(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131500
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】水系化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/25 20060101AFI20220831BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20220831BHJP
A61K 8/64 20060101ALI20220831BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20220831BHJP
A61K 8/26 20060101ALI20220831BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
A61K8/25
A61K8/81
A61K8/64
A61K8/73
A61K8/26
A61Q1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021030474
(22)【出願日】2021-02-26
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】390041036
【氏名又は名称】株式会社日本色材工業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】作井 沙紀子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AB132
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB211
4C083AB212
4C083AB221
4C083AB222
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB371
4C083AB372
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC172
4C083AC302
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD072
4C083AD091
4C083AD092
4C083BB25
4C083CC01
4C083CC11
4C083CC14
4C083EE05
(57)【要約】
【課題】 高い輝度を有しつつ、筆ペンタイプのアイライナーとして使用可能な水系化粧料を提供する。
【解決手段】 下記の成分:(a)平均粒子径10~100μmの光輝性顔料、(b)アクリル系樹脂エマルション、および(c)シリカ、粘度鉱物、パルミトイルジペプチド、セルロース、セルロースナノファイバーおよびキサンタンガムからなる群から選択される増粘剤を含んでなる水系化粧料であって、前記水系化粧料において、前記成分(c)の含有量が0.1~0.35質量%であり、25℃における粘度が5~30mPa・sである水系化粧料。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の成分:
(a)平均粒子径10~100μmの光輝性顔料、
(b)アクリル系樹脂エマルション、および
(c)シリカ、粘度鉱物、パルミトイルジペプチド、セルロース、セルロースナノファイバーおよびキサンタンガムからなる群から選択される増粘剤
を含んでなる水系化粧料であって、
前記水系化粧料において、前記成分(c)の含有量が0.1~0.35質量%であり、
25℃における粘度が5~30mPa・sである、水系化粧料。
【請求項2】
前記水系化粧料において、前記成分(b)の含有量が固形分換算で4.2~6.3質量%である、請求項1に記載の水系化粧料。
【請求項3】
(d)アニオン性またはノニオン性アクリル系高分子
をさらに含む、請求項1または2に記載の水系化粧料。
【請求項4】
前記水系化粧料において、前記成分(d)の含有量が固形分換算で0.35~1.75質量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の水系化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水系化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水系アイメイクアップ化粧料において、目元を華やかに見せる効果から、光輝性顔料が配合されたアイライナーやアイブロウが好まれている。一般的には、光輝性顔料をより多く配合し、増粘剤を多く配合して光輝性顔料の沈降を抑えることで、輝度の高い塗布膜を目指すものが多い。ここで、光輝性顔料や増粘剤を多く含む化粧料は高粘度であり、自然に化粧料が吐出されるオートタイプの筆ペン容器からは安定して吐出されないことから、化粧料を強制的に吐出させるためのノックやダイヤルを備えたメカニカルタイプのペン型容器において使用することが一般的である(特許文献1)。しかし、塗布する際に手間がかかり、液量の調整も難しいことから、初心者には扱いにくいという問題がある。
【0003】
一方、中綿式の筆ペン容器でも目詰まりすることなく連続塗布可能なアイライナー化粧料としては、例えば、顔料としてカーボンブラック、光輝性顔料として銀被覆ガラスフレークを含有するアイライナーが報告されている(特許文献2)。しかし、この化粧料では、使用できる光輝性顔料が限定されており、種々の色調に対応できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5430149号公報
【特許文献2】特開2016-041674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の諸問題を解消するためになされたものであり、メカニカルタイプのアイライナー化粧料と同様の高い輝度を有しつつ、オートタイプのペン型容器で使用可能な水系アイメイクアップ化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意研究の結果、特定の光輝性顔料、皮膜剤および増粘剤を組み合わせた水系化粧料が、高い輝度を有し、化粧持ちも良好でありつつ、オートタイプのアイライナーとして使用可能な低粘度を達成できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、下記の成分:(a)平均粒子径10~100μmの光輝性顔料、(b)アクリル系樹脂エマルション、および(c)シリカ、粘度鉱物、パルミトイルジペプチド、セルロース、セルロースナノファイバーおよびキサンタンガムからなる群から選択される増粘剤を含んでなる水系化粧料であって、前記水系化粧料において、前記成分(c)の含有量が0.1~0.35質量%であり、25℃における粘度が5~30mPa・sである水系化粧料を提供するものである。
【0008】
前記水系化粧料において、前記成分(b)の含有量は、固形分換算で4.2~6.3質量%であることが好ましい。
【0009】
前記水系化粧料は、(d)アニオン性またはノニオン性アクリル系高分子をさらに含むことが好ましい。
【0010】
前記水系化粧料において、前記成分(d)の含有量は、固形分換算で0.35~1.75質量%であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る水系化粧料は、高い輝度を有しつつ、低粘度であり、オートタイプのペン型容器での使用が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではない。
【0013】
本発明は、下記の成分:(a)平均粒子径10~100μmの光輝性顔料、(b)アクリル系樹脂エマルション、および(c)シリカ、粘度鉱物、パルミトイルジペプチド、セルロース、セルロースナノファイバーおよびキサンタンガムからなる群から選択される増粘剤を含んでなり、25℃における粘度が5~30mPa・sである水系化粧料である。
【0014】
成分(a)は、平均粒子径10~100μmの光輝性顔料である。光輝性顔料(a)光輝性顔料の平均粒子径が10μm未満であると十分な輝度が得られず、100μmを超えると直液式または中綿式の筆ペン容器では目詰まりする可能性があるためである。ここで、「平均粒子径」とは、例えばレーザー回折/散乱法による粒度分布測定器を用いた測定や、超高圧透過型電子顕微鏡(TEM)もしくは走査型電子顕微鏡(SEM)による観察などによって求められる数値であり、市販品を使用する場合には、製品に表示された平均粒子径であってよい。
【0015】
本発明における光輝性顔料(a)は、上記平均粒子径を有するものであれば、その材質は特に限定されず、通常の化粧料に用いられているラメ剤またはパール剤を用いることができる。具体的には、例えば、銀や酸化チタンなどの金属もしくは金属酸化物により被覆されたガラス末または雲母、シリカ被覆アルミニウム、シリカ被覆酸化チタン、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末などが挙げられるが、これらには限定されない。本発明における光輝性顔料(a)は、上記から任意に選択される単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
本発明において使用できる光輝性顔料(a)は市販されており、市販品を使用することもできる。例えば、DK-PEARL(大東化成工業)、Moon shine Color Travel(CRODA)、Frost Silver、Crystal Silver、Velvet Silver(東洋アルミニウム)などを好ましい市販品として挙げることができる。
【0017】
本発明の水系化粧料における光輝性顔料(a)の含有量は、水系化粧料総質量を100%としたときに、好ましくは1~10質量%であり、特に好ましくは2~7質量%である。上記の範囲であれば、良好な化粧効果を得ることができる。一方、光輝性顔料(a)の含有量が10質量%を超えると、直液式または中綿式の筆ペン容器では目詰まりする可能性があるため、好ましくない。
【0018】
成分(b)は、アクリル系樹脂エマルションである。成分(b)は、皮膜形成剤として配合される。本発明におけるアクリル系樹脂エマルション(b)は、化粧料に配合し得るものであれば特に限定されないが、好ましくは、(メタ)アクリル酸もしくはそれらのアルキルエステルまたはスチレンから選択される1種または2種以上の化合物を原料モノマーとする樹脂のエマルションである。具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル(C1-4および8)共重合体エマルション、アクリル酸エステル-メタクリル酸エステル共重合体エマルション、(メタ)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体((スチレン/アクリレーツ)コポリマー)エマルションなどが挙げられ、それらから任意に選択される単独または2種類以上を組み合わせて用いることができる。なお、「(メタ)アクリル」とは、「メタクリルまたはアクリル」を意味する。
【0019】
本発明において使用できるアクリル系樹脂エマルション(b)は市販されており、市販品を使用することもできる。例えば、DAITOSOL 5000STY、DAITOSOL 5000AD、DAITOSOL 5000SJ、DAITOSOL 4000SJT、DAITOSOL 5500GM、DAITOSOL 5000PO(大東化成工業)、ヨドゾールGH34F、ヨドゾールGH800F(ヌーリオン・ジャパン株式会社)、ビニゾール1086DB、ビニゾール1087FT、ビニゾール1089HT、ビニゾール1012JC、ビニゾール1013JH、ビニゾール2140L、ビニゾール2140LH、ビニゾール1086WP、ビニゾール1087FT、ビニゾール1089HT(大同化成工業)を好ましい市販品として挙げることができる。
【0020】
本発明の水系化粧料におけるアクリル系樹脂エマルション(b)の含有量は、水系化粧料総質量を100%としたときに、好ましくは固形分換算で4.2~6.3質量%である。上記の範囲であれば、より確実に高い輝度および良好な化粧持ち効果を得ることができる。
【0021】
成分(c)は、シリカ、粘土鉱物、パルミトイルジペプチド-18、セルロース誘導体、セルロースナノファイバーおよびキサンタンガムからなる群から選択される増粘剤である。本発明の水系化粧料は、直液式または中綿式のペン型容器で使用するために低粘度で調製することが必須であるところ、上記の増粘剤は低粘度においてもチクソ性を示し、光輝性顔料の沈降を抑えることができる。本発明における増粘剤(c)は、上記から選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
本発明において使用できる増粘剤(c)は、市販されており、市販品を使用することもできる。例えば、AEROSIL 300(日本アエロジル)、ES-01(日産化学工業)、ベントナイト(クニミネ工業)、アウロ・ヴィスコCS(日光ケミカルズ)などを好ましい市販品として挙げることができる。
【0023】
本発明の水系化粧料における増粘剤(c)の含有量は、水系化粧料総質量を100%としたときに、0.1~0.35質量%である。この範囲であれば、安定して光輝性顔料を分散安定化することができ、また、オートタイプのペン型容器から良好に吐出される粘度を得ることができる。
【0024】
本発明の水系化粧料は、任意選択的に、成分(d)アニオン性またはノニオン性アクリル系高分子をさらに含むことが好ましい。アニオン性またはノニオン性アクリル系高分子(d)は、任意選択的な皮膜形成剤として本発明の水系化粧料に配合され得る。
【0025】
アニオン性アクリル系高分子には、好ましくは、(メタ)アクリル酸またはそれらのアルキルエステルから選択される1種または2種以上の化合物を原料モノマーからなる共重合体のAMP(2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール)塩を使用できる。具体的には、例えば、アクリレーツコポリマーAMP、(アクリル酸アルキル(C1-4および8)/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMPなどが挙げられる。ノニオン性アクリル系高分子には、例えば、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー、(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマーなどが挙げられる。本発明におけるアニオン性またはノニオン性アクリル系高分子(d)は、それらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
アニオン性またはノニオン性アクリル系高分子(d)は、化粧料に使用可能な任意の溶媒、通常では、水、エタノール、プロピレングリコールもしくはこれらの混合液、または変性アルコールなどに溶解して用いることが好ましい。
【0027】
本発明において使用できるアニオン性またはノニオン性アクリル系高分子(d)は市販されており、市販品を使用することもできる。例えば、P-7279A(アクリレーツコポリマーAMP:大同化成工業)、ダイナミクス(アクゾノーベル)、プラスサイズL-3200B(互応化学工業)、プラスサイズL-53P(互応化学工業)、プラスサイズL-6010(互応化学工業)、プラスサイズL-2700(互応化学工業)などを好ましい市販品として挙げることができる。
【0028】
本発明の水系化粧料におけるアニオン性またはノニオン性アクリル系高分子(d)の含有量は、水系化粧料総質量を100%としたときに、好ましくは0.35~1.75質量%であり、特に好ましくは1.5質量%である。上記の範囲であれば、良好な化粧料を得ることができる。
【0029】
本発明の水系化粧料は、分散剤として、親水性ノニオン性界面活性剤をさらに含むことが好ましい。本発明における親水性ノニオン性界面活性剤は、化粧料に配合できる親水性ノニオン性界面活性剤であれば特に制限されず、例えば、ポリオキシエチレン(POE)またはポリオキシプロピレン(POP)などのポリオキシアルキレン(POA)付加型のノニオン性界面活性剤であって親水性に調整されたものを用いることができ、それらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
本発明における親水性ノニオン性界面活性剤は、好ましくはPOEアルキルエーテルである。親水性POEアルキルエーテルとしては、例えば、ステアレス-11、ステアレス-15、ステアレス-20、ステアレス-25、ステアレス-30、ステアレス-40が挙げられる。本発明の水系化粧料は、ステアレス-20を含むことが特に好ましく、その含有量は、水系化粧料総質量を100%としたときに、例えば1~3質量%であってよい。
【0031】
本発明の水系化粧料は、分散剤として、水溶性高分子をさらに含むことが好ましい。本発明における水溶性高分子は、化粧料に配合できる親水性ノニオン性界面活性剤であれば特に制限されず、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、酢酸ビニルなどを用いることができ、それらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、その含有量は、水系化粧料総質量を100%としたときに、例えば0.1~0.5質量%であってよい。
【0032】
本発明の水系化粧料は、pH調整剤として、クエン酸をさらに含むことが好ましい。その含有量は、水系化粧料総質量を100%としたときに、例えば0.05~0.2質量%であってよい。
【0033】
本発明の水系化粧料は、基剤として、グリコール類をさらに含むことが好ましく、例えば、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、プロパンジオール、ジプロピレングリコールを用いることができ、それらから選択される1種または2種以上を含有することができる。なお、本発明の水系化粧料において、グリコール類は眼刺激に相当しない量で含有することが好ましい。
【0034】
本発明の水系化粧料は、上記成分の他に、化粧料、医薬部外品、医薬組成物などに通常用いられる他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。そのような他の成分としては、例えば、着色剤(粉末・上記成分(a)以外の顔料)、保湿剤、増粘剤、染料、低級アルコール、紫外線吸収剤、有機酸、有機アミン、金属イオン封鎖剤、クエン酸以外のpH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、香料、水などを挙げることができる。
【0035】
本発明の水系化粧料は、25℃における粘度が5~30mPa・sとなるように調製される。これにより、直液式または中綿式のペン型容器での使用が可能となる。「粘度」は、例えば回転粘度計などを用いて求めることができる。
【0036】
本発明の水系化粧料の製造方法は、特に限定されず、通常の水系化粧料の混合、分散に用いられる混合機や分散機を使用して製造することができる。
【0037】
本発明の水系化粧料は、アイメイクアップ化粧料などに応用することができ、例えば、ペン型容器またはボトル型容器に充填することにより製品形態とすることできる。本発明の水系化粧料は、好ましくはペン型容器に充填されてよい。本発明で使用できるペン型容器は、化粧料を強制的に吐出するためのノックやダイヤル等を備えたメカニカルタイプのものであってもよいし、化粧料の表面張力と毛細管現象の作用によって化粧料が自然に吐出される直液式または中綿式のオートタイプのものであってもよいが、好ましくはオートタイプのペン型容器を使用する。本発明の水系化粧料の具体的な製品形態としては、特に限定されないが、好ましくはアイライナーである。
【実施例0038】
以下に実施例を挙げ、本発明についてさらに説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0039】
<実施例1~10および比較例1~4:アイライナー化粧料>
下記表1~16に示す組成および以下に示す製造方法により、アイライナー化粧料を調製し、「光輝性顔料の吐出」、「光輝性顔料の輝度」、「光輝性顔料の経時での輝度」の項目について、以下に示す評価方法および判定基準により評価し、その結果をあわせて表1~3に示した。表中の数値は質量%(固形分換算)である。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
※1: Crystal Silver(東洋アルミニウム株式会社)
※2: Frost Silver(東洋アルミニウム株式会社)
※3: Moon shine Color Travel(CRODA)
※4: DK-PEARL(大東化成工業)
※5: アルミフレーク シルバー 0.01(株式会社 角八魚鱗箔)
※6: NEWオーロラフレーク(19)レッド 0.125mm(株式会社 角八魚鱗箔)
※7: DAITOSOL 5000STY(大東化成)
※8: ヨドゾールGH34F(ヌーリオン・ジャパン株式会社)
※9: BaycusanC1004/1(コベストロジャパン株式会社)
※10: クニピア-G(クニミネ工業株式会社)
※11: ES-01(日産化学工業)
※12: アウロ・ヴィスコCS(日光ケミカルズ)
※13: ダイカラック 5039NS(大同化成工業株式会社)
【0044】
[製造方法]
着色剤としてカーボンブラックを含有する実施例1~4および7~10ならびに比較例1、2および4は、精製水にカーボンブラック粒子と分散剤とを加え、分散機としてディスパー(PRIMIX株式会社製ホモディスパー2.5型DH-2.5)を用いて分散させた後、その他成分を添加して混合して調製した。着色剤を含有しない実施例5および6ならびに比較例3は、分散機としてディスパー(PRIMIX株式会社製ホモディスパー2.5型DH-2.5)を用いて、精製水にその他成分を順次添加し、混合して調整した。
【0045】
[粘度]
TVB-M10形粘度計(東機産業)を用いて、1号ローター、60rpm、30秒の条件で測定した。
【0046】
[評価方法および判定基準]
a.光輝性顔料の吐出
(評価方法)
筆ペンタイプ直液式アイライナー容器に上記で得られた化粧料を充填し、室温または50℃で1週間経過後の化粧料それぞれの筆記描線状態を紙面上と皮膚上で観察し、下記評価基準で評価した。
(評価基準)
◎:光輝性顔料が塗布面にまんべんなく吐出している
〇:光輝性顔料の吐出が均一ではない
△:保管の向きによって光輝性顔料の吐出に差がある、または、光輝性顔料の吐出が弱く、よく見ないとわからない
×:ほとんど光輝性顔料が吐出していない
【0047】
b.光輝性顔料の輝度
(評価方法)
筆ペンタイプ直液式アイライナー容器に上記で得られた化粧料を充填し、化粧料を手の甲に塗布し、塗布直後の輝度を目視により観察した。
(評価基準)
◎:塗布された化粧料における光輝性顔料の存在を確認することができる
〇:容器のバルク中では光輝性顔料の存在を確認できるが、塗布された化粧料においてはあまり目立たない
△:よく見ないと光輝性顔料の存在がわからない
×:まったく輝度がない
【0048】
c.光輝性顔料の経時での輝度
(評価方法)
筆ペンタイプ直液式アイライナー容器に上記で得られた化粧料を充填し、化粧料を手の甲に塗布し、8時間後の輝度を観察した。
(評価基準)
◎:塗布直後と比較して全く変化がなく、十分な輝度が確認される
〇:塗布直後よりも若干落ちているが、十分な輝度が確認される
△:よく見ないと光輝性顔料の存在がわからない
×:まったく輝度がない
【0049】
[結果]
表1~3の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1~10は、「光輝性顔料の吐出」、「光輝性顔料の輝度」、「光輝性顔料の経時での輝度」のすべての項目に優れた水系化粧料であった。一方、成分(a)の平均粒子径の範囲外の平均粒子径を有する光輝性顔料を用いた比較例1および2では、輝度は良好であったものの、吐出が著しく悪かった。また、成分(c)の含有量が0.35質量%を超える比較例3では、吐出性も輝度も大きく損なわれた。また、成分(b)および(d)とは異なる皮膜形成剤を用いた比較例4では、時間経過により完全に輝度が失われた。