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特開2022-131077レンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131077
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】レンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20220831BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20220831BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20220831BHJP
   G03B 17/55 20210101ALI20220831BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
G02B7/02 F
G02B7/02 E
G03B15/00 V
G03B17/18 Z
G03B17/55
H04N5/225 400
H04N5/225 700
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029817
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】蓮田 大
【テーマコード(参考)】
2H044
2H102
2H104
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AE06
2H044AH01
2H102AA41
2H102BB06
2H102BB08
2H104CC04
5C122DA14
5C122EA02
5C122FB03
5C122FB08
5C122GE11
(57)【要約】
【課題】給電部を鏡筒外部に露出させることなくレンズユニットに対する組み込み(ヒータの位置決め設置)が容易なヒータを備えるレンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体を提供する。
【解決手段】本発明のレンズユニットは、第1のレンズ13を加熱するためのヒータ30を備える。ヒータ30は、給電によって発熱する加熱部32と、加熱部32に電力を供給する給電部34とを有し、加熱部32は電極を伴う突出部32aを有する。鏡筒12は、加熱部32の突出部32aを収容するための突出部収容部45を有し、給電部34は、その一端部の電極34aが、加熱部32の突出部32aに設けられる電極と電気的に接続できるように鏡筒12の突出部収容部45で露出される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズが当該レンズの光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群が収容される鏡筒と、発生した熱を前記レンズ群の最も物体側に位置されるレンズに伝えるためのヒータとを備えるレンズユニットであって、
前記ヒータは、
前記レンズ群の最も物体側に位置される第1のレンズとこの第1のレンズにその像側で隣接する第2のレンズとの間に介挿されるとともに、給電によって発熱する加熱部と、
前記加熱部に電力を供給するとともに、その少なくとも一部が前記鏡筒に埋設された状態で前記鏡筒の内側で延在する給電部と、
を有し、
前記加熱部は、その外周に沿う所定位置から外側に突出する突出部と、該突出部に設けられる電極とを有し、
前記鏡筒は、前記第1および第2のレンズ間に介挿される位置にある前記加熱部の前記突出部を収容するための突出部収容部を有し、
前記給電部は、その一端部の電極が、前記加熱部の前記突出部に設けられる前記電極と電気的に接続できるように前記鏡筒の前記突出部収容部で露出される、
ことを特徴とするレンズユニット。
【請求項2】
前記突出部収容部は、前記鏡筒に対して前記突出部を周方向で位置決めするように前記鏡筒に形成される溝によって画定されることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項3】
前記給電部の前記一端部の電極は、前記加熱部の前記突出部に設けられる前記電極と導電性接着剤を介して電気的に接続され、前記溝は、前記突出部収容部からの前記導電性接着剤の流出を規制することを特徴とする請求項2に記載のレンズユニット。
【請求項4】
前記突出部収容部は、前記鏡筒に対して前記突出部を周方向で位置決めするように前記鏡筒に形成される突起によって画定されることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項5】
前記給電部の前記一端部の電極は、前記加熱部の前記突出部に設けられる前記電極と導電性接着剤を介して電気的に接続され、前記突起は、前記突出部収容部からの前記導電性接着剤の流出を規制することを特徴とする請求項4に記載のレンズユニット。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のレンズユニットと、前記レンズユニットの前記レンズ群を通じて集光される光を電気信号に変換する撮像素子とを備えることを特徴とするカメラモジュール。
【請求項7】
請求項6に記載のカメラモジュールと、前記カメラモジュールを制御するとともに前記カメラモジュールの前記撮像素子から出力される電気信号を処理する制御部とを有する撮像装置と、
前記撮像装置により取得される画像信号を処理する処理装置と、
前記処理装置により処理されて出力される画像を表示する表示装置と、
を有することを特徴とする撮像システム。
【請求項8】
請求項7に記載の撮像システムを搭載し、前記表示装置により乗員への情報を出力することを特徴とする移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に自動車等の車両に搭載される車載カメラを構成するレンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび撮像システムを搭載した移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車に車載カメラを搭載し、駐車をサポートしたり、画像認識により衝突防止を図ったりすることが行なわれており、さらにそれを自動運転に応用する試みもなされている。また、このような車載カメラのカメラモジュールは、一般に、複数のレンズが光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群を収容保持する鏡筒と、レンズ群の少なくとも一個所のレンズ間に配置される絞り部材とを有するレンズユニットを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記構成のレンズユニット(カメラモジュール)は、車載カメラに限らず、様々な光学機器で使用され得るが、とりわけ、寒冷地で外部環境に晒される場合には、レンズ表面の凍結やレンズへの着雪が想定し得るため、一般に融雪機能等を備えるようになっている。具体的には、そのようなレンズユニットは、例えば、図11の(a)に概略的に示されるように、鏡筒120内に収容保持されたレンズ群L(図11の(a)には、簡略化のため、レンズ群Lのうちの物体側の2つのレンズのみが示される)のうち最も物体側に位置されて鏡筒120から露出される(外部環境に晒される)第1のレンズ101を暖めるべく、第1のレンズ101の像側に面する表面101aと第1のレンズ101に隣接する第2のレンズ102の物体側に面する表面102aとの間にヒータ130を介挿するようにしている。
【0004】
このように鏡筒120内に組み込まれるヒータ130は、発生した熱を効率良く第1のレンズ101の表面に伝えることができる最も有効な加熱手段として広く用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-231993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ヒータ130に対する給電は、電気的な配線を介して、一般的にはフレキシブルプリント回路基板(FPC)を介して行なわれる。そのため、ヒータ130は、例えば、図11の(b)に示されるように、レンズ101,102間に介挿される円環状のヒータ本体である加熱部130aと、加熱部130aから側方に延在するFPCから成る給電部130bとから構成され、給電部130bを通じた電力供給によって加熱部130aが発熱してレンズ101へ熱が伝えられるようになる。そして、給電部130bは、一般に、鏡筒120の側面に設けられた引き出し孔120aを通じて鏡筒外部へと導出されて電源側に電気的に接続されるようになっている。
【0007】
しかしながら、このように給電部130bを外部に導出して長く延在させる配置形態は、幾つかの問題を伴う。すなわち、外部に導出される給電部130bが邪魔となるだけでなく、外部に露出される給電部130bの耐防水性にも問題が残る。また、給電部130bを構成するFPCは、一般に、引張強度が弱いなど、耐環境的および機械強度的にも問題がある。さらに、レンズユニットの組み立て時には、加熱部130aを第2のレンズ102の物体側に面する表面102a上に載置して位置合わせしつつ給電部130bを鏡筒120の内側から引き出し孔120aに通して外部へと引き出す必要があり、その作業が煩雑である(ヒータ130の設置が面倒である)。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、給電部を鏡筒外部に露出させることなくレンズユニットに対する組み込み(ヒータの位置決め設置)が容易なヒータを備えるレンズユニット、カメラモジュール、撮像システムおよび移動体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は、複数のレンズが当該レンズの光軸に沿って並べられて成るレンズ群と、このレンズ群が収容される鏡筒と、発生した熱を前記レンズ群の最も物体側に位置されるレンズに伝えるためのヒータとを備えるレンズユニットであって、
前記ヒータは、
前記レンズ群の最も物体側に位置される第1のレンズとこの第1のレンズにその像側で隣接する第2のレンズとの間に介挿されるとともに、給電によって発熱する加熱部と、
前記加熱部に電力を供給するとともに、その少なくとも一部が前記鏡筒に埋設された状態で前記鏡筒の内側で延在する給電部と、
を有し、
前記加熱部は、その外周に沿う所定位置から外側に突出する突出部と、該突出部に設けられる電極とを有し、
前記鏡筒は、前記第1および第2のレンズ間に介挿される位置にある前記加熱部の前記突出部を収容するための突出部収容部を有し、
前記給電部は、その一端部の電極が、前記加熱部の前記突出部に設けられる前記電極と電気的に接続できるように前記鏡筒の前記突出部収容部で露出される、
ことを特徴とする。
【0010】
このように、本発明によれば、加熱部の外周に電極を伴う突出部が設けられ、この突出部を加熱部のレンズ間介挿位置で収容する突出部収容部が鏡筒に設けられるとともに、突出部収容部において給電部の電極が加熱部の突出部の電極と電気的に接続できるように露出しているため、レンズユニットに対するヒータの組み込み(設置)時においては、加熱部側の電極が加熱部のどの部位にあるのかをわざわざ電極自体の目視により確認してこれらの電極を給電部側の電極に位置合わせする面倒な作業を行なわなくても、加熱部の突出部が鏡筒の突出部収容部内に収容されるように加熱部をレンズ間介挿位置に位置させるだけで、例えば、加熱部を第2のレンズの物体側の表面上に載置するだけで、容易に加熱部と給電部との電気的接続を図ることができ、したがって、レンズユニットに対するヒータの組み込み(設置)を極めて容易に行なうことができる。
【0011】
また、本発明によれば、加熱部に電力を供給する給電部が鏡筒に少なくとも部分的に埋設された状態で鏡筒の内側で延在しており、給電部が鏡筒外部に露出していないため、給電部の耐防水性を確保できるだけでなく、給電部を外的環境および外力から保護することもできる。
【0012】
なお、上記構成において、加熱部は、その形状が特に限定されず、第1のレンズを効率的かつ効果的に加熱できる形状であれば、例えば円形、円環状など、どのような形状であっても構わない。また、加熱部に設けられる突出部についても、その形状および数は特に限定されない。例えば、突出部が1つだけ設けられる場合には、その突出部に+電極および-電極の両方が設けられ、また、突出部が2つ設けられる場合には、一方の突出部に+電極が設けられ、他方の突出部に-電極が設けられる。また、加熱部としては、例えば、PTC(positive temperature coefficient)ヒータを挙げることもできる。
【0013】
また、上記構成において、給電部は、金属板や、電気配線、例えば、リード線によって形成されてもよく、あるいは、FPC(Flexible printed circuits)製の配線から成っていてもよい。この場合、給電部の電気抵抗は、加熱部よりも下げて給電部で発熱しないようにしなければならない。また、鏡筒に対する給電部の埋め込み方法としては、例えば、インサートモールド方式やアウトサートモールド方式を採用できる。また、給電部は、全長にわたって鏡筒内に完全に埋設されてもよいが、全長の一部にわたってのみ鏡筒内に埋設されてもよく、鏡筒内に部分的に埋設されるだけでもよい。要は、給電部を鏡筒外に露出させないように鏡筒の内側で延在させればよい。この場合、例えば、鏡筒の内面に沿って形成される溝内に給電部を配置させてもよい。また、給電部は、その他端部が、例えば、レンズユニットのレンズ群を通じて集光される光を電気信号に変換する撮像素子を実装したセンサ基板に対して半田付け等により電気的に接続されることにより、あるいは、カメラハウジングの更なる給電ラインと電気的に接続されることにより、電力供給を受けてもよい。なお、給電部と加熱部とを電気的に接続する場合には、導電性接着剤を用いてもよく、また、導電性接着剤として例えばACP(異方性導電性接着剤)を用いてもよい。ACPは、電極+-が近傍にある場合に押圧された部分のみ導通される特長があるため、製造プロセスを簡易化できるメリットがある。
【0014】
また、上記構成において、加熱部の突出部を収容するべく鏡筒に設けられる突出部収容部は、加熱部がレンズ間介挿位置(第1および第2のレンズ間に介挿される位置、すなわち、第1のレンズと第2のレンズとの間に介挿されてしまった位置、または、その後に第1のレンズが第2のレンズ上に積み重ねられるなどして結果として第1のレンズと第2のレンズとの間に介挿されるようになるべき位置)に位置された状態で突出部を収容できさえすれば、どのような形態で鏡筒に設けられても構わない。なお、このレンズ間介挿位置において、加熱部は、第2のレンズの物体側表面によって支持されてもよく、突出部収容部を含む鏡筒の部位によって支持されてもよく、あるいは、これらの組み合わせであってもよい。
【0015】
また、上記構成において、突出部収容部は、鏡筒に対して突出部を周方向で位置決めするように鏡筒に形成される溝または突起によって画定されてもよい。このような溝または突起によれば、加熱部(突出部)を周方向で正確に位置決めして、加熱部の電極と給電部の電極とを互いに突出部収容部内で正確に位置合わせすることができ、したがって、加熱部と給電部との良好な電気的接続を効率的にかつ確実に行なうことができる。また、このような溝又は突起は、加熱部の突出部をこれと当接することにより正確に位置決めしてもよく、あるいは、突出部をこれと所定の遊度をもって少なくとも部分的に嵌合することにより位置決めしてもよく、突出部収容部内へと突出部を案内するガイドとしても作用する。なお、所定の遊度を形成する突出部収容部内の空間部位は、電極同士の電気的接続時に余分な接着剤を周方向および/または径方向に逃がすことができる。また、これに関連して、溝または突起は、突出部収容部からの導電性接着剤の流出を規制する接着剤ダムをさらに形成することが好ましい。すなわち、溝または突起は、加熱部の突出部を案内して位置決めする位置決めガイド機能と、接着剤が突出部収容部から溢れ出ること(オーバーフロー)を防止する接着剤溢出防止機能とを兼ねることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、前述のレンズユニットを有するカメラモジュール、該カメラモジュールを有する撮像システム、および、撮像システムを搭載して成る移動体も提供する。このようなカメラモジュール、撮像システムおよび移動体によっても前述したレンズユニットと同様の作用効果を得ることができる。なお、「移動体」とは、移動できる物体の全てを指し、例えば車両等を挙げることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ヒータの給電部が鏡筒の内側で延在されているため、給電部を鏡筒外部に露出させないで済み、また、ヒータの加熱部の外周に電極を伴う突出部が設けられ、この突出部を加熱部のレンズ間介挿位置で収容する突出部収容部が鏡筒に設けられるとともに、突出部収容部において給電部の電極が加熱部の突出部の電極と電気的に接続できるように露出しているため、レンズユニットに対するヒータの組み込み(ヒータの位置決め設置)が極めて容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るヒータを伴うレンズユニットを有するカメラモジュールの概略断面図である。
図2】本発明の第2の実施の形態に係るヒータを伴うレンズユニットを有するカメラモジュールの概略断面図である。
図3】本発明の第3の実施の形態に係るヒータを伴うレンズユニットを有するカメラモジュールの概略断面図である。
図4】鏡筒に対して加熱部の突出部を周方向で位置決めするように鏡筒に形成される溝によって突出部収容部が画定される一例を示し、(a)は、物体側から光軸方向で見た鏡筒の平面図、(b)は(a)のA-A線に沿う部分断面図、(c)は(a)のB-B線に沿う部分断面図、(d)は(a)のC-C線に沿う部分断面図である。
図5】鏡筒に対して加熱部の突出部を周方向で位置決めするように鏡筒に形成される突起によって突出部収容部が画定される他の例を示し、(a)は、物体側から光軸方向で見た鏡筒の平面図、(b)は(a)のD-D線に沿う部分断面図、(c)は(a)のE-E線に沿う部分断面図、(d)は(a)のF-F線に沿う部分断面図、(e)は(a)のG-G線に沿う部分断面図である。
図6】ヒータの加熱部が鏡筒内に組み込まれたレンズユニットを物体側から光軸方向で見た平面図である。
図7】ヒータの加熱部の配線パターンの一例を示す平面図である。
図8】(a)は、給電部を構成する金属板をインサートモールドにより鏡筒に埋設するように一体成形した例を示す上面斜視図、(b)はその半断面斜視図である。
図9】本発明の一実施の形態に係るカメラモジュールを備える撮像システム(車載システム)が搭載される移動体としての車両の概略図である。
図10図9の撮像システムを構成する撮像装置の構成を示すブロック図である。
図11】(a)は従来のヒータを伴うレンズユニットの部分的な概略断面図、(b)は従来のヒータの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明するが、本実施の形態は、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献する。
なお、以下で説明される本実施の形態のレンズユニットは、特に車載カメラ等のカメラモジュール用のものであり、例えば、自動車の外表面側に固定して設置され、配線は自動車内に引き込まれてディスプレイやその他の装置に接続される。また、図1,2,3,6,11において複数のレンズについてはハッチングを省略している。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るレンズユニット11を有するカメラモジュール80を示している。図示のように、レンズユニット11は、円筒状の鏡筒(バレル)12と、鏡筒12の段付きの内側収容空間S内に配置される複数のレンズ、例えば、第1のレンズ13、第2のレンズ14、第3のレンズ15、第4のレンズ16および第5のレンズ17から成る5つのレンズと、図示しない絞り部材とを備えている。絞り部材は、透過光量を制限し、明るさの指標となるF値を決定する「開口絞り」またはゴーストの原因となる光線や収差の原因となる光線を遮光する「遮光絞り」である。このようなレンズユニット11を備える車載カメラは、レンズユニット11と、イメージセンサ(撮像素子)304を有するセンサ基板305と、当該基板305を自動車等の車両に設置する図示しない設置部材とを備えるものである。なお、本実施の形態では、外部に露出され得る第1のレンズ13がガラス製のレンズであり、それ以外の内側の第2~第5のレンズ14,15,16,17が全て樹脂(プラスチック)によって形成される樹脂レンズであるが、これに限定されない。また、これらのレンズ13,14,15,16,17を収容する鏡筒12は、本実施の形態では樹脂製であるが、金属製であっても構わない。また、鏡筒およびレンズの形状、レンズの数等については用途等に応じて任意に設定できる。
【0021】
鏡筒12に固定されて支持されている複数のレンズ13,14,15,16,17は、それぞれの光軸を一致させた状態で配置されており、1つの光軸Oに沿って各レンズ13,14,15,16,17が並べられた状態となって、撮像に用いられる一群のレンズ群Lを構成している。このうち、最も像側(内側収容空間Sの最も内奥側)に位置される2つの第4および第5のレンズ16,17は例えば貼り合わせレンズであってもよい。また、これらのレンズ13,14,15,16,17の表面には、必要に応じて、反射防止膜、親水膜、撥水膜等が設けられる。
【0022】
鏡筒12の物体側の端部(図1において上端部)には、当該端部を径方向内側に熱的にカシメてなるカシメ部23が設けられており、このカシメ部23によってレンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ13が鏡筒12の物体側の端部に固定されている。
【0023】
また、鏡筒12の像側の端部(図1において下端部)には、第5のレンズ17よりも径の小さい開口部を有する内側フランジ部24が設けられている。この内側フランジ部24とカシメ部23とにより、鏡筒12内にレンズ群Lを構成する複数のレンズ13,14,15,16,17と絞り部材とが保持されている。
【0024】
最も物体側に位置される第1のレンズ13の外周面には、当該レンズ13の像側部分に径が小さくなった縮径部が設けられ、当該縮径部にシール部材としてのOリング26が設けられ、レンズ13の外周面と鏡筒12の内周面との間を、鏡筒12の物体側端部で封止した状態となっている。これにより、レンズユニット11の物体側の端部から鏡筒12内に水や塵埃等の微粒子が浸入するのを防止している。なお、第1のレンズ13と鏡筒12との間に介挿されるシール部材は、Oリングに限定されず、第1のレンズ13と鏡筒12との間をシールできる環状体であればどのような形態であっても構わない。なお、鏡筒12の外周面には、鏡筒12を車載カメラに設置する際に用いられる外側フランジ部25が鏡筒12の外周面に鍔状に設けられている。
【0025】
また、本実施の形態において、鏡筒12内には、発生した熱をレンズ群Lの最も物体側に位置される第1のレンズ13に伝えるためのヒータ30が配設されている。ヒータ30は、給電によって発熱する加熱部32と、加熱部32に電力を供給するとともに、鏡筒12に埋設された状態で鏡筒12の内側で延在する給電部34とを有する。加熱部32は、その物体側表面が鏡筒12から露出されて外部環境に晒される第1のレンズ13を暖めるべく、第1のレンズ13の像側の表面13aの形状にほぼ対応させて図6および図7に示されるように円環状を成すとともに、第1のレンズ13の像側に面する表面13aと第1のレンズ13に像側で隣接する第2のレンズ14の物体側に面する表面14aとの間に介挿されている。なお、加熱部32としては、例えば、PTC(positive temperature coefficient)ヒータを挙げることができる。
【0026】
図6および図7に明確に示されるように、円環状の加熱部32は、同心的なループが径方向に沿って配列されて成る配線パターン(導電パターン)39を有するとともに、その円周(外周)に沿う所定位置から径方向外側に突出する一対の突出部32a,32aを有している。これらの突出部32a,32aは、周方向に沿って互いに180°の角度間隔を隔てて径方向で向かい合うように設けられており、一方の突出部32aには配線パターン39の一端部に設けられた電極(例えば+電極)32bが位置され、他方の突出部32aには配線パターン39の他端部に設けられた電極(例えば-電極)32bが位置されている。
【0027】
また、本実施の形態において、鏡筒12は、第1および第2のレンズ13,14間に介挿される位置にある加熱部32の一対の突出部32a,32aを収容するための突出部収容部45を有する。この突出部収容部45は、本実施の形態では、図1および図6に示されるように加熱部32が第2のレンズ14の物体側の表面14a上に載置された状態で加熱部32の両側の突出部32a,32aを収容するべく、鏡筒12の内周面に形成された環状の段部12aの2か所に、具体的には、突出部32a,32aの位置に対応して周方向に沿って互いに180°の角度間隔を隔てて径方向で向かい合う環状段部12aの2つの部位に設けられる。
【0028】
この場合、突出部収容部45は、例えば、図4および図6に示されるように、鏡筒12に対して突出部32a,32aを周方向で位置決めするように鏡筒12の環状段部12aに形成される溝40によって画定されてもよい。この溝40は、突出部32aを受け入れる空間を少なくとも形成するように径方向および周方向に延在しており、加熱部32の突出部32aをこれと当接することにより正確に位置決めしてもよく、あるいは、図6に示されるように突出部32aをこれと所定の遊度をもって少なくとも部分的に嵌合することにより位置決めしてもよく、突出部収容部45内へと突出部32aを案内するガイドとしても作用する。
【0029】
あるいは、突出部収容部45は、例えば、図5に示されるように、鏡筒12に対して突出部32a,32aを周方向で位置決めするように鏡筒12の環状段部12aに形成される一対の突起43,43によって画定されてもよい。これらの突起43,43は、それらの間に突出部32aを受け入れる空間を少なくとも形成するように径方向および周方向に延在しており、加熱部32の突出部32aをこれと当接することにより正確に位置決めしてもよく、あるいは、突出部32aをこれと所定の遊度をもって少なくとも部分的に嵌合することにより位置決めしてもよく、突出部収容部45内へと突出部32aを案内するガイドとしても作用する。
【0030】
また、図1に明確に示されるように、加熱部32に電力を供給するための給電部34は、各突出部収容部45内に収容される加熱部32の2つの突出部32a,32aの電極32b,32bにそれぞれ給電できるように鏡筒12の両側に設けられており、全長にわたって鏡筒12に完全に埋設された状態で各突出部収容部45から鏡筒12の像側端部12cまで延在している。この場合、給電部34は、本実施の形態では、導電性部材、例えば金属板によって形成されているが、電気配線、例えば、リード線によって形成されてもよく、あるいは、FPC(Flexible printed circuits)製の配線から成っていてもよい。いずれにしても、給電部34の電気抵抗は、加熱部32よりも下げて給電部34で発熱しないようにしなければならない。
【0031】
給電部34が配線等により構成される場合には、例えば、図1に示されるように、鏡筒12の側壁に穿設された貫通孔12b,12bに給電部34が挿通されてもよい。この場合、貫通孔12b,12bは、光軸Oと略平行に延びて、各突出部収容部45,45内および像側端部12cでそれぞれ開口する。
【0032】
一方、本実施の形態のように給電部34が金属板から成る場合には、例えばインサートモールドによって給電部34が鏡筒12と一体成形されてもよい。そのような一体成形により鏡筒12に給電部34を設けた一例が図8に示されている(図8の例は、後述する図3の実施の形態に対応しており、給電部34が鏡筒12の像側端部12cまで延在していない)。
【0033】
いずれにしても、給電部34は、その一端部の電極34aが、加熱部32の突出部32aに設けられる電極32bと電気的に接続できるように鏡筒12の突出部収容部45内で(例えば給電部34の一端部を屈曲させた状態で)露出されている。一方、給電部34の他端部の電極34bは、鏡筒12の像側端部12cで(例えば給電部34の他端部を屈曲させた状態で)露出されており、本実施の形態では、レンズ群Lを通じてフィルタ100を介して集光される光を電気信号に変換するパッケージセンサ(撮像素子)304を実装したセンサ基板305に対して導電性接着剤36または半田付け等により電気的に接続されることにより、電力供給を受けるようになっている。なお、給電部34の電極34aと加熱部32の突出部32aに設けられる電極32bとの電気的な接続は、本実施の形態では導電性接着剤36を介して行なわれ、そのような導電性接着剤36としては、例えばACP(異方性導電性接着剤)を用いることができる。しかしながら、電極34a,32b同士の電気的な接続は、導電性接着剤36を介することなく電極34a,32b同士の直接的な接触によって行なわれてもよい。この場合は、例えば、前述したカシメ部23による熱カシメに伴う押圧力によって電極34a,32b同士が直接に接触させられてもよい。
【0034】
また、このような導電性接着剤36を介した突出部収容部45内での電極32b,34a同士の電気的接続においては、図6にも示されるように、突出部収容部45を画定する前述した溝40または突起43が、突出部収容部45からの導電性接着剤36の流出を規制することができる。この場合、溝40または突起43と加熱部32の突出部32aとの間の所定の遊度を伴う嵌合は、電極32b,34a同士の電気的接続時に余分な接着剤36を周方向および/または径方向に逃がすことができる隙間を突出部収容部45内に形成し得る。すなわち、本実施の形態において、溝40または突起43は、加熱部32の突出部32aを突出部収容部45内へ案内して位置決めする位置決めガイド機能と、接着剤36が突出部収容部45から溢れ出ること(オーバーフロー)を防止する接着剤溢出防止機能とを兼ねる。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態によれば、加熱部32の外周に電極32bを伴う突出部32aが設けられ、この突出部32aを加熱部32のレンズ間介挿位置で収容する突出部収容部45が鏡筒12に設けられるとともに、突出部収容部45において給電部34の電極34aが加熱部32の突出部32aの電極32bと導電性接着剤36を介して電気的に接続できるように露出しているため、レンズユニット11に対するヒータ30の組み込み(設置)時においては、加熱部32側の電極32bが加熱部32のどの部位にあるのかをわざわざ電極自体の目視により確認してこれらの電極32bを給電部34側の電極34aに位置合わせする面倒な作業を行なわなくても、加熱部32の突出部32aが鏡筒12の突出部収容部45内に収容されるように加熱部32をレンズ間介挿位置に位置させるだけで(本実施の形態では、加熱部32を第2のレンズ14の物体側の表面14a上に載置するだけで)容易に加熱部32と給電部34との電気的接続を図ることができ、したがって、レンズユニット11に対するヒータ30の組み込み(設置)を極めて容易に行なうことができる。
【0036】
また、本発明によれば、加熱部32に電力を供給する給電部34が鏡筒12に埋設された状態で鏡筒12の内側で延在しており、給電部34が鏡筒12の外部に露出していないため、給電部34の耐防水性を確保できるだけでなく、給電部34を外的環境および外力から保護することもできる。
【0037】
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るヒータ30を伴うレンズユニット11Aを有するカメラモジュール80Aを示している。図示のように、本実施の形態では、センサ基板305に対する給電部34の他端部の電極34bの電気的接続形態が第1の実施の形態と異なる。すなわち、本実施の形態において、一方(図中右側)の給電部34は、その他端部の電極34bが、センサ基板305に対してその表面305aで電気的に接続されており、他方(図中左側)の給電部34は、その他端部の電極34bが、センサ基板305の貫通孔305cを貫通してセンサ基板305に対してその裏面305bで電気的に接続されている。なお、それ以外の構成は第1の実施の形態と同一であり、したがって、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0038】
図3は、本発明の第3の実施の形態に係るヒータ30を伴うレンズユニット11Bを有するカメラモジュール80Bを示している。図示のように、本実施の形態のカメラモジュール80Bは、レンズユニット11Bを保持するカメラハウジング302を備え、このカメラハウジング302は、レンズユニット11B(鏡筒12)の雄ねじ12dと螺合する雌ねじ302aを有する。カメラハウジング302内にはパッケージセンサ(撮像素子)304を実装したセンサ基板305が設けられる。パッケージセンサ304は、CCDやCMOS等を備えており、レンズユニット11Bを通じて集光されて到達する光を電気信号に変換する。変換された電気信号は、カメラにより撮影された画像データの構成要素であるアナログデータやデジタルデータに変換される(前述した実施の形態も同様)。
【0039】
また、本実施の形態において、給電部34の他端部の電極34bは、雄ねじ12dよりも物体側に位置される鏡筒12の外側フランジ部25の像側端面で露出されており、この電極34bは、カメラハウジング302に埋設された導電部90の露出された物体側電極90aと導電性接着剤36又は半田付けにより電気的に接続され、また、導電部90の露出された像側電極90bは、センサ基板305の給電ライン92と導電性接着剤36又は半田付けにより電気的に接続されている。
【0040】
なお、それ以外の構成は第1の実施の形態と同一であり、したがって、第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
図9には、図1のカメラモジュール80(図2,3のカメラモジュール80A,80Bであってもよい)を含む撮像装置250を備える車載システム(撮像システム)が搭載される移動体としての車両240が概略的に示されている。図示のように、撮像装置250は車両240に搭載することができ、図9は、車両240における撮像装置250の搭載位置を例示する配置例である。車両240に搭載される撮像装置250は、車載カメラと呼ぶこともでき、車両240の種々の場所に設置することができる。例えば、第1の撮像装置250aは、車両240が走行する際の前方を監視するカメラとして、フロントバンパー又はその近傍に配置されてもよい。また、前方を監視する第2の撮像装置250bは、車両240の車室内のルームミラー(Inner Rearview Mirror)の近傍に配置されてもよい。第3の撮像装置250cは、運転者の運転状況を監視するカメラとしてダッシュボード上又はインスツルメントパネル内等に配置されてもよい。第4の撮像装置250dは、車両240の後方モニター用に車両240の後部に設置されてもよい。撮像装置250a、250bはフロントカメラと呼ぶことができる。第3の撮像装置250cは、インカメラと呼ぶことができる。第4の撮像装置250dはリアカメラと呼ぶことができる。撮像装置250は、これらに限られず、左後ろ側方を撮像する左サイドカメラおよび右後ろ側方を撮像する右サイドカメラ等、種々の位置に設置される撮像装置を含む。
【0042】
撮像装置250により撮像された画像の画像信号は、車両240内の情報処理装置242および/または表示装置243等に出力され得る。これらの情報処理装置242および表示装置243は、撮像装置250と共に車載システムを構成する。車両240内の情報処理装置242は、撮像装置250により取得される画像信号を処理し、画像を認識して運転者の運転を支援する装置を含む。また、情報処理装置242は、例えば、ナビゲーション装置、衝突被害軽減ブレーキ装置、車間距離制御装置、および、車線逸脱警報装置等を含むが、これらに限定されない。表示装置243は、情報処理装置242により処理されて出力される画像を表示するが、撮像装置250から直接に画像信号を受信することもできる。また、表示装置243は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、および、無機ELディスプレイを採用し得るが、これらに限定されない。表示装置243は、リアカメラ等の運転者から視認しづらい位置の画像を撮像する撮像装置250から出力された画像信号を、運転者に対して表示することができる。
【0043】
図10には、図9の車載システムを構成する撮像装置の構成が示される。図示のように、一実施の形態に係る撮像装置250は、制御部252と、記憶部254と、前述した図1のカメラモジュール80(図2,3のカメラモジュール80A,80Bであってもよい)とを備える。
【0044】
制御部252は、カメラモジュール80を制御するとともに、カメラモジュール80の撮像素子304から出力される電気信号を処理する。この制御部252は例えばプロセッサとして構成されてもよい。また、制御部252は1つ以上のプロセッサを含んでもよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および、特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでもよい。専用のプロセッサは、特定用途向けIC(Integrated Circuit)を含んでもよい。特定用途向けICは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)とも称される。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでもよい。プログラマブルロジックデバイスは、PLD(Programmable Logic Device)とも称される。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでもよい。制御部252は、1つ以上のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、および、SiP(System In a Package)のいずれかであってもよい。
【0045】
記憶部254は、撮像装置250の動作に係る各種情報又はパラメータを記憶する。記憶部254は、例えば半導体メモリ等で構成されてもよい。記憶部254は、制御部252のワークメモリとして機能してもよい。記憶部254は、撮像画像を記憶してもよい。記憶部254は、制御部252が撮像画像に基づく検出処理を行なうための各種パラメータ等を記憶してもよい。記憶部254は制御部252に含まれてもよい。
【0046】
前述したように、カメラモジュール80は、レンズユニット11を介して結像する被写体像を撮像素子304で撮像し、撮像した画像を出力する。カメラモジュール80で撮像された画像は、撮像画像とも称される。
【0047】
撮像素子304は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ又はCCD(Charge
Coupled Device)等で構成されてよい。撮像素子304は、複数の画素が並ぶ撮像面を有する。各画素は、入射した光量に応じて電流又は電圧で特定される信号を出力する。各画素が出力する信号は、撮像データとも称される。
【0048】
撮像データは、全ての画素についてカメラモジュール80で読み出され、撮像画像として制御部252に取り込まれてもよい。全ての画素について読み出された撮像画像は、最大撮像画像とも称される。撮像データは、一部の画素についてカメラモジュール80で読み出され、撮像画像として取り込まれてもよい。言い換えれば、撮像データは、所定の取り込み範囲の画素から読み出されてもよい。所定の取り込み範囲の画素から読み出された撮像データは、撮像画像として取り込まれてもよい。所定の取り込み範囲は、制御部252によって設定されてもよい。カメラモジュール80は、制御部252から所定の取り込み範囲を取得してもよい。撮像素子304は、レンズユニット11を介して結像する被写体像のうち所定の取り込み範囲の画像を撮像してもよい。
【0049】
以上、特定の実施の形態に関連して本発明を説明してきたが、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、本発明において、レンズ、鏡筒などの形状、ヒータの形成形態は、前述した実施の形態に限定されない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、前述した実施の形態の一部または全部を組み合わせてもよく、あるいは、前述した実施の形態のうちの1つから構成の一部が省かれてもよい。
【符号の説明】
【0050】
11,11A,11B レンズユニット
12 鏡筒
13 第1のレンズ
14 第2のレンズ
30 ヒータ
32 加熱部
32a 突出部
32b 電極
34 給電部
34a 電極
36 導電性接着剤
40 溝
43 突起
45 突出部収容部
80,80A,80B カメラモジュール
240 車両(移動体)
L レンズ群
O 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11