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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131178
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】フェイスシールド
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220831BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
A41D13/11 L
A41D13/11 Z
A41D13/11 K
A62B18/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021029989
(22)【出願日】2021-02-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】521084747
【氏名又は名称】蒲生 美香
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100094248
【弁理士】
【氏名又は名称】楠本 高義
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】蒲生 美香
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA06
2E185BA08
2E185BA20
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】
顔面全体を覆うことでウィルス等の感染リスクを抑え、かつ容易に着用でき、外鼻孔部や口部に対応する部位が開閉可能であり、外鼻孔部や口部からの検体の採取、軽食や飲料の摂取を、着用したままでも可能とするフェイスシールドを提供する。
【解決手段】
フェイスシールド1は、顔面の輪郭に倣う環状の枠体2と、鼻尖部から額にかけての顔面を覆う面体3と、外鼻孔部から顎にかけての顔面を覆う開閉口部4と、顔面に当接する柔軟当接材10と、着用時に吸気をするための吸気口22と、着用時に排気をするための排気口23と、が設けられ、開閉口部4は、複数の異形の平板と、所定の異形の平板に設けられた複数の磁石Aと、が備えられ、複数の異形の平板は粘着シート材6または接着シート材により連結されて立体的に形状変更可能に形成され、着用時に、閉口状態から少なくとも一の開口状態に切り換えられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の顔面を覆うためのフェイスシールドであって、
前記フェイスシールドは、
顔面の輪郭に倣う環状の枠体と、
環状の前記枠体に支持され、鼻尖部から額にかけての顔面を覆う面体と、
外鼻孔部から顎にかけての顔面を覆う開閉口部と、
環状の前記枠体に支持され、顔面に当接する環状の柔軟当接材と
着用時に吸気をするための吸気口と、
着用時に排気をするための排気口と、が設けられ、
前記開閉口部は、複数の異形の平板と、所定の異形の該平板に設けられた複数の磁石Aと、が備えられ、複数の異形の前記平板は粘着シート材または接着シート材により連結されて立体的に形状変更可能に形成され、着用時に、閉口状態から少なくとも一の開口状態に切り換えられることを特徴とするフェイスシールド。
【請求項2】
前記枠体または前記面体の両頬部に対応する位置から、顔面前方に延びる一対の頬部延設部材が設けられ、一対の該頬部延設部材は、各々少なくとも1の磁石Bが所定位置に配設されており、複数の前記磁石Aと複数の前記磁石Bから、所定の磁石同士を一対ずつ組み合わせて磁着させ、前記閉口状態または少なくとも一の開口状態を維持することを特徴とする請求項1に記載のフェイスシールド。
【請求項3】
前記枠体の所定位置に、少なくとも1の磁石Cを配設することを特徴とする請求項1~2に記載のフェイスシールド。
【請求項4】
前記枠体は、ほぼ全周に亘って凹部材が設けられ、該凹部材を覆うように前記柔軟当接材が被されて通気路が形成され、着用者の口部に近い前記枠体の所定位置に設けられた切り欠き部を通じて前記通気路に排気を排出し、通気路と連なる前記排気口から外部に排気を排出することを特徴とする請求項1~3に記載のフェイスシールド。
【請求項5】
前記枠体の所定位置に前記吸気口および排気口を一体的に形成した吸排気部を設け、前記吸気口に連なる吸気通路と前記排気口に連なる排気通路を設けた吸排気用治具と、前記吸気通路を介して外部エアーを送り込むエアー供給手段と、を備えることを特徴とする請求項1~4に記載のフェイスシールド。
【請求項6】
前記吸気口または吸気口に連なる所定位置、および前記排気口または排気口に連なる所定位置に、各々エアーフィルターが設けられることを特徴とする請求項1~5に記載のフェイスシールド。
【請求項7】
前記吸気通路および排気通路には、各々通路内を通過するエアーに向けて照射する紫外線LEDが少なくとも1個設けられていることを特徴とする請求項5~6に記載のフェイスシールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染症を予防するためのフェイスシールドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インフルエンザ等の感染症に対し、市中ではマスクやフェイスガードを着けて、飛沫感染を避けることにより感染予防している。しかしながら、最近の蔓延する新型コロナウィルスなどの高い感染力を有する感染症においては、マスクやフェイスガードのみでは感染を予防することが難しい。またウィルスは鼻、口ばかりでなく、眼の粘膜などを介して感染する恐れがあり、マスクやフェイスガードでは感染予防が不十分である。
【0003】
特許文献1には、外科手術時に用いられる、空気流動装置を備えたヘッドギア組立品が開示されている。ヘッドギア組立品には、顔面保護用のフェイスシールドが取り付けられ、その上から外科手術服を装着して防護システムを構築し、体液、血液、ウィルスなどからの感染症又は疾病に罹るのを防ぎ、かつ、ヘッドギア組立品内においては、空気流動装置により空気が送られ、外科医等の使用者が快適性を保つように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010-500127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のヘッドギア組立品のフェイスシールドは、顔面は覆うものの顎に近い部分は開放されており、ギア組立品単独では、血液、体液、ウィルスなどの飛散による感染を防ぐことはできない。血液、体液、ウィルスなどの飛散による感染を防ぐためには、ギア組立品を装着した後、外科手術服を装着する必要があり、簡単な装着、容易な装着ができない。また一旦装着すれば、飲料とか簡単な食事をしようとすると、外科手術服を脱ぐ必要があり、簡単ではない。
【0006】
したがって本発明の目的は、顔面全体を覆うことでウィルス等からの感染リスクを抑え、かつ容易に着用でき、外鼻孔部や口部に対応する部位が開閉可能であり、外鼻孔部や口部からの検体の採取、軽食や飲料の摂取を、着用したままでも可能とするフェイスシールドを提供することである。
【0007】
外鼻孔部や口部に該当する部位が開閉可能なフェイスシールドを、感染リスクが高い現場で従事する医師、看護師や、基礎疾患を有する人や高齢者が着用することにより、簡単な軽食や飲料を取るときに、自らが外鼻孔部や口部を開放し、軽食や飲料を取ることができる。また医者や看護師が、患者の外鼻孔部や口部から検体を採取するとき、また患者の咽頭部のハレなどを確認するとき、外鼻孔部や口部に該当するフェイスシールドを開閉して、感染のリスクを抑えながら容易に確認できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のフェイスシールドは、顔面の輪郭に倣う環状の枠体と、環状の前記枠体に支持され、鼻尖部から額にかけての顔面を覆う面体と、外鼻孔部から顎にかけての顔面を覆う開閉口部と、環状の前記枠体に支持され、顔面に当接する環状の柔軟当接材と、着用時に吸気をするための吸気口と、着用時に排気をするための排気口と、が設けられ、前記開閉口部は、複数の異形の平板と、所定の異形の該平板に設けられた複数の磁石Aと、が備えられ、複数の異形の前記平板は粘着シート材または接着シート材により連結されて立体的に形状変更可能に形成され、着用時に、閉口状態から少なくとも一の開口状態に切り換えられることを特徴とする。
【0009】
また本発明のフェイスシールドは、前記枠体または前記面体の両頬部に対応する位置から、顔面前方に延びる一対の頬部延設部材が設けられ、一対の該頬部延設部材は、各々少なくとも1の磁石Bが所定位置に配設されており、複数の前記磁石Aと複数の前記磁石Bから、所定の磁石同士を一対ずつ組み合わせて磁着させ、前記閉口状態または少なくとも一の開口状態を維持することを特徴とする。
【0010】
さらに本発明のフェイスシールドは、前記枠体の所定位置に、少なくとも1の磁石Cを配設することを特徴とする。
【0011】
また本発明のフェイスシールドは、前記枠体は、ほぼ全周に亘って凹部材が設けられ、該凹部材を覆うように前記柔軟当接材が被されて通気路が形成され、着用者の口部に近い前記枠体の所定位置に設けられた切り欠き部を通じて前記通気路に排気を排出し、通気路と連なる前記排気口から外部に排気を排出することを特徴とする。
【0012】
さらに本発明のフェイスシールドは、前記枠体の所定位置に前記吸気口および排気口を一体的に形成した吸排気部を設け、前記吸気口に連なる吸気通路と前記排気口に連なる排気通路を設けた吸排気用治具と、前記吸気通路を介して外部エアーを送り込むエアー供給手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
また本発明のフェイスシールドは、前記吸気口または吸気口に連なる所定位置、および前記排気口または排気口に連なる所定位置に、各々エアーフィルターが設けられることを特徴とする。
【0014】
さらに本発明のフェイスシールドは、前記吸気通路および排気通路には、各々通路内を通過するエアーに向けて照射する紫外線LEDが少なくとも1個設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のフェイスシールドは、着用者の顔面全体を覆うことができ、眼部、鼻部、口部からの感染リスクを抑えることができる。また外鼻孔部と口部に対応する部位に開閉口部を設けるため、着用したまま開閉口部を開閉して、診察や検体の採取、軽食や飲料を摂取できる。
【0016】
本発明のフェイスシールドは、エアー供給手段を備えて、フェイスシールド内にエアーを供給するため、着用時の呼吸がしやすい。
【0017】
本発明のフェイスシールドは、吸気、排気の通路にエアーフィルターを配置しているため、ウィルス等の通過を減ずることができる。
【0018】
本発明のフェイスシールドは、吸気、排気の通路に紫外線LEDを配置し、通過するエアーを殺菌、不活性化しているので、吸排気のエアーによる感染リスクを減ずることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係るフェイスシールドの正面概略図。
図2】本発明の実施形態に係るフェイスシールドを着用者が着用したときの側面概略図。
図3】本発明の実施形態に係る開閉口部の展開図。
図4】本発明の実施形態に係る開閉口部の(a)平板連結断面図、(b)平板屈曲図。
図5】本発明の実施形態に係る開閉口部の閉口状態の(a)正面図、(b)側面図、(c)底面図。
図6】本発明の実施形態に係る開閉口部と枠体の壁部との関係図。
図7】本発明の実施形態に係る開閉口部の第一の開口状態の(a)正面図、(b)側面図。
図8】本発明の実施形態に係る開閉口部の第二の開口状態の(a)正面図、(b)側面図。
図9】本発明の実施形態に係る磁石Bを有する頬部延設部材の平面図。
図10】本発明の実施形態に係る頬部延設部材を備えたフェイスシールドの正面概略図。
図11】本発明の実施形態に係る頬部延設部材を備えたフェイスシールドを着用者が着用したときの側面概略図。
図12】本発明の実施形態に係る枠体に設けた通気路の概略図。
図13】本発明の実施形態に係る排気が通る通気路の概略図。
図14】(a)本発明の実施形態に係る枠体に設けた吸排気部の斜視外観図、(b)吸排気用治具とエアー供給手段及び紫外線LEDの配置に係る断面概略図。
図15】本発明の第二の実施形態に係る開閉口部の展開図。
図16】本発明の第二の実施形態に係る開閉口部の閉口状態における(a)正面図、(b)側面図、(c)底面図。
図17】本発明の第二の実施形態に係る開閉口部の、第一の開口状態における(a)正面図、(b)側面図。
図18】本発明の第二の実施形態に係る開閉口部の、第二の開口状態における(a)正面図、(b)側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について、図に基づいて詳細に説明する。なお、各図に亘って示される同じ符号は、同一または同様のものを示す。
【0021】
<実施例1>
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態によるフェイスシールド1は、例えば、感染リスクの高い場所で従事する際や、高齢者や基礎疾患を有する人が診察を受ける際に、着用するのに好適なものであり、図1に示すようにフェイスシールド1は、顔面の輪郭に倣う環状の枠体2を骨格に各部を配設して構成される。鼻尖部を超えて額にかけては、顔面に対向するように透明樹脂板よりなる面体3を枠体2に固定して配置する。面体3と枠体2に隙間がある場合は、隙間にシーリング材を塗布して気密性を高めるのが好ましい。外鼻孔部及び口部に対応する部位には、複数の異形の平板を連結して形成する開閉可能な開閉口部4を設ける。開閉口部4と面体3の境界5は、両部と跨るように、柔軟性及び屈曲性のある接着シート材6により貼り合わせられる。接着シート材6は、面体3と開閉口部4の隙間をカバーし、開閉口部4を開閉するためのヒンジの役割をする。接着シート材6に代えて粘着シート材でもよく、耐久性の高いものが好ましい。面体3下方の外鼻孔部に近い位置には、吸気口と排気口を併用する吸排気口7を設け、吸排気時の飛沫やウィルス等の流出、侵入を低減するエアーフィルター8を配置する。吸排気口7は枠体2に設けてもよく、吸気口と排気口を各々分離して設けてもよい。開閉口部4を指で引っ掛けたり、摘まむことにより開口、閉口させる摘み部9を、開閉口部4の下方に設ける。
【0022】
図2に示すように、枠体2の顔面に当接する側には、顔面に密着し、かつ顔面にソフトな感覚を与える樹脂材料よりなる柔軟当接材10を枠体2に固定して配設する。樹脂材料はシリコン材料が好ましい。また着用時にフェイスシールド1を頭部に固定するヘッドベルト11を枠体2に設ける。
【0023】
図3は開閉口部4を平面に展開した展開図を示す。図3に示すように、開閉口部4は、複数の異なる形状を有する平板X1、平板Y1~Y4、平板Z1~Z4と、シート材Sを連結して立体的に形状変更可能に形成される。開閉口部4は、平面に展開でき、左右対称である。平面に展開した開閉口部4の各辺に記載の△は山折、▼は谷折りを示す。平板X1は、閉じた開閉口部4を正面視した時に正面に位置する逆台形状の平板であり、外鼻孔部及び口部を覆う。平板Y1~Y4は、閉じたときに、側面を形成する平板である。平板Y1~Y3は同サイズの直角3角形である。平板Y1~Y3は同サイズの2等辺3角形でも良く、直角3角形に限定されない。平板Z1~Z4は、閉じたときに底面部を形成する平板である。同様に底面部を形成するシート材Sは、柔軟で屈曲可能なシート材であり、透明な樹脂材料が好ましい。平板は透明な樹脂材料が好ましい。複数の磁石A1~A5が所定平板の所定位置に配設される。磁石Aの個数、配設位置は開閉口部4の形状に応じて適宜設定すればよい。
【0024】
平板X1の頂点T1において、平板X1の角度φ1=60度、平板Y1の角度φ2=30度、平板Y2の角度φ3=30度、平板Y3の角度φ4=30度、平板Y4の角度φ5=60度である。平板X1の頂点T2において、平板Z1の角度φ6=90度、平板Z2の角度φ7=30度、平板Z3の角度φ8=30度である。平板Y4の頂点T3において、平板Z4の角度φ9=60度である。各平板の形状、頂点の角度は、開閉口部4の形状により変更可能であり、上述の形状、角度に限定されない。
【0025】
平板Y1に設けられた磁石A1と、平板Y3に設けられた磁石A2は同形状の磁石であり、開閉口部4が閉じられた時には、平板Y2を挟んで磁石A1と磁石A2が重なり合い磁着し、平板Y1、平板Y2、平板Y3が折り畳まれた状態になる。磁石Aを平板に配置する際は、重なり合う磁石の面同志が、N極とS極になるように配置する。磁石Aの厚みは、平板の厚みと同じであることが好ましい。平板の厚みは、軽量および剛性の観点から1.5~3mmが好ましく、磁石Aの厚みも1.5~3mmが好ましい。
【0026】
平板Z1に設けられた磁石A4と、平板Z4に設けられた磁石A5は、開閉口部4が閉じられた時には、平板Z2を一部挟み込んだ状態で、重なり合って磁着する。平板Z1には、指で引っ掛けたり、摘まんだりして、開閉口部4を開口、閉口する方向に力を加える摘み部9を接着剤で固設する。摘み部9の固定は接着剤に限らず、例えば摘み部9を樹脂材料で作製し、溶着してもよい。
【0027】
図4(a)に示すように、隣り合う平板Y2、Y3、Y4の連結は、谷折り側の辺を跨ぐように接着シート材6を貼り合わせて、固定する。他の隣り合う平板も、同様に谷側の辺を跨ぐように貼り合わせる。接着シート材6は、粘着シート材に代えてもよく、耐久性の高いものが好ましい。磁石A1は、平板Y3に磁石A1の外形と略同サイズの貫通孔12をあけ、挿入して配置される。配置された磁石A1の両面から、接着性あるいは粘着性を有する磁石固定用シート材13を用いて、磁石A1を覆うように貼り合わせる。他の磁石Aも同様に磁石固定用シート材13で貼り合わせて固定する。平板に対する磁石Aの固定方法は、平板の貫通孔12の内周面に接着剤を塗布して固定してもよく、磁石固定用シート材13による固定に限定されない。磁石Aを平板の貫通孔12に挿入して固定するのではなく、平板の片面に載置するように配置し固定してもよい。磁石Aは同形状であっても異サイズ、異形状であってもよい。図4(b)に示すように、接着シート材6が撓んで、平板Y2,Y3、Y4は折り曲げられる。
【0028】
図5図9は開閉口部4の開閉時の状態を示す。ここでは摘み部9の図は省く。
<開閉口部が閉の状態>
図5(a)に示す開閉口部4は、閉状態の形状を正面視したものであり、平板X1が前面に現出し、顎部に向かって幅細となる逆台形状に折りたたまれた状態である。開閉口部4が顎部に向かって細巾となるため、図6に示すように環状の枠体2は内側に延び、壁部14を設け、閉じたときに隙間が出来ない構成とする。図5(b)は開閉口部4を側面視したものであり、平板Y1と平板Y4が前面に現出される。平板Y1に固定された磁石A1と平板Y3に固定された磁石A3が重なり合って、磁着する。この時平板Y2が、平板Y1と平板Y3に挟まれて、三層の平板が折りたたまれた状態になり、密着状態が維持される。平板Z1の延出部40は、枠体2の外周面と重なり合って密着するよう構成される。図5(c)は開閉口部4の底面部であり、底面視において平板Z1が前面に現出する。平板Z1の磁石A4と平板Z4の磁石A5が、平板Z2を一部挟み込んだ状態で、重なり合って磁着し、閉じられた底面部を形成する。この時平板Z2と平板Z3は折り畳まれ、平板Z4と平板Z3は重ならず、同平面上に位置する。またシート材Sは撓みながら折りたたまれた状態になる。
【0029】
<開閉口部が第一の開口の状態>
図7(a)に示す開閉口部4は、最も開口された状態の正面図を示す。正面視して現出する平板X1の角度φ1=60度と、隣接する平板Y1の角度φ2=30度の合計は90度となり、下方の平板Z1の突出部分を除けば矩形となる。図7(b)に示す側面は、平板Y2、Y3、Y4の角度φ3、φ4、φ5の合計は120度となる。下方に開口される開口領域Pは最大となる。
【0030】
<開閉口部が第二の開口の状態>
図8に示す開閉口部4の開口状態は、図7に示す開口領域Pと比べて狭い。図8(a)に示す開閉口部4は、閉口時の状態から、平板Z1の磁石A4と平板Z4の磁石A5を引き離すことにより、平板Z1が拘束力を失って前面に出た状態である。図8(b)の側面図に示されるように、平板Z1、平板Z2、平板Z3に囲まれた領域が開口領域Pとなる。
【0031】
上述のように、顔面全体を覆うフェイスシールド1は、ヘッドベルト11のみで頭部に固定しており、容易に着脱が可能である。また顔面全体を覆うので、医師や患者、介護に携わる人にとって感染リスクを抑えることができる。
【0032】
フェイスシールド1に外鼻孔部と口部を覆う開閉口部4を設けることにより、診察時の待合など開口する必要がないときは、開閉口部4を閉口状態にして顔面全体を覆い、感染リスクを抑えることができる。また開閉口部4を開口することにより、診察や検体の採取、軽食や飲料の摂取ができる。例えば、軽食や診察の場合は、開閉口部4を最大の開口状態にし、ストローなので飲料を取る場合は、できるだけ狭い開口状態にし、適宜開口状態を調整できる。
【0033】
上述の実施形態に、図9に示す頬部延設部材15を、フェイスシールド1の両頬部に対応する位置から顔面前方に延びるように設けることができる。図10に示すように、両頬部に取り付けた頬部延設部材15の上部を面体3の側面下部と重ね合わせて接着材で貼り合わせる。両頬部に設けられた一対の頬部延設部材15に磁石B1を設ける。頬部延設部材15に磁石B1と略同サイズの貫通孔16をあけて、磁石B1を挿入して磁石Bの両面から磁石固定用シート材13を貼り合わせて、固定する。頬部延設部材15は枠体2に固定してもよいし、面体3または枠体2と一体成形してもよい。磁石B1は各々の頬部延設部材15に一個でなくても複数個設けてもよいし、磁石B1を頬部延設部材15に挿入して固定するのではなく、頬部延設部材15の片面に載置するように配置し固定してもよい。
【0034】
頬部延設部材15に磁石B1を設けることにより、開閉口部4を最大に開口したときに、開閉口部4の側面に現出する平板Y2の磁石A3と、磁石B1とが重なりあって磁着し、図11に示すように、開閉口部4の開口領域Pの最大開口状態が維持される。
【0035】
図11に示すように、枠体2の外周面の顎部近傍の位置に、磁石C1を設けてもよい。平板Z1の延出部40に磁石A6を固設し、磁石A6と磁石C1を重ね合わせて、密着するように構成する。磁石A6、Cの個数は、1~複数個設けてもよい。磁石A6と磁石C1を磁着させることにより、平板Z1の延出部40と枠体2の密着度をあげて、フェイスシールド1内の気密性を上げることができる。枠体2への磁石Cの配置は、顎部近傍の位置に限定されず、必要に応じて適宜配置すればよい。
【0036】
さらに図1に示す吸排気口7に代えて、吸気口と排気口を分離して設けることができる。図12に示すように、環状の枠体2の全周に亘って凹部材17を取り付け、柔軟当接材10を被せて覆い、排気用の通気路18とすることができる。凹部材17は、面体3と一体的に成形してよい。枠体2の内側面に固定用突起19を設け、凹部材17には突起用孔部20を設ける。突起用孔部20に、先端部を突起用孔部20より若干大きくした固定用突起19を挿通させることにより、枠体2に対して凹部材17を固定する。この時、枠体2と凹部材17の間に柔軟当接材10の端面を挟み込むように配置することにより、柔軟当接材10が枠体2に固定される。図13に示すように、顎部に対応する凹部材17の一部に切り欠き部21を設け、口部や外鼻孔部から排出される排気の通路とすることができる。通気路18を通過する排気の排気口を、例えば、枠体2の頭頂部に対応する位置に設けることができる。
【0037】
図14(a)に示すように、排気口22の隣接する位置に吸気口23を配置した吸排気部24を設けることができる。さらに図14(b)に示すように、吸気通路25と排気通路26を一体的に形成した吸排気用治具28を、枠体2の吸排気部24に挿通して取り付けることができる。吸排気部24の外周部に固定用突起27を配置し、吸排気用治具28が脱着可能に設ける。吸排気部24の外周部にはOリング29を配設し、気密性を高める。吸気通路25に取り付けたジョイント30と、小型ブロアーなどのエアー供給手段31の送風口32に設けたエアーチューブ33とを連結し、フェイスシールド1内に外部エアーを供給する。供給される外部エアーが漏れないように吸排気用治具28に供給口用Oリング34を設ける。エアー供給手段31から延びるエアーチューブ33は、吸排気用治具28を用いることなく、枠体2の吸気口23にジョイントを介して、直接連結してよい。エアー供給手段31及びバッテリー等の電源(不図示)は、着用者の着衣に着脱可能に取り付けられる。また電源とエアー供給手段31間の配線途中にスイッチ(不図示)を設け、着脱時にエアー供給手段31を可動させたり、停止させることができる。エアー供給手段31やスイッチはフェイスシールド1自体、例えば枠体2に固定するようにしてもよい。
【0038】
吸排気用治具28の吸気通路25と排気通路26には、エアーフィルター35を配設する。エアーフィルター35は、感染症などのウィルスが通過しにくい細密なものがよく、抗菌仕様のものがよい。吸気通路25のエアーフィルター35は、エアー供給手段31のエアー取入口36に設けてもよい。
【0039】
開閉口部4を開口すると、エアー供給手段31を停止するようにしてもよい。枠体2の顎部に対応する位置に、リミットスイッチ(不図示)や、近接センサーや光電センサーなどのセンサー(不図示)を配置する。開閉口部4が閉じたとき、開閉口部4の延出部40がリミットスイッチに接触、またはセンサーで感知することにより、エアー供給手段31と電源が導通し、フェイスシールド1内にエアーを供給する。開口すると、延出部40がリミットスイッチや、センサーから離れ、エアー供給手段31と電源を遮断するように配線すればよい。エアー供給手段31を停止することにより、着用者が感染者の場合でも、開口することによるエアー拡散を防ぐことができ、感染リスクを抑えることができる。
【0040】
エアー供給手段31を用いて外部エアーをフェイスシールド1内に入れることにより、フェイスシールド1内の気圧が外部より高くなるため、枠体2の切り欠き部21から枠体2の凹部材17を通過し、大気と繋がる排気口22に向けてのエアー流れができる。そのため、着用者の排気がフェイスシールド1内に滞留することなく、効果的に排気できる。また、吸気通路25と排気通路26に、エアーフィルター35を設けることで、フェイスシールド1内に取り入れるエアーに混入するウィルス等を削減し、感染リスクを抑えるとともに、着用者の排気に含まれるウィルス等を削減し、他者へ感染させるリスクを抑えることができる。
【0041】
図14(b)に示すように、吸排気用治具28の吸気通路25と排気通路26に紫外線LED37を配設することができる。紫外線の適切な照射時間、照射量を確保するために、紫外線LED37を各々の通路に複数個設けることが好ましい。また吸排気用治具28への配置に限定されず、環状の枠体2に沿って設けられている通気路18内を照射するように紫外線LED37を配置してもよい。紫外線LED37の電源は、着用者が着衣に取り付けて、持ち運びできるバッテリー(不図示)が好ましい。
【0042】
吸気通路25に紫外線LED37を設けて、通過する吸気用エアーに紫外線を照射することにより、通過する吸気エアーを殺菌、不活性化することができ、ウィルス等による着用者の感染リスクを低減できる。排気通路26に紫外線LED37を設けて、通過する排気エアーに紫外線を照射することにより、通過するエアーを殺菌、不活性化することができ、他者へのウィルス等による感染リスクを低減できる。
【0043】
図10に示すように、フェイスシールド1の面体3の下方に、鼻尖部を横切り、柔軟当接材10に繋がる横断柔軟当接材38を設けて、開閉口部4と面体3の内部空間を仕切ってもよい。この時、横断柔軟当接材38に逆止弁39を設け、面体3から開閉口部4へ一方向に外部エアーが取り込まれるように構成し、面体3に取り込んだ外部エアーを開閉口部4へ送り込めばよい。面体3と開閉口部4との内部空間を仕切れば、吐いた息が面体3側に到達せず、眼部周辺の面体3が曇らなくてよい。
【0044】
<実施例2>
実施例1の開閉口部4に代えて、図15に示す左右対称の展開図を有する開閉口部104を設けてよい。開閉口部104は、閉じたときに、正面視して正面部を形成する矩形の平板X101及び同形状の平板X102と平板X103、側面を形成する平板Y101、底面部を形成する平板Z101~Z105を有する。平板の各辺に記載の△は山折り、▼は谷折りを示す。各平板は、実施例1と同様に、谷折り側の辺を跨ぐように接着シート材または粘着シート材で貼り合わせて連結する。複数の磁石A101~A107が所定の平板の所定位置に設けられる。磁石Aの個数、配置は限定されず、適宜必要な個数を、適切な位置に配置すればよい。
【0045】
<開閉口部が閉の状態>
図16(a)に示す開閉口部4は、閉状態の形状を正面視したものであり、矩形の平板X101が前面に現出し、平板X102、平板103が内側に折り畳まれた状態である。このとき平板X102を挟み込んで、平板X101の磁石A101と平板X103の磁石A102が重なり合って磁着した状態となる。図16(b)は開閉口部4を側面視したものであり、平板Y101が前面に現出される。図16(c)は開閉口部4の底面部であり、平板Z101が前面に現出している。平板Z101の磁石A104と平板Z103の磁石A106が、平板Z102を挟み込んだ状態で磁着する。平板Z101の磁石A105と平板Z105の磁石A107が、平板Z102,Z103、Z104を挟み込んだ状態で磁着する。
【0046】
<開閉口部が第一の開口の状態>
図17(a)に示す開閉口部4は、開口領域Pの最も開口された状態を正面視したものであり、平板X101と平板Z101が前面に現出する。図17(b)に示すように、側面視して前面に現出する平板は、平板X101、平板Z101を除く全ての平板であり、平板X102、平板X103、平板Z102、平板Z103、平板Z104、平板Z105、平板Y101である。このとき、磁石A103は、枠体または面体から延びる部材(不図示)に設けられた磁石B(不図示)と重なり合って磁着し、開口状態を維持できる。
【0047】
<開閉口部が第二の開口の状態>
図18(a)に示す開閉口部4の開口状態は、図17に示す開口領域Pと比べて狭い。図18(a)に示す正面視において、前面に現出する平板は、平板X101と平板Z101であり、平板Z102~Z104と、平板X102~X103は内側に折り畳まれた状態である。平板X101の磁石A101と平板X103の磁石A103が、平板X102を挟み込んだ状態で磁着する。平板Z101の磁石A104と平板Z103の磁石A106が、平板Z102を挟み込んで磁着する。図18(b)に示すように、側面視において、平板Y101、平板Z104、平板Z105が前面に現出する。
【0048】
上述の実施例2によれば、開閉口部104を開口した時の、開口領域Pが広くとれ、軽食や飲料を取りやすい。また開口して着用者の口部、鼻部から検体を採取するときなど、採取しやすい。フェイスシールドの製造においても、平板の枚数を少なくできるため、組立が容易である。開閉口部104の形状は限定されることなく適宜変更可能であり、開閉口部104の形状に応じて平板形状、平板枚数を調整できる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものであり、これらの態様はいずれも本発明の範囲に属するものである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によるフェイスシールド1を着用することにより、感染症等の感染リスクを抑えることができ、従来面会できなかった入院中の方や、帰省時に会えなかった人とも面会が可能になる。またフェイスシールド1着用により、感染症対策で開催できなかったイベント、往来が規制された旅行や、公共交通機関による移動が活性化され、経済を回復させる一助となる。さらにフェイスシールド1は使い捨てでなく、繰り返し使用できるため経済的である。
【符号の説明】
【0051】
1 フェイスシールド
2 枠体
3 面体
4 開閉口部
6 接着シート材(粘着シート材)
7 吸排気口
8、35 エアーフィルター
10 柔軟当接材
X1、Y1~Y4、Z1~Z4、X101~X103、Y101、Z101~Z105 平板
A1~A6、A101~A107 磁石A
B1 磁石B
C1 磁石C
15 頬部延設部材
17 凹部材
18 通気路
21 切り欠き部
22 排気口
23 吸気口
24 吸排気部
25 吸気通路
26 排気通路
31 エアー供給手段
37 紫外線LED
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2021-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の顔面を覆うためのフェイスシールドであって、
前記フェイスシールドは、
顔面の輪郭に倣う環状の枠体と、
環状の前記枠体に支持され、鼻尖部から額にかけての顔面を覆う面体と、
外鼻孔部から顎にかけての顔面を覆う開閉口部とを備え
前記開閉口部は、複数の異形の平板を備え、複数の異形の前記平板は屈曲可能に連結されて立体的に形状変更可能に形成され、着用時に、閉口状態から少なくとも一の開口状態に切り換えられることを特徴とするフェイスシールド。
【請求項2】
前記開閉口部は、所定の異形の前記平板に設けられた複数の磁石Aをさらに備えており、
前記枠体または前記面体の両頬部に対応する位置から、顔面前方に延びる一対の頬部延設部材が設けられ、一対の該頬部延設部材は、各々少なくとも1の磁石Bが所定位置に配設されており、複数の前記磁石Aと複数の前記磁石Bから、所定の磁石同士を一対ずつ組み合わせて磁着させ、前記閉口状態または少なくとも一の開口状態を維持することを特徴とする請求項1に記載のフェイスシールド。
【請求項3】
前記開閉口部が、前記開口状態で下方に開口するものであり、
前記枠体の顎部に、少なくとも1の磁石Cが配設されており、
前記開閉口部は、前記磁石Cにいずれかの前記磁石Aを磁着させることにより、その磁石Aが配設けられた前記平板が前記開口を閉じて前記閉口状態を維持するものであることを特徴とする請求項1~2に記載のフェイスシールド。
【請求項4】
前記枠体に支持され、顔面に当接する環状の柔軟当接材をさらに備えており、
前記枠体は、ほぼ全周に亘って凹部材が設けられ、該凹部材を覆うように前記柔軟当接材が被されて通気路が形成され、着用者の口部に近い前記枠体の所定位置に設けられた切り欠き部を通じて前記通気路に排気を排出し、当該通気路と連なる排気口から外部に排気を排出することを特徴とする請求項1~3に記載のフェイスシールド。
【請求項5】
前記枠体の所定位置に、前記排気口と外部から前記フェイスシールド内へ外部エアーを吸気するための吸気口とを一体的に形成した吸排気部を設け、
前記吸排気部に取り付けられ、前記吸気口に連なる吸気通路と前記排気口に連なる排気通路を設けた吸排気用治具と、前記吸気通路を介して外部エアーを送り込むエアー供給手段とをさらに備えることを特徴とする請求項に記載のフェイスシールド。
【請求項6】
前記吸気口または吸気口に連なる所定位置、および前記排気口または排気口に連なる所定位置に、各々エアーフィルターが設けられることを特徴とする請求項に記載のフェイスシールド。
【請求項7】
前記吸気通路および排気通路には、各々通路内を通過するエアーに向けて照射する紫外線LEDが少なくとも1個設けられていることを特徴とする請求項に記載のフェイスシールド。
【手続補正書】
【提出日】2021-12-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の顔面を覆うためのフェイスシールドであって、
前記フェイスシールドは、
顔面の輪郭に倣う環状の枠体と、
環状の前記枠体に支持され、鼻尖部から額にかけての顔面を覆う面体と、
外鼻孔部から顎にかけての顔面を覆う開閉口部と、
環状の前記枠体に支持され、顔面に当接する環状の柔軟当接材と、
着用時に吸気をするための吸気口と、
着用時に排気をするための排気口とを備え、
前記開閉口部は、複数の異形の平板を備え、複数の異形の前記平板は屈曲可能に連結されて立体的に形状変更可能に形成され、着用時に、閉口状態から少なくとも一の開口状態に切り換えられることを特徴とするフェイスシールド。
【請求項2】
前記開閉口部は、所定の異形の前記平板に設けられた複数の磁石Aをさらに備えており、
前記枠体または前記面体の両頬部に対応する位置から、顔面前方に延びる一対の頬部延設部材が設けられ、一対の該頬部延設部材は、各々少なくとも1の磁石Bが所定位置に配設されており、複数の前記磁石Aと複数の前記磁石Bから、所定の磁石同士を一対ずつ組み合わせて磁着させ、前記閉口状態または少なくとも一の開口状態を維持することを特徴とする請求項1に記載のフェイスシールド。
【請求項3】
前記開閉口部が、前記開口状態で下方に開口するものであり、
前記枠体の顎部に、少なくとも1の磁石Cが配設されており、
前記開閉口部は、前記磁石Cにいずれかの前記磁石Aを磁着させることにより、その磁石Aが配設けられた前記平板が前記開口を閉じて前記閉口状態を維持するものであることを特徴とする請求項1~2に記載のフェイスシールド。
【請求項4】
記枠体は、ほぼ全周に亘って凹部材が設けられ、該凹部材を覆うように前記柔軟当接材が被されて通気路が形成され、着用者の口部に近い前記枠体の所定位置に設けられた切り欠き部を通じて前記通気路に排気を排出し、当該通気路と連なる排気口から外部に排気を排出することを特徴とする請求項1~3に記載のフェイスシールド。
【請求項5】
前記枠体の所定位置に前記吸気口および前記排気口を一体的に形成した吸排気部を設け、
前記吸排気部に取り付けられ、前記吸気口に連なる吸気通路と前記排気口に連なる排気通路を設けた吸排気用治具と、前記吸気通路を介して外部エアーを送り込むエアー供給手段とをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のフェイスシールド。
【請求項6】
前記吸気口または吸気口に連なる所定位置、および前記排気口または排気口に連なる所定位置に、各々エアーフィルターが設けられることを特徴とする請求項5に記載のフェイスシールド。
【請求項7】
前記吸気通路および排気通路には、各々通路内を通過するエアーに向けて照射する紫外線LEDが少なくとも1個設けられていることを特徴とする請求項5に記載のフェイスシールド。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の顔面を覆うためのフェイスシールドであって、
前記フェイスシールドは、
顔面の輪郭に倣う環状の枠体と、
環状の前記枠体に支持され、鼻尖部から額にかけての顔面を覆う面体と、
外鼻孔部から顎にかけての顔面を覆う開閉口部と、
環状の前記枠体に支持され、顔面に当接する環状の柔軟当接材と、
着用時に吸気をするための吸気口と、
着用時に排気をするための排気口とを備え、
前記開閉口部は、複数の異形の平板を備え、複数の異形の前記平板は屈曲可能に連結されて立体的に形状変更可能に形成され、着用時に、閉口状態から少なくとも一の開口状態に切り換えられることを特徴とするフェイスシールド。
【請求項2】
前記開閉口部は、所定の異形の前記平板に設けられた複数の磁石Aをさらに備えており、
前記枠体または前記面体の両頬部に対応する位置から、顔面前方に延びる一対の頬部延設部材が設けられ、一対の該頬部延設部材は、各々少なくとも1の磁石Bが所定位置に配設されており、複数の前記磁石Aと複数の前記磁石Bから、所定の磁石同士を一対ずつ組み合わせて磁着させ、前記閉口状態または少なくとも一の開口状態を維持することを特徴とする請求項1に記載のフェイスシールド。
【請求項3】
前記開閉口部が、前記開口状態で下方に開口するものであり、
前記枠体の顎部に、少なくとも1の磁石Cが配設されており、
前記開閉口部は、前記磁石Cにいずれかの前記磁石Aを磁着させることにより、その磁石Aが配設けられた前記平板が前記開口を閉じて前記閉口状態を維持するものであることを特徴とする請求項2に記載のフェイスシールド。
【請求項4】
前記枠体は、ほぼ全周に亘って凹部材が設けられ、該凹部材を覆うように前記柔軟当接材が被されて通気路が形成され、着用者の口部に近い前記枠体の所定位置に設けられた切り欠き部を通じて前記通気路に排気を排出し、当該通気路と連なる排気口から外部に排気を排出することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のフェイスシールド。
【請求項5】
前記枠体の所定位置に前記吸気口および前記排気口を一体的に形成した吸排気部を設け、
前記吸排気部に取り付けられ、前記吸気口に連なる吸気通路と前記排気口に連なる排気通路を設けた吸排気用治具と、前記吸気通路を介して外部エアーを送り込むエアー供給手段とをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のフェイスシールド。
【請求項6】
前記吸気口または吸気口に連なる所定位置、および前記排気口または排気口に連なる所定位置に、各々エアーフィルターが設けられることを特徴とする請求項5に記載のフェイスシールド。
【請求項7】
前記吸気通路および排気通路には、各々通路内を通過するエアーに向けて照射する紫外線LEDが少なくとも1個設けられていることを特徴とする請求項5に記載のフェイスシールド。