IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工業株式会社の特許一覧

特開2022-130851回転子及びこれを備えた外周駆動ファン
<>
  • 特開-回転子及びこれを備えた外周駆動ファン 図1
  • 特開-回転子及びこれを備えた外周駆動ファン 図2
  • 特開-回転子及びこれを備えた外周駆動ファン 図3
  • 特開-回転子及びこれを備えた外周駆動ファン 図4
  • 特開-回転子及びこれを備えた外周駆動ファン 図5
  • 特開-回転子及びこれを備えた外周駆動ファン 図6
  • 特開-回転子及びこれを備えた外周駆動ファン 図7
  • 特開-回転子及びこれを備えた外周駆動ファン 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130851
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】回転子及びこれを備えた外周駆動ファン
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/27 20220101AFI20220831BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
H02K1/27 501A
H02K1/27 501K
H02K7/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029486
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】須原 正好
(72)【発明者】
【氏名】今井 岳彦
【テーマコード(参考)】
5H607
5H622
【Fターム(参考)】
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC01
5H607DD02
5H607FF04
5H622AA03
5H622CA02
5H622CA05
5H622CA10
5H622CB05
(57)【要約】
【課題】永久磁石を回転子コアの外周面に接近させてモータとしての性能を高めるとともに、磁石スロットの強度を確保することができる回転子を提供する。
【解決手段】回転軸線を中心とする外周面13と、回転軸線を中心として円周方向に配列された複数の磁石スロット12と、を有する回転子コア11と、各磁石スロット12に挿入された永久磁石16と、を備え、外周面13から磁石スロット12までの半径方向に沿った回転子コア11の最も薄い部分の厚さをt、磁石スロット12の円周方向に沿った長さをLとしたとき、2≦L/t≦10とされている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸線を中心とする外周面と、前記回転軸線を中心として円周方向に配列された複数の磁石スロットと、を有する回転子コアと、
各前記磁石スロットに挿入された永久磁石と、
を備え、
前記外周面から前記磁石スロットまでの半径方向に沿った前記回転子コアの最も薄い部分の厚さをt、前記磁石スロットの前記円周方向に沿った長さをLとしたとき、2≦L/t≦10とされている回転子。
【請求項2】
前記磁石スロットは、前記半径方向に沿った2辺を有する略四角形とされ、角部にフィレットが設けられている請求項1に記載の回転子。
【請求項3】
前記磁石スロットは、前記半径方向の外側に位置する前記角部にのみ前記フィレットが設けられている請求項2に記載の回転子。
【請求項4】
前記フィレットの半径をRとしたとき、0.10≦R/L≦0.15とされている請求項2又は3に記載の回転子。
【請求項5】
同一方向に磁化された前記永久磁石が前記円周方向に沿って連続的に配置された部分を有している請求項1から4のいずれかに記載の回転子。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の回転子と、
前記回転軸線を中心に前記半径方向に延在する複数の羽根を有しているファン部と、
を備え、
前記回転子は、前記回転軸線を中心とする環状とされ、
前記ファン部は、前記回転子の内周側に設けられているとともに、前記羽根の先端が前記回転子の内周面に接続されている外周駆動ファン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転子及びこれを備えた外周駆動ファンに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示すような内部磁石モータ(IPMモータ、IPM:Interior Permanent Magnet)においては、回転子コアに埋め込まれた磁石の質量によって回転子コアに対して遠心力が作用する。
【0003】
特に、外周駆動モータにおいては、回転子コア及びそれに埋め込まれた磁石が回転軸線から離れた位置にあるので、より遠心力が作用しやすい。このため、回転子コアの強度を確保するために、遠心力が作用する回転子コアの半径方向外側の肉厚を大きくしなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-100424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、肉厚を大きくすると、回転子コアに埋め込まれた磁石と回転子の外周側に設けられた固定子との距離が離れてしまい、更には、固定子に臨む磁石の面積を大きく取ることができず、磁石が発生させる磁束が減少して、電磁気的作用が低下してしまう。したがって、遠心力が作用する回転子コアの半径方向外側の肉厚を、強度と性能の観点から適切に設定する必要がある。
【0006】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、永久磁石を回転子コアの外周面に接近させてモータとしての性能を高めるとともに、磁石スロットの強度を確保することができる回転子及びこれを備えた外周駆動ファンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の回転子及びこれを備えた外周駆動ファンは以下の手段を採用する。
すなわち、本開示の一態様に係る回転子は、回転軸線を中心とする外周面と、前記回転軸線を中心として円周方向に配列された複数の磁石スロットと、を有する回転子コアと、各前記磁石スロットに挿入された永久磁石と、を備え、前記外周面から前記磁石スロットまでの半径方向に沿った前記回転子コアの最も薄い部分の厚さをt、前記磁石スロットの前記円周方向に沿った長さをLとしたとき、2≦L/t≦10とされている。
【0008】
また、本開示の一態様に係る外周駆動ファンは、上記の回転子と、前記回転軸線を中心に前記半径方向に延在する複数の羽根を有しているファン部と、を備え、前記回転子は、前記回転軸線を中心とする環状とされ、前記ファン部は、前記回転子の内周側に設けられているとともに、前記羽根の先端が前記回転子の内周面に接続されている。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、永久磁石を回転子コアの外周面に接近させてモータとしての性能を高めるとともに、磁石スロットの強度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る外周駆動ファンの斜視図である。
図2】本開示の一実施形態に係る外周駆動ファンにおいてダクトの図示を省略した平面図である。
図3】回転子の横断面図である。
図4】回転子の斜視断面図である。
図5】回転子の各所寸法を記載した図である。
図6】回転子の横断面図である。
図7】回転子の横断面図である。
図8】他の形態に係る回転子の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一実施形態に係る回転子及びこれを備えた外周駆動ファンについて図面を参照して説明する。
【0012】
なお、以下では、外周駆動ファンに適用された回転子を例にして説明するが、本実施形態の回転子は、例えば外周駆動モータや内部磁石モータにも適用できる。
【0013】
[外周駆動ファンの構成]
外周駆動ファン1は、回転軸線X周りに回転することで気流を発生させる装置である。
図1に示すように、外周駆動ファン1は、回転子10、ファン部20、固定子30及びダクト40を備えている。
【0014】
図1及び図2に示すように、外周駆動ファン1が有する回転子10は、回転軸線Xを中心とした円環状の部材である。回転子10は、回転子コア11及び永久磁石16を有している。回転子コア11には永久磁石16が埋め込まれており、これによって一体化された回転子10が構成されている。回転子10の詳細な構成については後述する。
【0015】
ファン部20は、円環状の回転子10の内周側に設けられている。ファン部20は、ハブ21及び複数枚の羽根22を有している。
【0016】
ハブ21は、回転軸線X上に位置する柱状の部材であり、ファン部20の回転中心となる部材である。
【0017】
羽根22は、基端がハブ21に接続されるとともに半径方向に延在する部材である。複数の羽根22は、回転軸線Xを中心として円周方向に沿って等角度間隔に設けられている。羽根22は、先端が回転子10の内周面14に接続されている。これによって、回転子10とファン部20とが一体に構成されている。
ここで、「半径方向」及び「円周方向」とは、回転軸線Xに対するものである(以下、同じ)。
【0018】
固定子30は、固定子コア及び固定子コアに巻回されたコイルを有している。固定子30は、電流によって磁力が発生するように構成されている。固定子30は、後述するダクト40に固定されている。固定子30は、半径方向において、回転子10の外周面13と所定隙間をもって対向するように設けられている。
【0019】
図1に示すように、ダクト40は、回転軸線X方向を中心とする両端開口の円筒状の部材である。ダクト40は、回転子10と一体化されたファン部20及び固定子30を内周側に収容している。
【0020】
以上のように構成された外周駆動ファン1は、例えば移動機器の推進用ファンに適用されて好適である。
【0021】
[回転子の詳細な構成について]
図3及び図4に示すように、回転子10は、回転軸線Xを中心とした円環状の部材である。回転子10は、回転子コア11及び永久磁石16を有している。
【0022】
回転子コア11は、複数の電磁鋼板が回転軸線X方向に積層されるとともにそれらの電磁鋼板が一体化されることで構成されている。
回転子コア11には、磁石スロット12が形成されている。磁石スロット12は、回転軸線X方向に回転子コア11(電磁鋼板)を貫通する穴である。磁石スロット12は、回転軸線Xを中心にして円周方向に沿って所定角度間隔で設けられている。所定角度間隔は、例えば等角度間隔である。
【0023】
磁石スロット12は、回転軸線Xに直交する断面において、略四角形をなしている。略四角形を構成する4辺のうち円周方向で対向する2辺は、半径方向に沿って直線状に延びている。一方、半径方向で対向する2辺は、外周面13に平行な円弧状でもよいし、直線状でもよい。
【0024】
磁石スロット12の各所の寸法は次の通りである。
すなわち、図5に示すように、回転子コア11の外周面13から磁石スロット12までの半径方向に沿った厚さがt、円周方向に沿った長さがL、磁石スロット12の半径方向に沿った幅がH、円周方向に沿った磁石スロット間の幅(磁石スロット間にある回転子コア11の厚さ)がwである。なお、厚さtは、外周面13から磁石スロット12までの最も薄い部分の厚さである。
なお、図5は、円周方向と半径方向とを直交座標で表示している。すなわち、図5は、円環状の回転子10を直線状に展開した図である。
【0025】
図4に示すように、永久磁石16は、各磁石スロット12に挿入されている。永久磁石16は、磁力の向きが円周方向に沿って入れ替わるように配置されている。
磁力の向きを円周方向に沿って入れ替える方法としては、磁力の方向が異なる永久磁石16を円周方向に沿って交互に配置する方法がある。
また、必ずしも磁力の方向が異なる永久磁石16を交互に配置しなくてもよく、図6に示すように、同一方向に磁化された永久磁石16を連続的に配置したまとまりの単位によって磁力の向きを円周方向に沿って入れ替えてもよい。この場合、1つの磁石スロット12に挿入される永久磁石16の質量を低減することができる。ただし、1つあたりの永久磁石16の質量を低減することで幅wを小さくすることができるので、永久磁石16の総体積は変わらない。つまり、モータとしての性能は維持されたままとなる。
また、図7に示すように、ハルバッハ配列に基づく配置でもよい。この場合、外周面13側に磁場を集中させることができる。
【0026】
以上のように構成された回転子10は、永久磁石16と固定子30との距離が小さいほど、電磁気的作用の低下が抑制されてモータとしての性能が向上する。また、上記の各寸法において、厚さtを薄くすることで、固定子30に臨む永久磁石16の面積を大きく取ることができ、モータ性能が向上する。このため、厚さtを可能な限り薄くすることが好ましい。しかしながら、厚さtを小さくし過ぎた場合、磁石スロット12に挿入された永久磁石16の質量によって発生する遠心力に起因して回転子コア11が損傷する可能性がある。このため、厚さtを所定の寸法値に設定した場合、その厚さtとされた回転子コア11でも耐え得るような永久磁石16の質量を設定しなければならない。
【0027】
ここで、永久磁石16の質量は、永久磁石16の寸法に依存する。さらに、永久磁石16の寸法は、磁石スロット12の寸法よりも小さい寸法とされる。このため、磁石スロット12の寸法を適切に設定することで、永久磁石16が最大限取り得る質量を設定できる。
【0028】
そこで、本実施形態においては、L/t≦10とすることとした。これによって、厚さtを可能な限り薄くすることで永久磁石16を回転子コア11の外周面13に接近させてモータとしての性能を高めるとともに、L/t≦10とすることで磁石スロット12の強度を確保することにした。
また、2≦L/tとすることで、永久磁石16の寸法が過剰に小さくなることを回避して、磁石としての性能を確保することにした。
【0029】
なお、一例として、10≦L/w≦30、1≦L/H≦4、2≦H/t≦4とされる。
【0030】
図4に示すように、応力が集中する磁石スロット12の角部15には、フィレットを設けてもよい。この場合、永久磁石16には面取り加工が施され、角部15と干渉しないように構成されている。
なお、全ての角部15にフィレットを設ける必要はなく、遠心力が作用する半径方向の外側に位置する角部15にのみフィレットを設けてもよい。
【0031】
フィレットの半径をRとしたとき、0.10≦R/L≦0.15とすることが好ましい。これによって、角部15への応力集中を抑制しつつ、過剰に永久磁石16の寸法が小さくなることを回避している。
【0032】
なお、回転子10が内部磁石モータに適用される場合、回転子10は円環状ではなく円筒状としてもよい(図8参照)。
【0033】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
外周面13から磁石スロット12までの半径方向に沿った回転子コア11の最も薄い部分の厚さをt、磁石スロット12の円周方向に沿った幅をLとしたとき、2≦L/t≦10とされているので、厚さtに対して長さLが適切に設定された回転子10を提供できる。このため、厚さtを可能な限り薄くした場合における長さLを適切に設定できる。このとき、自ずと永久磁石16の最大寸法、ひいては最大質量が決定されるので、永久磁石16の質量によって発生する遠心力に起因した磁石スロット12の損傷を回避できる。このように、厚さtを可能な限り薄くすることで永久磁石16を回転子コア11の外周面13に接近させてモータとしての性能を高めるとともに、L/t≦10とすることで磁石スロット12の強度を確保することができる。
また、2≦L/tとすることで永久磁石16の寸法が過剰に小さくなることを回避して、磁石としての性能を確保することができる。
【0034】
また、磁石スロット12の角部15にはフィレットが設けられているので、角部15への応力集中を抑制できる。
なお、半径方向の外側に位置する角部15にのみフィレットを設けてもよい。これによって、永久磁石16の質量によって発生する遠心力が特に作用しやすい半径方向の外側に位置する角部15への応力集中を抑制できる。
【0035】
また、フィレットの半径をRとしたとき、0.10≦R/L≦0.15とされているので、角部15への応力集中を抑制しつつ、永久磁石16の寸法が過剰に小さくなることを回避できる。
【0036】
また、同一方向に磁化された永久磁石16が円周方向に沿って連続的に配置された部分を有しているので、複数の永久磁石16のまとまりの単位で磁力の向きを円周方向に沿って入れ替えることができる。これによって、1つの磁石スロット12に挿入される永久磁石16の質量を低減しつつ、モータとしての性能を確保することができる。
【0037】
以上の通り説明した本実施形態は、例えば以下のように把握される。
すなわち、本開示の一態様に係る回転子(10)は、回転軸線(X)を中心とする外周面(13)と、前記回転軸線を中心として円周方向に配列された複数の磁石スロット(12)と、を有する回転子コア(11)と、各前記磁石スロットに挿入された永久磁石(16)と、を備え、前記外周面から前記磁石スロットまでの半径方向に沿った前記回転子コアの最も薄い部分の厚さをt、前記磁石スロットの前記円周方向に沿った長さをLとしたとき、2≦L/t≦10とされている。
【0038】
本態様に係る回転子によれば、回転軸線を中心とする外周面と、回転軸線を中心として円周方向に配列された複数の磁石スロットと、を有する回転子コアと、各磁石スロットに挿入された永久磁石と、を備え、外周面から磁石スロットまでの半径方向に沿った回転子コアの最も薄い部分の厚さをt、磁石スロットの円周方向に沿った幅をLとしたとき、2≦L/t≦10とされているので、厚さtに対して長さLが適切に設定された回転子を提供できる。このため、厚さtを可能な限り薄くした場合における長さLを適切に設定できる。このとき、自ずと永久磁石の最大寸法、ひいては最大質量が決定されるので、永久磁石の質量によって発生する遠心力に起因した磁石スロットの損傷を回避できる。このように、厚さtを可能な限り薄くすることで永久磁石を回転子コアの外周面に接近させてモータとしての性能を高めるとともに、L/t≦10とすることで磁石スロットの強度を確保することができる。
また、2≦L/tとすることで永久磁石16の寸法が過剰に小さくなることを回避して、磁石としての性能を確保することができる。
【0039】
また、本開示の一態様に係る回転子において、前記磁石スロットは、前記半径方向に沿った2辺を有する略四角形とされ、角部(15)にフィレットが設けられている。
【0040】
本態様に係る回転子によれば、磁石スロットは、半径方向に沿った2辺を有する略四角形とされ、角部にフィレットが設けられているので、角部への応力集中を抑制できる。
【0041】
また、本開示の一態様に係る回転子において、前記磁石スロットは、前記半径方向の外側に位置する前記角部にのみ前記フィレットが設けられている。
【0042】
本態様に係る回転子によれば、磁石スロットは、前記半径方向の外側に位置する角部にのみフィレットが設けられているので、永久磁石の質量によって発生する遠心力が特に作用しやすい半径方向の外側に位置する角部への応力集中を抑制できる。
【0043】
また、本開示の一態様に係る回転子において、前記フィレットの半径をRとしたとき、0.10≦R/L≦0.15とされている。
【0044】
本態様に係る回転子によれば、フィレットの半径をRとしたとき、0.10≦R/L≦0.15とされているので、角部への応力集中を抑制しつつ、永久磁石の寸法が過剰に小さくなることを回避できる。
【0045】
また、本開示の一態様に係る回転子は、同一方向に磁化された永久磁石が円周方向に沿って連続的に配置された部分を有している。
【0046】
本態様に係る回転子によれば、同一方向に磁化された永久磁石が円周方向に沿って連続的に配置された部分を有しているので、複数の永久磁石のまとまりの単位で磁力の向きを円周方向に沿って入れ替えることができる。これによって、1つの磁石スロットに挿入される永久磁石の質量を低減しつつ、モータとしての性能を確保することができる。
【0047】
また、本開示の一態様に係る外周駆動ファン(1)は、上記の回転子と、前記回転軸線を中心に前記半径方向に延在する複数の羽根(22)を有しているファン部(20)と、を備え、前記回転子は、前記回転軸線を中心とする環状とされ、前記ファン部は、前記回転子の内周側に設けられているとともに、前記羽根の先端が前記回転子の内周面に接続されている。
【0048】
本態様に係る外周駆動ファンは、上記の回転子と、回転軸線を中心に半径方向に延在する複数の羽根を有しているファン部と、を備え、回転子は、回転軸線を中心とする環状とされ、ファン部は、回転子の内周側に設けられているとともに、羽根の先端が回転子の内周面に接続されているので、回転子に遠心力が作用しやすい構造である外周駆動ファンにおいて、厚さtを可能な限り薄くすることで永久磁石を回転子コアの外周面に接近させてモータとしての性能を高めるとともに、L/t≦10とすることで磁石スロットの強度を確保することができる。
また、2≦L/tとすることで永久磁石16の寸法が過剰に小さくなることを回避して、磁石としての性能を確保することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 外周駆動ファン
10 回転子
11 回転子コア
12 磁石スロット
13 外周面
14 内周面
15 角部
16 永久磁石
20 ファン部
21 ハブ
22 羽根
30 固定子
40 ダクト
X 回転軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8