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特開2022-131944注文端末装置、プログラム、注文管理システム、及び注文管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131944
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】注文端末装置、プログラム、注文管理システム、及び注文管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20220831BHJP
   G06Q 50/12 20120101ALI20220831BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031202
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】313006647
【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 浩志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB58
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】注文情報の送信を中止するタイムアウト時間を注文者エリアに応じて変動させることが可能な注文端末装置、プログラム、注文管理システム、及び注文管理装置を提供する。
【解決手段】注文者エリアを1以上備えた店舗で注文情報を受け付ける受付部と、注文情報を無線通信により接続される注文管理装置に送信し、当該注文管理装置に受け付けられるまで送信をリトライする送信部と、注文情報を送信後、注文管理装置に受け付けられるまでの受付時間を注文者エリア毎に記憶する記憶部と、記憶部に受付時間が記憶されている注文者エリアで、受付部により受け付けられた注文情報については、受付時間に予め定められた時間を加えた時間を、当該注文情報を受け付けてからリトライを中止するまでのタイムアウト時間として設定する設定部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文者エリアを1以上備えた店舗で注文情報を受け付ける受付部と、
前記注文情報を無線通信により接続される注文管理装置に送信し、当該注文管理装置に受け付けられるまで当該送信をリトライする送信部と、
前記注文情報を送信後、前記注文管理装置に受け付けられるまでの受付時間を前記注文者エリア毎に記憶する記憶部と、
前記記憶部に前記受付時間が記憶されている前記注文者エリアで、前記受付部により受け付けられた前記注文情報については、前記受付時間に予め定められた時間を加えた時間を、当該注文情報を受け付けてから前記リトライを中止するまでのタイムアウト時間として設定する設定部と、を備える注文端末装置。
【請求項2】
前記受付時間は、前記注文情報が前記注文管理装置に受け付けられる毎に更新される請求項1に記載の注文端末装置。
【請求項3】
前記注文端末装置は、複数備えられ、
前記受付時間は、前記注文端末装置毎の、前記注文情報を送信後前記注文管理装置に受け付けられるまでの受付時間である請求項1又は2に記載の注文端末装置。
【請求項4】
前記送信部は、
前記タイムアウト時間を前記注文管理装置に送信し、
前記設定部は、
前記注文端末装置に前記タイムアウト時間が設定されてない場合は、前記注文管理装置に記憶された前記タイムアウト時間に基づいて前記タイムアウト時間を設定する請求項1~3のいずれか1項に記載の注文端末装置。
【請求項5】
コンピュータに、
注文者エリアを1以上備えた飲食店で注文情報を受け付け、
前記注文情報を無線通信により接続される注文管理装置に送信し、当該注文管理装置に受け付けられるまで当該送信をリトライし、
前記注文情報を送信後、前記注文管理装置に受け付けられるまでの受付時間を、前記注文者エリア毎に記憶部に記憶させ、
前記記憶部に前記受付時間が記憶されている前記注文者エリアで受け付けられた前記注文情報については、前記受付時間に予め定められた時間を加えた時間を、当該注文情報を受け付けてから前記リトライを中止するまでのタイムアウト時間として設定させるための注文端末装置のプログラム。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の注文端末装置と、
前記注文端末装置と無線通信により接続され、前記注文情報を管理する注文管理装置と、
を備える注文管理システム。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の注文端末装置と無線通信により接続され、前記注文情報を管理する注文管理装置であって、
前記注文管理装置は、前記送信部により送信された前記タイムアウト時間を記憶する記憶部を備える注文管理装置。
【請求項8】
前記注文端末装置に前記タイムアウト時間が設定されてない場合は、前記記憶部に記憶されている前記タイムアウト時間を当該注文端末装置に送信するタイムアウト時間送信部を備える請求項7に記載の注文管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文端末装置、プログラム、注文管理システム、及び注文管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店で使用されている注文管理システムは、無線で通信する注文端末装置と、注文端末装置をネットワークに接続するアクセスポイントと、複数の出力装置(プリンター・ディスプレイ装置)と、これらを制御する注文管理装置とから構成される。
また、最近では、注文情報を入力する装置として、専用の注文端末装置だけでなく、スマートフォンなどの汎用のスマートデバイスが使用されることも多くなってきている。
【0003】
ここで、客から受けた注文情報を入力する携帯型の注文端末装置と出力装置で共通の通信手段を保持し、注文管理装置に障害が発生した場合、注文端末装置で簡易の伝票データや表示データを作成し、直接プリンターやディスプレイ装置に簡易出力を行う縮退運転を可能にするものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-236099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アクセスポイントや注文管理装置に障害が発生した場合は、注文端末装置は注文情報の送信のリトライを繰り返すこととなるため、リトライを中止するタイムアウト時間を設定することが望ましい。かかるタイムアウト時間は、障害の発生に素早く気が付くためには短い時間であることが望まれる。
【0006】
しかし、アクセスポイントは、客席から目立たないように、レジ台の下やバックヤードなどに設置されやすいことから、店舗の端のような場所や、構造が入り組んだ形の店舗では、無線の電波が届かない場所が発生しうる。このような無線の電波が届かない場所に配置される注文者エリアで注文端末装置を使用して注文情報を送信した場合は、店員が無線の電波が届くエリアに移動するまで時間がかかり、タイムアウト時間が短いと注文情報の送信の失敗が多くなり、店員の操作が煩雑となるという問題点があった。
【0007】
そこで、本願発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、注文情報の送信を中止するタイムアウト時間を注文者エリアに応じて変動させることが可能な注文端末装置、プログラム、注文管理システム、及び注文管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様の注文端末装置は、注文者エリアを1以上備えた店舗で注文情報を受け付ける受付部と、前記注文情報を無線通信により接続される注文管理装置に送信し、当該注文管理装置に受け付けられるまで当該送信をリトライする送信部と、前記注文情報を送信後、前記注文管理装置に受け付けられるまでの受付時間を前記注文者エリア毎に記憶する記憶部と、前記記憶部に前記受付時間が記憶されている前記注文者エリアで、前記受付部により受け付けられた前記注文情報については、前記受付時間に予め定めた時間を加えた時間を、当該注文情報を受け付けてから前記リトライを中止するまでのタイムアウト時間として設定する設定部と、を備える。
【0009】
第1の態様の注文端末装置によれば、注文情報の送信を中止するタイムアウト時間を注文者エリアに応じて変動させることができる注文端末装置を提供することが可能となる。
【0010】
また、第2の態様の注文端末装置は、前記受付時間は、前記注文情報が前記注文管理装置に受け付けられる毎に更新される。
【0011】
第2の態様の注文端末装置によれば、無線通信の電波の状況が変動した場合であっても、最新の受付時間を元にタイムアウト時間を設定することができる注文端末装置を提供することが可能となる。すなわち、電波の状況は、障害物が置かれたり、客の着席位置及び着席状況、他の無線機器からの電波の影響を受けたりすることなどにより変動しやすいものであり、最新の受付時間を元にタイムアウト時間を設定することにより、実際の状況に即したタイムアウト時間を設定することができる。
【0012】
また、第3の態様の注文端末装置は、前記注文端末装置は、複数備えられ、前記受付時間は、前記注文端末装置毎の、前記注文情報を送信後前記注文管理装置に受け付けられるまでの受付時間である。
【0013】
第3の態様の注文端末装置によれば、注文端末装置毎に受付時間を管理し、自らの受付時間を元にタイムアウト時間を設定することで、注文端末装置毎に生じうる電波の感度などの差による影響を受けないようにタイムアウト時間を設定することができる注文端末装置を提供することが可能となる。
【0014】
また、第4の態様の注文端末装置は、前記送信部は、前記タイムアウト時間を前記注文管理装置に送信し、前記設定部は、前記注文端末装置に前記タイムアウト時間が設定されてない場合は、前記注文管理装置に記憶された前記タイムアウト時間に基づいて前記タイムアウト時間を設定する。
【0015】
第4の態様の注文端末装置によれば、タイムアウト時間が設定されていない場合であっても、注文管理装置からタイムアウト時間を取得して、タイムアウト時間を設定することができる注文端末装置を提供することが可能となる。
【0016】
また、第5の態様の注文端末装置のプログラムは、コンピュータに、注文者エリアを1以上備えた飲食店で注文情報を受け付け、前記注文情報を無線通信により接続される注文管理装置に送信し、当該注文管理装置に受け付けられるまで当該送信をリトライし、前記注文情報を送信後、前記注文管理装置に受け付けられるまでの受付時間を、前記注文者エリア毎に記憶部に記憶させ、前記記憶部に前記受付時間が記憶されている前記注文者エリアで受け付けられた前記注文情報については、前記受付時間に予め定めた時間を加えた時間を、当該注文情報を受け付けてから前記リトライを中止するまでのタイムアウト時間として設定させる。
【0017】
第5の態様の注文端末装置のプログラムによれば、注文情報の送信を中止するタイムアウト時間を注文者エリアに応じて変動させることができる注文端末装置のプログラムを提供することが可能となる。
【0018】
また、第6の態様の注文管理システムは、第1の態様~第4の態様のいずれかに記載の注文端末装置と、前記注文端末装置と無線通信により接続され、前記注文情報を管理する注文管理装置と、を備える。
【0019】
第6の態様の注文管理システムによれば、注文情報の送信を中止するタイムアウト時間を注文者エリアに応じて変動させることができる注文管理システムを提供することが可能となる。
【0020】
また、第7の態様の注文管理装置は、第1の態様~第4の態様のいずれかに記載の注文端末装置と無線通信により接続され、前記注文情報を管理する注文管理装置であって、前記注文管理装置は、前記送信部により送信された前記タイムアウト時間を記憶する記憶部を備える。
【0021】
第7の態様の注文管理装置によれば、注文管理装置にタイムアウト時間を記憶させておくことで、注文端末装置にタイムアウト時間が設定されていない場合であっても、タイムアウト時間を設定させることができる注文管理装置を提供することが可能となる。
【0022】
また、第8の態様の注文管理装置は、前記注文端末装置に前記タイムアウト時間が設定されてない場合は、前記記憶部に記憶されている前記タイムアウト時間を当該注文端末装置に送信する送信部を備える。
【0023】
第8の態様の注文管理装置によれば、注文端末装置にタイムアウト時間が設定されていない場合であっても、注文管理装置からタイムアウト時間を送信して、タイムアウト時間を設定することができる注文管理装置を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、注文情報の送信を中止するタイムアウト時間を注文者エリアに応じて変動させることが可能な注文端末装置、プログラム、注文管理システム、及び注文管理装置を提供することができる。そして、アクセスポイントや注文管理装置などの装置に障害が発生した場合に、注文端末装置に無駄な送信のリトライを行わせる必要がなく、又、適切なタイミングで、アクセスポイントや注文管理装置の障害の発生を認識することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施の形態に係る注文管理システムの概略構成図である。
図2】本発明の実施の形態に係るアクセスポイントからの電波の到達範囲を説明するための説明図である。
図3】本発明の実施の形態に係る注文端末装置の概略ブロック図である。
図4】本発明の実施の形態に係る注文管理装置の概略ブロック図である。
図5】本発明の実施の形態に係る注文端末装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図6】本発明の実施の形態に係る注文端末装置に記憶される受付時間とタイムアウト時間との一例を示すブロック図である。
図7】本発明の実施の形態に係る注文管理装置に記憶されるタイムアウト時間の一例を示すブロック図である。
図8】本発明の実施の形態でのタイムアウト時間の設定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0027】
図1を用いて、本実施の形態に係る注文管理システム10の一例を説明する。
図1は、本実施の形態に係る注文管理システム10の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る注文管理システム10は、注文者エリアを複数備えた飲食店などの店舗内に収容されており、複数の注文端末装置100と、アクセスポイント200と、注文管理装置300と、プリンター400とを備えている。
【0028】
本実施形態においては、図2に示すように、店舗内に、来客が使用する、注文者エリアとしての複数のテーブルT(テーブルT1~T14)が設置されている。なお、注文者エリアとしては、テーブルT以外でも良く、例えば、テーブルT毎の座席や、個室、座敷、カラオケルーム等の部屋、カウンターの座席などでも良い。また、注文者エリアとしてのテーブルTは、複数設置される場合に限定されず、1以上であれば良い。
【0029】
なお、注文管理装置300は、店舗内に収容される場合に限定されず、インターネット回線などを通じて注文端末装置100、プリンター400と接続されることにより、店舗外に設置されても良い。また、アクセスポイント200やプリンター400は、単数のみならず、複数備えられていても良い。この場合には、複数の装置が同じ機能を有しても良いが、それぞれ異なる機能を備えても良い。また、注文管理システム10には、調理の際に参照する情報が表示されるディスプレイ装置などの他の装置を備えても良い。
【0030】
注文端末装置100は、店舗の店員が客からの注文を入力する際に使用する装置であり、本実施の形態では、スマートフォン型やタブレット型の端末装置である。注文端末装置100は、例えば、無線LAN(Local Area Network)などの無線通信により、アクセスポイント200を介して注文管理装置300と通信を行う。
ここで、注文端末装置100が注文管理装置300に送信する情報は、注文されたテーブルTのテーブル番号、注文された料理、注文された料理の数量、注文された時刻などの注文情報、注文情報を送信後注文管理装置300に受け付けられるまでの受付時間に予め定められた時間を加えた時間であるタイムアウト時間などである。
【0031】
なお、注文端末装置100が注文管理装置300に送信する情報は、上述したものに限定されず、例えば、注文情報を送信後注文管理装置300に受け付けられるまでの受付時間を送信するようにしても良い。受付時間を送信する場合は、タイムアウト時間を送信せず、注文管理装置300に当該受付時間に予め定められた時間を加算させてタイムアウト時間を算出させるようにしても良い。
【0032】
注文管理装置300は、本実施の形態では、注文端末装置100から入力された注文情報の管理や、注文情報に応じてプリンター400にお客様伝票を印刷させる等の制御、後述するが、注文端末装置100から送信されたタイムアウト時間を記憶することなどを行う。
【0033】
プリンター400は、会計の際に使用するお客様伝票などを印刷する装置である。プリンター400は、有線ネットワークを介して注文管理装置300と通信を行う。
注文管理装置300からプリンター400に送信される情報は、お客様伝票を印字するための情報である伝票イメージ等である。
なお、プリンター400は、有線ネットワークを介して注文管理装置300と通信を行う場合に限定されず、例えば、無線LAN、インターネットなどの無線通信を介して注文管理装置300と通信を行っても良い。
【0034】
(注文端末装置100)
図3は、本実施の形態に係る注文端末装置100のブロック図である。
図3に示すように、本実施の形態に係る注文端末装置100は、制御部101、記憶部102、表示部103、入力部104、通信部105を備えている。
各構成は、バス106を介して相互に通信可能に接続されている。
【0035】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)を備え、各種プログラムを実行したり、注文端末装置100の各部を制御したりする。すなわち、制御部101は、記憶部102に記録されているプログラムに基づいて、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。制御部101が備える各機能構成については後述する。
【0036】
記憶部102は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備え、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、情報を記憶する。ここで、記憶部102に記憶される情報としては、例えば、注文可能な料理に関するメニュー情報などや、当該注文端末装置100における注文情報を送信後、注文管理装置300に受け付けられるまでの受付時間、受付時間に予め定められた時間を加えた時間であるタイムアウト時間、注文履歴などがある。すなわち、記憶部102には、当該記憶部102を備える注文端末装置100の受付時間が記憶される。そして、受付時間は、テーブルT毎に記憶される(図6(A)参照)。また、受付時間は、注文情報が注文管理装置300に受け付けられる毎に更新される。すなわち、受付時間は、最新の時間が記憶部102に記憶されていく。そして、タイムアウト時間も受付時間が更新される毎に更新される。
【0037】
表示部103は、例えば、液晶ディスプレイであり、制御部101の制御に応じて各種の情報を表示する。
【0038】
また、表示部103は、タッチパネル方式を採用して、入力部104として機能する。
入力部104により入力される情報としては、注文されたテーブル番号、注文された料理、注文された料理の数量、などの注文情報が含まれる。
【0039】
通信部105は、無線LANなどの無線通信により、注文管理装置300と通信する。
【0040】
ここで、記憶部102に記憶されているプログラムは、注文端末装置100に予めインストールされていても良い。また、プログラムは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布し、注文端末装置100に適宜インストールすることで実現しても良い。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード等が想定される。
【0041】
(アクセスポイント200)
アクセスポイント200は、注文端末装置100を無線LANなどの無線通信のネットワークに接続するものである。アクセスポイント200は、図2に示すように、アクセスポイント200からの無線通信の電波の到達範囲Rがあり、アクセスポイント200の設置位置によって、電波の到達範囲R外になるテーブルTが存在しうる。本実施の形態では、テーブルT1~T5が電波の到達範囲R外となっており、店員がテーブルT1~T5で注文端末装置100を用いて注文情報を送信しても、電波の到達範囲R内に移動してくるまで、注文情報が注文管理装置300に送信されない。かかる店員がテーブルTで注文情報を送信してから電波の到達範囲R内に移動してくるまでの時間に加え、電波の到達範囲R内に入った注文端末装置100から注文管理装置300に注文情報が送信されるまでの時間が略受付時間となる。
【0042】
(注文管理装置300)
図4は、本実施の形態に係る注文管理装置300のブロック図である。
図4に示すように、本実施の形態に係る注文管理装置300は、制御部301、記憶部302、通信部303、入力部304、表示部305、を備えている。
各構成は、バス306を介して相互に通信可能に接続されている。
【0043】
制御部301は、CPUを備え、各種プログラムを実行したり、注文管理装置300の各部を制御したりする。すなわち、制御部301は、記憶部302に記録されているプログラムに基づいて、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0044】
また、制御部301は、タイムアウト時間が設定されていない注文端末装置100の要求に応じて、記憶部302に記憶されているタイムアウト時間を当該注文端末装置100に送信するタイムアウト時間送信部を備える。
【0045】
また、制御部301は、注文端末装置100から入力された注文情報等に基づき、伝票イメージを作成し、プリンター400に印刷を指示する。
【0046】
記憶部302は、ROM、RAMを備え、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、情報を記憶する。
記憶部302として、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。
【0047】
ここで、記憶部302に記憶される情報としては、例えば、注文可能な料理に関するメニュー情報や、注文された料理に関する情報、などがある。
【0048】
また、記憶部302には、後述するが、注文端末装置100毎に、注文情報を送信後注文管理装置300に受け付けられるまでの受付時間に予め定められた時間、例えば3秒、を加えた時間であるタイムアウト時間が記憶される。ここで、タイムアウト時間は、注文端末装置100から送信された情報であり、複数の注文端末装置100毎に区別されて記憶される。
【0049】
なお、タイムアウト時間を記憶せず、受付時間のみを記憶する場合は、タイムアウト時間の情報が必要となった場合に、制御部301が、受付時間に予め定められた時間を加えてタイムアウト時間を計算することとなる。
【0050】
ここで、記憶部302に記憶されているプログラムは、注文管理装置300に予めインストールされていても良い。また、プログラムは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布し、注文管理装置300に適宜インストールすることで実現しても良い。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM、DVD-ROM、及びUSBメモリ、メモリカード等が想定される。
【0051】
通信部303は、注文端末装置100、プリンター400等の他の機器と通信するものであり、注文端末装置100、プリンター400から受信した情報を、有線ネットワークを介して制御部301に出力し、又、制御部301から入力された入力情報を、無線LANを介して注文端末装置100、プリンター400に送信する。
【0052】
入力部304は、キーボードや、マウス等のポインティングデバイスを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0053】
表示部305は、例えば、液晶ディスプレイであり、制御部301の制御に応じて各種の情報を表示する。
また、表示部305は、タッチパネル方式を採用して、入力部304として機能しても良い。
【0054】
上記のプログラムを実行する際に、注文端末装置100は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。
注文端末装置100が実現する機能構成について説明する。
図5は、注文端末装置100の制御部(CPU)101の機能構成の例を示すブロック図である。
【0055】
図5に示すように、注文端末装置100は、機能構成として、受付部110、送信部120、設定部140、警告部150を有する。各機能構成は、制御部(CPU)101が記憶部102に記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0056】
(受付部110)
受付部110は、入力部104により入力された、注文されたテーブル番号、注文された料理、当該料理の注文数量、当該注文された時刻、などからなる注文情報を受け付けるものである。
【0057】
(送信部120)
送信部120は、受付部110により受け付けられた注文情報を無線通信により接続される注文管理装置300に送信する。そして、当該注文管理装置300に受け付けられるまで、すなわち、注文管理装置300から注文情報を受信した旨の信号が返ってくるまで、当該送信をリトライする。かかるリトライは、設定部140により設定されるタイムアウト時間が経過するまで継続され、タイムアウト時間が経過した場合は、警告部150により注文情報が注文管理装置300に受け付けられなかった旨が報知される。なお、注文情報が注文管理装置300に受け付けられた場合は、表示部103に「送信完了しました」などのメッセージが表示される。また、警告部150により注文情報が受け付けられなかった旨の報知がされた場合には、店舗の店員は、アクセスポイント200や注文管理装置300に障害が発生しているかの確認や、注文端末装置100を用いて注文情報を再送信することを行う。
【0058】
また、送信部120は、設定部140により設定されるタイムアウト時間を注文管理装置300に送信する。かかるタイムアウト時間の送信は、例えば、次の注文情報を注文管理装置300に送信する際に、前回の注文情報の受付時間に基づいて計算されたタイムアウト時間が送信される。なお、タイムアウト時間の送信は、次の注文情報を送信する際に行われる場合に限定されず、他のタイミングで行われても良い。
【0059】
(受付時間計測部130)
受付時間計測部130は、送信部120により注文情報を送信後、注文管理装置300に受け付けられるまでの受付時間をテーブルT毎に計測する。受付時間は、送信部120による注文情報の送信から、注文管理装置300から注文情報を受信した旨の信号が返ってくるまでの時間である。
【0060】
また、受付時間計測部130は、注文情報が注文管理装置300に受け付けられる毎に受付時間を更新する。すなわち、最新の受付時間が受付時間計測部130により記憶部102に記憶される。これは、アクセスポイント200からの電波の状況は、障害物が置かれたり、他の無線機器からの電波の影響を受けたりすることなどにより変動しやすいものであり、最新の受付時間を元にタイムアウト時間を設定することにより、実際の状況に即したタイムアウト時間を設定可能とするためである。
【0061】
(設定部140)
設定部140は、記憶部102に受付時間が記憶されているテーブルTで、受付部110により受け付けられた注文情報については、受付時間に予め定められた時間を加えた時間を、当該テーブルTについての当該注文情報を受け付けてからリトライを中止するまでのタイムアウト時間として設定する。すなわち、テーブルT毎に受付時間が記憶されており、当該受付時間に予め定められた時間を加えた時間がタイムアウト時間となる。また、受付時間は、注文情報が注文管理装置300に受け付けられる毎に更新されるため、タイムアウト時間も受付時間が更新される毎に更新される。
【0062】
ここで、予め定められた時間は、店舗の構造や、店員がアクセスポイント200の電波の到達範囲R外から電波の到達範囲Rまでの移動にかかる時間、注文管理装置300の処理負荷がかかっている場合に想定される待ち時間などに応じて店舗毎に設定可能な時間である。予め定められた時間は、本実施の形態では、3秒であるが、これに限定されない。
【0063】
また、予め定められた時間は、本実施の形態では、全てのテーブルTで一律の時間としているが、これに限定されず、テーブルT毎に変えても良い。例えば、アクセスポイント200の電波の到達範囲Rまで離れているテーブルTでは時間を長く設定し、電波の到達範囲Rまで近いテーブルTでは短く設定することなども可能である。
【0064】
なお、注文端末装置100から注文管理装置300へ所定の周期、例えば15秒毎、に接続先を確認する通信を行う仕様の場合は、予め定められた時間を周期と同じ時間又は周期以上の時間とすることが望ましい。例えば、注文端末装置100から注文管理装置300へ15秒毎に通信を行う場合は、予め定められた時間を15秒に設定し、15秒間はリトライを可能とすることで、注文情報の送信が、接続先を確認する通信の間にタイムアウトすることを防止することが可能となる。
【0065】
また、設定部140は、例えば、リセットなどにより注文端末装置100にタイムアウト時間が設定されていない場合は、当該注文端末装置100についての注文管理装置300に記憶されたテーブルT毎のタイムアウト時間に基づいてタイムアウト時間を設定する。ここで、注文管理装置300に記憶されたタイムアウト時間は、前日のタイムアウト時間の平均や、最新のタイムアウト時間などである。すなわち、注文端末装置100をリセットしたなどにより、記憶部102にタイムアウト時間が記憶されていない場合は、注文管理装置300に記憶されている過去のタイムアウト時間などから情報を取得し、タイムアウト時間として設定するものである。また、新しく導入した注文端末装置100などのように、注文管理装置300にもタイムアウト時間が記憶されていない場合は、当該テーブルTについての他の注文端末装置100のタイムアウト時間を取得し、タイムアウト時間として設定するようにしても良い。
【0066】
(警告部150)
警告部150は、注文情報が注文管理装置300に受け付けられなかった旨を報知する。報知は、注文端末装置100の表示部103に「送信できませんでした」などのメッセージを表示することで行われる。その他、注文端末装置100のスピーカ(図示せず)により警告音や音声を出力することにより行われても良い。かかる報知が行われることにより、ユーザは、アクセスポイント200や注文管理装置300の障害の発生に気付くことが遅くならず、適切なタイミングで障害を認識することが可能となる。
【0067】
つぎに、図6(A)、図6(B)、図7を用いて、本実施の形態における注文端末装置100の記憶部102に記憶される受付時間とタイムアウト時間との一例について説明する。
【0068】
図6(A)は、複数の注文端末装置100のうちの注文端末装置100Aの記憶部102に記憶される受付時間の一例である。例えば、テーブルT1では注文情報を送信後注文管理装置300に受け付けられるまで6秒であり、テーブルT14では0.3秒である。テーブルT1は図2に示すように、アクセスポイント200からの電波の到達範囲R外であり、テーブルT14は電波の到達範囲R内であることから違いがでている。
【0069】
図6(B)は、複数の注文端末装置100のうちの注文端末装置100Aの記憶部102に記憶されるタイムアウト時間の一例である。例えば、テーブルT1では、図6(A)に示すように、受付時間が6秒であったため、受付時間の6秒に予め定められた時間である3秒を加えた9秒がタイムアウト時間となる。また、テーブルT14では、図6(A)に示すように、受付時間が0.3秒であったため、受付時間の0.3秒に予め定められた時間である3秒を加えた3.3秒がタイムアウト時間となる。そして、かかる受付時間とタイムアウト時間とは、注文情報が送信されて注文管理装置300に受け付けられる毎に更新されていき、最新の注文情報の受付時間が記憶されていく。なお、過去の注文情報の受付時間を記憶しておくことを排除するものではない。
【0070】
図7は、注文管理装置300の記憶部302に記憶されるタイムアウト時間の一例である。かかるタイムアウト時間は、注文端末装置100から注文管理装置300に送信されるものである。例えば、複数の注文端末装置100のうちの注文端末装置100Aのタイムアウト時間は、テーブルT1について9秒(受付時間6秒+予め定められた時間3秒)であり、テーブルT14については3.3秒(受付時間0.3秒+予め定められた時間3秒)である。注文端末装置100Bのタイムアウト時間は、テーブルT1については8秒(受付時間5秒+予め定められた時間3秒)であり、テーブルT14については3.6(受付時間0.6秒+予め定められた時間3秒)秒である。そして、かかるタイムアウト時間は、注文端末装置100からタイムアウト時間が送信される毎に更新されていき、最新のタイムアウト時間が記憶されていく。なお、過去のタイムアウト時間を記憶しておくことを排除するものではなく、又、過去のタイムアウト時間の平均時間を記憶しておいても良い。
【0071】
つぎに、本実施の形態における注文管理装置300の作用について説明する。
図8は、注文端末装置100によるタイムアウト時間の設定処理の流れを示すフローチャートである。制御部101が記憶部102からプログラムを読み出して、展開して実行することにより、当該処理が行なわれる。
【0072】
ステップS100において、制御部101のCPU(送信部120)により、注文情報が注文管理装置300へ送信されたか否かが判定される。注文情報が送信されたと判定された場合は、次のステップS101に進む。一方、注文情報が送信されたと判定されない場合は、再度、ステップS100となる。
【0073】
ステップS101において、制御部101のCPU(送信部120)により、設定されているタイムアウト時間が注文管理装置300へ送信される。かかるタイムアウト時間の送信は、注文情報を注文管理装置300へ送信する際に行われる。そして、次のステップS102に進む。
【0074】
ステップS102において、制御部101のCPU(受付時間計測部130)により、受付時間の計測が開始される。そして、次のステップS103に進む。
【0075】
ステップS103において、制御部101のCPU(送信部120)により、注文管理装置300から注文情報を受信した旨の信号の返信があったか否かが判定される。注文管理装置300から注文情報を受信した旨の信号の返信があったと判定された場合は、次のステップS104に進む。
【0076】
ステップS104において、制御部101のCPU(受付時間計測部130)により、ステップS102において計測が開始された受付時間の計測が終了される。そして、次のステップS105に進む。
【0077】
ステップS105において、制御部101のCPU(受付時間計測部130)により、ステップS104において計測が終了された時間が受付時間として記憶部102に記憶される。そして、次のステップS106に進む。
【0078】
ステップS106において、制御部101のCPU(設定部140)により、ステップS105において記憶された受付時間に予め定められた時間が加算される。そして、次のステップS107に進む。
ステップS107において、制御部101のCPU(設定部140)により、ステップS106において受付時間に予め定められた時間を加算することにより算出された時間が、タイムアウト時間として設定される。そして、処理を終了する。
【0079】
一方、上述したステップS103において、注文管理装置300から注文情報を受信した旨の信号の返信があったと判定されない場合は、ステップS110に進み、制御部101のCPU(送信部120)により、ステップS110において設定されたタイムアウト時間が経過したか否かが判定される。タイムアウト時間が経過したと判定された場合は、次のステップS111に進む。
【0080】
ステップS111において、制御部101のCPU(送信部120)により、タイムアウト処理が実行、すなわち、注文情報の送信のリトライが中止される。そして、次のステップS112に進む。
【0081】
ステップS112において、制御部101のCPU(警告部150)により、注文情報が注文管理装置300に受け付けられなかった旨が報知される。そして、処理を終了する。なお、かかる報知の後に店員が再度注文情報を送信した場合は、図8に示す処理を再度実行するが、これに限定されず、ステップS103に戻り、再送信の注文情報が注文管理装置300に受け付けられるまでの時間も含めた受付時間を記憶するようにしても良い。
【0082】
一方、上述したステップS110において、タイムアウト時間が経過したと判定されない場合は、ステップS120に進み、制御部101のCPU(送信部120)により、注文情報の送信のリトライがされる。そして、再度、ステップS103に戻る。
【0083】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0084】
本実施の形態によれば、注文情報の送信を中止するタイムアウト時間をテーブルTなどの注文者エリアに応じて変動させることができる注文管理システム10、注文端末装置100、注文端末のプログラム、注文管理装置300を提供することが可能となる。
【0085】
また、本実施の形態によれば、無線通信の電波の状況が変動した場合であっても、最新の受付時間を元にタイムアウト時間を設定することができる注文管理システム10、注文端末装置100、注文端末のプログラム、注文管理装置300を提供することが可能となる。すなわち、電波の状況は、パーティションなどの障害物が置かれたり、客の着席位置及び着席状況、他の無線機器からの電波の影響を受けたりすることなどにより変動しやすいものであり、最新の受付時間を元にタイムアウト時間を設定することにより、実際の状況に即したタイムアウト時間を設定することができる。
【0086】
また、本実施の形態によれば、注文端末装置100毎に受付時間を管理し、自らの受付時間を元にタイムアウト時間を設定することで、注文端末装置100毎に生じうる電波の感度などの差による影響を受けないようにタイムアウト時間を設定することができる注文管理システム10、注文端末装置100、注文端末のプログラム、注文管理装置300を提供することが可能となる。
【0087】
また、本実施の形態によれば、注文端末装置100にタイムアウト時間が設定されていない場合であっても、注文管理装置300からタイムアウト時間を取得して、タイムアウト時間を設定することができる注文管理システム10、注文端末装置100、注文端末のプログラム、注文管理装置300を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0088】
10 注文管理システム
100 注文端末装置
101 制御部
102 記憶部
103 表示部
104 入力部
105 通信部
106 バス
110 受付部
120 送信部
130 受付時間計測部
140 設定部
150 警告部
200 アクセスポイント
300 注文管理装置
301 制御部
302 記憶部
303 通信部
304 入力部
305 表示部
306 バス
400 プリンター
T テーブル
R 電波の到達範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8