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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131054
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/406 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
G11C11/406 120
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029784
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 伸也
【テーマコード(参考)】
5M024
【Fターム(参考)】
5M024AA22
5M024BB22
5M024BB39
5M024EE09
5M024EE30
5M024PP01
(57)【要約】
【課題】消費電力の増大を抑制するとともに、ロウハンマー問題によるデータ破壊を回避することの可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置10は、外部から入力された所定のコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に関する情報に基づいてメモリセルのリフレッシュ間隔を設定するリフレッシュ制御部(第1制御部)16を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入力された所定のコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に関する情報に基づいて前記メモリセルのリフレッシュ間隔を設定する第1制御部を備える、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記所定のコマンドは、前記半導体記憶装置の機能を設定するためのコマンドである、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1制御部は、前記所定のコマンドが外部から入力される毎に、前記所定のコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に関する情報に基づいて前記メモリセルのリフレッシュ間隔を設定する、請求項1又は2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
アレイ状に配置された複数のメモリセルを含むメモリセルアレイが複数のブロックに分割されている場合に、前記複数のブロックのうち何れかのブロックを選択する第2制御部であって、選択されたブロック内の複数のメモリセルに記憶されるデータに対して生成された誤り訂正符号内の検査データを所定の記憶領域に記憶する第2制御部を備える、請求項1~3の何れかに記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記所定の記憶領域は、前記メモリセルアレイとは異なる他のメモリセルアレイに設けられている、請求項4に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記所定の記憶領域は、前記複数のブロックのうち選択されたブロックとは異なる他のブロックに設けられている、請求項4に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
アレイ状に配置された1T1C型の複数のメモリセルを含むメモリセルアレイが複数のブロックに分割されている場合に、前記複数のブロックのうち何れかのブロックを選択する第2制御部であって、選択されたブロック内の複数のメモリセルに記憶されるデータを、2T2C型のメモリセルで構成された所定の記憶領域に記憶する第2制御部を備える、請求項1~6の何れかに記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第2制御部は、外部から入力された所定のコマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて、前記複数のブロックのうち何れかのブロックを選択する、請求項4~7の何れかに記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置の一種であるDRAM(Dynamic Random Access Memory)は、メモリセルを構成するキャパシタ(コンデンサ)に電荷を蓄えることによって情報を記憶し、電源が供給されなくなると、記憶された情報が失われる揮発性メモリである。コンデンサに蓄えられた電荷は、一定時間が経過すると放電するため、DRAMは、定期的に電荷をチャージするリフレッシュという記憶保持動作が必要になる(例えば、特許文献1~3)。
【0003】
ところで、次のリフレッシュが行われるまでの間に同一のロウ(Row)アドレスに対して多くの読み出し及び/又は書き込み要求が集中すると、ロウハンマー(Row Hammer)問題が発生する可能性がある。ロウハンマー問題とは、一定時間内に同一のロウアドレスに対して多くのアクセスが集中した場合に、当該ロウアドレスに対して物理的に隣接するロウアドレスに対応するデータビットの電荷が放電することによって、データ破壊を引き起こす問題である。
【0004】
半導体記憶装置に対する読み書きアクセス要求の態様とリフレッシュ間隔との関係の一例を図1に示す。図1に示す例では、一定時間(間隔I1)が経過する毎にリフレッシュが行われることを想定している。図1(a)に示すように、読み書きアクセスが頻繁に要求されない場合には、メモリのデータ保持特性が損なわれることがない。しかしながら、図1(b)に示すように、読み書きアクセスが頻繁に要求されると、メモリのデータ保持特性が損なわれ(つまり、データビットの電荷が放電し)、データ保持時間が短くなる。これにより、データ破壊が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許公開公報第107924697号
【特許文献2】米国特許公報第9741421号
【特許文献3】台湾特許公開公報第201535366号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかるロウハンマー問題を解決するために、例えば、メモリセルのリフレッシュ間隔(I1)を常に短く設定することが考えられる。しかしながら、この場合には、リフレッシュが短い間隔で頻繁に行われるようになることから、半導体記憶装置の消費電力が増大する虞があった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、消費電力の増大を抑制するとともに、ロウハンマー問題によるデータ破壊を回避することの可能な半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、外部から入力された所定のコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に関する情報に基づいて前記メモリセルのリフレッシュ間隔を設定する第1制御部を備える、半導体記憶装置を提供する(発明1)。
【0009】
かかる発明(発明1)によれば、所定のコマンドが外部から入力されると、当該コマンドに含まれるリフレッシュ間隔に関する情報に基づいてメモリセルのリフレッシュ間隔が設定されるので、当該コマンドを外部装置(例えば、メモリコントローラ等)から半導体記憶装置に送信することによって、メモリセルのリフレッシュ間隔を外部から設定することが可能になる。これにより、メモリセルのリフレッシュ間隔を任意に設定することができるので、メモリセルのリフレッシュ間隔が常に短く設定されている場合と比較して、消費電力の増大を抑制することができるとともに、ロウハンマー問題によるデータ破壊を回避することができる。
【0010】
上記発明(発明1)においては、前記所定のコマンドは、前記半導体記憶装置の機能を設定するためのコマンドであってもよい(発明2)。
【0011】
かかる発明(発明2)によれば、半導体記憶装置の機能を設定するタイミング(例えば、電源投入時等)において、メモリセルのリフレッシュ間隔を設定することが可能になる。
【0012】
上記発明(発明1~2)においては、前記第1制御部は、前記所定のコマンドが外部から入力される毎に、前記所定のコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に関する情報に基づいて前記メモリセルのリフレッシュ間隔を設定してもよい(発明3)。
【0013】
かかる発明(発明3)によれば、所定のコマンドが外部から入力される毎にメモリセルのリフレッシュ間隔が設定されるので、メモリセルのリフレッシュ間隔を適宜変更することが可能になる。
【0014】
上記発明(発明1~3)においては、アレイ状に配置された複数のメモリセルを含むメモリセルアレイが複数のブロックに分割されている場合に、前記複数のブロックのうち何れかのブロックを選択する第2制御部であって、選択されたブロック内の複数のメモリセルに記憶されるデータに対して生成された誤り訂正符号内の検査データを所定の記憶領域に記憶する第2制御部を備えてもよい(発明4)。
【0015】
例えば、Wi-Fi(登録商標)等の通信分野のアプリケーションでは、グローバル変数等がメモリセルアレイに記憶された場合に、当該グローバル変数等が連続的に読み出し又は書き換えられる等のように、同一のアドレスに対して集中的にアクセスが行われる場合がある。この場合、同一のアドレスに対して集中的にアクセスが行われることによって、ロウハンマー問題が発生する虞があった。
【0016】
また、誤り訂正符号(符号化データ)を用いてデータを半導体記憶装置に記憶することによって、半導体記憶装置に記憶されたデータにエラー(例えば、ロウハンマー問題に起因する反転や消失等)が発生した場合であっても当該エラーを検出及び訂正することが可能になるので、データの保持特性を高めることができる。しかしながら、メモリセルアレイに記憶される全てのデータに対して誤り訂正符号を生成する場合には、誤り訂正に用いられる検査データ等を記憶する回路の規模が増大するため、エリアペナルティが大きくなる虞があった。
【0017】
かかる発明(発明4)によれば、メモリセルアレイ内の複数のブロックのうち選択されたブロックに記憶されたデータのみに対して誤り訂正符号を生成することが可能になるので、選択されたブロックに記憶されるデータの保持特性を高めることができる。また、かかる発明(発明4)によれば、メモリセルアレイに記憶される全てのデータに対して誤り訂正符号を生成する場合と比較して、検査データ等を記憶する回路の規模が増大するのを抑制することが可能になるので、エリアペナルティを低減することができる。
【0018】
上記発明(発明4)においては、前記所定の記憶領域は、前記メモリセルアレイとは異なる他のメモリセルアレイに設けられてもよい(発明5)。
【0019】
かかる発明(発明5)によれば、誤り訂正符号内の検査データを、データが記憶されるメモリセルアレイとは異なる他のメモリセルアレイに記憶することが可能になるので、同じメモリセルアレイに検査データが記憶されることによってデータの記憶容量が低減するのを抑制することができる。
【0020】
上記発明(発明4)においては、前記所定の記憶領域は、前記複数のブロックのうち選択されたブロックとは異なる他のブロックに設けられてもよい(発明6)。
【0021】
かかる発明(発明6)によれば、誤り訂正符号内の検査データを、データが記憶されるメモリセルアレイと同じメモリセルアレイに記憶することが可能になるので、検査データを記憶するために異なるメモリセルアレイが設けられることによって回路規模が増大するのを抑制することができる。
【0022】
上記発明(発明1~6)においては、アレイ状に配置された1T1C型の複数のメモリセルを含むメモリセルアレイが複数のブロックに分割されている場合に、前記複数のブロックのうち何れかのブロックを選択する第2制御部であって、選択されたブロック内の複数のメモリセルに記憶されるデータを、2T2C型のメモリセルで構成された所定の記憶領域に記憶する第2制御部を備えてもよい(発明7)。
【0023】
かかる発明(発明7)によれば、メモリセルアレイ内の複数のブロックのうち選択されたブロックに記憶されたデータのみを2T2C型のメモリセルに記憶することが可能になるので、選択されたブロックに記憶されるデータの保持特性を高めることが可能になる。また、かかる発明(発明7)によれば、メモリセルアレイ内の全てのメモリセルを2T2C型で構成する必要がないので、例えばメモリセルアレイ内の全てのメモリセルを2T2C型で構成した場合と比較して、回路規模を縮小させることができる。
【0024】
上記発明(発明4~7)においては、前記第2制御部は、外部から入力された所定のコマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて、前記複数のブロックのうち何れかのブロックを選択してもよい(発明8)。
【0025】
かかる発明(発明8)によれば、所定のコマンドが外部から入力されると、当該コマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて、複数のブロックのうち何れかのブロックが選択されるので、当該コマンドを外部装置(例えば、メモリコントローラ等)から半導体記憶装置に送信することによって、複数のブロックのうち何れかのブロック(つまり、所定の記憶領域に記憶されるデータに対応するブロック)を外部から設定(選択)することが可能になる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の半導体記憶装置によれば、消費電力の増大を抑制するとともに、ロウハンマー問題によるデータ破壊を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来の半導体記憶装置に対する読み書きアクセス要求の態様とリフレッシュ間隔との関係の一例を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示すブロック図である。
図3】第1構成レジスタの構成例を示す図である。
図4】(a)は、リフレッシュ制御部の構成例を示す図であり、(b)は、分周器の構成例を示す図であり、(c)は、複数のモード毎のリフレッシュ要求信号を示すタイムチャートである。
図5】第2構成レジスタの構成例を示す図である。
図6】本実施形態の半導体記憶装置におけるデータ制御の一例を説明する図である。
図7】リフレッシュ間隔が設定される場合の半導体記憶装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図8】本発明の第2実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す図である。
図9】本実施形態の半導体記憶装置におけるデータ制御の一例を説明する図である。
図10】本発明の第3実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す図である。
図11】第2構成レジスタの構成例を示す図である。
図12】本実施形態の半導体記憶装置におけるデータ制御の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係る半導体記憶装置について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】
また、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の表記は、或る構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるものであって、当該構成要素の数、順序又は優先度等を限定するためのものではない。例えば、「第1要素」及び「第2要素」との記載が存在する場合、「第1要素」及び「第2要素」という2つの要素のみが採用されることを意味するものではないし、「第1要素」が「第2要素」に先行しなければならないことを意味するものでもない。
【0030】
(第1実施形態)
図2は、本発明の第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る半導体記憶装置10は、I/O部11と、コマンドデコーダ12と、アドレスデコーダ13と、データバス制御部14と、メモリコア15と、リフレッシュ制御部16と、ECC制御部17と、を備える。半導体記憶装置10内の各部11~17は、専用のハードウェアデバイスや論理回路によって構成されてもよい。なお、本実施形態では、説明を簡略化するために、例えば電源回路、クロックジェネレータ等の他の周知の構成が示されていない。
【0031】
本実施形態に係る半導体記憶装置は、DRAMや、リフレッシュ動作を内部で制御するように構成されたpSRAM(pseudo-Static Random Access Memory)であってもよい。従来のDRAMでは、例えば、ディスターブワード線アドレスを登録し、追加のリフレッシュ動作でデータを回復する等によってロウハンマー問題を解決するように構成された専用の回路が設けられているものが存在する。一方、pSRAMは、従来のDRAMと比較して小型化が進んでいるため、このような専用の回路を設けるためのスペースを確保することが困難である。また、仮に、このような専用の回路をpSRAMに設けた場合には、pSRAMのコストが嵩む虞がある。
【0032】
そこで、本実施形態に係る半導体記憶装置がpSRAMである場合には、このような専用の回路を設けることなく、消費電力の増大を抑制するとともに、ロウハンマー問題によるデータ破壊を回避することができるので、好適である。
【0033】
I/O部11は、外部装置(例えば、メモリコントローラ等)との間で信号の送受信を行うように構成されている。具体的に説明すると、I/O部11は、外部装置から入力されたコマンド信号をコマンドデコーダ12に出力する。また、I/O部11は、外部装置から入力されたアドレス信号をアドレスデコーダ13に出力する。さらに、I/O部11は、外部装置から入力されたデータ信号(以降、「データ」と称する)をデータバス制御部14に出力し、データバス制御部14から出力されたデータを外部装置に出力する。
【0034】
コマンドデコーダ12は、I/O部11を介して外部から入力されたコマンド信号をデコードして、内部コマンドを生成する。ここで、生成される内部コマンドには、例えば、アクティブ信号、リード信号、ライト信号、プリチャージ信号等が含まれる。また、コマンドデコーダ12は、内部コマンドを生成した場合に、読み出し又は書き込みアクセスやリフレッシュ等の対象となるワード線を活性化するための信号をメモリコア15のロウデコーダ15a(後述する)に出力する。さらに、コマンドデコーダ12は、内部コマンドを生成した場合に、読み出し又は書き込みアクセスやリフレッシュ等の対象となるビット線を活性化するための信号をメモリコア15のカラムデコーダ15b(後述する)に出力する。さらにまた、コマンドデコーダ12は、生成した内部コマンドをアドレスデコーダ13及びデータバス制御部14に出力して、アドレスデコーダ13及びデータバス制御部14の各々を内部コマンドに基づいて制御させてもよい。
【0035】
また、コマンドデコーダ12は、半導体記憶装置10の機能を設定するためのレジスタ書き込みコマンド(所定のコマンド)が外部装置からI/O部11を介して入力された場合であって、第1構成レジスタの設定内容を示す第1構成レジスタ情報(図3に示す)がレジスタ書き込みコマンドに含まれている場合に、第1構成レジスタ情報を第1構成レジスタ(図示省略)に記憶する。さらに、コマンドデコーダ12は、第1構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンドが入力された場合に、レジスタ書き込みコマンドをリフレッシュ制御部16に出力する。さらにまた、コマンドデコーダ12は、ハイレベルのリフレッシュ信号srefz(図4に示す)がリフレッシュ制御部16から入力される毎に、リフレッシュの対象となるメモリセルのアドレスを示す信号をアドレスデコーダ13に出力する。
【0036】
図3を参照して、第1構成レジスタの構成例について説明する。図3は、HyperBusTMインタフェースを用いたpSRAMの第1構成レジスタ(CR0)を一例として示している。第1構成レジスタは、半導体記憶装置10の電力モードやアクセスプロトコルの動作条件等の定義に用いられるものであり、図3に示すように、所定数のビット(図の例では、16ビット)内で割り当てられたいくつかの機能(図の例では、「ディープパワーダウンイネーブル」、「駆動強度」、「リフレッシュ間隔」、「初期レイテンシ」、「固定レイテンシ」、「ハイブリッドバーストモード」、「バースト長」)を外部から指定することができるように構成されている。なお、図3に示す「リフレッシュ間隔」以外の他の機能に関しては本発明と特に関係がないので、詳細な説明を省略する。
【0037】
本実施形態では、第1構成レジスタのビット11~9において、リフレッシュ間隔を指定することができるように構成されている。図3に示す例では、第1構成レジスタのビット11~9の値によって複数(図の例では、4つ)のモード(図の例では、「ModeA」、「ModeB」、「ModeC」、「ModeD」)及び通常動作(デフォルト)モードのうち何れかのモードが指定されるようになっている。ここで、各モードは、本発明における「リフレッシュ間隔に関する情報」の一例である。図3に示す例では、第1構成レジスタのビット11~9の値が000bの場合にはModeAが指定され、第1構成レジスタのビット11~9の値が001bの場合にはModeBが指定され、第1構成レジスタのビット11~9の値が010bの場合にはModeCが指定され、第1構成レジスタのビット11~9の値が011bの場合にはModeDが指定され、第1構成レジスタのビット11~9の値が111bの場合には通常動作モードが指定される。各モードのリフレッシュ間隔は互いに異なっており、本実施形態では、通常動作モード、ModeA、ModeB、ModeC、ModeDの順にリフレッシュ間隔が短くなるように構成されている。
【0038】
図3に示す第1構成レジスタの内容は、例えば、第1構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンドが半導体記憶装置10の電源投入時に外部装置から入力されることによって、半導体記憶装置10内の第1構成レジスタに書き込まれてもよい。また、第1構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンドは、半導体記憶装置10に電源が投入されている間、任意のタイミングで入力されてもよい。
【0039】
図2に戻ると、アドレスデコーダ13は、I/O部11を介して外部から入力されたアドレス信号や、コマンドデコーダ12から入力されたリフレッシュの対象となるメモリセルのアドレスを示す信号をデコードして、メモリコア15のメモリセルアレイ15c内の複数のワード線のうち活性化されるワード線を示すロウアドレス信号を生成する。そして、アドレスデコーダ13は、生成したロウアドレス信号をメモリコア15のロウデコーダ15aに出力する。
【0040】
また、アドレスデコーダ13は、I/O部11を介して外部から入力されたアドレス信号をデコードして、メモリコア15のメモリセルアレイ15c内の複数のビット線のうち活性化されるビット線を示すカラムアドレス信号を生成する。そして、アドレスデコーダ13は、生成したカラムアドレス信号をメモリコア15のカラムデコーダ15bに出力する。
【0041】
データバス制御部14は、I/O部11を介して外部から入力されたデータをメモリコア15のセンスアンプ(図示省略)及びECC制御部17に出力する。また、データバス制御部14は、メモリコア15のセンスアンプ又はECC制御部17から出力されたデータをI/O部11に出力する。
【0042】
本実施形態において、メモリコア15は、ロウデコーダ15aと、カラムデコーダ15bと、メモリセルアレイ15cと、ECCセルアレイ15dと、センスアンプ(図示省略)と、を備える。
【0043】
ロウデコーダ15aは、読み出し又は書き込みアクセスやリフレッシュ等の対象となるワード線を活性化するための信号がコマンドデコーダ12から入力された場合に、メモリセルアレイ15c内の複数のワード線のうち、アドレスデコーダ13から出力されたロウアドレス信号によって示されたワード線を活性化(駆動)する。
【0044】
カラムデコーダ15bは、読み出し又は書き込みアクセスやリフレッシュ等の対象となるビット線を活性化するための信号がコマンドデコーダ12から入力された場合に、メモリセルアレイ15c内の複数のビット線のうち、アドレスデコーダ13から出力されたカラムアドレス信号によって示されたビット線を活性化(駆動)する。
【0045】
メモリセルアレイ15cは、行列(アレイ)状に配置された複数のメモリセル(図示省略)を含む。各メモリセルには、I/O部11を介して外部から入力されたデータが記憶される。各メモリセルは、周知の1T1C(1トランジスタ1キャパシタ)型のメモリセルであってもよい。また、各メモリセルは、複数のワード線のうち何れか1つのワード線と、複数のビット線のうち何れか1つのビット線と、に接続されている。さらに、複数のワード線の各々は、ロウデコーダ15aに接続されており、複数のビット線の各々は、カラムデコーダ15b及びセンスアンプに接続されている。
【0046】
ECCセルアレイ15dは、メモリセルアレイ15cと同様に、行列状に配置された複数のメモリセル(図示省略)を含む。各メモリセルには、ECC制御部17から出力された検査データ(パリティデータ)が記憶される。各メモリセルは、1T1C型のメモリセルであってもよい。また、各メモリセルは、複数のワード線のうち何れか1つのワード線と、複数のビット線のうち何れか1つのビット線と、に接続されている。さらに、複数のワード線の各々は、ロウデコーダ15aに接続されており、複数のビット線の各々は、カラムデコーダ15b及びセンスアンプに接続されている。
【0047】
なお、メモリセルアレイ15c及びECCセルアレイ15dの各々のメモリセルに対するデータ制御の詳細については周知の技術と同様であるため、本実施形態では説明を省略する。
【0048】
リフレッシュ制御部16は、リフレッシュ信号srefzを生成してコマンドデコーダ12に出力する。ここで、リフレッシュ制御部16は、第1構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンド(所定のコマンド)がコマンドデコーダ12から入力された場合に、レジスタ書き込みコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に関する情報に基づいてメモリセルのリフレッシュ間隔を設定するように構成されている。なお、リフレッシュ制御部16は、本発明における「第1制御部」の一例である。
【0049】
また、リフレッシュ制御部16は、第1構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンド(所定のコマンド)が外部から入力される毎に、レジスタ書き込みコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に関する情報に基づいてメモリセルのリフレッシュ間隔を設定してもよい。
【0050】
図4を参照して、リフレッシュ制御部16の構成及び動作の一例について説明する。図4(a)に示すように、リフレッシュ制御部16は、発振回路16aと、分周器16bと、を備える。
【0051】
発振回路16aは、リフレッシュ動作を開始するためのリフレッシュトリガ信号bsclkを所定の周波数で生成して、分周器16bに出力する。
【0052】
分周器16bは、発振回路16aから出力されたリフレッシュトリガ信号bsclkを、レジスタ書き込みコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔(ここでは、ModeA、ModeB、ModeC、ModeDのうち何れかのモード)に応じて分周する。そして、分周器16bは、分周した信号を、リフレッシュ信号srefzとしてコマンドデコーダ12に出力する。なお、ここでは、通常動作モードについての説明を省略している。
【0053】
分周器16bの構成例を図4(b)に示す。図4(b)に示すように、分周器16bは、直列に接続された3つのTフリップフロップと、4つのスイッチsw_ModeA,sw_ModeB,sw_ModeC,sw_ModeDと、を備える。
【0054】
発振回路16aから出力されたリフレッシュトリガ信号bsclkは、3つのTフリップフロップのうち1段目のTフリップフロップと、4つのモードのうちModeDに対応するスイッチsw_ModeDの一端側と、に入力される。スイッチsw_ModeDは、オンになると、リフレッシュトリガ信号bsclkをリフレッシュ信号srefzとして出力する。
【0055】
1段目のTフリップフロップから出力された信号は、3つのTフリップフロップのうち2段目のTフリップフロップと、4つのモードのうちModeCに対応するスイッチsw_ModeCの一端側と、に入力される。スイッチsw_ModeCは、オンになると、1段目のTフリップフロップから出力された信号をリフレッシュ信号srefzとして出力する。
【0056】
2段目のTフリップフロップから出力された信号は、3つのTフリップフロップのうち3段目のTフリップフロップと、4つのモードのうちModeBに対応するスイッチsw_ModeBの一端側と、に入力される。スイッチsw_ModeBは、オンになると、2段目のTフリップフロップから出力された信号をリフレッシュ信号srefzとして出力する。
【0057】
3段目のTフリップフロップから出力された信号は、4つのモードのうちModeAに対応するスイッチsw_ModeAの一端側に入力される。スイッチsw_ModeAは、オンになると、3段目のTフリップフロップから出力された信号をリフレッシュ信号srefzとして出力する。
【0058】
かかる構成により、リフレッシュ信号srefzの周波数は、図4(c)に示すように、ModeA、ModeB、ModeC、ModeDの順に高くなる(つまり、リフレッシュ間隔がModeA、ModeB、ModeC、ModeDの順に短くなる)。
【0059】
リフレッシュ制御部16は、レジスタ書き込みコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に応じて、分周器16bの各スイッチsw_ModeA,sw_ModeB,sw_ModeC,sw_ModeDのうち何れか1つのスイッチのみをオンに制御し、他のスイッチをオフに制御する。例えば、レジスタ書き込みコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔がModeAの場合には、スイッチsw_ModeAがオンになるように制御され、他のスイッチsw_ModeB,sw_ModeC,sw_ModeDがオフになるように制御される。
【0060】
ECC制御部17は、データバス制御部14からメモリセルアレイ15cに出力(記憶)されるデータに対して誤り訂正符号(符号化データ)を生成し、生成した誤り訂正符号内の検査データ(パリティデータ)をECCセルアレイ15dに記憶する。また、ECC制御部17は、誤り訂正符号が生成されているデータがメモリセルアレイ15cから出力される(読み出される)場合に、ECCセルアレイ15dに記憶された検査データを用いて当該データの誤り検出及び訂正処理を行う。そして、ECC制御部17は、誤り検出及び訂正処理後のデータをデータバス制御部14に出力する。
【0061】
また、本実施形態において、ECC制御部17は、メモリセルアレイ15cに記憶されるデータに対して誤り訂正符号(符号化データ)を生成する誤り訂正符号生成部17a(図6に示す)と、誤り訂正符号が生成されているデータがメモリセルアレイ15cから読み出される場合に、当該データの誤り検出及び訂正処理を行う誤り検出及び訂正部17b(図6に示す)と、を備える。
【0062】
ここで、誤り訂正符号の生成及び誤り訂正処理は、例えばハミング符号やBCH(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem)符号等を用いた周知の方法で行われてもよい。また、符号化データの元となるデータの長さ及び検査データの長さは任意に選択されてもよいが、ここでは、符号化データの元となるデータの長さが8ビットであり、検査データの長さが4ビットである場合を一例として説明する。なお、この場合には、8ビットのデータのうち1ビットの誤り訂正が行われる。
【0063】
本実施形態において、ECC制御部17は、行列(アレイ)状に配置された複数のメモリセルを含むメモリセルアレイ15cが複数のブロックに分割されている場合に、複数のブロックのうち何れかのブロックを選択するように構成されている。さらに、ECC制御部17は、選択されたブロック内の複数のメモリセルに記憶されるデータに対して生成された誤り訂正符号内の検査データをECCセルアレイ15d(所定の記憶領域)に記憶するように構成されている。なお、ECC制御部17は、本発明における「第2制御部」の一例である。
【0064】
また、ECC制御部17は、第2構成レジスタ情報(図5に示す)を含むレジスタ書き込みコマンド(所定のコマンド)が外部から入力された場合に、レジスタ書き込みコマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて、複数のブロックのうち何れかのブロックを選択してもよい。これにより、レジスタ書き込みコマンド(所定のコマンド)が外部から入力されると、当該コマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて、複数のブロックのうち何れかのブロックが選択されるので、当該コマンドを外部装置(例えば、メモリコントローラ等)から半導体記憶装置10に送信することによって、複数のブロックのうち何れかのブロック(ここでは、誤り訂正符号の生成対象となるデータが記憶されるブロック)を外部から設定(選択)することが可能になる。
【0065】
ここで、レジスタ書き込みコマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて何れかのブロックが選択される場合には、コマンドデコーダ12は、第2構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンド(所定のコマンド)が外部装置からI/O部11を介して入力された場合に、第2構成レジスタ情報を第2構成レジスタ(図示省略)に記憶する。また、コマンドデコーダ12は、第2構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンドが入力された場合に、レジスタ書き込みコマンドをECC制御部17に出力する。
【0066】
図5を参照して、第2構成レジスタの構成例について説明する。図5は、HyperBusTMインタフェースを用いたpSRAMの第2構成レジスタ(CR1)を一例として示している。第2構成レジスタは、図5に示すように、所定数のビット(図の例では、16ビット)内で割り当てられた機能(図の例では、「ECC適用ブロック制御」)を外部から指定することができるように構成されている。
【0067】
本実施形態では、第2構成レジスタのビット11~9において、ECC適用ブロック(つまり、誤り訂正符号の生成対象となるデータが記憶されるブロック)を指定(選択)することができるように構成されている。図5に示す例では、第2構成レジスタのビット11~9の値によって複数(図の例では、4つ)のブロックのうち何れかのブロックが選択されるようになっている。ここで、図5に示す各ブロックは、本発明における「選択ブロックに関する情報」の一例である。図5に示す例では、第2構成レジスタのビット11~9の値が000bの場合にはブロックn-3(nは、3以上の整数)が選択され、第2構成レジスタのビット11~9の値が001bの場合にはブロックn-2が選択され、第2構成レジスタのビット11~9の値が010bの場合にはブロックn-1が選択され、第2構成レジスタのビット11~9の値が011bの場合にはブロックnが選択される。また、第2構成レジスタのビット11~9の値が111bの場合には通常動作モード(選択ブロックなし、つまりブロックを選択しない)が指定される。
【0068】
図5に示す第2構成レジスタの内容は、例えば、第2構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンドが半導体記憶装置10の電源投入時に外部装置から入力されることによって、半導体記憶装置10内の第2構成レジスタに書き込まれてもよい。また、第2構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンドは、半導体記憶装置10に電源が投入されている間、任意のタイミングで入力されてもよい。
【0069】
なお、図5に示す例では、複数のブロック及び通常動作モードの各々において、複数のスイッチ(図の例では、sw0,sw1,sw2,sw3,/sw0,/sw1,/sw2,/sw3)のオンオフ状態が示されているが、これについては図6を参照して説明する。
【0070】
図6を参照して、本実施形態の半導体記憶装置10におけるデータ制御の一例について説明する。本実施形態では、図6に示すように、メモリセルアレイ15cが、連続するロウアドレスの複数のブロック(図の例では、ブロック0、…、ブロックn-3、ブロックn-2、ブロックn-1、ブロックn)に分割されている。各ブロックにおけるデータの記憶容量は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、メモリセルアレイ15cの記憶容量が64Mビットであって、各ブロックの記憶容量が2Mビットの場合には、メモリセルアレイ15cが32個のブロックに分割される。また、この場合において、符号化データの元となるデータの長さが8ビットであり、検査データの長さが4ビットである場合には、ECCセルアレイ15dの記憶容量は1Mビットとなる。
【0071】
先ず、メモリセルアレイ15cにデータが記憶される場合について説明する。メモリセルアレイ15cの各ブロックの入力側には、データバス制御部14から出力されたデータが入力(記憶)される。また、各ブロックのうち選択されたブロック(図の例では、ブロックn-2)に入力されるデータは、スイッチ部SW_Aを介してECC制御部17の誤り訂正符号生成部17aにも入力される。
【0072】
ここで、ECC制御部17は、レジスタ書き込みコマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて、ブロック(ここでは、ブロックn-2)を選択してもよい。また、ECC制御部17は、各ブロックのうち選択したブロック(ここでは、ブロックn-2)にデータが入力される場合に、当該データが誤り訂正符号生成部17aにも入力されるようにスイッチ部SW_Aを制御してもよい。
【0073】
例えば、レジスタ書き込みコマンドにおいてブロックn-2が選択されている場合には、ECC制御部17は、ブロックn-2に対応する各スイッチのオンオフ状態に応じて、スイッチ部SW_A内の各スイッチを制御する。ここで、図6に示す例では、スイッチ部SW_A内に4つのスイッチ/sw0,/sw1,/sw2,/sw3が設けられている。スイッチ部SW_Aのスイッチ/sw0の一端側は、ブロックn-3の入力側に接続されており、スイッチ/sw0の他端側は、誤り訂正符号生成部17aに接続されている。スイッチ部SW_Aのスイッチ/sw1の一端側は、ブロックn-2の入力側に接続されており、スイッチ/sw1の他端側は、誤り訂正符号生成部17aに接続されている。スイッチ部SW_Aのスイッチ/sw2の一端側は、ブロックn-1の入力側に接続されており、スイッチ/sw2の他端側は、誤り訂正符号生成部17aに接続されている。スイッチ部SW_Aのスイッチ/sw3の一端側は、ブロックnの入力側に接続されており、スイッチ/sw3の他端側は、誤り訂正符号生成部17aに接続されている。
【0074】
また、図5に示す例では、ブロックn-2が選択された場合に、スイッチ/sw1がオンになり、スイッチ/sw0,/sw2,/sw3がオフになるように設定されている。この場合、ECC制御部17は、スイッチ部SW_Aのスイッチ/sw1をオンに制御し、スイッチ部SW_Aのスイッチ/sw0,/sw2,/sw3をオフに制御する。これにより、メモリセルアレイ15cのブロックn-2に入力されるデータが、スイッチ部SW_Aを介してECC制御部17の誤り訂正符号生成部17aにも入力される。
【0075】
また、ECC制御部17の誤り訂正符号生成部17aは、選択されたブロック(ここでは、ブロックn-2)に入力されるデータがスイッチ部SW_Aのスイッチ/sw1を介して入力されると、当該データに対して誤り訂正符号(符号化データ)を生成し、生成した誤り訂正符号内の検査データをECCセルアレイ15dに記憶する。
【0076】
次に、メモリセルアレイ15cからデータが出力される場合について説明する。メモリセルアレイ15cの各ブロックのうち選択されたブロック(ここでは、ブロックn-2)以外の他のブロックから出力されるデータは、スイッチ部SW_Bを介してデータバス制御部14に入力される。また、各ブロックのうち選択されたブロック(ここでは、ブロックn-2)から出力されるデータは、スイッチ部SW_Bを介してデータバス制御部14に入力されることなく、スイッチ部SW_Cを介してECC制御部17の誤り検出及び訂正部17bに入力される。
【0077】
ここで、ECC制御部17は、各ブロックのうち選択したブロック(ここでは、ブロックn-2)からデータが出力される場合に、当該データがECC制御部17の誤り検出及び訂正部17bに入力されるようにスイッチ部SW_B,SW_Cを制御してもよい。例えば、レジスタ書き込みコマンドにおいてブロックn-2が選択されている場合には、ECC制御部17は、ブロックn-2に対応する各スイッチのオンオフ状態に応じて、スイッチ部SW_B及びスイッチ部SW_Cの各スイッチを制御する。ここで、図6に示す例では、スイッチ部SW_B内に4つのスイッチsw0,sw1,sw2,sw3が設けられている。スイッチ部SW_Bのスイッチsw0の一端側は、ブロックn-3の出力側に接続されており、スイッチsw0の他端側は、データバス制御部14に接続されている。スイッチ部SW_Bのスイッチsw1の一端側は、ブロックn-2の出力側に接続されており、スイッチsw1の他端側は、データバス制御部14に接続されている。スイッチ部SW_Bのスイッチsw2の一端側は、ブロックn-1の出力側に接続されており、スイッチsw2の他端側は、データバス制御部14に接続されている。スイッチ部SW_Bのスイッチsw3の一端側は、ブロックnの出力側に接続されており、スイッチsw3の他端側は、データバス制御部14に接続されている。
【0078】
また、図6に示す例では、スイッチ部SW_C内に4つのスイッチ/sw0,/sw1,/sw2,/sw3が設けられている。スイッチ部SW_Cのスイッチ/sw0の一端側は、ブロックn-3の出力側とスイッチ部SW_Bのスイッチsw0との間に接続されており、スイッチ/sw0の他端側は、誤り検出及び訂正部17bに接続されている。スイッチ部SW_Cのスイッチ/sw1の一端側は、ブロックn-2の出力側とスイッチ部SW_Bのスイッチsw1との間に接続されており、スイッチ/sw1の他端側は、誤り検出及び訂正部17bに接続されている。スイッチ部SW_Cのスイッチ/sw2一端側は、ブロックn-1の出力側とスイッチ部SW_Bのスイッチsw2との間に接続されており、スイッチ/sw2の他端側は、誤り検出及び訂正部17bに接続されている。スイッチ部SW_Cのスイッチ/sw3の一端側は、ブロックnの出力側とスイッチ部SW_Bのスイッチsw3との間に接続されており、スイッチ/sw3の他端側は、誤り検出及び訂正部17bに接続されている。
【0079】
さらに、図5に示す例では、ブロックn-2が選択された場合に、スイッチ/sw1,sw0,sw2,sw3がオンになり、スイッチ/sw0,/sw2,/sw3,sw1がオフになるように設定されている。この場合、ECC制御部17は、スイッチ部SW_Bのスイッチsw0,sw2,sw3をオンに制御し、スイッチ部SW_Bのスイッチsw1をオフに制御する。また、ECC制御部17は、スイッチ部SW_Cのスイッチ/sw1をオンに制御し、スイッチ/sw0,/sw2,/sw3をオフに制御する。これにより、メモリセルアレイ15cのブロックn-2から出力されたデータが、スイッチ部SW_Cを介してECC制御部17の誤り検出及び訂正部17bに入力される。
【0080】
ECC制御部17の誤り検出及び訂正部17bは、選択されたブロック(ここでは、ブロックn-2)から出力されたデータがスイッチ部SW_Cのスイッチ/sw1を介して入力されると、ECCセルアレイ15dに記憶された検査データを用いて、入力されたデータに対して誤り検出及び訂正処理を行う。
【0081】
そして、ECC制御部17は、誤り検出及び訂正処理後のデータを、スイッチ部SW_Dを介してデータバス制御部14に出力する。ここで、ECC制御部17は、誤り検出及び訂正処理後のデータが、各ブロックのうち選択したブロック(ここでは、ブロックn-2)から出力されたデータとしてデータバス制御部14に入力されるように、スイッチ部SW_Dを制御してもよい。
【0082】
例えば、レジスタ書き込みコマンドにおいてブロックn-2が選択されている場合には、ECC制御部17は、ブロックn-2に対応する各スイッチのオンオフ状態に応じて、スイッチ部SW_Dの各スイッチを制御する。ここで、図6に示す例では、スイッチ部SW_D内に4つのスイッチ/sw0,/sw1,/sw2,/sw3が設けられている。スイッチ部SW_Dのスイッチ/sw0の一端側は、スイッチ部SW_Bのスイッチsw0とデータバス制御部14との間に接続されており、スイッチ/sw0の他端側は、誤り検出及び訂正部17bに接続されている。スイッチ部SW_Dのスイッチ/sw1の一端側は、スイッチ部SW_Bのスイッチsw1とデータバス制御部14との間に接続されており、スイッチ/sw1の他端側は、誤り検出及び訂正部17bに接続されている。スイッチ部SW_Dのスイッチ/sw2の一端側は、スイッチ部SW_Bのスイッチsw2とデータバス制御部14との間に接続されており、スイッチ/sw2の他端側は、誤り検出及び訂正部17bに接続されている。スイッチ部SW_Dのスイッチ/sw3の一端側は、スイッチ部SW_Bのスイッチsw3とデータバス制御部14との間に接続されており、スイッチ/sw3の他端側は、誤り検出及び訂正部17bに接続されている。
【0083】
また、図5に示す例では、ブロックn-2が選択された場合に、スイッチ/sw1がオンになり、スイッチ/sw0,/sw2,/sw3がオフになるように設定されている。この場合、ECC制御部17は、スイッチ部SW_Dのスイッチ/sw1をオンに制御し、スイッチ部SW_Aのスイッチ/sw0,/sw2,/sw3をオフに制御する。これにより、誤り検出及び訂正部17bから出力されたデータが、スイッチ部SW_Dのスイッチ/sw1を介してデータバス制御部14に入力される。
【0084】
次に、図7を参照して、本実施形態に係る半導体記憶装置10の動作の一例について説明する。なお、ここでは、リフレッシュ間隔を制御する場合の半導体記憶装置10の動作について説明する。半導体記憶装置10に電源が投入されると、半導体記憶装置10は、第1構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS100)。具体的に説明すると、コマンドデコーダ12は、I/O部11を介してレジスタ書き込みコマンドが外部装置から入力されたか否かを判別する。
【0085】
半導体記憶装置10がレジスタ書き込みコマンドを受信した場合に(ステップS100:YES)、半導体記憶装置10は、レジスタ書き込みコマンドにおいて4つのモード(ModeA、ModeB、ModeC、ModeD)のうち何れかのモードが指定されているか否かを判別する(ステップS101)。具体的に説明すると、コマンドデコーダ12は、入力されたレジスタ書き込みコマンドをリフレッシュ制御部16に出力する。一方、リフレッシュ制御部16は、入力されたレジスタ書き込みコマンドに含まれるリフレッシュ間隔に基づいて、何れかのモードが指定されているか否かを判別する。
【0086】
次に、半導体記憶装置10は、4つのモード(ModeA、ModeB、ModeC、ModeD)のうち何れかのモードが指定されている場合に(ステップS101:YES)、指定されたモードに基づいてリフレッシュ間隔を制御する(ステップS102)。具体的に説明すると、リフレッシュ制御部16は、指定されたモードに対応するリフレッシュ信号srefzを生成し、コマンドデコーダ12に出力する。そして、半導体記憶装置10は、ステップS100の処理に移行する。
【0087】
また、半導体記憶装置10は、4つのモード(ModeA、ModeB、ModeC、ModeD)のうち何れのモードも指定されていない場合に(ステップS101:NO)、デフォルトの設定に基づいてリフレッシュ間隔を制御する(ステップS103)。具体的に説明すると、リフレッシュ制御部16は、通常動作モードに対応するリフレッシュ信号srefzを生成し、コマンドデコーダ12に出力する。そして、半導体記憶装置10は、ステップS100の処理に移行する。
【0088】
なお、半導体記憶装置10は、ステップS100の処理においてレジスタ書き込みコマンドを受信していない場合に(ステップS100:NO)、ステップS100の処理に移行してもよい。
【0089】
このように、レジスタ書き込みコマンドが外部から入力されると、レジスタ書き込みコマンドに含まれるリフレッシュ間隔に関する情報に基づいてメモリセルのリフレッシュ間隔が設定される。また、電源投入後にステップS100の処理が繰り返されることによって、レジスタ書き込みコマンドが外部から入力される毎に、レジスタ書き込みコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に関する情報に基づいてメモリセルのリフレッシュ間隔を設定することが可能になる。
【0090】
上述したように、本実施形態の半導体記憶装置10によれば、レジスタ書き込みコマンド(所定のコマンド)が外部から入力されると、レジスタ書き込みコマンドに含まれるリフレッシュ間隔に関する情報に基づいてメモリセルのリフレッシュ間隔が設定されるので、レジスタ書き込みコマンドを外部装置(例えば、メモリコントローラ等)から半導体記憶装置10に送信することによって、メモリセルのリフレッシュ間隔を外部から設定することが可能になる。これにより、メモリセルのリフレッシュ間隔を任意に設定することができるので、メモリセルのリフレッシュ間隔が常に短く設定されている場合と比較して、消費電力の増大を抑制することができるとともに、ロウハンマー問題によるデータ破壊を回避することができる。
【0091】
また、本実施形態では、レジスタ書き込みコマンド(所定のコマンド)は、半導体記憶装置10の機能を設定するためのコマンドとして構成されている。これにより、半導体記憶装置の機能を設定するタイミング(例えば、電源投入時等)において、メモリセルのリフレッシュ間隔を設定することが可能になる。
【0092】
さらに、本実施形態では、リフレッシュ制御部16(第1制御部)は、レジスタ書き込みコマンド(所定のコマンド)が外部から入力される毎に、レジスタ書き込みコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に関する情報に基づいてメモリセルのリフレッシュ間隔を設定するように構成されている。これにより、レジスタ書き込みコマンドが外部から入力される毎にメモリセルのリフレッシュ間隔が設定されるので、メモリセルのリフレッシュ間隔を適宜変更することが可能になる。
【0093】
さらにまた、本実施形態に係る半導体記憶装置10は、アレイ状に配置された複数のメモリセルを含むメモリセルアレイ15cが複数のブロックに分割されている場合に、複数のブロックのうち何れかのブロックを選択するECC制御部17(第2制御部)であって、選択されたブロック内の複数のメモリセルに記憶されるデータに対して生成された誤り訂正符号内の検査データをECCセルアレイ15d(所定の記憶領域)に記憶するECC制御部を備えている。これにより、メモリセルアレイ15c内の複数のブロックのうち選択されたブロックに記憶されたデータのみに対して誤り訂正符号を生成することが可能になるので、選択されたブロックに記憶されるデータの保持特性を高めることができる。また、メモリセルアレイ15cに記憶される全てのデータに対して誤り訂正符号を生成する場合と比較して、検査データ等を記憶する回路の規模が増大するのを抑制することが可能になるので、エリアペナルティを低減することができる。
【0094】
また、本実施形態では、検査データが記憶される領域(所定の記憶領域)は、メモリセルアレイ15cとは異なるECCセルアレイ15d(他のメモリセルアレイ)に設けられている。これにより、誤り訂正符号内の検査データを、データが記憶されるメモリセルアレイ15cとは異なるECCセルアレイ15dに記憶することが可能になるので、同じメモリセルアレイに検査データが記憶されることによってデータの記憶容量が低減するのを抑制することができる。
【0095】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の半導体記憶装置10は、ECCセルアレイ15dがメモリセルアレイ15c内に設けられている点において、第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態と異なる構成について説明する。
【0096】
図8に、第2実施形態に係る半導体記憶装置10の構成例を示す。図8に示すように、ECCセルアレイ15dは、メモリセルアレイ15c内に設けられている。上記第1実施形態において説明したように、ECCセルアレイ15dは、メモリセルアレイ15cと同様に構成され得るので、ECCセルアレイ15dをメモリセルアレイ15c内に含むことが可能である。
【0097】
図9を参照して、本実施形態の半導体記憶装置10におけるデータ制御の一例について説明する。本実施形態では、図9に示すように、メモリセルアレイ15c内の複数のブロック(図の例では、ブロック0、…、ブロックn-4、ブロックn-3、ブロックn-2、ブロックn-1、ブロックn)のうち選択されたブロック(図の例では、ブロックn-3)とは異なる他のブロック(図の例では、ブロックn)内のサブブロック(図の例では、サブブロックn_a)が、ECCセルアレイ15dとして構成されている。なお、ブロックnの記憶容量がECCセルアレイ15dの記憶容量よりも大きい場合には、ブロックn内のECCセルアレイ15d用のサブブロック(サブブロックn_a)以外の他のサブブロック(図の例では、サブブロックn_b)が、メモリセルアレイ15c内の他のブロックと同様にデータ用の記憶領域として構成されてもよい。なお、本実施形態における各スイッチ部SW_A,SW_B,SW_C,SW_Dの制御方法は、上述した第1実施形態と同様である。
【0098】
本実施形態において、ECC制御部17は、メモリセルアレイ15c内の複数のブロックのうちECCセルアレイ15dが構成されるブロックを自動的に選択してもよい。例えば、ECC制御部17は、メモリセルアレイ15c内の複数のブロックのうちデータが所定期間記憶されていないブロックを、ECCセルアレイ15dが構成されるブロックとして選択し、選択したブロック内にECCセルアレイ15dを構成(つまり、検査データを記憶)してもよい。
【0099】
また、メモリセルアレイ15c内にECCセルアレイ15dを構成するための所定の条件(例えば、所定期間内に頻繁にアクセスされるブロックが存在しない等)が満たされていない場合には、メモリセルアレイ15c内のECCセルアレイ15d(図9の例では、サブブロックn_a)は、検査データ用の記憶領域ではなく、データ用の記憶領域として構成されてもよい。この場合、メモリセルアレイ15c内の全てのブロックを、データを記憶するための記憶領域として使用することが可能になる。
【0100】
上述したように、本実施形態では、検査データが記憶される領域(所定の記憶領域)は、メモリセルアレイ15c内の複数のブロックのうち選択されたブロック(ここでは、ブロックn-2)とは異なる他のブロック(ここでは、ブロックn)に設けられている。これにより、誤り訂正符号内の検査データを、データが記憶されるメモリセルアレイ15cと同じメモリセルアレイに記憶することが可能になるので、検査データを記憶するために異なるメモリセルアレイが設けられることによって回路規模が増大するのを抑制することができる。
【0101】
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態の半導体記憶装置10は、2T2Cセルアレイ15eが設けられている点において、上記各実施形態と異なっている。以下、上記各実施形態と異なる構成について説明する。
【0102】
図10に、第3実施形態に係る半導体記憶装置10の構成例を示す。図10に示すように、半導体記憶装置10は、上記各実施形態におけるECCセルアレイ15dの代わりに2T2Cセルアレイ15eが設けられており、上記各実施形態におけるECC制御部17の代わりに2T2C制御部18が設けられている。なお、2T2C制御部18は、専用のハードウェアデバイスや論理回路によって構成されてもよい。
【0103】
2T2Cセルアレイ15eは、行列(アレイ)状に配置された複数のメモリセル(図示省略)を含む。各メモリセルには、I/O部11を介して外部から入力されたデータが記憶される。各メモリセルは、周知の2T2C(2トランジスタ2キャパシタ)型のメモリセルであってもよい。なお、各メモリセルに対するデータ制御の詳細については周知の技術と同様であるため、本実施形態では説明を省略する。
【0104】
2T2C制御部18は、データバス制御部14からメモリセルアレイ15cに出力(記憶)されるデータを2T2Cセルアレイ15eに記憶する。また、2T2C制御部18は、データがメモリセルアレイ15cから出力される(読み出される)場合に、2T2Cセルアレイ15eに記憶されたデータをデータバス制御部14に出力する。
【0105】
また、2T2C制御部18は、行列(アレイ)状に配置された1T1C型の複数のメモリセルを含むメモリセルアレイが複数のブロックに分割されている場合に、複数のブロックのうち何れかのブロックを選択するように構成されている。さらに、2T2C制御部18は、選択されたブロック内の複数のメモリセルに記憶されるデータを、2T2C型のメモリセルで構成された2T2Cセルアレイ15eに記憶するように構成されている。なお、2T2C制御部18は、本発明における「第2制御部」の一例である。
【0106】
さらに、2T2C制御部18は、第2構成レジスタ情報(図11に示す)を含むレジスタ書き込みコマンド(所定のコマンド)が外部から入力された場合に、レジスタ書き込みコマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて、複数のブロックのうち何れかのブロックを選択してもよい。これにより、レジスタ書き込みコマンド(所定のコマンド)が外部から入力されると、当該コマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて、複数のブロックのうち何れかのブロックが選択されるので、当該コマンドを外部装置(例えば、メモリコントローラ等)から半導体記憶装置10に送信することによって、複数のブロックのうち何れかのブロック(ここでは、2T2Cセルアレイ15eに記憶されるデータが入力されるブロック)を外部から設定(選択)することが可能になる。
【0107】
ここで、レジスタ書き込みコマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて何れかのブロックが選択される場合には、コマンドデコーダ12は、第2構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンド(所定のコマンド)が外部装置からI/O部11を介して入力された場合に、第2構成レジスタ情報を第2構成レジスタ(図示省略)に記憶する。また、コマンドデコーダ12は、第2構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンドが入力された場合に、レジスタ書き込みコマンドを2T2C制御部18に出力する。
【0108】
図11を参照して、本実施形態における第2構成レジスタの構成例について説明する。図5は、HyperBusTMインタフェースを用いたpSRAMの第2構成レジスタ(CR1)を一例として示している。第2構成レジスタは、図11に示すように、所定数のビット(図の例では、16ビット)内で割り当てられた機能(図の例では、「2T2C適用ブロック制御」)を外部から指定することができるように構成されている。
【0109】
本実施形態では、第2構成レジスタのビット11~9において、2T2C適用ブロック(つまり、2T2Cセルアレイ15eに記憶されるデータが入力されるブロック)を指定(選択)することができるように構成されている。図11に示す例では、第2構成レジスタのビット11~9の値によって複数(図の例では、4つ)のブロックのうち何れかのブロックが選択されるようになっている。なお、図11に示す第2構成レジスタの構成は、機能が「ECC適用制御ブロック」から「2T2C制御ブロック」に変更されていることを除いて、図5に示す構成と同様である。
【0110】
図11に示す第2構成レジスタの内容は、例えば、第2構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンドが半導体記憶装置10の電源投入時に外部装置から入力されることによって、半導体記憶装置10内の第2構成レジスタに書き込まれてもよい。また、第2構成レジスタ情報を含むレジスタ書き込みコマンドは、半導体記憶装置10に電源が投入されている間、任意のタイミングで入力されてもよい。
【0111】
図12を参照して、本実施形態の半導体記憶装置10におけるデータ制御の一例について説明する。ここで、図12に示す構成は、ECC制御部17及びECCセルアレイ15dの代わりに2T2C制御部18及び2T2Cセルアレイ15eが設けられていることと、スイッチ部SW_Cが設けられていないことと、を除いて、第1実施形態と同様である。本実施形態では、第1実施形態と同様に、メモリセルアレイ15cが、複数のブロック(図の例では、ブロック0、…、ブロックn-3、ブロックn-2、ブロックn-1、ブロックn)に分割されている。なお、2T2Cセルアレイ15eの記憶容量は、各ブロックの記憶容量と同じであってもよい。例えば、メモリセルアレイ15c内の各ブロックの記憶容量が2Mビットの場合、2T2Cセルアレイ15eの記憶容量は2Mビットとなる。
【0112】
先ず、メモリセルアレイ15cにデータが記憶される場合について説明する。メモリセルアレイ15cの各ブロックの入力側には、データバス制御部14から出力されたデータが入力(記憶)される。また、各ブロックのうち選択されたブロック(図の例では、ブロックn-2)に入力されるデータは、スイッチ部SW_Aを介して2T2C制御部18にも入力される。
【0113】
ここで、2T2C制御部18は、上記各実施形態におけるECC制御部17と同様に、レジスタ書き込みコマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて、ブロック(ここでは、ブロックn-2)を選択してもよい。また、2T2C制御部18は、各ブロックのうち選択したブロック(ここでは、ブロックn-2)にデータが入力される場合に、当該データが2T2Cセルアレイ15eにも入力(記憶)されるようにスイッチ部SW_Aを制御してもよい。
【0114】
例えば、2T2C制御部18は、上記各実施形態におけるECC制御部17と同様に、スイッチ部SW_Aのスイッチ/sw1をオンに制御し、スイッチ部SW_Aのスイッチ/sw0,/sw2,/sw3をオフに制御する。これにより、メモリセルアレイ15cのブロックn-2に入力されるデータが、スイッチ部SW_Aを介して2T2Cセルアレイ15eにも入力される。
【0115】
次に、メモリセルアレイ15cからデータが出力される場合について説明する。メモリセルアレイ15cの各ブロックのうち選択されたブロック(ここでは、ブロックn-2)以外の他のブロックから出力されるデータは、スイッチ部SW_Bを介してデータバス制御部14に入力される。一方、各ブロックのうち選択されたブロック(ここでは、ブロックn-2)から出力されるデータは、スイッチ部SW_Bを介してデータバス制御部14に入力されない。その代わりに、2T2C制御部18は、2T2Cセルアレイ15eに記憶されたデータを、スイッチ部SW_Dを介してデータバス制御部14に出力する。ここで、2T2C制御部18は、2T2Cセルアレイ15eに記憶されたデータが、各ブロックのうち選択したブロック(ここでは、ブロックn-2)から出力されたデータとしてデータバス制御部14に入力されるように、スイッチ部SW_B,SW_Dを制御してもよい。
【0116】
例えば、2T2C制御部18は、スイッチ部SW_Bのスイッチsw0,sw2,sw3をオンに制御し、スイッチ部SW_Bのスイッチsw1をオフに制御する。また、2T2C制御部18は、スイッチ部SW_Dのスイッチ/sw1をオンに制御し、スイッチ/sw0,/sw2,/sw3をオフに制御する。これにより、2T2Cセルアレイ15eから出力されたデータが、スイッチ部SW_Dを介してデータバス制御部14に入力される。
【0117】
このようにして、メモリセルアレイ15c内の複数のブロックのうち選択されたブロック(ブロックn-2)に記憶されたデータのみを、1T1C型のメモリセルと比較してデータの保持特性が高いことで知られている2T2C型のメモリセルにも記憶するとともに、当該データを2T2C型のセルアレイから出力することが可能になる。
【0118】
なお、本実施形態では、ECCセルアレイ15d及びECC制御部17の代わりに2T2Cセルアレイ15e及び2T2C制御部18が設けられる場合を一例として説明したが、これらの全てが半導体記憶装置10に設けられてもよい。
【0119】
上述したように、本実施形態の半導体記憶装置10によれば、メモリセルアレイ15c内の複数のブロックのうち選択されたブロックに記憶されたデータのみを2T2C型のメモリセルに記憶することが可能になるので、選択されたブロックに記憶されるデータの保持特性を高めることができる。また、本実施形態の半導体記憶装置10によれば、メモリセルアレイ15c内の全てのメモリセルを2T2C型で構成する必要がないので、例えばメモリセルアレイ15c内の全てのメモリセルを2T2C型で構成した場合と比較して、回路規模を縮小することができる。
【0120】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記各実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0121】
例えば、上述した各実施形態では、メモリセルアレイ15c内の複数のブロックのうち何れか1つのブロックが選択される場合を一例として説明したが、本発明はこの場合に限定されない。例えば、複数のブロックのうち2つ以上のブロックが選択され、選択されたブロックに記憶されるデータがECCセルアレイ15d及び/又は2T2Cセルアレイ15eに記憶されてもよい。
【0122】
また、上述した各実施形態では、リフレッシュ間隔に関する情報及び選択ブロックに関する情報がレジスタ書き込みコマンドに含まれる場合を一例として説明したが、本発明はこの場合に限られない。例えば、リフレッシュ間隔に関する情報及び/又は選択ブロックに関する情報は、他のコマンド(例えば、読み出しコマンド、書き込みコマンド等)に含まれてもよい。
【0123】
さらに、上述した各実施形態では、ECC制御部17及び2T2C制御部18の各々が、レジスタ書き込みコマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて、複数のブロックのうち何れかのブロックを選択する場合を一例として説明したが、本発明はこの場合に限られない。例えば、ECC制御部17及び/又は2T2C制御部18は、複数のブロックのうち所定の条件を満たすブロックを選択してもよい。ここで、所定の条件とは、例えば、所定期間内で最も頻繁にアクセス(読み出し及び/又は書き込み)されたブロックであってもよい。例えば、所定期間内で最も頻繁にアクセスされたブロックが選択される場合には、ECC制御部17及び/又は2T2C制御部18は、所定期間内で集中的にアクセスされるデータ(例えば、グローバル変数等)が記憶されているブロックを選択することが可能になる。この場合、ECC制御部17及び/又は2T2C制御部18は、アドレスデコーダ13から出力されたロウアドレス信号に基づいて複数のブロック毎のアクセス数をカウントすることによって、所定期間内に最も頻繁にアクセスされたブロックを決定(選択)してもよい。なお、ECC制御部17及び/又は2T2C制御部18は、所定のタイミング毎(例えば、所定期間が経過する毎等)にブロックの選択を行ってもよい。これにより、選択されるブロックを適宜変更することが可能になる。
【0124】
さらに、上述した各実施形態における半導体記憶装置10内の各部11~18の構成は一例であり、適宜変更されてもよいし、他の様々な構成が採用されてもよい。
【符号の説明】
【0125】
10…半導体記憶装置
15c…メモリセルアレイ
15d…ECCセルアレイ
15e…2T2Cセルアレイ
16…リフレッシュ制御部
17…ECC制御部
18…2T2C制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から入力された所定のコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に関する情報に基づいて前記メモリセルのリフレッシュ間隔を設定する第1制御部と、
アレイ状に配置された複数のメモリセルを含むメモリセルアレイが複数のブロックに分割されている場合に、前記複数のブロックのうち何れかのブロックを選択する第2制御部であって、選択されたブロック内の複数のメモリセルに記憶されるデータに対して生成された誤り訂正符号内の検査データを所定の記憶領域に記憶する第2制御部と、を備え、
前記第2制御部は、前記外部から入力された所定のコマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて、前記複数のブロックのうち何れかのブロックを選択する、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記所定のコマンドは、前記半導体記憶装置の機能を設定するためのコマンドである、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1制御部は、前記所定のコマンドが外部から入力される毎に、前記所定のコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に関する情報に基づいて前記メモリセルのリフレッシュ間隔を設定する、請求項1又は2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記所定の記憶領域は、前記メモリセルアレイとは異なる他のメモリセルアレイに設けられている、請求項に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記所定の記憶領域は、前記複数のブロックのうち選択されたブロックとは異なる他のブロックに設けられている、請求項に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
アレイ状に配置された1T1C型の複数のメモリセルを含むメモリセルアレイが複数のブロックに分割されている場合に、前記複数のブロックのうち何れかのブロックを選択する第2制御部であって、選択されたブロック内の複数のメモリセルに記憶されるデータを、2T2C型のメモリセルで構成された所定の記憶領域に記憶する第2制御部を備える、請求項1~5の何れかに記載の半導体記憶装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
pSRAMである半導体記憶装置であって、
外部から入力された所定のコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に関する情報に基づいて前記メモリセルのリフレッシュ間隔を設定する第1制御部と、
HyperBus(商標)インタフェースを用いたpSRAMの第1構成レジスタであって、前記所定のコマンドを受信する第1構成レジスタと、
アレイ状に配置された複数のメモリセルを含むメモリセルアレイが複数のブロックに分割されている場合に、前記複数のブロックのうち何れかのブロックを選択する第2制御部であって、選択されたブロック内の複数のメモリセルに記憶されるデータに対して生成された誤り訂正符号内の検査データを所定の記憶領域に記憶する第2制御部と、
複数のスイッチをそれぞれ有するスイッチ部と、を備え、
前記第2制御部は、前記スイッチ部を制御して、前記選択されたブロックを前記所定の記憶領域に接続し、
前記第2制御部は、前記外部から入力された所定のコマンドに含まれる選択ブロックに関する情報に基づいて、前記複数のブロックのうち何れかのブロックを選択する、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記所定のコマンドは、前記半導体記憶装置の機能を設定するためのコマンドである、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1制御部は、前記所定のコマンドが外部から入力される毎に、前記所定のコマンドに含まれるメモリセルのリフレッシュ間隔に関する情報に基づいて前記メモリセルのリフレッシュ間隔を設定する、請求項1又は2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記所定の記憶領域は、前記メモリセルアレイとは異なる他のメモリセルアレイに設けられている、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記所定の記憶領域は、前記複数のブロックのうち選択されたブロックとは異なる他のブロックに設けられている、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
アレイ状に配置された1T1C型の複数のメモリセルを含むメモリセルアレイが複数のブロックに分割されている場合に、前記複数のブロックのうち何れかのブロックを選択する第2制御部であって、選択されたブロック内の複数のメモリセルに記憶されるデータを、2T2C型のメモリセルで構成された所定の記憶領域に記憶する第2制御部を備える、請求項1~5の何れかに記載の半導体記憶装置。