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特開2022-130989情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法
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  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法 図1
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  • 特開-情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130989
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04J 3/04 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
H04J3/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029691
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】平岡 欣一
【テーマコード(参考)】
5K028
【Fターム(参考)】
5K028KK01
5K028KK03
5K028KK16
5K028MM06
5K028SS06
5K028SS16
5K028SS24
(57)【要約】
【課題】実行時間を短くする情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、複数の操作卓の複数のメモリモジュールに保存された情報に対して、それぞれビットを選択する選択部と、選択部によってビットが選択された複数のメモリモジュールの情報に対して、同時にアドレス及びビットナンバーを付与して、複数のメモリモジュールから1ビットずつ出力させる出力部と、出力部によって出力されたビットを、操作卓の数だけ集約して、操作情報メモリに書き込む制御部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作卓の複数のメモリモジュールに保存された情報に対して、それぞれビットを選択する選択部と、
前記選択部によって前記ビットが選択された複数の前記メモリモジュールの情報に対して、同時にアドレス及びビットナンバーを付与して、複数の前記メモリモジュールから1ビットずつ出力させる出力部と、
前記出力部によって出力された各ビットを、前記操作卓の数だけ集約して、操作情報メモリに書き込む制御部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
複数のメモリモジュールをそれぞれ有する複数の操作卓と、
複数の前記操作卓の複数の前記メモリモジュールに保存された情報に対して、それぞれビットを選択する選択部と、
前記選択部によって前記ビットが選択された複数の前記メモリモジュールの情報に対して、同時にアドレス及びビットナンバーを付与して、複数の前記メモリモジュールから1ビットずつ出力させる出力部と、
前記出力部によって出力されたビットを、前記操作卓の数だけ集約して、操作情報メモリに書き込む制御部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
複数の操作卓の複数のメモリモジュールに保存された情報に対して、それぞれビットを選択する選択部と、
前記選択部によって前記ビットが選択された複数の前記メモリモジュールの情報に対して、同時にアドレス及びビットナンバーを付与して、複数の前記メモリモジュールから1ビットずつ出力させる出力部と、
前記出力部によって出力されたビットを、前記操作卓の数だけ集約して、操作情報メモリに書き込む制御部としての機能をコンピュータ上で実現させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項4】
複数の操作卓の複数のメモリモジュールに保存された情報に対して、それぞれビットを選択するステップと、
前記ビットが選択された複数の前記メモリモジュールの情報に対して、同時にアドレス及びビットナンバーを付与して、複数の前記メモリモジュールから1ビットずつ出力させるステップと、
出力されたビットを、前記操作卓の数だけ集約して、操作情報メモリに書き込むステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を処理する情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空管制システムにおいて、航空機との無線通信を行う際に、音声信号の接続経路を切り替える音声交換制御部を有する情報処理装置が知られている。音声交換制御部は、管制が行われる各操作卓からの無線設備への送信要求、受話音声選択等を行う情報を集約して、動作を実行する。
【0003】
特許文献1には、各装置から入力されたシリアルデータを受信して、受信したシリアルデータを多重化して送信する回線アダプタ装置が開示されている。その際、回線アダプタ装置は、各装置から出力されたシリアルデータを順番に並べて出力する。ここで、多重化方式は、時分割多重化(Time Division Multiplexing)として標準的なものである。図1は、多重化のイメージを示す模式図である。
【0004】
図1に示すように、12個の操作卓のうち、操作卓01には、0104、0103、0102、0101があり、操作卓02には、0204、0203、0202、0201があり、操作卓12には、1204、1203、1202、1201がある。これらの数字は、情報を示すものである。これらが多重化されると、0202、0102、1201、・・・、0201、0101となる。
【0005】
図2は、従来のHF航空通信システム400を示す機能ブロック図である。図2に示すように、従来のHF航空通信システム400は、複数の操作卓501と、卓制御502(HF-CCNT)と、卓集約403(PRIO-CC)と、音声交換制御部402(PRIO)とを有している。卓集約403及び音声交換制御部402によって、音声交換サブシステム401が構成されている。操作情報は、卓集約403において集約される。卓集約403から送信されるデータ単位は、操作卓501毎ではなく、機能ビット毎である。
【0006】
図3は、ビット毎の伝送のイメージを示す模式図である。図3に示すように、8個の操作卓501から卓集約403のDP-RAMにデータが集約される。このとき、従来のHF航空通信システム400は、音声交換制御部402と操作卓501との伝送において、誤り検出符号が設けられていないため、データがそのまま、卓集約403のDP-RAMに保存される。そして、卓集約403のDP-RAMから、必要な情報のみ選択されて、音声交換制御部402に伝送される。音声交換制御部402では、操作ボタン毎に、全ての操作卓501の操作情報として集約されて、機能毎のDP-RAMに伝送され、それぞれの用途に使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5-7190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来のHF航空管制システムの操作卓の操作情報には、誤り検出符号が設けられていない。このため、情報の信頼性が劣り、誤動作する可能性がある。従って、伝送上を流れるデータを直接利用することができない。よって、確定したデータが保存されたメモリの内部から、操作情報を読み取らなければならない。このため、実行時間が長い。
【0009】
本発明は、上記のような課題を背景としてなされたもので、実行時間を短くする情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る情報処理装置は、複数の操作卓の複数のメモリモジュールに保存された情報に対して、それぞれビットを選択する選択部と、選択部によってビットが選択された複数のメモリモジュールの情報に対して、同時にアドレス及びビットナンバーを付与して、複数のメモリモジュールから1ビットずつ出力させる出力部と、出力部によって出力されたビットを、操作卓の数だけ集約して、操作情報メモリに書き込む制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、アドレス及びビットナンバーを付与することと、ビットを書き込むことという2つの動作を実行するのみで、全てのデータを保存することができる。よって、実行時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】多重化のイメージを示す模式図である。
図2】従来のHF航空通信システムを示す機能ブロック図である。
図3】ビット毎の伝送のイメージを示す模式図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る情報処理システムを示す機能ブロック図である。
図5】本発明の実施の形態1に係るDP-RAMを示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。
【0014】
実施の形態1.
図4は、本発明の実施の形態1に係る情報処理システム100を示す機能ブロック図である。図4に示すように、情報処理システム100は、例えば航空通信システムである。情報処理システム100は、複数の操作卓201と、複数の卓制御202と、音声交換サブシステム101とを備えている。
【0015】
複数の操作卓201は、複数のメモリモジュールをそれぞれ有する。複数の卓制御202は、複数の操作卓201において操作された情報を、シリアル又はTCP/IP等の複数の経路を介して、受信する。そして、複数の卓制御202は、複数の情報を統合し、誤り検出符号を付与して、シリアルにおいて音声交換サブシステム101に伝送する。
【0016】
音声交換サブシステム101は、2つの卓集約103と、音声交換制御部102とを有している。2つの卓集約103は、卓制御202から伝送された情報を、シリアル・パラレル変換してバッファ104に入力する。そして、卓集約103は、SEL105において情報を選択する。これが、本発明の選択部に相当する。選択部は、複数の操作卓201の複数のメモリモジュールに保存された情報に対して、それぞれビットを選択する。卓集約103は、その後、情報をパラレル・シリアル変換106して、音声交換制御部102に伝送する。これは、図1に示す多重化に相当する。
【0017】
音声交換制御部102は、パラレル・シリアル変換106された情報を、シリアル・パラレル変換107して、8ビットにする。音声交換制御部102は、8ビット化された情報を、操作卓201毎のDP-RAM(Dual Port RAM)108に格納する。
【0018】
図5は、本発明の実施の形態1に係るDP-RAM108を示す機能ブロック図である。図5に示すように、DP-RAM108は、「未確定」部分と「確定(誤り検出なし)」部分とのフィールドに分かれている。シリアル・パラレル変換107されたシリアル・パラレル変換データ301は、DP-RAM108における「未確定」部分に保存される。音声交換制御部102は、誤り検出信号が含まれた全てのシリアルの情報を取り込んだのち、更新要求によって、確定後の取り出しアドレスの変更を行う。ここで、操作用の情報として、確定後の情報が使用される。
【0019】
DP-RAM108の「確定」部分から出力された8ビットの情報は、SEL303において、1ビット選択されて、機能別DP-RAM109に出力される。これは、本発明の出力部に相当する。出力部は、選択部によってビットが選択された複数のメモリモジュールに対して、同時にアドレス及びビットナンバーを付与して、複数のメモリモジュールから1ビットずつ出力させる機能を有する。
【0020】
音声交換制御部102は、各操作卓201のDP-RAM108によって選択された1ビットのデータを集約して、機能別DP-RAM109に書き込む。これは、本発明の制御部に相当する。制御部は、出力部によって出力されたビットを、操作卓201の数だけ集約して、操作情報メモリに書き込む機能を有する。
【0021】
なお、上記の選択部と出力部と制御部とによって、情報処理装置100aが構成されている。
【0022】
本実施の形態1によれば、アドレス及びビットナンバーを付与することと、ビットを書き込むことという2つの動作を実行するのみで、全てのデータを保存することができる。よって、実行時間を短くすることができる。
【0023】
従来のHF航空通信システムは、音声交換制御部と操作卓との伝送において、誤り検出符号が設けられていない。このため、データの信頼性に問題がある。一方、誤り検出符号が設けられている場合、データの信頼性は増すものの、全てのデータを保存する必要がある。操作情報がメモリから取り出される際、それぞれのメモリからデータが取り出される必要がある。これ以外に、例えばCPUに読み取らせる手法が考えられる。この場合、操作卓毎に、メモリのアクセス、ビットの選択及び統合が行われる必要がある。従って、この段階において、動作実行時間を余計に消費してしまい、のちの動作に影響を及ぼす。この場合、CPU動作が、アドレス指定、ビット操作及び一時保存の3つ存在する。操作卓が24卓の場合、3動作が24回で、合計72動作が必要となる。更に、確定データの書き込みが必要であるため、合計73動作が必要である。
【0024】
これに対し、本実施の形態1は、アドレス且つビットナンバーの指定、及び、確定データの書き込みという2つの動作のみで完結する。このため、実行時間を大幅に短縮することができる。
【0025】
上記のとおり、実施の形態1に例示した情報処理装置100aは、情報処理システム100に適用することができる。また、実施の形態1に例示した情報処理装置100aの機能を、コンピュータ上で実現させる情報処理プログラムに適用することもできる。更に、情報処理装置100aの機能を有する情報処理方法とすることもできる。
【符号の説明】
【0026】
100 情報処理システム、100a 情報処理装置、101 音声交換サブシステム、102 音声交換制御部、103 卓集約、104 バッファ、105 SEL、106 パラレル・シリアル変換、107 シリアル・パラレル変換、108 DP-RAM、109 機能別DP-RAM、201 操作卓、202 卓制御、301 シリアル・パラレル変換データ、303 SEL、400 HF航空通信システム、401 音声交換サブシステム、402 音声交換制御部、403 卓集約、501 操作卓、502 卓制御。
図1
図2
図3
図4
図5