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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131819
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】食品用包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20220831BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
B65D33/00 Z
B65D33/00 C
B65D85/50 140
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021030965
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】520495906
【氏名又は名称】株式会社カナオカホールディングス
(71)【出願人】
【識別番号】595155439
【氏名又は名称】伊藤忠プラスチックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081949
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 欣正
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 孝行
(72)【発明者】
【氏名】船木 淳
(72)【発明者】
【氏名】大金 優一
(72)【発明者】
【氏名】花上 充孝
【テーマコード(参考)】
3E035
3E064
【Fターム(参考)】
3E035AA09
3E035AA10
3E035AA20
3E035BA08
3E035BB08
3E035BC02
3E035CA04
3E035CA08
3E064AA09
3E064BA21
3E064BC18
3E064EA30
3E064FA01
3E064GA04
3E064HM03
3E064HN06
3E064HP04
3E064HU10
(57)【要約】
【課題】 捲り開封時にバランステープ5が捲り側フィルム側につられて剥がれてしまうことを防止する。
【解決手段】 一端同士を重ね合わせた状態で捲り側フィルム2と非捲り側フィルム1が接合されたフィルム基体からなり、接合は捲り側フィルムの先端を開封のための捲り代3として残した状態で幅方向を縦断するヒートシール線S1により行われ、他端同士は合掌状に突き合わせてヒートシールにより接合され、両フィルムの左右の両開放端はヒートシールにより封止される食品用包装袋のフィルム基体の厚みの不均衡を解消するためのヒートシール性を有するバランステープ5の一部を捲り側フィルムと、非捲り側フィルムとの合掌箇所2A、1Aに位置するように配する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端同士を重ね合わせた状態で捲り側フィルムと非捲り側フィルムが接合されたフィルム基体からなり、
上記の接合は捲り側フィルムの先端を開封のための捲り代として残した状態で幅方向を縦断するヒートシール線により行われ、
他端同士は合掌状に突き合わせてヒートシールにより接合され、
両フィルムの左右の両開放端はヒートシールにより封止され、
フィルム基体を切り出す前の長尺状のフィルム基体を巻き取る段階で、上記重ね合わせ箇所の盛り上がりによるフィルム基体の厚みの不均衡を解消するために、製袋時に袋の内側になる捲り側フィルムの面と、同じく非捲り側フィルムの面に接着されるヒートシール性を有する帯状のバランステープを有する、
合成樹脂フィルム製の食品用包装袋において、
捲り側フィルムに接着されるバランステープを、その一部が捲り側フィルムと、非捲り側フィルムとの合掌箇所に位置するように配したことを特徴とする食品用包装袋。
【請求項2】
捲り側フィルムに接着される帯状のバランステープの幅方向の一部を捲り側フィルムと、非捲り側フィルムとの合掌箇所に位置するように配した請求項1記載の食品用包装袋
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、例えばおむすびや寿司、サンドイッチなどの固形の食品を収容するための食品用包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
手持ちして食べることができるおむすびや寿司、サンドイッチなどの固形の食品に関しては、包装袋から完全に取り出さないで、包装袋の一部を開封して食品を露出し、残余の部分に食品を残したまま包装袋越しに食品を手持ちすると、手を汚さずにて食べることできて便利である。
【0003】
前記の包装袋として、一端同士を重ね合わせた状態で捲り側フィルムと非捲り側フィルムが接合されたフィルム基体からなり、上記の接合は捲り側フィルムの先端を開封のための捲り代として残した状態で幅方向を縦断するヒートシール線により行われ、他端同士は合掌状に突き合わせてヒートシールにより接合され、両フィルムの左右の両開放端はヒートシールにより封止される食品用包装袋が公知である(特許文献1)。
【0004】
図12図19は前記の食品用包装袋を説明するための図である。この食品用包装袋は次の工程により製造される。
【0005】
図12および図13は食品用包装袋を構成するフィルム基体Yを示す図である。このフィルム基体Yは合成樹脂フィルム製の捲り側フィルム12と非捲り側フィルム11を接合した構成よりなる。上記両フィルムは一端同士を重ね合わせた状態で接合されるが、その際に捲り側フィルム12の先端を開封のための捲り代13として残した状態で、捲り側フィルムの先端より後退した位置を幅方向を縦断するヒートシール線S10により接合する。
【0006】
前記のフィルム基体Yは筒状に折り曲げて他端11A、12A同士を合掌状に突き合わせてヒートシールにより接合する(図14参照)。ついで、筒の一方の開口端をヒートシール線S20により封止し、袋状とする(図15および図16参照)。
【0007】
次いで、筒の他方の開口端から食品Fを内部に収容し(図17参照)、他方の開口端をヒートシール線S30により封止し(図18参照)、この状態で包装入り食品として流通に供する。
【0008】
前記の包装入り食品は購買者において捲り側フィルム12の捲り代13を摘んで捲りながら引き離すことにより、シール線S20、S30により接着されていた袋の両側の封止、ヒートシール線S10により接着されていた捲り側フィルムと非捲り側フィルムの接着が外れて、食品Fを包んでいる非捲り側フィルムに対して捲り側フィルムを大きく捲られて食品の一部が露出する(図19参照)。
【0009】
前記の食品用包装袋の実際の製造にあたってはフィルム基体Yは幅方向が連続した状態の長尺状に製造され、それを供給ロールに巻き取り、供給ロールから供給されるものを個々の製品寸法に切り出す。この場合、上記重ね合わせ箇所の盛り上がりによるフィルム基体の厚みの不均衡があるとフィルム基体を巻き取る段階で、重ね合わせ箇所が位置する中央部と左右の厚さが不均衡になり巻き径が不均衡になり皺などが生じるおそれがある。
【0010】
そのため、製袋時に袋の内側になる捲り側フィルム12の面と、同じく非捲り側フィルム11に接着されるヒートシール性を有する帯状のバランステープ15、14を配していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第5764280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記の従来技術においては、図11に示すように製袋時において捲り側フィルム12に接着されるバランステープ15は両端部のシール線S2、S3により上下に重ねられた捲り側フィルム間に接着されることとなる。そのため、捲り側フィルム12を捲って上下に重ねられた捲り側フィルムを引き剥がすと、本来、捲り側フィルムの非捲り側フィルム11との接合箇所に近い位置に接着されていたバランステープ15は重ねられた捲り側フィルム側につられて剥がれてしまいゴミとなる問題が生じた。
【0013】
前記の問題を解消するためには、重ねられた捲り側フィルム側に接着されないようにバランステープ15を片面シール性のものとすればよいが、そうした場合は袋の両端においてバランステープ箇所において非シール部が生じて異物の混入を防げない問題が生じた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明は前記の問題を解消した食品用包装袋を提供することを目的として創作されたものである。
【0015】
すなわち、本願発明は、
一端同士を重ね合わせた状態で捲り側フィルムと非捲り側フィルムが接合されたフィルム基体からなり、
上記の接合は捲り側フィルムの先端を開封のための捲り代として残した状態で幅方向を縦断するヒートシール線により行われ、
他端同士は合掌状に突き合わせてヒートシールにより接合され、
両フィルムの左右の両開放端はヒートシールにより封止され、
フィルム基体を切り出す前の長尺状のフィルム基体を巻き取る段階で、上記重ね合わせ箇所の盛り上がりによるフィルム基体の厚みの不均衡を解消するために、製袋時に袋の内側になる捲り側フィルムの面と、同じく非捲り側フィルムの面に接着されるヒートシール性を有する帯状のバランステープを有する、
合成樹脂フィルム製の食品用包装袋において、
捲り側フィルムに接着されるバランステープを、その一部が捲り側フィルムと、非捲り側フィルムとの合掌箇所に位置するように配したことを特徴とする。
【0016】
また、請求項2記載の発明は前記の食品用包装袋において、捲り側フィルムに接着される帯状のバランステープの幅方向の一部を捲り側フィルムと、非捲り側フィルムとの合掌箇所に位置するように配したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上の構成からなる本願発明の食品用包装袋においては、捲り側フィルムに接着されるバランステープは、その一部が捲り側フィルムと、非捲り側フィルムとの合掌箇所に位置するように配されるので、合掌箇所において捲り側フィルムと非捲り側フィルム間に挟まれて接着されることとなり、重ねられた捲り側フィルム側につられて剥がれてしまうことが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本願発明の食品用包装袋の展開状態の断面図。
図2】同上、展開状態の平面図。
図3】同上、断面図。
図4】同上、使用過程の断面図。
図5】同上、開封過程の断面図。
図6】同上、開封過程の断面図。
図7】同上、製袋過程の斜視図。
図8】同上、製袋過程の斜視図。
図9】同上、使用過程の斜視図。
図10】同上、使用過程の斜視図。
図11】同上、開封過程の斜視図。
図12】従来技術の食品用包装袋の展開状態の断面図。
図13】同上、展開状態の平面図。
図14】同上、製袋過程の斜視図。
図15】同上、製袋過程の斜視図。
図16】同上、製袋過程の断面図。
図17】同上、使用過程の斜視図。
図18】同上、開封過程の斜視図。
図19】同上、開封過程の斜視図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本願発明の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。ここでは、包装する食品としておむすびを想定した食品用包装袋を例にとり説明することとする。この包装袋は一端同士を重ね合わせた状態で捲り側フィルムと非捲り側フィルムが接合されたフィルム基体からなり、上記の接合は捲り側フィルムの先端を開封のための捲り代として残した状態で幅方向を縦断するヒートシール線により行われ、他端同士は合掌状に突き合わせてヒートシールにより接合され、両フィルムの左右の両開放端はヒートシールにより封止される公知の食品用包装袋を改良したものである。
【0020】
図1図11は本願発明の前記の食品用包装袋を説明するための図である。この食品用包装袋は次の工程により製造される。
【0021】
図1および図2は包装袋を構成するための製袋前のフィルム基体Xを示す図である。このフィルム基体Yは合成樹脂フィルム製の捲り側フィルム2と非捲り側フィルム1を接合した構成よりなり、ここでは合成樹脂フィルムとして易開封シール性を有するPPフィルムを採用している。上記両フィルムは一端同士を重ね合わせた状態で接合されるが、その際に捲り側フィルム2の先端を開封のための捲り代3として残した状態で、捲り側フィルムの先端より後退した位置を幅方向を縦断するヒートシール線S1により接合する。
【0022】
前記の食品用包装袋の製造にあたってはフィルム基体Yは幅方向が連続した状態の長尺状に製造されるとともに、文字や図柄が印刷され、それを供給ロールに巻き取り、供給ロールから供給されるものを個々の製品寸法に切り出す。この場合、上記重ね合わせ箇所の盛り上がりによるフィルム基体の厚みの不均衡があるとフィルム基体を巻き取る段階で、重ね合わせ箇所が位置する中央部と左右の厚さが不均衡になり巻き径が不均衡になり皺などが生じるおそれがある。
【0023】
そのため、製袋時に袋の内側になる捲り側フィルム2の面と、同じく非捲り側フィルム1に接着されるヒートシール性を有する帯状のバランステープ5、4を配する。このうちの、製袋時に袋の内側になる捲り側フィルム2の面に接着される帯状のバランステープ5はその一部が捲り側フィルムと、非捲り側フィルムとの後記する合掌箇所に位置するように配される。ここではバランステープ5の幅方向の一部5Aを捲り側フィルム2の非捲り側フィルム1との合掌箇所2Aに位置するように配する(図3参照)。
【0024】
前記のフィルム基体Xは筒状に折り曲げて他端1A、2A同士を合掌状に突き合わせてヒートシールにより接合する(図3参照)。この際に、前記した捲り側フィルム2に接着されるバランステープ5は、その幅方向の一部5Aが捲り側フィルムと、非捲り側フィルムとの合掌箇所に位置するように配されるので、合掌箇所において捲り側フィルムの合掌箇所2Aと非捲り側フィルムの合掌箇所1A間に挟まれて接着されることとなり、開封時に重ねられた捲り側フィルム側につられて剥がれてしまうことが防止される。
【0025】
筒状となったフィルム基体Xの一方の開口端はヒートシール線S2により封止され、袋状となる(図5参照)。
【0026】
次いで、筒の他方の開口端から食品Fを内部に収容し(図9参照)、他方の開口端をヒートシール線S3により封止し(図10参照)、この状態で包装入り食品として流通に供する。
【0027】
前記の包装入り食品は購買者において捲り側フィルム2の捲り代3を摘んで捲りながら引き離すことにより、シール線S2、S3により接着されていた袋の両側の封止、ヒートシール線S1により接着されていた捲り側フィルムと非捲り側フィルムの接着が外れて、食品Fを包んでいる非捲り側フィルムに対して捲り側フィルムを大きく捲って食品の一部が露出する(図5および図6図11参照)。
【0028】
その結果、食品Fを包装袋から完全に取り出さないで、包装袋の一部を開封して食品を露出し、残余の部分に食品を残したまま包装袋越しに食品を手持ちすれば、手を汚さずに食べることできる。
【符号の説明】
【0029】
X フィルム基体
1 非捲り側フィルム
1A 非捲り側フィルムの合掌箇所
2 頂捲り側フィルム
2A 側捲り側フィルムの合掌箇所
3 捲り代
4 バランステープ
5 バランステープ
5A バランステープの幅方向の一部
S1 ヒートシール線
S2 ヒートシール線
S3 ヒートシール線
F 食品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19