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▶ 寄藤 桃子の特許一覧

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  • 特開-ラインブラシ 図1
  • 特開-ラインブラシ 図2
  • 特開-ラインブラシ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131991
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】ラインブラシ
(51)【国際特許分類】
   E01H 1/12 20060101AFI20220831BHJP
【FI】
E01H1/12
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021068687
(22)【出願日】2021-02-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】521159311
【氏名又は名称】寄藤 桃子
(72)【発明者】
【氏名】寄藤 桃子
(57)【要約】
【課題】本発明は軽量化と縮小化を満たし、且つ、ライン上のゴミを掃き出すことができる清掃用具を提供する。
【解決手段】フレーム2と、そのフレーム2に回転自在に設けられる回転軸3と、その回転軸3と共に回転してライン上のゴミを掃除するロールブラシ4と、フレーム2に設けられており、且つ、下部に向かうにつれてロールブラシ4の毛束を内側に弾性変形させる傾斜を有する案内部材5と、回転軸に連結されたタイヤ6とからなり、案内部材5によって内側に弾力的に案内された毛束が復元することによりライン上のゴミを掃き出す、ライン清掃用具1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
そのフレームに回転自在に設けられる回転軸と、
その回転軸と共に回転してライン上のゴミを掃除するロールブラシと、
前記フレームに設けられており、且つ、下部に向かうにつれて前記ロールブラシの毛束を内側に弾性変形させる傾斜を有する案内部材と、
前記回転軸に連結されたタイヤとからなり、
前記案内部材によって内側に案内された毛束が弾性により復元することによりライン上の前記ゴミを掃き出す、ライン清掃用具。
【請求項2】
前記フレームにハンドルアームを備えている、請求項1記載のライン清掃用具。
【請求項3】
前記タイヤ及び前記ロールブラシが、前記車軸の両側にそれぞれ設けられている、請求項1又は2に記載のライン清掃用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
テニスコートのライン上にあるゴミを掃き出す清掃用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2にはロールブラシを備えたライン清掃用具について開示されている。これらの清掃用具はラインに沿って押し進めることによってロールブラシが回転し、ライン上のゴミを取り除くものである。
また特許文献3にはライン上のゴミを掃き出す清掃具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】公開実用平成3-18219号公報
【特許文献2】公開実用昭和56-96118号公報
【特許文献3】特開2010-77641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来からライン上のゴミを取り除くためには箒等が使用されるが、その場合使用者が、ラインの延びる方向に箒を動かしてゴミを払いながら、体の向きをラインと平行な横向きにして移動しなければならず、煩雑であった。
また、上記特許文献のラインブラシはライン上を同じ方向に回転するだけなので、ゴミを後ろに残す場合があった。さらにラインにブラシを押しつけて掃くため、大型又は重量のある掃除具になる傾向にある。このため保管するためのスペースを必要とし、重量があり移動させにくかった。
【0005】
そこで、本発明は軽量化、縮小化を満たし、且つ、ライン上のゴミを掃き出すことができる清掃用具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明のライン清掃用具は、フレームと、そのフレームに回転自在に設けられる回転軸と、その回転軸と共に回転してライン上のゴミを掃除するロールブラシと、前記フレームに設けられており、且つ、下部に向かうにつれて前記ロールブラシの毛束を内側に弾性変形させる傾斜を有する案内部材と、前記回転軸に連結されたタイヤとからなり、前記案内部材によって内側に案内された毛束が弾力により復元することによりライン上の前記ゴミを掃き出すことを特徴としている。
【0007】
(2)このようなライン清掃用具は、前記フレームにハンドルアームを備えているが好ましい。
【0008】
(3)また、前記タイヤ及び前記ロールブラシが、前記車軸の両側にそれぞれ設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のライン清掃用具は、簡易な構成でライン上のゴミを掃きだすことができ、そして持ち運びが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は本発明のライン清掃用具の一実施形態を示す概略図である。
図2図2aはロールブラシの毛束を内側に弾性変形される傾斜を有する案内部材の概略図、図2bは案内部材の正面図、図2c、図2d、図2eは、それぞれ図2bのA-O線断面図、B-O線断面図、C-O線断面図である。
図3図3図2bの案内部材に対応しており、符号S1~S5の位置を示す概略図、図3bは図3aで示す位置における案内部材5の断面形状及び毛の様子を示す概略図である。
図4図4は本発明のフレームの他の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[1.概略]
<第1実施形態>
図1を用いて、ライン清掃用具の概略を説明する。
図1に示すライン清掃用具1は、フレーム2と、フレーム2に回転自在に設けられる回転軸3と、回転軸3と共に回転してライン1a(図3参照)上のゴミ(図3参照)を掃除するロールブラシ4と、フレーム2に設けられており、且つ、下部に向かうにつれてロールブラシ4の毛3aを内側に弾性変形される傾斜を有する案内部材5(図2参照)と、回転軸3に連結されたタイヤ6とを備えている。そして、案内部材5によって内側に弾力的に案内された毛束が復元することによりライン1a上のゴミを掃き出すものである。
【0012】
またライン清掃用具1は、フレーム2にハンドルアーム2aを備えている。
【0013】
さらにライン清掃用具1は、タイヤ6及びロールブラシ4が、回転軸3の両側にそれぞれ設けられている。
【0014】
[2.各構成]
(フレーム2)
本実施形態のフレーム2は回転軸3と案内部材5をそれぞれ支える役割を持つ形状をしている。本実施形態ではフレーム2の下部材2bの約中心に回転軸3を支軸する軸受けが設けられ、内側には同じく軸受けを有する案内部材5(図2参照)が設けられている。
【0015】
(回転軸3、タイヤ6)
回転軸3はフレーム2に回転自在に設けられ、ロールブラシ4及びタイヤ6部材を連結する部材である。本実施形態の回転軸3は、主にタイヤ6を動力源としており、タイヤ6が回転することによって回転軸3とロールブラシ4が回転する。
【0016】
(ロールブラシ4)
ロールブラシ4は、複数本の毛3aが生えたベース部1bからなる。
【0017】
(ベース部1b)
ベース部1bは、回転軸3に連結された円柱状の部材であり、側端面1cから毛3aが生えている。
【0018】
(毛3a)
毛3aは弾性を持っており、毛先に行くにつれ外側に湾曲した形状をしている。
(毛の材質)
例えば、ポリプロピレンやプラスチックなどの弾性を持つ材質を使用する。なおその他、弾性を有する公知の材質のものでもよい。
【0019】
(案内部材5)
図2aに示すように案内部材5は、毛3aを内側へと案内するための案内面5aを有している。その案内面5aの縁部分は、下方に向かうにつれて内方に突出する。例えば、図2bに示すように、A-O線断面(図2c参照)、B-O線断面(図2d参照)、C-O線断面(図2e参照)の順で、案内部材5の縁部位の内向きの突出量は次第に大きくなる。C-O線断面(図2e参照)に示すように、この断面位置で案内部材5の縁部位が最大に内方へ突出している。この最大の突出量は、ラインの幅のほぼ半分の位置に毛3aの先端付近を到達させる程度のものである(図3のS3参照)。
【0020】
(ライン1a)
テニスの場合、ライン1aの幅は、25mmから100mmとなっており、材質はプラスチックで、クレーコートではライン1aが釘で地面に固定されている。
【0021】
[3.使用方法]
(使用方法)
次いで、図3を用いて、ライン清掃用具1がどのように作用するのかを説明する。図3図2bの案内部材に対応しており、符号S1~S5の位置を示す概略図である。図3bは図3aで示す位置における案内部材5の断面形状及び毛の様子を示す概略図である。ロールブラシ4はS1~S5の方向に回転している。
【0022】
(工程S1)
図3a及び図3bに示すように、S1の位置にある毛3aは外側に湾曲している。このためラインに触れることはない。
【0023】
(工程S2)
この位置から案内部材5の縁部位の内側への突出量が増加していき、それに伴い毛3aも内側に向き始める。
【0024】
(工程S3)
毛3aの先端付近はライン1aに触れる状態になり、ライン上のゴミをキャッチすることができる。また、この位置で案内部材5の縁部位は最大に内側に突出している。
【0025】
(工程S4)
案内部材5の縁部位の突出量が減少するため、毛3aには弾性力により外側に戻る。これによりゴミを外側に掃き出すことができる。
【0026】
(工程S5)
案内部材5の突出量が無くなる為、毛3aも外側に湾曲した状態に戻る。
【0027】
[4.その他の実施形態]
図4にフレーム2の他の実施形態を説明する。図に示すフレームは上述したフレーム2と共通する部分は多いので、同じ部分の説明は省略し、異なる部分の説明をする。
図4に示すフレーム7は、Y字を逆にした形状を呈している。逆Y字の二股に分かれている部分7a、7aで回転軸3の両端を回転自在に支持している。
【0028】
[5.まとめ]
(1)本発明のライン清掃用具1は、フレーム2と、そのフレームに回転自在に設けられる回転軸3と、その回転軸3と共に回転してライン1a上のゴミを掃除するロールブラシ4と、フレーム2に設けられており、且つ、下部に向かうにつれロールブラシ4の毛3aを内側に弾性変形させる傾斜を有する案内部材5と、回転軸3に連結されたタイヤ6とからなり、案内部材5によって内側に案内された毛3aが弾力により復元することによりライン1aのゴミを掃き出すことを特徴としている。
従来のように掃き出すために毛を地面に押し付けるのでなく、内側に弾性変形させた毛およびその毛の先端付近をライン上に配置し、毛3aが弾性変形で外側に復元することにより、ライン1aの内側から外側にゴミを掃き出すことができる。このため押し付けるための必要な重量や大きさを削減でき、軽量化、縮小化することができる。
【0029】
(2)このようなライン清掃用具1は、フレーム2にハンドルアームを備えているで、使用するのが容易である。
【0030】
(3)また、前記タイヤ及び前記ロールブラシが、前記回転軸の両側にそれぞれ設けられているので、左右の毛が内側に湾曲し、ライン上でそれぞれの毛が外側に弾性により復元する。このため左右にほぼ同じ力で掃き出す力が作用するから、ラインに沿って安定して進むことができ、容易に清掃することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 ライン清掃用具
1a ライン
2 フレーム
3 回転軸
4 ロールブラシ
5 案内部材
6 タイヤ
7 フレーム
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
そのフレームに回転自在に設けられる回転軸と、
その回転軸と共に回転してライン上のゴミを掃除するロールブラシと、
使用時に前記ラインの幅方向の外側に配置され、且つ、前記フレームに設けられると共に下部に向かうにつれて前記ロールブラシの毛束の先端付近前記ラインの幅方向の内側に弾性変形させる傾斜を有する案内部材と、
前記回転軸に連結されたタイヤとからなり、
前記毛束の先端付近は、前記案内部材側に向くと共に前記ラインに触れない状態から、前記案内部材により前記ラインに触れる状態に案内されるものであり、
前記案内部材によって前記ライン側に案内された前記毛束が弾性により復元することにより前記ライン上の前記ゴミを掃き出す、ライン清掃用具。
【請求項2】
前記フレームにハンドルアームを備えている、請求項1記載のライン清掃用具。
【請求項3】
前記タイヤが、前記回転軸の両側に設けられている、請求項1又は2に記載のライン清掃用具。