、架橋剤、Cargillから市販;
水、間接発泡剤;
Dabco 33LV、ゲル化触媒、Air Productsから市販;
Niax A-1、発泡触媒、Momentiveから市販;
Polycat 77、三級アミン触媒、Air Productsから市販;
Fyrol FR-2、難燃剤、Suprestaから市販;
DC5043、界面活性剤、Dow Corningから市販;および
Mondur(商標)E445、TDI(80%)とMDI(20%)とのブレンド、Covestroから市販。
【0052】
これらの材料に加えて、本発明の好ましい態様を例示する実施例で使用する無定形炭素の分散体を製造した。実施例1では、無定形炭素は主としてカエデを含む落葉樹木材料に由来した。残りの実施例では、無定形炭素は次の原材料に由来した:
【0053】
【0054】
無定形炭素の分散体は次のようにして製造した:
工程1-炭素を微粉化する:実験室規模の粉砕機を使用し、0.5mmの篩を用いて200gの炭素を微粉化する。炭素は、D100が500μm、D50が250μmの粒径に微粉化する。
【0055】
工程2-ポリオールを加える:1ガロンの金属缶を用い、150gの微粉化された炭素を缶に加えた後350gのポリオールを加える。金属缶を密封し、20分圧延する。粘度は25℃で25,000cpsより大きい。
【0056】
工程3-初期混合段階:金属缶を開き、2ブレードミキサーを用いて20分混合する。粘度は25℃で20,000cpsより大きい。
【0057】
工程4-Rossミキサー:高剪断Rossミキサーを5,000rpmにセットし、60分混合する。温度は60℃より高く上げ、粘度は25℃で15,000cpsより大きい。
【0058】
工程5-メディアミル:ビーズサイズ0.6mm~1.5mmのビーズを70~85%装填したEMI 250メディアミルを用い、12.4m/s以上の先端速度でミルを作動させる。機械を1時間作動させ、流量を10分ごとに記録し、試料を採ってD50粒径を評価する。個々のバッチについて以下の粒径が達成されるまで機械を作動させ続ける(以下に記載するフォーム配合物については表を参照されたい):
【0059】
【0060】
他に断らない限り、実施例で記載される部は全て重量部である。
【0061】
これらの実施例は典型的なイソシアネート系高反発(HR)発泡体における本発明の無定形炭素の使用を例証する。各々の実施例で、イソシアネート系発泡体は、全ての樹脂成分、たとえばポリオール、コポリマーポリオール(使用した場合)、触媒、水、および界面活性剤ならびに無定形炭素を含むポリエーテルポリオールの分散体(使用した場合)のプレブレンディングによって調製した。イソシアネートはこの混合物から除外した。次いで、慣用の二流混合法を用いて樹脂ブレンドとイソシアネートをイソシアネートインデックス100で混合し、寸法38.1cm×38.1cm×10.16cmの予熱したモールド(65℃)に注入した。次に、モールドを閉じ、モールドの全容積が満たされるまで反応を進行させた。およそ6分後、イソシアネート系発泡体を取り出し、適切なコンディショニングの後、目的とする特性を測定した。この方法は以下の実施例で基本手順とよばれる。
【0062】
実施例1
実施例1で使用した実際の配合物は表1-5に見いだすことができる。表1の配合物は全てSANコポリマーポリマーを様々なレベルで含有し、無定形炭素分散体を含有しない。したがって、表1の配合物から生成した発泡体は比較の目的のみであり、本発明には包含されない。表2-5の配合物は全て無定形炭素を様々なレベルで含有し、SANコポリマー(またはその他のポリマー)ポリオールを含有しない。表2-5の配合物間の差は無定形炭素分散体中の無定形炭素のD50粒径に関する。
【0063】
表1-5に現れる配合物による成形発泡製品をASTM 3574-D11に従って次の物理的試験に供した:
IFD@25%撓み;
IFD@50%撓み;
%ヒステリシス損失;
密度(kg/m3);
引裂強度(N/m);
引張強さ(kPa);
破断点伸び(%);
ボール反発(%);
50%圧縮永久歪み(%);
50%湿潤圧縮永久歪み(%);
50%熱エージング圧縮永久歪み(HACS)、5時間@120℃(%);および
50%HACS、3時間@105℃(%)。
【0064】
この物理的試験の結果を表6に示す。表6では、表1の配合物から作製された比較の発泡体の結果が比較を容易にするために二度示されている(すなわち、表6は2頁に跨るからである)。表6の結果が示しているように、SANコポリマーポリオール(表1の配合物)の代わりに無定形炭素(表2-5の配合物)を用いて生成した発泡体は、特に配合物に使用した無定形炭素分散体のより低い値のD50で同等な物理的特性を有している。重要な利点は、これらの実施例で、比較的高価な石油系コポリマーポリオールが、重要な物理的特性を有意に損なうことなく、相対的に安価なバイオ系(無定形炭素)分散体で十分に置換されることであった。
【0065】
実施例2-6
実施例2-6で使用した実際の配合物は表7に見いだすことができる。表7の配合物、たとえば2-6は全てSANコポリマーポリマーおよび無定形炭素を一定のレベルで含有していた。「対照」とされた配合物は無定形炭素分散体を含有せず、したがって、表7のこの配合物から生成した発泡体は比較の目的のみであり、本発明に包含されない。表7の配合物は全て無定形炭素を含有しており、無定形炭素分散体中の無定形炭素のD50粒径は同じで0.8μmである。
【0066】
表7の配合物を上記の基本手順で使用して対応する成形発泡体を製造した。
【0067】
表1-5に見られる配合物による成形発泡製品をASTM 3574-D11に従って次の物理的試験に供した:
IFD@25%撓み;
IFD@50%撓み;
IFD@65%撓み;
%ヒステリシス損失;
密度(kg/m3);
引裂強度(N/m);
引張強さ(kPa);
破断点伸び(%);
50%圧縮永久歪み(%);
50%湿潤圧縮永久歪み(%);
50%熱エージング圧縮永久歪み(HACS)、5時間@120℃(%);および
50%HACS、3時間@105℃(%)。
【0068】
この物理的試験の結果を表8に示す。表8の結果が示しているように、対照に使用したSANコポリマーポリオールの一部の代わりに無定形炭素(実施例2-5)を使用して生成した発泡体は同等な物理的な性質を有している。重要な利点は、これらの実施例では、比較的高価な石油系コポリマーポリオールが、重要な物理的な特性を有意に損なうことなく、相対的に安価なバイオ系(無定形炭素)分散体により部分的に置換されたということである。
【0069】
これらの結果により、本発明者は、種々のベースのポリオール、イソシアネート、触媒および他の添加剤をフォーム配合物中に使用して同等の結果を得ることができるという推論および/または予測を得た。
【0070】
実例となる態様および実施例を参照して本発明を説明してきたが、以上の記載は制限する意味で解釈しようとする意図はない。すなわち、これら実例となる態様の様々な改変、ならびに本発明の他の態様は上記説明から当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲はあらゆるそのような改変または態様を包含すると考えられる。
【0071】
本明細書中で言及した刊行物、特許および特許出願は全て、各々の個々の刊行物、特許または特許出願の全体が具体的かつ個別に参照により組み込まれているのと同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【手続補正書】
【提出日】2022-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート;
ベースのポリオール中に分散されている第1の所定量のスチレン-アクリロニトリルポリマー粒子を含むポリオール組成物;
第2の所定量のバイオマス系の炭素質微粒子状材料;および
発泡剤
を含む反応混合物から誘導される発泡イソシアネート系ポリマーであって、
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記反応混合物から前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料を省略し、前記ポリオール組成物中のポリマー粒子の量を増大して前記第1の所定量および前記第2の所定量の総和と等しくすることにより生成した参照発泡体の15%以内の押込み力撓みを有し、
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料を、ASTM D6866試験に従って測定したとき、85%より大きい現代炭素率「pMC」を有する、発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項2】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、前記反応混合物の形成前にベースのポリオール組成物に分散されている、請求項1に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項3】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、0.2μm~6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1または2に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項4】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、0.3μm~6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1または2に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項5】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、0.4μm~6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1または2に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項6】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、0.5μm~6μmの範囲のD50粒径を有する、請求項1または2に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項7】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、1.3μmのD50粒径を有する、請求項1または2に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項8】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、0.9μmのD50粒径を有する、請求項1または2に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項9】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、0.5μmのD50粒径を有する、請求項1または2に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項10】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の13%以内の押込み力撓みを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項11】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の11%以内の押込み力撓みを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項12】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の10%以内の押込み力撓みを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項13】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の8%以内の押込み力撓みを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項14】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の6%以内の押込み力撓みを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項15】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが、ASTM D3574-11に従って測定したとき、前記参照発泡体の5%以内の押込み力撓みを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項16】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき50%~98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項17】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき75%~98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項18】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき85%~98%の範囲の有機炭素含有率を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項19】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき0.10~0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項20】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき0.35~0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項21】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、ASTM D4373を用いて乾式燃焼により測定したとき0.70~0.85の範囲の水素対炭素のモル比を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項22】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき10~4,000m2/gの表面積を有する、請求項1~21のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項23】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき50~3,000m2/gの表面積を有する、請求項1~21のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項24】
前記バイオマス系の炭素質微粒子状材料が、BET法により測定したとき150~2,000m2/gの表面積を有する、請求項1~21のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項25】
前記ベースのポリオールが、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエンおよびポリカプロラクトンからなる群から選択されるメンバーのヒドロキシルを末端基とする主鎖を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項26】
前記ベースのポリオールが、ヒドロキシルを末端基とするポリ炭化水素、ヒドロキシルを末端基とするポリホルマール、脂肪酸トリグリセリド、ヒドロキシルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするポリエステル、ヒドロキシメチルを末端基とするペルフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール、ポリアルキレンエーテルトリオールおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~24のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項27】
前記ベースのポリオールが、アジピン酸-エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ヒドロキシルを末端基とするポリブタジエンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~24のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項28】
前記ベースのポリオールがポリエーテルポリオールである、請求項1~24のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項29】
前記ポリエーテルポリオールが、200~10,000の範囲の分子量を有する、請求項28に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項30】
前記ポリエーテルポリオールが、2,000~7,000の範囲の分子量を有する、請求項28に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項31】
前記ポリエーテルポリオールが、2,000~6,000の範囲の分子量を有する、請求項28に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項32】
前記反応混合物が、ポリアミン、ポリアルカノールアミンおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される活性水素含有化合物をさらに含む請求項28~31のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項33】
前記ポリアミンが、一級アミンを末端基とするポリエーテル、二級アミンを末端基とするポリエーテルおよびこれらの任意の混合物からなる群から選択される、請求項32に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項34】
前記イソシアネートがプレポリマーを含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項35】
前記イソシアネートが、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、フルフリリデンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、4,4’-ジフェニル-3,3’-ジメチルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1-メチル-2,4-ジイソシアネート-5-クロロベンゼン、2,4-ジイソシアナト-s-トリアジン、1-メチル-2,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、p-フェニレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、ビス-(4-イソシアナトフェニル)メタン、ビス-(3-メチル-4-イソシアナトフェニル)メタン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~33のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項36】
前記イソシアネートが、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~33のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項37】
前記イソシアネートが、(i)2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートおよびこれらの混合物;ならびに(ii)(i)と2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの混合物からなる群から選択されるイソシアネートとの混合物から本質的になる群から選択される、請求項1~33のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項38】
前記発泡剤が水を含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項39】
前記発泡剤が水からなる、請求項1~37のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項40】
前記水が、前記反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり0.5~40重量部の範囲の量で使用される、請求項38または39に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項41】
前記水が、前記反応混合物中に使用されるベースのポリオール100重量部当たり1.0~10重量部の範囲の量で使用される、請求項38または39に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【請求項42】
前記発泡イソシアネート系ポリマーが成形される、請求項1~41のいずれか一項に記載の発泡イソシアネート系ポリマー。
【外国語明細書】