IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉野工業所の特許一覧

<>
  • 特開-スクイズ吐出容器 図1
  • 特開-スクイズ吐出容器 図2
  • 特開-スクイズ吐出容器 図3
  • 特開-スクイズ吐出容器 図4
  • 特開-スクイズ吐出容器 図5
  • 特開-スクイズ吐出容器 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131131
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】スクイズ吐出容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
B65D47/20 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029909
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
(74)【代理人】
【識別番号】100165607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一成
(74)【代理人】
【識別番号】100196690
【弁理士】
【氏名又は名称】森合 透
(72)【発明者】
【氏名】中村 弘幸
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB07
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC03
3E084EA01
3E084EC03
3E084FA03
3E084FB01
3E084GA01
3E084GA06
3E084GB06
3E084JA07
3E084KA20
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD01
3E084LE07
(57)【要約】
【課題】 一定量の粉体状又は顆粒状の内容物を均等に拡散させながら吐出させることを可能とすると共に湿気による内容物の固まりを抑制できるようにしたスクイズ吐出容器を創出することを課題とする。
【解決手段】 内容物Pが収容される容器本体10と、容器本体10内に連通する筒状の第1吐出口21が突設された頂壁22を有する内キャップ20と、口部11に装着される外筒部31、第2吐出口35を備えると共に内部に第1吐出口21を収納する計量筒36が垂下設されたドーム部32及びドーム部32を覆うオーバーキャップ34を備えた外キャップ30とを有し、頂壁22と計量筒36とが対向する部分に一定量の内容物Pを一時的に保持する計量空間Mが形成され、計量筒36に計量空間Mの内部と外部を連通する吐出孔37が形成され、容器本体10の内部と第2吐出口35との間が、第1吐出口21、計量空間M及び吐出孔37を介して連通形成される構成とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクイズ変形可能な胴部(12)を備えて内容物(P)が収容される容器本体(10)と、
容器本体(10)内に連通する筒状の第1吐出口(21)が突設された頂壁(22)を有し、前記容器本体(10)の口部(11)上に設けられる内キャップ(20)と、
前記口部(11)との間に内キャップ(20)を挟み込んだ状態で前記口部(11)に装着される外筒部(31)、第2吐出口(35)を備えると共に内部に前記第1吐出口(21)を収納する計量筒(36)が垂下設されたドーム部(32)及び該ドーム部(32)を覆うオーバーキャップ(34)を備えた外キャップ(30)と、を有するスクイズ吐出容器であって、
前記頂壁(22)と前記計量筒(36)とが対向する部分に一定量の前記内容物(P)を一時的に保持する計量空間(M)が形成され、前記計量筒(36)に計量空間(M)の内部と外部を連通する吐出孔(37)が形成されており、
前記容器本体(10)の内部と前記第2吐出口(35)との間が、前記第1吐出口(21)、前記計量空間(M)及び前記吐出孔(37)を介して連通形成されていることを特徴とするスクイズ吐出容器。
【請求項2】
頂壁(22)が水平頂壁部(22a)と傾斜頂壁部(22b)とを有して形成されると共に、第1吐出口(21)が前記傾斜頂壁部(22b)に立設されている請求項1記載のスクイズ吐出容器。
【請求項3】
吐出孔(37)が、傾斜頂壁部(22b)と当接する計量筒(36)の下端の位置で且つ第2吐出口(35)と径方向において対向する位置に形成されている請求項2記載のスクイズ吐出容器。
【請求項4】
第1吐出口(21)の上端に、径方向外側に向かって反ることで逆流防止壁として機能するカール部(21a)が形成されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスクイズ吐出容器。
【請求項5】
前記第2吐出口(35)に弁体(50)が設けられている請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスクイズ吐出容器。
【請求項6】
オーバーキャップ(34)の内面に、第2吐出口(35)を閉塞する閉塞凸部(38)が設けられている請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスクイズ吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体状又は顆粒状の内容物の定量吐出を可能とするスクイズ吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
粉体状又は顆粒状の内容物を一定量吐出させることが可能な容器として、容器本体の口頸部を閉蓋する蓋から計量筒を垂下すると共に、口頸部内へ嵌合させたキャップ本体の底壁部から起立するテーパ状筒の上端部を計量筒内に遊挿させ、容器本体を倒立させると計量筒内に粉体を流入させることができ、容器本体を正立させると計量筒内の内容物の一部が容器本体内へ戻るが、他の一部はテーパ状筒に連設された計量室内に一定量の内容物を溜めることができ、再び容器本体を倒立させると、計量室内の内容物を蓋に設けた計量振出孔から振り出せる容器が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-10556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の容器では、内容物が計量室内から蓋に設けた計量振出孔から落下することで吐出する構成であることから、内容物が集中的に吐出され易く、例えば内容物が、胡椒や塩などの調味料の場合にあっては、食材に対して調味料を均等に振り掛けることができず、濃淡が発生したり味にムラができたりする虞があった。
また特許文献1に記載の容器では、湿気を帯びた環境下において空気中に含まれる水分が容器本体に侵入しやすく、調味料の一部が塊状に固まりやすいという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく、簡単な構成により、一定量の粉体状又は顆粒状の内容物を均等に拡散させながら吐出させることを可能とすると共に湿気による内容物の固まりを抑制できるようにしたスクイズ吐出容器を創出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の主たる手段は、
スクイズ変形可能な胴部を備えて内容物が収容される容器本体と、容器本体内に連通する筒状の第1吐出口が突設された頂壁を有し、容器本体の口部上に設けられる内キャップと、
口部との間に内キャップを挟み込んだ状態で口部に装着される外筒部、第2吐出口を備えると共に内部に第1吐出口を収納する計量筒が垂下設されたドーム部及び該ドーム部を覆うオーバーキャップを備えた外キャップと、を有するスクイズ吐出容器であって、
頂壁と計量筒とが対向する部分に一定量の内容物を一時的に保持する計量空間が形成され、計量筒に計量空間の内部と外部を連通する吐出孔が形成されており、
容器本体の内部と第2吐出口との間が、第1吐出口、計量空間及び吐出孔を介して連通形成されていることを特徴とする、と云うものである。
本発明の主たる手段では、倒立操作及び戻し操作を行うことで、内容物を計量空間で保持することができ、続くスクイズ操作を行うことにより、計量空間で保持されている内容物を空気の力で吐出孔及び第2吐出口を介して均等に拡散させながら吐出することを達成し得る。
【0007】
本発明の他の手段は、本発明の主たる手段に、頂壁が水平頂壁部と傾斜頂壁部とを有して形成されると共に、第1吐出口が傾斜頂壁部に立設されている、との手段を加えたものである。
上記手段では、内容物を計量空間内に収納された第1吐出口の周囲のうち、空気が流れる経路上に設けられた吐出孔近傍の位置(傾斜頂壁部の下端位置)に集約させる状態で保持することを達成し得る。
【0008】
また本発明の他の手段は、上記手段に、吐出孔が、傾斜頂壁部と当接する計量筒の下端の位置で且つ第2吐出口と径方向において対向する位置に形成されている、との手段を加えたものである。
上記手段では、吐出孔近傍の位置に集約して保持された内容物を、一度のスクイズ操作で、吐出孔を通じて第2吐出口へ効率良く移動させて吐出させることができる。
【0009】
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、第1吐出口の上端に、径方向外側に向かって反ることで逆流防止壁として機能するカール部が形成されている、との手段を加えたものである。
上記手段では、一定量の内容物を計量空間内で保持することを達成し得る。
【0010】
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、第2吐出口に弁体が設けられている、との手段を加えたものである。
上記手段では、空気中に含まれる水分の容器本体内への侵入を防止し得る。
【0011】
また本発明の他の手段は、上記いずれかの手段に、オーバーキャップの内面に、第2吐出口を閉塞する閉塞凸部が設けられている、との手段を加えたものである。
上記手段では、内容物の漏れ防止、湿気による内容物の固まりの抑制及び弁体機能の確保を達成し得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、簡単な構成により、一定量の粉体状又は顆粒状の内容物を移動する空気により均等に拡散させながら吐出させることができる。
また、空気中に含まれる水分の容器本体内への侵入を防止できるため、湿気による内容物の固まりを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施例として、スクイズ吐出容器の初期状態を示す部分断面図である。
図2】スクイズ吐出容器を構成する外キャップの展開状態を示し、(a)は外キャップの縦断面図、(b)は外キャップの平面図である。
図3】スクイズ吐出容器の使用時の一例として倒立状態を示す部分断面図である。
図4図3に続く正立状態を示す部分断面図である。
図5図4に続く吐出状態を示す部分断面図である。
図6】本発明の第2実施例として、弁体を備えたスクイズ吐出容器の吐出状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の第1実施例として、スクイズ吐出容器の初期状態を示す部分断面図、図2はスクイズ吐出容器を構成する外キャップの展開状態を示し、(a)は外キャップの縦断面図、(b)は外キャップの平面図である。
【0015】
尚、以下の説明において、「上」方向、「下」方向とはそれぞれ、図1に示すように容器本体10を正立姿勢とした場合の容器軸Oに沿う鉛直上向き、鉛直方向下向きを指し、容器本体10の底部15に対して口部11が位置する側を上側、口部11に対して底部15が位置する側を下側とする。また「右」方向、「左方向とは、図1において、それぞれ容器軸Oに直交する右方向及び左方向を指し、外キャップ30の摘み片34aに対してヒンジ33が位置する側を右側、ヒンジ33に対して摘み片34aが位置する側を左側とする。更に径方向とは容器軸Oに直交する方向とする。
【0016】
スクイズ吐出容器1は、粉体状又は顆粒状の内容物、例えば胡椒や塩などの調味料、或いはベビーパウダーなどを定量吐出させるための容器である。まずスクイズ吐出容器1の構成について説明する。
図1に示すように、スクイズ吐出容器1は、上端に口部11を有する容器本体10と、口部11に装着される内キャップ20と、内キャップ20の外側に内キャップ20を覆うように装着される外キャップ30とを有して構成される。口部11の上縁には、内容物Pが収容された容器本体10内を密封するためのシール部材40が剥離可能な状態で貼設されている。
【0017】
容器本体10は、径方向に弾性変形可能な胴部12を備える有底筒状の合成樹脂製容器であり、縮径状に形成された肩部13を介して口部11が起立設されている。胴部12は、径方向内側に向かって押圧することでスクイズ変形し、押圧を解除することで径方向外側に向かってスクイズ変形前の形状に復元することが可能となっている。尚、口部11の外周面には、後述する外キャップ30の外筒部31が螺合する雄ネジ14が刻設されている。
【0018】
内キャップ20は、容器軸Oから外れた図示左側の位置に突設された筒状の第1吐出口21を備えた頂壁22と、頂壁22の周縁部に形成されて口部11との間にシール部材40を挟み込むフランジ部23と、頂壁22とフランジ部23との間に一体に形成された段差部24を有して構成されている。段差部24は、頂壁22の全周に渡って形成された第1段差部24Aと、頂壁22の右側のみに第1段差部24Aに連続して形成された第2段差部24Bとを有して形成されている。このため、頂壁22は、右側に第2段差部24Bの分だけ高く形成された水平頂壁部22aと、左側に水平頂壁部22aから傾斜状に続く傾斜頂壁部22bと有して一体に形成されている。第1吐出口21は傾斜頂壁部22bに立設されており、その上端には径方向外側に向かって反ることで逆流防止壁として機能するカール部21aが形成されている。
【0019】
図2(a)(b)に示すように、外キャップ30は、円筒状の外筒部31の上に略半球状のドーム部32が連設されたキャップ本体30Aと、外筒部31の右側の上端に薄肉状に形成されたヒンジ33を介して開閉可能に連結された略半球状から成るオーバーキャップ34を有して合成樹脂材料により一体に成形されている。
外筒部31の内周面には、口部11に形成された雄ネジ14に螺合する雌ネジ31aが刻設されている。ドーム部32の左側の基端近傍にはドーム部32の内外を貫通する短筒状の第2吐出口35が形成され、ドーム部32の内面には円筒状の計量筒36が垂下設されている。
【0020】
図1に示すように、計量筒36は内部に第1吐出口21を収納した状態で、その下端は、容器軸Oよりも右側の位置においては水平頂壁部22aに当接し、容器軸Oよりも左側の位置においては傾斜頂壁部22bに当接可能に構成されている。また計量筒36には後述する計量空間Mの内部と外部とを連通し、内容物Pの吐出を可能とする吐出孔37が形成されている。より詳しくは、吐出孔37は、計量筒36の左側の下端を矩形状に切欠くことにより、この下端が当接する傾斜頂壁部22bとの間に形成されている。そして、この吐出孔37は、上記の第2吐出口35と径方向において対向する位置に設けられている。
オーバーキャップ34は、内側にドーム部32を収納することが可能な寸法を有して形成されており、ヒンジ33と逆側となる内面には容器軸O方向に突出する略半球状の閉塞凸部38が形成され、同じくヒンジ33と逆側となる外周面上の位置には摘み片34aが突設されている。
【0021】
スクイズ吐出容器1の組み付けは、シール部材40が貼設された容器本体10の口部11の上縁に、内キャップ20のフランジ部23を載置し、その上から外キャップ30の外筒部31を口部11に被せながら雄ネジ14と雌ネジ31aを螺合させて装着することによって行う。尚、図1に示す初期状態は、ヒンジ33を支点にオーバーキャップ34を閉方向(図示反時計回り方向)に回動させ、ドーム部32をオーバーキャップ34で覆う閉状態とすることにより設定することができる。この初期状態(閉状態)では、閉塞凸部38が第2吐出口35の先端を閉塞し、第2吐出口35からの内容物Pの漏れを防止する。またスクイズ吐出容器1の不使用時においては、空気中に含まれる水分の容器本体10内への侵入を防止することが可能となる。このため、湿気を帯びた環境下にあっても容器本体10内に収容されている内容物Pが塊状に固まることを抑制することができる。特にオーバーキャップ34を閉じ忘れた場合には効果的である。
【0022】
図1に示すように、スクイズ吐出容器1では、第1吐出口21を有する傾斜頂壁部22bと第1吐出口21を収納する計量筒36とが対向する部分に計量空間Mが形成されている。そして、容器本体10の内部と計量空間Mとは第1吐出口21を介して連通され、計量空間Mと第2吐出口35とは吐出孔37を介して連通されている。つまりは、容器本体10の内部と第2吐出口35との間は、第1吐出口21、計量空間M及び吐出孔37を介して連通されている。
【0023】
次に、上記構成から成るスクイズ吐出容器1の使用方法について、図1図3乃至図5を参照しつつ説明する。
図3はスクイズ吐出容器の使用時の一例として倒立状態を示す部分断面図、図4図3に続く正立状態を示す部分断面図、図5図4に続く吐出状態を示す部分断面図である。
【0024】
図1に示す初期状態において、一度外キャップ30を螺脱させると共に内キャップ20を外し、口部11の上端からシール部材40を剥離して取り外した後、再び内キャップ20及び外キャップ30を装着してスクイズ吐出容器1を使用可能状態に設定する。
【0025】
続いて、図3に示すように、オーバーキャップ34を開いた開状態に設定しながら、スクイズ吐出容器1を倒立状態に設定する操作を行い、内容物Pを、容器本体10内から第1吐出口21を通じて計量空間Mに移動させる(倒立操作)
続いて、図4に示すように、再びスクイズ吐出容器1を正立状態に戻す操作を行う(戻し操作)。この操作では、大部分の内容物Pは容器本体10内に戻ることになるが、計量空間Mに一定量の内容物Pを残量させることができる。すなわち、第1吐出口21の上端に形成されたカール部21aが逆流防止壁として機能するため、一定量の内容物Pを傾斜頂壁部22b上で且つ第1吐出口21の周囲に一時的に保持することができる。尚、倒立操作及び戻し操作は、オーバーキャップ34を閉状態として行うことも可能であり、この閉状態では閉塞凸部38が第2吐出口35の先端を閉塞していることから、これらの操作中に内容物Pが第2吐出口35から外部に吐出されてしまうことを防止することができる。
【0026】
最後に、図5に示すように、胴部12を径方向に内側に押圧してスクイズ変形させると、容器本体10内の空気Eが加圧されて移動する(スクイズ操作)。加圧された空気Eは、容器本体10内から第1吐出口21を通じて計量空間Mに移動し、更には吐出孔37を通じて第2吐出口35から外部に排出されることとなる。そして、このとき同時に計量空間M内に保持されている内容物Pが、移動する空気Eと共に吐出孔37及び第2吐出口35を通じて外部に吐出される。
【0027】
このように、本実施形態のスクイズ吐出容器1では、胴部12をスクイズ操作した際の空気Eの流れで計量空間M内に一時的に保持した内容物Pを吹き飛ばし、第2吐出口35から外部に吐出させる構成としているため、内容物Pを均等に拡散させながら吐出することができる。
尚、内容物Pを計量空間M内で保持した後は、スクイズ吐出容器1がどのような姿勢であっても、すなわち第2吐出口35の向きが、例えば下向き、上向き、横向きなどどのような向きであっても、胴部12をスクイズ操作することにより、内容物Pを確実に吐出させることが可能である。
【0028】
また本実施例では、倒立操作及び戻し操作を行うと、内容物Pを計量空間Mにおいて一時的に保持することができるが、第1吐出口21を傾斜頂壁部22bに設ける構成としたことから、この内容物Pを計量空間M内に収納された第1吐出口21の周囲のうち、吐出孔37近傍の位置(傾斜頂壁部22bの下端位置)に集約して保持することが可能である。そして、この吐出孔37近傍の位置は空気Eが流れる経路上に位置することから、一度のスクイズ操作で、内容物Pを吐出孔37近傍の位置から吐出孔37を通じて第2吐出口35へ効率良く移動させて吐出することができる。
このように、スクイズ吐出容器1では、上記した倒立操作及び戻し操作を行うことにより、一定量の内容物Pを計量空間Mで保持することができ、続くスクイズ操作において保持した一定量の内容物Pを移動する空気Eによって均等に拡散させながら吐出することができる。
【0029】
また本実施形態のスクイズ吐出容器1にあっては、計量空間M内に保持された内容物Pのみが吐出される構成であるため、一度に大量の内容物Pが吐出されることを防止することができる。更に計量空間Mは一定量の内容物Pを保持する構成であるため、1回のスクイズ操作で、概ね一定量の内容物Pを吐出させることができる。
【0030】
図6は本発明の第2実施例として、弁体を備えたスクイズ吐出容器の吐出状態を示す部分断面図である。
第2実施例に示すスクイズ吐出容器1は、第2吐出口35が弁体50を備える構成を除き、第1実施例と共通している。
図6に示すように、本発明の第2実施例では、内容物Pをスクイズ吐出容器1の外部に吐出させる第2吐出口35に弁体50が設けられて構成されている。
弁体50は、第2吐出口35の内周面に嵌合する円筒状の嵌合部51と、第2吐出口35の縁部に当接するフランジ52と、フランジ52の径方向の内側となる中央部には開閉弁53とを有し、例えばゴムやエラストマー等の軟質材で形成されている。
開閉弁53は、平面視において例えば中央部が十字形状に切断されて成るスリット(図示せず)を有して構成されている。胴部12をスクイズすると、加圧された空気Eが十字形状のスリットを外部方向に押し開きながら通過することで開閉弁53が開き、スクイズ操作を解除すると、空気Eの流れが止まってスリットが復元し、開閉弁53が閉じるように構成されている。
尚、開閉弁53の形状は十字形状を形成する2本のスリットに限られるものではなく、1本でもよいし、3本以上であってもよい。
【0031】
またドーム部32をオーバーキャップ34で覆った初期状態(閉状態)では、第1実施例同様に閉塞凸部38が弁体50を備えた第2吐出口35を閉塞する(図示せず)。このため、スクイズ吐出容器1の不使用時においては、空気中に含まれる水分の容器本体10内への侵入を防止することが可能となることから、湿気を帯びた環境下にあっても容器本体10内に収容されている内容物Pが塊状に固まることを抑制することができる。特にオーバーキャップ34を閉じ忘れた場合には効果的である。
同時に、閉塞凸部38が弁体50の開閉弁53をドーム部32の内部方向に向かって押し込むため、スリットを少し開く状態に設定することが可能となる。このため、スリットに付着した内容物Pが固まることによって開閉弁53が開閉しにくくなる不具合を防止し、弁体50の機能を確保することができる。
【0032】
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。
例えば、上記実施例では、外キャップ30側の外筒部31と容器本体10の口部11とはネジを介して装着される場合を示して説明したが、外筒部31が口部11に対してアンダーカット係合することにより装着される構成であってもよい。
【0033】
また地付き実施例では、内キャップ20が水平頂壁部22aと傾斜頂壁部22bを有し、第1吐出口21が傾斜頂壁部22bに設けられる構成を示して説明したが、内キャップ20が水平頂壁部22aのみを有し、第1吐出口21を水平頂壁部22aに設ける構成とすることも可能である。
【0034】
また上記実施例では、外キャップ30を構成するオーバーキャップ34が、ヒンジ33を介して外筒部31に一体且つ開閉可能に設けられる構成を示して説明したが、オーバーキャップ34を外筒部31とは別体に構成し、外筒部31の上部にアンダーカット係合を介して開閉可能に取り付ける構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、粉体状又は顆粒状の内容物を定量吐出させるスクイズ吐出容器の分野における用途展開を更に広い領域で図ることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 : スクイズ吐出容器
10 : 容器本体
11 : 口部
12 : 胴部
13 : 肩部
14 : 雄ネジ
15 : 底部
20 : 内キャップ
21 : 第1吐出口
21a: カール部
22 : 頂壁
22a: 水平頂壁部
22b: 傾斜頂壁部
23 : フランジ部
24 : 段差部
24A: 第1段差部
24B: 第2段差部
30 : 外キャップ
30A: キャップ本体
31 : 外筒部
31a: 雌ネジ
32 : ドーム部
33 : ヒンジ
34 : オーバーキャップ
34a : 摘み片
35 : 第2吐出口
36 : 計量筒
37 : 吐出孔
40 : シール部材
50 : 弁体
51 : 嵌合部
52 : フランジ
53 : 開閉弁
E : 空気
M : 計量空間
O : 容器軸
P : 内容物
図1
図2
図3
図4
図5
図6