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  • 特開-縫い針 図1
  • 特開-縫い針 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131990
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】縫い針
(51)【国際特許分類】
   D05B 85/02 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
D05B85/02
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021068686
(22)【出願日】2021-02-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】521159296
【氏名又は名称】真鍋 菜々花
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 菜々花
【テーマコード(参考)】
3B150
【Fターム(参考)】
3B150CD05
3B150RA04
3B150RA05
(57)【要約】
【課題】糸が簡単に通り、しかも糸が抜けにくい縫い針を実現する。
【解決手段】本発明に係る縫い針は、針穴に切り欠き部1aがあり、前記針穴に滑り止め部材2が設けられ、前記滑り止め部材1aは、糸を固定するための固定部2aを有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
針穴に切り欠き部があり、前記針穴に滑り止め部材が設けられ、前記滑り止め部材は、糸を固定するための固定部を有する縫い針。
【請求項2】
前記切り欠き部は、前記針穴の頂点に設けられている請求項1記載の縫い針。
【請求項3】
前記切り欠き部の幅は、前記針穴方向に向かって細くなっている請求項1または2記載の縫い針。
【請求項4】
前記固定部は、V字切り込み部として設けられている請求項1~3のいずれか一項に記載の縫い針。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縫い針に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、裁縫道具として縫い針が汎用されている。細長い金属で出来ていて、先端が尖っている。また、反対側の端には針穴と呼ばれる小さな穴が開いている構造のものが一般的に用いられる。
【0003】
一般的に、縫い針には、針穴に糸を通すのが大変だという課題がある。それを解決するために特許文献1、2のような技術が考えられてきた。
【0004】
たとえば、特許文献1には、針穴の構造が渦巻状の縫い針が開示されている。特許文献1の縫い針には、針穴に渦巻き状の溝が設けられており、この溝の嵌め込み口に糸を引っ掛けることで、糸通し作業が極めて容易となる。また、針穴の切り込みが渦巻状であることによって、縫っている際、糸が抜けにくい縫い針を提供できる。
【0005】
また、特許文献2には、縫い針そのものを改善された縫い針が開示されている。特許文献2の縫い針によれば、針穴の片側にガイド孔があることにより、糸通し作業を簡単に行える縫い針を提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実全昭61-148279号公報
【特許文献2】特開2006-102231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1、2の縫い針では、針穴に糸を通すのが難しいという課題は解決されるが、縫っている際、糸が針穴から抜けてしまうという観点では、改良の余地がある。
【0008】
そこで、糸が簡単に通り、しかも糸が抜けにくい縫い針の実現が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る縫い針は、針穴に切り欠き部があり、前記針穴に滑り止め部材が設けられ、前記滑り止め部材は、糸を固定するための固定部を有することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、針穴にある切り欠き部に糸を簡単に通すことができる。また、滑り止め部材を設けているため、糸を固定することができ、縫っている際に糸が針穴から抜けてしまうことを防止しうる。
【0011】
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
【0012】
本発明に係る縫い針は、一態様として、前記切り欠き部は、前記針穴の頂点に設けられていることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、布が切り欠き部に引っかかりにくい。
【0014】
本発明に係る縫い針は、一態様として、前記切り欠き部の幅は、前記針穴方向に向かって細くなっていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、切り欠き部の幅から糸が抜けにくい。
【0016】
本発明に係る縫い針は、一態様として、前記固定部は、V字切り込み部として設けられていることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、固定部に糸をしっかり固定でき、縫っている際に糸が抜けることを一層防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】縫い針全体の正面図。
図2】針穴部分の拡大正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明に係る縫い針の実施形態について、図面を参照して説明する。縫い針1では、針穴に糸を通すための切り込み部1aがあり、針穴に滑り止め部材2を設けてある。滑り止め部材2には、糸を固定するためのV字切り込み部2a(固定部の例)が設けられている。
【0020】
〈切り欠き部材の構成〉
切り欠き部1aは、針穴の頂点に設けられており、それにより、切り欠き部1aが布に引っかからない。ここで、針穴の頂点とは、針穴のうちの針先から遠い側の部分である。すなわち針穴の頂点は、縫い針1を用いて縫い進めていくときに縫い針1の進行方向に対する後尾部分になり、縫い針1が布を貫通するときに当該後尾部分(針穴の頂点)は布と接触しにくい。そのため、針穴の頂点に設けられた切り欠き部1aが布に引っかかりにくいのである。また、幅が針穴方向に向かって細くなっていて少し力を加えると針穴に糸を入れられることができる。
【0021】
〈滑り止め部材の構成〉
滑り止め部材2は、針穴に通した糸を引っかける役割を果たす部材である。滑り止め部材2は、例えばゴム素材である。滑り止め部材2には、糸を引っかけるためのV字切り込み部2aがあり、糸をV字切り込み部2aの先端まで入れることにより縫っている最中に糸が抜けない。
【0022】
〈効果〉
縫い針1を用いると、切り欠き部1aを通して針穴に糸を通すことができるので、従来の縫い針に比べて簡単に糸を通すことができる。また、滑り止め部材2でゴム素材を用いることにより、V字切り込み部2aで糸が固定されて抜けにくくなり、縫っている際に糸が抜けてもう一度通すという動作が省ける。
【0023】
〈その他の実施形態〉
以下では、本発明のその他の実施形態について説明する。
【0024】
上記の実施形態では、切り欠き部が針穴の頂点に設けられている構成を例として説明した。しかし、切り欠き部は、必ずしも針穴の頂点に設けられている必要はなく、たとえば針穴の側面部分に設けられていてもよい。
【0025】
上記の実施形態では、切り欠き部の幅は針穴方向に向かって細くなっている構成を例として説明した。しかし、切り欠き部の幅は、必ずしも針穴方向に向かって細くなっていなくてもいい。たとえば、切り欠き部の幅が一定であってもよい。
【0026】
上記の実施形態では、固定部にV字切り込み部2aが設けられている構成を例として説明した。しかし、固定部は、直線状、L字状、渦巻状などの形状の切り込みであってもよい。
【0027】
上記の実施形態では、滑り止め部材がゴム素材である構成を例として説明した。しかし、滑り止め部材の材料は、糸が滑ることを防止できる材料である限りにおいて限定されず、たとえば、スポンジ、プラスチックなどであってもよい。
【0028】
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、たとえば裁縫用の縫い針に利用できる。
【符号の説明】
【0030】
1 :縫い針
1a :切り欠き部
2 :滑り止め部材
2a :V字切り込み部
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2021-07-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
針穴に切り欠き部があり、前記針穴に滑り止め部材が設けられ、前記滑り止め部材は、糸を固定するための固定部を有し、前記滑り止め部材は、ゴム素材、スポンジ、およびプラスチックからなる群から選択される縫い針。
【請求項2】
前記切り欠き部は、前記針穴の頂点に設けられている請求項1記載の縫い針。
【請求項3】
前記切り欠き部の幅は、前記針穴方向に向かって細くなっている請求項1または2記載の縫い針。
【請求項4】
前記固定部は、V字切り込み部として設けられている請求項1~3のいずれか一項に記載の縫い針。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明に係る縫い針は、針穴に切り欠き部があり、前記針穴に滑り止め部材が設けられ、前記滑り止め部材は、糸を固定するための固定部を有し、前記滑り止め部材は、ゴム素材、スポンジ、およびプラスチックからなる群から選択されることを特徴とする。