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特開2022-131994回転操作で着脱する有孔ボードとフック
<図1>
  • 特開-回転操作で着脱する有孔ボードとフック 図1
  • 特開-回転操作で着脱する有孔ボードとフック 図2
  • 特開-回転操作で着脱する有孔ボードとフック 図3
  • 特開-回転操作で着脱する有孔ボードとフック 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131994
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】回転操作で着脱する有孔ボードとフック
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20220831BHJP
   A47G 29/00 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
A47F5/00 A
A47G29/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021068692
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】521159366
【氏名又は名称】三浦 大輝
(72)【発明者】
【氏名】三浦 大輝
【テーマコード(参考)】
3B118
3K100
【Fターム(参考)】
3B118AA02
3B118CA13
3K100AA02
3K100AB04
(57)【要約】
【課題】有孔ボードにおいて、簡単な回転操作でフックの取り付けと取り外しを可能とする。
【解決手段】本発明は、専用の差込部形状を持つフックとこれに対応する穴を持つボードの組を持つことと、ボードを2枚または3枚の板で形成することを主要な特徴とする。本発明は、貫通穴を有する保持ボードの片面または両面に付着したフック用差し込み穴を有する表面ボードからなる有孔ボードであって、前記貫通穴は前記差し込み穴に対応する位置に配置されていることを特徴とする有孔ボードであり、さらに、前記フック用差し込み穴に差し込むことが可能な差込部を有するフックを含み、前記差込部の形状は前記フック用差し込み穴の形状に合う形状であり、前記差込部は、前記フック用差し込み穴から入れた後に回転可能であり、回転した前記差込部は前記フック用差し込み穴から抜けない形状であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通穴を有する保持ボードの片面または両面に付着したフック用差し込み穴を有する表面ボードからなる有孔ボードであって、前記貫通穴は前記差し込み穴に対応する位置に配置されていることを特徴とする有孔ボード。
【請求項2】
さらに、前記フック用差し込み穴に差し込むことが可能な差込部を有するフックを含むことを特徴とする、請求項1に記載の有孔ボード。
【請求項3】
前記差込部の形状は前記フック用差し込み穴の形状に合う形状であることを特徴とする、請求項2に記載の有孔ボード。
【請求項4】
前記差込部は、前記フック用差し込み穴から入れた後に回転可能であり、回転した前記差込部は前記フック用差し込み穴から抜けない形状であることを特徴とする、請求項2または3に記載の有孔ボード。
【請求項5】
前記差込部と同等以上の厚みを持ち、前記差込部を回転させても干渉しない大きさの貫通穴を有することを特徴とする、請求項4に記載の有孔ボード。
【請求項6】
前記差込部の形状はV字あるいはL字であることを特徴とする請求項2~5のいずれかの項に記載の有孔ボード。
【請求項7】
前記差込部の形状は円形以外の形状であることを特徴とする請求項2~5のいずれかの項に記載の有孔ボード。
【請求項8】
前記保持ボードの両面に表面ボードを付着する場合、前記両面に付着した表面ボードの差し込み穴の形状は一方と他方で異なった形状であることを特徴とする、請求項1~6のいずれかの項に記載の有孔ボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有孔ボード、特に回転操作で着脱する有孔ボードおよびそれに使用する専用のフックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
以前から、板を貫通する穴を一定間隔で備えた有孔ボードが利用されている。有孔ボードは特許文献1のように商品ディスプレイとして供される他、家庭内での収納にも用いられている。また、一般家庭ではあまり用いられないが、特許文献2のように円形以外の穴を持つボードも提案されている。
【0003】
特許文献1や特許文献3のように、ボード上に取り付けるものはフック以外にも様々考案されている。しかし、ボードに差し込む部分の形状は種類が少なく、図4のように主に2種類に分けられる。図4のAとBの違いはフックの差込部の折り曲げ回数である。
【0004】
有孔ボードに挿入するフックの耐荷重性能を強化する場合、フックの太さを太くする方法や剛性の高い素材を用いる方法がある。しかし、特許文献4で指摘されているように、歪曲部を持つフックを穴に挿入するためには、穴の直径より十分に細いフックを用いる必要がある。そのため、フックを太くすることによる性能向上には限界がある。
【0005】
図4は、従来のフックを示す図で、代表的なフックの形状を示す。図4では2種類のフック6、7を示す。フック6はA列に、フック7はB列に記載されており、(a)は平面図または上面図、(b)は正面図または立面図、(c)は斜視図である。
【0006】
図4のような一般的なフックは複数回ひねりながらボードに差し込むことで固定されるが、この操作は直感的でなく作業性が悪い。図4のフック6は差し込んでからひねる回数が一度で良いため操作は簡単だが、傾けることで容易にフックがボード穴から脱落する欠点がある。これに対して図4のフック7のように差込部の折り曲げ回数を多くすると、フックの脱落を防止できる反面、着脱の容易さがトレードオフとなり、フックを着脱しにくいという問題がある。これらの一般的なフックの固定方法であるひねり操作とは、折れ曲がった差込部を有孔ボード差込穴に略垂直に差し込めるまで差し込み、次に差込部の屈折に沿ってフックを回転させ、以降適当な回数を繰り返すような操作である。特許文献5のように、フックを強固に固定する方法が提案されているが、簡単に着脱できるという有孔ボードの利点を損ねている。
【0007】
また、フックをボード穴から入れたボード裏面にはフックの一部が露出するため、壁への取り付けの際にはスペーサーを用いる必要があるのも問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3184607
【特許文献2】特許第4115807
【特許文献3】特開2003-325306
【特許文献4】特開2018-187250
【特許文献5】実用新案登録第3208838
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、有孔ボードからのフックの着脱において既存のフック形状では脱落防止とトレードオフで着脱性を損なっている点である。すなわち、フックを有孔ボードに入れて固定配置することが容易ではなく、またフックを有孔ボードから取り外すときにも容易ではないという問題がある。また、フックを有孔ボードに入れて固定配置したときに、フックの差込部が有孔ボードの裏面からはみ出すという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、専用の差込部形状を持つフックとこれに対応する穴を持つボードの組を持つことと、ボードを2枚または3枚の板で形成することを主要な特徴とする。具体的には以下の特徴を有する。
【0011】
(1)本発明は、貫通穴を有する保持ボードの片面または両面に付着したフック用差し込み穴を有する表面ボードからなる有孔ボードであって、前記貫通穴は前記差し込み穴に対応する位置に配置されていることを特徴とする有孔ボードであり、さらに、前記フック用差し込み穴に差し込むことが可能な差込部を有するフックを含み、前記差込部の形状は前記フック用差し込み穴の形状に合う形状であり、前記差込部は、前記フック用差し込み穴から入れた後に回転可能であり、回転した前記差込部は前記フック用差し込み穴から抜けない形状であり、さらに 前記差込部と同等以上の厚みを持ち、前記差込部を回転させても干渉しない大きさの貫通穴を有することを特徴とする。
【0012】
(2)本発明は、(1)に加えて、前記差込部の形状はV字あるいはL字であり、あるいは、円形以外の形状であり、前記保持ボードの両面に表面ボードを付着する場合、前記両面に付着した表面ボードの差込穴の形状は一方と他方で異なった形状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の有孔ボードは、フックをボードに差し込み一定の角度で回転させることで固定するので、操作が簡単である。すなわち、本発明では簡単な回転操作によって着脱可能にすることができる。したがって、フックの取り外し操作をする際に注視していなくてもボードの略垂直方向にフックを引っ張りながら回転させることで、取り外しが可能である。加えて、フックの重心を工夫すればフックを差し込んだ後自動的に固定される角度まで回転する効果も得られる。また、フックの回転により固定配置されていることから、および、保持ボードの両面に表面ボードが付着している場合は、2枚の(表面)ボードでフックを挟み込む構造により、ボードを移動する際の傾きや振動でフックが不意に脱落することを防げる。さらに、保持ボードの穴の幅(深さ)と表面ボードの厚み(幅)の和がフックの差込部の長さよりも大きいので、フックの差込部がボードの外部に露出しない利点、すなわち、フックの差込部がボードの裏からはみ出さないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は本発明の実施形態1の説明図である。
図2図2は本発明の実施形態1のフックの説明図である。
図3図3は本発明の実施形態2のボードの説明図である。
図4図4は従来の有効ボードのフックの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明において、フックを回転させることでボードに固定するという目的を、有孔ボードの構造およびフックの差込部および有孔ボードの穴の形状を工夫することで実現した。
【0016】
図1は本発明の実施形態1を示す図である。1は本発明のフック、2はフックの差込部と対応する形状の穴を持つ表面ボード、3はフックの差込部の太さと同じ厚みを持つ保持ボードである。
【0017】
図1(a)は、本発明の有孔ボード12を横方向(厚み方向)から見た図である。図1(b)および図1(c)は、表面ボード2を示す図であり、図1(b)は正面図で、図1(c)は横方向(ボードの厚み方向)から見た側面図である。図1(d)および図1(e)は、保持ボード3を示す図であり、図1(d)は正面図で、図1(e)は横方向(ボードの厚み方向)から見た側面図である。図1(f)は、本発明の有孔ボード12の斜視図である。図1はフック6を有孔ボード12の差し込み穴11に差し込んだ状態を示している。本発明の有孔ボード12は、図1(a)および図1(f)に示すように、保持ボード3を表面ボード2で挟んだ構造となっている。外側に面している一方の表面ボード2の差し込み穴11にフック1(の差込部)を入れた状態で示している。図1(g)は、有孔ボード12を表面ボード3の正面外側から見た図で、フック1は表面ボード2の差し込み穴11に差し込まれている。
【0018】
実施形態1の保持ボード3は、フック差込部を回転させても干渉することがないように丸い穴13を持つが、この形状はフック差込部が保持ボード3と干渉しなければ(すなわち、保持ボード3と接触しなければ)他の形状の穴でも良い。たとえば矩形状や多角形状でも良い。尚、本発明では一般的に貫通穴13とも呼ぶ。本発明では、フック差込部を表面ボード2の差し込み穴11に差し込んだ後、差し込まれたフック差込部は保持ボード3の貫通穴13に配置される。その後、フックを回転させて有孔ボード(の表面ボード2の差し込み穴11)にフックを固定配置するが、フックの回転時にフック差込部も回転する。このとき、フック差込部が保持ボード3と干渉(接触)しないようにする。フック差込部が保持ボード3と干渉(接触)すると、保持ボード3を破損する可能性もあるし、フックを有孔ボードに固定配置できない場合も生じる。このためには、貫通穴13の大きさはフック差込部が回転したときの面積より大きい必要がある。
【0019】
保持ボード3の穴13は表面ボード2の差し込み穴11に対応する位置に配置される。たとえば、図1では表面ボード2にV字形の差し込み穴11が横に6列、縦に6行で36個形成されている。本発明の有孔ボード12は、保持ボード3を表面ボード2で両側から挟んで合わせて付着させた(貼り合わせた)ものであるが、差し込み穴11の位置に表面ボード2の穴13が配置されるように表面ボード2と保持ボード3が付着して合わさっている。表面ボード2と保持ボード3の付着方法として、接着剤で面同士を貼り合わせる方法、ピンやネジや釘等で固定する方法などが挙げられる。
【0020】
図2はフック1の拡大図である。図2(a)、(b)、(c)は、フック1を有孔ボードへ入れる前の向きから示したもので、図2(a)は斜視図、図2(b)は正面図、図2(c)は横から見た側面図である。フック1の差し込み部21は略V字形状(腕部は21-1、21-2)である。この差し込み部21の形状は表面ボード2の差し込み穴11の形状に合わせた形状か、差し込み部21が差し込み穴11から入れ込めるような形状とサイズである。差し込み部21につながるボード差し込み穴掛け部22は表面ボード2の差し込み穴11に接触して掛かりフック1を表面ボード2に押さえる部分であり、通常は差し込み部21に対してたとえば略直角に連結する。ボード差し込み穴掛け部22が表面ボード2と接触して載置する部分4の長さは表面ボード2の厚み(幅)とほぼ同じ長さになる。
【0021】
ボード差し込み穴掛け部22につながる支持部23はボード差し込み穴掛け部22に対して、たとえば略直角に連結し、連結方向はたとえば差し込み部21と同方向である。支持部23は物を引っかける部分24に連結する。フック1の差し込み部21を表面ボード2の差し込み穴11に入れて、フック2を回転させる。表面ボード2の差し込み穴11の奥側は空間(空隙)(保持ボード3の貫通穴13)であり、支持部23と差し込み部21までの部分8(差し込み部21の幅を含む)の長さは、表面ボード2の厚みと貫通穴13の幅(深さ)を合わせた長さよりも小さくなっているので、フック1が回転してもフック1の差し込み部21が保持ボード3の貫通穴13から外側へ食み出ることはない。また、保持ボード3の両外側に表面ボード2が付着していたとしても、フック1の差し込み部21が他方(奥側)の表面ボード2に接触することはない。
【0022】
図2(d)、(e)、(f)は、フック1を有孔ボードに固定配置したときの状態を示す。すなわち、図2(d)、(e)、(f)は、フック1を180度回転して有孔ボードに配置したときの状態であり、図2(d)は横から見た図で図2(c)に対応し、図2(e)は正面から見た図で図2(d)に対応し、図2(f)は斜視図で図2(a)に対応する。ボード差し込み穴掛け部22の部分4が表面ボード2のV字の交差部に載置する。V字形形状のフック差込部および表面ボード差し込み穴である場合は、このように180度回転することにより、フックのボード差し込み穴掛け部22が表面ボード2のV字の交差部に固定配置するので、容易に動かない状態となる。しかし、フックを180度逆方向に回転すれば、フック差込部を表面ボード差し込み穴から簡単に引き抜くことができる。
【0023】
上述したように、本発明の有孔ボードは、貫通穴(孔)を有する保持ボードの片面、または両面に差し込み穴(孔)を有する表面ボードを付着させたものであり、さらに、差し込み穴の形状に合わせた、または差し込み穴から差し込める(フック)差込部を有するフックを含む。フック差込部を差し込み穴から差し込んだ後に、フックおよびフックの差込部は回転可能であり、回転したフックの差込部はフック用差し込み穴から抜けない形状である。すなわち、フックを回転してフックを所定位置に固定配置したときに、フックを有孔ボードから外側に引き抜こうとしたときに、フックの差込部が有孔ボードの壁(たとえば、差し込み穴以外の部分)で抑えられるので、フックを引き抜くことはできない。
【0024】
このような形状として、たとえば、V字形状やL字形状のフック差込部形状が挙げられ、これに対応する差し込み穴の形状もV字形状やL字形状が望ましい。また、フックを回転して所定位置に固定配置したときに、物を掛ける部分24は、物を掛けることができる形状(たとえば、図2に示すようなU字形状)となっている。
【0025】
図1のように、本発明の有孔ボードは表面ボード2を2枚で保持ボード3を挟み込むことで形成される。図2から分かるように、フック1を有孔ボードの一方の表面ボード2に固定配置しても、フック1の差し込み部21が有孔ボードの他方の表面ボード2に(回転時も含めて)接触することもないし、他方の表面ボード2に接触したり、その外側に食み出ることもない。すなわち、フックの差込部が外部に露出しない。従って、本発明の有孔ボードを壁や板等に取り付けてもフック1が壁や板等に接触することもない。さらに、本発明の有効ボードが両外側に表面ボードがある場合において、両外側からフックを配置することもできる。たとえば、向かい合わせの2つの机や隣合わせの2つの机の間に本発明の有効ボードを配置して仕切りとしたときでも、向かい合わせや隣の人に影響を及ぼすことなく、自由に自分用のフックを掛けることもできる。また、両外側に表面ボードの差し込み穴の形状を異なる形状のものを使用することもできる。尚、この場合は当然フックの差込部の形状も異なってくる。
【0026】
実施形態1では、フック差込部と表面ボードの穴はV字形状を取る。V字形状の場合、フックを差し込んでから固定状態のなるまでに必要な回転角は180°であり、V字の交差部分(角部)にフックのボード差し込み穴掛け部を配置できるので、固定力が高い。
【0027】
実施形態1では差し込み穴としてV字の穴を用いたが、他の形状の差し込み穴を用いることもできる。図3は、L字形状9の差し込み穴を有する表面ボード5(実施形態2)を示す図である。図3のL字穴形状でも発明の効果を発揮可能である。実施形態1でV字の穴に対して未固定状態(差込時)の差込部がV字であるフックを用いたように、L字穴に対して未固定状態の差込部がL字であるフックを用いれば例えば半時計回りに45°の回転で固定できる。このような設定の時は45°の回転で固定できるためV字形と比べて着脱しやすい。L字形状の場合は、L字の交差部分(角部)にフックのボード差し込み穴掛け部を配置することにより、フックの有孔ボードへの固定力が高くなる。同じ差込穴・差込部形状でも、差込部とフックの物をかける部分の角度や、差込穴の角度によって固定に必要な回転角度を調整できる。例えば実施形態1のフックを実施形態2のボードに差し込むような状況では、時計回りに135°の回転で固定されるように設定できる。
【0028】
また、差し込み穴としてV字やL字以外の形状も使用することもできる。さらに、差し込み穴の形状は等方的形状である円形以外の形状でも良く、たとえば、長方形状であっても良い。当然フックの差込部の形状は差し込み穴の形状に合わせた形状で、差し込み穴から挿入できる形状であることが望ましい。差し込み穴の形状が長方形状の場合、フックの差込部の形状のその形状に合った長方形状であり、フックの差込部を表面ボードの差し込み穴から挿入した後に、たとえば90度回転した後にフックを有孔ボードに固定配置すれば、フックを有孔ボードの面に略垂直方向に引き抜こうとしても、フックの差込部が有孔ボードの(表面ボードの)壁で抑えられるので、フックの差込部を有孔ボードの差し込み穴から抜くことは困難である。長方形状の縦と横の比が大きいほど引き抜くことは困難である。フックを有孔ボードから取り外すときは、逆に90度回転すれば、フックの差込部を有孔ボードの差し込み穴から容易に引き抜くことができる。
【0029】
実施形態1では表面ボード2枚で保持ボードを挟み込むことで有孔ボードを形成したが、フックを一方向からしか差し込まない場合、片側の表面ボードは穴を開けずとも発明の効果を発揮できる。あるいは、一方側の表面ボードの差し込み穴の形状と多方側の表面ボードの差し込み穴の形状を異なる形状としても良い。たとえば、一方の表面ボードの差し込み穴の形状をV字形状とし、他方の表面ボードの差し込み穴の形状をL字形状とする。あるいは、保持ボードの片側だけに表面ボードを付着するだけでも本発明の効果を発揮することもできる。
【0030】
表面ボードおよび保持ボードの材質は、従来と同様にMDFや合板を含む木製の板材やABSなどのプラスチックが利用できる。フックの材質はステンレスやアルミニウムなどの金属素材が利用できる。
【0031】
実施形態1の有孔ボードの差込穴のピッチは従来品と同様に25mmや30mmの間隔でも効果を発揮するが、ボードの強度を発揮するためにはV字などの形状の穴を十分な間隔で配置することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
従来有孔ボードが用いられてきた、商品陳列や収納の用途においても利用できる。
【符号の説明】
【0033】
1 V字差込部を持つフック
2 V字穴の表面ボード
3 丸穴の保持ボード
4 表面ボードの厚さと対応するフックの部位の長さ
5 L字穴の表面ボード
6 従来の差込部を持つ有効ボードのフック(ひねり回数1)
7 従来の差込部を持つ有効ボードのフック(ひねり回数2)
8 支持部23と差し込み部21までの部分
9 L字差込穴
11 V字差込穴
12 本発明の有孔ボード
13 貫通穴
21 フック差込部(21‐1および21‐2は腕)
22 ボード差込穴掛け部
23 フック支持部
24 物をかける部分
図1
図2
図3
図4