(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132046
(43)【公開日】2022-09-07
(54)【発明の名称】同期制御装置、同期制御方法および同期制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20220831BHJP
G06F 16/23 20190101ALI20220831BHJP
【FI】
G06F8/65
G06F16/23
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167378
(22)【出願日】2021-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2021029762
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢野 雅之
(72)【発明者】
【氏名】高野 陸
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴喜
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5B175
5B376
【Fターム(参考)】
5B175CA10
5B376AB14
5B376AB28
5B376CA02
5B376CA14
5B376CA46
5B376DA08
(57)【要約】
【課題】システム毎に管理を分けることができるというメリットを享受しつつ、システム全体の整合性の担保が困難であるというデメリットを解消できる同期制御装置、同期制御方法および同期制御プログラムの提供を課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)適用元業務システムについてのパッチバージョンの適用が漏れている適用先業務システムの存在の有無をチェックし、存在する場合には、当該適用が漏れている適用先業務システムを、前記適用元業務システムについてのパッチバージョンの適用対象として特定し、(2)当該特定した適用先業務システムに対して、前記適用元業務システムについてのパッチバージョンを適用し、(3)モジュールマスタとフォルダを比較して、ファイルバージョンまたは更新日時の差異があるかないかをチェックし、(4)差異があるとチェックした場合、前記モジュールマスタの内容を前記フォルダにダウンロードする。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える同期制御装置であって、
前記制御部は、
所定のマスタを参照して、過去に適用したことがあるパッチバージョンを識別するための情報であって前記パッチバージョンの作成時または提供時および適用の対象となった業務システムから構成される適用済パッチバージョン識別情報のうち、適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用が漏れている適用先業務システムの存在の有無をチェックし、存在する場合には、当該適用が漏れている適用先業務システムを、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用対象として特定するDBオブジェクト整合性チェック手段と、
前記DBオブジェクト整合性チェック手段で特定した適用先業務システムに対して、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報を適用するDBオブジェクト同期手段と、
モジュールマスタとフォルダを比較して、ファイルバージョンまたは更新日時の差異があるかないかをチェックするモジュール整合性チェック手段と、
前記モジュール整合性チェック手段で前記差異があるとチェックした場合、前記モジュールマスタの内容を前記フォルダにダウンロードするモジュール同期手段と、
を備えること、
を特徴とする同期制御装置。
【請求項2】
前記所定のマスタは、
前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報と、同期フラグと、を含む適用済パッチバージョンマスタと、
前記適用元業務システムと、前記適用先業務システムと、を含む共通システムスクリプト同期管理マスタと、
前記適用先業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報を含む、前記適用先業務システム毎に用意されたパッチ適用履歴マスタと、
から構成されており、
前記DBオブジェクト整合性チェック手段は、
前記適用済パッチバージョンマスタから、同期の必要性があることを示すフラグが設定されている前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報を取得し、
前記共通システムスクリプト同期管理マスタから、当該取得した適用済パッチバージョン識別情報を構成する前記適用元業務システムと紐付く適用先業務システムを取得し、
当該取得した適用先業務システムについての前記パッチ適用履歴マスタ中に、前記取得した前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報が存在しない場合、当該取得した適用先業務システムを、前記適用対象として特定すること、
を特徴とする請求項1に記載の同期制御装置。
【請求項3】
前記モジュールマスタが、モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含み、
前記フォルダが、モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含み、
前記モジュール整合性チェック手段は、
前記フォルダにファイルが存在しない場合、または、前記モジュールマスタと前記フォルダを比較して、前記モジュール識別データが同じもの同士で前記ファイルバージョンもしくは前記ファイル更新日時が異なる場合、前記差異があるとチェックすること、
を特徴とする請求項1または2に記載の同期制御装置。
【請求項4】
前記モジュールマスタが、
モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含むマスタであって、共通システムのモジュールを格納する共通システム配布モジュールマスタと、
モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含むマスタであって、APサーバで使用する業務システムのモジュールを格納するAPモジュールマスタと、
モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含むマスタであって、WEBサーバで使用する業務システムのモジュールを格納するWEBモジュールマスタと、
から構成されており、
前記モジュール整合性チェック手段は、
前記APモジュールマスタおよび前記WEBモジュールマスタと、前記フォルダと、を前記比較するが、この際、前記共通システム配布モジュールマスタと、前記APモジュールマスタおよび前記WEBモジュールマスタと、の間で、同じモジュール識別データが存在する場合には、当該同じモジュール識別データで特定されるモジュールについては、前記共通システム配布モジュールマスタと前記フォルダとを優先して前記比較すること、
を特徴とする請求項3に記載の同期制御装置。
【請求項5】
前記モジュールマスタが、
モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含むマスタであって、共通システムのモジュールを格納する共通システム配布モジュールマスタと、
モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含むマスタであって、APサーバで使用する業務システムのモジュールを格納するAPモジュールマスタと、
モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含むマスタであって、WEBサーバで使用する業務システムのモジュールを格納するWEBモジュールマスタと、
から構成されており、
前記モジュール同期手段は、
前記APモジュールマスタおよび前記WEBモジュールマスタの内容を前記フォルダにダウンロードし、この際、前記共通システム配布モジュールマスタと、前記APモジュールマスタおよび前記WEBモジュールマスタと、の間で、同じモジュール識別データが存在する場合には、当該同じモジュール識別データで特定されるモジュールについては、前記共通システム配布モジュールマスタの内容を前記フォルダにダウンロードすること、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の同期制御装置。
【請求項6】
制御部を備える情報処理装置で実行される同期制御方法であって、
前記制御部で実行される、
所定のマスタを参照して、過去に適用したことがあるパッチバージョンを識別するための情報であって前記パッチバージョンの作成時または提供時および適用の対象となった業務システムから構成される適用済パッチバージョン識別情報のうち、適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用が漏れている適用先業務システムの存在の有無をチェックし、存在する場合には、当該適用が漏れている適用先業務システムを、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用対象として特定するDBオブジェクト整合性チェックステップと、
前記DBオブジェクト整合性チェックステップで特定した適用先業務システムに対して、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報を適用するDBオブジェクト同期ステップと、
モジュールマスタとフォルダを比較して、ファイルバージョンまたは更新日時の差異があるかないかをチェックするモジュール整合性チェックステップと、
前記モジュール整合性チェックステップで前記差異があるとチェックした場合、前記モジュールマスタの内容を前記フォルダにダウンロードするモジュール同期ステップと、
を含むこと、
を特徴とする同期制御方法。
【請求項7】
制御部を備える情報処理装置に実行させるための同期制御プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
所定のマスタを参照して、過去に適用したことがあるパッチバージョンを識別するための情報であって前記パッチバージョンの作成時または提供時および適用の対象となった業務システムから構成される適用済パッチバージョン識別情報のうち、適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用が漏れている適用先業務システムの存在の有無をチェックし、存在する場合には、当該適用が漏れている適用先業務システムを、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用対象として特定するDBオブジェクト整合性チェックステップと、
前記DBオブジェクト整合性チェックステップで特定した適用先業務システムに対して、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報を適用するDBオブジェクト同期ステップと、
モジュールマスタとフォルダを比較して、ファイルバージョンまたは更新日時の差異があるかないかをチェックするモジュール整合性チェックステップと、
前記モジュール整合性チェックステップで前記差異があるとチェックした場合、前記モジュールマスタの内容を前記フォルダにダウンロードするモジュール同期ステップと、
を含むこと、
を特徴とする同期制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同期制御装置、同期制御方法および同期制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、データ同期システムにおいて、サーバとクライアントとのアプリケーションのバージョンアップが同時に行われない構成であっても、サーバアプリケーションのバージョンアップを促すことができるサーバ装置、情報処理方法及びプログラムが開示されている(特許文献1の0001段落および0035段落等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ERP(Enterprise Resources Planning)の導入形態はいくつかの種類が存在し、その内の1つにコンポーネント型ERPがある。コンポーネント型ERPのメリットとして、システム毎に管理が分かれているため、必要なタイミングで必要なバージョンの追加および更新をできることが挙げられる。
【0005】
一方で、管理が分かれているがゆえに、システム全体の整合性の担保が困難であるというデメリットがあった。特に、後発でシステムを追加する、または、個別システムごとにバージョンアップする、等のイベントにおいて、前記デメリットは顕著であった。なお、上記特許文献1には、バージョンアップをとることによる同期制御の記載はあるものの、同期制御の方法は、サーバアプリケーションのバージョンアップに限られるという限局的なものであった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、システム毎に管理を分けることができるというメリットを享受しつつ、システム全体の整合性の担保が困難であるというデメリットを解消することができる同期制御装置、同期制御方法および同期制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る同期制御装置においては、制御部を備える同期制御装置であって、前記制御部は、所定のマスタを参照して、過去に適用したことがあるパッチバージョンを識別するための情報であって前記パッチバージョンの作成時または提供時および適用の対象となった業務システムから構成される適用済パッチバージョン識別情報のうち、適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用が漏れている適用先業務システムの存在の有無をチェックし、存在する場合には、当該適用が漏れている適用先業務システムを、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用対象として特定するDBオブジェクト整合性チェック手段と、前記DBオブジェクト整合性チェック手段で特定した適用先業務システムに対して、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報を適用するDBオブジェクト同期手段と、モジュールマスタとフォルダを比較して、ファイルバージョンまたは更新日時の差異があるかないかをチェックするモジュール整合性チェック手段と、前記モジュール整合性チェック手段で前記差異があるとチェックした場合、前記モジュールマスタの内容を前記フォルダにダウンロードするモジュール同期手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る同期制御装置においては、前記所定のマスタは、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報と、同期フラグと、を含む適用済パッチバージョンマスタと、前記適用元業務システムと、前記適用先業務システムと、を含む共通システムスクリプト同期管理マスタと、前記適用先業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報を含む、前記適用先業務システム毎に用意されたパッチ適用履歴マスタと、から構成されており、前記DBオブジェクト整合性チェック手段は、前記適用済パッチバージョンマスタから、同期の必要性があることを示すフラグが設定されている前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報を取得し、前記共通システムスクリプト同期管理マスタから、当該取得した適用済パッチバージョン識別情報を構成する前記適用元業務システムと紐付く適用先業務システムを取得し、当該取得した適用先業務システムについての前記パッチ適用履歴マスタ中に、前記取得した前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報が存在しない場合、当該取得した適用先業務システムを、前記適用対象として特定すること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る同期制御装置においては、前記モジュールマスタが、モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含み、前記フォルダが、モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含み、前記モジュール整合性チェック手段は、前記フォルダにファイルが存在しない場合、または、前記モジュールマスタと前記フォルダを比較して、前記モジュール識別データが同じもの同士で前記ファイルバージョンもしくは前記ファイル更新日時が異なる場合、前記差異があるとチェックすること、を特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る同期制御装置においては、前記モジュールマスタが、モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含むマスタであって、共通システムのモジュールを格納する共通システム配布モジュールマスタと、モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含むマスタであって、APサーバで使用する業務システムのモジュールを格納するAPモジュールマスタと、モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含むマスタであって、WEBサーバで使用する業務システムのモジュールを格納するWEBモジュールマスタと、から構成されており、前記モジュール整合性チェック手段は、前記APモジュールマスタおよび前記WEBモジュールマスタと、前記フォルダと、を前記比較するが、この際、前記共通システム配布モジュールマスタと、前記APモジュールマスタおよび前記WEBモジュールマスタと、の間で、同じモジュール識別データが存在する場合には、当該同じモジュール識別データで特定されるモジュールについては、前記共通システム配布モジュールマスタと前記フォルダとを優先して前記比較すること、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る同期制御装置においては、前記モジュールマスタが、モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含むマスタであって、共通システムのモジュールを格納する共通システム配布モジュールマスタと、モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含むマスタであって、APサーバで使用する業務システムのモジュールを格納するAPモジュールマスタと、モジュール識別データと、ファイルバージョンと、ファイル更新日時と、を含むマスタであって、WEBサーバで使用する業務システムのモジュールを格納するWEBモジュールマスタと、から構成されており、前記モジュール同期手段は、前記APモジュールマスタおよび前記WEBモジュールマスタの内容を前記フォルダにダウンロードし、この際、前記共通システム配布モジュールマスタと、前記APモジュールマスタおよび前記WEBモジュールマスタと、の間で、同じモジュール識別データが存在する場合には、当該同じモジュール識別データで特定されるモジュールについては、前記共通システム配布モジュールマスタの内容を前記フォルダにダウンロードすること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る同期制御方法においては、制御部を備える情報処理装置で実行される同期制御方法であって、前記制御部で実行される、所定のマスタを参照して、過去に適用したことがあるパッチバージョンを識別するための情報であって前記パッチバージョンの作成時または提供時および適用の対象となった業務システムから構成される適用済パッチバージョン識別情報のうち、適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用が漏れている適用先業務システムの存在の有無をチェックし、存在する場合には、当該適用が漏れている適用先業務システムを、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用対象として特定するDBオブジェクト整合性チェックステップと、前記DBオブジェクト整合性チェックステップで特定した適用先業務システムに対して、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報を適用するDBオブジェクト同期ステップと、モジュールマスタとフォルダを比較して、ファイルバージョンまたは更新日時の差異があるかないかをチェックするモジュール整合性チェックステップと、前記モジュール整合性チェックステップで前記差異があるとチェックした場合、前記モジュールマスタの内容を前記フォルダにダウンロードするモジュール同期ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る同期制御プログラムにおいては、制御部を備える情報処理装置に実行させるための同期制御プログラムであって、前記制御部に実行させるための、所定のマスタを参照して、過去に適用したことがあるパッチバージョンを識別するための情報であって前記パッチバージョンの作成時または提供時および適用の対象となった業務システムから構成される適用済パッチバージョン識別情報のうち、適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用が漏れている適用先業務システムの存在の有無をチェックし、存在する場合には、当該適用が漏れている適用先業務システムを、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用対象として特定するDBオブジェクト整合性チェックステップと、前記DBオブジェクト整合性チェックステップで特定した適用先業務システムに対して、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報を適用するDBオブジェクト同期ステップと、モジュールマスタとフォルダを比較して、ファイルバージョンまたは更新日時の差異があるかないかをチェックするモジュール整合性チェックステップと、前記モジュール整合性チェックステップで前記差異があるとチェックした場合、前記モジュールマスタの内容を前記フォルダにダウンロードするモジュール同期ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、システム毎に管理を分けることができるというメリットを享受しつつ、システム全体の整合性の担保が困難であるというデメリットを解消することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、同期制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、人事システムDBおよび給与システムDBと、会計システムDBと、の間における、DBサーバ中の不整合の発生の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、人事システムDBおよび給与システムDBと、会計システムDBと、の間における、APサーバおよびWEBサーバ中の不整合の発生の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、モジュールおよびDBオブジェクトのそれぞれについての、管理方法、同期の制御方法、同期タイミングおよび不整合環境の検出方法の一例を示す表である。
【
図6】
図6は、適用済パッチバージョンマスタの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、共通システム配布モジュールマスタの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、共通システムスクリプト同期管理マスタの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、パッチ適用履歴マスタの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、APモジュールマスタの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、WEBモジュールマスタの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施形態における処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、初回業務システム導入時のDB復元の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、初回業務システム導入時のモジュール同期処理において用いる、DBサーバ内のマスタの状態の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、初回業務システム導入時のモジュール同期処理後における、APサーバおよびWEBサーバ内のフォルダの状態の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、バージョンアップ時(DBオブジェクトに変更が加わる場合)のパッチ適用処理において適用するパッチの一例を示す図である。
【
図17】
図17は、バージョンアップ時(DBオブジェクトに変更が加わる場合)のパッチ適用処理後における、DBサーバ内のマスタの状態の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、バージョンアップ時(モジュールに変更が加わる場合)のパッチ適用処理において適用するパッチの一例を示す図である。
【
図19】
図19は、バージョンアップ時(モジュールに変更が加わる場合)のパッチ適用処理後における、DBサーバ内のマスタの状態の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、バージョンアップ時(モジュールに変更が加わる場合)のパッチ適用処理後における、APサーバおよびWEBサーバ内のフォルダの状態の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、バージョンアップ時(モジュールに変更が加わる場合)のモジュール同期処理において用いる、DBサーバ内のマスタの状態の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、バージョンアップ時(モジュールに変更が加わる場合)のモジュール同期処理後における、APサーバおよびWEBサーバ内のフォルダの状態の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、後発の業務システム導入時のDB復元の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、後発の業務システム導入時のDBオブジェクト同期処理において用いる、DBサーバ内のマスタの状態の一例を示す図である。
【
図25】
図25は、後発の業務システム導入時のDBオブジェクト同期処理後における、DBサーバ内のマスタの状態の一例を示す図である。
【
図26】
図26は、後発の業務システム導入時のモジュール同期処理において用いる、DBサーバ内のマスタの状態の一例を示す図である。
【
図27】
図27は、後発の業務システム導入時のモジュール同期処理後における、APサーバ内のフォルダの状態(同期対象フォルダ設定ファイルの同期対象フォルダが設定されている場合)の一例を示す図である。
【
図28】
図28は、後発の業務システム導入時のモジュール同期処理後における、WEBサーバ内のフォルダの状態(同期対象フォルダ設定ファイルの同期対象フォルダが設定されている場合)の一例を示す図である。
【
図29】
図29は、後発の業務システム導入時のモジュール同期処理後における、APサーバ内のフォルダの状態(同期対象フォルダ設定ファイルの同期対象フォルダが設定されていない場合)の一例を示す図である。
【
図30】
図30は、後発の業務システム導入時のモジュール同期処理後における、WEBサーバ内のフォルダの状態(同期対象フォルダ設定ファイルの同期対象フォルダが設定されていない場合)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る同期制御装置、同期制御方法および同期制御プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
(1)用語について
本願明細書および本願図面において用いる用語の意味は、以下のとおりである。
・DBオブジェクト・・・データベース内に格納するテーブル、ストアドプロシージャ、トリガーおよびビュー等のオブジェクトである。
・DBスクリプト・・・DBオブジェクトに対して変更、追加および削除等を行う操作命令を記述したファイルである。パッチに含めて適用することで、変更、追加および削除の内容を反映させる。
・モジュール・・・アプリケーションを動かす際に必要となるファイルである。例えば、exe、dllまたはjs形式のファイルである。
・APサーバ・・・クライアントサーバ型アプリケーションのモジュールを配置するサーバである。
・WEBサーバ・・・Webアプリケーションのモジュールを配置し、またそれを公開するサーバである。
・DBサーバ・・・データベース管理システムが存在しているサーバである。
・業務システム・・・コンポーネント型で導入する各業務アプリケーション群の導入および管理単位である。
・共通システム・・・複数の業務システムが共通で利用する機能およびアプリケーション群の管理単位である。
【0018】
(2)従来技術とその問題点
ERPの導入形態はいくつかの種類が存在し、その内の1つにコンポーネント型ERPがある。コンポーネント型ERPのメリットとして、システム毎に管理が分かれているため、必要なタイミングで必要なバージョンの追加および更新をすることが出来ることが挙げられる。
【0019】
一方で、管理が分かれているがゆえに、システム全体の整合性の担保が困難であるというデメリットがあった。特に、後発でシステムを追加する、または、個別システムごとにバージョンアップする、等のイベントにおいて、前記デメリットは顕著であった。
【0020】
(3)本発明の概略および効果
そこで、本実施形態においては、例えば、コンポーネントごとに分かれるシステムでありながら、システム共通の領域と、コンポーネントごとの領域とを分けて管理するようにした。この考え方によって、各システムで共通して使用するモジュールとDBオブジェクトに対して、納品およびシステム起動時等のタイミングで不整合を検出し、同期をとることを可能にした。
【0021】
これにより、例えば、コンポーネントごとに分かれる納品担当者のパッチ適用漏れを防止し、システム全体の品質を担保できるようになり、スピーディーかつ高品質なバージョンアップを提供することが可能となる。言い換えると、業務システムを運用する上での業務間バージョン更新要否要件や、業務システム毎のステップ別導入および追加導入といった利用形態に即したサービスの安定提供を実現することができた。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0022】
[2.構成]
本実施形態に係る同期制御装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、同期制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
同期制御装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、同期制御装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
同期制御装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。同期制御装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、同期制御装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、同期制御装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0028】
記憶部106は、例えば、適用済パッチバージョンマスタ106aと、共通システム配布モジュールマスタ106bと、共通システムスクリプト同期管理マスタ106cと、パッチ適用履歴マスタ106dと、APモジュールマスタ106eと、WEBモジュールマスタ106fと、を備えている。なお、各マスタの機能および内容については、以下の[4.処理の概要等]の「(3)マスタ構成」において詳細に説明する。
【0029】
制御部102は、同期制御装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0030】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)DB復元部102aと、(2)所定のマスタを参照して、過去に適用したことがあるパッチバージョンを識別するための情報であって前記パッチバージョンの作成時または提供時および適用の対象となった業務システムから構成される適用済パッチバージョン識別情報のうち、適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用が漏れている適用先業務システムの存在の有無をチェックし、存在する場合には、当該適用が漏れている適用先業務システムを、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報の適用対象として特定するDBオブジェクト整合性チェック手段としてのDBオブジェクト整合性チェック部102bと、(3)前記DBオブジェクト整合性チェック手段で特定した適用先業務システムに対して、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョン識別情報を適用するDBオブジェクト同期手段としてのDBオブジェクト同期部102cと、(4)パッチ適用部102dと、(5)モジュールマスタとフォルダを比較して、ファイルバージョンまたは更新日時の差異があるかないかをチェックするモジュール整合性チェック手段としてのモジュール整合性チェック部102eと、(6)前記モジュール整合性チェック手段で前記差異があるとチェックした場合、前記モジュールマスタの内容を前記フォルダにダウンロードするモジュール同期手段としてのモジュール同期部102fと、を備えている。
【0031】
DB復元部102aは、DBの復元を行う。
【0032】
DBオブジェクト整合性チェック部102bは、所定のマスタ(例えば、適用済パッチバージョンマスタ106a、共通システムスクリプト同期管理マスタ106cおよびパッチ適用履歴マスタ106d)を参照して、前記適用元業務システムについての前記パッチバージョンの適用が漏れている適用先業務システムの存在の有無をチェックし、存在する場合には、当該適用が漏れている適用先業務システムを、前記適用元業務システムについての前記パッチバージョンの適用対象として特定する。
【0033】
DBオブジェクト整合性チェック部102bは、具体的には、以下の(1)~(3)の処理を行う。
【0034】
(1)DBオブジェクト整合性チェック部102bは、まず、前記適用元業務システムについての前記パッチバージョンと、同期フラグと、を含む適用済パッチバージョンマスタ106aから、同期の必要性があることを示すフラグ(「true」のフラグ)が設定されている前記適用元業務システムについての前記パッチバージョンを取得する。
【0035】
(2)DBオブジェクト整合性チェック部102bは、次に、前記適用元業務システムと、前記適用先業務システムと、を含む共通システムスクリプト同期管理マスタ106cから、(1)で取得したパッチバージョンを構成する前記適用元業務システムと紐付く適用先業務システムを取得する。
【0036】
(3)DBオブジェクト整合性チェック部102bは、最後に、(2)で取得した適用先業務システムについてのパッチ適用履歴マスタ106d中に、(1)で取得した前記適用元業務システムについての前記パッチバージョンが存在しない場合、(2)で取得した適用先業務システムを、前記適用対象として特定する。
【0037】
DBオブジェクト同期部102cは、DBオブジェクト整合性チェック部102bで特定した適用先業務システムに対して、前記適用元業務システムについての前記適用済パッチバージョンを適用する。
【0038】
パッチ適用部102dは、パッチの適用を行う。
【0039】
モジュール整合性チェック部102eは、モジュールマスタ(例えば、共通システム配布モジュールマスタ106b、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ
106f)と、フォルダと、を比較して、ファイルバージョンまたは更新日時の差異があるかないかをチェックする。
【0040】
モジュール整合性チェック部102eは、具体的には、前記フォルダにファイルが存在しない場合、または、前記モジュールマスタと前記フォルダを比較して、前記モジュール名が同じもの同士で前記ファイルバージョンもしくは前記ファイル更新日時が異なる場合、前記差異があるとチェックする。
【0041】
モジュール整合性チェック部102eは、更に具体的には、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、前記フォルダと、を前記比較するが、この際、共通システム配布モジュールマスタ106bと、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、の間で、同じモジュール名が存在する場合には、当該同じモジュール名で特定されるモジュールについては、共通システム配布モジュールマスタ106bと前記フォルダとを優先して前記比較する。
【0042】
モジュール同期部102fは、モジュール整合性チェック部102eで前記差異があるとチェックした場合、前記モジュールマスタの内容を前記フォルダにダウンロードする。
【0043】
モジュール同期部102fは、具体的には、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fの内容を前記フォルダにダウンロードし、この際、共通システム配布モジュールマスタ106bと、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、の間で、同じモジュール名が存在する場合には、当該同じモジュール名で特定されるモジュールについては、共通システム配布モジュールマスタ106fの内容を前記フォルダにダウンロードする。
【0044】
[3.課題、解決方法および効果]
本項目では、本発明の課題、解決方法および効果について説明する。
【0045】
(1)本発明の課題
ERPの導入形態はいくつかの種類が存在し、その内の1つにコンポーネント型ERPがある。コンポーネント型ERPは既存の業務システムとの連携が容易で、必要な機能をその都度、追加および削除できるというメリットがある。
【0046】
しかしながら、複数のDBがあるため、モジュールのバージョン管理やDBオブジェクトの整合性の管理が難しいというデメリットがある。
【0047】
必要なタイミングで必要なバージョンを使用できるというメリットを享受しつつ、前記デメリットに対応するためには、分離して管理する箇所および共通して管理する箇所に分けて管理するという手段が考えられる。この手段をとると、システム全体の整合性を担保する際、分離して管理する箇所を考える必要がなくなり、共通して管理する箇所に注力すればよくなる。しかしながら、以下の要求を満たしつつ、共通して管理する箇所を自動で統制するのには以下の課題があった。
【0048】
前記要求としては、例えば、以下の2点があった。
・各業務システムのバージョンおよびバージョンを上げるタイミングが異なっていても、共通して使用するモジュールとDBオブジェクトの整合性を担保する。
・後発で追加した業務システムに対して、既存の業務システムとの整合性を担保する。
【0049】
どのようにして、各業務システムで使用しているDBオブジェクトおよびローカルのモジュールの整合性をとるかということに関しては、以下のA~Dの課題があった。
A.どのようにして、分離して管理する箇所および共通して管理する箇所を管理するのか。
B.どのように同期を制御するか。
C.どのタイミングで同期をとるか。
D.どのようにして不整合な環境を検出するか。
【0050】
ここで、不整合発生の例として、従来においては、例えば
図2および
図3に示すように、後発で業務システムDB(会計システムDB)を追加した場合には、DBサーバ、APサーバおよびWEBサーバのそれぞれにおいて、人事システムDBおよび給与システムDBと、会計システムDBと、の間で、元号の不整合(会計システムDBでは、「令和」が登録されていない)や共通システムモジュールの不整合(会計APフォルダおよび会計WEBフォルダでは、バージョンが「1.0」である)が発生していた。
【0051】
(2)本発明の解決方法
本発明で用いる解決方法は、
図4の表に示すとおりである。
図4の表には、モジュールおよびDBオブジェクトのそれぞれについて、管理方法、同期の制御方法、同期タイミングおよび不整合環境の検出方法を示している。
【0052】
(3)本発明の効果
本実施形態においては、例えば、コンポーネントごとに分かれる納品担当者のパッチ適用漏れを防止し、システム全体の品質を担保できるようにした。この結果、例えば、スピーディーかつ高品質なバージョンアップの提供をすることが可能となった。
【0053】
[4.処理の概要等]
本項目では、本実施形態に係る処理の概要等を説明する。
【0054】
(1)目的
本実施形態においては、業務システム導入時、バージョンアップ時およびシステム起動時に、以下の1~2を実現することを目的とする。
1.モジュール同期
2.DBオブジェクトの同期
【0055】
(2)システム構成
本実施形態におけるシステム構成について説明する。
【0056】
本実施形態におけるパッチは、以下の5つのフォルダで構成されている。
・共通システムスクリプトフォルダ
・共通システムモジュールフォルダ
・業務システムスクリプトフォルダ
・業務システムAPモジュールフォルダ
・業務システムWEBモジュールフォルダ
【0057】
【0058】
(3)マスタ構成
本項目では、本実施形態におけるマスタ構成について、
図6~
図11を用いて説明する。
【0059】
適用済パッチバージョンマスタ106aは、これまで適用した全パッチのバージョンを管理するためのマスタである。適用済パッチバージョンマスタ106aは、
図6に示すように、例えば、過去に適用したことがあるパッチバージョンを識別するための情報であって前記パッチバージョンの作成時または提供時および適用の対象となった業務システムから構成される適用済パッチバージョン識別情報(パッチバージョン)と、業務システムと、同期フラグと、等を含む。適用したパッチに「共通システムスクリプトフォルダ」があった場合、
図6に示すように、「同期フラグ」は、同期の必要性があることを示すフラグである「true」となる。なお、以下のマスタの説明においては、説明の簡便化のため、共通システムに対するレコードのみを示す。
【0060】
共通システム配布モジュールマスタ106bは、共通システムモジュールを格納するマスタである。共通システム配布モジュールマスタ106bは、
図7に示すように、例えば、モジュール識別データ(モジュール名)と、ファイルバージョンと、モジュールバイナリ情報と、ファイル更新日時と、等を含む。
【0061】
共通システムスクリプト同期管理マスタ106cは、「共通スクリプトフォルダ」の同期元と同期先を指定するマスタであり、システムの依存関係の制御をするために必要なマスタである。共通システムスクリプト同期管理マスタ106cは、
図8に示すように、例えば、適用元業務システムと、適用先業務システムと、等を含む。
【0062】
パッチ適用履歴マスタ106dは、各業務システムDBに適用されたパッチのバージョンを管理するマスタである。パッチ適用履歴マスタ106dは、
図9に示すように、例えば、前記適用済パッチバージョン識別情報(パッチバージョン)と、業務システムと、等を含む。
【0063】
APモジュールマスタ106eは、APサーバで使用する業務システムのモジュールを格納するマスタである。APモジュールマスタ106eは、
図10に示すように、例えば、モジュール識別データ(モジュール名)と、ファイルバージョンと、配置パスと、モジュールバイナリ情報と、ファイル更新日時と、等を含む。当該配置パスとは、マスタからモジュールをダウンロードした際に、モジュールが配置されるパスである。当該配置パスは、パッチのフォルダ構成から決まる。
【0064】
WEBモジュールマスタ106fは、WEBサーバで使用する業務システムのモジュールを格納するマスタである。WEBモジュールマスタ106fは、
図11に示すように、例えば、モジュール識別データ(モジュール名)と、ファイルバージョンと、配置パスと、モジュールバイナリ情報と、ファイル更新日時と、等を含む。当該配置パスの説明については、前段落と同様である。
【0065】
ここで、これ以降の説明においては、以下の1~2の留意点が存在する。
1.これ以降の説明においては、「モジュールバイナリ情報」および「業務システム」の列名の記載は割愛する。
2.これ以降の説明においては、共通システム配布モジュールマスタ106b、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fを総称して、「モジュールマスタ」ということがある。
【0066】
(4)処理フロー
本項目では、本実施形態における処理フローについて、
図12のフローチャートを用いて説明する。本項目では、初回業務システム導入時または後発の業務システム導入時の処理フローを以下の(4-1)で説明し、バージョンアップ時の処理フローを以下の(4-2)で説明し、システム起動時の処理フローを以下の(4-3)で説明する。
【0067】
(4-1)初回業務システム導入時または後発の業務システム導入時
まず、処理タイミングが判定される(
図12のステップS1)。本項目では、初回業務システム導入時または後発の業務システム導入時と判定されるものとする。
【0068】
次に、DB復元部102aは、DB復元を行う(
図12のステップS2)。
【0069】
次に、DBオブジェクト整合性チェック部102bは、DBオブジェクトの整合性チェックを行う(
図12のステップS3)。
【0070】
不整合が存在する場合(
図12のステップS3においてNG)、DBオブジェクト同期部102cは、DBオブジェクトの同期処理を行う(
図12のステップS4)。
【0071】
これに対して、不整合が存在しない場合(
図12のステップS3においてOK)、パッチ適用部102dは、パッチ適用処理を行う(
図12のステップS5)。
【0072】
次に、モジュール整合性チェック部102eは、モジュールの整合性チェックを行う(
図12のステップS6)。
【0073】
不整合が存在する場合(
図12のステップS6においてNG)、モジュール同期部102fは、モジュールの同期処理を行う(
図12のステップS7)。
【0074】
これに対して、不整合が存在しない場合(
図12のステップS6においてOK)、処理は終了する(
図12のエンド)。
【0075】
(4-2)バージョンアップ時
まず、処理タイミングが判定される(
図12のステップS1)。本項目では、バージョンアップ時と判定されるものとする。
【0076】
次に、DBオブジェクト整合性チェック部102bが、DBオブジェクトの整合性チェックを行う(
図12のステップS3)。
【0077】
これ以降の処理は、(4-1)と同様であるため、説明を割愛する。
【0078】
(4-3)システム起動時
まず、処理タイミングが判定される(
図12のステップS1)。本項目では、システム起動時と判定されるものとする。
【0079】
次に、DBオブジェクト整合性チェック部102bは、DBオブジェクトの整合性チェックを行う(
図12のステップS8)。
【0080】
不整合が存在する場合(
図12のステップS8においてNG)、エラーが表示されて(
図12のステップS9)、処理は終了する(
図12のエンド)。
【0081】
これに対して、不整合が存在しない場合(
図12のステップS8においてOK)、モジュール整合性チェック部102eは、モジュールの整合性チェックを行う(
図12のステップS6)。
【0082】
これ以降の処理は、(4-1)と同様であるため、説明を割愛する。
【0083】
(5)処理の概要
本項目では、本実施形態における処理の概要について説明する。
【0084】
(5-1)DB復元処理
DB復元部102aは、全ての業務システムと統合パッチ管理DBのバックアップをとったシステムDB一式から導入したいDBを選択して復元する。
【0085】
(5-2)DBオブジェクト整合性チェック処理
DBオブジェクト整合性チェック部102bは、共通システムスクリプト同期管理マスタ106cを参照して、適用元業務システムが「共通システム」である適用先業務システムの全てのDBに対して、各業務システムDBのパッチ適用履歴マスタ106dと適用済パッチバージョンマスタ106aを比較して、適用が漏れているパッチがないか確認する。具体的には、以下の1~3の手順で確認する。
【0086】
1.まず、DBオブジェクト整合性チェック部102bは、適用済パッチバージョンマスタ106aから、同期フラグがtrueの行を抽出する(すなわち、同期が必要なパッチの一覧を取得する)。
【0087】
2.次に、DBオブジェクト整合性チェック部102bは、1.で抽出した各行に対して、適用済パッチバージョンマスタ106aの「業務システム」と共通システムスクリプト同期管理マスタ106cの「適用元業務システム」が合致する行を抽出することにより、適用先業務システムの一覧を取得する。
【0088】
3.最後に、DBオブジェクト整合性チェック部102bは、2.で抽出した各行に対して、共通システムスクリプト同期管理マスタ106cの「適用先業務システム」で指定される業務についてのパッチ適用履歴マスタ106dを参照し、1.において適用済パッチバージョンマスタ106aから抽出した行における「パッチバージョン」と一致する履歴が存在するかチェックする(すなわち、パッチ適用チェックをする)。DBオブジェクト整合性チェック部102bは、一致する履歴が存在する場合は、差異がなし(適用漏れなし)と判定し、これに対して、一致する履歴が存在しない場合は、差異があり(適用漏れあり)と判定する。
【0089】
(5-3)DBオブジェクト同期処理
DBオブジェクト同期部102cは、(5-2)におけるDBオブジェクト整合性チェックの結果から、適用漏れが発覚した業務システムとそのパッチの一覧を取得する。そして、DBオブジェクト同期部102cは、適用漏れしていたパッチの内、共通システムスクリプトフォルダ以下にあるスクリプトを、適用漏れがあった業務システムに対して適用する。
【0090】
(5-4)パッチ適用処理
パッチ適用部102dは、以下の1~7の処理を順に実行する。
【0091】
1.パッチ適用部102dは、共通システムモジュールフォルダ以下にあるモジュールを、統合パッチ管理DBの共通システム配布モジュールマスタ106bに格納する。
【0092】
2.パッチ適用部102dは、業務システムAPモジュールフォルダ以下にあるモジュールを、業務システムDBのAPモジュールマスタ106eに格納する。
【0093】
3.パッチ適用部102dは、業務システムWEBモジュールフォルダ以下にあるモジュールを、業務システムDBのWEBモジュールマスタ106fに格納する。
【0094】
4.パッチ適用部102dは、共通システムスクリプトフォルダ以下にDBスクリプトがある場合、共通システムスクリプト同期管理マスタ106cを参照して、適用元業務システムが「共通システム」である適用先業務システムの全てのDBに、共通システムスクリプトフォルダの内容を適用する。
【0095】
5.パッチ適用部102dは、業務システムスクリプトフォルダ以下にあるDBスクリプトを、業務システムDBに適用する。
【0096】
6.パッチ適用部102dは、統合パッチ管理DBの適用済パッチバージョンマスタ106aを更新する。パッチ適用部102dは、この際、「共通システムスクリプトフォルダ」があった場合、「同期フラグ」をtrueにする。
【0097】
7.パッチ適用部102dは、業務システムDBのパッチ適用履歴マスタ106dを更新する。
【0098】
(5-5)モジュール整合性チェック処理
モジュール整合性チェック部102eは、モジュールマスタとローカルフォルダを比較し、ファイルバージョンおよび更新日時等に問題がないかチェックをする。具体的には、以下の対象に対して、以下のチェックを行う。
【0099】
チェックの対象となるモジュールは、以下の1または2である。
1.共通システム配布モジュールマスタ106bに存在せず、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fにのみ存在するモジュール
2.共通システム配布モジュールマスタ106bと、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、で共通して存在するモジュール
【0100】
モジュール整合性チェック部102eは、チェックの対象となるモジュールが1.である場合、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fの「配置パス」で指定されているパスを確認して、以下のAまたはBに該当しないか確認する。これに対して、モジュール整合性チェック部102eは、チェックの対象となるモジュールが2.である場合、「同期対象フォルダを設定したファイル」に記載されているパス上に配置されているファイルに対して、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fの「配置パス」で指定されているパスを確認して、以下のAまたはBに該当しないか確認する。
A.ローカルフォルダにファイルが存在しない。
B.ファイルのバージョンまたはファイル更新日時に差異がある。
【0101】
モジュール整合性チェック部102eは、AまたはBに該当する場合は差異がありと判定し、これに対して、これ以外の場合は(AとBのどちらにも該当しない場合は)差異がなしと判定する。
【0102】
なお、モジュール整合性チェック部102eは、「B」に該当するかの判断を行うにあたって、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、前記フォルダと、を比較するが、この際、共通システム配布モジュールマスタ106bと、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、の間で、同じモジュール名が存在する場合には、当該同じモジュール名で特定されるモジュールについては、共通システム配布モジュールマスタ106bと前記フォルダとを優先して比較する。
【0103】
(5-6)モジュール同期処理
モジュール同期部102fは、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fに格納されているモジュールを、「配置パス」で指定されるパスに、ダウンロードする。モジュール同期部102fは、この際、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、共通システム配布モジュールマスタ106bと、の間で同じモジュールが存在する場合、共通システム配布モジュールマスタ106bにあるモジュールを優先してダウンロードする。
【0104】
[5.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を説明する。本項目では、初回業務システム導入時の処理を以下の[5-1]で説明し、バージョンアップ時(DBオブジェクトに変更が加わる場合)の処理を以下の[5-2]で説明し、バージョンアップ時(モジュールに変更が加わる場合)の処理を以下の[5-3]で説明し、後発の業務システム導入時の処理を以下の[5-4]で説明し、システム起動時の処理を以下の[5-5]で説明する。
【0105】
[5-1.初回業務システム導入時]
本項目では、初回業務システム導入時の処理について、
図12のフローチャートを参照しつつ、
図13~
図15を用いて説明する。
【0106】
(1)DB復元
DB復元部102aは、各業務システム追加時、雛形となるDBをDBサーバに復元する(
図12のステップS2)。本例においては、
図13に示すように、統合パッチ管理DB、人事システムDBおよび給与システムDBを復元する状況を考えている。
【0107】
(2)DBオブジェクト整合性チェック
同一バージョンのシステムDB一式から復元した場合、DBオブジェクトの差異は発生しない。このため、DBオブジェクト整合性チェック部102bは、不整合が存在しないと判定する(
図12のステップS3:OK)。
【0108】
(3)DBオブジェクト同期処理
DBオブジェクト整合性チェックの結果がOKであるため(不整合が存在しないため)、DBオブジェクト同期処理は実施されない。
【0109】
(4)モジュール整合性チェック
DBを復元した直後は、APサーバおよびWEBサーバにモジュールが存在しないので、[4.処理の概要等]の(5-5)の「A.ローカルフォルダにファイルが存在しない」に該当する。このため、モジュール整合性チェック部102eは、不整合が存在すると判定する(
図12のステップS6:NG)。
【0110】
(5)モジュール同期処理
モジュール整合性チェックがNGのため(不整合が存在するため)、モジュール同期部102fは、モジュール同期処理を行う(
図12のステップS7)。具体的には、モジュール同期部102fは、
図14に示すAPモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fの内容を、APサーバおよびWEBサーバにダウンロードするが、この際、同期対象フォルダとして設定されたファイルに対しては、共通システム配布モジュールマスタ106bも考慮した同期制御を行う(同期をとりたくないシステムがある場合は、同期対象フォルダから外すことで対応可能である)。本例では、
図14に示すように、人事APフォルダ\Bin、給与APフォルダ\Bin、人事WEBフォルダ\Binおよび給与WEBフォルダ\Binという4つのフォルダが同期対象フォルダとして設定されているため、モジュール同期部102fは、共通システム配布モジュールマスタ106bと、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、の間で、同じモジュール名が存在する場合には、同じモジュール名で特定されるモジュールについては、共通システム配布モジュールマスタ106bの内容を、前記4つのフォルダにダウンロードする。これにより、APサーバにおける人事APフォルダ\Binおよび給与APフォルダ\BinならびにWEBサーバにおける人事WEBフォルダ\Binおよび給与WEBフォルダ\Binの内容は、
図15に示すとおりに更新される。
【0111】
モジュール同期処理により、モジュール整合性チェックの結果がOKとなるため(
図12のステップS6においてOK)、本項目における処理が終了する(
図12のエンド)。
【0112】
[5-2.バージョンアップ時(DBオブジェクトに変更が加わる場合)]
本項目では、バージョンアップ時(DBオブジェクトに変更が加わる場合)の処理について、
図12のフローチャートを参照しつつ、
図16~
図17を用いて説明する。なお、本項目においては、[5-1.初回業務システム導入時]の全行程完了後の環境を想定している。
【0113】
(1)DBオブジェクト整合性チェック
DBオブジェクト整合性チェックの結果は、OKであるという前提とする(
図12のステップS3においてOK)。
【0114】
(2)DBオブジェクト同期処理
DBオブジェクト整合性チェックの結果がOKであるため(不整合が存在しないため)、DBオブジェクト同期処理は実施されない。
【0115】
(3)パッチ適用処理
パッチ適用部102dは、
図16に示すパッチを適用する(
図12のステップS5)。具体的には、パッチ適用部102dは、以下の1~3の処理を行う。
【0116】
1.
図16を参照すると、共通システムスクリプトフォルダ以下にDBスクリプトがあるので、パッチ適用部102dは、共通システムスクリプト同期管理マスタ106cを参照して、適用元業務システムが「共通システム」である適用先業務システムの全てのDBに、共通システムスクリプトフォルダの内容を適用する。
【0117】
2.パッチ適用部102dは、統合パッチ管理DBの適用済パッチバージョンマスタ106aを更新する。この際、パッチ適用部102dは、「共通システムスクリプトフォルダ」があるので、「同期フラグ」をtrueにする。更新後の適用済パッチバージョンマスタ106aを、
図17に示す。
【0118】
3.パッチ適用部102dは、業務システムDBのパッチ適用履歴マスタ106dを更新する。更新後のパッチ適用履歴マスタ106dを、
図17に示す。
【0119】
なお、以下の2点の状態については、[5-1.初回業務システム導入時]全行程完了後の環境と同じなので、記載は割愛する。
・DBサーバのモジュールマスタ
・APサーバおよびWEBサーバの状態
【0120】
(4)モジュール整合性チェック
モジュール整合性チェックの結果は、OKであるという前提とする(
図12のステップS6においてOK)。
【0121】
(5)モジュール同期処理
モジュール整合性チェックの結果がOKであるため(不整合が存在しないため)、モジュール同期処理は実施されない。以上により、本項目における処理が終了する(
図12のエンド)。
【0122】
[5-3.バージョンアップ時(モジュールに変更が加わる場合)]
本項目では、バージョンアップ時(モジュールに変更が加わる場合)の処理について、
図12のフローチャートを参照しつつ、
図18~
図22を用いて説明する。なお、本項目においては、[5-2.バージョンアップ時(DBオブジェクトに変更が加わる場合)]の全行程完了後の環境を想定している。
【0123】
(1)DBオブジェクト整合性チェック
DBオブジェクト整合性チェックの結果は、OKであるという前提とする(
図12のステップS3においてOK)。
【0124】
(2)DBオブジェクト同期処理
DBオブジェクト整合性チェックの結果がOKであるため(不整合が存在しないため)、DBオブジェクト同期処理は実施されない。
【0125】
(3)パッチ適用処理
パッチ適用部102dは、
図18に示すパッチを適用する(
図12のステップS5)。具体的には、パッチ適用部102dは、人事システムに関しては以下の1~4の処理を行い、共通システムに関しては以下の1~2の処理を行う。
【0126】
(3-1)人事システムに関して
1.パッチ適用部102dは、業務システムAPモジュールフォルダ以下にあるモジュールを、人事システムDBのAPモジュールマスタ106eに格納する。格納後のAPモジュールマスタ106e(人事システム)を、
図19に示す。
【0127】
2.パッチ適用部102dは、業務システムWEBモジュールフォルダ以下にあるモジュールを、人事システムDBのWEBモジュールマスタ106fに格納する。格納後のWEBモジュールマスタ106f(人事システム)を、
図19に示す。
【0128】
3.パッチ適用部102dは、統合パッチ管理DBの適用済パッチバージョンマスタ106aを更新する。なお、
図19においては、説明の簡便化のため、業務システムのパッチの適用履歴は割愛している。
【0129】
4.パッチ適用部102dは、人事システムDBのパッチ適用履歴マスタ106dを更新する。更新後のパッチ適用履歴マスタ106dを、
図19に示す。
【0130】
(3-2)共通システムに関して
1.パッチ適用部102dは、共通システムモジュールフォルダ以下にあるモジュールを、統合パッチ管理DBの共通システム配布モジュールマスタ106bに格納する。格納後の共通システム配布モジュールマスタ106bを、
図19に示す。
【0131】
2.パッチ適用部102dは、統合パッチ管理DBの適用済パッチバージョンマスタ106aを更新する。更新後の適用済パッチバージョンマスタ106aを、
図19に示す。
【0132】
なお、以下の状態については、[5-2.バージョンアップ時(DBオブジェクトに変更が加わる場合)]全行程完了後の環境と同じなので、記載は割愛する。
・DBサーバの共通システムスクリプト同期管理マスタ106cおよび元号マスタの状態
【0133】
(4)モジュール整合性チェック
パッチ適用直後、DBサーバのモジュールマスタと、APサーバおよびWEBサーバのローカルフォルダと、の間に不整合が発生する(
図12のステップS6においてNG)。具体的には、
図20には、バージョンアップ時(モジュールに変更が加わる場合)のパッチ適用処理後における、APサーバおよびWEBサーバ内のフォルダの状態を示しているが、
図20の内容は、[5-1.初回業務システム導入時]の「(5)モジュール同期処理」後のAPサーバおよびWEBサーバの状態を示す
図15と同様である。本項目[5-3]で更新した
図19のDBサーバのモジュールマスタと、本項目[5-3]ではまだ更新していない
図20のAPサーバおよびWEBサーバのローカルフォルダと、を比較すると、
図20においてハッチングで囲んで示した部分が、[4.処理の概要等]の(5-5)の「B.ファイルのバージョンまたはファイル更新日時に差異がある」に該当するため、不整合発生箇所である(なお、モジュール整合性チェック部102eは、
図19に示すように、共通システム配布モジュールマスタ106bと、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、の間で、同じモジュール名として、「共通システムA.exe」、「共通システムB.dll」および「共通システムAA.dll」という3つのモジュールが存在しているため、当該3つのモジュールについては、共通システム配布モジュールマスタ106bと前記フォルダとを優先して比較する)。このため、モジュール整合性チェック部102eは、不整合が存在すると判定する(
図12のステップS6においてNG)。
【0134】
(5)モジュール同期処理
モジュール整合性チェックがNGのため(不整合が存在するため)、モジュール同期部102fは、以下のルール1~2に従い、モジュール同期処理を行う(
図12のステップS7)。
ルール1.モジュール同期部102fは、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fに格納されているモジュールを、「配置パス」で指定されるパスにダウンロードする。
ルール2.モジュール同期部102fは、この際、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、共通システム配布モジュールマスタ106bと、で同じモジュールが存在した場合、共通システム配布モジュールマスタ106bにあるモジュールを優先してダウンロードする。
なお、以下に関しては、モジュール整合性チェックのチェック対象でないので記載を割愛する。
・DBサーバの共通システムスクリプト同期管理マスタ106cおよび元号マスタの状態
【0135】
具体的には、モジュール同期部102fは、
図21に示すAPモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fの内容を、APサーバおよびWEBサーバにダウンロードするが、この際、同期対象フォルダとして設定されたファイルに対しては、共通システム配布モジュールマスタ106bも考慮した同期制御を行う(同期をとりたくないシステムがある場合は、同期対象フォルダから外すことで対応可能である)。本例では、
図21に示すように、人事APフォルダ\Bin、給与APフォルダ\Bin、人事WEBフォルダ\Binおよび給与WEBフォルダ\Binという4つのフォルダが同期対象フォルダとして設定されているため、モジュール同期部102fは、共通システム配布モジュールマスタ106bと、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、の間で、同じモジュール名が存在する場合には、同じモジュール名で特定されるモジュールについては、共通システム配布モジュールマスタ106bの内容を、前記4つのフォルダにダウンロードする。
【0136】
つまり、モジュール同期部102fは、原則としては、ルール1.に従い、
図21に示すAPモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fの内容を、APサーバおよびWEBサーバにダウンロードする。しかしながら、ルール2.も考慮すると、「共通システムA.exe」、「共通システムB.dll」および「共通システムAA.dll」という3つのモジュールは、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、共通システム配布モジュールマスタ106bと、の間で共通して存在しているため、モジュール同期部102fは、
図21の共通システム配布モジュールマスタ106bにあるモジュール(ファイルバージョン:1.3)を優先してダウンロードする。
【0137】
以上の処理により、APサーバにおける人事APフォルダ\Binおよび給与APフォルダ\BinならびにWEBサーバにおける人事WEBフォルダ\Binおよび給与WEBフォルダ\Binの内容は、
図22に示すとおりに更新される。
【0138】
モジュール同期処理により、モジュール整合性チェックの結果がOKとなるため(
図12のステップS6においてOK)、処理が終了する(
図12のエンド)。
【0139】
[5-4.後発の業務システム導入時]
本項目では、後発の業務システム導入時の処理について、
図12のフローチャートを参照しつつ、
図23~
図30を用いて説明する。なお、本項目においては、[5-3.バージョンアップ時(モジュールに変更が加わる場合)]の全行程完了後の環境を想定している。
【0140】
(1)DB復元
DB復元部102aは、
図23に示すように、会計システムDBをDBサーバに復元する(
図12のステップS2)。
【0141】
(2)DBオブジェクト整合性チェック
DBオブジェクト整合性チェック部102bは、以下の1~3に示す順序で、DBオブジェクトの整合性チェックを行う(
図12のステップS3)。
【0142】
1.DBオブジェクト整合性チェック部102bは、
図24の適用済パッチバージョンマスタ106aから、「同期フラグ」がtrueの行を抽出する(すなわち、同期が必要なパッチの一覧を取得する)。これにより、DBオブジェクト整合性チェック部102bは、「20200115.共通システム」を抽出する。
【0143】
2.DBオブジェクト整合性チェック部102bは、
図24の適用済パッチバージョンマスタ106aの「業務システム」と、
図24の共通システムスクリプト同期管理マスタ106cの「適用元業務システム」と、が合致する列を抽出することにより、適用先業務システムの一覧を取得する。これにより、DBオブジェクト整合性チェック部102bは、人事システム、給与システムおよび会計システムを抽出する。
【0144】
3.DBオブジェクト整合性チェック部102bは、
図24の共通システムスクリプト同期管理マスタ106cの「適用先業務システム」で指定される業務についての
図24のパッチ適用履歴マスタ106dを参照し、1.で説明した
図24の適用済パッチバージョンマスタ106aの「パッチバージョン」と一致する履歴が存在するかチェックする(すなわち、パッチ適用チェックする)。これにより、DBオブジェクト整合性チェック部102bは、人事システムには、「20200115.共通システム」の履歴が存在するため整合性チェックOKと判定し、給与システムにも、「20200115.共通システム」の履歴が存在するため整合性チェックOKと判定する。これに対して、DBオブジェクト整合性チェック部102bは、会計システムには、「20200115.共通システム」の履歴が存在しないため、整合性チェックNGと判定する。
【0145】
なお、以下に関しては、DBオブジェクト整合性のチェック対象でないので記載を割愛する。
・DBサーバのモジュールマスタの状態
・APサーバおよびWEBサーバの状態
【0146】
(3)DBオブジェクト同期処理
DBオブジェクト同期部102cは、
図25に示すように、会計システムに、「20200115.共通システム」パッチを適用するDBオブジェクト同期処理を行う(
図12のステップS4)。DBオブジェクト同期処理により、DBオブジェクト整合性チェックの結果がOKとなる(
図12のステップS3においてOK)。
【0147】
(4)モジュール整合性チェック
会計システムDBを復元した直後は、APサーバおよびWEBサーバに会計システムのモジュールが存在しないので、[4.処理の概要等]の(5-5)の「A.ローカルフォルダにファイルが存在しない」に該当する。このため、モジュール整合性チェック部102eは、不整合が存在すると判定する(
図12のステップS6:NG)。
【0148】
(5)モジュール同期処理
モジュール整合性チェックがNGのため(不整合が存在するため)、モジュール同期部102fは、以下のルール1~2に従い、モジュール同期処理を行う(
図12のステップS7)。
ルール1.モジュール同期部102fは、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fに格納されているモジュールを、「配置パス」で指定されるパスにダウンロードする。
ルール2.モジュール同期部102fは、この際、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、共通システム配布モジュールマスタ106bと、で同じモジュールが存在した場合、共通システム配布モジュールマスタ106bにあるモジュールを優先してダウンロードする。
なお、以下に関しては、モジュール整合性チェックのチェック対象でないので記載を割愛する。
・DBサーバの共通システムスクリプト同期管理マスタ106cおよび元号マスタの状態
【0149】
以下、同期対象フォルダ設定ファイルの同期対象フォルダが、設定されている場合と設定されていない場合とに分けて説明をする。
【0150】
(5-1)同期対象フォルダが設定されている場合
同期対象フォルダ設定ファイルの同期対象フォルダが設定されている場合、モジュール同期部102fは、
図26に示すAPモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fの内容を、APサーバおよびWEBサーバにダウンロードするが、この際、同期対象フォルダとして設定されたファイルに対しては、共通システム配布モジュールマスタ106bも考慮した同期制御を行う(同期をとりたくないシステムがある場合は、同期対象フォルダから外すことで対応可能である)。本例では、
図26に示すように、人事APフォルダ\Bin、給与APフォルダ\Bin、会計APフォルダ\Bin、人事WEBフォルダ\Bin、給与WEBフォルダ\Binおよび会計WEBフォルダ\Binという6つのフォルダが同期対象フォルダとして設定されているため、モジュール同期部102fは、共通システム配布モジュールマスタ106bと、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、の間で、同じモジュール名が存在する場合には、同じモジュール名で特定されるモジュールについては、共通システム配布モジュールマスタ106bの内容を、前記6つのフォルダにダウンロードする。
【0151】
つまり、モジュール同期部102fは、原則としては、ルール1.に従い、
図26に示すAPモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fの内容を、APサーバおよびWEBサーバにダウンロードする。しかしながら、ルール2.も考慮すると、「共通システムA.exe」、「共通システムB.dll」および「共通システムAA.dll」という3つのモジュールは、APモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fと、共通システム配布モジュールマスタ106bと、の間で共通して存在しているため、モジュール同期部102fは、
図26の共通システム配布モジュールマスタ106bにあるモジュール(ファイルバージョン:1.3)を優先してダウンロードする。
【0152】
以上の処理により、APサーバにおける人事APフォルダ\Bin、給与APフォルダ\Binおよび会計APフォルダ\Binは、
図27に示すとおりに更新され、また、WEBサーバにおける人事WEBフォルダ\Bin、給与WEBフォルダ\Binおよび会計WEBフォルダ\Binは、
図28に示すとおりに更新される。
【0153】
図27に示すように、APサーバにおいて、人事APフォルダ\Binおよび給与APフォルダ\Binと、会計APフォルダ\Binと、の間で整合性がとれている。また、
図28に示すように、WEBサーバにおいて、人事WEBフォルダ\Binおよび給与WEBフォルダ\Binと、会計WEBフォルダ\Binと、の間で整合性がとれている。
【0154】
以上、本項目(5-1)で説明したように、同期対象フォルダ設定ファイルの同期対象フォルダが設定されている場合、共通システム配布モジュールマスタ106bに存在するモジュールを優先することで、
図27および
図28に示すように、全システムの同期がとられる。
【0155】
モジュール同期処理により、モジュール整合性チェックの結果がOKとなるため(
図12のステップS6においてOK)、処理が終了する(
図12のエンド)。
【0156】
(5-2)同期対象フォルダが設定されていない場合
同期対象フォルダ設定ファイルの同期対象フォルダが設定されていない場合、モジュール同期部102fは、
図26に示すAPモジュールマスタ106eおよびWEBモジュールマスタ106fの内容を、APサーバおよびWEBサーバにダウンロードする。これにより、APサーバにおける人事APフォルダ\Bin、給与APフォルダ\Binおよび会計APフォルダ\Binは、
図29に示すとおりに更新され、また、WEBサーバにおける人事WEBフォルダ\Bin、給与WEBフォルダ\Binおよび会計WEBフォルダ\Binは、
図30に示すとおりに更新される。
【0157】
図29に示すように、APサーバにおいて、人事APフォルダ\Binおよび給与APフォルダ\Binと、会計APフォルダ\Binと、の間で不整合が発生している。また、
図30に示すように、WEBサーバにおいて、人事WEBフォルダ\Binおよび給与WEBフォルダ\Binと、会計WEBフォルダ\Binと、の間で不整合が発生している。
【0158】
以上、本項目(5-2)で説明したように、同期対象フォルダ設定ファイルの同期対象フォルダが設定されていない場合、業務システムごとに異なるバージョンの共通システムモジュールが取得されるため、
図29および
図30に示すように、システム不整合が発生する。
【0159】
[5-5.システム起動時の処理]
本項目では、システム起動時の処理について、
図12のフローチャートを参照して説明する。
【0160】
(1)DBオブジェクト整合性チェック
システム停止が伴うため自動で同期をとることは想定していないが、必要に応じて、DBオブジェクト整合性チェック部102bに自動でDBオブジェクト整合性チェックを行わせるようにしても良い。例えば、人的な作業ミス等が要因で整合性チェックがNGになった場合(
図12のステップS8においてNGの場合)、例えば、以下に示すエラーが表示される。
エラー:「××システムに以下のパッチが適用されていません。パッチを適用し、システムを最新にして下さい。(以降、適用されていないパッチの一覧を表示)」
【0161】
(2)モジュール整合性チェック
これに対して、DBオブジェクト整合性チェックの結果がOKである場合(
図12のステップS8においてOK)、モジュール整合性チェック部102eは、モジュール整合性チェックを行う。納品時の作業ミス等で、パッチ適用処理の後に、モジュール整合性チェックを忘れていた場合等に、モジュール整合性チェックの結果がNGとなることがある(
図12のステップS6:NG)。
【0162】
(3)モジュール同期処理
モジュール整合性チェックの結果がNGだった場合、モジュール同期部102fは、[5-3.バージョンアップ時(モジュールに変更が加わる場合)の処理]の「(5)モジュール同期処理」と同様の方法で、モジュール同期処理を行う(
図12のステップS7)。
【0163】
モジュール同期処理により、モジュール整合性チェックの結果がOKとなるため(
図12のステップS6においてOK)、本項目における処理が終了する(
図12のエンド)。
【0164】
[6.本実施形態のまとめ]
このように、本実施形態に係る同期制御装置100によれば、システム毎に管理を分けることができるというメリットを享受しつつ、システム全体の整合性の担保が困難であるというデメリットを解消することができる。
【0165】
[7.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0166】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0167】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0168】
[8.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0169】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0170】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0171】
また、同期制御装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0172】
例えば、同期制御装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて同期制御装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0173】
また、このコンピュータプログラムは、同期制御装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0174】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0175】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0176】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0177】
また、同期制御装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、同期制御装置100、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0178】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明は、あらゆる業界および業種において有用である。
【符号の説明】
【0180】
100 同期制御装置
102 制御部
102a DB復元部
102b DBオブジェクト整合性チェック部
102c DBオブジェクト同期部
102d パッチ適用部
102e モジュール整合性チェック部
102f モジュール同期部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 適用済パッチバージョンマスタ
106b 共通システム配布モジュールマスタ
106c 共通システムスクリプト同期管理マスタ
106d パッチ適用履歴マスタ
106e APモジュールマスタ
106f WEBモジュールマスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク