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特開2022-131562電池構成物、電池、製造方法、プログラム、及び製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131562
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】電池構成物、電池、製造方法、プログラム、及び製造装置
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/08 20060101AFI20220831BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20220831BHJP
   H01M 4/70 20060101ALI20220831BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20220831BHJP
   H01M 50/572 20210101ALI20220831BHJP
   H01B 5/14 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
B32B15/08 M
H01M4/66 A
H01M4/70 A
H01M2/26 A
H01M2/34 A
H01B5/14 Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021030567
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 貴也
(72)【発明者】
【氏名】高柳 良基
【テーマコード(参考)】
4F100
5G307
5H017
5H043
【Fターム(参考)】
4F100AB01A
4F100AB01B
4F100AB01C
4F100AB10A
4F100AB10C
4F100AB17A
4F100AB17C
4F100AK01B
4F100BA03
4F100BA44B
4F100DC11B
4F100EH71B
4F100GB41
4F100JG01B
5G307GA06
5G307GB01
5G307GC02
5H017AA03
5H017BB16
5H017BB19
5H017CC03
5H017DD06
5H017DD08
5H017EE01
5H017EE05
5H017EE07
5H043AA04
5H043BA19
5H043CA08
5H043GA03
5H043HA23E
5H043JA02E
5H043KA08E
5H043KA09E
(57)【要約】      (修正有)
【課題】通常時は電流を通し、過電流が流れた場合には導電パスが切断される構造を有する導電部材を提供する。
【解決手段】第1金属層120と、第2金属層130と、第1金属層120及び第2金属層130の間に配置された樹脂層110であって、第1金属層120に接する面から第2金属層130に接する面まで貫通し、内壁に導電性材料が配置された孔140を有する樹脂層110とを備える導電部材100である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属層と、
第2金属層と、
前記第1金属層及び前記第2金属層の間に配置された樹脂層であって、前記第1金属層に接する面から前記第2金属層に接する面まで貫通し、内壁に導電性材料が配置された孔が形成された樹脂層と
を備える導電部材。
【請求項2】
前記導電性材料は、前記孔の前記内壁にメッキされた金属である、請求項1に記載の導電部材。
【請求項3】
前記第1金属層と前記第2金属層とは、前記孔の前記内壁の前記導電性材料のみによって電気的に接続されている、請求項1又は2に記載の導電部材。
【請求項4】
前記導電部材に過電流が流れた場合に、前記樹脂層が溶解し、前記第1金属層と前記第2金属層とが電気的に切断される、請求項3に記載の導電部材。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の導電部材と、
前記導電部材に電気的に接続されたリードと、
前記導電部材に接続された合剤と
を備える、電池部材。
【請求項6】
前記第1金属層及び前記第2金属層の金属は、銅であり、
前記合剤は、負極合剤であり、
前記導電部材は、負極集電体である、請求項5に記載の電池部材。
【請求項7】
前記第1金属層及び前記第2金属層の金属は、アルミニウムであり、
前記合剤は、正極合剤であり、
前記導電部材は、正極集電体である、請求項5に記載の電池部材。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか一項に記載の電池部材を有する電池。
【請求項9】
導電部材の製造方法であって、
上面から下面に貫通する孔を有する樹脂層を準備する準備工程と、
前記樹脂層の前記上面、前記下面、及び前記孔に金属をメッキするメッキ工程と
を備える製造方法。
【請求項10】
電池部材の製造方法であって、
上面から下面に貫通する孔を有する樹脂層を準備する準備工程と、
前記樹脂層の前記上面、前記下面、及び前記孔に金属をメッキした導電部材を生成する導電部材生成工程と、
前記導電部材に合剤及びリードを接続する接続工程と
を備える製造方法。
【請求項11】
コンピュータに、請求項9又は10に記載の製造方法を実行させるためのプログラム。
【請求項12】
上面から下面に貫通する孔を有する樹脂層を準備する準備部と、
前記樹脂層の前記上面、前記下面、及び前記孔に金属をメッキした導電部材を生成する生成部と
を備える製造装置。
【請求項13】
前記導電部材に合剤及びリードを接続する接続部
を備える、請求項12に記載の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電部材、電池部材、電池、製造方法、プログラム、及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属メッキ樹脂フィルムが知られていた(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2018-181823号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、導電部材が提供される。導電部材は、第1金属層と、第2金属層を備えてよい。導電部材は、第1金属層及び第2金属層の間に配置された樹脂層を備えてよい。樹脂層は、第1金属層に接する面から第2金属層に接する面まで貫通していてよい。樹脂層は、内壁に導電性材料が配置された孔が形成されていてよい。
【0004】
上記導電性材料は、上記孔の上記内壁にメッキされた金属であってよい。上記第1金属層と上記第2金属層とは、上記孔の上記内壁の上記導電性部材のみによって電気的に接続されていてよい。上記導電部材に過電流が流れた場合に、上記樹脂層が溶解し、上記第1金属層と上記第2金属層とが電気的に切断されてよい。
【0005】
本発明の一実施態様によれば、電池部材が提供される。電池部材は、上記導電部材と、上記導電部材に電気的に接続されたリードと、上記導電部材に接続された合剤とを備えてよい。上記第1金属層及び上記第2金属層の金属は、銅であってよく、上記合剤は、負極合剤であってよく、上記導電部材は、負極集電体であってよい。上記第1金属層及び上記第2金属層の金属は、アルミニウムであってよく、上記合剤は、正極合剤であってよく、上記導電部材は、正極集電体であってよい。
【0006】
本発明の一実施態様によれば、上記電池部材を有する電池が提供される。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、導電部材の製造方法が提供される。製造方法は、上面から下面に貫通する孔を有する樹脂層を準備する準備工程を備えてよい。製造方法は、樹脂層の上面、下面、及び孔に金属をメッキするメッキ工程を備えてよい。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、電池部材の製造方法が提供される。製造方法は、上面から下面に貫通する孔を有する樹脂層を準備する準備工程を備えてよい。製造方法は、樹脂層の上面、下面、及び孔に金属をメッキした導電部材を生成する導電部材生成工程を備えてよい。製造方法は、導電部材に合剤及びリードを接続する接続工程を備えてよい。
【0009】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータに、上記製造方法を実行させるためのプログラムが提供される。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、製造装置が提供される。製造装置は、上面から下面に貫通する孔を有する樹脂層を準備する準備部を備えてよい。製造装置は、樹脂層の上面、下面、及び孔に金属をメッキした導電部材を生成する生成部を備えてよい。製造装置は、上記導電部材に合剤及びリードを接続する接続部を備えてよい。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】導電部材100の一例を概略的に示す。
図2】導電部材100の一例を概略的に示す。
図3】導電部材100を用いた電池構成物10の一例を概略的に示す。
図4】導電部材100を用いた電池構成物10の一例を概略的に示す。
図5】導電部材100を用いた電池構成物10の他の一例を概略的に示す。
図6】タブ250とリード400との位置関係の一例を概略的に示す。
図7】タブ250とリード400との位置関係の一例を概略的に示す。
図8】タブ250とリード400との位置関係の一例を概略的に示す。
図9】積層体260へのリード400の溶接について説明するための説明図である。
図10】積層体260へのリード400の溶接について説明するための説明図である。
図11】積層体260へのリード400の溶接について説明するための説明図である。
図12】製造装置500の機能構成の一例を概略的に示す。
図13】製造装置500として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
例えば、電池セルの内部が異物によってショートした場合、電池セルのタブ及びリードを通して、短絡した電極に過電流が流れ、発熱、発火に至ってしまう場合がある。また、例えば、装置異常やパック部品異常等で、電池セル外部からセルに過電流が流れた場合、電池セルのリードから極板にも電流が流れ込み、発熱、発火に至ってしまう場合がある。本実施形態に係る、導電性を有する導電部材100は、通常時は電流を通し、過電流が流れた場合に、導電パスが切断される構造を有する。
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
図1及び図2は、導電部材100の一例を概略的に示す。図2は、図1におけるXX断面図である。
【0016】
導電部材100は、金属層120と、金属層130と、金属層120及び金属層130の間に配置された樹脂層110とを備える。金属層120は第1金属層の一例であってよい。金属層130は、第2金属層の一例であってよい。
【0017】
樹脂層110には、孔140が形成されている。孔140は、金属層120に接する面(上面112)から金属層130に接する面(下面114)まで貫通する。孔140は、内壁116に導電性材料が配置されている。
【0018】
金属層120の金属と金属層130の金属は、同一であってよい。金属層120の金属と、金属層130の金属は、異なってもよい。
【0019】
内壁116の導電性材料は、金属であってよい。金属層120の金属と金属層130の金属が同一である場合、内壁116の導電性材料は、金属層120及び金属層130の金属と同一であってよい。内壁116の導電性材料は、金属層120及び金属層130の金属と異なってもよい。
【0020】
金属層120の金属と金属層130の金属が異なる場合、内壁116の導電性材料は、金属層120の金属又は金属層130の金属と同一であってよい。内壁116の導電性材料は、金属層120の金属及び金属層130の金属の両方と異なってもよい。
【0021】
内壁116の導電性材料は、導電性接着剤であってもよい。内壁116の導電性材料は、導電性を有する他の任意の材料であってもよい。
【0022】
金属層120、金属層130、及び内壁116の導電性材料は、例えば、樹脂層110の上面112、下面114、及び内壁116にメッキされた金属である。
【0023】
金属層120と金属層130とは、内壁116の導電性材料のみによって電気的に接続されていてよい。金属層120に流れ込んだ電流は、内壁116の導電性材料が導電パスとなって、金属層130に伝わる。また、金属層130に流れ込んだ電流は、内壁116の導電性材料が導電パスとなって、金属層120に伝わる。
【0024】
導電部材100に過電流が流れた場合、樹脂層110が溶解する。樹脂層110が溶解することによって、内壁116の導電性材料が崩れ、金属層120と金属層130とが電気的に切断される。
【0025】
導電部材100は、いわゆるCID(Current Interrupt Device)として用いられてよい。導電部材100は、いわゆる電流遮断機構として用いられてよい。導電部材100は、いわゆるフューズ機構として用いられてよい。
【0026】
導電部材100を電気部品等に用いることによって、電気部品等において、何らかの原因で過電流が発生した場合に、導電部材100の樹脂層110が溶解することによって、電流パスが切断され、電気部品等の損傷を低減したり、防止したりすることに貢献できる。
【0027】
また、導電部材100を電池の集電体に用いることによって、電池において、何らかの原因で過電流が発生した場合に、導電部材100の樹脂層110が溶解することによって、電流パスが切断され、電池の損傷を低減したり、防止したりすることに貢献できる。
【0028】
本実施形態に係る樹脂層110の樹脂として、金属層120及び金属層130の金属よりも導電性は低いが、金属層120及び金属層130の金属よりも密度の低い樹脂が採用される。また、樹脂層110の樹脂として、導電部材100に過電流が流れたことによる発熱によって溶解する樹脂が採用される。樹脂層110の樹脂の例として、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、及びPI(ポリイミド)等が挙げられるが、これらに限られない。
【0029】
例えば、電池の用途によって、電流は低くてもよいが重量を軽くしたい場合がある。例えば、太陽電池パネル及び電池を搭載して成層圏を飛行し、地上に無線通信サービスを提供するHAPS(High Altitude Platform Station)では、飛行速度の変化が少ないことから電池の出力電流は低くもよいが、HAPS全体の重量が軽いことが求められる。このように、電流は低くてもよいが重量を軽くすることが要求される用途は他にも存在する。
【0030】
例えば、リチウムイオン電池の場合、負極集電体として銅箔が用いられる場合が多いが、銅箔の厚みを薄くすることによってこのような要求に答えることができる。しかし、銅箔の厚みを薄くするには、技術的な限界があり、また、銅箔の厚みをあまり薄くしてしまうと強度を保つことができず、破損の可能性が高まってしまう。本実施形態に係る導電部材100を負極集電体として用いた場合、導電部材100は中間が樹脂層であることから、金属のみからなる負極集電体と比較して、電気抵抗は大きくなるが、密度を低くすることができる。また、負極集電体の強度も維持することができる。そしてさらに、過電流が発生した場合に、導電部材100の樹脂層が溶解して、導電パスを切断することができる。
【0031】
なお、本実施形態では、孔140の形状が円形である場合を例示しているが、これに限らない。孔140の形状は、三角形や四角形であってよく、これら以外の任意の形状であってもよい。
【0032】
樹脂層110には、複数の孔140が形成されてよい。複数の孔140は、整列して配置されてよい。複数の孔140は、整列していなくてもよい。複数の孔140は、一部が整列し、一部が整列していなくてもよい。
【0033】
孔140の大きさ、数、孔140同士の間隔は、導電部材100が用いられる対象によって適宜決められてよい。例えば、導電部材100を電池の集電体として用いる場合に、孔140の半径は、10~1000μmであってよく、孔140の中心間の距離は、孔140の半径×2.1~導電部材100の半径×3.0等であってよい。
【0034】
図3及び図4は、導電部材100を用いた電池構成物10の一例を概略的に示す。ここでは、導電部材100を、負極集電体200及び正極集電体300として用いた場合を例示する。なお、導電部材100は、負極集電体200及び正極集電体300のうち、負極集電体200のみに用いられてよく、正極集電体300のみに用いられてもよい。
【0035】
電池構成物10は、セパレータ40を挟んで交互に積層された複数の負極20及び正極30を有する。負極20は、負極合剤22及び負極集電体200を有する。正極30は、正極合剤32及び正極集電体300を有する。
【0036】
負極集電体200は、樹脂層210、金属層220、及び金属層230を有する。本例において、金属層220の金属と金属層230の金属は同じである。図3及び図4に示す例において、負極集電体200のタブ250に、複数の孔240が形成されている。本例において、複数の孔240の内壁には、金属層220及び金属層230の金属と同じ金属がメッキされている。
【0037】
正極集電体300は、樹脂層310、金属層320、及び金属層330を有する。本例において、金属層320の金属と金属層330の金属は同じである。図3及び図4に示す例において、正極集電体300のタブ350に、複数の孔340が形成されている。本例において、複数の孔340の内壁には、金属層320及び金属層330の金属と同じ金属がメッキされている。
【0038】
電池構成物10は、任意の種類の電池の構成物であってよい。電池構成物10は、例えば、リチウムイオン電池の構成物である。例えば、負極集電体200が積層された積層体260と、正極集電体300が積層された積層体360とのそれぞれにリードが溶接されて、電池構成物10の全体が筐体等に入れられ、電界液が満たされることによって、リチウムイオン電池が形成される。電池構成物10がリチウムイオン電池の構成物である場合、負極集電体200の金属層220及び金属層230の金属は銅であり、正極集電体300の金属層320及び金属層330の金属はアルミニウムであり、樹脂層210及び樹脂層310の樹脂はPETであり得る。金属層220、金属層230、金属層320、及び金属層330の金属は、他の金属であってもよい。また、樹脂層210及び樹脂層310の樹脂は、他の樹脂であってもよい。電池構成物10は、リチウム空気電池の構成物であってもよい。電池構成物10は、他の種類の電池の構成物であってもよい。
【0039】
図3及び図4では、タブ250及びタブ350が同一方向に配置されている場合を例示しているが、これに限らない。タブ250と孔340は、異なる方向に配置されていてもよい。例えば、タブ250とタブ250は、反対方向に配置される。
【0040】
図5は、電池構成物10の他の一例を概略的に示す。電池構成物10は、図5に示すように、積層されたラミネート電池50を有する。ラミネート電池50は、負極20及び正極30を内包する。例えば、電池構成物10がリチウムイオン電池の構成物である場合、積層体260と、積層体360とのそれぞれにリードが溶接されて、電池構成物10の全体が筐体等に入れられることによって、リチウムイオン電池が形成される。
【0041】
図5では、タブ250及びタブ350が同一方向に配置されている場合を例示しているが、これに限らない。タブ250とタブ350は、異なる方向に配置されていてもよい。例えば、タブ250とタブ350は、反対方向に配置されてもよい。
【0042】
図6は、タブ250とリード400との位置関係の一例を概略的に示す。図6は、電池構成物10のうち、一番上側の負極20を上側から見た状態を概念的に示す。
【0043】
タブ250は、孔240を有さない孔無部252と、孔240を有する孔有部254とを含んでよい。負極集電体200の金属層220及び金属層230には、孔有部254の複数の孔240の内壁の導電性部材によって導電パスが形成される。リード400は、図6に示すように、孔無部252に接続されてよい。複数の負極集電体200が、孔有部254によって、リード400と電気的に接続される。
【0044】
図7は、タブ250とリード400との位置関係の一例を概略的に示す。ここでは、図6と異なる点を主に説明する。図7に示す例において、リード400は、孔無部252及び孔有部254に接続されてよい。複数の負極集電体200が、孔有部254によって、リード400と電気的に接続される。
【0045】
図8は、タブ250とリード400との位置関係の一例を概略的に示す。ここでは、図6と異なる点を主に説明する。図8に示す例において、タブ250は、孔有部254のみを含む。すなわち、図8に示す例では、タブ250の全体に孔240が形成されている。リード400は、孔有部254に接続されてよい。複数の負極集電体200が、孔有部254によって、リード400と電気的に接続される。
【0046】
図9は、積層体260へのリード400の溶接について説明するための説明図である。ここでは、積層体260が3つのタブ250を含む場合を例示している。3つのタブ250のそれぞれには、複数の孔240が形成されているが、図示を省略する。
【0047】
図9に示す例において、負極集電体200には、穴270が形成されている。穴270は、例えば、負極集電体200の中心に形成される。穴270の位置や数は、これに限らず、任意の位置であってよく、任意の数であってもよい。リード400と固定部410とが、負極集電体200の穴270を通して溶接されることによって、複数の負極集電体200が固定され得る。
【0048】
図10は、積層体260へのリード400の溶接について説明するための説明図である。ここでは、図9と異なる点を主に説明する。図10に示す例において、負極集電体200には、両サイドに1か所ずつ切欠280が形成されている。切欠280の位置は、これに限らず、任意の位置であってよい。リード400と固定部410とが、負極集電体200の切欠280を通して溶接されることによって、複数の負極集電体200が固定され得る。
【0049】
図11は、積層体260へのリード400の溶接について説明するための説明図である。ここでは、図10と異なる点を主に説明する。図11に示す例において、負極集電体200には、両サイドに2か所ずつ切欠280が形成されている。切欠280の位置は、これに限らず、任意の位置であってよい。リード400と固定部410とが、負極集電体200の切欠280を通して溶接されることによって、複数の負極集電体200が固定され得る。
【0050】
図6から図11では、対象が負極20である場合を例に挙げて説明したが、対象が正極30である場合も同様であってよい。
【0051】
図12は、製造システム500の機能構成の一例を概略的に示す。製造システム500は、1つの装置によって構成されてよく、また、複数の装置によって構成されてもよい。製造システム500が1つの装置によって構成される場合、製造システム500は製造装置の一例であってよい。
【0052】
製造システム500は、準備部502、導電部材生成部504、導電部材取出部506、接続部508、及び電池生成部510を備える。製造システム500は、電池を製造する製造方法を実行してよい。
【0053】
なお、製造システム500がこれらの全てを備えることは必須とは限らない。例えば、製造システム500は、電池生成部510を備えなくてもよい。製造システム500は、電池部材を製造する製造方法を実行してよい。
【0054】
また、例えば、製造システム500は、接続部508及び電池生成部510を備えなくてもよい。製造システム500は、導電部材を製造する製造方法を実行してよい。
【0055】
準備部502は、上面112から下面114に貫通する孔140を有する樹脂層110を準備する。準備部502は、例えば、孔140が形成されていない樹脂層110を取得して、孔140を形成する。また、準備部502は、例えば、孔140が形成されている樹脂層110を取得する。
【0056】
準備部502は、導電部材100の用途に応じた樹脂層110を準備してよい。準備部502は、例えば、導電部材100の用途に応じた厚みの樹脂層110を準備する。502は、例えば、導電部材100の用途に応じた数、大きさ、及び配置間隔の複数の孔140を有する樹脂層110を準備する。
【0057】
導電部材生成部504は、導電部材100を生成する。導電部材生成部504は、準備部502が準備した樹脂層110の上面112、下面114、及び孔140に金属をメッキする。導電部材生成部504は、例えば、樹脂層110をメッキ液に挿入することによって、樹脂層110の上面112、下面114、及び孔140に金属をメッキする。導電部材生成部504は、他の手法によって、樹脂層110の上面112、下面114、及び孔140に金属をメッキしてもよい。樹脂層110の導電部材生成部504は、準備部502が準備した樹脂層110の上面112、下面114、及び孔140に金属をメッキした導電部材100を生成してよい。導電部材取出部506は、導電部材生成部504によって生成された導電部材100を取り出す。
【0058】
導電部材生成部504は、例えば、負極集電体200を生成する。導電部材生成部504は、複数の負極集電体200を生成してよい。
【0059】
導電部材生成部504は、例えば、正極集電体300を生成する。製造システム500は、複数の正極集電体300を生成してよい。
【0060】
接続部508は、導電部材生成部504によって生成された導電部材100に合剤及びリードを接続する。接続部508は、例えば、導電部材生成部504によって生成された複数の負極集電体200のそれぞれに負極合剤22を接続して、複数の負極20を生成する。また、接続部508は、例えば、導電部材生成部504によって生成された複数の正極集電体300のそれぞれに正極合剤32を接続して、複数の正極30を生成する。接続部508は、例えば、複数の負極20と、複数の正極30とのそれぞれを、セパレータ40を挟みつつ、交互に配置することにより、電池構成物10を生成する。
【0061】
接続部508は、例えば、複数の負極20のそれぞれのタブ250を上下方向に圧縮する。そして、接続部508は、例えば、複数のタブ250の上下にリード400及び固定部410を配置して、リード400を溶接する。接続部508は、例えば、図9図11のいずれかに示す方法によって、一番上のタブ250にリード400を溶接する。
【0062】
接続部508は、例えば、複数の正極30のそれぞれのタブ350を上下方向に圧縮する。そして、接続部508は、例えば、複数のタブ350の上下にリード400及び固定部410を配置して、リード400を溶接する。接続部508は、例えば、図9図11のいずれかに示す方法によって、一番上のタブ350にリード400を溶接する。
【0063】
電池生成部510は、接続部508によってリード400が積層体260及び積層体360のそれぞれに接続された電池構成物10を用いて、電池を生成する。電池生成部510は、例えば、電池構成物10を筐体に入れ、電解液の注入等の電池の種類に応じた作業を行うことによって、電池を生成する。
【0064】
ここで、製造システム500が電池を製造する場合における、各構成の寸法等の具体例を説明する。負極集電体200のトータルの厚みは2~20μmであってよい。樹脂層210の厚みは0.05~3μmであってよい。強度の観点から、樹脂層210の厚みは2μm以上であることが望ましい。過剰な強度、重量増がトレードオフになるので、樹脂層210の厚みは最大14μmであることが望ましい。負極集電体200の用途が、HAPSのように電池の出力電流は低くもよい低レート使用である場合、抵抗の観点から、金属層220及び金属層230のそれぞれの厚みは0.05μm以上であることが望ましい。負極集電体200の用途が低レート使用である場合、金属層220及び金属層230のそれぞれの厚みは2μmで十分といえる。よって、負極集電体200の用途が低レート使用である場合、金属層220及び金属層230のそれぞれの厚みは、0.05μm~2μmであることが望ましい。負極集電体200の用途が低レート使用でない場合であっても、抵抗の観点からは、金属層220及び金属層230のそれぞれの厚みは4μmで十分といえる。過剰なメッキの厚みは、重量増とコスト増とで不要といえる。
【0065】
正極集電体300のトータルの厚みは2~20μmであってよい。樹脂層310の厚みは0.05~3μmであってよい。強度の観点から、樹脂層310の厚みは2μm以上であることが望ましい。過剰な強度、重量増がトレードオフになるので、樹脂層310の厚みは最大14μmであることが望ましい。正極集電体300の用途が低レート使用である場合、抵抗の観点から、金属層320及び金属層330のそれぞれの厚みは0.05μm以上であることが望ましい。正極集電体300の用途が低レート使用である場合、金属層320及び金属層330のそれぞれの厚みは3μmで十分といえる。よって、正極集電体300の用途が低レート使用である場合、金属層320及び金属層330のそれぞれの厚みは、0.05μm~3μmであることが望ましい。正極集電体300の用途が低レート使用でない場合、抵抗の観点からは、金属層320及び金属層330のそれぞれの厚みは6μmで十分といえる。過剰なメッキの厚みは、重量増とコスト増とで不要といえる。
【0066】
なお、ここでは、負極集電体200及び正極集電体300の両方が、中間に樹脂層を含む場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、負極集電体200及び正極集電体300のうち、負極集電体200のみが中間に樹脂層を含み、正極集電体300は金属のみによって構成されていてもよい。また、負極集電体200及び正極集電体300のうち、正極集電体300のみが中間に樹脂層を含み、負極集電体200は金属のみによって構成されていてもよい。
【0067】
図13は、製造システム500として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0068】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0069】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0070】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0071】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0072】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0073】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0074】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0075】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0076】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0077】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0078】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0079】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0080】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0082】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0083】
10 電池構成物、20 負極、22 負極合剤、30 正極、32 正極合剤、40 セパレータ、50 ラミネート電池、100 導電部材、110 樹脂層、112 上面、114 下面、116 内壁、120 金属層、130 金属層、140 孔、200 負極集電体、210 樹脂層、220 金属層、230 金属層、240 孔、250 タブ、252 孔無部、254 孔有部、260 積層体、270 穴、280 切欠、300 正極集電体、310 樹脂層、320 金属層、330 金属層、340 孔、350 タブ、360 積層体、400 リード、410 固定部、500 製造システム、502 準備部、504 導電部材生成部、506 導電部材取出部、508 接続部、510 電池生成部、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-04-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚みが0.05μm~2μmの第1金属層と、厚みが0.05μm~2μmの第2金属層と、前記第1金属層及び前記第2金属層の間に配置された、厚みが2~14μmの樹脂層であって、前記第1金属層に接する面から前記第2金属層に接する面まで貫通し、内壁に導電性材料が配置された複数の孔が形成された樹脂層と含む負極集電体と前記負極集電体に接続された負極合剤とをそれぞれが有する複数の負極と、
正極集電体と前記正極集電体に接続された正極合剤とをそれぞれが有する複数の正極と、
前記複数の負極及び前記複数の正極のそれぞれの間に配置された複数のセパレータと、
複数の前記負極集電体のタブが積層された負極積層体を挟んで、前記複数の負極集電体の前記タブに形成された穴又は切欠を通して溶接されたリード及び固定部と
を備え、
前記複数の孔は、前記負極集電体の前記タブに形成されており、
前記複数の孔のそれぞれは、円形であり、半径が10~1000μmであり、
前記複数の孔の中心間の距離は、前記孔の半径×2.1~3.0である、
電池構成物
【請求項2】
厚みが0.05μm~2μmの第1金属層と、厚みが0.05μm~2μmの第2金属層と、前記第1金属層及び前記第2金属層の間に配置された、厚みが2~14μmの樹脂層であって、前記第1金属層に接する面から前記第2金属層に接する面まで貫通し、内壁に導電性材料が配置された複数の孔が形成された樹脂層と含む正極集電体と前記正極集電体に接続された正極合剤とをそれぞれが有する複数の正極と、
負極集電体と前記負極集電体に接続された負極合剤とをそれぞれが有する複数の負極と、
前記複数の正極及び前記複数の負極のそれぞれの間に配置された複数のセパレータと、
複数の前記正極集電体のタブが積層された正極積層体を挟んで、前記複数の正極集電体の前記タブに形成された穴又は切欠を通して溶接されたリード及び固定部と
を備え、
前記複数の孔は、前記正極集電体の前記タブに形成されており、
前記複数の孔のそれぞれは、円形であり、半径が10~1000μmであり、
前記複数の孔の中心間の距離は、前記孔の半径×2.1~3.0である、
電池構成物
【請求項3】
前記導電性材料は、前記孔の前記内壁にメッキされた金属である、請求項1又は2に記載の電池構成物
【請求項4】
前記第1金属層と前記第2金属層とは、前記孔の前記内壁の前記導電性材料のみによって電気的に接続されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の電池構成物
【請求項5】
前記電池構成物に過電流が流れた場合に、前記樹脂層が溶解し、前記第1金属層と前記第2金属層とが電気的に切断される、請求項に記載の電池構成物
【請求項6】
請求項からのいずれか一項に記載の電池構成物を有する電池。
【請求項7】
電池構成物の製造方法であって、
上面から下面に貫通する複数の孔を有する、厚みが2~14μmの樹脂層を準備する準備工程と、
前記樹脂層の前記上面、前記下面、及び前記複数の孔に金属をメッキして、厚みが0.05μm~2μmの第1金属層と、厚みが0.05μm~2μmの第2金属層と、内壁に前記金属が配置された前記複数の孔を有する前記樹脂層とを含む負極集電体を生成するメッキ工程と
前記負極集電体と前記負極集電体に接続された負極合剤とをそれぞれが有する複数の負極と、正極集電体と前記正極集電体に接続された正極合剤とをそれぞれが有する複数の正極とを生成する生成工程と、
前記複数の負極と、前記複数の正極とのそれぞれを、セパレータを挟みつつ、交互に配置し、複数の前記負極集電体のそれぞれのタブを上下方向に圧縮し、穴又は切欠を形成し、複数の前記タブの上下にリード及び固定部を配置して前記穴又は前記切欠を通して溶接する溶接工程と
を備え
前記複数の孔は、前記負極集電体の前記タブに形成されており、
前記複数の孔のそれぞれは、円形であり、半径が10~1000μmであり、
前記複数の孔の中心間の距離は、前記孔の半径×2.1~3.0である、
製造方法。
【請求項8】
電池構成物の製造方法であって、
上面から下面に貫通する複数の孔を有する、厚みが2~14μmの樹脂層を準備する準備工程と、
前記樹脂層の前記上面、前記下面、及び前記複数の孔に金属をメッキして、厚みが0.05μm~2μmの第1金属層と、厚みが0.05μm~2μmの第2金属層と、内壁に前記金属が配置された前記複数の孔を有する前記樹脂層とを含む正極集電体を生成するメッキ工程と、
前記正極集電体と前記正極集電体に接続された正極合剤とをそれぞれが有する複数の正極と、負極集電体と前記負極集電体に接続された負極合剤とをそれぞれが有する複数の負極とを生成する生成工程と、
前記複数の正極と、前記複数の負極とのそれぞれを、セパレータを挟みつつ、交互に配置し、複数の前記正極集電体のそれぞれのタブを上下方向に圧縮し、穴又は切欠を形成し、複数の前記タブの上下にリード及び固定部を配置して前記穴又は前記切欠を通して溶接する溶接工程と
を備え、
前記複数の孔は、前記正極集電体の前記タブに形成されており、
前記複数の孔のそれぞれは、円形であり、半径が10~1000μmであり、
前記複数の孔の中心間の距離は、前記孔の半径×2.1~3.0である、
製造方法。
【請求項9】
コンピュータに、請求項又はに記載の製造方法を実行させるためのプログラム。
【請求項10】
電池構成物の製造装置であって、
上面から下面に貫通する複数の孔を有する、厚みが2~14μmの樹脂層を準備する準備部と、
前記樹脂層の前記上面、前記下面、及び前記複数の孔に金属をメッキして、厚みが0.05μm~2μmの第1金属層と、厚みが0.05μm~2μmの第2金属層と、内壁に前記金属が配置された前記複数の孔を有する前記樹脂層とを含む負極集電体を生成し、前記負極集電体と前記負極集電体に接続された負極合剤とをそれぞれが有する複数の負極と、正極集電体と前記正極集電体に接続された正極合剤とをそれぞれが有する複数の正極とを生成する生成部と
前記複数の負極と、前記複数の正極とのそれぞれを、セパレータを挟みつつ、交互に配置し、複数の前記負極集電体のそれぞれのタブを上下方向に圧縮し、穴又は切欠を形成し、複数の前記タブの上下にリード及び固定部を配置して前記穴又は前記切欠を通して溶接する接続部と
を備える製造装置。
【請求項11】
電池構成物の製造装置であって、
上面から下面に貫通する複数の孔を有する、厚みが2~14μmの樹脂層を準備する準備部と、
前記樹脂層の前記上面、前記下面、及び前記複数の孔に金属をメッキして、厚みが0.05μm~2μmの第1金属層と、厚みが0.05μm~2μmの第2金属層と、内壁に前記金属が配置された前記複数の孔を有する前記樹脂層とを含む正極集電体を生成し、前記正極集電体と前記正極集電体に接続された正極合剤とをそれぞれが有する複数の正極と、負極集電体と前記負極集電体に接続された負極合剤とをそれぞれが有する複数の負極とを生成する生成部と、
前記複数の正極と、前記複数の負極とのそれぞれを、セパレータを挟みつつ、交互に配置し、複数の前記正極集電体のそれぞれのタブを上下方向に圧縮し、穴又は切欠を形成し、複数の前記タブの上下にリード及び固定部を配置して前記穴又は前記切欠を通して溶接する接続部と
を備える製造装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
孔140の大きさ、数、孔140同士の間隔は、導電部材100が用いられる対象によって適宜決められてよい。例えば、導電部材100を電池の集電体として用いる場合に、孔140の半径は、10~1000μmであってよく、孔140の中心間の距離は、孔140の半径×2.1~半径×3.0等であってよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】
ここで、製造システム500が電池を製造する場合における、各構成の寸法等の具体例を説明する。負極集電体200のトータルの厚みは2~20μmであってよい。樹脂層210の厚みは14μmであってよい。強度の観点から、樹脂層210の厚みは2μm以上であることが望ましい。過剰な強度、重量増がトレードオフになるので、樹脂層210の厚みは最大14μmであることが望ましい。負極集電体200の用途が、HAPSのように電池の出力電流は低くもよい低レート使用である場合、抵抗の観点から、金属層220及び金属層230のそれぞれの厚みは0.05μm以上であることが望ましい。負極集電体200の用途が低レート使用である場合、金属層220及び金属層230のそれぞれの厚みは2μmで十分といえる。よって、負極集電体200の用途が低レート使用である場合、金属層220及び金属層230のそれぞれの厚みは、0.05μm~2μmであることが望ましい。負極集電体200の用途が低レート使用でない場合であっても、抵抗の観点からは、金属層220及び金属層230のそれぞれの厚みは4μmで十分といえる。過剰なメッキの厚みは、重量増とコスト増とで不要といえる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
正極集電体300のトータルの厚みは2~20μmであってよい。樹脂層310の厚みは14μmであってよい。強度の観点から、樹脂層310の厚みは2μm以上であることが望ましい。過剰な強度、重量増がトレードオフになるので、樹脂層310の厚みは最大14μmであることが望ましい。正極集電体300の用途が低レート使用である場合、抵抗の観点から、金属層320及び金属層330のそれぞれの厚みは0.05μm以上であることが望ましい。正極集電体300の用途が低レート使用である場合、金属層320及び金属層330のそれぞれの厚みは3μmで十分といえる。よって、正極集電体300の用途が低レート使用である場合、金属層320及び金属層330のそれぞれの厚みは、0.05μm~3μmであることが望ましい。正極集電体300の用途が低レート使用でない場合、抵抗の観点からは、金属層320及び金属層330のそれぞれの厚みは6μmで十分といえる。過剰なメッキの厚みは、重量増とコスト増とで不要といえる。