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▶ 木村 久義の特許一覧

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  • 特開-雑草の生長を抑える雑草防止袋 図1
  • 特開-雑草の生長を抑える雑草防止袋 図2
  • 特開-雑草の生長を抑える雑草防止袋 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022131996
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】雑草の生長を抑える雑草防止袋
(51)【国際特許分類】
   A01M 21/00 20060101AFI20220831BHJP
   A01G 13/00 20060101ALI20220831BHJP
【FI】
A01M21/00 Z
A01G13/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021068695
(22)【出願日】2021-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】321011882
【氏名又は名称】木村 久義
(72)【発明者】
【氏名】木村 久義
【テーマコード(参考)】
2B024
2B121
【Fターム(参考)】
2B024AA10
2B024DB10
2B024DC10
2B121AA19
2B121BB25
2B121BB32
2B121EA21
2B121FA01
2B121FA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】雑草は、手作業で刈り取るか、防草シート等で被うか、除草剤を散布して枯らしていた。しかし、除草作業は連年繰り返され、農薬は動植物のみならず、人体への健康被害を齎し、土壌や水中の有用な昆虫や、微生物をも死滅させるなど、環境破壊下にあった。また、その処理費用も莫大で、今後、環境汚染のない、良好な生活環境を維持するには、雑草対策の強化が急務であり、その一環として、雑草防止袋を提供する。
【解決手段】素材を重ね合わせ、上部及び下部に接続具を設け、左右両側端部には、開閉自在の接続具付き出し入れ口を設け、外周部には浮遊具、又は、沈降具格納袋4、固定具挿入孔1を内含した外袋を設ける。内側には浮遊具、又は、沈降具格納袋4、固定具挿入孔1を内含した間仕切り帯2を設け、左右両側端部には、開閉自在の接続具、若しくは、接着具付きの中空室状材料格納袋を設けた複数機能を有する、一体成形の雑草防止袋を特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
素材を重ね合わせ、上部、及び、下部に接続具を設け、右側端部、及び、左側端部には、開閉自在接続具付き出し入れ口を設け、外周部には、固定具挿入孔(1)を備えた構成よりなる、外袋が特徴の雑草防止袋。
【請求項2】
素材を重ね合わせ、上部、及び、下部を接着し、内側には固定具挿入孔(1)を内含した間仕切り帯(2)を接着し、右側端部、及び、左側端部が開いた状態の中空室を設け、この中空室の両端部には、開閉自在の接続具を設け、又は、接着した構成よりなる、内袋が特徴の雑草防止袋。
【請求項3】
外袋と内袋を合体させて一体型とし、それぞれに接着、若しくは、接続具で固定した構成よりなる、一体成形が特徴の雑草防止袋。
【請求項4】
一体成形の内部、及び、外部に浮遊具、又は、沈降具格納袋を設けた構成が特徴の雑草防止袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作物や土壌、工作物等を雑草から守り、新栽培方法の確立と住環境、及び、人の健康と動植物の生態系を保全するための、雑草防止袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、雑草対策として藁を加工し筵状にした物や、ビニール製の被覆材はあったが、雑草の生長を抑止、又は、防止する材料格納機能を有する構造で、袋状のものはなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これは、次のような問題点があった。
1.従来、雑草を除去する方法として実践されているのは、一つには、雑草を手作業で抜き取る、二つには、草刈り機械を用いて刈り取る、三つには、薬剤(取り分け除草剤)を散布して枯らす、四つには、防草シート等を土壌表面に敷く等々、これらは雑草を除去するために、永年講じられてきた対策として一般的であった。しかし、これらの作業には何れも、廃棄、又は、焼却しなければならない二次的副産物の発生を伴うなど、その取り扱いと併せて処理費用や労力等の増大等々、金銭面においては、特に相当の出費が嵩んでいた。
2.雑草除去は連年繰り返されるが、身がってな不法投棄者や焼却処分する不心得者が後を絶たず、そのため、環境汚染源となったり、さらに薬剤散布に至っては、劇薬のため、取扱者はもとより、農薬が染み込んだ農産物を購入した消費者にまで、人的薬害被害が発症したり、動物や植物全般、それに、土壌や水中生物、河川や海洋、大気汚染へと、前述の破壊行為、或いは、危険な薬剤と認識しつつも、必要悪の一つと考えられ、不特定多数の者が使用してきたことにより、生態系を脅かす大問題が広範囲に及んでいた。
3.雑草を放置することにより、雑草の種子や害虫、昆虫などが健全な栽培地に移動し、様々な被害を齎し、安全で良質な生産を心掛けている生産者等に対し、減収や粗悪で低品質の農産物を収穫させていた。
4.食糧生産の基盤となる農地を健全使用してきたが、近年、減反が進み休耕田や荒廃地が年々増加、その結果、雑草が大量に繋茂し、作付けしようとしても雑草がその作業の妨げとなり、ここでも大量の除草剤を散布しなければ播種も不可能で、農地に限らず、様々な分野で雑草の存在が、再生の足かせになっていた。
本発明は、これを解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.素材を重ね合わせ、上部、及び、下部に接続具を設け、右側端部、及び、左側端部には、開閉自在具付き出し入れ口を設け、外周部には浮遊具,又は、沈降具格納袋(4)、及び、固定具挿入孔(1)を内含した外袋を設ける。
2.素材を重ね合わせ、上部、及び、下部を接着し、内側には浮遊具、又は、沈降具格納袋(4)、及び、固定具挿入孔(1)を内含した、間仕切り帯(2)を接着し、右側端部、及び、左側端部が開いた状態の材料格納用の中空室状材料格納袋(3)を設ける。
そして、中空室の両端部に開閉自在の接続具又は、接着具を設けた、内袋を設ける。
3.前記1、の外袋、及び、2、の内袋をそれぞれ合体させ、複合機能を有した一袋成形の袋を設ける。
本発明は、以上の構成よりなる、雑草の生長を抑え、作物や工作物を保全し、雑草を取り巻く従来の環境と、万人の健康を変革させるための戦略として必要な、雑草防止袋である。
【発明の効果】
【0006】
中空室状材料格納袋(3)に、ビニール製紐を粉砕したものを入れ、土壌表面被覆材として使用した結果、
1、 土壌表面に被覆材として使用した結果、雑草など植物は1本も確認できなかった。
2、 完全遮光、及び、完全防水構造でないため、水分や空気の流入・換気が常時行われ、被覆材を撤去しても、土壌には保湿効果が認められた。
3、 被覆材の上を歩行しても弾力性があり、足踏みしても滑ることなく安定性があり、作業上の支障はなかつた。
4、 多色を選択利用することで、周辺の環境に順応した、従来にないすっきりした環境を構築することができ、多用途性に富むことが確認出来た。
5、 植木鉢など箱型、丸型の器に応用するも、植物本来の生長を妨げることなく、雑草を封じ込めることが出来た。
6、 雑草除去の対象となる場所に応じて、増減させる場合には、雑草防止袋の周囲に設けた接続具を連結、又は、分離させることにより、形状変更も含めて、略無限の工作が可能であった。
7、 軽量素材を使用するため運搬、又は、移動、及び、取付け、又は、取外しなど、脱着が容易であった。
8、 汚損した場合には材料格納袋内の雑草防止材を洗浄して入れ変え、又は、新旧交替が短時間で完了した。
9、 破損した場合には、破損状況、状態によっても異なるが、現場での何れの修理作業も可能であった。
10、不要になった場合には、再生資源としてリサイクルが可能であるため回収し、有効活用ができた。
11、地植え作物の根元部分に、被覆材として使用するも、作物への悪影響はなく、収穫物の汚れも、大変少なかった。
12、材料格納袋内の充填材は、ビニール製紐に限定するものではなく、石木材、プラスチック等々、各種素材にも対応できなることが判明した。
13、水を含む場所(水上・水中等)での使用は地表同様、使用出来た。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の平面図である。
図2】本発明の平面図である。
図3】本発明の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
1、素材を重ね合わせ、上部、及び、下部に接続具を設け、右側端部、及び、左側端、部には、開閉自在接続具付き出し入れ口を設け、外周部には、浮遊具又は、沈降具格納袋、及び、固定具挿入孔(1)を備えた外袋を設ける。
2、素材を重ね合わせ、上部、及び、下部を接着し、内側には浮遊具、又は、沈降具格納袋(4)、及び、固定具挿入孔(1)を内含した間仕切り帯(2)を接着し、右側端部、及び、左側端部が開いた状態の、材料格納用の中空室状材料格納袋(3)を設ける。そして、両端部を開閉自在の接続で固定、若しくは、接着した内袋を設ける。
3、前記1、の外袋、及び、2、の内袋を合体させ、それぞれを接着、若しくは、接続し、複数機能を有した、一体成形の袋を設ける。
本発明は、以上のような構造である。
これを使用する時は、中空室が材料格納専用室となり、ここに充填材の雑草防止材を封入、右側端部、及び、左側端部を接合、若しくは、接着して形状を整え、これを被覆材として使用する場合には、土壌表面、若しくは、接地面上部全体を綺麗にした上で、この雑草防止袋を敷く、又は、被せ、同袋の固定具挿入孔(1)に固定具を差し込み、動かない状態に固定する。また、拡張する場合には、雑草防止袋の外周部に設けている接続具で繋ぎ合わせることにより、拡大することができる。
この雑草防止袋は、柔軟性に富み、設置場所を選ばずに全方位に対応でき、大きさも設置する場所、或いは、面積に応じて、小型から大型まで、然も、連結することによって、広範囲に使うことができる。
また、取外し、若しくは、撤去する場合には、固定具挿入孔(1)に差し込んだ固定具を抜き取り、被覆した雑草防止袋を取り除けばよい。
新旧交換や、部分補修も、接続具を調整することによって解決できる。
【符号の説明】
【0009】
1 固定具挿入孔
2 間仕切り帯
3 中空室状材料格納袋
4 浮遊具・沈降具格納袋
図1
図2
図3