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特開2022-131781情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131781
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220831BHJP
【FI】
G06Q30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021030912
(22)【出願日】2021-02-26
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】518206930
【氏名又は名称】株式会社Sparty
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】深山 陽介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】商品の定期購入をしている顧客の商品に対する感想や意見に基づいて、顧客の解約リスクを的確に検出することができる技術を提供する。
【解決手段】情報処理システムは、次の各ステップを実行するように構成される。管理ステップでは、定期購入サービスを利用するユーザのユーザ情報を管理する。受付ステップでは、ユーザからアンケートの回答を受け付ける。ユーザは、所定の商品の定期購入をしており、アンケートは、商品に関する質問を含む。予測ステップでは、アンケートの回答と、予め設定された第1の参照情報とに基づいて、ユーザが定期購入サービスを解約する解約可能性と、解約理由とを予測する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
次の各ステップを実行するように構成され、
管理ステップでは、定期購入サービスを利用するユーザのユーザ情報を管理し、
受付ステップでは、前記ユーザからアンケートの回答を受け付け、ここで、前記ユーザは、所定の商品の定期購入をしており、前記アンケートは、前記商品に関する質問を含み、
予測ステップでは、前記アンケートの回答と、予め設定された第1の参照情報とに基づいて、前記ユーザが前記定期購入サービスを解約する解約可能性と、解約理由とを予測する、
もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の参照情報は、前記定期購入サービスをすでに解約している解約者からの前記アンケートの回答と、前記解約者の解約理由とに基づき生成された情報である、
もの。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記予測ステップでは、前記ユーザ情報に含まれる前記ユーザの属性にさらに基づいて、前記解約可能性と、前記解約理由とを予測する、
もの。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記予測ステップでは、前記商品の属性にさらに基づいて、前記解約可能性と、前記解約理由とを予測する、
もの。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記予測ステップでは、前記ユーザが前記定期購入サービスを利用している期間にさらに基づいて、前記解約可能性と、前記解約理由とを予測する、
もの。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記受付ステップでは、前記ユーザから前記アンケートの回答を所定の間隔で受け付け、前記アンケートは、前記所定の間隔で実施され、
前記予測ステップでは、前記ユーザから所定の期間に受け付けた全ての前記アンケートの回答と、前記第1の参照情報とに基づいて、前記解約可能性と、前記解約理由とを予測する、
もの。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
収集ステップをさらに実行するように構成され、
前記収集ステップでは、インターネット上の販売情報を収集するように構成され、ここで、前記販売情報は、前記商品と同じ種類に属する商品の販売状況に関する情報であり、
前記予測ステップでは、前記販売情報にさらに基づいて、前記解約可能性と、前記解約理由とを予測する、
もの。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記第1の参照情報は、機械学習により生成または更新される、
もの。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
第1の抽出ステップと、第1の生成ステップとをさらに実行するように構成され、
前記第1の抽出ステップでは、前記定期購入サービスを利用しているユーザの中から、前記解約可能性が所定の確率以上である第1の特定ユーザを抽出し、
前記第1の生成ステップでは、前記第1の特定ユーザの予測された前記解約理由と、予め設定された第2の参照情報とに基づいて、前記第1の特定ユーザに、所定の提案をするための表示情報を生成し、ここで、前記所定の提案は、前記定期購入サービスの利用継続を促すための提案である、
もの。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムおいて、
前記第2の参照情報は、解約の要因と、提案内容と、解約防止率とが対応付けられた情報である、
もの。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の情報処理システムにおいて、
前記提案には、前記商品を変更する提案が含まれる、
もの。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理システムにおいて、
前記商品を変更する提案には、前記ユーザに推奨される商品のサンプルを送付する提案が含まれる、
もの。
【請求項13】
請求項9または請求項10に記載の情報処理システムにおいて、
前記提案には、前記商品の数量または前記商品を届ける間隔を変更する提案が含まれる、
もの。
【請求項14】
請求項9~請求項13の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
第2の参照情報は、機械学習により生成または更新される、
もの。
【請求項15】
請求項1~請求項14の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
第2の抽出ステップと、第2の生成ステップとをさらに実行するように構成され、
前記第2の抽出ステップでは、前記定期購入サービスを利用しているユーザの中から、前記解約可能性が所定の確率以下である第2の特定ユーザを抽出し、
前記第2の生成ステップでは、前記第2の特定ユーザに、特典が付与されることを示すための表示情報を生成する、
もの。
【請求項16】
請求項15に記載の情報処理システムにおいて、
前記特典には、ポイントに関する特典が含まれ、ここで、前記ポイントは、金銭的価値を有する、
もの。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2の生成ステップでは、前記第2の特定ユーザに、前記商品の推奨を内容とする投稿をした場合に特典が付与されることを示すための表示情報を生成する、
もの。
【請求項18】
請求項1~請求項17の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記商品は、化粧品である、
もの。
【請求項19】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項18の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを備える、
方法。
【請求項20】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項18の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、
もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、会員制顧客に対する顧客維持支援システムにより、会員制顧客の解約を予想する技術が開発されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-366732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、サービスの利用料金や契約期間等に基づいて顧客の解約を予想しており、顧客がサービスに対して実際に抱いた感想や意見を反映した上で、解約を予想しているものではなかった。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、商品の定期購入をしている顧客の商品に対する感想や意見に基づいて、顧客の解約リスクを的確に検出することができる技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、次の各ステップを実行するように構成される。管理ステップでは、定期購入サービスを利用するユーザのユーザ情報を管理する。受付ステップでは、ユーザからアンケートの回答を受け付ける。ユーザは、所定の商品の定期購入をしており、アンケートは、商品に関する質問を含む。予測ステップでは、アンケートの回答と、予め設定された第1の参照情報とに基づいて、ユーザが定期購入サービスを解約する解約可能性と、解約理由とを予測する。
【0007】
本開示によれば、商品の定期購入をしている顧客の商品に対する感想や意見に基づいて、顧客の解約リスクを的確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。
図2】情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
図4】管理部332が管理する、ユーザ情報4の一例である。
図5】管理部332が管理する、商品情報5の一例である。
図6】ユーザ端末2に表示される画面であって、アンケート6の一例である。
図7】管理部332が管理する、解約者情報7の一例である。
図8】記憶部32に予め記憶された第1の参照情報8の一例である。
図9】記憶部32に予め記憶された第1の参照情報8の一例である。
図10】予測部334が予測した結果を示す、予測結果9の一例である。
図11】記憶部32に予め記憶された第2の参照情報10の一例である。
図12】第1の特定ユーザのユーザ端末2に表示される画面であって、所定の提案をするための表示情報の一例である提案画面11である。
図13】第2の特定ユーザのユーザ端末2に表示される画面であって、特典が付与されることを示すための表示情報の一例である特典案内画面12である。
図14】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、第1の実施形態(以下、本実施形態と称する)のハードウェア構成について説明する。
【0014】
1.1 情報処理システム1
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は、ユーザ端末2と、情報処理装置3とを備え、これらがネットワークを通じて接続されている。これらの構成要素について、さらに説明する。ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、情報処理装置3単体であっても、システムの一例となる。
【0015】
1.2 ユーザ端末2
ユーザ端末2は、通信部と、記憶部と、制御部と、表示部と、入力部とを有し、これらの構成要素がユーザ端末2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。通信部、記憶部および制御部の説明は、情報処理装置3における通信部31、記憶部32および制御部33と略同様のため、省略する。なお、図1において、個々のユーザのユーザ端末2を、nを1以上の整数として「2-n」で表している。
【0016】
表示部は、例えば、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。このような表示部は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末2の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。ここでは、表示部は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0017】
入力部は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部が、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が、命令信号として、通信バスを介して制御部に転送され、制御部が、必要に応じて、所定の制御や演算を実行し得る。
【0018】
1.3 情報処理装置3
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備え、これらの構成要素が、情報処理装置3の内部において、通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素について、さらに説明する。
【0019】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、通信部31は、これら複数の通信手段の集合として実施されることがより好ましい。すなわち、情報処理装置3は、通信部31を介して、ユーザ端末2とネットワークを介して、種々の情報を通信する。
【0020】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。記憶部32は、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施され得る。また、記憶部32は、これらの組み合わせであってもよい。特に、記憶部32は、ユーザ情報4、商品情報5、アンケート6、解約者情報7、第1の参照情報8、第2の参照情報10、または、これらを生成するためのプログラム等を記憶する。記憶部32は、これ以外にも、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0021】
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば、不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、情報処理装置3に係る種々の機能は、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行され得る。各機能部については、次節において、更に詳述する。なお、制御部33は、単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施されてもよい。また、制御部33は、複数の制御部の組み合わせであってもよい。
【0022】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、情報処理装置3に係る種々の機能は、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行され得る。
【0023】
図3は、情報処理装置3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理システム1の一例である情報処理装置3は、受付部331と、管理部332と、収集部333と、予測部334と、抽出部335と、生成部336とを備える。
【0024】
受付部331は、種々の情報を受け付けるように構成される。例えば、受付部331は、ユーザ端末2から申し込みフォーム(不図示)へ入力された情報、ユーザ端末2から入力されたアンケート6の回答A(図6参照)等を受け付けるように構成される。詳細については、後述する。
【0025】
管理部332は、種々の情報を管理するように構成される。例えば、管理部332は、ユーザ情報4(図4参照)、商品情報5(図5参照)、解約者情報7(図7参照)等を管理するように構成される。詳細については、後述する。
【0026】
収集部333は、種々の情報を収集するように構成される。例えば、収集部333は、インターネット上の販売情報等を収集するように構成される。詳細については、後述する。
【0027】
予測部334は、種々の事象を予測するように構成される。例えば、予測部334は、ユーザが定期購入サービスを解約する解約可能性TP、解約理由TR等を予測するように構成される。詳細については、後述する。
【0028】
抽出部335は、所定の条件に合致した情報を抽出するように構成される。第1の抽出部335の一例である抽出部335は、定期購入サービスを利用しているユーザの中から、解約可能性TPが所定の確率以上である第1の特定ユーザを抽出するように構成される。第2の抽出部335の一例である抽出部335は、定期購入サービスを利用しているユーザの中から、解約可能性TPが所定の確率以下である第2の特定ユーザを抽出するように構成される。詳細については、後述する。
【0029】
生成部336は、種々の情報を生成するように構成される。第1の生成部336の一例である生成部336は、第1の特定ユーザに、所定の提案をするための表示情報、例えば提案画面11(図12参照)を生成するように構成される。第2の生成部336の一例である生成部336は、第2の特定ユーザに、特典が付与されることを示すための表示情報、例えば特典案内画面12(図13参照)を生成するように構成される。ここで、表示情報とは、画面、画像、アイコン、メッセージ等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものでもよいし、例えば、ユーザ端末2の表示部に画面、画像、アイコン、メッセージ等を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。詳細については、後述する。
【0030】
3.情報処理方法
3.1 概要
本節では、前述した情報処理システム1の情報処理方法について説明する。
【0031】
また、本節で参照する各図は、以下の通りである。図4は、管理部332が管理する、ユーザ情報4の一例である。図5は、管理部332が管理する、商品情報5の一例である。図6は、ユーザ端末2に表示される画面であって、アンケート6の一例である。図7は、管理部332が管理する、解約者情報7の一例である。図8および図9は、記憶部32に予め記憶された第1の参照情報8の一例である。図10は、予測部334が予測した結果を示す、予測結果9の一例である。図11は、記憶部32に予め記憶された第2の参照情報10の一例である。図12は、第1の特定ユーザのユーザ端末2に表示される画面であって、所定の提案をするための表示情報の一例である提案画面11である。図13は、第2の特定ユーザのユーザ端末2に表示される画面であって、特典が付与されることを示すための表示情報の一例である特典案内画面12である。図14は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0032】
ここで、商品ACには、定期購入型で通信販売され得る、あらゆる物品が含まれるが、好ましくは、商品ACは、化粧品である。また、化粧品として、例えば、洗顔料、化粧水、乳液、美容液、スキンケアオイル、フェイスクリーム等の基礎化粧品、シャンプー、コンディショナー、ヘアパック、ヘアトリートメント、ヘアスタイリング剤、ヘアカラー剤等のヘアケア化粧品、顔用およびボディ用の日焼け止め化粧品、アイブロウ、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ、口紅、グロス、リップライナー、チーク、ネイル、ネイルケア剤などのメイクアップ化粧品、ファンデーション、化粧下地、コンシーラー、フェイスパウダー等のベースメイク化粧品、ボディソープ、ボディクリーム、ボディオイル等のボディケア化粧品が挙げられる。このような態様によれば、実店舗でも購入しやすく、顧客がシビアに評価する傾向にあるために、定期購入サービスが解約されるリスクが高い化粧品についても、解約リスクを回避することができる。
【0033】
また、ここで、ユーザとは、所定の商品ACの定期購入を申し込んでいる一般消費者である。
【0034】
なお、商品ACの通信販売には、カタログによる通信販売と、インターネットを利用した通信販売(以下、ネット通販と略称する)とが含まれる。顧客管理や営業管理の容易性等の観点から、ネット通販により商品ACが販売されることが好ましい。
【0035】
これらの好ましい態様を踏まえ、以下の説明では、ユーザがネット通販で商品ACの定期購入を申し込む場合を想定する。また、ユーザは既に定期購入サービスを利用している者であってもよいが、以下では、説明の都合上、ユーザが定期購入サービスを初めて申し込む場合を想定する。
【0036】
ここから、図14のタイミングチャートに沿って、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを説明するものとする。
【0037】
まず、ユーザは、ユーザ端末2に表示された不図示の申し込みフォームにおいて、ユーザ端末2の入力部を介して、定期購入を希望する商品ACと、購入数量QAと、購入期間BPと、定期購入に必要なユーザの属性Uとを指定または入力する。申し込みフォームに入力されたこれらの情報は、ネットワークを介して情報処理装置3に送信される。その後、情報処理装置3において、通信部31が、ユーザ端末2から送信された、商品ACと、購入数量QAと、購入期間BPと、ユーザの属性Uとを含む情報を受信し、受付部331が、これらの情報を受け付ける(ステップS001)。
【0038】
次いで、管理部332は、図4に示されるように、商品ACと、購入数量QAと、購入期間BPと、ユーザの属性U、例えば、氏名UN、メールアドレスUM、住所UL、性別US、年齢UAおよび職業UCとを対応付けて、定期購入サービスを利用するユーザのユーザ情報4として管理する。すなわち、ユーザの属性Uを含む情報がネットワークを介して情報処理装置3に送信され、情報処理装置3における記憶部32が、商品ACと、購入数量QAと、購入期間BPと、ユーザの属性Uとを対応付けて、ユーザ情報4(図4参照)として記憶する(ステップS002)。
【0039】
情報処理装置3は、管理部332が管理するユーザ情報4に基づいて、商品ACの初回配送を行うように、不図示の配送管理システムに要求を送信する。この要求を受信した配送管理システムは、所定の処理を実行し、ユーザに商品ACを配送する(ステップS003)。
【0040】
商品ACの初回配送から所定の期間経過後に、情報処理装置3は、図6に示されるアンケート6を、ユーザ端末2に送信する。具体的には、情報処理装置3における制御部33は、アンケート6を、通信部31およびネットワークを介してユーザ端末2に送信する(ステップS004)。ここで、アンケート6は、ワープロソフト等で生成された形式でもよいし、pdfファイルでもよいが、好ましくは、アンケート6を視認可能な態様でブラウザ上に表示させた画面である。ここでは、アンケート6が画面であるものとしてさらに説明をする。
【0041】
図6に示されているように、アンケート6は、商品ACに関する質問Qを含む。図6のアンケート6には、商品ACに関する質問Qとして、質問Q1と、質問Q2と、質問Q3とが記載されており、これらの質問Qに対応する回答Aの選択肢がラジオボタンとともに表示されている。ユーザは、アンケート6に答える意思がある場合には、質問Qに対し、適当な選択肢のラジオボタンを押下すればよい。回答Aに対応するラジオボタンが押下されると、回答Aは、ネットワークを介して情報処理装置3に送信される(ステップS005)。
【0042】
アンケート6の回答Aがネットワークを介して情報処理装置3に送信されると、受付部331は、ユーザからアンケート6の回答Aを受け付ける。ここで好ましくは、管理部332は、ユーザ情報4とともに、アンケート6の回答Aをユーザごとに管理する。すなわち、情報処理装置3における記憶部32が、ユーザ情報4とともに、ユーザごとの回答Aを記憶する(ステップS005)。
【0043】
アンケート6の回答Aが受付部331に受け付けられた後、予測部334は、アンケート6の回答Aと、予め設定された第1の参照情報8(図8および図9参照)とに基づいて、ユーザが定期購入サービスを解約する解約可能性TPと、解約理由TRとを予測する(ステップS006)。
【0044】
ここで、好ましくは、第1の参照情報8は、定期購入サービスをすでに解約している解約者からのアンケート6の回答TAと、解約者の解約理由TRとに基づき生成された情報である。このような態様によれば、実際に解約に至った事例を参考にすることにより、解約の予測精度を高めることができる。
【0045】
例えば、第1の参照情報8(図8および図9参照)は、管理部332が管理する解約者情報7(図7参照)に基づき生成された情報であることが好ましい。なお、解約者情報7(図7参照)は、ユーザ情報4(図4参照)として管理されていた情報から、解約したユーザに関する情報を抽出して作成された情報である。図7の解約者情報7は、解約者の属性として氏名TN、住所TL、性別TS、年齢TOおよび職業TCと、定期購入をしていた商品ACと、購入数量QAと、購入期間BPと、解約理由TRと、アンケート6の回答TAと、アンケート6の回答TAに基づいて算出されたスコアTXとが対応付けられた情報である。ここで、解約理由TRは、情報処理システム1によって予測された解約理由TRであってもよいし、解約時に解約するユーザにアンケート等を実施して直接的に調べた解約理由TRであってもよい。
【0046】
次いで、予測部334により予測された解約可能性TPおよび解約理由TRは、予測結果9(図10参照)として、情報処理装置3における記憶部32に少なくとも一時的に記憶される。この予測結果9(図10参照)に基づき、第2の抽出部335は、定期購入サービスを利用しているユーザの中から、解約可能性TPが所定の確率以下である第2の特定ユーザを抽出する(ステップS007)。ここで、所定の確率とは、例えば、0,5,10,15,20,25,30,35,40%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0047】
その後、第2の生成部336は、第2の特定ユーザに、特典が付与されることを示すための表示情報、例えば特典案内画面12を生成する。このような態様によれば、定期購入サービスを継続する可能性が高い顧客を優良顧客として育成し、囲い込むことにより、売上の安定化を図ることができる(ステップS008)。
【0048】
さらに、情報処理装置3における記憶部32に少なくとも一時的に記憶される予測結果9(図10参照)に基づいて、第1の抽出部335は、定期購入サービスを利用しているユーザの中から、解約可能性TPが所定の確率以上である第1の特定ユーザを抽出する(ステップS007)。ここで、所定の確率とは、例えば、50,55,60,65,70,75,80,85,90,95,100%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0049】
その後、第1の生成部336は、第1の特定ユーザの予測された解約理由TRと、予め設定された第2の参照情報10(図11参照)とに基づいて、第1の特定ユーザに、所定の提案をするための表示情報、例えば提案画面11(図12参照)を生成する。ここで、所定の提案は、定期購入サービスの利用継続を促すための提案である。このような態様によれば、予測された解約理由から顧客の真の要望を類推し、顧客が納得するサービスを提案することにより、顧客との信頼関係の構築を図り、サービスの継続利用から継続的な利益を得ることができる(ステップS009)。
【0050】
なお、第2の参照情報10(図11参照)は、解約の要因TFと、提案内容SCと、解約防止率PRとが対応付けられた情報であることが好ましい。このような態様によれば、解約の防止に確実に効果があるサービスを顧客に提案することができる。
【0051】
以上をまとめると、本実施形態の情報処理方法は、管理ステップと、受付ステップと、予測ステップとを備える。管理ステップでは、定期購入サービスを利用するユーザのユーザ情報4を管理する。受付ステップでは、ユーザからアンケート6の回答を受け付ける。ここで、ユーザは、所定の商品ACの定期購入をしており、アンケート6は、商品ACに関する質問Qを含む。予測ステップでは、アンケート6の回答Aと、予め設定された第1の参照情報8とに基づいて、ユーザが定期購入サービスを解約する解約可能性TPと、解約理由TRとを予測する。
【0052】
本実施形態によれば、商品ACの定期購入をしている顧客の商品ACに対する感想や意見に基づいて、顧客の解約リスクを的確に検出することができる。
【0053】
3.2 具体例
ここまで、図14のフローチャートに沿って、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを説明してきたが、以下では、図面を参照しながら、具体例を挙げて、情報処理システム1によって実行される情報処理を説明することとする。
【0054】
ここで、説明の都合上、ユーザは、図4のユーザ情報4において氏名UNが「aa aaa」として示されているユーザ(以下、ユーザaaと略称する)であるとし、上記で説明したステップS001~ステップS003を経て、ステップS004において情報処理装置3からユーザaaのユーザ端末2にアンケート6が送信された場合を想定する。
【0055】
図6には、ユーザaaがアンケート6に対して入力した回答Aが示されている。すなわち、ユーザaaは、商品ACの価格に対する満足度を問う質問Q1に対して「E:不満」という回答A1、商品ACの効果に対する満足度を問う質問Q2に対して「D:やや不不満」という回答A2、商品ACの量に対する感想を問う質問Q3に対して「D:やや不足」という回答A3を選択している。
【0056】
これらの回答Aは、受付部331が受け付けた後(ステップS005)、予測部334により、予め設定された不図示の参照情報に基づいてスコア化される。ここで、スコア化とは、例えば、質問事項の重要度に基づいて各質問Qに重み付けをするとともに、各質問Qの各回答Aに対して点数を割り当てることである。
【0057】
図6のアンケート6を用いて、スコア化の例を説明することとする。まず、定期購入サービスの利用継続および解約に影響を与える要因である商品ACの価格、効果および量の重要度に基づいて、価格に関する質問Q1に「10」、効果に関する質問Q2に「7」、量に関する質問Q3に「3」という重み付けをする。また、質問Q1の選択肢「A」に5点、選択肢「B」に4点、選択肢「C」に3点、選択肢「D」に2点、選択肢「E」に1点、質問Q2の選択肢「A」に5点、選択肢「B」に4点、選択肢「C」に3点、選択肢「D」に2点、選択肢「E」に1点、質問Q3の選択肢「A」に2点、選択肢「B」に4点、選択肢「C」に5点、選択肢「D」に3点、選択肢「E」に1点を割り当てる。図6に示されるアンケート6の回答Aに対して、このスコア化を適用することにより算出されるスコアは、質問Q1のスコアが10×1=10点、質問Q2のスコアが7×2=14点、質問Q3のスコアが3×3=9点となり、合計で33点となる。
【0058】
一方、このスコア化は、解約者のアンケート6の回答TAについてもなされており、図7の解約者情報7にスコアTXが含まれている。そして、図7の解約者情報7から、スコアTXに対して解約者の割合TYを求めることにより、図8の第1の参照情報8が得られる。さらに、図8の第1の参照情報8に最小二乗法を適用することにより、図9の回帰直線TKが求められる。
【0059】
予測部334は、図9の回帰直線TKの式に、ユーザaaのアンケート6の回答Aを上述のようにスコア化して得られた値「33」を代入することにより、解約可能性TPが「90%」であると予測する(図10参照)(ステップS006)。
【0060】
また、予測部334は、スコア化において重み付けを掛ける前の値が最も低いのは、1点の選択肢「E」が選ばれている質問Q1であることから、ユーザaaの解約理由は、「価格」であると予測する(図10参照)(ステップS006)。
【0061】
ここで、第1の抽出部335は、解約可能性TPが80%以上である第1の特定ユーザを抽出すると想定すると、ユーザaaは解約可能性TPが90%であるため、第1の抽出部335は、ユーザaaを第1の特定ユーザとして抽出する(ステップS007)。
【0062】
その後、第1の生成部336は、第1の特定ユーザであるユーザaaの予測された解約理由TRと、第2の参照情報10(図11参照)とに基づいて、提案画面11(図12参照)を生成する。詳細には、ユーザaaが定期購入している商品ACは「A」であり、予測された解約理由TRは「価格」であることから、図11の第2の参照情報10のうち第2行の情報に基づき、「Xへの変更を提案」するための表示情報として提案画面11(図12参照)が生成される(ステップS009)。このように、提案には、商品ACを変更する提案が含まれることが好ましい。このような態様によれば、顧客のニーズにより合致した的確な商品ACを提案することにより、サービスの利用継続を促すことができる。
【0063】
ここで、図12の提案画面11は、好ましい提案画面11の一例である。図12の提案画面11では、提案の概要111として、ユーザaaに推奨される商品ACのサンプルを送付する提案であることを示す情報が記載されている。すなわち、商品ACを変更する提案には、ユーザに推奨される商品ACのサンプルを送付する提案が含まれることが好ましい。このような態様によれば、推奨される商品ACを顧客に実際に使用させて、その商品ACの魅力を伝えることにより、その商品ACで定期購入サービスを継続して利用するように促すことができる。
【0064】
また、図12の提案画面11では、提案の詳細112として、推奨される商品名CNが「X」の商品ACに関する情報が記載されている。なお、提案の詳細112は、管理部332が管理する商品情報5(図5参照)に基づき生成された情報である。さらに、図12の提案画面11では、提案の詳細113として、商品ACの使用法が記載された小冊子がサンプルとともに送付されることを示す情報が記載されている。このように、サンプル送付とともに、商品ACの魅力を伝えるための付随的なサービスが提案されてもよい。
【0065】
さらに、図12に示される提案画面11では、提案されたサービスをユーザが申し込むことができるように、ボタン114が設けられている。すなわち、ユーザaaは、ボタン114を押下することにより、提案されたサービスの提供を受けるための手続きを進めることができる。このように、第1の生成部336が生成する表示情報の一例である提案画面11は、提案されたサービスの申し込みを可能にするオブジェクトを含むことが好ましい。
【0066】
次に、ユーザは、図10の予測結果9において氏名UNが「dd ddd」として示されているユーザ(以下、ユーザddと略称する)であるとし、上記で説明したステップS001~ステップS005を経て、ステップS006において、解約可能性TPが「5%」と予測された場合について、具体的に説明することとする。
【0067】
まず、ステップS007において、第2の抽出部335は、解約可能性TPが20%以下である第2の特定ユーザを抽出すると想定すると、ユーザddは解約可能性TPが5%であるため、第2の抽出部335は、ユーザddを第2の特定ユーザとして抽出する(ステップS007)。
【0068】
その後、第2の生成部336は、特典案内画面12(図13参照)を生成する。詳細には、商品ACの推奨を内容とする投稿をした場合に特典が付与されることを示すための表示情報として特典案内画面12(図13参照)が生成される(ステップS008)。このように、第2の生成部336は、第2の特定ユーザに、商品ACの推奨を内容とする投稿をした場合に特典が付与されることを示すための表示情報、例えば特典案内画面12を生成することが好ましい。このような態様によれば、定期購入サービスを継続する可能性が高い顧客に、クチコミやレビュー等を通じて商品ACについての感想や意見を発信してもらうことにより、商品ACの認知度、ひいては売上を向上させることができる。
【0069】
ここで、図13の特典案内画面12は、好ましい特典案内画面12の一例である。図13の特典案内画面12では、特典概要121として、特典の付与には、商品ACに対する感想の投稿が必要であることを示す情報が記載されている。さらに、図13の特典案内画面12では、特典の詳細122として、投稿によりユーザddにポイントが付与されることを示す情報が記載されている。すなわち、特典には、ポイントに関する特典が含まれることが好ましい。ここで、ポイントは、金銭的価値を有するものである。このような態様によれば、ポイントという顧客が利用しやすい特典を付与することにより、サービスの継続利用により得られるメリットを顧客に明確に提示することができる。
【0070】
なお、金銭的価値を有するポイントPIは、例えば、複数の店舗間や異業種の店舗間で同じポイントを貯めることのできる共通ポイントであってもよいし、商品ACの販売を行う事業者が運営する独自のポイントであってもよい。また、ポイントに関する特典には、ポイントの付与だけでなく、ポイント付与率の向上等も含まれる。
【0071】
さらに、図13に示される特典案内画面12では、投稿フォームに遷移できるように、ボタン123が設けられている。すなわち、ユーザddは、ボタン123を押下することにより、ユーザ端末2に投稿フォームを表示させることができる。このように、第2の生成部336が生成する表示情報の一例である提案画面11は、投稿フォームへの遷移を可能にするオブジェクトを含んでいてもよい。また、これに代わって、特典案内画面12に投稿欄が設けられていてもよい。
【0072】
なお、投稿として、例えば、クチコミやレビューを専門に扱うウェブサイトへのコメントの投稿、Instagram、Facebook、Twitter等のソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service:SNS)への投稿、ホームページやブログへのコメントの投稿、クチコミを専門に扱うモバイルアプリケーションへの投稿、商品ACの販売を行う事業者が運用するモバイルアプリケーションへの投稿が挙げられる。また、好ましい投稿先として複数が考えられる場合、特典案内画面12は、複数の投稿先の中から、ユーザが自由に投稿先を選択できるように構成されていてもよい。
【0073】
続いて、予測部334により実行される予測ステップ(ステップS006)の変形例について以下詳述することとする。
【0074】
予測部334は、ユーザ情報4に含まれるユーザの属性Uにさらに基づいて、解約可能性TPと、解約理由TRとを予測することが好ましい。ここで、ユーザの属性Uとは、図4に示されるように、例えば、氏名UN、メールアドレスUM、住所UL、性別US、年齢UAおよび職業UCである。また、図示はされていないが、ユーザの属性Uには、ライフスタイルに関する事項が含まれてもよい。このような態様によれば、購買行動に影響を与え得る個人的要因を考慮することにより、解約の予測精度をさらに高めることができる。
【0075】
予測部334は、商品の属性Cにさらに基づいて、解約可能性TPと、解約理由TRとを予測することが好ましい。ここで、商品の属性Cとは、例えば、管理部332が管理する商品情報5に含まれ、図5に示されるように、種類CC、商品名CN、特徴CF、量CQおよび価格CPである。このような態様によれば、顧客と商品との相性を考慮することにより、解約の予測精度をさらに高めることができる。
【0076】
予測部334は、ユーザが定期購入サービスを利用している期間、例えば購入期間BPにさらに基づいて、解約可能性TPと、解約理由TRとを予測することが好ましい。ここで、購入期間BPとは、例えば、図4に示されるように、ユーザ情報4の一部として、管理部332が管理する情報である。このような態様によれば、解約リスクと相関関係があると考えられる購入期間BPを考慮することにより、解約の予測精度をさらに高めることができる。
【0077】
予測部334は、上記のユーザaaを例に挙げた具体的説明では、単回帰分析により回帰曲線TKを求めて解約可能性TPの予測を行っているが、1次関数である回帰曲線TKが採用されたのは一例であり、n次関数(n≧2)、指数関数、対数関数、またはこれらの級数和等といった回帰曲線が採用されてもよい。また、アンケート6の回答Aから算出されたスコアTX以外の多数の項目、例えば、ユーザの属性U、商品の属性C、購入期間BP等を説明変数として設定する場合、重回帰分析により予測を行うことができる。しかしながら、重回帰分析は、利用できるデータの数が限られ、欠損データやばらつきが大きいデータの取り扱いには適さないため、機械学習による予測がより好ましい。すなわち、予測部334により実行される予測ステップ(ステップS006)において、第1の参照情報8は、機械学習により生成または更新されることが好ましい。このような態様によれば、膨大なデータに基づく、より精度の高い予測を実現することができる。
【0078】
4.その他
情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0079】
受付部331は、ユーザからアンケート6の回答Aを所定の間隔で受け付けてもよい。ここで、アンケート6は、所定の間隔で実施される。本態様において、予測部334は、ユーザから所定の期間に受け付けた全てのアンケート6の回答Aと、第1の参照情報8とに基づいて、解約可能性TPと、解約理由TRとを予測する。例えば、商品ACの2回目以降の配送と同じタイミングで、毎回アンケート6を実施し、実施した全てのアンケート6の回答Aに基づいて、解約可能性TPと、解約理由TRとを予測してもよい。このような態様によれば、顧客の商品ACに対する感想や意見を累積的に評価することにより、顧客が将来的に解約する可能性を的確に把握することができる。
【0080】
情報処理システム1は、収集部333をさらに備えてもよい。収集部333は、インターネット上の販売情報を収集するように構成される。ここで、販売情報は、商品ACと同じ種類CCに属する商品の販売状況に関する情報である。本態様において、予測部334は、販売情報にさらに基づいて、解約可能性TPと、解約理由TRとを予測する。例えば、収集部333は、ウェブクローラー技術により、インターネット上の販売情報を収集するように構成されることが好ましい。このような態様によれば、競合他社のサービスの台頭により顧客離れが起きるリスクを的確に検出することができる。
【0081】
商品ACの変更を提案するための提案画面11において、推奨される商品ACとして、複数の商品ACが示されてもよい。また、これらの複数の商品ACは、解約防止率PRに基づいて推奨される順序が定められ、提案画面11において、この順序に従って表示されることが好ましい。
【0082】
定期購入サービスの利用継続を促すための提案には、商品ACの数量QAまたは商品ACを届ける間隔を変更する提案が含まれてもよい。このような態様によれば、定期的に届けられる商品ACの数量QAに不満がある顧客に対して、顧客の商品ACの使用量や使用頻度に合ったサービスへの変更を提案することができる。
【0083】
第2の参照情報10は、上記では、ルックアップテーブル等のデータベースであるものとして説明したが、あくまでも一例でありこの限りではない。さらに、第2の参照情報10は、そもそもルックアップテーブル等のデータベースに限定されず、複数の情報を数学的に関係づけた数理モデルでもよい。第2の参照情報10は、過去のサンプルデータ、またはサービス運営とともに新たに追加されるサンプルデータを教師データとした機械学習により生成または更新されることが、さらに好ましい。
【0084】
第2の特定ユーザに示される特典には、クーポン配信、商品ACの割引価格の設定、新しい商品ACの先行販売、新しい商品ACの発表会やイベントへの招待、商品ACや通販に関する問い合わせに応じるコンシェルジュサービスの提供、各種手数料の無料化、送料の無料化、当日発送、当日配送、商品ACの生産工場等を訪れる体験ツアーへの招待、壁紙等のデジタルインセンティブの配布等、ユーザにとって得になるあらゆるサービスが含まれる。
【0085】
アンケート6は、紙のアンケート6であってもよい。紙のアンケート6として、例えば、封書、はがき、ファックス用紙等が用いられる。紙のアンケート6は、例えば、商品ACを配送する際に同梱してもよいし、通販カタログ等に同封してもよい。
【0086】
アンケート6は、商品ACの配送用の箱や説明書に設けられたQRコード(登録商標)等からアクセス可能に作製されていてもよい。
【0087】
ユーザ情報4として登録されているユーザのメールアドレスUM宛にアンケート依頼メールを送信してもよい。この態様では、アンケート依頼メールに、アンケート6にアクセス可能なURLを記載することが好ましい。
【0088】
本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。このプログラムは、コンピュータに、情報処理システム1の各ステップを実行させる。
【0089】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、前記第1の参照情報は、前記定期購入サービスをすでに解約している解約者からの前記アンケートの回答と、前記解約者の解約理由とに基づき生成された情報である、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記予測ステップでは、前記ユーザ情報に含まれる前記ユーザの属性にさらに基づいて、前記解約可能性と、前記解約理由とを予測する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記予測ステップでは、前記商品の属性にさらに基づいて、前記解約可能性と、前記解約理由とを予測する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記予測ステップでは、前記ユーザが前記定期購入サービスを利用している期間にさらに基づいて、前記解約可能性と、前記解約理由とを予測する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記受付ステップでは、前記ユーザから前記アンケートの回答を所定の間隔で受け付け、前記アンケートは、前記所定の間隔で実施され、前記予測ステップでは、前記ユーザから所定の期間に受け付けた全ての前記アンケートの回答と、前記第1の参照情報とに基づいて、前記解約可能性と、前記解約理由とを予測する、もの。
前記情報処理システムにおいて、収集ステップをさらに実行するように構成され、前記収集ステップでは、インターネット上の販売情報を収集するように構成され、ここで、前記販売情報は、前記商品と同じ種類に属する商品の販売状況に関する情報であり、前記予測ステップでは、前記販売情報にさらに基づいて、前記解約可能性と、前記解約理由とを予測する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第1の参照情報は、機械学習により生成または更新される、もの。
前記情報処理システムにおいて、第1の抽出ステップと、第1の生成ステップとをさらに実行するように構成され、前記第1の抽出ステップでは、前記定期購入サービスを利用しているユーザの中から、前記解約可能性が所定の確率以上である第1の特定ユーザを抽出し、前記第1の生成ステップでは、前記第1の特定ユーザの予測された前記解約理由と、予め設定された第2の参照情報とに基づいて、前記第1の特定ユーザに、所定の提案をするための表示情報を生成し、ここで、前記所定の提案は、前記定期購入サービスの利用継続を促すための提案である、もの。
前記情報処理システムおいて、前記第2の参照情報は、解約の要因と、提案内容と、解約防止率とが対応付けられた情報である、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記提案には、前記商品を変更する提案が含まれる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記商品を変更する提案には、前記ユーザに推奨される商品のサンプルを送付する提案が含まれる、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記提案には、前記商品の数量または前記商品を届ける間隔を変更する提案が含まれる、もの。
前記情報処理システムにおいて、第2の参照情報は、機械学習により生成または更新される、もの。
前記情報処理システムにおいて、第2の抽出ステップと、第2の生成ステップとをさらに実行するように構成され、前記第2の抽出ステップでは、前記定期購入サービスを利用しているユーザの中から、前記解約可能性が所定の確率以下である第2の特定ユーザを抽出し、前記第2の生成ステップでは、前記第2の特定ユーザに、特典が付与されることを示すための表示情報を生成する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記特典には、ポイントに関する特典が含まれ、ここで、前記ポイントは、金銭的価値を有する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記第2の生成ステップでは、前記第2の特定ユーザに、前記商品の推奨を内容とする投稿をした場合に特典が付与されることを示すための表示情報を生成する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記商品は、化粧品である、もの。
情報処理方法であって、前記情報処理システムの各ステップを備える、方法。
プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0090】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0091】
1 :情報処理システム
2 :ユーザ端末
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :受付部
332 :管理部
333 :収集部
334 :予測部
335 :抽出部
336 :生成部
4 :ユーザ情報
5 :商品情報
6 :アンケート
7 :解約者情報
8 :第1の参照情報
9 :予測結果
10 :第2の参照情報
11 :提案画面
111 :概要
112 :詳細
113 :詳細
114 :ボタン
12 :特典案内画面
121 :特典概要
122 :詳細
123 :ボタン
A :回答
A1 :回答
A2 :回答
A3 :回答
AC :商品
B :選択肢
BP :購入期間
C :商品の属性
CC :種類
CF :特徴
CN :商品名
CP :価格
CQ :量
D :選択肢
E :選択肢
PI :ポイント
PR :解約防止率
Q :質問
Q1 :質問
Q2 :質問
Q3 :質問
QA :購入数量
SC :提案内容
TA :回答
TC :職業
TF :解約の要因
TK :回帰直線
TL :住所
TN :氏名
TO :年齢
TP :解約可能性
TR :解約理由
TS :性別
TX :スコア
TY :割合
U :ユーザの属性
UA :年齢
UC :職業
UL :住所
UM :メールアドレス
UN :氏名
US :性別
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14