(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022132254
(43)【公開日】2022-09-08
(54)【発明の名称】タイルユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
E04F 13/08 20060101AFI20220901BHJP
E04F 15/08 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
E04F13/08 102F
E04F13/08 102T
E04F15/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021031280
(22)【出願日】2021-02-27
(71)【出願人】
【識別番号】395018055
【氏名又は名称】株式会社セラメッセ
(74)【代理人】
【識別番号】100098741
【弁理士】
【氏名又は名称】武蔵 武
(72)【発明者】
【氏名】水野 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】千葉 精優
【テーマコード(参考)】
2E110
2E220
【Fターム(参考)】
2E110AA57
2E110BA13
2E110EA02
2E110EA09
2E110GA34W
2E110GA42Z
2E110GB26W
2E110GB42Z
2E220AA33
2E220FA01
2E220GA26X
2E220GA27Z
2E220GB15X
2E220GB32Z
(57)【要約】
【課題】客側の希望に添った製品の短期間での納品を可能にするタイルユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】目地幅相当の間隔Sを開けて所定の配列に並べられた所定数のタイルTと、所定数のタイルTをシート状に連結する連結手段Pと、からなるタイルユニットUの製造方法であって、外周形状と表面形状と表面色の少なくとも一つが異なる複数の種類のタイルTを各種類毎に製造する第1工程と、タイルユニットUを構成する配列パターン1のメニュー2の中から一つの配列パターン1を客側が選択すると共にその配列パターン1の各位置に配置するタイルTを複数の種類の中から客側が選択してタイルユニットUのデザインを決定する第2工程と、第2工程で決定されたデザインどおりにタイルTを並べて連結手段Pで連結する第3工程と、からなることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目地幅相当の間隔を開けて所定の配列に並べられた所定数のタイルと、
前記所定数のタイル同士をシート状に連結する連結手段と、からなるタイルユニットの製造方法であって、
外周形状と表面形状と表面色の少なくとも一つが異なる複数の種類のタイルを各種類毎に製造する第1工程と、
前記タイルユニットを構成する配列パターンのメニューの中から一つの配列パターンを客側が選択すると共にその配列パターンの各位置に配置するタイルを前記複数の種類の中から客側が選択してタイルユニットのデザインを決定する第2工程と、
前記第2工程で決定されたデザインどおりに前記タイルを並べて前記連結手段で連結する第3工程と、からなることを特徴とするタイルユニットの製造方法。
【請求項2】
前記タイルは、長方形で長辺が短辺の約2倍である外周形状のAタイプと、
長方形で長辺が前記Aタイプの長辺の約1.5倍であり、短辺が前記Aタイプと同じである外周形状のBタイプと、
長方形で長辺が前記Bタイプの長辺と同じであり、短辺が前記Bタイプの短辺の約0.5倍である外周形状のCタイプと、からなることを特徴とする請求項1記載のタイルユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定数のタイル同士を樹脂製ネットやクラフト紙などの連結手段でシート状に連結してなるタイルユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
目地幅相当の間隔を開けて所定の配列に並べられた所定数のタイル同士を、樹脂製ネットやクラフト紙などの連結手段でシート状に連結してなるタイルユニットがある。
かかるタイルユニットは、所定数のタイルをまとめて貼り付けることができるため、個々のタイルを一枚ずつ現場で貼り付ける工法に比べて作業性が良く、そのため現在広く普及している(特許文献1参照)。
【0003】
しかしてタイルユニットは、建築デザイナーや建築士等の客側が、商品カタログや商品見本、さらには施工例などを参考にしてデザインを決定し、それをタイルメーカーに発注して製造するか、または、タイルメーカー側がデザインしたものを大量に製造し、その中から好みのものを選択するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のタイルユニットの製造方法のうち、客側がデザインしてタイルメーカーに発注する前者の場合には、高額な製造コストが発生し、また、デザインが決定してからタイルを製造するため、納品までに長期間を要する。
一方、タイルメーカー側が量産した既成のタイルユニットの中から客側が選択する後者の場合には、大きな在庫を抱え込むリスクを避けるため万人受けする無難なデザインに流れる傾向にあり、しかも種類も少なく面白みに欠ける、という問題があった。
【0006】
本発明は上記に鑑みなされたもので、その目的は、客側の希望に添った製品の短期間での納品を可能にしたタイルユニットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため本発明は、
目地幅相当の間隔を開けて所定の配列に並べられた所定数のタイルと、
前記所定数のタイル同士をシート状に連結する連結手段と、からなるタイルユニットの製造方法であって、
外周形状と表面形状と表面色の少なくとも一つが異なる複数の種類のタイルを各種類毎に製造する第1工程と、
前記タイルユニットを構成する配列パターンのメニューの中から一つの配列パターンを客側が選択すると共にその配列パターンの各位置に配置するタイルを前記複数の種類の中から客側が選択してタイルユニットのデザインを決定する第2工程と、
前記第2工程で決定されたデザインどおりに前記タイルを並べて前記連結手段で連結する第3工程と、からなるタイルユニットの製造方法を提供する。
【0008】
また、請求項2に記載したように、
前記タイルは、長方形で長辺が短辺の約2倍である外周形状のAタイプと、
長方形で長辺が前記Aタイプの長辺の約1.5倍であり、短辺が前記Aタイプと同じである外周形状のBタイプと、
長方形で長辺が前記Bタイプの長辺と同じであり、短辺が前記Bタイプの短辺の約0.5倍である外周形状のCタイプと、からなる請求項1記載のタイルユニットの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のタイルユニットの製造方法によれば、第1工程で製造した全種類のタイルを準備した状態で、第2工程において客側がタイルユニットのデザインを決定するため、第3工程でのタイルユニットの製造が短期間で行える。したがって、客側の希望に添ったデザインの製品が短期間で納品できる。
【0010】
また、請求項2に記載のタイルユニットの製造方法によれば、組み合わせの柔軟性が高い寸法関係のタイルに種類を絞ったことにより、配列パターンのバリエーションを豊富に保ったまま第1工程で製造するタイルの種類を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】(a)は表側から見たタイルユニットの斜視図、(b)は裏側から見たタイルユニットの斜視図である。
【
図2】(a)はAタイプのタイル(45二丁タイル)の斜視図、(b)はBタイプのタイル(45三丁タイル)の斜視図、(c)はCタイプのタイル(45三丁ハーフボーダータイル)の斜視図である。
【
図3】配列パターンのメニューを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
[タイルユニット]
図1(a)、(b)は、タイルユニットUの一例を示す表側と裏側から見た斜視図である。このタイルユニットUは、目地幅相当の間隔Sを縦横に開けて所定の配列に並べられた所定数(実施形態では18枚)のタイルT,T…と、各タイルT,T…同士を一枚のシート状に連結する樹脂製ネットの連結手段Pと、からなる。なお、実施形態の連結手段Pは、樹脂製ネットをタイルT,T…の裏面に接着剤などで貼り付けるようになっているが、クラフト紙をタイルTの表面側に糊付けするようにしたり、透明な合成樹脂シートをタイルTの表面側に剥離可能な接着剤で貼り付けるようにしてもよく、要するに連結手段Pは、各タイルT,T…同士を一枚のシート状に連結することができればよいものであり、特定の構成に限定されない。
【0013】
[タイルユニットの製造方法]
タイルユニットUの製造方法は、外周形状と表面形状と表面色の少なくとも一つが異なる複数の種類のタイルT,T…を各種類毎に製造する第1工程と、タイルユニットUを構成する配列パターン1のメニュー2(
図3参照)の中から一つの配列パターン1を客側が選択すると共にその配列パターン1の各位置に配置するタイルTを複数の種類の中から客側が選択してタイルユニットUのデザインを決定する第2工程と、その第2工程で決定されたデザインどおりにタイルTを並べて連結手段Pで連結する第3工程と、からなる。
【0014】
[第1工程]
第1工程で製造されるタイルTは、外周形状と表面形状と表面色の少なくとも一つが異なる複数の種類に分けられる。
実施形態のタイルTは、
図2(a)に示したように長方形で、長辺が短辺の約2倍である外周形状のAタイプ(以下、「45二丁タイル」ともいう。なお、ここでいう「45二丁」とは、一辺が45mmである正方形のタイル二枚分の意味である。)と、
図2(b)に示したように長方形で、長辺が45二丁タイルTの長辺の約1.5倍であり、短辺が45二丁タイルTと同じである外周形状のBタイプ(以下、「45三丁タイル」ともいう。)と、長方形で、長辺が45三丁タイルTの長辺と同じであり、短辺が45三丁タイルTの約0.5倍である外周形状のCタイプ(以下、「45三丁ハーフボーダータイル」ともいう。)と、からなる。
また、実施形態のタイルTには、平らなフラット面と、石肌調の石面と、岩肌調のロック面の表面形状(面状)があり、各外周形状に表面形状が二種類ずつ設定され、さらに各タイプのそれぞれに表面色が18色設定されている。具体的には、45二丁タイルTにはフラット面とロック面の面状で各18色、45三丁タイルTには石面とロック面の面状で各18色、45三丁ハーフボーダータイルTにはフラット面と石面の面状で各18色の設定がある。
以上のタイルTの全種類について既存の製造方法で製造して保管する。
【0015】
[第2工程]
次に、第2工程でタイルユニットUのデザインを決定する。
このタイルユニットUのデザインは、第1工程で製造済みのタイルTの中から選択可能であるが、タイルユニットUのデザインには、同じタイルユニットUを上下左右につなげて面方向に連続させなければならない特殊性があるため、実施可能な配列パターン1をタイルメーカー側が創作して
図3に示したようなメニュー2を作成し、その中から客側が選択するようになっている。
実施形態のメニュー2では、各行ごとに、45二丁タイルTと、45三丁タイルTと、45三丁ハーフボーダータイルTのそれぞれ単独と、異なるタイプ同士を組み合わせた複数の配列パターン1(
図3の例では7行×5種の全35種)が掲載されている。客側は、かかるメニュー2の中から一つの配列パターン1(例えば、メニュー2の[No.(1)-E])を選択し、さらにその配列パターン1に使用するタイルTを前記の種類の中から選択し、そうして希望するタイルユニットUのデザインを決定する。
なお、メニュー2の配列パターン1の数は任意であり、また、表示媒体も紙はもちろん、コンピューターのディスプレイや実物の商品見本であってもよい。また、配列パターン1は、
図3のような一覧形式で掲載する場合に限定されず、例えば一枚ずつのカード形式にするなどしてもよい。
【0016】
[第3工程]
上記の第2工程で決定したデザインに基づき、指定された種類のタイルTを指定された配置に並べて連結手段Pで連結する作業を行う。この第3工程は、例えば型パレットにタイルTを並べてその裏面に連結手段Pたる樹脂製ネットを接着する、というように既存の設備と方法で実施できる。
この第3工程でタイルTを使用した結果、当然該当するタイルTの在庫は減少するが、その減少分を直ぐさま第1工程で補充するようにすれば、第2工程で客側のデザインが決定すると直ぐ第3工程を開始することが可能であり、したがって客側の希望に添ったデザインのものが短期間で、しかも安価に納品できる。
【符号の説明】
【0017】
1 …配列パターン
2 …メニュー
S …間隔
T …タイル
P …連結手段
U …タイルユニット