(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130743
(43)【公開日】2022-09-06
(54)【発明の名称】送信装置、送信方法及び受信装置
(51)【国際特許分類】
H04J 99/00 20090101AFI20220830BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
H04J99/00 100
H04L27/26 100
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111122
(22)【出願日】2022-07-11
(62)【分割の表示】P 2017215035の分割
【原出願日】2017-11-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】石川 恭啓
(72)【発明者】
【氏名】仲田 樹広
(72)【発明者】
【氏名】深澤 知己
(72)【発明者】
【氏名】岡田 寛正
(72)【発明者】
【氏名】穴澤 毅
(72)【発明者】
【氏名】今村 和樹
(57)【要約】
【課題】 放送用の映像・音声データ、デジタルデータを含む第1のデータと第2のデータとを伝送する場合に、一方のデータの伝送を阻害せずに、他方のデータを安定して伝送することができる
送信装置、送信方法及び受信装置を提供する。
【解決手段】 送信側のFPU送信制御部が、映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含む第1のデータを、第1の変調方式で変調した第1階層のストリームと、第1のデータとは異なる映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含む第2のデータを、第2の変調方式で変調した第2階層のストリームとを、第1及び第2のデータの入力の有無に応じて、それぞれ重み付け係数g1,g2を乗算して多重化して送信し、受信側のFPU受信制御部が、重み付け係数g1,g2に基づいて、第1の変調方式に対応する復調を行って第1のデータを出力すると共に、第2の変調方式に対応する復調を行って第2のデータを出力す
る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第1のデータとし、前記第1のデータとは異なる放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第2のデータとして、OFDMのスペクトル上に、同一スペクトルで重畳する階層分割多重方式で多重化して伝送する送信装置であって、
前記第1のデータを第1の変調方式で変調させた第1階層のストリームと、前記第2のデータを第2の変調方式で変調させた第2階層のストリームとを生成して、それぞれ、前記第1階層の重み係数と前記第2階層の重み係数で重み付けして多重化する変調部を備え、
前記変調部が、前記第1のデータと前記第2のデータについて、前記第1のデータが入力なしで前記第2のデータが入力ありの場合、前記第1のデータ及び前記第2のデータがいずれも入力ありの場合、及び前記第1のデータが入力ありで前記第2のデータが入力なしの場合のそれぞれに対応して、前記第1階層の重み係数及び前記第2階層の重み係数が規定された重み付け選択テーブルを備え、前記第1のデータと前記第2のデータの入力の有無を検出し、前記重み付け選択テーブルに基づいて、前記検出結果に応じた前記第1階層の重み係数及び前記第2階層の重み係数を選択し、
前記第1のデータ及び前記第2のデータがいずれも入力ありの場合には、前記第1階層の重み係数及び前記第2階層の重み係数の組み合わせが複数記憶された重み付け設定テーブルから、特定された第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数を、前記重み付け選択テーブルに設定することを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記第1のデータと前記第2のデータの一方を放送用の映像・音声データとし、他方をデジタルデータとし、前記放送用の映像・音声データ及び前記デジタルデータがいずれも入力ありの場合には、前記放送用の映像・音声データの種類及びデジタルデータの重要度に応じて前記第1階層の重み係数及び前記第2階層の重み係数の組み合わせが複数記憶された重み付け設定テーブルから、特定された第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数を、前記重み付け選択テーブルに設定することを特徴とする請求項1記載の送信装置。
【請求項3】
第1階層の重み係数と第2階層の重み係数を伝送多重制御信号に含めるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の送信装置。
【請求項4】
第1のデータ又は第2のデータについて、変調方式の情報を含む設定情報を変更する場合に、
変更後の設定情報を伝送多重制御信号のフレームに含めて送信した上で、次のフレームから前記変更後の設定情報に基づいて変調された前記第1のデータ又は前記第2のデータを送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の送信装置。
【請求項5】
放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第1のデータとし、前記第1のデータとは異なる放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第2のデータとして、OFDMのスペクトル上に、同一スペクトルで重畳する階層分割多重方式で多重化して伝送する送信方法であって、
変調部が、前記第1のデータと前記第2のデータの入力の有無を検出し、前記第1のデータ及び前記第2のデータがいずれも入力ありの場合には、前記第1のデータを第1の変調方式で変調させた第1階層のストリームと、前記第2のデータを第2の変調方式で変調させた第2階層のストリームとを生成し、
記憶されている前記第1階層の重み係数及び前記第2階層の重み係数の複数の組み合わせの中から、前記第1のデータ及び前記第2のデータに応じて第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数を特定し、
前記第1階層のストリームと、前記第2階層のストリームとを、それぞれ、前記特定された第1階層の重み係数と前記特定された第2階層の重み係数で重み付けして多重化して送信することを特徴とする送信方法。
【請求項6】
放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第1のデータとし、前記第1のデータとは異なる放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第2のデータとして、前記第1のデータを第1の変調方式で変調させた第1階層のストリームと、前記第2のデータを第2の変調方式で変調させた第2階層のストリームとが、それぞれ、第1階層の重み係数と第2階層の重み係数で重み付けして多重化されて伝送された信号を受信する受信装置であって、
前記多重化されて伝送された信号について、前記伝送された信号に含まれる前記第1階層の重み係数及び前記第2の階層の重み係数に基づいて、前記第1の変調方式に対応する復調を行って前記第1のデータを復調して出力すると共に、前記復調された第1のデータを再び前記第1の変調方式で変調し、当該変調された第1のデータに前記第1階層の重み係数の逆数を乗算し、前記多重化されて伝送された信号を遅延させて前記第2階層の重み係数の逆数を乗算した信号から、前記再度変調されて前記第1階層の重み係数の逆数が乗算された第1のデータを減算して、前記第2階層のストリームを分離し、前記第2階層のストリームから前記第2のデータを復調する復調部を備え、
前記第1階層の重み係数及び前記第2階層の重み係数が、前記第1のデータ及び前記第2のデータが送信側においていずれも入力ありの場合に、前記第1のデータ及び前記第2のデータに応じて特定されているものであることを特徴とする受信装置。
【請求項7】
復調部が、伝送された信号の伝送多重制御信号の設定情報の差分を監視し、差分を検出した場合に、次のフレームで受信した第1のデータ又は第2のデータを、前記差分が検出された設定情報に基づいて復調することを特徴とする請求項6記載の受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送用の素材として、映像・音声データを伝送する送信装置に係り、特に、映像・音声データの伝送を阻害せずに、別の付加データを安定して送受信することができる送信装置、送信方法及び受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[先行技術の説明]
従来から、放送の素材(映像、音声)の伝送には、FPU(Field Pickup Unit)方式の伝送システムが用いられている。FPUシステムは、番組の中継や取材した映像を放送局へ送る放送伝送装置として用いられている。
【0003】
ところで、番組によっては、映像や音声とは別のデータ(デジタルデータ)、例えばロードレースの走行距離計データを重畳して伝送したい場合がある。
このような場合、従来は、TS(Transport Stream)パケットのNULL部分といったデータの空き地を利用してデジタルデータを伝送している。
【0004】
しかし、映像データの種類や伝送レートによっては、NULLパケットが生じないこともあるため、デジタルデータを伝送するためには、伝送レートに十分余裕を持たせた運用を行うことが必要である。
【0005】
また、ニュース原稿、現地取材で得られた情報を記載したテキストファイル、デジタルカメラで撮影した画像ファイル、ボイスレコーダで取得した音声ファイルなど、従来の映像・音声の放送素材とは別のデジタルデータを、中継現場から放送局に送りたい場合もある。
【0006】
このような場合、従来は、携帯電話回線を利用して電子メールで送信しているが、携帯電話の通信エリア外では利用できない。
また、FPUの専用回線を用いてデジタルデータをTSパケットに変換して伝送するファイル伝送システムがあるが、その場合にはデータ伝送用に1回線占有することになる。
【0007】
[従来の伝送システム:
図12]
ここで、従来の放送伝送装置の構成について
図12を用いて説明する。
図12は、従来の放送伝送装置の概略構成を示す説明図である。
図12に示すように、従来の放送伝送装置は、送信側として、カメラ71と、エンコーダ72と、PC73と、ファイル伝送アダプタ74と、FPU送信制御部75と、FPU送信高周波部76とを備え、受信側として、FPU受信高周波部77と、FPU受信制御部78と、デコーダ79と、ファイル伝送アダプタ80と、モニタ81と、PC82とを備えている。
【0008】
従来の放送伝送装置の動作について説明する。
送信側において、カメラ71から入力された映像・音声データ(SDIデータ)は、エンコーダ72で符号化されTSパケットに変換されて、TS1用の回線(TS1回線)を用いてFPU送信制御部75に伝送される。
また、PC73から入力されたデジタルデータは、ファイル伝送アダプタ74でTSパケットに変換されて、TS2用の回線(TS2回線)によってFPU送信制御部75に伝送される。
【0009】
FPU送信制御部75では、TS1用の回線及びTS2用の回線からの信号を合成する等、無線送信のための信号処理が施され、IF(Intermediate Frequency;中間周波数)信号がFPU送信高周波部76に入力され、FPU送信高周波部76で高周波信号に変換されて、無線送信される。
【0010】
受信側においては、FPU受信高周波部77で受信された無線信号は、IF信号に変換されてFPU受信制御部78で信号処理が行われ、映像・音声データのTSパケットとデジタルデータのTSパケットとに分離される。
【0011】
映像・音声データのTSパケットは、TS1用の回線(TS1回線)でデコーダ79に伝送され、デコーダ79で復号化されてSDI信号としてモニタ81に伝送され、モニタ81から映像及び音声が出力される。
デジタルデータのTSパケットは、TS2用の回線(TS2回線)でファイル伝送アダプタ80に伝送され、デジタルデータに変換されてPC82に出力される。
【0012】
[階層分離多重方式]
次に、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing;直交周波数分割多重)において、同一スペクトル上で異なるストリームを重畳する階層分割多重(LDM;Layered Division Multiplexing)方式について簡単に説明する。
ここでは、メインデータを映像・音声データ、サブデータを付加データとなるデジタルデータとして説明する。
【0013】
[デジタル多重方式:
図13]
まず、デジタル多重方式を行う変調部の構成について
図13を用いて説明する。
図13は、LDM方式の変調部(デジタル多重方式)の概略構成を示す説明図である。尚、変調部は、
図12に示したFPU送信制御部75に相当している。
図13では、メインデータとサブデータとをデジタル信号処理において多重する構成を示している。
【0014】
図13に示すように、LDM方式の変調部(デジタル多重方式)は、FEC(Forward Error Correction;前方誤り訂正)部83a,83bと、ビットインタリーブ部(Bit-ILV)84a,84bと、マッピング部(MAPPING)85a,85bと、重み付け部86と、加算器87と、OFDM変調部88と、直交変調部89と、DAC(Digital Analog Converter)部90とを備えている。
尚、添え字のaはメインデータ、bはサブデータについて処理を行うものである。
【0015】
そして、
図13の変調部において、メインデータは、FEC部83aで誤り訂正符号化され、ビットインタリーブ部84aでビットインタリーブが施され、マッピング部85aでマッピングされ、加算器87に出力される。
ここで、メインデータは、例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調される。
【0016】
また、サブデータは、FEC部83bで誤り訂正符号化され、ビットインタリーブ部84bでビットインタリーブが施され、マッピング部85bでマッピングされ、重み付け部86で所定の重み付けが施され、加算器87に出力される。
サブデータは、例えば16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調される。
【0017】
そして、加算器87において、メインデータと重み付けされたサブデータとが重畳され、OFDM変調部88でOFDM変調され、直交変調部89で直交変調され、DAC部90でアナログ信号に変換されて、
図12に示したFPU送信高周波部76に出力され、無線送信される。
【0018】
このように、デジタル信号処理レベルで多重する場合、QPSK変調した第一階層のストリームと、16QAM変調した第二階層のストリームを多値変調部(マッピング部)の後段で多重する。第二階層のストリームを重畳する大きさ(割合)は、重み付け部86における重み付け係数によって調整する。
【0019】
[アナログ多重方式:
図14]
次に、アナログ多重方式による変調部の構成について
図14を用いて説明する。
図14は、LDM方式の変調部(アナログ多重方式)の概略構成を示す説明図である。
図14に示すように、アナログ多重方式の場合、OFDM変調部91a,91bと、直交変調部92a,92bと、DAC部93a,93bと、加算器94とを備えている。
添え字のaはメインデータ、bはサブデータについて処理を行うものであり、各部の処理はデジタル多重方式の場合と同様である。
【0020】
アナログ多重方式では、DAC部93a,93b後のアナログ信号を加算器94において多重している。
アナログ多重方式の構成では、多重前のデジタル回路部分が2系統必要となるため、回路規模や消費電力が大きくなってしまう。
【0021】
[LDM方式の復調部:
図15]
次に、LDM方式の復調部について
図15を用いて説明する。
図15は、LDM方式の復調部の概略構成を示す説明図である。
図15に示すように、復調部は、
図12に示したFPU受信制御部78に設けられており、メインデータ復調部95と、遅延バッファ96と、減算器97とを備えており、QPSK変調されたメインデータと16QAM変調されたサブデータとを分離する分離部として動作する。
【0022】
図15の復調部に入力された受信信号は、2つに分離され、その一方は、メインデータ復調部95で第1階層の復調を行って、多重された信号からQPSK変調されたメインデータ(QPSK変調信号)を取り出し、メインデータ用のデマッピング処理部(図示せず)に出力すると共に、減算器97に入力する。
【0023】
また、分離された他方の受信信号は、遅延バッファ96において、第1階層の復調に要する時間分遅延され、減算器97に入力される。
減算器97では、遅延された受信信号からQPSK変調信号を差し引くことにより、16QAMで変調された信号(16QAM変調信号)を取り出すことができ、これをサブデータ用のデマッピング処理部に出力する。
【0024】
メインデータ用のデマッピング処理部では、QPSK復調が行われ、復調されたメインデータは、回線TS1を介してデコーダ79に出力される。
サブデータ用のデマッピング処理部では、16QAM復調が行われ、復調されたサブデータは、回線TS2を介してファイル伝送アダプタ80に出力される。
【0025】
[関連技術]
尚、放送伝送装置に関する従来技術としては、特開2017-41781号公報「受信装置」(特許文献1)、特開2014-64273号公報「送信装置」(特許文献2)がある。
特許文献1には、移動局の送信アンテナの位置に追従させて、マルチ受信を行う複数の受信アンテナの向きを効率よく動作制御する受信装置が記載されている。
特許文献2には、TMCCキャリアの反転動作を加えることで、悪条件の伝送路において伝送特性を向上させる送信装置が記載されている。
また、テレビジョン放送番組素材伝送に関する標準規格として、非特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】特開2017-41781号公報
【特許文献2】特開2014-64273号公報
【非特許文献】
【0027】
【非特許文献1】テレビジョン放送番組素材伝送用可搬形OFDM方式デジタル無線伝送システム(ARIB STD-B33)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
しかしながら、従来の放送伝送装置では、デジタルデータ(付加データ)をTSパケットのNULL部分に重畳する場合、映像・音声データの種類に応じてNULLパケットのデータ量が変化するため、デジタルデータの伝送レートが安定しないという問題点があった。
【0029】
また、従来の放送伝送装置では、デジタルデータをTSパケットに変換して伝送する場合、デジタルデータの伝送用に1回線占有することになり、別の映像・音声データを伝送する必要が生じた際には、デジタルデータの伝送を一旦停止しなければならないという問題点があった。
【0030】
また、従来の伝送システムでは、デジタルデータを携帯電話のメールを利用して送信する場合、サービスエリア外からは送信できないという問題点があった。
【0031】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、映像・音声データの伝送を阻害せずに、デジタルデータを安定して伝送することができる送信装置、送信方法及び受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第1のデータとし、第1のデータとは異なる放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第2のデータとして、OFDMのスペクトル上に、同一スペクトルで重畳する階層分割多重方式で多重化して伝送する送信装置であって、第1のデータを第1の変調方式で変調させた第1階層のストリームと、第2のデータを第2の変調方式で変調させた第2階層のストリームとを生成して、それぞれ、第1階層の重み係数と第2階層の重み係数で重み付けして多重化する変調部を備え、変調部が、第1のデータと第2のデータについて、第1のデータが入力なしで第2のデータが入力ありの場合、第1のデータ及び第2のデータがいずれも入力ありの場合、及び第1のデータが入力ありで第2のデータが入力なしの場合のそれぞれに対応して、第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数が規定された重み付け選択テーブルを備え、第1のデータと第2のデータの入力の有無を検出し、重み付け選択テーブルに基づいて、検出結果に応じた第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数を選択し、第1のデータ及び第2のデータがいずれも入力ありの場合には、第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数の組み合わせが複数記憶された重み付け設定テーブルから、特定された第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数を、重み付け選択テーブルに設定することを特徴としている。
【0033】
また、本発明は、上記送信装置において、第1のデータと第2のデータの一方を放送用の映像・音声データとし、他方をデジタルデータとし、放送用の映像・音声データ及びデジタルデータがいずれも入力ありの場合には、放送用の映像・音声データの種類及びデジタルデータの重要度に応じて第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数の組み合わせが複数記憶された重み付け設定テーブルから、特定された第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数を、重み付け選択テーブルに設定することを特徴としている。
【0034】
また、本発明は、上記送信装置において、第1階層の重み係数と第2階層の重み係数を伝送多重制御信号に含めるようにしたことを特徴としている。
【0035】
また、本発明は、上記送信装置において、第1のデータ又は第2のデータについて、変調方式の情報を含む設定情報を変更する場合に、変更後の設定情報を伝送多重制御信号のフレームに含めて送信した上で、次のフレームから変更後の設定情報に基づいて変調された第1のデータ又は第2のデータを送信することを特徴としている。
【0036】
また、本発明は、放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第1のデータとし、第1のデータとは異なる放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第2のデータとして、OFDMのスペクトル上に、同一スペクトルで重畳する階層分割多重方式で多重化して伝送する送信方法であって、変調部が、第1のデータと第2のデータの入力の有無を検出し、第1のデータ及び第2のデータがいずれも入力ありの場合には、第1のデータを第1の変調方式で変調させた第1階層のストリームと、第2のデータを第2の変調方式で変調させた第2階層のストリームとを生成し、記憶されている第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数の複数の組み合わせの中から、第1のデータ及び第2のデータに応じて第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数を特定し、第1階層のストリームと、第2階層のストリームとを、それぞれ、特定された第1階層の重み係数と特定された第2階層の重み係数で重み付けして多重化して送信することを特徴としている。
【0037】
また、本発明は、放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第1のデータとし、第1のデータとは異なる放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第2のデータとして、第1のデータを第1の変調方式で変調させた第1階層のストリームと、第2のデータを第2の変調方式で変調させた第2階層のストリームとが、それぞれ、第1階層の重み係数と第2階層の重み係数で重み付けして多重化されて伝送された信号を受信する受信装置であって、多重化されて伝送された信号について、伝送された信号に含まれる第1階層の重み係数及び第2の階層の重み係数に基づいて、第1の変調方式に対応する復調を行って第1のデータを復調して出力すると共に、復調された第1のデータを再び第1の変調方式で変調し、当該変調された第1のデータに第1階層の重み係数の逆数を乗算し、多重化されて伝送された信号を遅延させて第2階層の重み係数の逆数を乗算した信号から、再度変調されて第1階層の重み係数の逆数が乗算された第1のデータを減算して、第2階層のストリームを分離し、第2階層のストリームから第2のデータを復調する復調部を備え、第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数が、第1のデータ及び第2のデータが送信側においていずれも入力ありの場合に、第1のデータ及び第2のデータに応じて特定されているものであることを特徴としている。
【0038】
また、本発明は、上記受信装置において、復調部が、伝送された信号の伝送多重制御信号の設定情報の差分を監視し、差分を検出した場合に、次のフレームで受信した第1のデータ又は第2のデータを、差分が検出された設定情報に基づいて復調することを特徴としている。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第1のデータとし、第1のデータとは異なる放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第2のデータとして、OFDMのスペクトル上に、同一スペクトルで重畳する階層分割多重方式で多重化して伝送する送信装置であって、第1のデータを第1の変調方式で変調させた第1階層のストリームと、第2のデータを第2の変調方式で変調させた第2階層のストリームとを生成して、それぞれ、第1階層の重み係数と第2階層の重み係数で重み付けして多重化する変調部を備え、変調部が、第1のデータと第2のデータについて、第1のデータが入力なしで第2のデータが入力ありの場合、第1のデータ及び第2のデータがいずれも入力ありの場合、及び第1のデータが入力ありで第2のデータが入力なしの場合のそれぞれに対応して、第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数が規定された重み付け選択テーブルを備え、第1のデータと第2のデータの入力の有無を検出し、重み付け選択テーブルに基づいて、検出結果に応じた第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数を選択し、第1のデータ及び第2のデータがいずれも入力ありの場合には、第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数の組み合わせが複数記憶された重み付け設定テーブルから、特定された第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数を、重み付け選択テーブルに設定する送信装置としているので、第1階層の重み係数と第2階層の重み係数とを適宜調整することにより、第1のデータ及び第2のデータについて、一方のデータの伝送を阻害せずに他方のデータを安定して伝送することができる効果がある。
【0040】
また、本発明によれば、第1のデータと前記第2のデータの一方を放送用の映像・音声データとし、他方をデジタルデータとし、放送用の映像・音声データ及び前記デジタルデータがいずれも入力ありの場合には、放送用の映像・音声データの種類及びデジタルデータの重要度に応じて第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数の組み合わせが複数記憶された重み付け設定テーブルから、特定された第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数を、重み付け選択テーブルに設定する上記送信装置としているので、映像・音声データの入力がある場合には、対応する一方の重み係数を1とし、他方の重み係数をそれより小さく設定することで、映像・音声データの伝送を妨げることなくデジタルデータも伝送し続けることができ、安定した伝送を可能とする効果がある。
【0041】
また、本発明によれば、第1のデータ又は第2のデータについて、変調方式の情報を含む設定情報を変更する場合に、変更後の設定情報を伝送多重制御信号のフレームに含めて送信した上で、次のフレームから変更後の設定情報に基づいて変調された第1のデータ又は第2のデータを送信する上記送信装置としているので、設定情報が変更になる場合に、送信側が新たな設定情報を1フレーム前に送信して、受信側に新たな設定情報を報知することができ、設定情報の変更をスムーズに行うことができる効果がある。
【0042】
また、本発明によれば、放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第1のデータとし、第1のデータとは異なる放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第2のデータとして、OFDMのスペクトル上に、同一スペクトルで重畳する階層分割多重方式で多重化して伝送する送信方法であって、変調部が、第1のデータと第2のデータの入力の有無を検出し、第1のデータ及び第2のデータがいずれも入力ありの場合には、第1のデータを第1の変調方式で変調させた第1階層のストリームと、第2のデータを第2の変調方式で変調させた第2階層のストリームとを生成し、記憶されている第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数の複数の組み合わせの中から、第1のデータ及び第2のデータに応じて第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数を特定し、第1階層のストリームと、第2階層のストリームとを、それぞれ、特定された第1階層の重み係数と特定された第2階層の重み係数で重み付けして多重化して送信する送信方法としているので、第1階層の重み係数と第2階層の重み係数とを適宜調整することにより、第1のデータ及び第2のデータについて、一方のデータの伝送を阻害せずに他方のデータを安定して伝送することができる効果がある。
【0043】
また、本発明によれば、放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第1のデータとし、第1のデータとは異なる放送用の映像・音声データ、デジタルデータのいずれかを含むデータを第2のデータとして、第1のデータを第1の変調方式で変調させた第1階層のストリームと、第2のデータを第2の変調方式で変調させた第2階層のストリームとが、それぞれ、第1階層の重み係数と第2階層の重み係数で重み付けして多重化されて伝送された信号を受信する受信装置であって、多重化されて伝送された信号について、伝送された信号に含まれる第1階層の重み係数及び第2の階層の重み係数に基づいて、第1の変調方式に対応する復調を行って第1のデータを復調して出力すると共に、復調された第1のデータを再び第1の変調方式で変調し、当該変調された第1のデータに第1階層の重み係数の逆数を乗算し、多重化されて伝送された信号を遅延させて第2階層の重み係数の逆数を乗算した信号から、再度変調されて第1階層の重み係数の逆数が乗算された第1のデータを減算して、第2階層のストリームを分離し、第2階層のストリームから第2のデータを復調する復調部を備え、第1階層の重み係数及び第2階層の重み係数が、第1のデータ及び第2のデータが送信側においていずれも入力ありの場合に、第1のデータ及び第2のデータに応じて特定されているものである受信装置としているので、第1階層の重み係数と第2階層の重み係数とを適宜調整することにより、第1のデータ及び第2のデータを精度よく復調できる効果がある。
【0044】
また、本発明によれば、復調部が、伝送された信号の伝送多重制御信号の設定情報の差分を監視し、差分を検出した場合に、次のフレームで受信した第1のデータ又は第2のデータを、差分が検出された設定情報に基づいて復調する上記受信装置としているので、設定情報が変更になる場合に、新たな設定情報を用いた復調を確実に行うことができ、設定情報の変更をスムーズに行うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本送信装置のFPU送信制御部の構成ブロック図である。
【
図2】
図1に示したTS1送信処理部13の構成ブロック図である。
【
図3】重み付け設定部における入出力を示す説明図である。
【
図6】本送信装置における伝送イメージを示す模式説明図である。
【
図7】本放送伝送装置におけるTMCCデータを示す説明図である。
【
図8】本受信装置のFPU受信制御部の構成ブロック図である。
【
図9】第2階層のパラメータを変更する場合のTMCC及び第2階層のデータの流れを示す説明図である。
【
図10】第1階層のパラメータを変更する場合のTMCC及び第1階層のデータの流れを示す説明図である。
【
図11】実施の形態に係る放送伝送装置を適用した伝送システムの概略構成図である。
【
図12】従来の放送伝送装置の概略構成を示す説明図である。
【
図13】LDM方式の変調部(デジタル多重方式)の概略構成を示す説明図である。
【
図14】LDM方式の変調部(アナログ多重方式)の概略構成を示す説明図である。
【
図15】LDM方式の復調部の概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る放送伝送装置は、映像・音声データをメインデータとし、デジタルデータをサブデータとして、LDM方式で多重して伝送するものであり、送信側において、FPU送信制御部が、メインデータを第1の変調方式で変調した第1階層のストリームと、サブデータを第2の変調方式で変調した第2階層のストリームとを、メインデータ及びサブデータの入力の有無に応じて、それぞれ重み付け係数を乗算して多重化して送信し、受信側において、FPU受信制御部が、多重化された受信信号から第1の変調方式に対応する復調を行ってメインデータを取り出すと共に、当該メインデータを再度第1の変調方式で変調して第1階層の重み付け係数の逆数を乗算した信号を、多重化された受信信号を遅延させて第2階層の重み付け係数の逆数を乗算した信号から減算して、当該減算結果について第2の変調方式に対応する復調を行ってデジタルデータを取り出すようにしているので、メインデータを主として伝送しつつ、サブデータも伝送することができ、映像・音声データがない場合には、デジタルデータの重み付けを大きくし、映像・音声データがある場合には、デジタルデータの重み付けを小さくして多重化することにより、映像音声データの伝送を阻害することなく、安定してデジタルデータの伝送を継続することができるものである。
【0047】
尚、ここでは、第1のデータとして映像・音声データをメインデータとし、第2のデータとしてデジタルデータをサブデータとして説明するが、それぞれのデータが逆であっても構わず、また、第1のデータ及び第2のデータが共に映像・音声データ又は共にデジタルデータであっても構わない。
【0048】
また、ここでは、より効果のある変調方式及び復調方式について主に説明するが、別の変調方式を用いてもよく、また、第1のデータと第2のデータを、それぞれの変調方式に対応した復調方式で直接復調する方法を用いても構わない。
【0049】
[実施の形態に係る送信装置の構成:
図1]
本発明の実施の形態に係る放送伝送装置(本放送伝送装置)の送信側で用いられる送信装置(本送信装置)の構成について説明する。
本送信装置は、基本的な構成は
図12に示した従来の放送伝送装置の送信側と同様であるが、FPU送信制御部の構成及び動作が従来とは異なっている。
【0050】
図1は、本送信装置のFPU送信制御部の構成ブロック図である。
本送信装置のFPU送信制御部は、LDM方式により、メインデータ(映像・音声データ)と、サブデータ(デジタルデータ)とを多重化して送信データを生成するものであり、
図1に示すように、DVB-ASI(Digital Video Broadcasting - Asynchronous Serial Interface)インターフェース11,12と、TS1送信処理部13と、TS2送信処理部14と、重み付け設定部15と、乗算器16,17と、加算器18と、OFDMフレーム構成部19と、AC(Auxiliary Channel)生成部21と、CP(Continual Pilot)生成部22と、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control;伝送多重制御信号)生成部23と、IFFT(Inverse Fast Fourie Transform)部24と、GI(Guard Interval)付加部25と、デジタル直交変調部26とを備えている。
【0051】
FPU送信制御部の各部について説明する。
DVB-ASIインターフェース11は、第1階層(図では第一階層と記載)データとして、
図12に示したエンコーダ72からTS1回線を介して映像・音声データを入力する。
DVB-ASIインターフェース12は、第2階層(図では第二階層と記載)データとして、
図12に示したファイル伝送アダプタからTS2回線を介してデジタルデータを入力する。
【0052】
TS1送信処理部13は、第1階層のデータ(TS1データ:映像・音声データ)について、誤り訂正符号化や変調等、無線送信に伴う信号処理を行う。TS1送信処理部13では、TS1データをQPSK変調する。QPSK変調は、請求項に記載した第1の変調方式である。
TS1送信処理部13の構成については後述する。
TS2送信処理部14は、第2階層のデータ(TS2データ:デジタルデータ)について、無線送信に伴う信号処理を行う。TS2送信処理部14は、TS2データを16QAMで変調する。16QAMは、第2の変調方式である。
【0053】
重み付け設定部15は、本送信装置の特徴部分であり、TS1データに乗算する重み付け係数g1を乗算部16に設定すると共に、TS2データに乗算する重み付け係数g2を乗算部17に設定する。
ここで、本送信装置の特徴として、重み付け設定部15は、後述する制御部からの指示や、TS1データ、TS2データの入力の有無に応じて重み付け係数g1,g2を変更して設定する。
重み付け設定部15の動作については後述する。
【0054】
乗算部16は、TS1送信処理部13から出力されるTS1データに、重み付け係数g1を乗算する。
乗算部17は、TS2送信処理部14から出力されるTS2データに、重み付け係数g2を乗算する。
加算器18は、g1で重み付けされたTS1データと、g2で重み付けされたTS2データとを多重化して、送信データを生成する。
【0055】
AC生成部21、CP生成部22、TMCC生成部23は、送受信に伴う各種制御情報を含むサブキャリアを生成するものである。
AC生成部21は、変調波の伝送制御に関する付加情報信号を生成する。
CP生成部22は、パイロット信号を生成する。
TMCC生成部23は、誤り訂正や多値変調のパラメータ等の制御情報を生成する。
【0056】
OFDMフレーム構成部19は、多重化された送信データと、AC信号と、パイロット信号と、TMCCとを所定の位置に配置して、OFDMフレームを生成する。
IFFT部24は、入力された信号を周波数軸に変換する。
GI付加部25は、ガードインターバル信号を付加する。
デジタル直交変調部26は、入力された信号を直交変調し、
図12に示したFPU送信高周波部76に出力する。
【0057】
本送信装置のFPU送信制御部における動作について簡単に説明する。
本送信装置のFPU送信制御部では、DVB-ASIインターフェース11から入力されたTS1データ(映像・音声データ)はTS1送信処理部13で誤り訂正符号化や変調が施され、乗算部16で重み付け係数g1が乗算されて、加算器18に出力される。
【0058】
同様に、DVB-ASIインターフェース12から入力されたTS2データ(デジタルデータ)はTS2送信処理部14で誤り訂正符号化や変調が施され、乗算部17で重み付け係数g2が乗算されて、加算器18に出力される。
【0059】
加算器18では、所定の重み付けが為されたTS1データとTS2データとが多重化され、AC、CP、TMCCの各情報と共にOFDMフレーム構成部19に入力されて、OFDMフレームが生成され、IFFT部24で逆フーリエ変換され、GI付加部25でガードインターバルが付加され、デジタル直交変調部26でデジタル直交変調されて、
図12に示したFPU送信高周波部76に出力される。
FPU送信高周波部76において、変調信号はアップコンバートされて、無線信号として送出される。
【0060】
[TS1送信処理部の構成:
図2]
次に、
図1に示したTS1送信処理部13の構成について
図2を用いて具体的に説明する。
図2は、
図1に示したTS1送信処理部13の構成ブロック図である。
図2に示すように、TS1送信処理部13は、データフレーム同期部31と、エネルギー拡散部32と、外符号化部33と、バイトインターリーブ部34と、内符号化部35と、周波数インターリーブ部36と、時間インターリーブ部37と、マッピング部38とを備えている。
【0061】
TS1送信処理部13の各部については特開2014-64273に記載されているため、具体的な説明は省略する。
また、TS2送信処理部14の構成も及び動作もTS1送信処理部13と同様である。
但し、内符号化部35における符号化処理と、マッピング部38における多値変調処理は、2つの送信系統のシンボル内距離が大きくなるように、送信系統毎に異なる処理が行われる。
【0062】
[重み付け設定部における入出力:
図1、
図3]
次に、
図1に示した重み付け設定部15における入出力について
図1、
図3を用いて説明する。
図3は、重み付け設定部における入出力を示す説明図である。
図1、
図3に示すように、重み付け設定部15は、第1階層のデータを入力するDVB-ASIインターフェース11と、第2階層のデータを入力するDVB-ASIインターフェース12と、制御パネル情報処理部30からの指示を入力し、入力に応じて、重み付け係数g1,g2を選択して、乗算器16,17に出力する。
重み付け設定部15は、DVB-ASIインターフェース11,12からのデータ入力の有無に対応して、重み付け係数g1,g2を特定する重み付け選択テーブルを備えている。
重み付け選択テーブルについては、後述する。
【0063】
DVB-ASIインターフェース11からは、第1階層のデータ(TS1データ;映像・音声データ)が入力され、重み付け設定部15は、TS1データが入力されたかどうか、データ入力の有無を監視している。
DVB-ASIインターフェース12からは、第2階層のデータ(TS2データ;デジタルデータ)が入力され、重み付け設定部15は、TS2データの入力の有無を監視している。
【0064】
制御パネル情報処理部30は、オペレータによって操作される制御パネルの制御部であり、予め、重み付け係数g1,g2(後述するp,q)の組み合わせを複数記憶している。そして、オペレータの操作等に応じて、記憶している組み合わせの中から、適切な組み合わせを選択して、重み付け設定部15に指示を出力する。
【0065】
[重み付け選択テーブル:
図4]
重み付け設定部15に記憶されている重み付け選択テーブルについて
図4を用いて説明する。
図4は、重み付け選択テーブルの模式説明図である。
図4に示すように、重み付け選択テーブルは、TS1データ及びTS2データの有無と、重み付け係数g1,g2の組み合わせとを対応付けて記憶しているものである。
【0066】
具体的には、
図4に示すように、TS1データが「なし」、TS2データが「あり」の場合には、TS2データのみを送信できるため、重み付け係数は、g1=0,g2=1としている。
このような場合には、マイクロ回線をTSパケット化したデジタルデータの伝送のみに用いることができる。
また、反対に、TS1データが「あり」、TS2データが「なし」の場合には、重み付け係数は、g1=1,g2=0としている。
【0067】
そして、本装置の特徴として、TS1データ、TS2データが共に「あり」の場合には、g1=p、g2=qとしている。つまり、TS1データ、TS2データが両方とも入力される場合には、それぞれ、重み付け係数g1=p、g2=qで重み付けされて多重化されるものである。
【0068】
p、qは、制御パネル情報処理部30からの指示により設定される可変の値である。
ここで、TS1データは映像・音声データであり、優先的に送信されるべきデータであるため、基本的にはp>qであり、p,qの値は映像・音声データの伝送を阻害しないように設定されるが、映像・音声データの種類やデジタルデータの重要度等に応じて変更可能となっている。
【0069】
更に、本送信装置では、p,qは0以外の数値としている。つまり、TS1データ、TS2データが両方とも入力された場合には、重み付けの程度は変わるものの、どちらも送信するものである。
これにより、本送信装置では、伝送すべき映像・音声データがある場合でも、その伝送を阻害しない程度にデジタルデータを重畳して送信することができ、デジタルデータを安定して継続的に伝送することができるものである。
【0070】
[重み付け設定テーブル:
図5]
次に、制御パネル情報処理部30に設けられている重み付け設定テーブルについて
図5を用いて説明する。
図5は、重み付け設定テーブルの模式説明図である。
図5に示すように、重み付け設定テーブルは、組み合わせ番号に対応して、上述した重み付け選択テーブルのp,qの値の組み合わせを記憶しているものである。
具体的には、
図5の例では、組み合わせ番号kは「p=1,q=0.1」、組み合わせ番号mは「p=1,q=0.2」、組み合わせ番号nは「p=1,q=0.3」の組み合わせが記憶されている。
【0071】
そして、制御パネル情報処理部30は、制御パネルからの入力等があると、映像・音声データやデジタルデータの種類等に応じて予め決められている組み合わせ番号を特定し、重み付け設定テーブルを参照して当該組み合わせ番号に対応するp,qの値を読み出し、重み付け設定部15にp,qの値を指示する。
つまり、制御パネル情報処理部30には、予め映像・音声データやデジタルデータの種類に応じて、最適なp,qとなる組み合わせ番号が記憶されているものである。
重み付け設定部15は、指示が入力されると、重み付け選択テーブルのp,qを指示された値で更新して、入力データの有無に応じた重み付け設定を行う。
【0072】
例えば、TS2データのみを送信しているファイル伝送の最中に、中継が開始されたり、急なオンエアが必要となる事柄が発生した場合には、TS1データ、TS2データの入力に応じて、TS1データの重み付け係数g1(p)=1、TS2データの重み付け係数g2(q)=0.2として、双方のTSパケットを重畳して送信する。
【0073】
また、夜間等、長時間に亘って映像・音声データが入力されない場合には、制御パネル情報処理部30から重み付け設定部15に対して、強制的にTS2データを優先して送信するよう指示(TS2優先指示)を送信してもよい。
【0074】
重み付け設定部15は、TS2優先指示が入力されると、重み付け選択テーブルを参照することなく、乗算器16,17に、g1=0,g2=1を設定する。
そして、重み付け設定部15は、制御パネル情報処理部30からTS2優先指示解除の指示が入力されると、DVB-ASIインターフェース11,12からのデータ入力の有無に応じて重み付け係数を選択する処理に戻る。
同様に、制御パネル情報処理部30は、強制的にTS1データを優先して送信する指示(TS1優先指示)を送信してもよい。
【0075】
[本送信装置における伝送イメージ:
図6]
次に、本送信装置における伝送イメージについて
図6を用いて説明する。
図6は、本送信装置における伝送イメージを示す模式説明図である。
図6では、横軸に時間、縦軸に送信電力を示しており、期間T1においては、映像・音声データがON(データ入力あり)であるため、上述した重み付け選択テーブルに基づいて、第1階層のストリームの送信に多くの送信電力を割り当てて送信するが、同時に第2階層のストリームも送信する。
上述したように、第2階層のストリームは、第1階層のデータ伝送を妨げない程度の重み付けが為されている。
【0076】
期間T2においては、映像・音声データがOFF(データ入力なし)であるため、第1階層の重み付け係数g1=0、第2階層の重み付け係数g2=1として、第2階層のストリームのみを送信する。
期間T3では、再び映像・音声データがONとなるため、重み付け選択テーブルに基づいて所定の重み付けで第1階層のデータと第2階層のデータとを多重して送信する。
【0077】
このように、本送信装置では、第1階層のデータのオン/オフに関わらず、第2階層のデジタルデータを連続的に安定して送信することができるものであり、更に、第1階層のデータがない期間には、第2階層のデータを優先的に送信できるものである。
【0078】
[本放送伝送装置におけるTMCCデータ:
図7]
次に、本放送伝送装置におけるTMCCデータについて
図7を用いて説明する。
図7は、本放送伝送装置におけるTMCCデータを示す説明図である。
図7に示すように、TMCCデータは、同期信号(SYNC)に続き、第1階層のTSパケットについて誤り訂正や多値変調のパラメータ等の各種設定情報が搭載されているが、余剰部分に、重畳される第2階層のTSパケットに関する設定情報と、LDM重み付け情報が搭載される。
【0079】
第2階層の設定情報には、誤り訂正や多値変調のパラメータが含まれる。
また、LDM重み付け情報は、上述した第1階層の重み付け係数g1と、第2階層の重み付け係数g2の値である。
これらの情報は、受信側において復調に用いられる。
【0080】
[実施の形態に係る受信装置の構成:
図8]
次に、本放送伝送装置の受信側で用いられる受信装置(本受信装置)の構成について説明する。
本受信装置は、基本的な構成は
図12に示した従来の放送伝送装置の受信側と同様であるが、FPU受信制御部の構成及び動作が従来とは異なっている。
【0081】
図8は、本受信装置のFPU受信制御部の構成ブロック図である。
本受信装置のFPU受信制御部は、
図1に示した本送信装置から、LDM方式によって多重化されて伝送されたデータを受信して、メインデータとサブデータに分離して復調するものであり、OFDM復調部41と、第1階層デマッピング部42と、第1階層誤り訂正復号部43と、再マッピング部44と、遅延部45と、乗算器46,47と、減算器48と、第2階層デマッピング部49と、第2階層誤り訂正復号部50とを備えている。
【0082】
FPU受信制御部の各部について説明する。
OFDM復調部41は、直交復調後の多重データをFFT変換してOFDM復調する。
第1階層デマッピング部42は、多重化された信号に対して、送信装置のTS1送信処理部のマッピング部で施された多値変調に対応するデマッピング(ここではQPSK復調)を行って、第1階層のデータを取り出す。
【0083】
第1階層誤り訂正復号部43は、送信装置のTS1送信処理部で施された誤り訂正符号化に対応した誤り訂正復号化を行って、復調された第1階層のデータを出力する。
再マッピング部44は、復調された第1階層のデータを再度QPSK変調でマッピングする。再マッピングされたデータは、第二階層の復調に用いられる。
【0084】
遅延部45は、OFDM復調された多重データを、第1階層の復調及び再マッピングに要する時間だけ遅延させる。
乗算器46は、再マッピングされた第1階層のデータに、第1階層の重み付け係数g1の逆数を乗算する。
乗算器47は、遅延された多重データに、第2階層の重み付け係数g2の逆数を乗算する。
【0085】
減算器48は、重み付けを除去した多重データから、重み付けを除去した第1階層の再マッピングデータを減算して、16QAMで変調された第2階層のデータを取り出す。
第2階層デマッピング部49は、減算器48の出力を16QAM復調して、第2階層のデータを出力する。
第2階層誤り訂正復号部50は、送信装置のTS2送信処理部で施された誤り訂正符号化に対応した誤り訂正復号化を行って、復調された第2階層のデータを出力する。
【0086】
本受信装置のFPU受信制御部における動作について簡単に説明する。
FPU受信制御部では、OFDM復調部41でOFDM復調を行って、
図7に示したTMCCキャリアを復調し、第1階層、第2階層の伝送パラメータと、重み付け係数を得る。
そして、OFDM復調された多重化データは、2つに分割され、一方は第1階層デマッピング部42でデマッピング処理され、誤り訂正復号部43で誤り訂正処理が行われ、再マッピング部44で再度マッピングされる。但し、第11階層の重み付け係数が「0」であった場合には、再マッピングの信号は「0」とする
【0087】
再マッピングされたデータは、乗算器46で第1階層の重み付け係数g1の逆数が乗算され、減算部48に入力される。
分割された他方の多重化データは、遅延部45で遅延され、乗算部47で、第2階層の重み付けg2の逆数が乗算されて、減算器48に入力される。
減算器48では、乗算器47の出力から、乗算器46の出力が減算されて、第2階層のマッピングデータ(第2階層のストリーム)が出力される。
【0088】
そして、減算器48の出力は、第2階層デマッピング部49でデマッピングされて16QAM復調された第2階層のデータが得られ、誤り訂正復号化が行われて、復調された第2階層のデータが出力される。
このようにして、本受信装置のFPU受信制御部における動作が行われるものである。
【0089】
[実施の形態の効果]
本放送伝送装置によれば、送信側のFPU送信制御部が、メインデータとなる映像・音声データをQPSKで変調した第1階層のストリームと、サブデータとなるデジタルデータを16QAMで変調した第2階層のストリームとを、メインデータ及びサブデータの入力の有無に応じて、それぞれ重み付け係数g1,g2を乗算して多重化して送信し、受信側のFPU受信制御部が、多重化された受信信号についてQPSK復調を行って映像・音声データを取り出すと共に、当該復調後の映像・音声データを再度QPSK変調して第1階層の重み付け係数g1の逆数を乗算した信号を、多重化された受信信号を遅延させて第2階層の重み付け係数g2の逆数を乗算した信号から減算して、当該減算結果について16QAM復調を行ってデジタルデータを取り出すようにしているので、映像・音声データがない場合には、デジタルデータの重み付けを大きくし、映像・音声データがある場合には、デジタルデータの重み付けを小さくして多重化することにより、映像音声データの伝送を妨げることなく、継続的に安定してデジタルデータを伝送することができる効果がある。
【0090】
[別の実施の形態に係る放送伝送装置]
次に、別の実施の形態に係る放送伝送装置(別の放送伝送装置)について
図9、
図10を用いて説明する。
別の放送伝送装置は、基本的な構成及び動作は上述した本放送伝送装置と同様であるが、更に、第1階層と第2階層のデータについて、パラメータ(誤り訂正、多値変調のパラメータ)をスムーズに変更することができるようにしたものである。
【0091】
上述した本放送伝送装置では、設定情報が変更になった場合、当該フレームのデータを新しい設定情報で復調することが困難な場合がある。
そこで、別の放送伝送装置では、FPU送信制御部において、TMCCに搭載する第1階層、第2階層の設定情報を変更する場合、受信側に切り替えを報知するために、切り替えを行う1つ前のフレームに新しい設定情報を入れて送信するようにしている。
【0092】
また、FPU受信制御部に、TMCCの設定情報をフレーム毎に比較し、差分を検出する差分検出器を備えている。
そして、FPU受信制御部では、差分検出器で差分を検出すると、検出したフレームに含まれる設定情報を用いて、次のフレームのデータから新しい設定情報に切り替えて復調を行うようにしている。
【0093】
[第2階層のパラメータを変更する場合:
図9]
まず、第2階層のデータのパラメータを変更する場合について
図9を用いて説明する。
図9は、第2階層のパラメータを変更する場合のTMCC及び第2階層のデータの流れを示す説明図である。
図9に示すように、上述したように、第2階層の設定情報は、TMCCの余剰部分に搭載される。尚、
図9では、余剰部分に搭載されている重み付けの情報については図示を省略している。
左端のフレームiでは、第2階層の設定情報として、設定A情報が書き込まれ、第2階層のデータとして設定A情報に基づいて誤り訂正符号化や変調が施されたデータ(設定Aデータ)が搭載されている。
【0094】
ここで、第2階層の設定情報が設定B情報に変更された場合、FPU送信制御部は、フレームi+1で、データ部分はそのままで(例えばフレームiと同データ)、TMCCには新たな第2階層設定B情報を入れて送信する。
【0095】
そして、その次のフレーム(フレームi+2)では、TMCCに新しい第2階層設定B情報、データとして第2階層設定B情報で誤り訂正符号化や変調が施されたデータ(設定Bデータ)を入れて送信する。
【0096】
FPU受信制御部では、差分検出器が、受信したTMCCの設定情報について、前のフレームと今回のフレームとの差分を監視している。
差分検出器が差分を検出しない場合には、既に受信した設定情報に基づいて復調を行う。
差分検出器が差分を検出した場合には、FPU受信制御部は、検出したフレームに含まれる新たな設定情報を記憶すると共に、次のフレームから新たな設定情報に切り替えて復調を行う。
【0097】
図9の例では、フレームi+1において、差分検出器が第2階層設定データについて差分を検出すると、第2階層設定B情報を記憶し、次のフレーム(フレームi+2)の受信データから第2階層設定B情報に基づいて復調を行う。
【0098】
[第1階層のデータを変更する場合:
図10]
次に、第1階層のデータを変更する場合について
図10を用いて説明する。
図10は、第1階層のパラメータを変更する場合のTMCC及び第1階層のデータの流れを示す説明図である。
第1階層の設定情報を変更する場合も、第2階層の設定データを変更する場合と同様である。
図10に示すように、第1階層の設定情報はTMCCの「設定情報」に搭載され、フレームkでは第1階層設定情報として、設定A情報が搭載され、第1階層のデータとして、設定A情報に基づいて誤り訂正符号化及び変調された設定Aデータが搭載されている。
【0099】
そして、第1階層設定情報を設定B情報に変更する場合、FPU送信制御部は、次のフレームk+1において、TMCCの「設定情報」に設定B情報を書き込み、その次のフレームk+2で、新しい設定B情報で符号化及び変調された設定Bデータを書き込んで、送信する。
【0100】
FPU受信制御部では、差分検出器がフレーム間で設定情報の差分を検出すると(フレームk+1)、検出したフレームに含まれる設定情報を用いて、次のフレーム(フレームk+2)から設定B情報に基づいて受信データの復調を行う。
このように、設定情報が変更になった場合には、新たな設定情報をデータの1フレーム前に送信し、受信データを滞りなく復調できるものである。
【0101】
[別の放送伝送装置の効果]
別の放送伝送装置によれば、第1階層又は第2階層の設定情報が変更になる場合には、送信側において、新しい設定情報で処理されたデータを送信する1つ前のフレームに新しい設定情報を挿入して送信し、受信側において、フレーム毎の設定情報の差分を検出する差分検出器を備え、差分検出器で設定情報の差分を検出すると、次のフレームのデータから、新しい設定情報に基づいて復調を行うようにしているので、設定情報の切り替えをスムーズに行うことができる効果がある。
【0102】
[実施の形態に係る放送伝送装置の適用例:
図11]
次に、実施の形態に係る放送伝送装置を適用した伝送システムについて
図11を用いて説明する。
図11は、実施の形態に係る放送伝送装置を適用した伝送システムの概略構成図である。
適用例の伝送システムは、上述した本放送伝送装置又は別の放送伝送装置を用いたシステムであり、中継現場から基地局を介して放送局に画像・音声データ及びデジタルデータを伝送するシステムである。
【0103】
図11に示すように、適用例の伝送システムは、中継現場に設けられた、カメラ51と、エンコーダ52と、PC53と、ファイル伝送アダプタ54と、FPU送信装置(FPU-TX)55と、基地局に設けられた、FPU受信装置(FPU-RX)56と、TSL(Transmitter to Studio Link)送信装置57と、ファイル伝送アダプタ58と、サーバ(図ではサーバーと記載)60と、放送局に設けられた、TSL受信装置59と、サーバ(図ではサーバーと記載)61とを備えている。
【0104】
FPU送信装置55は、上述した本放送伝送装置又は別の放送伝送装置のFPU送信制御部及びFPU送信高周波部とを合わせた機能を備え、FPU受信装置56が、FPU受信高周波部及びFPU受信制御部とを合わせた機能を備えており、上述した本放送伝送装置又は別の放送伝送装置と同様の動作を行う。
【0105】
そして、適用例の伝送システムでは、
図11に示すように、FPU受信装置56が、受信した中継現場からの映像・音声データを、TS1回線を用いてTSL送信装置(TSL-TX)57に送信し、TSL送信装置57からTSL回線を利用して送信し、放送局に設けられたTSL受信装置59で受信するようにしている。
【0106】
また、FPU受信装置56が、受信したデジタルデータをTS2回線を用いてファイル伝送アダプタ58に送信し、サーバ60に蓄積して、光回線等の一般回線を用いて放送局側のサーバ61に送信する。
このようにして、既存の設備を利用して、映像・音声データとデジタルデータとを安定して中継現場から放送局へ伝送することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、映像・音声データの伝送を阻害せずに、別の付加データを安定して送受信することができる送信装置、送信方法及び受信装置に適している。
【符号の説明】
【0108】
11,12…DVB-ASIインターフェース、 13…TS1送信処理部、 14…TS2送信処理部、 15…重み付け設定部、 16,17,46,47…乗算器、 18…加算器、 19…OFDMフレーム構成部、 21…AC生成部、 22…CP生成部、 23…TMCC生成部、 24…IFFT部、 25…GI付加部、 26…デジタル直交変調部、 30…制御パネル情報処理部、 31…データフレーム同期部、 32…エネルギー拡散部、 33…外符号化部、 34…バイトインターリーブ部、 35…内符号化部、 36…周波数インターリーブ部、 37…時間インターリーブ部、 38,85…マッピング部、 41…OFDM復調部、 42…第1階層デマッピング部、 43…第1階層誤り訂正復号部、 44…再マッピング部、 45…遅延部、 48,97…減算器、 49…第2階層デマッピング部、 50…第2階層誤り訂正復号部、 51,71…カメラ、 52,72…エンコーダ、 53,73,82…PC、 54,58,74,80…ファイル伝送アダプタ、 55…FPU送信装置、 56…FPU受信装置、 57…TSL送信装置、 59…TSL受信装置、 60,61…サーバ、 75…FPU送信制御部、 76…FPU送信高周波部、 77…FPU受信高周波部、 78…FPU受信制御部、 79…デコーダ、 81…モニタ、 83…FEC部、 84…ビットインタリーブ部、 86…重み付け部、 87,94…加算器、 88,91…OFDM変調部、 89,92…直交変調部、 90,93…DAC部、 95…メインデータ復調部、 96…遅延バッファ