(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130962
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】健康スコア提供サーバ、健康スコア提供システム、健康スコアの提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20220831BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029654
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】514043735
【氏名又は名称】株式会社FiNC Technologies
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】村上 真
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】健康管理対象者の健康状態を適切に評価可能な健康スコア提供サーバ、健康スコア提供システム、健康スコアの提供方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】健康スコア提供システムにおいて、健康スコア提供サーバのストレージが備える健康スコア提供プログラムは、健康管理対象者の食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のカテゴリのいずれか1つ以上を含む周期的な行動に関する生活習慣情報と、健康管理対象者の状態を数値として測定することにより得られる身体状況情報とを含むライフログ情報を取得する取得部と、ライフログ情報が少なくともカテゴリ毎に評価条件を満たすか否かを評価する評価条件情報を記憶する記憶部と、取得したライフログ情報と、評価条件とに基づいて健康スコアを算出するスコア算出部54と、算出された健康スコアを所定の形式に加工して提供するスコア提供部55とを備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康管理対象者の食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のカテゴリのいずれか1つ以上を含む周期的な行動に関する生活習慣情報と、当該健康管理対象者の状態を数値として測定することにより得られる身体状況情報と、を含むライフログ情報を取得する取得部と、
前記ライフログ情報が少なくとも前記カテゴリ毎に評価条件を満たすか否かを評価する評価条件情報を記憶する記憶部と、
取得した前記ライフログ情報と、前記評価条件とに基づいて健康スコアを算出するスコア算出部と、
算出された健康スコアを所定の形式に加工して提供するスコア提供部と、を備える、健康スコア提供サーバ。
【請求項2】
前記スコア算出部は、
前記食事、前記運動及び前記睡眠のそれぞれに関して、前記評価条件に基づいて食事スコア、運動スコア、睡眠スコア、喫煙スコア及び飲酒スコアを算出すると共に、これらのスコアに所定の係数を乗じた後に加算することによって生活習慣スコアを算出するステップと、
前記身体状況情報と前記評価条件とに基づいて身体状況スコアを算出するステップと、
前記生活習慣スコアと前記身体状況スコアとを所定の比率で加算するステップと、
を備え、
これらのステップによって前記健康スコアを算出する、請求項1に記載の健康スコア提供サーバ。
【請求項3】
前記スコア算出部は、前記評価に必要な前記ライフログ情報が不足している場合には、当該不足にかかる前記評価条件を利用せずに前記健康スコアを算出し、
利用された前記評価条件の数又は利用されなかった前記評価条件の数の少なくともいずれかに基づいて前記健康スコアのスコア精度を評価する精度評価部と、
前記スコア精度を提供するスコア精度出力部と、を更に備える、請求項1又は請求項2に記載の健康スコア提供サーバ。
【請求項4】
前記評価に必要な前記ライフログ情報が不足している場合には、前記健康管理対象者に対して、必要な前記ライフログ情報の入力を促す入力促進部を更に備える、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の健康スコア提供サーバ。
【請求項5】
前記入力促進部は、前記健康管理対象者が入力することによって前記健康スコアの精度の上昇が見込まれる前記ライフログ情報を特定し、当該特定したライフログ情報の入力を促す、請求項4に記載の健康スコア提供サーバ。
【請求項6】
<自己評価などによって評価条件の見直し>
前記健康管理対象者によって入力されたライフログ情報に基づいて、利用する前記評価条件の重みづけを変更する、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の健康スコア提供サーバ。
【請求項7】
健康管理対象者の食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のカテゴリのいずれか1つ以上を含む周期的な行動に関する生活習慣情報と、当該健康管理対象者の状態を数値として測定することにより得られる身体状況情報と、を含むライフログ情報を取得する取得部と、
前記ライフログ情報が少なくとも前記カテゴリ毎に評価条件を満たすか否かを評価する評価条件情報を記憶する記憶部と、
取得した前記ライフログ情報と、前記評価条件とに基づいて健康スコアを算出するスコア算出部と、
算出された健康スコアを所定の形式に加工して提供するスコア提供部と、を備える、健康スコア提供システム。
【請求項8】
健康管理対象者の食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のカテゴリのいずれか1つ以上を含む周期的な行動に関する生活習慣情報と、当該健康管理対象者の状態を数値として測定することにより得られる身体状況情報と、を含むライフログ情報を取得するステップと、
前記ライフログ情報が少なくとも前記カテゴリ毎に評価条件を満たすか否かを評価するステップと、
取得した前記ライフログ情報と、前記評価条件とに基づいて健康スコアを算出するステップと、
算出された健康スコアを所定の形式に加工して提供するステップと、を備える、健康スコアの提供方法。
【請求項9】
健康スコアの提供方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記健康スコアの提供方法として、
健康管理対象者の食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のカテゴリのいずれか1つ以上を含む周期的な行動に関する生活習慣情報と、当該健康管理対象者の状態を数値として測定することにより得られる身体状況情報と、を含むライフログ情報を取得するステップと、
前記ライフログ情報が少なくとも前記カテゴリ毎に評価条件を満たすか否かを評価するステップと、
取得した前記ライフログ情報と、前記評価条件とに基づいて健康スコアを算出するステップと、
算出された健康スコアを所定の形式に加工して提供するステップと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康スコア提供サーバ、健康スコア提供システム、健康スコアの提供方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ダイエットやメタボリックシンドロームの予防等の健康意識の高まりを受けて、専門家の指導を受ける健康指導サービスが普及している。このような指導においては、健康管理対象者(以下「ユーザ」とも呼ぶ)に対し事前に生活習慣等に関するアンケート(サーベイ、問診などと呼ばれることがある)に回答させることにより指導の効率化を図ったりしている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
様々な要因を考慮して健康管理対象者の健康状態を適切に評価し、健康スコアとして提供するニーズがある。
【0005】
本発明は、健康管理対象者の健康状態を適切に評価可能な健康スコア提供サーバ、健康スコア提供システム、健康スコアの提供方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、
健康スコア提供サーバであって、
健康管理対象者の食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のカテゴリのいずれか1つ以上を含む周期的な行動に関する生活習慣情報と、当該健康管理対象者の状態を数値として測定することにより得られる身体状況情報と、を含むライフログ情報を取得する取得部と、
前記ライフログ情報が少なくとも前記カテゴリ毎に評価条件を満たすか否かを評価する評価条件情報を記憶する記憶部と、
取得した前記ライフログ情報と、前記評価条件とに基づいて健康スコアを算出するスコア算出部と、
算出された健康スコアを所定の形式に加工して提供するスコア提供部と、を備える。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、健康管理対象者の健康状態を適切に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】健康スコア提供システムの概略を説明する図。
【
図2】健康スコア提供サーバの構成の概略を説明する図。
【
図3】健康スコア提供サーバのストレージの構成の概略を説明する図。
【
図4】ライフログ情報データベースが備えるライフログ情報の概略を説明する図。
【
図5】健康スコア提供プログラムの構成の概略を説明するブロック図である。
【
図6】評価条件情報データベースが備える評価条件情報の概略を説明する図。
【
図7】係数情報データベースが備える生活習慣算出係数の概略を説明する図
【
図8】健康スコア提供サーバにおける処理の流れを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による健康情報提供システムは、以下のような構成を備える。
【0011】
[項目1]
健康管理対象者の食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のカテゴリのいずれか1つ以上を含む周期的な行動に関する生活習慣情報と、当該健康管理対象者の状態を数値として測定することにより得られる身体状況情報と、を含むライフログ情報を取得する取得部と、
前記ライフログ情報が少なくとも前記カテゴリ毎に評価条件を満たすか否かを評価する評価条件情報を記憶する記憶部と、
取得した前記ライフログ情報と、前記評価条件とに基づいて健康スコアを算出するスコア算出部と、
算出された健康スコアを所定の形式に加工して提供するスコア提供部と、を備える、健康スコア提供サーバ。
[項目2]
前記スコア算出部は、
前記食事、前記運動及び前記睡眠のそれぞれに関して、前記評価条件に基づいて食事スコア、運動スコア、睡眠スコア、喫煙スコア及び飲酒スコアを算出すると共に、これらのスコアに所定の係数を乗じた後に加算することによって生活習慣スコアを算出するステップと、
前記身体状況情報と前記評価条件とに基づいて身体状況スコアを算出するステップと、
前記生活習慣スコアと前記身体状況スコアとを所定の比率で加算するステップと、
を備え、
これらのステップによって前記健康スコアを算出する、項目1に記載の健康スコア提供サーバ。
[項目3]
前記スコア算出部は、前記評価に必要な前記ライフログ情報が不足している場合には、当該不足にかかる前記評価条件を利用せずに前記健康スコアを算出し、
利用された前記評価条件の数又は利用されなかった前記評価条件の数の少なくともいずれかに基づいて前記健康スコアのスコア精度を評価する精度評価部と、
前記スコア精度を提供するスコア精度出力部と、を更に備える、項目1又は項目2に記載の健康スコア提供サーバ。
[項目4]
前記評価に必要な前記ライフログ情報が不足している場合には、前記健康管理対象者に対して、必要な前記ライフログ情報の入力を促す入力促進部を更に備える、項目1乃至項目3のいずれか一つに記載の健康スコア提供サーバ。
[項目5]
前記入力促進部は、前記健康管理対象者が入力することによって前記健康スコアの精度の上昇が見込まれる前記ライフログ情報を特定し、当該特定したライフログ情報の入力を促す、項目4に記載の健康スコア提供サーバ。
[項目6]
前記健康管理対象者によって入力されたライフログ情報に基づいて、利用する前記評価条件の重みづけを変更する、項目1乃至項目5のいずれか一つに記載の健康スコア提供サーバ。
[項目7]
健康管理対象者の食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のカテゴリのいずれか1つ以上を含む周期的な行動に関する生活習慣情報と、当該健康管理対象者の状態を数値として測定することにより得られる身体状況情報と、を含むライフログ情報を取得する取得部と、
前記ライフログ情報が少なくとも前記カテゴリ毎に評価条件を満たすか否かを評価する評価条件情報を記憶する記憶部と、
取得した前記ライフログ情報と、前記評価条件とに基づいて健康スコアを算出するスコア算出部と、
算出された健康スコアを所定の形式に加工して提供するスコア提供部と、を備える、健康スコア提供システム。
[項目8]
健康管理対象者の食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のカテゴリのいずれか1つ以上を含む周期的な行動に関する生活習慣情報と、当該健康管理対象者の状態を数値として測定することにより得られる身体状況情報と、を含むライフログ情報を取得するステップと、
前記ライフログ情報が少なくとも前記カテゴリ毎に評価条件を満たすか否かを評価するステップと、
取得した前記ライフログ情報と、前記評価条件とに基づいて健康スコアを算出するステップと、
算出された健康スコアを所定の形式に加工して提供するステップと、を備える、健康スコアの提供方法。
[項目9]
健康スコアの提供方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記健康スコアの提供方法として、
健康管理対象者の食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のカテゴリのいずれか1つ以上を含む周期的な行動に関する生活習慣情報と、当該健康管理対象者の状態を数値として測定することにより得られる身体状況情報と、を含むライフログ情報を取得するステップと、
前記ライフログ情報が少なくとも前記カテゴリ毎に評価条件を満たすか否かを評価するステップと、
取得した前記ライフログ情報と、前記評価条件とに基づいて健康スコアを算出するステップと、
算出された健康スコアを所定の形式に加工して提供するステップと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【0012】
<実施形態の詳細>
以下、本発明の一実施形態に係る健康スコア提供サーバ(以下、単に「サーバ」ともよぶ。)の具体例を、図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<概要>
本発明の一実施形態に係る健康スコア提供サーバでは、健康管理対象者であるユーザの食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のカテゴリのいずれか1つ以上を含む周期的な行動に関する生活習慣情報と、当該健康管理対象者の状態を数値として測定することにより得られる身体状況情報と、を含むライフログ情報と評価条件情報とに基づいて健康スコアを算出して、その健康スコアをユーザに提供するものである。
【0014】
例えば、健康スコアを算出するためライフログ情報は、生活習慣情報及び身体状況についてユーザに回答させ、夫々の質問項目に対する回答結果に基づいて食事スコア、運動スコア、睡眠スコア、喫煙スコア及び飲酒スコアのいずれか1つ以上を含む生活習慣スコアと身体状況スコアを算出し、これらのスコアに基づいて健康スコアを算出する。
【0015】
本実施形態において、「身体状況」とは、肉体的な状況だけではなく、ストレスチェックやウェルネスサーベイ等の結果から得られる心理面の状況と、単身世帯か否か、所得水準、雇用形態等を含む社会面の状況と、を含む状況である。すなわち、「身体状況」には、肉体面の状況のみならず、心理社会面の状況をも含むものとする。
【0016】
本実施形態において、「健康スコア」とは将来の健康状態を表すものであり、現在の健康状態を表す身体状況スコアと、現在の生活状態を表す生活習慣スコアとから算出されるものである。
【0017】
本実施形態に係る健康スコア提供サーバでは、ライフログ情報を取得して所定の方法で計算することにより、現在の健康状態の評価のみならず、現在の生活習慣を継続した時に予想させる将来の健康状態を加味した健康スコアを算出する。つまり、本実施形態に係る健康スコア提供サーバでは、現状を示す身体状況スコア(現在の身体状況=現在健康状態から算出)と、将来の予想健康スコア、の双方を算出するものである。
【0018】
<構成>
図1は、本実施形態に係る健康スコア提供サーバ30を備える健康スコア提供システム10の概略を説明する図である。
図1に示すように、健康スコア提供システム10は、サーバ30を含んで構成される。サーバ30は、通信ネットワーク100を介してユーザ端末20と通信可能に接続される。
【0019】
本実施形態において、通信ネットワーク100は、例えば、インターネットである。ネットワーク100は、例えば、公衆電話回線網、携帯電話回線網、無線通信網、イーサネット(登録商標)等により構築される。
【0020】
ユーザ端末20は、健康管理対象者であるユーザが操作するコンピュータであり、例えば、携帯型情報端末であるスマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。ユーザはユーザ端末20を操作してサーバ30にアクセスし、ユーザの健康スコアを取得することができる。
【0021】
サーバ30は、ユーザに対して健康スコアを算出して提供するコンピュータである。サーバ30は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0022】
<サーバのハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係るサーバ30を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
図2に示すように、サーバ30は、少なくとも、プロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、送受信部34、及び入出力部35を主要構成として備え、これらが互いにバス36を介して電気的に接続される。
【0023】
プロセッサ31は、サーバ30の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーション・プログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0024】
このプロセッサ31は、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、後述するストレージ33に格納されてメモリ32に展開されたアプリケーション・プログラムを実行して各処理を行う。
【0025】
メモリ32は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置、及びフラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶装置を備える。
【0026】
このメモリ32は、プロセッサ11の作業領域として使用される一方、コンピュータ10の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0027】
ストレージ33は、プログラムや各種の処理に用いられるデータ等が格納されている。このストレージ33に格納されるプログラム等の詳細については、後述する。なお、ストレージ33は、クラウド・コンピューティング技術を利用して利用可能に接続されていてもよい。
【0028】
送受信部34は、サーバ30を通信ネットワーク100に接続する。この送受信部34は、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0029】
入出力部35には、必要に応じて、キーボードやマウスといった情報入力機器やディスプレイ等の出力機器が接続される。
【0030】
バス36は、接続したプロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、送受信部34及び入出力部35の間において、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0031】
<ストレージの構成>
図3は、ストレージ33の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ストレージ33は、ライフログ情報データベース40、健康スコア提供プログラム50、評価条件情報格納データベース60及び係数情報データベース70を備える。
【0032】
ライフログ情報データベース40は、ユーザ端末20から取得したユーザのライフログ情報が記憶される。ライフログ情報データベース40は、生活習慣情報データベース41と身体状況情報データベース42を含み、ストレージ33が提供する記憶領域の一部によって実現される。生活習慣情報データベース41は、食事情報データベース41a、運動情報データベース41b及び睡眠情報データベース41c、その他、図示しない喫煙情報データベース及び飲酒情報データベースを含む。
【0033】
本実施形態では、ライフログ情報データベース40にはライフログ情報が格納される。生活習慣情報データベース41には生活習慣情報が格納され、身体状況情報データベース42には身体状況情報が格納される。また、食事情報データベース41aには食事データが格納され、運動情報データベース41bには運動データが格納され、睡眠情報データベース41cには睡眠データが格納される。その他、生活習慣情報データベース41には、図示しない喫煙情報データベース及び飲酒情報データベースが格納される。
【0034】
図4は、ライフログ情報データベースが備えるライフログ情報の概略を説明する図である。
図4に示すように、ライフログ情報データベース40に格納されるライフログ情報LIは、生活習慣情報LI1と身体状況情報LI2とを含む。生活習慣情報LI1は、ユーザの生活習慣に関する観点に基づく複数のデータを含み、例えば、食事データLI1a、運動データLI1b、睡眠データLI1cを含む。身体状況情報LI2は、ユーザの現在の身体の肉体的な状況だけではなく心理社会面の状況をも含む複数の情報を含む。例えば、身体状況情報LI2は、体組成計でのデータ、健診情報のデータ、心理状況アンケート、家族構成、就労状況等を含む。
【0035】
食事データLI1aは、ユーザの現在の食習慣に関する観点に基づく複数のデータからなる。食事データLI1aは、例えば、ユーザが投稿した食事の写真、ユーザの食事の摂取時間、ユーザの食事の頻度、等を含む。運動データLI1bは、ユーザの現在の運動習慣に関する観点に基づく複数のデータからなる。運動データLI1bは、例えば、ユーザの1日の歩数、ユーザの位置情報、ユーザが利用する交通機関に関するデータ、等を含む。睡眠データLI1cは、ユーザの睡眠に関する観点に基づく複数のデータからなる。睡眠データLI1cは、例えば、ユーザの就寝起床時間、ウェアラブル端末で取得した睡眠に関する情報、睡眠の質、等を含む。なお、図示しない喫煙情報データベースは、例えば喫煙の頻度、1日当たりに吸うたばこの本数や種類に関する情報を含む。また、図示しない飲酒情報データベースは、例えば、飲酒の頻度、1日当たりに摂取する酒の量や酒の種類に関する情報を含む。
【0036】
ライフログ情報LIは、例えば、ユーザ端末20の所定のアプリから取得されることができる。また、例えば、サーバ30からユーザ端末20に対して提供された質問に対するユーザの入力情報をサーバ30が取得することにより得ることができる。ユーザ端末20に対して提供される質問の形式は、質問に対する「はい」「いいえ」の選択肢によって回答する形式や、複数の選択肢から回答を選ぶもの等、種々の形式を採用可能である。例えば、ユーザが全ての質問に回答するとその回答情報がユーザ端末20に(一時的又は継続的に)レコードされるとともに、サーバ30に送信されるように設定される。
【0037】
図5は、健康スコア提供プログラム50の構成の概略を説明するブロック図である。
図5に示すように、健康スコア提供プログラム50は、入出力部51、送受信部52、スコア評価部53、スコア算出部54、スコア提供部55、精度評価部56、スコア精度出力部57及び入力促進部58を備える。
【0038】
入出力部51は、ライフログ情報データベース40の各データベース41、42にアクセスするとともに後述の評価条件情報格納データベース60や係数情報データベース70にアクセスするインターフェースである。入出力部51は、ユーザの少なくとも食事、運動及び睡眠のカテゴリを含む周期的な行動に関する生活習慣情報と、当該健康管理対象者の状態を数値として測定することにより得られる身体状況情報と、を含むライフログ情報をユーザ端末30から取得する。
【0039】
送受信部52は、ライフログ情報を取得するために生成した質問情報を、サーバ30の送受信部34を介してユーザ端末20に送信するとともに、ライフログ情報をサーバ30の送受信部34を介して受信するインターフェースである。なお、質問情報は、質問情報生成部(図示せず)が入出力部51を介してアクセスする質問項目データベース(図示せず)に格納された質問項目を参照して、ユーザに対する生活習慣に関する質問と身体状況に関する質問からなる質問情報(図示せず)を生成することができる。
【0040】
スコア評価部53は、ユーザのライフログ情報が少なくとも食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のカテゴリ毎に評価条件を満たすか否かを評価条件情報を用いて評価する。評価条件情報は、評価条件情報データベース60に格納される。
【0041】
スコア算出部54は、ユーザ端末20から取得したライフログ情報と、評価条件情報とに基づいて健康スコアを算出する。より詳細には、スコア算出部54は、食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のそれぞれに関して、後述の評価条件情報に基づいて食事スコア、運動スコア、睡眠スコア、喫煙スコア及び飲酒スコアを算出すると共に、これらのスコアに所定の係数を乗じた後に加算することによって生活習慣スコアを算出するステップと、ユーザ端末20から取得した身体状況情報と評価条件とに基づいて身体状況スコアを算出するステップと、生活習慣スコアと身体状況スコアとを所定の比率で加算するステップによって健康スコアを算出する。また、スコア算出部54は、健康スコアを算出する際に、評価に必要なライフログ情報が不足している場合には、当該不足にかかる評価条件を利用せずに健康スコアを算出する。
【0042】
スコア提供部55は、スコア算出部54によって算出された健康スコアを所定の形式に加工し、サーバ30の送受信部34を介してユーザ端末20に送信することによりユーザ端末20に提供する。所定の形式とは、健康スコアの数字を含む画像等が挙げられる。
【0043】
精度評価部56は、健康スコアを算出する際に利用された評価条件の数又は利用されなかった評価条件の数の少なくともいずれかに基づいて算出された健康スコアの精度を評価する。すなわち、精度評価部56は、健康スコアを算出する際に利用したデータや評価条件の利用率に基づき、例えば百分率で健康スコアの精度を評価する。なお、健康スコアは生活習慣スコアと身体状況スコアを所定の比率で加算して算出するため、健康スコアのスコア精度の他に、生活習慣スコアの各スコアや身体状況スコアの精度を算出して評価することもできる。また、健康スコアを算出する際に、ユーザによって入力されたライフログ情報に基づいて、利用する評価条件の重みづけを変更しても良い。
【0044】
スコア精度出力部57は、精度評価部56によって評価された健康スコアの精度を、サーバ30の送受信部34を介してユーザ端末20に送信することによりユーザ端末20に提供する。
【0045】
入力促進部58は、評価に必要なライフログ情報が不足している場合には、ユーザに対して必要なライフログ情報の入力を促す情報をサーバ30の送受信部34を介してユーザ端末20に送信する。例えば、健康スコアの精度が低い場合には、利用されていない評価条件を特定し、ユーザに対して入力推奨データを促す。また、入力促進部58は、ユーザが入力することによって健康スコアの精度の上昇が見込まれるライフログ情報を特定し、当該特定したライフログ情報の入力を促すようにすることもできる。
【0046】
図3で示すように、評価条件情報データベース60は、健康スコア提供プログラム50によってアクセス可能に構成され、ストレージ33が提供する記憶領域の一部によって実現される。評価条件情報データベース60は、上記ライフログ情報が少なくともカテゴリ毎に評価条件を満たすか否かを評価する評価条件情報を記憶する。
【0047】
本実施形態では、評価条件情報データベース60には評価条件情報ECが格納される。
図6は、評価条件情報データベース60に格納される評価条件情報ECの概略を説明する図である。評価条件情報データベース60には、食事データLI1aに対する評価条件情報である食事評価条件EC1、運動データLI1bに対する評価条件情報である運動評価条件EC2、睡眠データLI1cに対する評価条件情報である睡眠評価条件EC3、身体状況情報LI2に対する評価条件情報である身体状況評価条件EC4が格納される。その他、評価条件情報データベース60は、図示しない喫煙情評価条件及び飲酒評価条件が格納される。
【0048】
例えば、食事評価条件EC1は、ユーザの食事データにおいて、炭水化物やタンパク質の摂取量が基準範囲であるか、朝食を摂っているか、等を含む。運動評価条件EC2であれば、例えば、1日に10000歩を達成したかどうか等を含む。
【0049】
図3で示すように、係数情報データベース70は、健康スコア提供プログラム50によってアクセス可能に構成され、ストレージ33が提供する記憶領域の一部によって実現される。係数情報データベース70は、スコア算出部54が生活習慣スコアを算出する際に、食事スコア、運動スコア、睡眠スコア、喫煙スコア及び飲酒スコアに乗じる所定の係数に関する情報を記憶する。また、係数情報データベース70は、生活習慣スコアと身体状況スコアとを所定の比率で加算して健康スコアを算出する際に用いる所定の比率に関する情報を記憶する。なお、係数情報データベース70には、ユーザによって入力されたライフログ情報に基づいて、利用する評価条件の重みづけを変更する際に用いる所定の比率を記憶することができる。
【0050】
本実施形態では、係数情報データベース70には係数情報が格納される。
図7は、係数情報データベース70に格納される係数情報の一例である生活習慣算出係数CIの概略を説明する図である。生活習慣算出係数CIは、例えば、非喫煙者の算出係数CI1と喫煙者の算出係数CI2を含む。非喫煙者の算出係数CI1の場合は、非喫煙を前提に生活習慣部分の変動を大きくすることができ、例えば、食事の係数は40%、運動の係数は30%、睡眠の係数は30%に設定することができる。一方、喫煙者の算出係数CI2の場合は、喫煙は健康に対して大きなリスク要因となるため、喫煙50%、食事20%、運動15%、睡眠15%に設定することができる。
【0051】
係数情報データベース70に格納される係数情報として、生活習慣スコアと身体状況スコアとを所定の比率で加算して健康スコアを算出する際に用いる所定の比率に関する情報としては、例えば、生活習慣スコアと身体状況スコアのそれぞれを50%の重みづけで健康スコアを算出することができる。また、係数情報データベース70に格納される係数情報として、利用する評価条件の重みづけを変更する際に用いる所定の比率は、例えば、性別、性別、年齢、体重やBMI(Body mass index)の値によって重みづけを変更することができる。
【0052】
<処理の流れ>
次に、本実施形態に係るサーバ30の処理の流れについて説明する。
図8は、サーバ30において実行される処理の流れを示す図である。
【0053】
まず、本処理の前処理として、サーバ30は、ユーザ端末20から送信されたライフログ情報を取得し、ライフログ情報データベース40に格納する。
【0054】
ステップS101では、入出力部51はライフログ情報を取得する。すなわち、ユーザ端末20から送信され、ライフログ情報データベース40に記憶されたライフログ情報を取得する。ライフログ情報は、ユーザの食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のカテゴリのいずれか1つ以上を含む周期的な行動に関する生活習慣情報と、ユーザの状態を数値として測定することにより得られる身体状況情報を含む。
【0055】
ステップS102では、スコア評価部53は、評価条件情報データベース60を参照して、取得したライフログ情報が少なくともカテゴリ毎に評価条件を満たすか否かを評価する。
【0056】
ステップS103では、スコア算出部54は、食事、運動、睡眠、喫煙及び飲酒のそれぞれに関して、例えば、
図6に示す評価条件情報ECに基づいて食事スコア、運動スコア、睡眠スコア、喫煙スコア及び飲酒スコアを算出し、これらのスコアに所定の係数を乗じた後に加算することによって生活習慣スコアを算出する。ここでは、その時点で取得済みの生活習慣情報(すなわち、
図6においてチェックが入った項目)と、その情報に対応する評価条件のみを利用して各スコアを算出する。
【0057】
ステップS104では、スコア算出部54は、身体状況情報と上記の評価条件とに基づいて身体状況スコアを算出する。ここでは、その時点で取得済みの身体状況情報(すなわち、
図6においてチェックが入った項目)と、その情報に対応する評価条件のみを利用して身体状況スコアを算出する。
【0058】
ステップS105では、ステップS103とステップS104において、評価に必要なライフログ情報が足りているかどうか、その数を確認する。ライフログ情報が足りている場合には(S105=Yes)ステップS109に進み、ライフログ情報が不足している場合には(S105=No)ステップS106に進む。
【0059】
ステップS106では、精度評価部56は、ステップS103とステップS104において評価に必要なライフログ情報が不足していることを理由として利用された評価条件の数又は利用されなかった評価条件の数の少なくともいずれかに基づいて評価条件の利用率(スコア精度)を算出することにより、得られたスコアの精度評価を行う。
【0060】
ステップS107では、スコア精度出力部57は、得られたスコア精度を出力する。また、ステップS107では、入力促進部58は、評価に必要なライフログ情報の入力を促す情報を出力する。すなわち、ユーザに対して、得られたスコア精度と各スコアを算出する際に利用されていないライフログ情報の入力を促す。ここで、入力促進部58は、ユーザが入力することによって健康スコアの精度の上昇が見込まれるライフログ情報を特定し、当該特定したライフログ情報の入力を促すようにしてもよい。
【0061】
ステップS108では、送受信部52がユーザ端末20から送信された新たなライフログ情報を受信したかを確認する。新たなライフログ情報の受信があると判定した場合には(S108=Yes)、その情報を取得するためにステップS101に戻る。ユーザ端末20から新たなライフログ情報の受信がないと判定した場合には(S108=No)、ステップS109に進む。
【0062】
ステップS109では、スコア算出部54は、ステップS103で得られた生活習慣スコアと、ステップS104で得られた身体状況スコアとを所定の比率で加算して、健康スコアを算出する。ここで、ステップS105において評価に必要なライフログ情報が不足している場合には、当該不足にかかる評価条件を利用せずに生活習慣スコア及び/又は身体状況スコアが算出されたことになるため、健康スコアも当該不足にかかる評価条件を利用せずに算出することとなる。
【0063】
ステップS110では、スコア提供部55は、算出された健康スコアを所定の形式に加工する。ステップS111では、加工した健康スコアをユーザ端末20に送信する。ここで、健康スコアと共に、スコア精度をユーザ端末20に送信することもできる。新たなライフログ情報の取得があった場合にはステップS101に戻り、同じ処理が繰り返される。得られた健康スコアは、例えば
図9で示すようなインターフェースとしてユーザの端末20の表示部に表示される。
【0064】
以上のようにして、本実施形態に係るサーバ30によれば、健康管理対象者であるユーザが入力したライフログ情報から健康スコアを算出することにより、ユーザの健康状態を適切に評価することができる。これにより、様々な要因を考慮して健康管理対象者の健康状態を適切に評価するとともに、将来の予想健康状態である健康スコアを提供することができる。
【0065】
また、ライフログ情報が不足している場合には、入力データの数に応じた精度で健康スコアを算出し、得られた健康スコアの精度と、入力が必要なライフログ情報の入力を促すことにより、取得するライフログ情報量を増やすことができる。これを繰り返すことにより、取得するライフログ情報量の増加と、得られる健康スコアの精度を高めることができ、さらには、得られた評価結果の利用が促進される。このように、本実施形態に係るサーバ30によれば、データが揃うほど健康スコアの精度を高めることができ、よりユーザの健康状態を適切に評価することができる。
【0066】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0067】
例えば、ステップS109で健康スコアを算出する際に、ユーザによって入力されたライフログ情報に基づいて、利用する評価条件の重みづけを変更しても良い。この場合、ユーザによって入力されたライフログ情報の追加(新項目追加・既提供項目の更新)に応じて評価精度を最大化するように、当該ユーザに適用する評価条件を選択調整することができる。これは、例えば、評価数式の変更、新規追加項目にウェイトを配分するよう調整して指数算出ウェイトを調整することが挙げられる。その他、平均値、推計値等を用いて予測値を代入する、欠損値処理を行う、等による未入力データ項目処理方法の変更が挙げられる。これにより、入力データの数に応じた精度で健康スコアを算出することができ、ユーザの関心を高めることができる。また、ステップS109で健康スコアを算出する際に、健康管理対象者について過去に算出した(予想)健康スコアと、健康管理対象者現在の身体状況情報との比較に基づいて、利用する評価条件の重みづけを変更しても良い。
【0068】
また、ステップS105の判定は、ライフログ情報を取得するステップS101の後であってもよく、健康スコアを算出したステップS109の後であってもよい。
【0069】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0070】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【符号の説明】
【0071】
10 健康スコア提供システム
20 ユーザ端末
30 サーバ(健康スコア提供サーバ)
33 ストレージ
40 ライフログ情報データベース
41 生活習慣情報データベース
42 身体状況情報データベース
50 健康スコア提供プログラム
51 入出力部
52 送受信部
53 スコア評価
54 スコア算出部
55 スコア提供部
56 精度評価部
57 スコア精度出力部
58 入力促進部
100 通信ネットワーク