(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131615
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】蓋付容器
(51)【国際特許分類】
B65D 5/38 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
B65D5/38 A
B65D5/38 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021030641
(22)【出願日】2021-02-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 書籍「VISUALIZE 60」(令和3年1月15日発行(発売日:令和3年1月8日)にて公開、 展覧会「VISUALIZE 60 Vol.2」(展示日:2021年2月1日(月)-4月16日(金))にて公開、 ウェブサイト(https://cyql.jp/;令和3年2月1日に一般公開)にて公開、 ウェブサイト(Youtube; 令和3年1月29日に掲載)にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】399062290
【氏名又は名称】株式会社日本デザインセンター
(74)【代理人】
【識別番号】100119301
【弁理士】
【氏名又は名称】蟹田 昌之
(72)【発明者】
【氏名】梶原 恵
(72)【発明者】
【氏名】横田 泰斗
(72)【発明者】
【氏名】深澤 冠
(72)【発明者】
【氏名】松永 遥
(72)【発明者】
【氏名】千田 建一
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB15
3E060BA23
3E060BC06
3E060DA07
3E060DA25
3E060EA13
3E060EA14
(57)【要約】
【課題】小さくまとめて捨てることができる蓋付容器を提供する。
【解決手段】容器と前記容器の蓋を備えた蓋付容器であって、前記容器は、下面部と右側面部と左側面部と正面部と背面部を有し、前記蓋は、上面部と下面部と右側面部と左側面部を有し、前記蓋は、第2収納空間を有する形状に折り曲げられ、前記第2収納空間は、前記蓋の上面部と前記蓋の下面部と前記蓋の右側面部と前記蓋の左側面部に囲まれ、前記蓋の正面側と前記蓋の背面側に開口をそれぞれ有し、前記容器は、使用時においては、前記容器の下面部と前記容器の右側面部と前記容器の左側面部と前記容器の正面部と前記容器の背面部に囲まれた第1収納空間を有する形状に折り曲げられ、不使用時においては、前記蓋の正面側または背面側の開口から前記蓋の第2収納空間に収納可能な形状に折り畳まれる蓋付容器。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と前記容器の蓋を備えた蓋付容器であって、
前記容器は、下面部と右側面部と左側面部と正面部と背面部を有し、
前記蓋は、上面部と下面部と右側面部と左側面部を有し、
前記蓋は、第2収納空間を有する形状に折り曲げられ、
前記第2収納空間は、前記蓋の上面部と前記蓋の下面部と前記蓋の右側面部と前記蓋の左側面部に囲まれ、前記蓋の正面側と前記蓋の背面側に開口をそれぞれ有し、
前記容器は、使用時においては、前記容器の下面部と前記容器の右側面部と前記容器の左側面部と前記容器の正面部と前記容器の背面部に囲まれた第1収納空間を有する形状に折り曲げられ、不使用時においては、前記蓋の正面側または背面側の開口から前記蓋の第2収納空間に収納可能な形状に折り畳まれる蓋付容器。
【請求項2】
前記第1収納空間は台形状の形状を有し、
前記蓋の下面部に前記蓋の上面部側に向けた力を加えることにより、前記蓋の右側面部及び左側面部が前記容器の内側面に沿って傾斜し、
前記蓋は前記容器の第1収納空間に内嵌合される請求項1に記載の蓋付容器。
【請求項3】
前記蓋は、さらに壁部を有し、
前記蓋は、前記蓋の上面部と前記壁部に囲まれた第3収納空間を有する形状に折り曲げられる請求項1にまたは2に記載の蓋付容器。
【請求項4】
前記容器は、さらに支持部を有し、
前記容器の支持部は、使用時において、前記蓋の上面部を支持する形状に折り曲げられ、
前記蓋の下面部は、前記容器の支持部が前記蓋の上面部を支持できるように上面視において凹みを有する請求項1から3のいずれか一項に記載の蓋付容器。
【請求項5】
前記容器の支持部を伸ばし、複数の前記容器を互いに積み重ねることができる請求項1から4のいずれか一項に記載の蓋付容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋付容器に関する。
【背景技術】
【0002】
蓋と容器本体を備えた容器が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態は、廃棄時に小さくまとめて捨てることができる蓋付容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態は次の構成を有する。
【0006】
容器と前記容器の蓋を備えた蓋付容器であって、
前記容器は、下面部と右側面部と左側面部と正面部と背面部を有し、
前記蓋は、上面部と下面部と右側面部と左側面部を有し、
前記蓋は、第2収納空間を有する形状に折り曲げられ、
前記第2収納空間は、前記蓋の上面部と前記蓋の下面部と前記蓋の右側面部と前記蓋の左側面部に囲まれ、前記蓋の正面側と前記蓋の背面側に開口をそれぞれ有し、
前記容器は、使用時においては、前記容器の下面部と前記容器の右側面部と前記容器の左側面部と前記容器の正面部と前記容器の背面部に囲まれた第1収納空間を有する形状に折り曲げられ、不使用時においては、前記蓋の正面側または背面側の開口から前記蓋の第2収納空間に収納可能な形状に折り畳まれる蓋付容器。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、小さくまとめて捨てることができる蓋付容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3A】容器の上面図(使用時)を示す模式図である。
【
図3B】容器の右側面図(使用時)を示す模式図である。
【
図3C】容器の正面図(使用時)を示す模式図である。
【
図4A】蓋の上面図(使用時)を示す模式図である。
【
図4B】蓋の下面図(使用時)を示す模式図である。
【
図4C】蓋の右側面図(使用時)を示す模式図である。
【
図4D】蓋の正面図(使用時)を示す模式図である。
【
図4E】蓋の正面図(使用時)を示す模式図である。
【
図5A】容器の上面図(不使用時)を示す模式図である。
【
図5B】容器の右側面図(不使用時)を示す模式図である。
【
図5C】容器の正面図(不使用時)を示す模式図である。
【
図6A】容器を蓋に収める途中の状態を説明する模式的上面図である。
【
図6B】容器を蓋に収めた状態を説明する模式的上面図である。
【
図7】複数の容器がスタックされている状態を示す模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、実施形態に係る蓋付容器において、容器及び蓋がそれぞれどのような部を有しているのかを説明する。
【0010】
(容器100)
図1は実施形態に係る容器の展開図である。
【0011】
容器100は、
図1に示すとおり、下面部、右側面部、左側面部、正面部、及び背面部を有している。1つの部は1つ以上の面から構成される。実施形態では、下面部は面101aと面101bにより構成される。右側面部は面102aと面102bにより構成される。面102aと面102bの境界は山折りにされ(蓋200の側に向かって凸となるように折り曲げられ)、面102aは容器側面の内壁となり、面102bは容器側面の外壁となる。左側面部は面103aと面103bにより構成される。面103aと面103bの境界は山折りにされ(蓋200の側に向かって凸となるように折り曲げられ)、面103aは容器側面の内壁となり、面103bは容器側面の外壁となる。正面部は面104aから面104hにより構成される。背面部は面105aから面105hにより構成される。容器100はさらに支持部を有していてもよい。支持部には第1支持部と第2支持部がある。第1支持部は面106aと面106bにより構成される。第2支持部は面107aと面107bにより構成される。支持部は、使用時においては、蓋200の下面部が支持部により支持されるように、容器100の下面部に対して略並行となるように折り曲げられる。
【0012】
(蓋200)
図2は実施形態に係る蓋の展開図である。
【0013】
蓋200は、
図2に示すとおり、上面部、下面部、右側面部、及び左側面部を有している。容器100の場合と同様に、蓋200においても、1つの部は1つ以上の面から構成される。実施形態では、上面部は面201により構成される。下面部は面202aから面202cにより構成される。右側面部は面203aと面203bにより構成される。左側面部は面204により構成される。蓋200はさらに壁部を有していてもよい。壁部は面205により構成される。面206と面207は蓋200の形状を安定させるために設けられている接着面であるが、あってもなくてもよい。
【0014】
容器100及び/又は蓋200は、例えば1枚の紙を折り曲げることにより構成されることが好ましい。容器100及び/又は蓋200には、容器100及び/又は蓋200の折り曲げ後の形状などが維持されるよう、折り曲げ後の面同士を接着などする接着剤などが設けられていてもよい。また、容器100及び/又は蓋200の各面には、防水性などを維持などするために、防水加工などが施されていてもよい。防水加工の一例には、防水フィルムを貼り付けたり、紙自体にニスなどの防水材を塗布したりすることが含まれる。容器100及び/又は蓋200において、各面の境界は折り目であり、折り目は山折りまたは谷折りされる。各面の境界には、各面を折り曲げやすいように、切り込みなどが設けられていてもよい。
【0015】
ついで、使用時、不使用時、及び複数の容器をスタックする時に分けて、実施形態に係る蓋付容器の構造を説明する。
【0016】
(使用時)
図3Aは容器の上面図(使用時)を示す模式図である。
図3Bは容器の右側面図(使用時)を示す模式図である。
図3Cは容器の正面図(使用時)を示す模式図である。
図4Aは蓋の上面図(使用時)を示す模式図である。
図4Bは蓋の下面図(使用時)を示す模式図である。
図4Cは蓋の右側面図(使用時)を示す模式図である。
図4Dは蓋の正面図(使用時)を示す模式図である。容器、蓋ともに、背面図は正面図と同じであり、左側面図は右側面図と同じであるため図示を省略する。
【0017】
図3A乃至
図3C及び
図4A乃至
図4Dに示すように、容器は、容器の下面部と容器の右側面部と容器の左側面部と容器の正面部と容器の背面部に囲まれた第1収納空間Xを有する形状に折り曲げられる。第1収納空間Xの内容物の一例には、食べ物やアクセサリーやその他の小物が含まれる。蓋は、第2収納空間Yを有する形状に折り曲げられる。第2収納空間Yには容器が収納される。第2収納空間Yは、蓋の上面部と蓋の下面部と蓋の右側面部と蓋の左側面部に囲まれ、蓋の正面側と蓋の背面側に開口をそれぞれ有する。
【0018】
第1収納空間Xは、例えば台形状の形状を有している。蓋の下面部は、
図4Eに矢印で示したように、蓋の下面部に対して蓋の上面部側に向けた力が加えられることが好ましい。このようにすれば、
図4E中の部分拡大図において示したように、蓋の右側面部及び左側面部が容器の内側面に沿って傾斜する。このため、蓋を容器の第1収納空間Xにしっかりと内嵌合させることができ、例えば、蓋が容器の第1収納空間Xにうまく内嵌合せずに浮いてしまうというような状態を防止できる。
【0019】
蓋がさらに壁部を有する場合、蓋は、
図6Bに示すように、蓋の上面部と壁部に囲まれた第3収納空間Zを有する形状に折り曲げられる。第3収納空間Zに収納される物の一例には、箸、お手拭き、カードが含まれる。このようにすれば、箸やお手拭きやカードなども蓋付容器にまとめて捨てることができる。
【0020】
容器がさらに支持部を有する場合、容器の支持部は、使用時において、
図3Aに示すように、蓋の上面部を支持する形状に折り曲げられる。この場合、蓋の下面部は、
図2に示すように、容器の支持部が蓋の上面部を支持できるように上面視において凹みCを有する。つまり、容器の支持部が蓋の下面部に接することができるように、換言すれば蓋の下面部が容器の支持部に干渉しないように、凹みCを有する。このようにすれば、蓋が容器の中に埋没してしまうことを防止して、蓋を容器から取り外しやすくすることができる。
【0021】
(不使用時)
図5Aは容器の上面図(不使用時)を示す模式図である。
図5Bは容器の右側面図(不使用時)を示す模式図である。
図5C容器の正面図(不使用時)を示す模式図である。
図6Aは容器を蓋に収める途中の状態を説明する模式的上面図である。
図6Bは容器を蓋に収めた状態を説明する模式的上面図である。容器において、背面図は正面図と同じであり、左側面図は右側面図と同じであるため、図示及び説明を省略する。また、不使用時の蓋の形状は使用時の形状と同じであるので説明を省略する。
【0022】
図5A乃至
図5C及び
図6に示すように、容器は、不使用時においては、蓋の正面側または背面側の開口から蓋の第2収納空間Yに収納可能な形状に折り畳まれる。これにより、蓋付容器の使用後は、容器と蓋をコンパクトにまとめることができる。
【0023】
(複数の容器をスタックする時)
図7は、複数の容器がスタックされている状態を示す模式的斜視図である。
【0024】
図7に示すように、複数の容器はスタックすることができる。つまり、複数の容器は互いに積み重ねることができる。容器が支持部を有する場合は、
図7に示すように支持部を伸ばすことにより、当該支持部によって、その容器の上に積み重ねられている容器の正面部や背面部を支持することができるため、スタックされている複数の容器が崩れることを防止することができる。複数の容器をスタックさせることができれば、在庫保管時のスペースを削減することができる。また、例えば、本実施形態の蓋付容器を弁当箱として使用する場合は、複数人の弁当を準備する場合などにおいて、ご飯やおかずなどを複数の蓋付容器に手際よく詰めることができる。
【0025】
以上説明した実施形態に係る蓋付容器によれば、使用後は、容器を折り畳んで蓋に収めることにより、容器と蓋をコンパクトにまとめることができる。このため、小さくまとめて捨てることができる蓋付容器を提供することができる。
【0026】
また、実施形態に係る蓋付容器において、容器と蓋をともに紙から構成する場合には、プラスチック製の蓋付容器を用いる場合と比較して、折り曲げたり折り畳んだりしやすい蓋付容器を提供することができる。また、従来の紙製弁当箱は、紙製とはいうものの、容器(身箱)が紙で蓋がプラスチック製であったりするなど、紙以外の材料を一部に用いていることが多く、廃棄に際しては容器と蓋の分別が必要になっていた。しかし、容器と蓋をともに紙から構成する場合には、容器と蓋を分別することなく、まとめて捨てることができる。
【0027】
上記のように折り曲げたり折り畳んだりなどすることが可能であり、且つ、蓋付容器の容器及び蓋として使用できるものである限り、容器や蓋の材質や厚みなどは限定されない。また、容器や蓋を1枚の紙から構成する場合、上記のように折り曲げたり折り畳んだりなどすることが可能であり、且つ、蓋付容器の容器及び蓋として使用できるものである限り、紙の材質や厚みなどは限定されない。
【0028】
容器及び蓋は、上記で説明したように折り曲げたり折り畳んだりなどできるものである限り、その形状は問わない。本実施形態の蓋付容器の形状の一例には、図示した上面視が長方形状のもののほか、上面視が円形状のものや星形状(六角形状)のものなど、様々な形状が含まれる。
【0029】
以上、実施形態について説明したが、これらの説明によって特許請求の範囲に記載された構成は何ら限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0030】
実施形態に係る蓋付容器は、様々な用途に利用することができるが、特に弁当箱や食品を入れるその他の容器に好ましく用いることができる。また、食品を入れる用途に限らず、筆箱や小物入れなどに用いることも可能である。
【符号の説明】
【0031】
100 容器
101a乃至107b 容器の面
200 蓋
201乃至207 蓋の面
X 第1収納空間
Y 第2収納空間
Z 第3収納空間
C 蓋の下面部の凹み