(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130755
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】車載用アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/22 20060101AFI20220831BHJP
H01Q 9/32 20060101ALI20220831BHJP
H01Q 9/36 20060101ALI20220831BHJP
H01Q 1/36 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
H01Q1/22 A
H01Q9/32
H01Q9/36
H01Q1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019136186
(22)【出願日】2019-07-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006758
【氏名又は名称】株式会社ヨコオ
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】富岡 健治
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 芳典
【テーマコード(参考)】
5J046
5J047
【Fターム(参考)】
5J046AA07
5J046AA09
5J046AB06
5J046PA00
5J047AA09
5J047AB06
5J047EA01
5J047EA02
5J047EA04
5J047EA06
(57)【要約】
【課題】 組立を容易にする車載用アンテナ装置を提供する。
【解決手段】 車載用アンテナ装置1は、第1コイルエレメント16を含む第1コイル部15と、第1コイル部15を保持する第1アンテナホルダー13とを備える。第1アンテナホルダー13は、第1コイルエレメント16の中心軸と異なる第1方向(x方向)から挿入された第1コイル部15を保持する。第1コイル部15は、第1アンテナホルダー13に仮固定される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルエレメントを含むコイル部と、
前記コイル部を保持するアンテナホルダーとを備え、
前記アンテナホルダーは、前記コイルエレメントの中心軸と異なる第1方向から挿入された前記コイル部を保持する、車載用アンテナ装置。
【請求項2】
前記コイル部は、前記アンテナホルダーに仮固定される、請求項1に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項3】
前記コイル部の前記コイルエレメントを保持するコイルホルダーは、前記アンテナホルダーとの係合部材と、少なくとも一方の端部が前記アンテナホルダーに保持される腕部を有し、
前記係合部材は、前記腕部が前記アンテナホルダーに保持される側に設けられる、請求項2に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項4】
前記アンテナホルダーの前記コイル部と前記第1方向で対向する面には、前記コイル部と接するリブが設けられる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の車載用アンテナ装置。
【請求項5】
接続金具を介して、前記コイルエレメントと電気的に接続される基板を更に備え、
前記第1方向から見て、前記接続金具の前記基板と接続する領域は、前記コイルエレメントの横に設けられる、請求項1~請求項4のいずれかに記載の車載用アンテナ装置。
【請求項6】
容量装荷素子を更に備え、
前記容量装荷素子は、前記中心軸と平行な第2方向から見て、前記コイルエレメントと前記接続金具の前記基板と接続する領域との間に配置される、請求項5に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項7】
前記容量装荷素子と前記コイル部と前記アンテナホルダーは、ネジ止めにより固定される、請求項6に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項8】
前記コイル部は、第1固定領域で、前記アンテナホルダーとネジ止めにより固定され、第2固定領域で、前記アンテナホルダーと前記容量装荷素子とネジ止めにより固定され、
前記第1固定領域のネジ止めと、前記第2固定領域のネジ止めは、同じ方向から行われる、請求項6に記載の車載用アンテナ装置。
【請求項9】
前記コイル部の前記コイルエレメントを保持するコイルホルダーは、両方の端部が前記アンテナホルダーに保持される腕部を有する、請求項1と請求項2のいずれかに記載の車載用アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、容量装荷素子とコイルエレメントを含む車載用アンテナ装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コイルエレメントは、中心軸に平行な方向から、例えば、下方から保持部材に取り付けられる。
このため、車載用アンテナ装置を組立する際に、保持部材に隠れてコイルエレメントが見えづらく、車載用アンテナ装置の組立が容易でなかった。
【0005】
したがって本発明の目的は、組立を容易にする車載用アンテナ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車載用アンテナ装置は、コイルエレメントを含むコイル部と、コイル部を保持するアンテナホルダーとを備える。アンテナホルダーは、コイルエレメントの中心軸と異なる第1方向から挿入されたコイル部を保持する。
【0007】
下方からコイルエレメント若しくはコイルホルダーがアンテナホルダーに取り付けられる形態に比べて、車載用アンテナ装置を組立する際に、コイルエレメントなどが見えやすく、組立が容易に行える。
【0008】
好ましくは、コイル部は、アンテナホルダーに仮固定される。
【0009】
ネジ止め等の固定を行う前に、コイル部をアンテナホルダーの取り付けるべき箇所に容易に配置させることが可能になる。
【0010】
さらに好ましくは、コイル部のコイルエレメントを保持するコイルホルダーは、アンテナホルダーとの係合部材と、少なくとも一方の端部がアンテナホルダーに保持される腕部を有する。係合部材は、腕部がアンテナホルダーに保持される側に設けられる。
【0011】
係合部材が、他の箇所、例えば、腕部のアンテナホルダーに保持される側と反対側に設けられる形態に比べて、係合部材の突出箇所が当該反対側から飛び出ない分だけ、コイルホルダーの大きさを小さくすることが可能になる。
【0012】
また、コイルホルダーがアンテナホルダーと係合するので、コイルホルダーがアンテナホルダーから落ちにくい状態にできる。
【0013】
さらに好ましくは、アンテナホルダーのコイル部と第1方向で対向する面には、コイル部と接するリブが設けられる。
【0014】
リブが設けられることにより、アンテナホルダーを成型する際に、ひけ(Sink Marks)が発生するのを防止できる。
【0015】
さらに好ましくは、接続金具を介して、コイルエレメントと電気的に接続される基板を更に備える。第1方向から見て、接続金具の基板と接続する領域は、コイルエレメントの横に設けられる。
【0016】
接続金具の基板と接する領域と、コイルエレメントとが、第1方向に並べられる形態に比べて、車載用アンテナ装置を組立する際に、接続金具の基板への差し込み作業を容易にすることができる。
【0017】
さらに好ましくは、車載用アンテナ装置は、容量装荷素子を更に備える。容量装荷素子は、中心軸と平行な第2方向から見て、コイルエレメントと接続金具の基板と接続する領域との間に配置される。
【0018】
容量装荷素子の下方の空いたスペースに、他の部材を配置しやすくできる。
【0019】
さらに好ましくは、容量装荷素子とコイル部とアンテナホルダーは、ネジ止めにより固定される。
【0020】
ネジ止めされない形態に比べて、容量装荷素子とアンテナホルダーとコイル部の固定を強固にすることができる。
【0021】
また、好ましくは、コイル部は、第1固定領域で、アンテナホルダーとネジ止めにより固定され、第2固定領域で、アンテナホルダーと容量装荷素子とネジ止めにより固定される。第1固定領域のネジ止めと、第2固定領域のネジ止めは、同じ方向から行われる。
【0022】
異なる方向からネジ止めされる形態に比べて、ネジ止め作業工程を簡素化出来る。
【0023】
また、好ましくは、コイル部のコイルエレメントを保持するコイルホルダーは、両方の端部がアンテナホルダーに保持される腕部を有する。
【0024】
腕部の両端が保持されるため、一方の端部だけで保持される形態に比べて、ネジ止めによる反発を受けにくく、固定された状態を維持しやすい。
【発明の効果】
【0025】
以上のように本発明によれば、組立を容易にする車載用アンテナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】第1実施形態の車載用アンテナ装置の分解斜視図である。
【
図2】第1実施形態のアンテナケースを省略した車載用アンテナ装置を右上後方から見た斜視図である。
【
図3】第1実施形態のアンテナケースを省略した車載用アンテナ装置を左上後方から見た斜視図である。
【
図4】第1実施形態のアンテナケースと第2アンテナ部を省略した車載用アンテナ装置を右上後方から見た斜視図である。
【
図5】第1実施形態のアンテナケースと第2アンテナ部を省略した車載用アンテナ装置を左上後方から見た斜視図である。
【
図6】第1実施形態のアンテナケースを省略した車載用アンテナ装置の側面図である。
【
図7】第1実施形態の第1アンテナ部を左上後方から見た斜視図である。
【
図8】第1実施形態の第1アンテナ部を左上後方から見た分解斜視図である。
【
図9】第1実施形態の第1アンテナ部を左下後方から見た分解斜視図である。
【
図10】第1実施形態の第1アンテナ部を右下後方から見た分解斜視図である。
【
図11】第1実施形態の第1アンテナ部と第1基板の背面図である。
【
図13】第2実施形態の第1アンテナ部を右上後方から見た斜視図である。
【
図14】第2実施形態の第1アンテナ部を右上後方から見た分解斜視図である。
【
図15】第2実施形態の第1コイルエレメントと第1コイルホルダーと第1接続金具を左上前方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、第1実施形態に係る車載用アンテナ装置について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることができる。
【0028】
(第1実施形態)
第1実施形態における車載用アンテナ装置1は、ルーフなど車両の上面に取り付けられる。
例えば、
図1~
図12に示すように、車載用アンテナ装置1は、アンテナケース5、パッド7、第1アンテナ部10、第1基板19、第2アンテナ部20、第2基板29、金属ベース50、樹脂ベース60、防水シール70、取付部材80を備える。
【0029】
なお、以下では方向を説明するために、車載用アンテナ装置1が取り付けられる車両の前後方向をx方向、x方向と垂直な左右方向をy方向、x方向とy方向に垂直な略鉛直方向をz方向と定義して説明する。また、
図1において、xyz軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ前方向、右方向、上方向と定義する。
【0030】
アンテナケース5は、電波透過性を有する合成樹脂製であり、例えば、x方向前方がx方向後方よりも低くなるように傾斜し、両側面が内側に湾曲したシャークフィン形状を有する。
【0031】
(アンテナケース5)
アンテナケース5は、下面が開口し、車載用アンテナ装置1を構成する部材である。アンテナケース5は、
図1に示すように、パッド7の一部、第1アンテナ部10、第1基板19、第2アンテナ部20、第2基板29、金属ベース50、樹脂ベース60等を、z方向上方から覆う。
従って、第1アンテナ部10と第2アンテナ部20は、アンテナケース5の内部空間に収納される。
アンテナケース5は、ネジ止めなどによって、樹脂ベース60に取り付けられる。
【0032】
(パッド7)
図2~
図6に示すように、パッド7は、エラストマー(Elastomer)やゴムなどで形成された環状の弾性部材である。パッド7は、アンテナケース5の下端周縁部と樹脂ベース60に挟み込まれる。パッド7は、アンテナケース5の下端周縁部と車両との間の隙間を目隠しすると共にアンテナケース5内への水の浸入を防止する。
【0033】
(第1アンテナ部10)
図7に示すように、第1アンテナ部10は、第1容量装荷素子11、第1アンテナホルダー13、第1コイル部15(第1コイルエレメント16、第1コイルホルダー17)、第1接続金具18を有する。
第1アンテナ部10は、例えば、DAB(Digital Audio Broadcast)を受信するために使用される。
【0034】
(第1容量装荷素子11)
第1容量装荷素子11は、錫めっき鋼板(導体板)を加工して形成される。
図8に示すように、第1容量装荷素子11は、第11エレメント11aと第12エレメント11bを有する。
【0035】
第11エレメント11aは、y方向に略垂直な面を有する。
第11エレメント11aのy方向に略垂直な面の上部は、x方向前方が低くx方向後方が高くなるような斜辺を有する。
第11エレメント11aのy方向に略垂直な面の下部は、x方向前方が低くx方向後方が高くなるような階段形状を有する。
すなわち、第11エレメント11aのy方向に略垂直な面の下部は、x方向後方に略矩形形状の切り欠きが設けられる。
【0036】
第11エレメント11aは、第1アンテナホルダー13にz方向上方から差し込まれる。
第11エレメント11aのx方向後方の下端には、フック形状の接続点11a1が設けられる。
また、第11エレメント11aのx方向後方の下端で、接続点11a1よりもx方向前方には、y方向右方に延び、z方向に垂直な面を含む取付部11a2が設けられる。
取付部11a2には、z方向に貫通する第1取付孔11a3が設けられる。
第1取付孔11a3は、第1アンテナホルダー13の第2取付孔14c1と第1コイルホルダー17の第3取付孔17c1とのネジ止め(第2固定領域のネジ止め)に使用される。
【0037】
第12エレメント11bは、第11エレメント11aの斜辺からy方向に延びる斜面である。
すなわち、第12エレメント11bは、第11エレメント11aの金属ベース50や樹脂ベース60と対向する側(下辺)と反対側(上辺)からy方向に延びる。
従って、第12エレメント11bの金属ベース50や樹脂ベース60となす角度は、第11エレメント11aの金属ベース50や樹脂ベース60となす角度よりも小さい。
z方向上方から見て、第12エレメント11bの第1取付孔11a3と重なる領域には、切り欠き11b1が設けられる。
第11エレメント11aと第12エレメント11bは、一体的に構成されており、1枚の金属板を折り曲げるなどして形成される。
【0038】
(第1アンテナホルダー13)
第1アンテナホルダー13は、樹脂で構成される。
第1アンテナホルダー13は、z方向上方で第1容量装荷素子11を保持し、x方向後方で第1コイルホルダー17を保持する。
第1アンテナホルダー13は、保持部13aと右脚部13bと左脚部13cを有する。
保持部13aと右脚部13bと左脚部13cは、一体的に構成される。
【0039】
保持部13aは、上保持領域13a1と下保持領域13a2を有する。
上保持領域13a1は、第12エレメント11bと略平行な斜面部14aを有する。
斜面部14aの上面には、第12エレメント11bが配置される。
斜面部14aには、z方向下方に延びる凹み14bが設けられ、第11エレメント11aがこの凹み14bに挿入される。
【0040】
下保持領域13a2は、第1アンテナホルダー13のx方向後方に位置し、上保持領域13a1のz方向下方に位置する。
図9と
図10に示すように、下保持領域13a2は、x方向から見たyz断面が、略コの字形状で、上面部14c、右側面部14d、左側面部14eを有する。
【0041】
上面部14cは、z方向に略垂直な面を有する。
上面部14cは、z方向に貫通する第2取付孔14c1を有する。
【0042】
右側面部14dは、x方向後方から見て上面部14cの右端からz方向下方に延び、y方向に略垂直な面を有する。
左側面部14eは、x方向後方から見て上面部14cの左端からz方向下方に延び、y方向に略垂直な面を有する。
右側面部14dと左側面部14eは、第1コイルホルダー17の上端部17cを、y方向で挟む。
【0043】
右側面部14dの左側面部14eと対向する面には、突起14d1が設けられる。
突起14d1は、第1コイルホルダー17の上端部17cのx方向後方から見た右端部を保持するために使用される。
左側面部14eの右側面部14dと対向する面には、係止部としての爪14e1が設けられる。
爪14e1は、第1コイルホルダー17の被係止部17c3とのスナップ止めに使用される。
【0044】
また、上面部14cと右側面部14dと左側面部14eのx方向前方には、x方向に略垂直な面を有する後面部14fが設けられる。
後面部14fには、x方向後方に突出するリブ14f1が設けられる。
リブ14f1は、x方向後方からスライド挿入される第1コイルホルダー17と接する受け部として使用される。
【0045】
x方向後方から見て、保持部13aのy方向右端部からz方向下方に向けて、右脚部13bが延びる。
右脚部13bの下端部が、スナップ止めやネジ止めなどにより、金属ベース50に取り付けられる。
x方向後方から見て、保持部13aのy方向左端部からz方向下方に向けて、左脚部13cが延びる。
左脚部13cの下端部が、スナップ止めやネジ止めなどにより、金属ベース50に取り付けられる。
なお、樹脂ベース60に取り付けられても良い。
【0046】
左脚部13cの下端部と上端部の間には、第1コイルホルダー17の第1腕部17bの一方の端部を保持する第1腕保持部13c1が設けられる。
第1腕保持部13c1には、ネジが挿入される第1腕部取付孔13c2が設けられる。
第1腕部取付孔13c2は、第1コイルホルダー17の第1腕部17bの第2腕部取付孔17b1とのネジ止めに使用される(第1固定領域のネジ止め)。
【0047】
図11に示すように、第1コイルホルダー17は、下保持領域13a2の上面部14cと、左脚部13cの第1腕保持部13c1の間に挟まれる。
第1コイルホルダー17は、上端部17cが下保持領域13a2と係合すること、及び第1腕部17bの一方の端部が第1腕保持部13c1の上に載置されることにより、第1アンテナホルダー13から落ちないようにされる。
第1コイルホルダー17は、上端部17cが第1取付孔11a3と第2取付孔14c1と第3取付孔17c1を介してネジ止めされること、及び第1腕部17bの一方の端部が第1腕部取付孔13c2と第2腕部取付孔17b1を介してネジ止めされることにより、第1アンテナホルダー13に固定される。
また、第1コイルホルダー17の上端部17cがネジ止めされる際に、第1容量装荷素子11が、第1アンテナホルダー13に固定される。
【0048】
(第1コイル部15)
第1コイル部15は、第1コイルエレメント16と第1コイルホルダー17を有する。
第1実施形態では、第1コイルホルダー17が、第1アンテナホルダー13に取り付けられる例を示す。
しかしながら、第1コイルエレメント16など、第1コイル部15の第1コイルホルダー17以外の部位が、x方向後方から第1アンテナホルダー13に取り付けられても良い。
また、第1コイルエレメント16が、直接第1アンテナホルダー13に取り付けられる場合には、第1コイルホルダー17が省略されてもよい。
【0049】
(第1コイルエレメント16)
第1コイルエレメント16は、導体で構成される。
第1コイルエレメント16は、波長短縮素子として機能する螺旋部(コイル)を有する。
第1コイルエレメント16の螺旋部の中心軸は、z方向と略平行に延びる。
第1コイルエレメント16の螺旋部の上端から延びる接続線は、第1容量装荷素子11の第11エレメント11aのx方向後方下端の接続点11a1と、半田付けで接続される。
第1コイルエレメント16の螺旋部の下端から延びる接続線は、第1コイルホルダー17の第1腕部17bに取り付けられた第1接続金具18と半田付けで接続される。
【0050】
第1コイルエレメント16は、第1容量装荷素子11よりもz方向下方で、且つx方向後方から見て中心線LXを含むxz平面Pxzからy方向右方にずれた位置に配置される。
中心線LXは、金属ベース50や樹脂ベース60のy方向(左右方向)の中心線である(
図1参照)。
【0051】
(第1コイルホルダー17、第1接続金具18)
第1コイルホルダー17は、樹脂で構成される。
第1コイルホルダー17は、第1コイルエレメント16を保持する(
図8~
図10参照)。
第1コイルホルダー17は、第1ボビン17a、第1腕部17b、上端部17cを有する。
【0052】
第1ボビン17aには、第1コイルエレメント16を構成する導体が巻かれて、第1コイルエレメント16の螺旋部(コイル)が形成される。
第1腕部17bは、第1ボビン17aのz方向下方(他端)に位置する。
上端部17cは、第1ボビン17aのz方向上方(一端)に位置する。
第1ボビン17a、第1腕部17b、上端部17cは、一体的に構成される。
【0053】
なお、第1コイルエレメント16のコイルは、コイルの内側に形成され、第1コイルエレメント16を構成する導体が巻き付けられる第1ボビン17aに保持される形態に限るものではない。例えば、内側に溝が設けられた中空の保持部材(不図示)が、第1コイルエレメント16のコイルを、当該コイルの外側から保持する形態が考えられる。この場合、第1コイルエレメント16のコイルは、保持部材の溝に嵌まるように形成される。
【0054】
第1腕部17bは、第1コイルホルダー17の螺旋部(コイル)を保持する領域の下部から延びる。
具体的には、第1腕部17bは、x方向後方から見て、第1ボビン17aの下部からy方向左方に延びる。
第1腕部17bには、第1接続金具18が取り付けられる。
第1腕部17bのy方向左方の端部(一方の端部)には、第2腕部取付孔17b1が設けられる。
第1腕部17bのy方向左方の端部(一方の端部)は、第1アンテナホルダー13の左脚部13cの第1腕保持部13c1に保持される。
【0055】
上端部17cは、ネジが挿入される第3取付孔17c1を有する。
上端部17cの側部であって、y方向右方で、第1ボビン17aとの間には、凹部17c2が設けられる(
図10参照)。
凹部17c2に、第1アンテナホルダー13の突起14d1が入り込むことで、上端部17cのx方向後方から見た右端部が保持される(
図11参照)。
上端部17cの側部であって、y方向左方には、被係止部17c3が設けられる。
被係止部17c3は、第1アンテナホルダー13の爪14e1と係合する。
【0056】
第1接続金具18は、第1コイルエレメント16と第1基板19との電気的な接続のために使用される。
第1接続金具18のx方向前方、すなわち、x方向で、第1接続金具18の第1アンテナホルダー13と対向する側には、z方向下方に延びる第1先端部18aが設けられる。
第1先端部18aは、x方向後方から見て、左方に位置する。
【0057】
(組立手順)
第1アンテナ部10の組立手順について説明する。
予め、第1コイルホルダー17の第1ボビン17aには、線材が螺旋状に巻かれて第1コイルエレメント16が形成されている。
また、第1コイルホルダー17の第1腕部17bには、第1接続金具18が取り付けられる。
第1コイルエレメント16の螺旋部の下端から延びる接続線は、第1コイルホルダー17に取り付けられた第1接続金具18と半田付けで接続される。
【0058】
第1コイルホルダー17の上端部17cが、第1アンテナホルダー13の下保持領域13a2にx方向後方からスライド挿入される。
このとき、上端部17cのx方向後方から見た右端部は、下保持領域13a2の上面部14cと突起14d1の間の領域に挿入される(凹部17c2に突起14d1が入り込む)。
また、
図12に示すように、上端部17cのx方向後方から見た左端部の被係止部17c3は、下保持領域13a2の爪14e1と係合する。
また、第1コイルホルダー17の第1腕部17bのx方向後方から見た左端部は、第1腕保持部13c1の上に位置する。
このため、第1コイルホルダー17は、第1アンテナホルダー13に保持された状態になる。
また、このとき、第1コイルホルダー17の第2腕部取付孔17b1と、第1アンテナホルダー13の第1腕部取付孔13c2が、z方向に重なる状態になる。
【0059】
次に、第1容量装荷素子11の第11エレメント11aが、z方向上方から、上保持領域13a1の凹み14bに挿入され、第1容量装荷素子11が第1アンテナホルダー13に取り付けられる。
このとき、第1容量装荷素子11の第1取付孔11a3と、第1アンテナホルダー13の第2取付孔14c1と、第1コイルホルダー17の第3取付孔17c1が、z方向に重なる状態になる。
【0060】
z方向上方から、第1コイルホルダー17の第2腕部取付孔17b1と、第1アンテナホルダー13の第1腕部取付孔13c2が重なる領域に、ネジが挿入され、螺合される(第1固定領域のネジ止め)。
z方向上方から、第1容量装荷素子11の第1取付孔11a3と、第1アンテナホルダー13の第2取付孔14c1と、第1コイルホルダー17の第3取付孔17c1が重なる領域に、ネジが挿入され、螺合される(第2固定領域のネジ止め)。
これにより、第1容量装荷素子11と第1コイルホルダーが、第1アンテナホルダー13に固定された状態になる。
その後、第1コイルエレメント16の螺旋部の上端から延びる接続線は、第1容量装荷素子11の接続点11a1と、半田付けで接続される。
そして、第1容量装荷素子11、第1アンテナホルダー13、第1コイル部15(第1コイルホルダー17と第1コイルエレメント16)、第1接続金具18とで構成される第1アンテナ部10の組立が完了する。
【0061】
なお、組立手順は、第1アンテナホルダー13に第1コイルホルダー17が取り付けられた後に、第1容量装荷素子11が取り付けられる例を説明したが、第1アンテナホルダー13に第1容量装荷素子11が取り付けられた後に第1コイルホルダー17が取り付けられてもよい。
また、第1コイルホルダー17と第1容量装荷素子11が取り付けられた第1アンテナホルダー13を金属ベース50に取り付けた後に、第1コイルホルダー17を第1アンテナホルダー13に取り付けても良い。
【0062】
(第1基板19)
第1基板19は、第1アンテナ部10のアンテナ素子(第1容量装荷素子11、第1コイルエレメント16)に関する回路などを有する。
第1基板19には、第1接続部19aが設けられる。
【0063】
第1接続部19aは、x方向後方から見て、左方に位置する。
すなわち、第1コイルエレメント16と、第1先端部18a及び第1接続部19aは、x方向から見て、中心線LXを含むxz平面Pxzを挟む位置関係にある。
【0064】
第1接続部19aは、第1接続金具18の第1先端部18aを挟持した状態で、第1接続金具18と電気的に接続する。
第1基板19に電気的に接続されたケーブルは、金属ベース50と樹脂ベースに設けられたケーブル孔を介して、車両のルーフ下の領域に延びる。
【0065】
第1アンテナホルダー13の右脚部13bと左脚部13cが、金属ベース50に取り付けられると、金属ベース50上の第1基板19の第1接続部19aに、第1接続金具18の第1先端部18aが挟持される。
これにより、第1容量装荷素子11と第1コイルエレメント16と第1接続金具18と第1基板19とが電気的に接続される。
【0066】
(第2アンテナ部20)
第2アンテナ部20は、第2容量装荷素子21、第2アンテナホルダー23、第2コイル部25(第2コイルエレメント26、第2コイルホルダー27)、第2接続金具28を有する(
図2、
図3、
図6参照)。
第2アンテナ部20は、例えば、FM放送やAM放送を受信するために使用される。
【0067】
第2アンテナ部20は、第1アンテナ部10よりもx方向後方に配置される。
ただし、第2アンテナ部20が、第1アンテナ部10よりもx方向前方に配置されてもよい。
【0068】
(第2容量装荷素子21)
第2容量装荷素子21は、錫めっき鋼板(導体板)を加工して形成される。
第2容量装荷素子21は、第21エレメント21aと第22エレメント21bを有する。
第21エレメント21aは、x方向後方から見て右方に位置する。
第22エレメント21bは、x方向後方から見て左方に位置する。
第21エレメント21aと第22エレメント21bは、x方向から見て下方が離れ上方が近づくように傾斜する。
第21エレメント21aと第22エレメント21bは、下部に配置された金属板(連結部、不図示)で接続される。
第21エレメント21aと第22エレメント21bと連結部は、一体的に構成されており、1枚の金属板を折り曲げるなどして形成される。
また、第21エレメント21a、第22エレメント21b、及び連結部は、1枚の金属板を折り曲げて蛇行した形状(ミアンダ形状)となるように構成される。
【0069】
(第2アンテナホルダー23)
第2アンテナホルダー23は、樹脂で構成される。
第2アンテナホルダー23は、z方向上方で第2容量装荷素子21を保持し、z方向下方で第2コイルホルダー27を保持する。
第2アンテナホルダー23は、上部ホルダー23a、下部ホルダー23b、脚部23cを有する。
【0070】
上部ホルダー23aは、第2容量装荷素子21の内側に挿入される。
下部ホルダー23bは、第2容量装荷素子21の下部に設けられる。
脚部23cは、下部ホルダー23bからz方向下方に延びる。
脚部23cの下端部が、スナップ止めやネジ止めなどにより、金属ベース50に取り付けられる。
下部ホルダー23bと脚部23cは一体的に構成される。
なお、脚部23cは、樹脂ベース60に取り付けられても良い。
【0071】
上部ホルダー23aと下部ホルダー23bとが、第2容量装荷素子21の連結部をz方向で挟むようにして、第2アンテナホルダー23が第2容量装荷素子21を保持する。
ただし、第2アンテナホルダー23による第2容量装荷素子21の保持は、上下に分かれた2つのホルダー(上部ホルダー23a、下部ホルダー23b)で挟み込む形態に限るものではなく、他の方法で行われてもよい。
【0072】
(第2コイル部25)
第2コイル部25は、第2コイルエレメント26と第2コイルホルダー27を有する。
第1実施形態では、第2コイルホルダー27が、第2アンテナホルダー23に取り付けられる例を示す。
しかしながら、第2コイルエレメント26など、第2コイル部25の第2コイルホルダー27以外の部位が、第2アンテナホルダー23に取り付けられても良い。
また、第2コイルエレメント26が、直接第2アンテナホルダー23に取り付けられる場合には、第2コイルホルダー27が省略されてもよい。
【0073】
(第2コイルエレメント26)
第2コイルエレメント26は、導体で構成されている。
第2コイルエレメント26は、波長短縮素子として機能する螺旋部(コイル)を有する。
第2コイルエレメント26の螺旋部の中心軸は、z方向と略平行に延びる。
第2コイルエレメント26の螺旋部の上端から延びる接続線は、第2容量装荷素子21と、半田付けで接続される。
第2コイルエレメント26の螺旋部の下端から延びる接続線は、第2コイルホルダー27の第2腕部27bに取り付けられた第2接続金具28と半田付けで接続される。
【0074】
第2コイルエレメント26は、第2容量装荷素子21よりもz方向下方で、且つx方向後方から見て中心線LXを含むxz平面からy方向左方にずれた位置に配置される。
すなわち、第1コイルエレメント16と、第2コイルエレメント26は、x方向から見て、中心線LXを含むxz平面Pxzを挟む位置関係にある。
【0075】
(第2コイルホルダー27、第2接続金具28)
第2コイルホルダー27は、樹脂で構成される。
第2コイルホルダー27は、第2コイルエレメント26を保持する(
図6参照)。
第2コイルホルダー27は、第2ボビン27a、第2腕部27bを有する。
【0076】
第2ボビン27aには、第2コイルエレメント26を構成する導体が巻かれて、第2コイルエレメント26の螺旋部(コイル)が形成される。
第2腕部27bは、第2ボビン27aのz方向下方に位置する。
第2ボビン27a、第2腕部27bは、一体的に構成される。
【0077】
なお、第2コイルエレメント26のコイルは、コイルの内側に形成され、第2コイルエレメント26を構成する導体が巻き付けられる第2ボビン27aに保持される形態に限るものではない。例えば、内側に溝が設けられた中空の保持部材(不図示)が、第2コイルエレメント26のコイルを、当該コイルの外側から保持する形態が考えられる。この場合、第2コイルエレメント26のコイルは、保持部材に溝に嵌まるように形成される。
【0078】
第2腕部27bは、第2コイルホルダー27の螺旋部(コイル)を保持する領域の下部から延びる。
具体的には、第2腕部27bは、y方向から見て、第2ボビン27aの下部からx方向前方に延びる。
第2腕部27bには、第2接続金具28が取り付けられる。
【0079】
第2コイルホルダー27は、第2コイルエレメント26が取り付けられた状態で、z方向下方から、第2アンテナホルダー23の下部ホルダー23bにネジ止めなどにより取り付けられる。
ただし、第2コイルホルダー27の第2アンテナホルダー23への取り付けは、z方向下方からの取り付けに限るものではなく、第1コイルホルダー17の第1アンテナホルダー13への取り付けと同様に、z方向に略垂直な水平方向にスライドさせて行われる形態であってもよい。
【0080】
第2接続金具28は、第2コイルエレメント26と第2基板29との電気的な接続のために使用される。
第2接続金具28のx方向前方には、z方向下方に延びる第2先端部28aが設けられる(
図2参照)。
【0081】
(第2基板29)
第2基板29は、第2アンテナ部20のアンテナ素子(第2容量装荷素子21、第2コイルエレメント26)の受信信号を増幅するアンテナアンプなどを有する。
第2基板29には、第2接続部29aが設けられる(
図4、
図5参照)。
【0082】
第2接続部29aは、第2接続金具28の第2先端部28aを挟持した状態で、第2接続金具28と電気的に接続する。
第2基板29に電気的に接続されたケーブルは、金属ベース50と樹脂ベースに設けられたケーブル孔を介して、車両のルーフ下の領域に延びる。
【0083】
(金属ベース50)
金属ベース50は、第1アンテナホルダー13、第1基板19、第2アンテナホルダー23、第2基板29を保持する。
金属ベース50のx方向後方には、金属プレートである後方金属ベース55が取り付けられる。
【0084】
(樹脂ベース60、防水シール70、取付部材80)
樹脂ベース60は、金属ベース50を保持する。
樹脂ベース60の下面には、エラストマー(Elastomer)やゴムやウレタンフォームなどで形成された環状の弾性部材である防水シール70が設けられる。
防水シール70により、樹脂ベース60と車両のルーフとの間であって取り付け孔が設けられた領域の周囲が水密封止される。
樹脂ベース60の下面には、キャプチャーファスナーや爪付きワッシャーやナットなどの取付部材80が取り付けられる。
樹脂ベース60を含む車載用アンテナ装置1のルーフの上面への固定は、取付部材80を使って行われる。
【0085】
第1実施形態では、第1コイル部15、具体的には、第1コイルエレメント16が取り付けられた第1コイルホルダー17が、x方向後方からスライド挿入されて第1アンテナホルダー13に取り付けられる。
このため、z方向下方から第1コイルエレメント16若しくは第1コイルホルダー17が第1アンテナホルダー13に取り付けられる形態に比べて、第1コイルエレメント16などが見えやすく、車載用アンテナ装置1の組立が容易に行える。
【0086】
なお、第1実施形態では、第1アンテナホルダー13は、x方向後方から第1コイルホルダー17が取り付けられる例を示す。
しかしながら、x方向前方やy方向など、第1コイルエレメント16の螺旋部の中心軸と異なる他の方向から第1コイルホルダー17が取り付けられてもよい。
【0087】
また、第1実施形態では、DABを受信するための第1アンテナ部10の第1コイル部15が水平方向に移動して第1アンテナホルダー13に取り付けられる例を示す。
しかしながら、FM放送やAM放送を受信するための第2アンテナ部20の第2コイル部25が水平方向に移動して第2アンテナホルダー23に取り付けられても良い。
【0088】
また、爪14e1と被係止部17c3によるスナップ止めにより、第1コイル部15、具体的には、第1コイルホルダー17が、第1アンテナホルダー13に取り付けられて仮固定される。
このため、ネジ止め等の固定を行う前に、第1コイル部15を第1アンテナホルダー13の取り付けるべき箇所に容易に配置させることが可能になる。
【0089】
また、スナップ止めに使用される係合部材(第1アンテナホルダー13の爪14e1、第1コイルホルダー17の被係止部17c3)は、第1腕部17bが第1アンテナホルダー13に保持される側に設けられる。
このため、スナップ止めに使用される係合部材が、他の箇所、例えば、第1腕部17bが第1アンテナホルダー13に保持される側と反対側に設けられる形態に比べて、係合部材の突出箇所が当該反対側から飛び出ない分だけ、第1コイルホルダー17のy方向の大きさを小さくすることが可能になる。
【0090】
また、第1腕部17bが第1アンテナホルダー13に保持される。
このため、第1コイルホルダー17が第1アンテナホルダー13と係合するので、第1コイルホルダー17が第1アンテナホルダー13から落ちにくい状態にできる。
また、第1腕部取付孔13c2と第2腕部取付孔17b1とをネジ止めすることで、第1先端部18aが第2接続部29aにきっちりと差し込まれて外れにくくなる。
【0091】
また、第1アンテナホルダー13の第1コイルホルダー17と対向する面(後面部14f)には、第1コイル部15、具体的には、第1コイルホルダー17の上端部17cと接するリブ14f1を設けられる。
リブ14f1が設けられることにより、第1アンテナホルダー13を成型する際に、後面部14fに、ひけ(Sink Marks)が発生するのを防止できる。
【0092】
第1コイルエレメント16は、x方向後方から見て右方に位置し、第1先端部18aは、x方向後方から見て左方に位置する。
すなわち、第1接続金具18の第1基板19と接する領域(第1先端部18a)は、x方向(第1コイルホルダー17が挿入される方向)から見て、第1コイルホルダー17の横(y方向)に設けられる。
このため、第1接続金具18の第1基板19と接する領域(第1先端部18a)と、第1コイルエレメント16とが、x方向に並べられる形態に比べて、第1先端部18aの第1基板19への差し込み作業を容易にすることができる。
【0093】
第1接続金具18の第1基板19と接する領域(第1先端部18a)は、x方向後方から見て、左方に位置し、第1コイル部15は、x方向後方から見て、右方に位置する。
すなわち、第1容量装荷素子11は、第1コイルエレメント16の螺旋部の中心軸が伸びる方向(z方向)から見て、第1コイルエレメント16と第1接続金具18の第1基板19と接する領域の間に配置される。
このため、第1容量装荷素子11のz方向下方の空いたスペースに、他の部材を配置しやすくできる。
【0094】
第1容量装荷素子11と第1アンテナホルダー13と第1コイル部15(第1コイルホルダー17)は、第2固定領域(第1取付孔11a3と第2取付孔14c1と第3取付孔17c1が重なる領域)でネジ止めされる。
このため、ネジ止めされない形態に比べて、第1容量装荷素子11と第1アンテナホルダー13と第1コイル部15(第1コイルホルダー17)の固定を強固にすることができる。
【0095】
また、第1アンテナホルダー13と第1コイル部15(第1コイルホルダー17)は、第1固定領域(第1腕部取付孔13c2と第2腕部取付孔17b1が重なる領域)でネジ止めされる。
第1固定領域のネジ止めと、第2固定領域のネジ止めは、同じ方向から、すなわちz方向上方から行われる。
このため、異なる方向からネジ止めされる形態に比べて、ネジ止め作業工程を簡素化出来る。
【0096】
第1コイルエレメント16の螺旋部の中心軸は、z方向と略平行に延びるものとして説明したが、実施形態にこれに限定されるものではない。例えば、第1コイルエレメント16の螺旋部の中心軸は、z方向からx方向或いはy方向に所定の角度α傾いた方向と略平行に延びてもよい。この場合も同様に、この螺旋部の中心軸とは異なる他の方向から第1コイルホルダー17が第1アンテナホルダー13に取り付けられる。
【0097】
第1容量装荷素子11は、錫めっき鋼板(導体板)を加工して形成されるものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、基板にパターンをプリントして第1容量装荷素子11を形成してもよい。
【0098】
(第2実施形態)
第1実施形態では、第1コイルホルダー17の第1腕部17bは、第1アンテナホルダー13の左脚部13cの第1腕保持部13c1だけで保持される形態を説明した。
しかしながら、
図13~
図15に示すように、第1腕部17bが、x方向後方から見て左方だけでなく右方にも突出し、第1腕部17bのx方向後方から見た左端部が左脚部13cに保持され、第1腕部17bのx方向後方から見た右端部が右脚部13bに保持されてもよい(第2実施形態)。
第2実施形態では、右脚部13bの下端部と上端部の間に、第1コイルホルダー17の第1腕部17bの他方の端部を保持する第2腕保持部13b1が設けられる。
【0099】
第1腕保持部13c1と第2腕保持部13b1の2箇所で、第1腕部17bの両端が保持されるため、一方の端部だけで保持される形態に比べて、ネジ止めによる反発を受けにくく、固定された状態を維持しやすい。
【0100】
第2実施形態では、第1コイルホルダー17が第1アンテナホルダー13から落ちないように、下方で保持されるため、第1アンテナホルダー13の突起14d1と第1コイルホルダー17の凹部17c2は省略される。
ただし、第2実施形態でも、突起14d1が第1アンテナホルダー13に設けられ、凹部17c2が第1コイルホルダー17に設けられても良い。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
1 車載用アンテナ装置、5 アンテナケース、7 パッド、10 第1アンテナ部、11 第1容量装荷素子、11a 第11エレメント、11a1 接続点、11a2 取付部、11a3 第1取付孔、11b 第12エレメント、11b1 切り欠き、13 第1アンテナホルダー、13a 保持部、13a1 上保持領域、13a2 下保持領域、13b 右脚部、13b1 第2腕保持部、13c 左脚部、13c1 第1腕保持部、13c2 第1腕部取付孔、14a 斜面部、14b 凹み、14c 上面部、14c1 第2取付孔、14d 右側面部、14d1 突起、14e 左側面部、14e1 爪、14f 後面部、14f1 リブ、15 第1コイル部、16 第1コイルエレメント、17 第1コイルホルダー、17a 第1ボビン、17b 第1腕部、17b1 第2腕部取付孔、17c 上端部、17c1 第3取付孔、17c2 凹部、17c3 被係止部、18 第1接続金具、18a 第1先端部、19 第1基板、19a 第1接続部、20 第2アンテナ部、21 第2容量装荷素子、21a 第21エレメント、21b 第22エレメント、23 第2アンテナホルダー、23a 上部ホルダー、23b 下部ホルダー、23c 脚部、25 第2コイル部、26 第2コイルエレメント、27 第2コイルホルダー、27a 第2ボビン、27b 第2腕部、28 第2接続金具、28a 第2先端部、29 第2基板、29a 第2接続部、50 金属ベース、60 樹脂ベース、70 防水シール、80 取付部材、LX 金属ベースや樹脂ベースの左右方向の中心線、Pxz 中心線LXを含むxz平面