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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131390
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】錠剤取り出し容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/04 20060101AFI20220831BHJP
   A61J 7/00 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
B65D83/04 H
A61J7/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021030317
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100186358
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100191145
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 整博
(72)【発明者】
【氏名】小賀坂 優太
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047AA05
4C047CC15
4C047NN20
(57)【要約】
【課題】 錠剤を収納した容器を一度倒立させるだけで、錠剤を確実に1粒ずつ取り出すことができる錠剤取り出し容器を提供すること。
【解決手段】 錠剤Tを収納する容器本体Aと、容器本体Aに装着され、容器本体A内の錠剤Tを吐出するキャップBとを備える錠剤取り出し容器であって、キャップBは、錠剤Tを吐出する吐出筒25と、吐出筒25の入口側と対向し、容器本体A内に通じる通路口17を通して錠剤Tが案内される押し出し案内部9と、容器の倒立時に押圧操作することにより、押し出し案内部9から1粒の錠剤Taが吐出筒25を通過するように、吐出筒25に対して押し出し案内部9を押し込むと同時に、通路口17を閉鎖する吐出操作部材Cとを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤を収納する容器本体と、容器本体に装着され、容器本体内の錠剤を吐出するキャップとを備える錠剤取り出し容器であって、
キャップは、錠剤を吐出する吐出筒と、吐出筒の入口側と対向し、容器本体内に通じる通路口を通して錠剤が案内される押し出し案内部と、容器の倒立時に押圧操作することにより、押し出し案内部から1粒の錠剤が吐出筒を通過するように、吐出筒に対して押し出し案内部を押し込むと同時に、通路口を閉鎖する吐出操作部材とを備えることを特徴とする錠剤取り出し容器。
【請求項2】
吐出筒は、入口側の内周に、1粒の錠剤を一時的に保持する錠剤係止突部を備えることを特徴とする請求項1に記載の錠剤取り出し容器。
【請求項3】
押し出し案内部は、側周面を形成する案内筒と、案内筒の下端に連設される底壁と、案内筒および底壁に形成され、錠剤が通過可能な通路口と、底壁に形成され、錠剤を吐出筒に押し込む押し上げ突部とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の錠剤取り出し容器。
【請求項4】
キャップは、容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体の天面を覆う蓋体と、キャップ本体に可動自在に装着される吐出操作部材とを備え、
キャップ本体は、底部に形成される押し出し案内部を備え、
吐出操作部材は、外周が蓋体に上下動自在に案内される吐出筒と、吐出筒外周の左右両側から外方に延び、吐出筒を上下動する左右の操作部とを備え、
操作部は、押圧することにより吐出筒を押し出し案内部に押し込むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の錠剤取り出し容器。
【請求項5】
キャップは、容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体の天面を覆う蓋体と、キャップ本体に可動自在に装着される吐出操作部材とを備え、
蓋体は、頂部を貫通する吐出筒を備え、
吐出操作部材は、押し出し案内部と、押し出し案内部の左右両側から外方に延び、押し出し案内部を上下動する左右の操作部とを備え、
操作部は、押圧することにより押し出し案内部を吐出筒に押し込むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の錠剤取り出し容器。
【請求項6】
キャップは、容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジ部を介して連設される吐出操作部材とを備え、
キャップ本体は、底部に形成される押し出し案内部を備え、
吐出操作部材は、キャップ本体からヒンジ部を介して内側上方に延設される変形腕部と、外周が変形腕部の上端に連設される吐出筒と、吐出筒の変形腕部と反対側に連設される操作部とを備え、
操作部は、押圧することにより吐出筒を押し出し案内部に押し込むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の錠剤取り出し容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤取り出し容器に関し、とくに、錠剤を確実に1粒ずつ取り出すことができる取り出し容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
予め所定の形状に加工された粒状の薬剤や食品(以下、「錠剤」という)を収納した錠剤取り出し容器において、錠剤の粒数を計量して、取り出し口を開き、取り出し口を下方に向けることによって所定の粒数の錠剤を取り出すことができる錠剤取り出し容器が従来から知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2015-515896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の錠剤取り出し容器は、錠剤を計量するために、容器を倒立した後、容器を正立に戻して計量した後、再度容器を倒立することを行わなければならず、面倒であった。
また、上記の錠剤取り出し容器は、錠剤を1粒ずつ取り出すこともできるが、計量に失敗すると錠剤が多量に出てしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決することを課題とし、錠剤を収納した容器を一度倒立させるだけで、錠剤を確実に1粒ずつ取り出すことができる錠剤取り出し容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するため、錠剤取り出し容器として、錠剤を収納する容器本体と、容器本体に装着され、容器本体内の錠剤を吐出するキャップとを備える錠剤取り出し容器であって、キャップは、錠剤を吐出する吐出筒と、吐出筒の入口側と対向し、容器本体内に通じる通路口を通して錠剤が案内される押し出し案内部と、容器の倒立時に押圧操作することにより、押し出し案内部から1粒の錠剤が吐出筒を通過するように、吐出筒に対して押し出し案内部を押し込むと同時に、通路口を閉鎖する吐出操作部材とを備えることを特徴とする構成を採用する。
【0007】
錠剤取り出し容器の吐出筒の実施形態として、吐出筒は、入口側の内周に、1粒の錠剤を一時的に保持する錠剤係止突部を備えることを特徴とする構成を採用する。
また、錠剤取り出し容器の押し出し案内部の実施形態として、押し出し案内部は、側周面を形成する案内筒と、案内筒の下端に連設される底壁と、案内筒および底壁に形成され、錠剤が通過可能な通路口と、底壁に形成され、錠剤を吐出筒に押し込む押し上げ突部とを備えることを特徴とする構成を採用する。
【0008】
錠剤取り出し容器の具体的実施形態として、キャップは、容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体の天面を覆う蓋体と、キャップ本体に可動自在に装着される吐出操作部材とを備え、キャップ本体は、底部に形成される押し出し案内部を備え、吐出操作部材は、外周が蓋体に上下動自在に案内される吐出筒と、吐出筒外周の左右両側から外方に延び、吐出筒を上下動する左右の操作部とを備え、操作部は、押圧することにより吐出筒を押し出し案内部に押し込むことを特徴とする構成を採用し、また、キャップは、容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体の天面を覆う蓋体と、キャップ本体に可動自在に装着される吐出操作部材とを備え、蓋体は、頂部を貫通する吐出筒を備え、吐出操作部材は、押し出し案内部と、押し出し案内部の左右両側から外方に延び、押し出し案内部を上下動する左右の操作部とを備え、操作部は、押圧することにより押し出し案内部を吐出筒に押し込むことを特徴とする構成を採用する。
【0009】
さらに、錠剤取り出し容器の別の具体的実施形態として、キャップは、容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジ部を介して連設される吐出操作部材とを備え、キャップ本体は、底部に形成される押し出し案内部を備え、吐出操作部材は、キャップ本体からヒンジ部を介して内側上方に延設される変形腕部と、外周が変形腕部の上端に連設される吐出筒と、吐出筒の変形腕部と反対側に連設される操作部とを備え、操作部は、押圧することにより吐出筒を押し出し案内部に押し込むことを特徴とする構成を採用する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の錠剤取り出し容器は、該容器をキャップが下になるように倒立させた後、吐出操作部材で押圧操作をすることで、錠剤を1粒のみ吐出することができ、また、操作部を押圧し、解放することを任意回繰り返すことで、任意の数の錠剤を1粒ずつ吐出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施例である錠剤取り出し容器を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面断面図である。
図2】本発明の第1実施例のキャップを示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面断面図、(c)は左面断面図である。
図3】本発明の第1実施例の吐出操作部材を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面断面図、(c)は左面断面図である。
図4】本発明の第1実施例である錠剤取り出し容器の使用時を示す図であり、(a)は倒立時、(b)は倒立後、吐出操作部材を操作した時の正面断面図である。
図5】本発明の第2実施例である錠剤取り出し容器を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面断面図である。
図6】本発明の第2実施例のキャップを示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面断面図、(c)は左面断面図である。
図7】本発明の第2実施例の吐出操作部材を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面断面図、(c)は左面断面図である。
図8】本発明の第2実施例である錠剤取り出し容器の使用時を示す図であり、(a)は倒立時、(b)は倒立後、吐出操作部材を操作した時の正面断面図である。
図9】本発明の第3実施例である錠剤取り出し容器を示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面断面図である。
図10】本発明の第3実施例である錠剤取り出し容器のキャップの開蓋した状態を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面断面図である。
図11】本発明の第3実施例である錠剤取り出し容器の使用時を示す図であり、(a)は倒立時、(b)は倒立後、吐出操作部材を操作した時の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の錠剤取り出し容器について、実施例をあげ、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明において、図1(b)で見て、上方向を「上」、下方向を「下」、左右方向それぞれを「左」、「右」とする。
【実施例0013】
図1において、Aは錠剤Tを収納する容器本体、Bは容器本体Aに装着され、容器本体A内の錠剤Tを吐出するキャップである。
容器本体Aは、上部に円筒状の口部1を備え、口部1の外周には、係合突条2(雄ねじ)が形成されており、錠剤Tとして、薬剤の他に、栄養剤、キャンデー等の球形の粒状物を収納する。
【0014】
図1に示すように、キャップBは、容器本体Aの口部1に装着されるキャップ本体B1と、キャップ本体B1の天面を覆う蓋体B2と、キャップ本体B1に可動自在に装着される吐出操作部材Cとから構成されている。
【0015】
図1および図2に示すように、キャップ本体B1は、上部で吐出操作部材Cを案内するとともに、上端部に蓋体B2を装着し、内周下部が口部1外周に係合する側周壁5と、側周壁5の中程の高さの内周に連設され、下面が口部1上端面と当接される環状の基壁6と、基壁6の内周縁から垂設され、吐出操作部材Cの一部を固定して装着する内筒7と、内筒7の内周下端に連設され、内方に向かい上方に傾斜する環状の傾斜隔壁8と、傾斜隔壁8の内縁に連設され、容器本体A内の錠剤Tを案内する押し出し案内部9とを備えている。
【0016】
側周壁5には、左右側に吐出操作部材Cの後述する左右の操作部27を操作可能に案内する案内切り欠き10が上端から基壁6の上面付近まで切り欠かれ、内周上端には、蓋体B2を装着する係合突部11が突設され、内周の基壁6の下方には、口部1の係合突条2(雄ねじ)と螺合する係合部12(雌ねじ)が形成されている。
【0017】
内筒7の左右側には、吐出操作部材Cの左右の操作部27の内側下部をそれぞれ固定して装着する装着凹部13が設けられている。
【0018】
押し出し案内部9は、傾斜隔壁8の内周上端より少し上方に突出し、側周面を形成するする案内筒15と、案内筒15内周下端に連設される底壁16とからなり、案内筒15およびそれに連なる底壁16には、球形の錠剤Tがそれぞれ1粒のみ内方に通過できる縦横幅で穿設された通路口17が複数配設されており、底壁16上面中央には、錠剤Tを押し上げる押し上げ突部18が突設されている。
案内筒15の内周上端には、吐出操作部材Cの後述する環状の傾斜筒壁26の外縁と係合して外れないようにする係止突部19が突設されている。
【0019】
蓋体B2は、キャップ本体B1の側周壁5上面を塞ぐ環状の頂壁20と、頂壁20内縁に連設され、吐出操作部材Cの上下動を案内する上部案内筒21と、頂壁20の下面から垂設され、外周がキャップ本体B1の側周壁5内周上部および係合突部11に係合して装着される係合筒部22とを備えている。
【0020】
図1および図3に示すように、吐出操作部材Cは、錠剤Tの1粒がストレス無く通過する内径で形成されるとともに、外周が蓋体B2の上部案内筒21内周により上下動自在に案内される吐出筒25と、吐出筒25の下端から拡径しながら下方に向けて傾斜する環状の傾斜筒壁26と、吐出筒25外周の左右両側から外方に延び、変形可能な肉厚で形成された左右の操作部27とを備えている。
吐出筒25の入口側である下端内周には、1粒の錠剤Tを一時的に保持するために、錠剤Tを押し込まないと通過できない錠剤係止突部28が突設されている。
傾斜筒壁26は、外縁がキャップ本体B1の押し出し案内部9の案内筒15内周に近接または当接する径で形成されており、また、吐出操作部材Cは、キャップBに装着後、傾斜筒壁26の下面がキャップ本体B1の傾斜隔壁8の下面に続く傾斜となるように形成されている。
【0021】
操作部27は、吐出操作部材CをキャップBに装着した際に、キャップ本体B1の側周壁5のそれぞれの案内切り欠き10から外方に突出するとともに、案内切り欠き10に案内される横幅で形成されており、吐出筒25のそれぞれの側面に連結する平面で外方に延び、案内切り欠き10の上端部付近を越えたあたりから下方外側に向かう上面部27aと、上面部27aの下端の先端部27bから上方内側に向かって延び、案内切り欠き10の下端部付近からキャップ本体B1の内方に向かって延びる下面部27cとを備えており、下面部27cの内方先端には、下方に延び、キャップ本体B1の内筒7の装着凹部13に係合して装着される装着凸部29が設けられている。
【0022】
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
まず、キャップ本体B1の側周壁5の左右の案内切り欠き10に、上方から吐出操作部材Cのそれぞれの操作部27を先端部27b側から進入させていき、キャップ本体B1の内筒7の装着凹部13に操作部27の装着凸部29をそれぞれ係合させ、キャップ本体B1に吐出操作部材Cを装着する。
その際、吐出操作部材Cの傾斜筒壁26の外縁がキャップ本体B1の押し出し案内部9の係止突部19を乗り越えて案内筒15内周に挿入される。
【0023】
次に、吐出操作部材Cの吐出筒25の上方から蓋体B2の上部案内筒21内方に進入させ、吐出筒25を上部案内筒21内で貫通させた後、蓋体B2の係合筒部22をキャップ本体B1の係合突部11と係合させ、吐出操作部材Cを装着したキャップBとする。
最後に、吐出操作部材Cを装着したキャップBを、錠剤Tが充填された容器本体Aの口部1に装着して錠剤取り出し容器とする。
なお、錠剤Tが充填された容器本体Aは、流通時に、別体のねじキャップ(図示せず)により密封され、使用時に、ねじキャップの代わりにキャップBを装着するようにしても構わない。
【0024】
次に、錠剤Tの取り出しについて説明する。
錠剤Tを取り出すには、図4(a)に示すように、錠剤取り出し容器をキャップBが下になるように倒立させることにより、容器本体A内の錠剤Tをキャップ本体B1の押し出し案内部9の通路口17を通して、押し出し案内部9内に案内する。
このとき、傾斜隔壁8の傾斜により、錠剤Tは、キャップBの中央に集められる。
【0025】
押し出し案内部9内に移動した錠剤Tは、吐出操作部材Cの傾斜筒壁26の傾斜により案内されると、その内の1粒である錠剤Taが吐出筒25の錠剤係止突部28に阻止されて保持されるとともに、他の錠剤Tの移動も止められる。
【0026】
次に、吐出操作部材Cの両側の操作部27の上面部27aを外側から狭持して押圧すると、図4(b)に示すように、操作部27の下面部27cは内側部がキャップ本体B1の内筒7に固定して装着されているので、操作部27の上面部27a側が変形して下面部27c側に押し込まれる。
【0027】
操作部27は、上面部27a側が押し込まれると、上面部27aの内側部が連結する吐出筒25および吐出筒25に連設される傾斜筒壁26もキャップB内で容器本体A側に移動していく。
その際、吐出筒25は、外周が蓋体B2の上部案内筒21内周で案内され、傾斜筒壁26は、外縁がキャップ本体B1の押し出し案内部9の案内筒15内周で案内され、吐出操作部材Cの吐出筒25および傾斜筒壁26がキャップB内でスムーズに移動する。
【0028】
吐出筒25および傾斜筒壁26がキャップBに対して容器本体A側に移動していくと、吐出筒25の錠剤係止突部28に阻止されて保持されている1粒の錠剤Taにキャップ本体B1の押し出し案内部9の底壁16に突設した押し上げ突部18の先端が当接し、錠剤Taを吐出筒25側に押し込んでいき、錠剤Taが錠剤係止突部28を乗り越え、吐出筒25内に押し出され、吐出筒25を介して外に吐出される。
また、傾斜筒壁26が容器本体A側に移動していくと、押し出し案内部9内に残った錠剤Ta以外の錠剤Tを押し上げ、通路口17を介して容器本体A側に押し戻していく。
【0029】
最後は、傾斜筒壁26の先端部が押し出し案内部9の底壁16に当接して吐出操作部材Cの傾斜筒壁26および吐出筒25のキャップB内での移動が止められる。
その際、傾斜筒壁26の先端部が通路口17の内方にあり、通路口17を閉鎖し、容器本体A内の錠剤Tが通路口17を介して押し出し案内部9内に入ろうとするのを阻止するので、押し出し案内部9内に錠剤Tが残ることはない。
【0030】
本実施例の錠剤取り出し容器は、該容器をキャップBが下になるように倒立させた後、吐出操作部材Cの両側の操作部27を外側から狭持して押圧すると、吐出筒25から押し出し案内部9内にセットされた錠剤Taを1粒のみ吐出することができる。
【0031】
また、錠剤取り出し容器をキャップBが下になるように倒立させたまま、吐出操作部材Cの両側の操作部27を外側からの押圧を止めると、上面部27a側の変形が元に戻されるとともに、図4(a)に示すように、吐出筒25および傾斜筒壁26の位置が元の位置に戻され、傾斜筒壁26による通路口17への閉鎖が解かれ、再度、キャップ本体B1の通路口17を介して、容器本体A内の錠剤Tのいくつかを押し出し案内部9内に移動させ、次に吐出する1粒の錠剤Taをセットすることができる。
以上のように、錠剤取り出し容器をキャップBが下になるように倒立させたまま、吐出操作部材Cの両側の操作部27を外側から狭持し押圧して吐出筒25から1粒の錠剤Taを吐出し、操作部27への押圧を解放することで錠剤Taをセットすることができるので、操作部27を押圧し、解放することを任意回繰り返すことで、任意の数の錠剤Tを1粒ずつ吐出することができる。
【実施例0032】
次に、錠剤Tの吐出構造を変えた第2実施例について、図を参照して説明する。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、変更部分に新たな符号を付し、相違点を中心に説明する。
【0033】
図5において、Aは錠剤Tが収納される容器本体、Dは容器本体Aに装着され、容器本体A内の錠剤Tを吐出するキャップである。
【0034】
図5に示すように、キャップDは、容器本体Aの口部1に装着されるキャップ本体D1と、キャップ本体D1の天面を覆う蓋体D2と、キャップ本体D1に可動自在に装着される吐出操作部材Eとから構成されている。
【0035】
図5および図6に示すように、キャップ本体D1は、上部で吐出操作部材Eを案内するとともに、上端部に蓋体D2を装着し、内周下部が口部1外周に係合する側周壁35と、側周壁35の中程の高さの内周に連設され、下面外縁が口部1上端面と当接されるとともに、内方に向かい上方に傾斜する環状の傾斜隔壁36とを備えている。
【0036】
側周壁35には、左右側に吐出操作部材Eの後述する左右の操作部51を操作可能に案内する案内切り欠き37が上端から傾斜隔壁36の上面付近まで切り欠かれ、内周上端には、蓋体D2を装着する係合突部38が突設され、内周の傾斜隔壁36の下方には、口部1の係合突条2(雄ねじ)と螺合する係合部39(雌ねじ)が形成されている。
【0037】
蓋体D2は、キャップ本体D1の側周壁35上面を塞ぐ頂部である環状の頂壁40と、頂壁40中央を貫通する吐出筒41と、頂壁40の下面の所定の位置の左右側に設けられ、吐出操作部材Eの左右の操作部51の装着部53をそれぞれ固定して装着する装着受け部42と、頂壁40の下面の外縁付近から垂設され、外周がキャップ本体D1の側周壁35内周上部および係合突部38に係合して装着される係合筒部43とを備えている。
【0038】
吐出筒41は、錠剤Tの1粒がストレス無く通過する内径で形成され、入口側である下端内周には、1粒の錠剤Tを一時的に保持するために、錠剤Tを押し込まないと通過できない錠剤係止突部44が突設されるとともに、下端から拡径しながら下方に傾斜する環状の傾斜筒壁45が設けられている。
吐出筒41の入口側である下端内周には、1粒の錠剤Tを一時的に保持するために、錠剤Tを押し込まないと通過できない錠剤係止突部44が突設されている。
【0039】
図5および図7に示すように、吐出操作部材Eは、キャップ本体D1の傾斜隔壁36の内側に上方から挿入される押し出し案内部50と、押し出し案内部50の左右両側から外方に延び、変形可能な肉厚で形成が形成された左右の操作部51とを備えている。
【0040】
押し出し案内部50は、外周が傾斜隔壁36の内側に挿入され、内周が蓋体D2の吐出筒41の傾斜筒壁45の外縁に近接または当接する径で形成される案内筒55と、案内筒55内周下端に連設される底壁56とからなり、案内筒55およびそれに連なる底壁56には、球形の錠剤Tがそれぞれ1粒のみ内方に通過できる縦横幅で穿設された通路口57が複数配設されており、底壁56上面中央には、錠剤Tを押し上げる押し上げ突部58が突設されている。
案内筒55の内周上端には、傾斜筒壁45の外縁と係合して外れないようにする係止突部59が突設されている。
【0041】
操作部51は、吐出操作部材EをキャップDに装着した際に、キャップ本体D1の側周壁35のそれぞれの案内切り欠き37から外方に突出するとともに案内される横幅で形成されており、押し出し案内部50の案内筒55の外周上部の左右側に連結されて、それぞれ外方に延び、案内切り欠き37の下端部付近を越えたあたりから外側下方に向かう下面部51cと、下端面の先端部51bから上方内側に向かって延び、案内切り欠き37の上端部付近から蓋体D2の内方に向かって延びる上面部51aとを備えており、上面部51aの内方先端には、蓋体D2の装着受け部42に係合して装着される装着部53が設けられている。
【0042】
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
まず、キャップ本体D1の側周壁35の左右の案内切り欠き37に、上方から吐出操作部材Eのそれぞれの操作部51を先端部51b側から進入させ、セットする。
その際、吐出操作部材Eの押し出し案内部50がキャップ本体D1の傾斜隔壁36の内側を貫通してセットされる。
【0043】
次に、吐出操作部材Eの左右の操作部51の装着部53を蓋体D2のそれぞれの装着受け部42に固定して装着した後、蓋体D2をキャップ本体D1に装着させ、吐出操作部材Eを装着したキャップDとする。
その際、蓋体D2の傾斜筒壁45の外縁が吐出操作部材Eの押し出し案内部50の係止突部59を乗り越えて案内筒55内周に挿入される。
最後に、吐出操作部材Eを装着したキャップDを、錠剤Tが充填された容器本体Aの口部1に装着して錠剤取り出し容器とする。
【0044】
次に、錠剤Tの取り出しについて説明する。
錠剤Tを取り出すには、図8(a)に示すように、錠剤取り出し容器をキャップDが下になるように倒立させることにより、容器本体A内の錠剤Tをキャップ本体D1の傾斜隔壁36を介して吐出操作部材Eの押し出し案内部50の通路口57を通して、押し出し案内部50内に案内する。
【0045】
押し出し案内部50内に移動した錠剤Tは、蓋体D2の傾斜筒壁45の傾斜により案内されると、その内の1粒である錠剤Taが吐出筒41の錠剤係止突部44に阻止されて保持されるとともに、他の錠剤Tの移動も止められる。
【0046】
次に、吐出操作部材Eの両側の操作部51の上面部51aを外側から狭持して押圧すると、図8(b)に示すように、操作部51の上面部51aの内方先端の装着部53が蓋体D2の頂壁40に固定して装着されているので、上面部51aが変形して操作部51の先端部51b側を内方に押し込む。
【0047】
操作部51の先端部51b側が内方に押し込まれると、下面部51cの内側端が蓋体D2側に押し込まれ、下面部51cが連結する押し出し案内部50がキャップD内で蓋体D2側に移動していく。
その際、押し出し案内部50は、案内筒55内周が蓋体D2の傾斜筒壁45外縁で案内され、吐出操作部材Eの押し出し案内部50がキャップD内でスムーズに移動する。
【0048】
吐出操作部材Eの押し出し案内部50が蓋体D2側に移動していくと、蓋体D2の吐出筒41の錠剤係止突部44に阻止されて保持される1粒の錠剤Taに押し出し案内部50の底壁56に突設した押し上げ突部58の先端が当接し、錠剤Taを吐出筒41側に押し込んでいき、錠剤Taが錠剤係止突部44を乗り越え、吐出筒41内に押し出され、吐出筒41を介して外に吐出される。
また、傾斜筒壁45が容器本体A側に移動していくと、押し出し案内部50内に残った錠剤Ta以外の錠剤Tを押し上げ、通路口57を介して容器本体A側に押し戻していく。
【0049】
最後は、傾斜筒壁45の先端部が押し出し案内部50の底壁56に当接して吐出操作部材Eの押し出し案内部50のキャップD内での移動が止められる。
その際、傾斜筒壁45の先端部が通路口57の内方にあり、通路口57を閉鎖し、容器本体A内の錠剤Tが通路口57を介して押し出し案内部50内に入ろうとするのを阻止するので、押し出し案内部50内に錠剤Tが残ることはない。
【0050】
本実施例の錠剤取り出し容器は、該容器をキャップDが下になるように倒立させた後、吐出操作部材Eの両側の操作部51を外側から狭持して押圧すると、吐出筒41から押し出し案内部50にセットされた錠剤Taを1粒のみ吐出することができ、また、操作部51を押圧し、解放することを任意回繰り返すことで、任意の数の錠剤Tを1粒ずつ吐出することができる。
【実施例0051】
次に、錠剤Tの吐出構造を変えた第3実施例について、図を参照して説明する。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、変更部分に新たな符号を付し、相違点を中心に説明する。
【0052】
図9において、Aは錠剤Tが収納される容器本体、Fは容器本体Aに装着され、容器本体A内の錠剤Tを吐出するキャップである。
【0053】
図9および図10に示すように、キャップFは、容器本体Aの口部1に装着されるキャップ本体F1と、キャップ本体F1にヒンジ部Hを介して連設される吐出操作部材Gとから構成されている。
【0054】
キャップ本体F1は、内周下部が容器本体Aの口部1外周に係合する側周壁65と、側周壁65の内周上端に連設され、下面外縁が口部1上端面と当接されるとともに、内方に向かい上方に傾斜する環状の傾斜隔壁66と、傾斜隔壁66の内縁に連設され、容器本体A内の錠剤Tを案内する押し出し案内部67とを備えている。
側周壁65は、外周上端にヒンジ部Hを介して吐出操作部材Gが連設され、内周に口部1の係合突条2(雄ねじ)と螺合する係合部68(雌ねじ)が形成されている。
【0055】
押し出し案内部67は、外周が傾斜隔壁66内縁に連設される案内筒70と、案内筒70内周下端に連設される底壁71とからなり、案内筒70および底壁71には、球形の錠剤Tがそれぞれ1粒のみ内方に通過できる縦横幅で穿設された通路口72が複数配設されている。
案内筒70の内径は、吐出操作部材Gをセットした際に、後述する吐出筒77の入口側端部が邪魔をし、錠剤Tが外に出ないような径で形成されている。
【0056】
図9に示すように、吐出操作部材Gは、右側にヒンジ部Hが連設されるとともに、装着時に下面がキャップ本体F1の側周壁65上面および傾斜隔壁66外縁に当接して装着される環状の上壁部75と、上壁部75の内縁ヒンジ部H側から内側上方に延びるとともに変形可能に形成される変形腕部76と、外周上端の右側が変形腕部76の上端に連設され、上壁部75の環の中央に位置し、下端が上壁部75の下面と同じ高さに位置するように形成される吐出筒77と、吐出筒77の変形腕部76の外周上端の左側に形成される操作部78とを備えている。
【0057】
吐出筒77は、錠剤Tの1粒分がストレス無く通過する内径で形成され、入口側である下端内周には、1粒の錠剤Tを一時的に保持するために、錠剤Tを押し込まないと通過できない錠剤係止突部80が突設され、また、下端から所定の高さまで僅かな幅で切り込まれた変形切り込み81が複数配設され、変形切り込み81により吐出筒77の下部が外側に僅かに広がるように形成されている。
【0058】
次に、本実施例の使用態様と作用効果について説明する。
まず、図10に示すように、キャップ本体F1と吐出操作部材Gは、ヒンジ部Hを介して連設されているので吐出操作部材Gを開蓋した形で一体成形することができる。
図9に示すように、キャップ本体F1に吐出操作部材Gを閉蓋し、キャップ本体F1の側周壁65上面および傾斜隔壁66外縁に吐出操作部材Gの上壁部75をセットし、キャップFとする。
本実施例では、キャップFは、キャップ本体F1と吐出操作部材Gをヒンジ部Hを介して連設しているが、これ以外に、キャップ本体F1と吐出操作部材Gを別体で成形し、接着して装着するようにしてもよい。
最後に、キャップFを、錠剤Tが充填された容器本体Aの口部1に装着して錠剤取り出し容器とする。
【0059】
次に、錠剤Tの取り出しについて説明する。
錠剤Tを取り出すには、図11(a)に示すように、錠剤取り出し容器をキャップFが下になるように倒立させることにより、容器本体A内の錠剤Tをキャップ本体F1の傾斜隔壁66を介して押し出し案内部67の通路口72を通して、押し出し案内部67内に案内する。
【0060】
押し出し案内部67内に移動した錠剤Tは、吐出操作部材Gの吐出筒77が邪魔をして押し出し案内部67の開口から外に出ないようにするとともに、その内の1粒である錠剤Taが吐出筒77の錠剤係止突部80に阻止されて保持されるとともに、他の錠剤Tの移動も止められる。
【0061】
次に、吐出操作部材Gの操作部78を外側からキャップ本体F1側に押圧すると、図11(b)に示すように、変形腕部76が変形することにより、吐出操作部材Gの吐出筒77がキャップ本体F1に対して押し込まれる。
【0062】
吐出筒77が内方に押し込まれると、吐出筒77の錠剤係止突部80に阻止されて保持される1粒の錠剤Taが押し出し案内部67の底壁71に当接し、錠剤Taを吐出筒77側に押し込んでいく。
そして、変形切り込み81により吐出筒77の先端が僅かに広がり、錠剤Taが錠剤係止突部80を乗り越え、吐出筒77内に押し出され、吐出筒77を介して外に吐出される。
また、移動した吐出筒77自体が、押し出し案内部67内に残った錠剤Ta以外の錠剤Tを通路口72を介して容器本体A側に押し戻していく。
【0063】
最後は、吐出筒77の先端部が押し出し案内部67の底壁71に当接して吐出筒77および操作部78の移動が止められる。
その際、移動した吐出筒77自体が、容器本体A内の錠剤Tが通路口72を介して押し出し案内部67内に入ろうとすることを阻止する。
【0064】
また、吐出操作部材Gの操作部78の押圧を解放すると、変形腕部76の復元力により、図11(a)に示すように、元に戻り、押し出し案内部67の通路口72が開口し、容器本体A内の錠剤Tが通路口72を介して押し出し案内部67内に案内される。
【0065】
本実施例の錠剤取り出し容器は、該容器をキャップFが下になるように倒立させた後、吐出操作部材Gの操作部78で押圧操作をすることで、吐出筒77から内側でセットされた錠剤Taを1粒のみ吐出することができ、また、操作部78を押圧し、解放することを任意回繰り返すことで、任意の数の錠剤Tを1粒ずつ吐出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の錠剤取り出し容器は、該容器をキャップが下になるように倒立させた後、吐出操作部材で押圧操作をすることで、錠剤を1粒のみ吐出することができ、また、操作部を押圧し、解放することを任意回繰り返すことで、任意の数の錠剤を1粒ずつ吐出することができ、薬剤だけでなく、キャンデー等の球形の食料品の容器として、広く利用することができる。
【符号の説明】
【0067】
A 容器本体
B、D、F キャップ
B1、D1、F1 キャップ本体
B2、D2 蓋体
C、E、G 吐出操作部材
H ヒンジ部
T、Ta 錠剤
1 口部
2 係合突条(雄ねじ)
5、35、65 側周壁
6 基壁
7 内筒
8、36、66 傾斜隔壁
9、50、67 押し出し案内部
10、37 案内切り欠き
11、38 係合突部
12、39、68 係合部(雌ねじ)
13 装着凹部
15、55、70 案内筒
16、56、71 底壁
17、57、72 通路口
18、58 押し上げ突部
19、59 係止突部
20、40 頂壁
21 上部案内筒
22、43 係合筒部
25、41、77 吐出筒
26、45 傾斜筒壁
27、51、78 操作部
27a、51a 上面部
27b、51b 先端部
27c、51c 下面部
28、44、80 錠剤係止突部
29 装着凸部
42 装着受け部
53 装着部
75 上壁部
76 変形腕部
81 変形切り込み
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11