(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131376
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】塗布部材及び塗布具
(51)【国際特許分類】
A45D 34/04 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
A45D34/04 510D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021030297
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】マリーン・ルアルデス
(72)【発明者】
【氏名】アレクシ・レオナール
(57)【要約】
【課題】操作性を向上させると同時に、化粧品の様々なラインを引くことができる、塗布部材及び塗布具を提供すること。
【解決手段】塗布具を構成する軸部材に取り付けられ、塗布対象上に化粧品を塗布するための塗布部材であって、軸部材に取り付けられ、軸方向に沿って延在している棒状の軸部と、軸部の一端部から外方に突出している頭部と、を含み、頭部が、外方に突出している第1の塗布部及び第2の塗布部を含み、第1の塗布部及び第2の塗布部の厚さが、第1の塗布部及び第2の塗布部の遠位端に向かって各別に減少し、第1の塗布部の遠位端における第1の塗布部の幅が、第2の塗布部の遠位端における第2の塗布部の幅よりも狭い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布具を構成する軸部材に取り付けられ、塗布対象上に化粧品を塗布するための塗布部材であって、
前記軸部材に取り付けられ、軸方向に沿って延在している棒状の軸部と、
前記軸部の一端部から外方に突出している頭部と、
を含み、
前記頭部が、外方に突出している第1の塗布部及び第2の塗布部を含み、
前記第1の塗布部及び前記第2の塗布部の厚さが、前記第1の塗布部及び前記第2の塗布部の遠位端に向かって各別に減少し、
前記第1の塗布部の前記遠位端における前記第1の塗布部の幅が、前記第2の塗布部の前記遠位端における前記第2の塗布部の幅よりも狭い、塗布部材。
【請求項2】
前記第1の塗布部及び前記第2の塗布部が、前記軸方向に沿って前記軸部から突出している、請求項1に記載の塗布部材。
【請求項3】
前記頭部の外形が、当該頭部の近位端において、前記軸部の外形よりも大きい、請求項1または2に記載の塗布部材。
【請求項4】
前記第1の塗布部が、円錐形状を有し、
前記第2の塗布部が、切妻形状を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の塗布部材。
【請求項5】
前記第1の塗布部が、前記第2の塗布部から離れる側に偏心している円錐形状を有する、請求項4に記載の塗布部材。
【請求項6】
前記第2の塗布部の前記遠位端が、前記第1の塗布部の近位にある側から前記第1の塗布部から離れた側へ向かうにしたがって前記第2の塗布部の近位端に向かうように傾斜している、請求項4または5に記載の塗布部材。
【請求項7】
前記塗布部材が、多孔質である、請求項1から6のいずれか一項に記載の塗布部材。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の塗布部材と、
前記塗布部材を取り付けられている軸部材と、
を含む、塗布具。
【請求項9】
前記軸部材が、内側に化粧品を含有し、
前記塗布部材には、前記軸部材内の化粧料が導かれる、請求項8に記載の塗布具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の発明は、アイブロウ及びアイライナなどの化粧液を塗布するための塗布部材及び塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1において開示されているような塗布具が、アイブロウなどの化粧品を塗布するための塗布具として提案されている。塗布具は、主筒体と、主筒体の両端それぞれに取り付けられている2つのタイプの塗布部材と、を含む。この塗布具は、化粧品を塗布するために使用される塗布部材を、一方の塗布部材から他方の塗布部材へ切り替えることによって、様々なタイプのラインを引くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/012058号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような塗布具では、様々な塗布部材を用いてラインを引くために、ユーザが、自身が塗布具の持ち方を変更する必要がある。さらに、ユーザが塗布具の持ち方を変更した後に、2つの塗布部材のうち使用されていない一方が、化粧品を意図せずにユーザに塗布する可能性がある。したがって、一方の塗布部材に蓋を被せる必要があり得る。したがって、化粧品の様々なラインを引くことに関して、その操作性を向上させる必要がある。
したがって、本願の本発明の目的は、その操作性を向上させると同時に、化粧品の様々なラインを引くことができる、塗布部材及び塗布具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決する次の手段を採用する。本発明による塗布部材は、塗布具を構成する軸部材に取り付けられ、塗布対象上に化粧品を塗布するための塗布部材であって、前記軸部材に取り付けられ、軸方向に沿って延在している棒状の軸部と、前記軸部の一端部から外方に突出している頭部と、を含み、前記頭部が、外方に突出している第1の塗布部及び第2の塗布部を含み、前記第1の塗布部及び前記第2の塗布部の厚さが、前記第1の塗布部及び前記第2の塗布部の遠位端に向かって各別に減少し、前記第1の塗布部の前記遠位端における前記第1の塗布部の幅が、前記第2の塗布部の前記遠位端における前記第2の塗布部の幅よりも狭い。
【0006】
本発明によれば、第1の塗布部及び第2の塗布部の遠位端の形状を互いに異なって作製することによって、第1の塗布部及び第2の塗布部の各々を使用することによって化粧品の様々なラインを引くことができる。さらに、第1の塗布部及び第2の塗布部は、軸部の一端部に設けられている頭部上に形成されるので、第1の塗布部を用いて塗布する状態から、第2の塗布部を用いて塗布する別の状態へ移行しやすく、逆の場合も同様である。したがって、第1の塗布部または第2の塗布部を使用して化粧品の様々なラインを引くこと、及び、塗布部材の塗布操作性を向上させることが可能である。さらに、第1の塗布部と第2の塗布部の両方を使用することによって化粧液の二重ラインを引くことができる。
【0007】
さらに、前記第1の塗布部及び前記第2の塗布部が、前記軸方向に沿って前記軸部から突出してもよい。
本発明によれば、第1の塗布部及び第2の塗布部は軸方向に突出しているので、他の方向に突出している第1の塗布部及び第2の塗布部と比較して、塗布部材を取り付けられている塗布具を用いて化粧品を塗布することがより容易になる。さらに、第1の塗布部と第2の塗布部との間で、化粧品のラインを引くために使用される塗布部を切り替えることがより容易になる。
【0008】
さらに、前記頭部の外形が、当該頭部の近位端において、前記軸部の外形よりも大きくてもよい。
本発明によれば、軸部の外形ではなく頭部の外形を拡大することが、塗布部材を軸部材に取り付ける場合、軸部材に対する塗布部材の配置を容易にする。
【0009】
さらに、前記第1の塗布部が、円錐形状を有し、前記第2の塗布部が、切妻形状を有してもよい。
本発明によれば、細い先端部を備えた第1の塗布部は化粧品のより細いラインを引くのに使用され、突起部を備えた第2の塗布部は化粧品のより太いラインを引くのに使用される。
【0010】
さらに、前記第1の塗布部が、前記第2の塗布部から離れる側に偏心している円錐形状を有してもよい。
本発明によれば、第1の塗布部の先端部が第1の塗布部の中心軸上に配置されているのと比較して、第1の塗布部の先端部が第2の塗布部からさらに離れて配置されているので、これにより、第1の塗布部を使用して化粧品の細いラインを引く時に第2の塗布部が塗布対象と接触することをより確実に回避できる。
【0011】
さらに、前記第2の塗布部の前記遠位端が、前記第1の塗布部の近位にある側から前記第1の塗布部から離れた側へ向かうにしたがって前記第2の塗布部の近位端に向かうように傾斜してもよい。
本発明によれば、第2の塗布部の突起部が傾斜しているので、第2の塗布部を使用して化粧品の太いラインを引く時に第1の塗布部が塗布対象と接触することをより確実に回避できる。
【0012】
さらに、前記塗布部材が、多孔質であってもよい。
本発明によれば、軸部材が液体化粧品を含有する場合、液体化粧品は、塗布部材を通して、第1の塗布部及び第2の塗布部に導入され得る。
【0013】
さらに、本発明による塗布具は、上記塗布部材と、前記塗布部材を取り付けられている軸部材と、を含む。
さらに、前記軸部材が、内側に化粧品を含有し、前記塗布部材には、前記軸部材内の化粧料が導かれてもよい。
本発明によれば、前述されているのと同じように、第1の塗布部及び第2の塗布部を使用して、化粧品の様々なラインを引くこと、及び、塗布部材の塗布操作性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態による塗布具の斜視図である。
【
図3】キャップが除去された状態の、
図1の塗布具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による塗布部材及び塗布具の一実施形態が、図に基づいて説明される。次の説明において使用される図では、各要素をわかりやすくするために、各要素が相応に縮尺で製図されている。
【0016】
本発明による塗布具1は、
図1及び
図2に示されているように、化粧液を含有する、有底円筒状の軸部材11と、軸部材11上に取り付けられている円柱状塗布部材12と、軸部材11上に取外し可能に取り付けられておりかつ塗布部材12を覆う、有頂円筒状のキャップ13と、を含む。
軸部材11、塗布部材12及びキャップ13は、塗布具軸に沿って配置されている。以下、塗布具軸Oに沿ってキャップ13に向かう方向を近位-遠位方向と称する。さらに、近位-遠位方向に対して垂直なかつ第1の塗布部34及び第2の塗布部35を辿る配置方向に平行な方向を横方向と称し、近位-遠位方向及び横方向に対して垂直な方向を前後方向と称する。その上、塗布具軸Oに対して垂直な方向を径方向と称し、塗布具軸Oを中心とした方向を周方向と称する。
【0017】
図1から
図4までに示されている通り、軸部材11は、有底円筒形の容器本体21と、容器本体21の遠位端に取り付けられている円筒形取付部材22と、取付部材22の遠位端に取り付けられている円筒形装着部材23と、容器本体21の内側に配設されているプラグ24と、化粧液を含浸させた円柱状含浸体25と、を含む。
【0018】
容器本体21は、例えばポリプロピレンで形成されており、塗布具軸Oに沿って延在している、有底円筒形の形状を有する。
取付部材22は、例えばポリプロピレンで形成されており、塗布具軸Oに沿って延在している円筒形状である。容器本体21の遠位縁部に当接している係合突出部22Aは、取付部材22の外周面上に設けられている。さらに、係合突出部22Aよりもさらに後方に延在している、取付部材22の第1の近位部22Bが容器本体21内に嵌合される。係合突出部22Aよりもさらに前方に延在している、取付部材22の第1の遠位部22Cの遠位端の外径が、遠位方向に向かって漸減する。
【0019】
装着部材23は、例えばポリプロピレンで形成されており、塗布具軸Oに沿って延在している円筒形状である。装着部材23の第2の遠位部23Aと第2の近位部23Bとを接続する接続部の外周面上には、段部が形成されている。第2の遠位部23Aの外径は、遠位方向に向かって漸減する。塗布具軸に対する装着部材23の第2の遠位部23Aの傾斜角は、取付部材22の第1の遠位部22Cの遠位端の傾斜角と実質的に同一である。第2の近位部23Bは、取付部材22の第1の遠位部22Cの内側に配設されている。さらに、第2の近位部23Bは、取付部材22の段部よりもさらに近位に延在している。
【0020】
プラグ24は、ポリエチレンで形成されており、有底二重円筒形の形状を有する。さらに、プラグ24は、円筒形外筒部26と、外筒部26の径方向内側に配設されている有底内筒部27と、外筒部26の遠位縁部と内筒部27の遠位縁部とを接続する環状接続壁28と、を含む。径方向外方に突出している環状フランジ26Aは、外筒部26の近位端上に設けられており、フランジ26Aの遠位面は、取付部材22の第1の近位部22Bの近位縁部に当接している。
含浸体25は、例えばポリエステル繊維で形成されており、液体アイブロウまたはアイライナなどの化粧品を含浸されている。含浸体25は、取付部材22及びプラグ24によって範囲を定められている空間内に配設されており、装着部材23よりも近位に配置されている。
【0021】
塗布部材12は、ポリエチレンまたはポリプロピレンで形成されており、多孔質である。塗布部材12は、ポリエチレンなどのポリマー粉末を焼結することによって形成され、焼結の結果として多孔質を有している。
図1から
図5までに示されている通り、塗布部材12は、塗布具軸Oに沿って延在している円柱状軸部31と、軸部31の遠位端から外方に突出している楕円柱状頭部32と、を含む。
軸部31は装着部材23内へ挿入され、装着部材23、取付部材22及び容器本体21の内側に配設される。
【0022】
頭部32は、軸部31の遠位端と接続されている頭部本体33と、遠位方向に突出しておりかつ間に間隙を有して横方向に配置されている第1の塗布部34及び第2の塗布部35と、を含む。
頭部本体33の外径は、装着部材23の遠位縁部の内径よりも大きい。したがって、頭部本体33の近位縁部は、装着部材23の遠位縁部に当接している。
【0023】
第1の塗布部34の横方向の幅及び前後方向の厚さは、遠位方向に漸減する。すなわち、第1の塗布部34は、その外径が遠位方向に漸減する状態の円錐形状を有する。さらに、第1の塗布部34の遠位端は、第2の塗布部35から横方向に離れる側に偏心している。第1の塗布部34の側面の部分は、頭部本体33の円周面から延在している。
【0024】
第2の塗布部35の前後方向の厚さは、遠位方向に漸減する。すなわち、第2の塗布部35は、第2の塗布部35の前後方向に対向する2つの側面(一方の側面35Aのみが示されている)間の距離が遠位方向に漸減する状態で、切妻頂部形状を有する。第2の塗布部35の遠位縁部は、横方向に延在しており、第1の塗布部34から離れて横方向に近位に向かって傾斜している。第2の塗布部35の遠位端は、第1の塗布部34と比較して、わずかに近位に配置されている。
【0025】
キャップ13は、例えばポリプロピレンで形成されており、
図1及び
図2に示されているように、塗布具軸Oに沿って延在している頂部円筒形の形状を有する。キャップ13は、取付部材22の第1の遠位部22C上に取外し可能に嵌合されており、キャップ13の近位端は、係合突出部22Aの遠位面に当接している。
【0026】
次に、以上のような構造を備えた塗布部材12及び塗布具1を使用する方法を説明する。
最初に、
図6に示されているように、ユーザは、キャップ13を除去し、第2の塗布部35の遠位端を、塗布対象である皮膚Sと接触させる。第2の塗布部35を皮膚Sと接触させると同時に、ユーザは、皮膚Sに沿って第2の塗布部35を移動させて化粧品のラインを引く。塗布部材12の軸部31が軸部材11の含浸体25内へ挿入されるので、含浸体25内の化粧液は、塗布部材12に供給される。さらに、塗布部材12が多孔質であるので、含浸体25内の化粧液は、塗布部材12の頭部32に安定的に供給される。
さらに、第2の塗布部35の遠位縁部が傾斜しているので、第2の塗布部35の遠位縁部が皮膚Sと接触すると、第1の塗布部34は、皮膚Sから実質的に間隔を空けられる。したがって、これにより、第2の塗布部35を使用している時に第1の塗布部34が皮膚Sと接触すること及び化粧液のラインを意図せずに引くことを回避する。
【0027】
次に、
図7に示されているように、ユーザは、第1の塗布部34を皮膚Sと接触させる。この場合、ユーザは、ユーザが塗布具1の持ち方を単にわずかに変えることによって、化粧液のラインを引くために使用される塗布部を、第2の塗布部35から第1の塗布部34へ切り替えることができる。ユーザは、第1の塗布部34を皮膚Sに沿って移動させる。このようにして、ユーザは、化粧液のラインを引く。この場合、第1の塗布部34が円錐形状を有するので、第1の塗布部34によって引かれるラインは、第2の塗布部35によって引かれるラインよりも細い。さらに、第1の塗布部34の遠位端が第2の塗布部35から離れて偏心しているので、これにより、第1の塗布部34を使用している時に第2の塗布部35が皮膚Sと接触すること及び化粧液のラインを意図せずに引くことを回避する。
さらに、
図8に示されているように、第1の塗布部34及び第2の塗布部35の両方を使用することによって、化粧液の二重ラインを引くことが可能である。
第1の塗布部34及び第2の塗布部35を用いて化粧液のラインを引いた後、ユーザは、キャップ13を取り付ける。塗布部材12及び塗布具1は、このような方法で使用される。
【0028】
上述の通り、塗布部材12及び塗布部材12を含む塗布具1によれば、第1の塗布部34及び第2の塗布部35の遠位端の形状を互いに異なるように作製することによって、第1の塗布部34及び第2の塗布部35の各々を使用することによって化粧液の様々なラインを引くことができる。さらに、第1の塗布部34を用いて塗布する状態から第2の塗布部35を用いて塗布する別の状態へ移行することが容易であり、逆の場合も同様である。したがって、第1の塗布部及び第2の塗布部を使用して化粧液の様々なラインを引くこと、及び塗布部材の塗布操作性を向上させることが可能である。
【0029】
さらに、第1の塗布部34及び第2の塗布部35が遠位方向に突出しているので、塗布部材12を取り付けられている塗布具1を用いて化粧液を塗布することがより容易になり、第1の塗布部34と第2の塗布部35との間で、化粧液のラインを引くために使用される塗布部を切り替えることがより容易になる。
その上、頭部32の外形を軸部31の外形よりも拡大することにより、塗布部材12を軸部材11に取り付けるときに軸部材11に対して塗布部材12を配置することを容易にする。
さらに、細い先端部を備えた第1の塗布部34は、化粧液のより細いラインを引くのに使用され、突起部を備えた第2の塗布部35は、化粧液のより太いラインを引くのに使用される。この場合、第1の塗布部34の先端部が第1の塗布部34の中心軸上に配置されているのと比較して、第1の塗布部34の先端部が第2の塗布部35からさらに離れて配置されているので、第1の塗布部34を使用して化粧液の細いラインを引く時に第2の塗布部35が皮膚Sと接触することをより確実に回避できる。同様に、第2の塗布部35の突起部が傾斜しているので、第2の塗布部35を使用して化粧液の太いラインを引く時に第1の塗布部34が皮膚Sと接触することをより確実に回避できる。
さらに、塗布部材12が多孔質であるので、軸部材11内に含有されている化粧液は、塗布部材12を通して、第1の塗布部34及び第2の塗布部35に導入され得る。
【0030】
本願の発明は上記実施形態に限定されず、上記実施形態に対する様々な改変が、本願の発明の概念から逸脱することなく施され得る。
例えば、上記実施形態では、塗布部材及び塗布部材を含む塗布具が眉化粧液を塗布するためのものであるが、塗布部材及び塗布具は、アイライナ用の化粧液などの他の化粧液を塗布するためのものである可能性があり、化粧液でなく粉末タイプの化粧品などの他のタイプの化粧品を塗布するためのものであり得る。同様に、塗布具は、眉化粧液を含有するが、塗布具は、アイライナ化粧液などの他の化粧液を含有することができる。さらに、塗布具は、化粧液を含浸させた含浸体を含むが、塗布具は、液密で化粧液を含有し得る。その上、塗布具は、化粧液を含有する軸部材を含むが、塗布具は、化粧液を含有しない軸部材を含み得る。この場合、塗布部材は、塗布具でない他の容器内に含有されている化粧液中に塗布部材を浸すことによって、化粧液を供給される。
塗布部材は、3つ以上の塗布部を含み得る。さらに、2つ以上の塗布部を、皮膚などの塗布対象と同時に接触させることによって、2つ以上の塗布部が化粧品の複数のラインを同時に引くのに使用され得る。
第1の塗布部の先端部は、第1の塗布部の中心軸に対して第2の塗布部から離れて偏心しているが、第1の塗布部の先端部が偏心していないか、または第2の塗布部に向かって偏心していることが可能である。同様に、第2の塗布部の突起部は、第1の塗布部の近位にある一方の側から第1の塗布部から離れた他方の側へ、第2の塗布部の近位端に向かって傾斜しているが、第2の塗布部の突起部が傾斜していないか、または第1の塗布部から離れた一方の側から第1の塗布部の近位にある他方の側へ、第2の塗布部の近位端に向かって傾斜しているがことが可能である。
第1の塗布部は、円錐形状を有するが、第1の塗布部は、三角錐形状などの他の錐形状を有することができるか、または円錐台形形状などの錐台形形状を有することができる。言い換えれば、第1の塗布部は、第1の塗布部の厚さが第1の塗布部の遠位端に向かって減少しかつ第1の塗布部材の遠位端における第1の塗布部の幅が第2の塗布部材の遠位端における第2の塗布部の幅よりも狭い限り、他の形状を有することができる。同様に、第2の塗布部は、第2の塗布部の厚さが第2の塗布部の遠位端に向かって減少しかつ第2の塗布部材の遠位端における第2の塗布部の幅が第1の塗布部材の遠位端における第1の塗布部の幅よりも広い限り、他の形状を有することができる。
第1の塗布部及び第2の塗布部は、近位-遠位方向でない方向に沿って延在することができ、塗布具軸に対して傾斜した方向に沿って延在することができる。
頭部は、その近位端において、軸部の外形よりも大きい外形を有するが、頭部は、その近位端において、軸部の外形に等しいかまたはそれよりも小さい外形を有し得る。
塗布部材は、多孔質であるが、塗布部材は、多孔質でないことが可能である。さらに、塗布部材がポリマー粉末を焼結することによって形成されるが、塗布部材は他のプロセスによって形成可能であり、ポリマー粉末以外の任意の適切な材料によって形成可能である。
塗布部材の形状は円柱形状に限定されず、楕円柱形状または多角柱形状などの他の形状とすることができる。同様に、容器本体の形状は有底丸円筒形の形状に限定されず、有底楕円形円筒形の形状または有底多角形円筒形の形状とすることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 塗布具、11 軸部材、12 塗布部材、13 キャップ、21 容器本体、22 取付部材、22A 係合突出部、22B (取付部材22の)第1の近位部、22C (取付部材22の)第1の遠位部、23 装着部材、23A (装着部材23の)第2の遠位部、23B (装着部材23の)第2の近位部、24 プラグ、25 含浸体、26 外筒部、26A フランジ、27 有底内筒部、28 環状接続壁、31 軸部、32 頭部、33 頭部本体、34 第1の塗布部、35 第2の塗布部、35A (第2の塗布部の)側面、O 塗布具軸、S 皮膚
【外国語明細書】