(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131884
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】表面処理セルロースパウダー及び配合化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/73 20060101AFI20220831BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20220831BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20220831BHJP
A61K 8/64 20060101ALI20220831BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/25
A61K8/36
A61K8/64
A61Q1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031078
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】513103276
【氏名又は名称】黒田総合技研株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391015373
【氏名又は名称】大東化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100214363
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】黒田 章裕
(72)【発明者】
【氏名】後藤 武弘
(72)【発明者】
【氏名】西岡 春香
(72)【発明者】
【氏名】小田 弥生
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB332
4C083AB352
4C083AB371
4C083AB432
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC241
4C083AC272
4C083AC342
4C083AC532
4C083AC662
4C083AC782
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD261
4C083AD262
4C083AD411
4C083BB25
4C083CC12
4C083CC14
4C083DD17
4C083DD27
4C083DD33
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】セルロースパウダーの表面を、ケイ酸とアルギン酸と脂肪酸とジラウロイルグルタミン酸リシンのカルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる塩で被覆したことを特徴とする表面処理セルロースパウダーを用いることで、化粧料中に多量に配合が可能となり、感触に優れ、皺やキメ、毛穴の隠蔽効果にも優れた化粧料が得られる。
【解決手段】ケイ酸、アルギン酸、脂肪酸及びジラウロイルグルタミン酸リシンの、それぞれのカルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の金属の塩で、セルロースパウダーの表面を被覆してなる表面処理セルロースパウダー。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ酸、アルギン酸、脂肪酸及びジラウロイルグルタミン酸リシンの、それぞれのカルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の金属の塩で、セルロースパウダーの表面を被覆してなる表面処理セルロースパウダー。
【請求項2】
セルロースパウダーの100質量部に対する、ケイ酸、アルギン酸、脂肪酸及びジラウロイルグルタミン酸リシンの酸の、カルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の金属の塩の質量の合計が10~60質量部である請求項1に記載の表面処理セルロースパウダー。
【請求項3】
表面処理セルロースパウダーは、不定形状物の表面処理セルロースパウダーと、球状物の表面処理セルロースパウダーの混合物である請求項1又は2に記載の表面処理セルロースパウダー。
【請求項4】
表面処理セルロースパウダーの乾燥物を、500℃で5時間加熱した後の強熱残分(無機物質)が、加熱前の表面処理セルロースパウダーの乾燥物に対して、3.0~10.0質量%である請求項1~3のいずれかに記載の表面処理セルロースパウダー。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の表面処理セルロースパウダーを配合した化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースパウダーの表面を、ケイ酸、アルギン酸、脂肪酸及びジラウロイルグルタミン酸リシンの酸の、カルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の金属の塩で被覆したことを特徴とする表面処理セルロースパウダー及びその配合化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、本発明の技術的背景について説明する。
セルロースパウダーは現在、マイクロプラスチックに関する環境問題の高まりに対応した自然素材として大変注目を集めている。しかし、皮膚への付着性が悪く、化粧塗膜がきれいに見えない、化粧の収まりが悪いなどの問題を抱えている。また、水と油を含む製剤中で軟凝集体を形成する場合があり、製剤の安定性面でも問題を抱えている。
セルロースパウダーは特許文献1にあるような医薬品錠剤の賦形剤として利用されてきた歴史があり、圧縮により成形性が良い(固まりやすい)特性を有している。
これを化粧品に適合させるために、特許文献2のような顔料内包球状セルロースパウダー、特許文献3のような粒子径を制御したセルロースパウダー、特許文献4のように表面に多孔性を付与したセルロースパウダーなど、各種の検討が続けられてきた。これらの努力にもかかわらず、化粧料、特にメイクアップ化粧料では専用処方を開発しない限り、少量添加する程度の利用に留まっており、抜本的にセルロースの基本特性を改質しないと、多量に添加することができず、使用量が増えない問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-28101号公報
【特許文献2】特開2007-56086号公報
【特許文献3】特許第3032531号公報
【特許文献4】特開昭61-100514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セルロースの問題点を整理すると、粒子径が一般的に化粧品で用いられる粉体と比べてかなり大きいこと、皮膚への付着性が乏しいこと、液状化粧料中での安定性の問題が挙げられ、これらを解決した上で、さらに感触も優れたものにする必要があった。粒子径が大きいことについては、化学的処理と物理的な粉砕を併用することにより解決は可能であるものの、セルロースパウダー自体のコストが高く、その上にさらにコストがかかると、化粧品業界にとって受け入れ難いものになってしまうため、粒子径が大きいまま、皮膚への付着性、液状化粧料中での安定性、及び感触を向上させる必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、下記を発明した。
1.ケイ酸、アルギン酸、脂肪酸及びジラウロイルグルタミン酸リシンの、それぞれのカルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の金属の塩で、セルロースパウダーの表面を被覆してなる表面処理セルロースパウダー。
2.セルロースパウダーの100質量部に対する、ケイ酸、アルギン酸、脂肪酸及びジラウロイルグルタミン酸リシンの酸の、カルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の金属の塩の質量の合計が10~60質量部である1に記載の表面処理セルロースパウダー。
3.表面処理セルロースパウダーは、不定形状物の表面処理セルロースパウダーと、球状物の表面処理セルロースパウダーの混合物である1又は2に記載の表面処理セルロースパウダー。
4.表面処理セルロースパウダーの乾燥物を、500℃で5時間加熱した後の強熱残分(無機物質)が、加熱前の表面処理セルロースパウダーの乾燥物に対して、3.0~10.0質量%である1~3のいずれかに記載の表面処理セルロースパウダー。
5.1~4のいずれかに記載の表面処理セルロースパウダーを配合した化粧料。
【発明の効果】
【0006】
以上、本発明は、セルロースパウダーの表面を、ケイ酸、アルギン酸、脂肪酸及びジラウロイルグルタミン酸リシンの酸の、カルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の金属の塩で被覆したことを特徴とする表面処理セルロースパウダーを用いることで、化粧料中に多量に配合が可能となり、感触に優れ、付着性向上による皺やキメ、毛穴の隠蔽効果にも優れ、かかる液状化粧料の場合における安定性が向上した化粧料が得られる効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例1の表面処理セルロースパウダーの粒度分布
【
図2】表面処理セルロースパウダーの電子顕微鏡写真
【発明を実施するための形態】
【0008】
(表面処理セルロースパウダー)
表面処理セルロースパウダーに用いるセルロースパウダーには、公知のセルロースパウダーを採用できる。中でも1~200μmの粒子径を持つ粒子からなるセルロースパウダーであれば形状は特に問わない。一般的には不定形の形状をしているもの、球状の形状をしているものが用いられる。本発明のセルロースパウダーでは、両者を混合して用いると、摩擦感の調整ができることから好ましい。
【0009】
本発明の表面処理セルロースパウダーを得るための表面処理剤は、ケイ酸、アルギン酸、脂肪酸及びジラウロイルグルタミン酸リシンの酸の、カルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の金属の塩である。
セルロースパウダーの表面処理を行うに際して、ケイ酸、アルギン酸、及び脂肪酸を、遊離酸、ナトリウム又はカリウム塩の水溶液にした状態で使用する。中でも、ケイ酸のアルカリ金属塩の水溶液に、脂肪酸を溶解させた溶液と、アルギン酸のアルカリ金属塩の水溶液を用いることが好ましい。これらの塩がカルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の金属の塩になりながら、セルロースパウダー表面に被覆層を形成する。
さらに、ジラウロイルグルタミン酸リシンは、そのアルカリ金属塩の水溶液で使用することが好ましい。
それらの塩等をセルロースパウダーの懸濁液に投入する順番として、ジラウロイルグルタミン酸リシンのアルカリ金属塩の水溶液を最後に投入することが好ましい。これは、ケイ酸、アルギン酸及び脂肪酸の、カルシウム、アルミニウム及びマグネシウムから選ばれる1種以上の塩は、皮膚上で止まりのある感触となるが、ジラウロイルグルタミン酸リシンのカルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の塩は、皮膚上ですべりのある感触を有するので、官能特性の調整に都合が良いためである。
つまり、カルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の塩の水溶液にセルロースパウダーを懸濁させてなる懸濁液と、最初に投入するケイ酸、アルギン酸及び脂肪酸のアルカリ金属塩の水溶液を混合させる。その結果、アルカリ金属塩が、カルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の塩になりながらセルロースパウダー表面に皮膜を形成し始める。次いで投入した、ジラウロイルグルタミン酸リシンのアルカリ金属塩がカルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の塩になりながら皮膜を形成し始めることができる。
この結果、表面処理セルロースパウダーの表面処理層は、その内面よりも表面に、より多くのジラウロイルグルタミン酸リシンのカルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の塩を含有する。その結果として、皮膚上ですべりのある感触を有することになる。
【0010】
本発明の表面処理セルロースパウダーは、未処理のセルロースパウダー100質量部に対して、被覆するケイ酸、アルギン酸、脂肪酸及びジラウロイルグルタミン酸リシンの酸の、カルシウム、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる1種以上の金属の塩の質量の合計が10~60質量部であることが好ましく、15質量部以上がより好ましい。また、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。この量は通常の化粧料用の表面処理量が1~5質量%であることに比べて極めて大きな値である。セルロースは表面処理剤が反応しにくく、かつ高温で変質することから、通常の化粧料用の表面処理剤では処理がしにくく、粒子径も大きいことから、カプセル化に近い処理を行わないと、その特性を完全には改質しにくいため、このような処理量を設けている。
【0011】
本発明中の表面処理セルロースパウダーを得るために用いる脂肪酸としては、飽和脂肪酸が安定性の面から好ましい。中でもラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸が挙げられる。そして特にステアリン酸が好ましい。また、本発明で用いる脂肪酸は植物由来であることが好ましい。
【0012】
ケイ酸、アルギン酸、脂肪酸、ジラウロイルグルタミン酸リシンの質量比は、原料投入時の質量比率として、ケイ酸が3.0~5.0質量部、アルギン酸が3.0~7.0質量部、脂肪酸が1.0~4.0質量部、ジラウロイルグルタミン酸リシンが0.1~1.0質量部となる比の範囲が好ましい。この範囲であると、官能特性の調整がしやすいメリットがある。
表面処理セルロースパウダーは、500℃で5時間加熱した後の強熱残分(無機物質)が、加熱前の表面処理セルロースパウダーの乾燥物に対して、3.0~10.0質量%であることが好ましく、3.5~6.0質量%であることがより好ましい。
【0013】
本発明中の表面処理セルロースパウダーは、ケイ酸とアルギン酸と脂肪酸のアルカリ金属塩の水溶液にセルロースパウダーを良く分散させた後、カルシウム、アルミニウム、マグネシウムの塩化物等の水溶液を徐々に加えて、カルシウム、アルミニウム、マグネシウムの塩として固定化した後、ジラウロイルグルタミン酸リシンのアルカリ金属塩の水溶液を加え、ろ過、水洗、乾燥、粉砕、メッシュ分級して得られる。乾燥方法は送風加熱乾燥法が好ましい。
【0014】
本発明の表面処理セルロースパウダーの処方上の特徴としては、吸油量が高いので、粉体化粧料においては、処方中にバインダーを多く配合できること、粒子径が大きい(取れが良い)ため、クリーミィな感触を維持しながら、ケーキングしないこと、皺やキメ、毛穴の隠蔽効果が認められることが挙げられる。また、スクラブ剤として配合した場合は、油性の汚れを吸着し、なめらかに汚れを落とす効果に優れる特徴がある。
【0015】
本発明の表面処理セルロースパウダーは、さらに水、増粘剤、セルロース誘導体、樹脂などを用いて造粒させ、より粒子径の大きなスクラブ剤とすることができる。造粒の方法としては、流動層造粒乾燥機を用いて造粒させる方法、ヘンシェルミキサーなどの造粒装置を用いて造粒させる方法など公知の方法を用いることができる。
【0016】
(化粧料)
本発明の化粧料としては、ファンデーション、リキッドファンデーション、アイシャドウ、頬紅、白粉、コンシーラー、チーク、アイブローパウダー、ハイライト等のメイクアップ化粧料、クレンジング料、洗顔料などの洗浄料、クリーム、乳液、サンスクリーン、化粧下地などの基礎化粧料が挙げられる。
【0017】
本発明の化粧料では、その全固形分中に、前記表面処理セルロースパウダーを、0.1~99.9質量%の範囲で含有できる。特に、前記表面処理セルロースパウダーを含む植物系素材のみで作成すると、消費者に対してインパクトのある製品となるため好ましい。また、本表面処理セルロースパウダーを化粧料の質量に対して、10.0質量%を超えて配合すると、皺やキメ、毛穴の隠蔽効果にも優れた化粧料が得られるメリットがある。
【0018】
本発明の化粧料では、前記表面処理セルロースパウダー以外の成分として、従来化粧料に用いられる各種の成分を配合することが可能である。例えば顔料、表面処理顔料、紫外線吸収剤、生理活性成分、油剤、界面活性剤、フッ素化合物、樹脂、粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤等の成分を使用することができる。
【0019】
顔料は、通常化粧料で使用される顔料でよく、そのような顔料としては、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等が挙げられる。
具体的には、無機粉体としては、顔料級酸化チタン、酸化ジルコニウム、顔料級酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム等;
有機粉体としては、ポリアミド樹脂パウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、シルクパウダー、12ナイロンパウダー、6ナイロン等のナイロンパウダー、シリコーンエラストマー、ポリメチルシルセスキオキサン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;
界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;
有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ-酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;
パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;
タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;
天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルタミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体が挙げられる。
これらの粉体は従来公知の表面処理がされていても、いなくても構わない。例えば、表面処理としては、無機酸化物処理、フッ素化合物処理、シリコーン樹脂処理、シリコーン処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理、アミノ酸処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理などが挙げられる。
【0020】
紫外線吸収剤としては、通常化粧料で使用される紫外線吸収剤で良く、例えばサリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン等のサリチル酸系;パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等のPABA系;4-(2-β-グルコピラノシロキシ)プロポキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその三水塩、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-硫酸、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-N-オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、2,5-ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、ビスエチルへキシロキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、トリス-ビスフェニルトリアジン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系;2-フェニル-ベンズイミダゾール-5-硫酸、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系;2-シアノ-3,3-ジフェニルプロパ-2-エン酸2-エチルヘキシルエステル(別名;オクトクリレン)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、シノキサート、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、4-(3,4-ジメトキシフェニルメチレン)-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、これらの高分子誘導体、及びシラン誘導体等が挙げられる。
【0021】
生理活性成分の例としては、化粧料に配合できる公知のものを使用することができ、アシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、火棘エキス、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、コラーゲン分解物、エラスチン分解物、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子及びその分解物;エストラジオール、エテニルエストラジオールなどのホルモン;アラニン、グリシン、ヴァリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等のアミノ酸、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿剤;ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アラントイン、トラネキサム酸、アズレン等の抗炎症剤;ビタミンA,B2,B6,C,D,K,ビタミンC配糖体等のビタミンC誘導体などのビタミン類;ヒアルロン酸及びその塩、コンドロイチン硫酸及びその塩等のムコ多糖類;グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、及びそれらの塩等のヒドロキシ酸、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、メバロン酸、N-メチルセリン、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体などの細胞賦活剤;γ-オリザノールなどの血行促進剤;レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤;セファランチン、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル;L-メントール、カンフルなどの清涼剤等が挙げられる。
【0022】
油剤の例としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等;炭化水素油として、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2-デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、イソノナン酸イソノニル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、シリコーン油、多価アルコール等が挙げられるが、植物性の油剤を用いることが好ましい。
【0023】
また、アルギン酸、ポリアスパラギン酸、デオキシリボ核酸及びその塩、グアーガム、寒天、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、セルロースエーテル、アルギン酸カルシウム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、ポリアクリルアミド、カチオン化ガーガム、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、アクリル酸メタクリル酸アクリル共重合体、POE/POP共重合体、ポリビニルアルコール、プルラン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン、セルロース、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコール、カチオン化シリコーン重合体、合成ラテックスなどの天然または人工の増粘ゲル化剤を用いることも好ましい。
【実施例0024】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
化粧料、素材及び化粧の官能評価方法
以下の実施例及び比較例等全ての、化粧料、素材及び化粧に関する評価は、専門パネラー5名による官能評価により実施した。試験項目について、優れている場合を5点、優れていないを0点として、中間の場合は、4,3,2,1点として評価した。パネラーの平均点を以て評価結果とした。
【0025】
(実施例1)
表面処理セルロースパウダーの製造
ケイ酸ナトリウム溶液(富士フィルム和光純薬、和光一級、52~57%)5部を含む水溶液500部にステアリン酸2.5部とアルギン酸ナトリウム6部を加熱混合して溶解させた。次いで、セルロース粉末55部を機械的に分散させてスラリーを作成した。塩化カルシウム2水和物16部を精製水16部で溶解させた溶液を撹拌した前記スラリーに滴下した。次いで、植物性のジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムの1.5%水溶液を10部撹拌下に滴下した。希塩酸を用いて、溶液のpHを中性にした上で、ろ過、水洗した。送風式乾燥機を用いて、130℃で6時間乾燥させた後、粉砕、メッシュ分級して製品を得た。
【0026】
得られた表面処理セルロースパウダーを分析したところ、平均粒子径は27.6μmで3~210μmの範囲に分布しており(
図1)、水に対する接触角は117゜(撥水性)、オレイン酸吸油量は112.7mL/100gで高い吸油量を持っていた。走査型電子顕微鏡で観察したところ、
図2に示すような粒子形状を有していた。
また得られた表面処理セルロースパウダーを、500℃で5時間加熱したところ、無機物質からなる強熱残分(残渣)が、加熱前の上記の条件で乾燥した表面処理セルロースパウダーの質量に対して4.0質量%であった。
【0027】
(実施例2)
実施例1で用いた塩化カルシウムの代わりに塩化マグネシウムを用いた他は全て実施例1と同様にして表面処理セルロースパウダーを得た。
【0028】
(実施例3)
実施例1で用いた塩化カルシウムの代わりに塩化アルミニウムを用いた他は全て実施例1と同様にして表面処理セルロースパウダーを得た。
【0029】
(比較例1)
実施例1において植物性のジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムを用いない他は全て実施例1と同様にして表面処理セルロースパウダーを得た。
【0030】
(比較例2)
実施例1で用いたステアリン酸を用いない他は全て実施例1と同様にして表面処理セルロースパウダーを得た。
【0031】
(比較例3)
実施例1で用いたアルギン酸ナトリウムを用いない他は全て実施例1と同様にして表面処理セルロースパウダーを得た。
【0032】
(比較例4)
未処理のセルロースパウダーを以て比較例とした。
【0033】
(実施例4)
ボディパウダーの製造
表1の処方と製造方法によりボディパウダーを作製した。
【0034】
製造方法:各成分を混合し、容器に充填して製品とした。
【0035】
【表1】
注1)大東化成工業 CELLULOBEADS D-10
注2)大東化成工業製 MST-3 DK PEARL SILVER2
【0036】
(実施例5)
ルースパウダーの製造
表2の処方と製造方法によりルースパウダーを作製した。
【0037】
製造方法:各成分を混合し、容器に充填して製品とした。
【0038】
【0039】
(実施例6)
アイシャドウの製造
表3の処方と製造方法によりアイシャドウを作製した。得られた製品は大変クリーミィで飛散しにくく、なめらかな感触を有していた。
【0040】
製造方法:成分Aを混合し、そこに加熱溶解させた成分Bを、成分A:成分Bの質量比率が8:2になるように加えて良く混合した後、金型を用いて金皿に混合物を充填し、打型して製品とした。
【0041】
【0042】
(実施例7)
リキッドファンデーションの製造
表4の処方と製造方法によりリキッドファンデーションを作製した。さらさらした感触を有し、毛穴の隠蔽効果を有していた。
【0043】
製造方法:成分Aを均一に加熱溶解した。これとは別に成分Bを混合、粉砕した。そして、80℃に加熱して溶解した成分Cを80℃にて撹拌下に成分A及びBを添加し、均一になったところで、さらに成分Dを添加し、良く撹拌した後、撹拌下で冷却し、容器に充填して製品とした。
【0044】
【0045】
(実施例8)
植物性成分100%のアイシャドウの製造
表5の処方と下記の製造方法により植物性成分100%のアイシャドウを作製した。得られた製品は大変クリーミィで飛散しにくく、なめらかな感触を有していた。
【0046】
製造方法:成分Aを混合し、そこに均一に溶解させた成分Bを、成分A:成分Bの質量比率が8:2になるように加えて良く混合した後、金型を用いて金皿に混合物を充填し、打型して製品とした。ステアリン酸マグネシウム処理雲母チタンの原料のステアリン酸は植物由来のものである。
【0047】
【0048】
(実施例9)
植物性成分100%のファンデーションの製造
表6の処方と下記の製造方法により植物性成分100%のファンデーションを作製した。得られた製品は大変クリーミィで、なめらかな感触を有し、塗布後マットな外観を呈していた。
【0049】
製造方法:成分Aを混合し、そこに均一に溶解させた成分Bを、成分A:成分Bの質量比率が82.5:17.5になるように加えて良く混合した後、金型を用いて金皿に混合物を充填し、打型して製品とした。
【0050】
【0051】
(比較例5)
実施例4において、表面処理セルロースパウダー(実施例3)の代わりに比較例2の表面処理セルロースパウダーを用いた他は全て実施例4と同様にして製品を得た。
【0052】
(比較例6)
実施例5において、表面処理セルロースパウダー(実施例2)の代わりに、比較例3の表面処理セルロースパウダーを用いた他は全て実施例5と同様にして製品を得た。
【0053】
(比較例7)
実施例6において、表面処理セルロースパウダー(実施例1)の代わりに、比較例1の表面処理セルロースパウダーを用いた他は全て実施例5と同様にして製品を得た。
【0054】
(比較例8)
実施例7において、表面処理セルロースパウダー(実施例1)の代わりに、未処理のセルロースパウダーを用いた他は全て実施例6と同様にして製品を得た。
【0055】
(比較例9)
実施例8において、表面処理セルロースパウダー(実施例1)の代わりに、未処理のセルロースパウダーを用いた他は全て実施例8と同様にして製品を得た。
【0056】
(比較例10)
実施例9において、表面処理セルロースパウダー(実施例1)の代わりに真球状セルロースパウダーを用いた他は全て実施例9と同様にして製品を得た。
【0057】
(比較例11)
実施例9において、表面処理セルロースパウダー(実施例1)の代わりに麻セルロースパウダーを用いた他は全て実施例9と同様にして製品を得た。
【0058】
実施例及び比較例の評価
実施例1~3、比較例1~4について、表7に記載の評価項目の試験を実施した。その結果を表7に記載する。
【0059】
【0060】
実施例4~8、比較例5~9について、表8に記載の評価項目の試験を実施した。その結果を表8に記載する。
【0061】
【0062】
実施例9、比較例10及び11について、表9に記載の評価項目の試験を実施した。その結果を表9に記載する。
【0063】
【0064】
表7及び8の結果より、本発明の表面処理セルロースパウダーおよび同パウダーを配合した化粧料は、比較例のものと比べて、さっぱりとした感触、さらさらとした感触、クリーミィでなめらかな感触、及びキメ、毛穴隠し効果に優れていた。打型品の場合は、さらにとれが良かった。これに対して、比較例では、付着力が不足していたり、伸びが悪い、凝集が生じるなど一般的なセルロースパウダーの欠点が目立っていた。そのため、十分な各種の感触、及びとれに劣っていた。
【0065】
表9の結果より、本発明の表面処理セルロースパウダーを配合した化粧料は、市販のセルロースパウダーを配合した化粧料と比べて、つきが良く、化粧塗膜がきれいで、感触にも優れ、製品の安定性にも優れていることが判る。