IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社細川洋行の特許一覧

特開2022-131541製袋機の制御装置、製袋機、袋、製袋機の制御方法、及び製袋機の制御プログラム
<>
  • 特開-製袋機の制御装置、製袋機、袋、製袋機の制御方法、及び製袋機の制御プログラム 図1
  • 特開-製袋機の制御装置、製袋機、袋、製袋機の制御方法、及び製袋機の制御プログラム 図2
  • 特開-製袋機の制御装置、製袋機、袋、製袋機の制御方法、及び製袋機の制御プログラム 図3
  • 特開-製袋機の制御装置、製袋機、袋、製袋機の制御方法、及び製袋機の制御プログラム 図4
  • 特開-製袋機の制御装置、製袋機、袋、製袋機の制御方法、及び製袋機の制御プログラム 図5
  • 特開-製袋機の制御装置、製袋機、袋、製袋機の制御方法、及び製袋機の制御プログラム 図6
  • 特開-製袋機の制御装置、製袋機、袋、製袋機の制御方法、及び製袋機の制御プログラム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131541
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】製袋機の制御装置、製袋機、袋、製袋機の制御方法、及び製袋機の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/10 20170101AFI20220831BHJP
【FI】
B31B70/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021030539
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000143880
【氏名又は名称】株式会社細川洋行
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(74)【代理人】
【識別番号】100169199
【弁理士】
【氏名又は名称】石本 貴幸
(72)【発明者】
【氏名】野辺 進太郎
【テーマコード(参考)】
3E075
【Fターム(参考)】
3E075AA02
3E075AA05
3E075AA23
3E075BA42
3E075CA02
3E075DA04
3E075DA14
3E075DA32
3E075DB03
3E075DB13
3E075DD13
3E075DD32
3E075DD44
3E075DD46
3E075FA03
3E075GA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】一対のフィルム材に生じた印刷デザインのずれを簡易な構成で修正できる、製袋機の制御装置を提供する。
【解決手段】製袋機10は、フィルム材12を重ね合わせる際の基準位置を示す基準マークが各々に設けられた一対のフィルム材12A,12Bを搬送しながら袋を製造する。製袋機10の制御装置は、一対のフィルム材12A,12Bに設けられた基準マークをカメラ42によって撮像し、カメラ42による基準マークの撮像結果に基づいて、一対のフィルム材12A,12Bに設けられた基準マークの位置が一致するように、搬送される一対のフィルム材12A,12Bに従動して回転する一対のリップローラー26A,26Bの各々の軸を独立して移動制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム材を重ね合わせる際の基準位置を示す基準マークが各々に設けられた一対の前記フィルム材を搬送しながら袋を製造する製袋機の制御装置であって、
搬送される前記一対のフィルム材に従動して回転する一対の従動ローラーの各々の軸を独立して移動させる従動ローラー移動部と、
前記一対のフィルム材に設けられた前記基準マークの位置が一致するように、撮像部による前記基準マークの撮像結果に基づいて前記従動ローラー移動部を制御する制御部と、
を備える製袋機の制御装置。
【請求項2】
前記従動ローラー移動部は、前記一対の従動ローラーの軸の両端毎に独立して移動させる、請求項1記載の製袋機の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記フィルム材の前記基準マークが前記フィルム材の搬送方向にずれている場合、ずれが生じている前記フィルム材に対応する前記従動ローラーの軸の両端を前記ずれに応じて移動させる、請求項1又は請求項2に記載の製袋機の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記フィルム材の前記基準マークが前記フィルム材の幅方向にずれている場合、ずれが生じている前記フィルム材に対応する前記従動ローラーの軸の一端を前記ずれに応じて移動させる、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の製袋機の制御装置。
【請求項5】
フィルム材を重ね合わせる際の基準位置を示す基準マークが各々に設けられた一対の前記フィルム材を搬送しながら袋を製造する製袋機であって、
搬送される前記一対のフィルム材に従動して回転する一対の従動ローラーと、
前記一対のフィルム材に設けられた前記基準マークを撮像する撮像部と、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の制御装置と、
を備える製袋機。
【請求項6】
前記一対の従動ローラーは、前記一対のフィルム材を重ね合わせて搬送する搬送ローラーの上流側に隣接して備えられる、請求項5に記載の製袋機の制御装置。
【請求項7】
前記撮像部は、前記一対のフィルム材を重ね合わせて搬送する搬送ローラーよりも下流側であって、前記一対のフィルム材がシールされる前の前記フィルム材の搬送路に備えられる、請求項5又は請求項6に記載の製袋機の制御装置。
【請求項8】
請求項5から請求項7の何れか1項に記載の製袋機によって製造された袋。
【請求項9】
フィルム材を重ね合わせる際の基準位置を示す基準マークが各々に設けられた一対の前記フィルム材を搬送しながら袋を製造する製袋機の制御方法であって、
前記一対のフィルム材に設けられた前記基準マークを撮像部によって撮像する第1工程と、
前記撮像部による前記基準マークの撮像結果に基づいて、前記一対のフィルム材に設けられた前記基準マークの位置が一致するように、搬送される前記一対のフィルム材に従動して回転する一対の従動ローラーの各々の軸を独立して移動制御する第2工程と、
を有する製袋機の制御方法。
【請求項10】
フィルム材を重ね合わせる際の基準位置を示す基準マークが各々に設けられた一対の前記フィルム材を搬送しながら袋を製造する製袋機の制御プログラムであって、
コンピュータに、
前記一対のフィルム材に設けられた前記基準マークを撮像部によって撮像する第1工程と、
前記撮像部による前記基準マークの撮像結果に基づいて、前記一対のフィルム材に設けられた前記基準マークの位置が一致するように、搬送される前記一対のフィルム材に従動して回転する一対の従動ローラーの各々の軸を独立して移動制御する第2工程と、
を実行させるための製袋機の制御プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋機の制御装置、製袋機、袋、製袋機の制御方法、及び製袋機の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、種々の内容物を包装するために、フィルム材を製袋機によって製袋した袋状包装体(以下「袋」という。)が広く用いられている。
【0003】
このような袋は、店頭に並べられたときに正面となる印刷デザイン又は背面となる印刷デザインが印刷された上下2枚の長尺のフィルム材によって製袋される。製袋機は、上下2枚のフィルム材に設けられた位置決め用の印刷デザイン(以下「基準マーク」という。)の位置が2枚のフィルム材で一致するように搬送してシールした後、切断することによって袋を一つずつ製造する。
【0004】
ここで、製袋機の機械精度や製袋機の搬送工程でフィルム材に加わる力によるフィルム材の伸縮により、搬送ライン上での2枚のフィルム材の基準マークの位置にずれが生じる場合がある。その結果、上下2枚のフィルム材が縦横方向でずれた状態でシールされ、正面と背面の印刷デザインにずれが生じた袋になってしまう。このような袋は、内容物の保護機能に不備はないものの商品価値の低下をまねく。
【0005】
このため、基準マークを用いてフィルム材の縦方向(搬送方向であり、MDともいう。)と横方向(フィルム材の幅方向であり、TDともいう。)のずれを修正する制御に関する技術が開発されている。
【0006】
例えば、特許文献1はTD制御、すなわち横方向のずれの制御技術である。特許文献1では、フィルム材を送るフィードローラーの支持台を左右に振ることができるように支持台の幅方向中心で回転支持軸を有し、これを中心に旋回するように構成されている。また特許文献2ではMD制御すなわち縦方向のずれの制御技術である。特許文献2では、上下のフィルム材の一方のパス長を長短することでずれを無くすようにダンサーローラーが機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012-224030号公報
【特許文献2】特開2015-24506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、フィードローラーの支持台に回転機能を備える必要があり、構成が複雑となる。また、特許文献2に記載の構成では、ヒートシールユニットや冷却ユニット等の処理部間にそれぞれ設けられた複数のダンサーローラーを一体的に昇降させるため、構成が複雑となる。さらに、特許文献1に記載の構成では、フィルム材の横方向のずれしか修正できず、特許文献2に記載の構成では、フィルム材の縦方向のずれしか修正できない。
【0009】
そこで本発明は、一対のフィルム材に生じた印刷デザインのずれを簡易な構成で修正できる、製袋機の制御装置、製袋機、袋、製袋機の制御方法、及び製袋機の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様である製袋機の制御装置は、フィルム材を重ね合わせる際の基準位置を示す基準マークが各々に設けられた一対の前記フィルム材を搬送しながら袋を製造する製袋機の制御装置であって、搬送される前記一対のフィルム材に従動して回転する一対の従動ローラーの各々の軸を独立して移動させる従動ローラー移動部と、前記一対のフィルム材に設けられた前記基準マークの位置が一致するように、撮像部による前記基準マークの撮像結果に基づいて前記従動ローラー移動部を制御する制御部と、を備える。
【0011】
本構成によれば、一対のフィルム材の各々に対応して一対の従動ローラーが回転する。そして、一対のフィルム材に設けられた基準マークの位置が一致するように、一対の従動ローラーの各々が独立して移動する。従って、本構成によれば、従動ローラーの移動によってフィルム材のパス長を調整するので、一対のフィルム材に生じた印刷デザインのずれを簡易な構成で修正できる。
【0012】
上記製袋機の制御装置において、前記従動ローラー移動部は、前記一対の従動ローラーの軸の両端毎に独立して移動させてもよい。本構成によれば、フィルム材の搬送方向及び幅方向のずれを簡易に修正できる。
【0013】
上記製袋機の制御装置において、前記制御部は、前記フィルム材の前記基準マークが前記フィルム材の搬送方向にずれている場合、ずれが生じている前記フィルム材に対応する前記従動ローラーの軸の両端を前記ずれに応じて移動させてもよい。本構成によれば、フィルム材の搬送方向のずれを簡易に修正できる。
【0014】
上記製袋機の制御装置において、前記制御部は、前記フィルム材の前記基準マークが前記フィルム材の幅方向にずれている場合、ずれが生じている前記フィルム材に対応する前記従動ローラーの軸の一端を前記ずれに応じて移動させてもよい。本構成によれば、フィルム材の幅方向のずれを簡易に修正できる。
【0015】
本発明の一態様である製袋機は、フィルム材を重ね合わせる際の基準位置を示す基準マークが各々に設けられた一対の前記フィルム材を搬送しながら袋を製造する製袋機であって、搬送される前記一対のフィルム材に従動して回転する一対の従動ローラーと、前記一対のフィルム材に設けられた前記基準マークを撮像する撮像部と、上記記載の制御装置と、を備える。本構成によれば、一対のフィルム材に生じた印刷デザインのずれを簡易な構成で修正できる。
【0016】
上記製袋機において、前記一対の従動ローラーは、前記一対のフィルム材を重ね合わせて搬送する搬送ローラーの上流側に隣接して備えられてもよい。本構成によれば、一対のフィルム材が重ね合わされ前に、一対のフィルム材のずれを修正できる。
【0017】
上記製袋機において、前記撮像部は、前記一対のフィルム材を重ね合わせて搬送する搬送ローラーよりも下流側であって、前記一対のフィルム材がシールされる前の前記フィルム材の搬送路に備えられてもよい。本構成によれば、一対のフィルム材のずれを簡易な構成で修正できる。
【0018】
本発明の一態様である袋は、上記記載の製袋機によって製造された袋である。
【0019】
本発明の一態様である製袋機の制御方法は、フィルム材を重ね合わせる際の基準位置を示す基準マークが各々に設けられた一対の前記フィルム材を搬送しながら袋を製造する製袋機の制御方法であって、前記一対のフィルム材に設けられた前記基準マークを撮像部によって撮像する第1工程と、前記撮像部による前記基準マークの撮像結果に基づいて、前記一対のフィルム材に設けられた前記基準マークの位置が一致するように、搬送される前記一対のフィルム材に従動して回転する一対の従動ローラーの各々の軸を独立して移動制御する第2工程と、を有する。
【0020】
本発明の一態様である製袋機の制御プログラムは、フィルム材を重ね合わせる際の基準位置を示す基準マークが各々に設けられた一対の前記フィルム材を搬送しながら袋を製造する製袋機の制御プログラムであって、コンピュータに、前記一対のフィルム材に設けられた前記基準マークを撮像部によって撮像する第1工程と、前記撮像部による前記基準マークの撮像結果に基づいて、前記一対のフィルム材に設けられた前記基準マークの位置が一致するように、搬送される前記一対のフィルム材に従動して回転する一対の従動ローラーの各々の軸を独立して移動制御する第2工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、一対のフィルム材に生じた印刷デザインのずれを簡易な構成で修正できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本実施形態の製袋機の概略図である。
図2図2は、本実施形態のリップローラー、フィードローラー、カメラの概略図である。
図3図3は、本実施形態の基準マークを示す概略図であり、(A)は基準マークが正常位置にある場合を示し、(B)は基準マークにずれが生じている場合を示す。
図4図4は、本実施形態のフィルムずれ修正機能に関する機能ブロック図である。
図5図5は、フィルムずれ修正機能の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、フィルムずれ修正機能の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、リップローラーの他の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0024】
図1は、本実施形態の製袋機10の概略図である。本実施形態の製袋機10は、1枚のフィルム材12から、三方をシールして形成される袋(三方製袋、四方袋ともいう。)を製造するものである。
【0025】
本実施形態の製袋機10は、繰り出しローラー20、ダンサーローラー22、M板24、リップローラー26、フィードローラー28、シール部30、断裁部32、及び受け取り部34を備える。
【0026】
繰り出しローラー20は、製袋用に印刷やラミネートされたフィルム材12を繰り出すローラーである。
【0027】
ダンサーローラー22は、繰り出しローラー20から連続的に繰り出されて流れる上流側のフィルム材12と、ヒートシールをするために間欠運動をする中流及び下流側のフィルム材12との緩衝のために設けられる。このため、ダンサーローラー22は、複数の従動ローラーで構成され、各従動ローラーは搬送されるフィルム材12に従動して回転しつつ、フィルム材12の搬送方向に対して直交方向に移動する。なお、フィルム材12の搬送方向とは図1の矢印Aが示す方向であり、直交方向とは矢印B及び矢印Cが示す方向である。なお、直交方向は、フィルム材12の幅方向、右側(矢印B方向)又は左側(矢印C方向)ともいう。
【0028】
M板24は、搬送されてくるフィルム材12を2つに切り分け、一対のフィルム材12A,12B(フィルム材12A、フィルム材12B)とする。一対のフィルム材12A,12Bは、各々上方と下方とに分けて搬送される。切り分けられた一対のフィルム材12A,12Bは、製袋されることにより、袋40の正面と背面とを形成することとなる。なお、以下の説明では、一対のフィルム材12A,12Bを区別して説明しない場合には、単にフィルム材12という。
【0029】
リップローラー26は、上リップローラー26Aと下リップローラー26Bとを有し、一対のフィルム材12A,12Bの一方ずつに各々が対応し、搬送されるフィルム材12に従動して回転する一対の従動ローラーである。リップローラー26は、フィードローラー28の上流側に隣接して備えられる。
【0030】
リップローラー26は、詳細を後述するように、一対のフィルム材12A,12Bの搬送方向と幅方向のずれを調整する機能を有する。このため、上リップローラー26Aと下リップローラー26Bとは、離間して配置されている。
【0031】
フィードローラー28は、一対のフィルム材12A,12Bを重ね合わせて搬送するために、一対のフィルム材12A,12Bを一定圧でニップして回転する駆動ローラーである。
【0032】
シール部30は、フィードローラー28によって重ね合わされて搬送される一対のフィルム材12A,12Bに対してヒートシールを行う。本実施形態ではシール部30は、縦シール部30と横シール部30とを備え、袋40の縦横に封緘用のヒートシールを行う。
【0033】
断裁部32は、シールが行われたフィルム材12を袋40となるように、枚葉に切り分ける。本実施形態の断裁部32は、搬送方向に沿うようにシールされたフィルム材12を切り分けたのち、搬送方向に対して直交方向に断裁することにより、1ショットでフィルム材12を2袋ずつに切り分ける。
【0034】
受け取り部34は、製造された袋40を受け取る。
【0035】
このように、本実施形態の製袋機10は、一対のフィルム材12A,12Bを搬送しながら袋40を製造するものであり、上述した各種ローラー以外の従動ローラーや駆動ローラーがフィルム材12の搬送路に適宜配置されてもよい。
【0036】
また、本実施形態のフィルム材12は、いわゆる軟包装用の袋40として使用され、基材層とシーラント層とを有し、基材層とシーラント層との間に中間層が設けられてもよい。
【0037】
基材層の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)等が挙げられ、これらの二軸延伸フィルムのような延伸フィルムが好ましい。また、フィルム材12に酸素や水蒸気に対するバリア性を付与するために、アルミニウム又はマグネシウム等の金属やその酸化物、又は酸化珪素などを蒸着させた蒸着フィルムや、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン等のバリア性物質等をコートしたコートフィルムなどが用いられてもよい。なお、基材層は、上記したフィルムの単体であってもよく、複数のフィルムからなる積層体であってもよい。
【0038】
シーラント層は、例えば、基材層の形状を維持できる温度範囲内で加熱溶融可能で、ヒートシール可能な層である。シーラント層の材質としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、及び直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン(PE)やPP等が挙げられ、これらの未延伸フィルムや、これらを層状に多層押出したものが好ましい。
【0039】
中間層の材質としては、例えば、酸素バリア性、水蒸気バリア性、引裂性などの機能性を備えたフィルムが挙げられる。中間層の具体例としては、例えば、アルミニウム(AL)箔、ポリアミド(PA)フィルム(ONYフィルム)、シーラント層に直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムを使用した積層フィルム等である。なお、積層フィルムの積層方法としては、接着剤を用いたドライラミネート法(DL)、熱可塑性樹脂を用いた押出ラミネート法等の公知の方法が適用される。
【0040】
本実施形態の製袋機10は、一対のフィルム材12A,12Bに設けられた位置決め用の印刷デザイン(以下「基準マーク」という。)50の位置が一対のフィルム材12A,12Bで一致するように搬送してシールする。基準マーク50はレジマークやアイマークとも呼ばれフィルム材12に対して印刷されることで設けられる。基準マーク50の詳細は図3を参照して後述する。
【0041】
そして本実施形態の製袋機10は、基準マーク50を撮像するカメラ42が設けられており、カメラ42による基準マーク50の撮像結果に基づいて、一対のフィルム材12A,12Bに設けられた基準マーク50の位置が一致するようにリップローラー26を制御する。
【0042】
図2は、本実施形態の製袋機10におけるリップローラー26、フィードローラー28、及びカメラ42の概略図である。
【0043】
カメラ42は、フィードローラー28よりも下流側であって、一対のフィルム材12A,12Bがシールされる前のフィルム材12の搬送路に備えられる。
【0044】
カメラ42は、一対のフィルム材12A,12B各々に設けられた基準マーク50を撮像するために、上カメラ42Aと下カメラ42Bとで構成される。すなわち、上カメラ42Aは、上方から搬送されるフィルム材12Aに設けられた基準マーク50を撮像し、下カメラ42Bは下方から搬送されるフィルム材12Bに設けられた基準マーク50を撮像する。
【0045】
本実施形態のリップローラー26には、上リップローラー26Aと下リップローラー26Bの各々の軸を独立して移動させるリップローラー移動部44が設けられる。
【0046】
本実施形態のリップローラー移動部44は、一対のリップローラー26A,26Bの軸の両端毎にアクチュエータによって独立して移動させる。このため、リップローラー移動部44は、アクチュエータとして、上リップローラー左端アクチュエータ44A、上リップローラー右端アクチュエータ44B、下リップローラー左端アクチュエータ44C、及び下リップローラー右端アクチュエータ44Dを備える。なお、上リップローラー26A及び下リップローラー26Bの軸の両端は後述する軸受けで各々支持され、軸の両端毎の独立した移動は、例えば該軸受けを移動させることによって行うことができる。
【0047】
上リップローラー左端アクチュエータ44Aは、上リップローラー26Aの左端を上下方向へ移動させるため駆動装置である。上リップローラー右端アクチュエータ44Bは、上リップローラー26Aの右端を上下方向へ移動させるため駆動装置である。下リップローラー左端アクチュエータ44Cは、下リップローラー26Bの左端を上下方向へ移動させるため駆動装置である。下リップローラー右端アクチュエータ44Dは、下リップローラー26Bの右端を上下方向へ移動させるため駆動装置である。
【0048】
そして、上リップローラー26Aの左右の軸端には、調心型の軸受けが設けられ、上リップローラー26Aの左右の軸受けは、上リップローラー左端アクチュエータ44A及び上リップローラー右端アクチュエータ44Bを介して不図示の架台にH字状に取り付けられる。同様に、下リップローラー26Bの左右の軸端にも調心型の軸受けが取り付けられ、下リップローラー左端アクチュエータ44C及び下リップローラー右端アクチュエータ44Dを介して、上リップローラー26Aと略平行となるように、不図示の架台にH字状に取り付けられる。
【0049】
図3は、基準マーク50を示す概略図である。カメラ42は、フィルム材12の印刷面を接写することで、基準マーク50を撮像する。本実施形態の基準マーク50は、単色四角形の図柄であり、対向する2辺はフィルム材12の搬送方向に対して並行であり、他の2辺は搬送方向に対して直交する。
【0050】
カメラ42とフィルム材12との間には、基準マーク50の位置を判定するための基準部材52が設けられる。基準部材52は、板状であり、基準マーク50のサイズよりも大きい四角形の領域(以下「窓」という)54が切り抜かれた部材である。窓54は、基準マーク50と同様に、対向する2辺がフィルム材12の搬送方向に対して並行であり、他の2辺が搬送方向に対して直交する。
【0051】
図3(A)は基準マーク50が正常位置にある場合を示し、基準マーク50は窓54を形成する4辺から等距離、すなわち窓54の中心に位置している。一方、図3(B)は、基準マーク50の位置にずれが生じている場合を示し、基準マーク50は窓54の中心からずれており、窓54を形成する四辺から等距離の位置にない。なお、図3(B)の破線で示す四角形は、正常位置にある基準マーク50を示している。このように、本実施形態では、基準マーク50の各辺と窓54の各辺との距離をカメラ42を用いて測定することで、基準マーク50の正常位置からのずれ量を判定する。
【0052】
なお、正常位置は、窓54を形成する四辺からの所定距離として設定してもよいし、実際に製袋機10でフィルム材12を搬送し、カメラ42による複数回の基準マーク50の撮像結果の平均に基づいて取得してもよい。
【0053】
そして、基準マーク50に正常位置からのずれが生じている場合は、搬送されるフィルム材12にずれが生じていることとなる。このずれが解消されることなく製袋されると、正面と背面の印刷デザインにずれが生じた袋40が製造されることとなる。
【0054】
そこで、本実施形態の製袋機10は、フィルムずれ修正機能を有する。本実施形態のフィルムずれ修正機能は、一対のフィルム材12A,12Bに設けられた基準マーク50の位置が一致するように、カメラ42による基準マーク50の撮像結果に基づいてリップローラー移動部44を制御することでリップローラー26の位置を調整する機能である。すなわち、一対のフィルム材12A,12Bに設けられた基準マーク50の位置が共に正常位置となれば、一対のフィルム材12A,12Bの基準マーク50の位置が一致することとなる。
【0055】
図4は、本実施形態の製袋機10が有するフィルムずれ修正機能に関する機能ブロック図である。
【0056】
製袋機10は、製袋機制御装置60を備える。製袋機制御装置60は、フィルム材12を製袋するために製袋機10を制御するものであり、フィードローラー28の回転や、シール部30の加熱や動作、及び断裁部32の動作を制御する。
【0057】
本実施形態の製袋機制御装置60は、フィルムずれ修正機能を実行するためにリップローラー移動部44と共にフィルムずれ修正制御部62を備える。
【0058】
フィルムずれ修正制御部62は、基準マークずれ量判定部64及びリップローラー移動量特定部66を備え、カメラ42による基準マーク50の撮像結果に基づいて、リップローラー26の移動量を特定する。なお、フィルムずれ修正制御部62の機能は、製袋機制御装置60が備えるコンピュータ又は製袋機制御装置60が備えるASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の個別のハードウェアによって実現されてもよい。
【0059】
基準マークずれ量判定部64は、上カメラ42A及び下カメラ42Bによる基準マーク50の撮像データに基づいて、一対のフィルム材12A,12B毎に設けられた基準マーク50のずれ量を判定する。
【0060】
リップローラー移動量特定部66は、基準マークずれ量判定部64による基準マーク50のずれ量の判定結果に基づいて、リップローラー26の移動量を特定する。
【0061】
リップローラー移動量特定部66は、フィルム材12の基準マーク50がフィルム材12の搬送方向にずれている場合、ずれが生じているフィルム材12に対応するリップローラー26の軸の両端をずれ量に応じて移動するように移動量を特定する。また、フィルム材12の基準マーク50がフィルム材12の幅方向にずれている場合、リップローラー移動量特定部66は、ずれが生じているフィルム材12に対応するリップローラー26の軸の一端をずれ量に応じて移動するように移動量を特定する。
【0062】
なお、リップローラー26の移動量は、ずれ量を変数とした所定の演算式によって特定されてもよいし、ずれ量と移動量との関係を示したテーブル(表)によって特定されてもよい。
【0063】
リップローラー移動部44は、リップローラー移動量特定部66によって特定された移動量に応じて、上リップローラー左端アクチュエータ44A、上リップローラー右端アクチュエータ44B、下リップローラー左端アクチュエータ44C、及び下リップローラー右端アクチュエータ44Dを駆動させ、リップローラー26を移動させる。
【0064】
なお、リップローラー移動部44は、リップローラー26の移動量からアクチュエータの駆動量を求めるが、これに限らず、基準マーク50のずれ量から直接的にアクチュエータの駆動量が求められてもよい。この場合、アクチュエータの駆動量は、ずれ量を変数とした所定の演算式によって特定されてもよいし、ずれ量と駆動量との関係を示したテーブル(表)によって特定されてもよい。
【0065】
図5は、フィルムずれ修正機能の流れ(以下「フィルムずれ修正処理」という。)を示すフローチャートである。フィルムずれ修正処理は、製袋機10が稼働してフィルム材12から袋40を製造している場合に実行される。
【0066】
まず、ステップ100では、所定のタイミングで、上カメラ42Aがフィルム材12Aの基準マーク50(以下「上基準マーク」という。)を撮像し、下カメラ42Bがフィルム材12Bの基準マーク50(以下「下基準マーク」という。)を撮像する。なお、本実施形態の撮像のタイミングは、シール部30によって一対のフィルム材12A,12Bをヒートシールするために、フィルム材12の搬送を間欠的に停止させるタイミングである。
【0067】
次のステップ102では、基準マークずれ量判定部64がカメラ42による撮像結果に基づいて、基準マーク50の正常位置からのずれ量を判定する。
【0068】
次のステップ104では、ずれ量が予め定められた許容範囲内であるか否かを基準マークずれ量判定部64が判定し、肯定判定の場合はステップ110へ移行し、否定判定の場合はステップ106へ移行する。
【0069】
ステップ106では、ずれ量に基づいてリップローラー移動量特定部66がアクチュエータの移動量を特定する。
【0070】
次のステップ108では、特定された移動量に応じてアクチュエータを駆動させて、リップローラー26を移動させる。
【0071】
ステップ110では、製袋機10の稼働が終了したか否かが判定され、肯定判定の場合はフィルムずれ修正処理は終了し、否定判定の場合はステップ100へ戻りフィルムずれ修正処理が繰り返し行われる。
【0072】
図6は、図5のステップ106で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0073】
まず、ステップ200では、ずれている基準マーク50及びずれの方向を特定する。
【0074】
ステップ202で、上基準マークが搬送方向にずれ、かつ上基準マークが先行していると判定された場合、ステップ204へ移行し、リップローラー移動部44が上リップローラー26Aの両端を下降させる。この場合、上リップローラー左端アクチュエータ44Aと上リップローラー右端アクチュエータ44Bは、ずれ量に応じた同じ駆動量で上リップローラー26Aを下降させる。
【0075】
一方、ステップ202で、上基準マークが搬送方向にずれ、かつ上基準マークが遅れていると判定された場合、ステップ206へ移行し、リップローラー移動部44が上リップローラー26Aの両端を上昇させる。この場合、上リップローラー左端アクチュエータ44Aと上リップローラー右端アクチュエータ44Bは、ずれ量に応じた同じ駆動量で上リップローラー26Aを上昇させる。
【0076】
ステップ208で、下基準マークが搬送方向にずれ、かつ下基準マークが先行していると判定された場合、ステップ210へ移行し、リップローラー移動部44が下リップローラー26Bの両端を上昇させる。この場合、下リップローラー左端アクチュエータ44Cと下リップローラー右端アクチュエータ44Dは、ずれ量に応じた同じ駆動量で下リップローラー26Bを上昇させる。
【0077】
一方、ステップ208で、下基準マークが搬送方向にずれ、かつ下基準マークが遅れていると判定された場合、ステップ212へ移行し、リップローラー移動部44が下リップローラー26Bの両端を下降させる。この場合、下リップローラー左端アクチュエータ44Cと下リップローラー右端アクチュエータ44Dは、ずれ量に応じた同じ駆動量で下リップローラー26Bを下降させる。
【0078】
ステップ214で、上基準マークが幅方向にずれ、かつ上基準マークが右側にずれていると判定された場合、ステップ216へ移行し、リップローラー移動部44が上リップローラー26Aの右側を上昇させる。この場合、上リップローラー左端アクチュエータ44Aは駆動せずに、上リップローラー右端アクチュエータ44Bがずれ量に応じた駆動量で上リップローラー26Aの右側を上昇させる。なお、ここでいう右側及び左側とは、上述のように、フィルム材12の搬送方向(図1の矢印A)に向かって、右側(図1の矢印B)及び左側(図1の矢印C)を示すものである。
【0079】
ステップ214で、上基準マークが幅方向にずれ、かつ上基準マークが左側にずれていると判定された場合、ステップ218へ移行し、リップローラー移動部44が上リップローラー26Aの右側を下降させる。この場合、上リップローラー左端アクチュエータ44Aは駆動せずに、上リップローラー右端アクチュエータ44Bがずれ量に応じた駆動量で上リップローラー26Aの右側を下降させる。
【0080】
ステップ220で、下基準マークが幅方向にずれ、かつ下基準マークが右側にずれていると判定された場合、ステップ222へ移行し、リップローラー移動部44が下リップローラー26Bの右側を上昇させる。この場合、下リップローラー左端アクチュエータ44Cは駆動せずに、下リップローラー右端アクチュエータ44Dがずれ量に応じた駆動量で下リップローラー26Bの右側を上昇させる。
【0081】
ステップ220で、下基準マークが幅方向にずれ、かつ下基準マークが左側にずれていると判定された場合、ステップ224へ移行し、リップローラー移動部44が下リップローラー26Bの右側を下降させる。この場合、下リップローラー左端アクチュエータ44Cは駆動せずに、下リップローラー右端アクチュエータ44Dがずれ量に応じた駆動量で下リップローラー26Bの右側を下降させる。
【0082】
以上説明したように製袋機10は、フィルム材12を重ね合わせる際の基準位置を示す基準マーク50が各々に設けられた一対のフィルム材12A,12Bを搬送しながら、袋40を製造する。そして、一対のフィルム材12A,12Bの搬送方向や幅方向に対して印刷デザインの柄ずれがある場合、基準マーク50の位置も同様に正常位置に対してずれが生じている。そこで、フィルムずれ修正処理は、基準マーク50の位置を正常位置に修正するために、リップローラー26の左右の軸受けを独立に移動させる。このリップローラー26の移動によって、フィルム材12の搬送方向又は幅方向のパス長(搬送方向の長さ)が調整されるので、一対のフィルム材12A,12Bに生じた印刷デザインのずれを簡易な構成で修正できる。
【0083】
例えばフィルム材12Aが搬送方向に対して、0.5mm遅れていると判定された場合には、フィルム材12Aのパス長を0.5mm短くするように、上リップローラー26Aの左右の軸受けを上方向に移動させることで、遅れが解消する。
【0084】
また、例えばフィルム材12Aが幅方向に対して左側に0.5mmずれていると判定された場合には、0.5mmのずれを解消するように上リップローラー26Aの右側の軸受けを下側へ移動させる。なお、幅方向のみの制御の場合には、リップローラー26の軸受けの移動によってフィルム材12のパス長が変化しないように制御される。
【0085】
図6では、基準マーク50が搬送方向又は幅方向のうち一方のみにずれている場合を示しているが、搬送方向及び幅方向の両方がずれている場合には、両方が正常位置へ戻るように制御が組み合わされて実行される。また、上基準マーク及び下基準マークの両方がずれている場合には、各々が正常位置へ戻るように制御が組み合わされて実行される。
【0086】
また、本実施形態では一対のフィルム材12A,12Bを重ね合わせて搬送するフィードローラー28の上流側に隣接するリップローラー26によって、フィルム材12のパス長が調整されて基準マーク50の位置が修正されるので、基準マーク50のずれをより確実かつ早急に修正できる。
【0087】
さらに、基準マーク50を撮像するカメラ42がフィードローラー28の下流側に隣接して配置されるので、基準マーク50のずれを早期に検知でき、かつ製袋機10の全長を短くできる。また、本実施形態のフィルムずれ修正機能を従来の製袋機10に追加設置することも容易である。
【0088】
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0089】
上記実施形態では、1枚のフィルム材12を繰り出しローラー20から繰り出した後に、M板24によって上下2つのフィルム材12A,12Bに切り分ける製袋機10の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、予め切り分けられている2枚のフィルム材12A,12Bを繰り出す製袋機10等、他の形態の製袋機10でもよい。さらに、製袋しつつ内容物を充填して封緘するいわゆる充填機としての機能を製袋機10が有してもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、袋40としていわゆる三方製袋(四方袋)を製造する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、製造される袋40は、底部材を挿入しつつ製袋するような底マチ付き袋(いわゆるスタンディング袋)やプラスチックジッパーが挿入されたチャック付き袋、側面にマチを有する袋でもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、一対のリップローラー26A,26Bがフィルム材12の搬送方向に対して上下方向に各々が独立して移動する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。一対のリップローラー26A,26Bは、搬送されるフィルム材12のパス長を調整できればよく、図7(A)に示されるように、フィルム材12の搬送方向に対して平行方向に各々が独立して移動してもよい。また、一対のリップローラー26A,26Bが上下方向に配置される形態ではなく、図7(B)に示されるように、リップローラー26A,26Bがフィルム材12の搬送方向に対して平行方向(水平方向)に配置されてもよいし、一対のリップローラー26A,26Bが上下方向及び水平方向で一致しないように段違い配置されてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、リップローラー26の左右の軸受けを独立に動かす形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、リップローラー26の左右の軸受けが独立して動かない、すなわちリップローラー26の左右の軸受けが同時に同量しか動かない形態としてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、基準部材52の窓54から基準マーク50までの距離によって基準マーク50のずれ量を判定する形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カメラ42の画角を基準として、この画角の周辺から基準マーク50までの距離によって基準マーク50のずれ量を判定してもよい。この形態の場合、基準部材52が設けられなくてもよい。
【0094】
また、一対のフィルム材12A,12Bに設けられた基準マーク50の何れか一方を基準としてもよい。この形態の場合、基準とした基準マーク50の位置に一致するように他の基準マーク50が設けられたフィルム材12に対応するリップローラー26を移動させる。
【符号の説明】
【0095】
10 製袋機
12 フィルム材
26 リップローラー(従動ローラー)
28 フィードローラー(搬送ローラー)
40 袋
42 カメラ(撮像部)
50 基準マーク
60 製袋機制御装置(制御装置)
62 フィルムずれ修正制御部(制御部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7