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特開2022-130858復水器及び地熱発電プラント並びに復水器の運転方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130858
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】復水器及び地熱発電プラント並びに復水器の運転方法
(51)【国際特許分類】
   F01K 9/00 20060101AFI20220831BHJP
   F01D 25/28 20060101ALI20220831BHJP
   F01K 27/00 20060101ALI20220831BHJP
   F01K 13/00 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
F01K9/00 A
F01D25/28 Z
F01K27/00 Z
F01K13/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029494
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】安西 健二郎
【テーマコード(参考)】
3G081
【Fターム(参考)】
3G081BC15
3G081DA16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】転倒し難く、かつ軽量化することができる復水器及び地熱発電プラント並びに復水器の運転方法を提供する。
【解決手段】復水器10は、地熱坑井から噴出した蒸気により所定方向に延在する回転軸線Rを中心として回転駆動する軸流タービンから排出された蒸気が蒸気ダクト31を介して供給される復水器10である。復水器10は、水平面で切断した際の断面の外形が円形であって、蒸気ダクト31が接続され、蒸気ダクト31を介して軸流タービンから排出された蒸気が供給され、内部で蒸気を冷却することで蒸気を凝縮させる本体部10aと、本体部10aを固定する固定部10bと、を備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地熱坑井から噴出した蒸気により所定方向に延在する回転軸線を中心として回転駆動する軸流タービンから排出された前記蒸気が蒸気ダクトを介して供給される復水器であって、
水平面で切断した際の断面の外形が円形であって、前記蒸気ダクトが接続され、前記蒸気ダクトを介して前記軸流タービンから排出された前記蒸気が供給され、内部で前記蒸気を冷却することで前記蒸気を凝縮させる本体部と、
前記本体部を固定する固定部と、を備える復水器。
【請求項2】
前記固定部は、前記本体部を地面に固定する請求項1に記載の復水器。
【請求項3】
前記固定部は、複数設けられ、
前記本体部は、平面視した際に、中心点上に前記回転軸線が重複するように配置され、
複数の前記固定部は、前記本体部の外周面に周方向に沿って配置されるとともに、前記回転軸線を基準として対称となるように配置されている請求項1または請求項2に記載の復水器。
【請求項4】
前記固定部は、複数設けられ、
前記本体部は、平面視した際に、中心点上に前記回転軸線が重複するように配置され、
複数の前記固定部は、前記本体部の外周面に周方向に沿って設けられるとともに、前記回転軸線に最も近い回転軸線側固定部と、前記回転軸線に直交する交差線に最も近い交差線側固定部と、前記回転軸線側固定部と前記交差線側固定部との間に設けられる中間固定部と、を有し、
前記中間固定部は、前記交差線側固定部よりも前記回転軸線側固定部の近くに配置されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の復水器。
【請求項5】
前記本体部には、前記本体部の半径方向外側に設けられる他の装置が固定されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の復水器。
【請求項6】
前記他の装置は、接続部を介して前記本体部に固定され、
前記接続部は、前記本体部の外周面であって前記軸流タービンと反対側に接続されている請求項5に記載の復水器。
【請求項7】
地熱坑井から噴出した前記蒸気により回転駆動する前記軸流タービンと、
前記軸流タービンに連結し、前記軸流タービンの駆動力によって発電する発電機と、
前記軸流タービンから排出された前記蒸気を冷却することで復水を生成する請求項1から請求項6のいずれかに記載の復水器と、を備えた地熱発電プラント。
【請求項8】
地熱坑井から噴出した蒸気により所定方向に延在する回転軸線を中心として回転駆動する軸流タービンから排出された前記蒸気が蒸気ダクトを介して供給される復水器の運転方法であって、
前記復水器は、
水平面で切断した際の断面の外形が円形であって、前記蒸気ダクトが接続され、前記蒸気ダクトを介して前記軸流タービンから排出された前記蒸気が供給される本体部と、
前記本体部を固定する固定部と、を備え、
前記本体部の内部で前記蒸気を冷却することで前記蒸気を凝縮させる工程を備える復水器の運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、復水器及び地熱発電プラント並びに復水器の運転方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地熱発電プラントでは、坑井から噴気する地熱流体(主として蒸気及び熱水の混合流体)から分離した蒸気を蒸気タービンに導入して発電を行っている。また、蒸気タービンにおいて仕事を終えた蒸気は、復水器に導かれる。復水器へ導かれた蒸気は、冷却水と熱交換することで凝縮される。発電プラントに設けられる蒸気タービン及び復水器として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
特許文献1には、復水器胴と中間胴とを有する復水器が記載されている。復水器胴と中間胴とは、タービン回転軸方向に沿ってタービン回転軸方向と平行に配置されている。中間胴のタービン接続開口部に、基礎上に設置された蒸気タービンが連結されている。また、復水器胴は、蒸気タービンから流入させたタービン排気を凝縮させる。復水器胴は、水平面で切断した際の断面が角形となる形状とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-223309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、地熱発電プラントでは、蒸気タービンの排気方向に応じて復水器の外形を選定しており、排気方向がタービンの軸と平行である軸流タービンを採用した場合には、特許文献1に記載されている復水器のような、水平面で切断した際の断面が角形となる復水器(以下、「角型復水器」と称する。)を選定していた。
【0006】
軸流タービンの運転時において、回転駆動に起因して発生する真空荷重の影響により、蒸気タービンとの接続部に対して、水平方向に引っ張り応力(真空荷重)が作用する。このため、復水器全体に転倒モーメントが発生することから、この転倒モーメントに耐え得る構造及び頑丈な補強を有する角型復水器が採用されていた。
【0007】
しかしながら、角型復水器は、頑丈な構造であるがゆえに、丸形復水器(水平面で切断した際の断面が円形となる復水器)と比較して、重量が約2倍となり、工場における製造コスト、材料費、輸送費及び現地における据付工事費などのコストが増大するという問題があった。一方、丸型復水器は、角型復水器と比較して運転時の真空に対する補強が少なくて済むため、重量を低減することができるメリットがあるものの、軽量であるがゆえに、転倒モーメントが作用すると転倒し易いという問題があった。このため、丸型復水器を軸流タービンに接続することは難しかった。
【0008】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、軽量化することができる復水器及び地熱発電プラント並びに復水器の運転方法を提供することを目的とする。
また、転倒し難い復水器及び地熱発電プラント並びに復水器の運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本開示の復水器及び地熱発電プラント並びに復水器の運転方法は以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係る復水器は、地熱坑井から噴出した蒸気により所定方向に延在する回転軸線を中心として回転駆動する軸流タービンから排出された前記蒸気が蒸気ダクトを介して供給される復水器であって、水平面で切断した際の断面の外形が円形であって、前記蒸気ダクトが接続され、前記蒸気ダクトを介して前記軸流タービンから排出された前記蒸気が供給され、内部で前記蒸気を冷却することで前記蒸気を凝縮させる本体部と、前記本体部を固定する固定部と、を備える。
【0010】
本開示の一態様に係る復水器の運転方法は、地熱坑井から噴出した蒸気により所定方向に延在する回転軸線を中心として回転駆動する軸流タービンから排出された前記蒸気が蒸気ダクトを介して供給される復水器の運転方法であって、前記復水器は、水平面で切断した際の断面の外形が円形であって、前記蒸気ダクトが接続され、前記蒸気ダクトを介して前記軸流タービンから排出された前記蒸気が供給される本体部と、前記本体部を固定する固定部と、を備え、前記本体部の内部で前記蒸気を冷却することで前記蒸気を凝縮させる工程を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、復水器を軽量化することができる。また、復水器を転倒し難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施形態に係る地熱発電プラントの概略構成を示す図である
図2】本開示の実施形態に係る復水系統の概略構成を示す図である。
図3】本開示の実施形態に係る蒸気タービン及び復水器を示す模式的な正面図である。
図4】本開示の実施形態に係る復水器及びガスクーラを示す模式的な斜視図である。
図5】本開示の実施形態に係る復水器の横断面図である。
図6図5の補強脚を矢印B方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本開示に係る復水器及び地熱発電プラント並びに復水器の運転方法の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、復水器10は、坑井2から噴気される地熱流体によって発電を行う地熱発電プラント1であれば幅広く適用できるものであって、以下に説明する構成の地熱発電プラント1のみに適用を限定されるものではない。
【0014】
図1は、本開示の第1実施形態に係る地熱発電プラント1の概略構成を示す図である。本実施形態では、坑井2及び還元井3をそれぞれ1つ設ける場合について説明するが、坑井2及び還元井3はそれぞれ複数設けることとしてもよい。なお、図1に示す地熱発電プラント1は、フラッシュサイクル型の地熱発電プラントであるが、復水器10は、バイナリサイクル型など他の構成の地熱発電プラントであっても同様に適用することが可能である。また、復水器10は、地熱発電プラントに限らず、例えば地熱蒸気などの硫化硫黄を含む高温流体を熱利用する場合であっても同様に適用することが可能である。
【0015】
本実施形態に係る地熱発電プラント1は、図1に示すように、地熱流体輸送管(気液二相流体輸送管)5と、噴気流量調整弁(以下、単に「流量調整弁」という)4と、気水分離器(以下、「セパレータ6」という)6と、熱水管7と、蒸気管8と、蒸気タービン(軸流タービン)9と、復水系統20とを主な構成として備えている。
【0016】
地熱流体輸送管5は、坑井(地熱坑井、生産井)2から噴出された地熱流体をセパレータ6へ導く管である。坑井2の地下にはマグマ溜りが形成されており、地下に浸透した雨水や流入した地下水等がマグマ溜りの熱によって加熱され、地熱貯留層が形成される。地熱貯留層には、地熱流体が溜まっており、坑井2によって地上へ取り出される。地熱流体輸送管5は、坑井2を介して地熱貯留層からセパレータ6へ地熱流体を輸送している。なお、地熱流体とは、主として蒸気と熱水からなる気液二相混合流体である。
【0017】
流量調整弁(噴気流量調整弁)4は、地熱流体輸送管5上に設けられており、坑井2からセパレータ6へ流入する地熱流体の総流量(噴気量、蒸気と熱水の合計流量)を調整している。なお、流量調整弁4の調整により坑井2の坑口圧力を調整することもできる。
【0018】
また、地熱流体輸送管5上における地熱流体流れの上流側(坑井2出口付近)に、開閉弁(不図示)を設け、地熱流体の導通状態(導通状態または非導通状態)を制御することとしてもよい。
【0019】
セパレータ6は、地熱流体輸送管5により供給された気液二相混合流体である地熱流体を、蒸気と熱水に分離する装置である。セパレータ6によって分離された熱水は熱水管7に導かれ、セパレータ6によって分離された蒸気は蒸気管8へ導かれる。
【0020】
熱水管7は、セパレータ6によって分離された熱水を還元井3へ導く管である。還元井3を介して地下の地熱貯留層に熱水を還すことで、地下の地熱貯留層における地熱流体の枯渇を抑制する。セパレータ6によって分離された熱水は熱水管7、例えばポンプ(不図示)を介して還元井3へ圧送される。還元井3が複数設けられることとしてもよい。
【0021】
蒸気管8は、セパレータ6によって分離された蒸気を蒸気タービン9へ導く管である。セパレータ6が複数設けられている場合、各セパレータ6によって分離された蒸気は、蒸気管8で合流して蒸気タービン9へ供給される。
【0022】
蒸気タービン9は、坑井2から噴出された地熱流体がタービン翼に仕事を行うことにより回転駆動する。具体的には、セパレータ6によって熱水と分離されて蒸気管8により供給された蒸気のエネルギーによって回転軸(不図示)を中心にタービン翼(不図示)を回転駆動させ、タービン翼の回転軸に連結して接続された発電機(不図示)を回転駆動して発電を行う。
【0023】
復水系統20は、蒸気タービン9において仕事を終えた蒸気を復水するための系統である。図2は、復水系統20の概略構成を示す図である。図2に示すように、復水器10と、冷却塔16と、ガスクーラ(ガス冷却器)11と、インターコンデンサ(中段冷却器)13と、アフターコンデンサ(後段冷却器)15とを備えている。なお、ガスクーラ11は復水器10の一部として一体に構成されていても良い。復水器10、ガスクーラ11、インターコンデンサ13、アフターコンデンサ15は、熱交換器となる。
【0024】
図2において、冷却水が流通する系統は冷却水系統となる。復水系統20では冷却水が使用されているため、復水系統20において冷却水が流通する系統が冷却水系統となる。より具体的には、復水器10と、冷却塔16と、ガスクーラ11と、インターコンデンサ13と、アフターコンデンサ15と、循環系統17と、供給系統18と(その他冷却水が流通する配管等を含む)により冷却水系統が構成されている。なお、本実施形態では、冷却水系統を図2に示す構成としているが、冷却水系統の構成は図2に限定されず、冷却水が流通する系統が冷却水系統となる。
【0025】
復水器10は、蒸気タービン9から排出された蒸気を冷却水と接触させて復水する。具体的には、復水器10は、蒸気タービン9においてタービン翼(不図示)を回転駆動させる仕事をし終えた蒸気(タービン排気蒸気)に冷却水を散布して、蒸気を冷却して凝縮して復水する装置である。すなわち、復水器10は直接接触式である。蒸気タービン9から排出された蒸気には、非凝縮ガス(二酸化炭素や硫化水素など)が含まれているため、以下の説明では、蒸気タービン9から排出された流体を、「ガス」もしくは「蒸気(ガス)」といい、説明を行う。復水された水は、復水ポンプ19により、循環系統17を介して冷却塔16へ供給される。また、凝縮されなかった非凝縮ガスを含む蒸気(ガス)は、ガスクーラ11へ供給される。
【0026】
冷却塔16は、復水器10において復水された水を蒸発冷却する装置である。具体的には、冷却塔16に供給された水は冷却塔16の上部から散布される。散布された水は、冷却塔16の送風機21によって流通する空気と接触することで一部が蒸発し、この蒸発に伴う潜熱によって他の水が冷やされる。冷やされた水は、冷却塔水として冷却塔16の水槽に貯水される。水槽に貯水されている冷却塔水は、供給系統18を介して冷却水として復水器10へ供給される。また、供給系統18は、ガスクーラ11、インターコンデンサ13、及びアフターコンデンサ15へも接続されており、各装置に冷却水を供給する。
【0027】
ガスクーラ(他の装置)11は、復水器10に対してガス流れの下流側に設けられている。ガスクーラ11は、上部に冷却水を供給する供給系統18が接続されている。そして、ガスクーラ11では、冷却水を用いてガスを冷却し凝縮する。ガスクーラ11は、図2に示すようにトレイ式である。なお、図2では、トレイ式の一例として3段のトレイ(上段トレイ,中段トレイ,下段トレイ)の構造を示したが、トレイは少なくとも1段あればよく、3段のトレイに限定するものではない。なお、充填層式等の他の構成のガスクーラ11を適用することも可能である。ガスクーラ11において、ガスクーラ11の筐体上部から冷却水が供給され、上段トレイ(第1トレイ)T1に冷却水が溜まる(液相)。そして、冷却水は、上段トレイT1に設けられた複数の穴から、上段トレイT1の下方側へ雨のように分散されて落下する。落下した冷却水は、中段トレイ(第2トレイ)T2へ溜まり、上段トレイT1と同様に冷却水は中段トレイT2に設けられた複数の穴から分散されて落下する。そして、落下した冷却水は、下段トレイ(第3トレイ)T3へ溜まり、上段トレイT1および中段トレイT2と同様に冷却水はトレイT3に設けられた複数の穴から分散されて落下する。
【0028】
このようにガスクーラ11内を落下する冷却水と、ガスとが接触し、ガスの冷却が行われる。冷却水と、凝縮により生じた水は、ガスクーラ11下部に溜まり、循環系統17によって冷却塔16へ供給される。
【0029】
インターコンデンサ13は、ガスクーラ11に対してガス流れの下流側に設けられている。ガスクーラ11から排出されたガスは、エジェクタ12によりインターコンデンサ13へ圧送される。エジェクタ12へは、図1に示すように蒸気管8から分岐した配管によって一部蒸気が供給されており、該蒸気を用いてガスを圧送する。インターコンデンサ13では、上部から冷却水が散布され、ガスと接触してガスの冷却が行われる。冷却水と、蒸気の凝縮により生じた水は、インターコンデンサ13下部に溜まり、ドレンとしてインターコンデンサ13から排出される。なお、インターコンデンサ13から排出されたドレンは、循環系統17により冷却塔16に供給されることとしてもよい。ガスは、インターコンデンサ13から後述するアフターコンデンサ15へ排出される。
【0030】
アフターコンデンサ15は、インターコンデンサ13に対してガス流れの下流側に設けられている。インターコンデンサ13から排出されたガスは、エジェクタ14によりアフターコンデンサ15へ圧送される。エジェクタ14へは、図1に示すように蒸気管8から分岐した配管によって一部蒸気が供給されており、該蒸気を用いてガスを圧送する。アフターコンデンサ15では、上部から冷却水が散布され、ガスと接触してガスの冷却が行われる。冷却水と、蒸気とガスの凝縮により生じた水は、アフターコンデンサ15下部に溜まり、ドレンとしてアフターコンデンサ15から排出される。なお、アフターコンデンサ15から排出されたドレンは、循環系統17により冷却塔16に供給されることとしてもよい。ガスは、アフターコンデンサ15から大気中へ排出される。なお、エジェクタ14は例えば水封真空ポンプに置き換えられてもよく、その場合、アフターコンデンサ15はシール水セパレータとなる。
【0031】
アフターコンデンサ15から排出されたガスは、各装置によって水蒸気が除去されているため、非凝縮ガス成分の構成比が高い状態となっている。アフターコンデンサ15から排出されたガスは、冷却塔16で冷却に用いた空気と共に大気放出されることとしてもよいし、その他処理が行われることとしてもよい。
【0032】
次に、蒸気タービン9、復水器10及びガスクーラ11の詳細について図3から図6を用いて説明する。
【0033】
図3に示すように、蒸気タービン9は、地面100に形成された基礎30の上に設けられている。蒸気タービン9は、地熱坑井から噴出した蒸気(ガス)により所定方向に延在する回転軸線Rを中心として回転駆動する。蒸気タービン9は、回転軸線Rと平行に流通するように、蒸気を排出する。蒸気タービン9は、いわゆる軸流タービンである。
【0034】
蒸気タービン9の下流側には蒸気ダクト31の上流端が接続されている。蒸気ダクト31の内部には、蒸気タービン9から排出された蒸気(ガス)が流通している。蒸気ダクト31は、図3及び図4に示すように、流路断面が略円形状のダクトである。蒸気ダクト31は、回転軸線Rに沿って、直線状に延在している。すなわち、蒸気ダクト31は、該蒸気ダクト31の中心軸線が、回転軸線Rと同軸となるように配置されている。
図4に示すように、蒸気ダクト31の途中位置には、大気放出板32(安全弁)が設けられている。蒸気ダクト31の内部の圧力が過度に上昇した際に大気放出板32を開状態とすることで、内部を減圧することができる。
蒸気ダクト31の下流端部は、復水器10の本体部10aに接続している。詳細には、蒸気ダクト31の下流端部の下部には、ダクト開口(不図示)が形成されており、このダクト開口が、復水器10の本体部10aの上端に形成された復水器開口(不図示)と接続されている。
【0035】
蒸気タービン9から排出された蒸気(ガス)は、図3の矢印G1で示すように、回転軸線Rに沿って蒸気ダクト31内を流通する。蒸気ダクト31内を流通した蒸気(ガス)は、矢印G2で示すように、下方に流通方向を変化させ、ダクト開口及び復水器開口を通過して、上方から復水器10内に流入する。このように、復水器10には、蒸気タービン9から排出された蒸気(ガス)が蒸気ダクト31を介して供給される。
【0036】
図3に示すように、復水器10は、地面100に立設している。図4に示すように、復水器10は、内部で蒸気(ガス)を冷却することで蒸気(ガス)を凝縮させる本体部10aと、本体部10aを地面100に固定する複数の固定脚(固定部)10bとを有している。
【0037】
本体部10aは、図5に示すように、水平面で切断した際の断面の外形が円形状をしている。本体部10aは、図3及び図4に示すように、中心軸線Cが上下方向に沿って延在する円筒状の部材である。本体部10aは、内部に空間が形成されている。本体部10aは、図2に示すように、内部で蒸気(ガス)に冷却水を散布する。これにより、蒸気(ガス)を冷却することで凝縮させ、復水を生成する。このように、本実施形態に係る復水器10は、復水を生成する本体部10aが水平面で切断した際の断面の外形が円形状とされる、いわゆる丸型復水器である。
本体部10aの外周面には、該外周面から突出する3本のリブ10cが設けられている。各リブ10cは、周方向の略全域に亘って設けられている。3本のリブ10cは、上下方向に略間隔で並んで配置されている。各リブ10cは、本体部10aを補強している。
【0038】
本体部10aの上端部には、蒸気ダクト31が接続されている。図5に示すように、本体部10aと蒸気ダクト31とは、平面視した際に、本体部10aの中心点P上に、蒸気ダクト31の中心軸線(すなわち、回転軸線R)が重複するように配置されている。また、図4に示すように、本体部10aの上端には、上端から下方に凹むように切り欠きが形成されている。この切欠きに、蒸気ダクト31が嵌合している。本体部10aと蒸気ダクト31とは、間に隙間が生じないように溶接等で固定されている。
【0039】
図4に示すように、本体部10aの上部の側面には、2本の供給系統18が接続されている。図2に示すように、供給系統18によって、本体部10aに冷却水が供給される。また、図4に示すように、本体部10aの下部の側面には、2本の循環系統17が接続されている。図2に示すように、循環系統17によって、本体部10a内で生成された復水を冷却塔16へ導いている。また、本体部10aの下部の側面には、非凝縮ガスダクト(接続部)33が接続されている。詳細には、非凝縮ガスダクト33は、本体部10aの側面のうち、蒸気タービン9が存在する側とは反対側に接続されている。また、非凝縮ガスダクト33は、本体部10aを平面視した際に、中心軸線が、蒸気ダクト31の中心軸線(すなわち、回転軸線R)と同軸となるように配置されている。非凝縮ガスダクト33は、復水器10とガスクーラ11とを接続している。非凝縮ガスダクト33は、復水器10で凝縮しなかった蒸気(ガス)をガスクーラ11へ導く。
【0040】
固定脚10bは、図4及び図5に示すように、本体部10aの外周面の下部に設けられている。複数(本実施形態では、一例として、10個)の固定脚10bは、周方向に沿って並んで配置されている。複数の固定脚10bは、不等間隔に配置されている。また、複数の固定脚10bは、図5に示すように、回転軸線Rを基準として対称となるように配置されている。また、複数の固定脚10bは、交差線Lを基準として、対称となるように配置されている。交差線Lとは、中心点Pを通過するとともに回転軸線Rと直交する仮想線である。
【0041】
また、複数の固定脚10bは、回転軸線Rに最も近い回転軸線側固定脚(回転軸線側固定部)10bAと、交差線Lに最も近い交差線側固定脚(交差線側固定部)10bBと、回転軸線側固定脚10bAと交差線側固定脚10bBとの間に設けられる中間固定脚(中間固定部)10bCと、を有している。本実施形態では、交差線側固定脚10bBは、一例として、交差線Lと重複するように設けられている。各固定脚10bは、中間固定脚10bCが、交差線側固定脚10bBよりも回転軸線側固定脚10bAの近くに配置されている。すなわち、中間固定脚10bCと回転軸線側固定脚10bAとの周方向の距離の方が、中間固定脚10bCと交差線側固定脚10bBとの周方向の距離よりも短い。換言すれば、回転軸線R側の領域(交差線Lよりも回転軸線Rに近い領域)において、固定脚10bを設ける間隔が短くなっている。なお、循環系統17やガスクーラ11等の復水器10の外周面に配置するものに支障がないように、複数の固定脚10bを設けることが好ましく、交差線側固定脚10bBは必ずしも交差線Lと重複するように設ける必要はなく、また、回転軸線側固定脚10bAは回転軸線R上を含めて設けてもよい。
【0042】
各固定脚10bの構造は同一であるので、以下では代表として一つの固定脚10bについて説明する。
固定脚10bは、図4及び図6に示すように、鉛直方向に延在する2枚の鉛直板部10baと、2枚の鉛直板部10baの下端同士を接続する底面部10bbと、2枚の鉛直板部10baの上端同士を接続する上面部10bcと、を一体的に有している。
【0043】
2枚の鉛直板部10baは、復水器10の周方向に所定距離離間して配置されている。各鉛直板部10baは、本体部10aの外周面から半径方向外側に突出する板状の部材である。各鉛直板部10baは、板面が鉛直面となるように配置されている。各鉛直板部10baの内端は、本体部10aの外周面に固定されている。図6に示すように、各鉛直板部10baは、側面視で、上縁の半径方向の長さが下縁の半径方向の長さよりも短い台形状をしている。各鉛直板部10baの下端は、底面部10bbの上面に固定されている。各鉛直板部10baの上端は、上面部10bcの下面に固定されている。
【0044】
底面部10bbは、本体部10aの外周面から半径方向外側に突出する板状の部材である。底面部10bbは、板面が水平面となるように配置されている。底面部10bbは、下面が地面100と接触するように配置されている。底面部10bbは、上下方向に貫通する複数のボルト(不図示)によって、地面100に固定されている。
【0045】
上面部10bcは、本体部10aの外周面から半径方向外側に突出する板状の部材である。上面部10bcは、板面が水平面となるように配置されている。
【0046】
ガスクーラ11は、図4に示されているように、復水器10を挟んで、蒸気タービン9が存在する側とは反対側に配置および固定されている。すなわち、ガスクーラ11は、復水器10の半径方向外側に設けられている。
【0047】
ガスクーラ11は、復水器10と対向する側面に、非凝縮ガスダクト33が接続している。非凝縮ガスダクト33は、復水器10を挟んで、蒸気タービン9が存在する側とは反対側に配置および固定されている。ガスクーラ11は、水平面で切断した際の断面の外形が円形状をしている。ガスクーラ11は、中心軸線が上下方向に沿って延在する円筒状の部材である。ガスクーラ11の上端は天井面部11bによって閉鎖されている。ガスクーラ11は、内部に閉空間が形成されている。天井面部11bには、上面にリブ11cが設けられている。リブ11cは、天井面部11bの上面に立設している。リブ11cは、板状のリブが格子状に配置されている。リブ11cは、天井面部11bを補強している。ガスクーラ11もしくは非凝縮ガスダクト33が復水器10の半径方向外側に配置されているため、その重量によって本体部10aを転倒し難くすることができる。また、ガスクーラ11もしくは非凝縮ガスダクト33が復水器10を挟んで蒸気タービン9が存在する側とは反対側に配置および固定されているため、より効果的に転倒を防ぐことができる。
【0048】
ガスクーラ11の外周面には、該外周面から突出する2本のリブ11aが設けられている。各リブ11aは、周方向の略全域に亘って設けられている。2本のリブ11aは、上下方向に所定の間隔で並んで配置されている。各リブ11aは、ガスクーラ11を補強している。
【0049】
ガスクーラ11の上部の側面には、ガス配管35が接続されている。図2に示すように、ガス配管35によって、ガスクーラ11でも凝縮しなかった蒸気(ガス)をエジェクタ12へ導く。また、ガスクーラ11の天井面部11bには、供給系統18が接続されている。図2に示すように、供給系統18によって、ガスクーラ11に冷却水が供給される。
【0050】
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
以下では、水平断面の外形が円形状を為す本体部10aを有する復水器を「丸型復水器」と称する。また、水平断面の外形が角形状を為す本体部を有する復水器を「角型復水器」と称する。
【0051】
本実施形態では、復水器10が丸型復水器とされている。これにより、例えば、復水器10として角型復水器を採用する場合と比較して、内外圧力差に対する本体部10aの強度を向上させることができる。したがって、内外圧力差に対する強度を向上させるための構造(例えば、板厚の増大や補強材)を設ける必要がない分、本体部10aを軽量化することができる。また、本体部10aの製造コストを低減することができる。ひいては、復水器を軽量化することができるとともに、復水器の製造コスト及び地熱発電プラント1の設置コストを低減することができる。
【0052】
また、軸流タービンである蒸気タービン9が回転駆動すると、蒸気タービン9の回転駆動に起因して発生する真空荷重の影響により、蒸気ダクト31に引張荷重(図3の矢印A1参照)が作用する。このため、蒸気ダクト31が接続されている本体部10aにも、蒸気ダクト31を介して引張荷重が作用する。この引張荷重によって、本体部10aには転倒モーメント(図3の矢印A2参照)が作用するが、本実施形態では本体部10aを複数の固定脚10bによって地面100に固定しているので、本体部10aを転倒し難くすることができる。
【0053】
以上述べたように、一般的に、丸型復水器は、軽量である等の理由から、軸流タービンと接続した場合には転倒モーメントによって転倒し易いが、本実施形態では、丸型復水器である復水器10を固定脚10bによって地面100に固定しているので、軸流タービンである蒸気タービン9と接続した場合であっても、復水器10を転倒し難くすることができる。このように本実施形態では、復水器10の転倒を抑制する構造を設けることで、軸流タービンである蒸気タービン9に接続する復水器10として、丸型復水器を採用可能とし、復水器10の軽量化及び製造コストを低減することができる。ひいては、地熱発電プラント1の設置コストを低減することができる。
【0054】
また、本実施形態では、複数の固定脚10bが、本体部10aの外周面に周方向に沿って並んで配置されるとともに、回転軸線Rを基準として対称となるように配置されている。これにより、各固定脚10bに作用する荷重が均一化される。したがって、局所的な荷重の集中を抑制することができるので、本体部10aをより強固に固定することができる。
【0055】
また、本実施形態では、中間固定脚10bCが、交差線側固定脚10bBよりも回転軸線側固定脚10bAに近くなるに配置されている。すなわち、回転軸線R側の領域(交差線Lよりも回転軸線Rに近い領域)において、固定脚10bを設ける間隔が短くなっている。これにより、大きな転倒モーメントが作用する回転軸線R近傍において、固定脚10bの数が多くなる。したがって、本体部10aをより強固に固定することができる。
【0056】
また、本実施形態では、非凝縮ガスダクト33によって、本体部10aの半径方向外側に設けられるガスクーラ11と、本体部10aとが接続されている。これにより、ガスクーラ11の重量によって、本体部10aを転倒し難くすることができる。
【0057】
なお、本開示は、上記各実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。
【0058】
例えば、上記実施形態では、蒸気ダクト31が10aの上端部に接続され、復水器10の本体部10aに対して上方から蒸気を供給する例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、蒸気ダクト31が本体部10aの側部に接続され、復水器10の本体部10aに対して側方から蒸気を供給してもよい。
【0059】
また、例えば、上記実施形態では、本体部10aが、水平面で切断した際の断面の外形が円形となる形状である例について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、本体部10aは、水平面で切断した際の断面の外形が楕円や長円や矩形となる形状であってもよい。
【0060】
また、例えば、上記実施形態では、固定脚10bの数を10個としたが、本開示はこれに限定されない。例えば、9個以下であってもよく、11個以上であってもよい。なお、丸型復水器である復水器10を固定するためには、固定脚10bを8個以上設けると好適に復水器10を地面100に固定することができる。
【0061】
以上説明した実施形態に記載の復水器及び地熱発電プラント並びに復水器の運転方法は、例えば以下のように把握される。
本開示の一態様に係る復水器は、地熱坑井(2)から噴出した蒸気により所定方向に延在する回転軸線(R)を中心として回転駆動する軸流タービン(9)から排出された前記蒸気が蒸気ダクト(31)を介して供給される復水器(10)であって、水平面で切断した際の断面の外形が円形であって、前記蒸気ダクト(31)が接続され、前記蒸気ダクト(31)を介して前記軸流タービン(9)から排出された前記蒸気が供給され、内部で前記蒸気を冷却することで前記蒸気を凝縮させる本体部(10a)と、前記本体部(10a)を固定する固定部(10b)と、を備える。
【0062】
上記構成では、本体部が水平面で切断した際の断面(以下、「水平断面」と称する。)の外形が円形をしている。これにより、例えば、水平断面の外形が角形の場合と比較して、内外圧力差に対する本体部の強度を向上させることができる。したがって、内外圧力差に対する強度を向上させるための構造(例えば、板厚の増大や補強材)を設ける必要がない分、本体部を軽量化することができる。また、本体部の製造コストを低減することができる。ひいては、復水器を軽量化することができるとともに、復水器の製造コストを低減することができる。
軸流タービンが回転駆動すると、軸流タービンの回転駆動に起因して発生する真空荷重の影響により、蒸気ダクトに引張荷重が作用する。このため、蒸気ダクトが接続されている本体部にも、蒸気ダクトを介して引張荷重が作用する。この引張荷重によって、本体部には転倒モーメントが作用するが、上記構成では本体部を固定部によって固定しているので、本体部を転倒し難くすることができる。
以上述べたように、水平断面の外形が円形である本体部は、軽量である等の理由から、軸流タービンと接続した場合には転倒モーメントによって転倒し易いが、上記構成では、固定部によって本体部を固定しているので、軸流タービンと接続した場合であっても、本体部を転倒し難くすることができる。このように上記構成では、本体部を転倒し難くすることで、軸流タービンに接続する復水器として、水平断面の外形が円形である本体部を採用可能とし、復水器の軽量化及び製造コストを低減することができる。
なお、軸流タービンとは、回転軸と平行の方向に流入した蒸気が、タービンのブレードと衝突し、蒸気の持つエネルギーを回転体に伝え、軸と平行の方向に排出される装置である。
【0063】
また、本開示の一態様に係る復水器は、固定部(10b)は、前記本体部を地面に固定する。
上記構成では、本体部を地面に固定することができる。これにより、本体部を強固に固定することができ、より本体部を転倒し難くすることができる。
【0064】
また、本開示の一態様に係る復水器は、前記固定部(10b)は、複数設けられ、前記本体部(10a)は、平面視した際に、中心点(P)上に前記回転軸線(R)が重複するように配置され、複数の前記固定部(10b)は、前記本体部(10a)の外周面に周方向に沿って配置されるとともに、前記回転軸線(R)を基準として対称となるように配置されている。
【0065】
上記構成では、複数の固定部が、本体部の外周面に周方向に沿って並んで配置されるとともに、回転軸線を基準として対称となるように配置されている。これにより、各固定部に作用する荷重が均一化される。したがって、局所的な荷重の集中を抑制することができるので、本体部をより強固に固定することができる。
なお、回転軸線とは、軸流タービンに含まれる回転軸線及び軸流タービンに含まれる回転軸線を延長した線の両方を含む。
【0066】
また、本開示の一態様に係る復水器は、前記固定部(10b)は、複数設けられ、前記本体部(10a)は、平面視した際に、中心点(P)上に前記回転軸線(R)が重複するように配置され、複数の前記固定部(10b)は、前記本体部(10a)の外周面に周方向に沿って設けられるとともに、前記回転軸線(R)に最も近い回転軸線側固定部(10bA)と、前記回転軸線(R)に直交する交差線(L)に最も近い交差線側固定部(10bB)と、前記回転軸線側固定部(10bA)と前記交差線側固定部(10bB)との間に設けられる中間固定部(10bC)と、を有し、前記中間固定部(10bC)は、前記交差線側固定部(10bB)よりも前記回転軸線側固定部(10bA)の近くに配置されている。
【0067】
上記構成では、中間固定部が、交差線側固定部よりも回転軸線側固定部に近くなるに配置されている。すなわち、回転軸線側の領域(交差線よりも回転軸線に近い領域)において、固定部を設ける間隔が短くなっている。これにより、大きな転倒モーメントが作用する回転軸線近傍において、固定部の数が多くなる。したがって、本体部をより強固に固定することができる。
【0068】
また、本開示の一態様に係る復水器は、前記本体部(10a)には、前記本体部(10a)の半径方向外側に設けられる他の装置(11)が固定されている。
【0069】
上記構成では、本体部の半径方向外側に設けられる他の装置と、本体部とが固定されている。これにより、他の装置の重量によって、本体部を転倒し難くすることができる。
なお、他の装置の一例としては、復水器で凝縮されなかった非凝縮ガスを含む蒸気を冷却するガスクーラが挙げられる。
【0070】
また、本開示の一態様に係る復水器は、前記他の装置(11)は接続部(33)を介して前記本体部(10a)に固定され、接続部(33)は、前記本体部の外周面であって前記軸流タービン(9)と反対側に接続されている。
【0071】
上記構成では、接続部を介して他の装置が軸流タービンと反対側に接続されている。これにより、軸流タービンからの引張荷重によって作用する転倒モーメントに対して、本体部をより転倒し難くすることができる。
【0072】
また、本開示の一態様に係る地熱発電プラントは、地熱坑井(2)から噴出した前記蒸気により回転駆動する前記軸流タービン(9)と、前記軸流タービン(9)に連結し、前記軸流タービン(9)の駆動力によって発電する発電機と、前記軸流タービン(9)から排出された前記蒸気を冷却することで復水を生成する上記いずれかに記載の復水器(10)と、を備えている。
【0073】
また、本開示の一態様に係る復水器の運転方法は、地熱坑井(2)から噴出した蒸気により所定方向に延在する回転軸線(R)を中心として回転駆動する軸流タービン(9)から排出された前記蒸気が蒸気ダクト(31)を介して供給される復水器(10)の運転方法であって、前記復水器(10)は、水平面で切断した際の断面の外形が円形であって、前記蒸気ダクト(31)が接続され、前記蒸気ダクト(31)を介して前記軸流タービン(9)から排出された前記蒸気が供給される本体部(10a)と、前記本体部(10a)を固定する固定部(10b)と、を備え、前記本体部(10a)の内部で前記蒸気を冷却することで前記蒸気を凝縮させる工程を備える復水器(10)の運転方法。
【符号の説明】
【0074】
1 :地熱発電プラント
2 :坑井
3 :還元井
4 :流量調整弁
5 :地熱流体輸送管
6 :セパレータ
7 :熱水管
8 :蒸気管
9 :蒸気タービン(軸流タービン)
10 :復水器
10a :本体部
10b :固定脚(固定部)
10bA :回転軸線側固定脚(回転軸線側固定部)
10bB :交差線側固定脚(交差線側固定部)
10bC :中間固定脚(中間固定部)
10ba :鉛直板部
10bb :底面部
10bc :上面部
10c :リブ
11 :ガスクーラ(他の装置)
11a :リブ
11b :天井面部
11c :リブ
12 :エジェクタ
13 :インターコンデンサ
14 :エジェクタ
15 :アフターコンデンサ
16 :冷却塔
17 :循環系統
18 :供給系統
19 :復水ポンプ
20 :復水系統
21 :送風機
30 :基礎
31 :蒸気ダクト
32 :大気放出板
33 :非凝縮ガスダクト
35 :ガス配管
100 :地面
T1 :上段トレイ
T2 :中段トレイ
T3 :下段トレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6