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特開2022-131296レコメンド装置、レコメンド方法、プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131296
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】レコメンド装置、レコメンド方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/56 20200101AFI20220831BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220831BHJP
【FI】
G06F40/56
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021030163
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】ファン タァン クァン
(72)【発明者】
【氏名】山本 純一
(72)【発明者】
【氏名】沼辺 理奈
(72)【発明者】
【氏名】福井 知宏
【テーマコード(参考)】
5B091
5L049
【Fターム(参考)】
5B091AA15
5B091CA05
5B091CA21
5B091CC05
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自分の気持ちを表現する文章であって、相手にとって効果的な文章を推奨可能なレコメンド装置を提供する。
【解決手段】レコメンド装置10は、他方のユーザの識別情報に基づき、他方のユーザの資質情報を取得する資質情報取得部13と、他方のユーザの資質情報に応じた定型文情報(気持ち表現文章に関する定型文毎に定型文と、資質情報と、影響度とを紐づけた情報)を取得する定型文情報取得部14と、影響度に基づいて、複数の定型文の中から少なくとも1つの定型文を選択する選択部15と、定型文を気持ち表現文章として用いることを一方のユーザに推奨する推奨部18と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
資質情報取得部、定型文情報取得部、選択部、及び推奨部を含み、
前記資質情報取得部は、他方のユーザの識別情報に基づき、前記他方のユーザの資質情報を取得し、
前記資質情報は、資質を示す情報であり、
前記定型文情報取得部は、前記他方のユーザの資質情報に応じた定型文情報を取得し、
前記定型文情報は、気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけた情報であり、
前記影響度は、前記資質情報が示す資質を有するユーザが前記定型文を受信したときに受ける心的影響の程度を示す指標であり、
前記選択部は、前記影響度に基づいて、複数の前記定型文の中から少なくとも1つの前記定型文を選択し、
前記推奨部は、前記定型文を前記気持ち表現文章として用いることを一方のユーザに推奨する、レコメンド装置。
【請求項2】
さらに、未送信文章取得部、抽出部、及び推奨文章生成部を含み、
前記未送信文章取得部は、一方のユーザから、未送信の気持ち表現文章と前記未送信の気持ち表現文章の送信先である他方のユーザの識別情報とを紐づけて取得し、
前記選択部により選択される前記定型文は、少なくとも1つの単語の入力を求める不完全な文であり、
前記抽出部は、前記未送信文章から少なくとも一つの重要語を抽出し、
前記推奨文章生成部は、前記定型文に前記重要語を入力して、推奨文章を生成し、
前記推奨部は、生成した前記推奨文章を前記気持ち表現文章として用いることを前記一方のユーザに推奨する、請求項1記載のレコメンド装置。
【請求項3】
前記抽出部は、構文解析部、共起ネットワーク形成部、及び辞書情報取得部を含み、
前記構文解析部は、前記未送信の気持ち表現文章を構文解析して、名詞である単語及び形容詞である単語を抽出し、
前記共起ネットワーク形成部は、抽出した前記各単語を用いて、前記各単語を頂点とする共起ネットワークを形成し、
前記辞書情報取得部は、気持ちに関する単語が収録された辞書情報を取得し、
前記抽出部は、前記共起ネットワーク及び前記辞書情報に基づき、予め設定した条件を満たす単語を前記重要語として抽出する、請求項2記載のレコメンド装置。
【請求項4】
さらに、評価情報取得部、及び影響度更新部を含み、
前記一方のユーザが、前記推奨部により推奨した前記定型文及び前記推奨文章の少なくとも一つを用いて、前記他方のユーザに気持ち表現文章を送信した場合、
前記評価情報取得部は、前記気持ち表現文章に対する前記他方のユーザの評価を示す評価情報を取得し、
前記影響度更新部は、前記評価情報を用いて、前記影響度を更新する、請求項1から3のいずれか一項に記載のレコメンド装置。
【請求項5】
さらに、記録部を含み、
前記記録部は、ユーザの識別情報と、前記ユーザの資質とを紐づけて資質情報として記録すること、及び
気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけて定型文情報として記録すること、の少なくとも一方を実行し、
前記資質情報取得部及び前記定型文情報取得部の少なくとも一方は、記録した前記資質情報及び前記定型文情報の少なくとも一方を取得する、請求項1から4のいずれか一項に記載のレコメンド装置。
【請求項6】
前記気持ち表現文章は、ポジティブな気持ちを表現した文章である、請求項1から5のいずれか一項に記載のレコメンド装置。
【請求項7】
前記ポジティブな気持ちは、感謝である、請求項1から6のいずれか一項に記載のレコメンド装置。
【請求項8】
資質情報取得工程、定型文情報取得工程、選択工程、及び推奨工程を含み、
前記資質情報取得工程は、他方のユーザの識別情報に基づき、前記他方のユーザの資質情報を取得し、
前記資質情報は、資質を示す情報であり、
前記定型文情報取得工程は、前記他方のユーザの資質情報に応じた定型文情報を取得し、
前記定型文情報は、気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけた情報であり、
前記影響度は、前記資質情報が示す資質を有するユーザが前記定型文を受信したときに受ける心的影響の程度を示す指標であり、
前記選択工程は、前記影響度に基づいて、複数の前記定型文の中から少なくとも1つの前記定型文を選択し、
前記推奨工程は、前記定型文を前記気持ち表現文章として用いることを一方のユーザに推奨する、レコメンド方法。
【請求項9】
さらに、未送信文章取得工程、抽出工程、及び推奨文章生成工程を含み、
前記未送信文章取得工程は、一方のユーザから、未送信の気持ち表現文章と前記未送信の気持ち表現文章の送信先である他方のユーザの識別情報とを紐づけて取得し、
前記選択工程により選択される前記定型文は、少なくとも1つの単語の入力を求める不完全な文であり、
前記抽出工程は、前記未送信文章から少なくとも一つの重要語を抽出し、
前記推奨文章生成工程は、前記定型文に前記重要語を入力して、推奨文章を生成し、
前記推奨工程は、生成した前記推奨文章を前記気持ち表現文章として用いることを前記一方のユーザに推奨する、請求項8記載のレコメンド方法。
【請求項10】
コンピュータに、資質情報取得手順、定型文情報取得手順、選択手順、及び推奨手順を含む手順を実行させるためのプログラム:
前記資質情報取得手順は、他方のユーザの識別情報に基づき、前記他方のユーザの資質情報を取得し、
前記資質情報は、資質を示す情報であり、
前記定型文情報取得手順は、前記他方のユーザの資質情報に応じた定型文情報を取得し、
前記定型文情報は、気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけた情報であり、
前記影響度は、前記資質情報が示す資質を有するユーザが前記定型文を受信したときに受ける心的影響の程度を示す指標であり、
前記選択手順は、前記影響度に基づいて、複数の前記定型文の中から少なくとも1つの前記定型文を選択し、
前記推奨手順は、前記定型文を前記気持ち表現文章として用いることを一方のユーザに推奨する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レコメンド装置、レコメンド方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
人と人との対話において、自分の気持ちを相手に伝えることが大事である。例えば、特許文献1には、ユーザの握力の大きさに基づいて、ユーザの気持ちを判別して、この判別した気持ちを他のユーザに伝達する技術が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-066807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、相手のことを考慮することなく、CGモデルを用いて自分の気持ちを一方的に伝えている。そのため、相手に自分の気持ちが十分に伝わらないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、自分の気持ちを表現する文章であって、相手にとって効果的な文章を推奨可能なレコメンド装置、レコメンド方法、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のレコメンド装置は、
資質情報取得部、定型文情報取得部、選択部、及び推奨部を含み、
前記資質情報取得部は、他方のユーザの識別情報に基づき、前記他方のユーザの資質情報を取得し、
前記資質情報は、資質を示す情報であり、
前記定型文情報取得部は、前記他方のユーザの資質情報に応じた定型文情報を取得し、
前記定型文情報は、気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけた情報であり、
前記影響度は、前記資質情報が示す資質を有するユーザが前記定型文を受信したときに受ける心的影響の程度を示す指標であり、
前記選択部は、前記影響度に基づいて、複数の前記定型文の中から少なくとも1つの前記定型文を選択し、
前記推奨部は、前記定型文を前記気持ち表現文章として用いることを一方のユーザに推奨する、装置である。
【0007】
本発明のレコメンド方法は、
資質情報取得工程、定型文情報取得工程、選択工程、及び推奨工程を含み、
前記資質情報取得工程は、他方のユーザの識別情報に基づき、前記他方のユーザの資質情報を取得し、
前記資質情報は、資質を示す情報であり、
前記定型文情報取得工程は、前記他方のユーザの資質情報に応じた定型文情報を取得し、
前記定型文情報は、気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけた情報であり、
前記影響度は、前記資質情報が示す資質を有するユーザが前記定型文を受信したときに受ける心的影響の程度を示す指標であり、
前記選択工程は、前記影響度に基づいて、複数の前記定型文の中から少なくとも1つの前記定型文を選択し、
前記推奨工程は、前記定型文を前記気持ち表現文章として用いることを一方のユーザに推奨する、方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、自分の気持ちを表現する文章であって、相手にとって効果的な文章をユーザに推奨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1のレコメンド装置の一例の構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態1のレコメンド装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態1のレコメンド装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、資質情報データベース、定型文情報データベース、及び辞書情報データベースの一例を示す模式図である。
図5図5は、影響度を算出する一例を示す模式図である。
図6図6は、抽出部の処理の一例を示す模式図である。
図7図7は、共起ネットワーク形成部による処理の一例を示す模式図である。
図8図8は、定型文情報取得部、選択部及び推奨文章生成部による処理の一例を示す模式図である。
図9図9は、悪感評価情報を取得した場合の前記影響度の更新の一例について示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のレコメンド装置は、例えば、
さらに、未送信文章取得部、抽出部、及び推奨文章生成部を含み、
前記未送信文章取得部は、一方のユーザから、未送信の気持ち表現文章と前記未送信の気持ち表現文章の送信先である他方のユーザの識別情報とを紐づけて取得し、
前記選択部により選択される前記定型文は、少なくとも1つの単語の入力を求める不完全な文であり、
前記抽出部は、前記未送信文章から少なくとも一つの重要語を抽出し、
前記推奨文章生成部は、前記定型文に前記重要語を入力して、推奨文章を生成し、
前記推奨部は、生成した前記推奨文章を前記気持ち表現文章として用いることを前記一方のユーザに推奨する、という態様であってもよい。
【0011】
本発明のレコメンド装置において、例えば、
前記抽出部は、構文解析部、共起ネットワーク形成部、及び辞書情報取得部を含み、
前記構文解析部は、前記未送信の気持ち表現文章を構文解析して、名詞である単語及び形容詞である単語を抽出し、
前記共起ネットワーク形成部は、抽出した前記各単語を用いて、前記各単語を頂点とする共起ネットワークを形成し、
前記辞書情報取得部は、気持ちに関する単語が収録された辞書情報を取得し、
前記抽出部は、前記共起ネットワーク及び前記辞書情報に基づき、予め設定した条件を満たす単語を前記重要語として抽出する、という態様であってもよい。
【0012】
本発明のレコメンド装置は、例えば、
さらに、評価情報取得部、及び影響度更新部を含み、
前記一方のユーザが、前記推奨部により推奨した前記定型文及び前記推奨文章の少なくとも一つを用いて、前記他方のユーザに気持ち表現文章を送信した場合、
前記評価情報取得部は、前記気持ち表現文章に対する前記他方のユーザの評価を示す評価情報を取得し、
前記影響度更新部は、前記評価情報を用いて、前記影響度を更新する、という態様であってもよい。
【0013】
本発明のレコメンド装置は、例えば、
さらに、記録部を含み、
前記記録部は、ユーザの識別情報と、前記ユーザの資質とを紐づけて資質情報として記録すること、及び
気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけて定型文情報として記録すること、の少なくとも一方を実行し、
前記資質情報取得部及び前記定型文情報取得部の少なくとも一方は、記録した前記資質情報及び前記定型文情報の少なくとも一方を取得する、という態様であってもよい。
【0014】
本発明のレコメンド装置において、例えば、
前記気持ち表現文章は、ポジティブな気持ちを表現した文章である、という態様であってもよい。
【0015】
本発明のレコメンド装置において、例えば、
前記ポジティブな気持ちは、感謝である、という態様であってもよい。
【0016】
本発明のレコメンド方法は、例えば、
さらに、未送信文章取得工程、抽出工程、及び推奨文章生成工程を含み、
前記未送信文章取得工程は、一方のユーザから、未送信の気持ち表現文章と前記未送信の気持ち表現文章の送信先である他方のユーザの識別情報とを紐づけて取得し、
前記選択工程により選択される前記定型文は、少なくとも1つの単語の入力を求める不完全な文であり、
前記抽出工程は、前記未送信文章から少なくとも一つの重要語を抽出し、
前記推奨文章生成工程は、前記定型文に前記重要語を入力して、推奨文章を生成し、
前記推奨工程は、生成した前記推奨文章を前記気持ち表現文章として用いることを前記一方のユーザに推奨する、という態様であってもよい。
【0017】
本発明のレコメンド方法において、例えば、
前記抽出工程は、構文解析工程、共起ネットワーク形成工程、及び辞書情報取得工程を含み、
前記構文解析工程は、前記未送信の気持ち表現文章を構文解析して、名詞である単語及び形容詞である単語を抽出し、
前記共起ネットワーク形成工程は、抽出した前記各単語を用いて、前記各単語を頂点とする共起ネットワークを形成し、
前記辞書情報取得工程は、気持ちに関する単語が収録された辞書情報を取得し、
前記抽出工程は、前記共起ネットワーク及び前記辞書情報に基づき、予め設定した条件を満たす単語を前記重要語として抽出する、という態様であってもよい。
【0018】
本発明のレコメンド方法は、例えば、
さらに、評価情報取得工程、及び影響度更新工程を含み、
前記一方のユーザが、前記推奨工程により推奨した前記定型文及び前記推奨文章の少なくとも一つを用いて、前記他方のユーザに気持ち表現文章を送信した場合、
前記評価情報取得工程は、前記気持ち表現文章に対する前記他方のユーザの評価を示す評価情報を取得し、
前記影響度更新工程は、前記評価情報を用いて、前記影響度を更新する、という態様であってもよい。
【0019】
本発明のレコメンド方法は、例えば、
さらに、記録工程を含み、
前記記録工程は、ユーザの識別情報と、前記ユーザの資質とを紐づけて資質情報として記録すること、及び
気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけて定型文情報として記録すること、の少なくとも一方を実行し、
前記資質情報取得工程及び前記定型文情報取得工程の少なくとも一方は、記録した前記資質情報及び前記定型文情報の少なくとも一方を取得する、という態様であってもよい。
【0020】
本発明のレコメンド方法において、例えば、
前記気持ち表現文章は、ポジティブな気持ちを表現した文章である、という態様であってもよい。
【0021】
本発明のレコメンド方法において、例えば、
前記ポジティブな気持ちは、感謝である、という態様であってもよい。
【0022】
本発明のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0023】
本発明の記録媒体は、本発明のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0024】
本発明において、「気持ち」とは、人の心の状態、感情、考え方、気分等のことをいい、ポジティブな気持ち、ネガティブな気持ちを含めて最も広義に解釈されるべきであり、如何なる意味においても限定されない。前記ポジティブな気持ちとしては、例えば、感謝、嬉しい、楽しい、喜び、応援、称賛、尊敬、誇らしい、興奮、安らぎ等が挙げられ、前記ネガティブな気持ちとしては、例えば、悲しい、寂しい、辛い、苦痛、痛い、怖い、謝罪、心配、切なさ等が挙げられる。
【0025】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0026】
[実施形態1]
図1は、本実施形態のレコメンド装置10の一例の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本装置10は、例えば、記録部11、未送信文章取得部12、資質情報取得部13、定型文情報取得部14、選択部15、抽出部16、推奨文章生成部17、推奨部18、評価情報取得部19、及び影響度更新部20を含む。なお、記録部11、未送信文章取得部12、抽出部16、推奨文章生成部17、評価情報取得部19、及び影響度更新部20は、任意の構成であって、本装置10に含んでいなくともよい。また、抽出部16は、例えば、構文解析部161、共起ネットワーク形成部162、及び辞書情報取得部163を含んでもよい。
【0027】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス(スマートウオッチ等)等であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0028】
図2に、本装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、表示装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0029】
中央処理装置101は、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、記録部11、未送信文章取得部12、資質情報取得部13、定型文情報取得部14、選択部15、抽出部16、推奨文章生成部17、推奨部18、評価情報取得部19、及び影響度更新部20として機能する。
【0030】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンター、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0031】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0032】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0033】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。また、メモリ102及び記憶装置104は、例えば、記録部11が記録した各種情報を記憶してもよい。
【0034】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、及び表示装置106を含んでもよい。入力装置105は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0035】
本装置10は、例えば、図1に示すように、さらに、資質情報データベース1、定型文情報データベース2、及び辞書情報データベース3を含んでもよい。本装置10は、例えば、前記通信回線網を介して、資質情報データベース1、定型文情報データベース2、及び辞書情報データベース3と接続可能である。
【0036】
つぎに、本実施形態のレコメンド方法の一例を、図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態のレコメンド方法は、例えば、図1のレコメンド装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態のレコメンド方法は、図1のレコメンド装置10の使用には限定されない。また、図3においてかっこで示した工程は、任意の工程である。
【0037】
本実施形態のレコメンド方法は、例えば、予め、記録部11により、ユーザの識別情報と、前記ユーザの資質とを紐づけて資質情報として記録すること、及び、気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけて定型文情報として記録すること、の少なくとも一方を実行してもよい(S11、記録工程)。記録部11は、例えば、ユーザの資質を特定する公知の技術(例えば、ストレングスファインダ等)を用いて、その技術により特定された資質を前記ユーザの識別情報と紐づけて記録してもよい。記録部11は、例えば、前記工程(S11)において、後述の辞書情報を記憶してもよい。前記資質情報、前記定型文情報、及び前記辞書情報(以下、まとめて、資質情報等ともいう)についての具体的な説明は、後述する。記録部11は、例えば、前記資質情報等を格納するデータベースを構築してもよい。本発明において、前記資質情報を格納するデータベースを資質情報データベース1といい、前記定型文情報を格納するデータベースを定型文情報データベース2といい、前記辞書情報を格納するデータベースを辞書情報データベース3という。また、記録部11は、例えば、前記資質情報等を外部のデータベースに格納することで記録してもよいし、メモリ102及び記憶装置104に前記資質情報等を記憶させることで記録してもよい。
【0038】
まず、例えば、未送信文章取得部12により、一方のユーザから、未送信の気持ち表現文章と前記未送信の気持ち表現文章の送信先である他方のユーザの識別情報とを紐づけて取得してもよい(S12、未送信文章取得工程)。以下、未送信の気持ち表現文章を、未送信文章ともいう。前記気持ち表現文章とは、例えば、前記一方のユーザから前記他方のユーザに対する気持ちを表現した文章である。未送信文章取得部12は、例えば、前記通信回線網を介して、外部の装置から取得されてもよい。
【0039】
次に、資質情報取得部13により、前記他方のユーザの識別情報に基づき、前記他方のユーザの資質情報を取得する(S13、資質情報取得工程)。前記資質情報とは、資質を示す情報である。前記資質とは、言い換えれば、例えば、性質、才能、能力、思考、気質等ともいう。具体的に、前記資質として、例えば、社交性、協調性、コミュニケーション能力、ポジティブ気質、競争性、戦略性、責任感、内省等が挙げられる。資質情報取得部13は、例えば、前記通信回線網を介して、外部から前記資質情報を取得してもよいし、記録部11により記録した資質情報(例えば、資質情報データベース1が格納している資質情報等)を取得してもよい。
【0040】
次に、定型文情報取得部14により、前記他方のユーザの資質情報に応じた定型文情報を取得する(S14、定型文情報取得工程)。前記定型文情報は、気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけた情報である。前記影響度は、前記資質情報が示す資質を有するユーザが前記定型文を受信したときに受ける心的影響の程度を示す指標である。ここで、定型文とは、少なくとも1つの単語の入力を求める不完全な文であってもよいし、完全な文であってもよい。前記不完全な文は、前記単語の入力を求める部分に、後述の抽出部16により抽出した重要語や、ユーザが入力した任意の単語が入力されることで、完全な文となり得る。前記単語の入力を求める部分は、2つ以上あってもよい。前記完全な文とは、文章として成立している文、すなわち、新たな単語を入力することなく意味が通じる文を意味する。前記定型文毎の前記影響度は、例えば、後述の影響度更新部20によって更新され得る。定型文情報取得部14は、例えば、前記通信回線網を介して、外部から前記定型文情報を取得してもよいし、記録部11により記録した定型文情報(例えば、定型文情報データベース2が格納している定型文情報等)を取得してもよい。
【0041】
次に、選択部15により、前記影響度に基づいて、複数の前記定型文の中から少なくとも1つの前記定型文を選択する(S15、選択工程)。選択部15により選択する前記定型文は、前記不完全な文であってもよいし、前記完全な文であってもよい。
【0042】
選択部15により選択する前記定型文が、前記不完全な文である場合、例えば、前記工程(S15)の後に、抽出部16により、前記未送信文章から少なくとも一つの重要語を抽出してもよい(S16、抽出工程)。抽出部16は、例えば、TextRank等の公知のアルゴリズムを用いてもよい。以下、具体的な前記工程(S16)の処理について、抽出部16が、構文解析部161、共起ネットワーク形成部162、及び辞書情報取得部163を含む例を挙げて説明する。構文解析部161は、前記未送信の気持ち表現文章を構文解析して、名詞である単語及び形容詞である単語を抽出する(S161、構文解析工程)。次に、共起ネットワーク形成部162により、抽出した前記各単語を用いて、前記各単語を頂点とする共起ネットワークを形成する(S162、共起ネットワーク形成工程)。前記共起ネットワークとは、例えば、前記各単語の共起関係を示すネットワークである。次に、辞書情報取得部163により、気持ちに関する単語が収録された辞書情報を取得する(S163、辞書情報取得工程)。辞書情報取得部163は、例えば、前記通信回線網を介して、外部から前記辞書情報を取得してもよいし、記録部11により記録した辞書情報(例えば、辞書情報データベース3が格納している辞書情報等)を取得してもよい。前記辞書情報としては、例えば、日本語感情表現辞書(URL:http://www.jnlp.org/SNOW/D18)等の既存の辞書を用いることができる。そして、抽出部16により、前記共起ネットワーク及び前記辞書情報に基づき、予め設定した条件を満たす単語を前記重要語として抽出する(S164、抽出工程)。前記予め設定した条件とは、特に制限されず、任意に設定できる。具体的に、前記条件としては、例えば、次数が多い単語、前記辞書情報内の単語、予め設定した式により算出される得点が他の単語より高い単語、及びこれらのうち任意の2つ以上の組み合わせ等がある。前記式は、特に制限されない。
【0043】
次に、前記工程(S16)の後、例えば、推奨文章生成部17により、前記定型文に前記重要語を入力して、推奨文章を生成する(S17、推奨文章生成工程)。すなわち、前記推奨文章は、前記重要語が入力されたことにより、前記完全な文となった定型文であるといえる。
【0044】
そして、前記工程(S16)~前記工程(S17)を実行しない場合、推奨部18により、前記定型文を前記気持ち表現文章として用いることを前記一方のユーザに推奨し(S18、推奨工程)、終了する(END)。この場合、推奨部18は、前記不完全な文である定型文を前記一方のユーザに推奨してもよいし、前記完全な文である定型文を前記一方のユーザに推奨してもよい。一方で、前記工程(S16)~前記工程(S17)を実行した場合、前記工程(S18)において、推奨部18により、生成した前記推奨文章を前記気持ち表現文章として用いることを前記一方のユーザに推奨する。この場合、前記一方のユーザに推奨する前記推奨文章は、前述したように、完全な文である。推奨部18は、例えば、表示装置(表示装置106や外部の表示装置)に前記定型文を表示することで推奨してもよいし、前記通信回線網を介して、前記一方のユーザに前記定型文を送信することで推奨してもよい。
【0045】
以下、前記工程(S18)の後、前記一方のユーザが、推奨部18により推奨した前記定型文及び前記推奨文章の少なくとも一つを用いて、前記他方のユーザに気持ち表現文章を送信した場合の処理(工程(S19)~工程(S20))について説明する。なお、前記送信は、例えば、本装置10が行ってもよいし、外部の装置が行ってもよい。
【0046】
まず、前記工程(S18)の後に、評価情報取得部19により、前記気持ち表現文章に対する前記他方のユーザの評価を示す評価情報を取得する(S19、評価情報取得工程)。前記評価は、例えば、前記気持ち表現文章に好感が持てるか否かを意味する評価であり、多段階評価であってもよい。評価情報取得部19は、例えば、前記通信回線網を介して、外部から前記評価情報を取得してもよい。
【0047】
次に、前記工程(S19)の後に、影響度更新部20により、前記評価情報を用いて、前記影響度を更新し(S20、影響度更新工程)、終了する(END)。具体的には、後述する。
【0048】
本実施形態によれば、前記他方のユーザの資質を考慮することで、前記他方のユーザにとって効果的な気持ち表現文章、言い換えれば、相手に気持ちが伝わりやすい気持ち表現文章を前記一方のユーザに推奨することができる。このように、本実施形態によれば、「どのような言葉を相手に送ればよいか分からない」、「自分の送った気持ちが相手に伝わっているか分からない」といったユーザ(気持ち表現文章の送信者)の不安を解消することができる。また、前記推奨文章を生成することで、前記一方のユーザに手間をかけることがないため、前記他方のユーザに気持ち表現文章(前記推奨文章)を送信しやすくなる。
【0049】
[実施形態2]
前記気持ち表現文章として、感謝を表す文章を例に挙げて、本発明を具体的に説明する。
【0050】
記録部11が資質情報データベース1、定型文情報データベース2、及び辞書情報データベース3を構築する一例を、図4及び5を用いて説明する。図4は、資質情報データベース1、定型文情報データベース2、及び辞書情報データベース3の一例である。図4における前記資質情報は、ユーザの識別情報(ユーザ名)と前記ユーザの資質とが紐づけられている。記録部11は、例えば、前述のように、公知の技術(例えば、ストレングスファインダ等)を用いて、前記資質情報を記録し、且つ前記資質情報を蓄積することで資質情報データベース1を構築する。
【0051】
図4における前記定型文情報の前記定型文は、不完全な文であり、「***」が、前記単語の入力を求める部分である。また、前記影響度は、数値が高いほど、前記心的影響が大きいことを意味する。図5に、前記影響度を算出する一例を示す。まず、図示していないが、モニターは、前記モニターの端末(例えば、スマートフォン等)を用いて、ストレングスファインダ等の公知の技術により、モニター自身の資質を特定する。次に、モニターは、前記端末を用いて、前記資質をアンケートサイトの入力欄に登録する(図中「1」)。次に、前記アンケートサイトを運営する装置(例えば、本装置10)は、アンケートサイト上に、前記定型文に関する質問を表示して、前記モニターに前記質問を提示する(図中「2」)。具体的に、前記質問は、例えば、「『###』という言葉は好きですか?」等の好きか嫌いかで答えられる質問である。前記『###』は、例えば、予め設定した定型文そのものである。次に、モニターは、前記モニターの端末を用いて、前記質問に対する回答をアンケートサイトの入力欄に登録する(図中「3」)。次に、前記装置は、同一の前記資質を有する複数のモニターにおいて、「『###』が好きと回答したモニターの数」を「前記質問に回答したモニターの数」で割ることにより前記影響度を算出する。そして、記録部11は、前記定型文『###』と、前記資質と、前記影響度とを紐づけて前記定型文情報を記録し、且つ前記定型文情報を蓄積することで定型文情報データベース2を構築する。
【0052】
図4における前記辞書情報は、「感謝」に関する言葉とその読み(片仮名)とが紐づけられている。記録部11は、前記辞書情報を蓄積することで辞書情報データベース3を構築する。
【0053】
図6に、抽出部16の処理の一例を示す。未送信文章取得部11が取得した未送信文章の一例を図6上部に示す。構文解析部161は、この未送信文章に対して構文解析を行い、図示するように、名詞を表す単語と形容詞を表す単語とを抽出する。共起ネットワーク形成部162は、後述する処理によって、図6に示す共起ネットワークを形成する。また、辞書情報取得部163は、図4に示す辞書情報を取得しているものとする。抽出部16は、例えば、前記共起ネットワーク内において、辞書情報内の単語である「ありがとう」と距離が近い名詞「承認」及び「早めて」を前記重要語の候補として抽出する。そして、抽出部16は、例えば、前記候補のうち、下記式(1)により算出される得点が高い単語を前記重要語として抽出する。なお、下記式(1)における「重み」は、任意に設定でき、例えば、5、10、15等である。本例の場合、図6に示すように、「承認」の得点が、「早めて」の得点より高いため、抽出部16により、「承認」が前記重要語として抽出される。一方で、抽出部16は、例えば、下記式(1)を用いずとも、次数が「4」と最も多い「承認」を前記重要語として抽出してもよい。

得点=(次数の数)+(隣接する辞書情報内の言葉)×(重み)・・・(1)
【0054】
図7に共起ネットワーク形成部162による処理の一例を示す。まず、共起ネットワーク形成部162は、図7上部に示すように、構文解析部161により抽出された名詞を表す単語と形容詞を表す単語とで、隣接行列を作成する。ここで、隣接行列とは、各列及び各行が前記共起ネットワークの各頂点に対応しており、エッジがある部分が1となる行列をいう。次に、共起ネットワーク形成部162は、図7中部に示すように、隣り合う単語同士を「1」として、前記隣接行列を更新する。前記隣接行列の更新には、例えば、1-gramモデル等の公知の技術を用いることができる。そして、共起ネットワーク形成部162は、図7下部に示すように、前記隣接行列に基づき、前記共起ネットワークを形成する。
【0055】
図8に、定型文情報取得部14、選択部15及び推奨文章生成部17による処理の一例を示す。定型文情報取得部14は、前記他方のユーザ「スズキ」の資質「社交性」に応じた定型文情報を取得する。本例では、図8に示すように、前記定型文情報として、「スズキ」の資質「社交性」と同じ資質「社交性」に関する定型文情報を取得したとする。図示するように、定型文情報取得部14は、複数の前記定型文情報を取得してもよい。選択部15は、複数の前記定型文情報のうち、前記影響度が最も高い前記定型文を選択する。推奨文章生成部17は、図8に示すように、前記定型文の「***」に、図6に示す処理にて抽出した重要語「承認」を入れて、完全な文である推奨文章を生成する。
【0056】
このように、本実施形態にて説明した一連の処理によって、図6に示した未送信文章を、図8に示す推奨文章に変換することができる。
【0057】
[実施形態3]
前記影響度を更新する一例について具体的に説明する。
【0058】
前記他方のユーザは、例えば、前記他方のユーザの端末(例えば、スマートフォン等)を用いて、受信した気持ち表現文章に対する評価を示す評価情報を入力する。前記評価とは、言い換えれば、前記気持ち表現文章に対して好感が持てるか否かを意味する。具体的に、前記他方のユーザは、例えば、前記気持ち表現文章に対して好感が持てる場合、前記端末のディスプレイ上に表示された前記気持ち表現文章に対して「いいね!」等の好感を意味するボタンをタップして評価してもよい。一方で、前記他方のユーザは、例えば、前記気持ち表現文章に対して好感が持てない場合、前記好感を意味するボタンをタップしなくともよいし、「BAD」等の悪感を意味するボタンをタップして評価してもよい。
【0059】
評価情報取得部19は、前記気持ち表現文章に紐づけて前記評価情報を取得する。前記評価情報には、例えば、前記気持ち表現文章に対して好感を持っていることを意味する好感評価情報、及び前記気持ち表現文章に対して悪感を持っていることを意味する悪感評価情報等がある。評価情報取得部19は、例えば、前記好感を意味するボタンがタップされた場合に、前記評価情報として、前記好感評価情報を取得する。一方で、評価情報取得部19は、例えば、前記悪感を意味するボタンがタップされた場合や、前記気持ち表現文章を前記他方のユーザが受信してから予め設定した一定期間内に前記好感を意味するボタンがタップされなかった場合に、前記評価情報として、悪感評価情報を取得する。
【0060】
影響度更新部20は、例えば、前記好感評価情報を取得した場合、前記影響度に予め設定した重みを足すことで、前記影響度を更新する。一方で、影響度更新部20は、例えば、前記悪感評価情報を取得した場合、前記影響度から予め設定した重みを引くことで、前記影響度を更新する。前記重みは、特に制限されず、任意に設定でき、例えば、0.03、0.05、1.0等である。図9に、前記悪感評価情報を取得した場合の前記影響度の更新の一例について示す。この場合、影響度更新部20は、図示するように、送信した気持ち表現文章に対応する定型文の影響度「0.23」に、重み「0.05」を引いて数値「0.17」を算出する。そして、影響度更新部20は、送信した気持ち表現文章に対応する定型文の影響度を「0.23」から「0.17」に更新する。
【0061】
このように、前記影響度を更新することで、より前記他方のユーザの資質に適した前記定型文が選択されるようになり、より効果的な気持ち表現文章を前記一方のユーザに推奨できる。
【0062】
[実施形態4]
本実施形態のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明において、「手順」は、「処理」と読み替えてもよい。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク等が挙げられる。
【0063】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0064】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
資質情報取得部、定型文情報取得部、選択部、及び推奨部を含み、
前記資質情報取得部は、他方のユーザの識別情報に基づき、前記他方のユーザの資質情報を取得し、
前記資質情報は、資質を示す情報であり、
前記定型文情報取得部は、前記他方のユーザの資質情報に応じた定型文情報を取得し、
前記定型文情報は、気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけた情報であり、
前記影響度は、前記資質情報が示す資質を有するユーザが前記定型文を受信したときに受ける心的影響の程度を示す指標であり、
前記選択部は、前記影響度に基づいて、複数の前記定型文の中から少なくとも1つの前記定型文を選択し、
前記推奨部は、前記定型文を前記気持ち表現文章として用いることを一方のユーザに推奨する、レコメンド装置。
(付記2)
さらに、未送信文章取得部、抽出部、及び推奨文章生成部を含み、
前記未送信文章取得部は、一方のユーザから、未送信の気持ち表現文章と前記未送信の気持ち表現文章の送信先である他方のユーザの識別情報とを紐づけて取得し、
前記選択部により選択される前記定型文は、少なくとも1つの単語の入力を求める不完全な文であり、
前記抽出部は、前記未送信文章から少なくとも一つの重要語を抽出し、
前記推奨文章生成部は、前記定型文に前記重要語を入力して、推奨文章を生成し、
前記推奨部は、生成した前記推奨文章を前記気持ち表現文章として用いることを前記一方のユーザに推奨する、付記1記載のレコメンド装置。
(付記3)
前記抽出部は、構文解析部、共起ネットワーク形成部、及び辞書情報取得部を含み、
前記構文解析部は、前記未送信の気持ち表現文章を構文解析して、名詞である単語及び形容詞である単語を抽出し、
前記共起ネットワーク形成部は、抽出した前記各単語を用いて、前記各単語を頂点とする共起ネットワークを形成し、
前記辞書情報取得部は、気持ちに関する単語が収録された辞書情報を取得し、
前記抽出部は、前記共起ネットワーク及び前記辞書情報に基づき、予め設定した条件を満たす単語を前記重要語として抽出する、付記2記載のレコメンド装置。
(付記4)
さらに、評価情報取得部、及び影響度更新部を含み、
前記一方のユーザが、前記推奨部により推奨した前記定型文及び前記推奨文章の少なくとも一つを用いて、前記他方のユーザに気持ち表現文章を送信した場合、
前記評価情報取得部は、前記気持ち表現文章に対する前記他方のユーザの評価を示す評価情報を取得し、
前記影響度更新部は、前記評価情報を用いて、前記影響度を更新する、付記1から3のいずれかに記載のレコメンド装置。
(付記5)
さらに、記録部を含み、
前記記録部は、ユーザの識別情報と、前記ユーザの資質とを紐づけて資質情報として記録すること、及び
気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけて定型文情報として記録すること、の少なくとも一方を実行し、
前記資質情報取得部及び前記定型文情報取得部の少なくとも一方は、記録した前記資質情報及び前記定型文情報の少なくとも一方を取得する、付記1から4のいずれかに記載のレコメンド装置。
(付記6)
前記気持ち表現文章は、ポジティブな気持ちを表現した文章である、付記1から5のいずれかに記載のレコメンド装置。
(付記7)
前記ポジティブな気持ちは、感謝である、付記1から6のいずれかに記載のレコメンド装置。
(付記8)
資質情報取得工程、定型文情報取得工程、選択工程、及び推奨工程を含み、
前記資質情報取得工程は、他方のユーザの識別情報に基づき、前記他方のユーザの資質情報を取得し、
前記資質情報は、資質を示す情報であり、
前記定型文情報取得工程は、前記他方のユーザの資質情報に応じた定型文情報を取得し、
前記定型文情報は、気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけた情報であり、
前記影響度は、前記資質情報が示す資質を有するユーザが前記定型文を受信したときに受ける心的影響の程度を示す指標であり、
前記選択工程は、前記影響度に基づいて、複数の前記定型文の中から少なくとも1つの前記定型文を選択し、
前記推奨工程は、前記定型文を前記気持ち表現文章として用いることを一方のユーザに推奨する、レコメンド方法。
(付記9)
さらに、未送信文章取得工程、抽出工程、及び推奨文章生成工程を含み、
前記未送信文章取得工程は、一方のユーザから、未送信の気持ち表現文章と前記未送信の気持ち表現文章の送信先である他方のユーザの識別情報とを紐づけて取得し、
前記選択工程により選択される前記定型文は、少なくとも1つの単語の入力を求める不完全な文であり、
前記抽出工程は、前記未送信文章から少なくとも一つの重要語を抽出し、
前記推奨文章生成工程は、前記定型文に前記重要語を入力して、推奨文章を生成し、
前記推奨工程は、生成した前記推奨文章を前記気持ち表現文章として用いることを前記一方のユーザに推奨する、付記8記載のレコメンド方法。
(付記10)
前記抽出工程は、構文解析工程、共起ネットワーク形成工程、及び辞書情報取得工程を含み、
前記構文解析工程は、前記未送信の気持ち表現文章を構文解析して、名詞である単語及び形容詞である単語を抽出し、
前記共起ネットワーク形成工程は、抽出した前記各単語を用いて、前記各単語を頂点とする共起ネットワークを形成し、
前記辞書情報取得工程は、気持ちに関する単語が収録された辞書情報を取得し、
前記抽出工程は、前記共起ネットワーク及び前記辞書情報に基づき、予め設定した条件を満たす単語を前記重要語として抽出する、付記9記載のレコメンド方法。
(付記11)
さらに、評価情報取得工程、及び影響度更新工程を含み、
前記一方のユーザが、前記推奨工程により推奨した前記定型文及び前記推奨文章の少なくとも一つを用いて、前記他方のユーザに気持ち表現文章を送信した場合、
前記評価情報取得工程は、前記気持ち表現文章に対する前記他方のユーザの評価を示す評価情報を取得し、
前記影響度更新工程は、前記評価情報を用いて、前記影響度を更新する、付記8から10のいずれかに記載のレコメンド方法。
(付記12)
さらに、記録工程を含み、
前記記録工程は、ユーザの識別情報と、前記ユーザの資質とを紐づけて資質情報として記録すること、及び
気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけて定型文情報として記録すること、の少なくとも一方を実行し、
前記資質情報取得工程及び前記定型文情報取得工程の少なくとも一方は、記録した前記資質情報及び前記定型文情報の少なくとも一方を取得する、付記8から11のいずれかに記載のレコメンド方法。
(付記13)
前記気持ち表現文章は、ポジティブな気持ちを表現した文章である、付記8から12のいずれかに記載のレコメンド方法。
(付記14)
前記ポジティブな気持ちは、感謝である、付記8から13のいずれかに記載のレコメンド方法。
(付記15)
コンピュータに、資質情報取得手順、定型文情報取得手順、選択手順、及び推奨手順を含む手順を実行させるためのプログラム:
前記資質情報取得手順は、他方のユーザの識別情報に基づき、前記他方のユーザの資質情報を取得し、
前記資質情報は、資質を示す情報であり、
前記定型文情報取得手順は、前記他方のユーザの資質情報に応じた定型文情報を取得し、
前記定型文情報は、気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけた情報であり、
前記影響度は、前記資質情報が示す資質を有するユーザが前記定型文を受信したときに受ける心的影響の程度を示す指標であり、
前記選択手順は、前記影響度に基づいて、複数の前記定型文の中から少なくとも1つの前記定型文を選択し、
前記推奨手順は、前記定型文を前記気持ち表現文章として用いることを一方のユーザに推奨する。
(付記16)
さらに、未送信文章取得手順、抽出手順、及び推奨文章生成手順を含み、
前記未送信文章取得手順は、一方のユーザから、未送信の気持ち表現文章と前記未送信の気持ち表現文章の送信先である他方のユーザの識別情報とを紐づけて取得し、
前記選択手順により選択される前記定型文は、少なくとも1つの単語の入力を求める不完全な文であり、
前記抽出手順は、前記未送信文章から少なくとも一つの重要語を抽出し、
前記推奨文章生成手順は、前記定型文に前記重要語を入力して、推奨文章を生成し、
前記推奨手順は、生成した前記推奨文章を前記気持ち表現文章として用いることを前記一方のユーザに推奨する、付記15記載のプログラム。
(付記17)
前記抽出手順は、構文解析手順、共起ネットワーク形成手順、及び辞書情報取得手順を含み、
前記構文解析手順は、前記未送信の気持ち表現文章を構文解析して、名詞である単語及び形容詞である単語を抽出し、
前記共起ネットワーク形成手順は、抽出した前記各単語を用いて、前記各単語を頂点とする共起ネットワークを形成し、
前記辞書情報取得手順は、気持ちに関する単語が収録された辞書情報を取得し、
前記抽出手順は、前記共起ネットワーク及び前記辞書情報に基づき、予め設定した条件を満たす単語を前記重要語として抽出する、付記16記載のプログラム。
(付記18)
さらに、評価情報取得手順、及び影響度更新手順を含み、
前記一方のユーザが、前記推奨手順により推奨した前記定型文及び前記推奨文章の少なくとも一つを用いて、前記他方のユーザに気持ち表現文章を送信した場合、
前記評価情報取得手順は、前記気持ち表現文章に対する前記他方のユーザの評価を示す評価情報を取得し、
前記影響度更新手順は、前記評価情報を用いて、前記影響度を更新する、付記15から17のいずれかに記載のプログラム。
(付記19)
さらに、記録手順を含み、
前記記録手順は、ユーザの識別情報と、前記ユーザの資質とを紐づけて資質情報として記録すること、及び
気持ち表現文章に関する定型文毎に、前記定型文と、前記資質情報と、影響度とを紐づけて定型文情報として記録すること、の少なくとも一方を実行し、
前記資質情報取得手順及び前記定型文情報取得手順の少なくとも一方は、記録した前記資質情報及び前記定型文情報の少なくとも一方を取得する、付記15から18のいずれかに記載のプログラム。
(付記20)
前記気持ち表現文章は、ポジティブな気持ちを表現した文章である、付記15から19のいずれかに記載のプログラム。
(付記21)
前記ポジティブな気持ちは、感謝である、付記15から20のいずれかに記載のプログラム。
(付記22)
付記15から21のいずれかに記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によれば、自分の気持ちを表現する文章であって、相手にとって効果的な文章を推奨することができる。このため、本発明は、例えば、感謝等の気持ちを文章にて送信する場合において有用である。
【符号の説明】
【0066】
1 資質情報データベース
2 定型文情報データベース
3 辞書情報データベース
10 レコメンド装置
11 記録部
12 未送信文章取得部
13 資質情報取得部
14 定型文情報取得部
15 選択部
16 抽出部
161 構文解析部
162 共起ネットワーク形成部
163 辞書情報取得部
17 推奨情報生成部
18 推奨部
19 評価情報取得部
20 影響度解析部
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 表示装置
107 通信デバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9