(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130756
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】洗濯機用管理装置、洗濯機消費財自動発注システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20220831BHJP
D06F 33/30 20200101ALI20220831BHJP
G06Q 10/00 20120101ALI20220831BHJP
【FI】
G06Q30/06
D06F33/02 Z
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019136787
(22)【出願日】2019-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 真司
(72)【発明者】
【氏名】森島 彰俊
(72)【発明者】
【氏名】吉野 知也
(72)【発明者】
【氏名】笠原 賢哉
(72)【発明者】
【氏名】中澤 健次
【テーマコード(参考)】
3B167
5L049
【Fターム(参考)】
3B167AE03
3B167AE04
3B167AE05
3B167BA91
3B167FB01
3B167FB02
3B167HA11
3B167HA16
3B167HA31
3B167KA16
3B167MA02
3B167MA03
3B167MA11
3B167MA17
5L049BB58
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】洗濯処理液を適切に発注できる洗濯機用管理装置を提供する。
【解決手段】タンク20に貯留された洗濯処理液32,34を洗濯槽14に自動投入する投入機27を有する洗濯機10から自動投入の状態を表す自動投入パラメータVmsd,ΔVを受信し、自動投入パラメータVmsd,ΔVに基づいて洗濯処理液32,34の発注の要否を判定する発注要否判定部52と、発注要否判定部52の判定が肯定であった場合に、洗濯処理液32,34の発注処理を行う発注処理部54と、を洗濯機用管理装置40,50に設けた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクに貯留された洗濯処理液を洗濯槽に自動投入する投入機を有する洗濯機から前記自動投入の状態を表す自動投入パラメータを受信し、前記自動投入パラメータに基づいて前記洗濯処理液の発注の要否を判定する発注要否判定部と、
前記発注要否判定部の判定が肯定であった場合に、前記洗濯処理液の発注処理を行う発注処理部と、を備える
ことを特徴とする洗濯機用管理装置。
【請求項2】
複数の候補の中から、前記洗濯処理液を選択する洗濯処理液選択部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機用管理装置。
【請求項3】
前記洗濯処理液のパッケージの数であるストック数指令値を入力するストック数指令値入力部をさらに備え、
前記発注処理部は、前記パッケージを、前記ストック数指令値に応じた数だけ発注し、または前記ストック数指令値に応じた所定のタイミングで発注する
ことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機用管理装置。
【請求項4】
前記洗濯機用管理装置は、
前記洗濯処理液が前記タンクに充填された後の前記洗濯処理液の累積使用量を演算する累積使用量演算部と、
ユーザの操作に基づいて前記累積使用量をリセットするリセット部と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の洗濯機用管理装置。
【請求項5】
前記自動投入パラメータは、前記タンクに貯留された前記洗濯処理液の実測値である計測タンク内液量と、前記投入機が前記洗濯槽に投入する前記洗濯処理液の投入量と、を含むものであり、
前記累積使用量演算部は、前記累積使用量に基づいて推定タンク内液量を演算する機能をさらに備え、
前記発注要否判定部は、前記計測タンク内液量が所定の残量閾値以上であり、かつ、前記推定タンク内液量が前記残量閾値以上である場合に否定の判定を行い、前記計測タンク内液量が前記残量閾値未満であり、または、前記推定タンク内液量が前記残量閾値未満である場合に肯定の判定を行う
ことを特徴とする請求項4に記載の洗濯機用管理装置。
【請求項6】
タンクに貯留された洗濯処理液を洗濯槽に自動投入する投入機を有する洗濯機と、
前記洗濯機を制御する洗濯機用管理装置と、を備え、
前記洗濯機用管理装置は、
前記洗濯機から前記自動投入の状態を表す自動投入パラメータを受信し、前記自動投入パラメータに基づいて前記洗濯処理液の発注の要否を判定する発注要否判定部と、
前記発注要否判定部の判定が肯定であった場合に、前記洗濯処理液の発注処理を行う発注処理部と、を備える
ことを特徴とする洗濯機消費財自動発注システム。
【請求項7】
タンクに貯留された洗濯処理液を洗濯槽に自動投入する投入機を有する洗濯機を制御するコンピュータに適用され、前記コンピュータを、
前記洗濯機から前記自動投入の状態を表す自動投入パラメータを受信し、前記自動投入パラメータに基づいて前記洗濯処理液の発注の要否を判定する発注要否判定手段、
前記発注要否判定手段の判定が肯定であった場合に、前記洗濯処理液の発注処理を行う発注処理手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機用管理装置、洗濯機消費財自動発注システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、下記特許文献1の要約書には、「家電製品の消耗品を発注する発注システムであって、家電製品本体と該家電製品本体の消耗品の使用状態を検出するセンサと該センサで検出した情報から消耗品の状態情報を算出する制御部と状態情報を外部に送信する通信処理部を備える家電製品と、家電製品の通信処理部から送信された状態情報を受信し、かつ外部に情報送信する通信処理部を備える通信端末と、通信端末の通信処理部と広域公衆ネットワークを介して情報を送受信するECサイトサーバと、を備え、家電製品は、消耗品の使用量が判別した時点で状態情報を通信端末に送信する構成とする。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、洗剤、柔軟剤等の洗濯処理液を洗濯槽に自動投入する洗濯機が知られている。しかし、上記特許文献1には、この種の洗濯処理液の発注に関して特に述べられていない。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、洗濯処理液を適切に発注できる洗濯機用管理装置、洗濯機消費財自動発注システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明の洗濯機用管理装置は、タンクに貯留された洗濯処理液を洗濯槽に自動投入する投入機を有する洗濯機から前記自動投入の状態を表す自動投入パラメータを受信し、前記自動投入パラメータに基づいて前記洗濯処理液の発注の要否を判定する発注要否判定部と、前記発注要否判定部の判定が肯定であった場合に、前記洗濯処理液の発注処理を行う発注処理部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、洗濯処理液を適切に発注できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の第1実施形態による洗濯機消費財自動発注システムのブロック図である。
【
図3】発注管理処理ルーチンのフローチャートである。
【
図6】第2実施形態に適用される洗剤または柔軟剤のパッケージの一例を示す模式図である。
【
図7】第2実施形態における発注管理処理ルーチンのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態による洗濯機消費財自動発注システム1の模式的なブロック図である。
図1において、洗濯機消費財自動発注システム1は、洗濯機10と、端末装置40(洗濯機用管理装置、コンピュータ)と、管理サーバ50(洗濯機用管理装置、コンピュータ)と、ECサーバ60と、を備え、これらは通信ネットワーク70を介して相互に通信することが可能になっている。洗濯機10は、操作表示パネル11と、制御部12と、洗濯槽14と、重量計16と、洗剤投入部18Dと、柔軟剤投入部18Sと、を備えている。
【0009】
洗濯機10の内部において、制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等、一般的なコンピュータとしてのハードウエアを備えており、ROMには、CPUによって実行される制御プログラムや、各種データ等が格納されている。これにより、制御部12は、洗濯機10内の各部を制御する。操作表示パネル11は、制御部12の制御の下、ユーザに対して各種情報を表示する。また、操作表示パネル11は、ユーザの操作に基づいて、制御部12に対して各種コマンドを入力する。
【0010】
洗濯槽14は、略円筒状に形成され、ユーザによって洗濯物(図示せず)が投入される。重量計16は、洗濯槽14に投入された洗濯物の重量を計測する。洗剤投入部18Dは、制御部12の制御に基づいて、洗濯槽14に対して洗剤32(洗濯処理液)を投入する。同様に、柔軟剤投入部18Sは、制御部12の制御に基づいて、洗濯槽14に対して柔軟剤34(洗濯処理液)を投入する。
【0011】
洗剤投入部18Dは、洗剤タンク20(タンク)と、フロート支持部22と、フロート24と、洗剤投入機27(投入機)と、液量検出部28と、を備えている。洗剤タンク20は、液体洗剤である洗剤32を貯留する。フロート24は、フロート支持部22に回動自在に支持されている。フロート24は、洗剤32に浮くように構成されており、その内部には磁石24aが埋設されている。
【0012】
洗剤タンク20における洗剤32の液量が最大液量Vmaxになると、フロート24は、位置P1に回動する。一方、洗剤32の液量が残量閾値Vminになると、フロート24は、位置P2に回動する。なお、残量閾値Vminは、洗剤32を発注または補充する際の基準となる値である。
【0013】
液量検出部28は、磁石24aの位置を検出し、これによって洗剤32の液量を検出する。液量検出部28によって検出された液量を「計測タンク内液量Vmsd(自動投入パラメータ)」と呼ぶ。制御部12は、重量計16で検出された洗濯物の重量に基づいて、洗剤32および柔軟剤34の投入量を決定する。洗剤投入機27は、制御部12によって洗剤32の投入量ΔVが指定されると、その投入量ΔVだけ、洗剤32を洗濯槽14に投入する。
【0014】
柔軟剤投入部18Sは、上述した洗剤投入部18Dの構成要素20~28と同様の構成要素を備えている(図示せず)。そして、柔軟剤投入部18Sは、洗剤32に代えて柔軟剤34を貯留し、制御部12から柔軟剤34の投入量が指定されると、その投入量だけ柔軟剤34を洗濯槽14に投入する。
【0015】
端末装置40は、例えばスマートフォンのような情報処理装置であり、ユーザによって操作されるタッチパネル42を備えている。タッチパネル42は、フラットパネルディスプレイ(符号なし)と、その表面に貼付されたタッチセンサ(符号なし)と、を備えている。管理サーバ50は、洗濯機10の状況に応じて、洗剤32、柔軟剤34等の発注処理を行う。ECサーバ60は、管理サーバ50からの発注に基づいて、電子商取引を行う。
【0016】
端末装置40、管理サーバ50およびECサーバ60は、何れもCPU、RAM、ROM、SSD(Solid State Drive)等、一般的なコンピュータとしてのハードウエアを備えており、SSDには、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、各種データ等が格納されている。OSおよびアプリケーションプログラムは、RAMに展開され、CPUによって実行される。
図1において、タッチパネル42を除いた端末装置40の内部、および管理サーバ50の内部は、アプリケーションプログラム等によって実現される機能を、ブロックとして示している。
【0017】
すなわち、管理サーバ50は、発注要否判定部52(発注要否判定手段)と、発注処理部54(発注処理手段)と、累積使用量演算部56と、データベース58と、を備えている。発注要否判定部52は、洗濯機10の状態に基づいて、洗剤32または柔軟剤34を発注するか否かを判定する。発注処理部54は、発注要否判定部52が洗剤32または柔軟剤34を発注すべき旨を判定すると、通信ネットワーク70を介してECサーバ60と通信し、洗剤32または柔軟剤34の発注処理を行う。
【0018】
累積使用量演算部56は、洗剤32または柔軟剤34が洗剤タンク20等に充填された後の累積使用量を演算し、洗剤タンク20等に残留する洗剤32または柔軟剤34の推定タンク内液量を演算する。また、データベース58は、自動発注する候補となる複数種類の洗剤および柔軟剤のパッケージについて、商品名等の銘柄、パッケージ容量、洗濯物の単位重量あたりの投入量、洗剤または柔軟剤を販売するメーカー名等を記憶している。
【0019】
また、端末装置40は、ストック数指令値入力部44と、リセット部46と、洗濯処理液選択部48と、を備えている。ストック数指令値入力部44は、ユーザの操作に基づいて、洗剤32または柔軟剤34のストック数指令値(備蓄すべきストック数)が入力されると、該ストック数指令値を管理サーバ50に対して通知する。また、リセット部46は、ユーザの操作に基づいて、上述した累積使用量のリセットを管理サーバ50に対して指令する。また、洗濯処理液選択部48は、ユーザの操作に基づいて、データベース58に記憶されている複数の候補の中から自動発注すべき洗剤32または柔軟剤34を選択する。
【0020】
〈第1実施形態の動作〉
以下、本実施形態における動作を説明する。なお、以下述べる動作においては、主として洗剤32に関連する動作を説明し、柔軟剤34に関連する動作説明は省略する場合があるが、柔軟剤34に関しても洗剤32と同様の処理が実行される。
【0021】
(洗濯機10の処理)
図2は、洗濯機10の制御部12において実行される洗濯処理ルーチンのフローチャートである。
例えば、ユーザが洗濯機10の洗濯槽14に洗濯物を投入し、操作表示パネル11(
図1参照)において所定の洗濯開始操作を行うと、本ルーチンが起動される。
図2において処理がステップS50に進むと、制御部12は、重量計16の検出信号に基づいて、洗濯物の重量を取得する。次に、処理がステップS52に進むと、制御部12は、洗剤投入部18Dの液量検出部28から計測タンク内液量Vmsdを取得する。
【0022】
次に、処理がステップS54に進むと、制御部12は、先に取得した、洗濯物の重量に基づいて、洗剤の投入量ΔV(自動投入パラメータ)を計算する。次に、処理がステップS56に進むと、制御部12は、通信ネットワーク70を介して、計測タンク内液量Vmsdと投入量ΔVとを管理サーバ50に送信する。次に、処理がステップS58に進むと、制御部12は、洗濯物を洗濯する洗濯処理を実行し、本ルーチンが終了する。
【0023】
(管理サーバ50洗濯機10の処理)
図3は、管理サーバ50において実行される発注管理処理ルーチンのフローチャートである。
上述したように、洗濯処理ルーチン(
図2)のステップS56では、計測タンク内液量Vmsdと投入量ΔVとが洗濯機10から管理サーバ50に送信される。発注管理処理ルーチン(
図3)は、管理サーバ50が計測タンク内液量Vmsdと投入量ΔVとを受信した後に起動される。
【0024】
図3において処理がステップS12に進むと、発注要否判定部52(
図1参照)は、計測タンク内液量Vmsdが最大液量Vmax(
図1参照)と等しいか否かを判定する。ここで「Yes」と判定されると、処理はステップS14に進み、変数である累積使用量Vacが「0」にリセットされる。一方、ステップS12において「No」と判定されると、ステップS14はスキップされる。ここで、累積使用量Vacは、計測タンク内液量Vmsdが最大液量Vmaxと等しくなった後の、投入量ΔVを累積した値である。
【0025】
次に、処理がステップS16に進むと、累積使用量演算部56(
図1参照)は、累積使用量Vacに対して、先に受信した投入量ΔVを加算する。そして、累積使用量演算部56は、最大液量Vmaxから累積使用量Vacを減算した値を、推定タンク内液量Vestという変数に設定する。次に、処理がステップS18に進むと、発注要否判定部52(
図1参照)は、計測タンク内液量Vmsdが残量閾値Vmin未満であるか否かが判定される。ここで「No」と判定されると、処理はステップS20に進み、発注要否判定部52(
図1参照)は、推定タンク内液量Vestが残量閾値Vmin未満であるか否かが判定される。そして、ここで「No」と判定されると、処理はステップS22に進む。
【0026】
ステップS22においては、発注要否判定部52は、フラグ‘H’をスタックに記録する。この動作について説明しておく。管理サーバ50の記憶領域には、スタック(図示せず)が確保されている。このスタックには、発注管理処理ルーチン(
図3)が起動される毎にフラグ‘H’または‘L’が記録される。ここで、フラグ‘H’は、「Vmsd≧Vmin」および「Vest≧Vmin」の双方が成立したことを示すフラグである。一方、フラグ‘L’は、「Vmsd<Vmin」または「Vest<Vmin」が成立したことを示すフラグである。そして、ステップS22の処理が終了すると、洗剤について「発注不要」と判定されるため、本ルーチンの処理が終了する。
【0027】
一方、ステップS18またはステップS20のうち何れかにおいて「Yes」と判定されると、処理はステップS24に進む。ステップS24においては、発注要否判定部52は、フラグ‘L’をスタックに記録する。次に、処理がステップS26に進むと、発注要否判定部52は、発注管理処理ルーチン(
図3)が前回起動された際のフラグは‘L’であるか否かを判定する。ここで「Yes」と判定されると、本ルーチンの処理が終了する。一方、「No」と判定されると、処理はステップS28に進み、発注処理部54は、洗剤を発注する発注処理を実行する。
【0028】
この発注処理においては、洗剤の自動発注が許可されている場合(詳細は後述する)に、発注処理部54がECサーバ60と通信することによって、洗剤をパッケージ単位で自動発注する。一方、自動発注が許可されていない場合は、洗剤の自動発注は行われない。この場合、例えば、端末装置40に対するユーザのマニュアル操作に基づいて洗剤等を発注する。ところで、自動発注が許可されている場合、ユーザは、上述したストック数指令値(備蓄すべきストック数)を指定することができる。ストック数指令値が指定されていない場合、発注処理部54は、所定数の(例えば1パッケージの)洗剤を発注する。一方、ストック数指令値が指定されていれば、発注処理部54は、ストック数指令値に応じた数量、例えばストック数指令値と同数の備蓄が実現される数量だけ、洗剤を発注する。または、発注処理部54は、発注する数量は変えずにストック数指令値に応じた所定のタイミングで洗剤を発注する。以上により、本ルーチンの処理が終了する。なお、ステップS28の発注処理においては、ユーザの確認操作または承認操作を伴わずに、自動発注が実行される。これにより、ユーザが確認操作または承認操作を行う手間を排除することができる。
【0029】
上述したように、ステップS18,S20においては、計測タンク内液量Vmsdおよび推定タンク内液量Vestの双方を残量閾値Vminと比較している。その理由は、計測タンク内液量Vmsdまたは推定タンク内液量Vestのうち何れか一方が不正確な値になった場合にも、ステップS28の発注処理が行えるようにするためである。例えば、フロート24(
図1参照)が何かに引っ掛かると、不正確な計測タンク内液量Vmsdが液量検出部28から出力されることがある。また、洗剤32の実際の液量が残量閾値Vminよりも高い場合にユーザが誤って洗剤32を洗剤タンク20に充填すると、ステップS16では、不正確な推定タンク内液量Vestが計算されてしまう。本実施形態によれば、このような場合においても、計測タンク内液量Vmsdまたは推定タンク内液量Vestのうち少なくとも一方が正確であれば、洗剤32を適切に自動発注することができる。
【0030】
(端末装置40の処理)
図4および
図5は、端末装置40の表示例を示す図である。
端末装置40において、所定の洗濯機管理アプリケーションプログラムが起動されると、端末装置40のタッチパネル42には、例えば
図4に示すトップ画面D1が表示される。トップ画面D1は、通知設定ボタン102と、洗剤・柔軟剤銘柄設定ボタン104と、洗剤・柔軟剤自動発注設定ボタン106と、を含んでいる。ユーザが通知設定ボタン102をタップすると、端末装置40は、タッチパネル42に通知設定画面(図示略)を表示させる。この通知設定画面においては、洗剤や柔軟剤等の発注状態をユーザに通知するか否か等を設定することができる。
【0031】
また、
図4のトップ画面D1において、ユーザが洗剤・柔軟剤自動発注設定ボタン106をタップすると、タッチパネル42には、例えば
図4に示すような自動発注設定画面D2が表示される。自動発注設定画面D2は、洗剤発注設定欄110と、柔軟剤発注設定欄130と、を含んでいる。そして、洗剤発注設定欄110は、自動発注許否表示欄112と、ストック数設定欄114と、ストック保持許否設定ボタン116と、残量計測リセットボタン118と、を含んでいる。
【0032】
自動発注許否表示欄112は、洗剤の自動発注を許可するか否かを表示する。図示の例は、洗剤の自動発注を許可する場合の表示例である。ユーザが自動発注許否表示欄112をタップすると、洗剤の自動発注の許可/不許可状態を切り替えることができる。また、ストック保持許否設定ボタン116は、洗剤のストックを備蓄するか否かを設定するボタンである。図示の例では、「洗剤のストックを備蓄する」ことが指定されている。また、ストック数設定欄114は、洗剤のストックを備蓄する場合に、ストック数指令値入力部44(
図1参照)に対して洗剤のストック数指令値を入力し、該ストック数指令値を表示する欄である。
【0033】
また、残量計測リセットボタン118は、リセット部46(
図1参照)に対して、累積使用量Vac(
図3、S16参照)を「0」にリセットすることを指定するボタンである。この残量計測リセットボタン118は、まだ計測タンク内液量Vmsdが残量閾値Vminよりも大きいにも関わらず、ユーザが誤って洗剤タンク20(
図1参照)に洗剤を補充してしまった場合等に操作するとよい。この残量計測リセットボタン118は、銘柄を変更し、新しい洗剤に変更した際に操作するとよい。または、まだ計測タンク内液量Vmsdが残量閾値Vminよりも大きいにも関わらず、ユーザが誤って洗剤タンク20(
図1参照)に洗剤を補充してしまった場合等に操作するとよい。
【0034】
また、柔軟剤発注設定欄130は、自動発注許否表示欄132と、ストック保持許否設定ボタン136と、残量計測リセットボタン138と、を含んでいる。自動発注許否表示欄132は、柔軟剤の自動発注を許可するか否かを表示する。図示の例は、柔軟剤の自動発注を許可しない場合の表示例である。ユーザが自動発注許否表示欄132をタップすると、柔軟剤の自動発注の許可/不許可状態を切り替えることができる。
【0035】
また、ストック保持許否設定ボタン136は、柔軟剤のストックを備蓄するか否かを設定するボタンである。図示の例では、「柔軟剤のストックを持たない」ことが指定されている。なお、ストック保持許否設定ボタン136が操作され、「柔軟剤のストックを備蓄する」ことが指定されると、ストック数設定欄114と同様のストック数設定欄(図示せず)がストック保持許否設定ボタン136の横にも表示される。また、残量計測リセットボタン138は、柔軟剤の累積使用量(図示せず)を「0」にリセットすることを指定するボタンである。
【0036】
また、
図4のトップ画面D1において、ユーザが洗剤・柔軟剤銘柄設定ボタン104をタップすると、タッチパネル42には、例えば
図5に示すような洗剤メーカ名等選択画面D3が表示される。洗剤メーカ名等選択画面D3は、「自分で設定」ボタン152と、洗剤メーカ選択ボタン154,156,158と、柔軟剤選択ボタン159と、を含んでいる。
【0037】
洗剤メーカ選択ボタン154,156,158は、データベース58(
図1参照)に記録されている洗剤メーカに対応している。洗剤メーカ選択ボタン154,156,158の何れかをユーザがタップすると、タッチパネル42には、当該洗剤メーカに対応する洗剤パッケージ選択画面D4が表示される。
【0038】
また、未だデータベース58に登録されていない洗剤パッケージをユーザが使用したい場合は、「自分で設定」ボタン152をタップするとよい。「自分で設定」ボタン152がタップされると、タッチパネル42には「自分で設定」画面(図示せず)が表示される。この「自分で設定」画面においては、洗剤パッケージの容量や、洗濯物の単位重量あたりの洗剤の投入量等をユーザ自身が設定できる。
【0039】
また、洗剤メーカ名等選択画面D3においてユーザが柔軟剤選択ボタン159をタップすると、柔軟剤メーカ名等選択画面(図示せず)がタッチパネル42に表示される。この柔軟剤メーカ名等選択画面(図示せず)には、「自分で設定」ボタン152と同様に柔軟剤のパッケージ容量等を指定する「自分で設定」ボタンと、洗剤メーカ選択ボタン154,156,158と同様に柔軟剤メーカを選択する柔軟剤メーカ選択ボタンと、洗剤メーカ名等選択画面D3をタッチパネル42に表示させるための洗剤選択ボタンと、が含まれている。
【0040】
図5の洗剤パッケージ選択画面D4は、複数の洗剤パッケージ選択ボタン172~178と、設定ボタン180と、を含んでいる。洗剤パッケージ選択ボタン172~178は、洗剤メーカ名等選択画面D3において選択された洗剤メーカ(図示の例では、洗剤メーカ選択ボタン154によって選択されたA社)が販売する洗剤パッケージに対応する。また、洗剤メーカが、ある洗剤パッケージを「1個パック」および「2個パック」の双方の形態で販売する場合、洗剤パッケージ選択画面D4では「1個パック」および「2個パック」が別箇の洗剤パッケージとして扱われる。
【0041】
洗剤パッケージ選択ボタン172~178をユーザがタップすると、対応する洗剤パッケージが択一的に選択された状態になる。その状態でユーザが設定ボタン180をタップすると、洗濯処理液選択部48(
図1参照)は、選択された洗剤パッケージを、管理サーバ50に通知する。そして、管理サーバ50においては、通知された洗剤パッケージが、ステップS28(
図3参照)の発注処理において発注される洗剤パッケージとして設定される。
【0042】
〈第1実施形態の効果〉
以上のように本実施形態によれば、洗濯機用管理装置(40,50)は、洗濯機(10)から自動投入の状態を表す自動投入パラメータ(Vmsd,ΔV)を受信し、自動投入パラメータ(Vmsd,ΔV)に基づいて洗濯処理液(32)の発注の要否を判定する発注要否判定部(52)と、発注要否判定部(52)の判定が肯定であった場合に、洗濯処理液(32)の発注処理を行う発注処理部(54)と、を備える。これにより、洗濯処理液(32)を適切に発注することができる。
【0043】
さらに、洗濯機用管理装置(40,50)は、複数の候補の中から、洗濯処理液(32)を選択する洗濯処理液選択部(48)をさらに備える。これにより、ユーザは、所望の候補を自動発注する洗濯処理液(32)として選択することができる。
【0044】
さらに、洗濯機用管理装置(40,50)は、洗濯処理液(32)のパッケージ(80)の数であるストック数指令値を入力するストック数指令値入力部(44)をさらに備え、発注処理部(54)は、パッケージ(80)をストック数指令値に応じた数だけ発注する。これにより、ユーザは、ストック数指令値に対応した洗濯処理液(32)のストックを保持することができる。なお、発注処理部(54)は、パッケージ(80)に応じた所定のタイミングで予め定めた発注数を発注してもよい。
【0045】
また、洗濯機用管理装置(40,50)は、洗濯処理液(32)がタンク(20)に充填された後の洗濯処理液(32)の累積使用量(Vac)を演算する累積使用量演算部(56)と、ユーザの操作に基づいて累積使用量(Vac)をリセットするリセット部(46)と、をさらに備える。これにより、ユーザが洗濯処理液(32)を誤ったタイミングでタンク(20)に充填してしまった場合等に、累積使用量(Vac)をリセットすることができる。
【0046】
自動投入パラメータ(Vmsd,ΔV)は、タンク(20)に貯留された洗濯処理液(32)の実測値である計測タンク内液量(Vmsd)と、投入機(27)が洗濯槽(14)に投入する洗濯処理液(32)の投入量(ΔV)と、を含むものであり、累積使用量演算部(56)は、累積使用量(Vac)に基づいて推定タンク内液量(Vest)を演算する機能をさらに備え、発注要否判定部(52)は、計測タンク内液量(Vmsd)が所定の残量閾値(Vmin)以上であり、かつ、推定タンク内液量(Vest)が残量閾値(Vmin)以上である場合に否定の判定を行い、計測タンク内液量(Vmsd)が所定の残量閾値(Vmin)未満であり、または、推定タンク内液量(Vest)が残量閾値(Vmin)未満である場合に肯定の判定を行う。これにより、計測タンク内液量(Vmsd)または推定タンク内液量(Vest)が不正確な値になった場合においても、洗濯処理液(32)を適切に発注することができる。
【0047】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の洗濯機消費財自動発注システムについて説明する。第2実施形態による洗濯機消費財自動発注システムのハードウエア構成は第1実施形態のものと同様である。
但し、本実施形態においては、洗剤パッケージの容量が、洗剤タンク20(
図1参照)の容量よりも大きい場合にも対応している。
図6は、本実施形態に適用される洗剤または柔軟剤のパッケージ80の一例を示す模式図である。
新品のパッケージ80に最初に充填されている液量をパッケージ容量Vcと呼ぶ。そして、洗剤タンク20または柔軟剤タンクの液量を残量閾値Vminから最大液量Vmaxまで1回充填可能な最大液量を充填液量Vaと呼ぶ。
図6においては、パッケージ80から充填液量Vaが減り、残存液量がVbになった状態を示している。
【0048】
図7は、本実施形態の管理サーバ50において実行される発注管理処理ルーチンのフローチャートである。
図7において、ステップS2~S26の内容は、第1実施形態のもの(
図3参照)と同様であるため、説明を省略する。本実施形態においては、ステップS26において「No」と判定されると(発注管理処理ルーチン(
図7)が前回起動された際のフラグが‘H’であると)、処理はステップS30に進み、カウント値Ctが「1」だけインクリメントされる。ここで、カウント値Ctは、洗剤パッケージを発注した後、フラグ‘H’がフラグ‘L’に変化した回数をカウントするための変数である。
【0049】
ステップS26において「Yes」と判定されると、このステップS30はスキップされる。次に、処理がステップS32に進むと、「Ct-ストック数≦Vc/Va」が成立するか否かが判定される。ここで「Yes」と判定されると、本ルーチンの処理が終了する。一方、「No」と判定されると、処理はステップS34に進み、洗剤を発注する発注処理が行われる。発注処理の内容は、上記第1実施形態のものと同様であるが、本実施形態のステップS34においては、さらにカウント値Ctが「0」にリセットされ、本ルーチンの処理が終了する。なお、上述の発注管理処理ルーチン(
図7)においては、洗剤の自動発注について説明したが、柔軟剤に関しても、洗剤と同様の処理が実行される。
【0050】
以上のように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、本実施形態によれば、カウント値Ctとパッケージ容量Vcと充填液量Vaとに基づいて発注処理を行う。これにより、充填液量Vaよりもパッケージ容量Vcが大きいパッケージ80を適用する場合においても、洗剤および柔軟剤を適切に自動発注することができる。
【0051】
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
【0052】
(1)上記各実施形態においては、洗濯処理液の例として洗剤または柔軟剤を適用した例を説明したが、本発明は、洗剤および柔軟剤以外の洗濯処理液に適用してもよい。
【0053】
(2)上記各実施形態の発注処理(ステップS28,S34)においては、ユーザの確認操作または承認操作を伴わずに、自動発注が実行した。しかし、洗濯処理液を発注する前に、端末装置40を介して、ユーザに確認操作または承認操作を求め、確認操作または承認操作が行われた事を条件として、洗濯処理液を発注するようにしてもよい。
【0054】
(3)上記実施形態においては、端末装置40および管理サーバ50によって洗濯機10を制御したが、端末装置40のみで洗濯機10を制御してもよい。すなわち、上述した管理サーバ50における処理を、端末装置40が実行するようにしてもよい。また、洗濯機10の制御部12において、上述した端末装置40および管理サーバ50の機能を実行するようにしてもよい。
【0055】
(4)上記実施形態における端末装置40および管理サーバ50のハードウエアは一般的なコンピュータによって実現できるため、
図2、
図3、
図7に示したフローチャート、その他上述した各種処理を実行するプログラム等を記憶媒体に格納し、または伝送路を介して頒布してもよい。
【0056】
(5)
図2、
図3、
図7に示した処理、その他上述した各処理は、上記実施形態ではプログラムを用いたソフトウエア的な処理として説明したが、その一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向けIC)、あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いたハードウエア的な処理に置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 洗濯機消費財自動発注システム
10 洗濯機
12 制御部
14 洗濯槽
20 洗剤タンク(タンク)
27 洗剤投入機(投入機)
28 液量検出部
32 洗剤(洗濯処理液)
34 柔軟剤(洗濯処理液)
40 端末装置(洗濯機用管理装置、コンピュータ)
44 ストック数指令値入力部
46 リセット部
48 洗濯処理液選択部
50 管理サーバ(洗濯機用管理装置、コンピュータ)
52 発注要否判定部(発注要否判定手段)
54 発注処理部(発注処理手段)
56 累積使用量演算部
58 データベース
60 ECサーバ
70 通信ネットワーク
80 パッケージ
ΔV 投入量(自動投入パラメータ)
Vac 累積使用量
Vest 推定タンク内液量
Vmin 残量閾値
Vmsd 計測タンク内液量(自動投入パラメータ)