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特開2022-131885処理液循環方法、及び、基板処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131885
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】処理液循環方法、及び、基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
H01L21/304 648F
H01L21/304 648G
H01L21/304 643A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031079
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】火口 友美
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB45
5F157AB49
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157AC01
5F157AC26
5F157BB23
5F157BB24
5F157CB03
5F157CB13
5F157CF04
5F157CF14
5F157CF34
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF60
5F157CF74
5F157CF99
5F157DC86
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】処理液に含まれるパーティクルを効果的に低減できる処理液循環方法を提供する。
【解決手段】処理液循環方法では、処理液供給装置200において処理液を循環させる。処理液供給装置200は、ポンプ34、フィルター37、及び、調圧バルブ43を備える。ポンプ34は処理液を送り出す。フィルター37は、処理液に含まれるパーティクルを捕捉する。調圧バルブ43は、外循環配管60を循環する処理液の圧力を調整する。処理液循環方法は、ポンプ34の圧力を一定に保持する工程S1と、ポンプ34の圧力が一定に保持された状態で、調圧バルブ43によって処理液の圧力を第1圧力P1に設定することで、外循環配管60を通して処理液を循環させる工程S4とを含む。第1圧力P1は、第2圧力P2よりも低い。第2圧力は、ノズル14が基板Wに処理液を吐出する時に外循環配管60を流れる処理液の圧力を示す。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して処理液を吐出するノズルに前記処理液を供給する処理液供給装置において、前記処理液を循環させるための処理液循環方法であって、
前記処理液供給装置は、
前記処理液を貯留する処理液タンクと、
上流端が前記処理液タンクに接続されるとともに、下流端が前記処理液タンクに接続されて、前記処理液が循環する第1循環配管と、
前記第1循環配管に接続され、前記ノズルに前記処理液を供給する配管と、
前記第1循環配管に配置され、前記処理液を送り出すポンプと、
前記第1循環配管に配置され、前記処理液に含まれるパーティクルを捕捉するフィルターと、
前記フィルターよりも下流において前記第1循環配管に配置され、前記第1循環配管を循環する前記処理液の圧力を調整する調圧バルブと
を備え、
前記処理液循環方法は、
前記ポンプの圧力を一定に保持する圧力保持工程と、
前記ポンプの圧力が一定に保持された状態で、前記調圧バルブによって前記処理液の圧力を第1圧力に設定することで、前記第1循環配管を通して前記処理液を循環させる第1循環工程と
を含み、
前記第1圧力は、第2圧力よりも低く、
前記第2圧力は、前記ノズルが前記基板に前記処理液を吐出する時に前記第1循環配管を流れる前記処理液の圧力を示す、処理液循環方法。
【請求項2】
前記第1循環工程は、前記第1循環配管から前記ノズルに前記処理液を供給することで、前記ノズルに第1プリディスペンス処理を実行させる第1プリディスペンス工程を含み、
前記第1プリディスペンス処理は、前記ノズルが前記基板に前記処理液を吐出する動作よりも前に、前記ノズルが液受け部に向けて前記処理液を吐出する処理を示す、請求項1に記載の処理液循環方法。
【請求項3】
前記処理液供給装置は、前記フィルターから延びる排液配管を更に備え、
前記処理液循環方法は、前記第1循環工程よりも前に、前記ポンプの圧力が一定に保持された状態で、前記処理液を前記フィルターから前記排液配管に排出する排液工程を更に含む、請求項1又は請求項2に記載の処理液循環方法。
【請求項4】
前記処理液供給装置は、前記フィルターの一次側において、前記第1循環配管から前記処理液タンクまでの延びる第2循環配管を更に備え、
前記処理液循環方法は、前記排液工程よりも前に、前記ポンプの圧力が一定に保持された状態で、前記処理液を前記第2循環配管に供給することで、前記処理液を循環させる循環工程を更に含む、請求項3に記載の処理液循環方法。
【請求項5】
前記処理液循環方法は、前記第1循環工程よりも後に、前記ポンプの圧力が一定に保持された状態で、前記調圧バルブによって前記処理液の圧力を前記第2圧力に設定することで、前記第1循環配管を通して前記処理液を循環させる第2循環工程を更に含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の処理液循環方法。
【請求項6】
前記第2循環工程は、前記第1循環配管から前記ノズルに前記処理液を供給することで、前記ノズルに第2プリディスペンス処理を実行させる第2プリディスペンス工程を含み、
前記第2プリディスペンス処理は、前記ノズルが前記基板に前記処理液を吐出する動作よりも前に、前記ノズルが液受け部に向けて前記処理液を吐出する処理を示す、請求項5に記載の処理液循環方法。
【請求項7】
前記第2プリディスペンス工程よりも後に、前記第1循環配管から前記ノズルに前記処理液を供給する処理液供給工程を更に含む、請求項6に記載の処理液循環方法。
【請求項8】
処理液によって基板を処理する基板処理方法であって、
請求項7に記載の処理液循環方法における前記処理液供給工程で前記ノズルに供給された前記処理液を、前記ノズルによって前記基板に吐出する、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理液循環方法、及び、基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された液処理装置は、タンクと、循環ラインと、ポンプと、フィルターと、背圧弁と、制御部とを備える。タンクは、処理液を貯留する。循環ラインは、タンクから送られる処理液をタンクへ戻す。ポンプは、循環ラインにおける処理液の循環流を形成する。フィルターは、循環ラインにおけるポンプの下流側に設けられる。背圧弁は、循環ラインにおけるフィルターの下流側に設けられる。制御部は、ポンプ及び背圧弁を制御する。そして、制御部は、循環ラインにおける処理液の循環を開始する際に、ポンプの吐出圧力が第1圧力で立ち上がり、所定時間経過後にポンプの吐出圧力が第1圧力より大きい第2圧力に増加するようにポンプの吐出圧力を制御する。
【0003】
ポンプの吐出圧力が第1圧力となるように制御して処理液の循環を開始することにより、フィルターの上流側と下流側との間にかかる差圧を、小さい差圧に抑えることができる。その結果、処理液の循環を開始した直後に、ポンプの吐出圧力に起因して異物(パーティクル)がフィルターを通り抜けることを抑制できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-41039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の発明者は、特許文献1に記載された液処理装置と異なる方法によって処理液に含まれるパーティクルを低減する技術について、鋭意研究を行った。
【0006】
本発明の目的は、処理液に含まれるパーティクルを効果的に低減できる処理液循環方法、及び、基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、処理液循環方法では、基板に対して処理液を吐出するノズルに前記処理液を供給する処理液供給装置において、前記処理液を循環させる。前記処理液供給装置は、処理液タンクと、第1循環配管と、配管と、ポンプと、フィルターと、調圧バルブとを備える。処理液タンクは、前記処理液を貯留する。第1循環配管は、上流端が前記処理液タンクに接続されるとともに、下流端が前記処理液タンクに接続されて、前記処理液が循環する。配管は、前記第1循環配管に接続され、前記ノズルに前記処理液を供給する。ポンプは、前記第1循環配管に配置され、前記処理液を送り出す。フィルターは、前記第1循環配管に配置され、前記処理液に含まれるパーティクルを捕捉する。調圧バルブは、前記フィルターよりも下流において前記第1循環配管に配置され、前記第1循環配管を循環する前記処理液の圧力を調整する。前記処理液循環方法は、前記ポンプの圧力を一定に保持する圧力保持工程と、前記ポンプの圧力が一定に保持された状態で、前記調圧バルブによって前記処理液の圧力を第1圧力に設定することで、前記第1循環配管を通して前記処理液を循環させる第1循環工程とを含む。前記第1圧力は、第2圧力よりも低い。第2圧力は、前記ノズルが前記基板に前記処理液を吐出する時に前記第1循環配管を流れる前記処理液の圧力を示す。
【0008】
本発明の一態様においては、前記第1循環工程は、第1プリディスペンス工程を含むことが好ましい。第1プリディスペンス工程は、前記第1循環配管から前記ノズルに前記処理液を供給することで、前記ノズルに第1プリディスペンス処理を実行させることが好ましい。前記第1プリディスペンス処理は、前記ノズルが前記基板に前記処理液を吐出する動作よりも前に、前記ノズルが液受け部に向けて前記処理液を吐出する処理を示すことが好ましい。
【0009】
本発明の一態様においては、前記処理液供給装置は、前記フィルターから延びる排液配管を更に備えることが好ましい。前記処理液循環方法は、排液工程を更に含むことが好ましい。排液工程は、前記第1循環工程よりも前に、前記ポンプの圧力が一定に保持された状態で、前記処理液を前記フィルターから前記排液配管に排出することが好ましい。
【0010】
本発明の一態様においては、前記処理液供給装置は、前記フィルターの一次側において、前記第1循環配管から前記処理液タンクまでの延びる第2循環配管を更に備えることが好ましい。前記処理液循環方法は、循環工程を更に含むことが好ましい。循環工程では、前記排液工程よりも前に、前記ポンプの圧力が一定に保持された状態で、前記処理液を前記第2循環配管に供給することで、前記処理液を循環させることが好ましい。
【0011】
本発明の一態様においては、前記処理液循環方法は、第2循環工程を更に含むことが好ましい。第2循環工程では、前記第1循環工程よりも後に、前記ポンプの圧力が一定に保持された状態で、前記調圧バルブによって前記処理液の圧力を前記第2圧力に設定することで、前記第1循環配管を通して前記処理液を循環させることが好ましい。
【0012】
本発明の一態様においては、前記第2循環工程は、第2プリディスペンス工程を含むことが好ましい。第2プリディスペンス工程では、前記第1循環配管から前記ノズルに前記処理液を供給することで、前記ノズルに第2プリディスペンス処理を実行させることが好ましい。前記第2プリディスペンス処理は、前記ノズルが前記基板に前記処理液を吐出する動作よりも前に、前記ノズルが液受け部に向けて前記処理液を吐出する処理を示すことが好ましい。
【0013】
本発明の一態様においては、処理液循環方法は、処理液供給工程を更に含むことが好ましい。処理液供給工程では、前記第2プリディスペンス工程よりも後に、前記第1循環配管から前記ノズルに前記処理液を供給することが好ましい。
【0014】
本発明の他の局面によれば、基板処理方法は、処理液によって基板を処理する。基板処理方法において、上記処理液循環方法における前記処理液供給工程で前記ノズルに供給された前記処理液を、前記ノズルによって前記基板に吐出する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る処理液循環方法および基板処理方法によれば、処理液に含まれるパーティクルを効果的に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置の内部を示す平面図である。
図2】本実施形態に係る処理ユニットの内部を示す側面図である。
図3】本実施形態に係る処理液供給装置の構成を示す図である。
図4】本実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。
図5】本実施形態に係る処理液供給装置の内循環動作を示す図である。
図6】本実施形態に係る処理液供給装置のフィルター排液動作を示す図である。
図7】本実施形態に係る処理液供給装置の第1圧力での外循環動作を示す図である。
図8】本実施形態に係る処理液供給装置のプリディスペンス動作を示す図である。
図9】本実施形態に係る処理液供給装置の第2圧力での外循環動作を示す図である。
図10】本実施形態に係る処理液供給装置の処理液供給動作を示す図である。
図11】本実施形態に係る調圧バルブ一次側圧力の時間変化及びパーティクル数の時間変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図面には、説明の便宜のため、三次元直交座標系(X、Y、Z)を適宜記載している。そして、図中、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0018】
まず、図1を参照して、基板処理装置100を説明する。図1は、基板処理装置100の内部を示す平面図である。図1に示す基板処理装置100は、基板Wを処理液によって処理する。
【0019】
基板Wは、例えば、半導体ウェハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、又は、太陽電池用基板である。
【0020】
処理液は、例えば、薬液である。薬液は、例えば、希フッ酸(DHF)、フッ酸(HF)、フッ硝酸(フッ酸と硝酸(HNO3)との混合液)、バファードフッ酸(BHF)、フッ化アンモニウム、HFEG(フッ酸とエチレングリコールとの混合液)、燐酸(H3PO4)、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(例えば、クエン酸、シュウ酸)、有機アルカリ(例えば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、硫酸過酸化水素水混合液(SPM)、アンモニア過酸化水素水混合液(SC1)、塩酸過酸化水素水混合液(SC2)、イソプロピルアルコール(IPA)、界面活性剤、又は、腐食防止剤である。
【0021】
図1に示すように、基板処理装置100は、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、複数の処理ユニット1と、制御装置2と、複数の流体ボックス3と、処理液キャビネット4とを備える。
【0022】
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと処理ユニット1との間で基板Wを搬送する。処理ユニット1の各々は、基板Wに処理液を供給して、基板Wを処理する。流体ボックス3の各々は流体機器を収容する。処理液キャビネット4は処理液を収容する。
【0023】
具体的には、複数の処理ユニット1は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置された複数のタワーTW(図1の例では4つのタワーTW)を形成している。各タワーTWは、上下に積層された複数の処理ユニット1(図1の例では3つの処理ユニット1)を含む。複数の流体ボックス3は、それぞれ、複数のタワーTWに対応している。処理液キャビネット4内の処理液は、いずれかの流体ボックス3を介して、流体ボックス3に対応するタワーTWに含まれる全ての処理ユニット1に供給される。
【0024】
制御装置2は、ロードポートLP、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、処理ユニット1、流体ボックス3、及び、処理液キャビネット4を制御する。制御装置2は、例えば、コンピューターである。
【0025】
制御装置2は、制御部21と、記憶部22とを含む。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーを含む。記憶部22は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶部22は、半導体メモリー等の主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、及び/又は、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置とを含む。記憶部22は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部22は、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体の一例に相当する。
【0026】
次に、図2を参照して、処理ユニット1を説明する。図2は、処理ユニット1の内部を示す側面図である。
【0027】
図2に示すように、処理ユニット1は、チャンバー11と、スピンチャック12と、スピンモーター13と、ノズル14と、ノズル移動部15と、複数のガード16と、待機ポッド17と、ノズル18とを含む。基板処理装置100は、処理液供給装置200と、排液配管7と、バルブ8と、バルブ19と、配管20とを更に備える。処理液供給装置200は、バルブ5と、配管6とを含む。なお、排液配管7及びバルブ8は、処理液供給装置200の構成要素と捉えることもできる。
【0028】
チャンバー11は略箱形状を有する。チャンバー11は、スピンチャック12、スピンモーター13、ノズル14、ノズル移動部15、複数のガード16、待機ポッド17、ノズル18、配管6の一部、排液配管7の一部、及び、配管20の一部を収容する。なお、例えば、バルブ5、8、19がチャンバー11に収容されていてもよい。
【0029】
スピンチャック12は基板Wを保持する。具体的には、スピンモーター13は、スピンチャック12を回転軸線AX1の周りに回転させる。従って、スピンチャック12は、基板Wを水平に保持しながら、回転軸線AX1の周りに基板Wを回転させる。具体的には、スピンチャック12は、スピンベース121と、複数のチャック部材122とを含む。スピンベース121は、略円板状であり、水平な姿勢で複数のチャック部材122を支持する。複数のチャック部材122は基板Wを水平な姿勢で保持する。
【0030】
ノズル14は、基板Wに対して処理液を吐出する。ノズル移動部15は、ノズル14を昇降したり、ノズル14を回動軸線AX2の周りに水平回動させたりする。ノズル移動部15は、ノズル14を昇降させるために、例えば、ボールねじ機構と、ボールねじ機構に駆動力を与える電動モーターとを含む。また、ノズル移動部15は、ノズル14を水平回動させるために、例えば、電動モーターを含む。
【0031】
処理液供給装置200は、ノズル14に処理液を供給する。具体的には、処理液供給装置200の配管6がノズル14に処理液を供給する。従って、配管6には処理液が流れる。バルブ5は、配管6に配置される。そして、バルブ5は、配管6の流路を開閉し、ノズル14に対する処理液の供給と供給停止とを切り替える。
【0032】
待機ポッド17は、ノズル14の待機位置の下方に配置される。待機位置は、回転軸線AX1に対してスピンチャック12よりも外側の位置を示す。待機ポッド17は、待機位置に位置するノズル14によって吐出される処理液を受ける。ノズル移動部15は、待機位置と処理位置との間で、ノズル14を水平回動させる。ノズル14の処理位置は、基板Wの上方の位置を示す。ノズル14は、基板Wに処理液を吐出する前に、待機位置において、プリディスペンス処理を実行する。プリディスペンス処理とは、基板Wに処理液を吐出する前に、待機ポッド17に向けて処理液を吐出する処理のことである。一方、ノズル14は、処理位置において、基板Wに向けて処理液を吐出する。待機ポッド17は、本発明の「液受け部」の一例に相当する。
【0033】
待機ポッド17には、排液配管7が接続される。プリディスペンス処理において、待機ポッド17が受けた処理液は、排液配管7を通して排出される。排液配管7は、例えば、排液タンクに接続される。排液配管7には、バルブ8が配置される。バルブ8は、排液配管7の流路を開閉し、排液配管7による処理液の排出と排出停止とを切り替える。
【0034】
ノズル18は、基板Wに向けてリンス液を供給する。その結果、基板Wから処理液が洗い流される。リンス液は、例えば、脱イオン水、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、または、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水である。
【0035】
配管20はノズル18にリンス液を供給する。従って、配管20にはリンス液が流れる。バルブ19は、配管20に配置される。そして、バルブ19は、配管20の流路を開閉し、ノズル18に対するリンス液の供給と供給停止とを切り替える。
【0036】
各ガード16は略筒形状を有する。各ガード16は、基板Wから排出された処理液又はリンス液を受け止める。
【0037】
次に、図3を参照して、処理液供給装置200の詳細を説明する。図3は、処理液供給装置200を示す図である。図3に示すように、処理液供給装置200は、処理液タンク30と、ヒーター31、32と、温度センサー33と、ポンプ34と、パルスダンパー35と、バルブ36と、フィルター37と、バルブ38と、温度センサー39、40と、圧力計41と、温度センサー42と、調圧バルブ43と、バルブ44、45、46、47、48、49と、外循環配管60と、内循環配管61と、排液配管62と、配管63と、排液配管64と、配管65、66とを更に含む。また、処理液供給装置200は、複数の処理ユニット1に対応して、複数の配管6及び複数のバルブ5を含んでいる。
【0038】
ヒーター31、32、ポンプ34、バルブ36、バルブ38、調圧バルブ43、及び、バルブ5、8、44、45、46、47、48、49は、制御装置2によって制御される。また、温度センサー33、39、40、42は、処理液の温度を検出し、検出した温度を示す検出値を、制御装置2に出力する。さらに、圧力計41は、処理液の圧力を検出し、検出した圧力を示す検出値を制御装置2に出力する。
【0039】
また、例えば、処理液タンク30、ヒーター31、32、温度センサー33、ポンプ34、パルスダンパー35、バルブ36、フィルター37、バルブ38、温度センサー39、バルブ44、45、46、47、48、49、外循環配管60の一部、内循環配管61、排液配管62の一部、配管63、排液配管64の一部、配管65、及び、配管66の一部は、処理液キャビネット4(図1)に収容される。
【0040】
一方、例えば、外循環配管60の一部、温度センサー40、圧力計41、温度センサー42、調圧バルブ43、バルブ5、及び、配管6の一部は、流体ボックス3(図1)に収容される。
【0041】
処理液タンク30は、処理液を貯留する。配管66は、処理液の新液を処理液タンク30に補充する。バルブ49は、配管66に配置され、配管66の流路を開閉する。
【0042】
外循環配管60の上流端70及び下流端71は、処理液タンク30に接続される。外循環配管60は、第1配管601と、第2配管602とを含む。第1配管601の一端は処理液タンク30に接続され、第1配管601の他端はフィルター37に接続される。第1配管601の一端が、外循環配管60の上流端である。第2配管602の一端はフィルター37に接続され、第2配管602の他端は処理液タンク30に接続される。第2配管602の他端が、外循環配管60の下流端である。なお、図面の簡略化のために図示を省略したが、複数の第2配管602が、それぞれ、複数のタワーTW(図1)に対応して設けられている。そして、複数の第2配管602は、フィルター37の二次側で分岐する。
【0043】
ヒーター31、ヒーター32、ポンプ34、パルスダンパー35、バルブ36、及び、フィルター37は、この順番で、上流から下流に向かって外循環配管60(具体的には第1配管601)に配置される。また、フィルター37は、外循環配管60の位置73に配置される。位置73は、ポンプ34よりも下流の位置であって、分岐位置74及び調圧バルブ43よりも上流の位置である。
【0044】
ヒーター31、32は、処理液タンク30内の処理液を加熱して、処理液タンク30内の処理液の温度を調整する。なお、本実施形態では、処理液供給装置200は、直列に接続される2つのヒーター31、32を有しているが、1つのヒーターを有していてもよいし、3以上のヒーターを有していてもよい。
【0045】
ポンプ34は、処理液タンク30内の処理液を外循環配管60に送り出す。具体的には、ポンプ34は、処理液タンク30内の処理液を第1配管601に送り出す。温度センサー33は、ヒーター32とポンプ34との間の位置80で、第1配管601を流れる処理液の温度を検出する。パルスダンパー35は、ポンプ34から送り出される処理液の脈動を抑制する。バルブ36は、フィルター37の一次側において、第1配管601の流路を開閉する。
【0046】
フィルター37は、フィルター37を通過する処理液に含まれるパーティクルを捕捉する。換言すれば、フィルター37は、フィルター37を通過する処理液に含まれるパーティクルを除去する。更に換言すれば、フィルター37は処理液をろ過する。
【0047】
例えば、フィルター37は多数の孔(不図示)を有する。そして、処理液は、フィルター37の孔を通過する。その結果、フィルター37によって処理液がろ過される。具体的には、処理液に含まれるパーティクルは、フィルター37の孔を通過する際に、孔を区画する壁面によって吸着され、孔内に捕捉される。その結果、パーティクルが処理液中から除去される。
【0048】
フィルター37によるパーティクルの捕捉能力は、フィルター37を通過する処理液の流量が多いと大きくなる。つまり、外循環配管60において処理液の循環流量が増加すると、より多くの処理液がフィルター37を通過するため、より多くのパーティクルがフィルター37によって捕捉される。一方、フィルター37によるパーティクルの捕捉能力は、フィルター37を通過する処理液の流量が少ないと小さくなる。つまり、外循環配管60において処理液の循環流量が減少すると、フィルター37を通過する処理液の流量が減少するため、フィルター37によるパーティクルの捕捉能力が低下する。
【0049】
バルブ38は、フィルター37の二次側において、第2配管602の流路を開閉する。温度センサー39は、フィルター37及びバルブ38よりも下流の位置81で、第2配管602(外循環配管60)を流れる処理液の温度を検出する。温度センサー40は、温度センサー39よりも下流の位置82で、第2配管602(外循環配管60)を流れる処理液の温度を検出する。位置82は、分岐位置74よりも上流の位置である。
【0050】
圧力計41は、調圧バルブ43の一次側の位置83で、第2配管602(外循環配管60)を流れる処理液の圧力を検出する。つまり、圧力計41は、調圧バルブ43の一次側圧力を検出する。位置83は、分岐位置74よりも下流の位置である。温度センサー42は、調圧バルブ43の一次側の位置84で、第2配管602(外循環配管60)を流れる処理液の温度を検出する。つまり、温度センサー42は、調圧バルブ43の一次側温度を検出する。位置84は、分岐位置74よりも下流の位置である。
【0051】
調圧バルブ43は、フィルター37及び分岐位置74よりも下流の位置において、第2配管602(外循環配管60)に配置される。調圧バルブ43は、処理液の圧力を調整して、処理液の圧力を一定に保持する。例えば、調圧バルブ43は、調圧バルブ43の一次側圧力が目標圧力以上になった場合、一次側圧力を二次側に逃して、一次側圧力を目標圧力に保持する。つまり、調圧バルブ43は、調圧バルブ43の一次側における処理液の圧力を、調圧バルブ43に対して設定された目標圧力に設定する。例えば、制御装置2(図1)が、調圧バルブ43に対して目標圧力を設定する。調圧バルブ43は、例えば、背圧弁又はリリーフ弁である。
【0052】
外循環配管60には、調圧バルブ43によって設定された目標圧力に応じた流量の処理液が流れる。例えば、調圧バルブ43によって設定された目標圧力が小さいほど、外循環配管60を流れる処理液の流量は大きくなる。換言すれば、調圧バルブ43によって設定された目標圧力が大きいほど、外循環配管60を流れる処理液の流量は小さくなる。
【0053】
外循環配管60(第2配管602)の複数の分岐位置74には、それぞれ、複数の配管6が接続される。そして、配管6は、分岐位置74からノズル14まで延びる。分岐位置74は、フィルター37よりも下流の位置であって、調圧バルブ43よりも上流の位置である。以下、調圧バルブ43を単に「バルブ43」と記載する場合がある。
【0054】
内循環配管61は、第1配管601(外循環配管60)の分岐位置72から処理液タンク30まで延びる。分岐位置72は、ポンプ34よりも下流、かつ、フィルター37よりも上流の位置である。バルブ44は、内循環配管61に配置される。そして、バルブ44は、内循環配管61の流路を開閉する。
【0055】
排液配管62は、フィルター37から延びる。排液配管62は、フィルター37の内部(具体的には内部一次側)に存在する処理液を排出するための配管である。具体的には、排液配管62の一端が、フィルター37の内部の一次側空間に接続され、排液配管62の他端が、例えば、排液タンクに接続される。バルブ45は、排液配管62に配置される。そして、バルブ45は、排液配管62の流路を開閉する。
【0056】
排液配管64は、フィルター37から延びる。排液配管64は、フィルター37の内部(具体的には内部二次側)に存在する処理液を排出するための配管である。具体的には、排液配管64の一端が、フィルター37の内部の二次側空間に接続され、排液配管64の他端が、例えば、排液タンクに接続される。バルブ46は、排液配管64に配置される。そして、バルブ46は、排液配管64の流路を開閉する。
【0057】
配管63は、フィルター37から処理液タンク30まで延びる。配管63は、パーティクルの発生の原因になるフィルター37の内部(具体的には内部一次側)の気泡を除去するための配管である。具体的には、配管63の一端が、フィルター37の内部の一次側空間に接続され、配管63の他端が、処理液タンク30に接続される。バルブ47は、配管63に配置される。そして、バルブ47は、配管63の流路を開閉する。
【0058】
配管65は、フィルター37から処理液タンク30まで延びる。配管65は、パーティクルの発生の原因になるフィルター37の内部(具体的には内部二次側)の気泡を除去するための配管である。具体的には、配管65の一端が、フィルター37の内部の二次側空間に接続され、配管65の他端が、処理液タンク30に接続される。バルブ48は、配管65に配置される。そして、バルブ48は、配管65の流路を開閉する。
【0059】
次に、図4図10を参照して、本実施形態に係る基板処理方法を説明する。図4は、本実施形態に係る基板処理方法を示すフローチャートである。図5は、処理液供給装置200の内循環動作を示す図である。図6は、処理液供給装置200のフィルター排液動作を示す図である。図7は、処理液供給装置200の第1圧力P1での外循環動作を示す図である。図8は、処理液供給装置200のプリディスペンス動作を示す図である。図9は、処理液供給装置200の第2圧力P2での外循環動作を示す図である。図10は、処理液供給装置200の処理液供給動作を示す図である。
【0060】
図5図10のバルブ5、8、36、38、43、44、45、46、47、48を示す記号において、白色はバルブが閉じていることを示し、黒色はバルブが開いていることを示す。また、ポンプ34を示す記号において、白色の三角形はポンプ34が停止していることを示し、黒色の三角形はポンプ34が駆動していることを示す。さらに、処理液の流通経路が、太線によって示される。
【0061】
図4に示すように、本実施形態に係る基板処理方法は、工程S1~工程S10を含む。工程S4は工程S40を含む。工程S5は工程S50を含む。基板処理方法は、基板処理装置100によって実行される。特に、工程S1~S5は、処理液循環方法を構成する。処理液循環方法は、処理液供給装置200によって実行される。処理液循環方法では、基板Wに対して処理液を吐出するノズル14に処理液を供給する処理液供給装置200において、処理液を循環させる。
【0062】
図4及び図5に示すように、まず、工程S1において、処理液供給装置200は、ポンプ34を駆動し、ポンプ34の圧力(吐出圧力)を一定に保持する。具体的には、制御装置2(図1)が、ポンプ34の圧力(吐出圧力)が一定に保持されるように、ポンプ34を制御する。工程S1は、本発明の「圧力保持工程」の一例に相当する。
【0063】
次に、工程S2において、処理液供給装置200は、処理液を内循環させる。内循環は、内循環配管61によって、処理液を循環させることを示す。工程S2は、本発明の「循環工程」の一例に相当する。
【0064】
具体的には、図5に示すように、処理液供給装置200は、制御装置2の制御によって、バルブ44を開け、バルブ5、8、36、38、43、45、46、47、48を閉じる。その結果、処理液タンク30に貯留された処理液が、第1配管601及び内循環配管61を通って循環する。この場合、制御装置2は、温度センサー33によって検出された処理液の温度を監視しながら、内循環する処理液の温度が目標温度になるように、ヒーター31、32を制御する。内循環する処理液の温度が目標温度に到達すると、処理は工程S3に進む。
【0065】
すなわち、工程S2では、処理液供給装置200は、工程S3よりも前に、ポンプ34の圧力が一定に保持された状態で、処理液を内循環配管61に供給することで、処理液を循環させる。その結果、工程S3よりも前に、処理液の温度を目標温度に到達させることができる。
【0066】
次に、図4及び図6に示すように、工程S3において、処理液供給装置200は、フィルター37の内部の処理液を排液配管62に排出する。図6の例では、処理液供給装置200は、フィルター37の内部の一次側空間に存在する処理液を排液配管62に排出する。工程S3は、本発明の「排液工程」の一例に相当する。
【0067】
具体的には、図6に示すように、処理液供給装置200は、制御装置2の制御によって、所定排液期間だけ、バルブ36、45を開け、バルブ5、8、38、43、44、46、47、48を閉じる。従って、所定排液期間において、フィルター37の内部の処理液が、排液配管62に排出される。その結果、処理液中のパーティクルもまた、排液配管62から排出される。なお、所定排液期間は、例えば、実験的及び/又は経験的に予め定められる。
【0068】
すなわち、処理液供給装置200は、工程S4よりも前に、ポンプ34の圧力が一定に保持された状態で、処理液をフィルター37から排液配管62に排出する。従って、フィルター37よりも一次側に存在するパーティクル、及び、フィルター37の内部(内部一次側)に存在するパーティクルを、排液配管62を通して排出できる。その結果、処理液に含まれるパーティクルを効果的に低減できる。
【0069】
なお、例えば、工程S3において、処理液供給装置200は、バルブ45を開くと同時に、バルブ45を開いた後に、又は、バルブ45を開く前に、一定期間だけ、バルブ46を開いてもよい。この場合は、フィルター37の内部(内部二次側)に存在するパーティクルを、排液配管64を通して排出できる。その結果、処理液に含まれるパーティクルを更に効果的に低減できる。
【0070】
次に、図4及び図7に示すように、工程S4において、処理液供給装置200は、処理液を外循環させる。外循環は、外循環配管60によって、処理液を循環させることを示す。特に、工程S4では、処理液供給装置200は、処理液の圧力を第1圧力P1に設定して、処理液を外循環させる。第1圧力P1は、第2圧力P2より低い。第2圧力P2は、ノズル14が基板Wに処理液を吐出する時に外循環配管60を流れる処理液の圧力を示す。つまり、第2圧力P2は、ノズル14が基板Wに処理液を吐出する際に外循環配管60から配管6を介してノズル14に処理液を供給する時の処理液の圧力を示す。工程S4は、本発明の「第1循環工程」の一例に相当する。
【0071】
具体的には、図7に示すように、処理液供給装置200は、制御装置2の制御によって、第1循環期間だけ、バルブ36、38、43を開け、バルブ5、8、45、46、47、48を閉じる。その結果、第1循環期間において、処理液タンク30に貯留された処理液が、外循環配管60を通って循環する。この場合、制御装置2は、調圧バルブ43の目標圧力を第1圧力P1に設定することで、処理液の圧力を第1圧力P1に設定する。従って、処理液は、第1圧力P1に応じた流量で外循環配管60を循環する。なお、第1循環期間は、例えば、実験的及び/又は経験的に予め定められる。第1循環期間は、第1圧力P1での外循環期間である。また、調圧バルブ43の目標圧力が第1圧力P1に設定されると、調圧バルブ43一次側の処理液の圧力が第1圧力P1になるため、圧力計41が検出する処理液の圧力は、第1圧力P1である。
【0072】
すなわち、工程S4では、処理液供給装置200は、ポンプ34の圧力が一定に保持された状態で、調圧バルブ43によって処理液の圧力を第1圧力P1に設定することで、外循環配管60を通して処理液を循環させる。従って、処理液の圧力を第2圧力P2(>第1圧力P1)に設定する場合と比較して、外循環配管60を流れる処理液の流量を増加できる。その結果、フィルター37によるパーティクルの捕捉能力が向上して、処理液に含まれるパーティクルを更に効果的に低減できる。
【0073】
なお、調圧バルブ43の目標圧力を第1圧力P1に設定した場合の調圧バルブ43の開度は、調圧バルブ43の目標圧力を第2圧力P2に設定した場合の調圧バルブ43の開度よりも相対的に大きい。第1圧力P1は第2圧力P2よりも小さいからである。
【0074】
また、図4及び図8に示すように、処理液供給装置200は、工程S4の実行中に、工程S40を実行することが好ましい。
【0075】
工程S40では、処理液供給装置200は、ノズル14に第1プリディスペンス処理を実行させる。第1プリディスペンス処理は、ノズル14が基板Wに処理液を吐出する動作よりも前であって、工程S4の実行中に、ノズル14が待機ポッド17に向けて処理液を吐出する処理を示す。特に、工程S40では、処理液供給装置200は、処理液の圧力を第1圧力P1に設定して、ノズル14に第1プリディスペンス処理を実行させる。工程S40は、本発明の「第1プリディスペンス工程」の一例に相当する。
【0076】
具体的には、図8に示すように、処理液供給装置200は、制御装置2の制御によって、第1排液期間だけ、バルブ5、8、36、38、43を開け、バルブ45、46、47、48を閉じる。その結果、第1排液期間において、外循環配管60を流れる処理液が配管6からノズル14に供給される。そして、ノズル14は、第1排液期間において、待機ポッド17に処理液を吐出する。従って、第1排液期間では、待機ポッド17の処理液は、排液配管7に排出される。その結果、処理液中のパーティクルもまた、排液配管7から排出される。なお、第1排液期間は、例えば、実験的及び/又は経験的に予め定められる。
【0077】
すなわち、工程S40では、外循環配管60からノズル14に処理液を供給することで、ノズル14に第1プリディスペンス処理を実行させる。従って、フィルター37の二次側からノズル14までの間に存在するパーティクルが排液配管7によって除去される。その結果、処理液に含まれるパーティクルを更に効果的に低減できる。
【0078】
また、処理液供給装置200は、工程S4の実行中に、工程S40を複数回実行してもよい。工程S40を複数回実行することで、処理液に含まれるパーティクルを更に効果的に低減できる。処理液供給装置200は、工程S40を複数回実行する場合、例えば、定期的に又は不定期に工程S40を実行する。
【0079】
例えば、処理液供給装置200は、処理液の温度が低いほど、工程S40を実行する回数を多くする。処理液の温度が低いほど、処理液の粘度が大きくなり、処理液が循環し難いからである。処理液が循環し難いと、フィルター37によるパーティクルの捕捉能力が低下するため、工程S40の回数を多くすることで、パーティクルを効果的に低減する。また、同様の理由により、例えば、処理液供給装置200は、処理液の濃度が高いほど、工程S40を実行する回数を多くしてもよい。さらに、同様の理由により、例えば、処理液供給装置200は、処理液の粘度が大きいほど、工程S40を実行する回数を多くしてもよい。
【0080】
なお、処理液供給装置200は、工程S4において、バルブ47、48を開くことで、フィルター37の内部の気泡を除去してもよい。
【0081】
次に、図4及び図9に示すように、工程S5において、処理液供給装置200は、処理液を外循環させる。特に、工程S5では、処理液供給装置200は、処理液の圧力を第2圧力P2に設定して、処理液を外循環させる。第2圧力P2は、第1圧力P1より高い。工程S5は、本発明の「第2循環工程」の一例に相当する。
【0082】
具体的には、図9に示すように、処理液供給装置200は、制御装置2の制御によって、第2循環期間だけ、バルブ36、38、43を開け、バルブ5、8、45、46、47、48を閉じる。その結果、第2循環期間において、処理液タンク30に貯留された処理液が、外循環配管60を通って循環する。この場合、制御装置2は、調圧バルブ43の目標圧力を第2圧力P2に設定することで、処理液の圧力を第2圧力P2に設定する。従って、処理液は、第2圧力P2に応じた流量で外循環配管60を循環する。なお、第2循環期間は、例えば、実験的及び/又は経験的に予め定められる。第2循環期間は、第2圧力P2での外循環期間である。また、調圧バルブ43の目標圧力が第2圧力P2に設定されると、調圧バルブ43一次側の処理液の圧力が第2圧力P2になるため、圧力計41が検出する処理液の圧力は、第2圧力P2を示す。
【0083】
すなわち、工程S5では、処理液供給装置200は、ポンプ34の圧力が一定に保持された状態で、調圧バルブ43によって処理液の圧力を第2圧力P2(>第1圧力P1)に設定することで、外循環配管60を通して処理液を循環させる。従って、処理液の圧力が高くなる。その結果、処理液の圧力を、ノズル14によって基板Wに処理液を吐出するために好適な値に設定できる。
【0084】
また、図4及び図8に示すように、処理液供給装置200は、工程S5の実行中に、工程S50を実行することが好ましい。
【0085】
工程S50では、処理液供給装置200は、ノズル14に第2プリディスペンス処理を実行させる。第2プリディスペンス処理は、ノズル14が基板Wに処理液を吐出する動作よりも前であって、工程S5の実行中に、ノズル14が待機ポッド17に向けて処理液を吐出する処理を示す。特に、工程S50では、処理液供給装置200は、処理液の圧力を第2圧力P2に設定して、ノズル14に第2プリディスペンス処理を実行させる。工程S50は、本発明の「第2プリディスペンス工程」の一例に相当する。
【0086】
具体的には、図8に示すように、処理液供給装置200は、制御装置2の制御によって、第2排液期間だけ、バルブ5、8、36、38、43を開け、バルブ45、46、47、48を閉じる。その結果、第2排液期間において、外循環配管60を流れる処理液が配管6からノズル14に供給される。そして、ノズル14は、第2排液期間において、待機ポッド17に処理液を吐出する。従って、第2排液期間では、待機ポッド17の処理液は、排液配管7に排出される。その結果、処理液中のパーティクルもまた、排液配管7から排出される。なお、第2排液期間は、例えば、実験的及び/又は経験的に予め定められる。
【0087】
すなわち、工程S50では、外循環配管60からノズル14に処理液を供給することで、ノズル14に第2プリディスペンス処理を実行させる。従って、フィルター37の二次側からノズル14までの間に存在するパーティクルが排液配管7によって除去される。その結果、処理液に含まれるパーティクルを更に効果的に低減できる。
【0088】
また、処理液供給装置200は、工程S5の実行中に、工程S50を複数回実行してもよい。工程S50を複数回実行することで、処理液に含まれるパーティクルを更に効果的に低減できる。処理液供給装置200は、工程S50を複数回実行する場合、例えば、定期的に又は不定期に工程S50を実行する。
【0089】
例えば、処理液供給装置200は、処理液の温度が低いほど、工程S50を実行する回数を多くする。理由は、工程S40を複数回実行する場合と同様である。また、同様の理由により、例えば、処理液供給装置200は、処理液の濃度が高いほど、工程S50を実行する回数を多くしてもよい。さらに、同様の理由により、例えば、処理液供給装置200は、処理液の粘度が大きいほど、工程S50を実行する回数を多くしてもよい。
【0090】
なお、処理液供給装置200は、工程S5において、バルブ47、48を開くことで、フィルター37の内部の気泡を除去してもよい。
【0091】
次に、図1図2、及び、図4に示すように、工程S6において、センターロボットCRは、基板Wを処理ユニット1に搬入する。そして、処理ユニット1において、スピンチャック12は、基板Wを保持しつつ回転させる。
【0092】
次に、図4及び図10に示すように、工程S7において、処理液供給装置200は、外循環配管60から配管6を介してノズル14に処理液を供給する。その結果、ノズル14は、処理液を基板Wに吐出する。そして、基板Wは、処理液によって処理される。工程S7は、本発明の「処理液供給工程」の一例に相当する。なお、工程S7は、本実施形態に係る処理液循環方法に含まれていてもよい。
【0093】
具体的には、図10に示すように、処理液供給装置200は、制御装置2の制御によって、所定処理期間だけ、バルブ5、36、38、43を開け、バルブ8、45、46、47、48を閉じる。その結果、所定処理期間において、外循環配管60を流れる処理液が配管6からノズル14に供給される。そして、所定処理期間において、ノズル14は、基板Wに処理液を吐出する。バルブ5が開かれてから所定処理期間が経過すると、バルブ5が閉じられ、ノズル14からの処理液の吐出が停止される。なお、所定処理期間は、基板Wの処理目的に応じて予め定められる。
【0094】
すなわち、工程S7では、処理液供給装置200は、工程S5よりも後に、外循環配管60からノズル14に処理液を供給する。図4の例において、工程S7では、処理液供給装置200は、工程S50よりも後に、外循環配管60からノズル14に処理液を供給する。そして、ノズル14に供給された処理液を、ノズル14によって基板Wに吐出する。その結果、パーティクルの低減された処理液によって基板Wを処理できる。
【0095】
次に、図2及び図4に示すように、工程S8において、ノズル18は、リンス液を基板Wに吐出する。その結果、基板W上の処理液が、リンス液によって洗い流される。
【0096】
具体的には、図2に示すように、バルブ19が開かれると、ノズル18は、リンス液を基板Wに吐出する。バルブ19が開かれてから所定リンス期間が経過すると、バルブ19が閉じられ、ノズル18からのリンス液の吐出が停止される。なお、所定リンス期間は、例えば、実験的及び/又は経験的に予め定められる。
【0097】
次に、図2及び図4に示すように、工程S9において、基板Wの高速回転によって基板Wを乾燥させる。
【0098】
具体的には、スピンモーター13が基板Wを回転方向に加速させ、工程S7及び工程S8での基板Wの回転速度よりも大きい高回転速度で基板Wを回転させる。その結果、液体が基板Wから除去され、基板Wが乾燥する。基板Wの高速回転が開始されてから所定乾燥期間が経過すると、スピンモーター13が回転を停止する。そして、基板Wの回転が停止される。なお、所定乾燥期間は、例えば、実験的及び/又は経験的に予め定められる。
【0099】
次に、図1図2、及び、図4に示すように、工程S10において、センターロボットCRは、基板Wを処理ユニット1から搬出する。つまり、処理済みの基板Wがチャンバー11から搬出される。そして、基板処理方法は終了する。
【0100】
次に、図4及び図11を参照して、本実施形態に係る処理液供給装置200が処理液中のパーティクル数を効果的に減少できることについて説明する。図11は、調圧バルブ43の一次側圧力の時間変化及びパーティクル数の時間変化を示すグラフである。グラフGP1において、横軸は、時間を示し、縦軸は、処理液の圧力を示す。この場合、処理液の圧力は、調圧バルブ43の一次側圧力を示す。つまり、処理液の圧力は、圧力計41によって計測された処理液の圧力を示す。また、グラフGP2において、横軸は、時間を示し、縦軸は、処理液中のパーティクル数を示す。パーティクル数は、処理液を基板Wに吐出した後において基板W上の処理液に含まれるパーティクルの数を示す。
【0101】
図11に示すように、内循環(工程S2)が実行される際には、時刻t1において、パーティクル数が最も多い。
【0102】
そして、フィルター排液(工程S3)の実行によって、時刻t2でのパーティクル数は、時刻t1でのパーティクル数よりも減少する。なぜなら、フィルター37よりも一次側に存在しているパーティクル、及び、フィルター37の内部に存在しているパーティクルが、排液配管62によって排出されるからである。
【0103】
次に、第1圧力P1による外循環(工程S4)の実行によって、時刻t3でのパーティクル数は、時刻t2でのパーティクル数よりも減少する。なぜなら、時刻t3において処理液の圧力が第1圧力P1(<第2圧力P2)に設定されることで、処理液の循環流量が増加して、フィルター37がより多くのパーティクルを捕捉できるからである。つまり、処理液の循環流量が増加すると、より多くの処理液がフィルター37を通過するため、より多くのパーティクルがフィルター37によって捕捉される。具体的には、フィルター37よりも二次側に存在するパーティクルが、外循環することで一次側からフィルター37に流入し、フィルター37によって捕捉される。
【0104】
次に、第1圧力P1による外循環開始直後の時刻t4では、第1プリディスペンス処理(工程S40)が実行される。従って、フィルター37の二次側からノズル14までの間に存在するパーティクルが排液配管7によって除去される。その結果、時刻t4でのパーティクル数は、時刻t3でのパーティクル数よりも減少する。
【0105】
次に、第1圧力P1による外循環中の時刻t5では、第1プリディスペンス処理(工程S40)が再び実行される。従って、フィルター37の二次側からノズル14までの間に存在するパーティクルが排液配管7によって更に除去される。その結果、時刻t5でのパーティクル数は、時刻t4でのパーティクル数よりも減少する。
【0106】
次に、第2圧力P2による外循環(工程S5)の実行によって、時刻t6でのパーティクル数は、時刻t5でのパーティクル数よりも若干増加する。なぜなら、時刻t6において処理液の圧力が第2圧力P2(>第1圧力P1)に設定されることで、処理液の循環流量が減少して、フィルター37によるパーティクルの捕捉能力が若干低下するからである。つまり、処理液の循環流量が減少すると、フィルター37を通過する処理液の流量が減少するため、フィルター37によるパーティクルの捕捉能力が低下する。
【0107】
そこで、第2圧力P2による外循環開始直後の時刻t7では、第2プリディスペンス処理(工程S50)が実行される。従って、フィルター37の二次側からノズル18までの間に存在するパーティクルが排液配管7によって除去される。その結果、時刻t7でのパーティクル数は、時刻t6でのパーティクル数よりも減少する。
【0108】
そして、第2圧力P2による外循環によって、ノズル14への処理液の供給が待機される。この場合、処理液に含まれるパーティクルの数は大幅に減少している。その結果、パーティクルの極めて少ない処理液によって基板Wを処理できる。また、第2圧力P2(>第1圧力P1)によって、ノズル14が基板Wに処理液を吐出する際に必要な吐出圧力を確保できる。
【0109】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0110】
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0111】
(1)本実施形態では、図4に示す処理液循環方法は、少なくとも、工程S1及び工程S4を含んでいればよい。処理液に含まれるパーティクルを効果的に除去できるからである。従って、処理液循環方法は、工程S2、工程S3、及び、工程S5を含まなくてもよい。また、処理液循環方法は、工程S2、工程S3、及び、工程S5のうちの1以上の工程を含んでいてもよい。また、工程S4は工程S40を含まなくてもよい。さらに、工程S5は工程S50を含まなくてもよい。
【0112】
(2)図3に示す処理液供給装置200は、バルブ38を有していなくてもよい。理由は次の通りである。すなわち、例えば、工程S3において、処理液の温度が比較的低い場合は、処理液の粘度が比較的高いため、バルブ38が存在しない場合でも、処理液がフィルター37の二次側に流れ難い。従って、処理液が排液配管62に流れ、工程S3を容易に実行できる。
【0113】
(3)図3に示す処理液供給装置200は、バルブ36を有していなくてもよい。理由は次の通りである。すなわち、例えば、工程S2では、処理液の温度が比較的低く、処理液の粘度が比較的高いため、バルブ36が存在しない場合でも、処理液がフィルター37の二次側及び排液配管62に流れ難い。従って、処理液が内循環配管61に流れ、工程S2を容易に実行できる。
【0114】
(4)図3に示す処理液供給装置200は、バルブ36及びバルブ38を有していなくてもよい。理由は、上記(1)、(2)に示した通りである。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、処理液循環方法、及び、基板処理方法に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0116】
6 配管
14 ノズル
17 待機ポッド(液受け部)
30 処理液タンク
34 ポンプ
37 フィルター
43 調圧バルブ
60 外循環配管(第1循環配管)
61 内循環配管(第2循環配管)
62、64 排液配管
100 基板処理装置
200 処理液供給装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11