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特開2022-130996車両状態通信装置及び車両状態通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022130996
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】車両状態通信装置及び車両状態通信システム
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/00 20060101AFI20220831BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20220831BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20220831BHJP
   B60W 50/04 20060101ALI20220831BHJP
   B60W 40/08 20120101ALI20220831BHJP
【FI】
B60W50/00
B60Q1/00 C
B60W60/00
B60W50/04
B60W40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029706
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100183438
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 泰史
(72)【発明者】
【氏名】益子 泰一郎
【テーマコード(参考)】
3D241
3K339
【Fターム(参考)】
3D241BA31
3D241BB72
3D241BB74
3D241CC19
3D241DC01Z
3D241DC18Z
3D241DC21Z
3D241DC33Z
3D241DD01Z
3K339AA02
3K339AA16
3K339AA24
3K339AA34
3K339BA05
3K339BA25
3K339CA01
3K339CA25
3K339DA01
3K339EA07
3K339FA20
3K339GB01
3K339GB21
3K339KA15
3K339MA01
3K339MC03
3K339MC35
3K339MC43
3K339MC56
3K339MC58
3K339MC74
3K339MC76
3K339MC77
3K339MC90
3K339MC91
(57)【要約】
【課題】車両の状態記録の冗長化を行うこと。
【解決手段】車両状態通信装置10は、車両100の状態に係る複数の情報を収集する収集部11と、収集部11によって収集された情報に基づき、車両100の状態を示す信号を生成する信号生成部13と、信号生成部13によって生成された信号が、車両100の灯火装置50の一部である通信用LED52における明滅で示されるように、通信用LED52の明滅を制御する制御部14と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の状態に係る複数の情報を収集する収集部と、
前記収集部によって収集された情報に基づき、前記車両の状態を示す信号を生成する信号生成部と、
前記信号生成部によって生成された信号が、前記車両の灯火装置の一部である可視光通信機における明滅で示されるように、前記可視光通信機の明滅を制御する制御部と、を備える車両状態通信装置。
【請求項2】
前記信号生成部は、前記車両の状態を示す信号として、前記車両の制御状態の複数項目、及び、前記車両の走行状態の複数項目の値を示す信号を生成し、
前記制御部は、前記信号生成部によって生成された信号において示された、前記車両の制御状態及び前記車両の走行状態の各項目の値が、互いに時間的に区別されて前記可視光通信機における明滅で示されるように、前記可視光通信機の明滅を制御する、請求項1記載の車両状態通信装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の車両状態通信装置と、
前記車両の外部に設けられると共に、前記可視光通信機における明滅を撮像し記憶する外部記録装置と、を備える車両状態通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両状態通信装置及び車両状態通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の状態(走行状態及び制御状態)については、車両内に搭載された作動記録装置において記録されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-166072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで上述したような作動記録装置は、車両内に搭載されているため、例えば搭載された車両で交通事故等が発生した際に、破壊されたり又は紛失したりするおそれがある。そのような事態を回避するために、例えば無線回線等を利用して作動記録装置にて記録する情報を外部の装置においても記録する(冗長化する)ことが考えられるが、通信遅延等が発生した場合には外部の装置において必要な情報が記録されないおそれがある。また、例えばインフラカメラ等を利用して車両の走行状態を記録することが考えられるが、この場合に記録できる情報は車両の走行状態(車両を外部から見た状態)だけであり、車両の制御状態については記録することができない。以上のように、従来、車両の状態を、車両に搭載された作動記録装置以外の外部の装置でも適切に記録して車両の状態記録の冗長化を行うことが困難であった。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、車両の状態記録の冗長化を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る車両状態通信装置は、車両の状態に係る複数の情報を収集する収集部と、収集部によって収集された情報に基づき、車両の状態を示す信号を生成する信号生成部と、信号生成部によって生成された信号が、車両の灯火装置の一部である可視光通信機における明滅で示されるように、可視光通信機の明滅を制御する制御部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る車両状態通信装置では、車両の状態に係る複数の情報が収集され、収集された情報に基づき車両の状態を示す信号が生成され、当該信号が可視光通信機(車両の灯火装置の一部)における明滅で示されるように可視光通信機の明滅が制御される。このような構成によれば、車両の灯火装置の一部である可視光通信機の明滅によって、車両の外部に対して、車両の状態を通知することが可能になる。このような方法によれば、通信遅延等を生じさせることなく車両の外部に車両の状態を通知することができ、また、車両の走行状態だけでなく制御状態についても可視光通信機の明滅によって車両の外部に通知することが可能になる。これにより、車両の状態(走行状態及び制御状態)を、車両に搭載された作動記録装置以外の外部の装置でも適切に記録することが可能になり、車両の状態記録の冗長化を実現することができる。また、このような方法によれば、通信インフラ及び専用機器によらずに、制御状態を受信及び記録することが可能になる。さらに、このような方法によれば、冗長化のための通信・記録インフラの整備が不要になり、原価低減を実現することができる。
【0008】
信号生成部は、車両の状態を示す信号として、車両の制御状態の複数項目、及び、車両の走行状態の複数項目の値を示す信号を生成し、制御部は、信号生成部によって生成された信号において示された、車両の制御状態及び車両の走行状態の各項目の値が、互いに時間的に区別されて可視光通信機における明滅で示されるように、可視光通信機の明滅を制御してもよい。このように、車両の状態の各項目の値が、互いに時間的に区別されて可視光通信機における明滅で示されることにより、車両の複数の状態を適切に外部の装置に通知することができる。
【0009】
本発明の一態様に係る車両状態通信システムは、上述した車両状態通信装置と、車両の外部に設けられると共に、可視光通信機における明滅を撮像し記憶する外部記録装置と、を備える。本発明の一態様に係る車両状態通信システムによれば、車両の状態(走行状態及び制御状態)を、車両に搭載された作動記録装置以外の外部の装置でも適切に記録し、車両の状態記録の冗長化を実現することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車両の状態記録を適切に冗長化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る車両状態通信システムについて説明する図である。
図2】灯火装置の構成を説明する図である。
図3】車両状態通信装置の機能構成を説明する図である。
図4】制御信号の一例を示す図である。
図5】制御信号と制御信号に応じた明滅の波形の一例を説明する図である。
図6】制御信号と制御信号に応じた明滅の波形の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付すこととし、同一又は相当の部分に対する重複した説明は省略する。
【0013】
本実施形態に係る車両状態通信システムは、車両の状態に係る情報を車両の外部の装置に対して通知し、該車両の状態を外部の装置において記録するシステムである。車両の状態に係る情報とは、例えば車両の制御状態及び車両の走行状態に係る情報である。車両の制御状態に係る情報とは、例えば車両が制御されている状態に係る情報であり、例えば車両の制御モードの情報(自動運転であれば、自動運転の詳細なモードの情報)、車両制御に係るドライバの状態の情報、車両制御に係るドライバの操作の情報、車両制御に係るシステム異常の情報等である。また、車両の走行状態に係る情報とは、例えば車両が走行している状態における車両及び車両の周囲の視覚的な情報であり、例えば車両の前方において認識される物標の情報、車両の右後方において認識される物標の情報、車両の左後方において認識される物標の情報等である。本実施形態に係る車両状態通信システムは、一例として、自動運転中の車両の状態に係る情報を外部の装置において記録する。以下では、車両が自動運転車両であるとして説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る車両状態通信システム1について説明する図である。車両状態通信システム1は、車両100の状態に係る情報を車両100の外部の装置に対して通知し、該車両100の状態を外部の装置において記録する。車両100は、例えば自動運転を行う商用車である。車両100は、灯火装置50を有している。灯火装置50は、例えば車両の前面に設けられたデイライト、及び、車両の背面に設けられた尾灯等、常時点灯する灯火装置を有している。灯火装置50は、応答性の観点等から、例えばLED(Light Emitting Diode)を含んで構成されている。
【0015】
図2は、灯火装置50の構成を説明する図である。灯火装置50は、複数のLEDを含んで構成されており、複数の常時点灯LED51と、複数の通信用LED52とを有している。図2に示される例では、複数並んで配置されたLEDの内、四隅に配置された4つのLEDが通信用LED52(可視光通信機)であり、その他のLEDが常時点灯LED51である。常時点灯LED51は、車両100の走行中において原則常時点灯している。通信用LED52は、後述する車両状態通信装置10において生成された制御信号に応じた明滅動作により、外部の装置に対して車両の状態を通知する可視光通信機として機能する。詳細は後述する。
【0016】
図1に戻り、車両状態通信システム1は、車両100に搭載された車両状態通信装置10と、車両100の外部に設けられた外部記録装置の一例としての、ドライブレコーダ20及びインフラカメラ30と、を備えている。ドライブレコーダ20及びインフラカメラ30は、車両100の通信用LED52における明滅を撮像し記録する。ドライブレコーダ20は、車両100の周囲(ここでは後方)の車両200に搭載されている。インフラカメラ30は、車両100が走行する道路上に設けられている。なお、ドライブレコーダ20及びインフラカメラ30は、いずれも、車両100の通信用LED52の明滅を撮像する専用の構成ではなく、それぞれ通常の用途(ドライブレコーダ20であれば車両200の前方映像及び音声を記録すること、インフラカメラ30であれば道路の監視等のために映像を記録すること)で用いられた場合に、結果として、通信用LED52における明滅を撮像し記録することとなる。
【0017】
車両状態通信装置10は、車両100の状態に係る情報を収集し、収集した情報に基づき車両100の状態を示す信号を生成し、生成された信号が通信用LED52における明滅で示されるように通信用LED52を制御することにより、車両100の外部の装置(例えばドライブレコーダ20及びインフラカメラ30)に対して車両100の状態を通知する装置である。
【0018】
図3は、車両状態通信装置10の機能構成を説明する図である。図3に示されるように、車両状態通信装置10は、その機能構成として、収集部11と、記憶部12と、信号生成部13と、制御部14と、を備えている。
【0019】
収集部11は、車両100の状態に係る複数の情報を収集する。収集部11は、例えば車内ネットワークから車両100の状態に係る各情報を収集する。収集部11は、車両100の制御状態に係る情報として、例えば、車両100の自動運転モードの情報、車両100のドライバの状態の情報、車両100のドライバ操作の情報、車両100に係るシステム異常の情報を取得する。自動運転モードの情報とは、例えば、マニュアルであるか否か、ACC(Adaptive Cruise Control)の実施有無、LCA(lanechange assist)の実施有無等の情報である。ドライバの状態の情報とは、例えば、ドライバの意識有無の判断、集中力低下の検出、わき見検出等が可能になるドライバモニター情報である。ドライバ操作の情報とは、例えば、一定時間内にステア/アクセル/ブレーキ/ハンドオーバ操作等がなされたかを示す各種ペダル及びボタン等の情報である。システム異常の情報とは、例えば、車両の走行に係る異常を示すシステム故障情報及びハンドオーバ要求に係る情報である。また、収集部11は、車両100の走行状態に係る情報として、例えば、車両100の前方において認識される物標の情報、車両100の右後方において認識される物標の情報、車両100の左後方において認識される物標の情報等を取得する。車両100の前方において認識される物標の情報とは、例えば、ACC又はPCS(Pre Crash Safety system)等によって認識されている物標の情報(センサによって検知されると共にACC又はPCSの作動対象(入力)とされている物標の情報)である。車両の右後方及び左後方において認識される物標の情報とは、例えば、LCA又はSAM(Seamless Autonomous Mobility)等によって認識されている物標の情報(センサによって検知されると共にLCA又はSAMの作動対象(入力)とされている物標の情報)である。
【0020】
記憶部12は、収集部11によって収集された各種情報(すなわち、車内ネットワークから収集された車両100の状態に係る情報)を記憶するデータベースである。
【0021】
信号生成部13は、収集部11によって収集されて記憶部12に記憶されている情報に基づき、車両100の状態を示す信号を生成する。信号生成部13は、車両100の状態を示す信号として、車両100の制御状態の複数項目(具体的には、例えば、車両100の自動運転モードの情報、車両100のドライバの状態の情報、車両100のドライバ操作の情報、車両100に係るシステム異常の情報)の値、及び、車両100の走行状態の複数項目(具体的には、例えば、車両100の前方において認識される物標の情報、車両100の右後方において認識される物標の情報、車両100の左後方において認識される物標の情報)の値を示す信号を生成する。
【0022】
図4は、信号生成部13によって生成される信号(制御信号)の一例である。制御信号は、例えば、スタートビット1bitと、メッセージ部分8bitと、ストップビット1bitと、を含む10bitの信号とされる。図4に示されるように、例えば、スタートビットの値は「1」で固定値とされ、ストップビットの値は「0」で固定値とされる。図4に示される例では、メッセージ部分に、自動運転モードの値、ドライバ状態の値、ドライバ操作の値、前方の注目物標の値、右/後方の注目物標の値、左/後方の注目物標の値、システム異常の値が示される。自動運転モードの値のみ2bitで表現され、自動運転のレベルがレベル2を上回るか、レベル2であるか、レベル1であるか、マニュアルであるか、が区別されて表現される。ドライバ状態の値はドライバの正常又は異常を、ドライバ操作の値はドライバ操作の有無を、注目物標の値は物標の有無を、システム異常の値はシステム異常の有無を、それぞれ示す。信号生成部13は、制御部14による制御信号の送信周波数(詳細は後述)に応じて、例えば数秒に1回程度の頻度で制御信号を生成(更新)する。
【0023】
図3に戻り、制御部14は、信号生成部13によって生成された信号である制御信号が、車両100の灯火装置50の一部である通信用LED52(図2参照)における明滅で示されるように、通信用LED52の明滅を制御する。制御部14は、制御信号を通信用LED52に送信し、制御信号において示された、車両100の制御状態及び車両100の走行状態の各項目の値が、互いに時間的に区別されて通信用LED52における明滅で示されるように、通信用LED52の明滅を制御する。制御部14は、互いに異なる制御信号の境が不明になることを防止するために、制御信号の送信間隔を、少なくとも1つの制御信号の送信時間以上とする。制御部14は、例えば1秒間で10bitの制御信号を送信する場合には、制御信号の送信を開始してから数秒待機した後に、新たな制御信号を送信する。なお、通信用LED52を介した可視光信号を最も受信する可能性が高いと考えられるドライブレコーダ20は、通常、27Hz前後で画像を記録する。このため、制御部14から通信用LED52に送付される制御信号は、サンプリング定理を考慮して13.5Hz以下とされることが好ましい。このような13.5Hz以下の明滅は肉眼でも観測可能であるため、車両灯火のご認識につながることがないよう、通信用LED52は、全ての灯火装置50の一部(四隅)のみとされている。
【0024】
図5及び図6は、制御信号と制御信号に応じた明滅の波形の一例を説明する図である。いま、車両100の状態が、「左端の車線をレベル2(ACC+LTC)で定速走行、ドライバは前方を監視しているがステアリングから長時間手を放しており警告中、前方と右車線後方に接近車両を検知」という状態であるとする。この場合、図5(a)に示されるように、制御信号における自動運転モードの値はレベル2を示す「0」「1」、ドライバ状態の値は意識有りを示す「0」、ドライバ操作の値は無しを示す「1」、前方及び右後方の注目物標の値は有りを示す「1」、左後方の注目物標の値は無しを示す「0」、システム異常の値は手放し状態を警告中であることから異常有りを示す「1」がそれぞれ設定される。図5(b)において、横軸は時間を縦軸は値(1or0)を示している。値が1である場合に通信用LED52の明かりがついた状態とされ、値が0である場合に通信用LED52の明かりが消えた状態とされるとする。図5(a)に示されるように生成された制御信号は、図5(b)に示されるように、車両状態の各項目の値が互いに時間的に区別されて通信用LED52における明滅で示される。
【0025】
また、いま、車両100の状態が、「追い越し車線をレベル3(自動運転中はシステムが責任を負う)で定速走行、ドライバはセカンドタスク中、左車線前方に接近車両有り、システム異常未検出」という状態であるとする。この場合、図6(a)に示されるように、制御信号における自動運転モードの値はレベル2を上回ることを示す「0」「0」、ドライバ状態の値は意識有りを示す「0」、ドライバ操作の値はセカンドタスク中のため無しを示す「1」、前方及び右後方の注目物標の値は無しを示す「0」、左後方の注目物標の値は有りを示す「1」、システム異常の値は異常未検出のため異常無しを示す「0」がそれぞれ設定される。図6(a)に示されるように生成された制御信号は、図6(b)に示されるように、車両状態の各項目の値が互いに時間的に区別されて通信用LED52における明滅で示される。
【0026】
次に、本実施形態に係る車両状態通信装置10及び車両状態通信システム1の作用効果について説明する。
【0027】
本実施形態に係る車両状態通信装置10は、車両100の状態に係る複数の情報を収集する収集部11と、収集部11によって収集された情報に基づき、車両100の状態を示す信号を生成する信号生成部13と、信号生成部13によって生成された信号が、車両100の灯火装置50の一部である通信用LED52における明滅で示されるように、通信用LED52の明滅を制御する制御部14と、を備える。
【0028】
本実施形態に係る車両状態通信装置10では、車両100の状態に係る複数の情報が収集され、収集された情報に基づき車両100の状態を示す信号が生成され、当該信号が通信用LED52(車両100の灯火装置50の一部)における明滅で示されるように通信用LED52の明滅が制御される。このような構成によれば、車両100の灯火装置50の一部である通信用LED52の明滅によって、車両100の外部に対して、車両100の状態を通知することが可能になる。このような方法によれば、通信遅延等を生じさせることなく車両100の外部に車両100の状態を通知することができ、また、車両100の走行状態だけでなく制御状態についても通信用LED52の明滅によって車両100の外部に通知することが可能になる。これにより、車両100の状態(走行状態及び制御状態)を、車両100に搭載された作動記録装置以外の外部の装置でも適切に記録することが可能になり、車両100の状態記録の冗長化を実現することができる。
【0029】
信号生成部13は、車両100の状態を示す信号として、車両100の制御状態の複数項目、及び、車両100の走行状態の複数項目の値を示す信号を生成し、制御部14は、信号生成部13によって生成された信号において示された、車両100の制御状態及び車両100の走行状態の各項目の値が、互いに時間的に区別されて通信用LED52における明滅で示されるように、通信用LED52の明滅を制御してもよい。このように、車両100の状態の各項目の値が、互いに時間的に区別されて通信用LED52における明滅で示されることにより、車両100の複数の状態を適切に外部の装置に通知することができる。
【0030】
本実施形態に係る車両状態通信システム1は、上述した車両状態通信装置10と、車両100の外部に設けられると共に、通信用LED52における明滅を撮像し記憶する外部記録装置としてのドライブレコーダ20及びインフラカメラ30と、を備える。本実施形態に係る車両状態通信システム1によれば、車両100の状態(走行状態及び制御状態)を、車両100に搭載された作動記録装置以外の外部の装置でも適切に記録し、車両100の状態記録の冗長化を実現することができる。
【符号の説明】
【0031】
1…車両状態通信システム、10…車両状態通信装置、11…収集部、13…信号生成部、14…制御部、20…ドライブレコーダ、30…インフラカメラ、50…灯火装置、52…通信用LED、100…車両。
図1
図2
図3
図4
図5
図6