(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131454
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】フィルタ装置及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/10 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
D06F39/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021030408
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 晴美
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA15
3B166AE01
3B166BA23
3B166BA34
3B166BA73
3B166CA02
3B166CA11
3B166CB02
3B166CB12
3B166CB13
3B166DA03
3B166DB03
3B166DB18
3B166DC03
3B166DC13
3B166DC22
3B166DC40
3B166DC45
3B166DC47
3B166DE02
3B166DE04
3B166FA01
3B166FA06
3B166GA02
3B166GA04
3B166GA14
3B166GA27
3B166HA16
3B166HA32
3B166JM03
(57)【要約】
【課題】フィルタの目詰まりを抑制してメンテナンス性の向上を図ることができるフィルタ装置、及び、このフィルタ装置を含む洗濯機を提供する。
【解決手段】フィルタ装置20は、ケース21と、ケース21内に配置されたフィルタ23と、フィルタ23内に配置された回転体32と、フィルタ23内で回転体32によって支持された掻取部材33とを含む。フィルタ23は、ケース21内に流入する水を取込口25Fからフィルタ23内に取り込み、この水に含まれる異物を、内周面部23Aにおいて捕獲する。回転体32は、取込口25Fからフィルタ23内に取り込まれる水の勢いによって回転する。掻取部材33は、内周面部23Aに接近する進出位置と、内周面部23Aから離れる退避位置との間でスライド可能であり、付勢部材49によって退避位置へ向けて付勢される。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口及び流出口が設けられたケースであって、洗濯機の排水路内の水を前記流入口から前記ケース内に流入させ、前記ケース内の水を前記流出口から流出させるケースと、
縦に延びる中心軸線を有する円筒状の内周面部と、前記内周面部に分布する複数のフィルタ穴とが設けられ、前記ケース内に配置されたフィルタであって、前記流入口から前記ケース内に流入する水を前記フィルタ内に取り込む取込口を有し、前記取込口から前記フィルタ内に取り込まれた後に前記フィルタ穴から前記フィルタ外に流出する水に含まれる異物を前記内周面部において捕獲するフィルタと、
前記フィルタ内に配置され、前記取込口から前記フィルタ内に取り込まれる水の勢いによって前記中心軸線まわりに回転する回転体と、
前記フィルタ内で前記回転体によって支持され、前記内周面部から異物を掻き取る掻取部材であって、前記内周面部に接近する進出位置と、前記内周面部から前記中心軸線側へ離れる退避位置との間で、前記中心軸線を基準とする径方向にスライド可能な掻取部材と、
前記掻取部材を前記退避位置へ向けて付勢する付勢部材と、を含む、フィルタ装置。
【請求項2】
前記回転体は、前記取込口から前記フィルタ内に取り込まれる水を受ける羽根であって、前記フィルタの内部空間の下半分よりも上側に配置された羽根を含み、
前記取込口は、前記中心軸線まわりの周方向、又は、前記周方向に対する接線方向から前記羽根に臨む、請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記掻取部材に連結された錘を含む、請求項1又は2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
前記フィルタにおいて前記フィルタ穴よりも上側の領域には、前記フィルタ内の水を前記フィルタ外に溢れさせる溢水穴が設けられ、
前記ケース内には、前記溢水穴から離れるように窪んだ凹部が設けられ、
前記流出口は、前記溢水穴の真下に配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
洗濯物を収容する洗濯槽と、
前記洗濯槽に接続された上流路と、前記上流路から分岐した第1下流路及び第2下流路とを有する排水路と、
前記第1下流路を開閉する排水弁と、
前記第2下流路に設けられ、前記上流路内の水を前記第2下流路に流すポンプと、
前記第2下流路において前記ポンプよりも前記上流路から離れた下流領域に設けられた請求項1~4のいずれか一項に記載のフィルタ装置と、を含む、洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フィルタ装置、及び、フィルタ装置を含む洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の洗濯機は、筐体と、筐体内に配置された洗濯槽と、洗濯槽内の水を筐体外に排出する排水路と、排水路に対して着脱される排水フィルタとを含む。排水フィルタは、複数のピンを有する櫛部を含む。排水路を流れる排水が排水フィルタ内でピンの周辺を通過する際に、排水に含まれる異物が、ピンに絡むことによって捕獲される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の排水フィルタは、糸くずや髪の毛などの長尺の異物を捕獲対象とすることから、櫛部において隣り合うピンの隙間、つまりフィルタ穴が比較的大きいので、排水フィルタが目詰まりしにくい。一方、最近では、マイクロプラスチックと呼ばれる数10μmの大きさの樹脂製の異物が自然界に放出されないようにする対策が要求されつつある。このような要求に応じるためにはフィルタ穴を小さくすればよいが、フィルタ穴が小さくなると排水フィルタが目詰まりしやすくなるので、使用者は、排水フィルタを頻繁にメンテナンスしなければならず、面倒である。
【0005】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、フィルタの目詰まりを抑制してメンテナンス性の向上を図ることができるフィルタ装置、及び、このフィルタ装置を含む洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、流入口及び流出口が設けられたケースであって、洗濯機の排水路内の水を前記流入口から前記ケース内に流入させ、前記ケース内の水を前記流出口から流出させるケースと、縦に延びる中心軸線を有する円筒状の内周面部と、前記内周面部に分布する複数のフィルタ穴とが設けられ、前記ケース内に配置されたフィルタであって、前記流入口から前記ケース内に流入する水を前記フィルタ内に取り込む取込口を有し、前記取込口から前記フィルタ内に取り込まれた後に前記フィルタ穴から前記フィルタ外に流出する水に含まれる異物を前記内周面部において捕獲するフィルタと、前記フィルタ内に配置され、前記取込口から前記フィルタ内に取り込まれる水の勢いによって前記中心軸線まわりに回転する回転体と、前記フィルタ内で前記回転体によって支持され、前記内周面部から異物を掻き取る掻取部材であって、前記内周面部に接近する進出位置と、前記内周面部から前記中心軸線側へ離れる退避位置との間で、前記中心軸線を基準とする径方向にスライド可能な掻取部材と、前記掻取部材を前記退避位置へ向けて付勢する付勢部材と、を含む、フィルタ装置である。
【0007】
また、本発明は、前記回転体が、前記取込口から前記フィルタ内に取り込まれる水を受ける羽根であって、前記フィルタの内部空間の下半分よりも上側に配置された羽根を含み、前記取込口が、前記中心軸線まわりの周方向、又は、前記周方向に対する接線方向から前記羽根に臨むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記フィルタ装置が、前記掻取部材に連結された錘を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記フィルタにおいて前記フィルタ穴よりも上側の領域には、前記フィルタ内の水を前記フィルタ外に溢れさせる溢水穴が設けられ、前記ケース内には、前記溢水穴から離れるように窪んだ凹部が設けられ、前記流出口が、前記溢水穴の真下に配置されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、洗濯物を収容する洗濯槽と、前記洗濯槽に接続された上流路と、前記上流路から分岐した第1下流路及び第2下流路とを有する排水路と、前記第1下流路を開閉する排水弁と、前記第2下流路に設けられ、前記上流路内の水を前記第2下流路に流すポンプと、前記第2下流路において前記ポンプよりも前記上流路から離れた下流領域に設けられた前記フィルタ装置と、を含む、洗濯機である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、洗濯機の排水路内を流れる水は、フィルタ装置では、流入口からケース内に流入して取込口からフィルタ内に取り込まれた後に、フィルタの内周面部のフィルタ穴からフィルタ外に流出してケースの流出口から洗濯機の機外に排出される。フィルタ穴からフィルタ外に水が流出する際に、この水に含まれる異物が、フィルタの内周面部において捕獲される。フィルタ内に配置された回転体が、取込口からフィルタ内に取り込まれる水の勢いによって回転すると、回転体によって支持された掻取部材が、遠心力によって付勢部材の付勢力に抗して退避位置から進出位置まで進出してフィルタの内周面部の異物に接触する。すると、回転体の回転速度が一時的に低下することによって遠心力が小さくなるので、掻取部材が付勢部材の付勢力によって退避位置側へ退避する。そして、回転体の回転速度が回復して遠心力が大きくなると、掻取部材は、再び進出位置まで進出してフィルタの内周面部の異物に接触する。このように、掻取部材は、排水に伴う回転体の回転中において、進出位置と退避位置との間での進退を繰り返してフィルタの内周面部の異物に何度も接触することによって、フィルタの内周面部から効率的に異物を掻き取ることができる。これにより、フィルタ穴におけるフィルタの目詰まりを抑制してメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0012】
また、本発明によれば、回転体に含まれる羽根が、取込口からフィルタ内に取り込まれる水を受けることによって、回転体が回転する。羽根は、フィルタの内部空間において水が溜まりやすい下半分よりも上側に配置される。さらに、取込口は、フィルタの内周面部の中心軸線、つまり回転体の回転軸線まわりの周方向、又は、この周方向に対する接線方向から羽根に臨む。これにより、羽根は、フィルタの内部空間の下半分に溜まる水の抵抗を受けにくい一方で、取込口からフィルタ内に取り込まれる水を効率的に受けるので、回転体を勢いよく回転させることができる。そのため、大きな遠心力が発生することによって掻取部材が進出位置まで進出しやすくなるので、掻取部材は、フィルタの内周面部から一層効率的に異物を掻き取ることができる。これにより、フィルタ穴におけるフィルタの目詰まりを一層抑制してメンテナンス性の更なる向上を図ることができる。
【0013】
また、本発明によれば、掻取部材に連結された錘が大きな遠心力が発生することによって掻取部材が進出位置まで進出しやすくなるので、掻取部材は、フィルタの内周面部から一層効率的に異物を掻き取ることができる。これにより、フィルタ穴におけるフィルタの目詰まりを一層抑制してメンテナンス性の更なる向上を図ることができる。
【0014】
また、本発明によれば、フィルタが目詰まりしても、フィルタ内の水が溢水穴からフィルタ外に溢れて流出口からケース外に流出するので、洗濯機の排水路内を流れる水を円滑に機外に排出することができる。さらに、ケース内では、溢水穴から離れるように窪んだ凹部が設けられて、流出口が溢水穴の真下に配置されるので、溢水穴からフィルタ外に溢れた水を凹部から速やかに流出口に受け渡して機外に排出することができる。
【0015】
また、本発明によれば、洗濯機の排水路では、洗濯槽に接続された上流路よりも下流側の部分が第1下流路と第2下流路とに分岐する。第2下流路には、ポンプ及びフィルタ装置が設けられる。排水弁が第1下流路を閉じた状態でポンプが作動すると、上流路内の水は、第2下流路内を流れてフィルタ装置によって異物が捕獲された後に、機外に排出される。洗濯槽内の水が少なくなってポンプが空気を噛みやすくなれば、ポンプを停止させて排水弁によって第1下流路を開くとよい。すると、残りの水は、上流路から第1下流路内を流れて機外に排出されるので、ポンプが空気を噛んだ状態で作動することによる騒音を抑制できるし、洗濯槽内の水を残さず機外に排出できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この発明の一実施形態に係る洗濯機の模式的な縦断面右側面図である。
【
図2】洗濯機に含まれるフィルタ装置の斜視図である。
【
図3】フィルタ装置に含まれるケースの斜視図である。
【
図4】フィルタ装置に含まれるフィルタユニットの斜視図である。
【
図5】フィルタユニットに含まれるフィルタの斜視図である。
【
図6】
図5とは別の方向から見たフィルタの斜視図である。
【
図7】フィルタユニットに含まれるクリーニングユニットの斜視図である。
【
図11】
図8とは別の位置で切断したときのフィルタ装置の縦断面図である。
【
図12】
図9と同じ切断位置においてクリーニングユニットの掻取部材が進出位置にある状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る洗濯機1の模式的な縦断面右側面図である。
図1において紙面に直交する方向を洗濯機1の左右方向Xといい、
図1における左右方向を洗濯機1の前後方向Yといい、
図1における上下方向を洗濯機1の上下方向Zという。左右方向Xのうち、
図1の紙面の奥側を左側X1といい、
図1の紙面の手前側を右側X2という。前後方向Yのうち、
図1の左側を前側Y1といい、
図1の右側を後側Y2という。上下方向Zのうち、上側を上側Z1といい、下側を下側Z2という。
【0018】
洗濯機1には、縦型洗濯機や、ドラム式洗濯機や、二槽式洗濯機も含まれるが、以下では、乾燥機能が省略されて洗濯運転だけを実行する縦型洗濯機を例に取って洗濯機1について説明する。洗濯機1は、その外郭をなす筐体2と、筐体2内に配置された外槽3及び内槽4によって構成された洗濯槽5と、内槽4内に収容された回転翼6と、内槽4や回転翼6を回転させるトルクを発生する電動のモータ7と、モータ7が発生したトルクの伝達先を切り替える伝達機構8とを含む。
【0019】
筐体2は、例えば金属製であり、ボックス状に形成される。筐体2の上面2Aには、筐体2の内外を連通させる開口2Bが形成される。上面2Aには、開口2Bを開閉する扉9が設けられる。上面2Aにおいて、例えば開口2Bよりも前側Y1の領域には、タッチパネルなどで構成された表示操作部10が設けられる。表示操作部は、液晶パネルなどの表示部と、スイッチやボタンなどの操作部とに分かれて構成されてもよい。
【0020】
外槽3は、上端に開口3Aが形成された有底円筒状に形成される。外槽3は、吊り棒11を介して筐体2に接続され、これにより、洗濯槽5が弾性支持される。開口3Aは、筐体2の開口2Bの真下に配置される。外槽3内には、水が溜められる。洗濯機1は、外槽3内に溜まった水を機外つまり洗濯機1の外に排出するための排水路12を含む。排水路12は、外槽3に下側Z2から接続された上流路12Aと、上流路12Aから分岐した第1下流路12B及び第2下流路12Cとを有する。
【0021】
第1下流路12Bは、機外に引き出される。第2下流路12Cは、筐体2内で第1下流路12Bに合流する。第2下流路12Cに関する構成については、追って説明する。第1下流路12Bの途中には、外槽3の水の排出、つまり排水を開始したり停止したりするために開閉される排水弁13が設けられる。排水弁13が開くと第1下流路12Bが開放されるので、排水が開始される(
図1の実線矢印を参照)。排水弁13が閉じると第1下流路12Bが閉鎖されるので、排水が停止される。
【0022】
内槽4は、上下方向Zに延びる中心軸Jを有し、外槽3よりも一回り小さい有底円筒状に形成され、内部に洗濯物Qを収容することができる。内槽4の上端には、出入口4Aが形成される。出入口4Aは、外槽3の開口3Aと筐体2の開口2Bとに下側Z2から連通した状態にある。洗濯機1の使用者は、扉9を開いて開口2B、開口3A及び出入口4Aを開放し、内槽4に対して洗濯物Qを出し入れする。
【0023】
内槽4は、外槽3内に同軸上で収容され、上下方向Zに沿って、つまり縦に配置される。外槽3内に収容された状態の内槽4は、中心軸Jまわりに回転可能である。内槽4には、図示しない貫通穴が複数形成され、外槽3内の水は、当該貫通穴を介して、外槽3と内槽4との間で行き来できる。内槽4の底壁には、中心軸Jに沿って下側Z2へ延び出て外槽3の底壁を貫通した管状の支持軸14が設けられる。
【0024】
回転翼6は、いわゆるパルセータであり、中心軸Jを円中心とする円盤状に形成され、内槽4の底壁上に配置される。回転翼6には、その円中心から中心軸Jに沿って下側Z2へ延びる回転軸15が設けられる。回転軸15は、支持軸14の中空部分に挿通されて、回転軸15の下端部は、外槽3の底壁よりも下側Z2に位置する。
【0025】
モータ7は、上側Z1へ突出して中心軸Jを中心として回転する出力軸16を有し、内槽4の下側Z2に配置される。伝達機構8は、支持軸14及び回転軸15のそれぞれの下端部と、出力軸16の上端部との間に介在される電動のクラッチである。伝達機構8は、モータ7が出力軸16から出力するトルクを、支持軸14及び回転軸15の一方又は両方に対して選択的に伝達する。トルクが支持軸14に伝達されると内槽4が回転し、トルクが回転軸15に伝達されると回転翼6が回転する。
【0026】
外槽3及び内槽4への給水に関連して、洗濯機1は、蛇口(図示せず)からの水道水を内槽4内に供給するための給水路17を含む。給水路17の一端(図示せず)は、筐体2の外に引き出されて、蛇口に接続される。給水路17の他端は、筐体2内に配置された給水口17Aとして、内槽4の出入口4Aに上側Z1から臨む。給水路17において筐体2内に配置された部分には、開閉可能な給水弁18が設けられる。
【0027】
洗濯機1は、マイコンなどによって構成された制御部19を含む。制御部19には、モータ7、伝達機構8、表示操作部10、排水弁13及び給水弁18のそれぞれが電気的に接続される。使用者による表示操作部10の操作内容は、制御部19に入力され、制御部19は、表示操作部10の表示内容を制御する。制御部19は、モータ7、伝達機構8、排水弁13及び給水弁18の動作を制御することによって洗濯槽5内の洗濯物Qを洗濯する洗濯運転を実行する。洗濯運転は、洗濯槽5の内槽4内の洗濯物Qを洗う洗い工程と、洗い工程の後に洗濯物Qをすすぐすすぎ工程と、すすぎ工程後に洗濯物Qを脱水する脱水工程とを含む。
【0028】
洗い工程では、制御部19は、まず、排水弁13を閉じた状態で給水弁18を所定時間開くことによって洗濯槽5内に給水する(
図1の破線矢印を参照)。なお、制御部19は、給水時において、給水弁18を開くのでなく、風呂水ポンプ(図示せず)を動作させることによって風呂水を洗濯槽5内に供給してもよい。給水の前又は後のタイミングにおいて、使用者が扉9を開いて洗剤を出入口4Aから内槽4内に投入してもよい。
【0029】
洗濯槽5内の水位が所定水位まで上昇すると、制御部19は、給水を停止した後にモータ7及び伝達機構8を制御することによって、回転翼6を回転させる。これにより、内槽4内の洗濯物Qは、撹拌されたり、洗剤によって汚れが分解されたりすることによって洗浄される。最後に、制御部19は、排水処理の一環として、排水弁13を開くことによって洗濯槽5を排水する。
【0030】
すすぎ工程では、制御部19は、まず、排水弁13を閉じた状態で給水弁18を所定時間開くことによって、水道水を洗濯槽5内に溜める。給水を終えた制御部19は、モータ7及び伝達機構8を制御することによって、回転翼6を回転させる。これにより、内槽4内の洗濯物Qがすすがれる。すすぎ工程では、給水の前又は後のタイミングにおいて、使用者が扉9を開いて柔軟剤を出入口4Aから内槽4内に投入してもよい。柔軟剤は、洗濯物Qに染み渡る。最後に、制御部19は、排水処理を実行する。
【0031】
脱水工程では、制御部19は、排水弁13を開いた状態でモータ7及び伝達機構8を制御することによって、内槽4を所定の脱水回転数で回転させる。これにより、内槽4内の洗濯物Qは、遠心力が作用することによって脱水される。
【0032】
次に、排水路12の第2下流路12Cに関する構成について説明する。第2下流路12Cは、上流路12Aの分岐位置に接続された上流領域12CAと、上流領域12CAよりも当該分岐位置から離れた下流領域12CBとを有する。上流領域12CAは、当該分岐位置から例えば後側Y2へ延びた後に上側Z1へ曲がり、筐体2内における外槽3よりも後側Y2のスペース2Cにおいて外槽3の周壁に沿って上側Z1へ延びる。下流領域12CBは、スペース2Cにおいて、例えば上流領域12CAよりも後側Y2に配置され、下側Z2へ延びて第1下流路12Bに合流する。
【0033】
洗濯機1は、上流領域12CAに設けられた電動のポンプPと、下流領域12CBに設けられたフィルタ装置20とを含む。フィルタ装置20は、排水路12において上流路12Aから第2下流路12Cに流れる水に含まれる異物を捕獲する。フィルタ装置20が捕獲対象とする異物は、紙の毛や糸くずや塵や埃である。なお、塵や埃には、マイクロプラスチックなどの微小なごみも含まれる。なお、排水路12の第1下流路12Bでは、水の流れを制限する構成は、排水弁13以外に設けられない。
【0034】
以下では、洗濯機1の左右方向X、前後方向Y及び上下方向Zを用いてフィルタ装置20の向きを特定するが、フィルタ装置20の横方向、つまり左右方向X及び前後方向Yの向きは、任意に変更できる。フィルタ装置20は、筐体2内のスペース2Cの上端部に配置される。
図2は、前側Y1から見たときのフィルタ装置20の斜視図である。フィルタ装置20は、その外殻をなすボックス状のケース21と、ケース21内に大部分が収容されるフィルタユニット22とを含む。
【0035】
図3は、前側Y1から見たときのケース21の斜視図である。ケース21は、後側Y2へ膨出した半円形状の底壁21Aと、底壁21Aにおいて左右方向Xに延びる前縁から立ち上がった垂直壁21Bと、底壁21Aにおける円弧状の縁から立ち上がって垂直壁21Bの左端及び右端間に架設された湾曲壁21Cとを一体的に有する。垂直壁21B及び湾曲壁21Cによって囲まれて底壁21Aによって塞がれた空間は、ケース21の内部空間21Dである。内部空間21Dは、垂直壁21B及び湾曲壁21Cの上縁によって縁取られた半円形状の開口21Eによって上側Z1へ開放される。
【0036】
底壁21Aの前端部において右寄りの位置には、下側Z2へ突出した円管状の流出路21Fが設けられる。流出路21Fの内部空間は、下側Z2から内部空間21Dに連通する流出口21Gである。垂直壁21Bの前面の左端部において上寄りの位置には、前側Y1へ突出した円管状の流入路21Hが設けられる。流入路21Hの内部空間は、前側Y1から内部空間21Dに連通する流入口21Iである。垂直壁21Bの前面の上端部には、左右方向Xに延びるリブ状の第1係合部21Jが設けられる。湾曲壁21Cにおいて内部空間21Dに後側Y2から臨む内周面の上端部には、湾曲しながら左右方向Xに延びるリブ状の第2係合部21Kが設けられる。
【0037】
図4は、前側Y1から見たときのフィルタユニット22の斜視図である。フィルタユニット22は、フィルタ23と、クリーニングユニット24とを含む。フィルタ23の斜視図である
図5及び
図6を参照して、フィルタ23は、縦つまり上下方向Zに延びる中心軸線Kを有する円筒状の内周面部23Aを有する筒状、具体的には円筒状の全体形状を有する。なお、フィルタ23の外周面23Bは、内周面部23Aと同様の円筒状であってもよいし、角筒状であってもよい。
【0038】
フィルタ23は、その外殻をなす円筒状のフレーム25と、フレーム25に取り付けられたメッシュシート26(
図6参照)とを含む。なお、
図5では、メッシュシート26の図示が省略される。また、以下では、中心軸線Kを基準とする径方向を径方向Rといい、中心軸線Kまわりの周方向を周方向Sという。径方向Rのうち、中心軸線Kに接近する方向を径方向内側R1といい、中心軸線Kから離れる方向を径方向外側R2という。
【0039】
フレーム25は、円板状の底壁25Aと、底壁25Aの外周縁の全域から立ち上がった円筒状の円周壁25Bとを一体的に有する。円周壁25Bによって囲まれて底壁25Aによって塞がれた空間は、フレーム25の内部空間25Cである。内部空間25Cは、フィルタ23の内部空間でもある。内部空間25Cは、円周壁25Bの上縁によって縁取られた円形状の開口25Dによって上側Z1へ開放される。上下方向Zにおける円周壁25Bの略中央には、周方向Sに対する接線方向Tに沿って前側Y1へ突出した円管状の中継路25Eが設けられる。中継路25Eの内部空間は、接線方向Tから内部空間25Cに連通する取込口25Fである。
【0040】
底壁25A及び円周壁25Bのそれぞれには、複数の貫通穴25Gが形成される。底壁25Aに形成された貫通穴25Gは、8つ設けられて周方向Sに等間隔で並び、それぞれの貫通穴25Gは、径方向外側R2へ向かうにつれて周方向Sに広がる等脚台形状に形成される。円周壁25Bに形成された複数の貫通穴25Gは、円周壁25Bにおいて中継路25Eを避けた領域に分布して配置され、それぞれの貫通穴25Gは、四隅が丸められた矩形状に形成される。
【0041】
貫通穴25Gは、円周壁25Bの略前半分の領域では上下3段に並んで配置され、円周壁25Bの略後半分の領域では上下2段に並んで配置される。最下段の貫通穴25Gは、8つ設けられて円周壁25Bの下端部の周方向Sの全域にわたって等間隔で並ぶ。円周壁25Bの略後半分の領域における最上段の貫通穴25Gは、最下段の貫通穴25Gと同じ大きさであって4つ設けられ、周方向Sに等間隔で並ぶ。円周壁25Bの略前半分の領域における上から2段目の貫通穴25Gの上下方向Zの寸法は、最下段の貫通穴25Gの半分ほどであって、当該2段目の貫通穴25Gは、3つ設けられて中継路25Eと同じ高さ位置に配置され、周方向Sに等間隔で並ぶ。円周壁25Bの略前半分の領域における最上段の貫通穴25Gは、上下方向Z及び周方向Sのどちららにおいても最も小さい溢水穴25Hとして4つ設けられ、周方向Sに等間隔で並ぶ。円周壁25Bの略後半分の領域における最上段の貫通穴25Gの上端は、溢水穴25Hの上下方向Zの略中央と同じ高さ位置に配置される。
【0042】
底壁25Aの下面において貫通穴25Gを避けた位置や、円周壁25Bの外周面において中継路25E及び貫通穴25Gを避けた位置には、フレーム25を補強するリブ25Iが設けられる。リブ25Iは、底壁25Aの下面では周方向Sや径方向Rに延び(
図6参照)、円周壁25Bの外周面では上下方向Zや周方向Sに延びる。円周壁25Bの上端部には、周方向Sのほぼ全域にわたって径方向外側R2へ張り出したフランジ25Jが設けられる。フランジ25Jにおいて周方向Sで等間隔を隔てた複数の位置には、フランジ25Jを上下方向Zに切欠いた切欠き25Kが設けられる。
【0043】
図6に示すように、メッシュシート26は、円周壁25Bの最上段における溢水穴25H以外の全ての貫通穴25Gに設けられ、それぞれの貫通穴25Gを塞いでフィルタ23の内周面部23A(
図5参照)を構成する。各メッシュシート26は、周方向Sに沿って湾曲して構成されるとよい。各メッシュシート26には、微小な貫通穴であるフィルタ穴26Aが無数に形成される。そのため、フィルタ23の内周面部23Aには、複数のフィルタ穴26Aが分布する。そして、溢水穴25Hは、フィルタ23において全てのフィルタ穴26Aよりも上側Z1の領域に設けられる。なお、メッシュシート26の代りに、フレーム25に一体成形される格子(図示せず)を設けてもよく、この場合には、格子内の隙間がフィルタ穴26Aとして機能する。フィルタ穴26Aの大きさは、任意に設定できるが、マイクロプラスチックを捕獲対象とする場合には10~20μmに設定され、マイクロプラスチックを捕獲対象としない場合には500μm程度に設定される。
【0044】
図7は、前側Y1から見たときのクリーニングユニット24の斜視図である。クリーニングユニット24は、蓋30と、蓋30から下側Z2へ延びるシャフト31と、シャフト31によって回転可能に支持された回転体32と、回転体32によって支持された一対の掻取部材33と、各掻取部材33に連結された錘34とを含む。
【0045】
蓋30は、ケース21の底壁21A(
図3参照)と形状及び大きさがほぼ同じ半円形状である。蓋30において左右方向Xに延びる前縁には、左右方向Xに長い額縁状であって当該前縁から垂れ下がった第3係合部30Aが設けられる。
【0046】
蓋30の下面には、蓋30の外周縁を縁取りつつ、下側Z2へ突出した環状の外側リブ30Bが設けられる。外側リブ30Bは、蓋30の外周縁よりも一回り小さい半円形状の輪郭を有する。外側リブ30Bにおいて後側Y2へ膨出した円弧状の縁には、下側Z2へ突出した後に後側Y2へ折れ曲がった爪状の第4係合部30Cが設けられる。外側リブ30Bの外周面には、当該外周面を縁取ったパッキン35が取り付けられる。蓋30の下面において外側リブ30Bによって取り囲まれた領域には、下側Z2へ突出した円環状の内側リブ30Dが設けられる。内側リブ30Dの下端は、外側リブ30Bの下端よりも高い位置、つまり上側Z1に配置される。蓋30の下面において内側リブ30Dの円中心と一致する位置には、下側Z2へ突出する円筒状の支持部30Eが設けられる。
【0047】
図8は、フィルタ装置20の縦断面図である。フィルタ23は、ケース21内に配置され、蓋30は、ケース21の開口21E及びフィルタ23のフレーム25の開口25Dを上側Z1から塞ぐように取り付けられる。ケース21の第1係合部21Jが蓋30の第3係合部30Aに係合し、ケース21の第2係合部21Kが蓋30の第4係合部30Cに係合することによって、蓋30が不意に外れないように固定される(
図11参照)。
【0048】
蓋30の下面では、外側リブ30Bが、ケース21の垂直壁21B及び湾曲壁21Cのそれぞれの上端部と、フィルタ23のフレーム25の円周壁25Bの上端部との間に挟まれ、円周壁25Bの上端部は、外側リブ30Bと内側リブ30Dとの間に挟まれる(
図11も参照)。この状態では、内側リブ30Dとフィルタ23とが同軸上に配置されるので、蓋30の下面に設けられた支持部30Eが、フィルタ23の内周面部23Aの中心軸線K上に配置される。フィルタ23のフレーム25の底壁25Aにおいて中心軸線Kと一致する位置には、上側Z1へ突出する円筒状の支持部25Lが設けられる。
【0049】
ケース21と外側リブ30Bとの隙間は、パッキン35によって塞がれる。また、外側リブ30Bの内周面には、径方向内側R1へ突出した爪状の位置決め部30Fが設けられる(
図11参照)。位置決め部30Fがフレーム25の上端部のフランジ25Jに下側Z2から接触することにより、ケース21内のフィルタ23は、フレーム25の底壁25Aがケース21の底壁21Aから若干浮いた状態で位置決めされる。なお、使用者は、フィルタ23を蓋30に対して周方向Sにずらして位置決め部30Fをフランジ25Jの切欠き25K(
図5参照)に一致させてから、フィルタ23を蓋30から下側Z2へ移動させれば、クリーニングユニット24を分解してフィルタ23だけを取り外すことができる。以下では、蓋30がケース21及びフィルタ23に取り付けられた状態を基準として、周方向Sや径方向Rを用いてシャフト31、回転体32、掻取部材33及び錘34について説明する。
【0050】
シャフト31は、例えば金属製の軸であって、フィルタ23内、つまりフィルタ23のフレーム25の内部空間25Cにおいて中心軸線K上に配置される。シャフト31では、上端部が、蓋30の支持部30E内に挿通され、下端部が、フィルタ23のフレーム25の支持部25L内に挿通される。なお、シャフト31の抜け止め防止のために、シャフト31の上端部には、上下一対のワッシャ36が支持部30Eを挟むように取り付けられる。別のワッシャ37が、支持部25L上に配置される。
【0051】
回転体32は、フィルタ23内に配置される。回転体32は、上ユニット40と、下ユニット41とに分割可能である。
図9は、
図8のA-A矢視断面図である。上ユニット40は、中心軸線Kと同軸上に配置される円板状のベース40Aと、ベース40Aの上面の円中心から上側Z1へ突出した上円筒部40Bと、ベース40Aの上面において上円筒部40Bを挟んで配置された一対の上ガイド部40Cとを一体的に有する。さらに、上ユニット40は、ベース40Aの下面の円中心から下側Z2へ突出した下円筒部40Dと、ベース40Aの下面において下円筒部40Dを取り囲むように配置された複数の羽根40Eとを一体的に有する(
図8参照)。
【0052】
ベース40Aの外周縁において周方向Sにおいて180度離れた2箇所には、径方向内側R1へ窪んだ窪み40Fが1つずつ形成される。一対の上ガイド部40Cは、各窪み40Fと周方向Sで同じ位置に1つずつ配置されることによって、径方向Rに延びる同一直線上に配置される。各上ガイド部40Cは、上円筒部40Bから窪み40Fまで延びる径方向Rに細長い中空体である。上円筒部40Bを、各上ガイド部40Cにおける径方向内側R1の端部とみなしてもよい。各上ガイド部40Cには、径方向内側R1に位置する内側空間40Gと、内側空間40Gよりも径方向外側R2に位置する外側空間40Hと、内側空間40Gと外側空間40Hとの間に配置された仕切り壁40Iと、外側空間40Hよりも径方向外側R2に位置する端壁40Jとが設けられる。
【0053】
内側空間40G及び外側空間40Hは、仕切り壁40Iに設けられた貫通穴40Kを介して互いに連通する。外側空間40Hは、端壁40Jに設けられた貫通穴40Lを介して径方向外側R2へ開放される。内側空間40G及び外側空間40Hは、上側Z1へ開放される。上ユニット40は、一対の上ガイド部40Cに応じて一対設けられた上カバー42をさらに含む。上カバー42は、径方向Rに長手であって、上カバー42における周方向Sの両端部は、下側Z2へ折り曲げられる。上カバー42は、対応する上ガイド部40Cに取り付けられて、この上ガイド部40Cを周方向Sの両側から挟むとともに、この上ガイド部40Cの内部空間である内側空間40G及び外側空間40Hを上側Z1から塞ぐ(
図8も参照)。これにより、内側空間40G及び外側空間40Hへの異物の侵入が防止される。なお、上カバー42は、ねじ留めやスナップフィットなどの公知の係止構造によって、上ガイド部40Cに対して着脱可能である。
【0054】
上円筒部40Bの内部空間と、下円筒部40Dの内部空間とは、連続した状態にあって上挿通穴40M(
図8参照)を構成する。上挿通穴40Mには、シャフト31が挿通される。これにより、回転体32の全体が中心軸線Kまわりに回転可能である。上円筒部40Bの内径は、下円筒部40Dの内径よりも小さく、シャフト31の外径とほぼ同じなので、回転体32、特に回転体32の略上半分は、がたつくことなくスムーズに回転することができる。なお、上挿通穴40Mの内周面とシャフト31との間には、軸受(図示せず)が配置されてもよい。下円筒部40Dには、下円筒部40Dを径方向Rに貫通した係止穴40Nが設けられる(
図7及び
図8参照)。本実施例では、2つの係止穴40Nが、周方向Sにおいて180度離れた2箇所に1つずつ設けられる。
【0055】
羽根40Eは、周方向Sから見て略矩形状をなす板状であり、下円筒部40Dから径方向外側R2へ離れて配置されて、ベース40Aの外周縁に接続される(
図7参照)。羽根40Eの下端部における径方向Rの両端の角は、丸められる。本実施例では、8枚の羽根40Eが周方向Sに等間隔で並んで配置される。なお、各羽根40Eは、ベース40Aの窪み40F及び上ガイド部40Cとは周方向Sで異なる位置に配置される。また、各羽根40Eは、フィルタ23のフレーム25の内部空間25Cの下半分よりも上側Z1に配置される(
図8参照)。
【0056】
フィルタ23のフレーム25の溢水穴25Hは、
図9に示すように、平面視においてケース21の垂直壁21Bと湾曲壁21Cとの接続部分の周辺に配置される。当該接続部分は、平面視におけるケース21の角を構成するので、溢水穴25Hから離れるように窪んだ凹部21Lをケース21内に形成する。凹部21Lは、左右一対存在し、ケース21の内部空間21D、特に、フィルタ23とケース21との間の隙間21Mの一部をなす。なお、ケース21において周方向Sで溢水穴25Hから外れた部分は、湾曲壁21Cに沿って配置されるので、当該部分における隙間21Mは、凹部21Lよりも径方向Rに狭い。また、右端の溢水穴25Hは、平面視において、ケース21の底壁21Aの流出口21Gと重なるので、流出口21Gは、この溢水穴25Hの真下、つまり下側Z2かつ周方向Sで一致する位置に配置される。
【0057】
図10は、
図8のB-B矢視断面図である。フィルタ23のフレーム25の取込口25Fは、フィルタ23内の羽根40Eと同じ高さ位置に配置されて、周方向S、厳密には周方向Sに対する接線方向Tから羽根40Eに臨む。つまり、取込口25Fは、周方向S又は接線方向Tから羽根40Eに臨む。また、ケース21の流入口21Iは、接線方向Tに沿って取込口25Fに並んで配置され、取込口25Fに連通した状態にある。
【0058】
図11は、
図8とは周方向Sに180度ずれた別の位置で切断したときのフィルタ装置20の縦断面図である。下ユニット41は、上ユニット40の上円筒部40Bの真下に配置された円筒部41Aと、円筒部41Aの上端から上側Z1へ延びる係止部41Bと、円筒部41Aを挟んで配置された一対の下ガイド部41Cとを一体的に有する。
【0059】
円筒部41Aの内部空間は、下挿通穴41Dを構成する。下挿通穴41Dには、シャフト31が挿通される。下挿通穴41Dの内径は、シャフト31の外径とほぼ同じなので、回転体32、特に回転体32の下半分は、がたつくことなくスムーズに回転することができる。なお、下挿通穴41Dの内周面とシャフト31との間には、軸受(図示せず)が配置されてもよい。
【0060】
係止部41Bは、シャフト31に非接触の状態で上円筒部40Bの内部空間つまり上挿通穴40Mに対して下側Z2から挿通される。係止部41Bの上端部には、径方向外側R2へ互いに反対に突出した一対の爪部41Eが設けられ、下円筒部40Dの係止穴40Nに対して1つずつ係止される(
図7及び
図8参照)。これにより、下ユニット41が、上ユニット40に対して一体回転可能に連結される。なお、係止部41Bには、下円筒部40Dに下側Z2から接触することによって下ユニット41を上ユニット40に対して上下方向Zに位置決めする位置決め部41Fが設けられる。
【0061】
一対の下ガイド部41Cは、径方向Rに延びる同一直線上に配置される。各下ガイド部41Cは、円筒部41Aから径方向外側R2に細長く延びる中空体である。円筒部41Aを、各下ガイド部41Cにおける径方向内側R1の端部とみなしてもよい。各下ガイド部41Cは、上ユニット40の上ガイド部40Cと同様に構成される。つまり、一対の下ガイド部41Cは、一対の上ガイド部40Cと周方向Sで同じ位置に配置される。さらに、各下ガイド部41Cには、径方向内側R1に位置する内側空間41Gと、内側空間41Gよりも径方向外側R2に位置する外側空間41Hと、内側空間41Gと外側空間41Hとの間に配置された仕切り壁41Iと、外側空間41Hよりも径方向外側R2に位置する端壁41Jとが設けられる。
【0062】
内側空間41G及び外側空間41Hは、仕切り壁41Iに設けられた貫通穴41Kを介して互いに連通する。外側空間41Hは、端壁41Jに設けられた貫通穴41Lを介して径方向外側R2へ開放される。内側空間41G及び外側空間41Hは、下側Z2へ開放される。下ユニット41は、下ガイド部41Cに応じて一対設けられた下カバー43をさらに含む。下カバー43は、径方向Rに長手であって、下カバー43における周方向Sの両端部は、上側Z1へ折り曲げられる。下カバー43は、対応する下ガイド部41Cに取り付けられて、この下ガイド部41Cを周方向Sの両側から挟むとともに、この下ガイド部41Cの内部空間である内側空間41G及び外側空間41Hを下側Z2から塞ぐ(
図8参照)。これにより、内側空間41G及び外側空間41Hへの異物の侵入が防止される。なお、下カバー43は、ねじ留めやスナップフィットなどの公知の係止構造によって、下ガイド部41Cに対して着脱可能である。
【0063】
掻取部材33は、一対の上ガイド部40C及び下ガイド部41Cに応じて、前述したように一対存在する。掻取部材33は、周方向Sで180度離れた2箇所に1つずつ配置される。なお、掻取部材33の個数は、任意に変更できるので、単数であってもよいし、3つ以上設けられて周方向Sで等間隔に配置されてもよい。各掻取部材33は、上ガイド部40C及び下ガイド部41Cのそれぞれの内部空間に1つずつ配置される合計2つのスライドピン45と、ボルト46を介してスライドピン45に固定されたホルダ47と、ホルダ47に設けられたブラシ48とを含む。
【0064】
スライドピン45は、径方向Rに延びる円筒状である。
図11における左上のスライドピン45を参照して、スライドピン45において径方向内側R1の端部には、スライドピン45の外周面から一段張り出した円環状の内側フランジ部45Aが設けられる。スライドピン45において径方向Rの途中部、つまり内側フランジ部45Aよりも径方向外側R2には、スライドピン45の外周面から一段張り出した円環状の外側フランジ部45Bが設けられる。スライドピン45には、径方向外側R2の端面から外側フランジ部45Bまで延びるねじ穴45Cが形成される。
【0065】
上ガイド部40Cの内部空間に配置されたスライドピン45は、上ガイド部40Cの内側空間40G及び外側空間40Hに跨って配置される。このスライドピン45では、内側フランジ部45Aが内側空間40Gに配置され、外側フランジ部45Bが外側空間40Hに配置される。このスライドピン45は、径方向Rにスライド可能である。スライドピン45が径方向外側R2へスライドすると、スライドピン45において径方向外側R2の端部は、上ガイド部40Cの端壁40Jの貫通穴40Lから径方向外側R2へはみ出すことができる。なお、スライドピン45の外側フランジ部45Bが端壁40Jに径方向内側R1から対向するので、上ガイド部40Cの内部空間からのスライドピン45の抜け止めが図られる。
【0066】
下ガイド部41Cの内部空間に配置されたスライドピン45は、下ガイド部41Cの内側空間41G及び外側空間41Hに跨って配置される。このスライドピン45では、内側フランジ部45Aが内側空間41Gに配置され、外側フランジ部45Bが外側空間41Hに配置される。このスライドピン45は、径方向Rにスライド可能である。スライドピン45が径方向外側R2へスライドすると、スライドピン45において径方向外側R2の端部は、下ガイド部41Cの端壁41Jの貫通穴41Lから径方向外側R2へはみ出すことができる。なお、スライドピン45の外側フランジ部45Bが端壁41Jに径方向内側R1から対向するので、下ガイド部41Cの内部空間からのスライドピン45の抜け止めが図られる。
【0067】
ホルダ47は、上下方向Zに長手で径方向Rに薄いボックス状であり、その内部空間は、径方向外側R2へ開放される。そのため、ホルダ47は、上下方向Zに延びる底壁47Aと、底壁47Aの上端から径方向外側R2へ延びる上壁47Bと、底壁47Aの下端から径方向外側R2へ延びる下壁47Cと、周方向Sにおける底壁47Aの両端から径方向外側R2へ延びる一対の側壁47D(
図7参照)とを有する。側壁47Dの上下方向Zの寸法は、フィルタ23のフレーム25の内部空間25Cの上下方向Zの寸法とほぼ同じである。ホルダ47の底壁47Aは、このホルダ47と周方向Sで同じ位置にある上ガイド部40C及び下ガイド部41Cに対して径方向外側R2から対向配置される。
【0068】
ブラシ48は、ホルダ47の一対の側壁47Dのそれぞれにおける径方向外側R2の端面に植え付けられて径方向外側R2へ突出する毛によって構成される(
図7も参照)。具体的には、所定本数の毛による束48Aが、各側壁47Dの径方向外側R2の端面のほぼ全域にわたって上下方向Zに等間隔を隔てて設けられる。なお、毛による束48Aの代りに、例えば弾性変形可能な突起によってブラシ48を構成してもよい。または、ブラシ48の代りに、側壁47Dから径方向外側R2へ突出する上下方向Zに長手のワイパを採用してもよい。
【0069】
錘34は、ホルダ47の内部空間にぴったりと収容される上下方向Zに長手の金属製の板である。前述したボルト46が錘34及びホルダ47の底壁47Aを貫通して各スライドピン45のねじ穴45Cに1つずつ組付けられることにより、錘34及びホルダ47が上下2つのスライドピン45に固定されて各掻取部材33が完成する。各掻取部材33は、フィルタ23内において、スライドピン45を介して回転体32の上ガイド部40C及び下ガイド部41Cによって支持され、スライドピン45のスライドに応じて径方向Rにスライド可能である。ボルト46の頭部46Aは、錘34の径方向外側R2の端面からはみ出さないように錘34の内部に埋没して配置される。
【0070】
クリーニングユニット24は、上ガイド部40C及び下ガイド部41Cのそれぞれの内部空間に1つずつ配置される付勢部材49をさらに含む。付勢部材49は、径方向Rに延びるコイルばねである。付勢部材49は、上ガイド部40Cでは、外側空間40Hに配置されてスライドピン45に取り囲み、端壁40Jとスライドピン45の外側フランジ部45Bとの間で圧縮されることによって、スライドピン45を径方向内側R1へ常に付勢する。付勢部材49は、下ガイド部41Cでは、外側空間41Hに配置されてスライドピン45に取り囲み、端壁41Jとスライドピン45の外側フランジ部45Bとの間で圧縮されることによって、スライドピン45を径方向内側R1へ常に付勢する。
【0071】
図8~
図11では、全てのスライドピン45が径方向内側R1へ目一杯退避した状態にある。この状態における各掻取部材33は、フィルタ23の内周面部23Aから中心軸線J側つまり径方向内側R1へ離れた退避位置にあり、各掻取部材33では、ホルダ47が、ベース40Aにおいて周方向Sで同じ位置にある窪み40F内に配置され(
図9参照)、ホルダ47の底壁47Aが上ガイド部40Cの端壁40J及び下ガイド部41Cの端壁41Jに接触した状態にある。各掻取部材33は、付勢部材49によって退避位置へ向けて常に付勢される。
【0072】
前述した排水処理では、制御部19は、まず、排水弁13を閉じた状態でポンプPを作動させる(
図1参照)。すると、ポンプPが、洗濯槽5から排水路12の上流路12A内に流れ落ちた水を第2下流路12Cに流す。第2下流路12Cを流れる水は、
図1の1点鎖線の矢印で示すように、第2下流路12Cの上流領域12CA内で上昇した後に、フィルタ装置20のケース21の流入口21Iからケース21内に流入する。
【0073】
流入口21Iからケース21内に流入した水は、
図10の1点鎖線の矢印で示すように、途中でほとんど漏れることなくフィルタ23の取込口25Fに直行することによって、取込口25Fからフィルタ23内に取り込まれ、前述した接線方向Tからフィルタ23の内の羽根40Eに浴びせられる。すると、取込口25Fからフィルタ23内に取り込まれた水を受けた羽根40Eを有する回転体32の全体が、この水の勢いによって、周方向Sにおける一方向、本実施例では、平面視における時計回りの方向に回転する。
【0074】
また、取込口25Fからフィルタ23内に取り込まれた水は、フィルタ23の内周面部23Aのフィルタ穴26Aからフィルタ23外、つまりケース21内におけるフィルタ23とケース21との隙間21Mに流出する。水がフィルタ穴26Aを通過する際に、この水に含まれる異物が、捕獲されて内周面部23Aに付着する。つまり、フィルタ23は、フィルタ穴26Aからフィルタ23外に流出する水に含まれる異物を内周面部23Aにおいて捕獲する。なお、フィルタ23内から流出する水は、内周面部23Aのメッシュシート26を径方向外側R2へ通過するだけでなく、フレーム25の底壁25Aのメッシュシート26を下側Z2へ通過してもよい。
【0075】
フィルタ23外に流出した水は、ケース21の底壁21Aの流出口21Gからケース21外に流出して第2下流路12Cの下流領域12CB内を流れ落ち、第1下流路12Bに合流して洗濯機1の機外に排出される(
図1の2点鎖線の矢印を参照)。なお、フィルタ23内に流入する水の量がフィルタ23外に流出する水の量を上回る場合には、フィルタ23内の水は、フレーム25の上端部に設けられた溢水穴25H(
図8参照)からフィルタ23外に溢れて、流出口21Gからケース21外に流出する。
【0076】
今まで退避位置にあった各掻取部材33は、回転体32の回転により発生する遠心力によって付勢部材49の付勢力に抗して径方向外側R2へスライドし、
図12に示すように、フィルタ23の内周面部23Aに接近した進出位置に配置される。進出位置にある各掻取部材33では、ブラシ48が、回転体32の一部として回転しながらフィルタ23の内周面部23Aの異物に接触することにより、フィルタ23の内周面部23Aから異物を掻き取る。ブラシ48が内周面部23Aの異物に接触すると、回転体32の回転速度が一時的に低下することによって遠心力が小さくなるので、各掻取部材33が付勢部材49の付勢力によって退避位置側へ退避する。このように、各掻取部材33は、退避位置と進出位置との間で径方向Rにスライド可能である。
【0077】
そして、回転体32の回転速度が回復して遠心力が大きくなると、各掻取部材33は、再び進出位置まで進出してフィルタ23の内周面部23Aの異物に接触する。このように、掻取部材33は、排水に伴う回転体32の回転中において、進出位置と退避位置との間での進退を繰り返してフィルタ23の内周面部23Aの異物に何度も接触することによって、フィルタ23の内周面部23Aから効率的に異物を掻き取ることができる。これにより、フィルタ穴26Aにおけるフィルタ23の目詰まりを抑制してメンテナンス性の向上を図ることができる。つまり、マイクロプラスチックやマイクロファイバなどの微小な異物であっても、このフィルタ装置20では、内周面部23Aに付着した異物を剥がしながら異物の捕獲を長時間にわたって継続できるので、多くの異物を捕獲できる。特に、掻取部材33が常に進出位置にある場合には掻取部材33が内周面部23Aに引っ掛かるなどによって回転体32の回転が不意に止まるおそれがあるが、本実施形態では、掻取部材33を進退可能に構成することによって、回転体32の円滑な回転を継続することができる。
【0078】
取込口25Fからフィルタ23内に取り込まれる水を受けることによって回転体32を回転させる羽根40Eは、フィルタ23の内部空間25Cにおいて水が溜まりやすい下半分よりも上側Z1に配置される(
図11参照)。さらに、取込口25Fが周方向S又は接線方向Tから羽根40Eに臨む(
図10参照)。これにより、羽根40Eは、フィルタ23の内部空間25Cの下半分に溜まる水の抵抗を受けにくい一方で、取込口25Fからフィルタ23内に取り込まれる水を効率的に受けるので、回転体32を勢いよく回転させることができる。そのため、大きな遠心力が発生することによって掻取部材33が進出位置まで進出しやすくなるので、掻取部材33は、フィルタ23の内周面部23Aから一層効率的に異物を掻き取ることができる。これにより、フィルタ穴26Aにおけるフィルタ23の目詰まりを一層抑制してメンテナンス性の更なる向上を図ることができる。
【0079】
また、掻取部材33に連結された錘34が大きな遠心力が発生することによって掻取部材33が進出位置まで進出しやすくなるので、掻取部材33は、フィルタ23の内周面部23Aから一層効率的に異物を掻き取ることができる。これにより、フィルタ穴26Aにおけるフィルタ23の目詰まりを一層抑制してメンテナンス性の更なる向上を図ることができる。
【0080】
また、フィルタ23が目詰まりしても、フィルタ23内の水が溢水穴25Hからフィルタ23外に溢れて流出口21Gからケース21外に流出するので、洗濯機1の排水路12内を流れる水を円滑に機外に排出することができる。さらに、ケース21内では、溢水穴25Hから離れるように窪んだ凹部21Lが設けられて、流出口21Gが溢水穴25Hの真下に配置されるので(
図9参照)、溢水穴25Hからフィルタ23外に溢れた水を凹部21Lから速やかに流出口21Gに受け渡して機外に排出することができる。
【0081】
このように、排水弁13が第1下流路12Bを閉じた状態でポンプPが作動すると、上流路12A内の水は、第2下流路12C内を流れてフィルタ装置20によって異物が捕獲された後に、機外に排出される。洗濯槽5内の水が少なくなってポンプPが空気を噛みやすくなれば、制御部19は、ポンプPを停止させて排水弁13によって第1下流路12Bを開く。すると、フィルタ装置20では、水が流入しなくなるので、各掻取部材33が退避位置に戻る。つまり、退避位置は、各掻取部材33の待機位置である。
【0082】
第1下流路12Bが開くと、洗濯槽5内の残りの水は、上流路12Aから第1下流路12B内を流れて機外に排出されるので、ポンプPが空気を噛んだ状態で作動することによる騒音を抑制できるし、洗濯槽5内の水を残さず排出できる。なお、制御部19は、洗濯槽5内の水位を検出する水位センサ(図示せず)の検出値や、タイマ(図示せず)が計測する経過時間に基づいて、洗濯槽5内の水が少なくなってきたことを判断する。
【0083】
フィルタ装置20においてフィルタ23の内周面部23Aから剥がされた異物は、フィルタ23のフレーム25の内部空間25Cにおいて底壁25A側から溜まる。フィルタ装置20では、少なくともフィルタユニット22の蓋30が洗濯機1の筐体2の上面2Aから露出される(
図1参照)。そのため、使用者は、メンテナンスとして、ケース21の第1係合部21J及び第2係合部21Kを蓋30の第3係合部30A及び第4係合部30Cからそれぞれ外してフィルタユニット22を洗濯機1から取り外して、前述したように分解し、フィルタ23内の異物を取り除くことができる。前述したようにフィルタ装置20では異物の捕獲を長時間にわたって継続できるので、使用者はフィルタ23を毎日メンテナンスしなくてもよい。なお、使用者は、逆の手順によってフィルタユニット22を組み立てて洗濯機1に戻すことができる。
【0084】
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0085】
例えば、排水路12において第1下流路12Bが省略されて、排水弁13も省略されてもよい。その場合、排水路12の下流路は、第2下流路12Cだけであって、第2下流路12Cの下流領域12CBが洗濯機1の機外に引き出される。また、第1下流路12Bと第2下流路12Cとは合流せずに洗濯機1の機外に別々に引き出されてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 洗濯機
5 洗濯槽
12 排水路
12A 上流路
12B 第1下流路
12C 第2下流路
12CB 下流領域
13 排水弁
20 フィルタ装置
21 ケース
21G 流出口
21I 流入口
21L 凹部
23 フィルタ
23A 内周面部
25C 内部空間
25F 取込口
25H 溢水穴
26A フィルタ穴
32 回転体
33 掻取部材
34 錘
40E 羽根
49 付勢部材
K 中心軸線
P ポンプ
Q 洗濯物
R 径方向
S 周方向
T 接線方向
Z1 上側